JP5286863B2 - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
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Description
近年の製品の小型化に伴い、成形品の小型化もしくは成形品周りのスペースの縮小により、成形品への熱の蓄積が起こることによる不具合が懸念される。このため成形品の熱放散性、つまり熱伝導率の向上が求められている。
(1)フェノール樹脂成形材料100重量部中に、フェノール樹脂15〜30重量部、タルク30〜50重量部、ウォラストナイト10〜40重量部を含有してなり、前記タルクの平均粒径が1〜50μmであり、前記ウォラストナイトが針状であり、その平均長さが0.1〜100μmであることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
フェノール樹脂成形材料中にタルクを多く配合させることにより、成形材料の電気絶縁性を損なうことなく熱伝導率を倍以上に向上させることができる。しかし、タルクの配合量が多い場合、成形材料の生産性や成形品の機械的強度が著しく低下する。
タルクの一部を他の充填材で置換すると、生産性や成形品の機械的強度の低下を抑えることができるが、熱伝導率が大きく低下する。
しかしながら、ウォラストナイトで置換する場合、熱伝導率の低下を抑えることができ、なおかつ、生産性や成形品の機械的強度の低下を抑えることができる。これは、ウォラストナイトが針状であるため、タルクの配合量を減少させても、タルク粒子間の橋渡しのような役目を果たし、効率よく熱を伝道させるためであると考える。
このことから、タルクとウォラストナイトを併用することにより、熱伝導率、電気絶縁性、機械的強度のバランスのとれた成形材料を得ることができる。
このような無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ロックウール、マイカなどが挙げられ、これらを単独、または2種類以上併用することができる。
(1)レゾール型フェノール樹脂:住友ベークライト社製スミライトレジンPR
(2)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製スミライトレジンPR
(3)ガラス繊維:日本板硝子社製チョップドストランドRES
(4)ウォラストナイト:平均長さ20μm
(5)タルク:平均粒径15μm
(6)着色剤:カーボンブラック
(7)離型剤:ステアリン酸
(8)硬化助剤:消石灰
レゾール型フェノール樹脂18重量部、ノボラック型フェノール樹脂7重量部、タルク50重量部、ウォラストナイト18重量部、ガラス繊維4重量部、着色剤、離型剤、硬化助剤各1重量部を配合した原料混合物を、70℃の加熱ロールにより3分間溶融混練した後取り出し、粉砕し、顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
タルクを42重量部に減量、ウォラストナイトを26重量部に増量した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
タルクを34重量部に減量、ウォラストナイトを34重量部に増量した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
配合をレゾール型フェノール樹脂19重量部、ノボラック型フェノール樹脂8重量部、ガラス繊維70重量部、着色剤、離型剤、硬化助剤各1重量部とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
配合をレゾール型フェノール樹脂19重量部、ノボラック型フェノール樹脂8重量部、タルク65重量部、ガラス繊維5重量部、着色剤、離型剤、硬化助剤各1重量部とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
配合をレゾール型フェノール樹脂18重量部、ノボラック型フェノール樹脂7重量部、ウォラストナイト67重量部、ガラス繊維5重量部、着色剤、離型剤、硬化助剤各1重量部とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
(1)熱伝導率
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、コンプレッション成形により120×120×10mmの試験片を作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間4分間とした。得られた試験片を迅速熱伝導率計(京都電子工業製)にてプローブ法により測定した。
(2)曲げ強さ
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、トランスファー成形により試験片を作成した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。得られた試験片をJIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠し、測定した。
(3)絶縁抵抗
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、トランスファー成形により試験片を作成した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。得られた試験片をJIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠し、測定した。
比較例2、3はそれぞれタルク、ウォラストナイトを単独で用いた成形材料であり、タルク単独では曲げ強さが弱く、ウォラストナイト単独では熱伝導率が低い結果となった。
Claims (1)
- フェノール樹脂成形材料100重量部中に、フェノール樹脂15〜30重量部、タルク30〜50重量部、ウォラストナイト10〜40重量部を含有してなり、
前記タルクの平均粒径が1〜50μmであり、
前記ウォラストナイトが針状であり、その平均長さが0.1〜100μmである
ことを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
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