JP2014058628A - フェノール樹脂成形材料、成形品及び電気電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン、アンチモン、赤燐・有機リン系難燃剤を用いずに従来と同等な難燃性、機械的強度を有し、かつ熱放散性を併せ持った成形品が得られるフェノール樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】本発明のフェノール樹脂成形材料は、(A)フェノール樹脂、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、(D)窒素化合物及び(E)熱放散性フィラーを含有することを特徴とし、好ましくは、フェノール樹脂成形材料100質量部中に、(A)フェノール樹脂を20質量部以上、60質量部以下、(B)金属水酸化物を2質量部以上、20質量部以下、(C)未焼成クレーを1質量部以上、20質量部以下、(D)窒素化合物を0.1質量部以上、10質量部以下、(E)熱放散性フィラーを10質量部以上、80質量部以下含有する。本発明の成形品は、このフェノール樹脂成形材料を成形、硬化してなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂成形材料、成形品及び電気電子部品に関するものである。
フェノール樹脂成形材料は、機械的強度、耐熱性、寸法精度及びコストのバランスに優れた材料として、各種分野において広く用いられている。その中で、電気絶縁性や耐熱性に優れることからボビン等の電気電子部品にも用いられている。電気電子部品に用いられる際には難燃性が必要となる。
難燃性を得る手法として、含塩素化合物や含臭素化合物等のハロゲン化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を添加する方法がある。しかしながら環境保護の観点から使用することが好ましくないとの指摘があり、ハロゲン化合物を含まない難燃機構が必要となっている。
ハロゲン化合物を使用しない方法としては、赤燐を添加する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。特にフェノール樹脂成形材料においては主に使用されている方法であり、フェノール樹脂自身の耐燃性と組み合わさって十分な難燃効果を得ることができるが、赤燐を使用しない難燃機構も求められるようになっている。
赤燐を使わずに有機リン化合物を配合して難燃効果を得る手法がある。これは赤燐と同様、燃焼時に成形品表面に炭化皮膜を形成し、熱と酸素供給を遮断することにより難燃性を得ることができる。ただし、その効果は赤燐よりも弱い。また、リン化合物も環境保護の観点から使用することが好ましくないとの指摘がある。
このように、環境保護の観点等から、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、赤燐及び有機リン系化合物を含有しないで難燃性を発現できるフェノール樹脂成形材料が求められている。
一方、近年の半導体素子の高集積化に伴う電気電子機器の小型化によって、素子や部品からの発熱が機器の誤作動を招く可能性が問題視されている。一般的にフェノール樹脂成形材料は熱伝導性が高くないことから、例えば発熱を伴うような電子部品に用いると発生する熱を効率よく拡散することができず、熱膨張による部品の寸法変化等による機器の誤作動が発生する可能性がある。このような電気電子機器の発熱による不具合を抑える観点から熱放散性を有するフェノール樹脂成形材料が求められている。
特開平8−217953号公報
本発明は、難燃剤としてハロゲン化合物、アンチモン化合物、赤燐及び有機リン系化合物を含まずに難燃性を有するとともに、熱放散性を併せ持った成形品を得ることができるフェノール樹脂成形材料を提供することを目的とするものである。
このような目的は、下記の本発明[1]〜[5]により達成される。
[1] (A)フェノール樹脂、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、(D)窒素化合物及び(E)熱放散性フィラーを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
[2] 前記(B)金属水酸化物が水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムより選ばれた少なくとも一種を含む第[1]項に記載のフェノール樹脂成形材料。
[3] 前記(D)窒素化合物がメラミンを含む第[1]項又は第[2]項に記載のフェノール樹脂成形材料。
[4]
前記(E)熱放散性フィラーがアルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、及び表面をアルミナコートされた金属より選らばれた少なくとも一種を含む第[1]項ないし第[3]項のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料。
[5] 前記フェノール樹脂成形材料100質量部中に、前記(A)フェノール樹脂を20質量部以上、60質量部以下、前記(B)金属水酸化物を2質量部以上、20質量部以下、前記(C)未焼成クレーを1質量部以上、20質量部以下、前記(D)窒素化合物を0.1質量部以上、10質量部以下、前記(E)熱放散性フィラーを10質量部以上、80質量部以下、含有する第[1]項ないし第[4]項のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料。
[6] 第[1]項1ないし第[5]項のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料を成形、硬化してなることを特徴とする成形品。
