JP2006199895A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
フェノール樹脂成形材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006199895A JP2006199895A JP2005015974A JP2005015974A JP2006199895A JP 2006199895 A JP2006199895 A JP 2006199895A JP 2005015974 A JP2005015974 A JP 2005015974A JP 2005015974 A JP2005015974 A JP 2005015974A JP 2006199895 A JP2006199895 A JP 2006199895A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molding material
- weight
- phenol resin
- resin molding
- phenolic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Motor Or Generator Current Collectors (AREA)
Abstract
【課題】 従来のフェノール樹脂成形材料に比べ、機械的特性は実質的に同等ないしそれ以上で線膨張係数の異方差が少ないフェノール樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有し、好ましくは、前記網状珪酸塩鉱物は正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものであり、前記網状珪酸塩鉱物の含有量は、成形材料全体に対して3〜30重量%であり、更に、無機充填材として、ガラス繊維と、前記ガラス繊維以外の無機充填材として、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有し、好ましくは、前記網状珪酸塩鉱物は正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものであり、前記網状珪酸塩鉱物の含有量は、成形材料全体に対して3〜30重量%であり、更に、無機充填材として、ガラス繊維と、前記ガラス繊維以外の無機充填材として、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フェノール樹脂成形材料に関するものである。
フェノール樹脂成形材料は耐熱性、寸法安定性、成形性等に優れ、自動車分野、電気分野、電子分野等の基幹産業分野で長期にわたり使用されてきている。
近年は特に、ガラス繊維入りフェノール樹脂成形材料に対して更なる特性の向上が求められているが、特に、自動車部品などの基幹部品の分野では常温での機械的強度だけでなく、熱時での機械的強度向上や熱による劣化の抑制及び寸法変化の低減が必要となってきている。
近年は特に、ガラス繊維入りフェノール樹脂成形材料に対して更なる特性の向上が求められているが、特に、自動車部品などの基幹部品の分野では常温での機械的強度だけでなく、熱時での機械的強度向上や熱による劣化の抑制及び寸法変化の低減が必要となってきている。
上記特性が要求される部品のひとつにコンミテータがある。特にその寸法安定性については、材料の流動時にガラス繊維などの配向により生じる線膨張係数の差(異方差)で生じる寸法変化の違いでコンミテータの真円度がずれてひずみが生じることがあり、重要特性として挙げられるものである。また小型モーターに使用されるコンミテータは、フェノール樹脂成形材料で成形したコンミテータの内筒内に、その内筒の内径寸法よりやや太いシャフトを直接圧入する場合が多いため、圧入時にコンミテータが割れないよう靭性に優れることが要求される。
フェノール樹脂成形材料の充填材に関する文献としては、例えば、特許文献1が開示されている。しかしながら、線膨張係数の異方差の低減及び寸法変化の低減についての検討はなされていない。
従来のフェノール樹脂成形材料に比べて、機械的特性を実質的に維持しつつ、線膨張係数の異方差を低減できる成形品を得ることが可能なフェノール樹脂成形材料を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。
(1)フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2)前記網状珪酸塩鉱物は、正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものである(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3)前記網状珪酸塩鉱物の含有量は、成形材料全体に対して3〜30重量%である(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(4)更に、無機充填材としてガラス繊維を含有するものである(1)〜(3)のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
(5)更に、前記ガラス繊維以外の無機充填材として、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を含有するものである(1)〜(4)のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
(6)コンミテータに用いられる(1)〜(5)のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
(1)フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2)前記網状珪酸塩鉱物は、正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものである(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3)前記網状珪酸塩鉱物の含有量は、成形材料全体に対して3〜30重量%である(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(4)更に、無機充填材としてガラス繊維を含有するものである(1)〜(3)のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
