JP2009102595A - フェノール樹脂成形材料とその成形品 - Google Patents

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辰雄 平林
Masanori Miyoshi
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Abstract

【課題】 耐熱性や成形性を損なうことなく、異方性を低減することにより成形後、吸湿処理後、熱処理後の寸法変化による反りやひずみの発生を抑えるとともに、熱膨張係数を低減することでクラックの発生や金属と樹脂材料の界面の剥離を抑える。
【解決手段】 フェノール樹脂に充填材を配合したフェノール樹脂成形材料において、全体量に対しての配合割合として、フェノール樹脂:10〜20質量%の範囲内とし、充填材としての硼珪酸ガラスビーズ:10〜50質量%の範囲内であることとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂の成形材料とこれを用いて成形されているフェノール樹脂成形品に関するものである。
フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸法安定性、成形性に優れるため、電気・電子部品や自動車部品に使用されてきた実績がある。
上記のような耐熱性や寸法安定性を改善するために、フェノール樹脂には、配合成分として、ガラス繊維等の補強用繊維やガラスビーズ、カオリン粉末等の無機フィラーが多用されている(たとえば特許文献1−5)。
ただ、フェノール樹脂は成形過程において硬化反応や冷却等の化学変化および物理変化を伴い、体積変化を生じる。一方、無機フィラーの体積変化は樹脂に比べて格段に小さい為、無機フィラーと樹脂の境界面には成形後、大きな残留ひずみが生じる。そして、繊維状、板状の異方性無機フィラーの場合、材料流動時に配向する為にひずみ方向が不均一であり、成形収縮率や吸湿、熱処理後の寸法変化に差が生じて反りやひずみを発生するという問題点がある。
さらに成形品の形状や成形条件によって変化する為、安定した寸法精度の製品を得ることが難しい。
また金属をインサート成形する場合、樹脂材料と金属との熱膨張係数が異なると成形品にクラックが発生したり界面剥離が生じたりする。熱膨張係数を小さくする手法としては、無機充填材を高充填することが一般的に用いられるが、製造時の混練安定性や成形性が著しく損なわれる。
特開2000−169669号公報 特開2005−48009号公報 特開2005−72159号公報 特公平6−45200号公報 特開2002−26752号公報
本発明は、以上のような背景から、従来の問題点を解消して、従来の耐熱性や成形性を損なうことなく、異方性を低減することにより成形後、吸湿処理後、熱処理後の寸法変化による反りやひずみの発生を抑えるとともに、熱膨張係数を低減することでクラックの発生や金属と樹脂材料の界面の剥離を抑えることのできる、新しいフェノール樹脂成形材料と、これを用いたフェノール樹脂成形品を提供することを課題としている。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、上記の課題を解決するものとして、以下のことを特徴としている。
第1:フェノール樹脂に充填材を配合したフェノール樹脂成形材料において、全体量に対しての配合割合として、フェノール樹脂は10〜20質量%の範囲内とし、充填材としての硼珪酸ガラスビーズは10〜50質量%の範囲内としている。
第2:上記のフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とからなり、レゾール型樹脂は、フェノール樹脂合計量の2〜15質量%の範囲内で配合されている。
第3:上記の充填材として、ウオラストナイト、カオリンおよびガラス繊維のうちの1種以上を成形材料全体の20〜65質量%の範囲内で含む。
そして、本発明は、上記いずれかのフェノール樹脂成形材料が加熱加圧成形されたものであることを特徴とするフェノール樹脂成形品も提供する。
上記第1の発明によれば、フェノール樹脂の配合割合を特定範囲内とし、しかも充填材として、特有の種類としての硼珪酸ビーズを、特定の配合割合とすることで、耐熱性や成形性を損なうことなく、異方性を低減することができ、かつ熱膨張係数を小さくすることで金属をインサート成形した場合でもクラックの発生や界面の剥離を起こさないフェノール樹脂成形材料を提供することができる。
また、フェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂にレゾール型フェノール樹脂を加える第2の発明によれば、第1の発明の上記効果がえられるとともに、架橋密度が向上し、混練性が良好となる等の効果が奏される。
さらに充填材としてウオラストナイト等と特定性のものをさらに配合する第3の発明によれば、第1および第2の発明の効果は、より確実に、さらに顕著なものとして実現される。
そして上記第4の発明では、以上の効果が具備された、電気、電子部品や自動車部品等において有用な、改良されたフェノール樹脂成形品が提供されることになる。
本発明のフェノール樹脂成形材料においては、(A)フェノール樹脂と、(B)充填材とを配合成分としているが、(A)フェノール樹脂については、成形材料全体量の10〜20質量%の範囲内での配合となるようにする。
この際のフェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂等の各種のものの1種または2種以上であってよいが、ノボラック型フェノール樹脂、あるいはこれにレゾール型フェノール樹脂を併用することが好適に考慮される。レゾール型フェノール樹脂を併用することにより、架橋密度が向上し、混練性が良好となること等が考慮される。この併用においては、成形性の観点からは、好適には、フェノール樹脂の合計量の2〜15質量%をレゾール型フェノール樹脂が占めるようにすることが考慮される。レゾール型フェノール樹脂としてはメチロール型は、ジメチレンエーテレル型があるが、本発明ではいずれか一方のみを用いたり両方を任意の配合割合で併用したりすることができる。
また、フェノール樹脂としては重量平均分子量が2000〜4000のものを用いることが好ましい。 そして、上記のように、(A)フェノール樹脂は成形材料全量に対して10〜20質量%、好ましくは12〜18質量%、さらに好ましくは15〜18質量%含有する。含有量が10質量%未満であると混練性が著しく悪化し、また成形性が低下する。含有量が20質量%より多いと良好な寸法精度を得る事ができないとともに、線膨張係数が大きくなる。
(B)充填材については、本発明では、硼珪酸ガラスビーズの配合と、このものの、フェノール樹脂成形材料の全体量のうちの10〜50質量%での配合を必須としている。
「硼珪酸ガラス」は、酸化硼素と酸化珪素とを主成分とし、不純物としての酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウムが、たとえば、ソーダ灰ガラスよりも低濃度となっているものとして特徴のあるものである。本発明での「硼珪酸ガラス」は、上記のナトリウム、カリウム等のアルカリ分のより少ないものが好適に考慮される。ソーダ石灰ガラスのようなアルカリ成分が多いガラスビーズを用いると、フェノール樹脂の硬化反応に影響を及ぼす可能性があり、良好な混練安定性や成形性を得る事が困難となるとともに、成形品中に含まれるアルカリ成分が多くなる為、製品の信頼性に影響を及ぼすことになる。
また本発明では、シランカップリング剤等で表面処理したものを用いることができる。
本発明では、このような「硼珪酸ガラス」のビーズが、フェノール樹脂成形材料全体量の10〜50質量%、さらにこのましくは15〜45質量%の範囲で含有される。含有量が10質量%未満であると異方性低減効果が得られにくくなるとともに、良好な成形性がえられない。また含有量が50質量%を超えても良好な成形性を得る事ができない。
平均粒径は2〜50μmが好ましく、複数の平均粒径のものを組み合わせて用いることもできる。平均粒径がこの範囲からはずれると良好な混練安定性や成形性を得られにくくなる上記の硼珪酸ガラスビーズの形状は、球状であることが好ましいが、破砕状のものが一部混入していてもよい。
本発明の(B)充填材については、硼珪酸ガラスビーズ以外の無機物の併用が考慮されてよい。このような無機物については、その種類は特に限定されないが、ウオラストナイト、炭酸カルシウム、カリオン、マイカ、クレー、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム等をそれぞれ単独で用いたり、併用したりすることができる。これらの中でもウオラストナイト、カリオンが好ましく、これらを単独で用いたり併用することができる。これにより成形品の寸法安定性を向上させることができるとともに、良好な成形性を得ることが可能となる。これらの無機充填材は平均粒径が5〜100μmのものを用いることが好ましい。平均粒径が5μm未満のものを用いると強度および寸法安定性の向上効果が得られにくく、100μmより大きいものを用いると強度低下や成形性低下を招くおそれがある。
また、ガラス繊維の使用についても考慮される。特に限定されるものではないが、繊維径が8〜13μm、繊維長が70〜150μmのものを使用することができる。
本発明においては、ウオラストナイト、カオリンおよびガラス繊維のうちの1種以上を、フェノール樹脂成形材料全体量の20〜70質量%、さらに好ましくは、20〜65質量%で含むようにすることが好適に考慮される。70質量%を超える場合には成形性が左右されやすくなる。
本発明フェノール樹脂成形材料については、以上の配合成分以外にも、必要に応じて、公知のものをはじめとする各種の硬化剤や硬化助剤、離型剤、顔料等を適宜に配合することができる。
そして、本発明のフェノール樹脂成形材料は、従来同様に、たとえば、温度150〜180℃での射出成形や圧縮成形等の各種手段によって、所要の成形品として成形することができる。
そこで以下に実施例を示してさらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
1.材料試作
表1に示す材料を所定量配合し(単位は質量%)、1分間混合した。次にこの混合物を2軸混練機で3分間、品温100〜110℃で混練した。この後、混練物を冷却粉砕し、造粒して実施例1〜6および比較例1〜4のフェノール樹脂成形材料を得た。
材料成分としては以下のものを用いている。
(a)樹脂
ノボラック型フェノール樹脂:松下電工株式会社製、重量平均分子量2000〜4000
レゾール型フェノール樹脂(ジメチレンエーテル型)松下電工株式会社製、重量平均分子量3000
(b)充填材
硼珪酸ガラスビーズ:ユニチカ株式会社製、UB−01MF(SiO2:55.5%、B23:5.7%、Al23:14.0%、Na2O/K2O:0.5%、MgO:1.0%、分析値)
ウオラストナイト:NYCO社製、ウオラストナイトNYAD400
ガラス繊維:日東紡績株式会社製、品番CS3E−479S(繊維平均φ12μm、繊維長3mm)
カオリン:VELVACAST
(なお、ガラス繊維を除いて、上記のいずれも平均粒径は20μm:ISO13320−1に準拠したレーザ回折法による。)
(c)硬化剤
ヘキサメチレンテトラミン:三井東圧株式会社製、品番S−4
(d)離型剤
ステアリン酸亜鉛:堺化学工業株式会社製、品番SZ−P
(e)顔料
カーボンブラック
2.試験片作製
(1)成形収縮率
射出成形(成形温度165℃、硬化時間75秒)によりJIS K6911に準じて成形収縮率測定用テストピースを作製した。
(2)線膨張係数
1)金型:目的の形状の試験片金型(直圧成形)を用いる。
2)成形条件:金型温度=165℃ 圧力10MPa、硬化時間=180秒
3)形状:φ5mm×15mm
3.評価(測定条件、評価方法等)
(1)成形収縮率
JIS K6911に準拠
(2)線膨張係数
TMA法
(3)製造安定性
樹脂組成物を溶融する際の2軸ロール混練機のロール作業において、表1のように、ロールからの材料の剥がれやすさを作業性が良好であった場合を○、混練時にロールに巻き付かず、ロールから剥がれた場合を×とした。
4.評価の結果を比較例1〜5とともに表1に示した。
本発明の実施例1〜6と比較例1〜5との対比から明らかなように、本発明の実施例においては耐熱性や成形性を損なうことなく、異方性を低減することができ、かつ熱膨張係数を小さくできることが確認された。このため、金属をインサート成形した場合でもクラックの発生や界面の剥離を起こさないフェノール樹脂成形材料が提供される。
なお、硼珪酸ガラスビーズ以外には充填材を用いない場合についても上記と同様のことが確認された。
Figure 2009102595

Claims (4)

  1. フェノール樹脂に充填材を配合したフェノール樹脂成形材料において、全体量に対しての配合割合として、フェノール樹脂:10〜20質量%の範囲内とし、充填材としての硼珪酸ガラスビーズ:10〜50質量%の範囲内であることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とからなり、レゾール型樹脂は、フェノール樹脂合計量の2〜15質量%の範囲内で配合されていることを特徴とする請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. 充填材として、ウオラストナイト、カオリンおよびガラス繊維のうちの1種以上を成形材料全体の20〜65質量%の範囲内で含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形材料。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料が加熱加圧成形されたものであることを特徴とするフェノール樹脂成形品。
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CN102875960A (zh) * 2012-09-20 2013-01-16 常熟市永祥机电有限公司 玻璃微珠填充的酚醛高分子复合材料
CN102875959A (zh) * 2012-09-20 2013-01-16 常熟市永祥机电有限公司 玻璃微珠填充的酚醛高分子复合材料的制备方法

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