[7] 第[1]項1ないし第[5]項のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料を成形、硬化してなる成形体を含んで構成されることを特徴とする電気電子部品。
本発明によれば、成形性、一般特性、硬化性、作業性を損なうことなく、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、赤燐及び有機リン系化合物を含有しないで難燃性を発現でき、かつ熱放散性を併せ持った成形品を得ることができるフェノール樹脂成形材料を得ることができる。
以下に、本発明のフェノール樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)について詳細に説明する。本発明の成形材料は、(A)フェノール樹脂、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、(D)窒素化合物及び(E)熱放散性フィラーを含有することを特徴とする。
本発明の成形材料に用いることができる(A)フェノール樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂、等を例示することができる。これらを単独で使用あるいは併用することができる。
ノボラック型フェノール樹脂を単独で用いる場合、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用することができる。ヘキサメチレンテトラミンの含有量は特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対し、10質量部以上、30質量部以下が好ましく、さらに好ましくは、10質量部以上、20質量部以下である。また、レゾール型フェノール樹脂単独、又はノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を併用する場合は、ヘキサメチレンテトラミンを用いなくてもよい。
本発明の成形材料において、(A)フェノール樹脂の含有量(硬化剤を用いる場合は(A)フェノール樹脂と硬化剤の合計含有量)は、成形材料100質量部中に、好ましくは20質量部以上、60質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以上、60質量部
以下である。(A)フェノール樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形材料を充分に混練することができ、成形材料の生産性を高めることができる。また、成形時の流動性を確保し、成形性を良好なものとすることができる。(A)フェノール樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、成形品に良好な機械的強度を付与することができる。
本発明の成形材料は、耐燃性を向上させることができる化合物として、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー及び(D)窒素化合物の三成分を組み合わせて用いることができる。そして、本発明の成形材料は、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、ならびに、赤燐、有機リン系化合物といった難燃剤を使用しないことを特徴とする。本発明の成形材料で用いることができる(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー及び(D)窒素化合物は、いずれも環境に対して安全性が高く、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、ならびに、赤燐、有機リン系化合物と比較して環境への影響が小さいクリーンな化合物である。本発明の成形材料は、耐燃性を向上させることができる化合物としてこのようなクリーンな化合物のみを併用することで、成形性、一般特性、硬化性、作業性を損なうことなく、良好な難燃性を有した成形品を成形できる成形材料を得ることができたものである。
本発明の成形材料に用いることができる(B)金属水酸化物は、燃焼時に分解して水が発生し、燃焼場の熱を奪うことにより、耐燃性を向上させることができるものと推察される。本発明の成形材料に用いることができる(B)金属水酸化物は、特に限定されるものではなく、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、水酸化銅等が挙げられるが、耐燃性向上効果の観点から、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。これらの金属水酸化物は、耐燃性以外の特性への影響も考えて、使い分けたり、併用したりすることができる。
(B)金属水酸化物の配合量は、成形材料を100質量部中に、2質量部以上、20質量部以下であることが好ましく、特に好ましいのは5質量部以上、10質量部以下である。(B)金属水酸化物の配合量を上記下限値以上とすることにより、耐燃性を向上させる効果を得ることができ、また、上記上限値以下とすることにより、比重を抑え、機械的強度を良好なものとすることができる。
本発明の成形材料に用いることができる(C)未焼成クレーは、燃焼時に分解して水を発生することにより熱を奪い、耐燃性を向上させることができるものと推察される。
(C)未焼成クレーの配合量は、成形材料を100質量部中に、1質量部以上、20質量部以下が好ましい。さらに好ましくは5質量部以上、15質量部以下である。(C)未焼成クレーの配合量を上記下限値以上とすることにより、耐燃性を向上させる効果を得ることができ、また、上記上限値以下とすることにより、成形材料製造時の作業性や、成形性を良好なものとすることができる。