(5)更に、前記ガラス繊維以外の無機充填材として、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を含有するものである(1)〜(4)のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
(6)コンミテータに用いられる(1)〜(5)のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、機械的特性を実質的に維持しつつ、線膨張係数の異方差を低減することができる。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は、フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)である。
本発明は、フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)である。
本発明の成形材料に用いられるフェノール樹脂は、ノボラック型又はレゾール型など、単独で使用してもよく、また両者を併用してもよい。
ノボラック型フェノール樹脂については、特に限定されないが、例えばランダムノボラック型、ハイオルソノボラック型が挙げられる。これらの中でも、数平均分子量が500〜1500でオルソ結合対バラ結合の比(O/P比)が1以下のもの(ランダムノボラック型)を用いるのが好ましい。
数平均分子量が上記下限値未満では作業時の粘度が低下し作業性が悪化することがあり、上記上限値を超えると流動性の維持が難しくなることがある。
また、O/P比が1を超えるものを単独で用いると硬化性が速くなることがある。
数平均分子量が上記下限値未満では作業時の粘度が低下し作業性が悪化することがあり、上記上限値を超えると流動性の維持が難しくなることがある。
また、O/P比が1を超えるものを単独で用いると硬化性が速くなることがある。
レゾール型フェノール樹脂については、特に限定されないが、例えば、メチロール型、ジメチレンエーテル型が挙げられるが、これらの中でも硬化性と熱安定性のバランスが優れるという理由でジメチレンエーテル型を用いるのが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂は、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを樹脂に対し10〜20重量%配合することができる。上記下限値未満では、硬化が不十分となることがあり、上記上限値を超えて配合しても硬化性はこれ以上よくなることはなく、逆に分解ガス等により成形不良の原因となることがある。
上記フェノール樹脂の含有量は、ヘキサメチレンテトラミンを配合する場合はそれを含めて、成形材料全体に対して、25〜50重量%であることが好ましい。フェノール樹脂の含有量が上記下限値未満では、成形材料としての流動が十分でないことがあり、上記上限値を越えると、併用する充填材の配合量が相対的に少なくなるため、成形品に目的とする特性を付与することが難しくなることがある。
本発明の成形材料は、網状珪酸鉱物を含有することを特徴とする。
網状珪酸塩鉱物とは、珪酸塩鉱物の一種であり、テクト珪酸塩鉱物とも呼称されるものである。
網状珪酸塩鉱物を含有することにより、成形品の線膨張係数を小さくすることができるとともに、
線膨張係数の異方差を低減することが可能になる。この理由は明確ではないが、網状珪酸塩鉱物はトランス型に連結したSiO4四面体が上下交互に連結した網目状の結合構造を有しており、板状であり面方向の滑性が大きいためではないかと考えられる。これにより、例えば、ガラス繊維を配合した場合など、それによる線膨張係数の異方性を小さくする作用があるものと考えられる。
本発明の成形材料で用いられる網状珪酸塩鉱物としては特に限定されないが、例えば、正長石、曹長石、灰長石、カンラン石、雲母、輝石等が挙げられる。
これらの中でも、正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものであることが好ましい。これにより、成形品の線膨張係数を小さくする効果を更に向上させることができる。更には、正長石を含むものであることが好ましい。正長石は、イオン半径の大きいカリウムが上記構造の空隙部分を埋めているので、外力が作用してもその構造を維持しやすく、上記作用をより効果的に発現できると考えられる。
網状珪酸塩鉱物とは、珪酸塩鉱物の一種であり、テクト珪酸塩鉱物とも呼称されるものである。
網状珪酸塩鉱物を含有することにより、成形品の線膨張係数を小さくすることができるとともに、
線膨張係数の異方差を低減することが可能になる。この理由は明確ではないが、網状珪酸塩鉱物はトランス型に連結したSiO4四面体が上下交互に連結した網目状の結合構造を有しており、板状であり面方向の滑性が大きいためではないかと考えられる。これにより、例えば、ガラス繊維を配合した場合など、それによる線膨張係数の異方性を小さくする作用があるものと考えられる。
本発明の成形材料で用いられる網状珪酸塩鉱物としては特に限定されないが、例えば、正長石、曹長石、灰長石、カンラン石、雲母、輝石等が挙げられる。
これらの中でも、正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものであることが好ましい。これにより、成形品の線膨張係数を小さくする効果を更に向上させることができる。更には、正長石を含むものであることが好ましい。正長石は、イオン半径の大きいカリウムが上記構造の空隙部分を埋めているので、外力が作用してもその構造を維持しやすく、上記作用をより効果的に発現できると考えられる。
本発明の成形材料で用いられる網状珪酸塩鉱物の形態としては特に限定されないが、平均粒径が10〜100μmの粉末状のものを用いることが好ましい。これにより、成形材料中に高精度に分散させることができるので、上記作用をより効果的に発現させることができる。
上記網状珪酸塩鉱物の含有量は特に限定されないが、成形材料全体に対して3〜30重量%が好ましい。更に好ましくは5〜20重量%である。網状珪酸塩鉱物の含有量が上記下限値未満では、成形品の線膨張係数の異方差低減効果が不十分となる場合があり、上記上限値を越えると、成形材料製造時の作業性の低下と成形品の機械的強度の低下が起こる場合がある。
本発明の成形材料は、上記の網状珪酸塩鉱物に加えてガラス繊維を含有することが好ましい。
