JP3270144B2 - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性及び機械強度に
優れたアスベスト不使用の難燃性フェノール樹脂成形材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、電
気性能、機械強度の優れたものが比較的安価に得られる
ところから、各種用途分野に用いられている。これら用
途の中にあって、UL安全規格の如き不燃性を要求され
る電気部品は、従来からその材質に難燃性フェノール樹
脂成形材料が使用されていた。従来の難燃性フェノール
樹脂成形材料は、経済的見地から、充填材として主にア
スベスト繊維を配合し、アスベスト繊維の耐熱性、フェ
ノール樹脂との良好な密着性から難燃性、耐熱性、電気
的性質、機械強度の良好な諸特性がバランス良く容易に
得られるばかりでなく、良好にして且つ安定した外観の
成形品を得る優れた成形加工性をも発揮する。
【0003】しかしながら、アスベスト繊維は人体に有
害であることから、環境汚染防止のため、その使用が規
制されるに至っている。アスベスト繊維のように、充填
材として配合し、難燃性が経済的に得られる材料とし
て、アルミニウムやマグネシウムの水酸化物、又は硼酸
塩が有用である。これらの充填材を配合した成形材料は
UL安全規格を満足するものの、成形物表面にボイドが
生じたり、成形品の機械強度が低下する欠点があり、品
質と成形性との両立に限界がある。又三酸化アンチモン
の如き添加型難燃剤は前述の充填材に比べて非常に高価
であり、経済的ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、成形性及び機械強度が優れ、且つUL安全規格
に適合する、アスベストを使用しない難燃性フェノール
樹脂成形材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機充填材と
して水酸化マグネシウム及び未焼成クレーを配合し、天
然繊維として、パルプ及び粉砕布を配合してなることを
特徴とするフェノール樹脂成形材料である。難燃性の信
頼性を高めるため、難燃性として硼酸を配合するのが好
ましい。これらの充填材の配合量は、フェノール樹脂1
00重量部に対して、水酸化マグネシウム5〜30重量
部、未焼成クレー5〜70重量部、パルプ10〜50重
量部、粉砕布5〜50重量部が好ましく、これらに加え
て、通常木粉10〜100重量部を併用する。更に、硼
酸の配合量はフェノール樹脂100重量部に対して0.
5〜5重量部が好ましい。
【0006】本発明に用いられるフェノール樹脂は、好
ましくは数平均分子量500〜1200で、オルソ結合
対パラ結合の比が 1.0未満のランダムノボラック型フ
ェノール樹脂であり、エポキシ化合物、キシレン、クレ
ゾール等で変性したものでも使用することができる。ま
た必要に応じて、数平均分子量600〜1200で、オ
ルソ結合対パラ結合の比が1.0〜2.5のハイオルソノ
ボラック型フェノール樹脂との併用も可能である。
【0007】次に充填材について説明する。未焼成クレ
ーは結晶水を10重量%以上含み、通常50〜600℃
の温度範囲内で吸熱脱水分解して10〜15重量%の結
晶水を放出する。また水酸化マグネシウム及び未焼成ク
レーは平均粒径10μm以下が好ましく、更に好ましく
は5μm以下である。平均粒径10μm以上のものはフ
ェノール樹脂とのなじみが乏しくなり、成形材料の溶融
粘度が低下し、成形性が不安定になり好ましくない。ま
た、難燃剤として硼酸を併用することが好ましく、更に
難燃化の効果を上げるために、水酸化アルミニウムを配
合するのが好ましい。
【0008】有機天然繊維のパルプ及び粉砕布は繊維長
が 0.1〜5mmがよく、更に好ましくは、0.5〜2
mmである。0.1mm以下では、成形物の機械強度が
アスベストを配合した場合より低くなり、5mm以上で
は機械強度は向上するが、成形材料化した際の解繊度、
分散度が悪く成形材料のかさばりが大きくなり好ましく
ない。木粉は100メッシュより細かいものが好まし
い。100メッシュより粗いと、成形物の表面にフクレ
等が生じ外観が悪くなる。また必要に応じて、合板粉、
化粧板粉、積層板粉などの併用が可能である。
【0009】これらの充填材の好ましい配合量は、フェ
ノール樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウム
5〜30重量部、未焼成クレー5〜70重量部であり、
硼酸を配合する場合は 0.5〜5重量部であり、水酸化
アルミニウムを配合する場合は2〜10重量部である。
そして、パルプ10〜50重量部、粉砕布5〜50重量
部、及び木粉10〜100重量部である。水酸化マグネ
シウム5重量部以下あるいは未焼成クレー5重量部以下
では、成形物の難燃性に問題を生じて、UL94V−0
の規格を満足できないことがある。水酸化マグネシウム
30重量部以上あるいは未焼成クレー70重量部以上で
は、成形性が低下し、成形物表面にボイドが生じやすく
好ましくない。
【0010】パルプ10重量部以下あるいは粉砕布5重
量部以下では、成形物の機械強度がアスベストを配合し
た場合より低く、パルプ50重量部以上あるいは粉末布
50重量部以上では、成形材料のかさばりが大きくな
る、成形材料化が困難になるなどの問題が生じるため好
ましくない。更に木粉10重量部以下では、成形材料の
流動性、成形物の寸法安定性に問題を生じ、100重量
部以上では、成形材料化が難しく好ましくない。このよ
うな充填材の組合せにおいて、UL94難燃性試験にお
けるフレーミング時間、グローイング時間が、 0.5m
m厚の所定難燃性テストピースで、V−0の規格を満足
する良好な自己消火性を発揮し、且つ、400℃のハン
ダ槽浸漬でも従来の難燃性フェノール樹脂成形材料より
フクレが少ない優れた耐熱性のものが得られる。
【0011】また、木粉以外の有機天然充填材として、
ヤシガラ粉、モミ粉も用いることができる。また無機充
填材として炭酸カルシウムをフェノール樹脂100重量
部に対して5〜40重量部配合して経済性を高めること
が可能であるが、40重量部以上では、難燃性グローイ
ング時間が長くなり好ましくない。このようなフェノー
ル樹脂組成物に対して必要により硬化触媒、滑剤、着色
剤等を加えて加熱混練することにより成形材料を得る。
【0012】
【作用】本発明に用いられる無機充填材である水酸化物
あるいは水和物は、加熱により水を放出するものであ
る。例えば、未焼成クレー及び水酸化マグネシウムは結
晶水又は加熱分解性水酸基を10重量%以上含み、50
〜600℃の温度範囲で吸熱脱水して、燃焼熱を下げる
効果がある。かかる水酸化物あるいは水和物を2種以上
配合することにより広い範囲の温度で吸熱脱水反応が生
じ、燃焼熱を下げるのに効果的であり、急激な脱水反応
による成形物のフクレなどの欠陥を防止できる。
【0013】また、未焼成クレーは複合金属酸化物の水
和物であるので、単独でも優れた難燃性を付与できる
が、フェノール樹脂100重量部に対して80重量部以
上配合すると流動性が低下して形成性が劣るようになる
ことから、未焼成クレーを70重量部以下とし、水酸化
マグネシウムと併用することにより、難燃性と成形性の
バランスのとれたフェノール樹脂成形材料を得ることが
できる。有機充填材としては天然繊維を配合する。天然
繊維としてパルプ及び粉砕布が好ましい。また、これら
の繊維は、繊維長 0.1〜5mmが良好であり、他の充
填材に比べ繊維長が長く、フェノール樹脂とのなじみも
よいことから、機械強度の優れたフェノール樹脂成形材
料を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。実施例
1〜5及び比較例1〜3の配合組成を表1に示す。表中
の配合は重量部を示す。いずれの配合組成物も通常の加
熱ロールにより均一に混練することができ、混練後冷却
して粉砕することにより容易に成形材料に成し得た。
【表1】
【0015】各例において得られた成形材料について、
種々の特性を測定した。その結果を表2に示す。
【表2】
【0016】(試験方法) 難燃性(UL94試験):テストピース厚み 0.5mm 規格値:フレーミング時間(平均) 5秒以下 フレーミング時間(最大)10秒以下 グローイング時間(最大)30秒以下 ハンダ槽浸漬後フクレ:400℃ハンダ槽にテストピー
ス(70mm幅×1.6mm厚)を長さ10mmだけ3秒間浸漬
し、浸漬前後の厚さ(mm)の差を測定。 曲げ強さ、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ:JIS K 69
11による。 流動性:トランスファー成形において、スパイラルフロ
ー金型成形でスパイラルフロー長さ(cm)を測定した。ト
ランスファー圧力700kg/cm2 射出成形性:東芝機械製 IR200AM 熱硬化性射出成形機