本発明の成形材料に用いることができる(D)窒素化合物は、燃焼時に不活性ガスを放出し、燃焼場の酸素濃度を希釈して燃焼を止めることにより、耐燃性を向上させることができるものと推察される。本発明の成形材料に用いることができる(D)窒素化合物は、限定されるものではなく、例えば、メラミン(モノマー)、メラミン樹脂、メラミンシアヌレート、尿素、尿素樹脂、ウレタン、ウレタン樹脂、トリアジン、トリアゾールなど挙げられるが、耐燃性向上効果の観点から、特にメラミン(モノマー)、メラミン樹脂、メラミンシアヌレート等が好ましい。これらの窒素化合物は、難燃性以外の特性への影響も考えて、使い分けたり、併用したりすることができる。
(D)窒素化合物の配合量は、成形材料を100質量部中に、0.1質量部以上、10
質量部以下が好ましい。さらに好ましくは0.5質量部以上、5質量部以下である。(D)窒素化合物の配合量を上記下限値以上とすることにより、耐燃性を向上させる効果を得ることができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の硬化性を良好なものとすることができる。
本発明の成形材料は、熱放散性を発現させるために、(E)熱放散フィラーを含有することができる。(E)熱放散フィラーは、特に限定されるものではないが、電気電子部品に用いられることを考慮すると、絶縁性であることが望ましく、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、結晶シリカ、ベーマイト、タルク、ワラストナイト、あるいは、表面をアルミナでコーティング処理した銅、亜鉛、アルミニウム、グラファイト等を挙げることができる。
アルミナによるコーティング方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、被覆されるフィラーとアルミナ、及び水酸化アルミニウムを硝酸又は酢酸の酸性条件下で共存させ、アルミナの濃度と温度を調整しながら混合することで被覆させ、その後200〜500℃の温度で大気又は窒素雰囲気下で熱処理する方法があげられる。
本発明の成形材料を成形して成形品としたときに熱放散性を発現するために、(E)熱放散フィラーの熱伝導率1W/mK以上であることが好ましい。ここで、(E)熱放散フィラーの熱伝導率は、(E)熱放散フィラーを板状に加工したものについて、密度を水中置換法により測定し、比熱をDSC(示差走査熱量測定)により測定し、熱拡散率をレーザーフラッシュ法によりを測定したうえで、下記式に基いて算出することができる。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/S)×1000
(E)熱放散フィラーの配合量は、成形材料を100質量部中に、10質量部以上、80質量部以下が好ましい。さらに好ましくは20質量部以上、70質量部以下である。(E)熱放散フィラーの配合量を上記下限値以上とすることにより、熱放散性を発現させることができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の強度を良好なものとすることができる。
本発明の成形材料は上述ように、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、(D)窒素化合物の三種の耐燃性を向上させることができる化合物を組み合わせて用いることで、各々が上述した耐燃性向上メカニズムを発現することにより、成形性、一般特性、硬化性、作業性を損なうことなしに、単独では耐燃性向上効果が弱い部分を補い、成形材料として高い難燃効果を発現することができるものであります。また、本発明の成形材料は、熱放散フィラーを用いることで熱放散性も併せ持つことができるものであります。
本発明の成形材料においては、さらに難燃剤としてホウ素系化合物を配合することもできる。ホウ素系化合物も非ハロゲン、非アンチモン、非リンである難燃剤であるので、配合してもクリーンな材料のままである。ホウ素系化合物は具体的にはホウ酸、ホウ酸亜鉛等がある。
本発明の成形材料においては、このほか、上述した(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、(E)熱放散フィラー以外の無機充填材を用いることができる。このような無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、焼成クレー、炭酸カルシウム、溶融シリカ、ロックウール、マイカ等が挙げられ、これらを単独、又は2種類以上併用することができる。
また本発明の成形材料においては、さらに有機充填材を用いることができる。このよう
な有機充填材としては、特に限定されないが、例えば、木粉、コットン、セルロース、粉砕布、ゴム、ニトリル−ブタジエンラバー等が挙げられ、これらを単独、又は2種類以上併用することができる。
本発明の成形材料においては、以上に説明した原材料のほかに、必要に応じて、硬化助剤、着色剤、離型剤、可塑剤等を配合することができる。
本発明の成形材料は、通常の方法により製造される。即ち、上記の各成分を所定の配合割合で混合し、加熱ロール、コニーダ、二軸押出機等の混練機を使用して溶融混練した後、冷却、粉砕、又は造粒化することにより得られる。
本発明の成形材料は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の通常の成形方法により成形品を得ることができる。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた各原料は以下の通りである。
(1)レゾール型フェノール樹脂
(2)金属水酸化物:水酸化マグネシウム
(3)未焼成クレー:含水ケイ酸アルミニウム
(4)窒素化合物:メラミン
(5)熱放散フィラーA:アルミナ(電気化学工業社製DAM−10、熱伝導率20W/m・K)
(6)熱放散フィラーB:窒化ホウ素(電気化学工業社製SGP、熱伝導率70W/m・K)
(7)ホウ素系化合物:ホウ酸亜鉛
(8)無機充填材:炭酸カルシウム
(9)有機充填材:粉砕布
(10)硬化助剤:消石灰
(11)着色剤:カーボンブラック
