JP5402142B2 - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
フェノール樹脂成形材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5402142B2 JP5402142B2 JP2009073028A JP2009073028A JP5402142B2 JP 5402142 B2 JP5402142 B2 JP 5402142B2 JP 2009073028 A JP2009073028 A JP 2009073028A JP 2009073028 A JP2009073028 A JP 2009073028A JP 5402142 B2 JP5402142 B2 JP 5402142B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molding material
- resistance
- weight
- resin
- phenol resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
このため、これを改良する手段として、フェノール樹脂と無機質基材及び有機質基材と硼酸及び硼酸亜鉛の組み合わせによる検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)が、無機質基材に含有される結晶水が少ないために、耐トラッキング性が劣る問題があった。また、フェノール樹脂と無機質基材とガラス繊維とポリビニルブチラールの組み合わせによる検討もなされている(例えば、特許文献2参照。)が、耐摩耗性が劣る問題があった。
[1]
(a)フェノール樹脂、
(b)ガラス繊維、
(c)有機天然繊維、
(d)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム、
(e)硼酸亜鉛、
を含有するフェノール樹脂成形材料であって、上記成形材料全体に対して、上記(b)〜(e)成分を含む充填材の合計含有量が40〜65重量%であり、
上記(b)〜(e)成分を含む充填材の合計含有量に対する上記(b)〜(e)各成分の含有量が、(b)40〜80重量%、(c)5〜30重量%、(d)5〜30重量%、(e)1〜10重量%、であることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
[2]上記(a)フェノール樹脂として、レゾール型フェノール樹脂を含有するものである上記[1]に記載のフェノール樹脂成形材料。
本発明の成形材料は、
(a)フェノール樹脂、
(b)ガラス繊維、
(c)有機天然繊維、
(d)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム、
(e)硼酸亜鉛、
を含有するフェノール樹脂成形材料であって、上記成形材料全体に対して、上記(b)〜(e)成分を含む充填材の合計含有量が40〜65重量%であり、
上記(b)〜(e)成分を含む充填材の合計含有量に対する上記(b)〜(e)各成分の含有量が、(b)40〜80重量%、(c)5〜30重量%、(d)5〜30重量%、(e)1〜10重量%、であることを特徴とする。
本発明で用いるフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂(以下、「ノボラック樹脂」ということがある)、レゾール型フェノール樹脂(以下、「レゾール樹脂」ということがある)を単独或いは併用して用いることができる。
例えば、レゾール樹脂を単独で用いる方法、レゾール樹脂とノボラック樹脂とを併用する方法、ノボラック樹脂を単独で用いる方法、などが挙げられる。
本発明の成形材料においては、レゾール樹脂を用いることが好ましい。具体的には、レゾール樹脂を単独で用いる方法、又は、レゾール樹脂とノボラック樹脂とを併用する方法が好ましい。
レゾール樹脂を単独で用いる場合は、硬化剤を使用することなく硬化させることができる。また、レゾール樹脂とノボラック樹脂とを併用する場合は、ノボラック樹脂を硬化させるためにレゾール樹脂を用いることができるので、この場合も、硬化剤を使用することなく硬化させることができる。
これにより、ノボラック樹脂を単独で用いる場合のように、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用せずに済むので、硬化時にアンモニアガスなどの腐食性のガスが発生するのを防ぐことができ、電子部品用途へ使用する場合に信頼性を高めることができる。
ここで用いられるガラス繊維としては特に限定されないが、例えば、通常のフェノール樹脂成形材料に用いられているチョップドストランドを好適に用いることができる。
ここで用いられる有機天然繊維としては特に限定されないが、例えば、解綿パルプ、粉末パルプ、原綿パルプ、粉砕布等を使用することができる。
有機天然繊維としては、成形材料化した際の解繊度、分散度、成形材料のかさばり等より、繊維長は1mm以下の細かいものが好ましい。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムとしては、粒径300μm以下であるものを好適に用いることができる。
ことができる。
硼酸亜鉛としては、粒径300μm以下であるものを好適に用いることができる。
充填材の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品の耐熱性、機械的強度、耐燃性、耐トラッキング性などの諸特性を良好なものとすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形材料を製造する際の作業性を良好なものとすることができる。
ガラス繊維の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品の機械的強度、耐熱性を良好なものとすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の耐摩耗性を良好なものとすることができる。
有機天然繊維の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品の耐磨耗性を良好なものとすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、耐燃性、耐トラッキング性、成形時のホッパーにおける材料の注流性を良好なものとすることができる。