ガラス繊維を含有することにより、得られる成形品の機械的強度を向上させることができると共に、ガラス繊維によって起こる配向性を上記網状珪酸塩鉱物によって是正することができる。
ガラス繊維の繊維径は特に限定されないが、10〜15μmが好ましい。これにより、成形材料化段階での作業性を向上させることができる。また、ガラス繊維の繊維長は特に限定されないが、1〜3mmのチョップドストランドタイプのものを使用することが好ましい。これにより、成形材料化時の作業性、成形性及び成形体の強度を向上させることができる。
ガラス繊維を含有することにより、得られる成形品の機械的強度を向上させることができると共に、ガラス繊維によって起こる配向性を上記網状珪酸塩鉱物によって是正することができる。
ガラス繊維の繊維径は特に限定されないが、10〜15μmが好ましい。これにより、成形材料化段階での作業性を向上させることができる。また、ガラス繊維の繊維長は特に限定されないが、1〜3mmのチョップドストランドタイプのものを使用することが好ましい。これにより、成形材料化時の作業性、成形性及び成形体の強度を向上させることができる。
上記ガラス繊維を配合する場合、その含有量は特に限定されないが、成形材料全体に対して30〜55重量%が好ましく、特に40〜50重量%が好ましい。ガラス繊維の含有量が上記下限値未満では、成形品の機械的強度が不十分となる場合があり、上記上限値を越えると、成形材料製造時の作業性が低下する場合がある。
本発明の成形材料は、更に上記ガラス繊維以外の無機充填材を含有することが好ましい。これにより、得られる成形品の機械的強度を更に向上させるとともに、寸法安定性を向上させる効果をより高めることができる。
上記ガラス繊維以外の無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、クレー(未焼成クレー、焼成クレー)、硫酸バリウム等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。これにより、熱時の寸法変化を小さくすることができる。
上記ガラス繊維以外の無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、クレー(未焼成クレー、焼成クレー)、硫酸バリウム等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。これにより、熱時の寸法変化を小さくすることができる。
上記ガラス繊維以外の無機充填材を配合する場合、その含有量は特に限定されないが、成形材料全体の2〜20重量%が好ましく、特に3〜15重量%が好ましい。かかる含有量が上記下限値未満では成形品の耐熱性、寸法安定性などが充分でない場合があり、上記上限値を超えると成形材料製造時の作業性や、成形品の機械的強度が低下する場合がある。
本発明の成形材料には、以上に説明した成分のほか、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤、硬化助剤、顔料、エラストマー等の添加剤を添加することができる。
本発明の成形材料を製造する方法は、通常の方法が採用される。すなわち、フェノール樹脂、硬化剤、網状珪酸塩鉱物のほか、ガラス繊維、ガラス繊維以外の無機充填材、離型剤、硬化助剤、顔料等を加えて、均一に混合後、加熱ロール、コニーダ、二軸押出し機等の混練機単独又はロールと他の混合機との組合せで溶融混練し、粉砕して得られる。
以下、実施例により本発明を更に説明する。実施例及び比較例の材料組成と、成形品の特性を表1に示す。
(実施例1)
成形材料全体に対して、フェノール樹脂30重量%、ヘキサメチレンテトラミン4重量%、正長石5重量%、ガラス繊維50重量%、未焼成クレー8重量%、顔料、硬化助剤、離型剤各1重量%を配合し、混合物を得た。得られた混合物を90〜100℃の加熱ロールで約15分間溶融混練し、冷却粉砕して成形材料を得た。
成形材料全体に対して、フェノール樹脂30重量%、ヘキサメチレンテトラミン4重量%、正長石5重量%、ガラス繊維50重量%、未焼成クレー8重量%、顔料、硬化助剤、離型剤各1重量%を配合し、混合物を得た。得られた混合物を90〜100℃の加熱ロールで約15分間溶融混練し、冷却粉砕して成形材料を得た。
(実施例2)
正長石の代わりに曹長石を用いた以外は、実施例1と同様にて、成形材料を得た。
正長石の代わりに曹長石を用いた以外は、実施例1と同様にて、成形材料を得た。
(実施例3)
正長石の代わりに灰長石を用いた以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
正長石の代わりに灰長石を用いた以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
(実施例4)
正長石を15重量%に増量、ガラス繊維を40重量%に減量した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
正長石を15重量%に増量、ガラス繊維を40重量%に減量した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
(実施例5)
曹長石を15重量%に増量、ガラス繊維を40重量%に減量した以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
曹長石を15重量%に増量、ガラス繊維を40重量%に減量した以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
(実施例6)
灰長石を15重量%に増量、ガラス繊維を40重量%に減量した以外は実施例3と同様にして成形材料を得た。
灰長石を15重量%に増量、ガラス繊維を40重量%に減量した以外は実施例3と同様にして成形材料を得た。
(実施例7)
正長石を25重量%に増量、ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを3重量%に減量した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
正長石を25重量%に増量、ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを3重量%に減量した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
(実施例8)
曹長石を25重量%に増量、ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを3重量%に減量した以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