で成形し、外観を評価。 労安法表示義務:特定化学物質等障害予防規則による。
【0017】実施例1は、アスベストを水酸化マグネシ
ウム、未焼成クレー、水酸化アルミニウム、硼酸、パル
プ及び粉砕布に置き換えた配合からなる。難燃性は、U
L94V−0を満足し、且つ400℃ハンダ浸漬後のフ
クレが小さく、成形性が安定し良好であった。また、機
械強度もアスベスト配合のものと同等レベルであった。
またアスベストを配合していないので特化則による石綿
規制対象から外れ、環境汚染、健康障害の懸念をせずに
使用できる。実施例2は、実施例1において水酸化アル
ミニウム及び硼酸を未焼成クレーに置き換えたものであ
る。実施例1とほぼ同様に、良好な成形性及び成形品特
性が得られた。実施例3は、実施例1において水酸化マ
グネシウムを多くし、未焼成クレーを少なくした場合で
ある。機械強度がわずかに低くなるが、問題となるレベ
ルではなく、良好な特性を保持している。成形性も良好
である。実施例4は、実施例1において木粉の一部をパ
ルプ及び粉砕布に置き換えたものである。機械強度が向
上し、UL94V−0を満足する。また成形性も安定し
ている。実施例5は、未焼成クレーの一部をパルプと木
粉に置き換えたものである。実施例4と同様に、機械強
度が向上し、UL94V−0を満足する。また成形性も
安定している。
【0018】比較例1は、パルプ及び粉砕布を使用しな
い配合である。UL94V−0は満足するものの400
℃ハンダ浸漬後のフクレが大きく、また機械強度が著し
く低下するため好ましくない。比較例2は、無機充填材
として水酸化マグネシウムや未焼成クレーなどの水酸化
物あるいは水和物を使用しない場合である。難燃性フレ
ーミング時間がUL94V−0規格値を満足しない。比
較例3は、アスベストを含む従来の難燃性フェノール樹
脂成形材料である。難燃性、成形性は良好であるが、成
形材料使用時、石綿規制に伴う局所排気装置が義務づけ
られるので、コストアップの要因となり好ましくない。
【0019】
【発明の効果】本発明によるアスベスト不使用の難燃性
フェノール樹脂成形材料は、無機充填材として、未焼成
クレー及び水酸化マグネシウムを、有機充填材として、
パルプ及び粉砕布を配合し、アスベストを全く使用しな
いので、アスベストによる健康障害の心配をせずに種々
の用途分野に幅広く応用できる。更に、従来の難燃性フ
ェノール樹脂成形材料より、耐熱性が高く、UL94難
燃性試験における自己消火性の最も高い成形材料を経済
的に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 61/06 (C08L 61/06 97:00) 97:00) (56)参考文献 特開 平3−197523(JP,A) 特開 平3−757(JP,A) 特開 昭64−81846(JP,A) 特開 平5−43774(JP,A) 特開 昭60−88060(JP,A) 特開 昭53−54250(JP,A) 特開 昭61−209253(JP,A) 特開 昭60−144354(JP,A) 特開 昭57−16050(JP,A) 特開 昭59−74155(JP,A) 特開 平4−249568(JP,A) 特開 平5−32862(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/04 - 61/16 WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機充填材として 水酸化マグネシウム及
    び未焼成クレーを配合し、天然繊維として、パルプ及び
    粉砕布を配合してなることを特徴とするフェノール樹脂
    成形材料。
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂100重量部に対して、
    水酸化マグネシウム5〜30重量部、未焼成クレー5〜
    70重量部、パルプ10〜50重量部、粉砕布5〜50
    重量部である請求項1記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 フェノール樹脂100重量部に対して、
    更に硼酸を 0.5〜5重量部配合してなる請求項2記載
    のフェノール樹脂成形材料。
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