水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムの含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品の耐燃性、耐トラッキング性を良好なものとすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、機械的強度、耐摩耗性を良好なものとすることができる。
硼酸亜鉛の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形品の耐燃性、耐トラッキング性を良好なものとすることができる。また、上記上限値以下とすることにより、硬化性、機械的強度、耐磨耗性を良好なものとすることができる。
まず、ガラス繊維と有機天然繊維とを併用することにより、以下の効果が得られる。すなわち、機械的強度や耐熱性の向上には有効であるが、過剰に配合すると耐磨耗性に影響するガラス繊維と、耐摩耗性の向上に有効な有機天然繊維とを所定量併用することにより、所望とする機械的強度、耐摩耗性のいずれをも高い水準で発現させることができる。
さらに、硼酸亜鉛と水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムを所定量併用することにより、以下の効果が得られる。すなわち、燃焼時における硼酸亜鉛の炭化層やガラス層の形成促進による内部可燃物の保護ならびに酸素遮断層の形成と、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムに含有される結晶水の脱水時の吸熱作用による相乗効果で、所望とする耐燃性、耐トラッキング性のいずれをも高い水準で発現させることがで
きる。
本発明の成形材料ではこのように、これらの充填材を所定量組み合わせて配合することにより、この成形材料を成形してなる成形品に優れた機械的強度、耐摩耗性、耐燃性、及び、耐トラッキング性を付与することができるものである。
何れの製造方法でも、上記の本発明の配合組成であれば、耐燃性、機械的強度、耐摩耗性、耐トラッキング性に優れた成形材料が得られるが、耐熱性の点から、残存する揮発成分が少ない成形材料が得られるロール、コニーダ、押出し機で製造する方法が望ましい。
上記の如く得られた成形材料を、通常の射出成形、移送成形及び圧縮成形等の成形方法で加熱、加圧し硬化させることにより、優れた機械的強度、耐摩耗性、耐燃性、耐トラッキング性を有する成形品が得られる。
本実施例及び比較例に用いた各配合物は以下の通りである。
1)フェノール樹脂(レゾール型): ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂(
住友ベークライト社製PR−53529)
2)フェノール樹脂(ノボラック型): ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライ
ト社製A−1084)
3)ガラス繊維: オーウェンスコーニングジャパン社製チョップドストランド 繊維長3mm 繊維径11μm
4)有機天然繊維:川人商店社製80メッシュパス 粉砕布
5)水酸化アルミニウム:粒度80メッシュパス 住友化学工業社製ハイジライト
6)水酸化マグネシウム:粒度80メッシュパス 協和化学工業社製キスマ
7)タルク:粒度80メッシュパス 富士タルク工業社製SP
8)硼酸亜鉛:粒度80メッシュパス ボラックス・ジャパン社製Firebrake
9)ポリビニルブチラール:重合度1500 ブチラール化度70モル%
10)着色剤:カーボンブラック
11)離型剤:ステアリン酸
12)硬化促進剤:消石灰
上記で得られた成形材料を用いて、下記の(1)〜(5)の特性を測定するための試験片をトランスファー成形により作成した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。成形品による評価結果を表2に示した。
JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した。
(2)シャルピー衝撃強さ(機械的強度)
JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した。
(3)耐燃性
UL94 V−0規格「UL燃焼試験法」に準拠して、厚み3.2mmの試験片を測定した。
(4)磨耗量(耐摩耗性)
鈴木式摩耗試験法により測定した。データは成形品の摩耗量を示す。条件は下記の通り。
・荷重:20kg
・周速:50mm/sec
・時間:4時間
・相手材:アルミニウム
(5)耐トラッキング性
JIS C 2134「湿潤状態での固体電気絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指数を決定する試験方法」に準拠して測定した。
比較例2は有機天然繊維を添加せずにポリビニルブチラールを添加したが、耐摩耗性が低下した。
比較例3はガラス繊維の配合量が所定量より少なく、機械的強度が低下した。
比較例4は硼酸亜鉛を添加せず、耐燃性、耐トラッキング性が低下した。
比較例5は充填材の合計量が所定量より多いため、成形材料を製造することができなかった。
比較例6は充填材の合計量が所定量より少ないため、機械的強度が低下した。
Claims (2)
- (a)フェノール樹脂、
(b)ガラス繊維、
(c)有機天然繊維、
(d)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム、
(e)硼酸亜鉛、
を含有するフェノール樹脂成形材料であって、前記成形材料全体に対して、前記(b)〜(e)成分を含む充填材の合計含有量が40〜65重量%であり、
前記(b)〜(e)成分を含む充填材の合計含有量に対する前記(b)〜(e)各成分の含有量が、(b)40〜80重量%、(c)5〜30重量%、(d)5〜30重量%、(e)1〜10重量%、であることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。 - 前記(a)フェノール樹脂として、レゾール型フェノール樹脂を含有するものである請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009073028A JP5402142B2 (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009073028A JP5402142B2 (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010222510A JP2010222510A (ja) | 2010-10-07 |
JP5402142B2 true JP5402142B2 (ja) | 2014-01-29 |
Family