(12)離型剤:ステアリン酸カルシウム
(実施例1〜3、比較例1〜4)
表1に記載された組成に従って配合した原料混合物を、90℃の加熱ロールにより3分間溶融混練した後取り出し、粉砕し、顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
(評価方法)
(1)耐燃性
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、コンプレッション成形により125mm×12.5mm×0.16mmと125mm×12.5mm×0.5mmの試験片を作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間2分間とした。これらの試験片を用いてUL94に準拠し耐燃試験を実施した。
(2)機械的強度(曲げ強さ、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ)
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、トランスファー成形により曲げ試験片及びシャルピー衝撃試験片を作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。これらの試験片を用いてJIS K 6911に準拠して試験を実施し、曲げ強さ、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さを求めた。
(3)熱伝導率
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、トランスファー成形によりφ50mm×3mm厚の試験片を作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。得られた試験片の密度を水中置換法により測定した。また、比熱をDSC(示差走査熱量測定)により測定した。さらに、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定した。
そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/S)×1000
実施例及び比較例の成形材料の原材料配合、及び、得られた成形品の評価結果を表1に示す。
上記評価の結果、実施例1は、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、及び、(D)窒素化合物を配合した本発明の成形材料であり、ハロゲン、アンチモン、赤燐・有機リ
ン系難燃剤を用いることなく良好な難燃性、機械的強度を有し、かつ(E)熱放散性フィラーを配合することで良好な熱放散性も併せ持つ成形品を得ることができた。実施例2、実施例3は未焼成クレーの一部をホウ素系化合物に置換した成形材料であるが、これらも良好な難燃性、機械的強度を得ることができた。また、実施例2、実施例3は、熱放散フィラーとして、アルミナと窒化ホウ素を併用したものであるが、より良好な熱放散性を有する成形品を得ることができた。
比較例1は金属水酸化物を配合しなかった成形材料であるが、厚みが薄い成形品での耐燃性が悪化しV−0が得られなかった。比較例2は未焼成クレーを配合しなかった成形材料であるが、どの厚みでも耐燃性が悪化しV−0が得られなかった。比較例3は窒素化合物を配合しなかった成形材料であるが、厚みが薄い成形品での耐燃性が悪化しV−0が得られなかった。比較例4は熱放散フィラーを配合しなかった成形材料であるが、熱伝導率の値が小さくなり良好な熱放散性が得られなかった。
本発明によって得られるフェノール樹脂成形材料は、ハロゲン、アンチモン、赤燐・有機リン系難燃剤を用いることなく従来と同等な難燃性、機械的強度を有し、かつ良好な熱放散性を有する成形品を得ることができる。このため、ボビン、トランス、リレーカバー等の電気電子部品に好適に適用されるものである。

Claims (7)

  1. (A)フェノール樹脂、(B)金属水酸化物、(C)未焼成クレー、(D)窒素化合物及び(E)熱放散性フィラーを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. 前記(B)金属水酸化物が水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムより選ばれた少なくとも一種を含む請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. 前記(D)窒素化合物がメラミンを含む請求項1又は2に記載のフェノール樹脂成形材料。
  4. 前記(E)熱放散性フィラーがアルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、及び表面をアルミナコートされた金属より選らばれた少なくとも一種を含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料。
  5. 前記フェノール樹脂成形材料100質量部中に、前記(A)フェノール樹脂を20質量部以上、60質量部以下、前記(B)金属水酸化物を2質量部以上、20質量部以下、前記(C)未焼成クレーを1質量部以上、20質量部以下、前記(D)窒素化合物を0.1質量部以上、10質量部以下、前記(E)熱放散性フィラーを10質量部以上、80質量部以下、含有する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料を成形、硬化してなることを特徴とする成形品。
  7. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料を成形、硬化してなる成形体を含んで構成されることを特徴とする電気電子部品。
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