曹長石を25重量%に増量、ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを3重量%に減量した以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
(実施例9)
灰長石を25重量%に増量、ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを3重量%に減量した以外は実施例3と同様にして成形材料を得た。
灰長石を25重量%に増量、ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを3重量%に減量した以外は実施例3と同様にして成形材料を得た。
(比較例1)
網状珪酸塩鉱物を配合せず、成形材料全体に対して、フェノール樹脂を30重量%、ヘキサメチレンテトラミンを4重量%、ガラス繊維を50重量%、未焼成クレーを13重量%、顔料、硬化助剤、離型剤を各1重量%配合し、樹脂混合物を得た。得られた混合物を90〜100℃の加熱ロールで約15分間溶融混練、冷却粉砕して成形材料を得た。
網状珪酸塩鉱物を配合せず、成形材料全体に対して、フェノール樹脂を30重量%、ヘキサメチレンテトラミンを4重量%、ガラス繊維を50重量%、未焼成クレーを13重量%、顔料、硬化助剤、離型剤を各1重量%配合し、樹脂混合物を得た。得られた混合物を90〜100℃の加熱ロールで約15分間溶融混練、冷却粉砕して成形材料を得た。
(比較例2)
ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを28重量%に増量した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
ガラス繊維を35重量%に減量、未焼成クレーを28重量%に増量した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
(使用した材料)
フェノール樹脂:住友ベークライト社製「A−1082」(ノボラック型フェノール樹脂、数平均分子量800)
ガラス繊維:CS−3E479FB(日東紡績社製、平均繊維径11μm、平均繊維長3mm)
未焼成クレー:ECKALITEI(シール・カオリン社製、平均粒子径50μm)
顔料:三菱化学社製 カーボンブラック#750B
硬化助剤:秩父石灰工業社製 消石灰
離型剤:日本油脂社製 ステアリン酸
正長石:富士タルク工業社製、平均粒径50μm
曹長石:富士タルク工業社製、平均粒径50μm
灰長石:富士タルク工業社製、平均粒径50μm
フェノール樹脂:住友ベークライト社製「A−1082」(ノボラック型フェノール樹脂、数平均分子量800)
ガラス繊維:CS−3E479FB(日東紡績社製、平均繊維径11μm、平均繊維長3mm)
未焼成クレー:ECKALITEI(シール・カオリン社製、平均粒子径50μm)
顔料:三菱化学社製 カーボンブラック#750B
硬化助剤:秩父石灰工業社製 消石灰
離型剤:日本油脂社製 ステアリン酸
正長石:富士タルク工業社製、平均粒径50μm
曹長石:富士タルク工業社製、平均粒径50μm
灰長石:富士タルク工業社製、平均粒径50μm
(試験片の作製)
特性評価用試験片はトランスファー成形により下記条件で成形した。
予熱温度:95〜100℃
金型温度:170〜175℃
注入圧力:50MPa
硬化時間:3分間
アニール条件:180℃、8時間(曲げ強さ試験片に対して実施した。)
特性評価用試験片はトランスファー成形により下記条件で成形した。
予熱温度:95〜100℃
金型温度:170〜175℃
注入圧力:50MPa
硬化時間:3分間
アニール条件:180℃、8時間(曲げ強さ試験片に対して実施した。)
(評価方法)
評価方法は下記のとおりである。
曲げ強さ、曲げ弾性率、曲げ伸び率:JIS K 6911に準拠して測定した。
線膨張係数:JIS K 6911に準拠する曲げ試験片を用いた。その試験片を4×5×高さ10mmに切り出し、線膨張係数を測定した。また、成形時成形材料の流れ方向と直行方向の2方向について測定し、下記式により異方差を計算した。
異方差=成形材料の流れ方向の線膨張係数/成形材料の流れ方向と直行方向の線膨張係数
評価方法は下記のとおりである。
曲げ強さ、曲げ弾性率、曲げ伸び率:JIS K 6911に準拠して測定した。
線膨張係数:JIS K 6911に準拠する曲げ試験片を用いた。その試験片を4×5×高さ10mmに切り出し、線膨張係数を測定した。また、成形時成形材料の流れ方向と直行方向の2方向について測定し、下記式により異方差を計算した。
異方差=成形材料の流れ方向の線膨張係数/成形材料の流れ方向と直行方向の線膨張係数
表1の結果から明らかなように、実施例1〜9は、フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有する本発明の成形材料で成形された成形品であり、網状珪酸塩鉱物を配合しなかった比較例1、2に比べて、機械的特性は実質的に同等またはそれ以上であり、また、成形材料の流れ方向、直行方向のいずれにおいても、線膨張係数を小さくすることができたとともに、線膨張係数の異方差が低減されたものとなった。これらの結果から、本発明の成形材料は、網状珪酸塩鉱物による線膨張係数の異方差低減効果とガラス繊維による機械的強度を併せ持っていることが確認できた。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、従来のフェノール樹脂成形材料に比べて、機械的特性は実質的に同等ないしそれ以上であり、得られる成形品は線膨張係数の異方差が小さいことから、例えば、真円度が要求されるコンミテータ等に特に好適に適用することができる。
Claims (6)
- フェノール樹脂と、網状珪酸塩鉱物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
- 前記網状珪酸塩鉱物は、正長石、曹長石、灰長石の中から選ばれた1種以上を含むものである請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
- 前記網状珪酸塩鉱物の含有量は、成形材料全体に対して3〜30重量%である請求項1又は2に記載のフェノール樹脂成形材料。
- 更に、無機充填材としてガラス繊維を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
- 更に、前記ガラス繊維以外の無機充填材として、タルク、クレー、炭酸カルシウム及びウォラストナイトの中から選ばれた1種以上を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
- コンミテータに用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のフェノール樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005015974A JP2006199895A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005015974A JP2006199895A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006199895A true JP2006199895A (ja) | 2006-08-03 |
Family
ID=36958179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005015974A Pending JP2006199895A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006199895A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019216358A1 (ja) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 積水フーラー株式会社 | 合成樹脂組成物、耐火材料、シーリング材、接着剤及び目地構造 |
-
2005
- 2005-01-24 JP JP2005015974A patent/JP2006199895A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019216358A1 (ja) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 積水フーラー株式会社 | 合成樹脂組成物、耐火材料、シーリング材、接着剤及び目地構造 |
JP2019196484A (ja) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 積水フーラー株式会社 | 耐火材料 |
JPWO2019216358A1 (ja) * | 2018-05-08 | 2021-05-27 | 積水フーラー株式会社 | 合成樹脂組成物、耐火材料、シーリング材、接着剤及び目地構造 |
JP7429972B2 (ja) | 2018-05-08 | 2024-02-09 | 積水フーラー株式会社 | 合成樹脂組成物、耐火材料、シーリング材、接着剤及び目地構造 |
JP7473118B2 (ja) | 2018-05-08 | 2024-04-23 | 積水フーラー株式会社 | 耐火材料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5213302B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2003313398A (ja) | フェノール樹脂成形材料及びこれを用いたブレーキピストン | |
JP4501735B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2006199895A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2006257114A (ja) | コンミテータ用フェノール樹脂成形材料 | |
JP3157104B2 (ja) | 精密成形用ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物 | |
JP2005048009A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2005281369A (ja) | コンミテーター用フェノール樹脂成形材料 | |
JP2009102595A (ja) | フェノール樹脂成形材料とその成形品 | |
JP2006225526A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2009120814A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2002220507A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2004282923A (ja) | コンミテーター用フェノール樹脂成形材料 | |
JP4952192B2 (ja) | 熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP4852932B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料及びその製造方法 | |
JP2668511B2 (ja) | 電子部材用樹脂組成物 | |
JP5286863B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2005272654A (ja) | コンミテーター用フェノール樹脂成形材料 | |
JP2005281362A (ja) | エポキシ樹脂成形材料および薄物成形品 | |
JP2010100740A (ja) | フェノール樹脂成形材料、およびブレーキピストン | |
JP4475240B2 (ja) | 切削加工用成形品を得るためのエポキシ樹脂組成物及び切削加工用成形品 | |
WO2013191207A1 (ja) | 高放熱性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および成形体 | |
JP2008214549A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2006265317A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2005068187A (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形品 |