ID=43040042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009073028A Active JP5402142B2 (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5402142B2 (ja) |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0717814B2 (ja) * | 1985-05-20 | 1995-03-01 | 住友ベ−クライト株式会社 | コンミテ−タ用フエノ−ル樹脂成形材料 |
JPH07304929A (ja) * | 1994-05-11 | 1995-11-21 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
JP3526087B2 (ja) * | 1994-11-16 | 2004-05-10 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料 |
JPH08176401A (ja) * | 1994-12-21 | 1996-07-09 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂組成物 |
JPH1095894A (ja) * | 1996-09-26 | 1998-04-14 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
JP3543924B2 (ja) * | 1998-08-25 | 2004-07-21 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料 |
JP2001123041A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Fudow Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
JP4852290B2 (ja) * | 2005-10-12 | 2012-01-11 | 北越紀州製紙株式会社 | 建材用シート状不燃成形体 |
-
2009
- 2009-03-25 JP JP2009073028A patent/JP5402142B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010222510A (ja) | 2010-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007177147A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP4355979B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料組成物 | |
JP4931418B2 (ja) | フェノール樹脂組成物 | |
JP5504786B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP5402142B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP6718756B2 (ja) | コンミテータ、およびコンミテータの製造方法 | |
JP2005048009A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2006257116A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2002220507A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP5682625B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP5504803B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2006257114A (ja) | コンミテータ用フェノール樹脂成形材料 | |
JP4952192B2 (ja) | 熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP5879702B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP4492388B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP5286863B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP5033154B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料およびその成形品 | |
JP3270144B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2010100740A (ja) | フェノール樹脂成形材料、およびブレーキピストン | |
JP5381573B2 (ja) | 熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP2005247940A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2009235280A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2009221308A (ja) | 熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP2007177036A (ja) | コンミテータ用フェノール樹脂成形材料及びその製造方法 | |
JP2006265317A (ja) | フェノール樹脂成形材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111024 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131001 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131014 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5402142 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |