JP2002146184A - 難燃性ポリアミド組成物およびその用途 - Google Patents

難燃性ポリアミド組成物およびその用途

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 難燃性に優れ、流動性が良く、靭性が高く、
リフロー耐熱性に優れた難燃性ポリアミド組成物を提供
する。 【解決手段】 (A)(i)テレフタル酸30〜100
モル%、テレフタル酸以外のジカルボン酸0〜70モル
%からなるジカルボン酸成分単位と、(ii)脂肪族ジア
ミンおよび/または脂環族ジアミンからなるジアミン成
分単位とからなる繰り返し単位から構成され、融点28
0℃以上のポリアミド:20〜85重量%と、(B)無
機質強化材:5〜50重量%と、(C)臭素化スチレン
とエポキシ基を有するオレフィンを共重合して得られる
臭素系難燃剤:5〜40重量部と、(D)アンチモンを
含む化合物および/または亜鉛を含む複合酸化物:0.
1〜10重量%(但し、上記(A),(B),(C),
(D)成分の合計は100重量%である)とからなるこ
とを特徴とする難燃性ポリアミド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、難燃性のポリアミド組成
物および該ポリアミド組成物から形成される電気・電子
部品に関する。詳しくは、本発明は、狭ピッチで簿肉の
コネクターなどの電気・電子部品を製造するのに好適
な、リフロー耐熱性に優れた難燃性ポリアミド組成物、
および該ポリアミド組成物から形成されるリフロー耐熱
性に優れた電気・電子部品に関する。
【0002】更には、本発明は、流動性、靭性などの機
械物性に優れると共に、リフロー耐熱性に優れた難燃性
のポリアミド組成物およびこの難燃性ポリアミド組成物
から形成されたコネクターのような電気・電子部品に関
する。さらに詳しくは、本発明は、特に薄肉でコネクタ
ー端子間距離が短いファインピッチコネクターなどの電
気・電子部品を形成するのに適した難燃性ポリアミド組
成物およびこの難燃性ポリアミド組成物から形成された
耐熱性に優れたコネクターのような電気・電子部品に関
する。
【0003】
【発明の技術的背景】従来、プリント基板上へのコネク
ター類のはんだ付けはディップ(浸漬)法で行われてい
た。しかし、近年、高密度の実装を行う方法としてリフ
ロー(表面実装)はんだ付けが開発された。これは、プ
リント配線板上にクリーム状の鉛はんだを印刷技術を利
用して塗設し、この塗設されたクリーム状ハンダの上に
コネクターなどの部品を載置し、次いでクリーム状鉛は
んだを赤外線および/または熱風で加熱して溶融させ、
載置したコネクターなどの部品を溶融したハンダにより
表面実装する方法である。このようなリフローはんだ付
け法を採用すると、表面実装部品はリフロー炉中で赤外
線あるいは熱風などによって230〜240℃もの高温
に曝されるため、表面実装用コネクター材料には高い耐
熱性が必要になる。
【0004】従来から電子部品を形成する素材として加
熱溶融して所定の形状に成形可能なポリアミドが使用さ
れている。一般に、ポリアミドとしては、6ナイロン、
66ナイロンなどが広汎に使用されているが、このよう
な脂肪族ポリアミドは、良好な成形性を有するが、上記
のような高温に曝される表面実装部品を製造するための
原料としては充分な耐熱性を有していない。このような
背景から高い耐熱性を持つポリアミドの要求が高まり、
46ナイロンが開発された。これは、6ナイロン、66
ナイロンより高い耐熱性を有するが、一方で、吸水率が
高いという欠点があった。そのため、46ナイロン樹脂
組成物を用いて成形された電気・電子部品は、吸水によ
り寸法が変化することがあり、成形体が吸水している
と、リフロー時の加熱によりブリスター(ふくれ)が発
生するなどの問題があった。これに対して、テレフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミ
ンとから誘導される芳香族ポリアミド(特開昭59−5
3536号公報参照)が開発された。これは、66ナイ
ロン、46ナイロンなどの脂肪族ポリアミドに比べてよ
り一層耐熱性、機械的強度、剛性に優れているのみなら
ず、吸水率も低いという特徴を持っている。
【0005】ポリアミド樹脂は本来自己消火性である
が、UL94で規定されているV−0といった高い難燃
性が要求される表面実装部品には難燃剤を配合する必要
がある。一般的には、ポリアミドにハロゲン化合物など
の難燃化剤を添加する方法が知られており、たとえばポ
リアミドにハロゲン化ポリスチレンが添加された組成物
(特開昭51−47034号公報参照)、たとえばフェ
ロ社製パイロチェック68PBに代表される、ポリスチ
レンを臭素化して得られる臭素化ポリスチレンが添加さ
れた組成物(特開平3−66755号公報参照)、臭素
化ポリスチレンより熱安定性に優れ、臭素化スチレンを
重合して得られるポリ臭素化スチレンが添加された組成
物(特開平5−320503号公報、WO 98/14
510号公報参照)、あるいはポリアミドにブロム化フ
ェノールの縮合生成物が添加された組成物(特開昭56
−2100号公報参照)が知られている。
【0006】従来、はんだの材料として鉛/錫が使用さ
れていたが、近年環境への配慮から有害な鉛を含まない
いわゆる鉛フリーはんだが実用化され、リフロー温度
は、鉛はんだの230〜240℃から250〜260℃
まで上がっている。このため、コネクターなどの表面実
装部品に用いられる樹脂は、従来より高いリフロー耐熱
性が要求されようになった。
【0007】このように、コネクターのような表面実装
部品用途には、難燃性に優れ、靭性が良く、流動性が高
く、かつリフロー耐熱性が高い難燃性ポリアミド組成物
の出現が望まれている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、難燃性に優れ、流動性が良
く、靭性が高く、リフロー耐熱性に優れた難燃性ポリア
ミド組成物を提供することを目的としている。また本発
明は、上記のような難燃性ポリアミド組成物を用いて形
成された、難燃性および耐熱性に優れた電気・電子部品
を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明者は、このような状況に鑑みて鋭
意研究した結果、特定の芳香族ポリアミドと、特定の臭
素系難燃剤とを含有するポリアミド組成物が、難燃性に
優れ、流動性が良く、靭性が高く、かつリフロー耐熱性
が高いものであって、電気・電子部品用途に好適である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の難燃性ポリアミド組成
物は、(A)(i)テレフタル酸成分単位30〜100
モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位0〜70モル%、および炭素原子数4〜20の脂肪族
ジカルボン酸成分単位0〜70モル%からなるジカルボ
ン酸成分単位(但し、これらジカルボン酸成分単位の合
計量は100モル%である。)と、(ii)脂肪族ジアミ
ン成分単位および/または脂環族ジアミン成分単位から
なるジアミン成分単位 とからなる繰り返し単位から構成され、融点280℃以
上のポリアミド:20〜85重量%と、(B)無機質強
化材:5〜50重量%と、(C)臭素化スチレンとエポ
キシ基を有するオレフィンを共重合して得られる臭素系
難燃剤:5〜40重量%と、(D)アンチモンを含む化
合物、および/または、亜鉛を含む複合酸化物:0.1
〜10重量%(但し、上記(A),(B),(C),
(D)成分の合計は100重量%である)とからなるこ
とを特徴とする難燃性ポリアミド組成物である。
【0011】本発明の難燃性電気・電子部品は、上記本
発明の難燃性ポリアミド組成物から形成されていること
を特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。 <難燃性ポリアミド組成物>本発明の難燃性ポリアミド
組成物は、(A)(i)テレフタル酸成分単位30〜1
00モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位0〜70モル%、および炭素原子数4〜20の脂
肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%からなるジカ
ルボン酸成分単位(但し、これらジカルボン酸成分単位
の合計量は100モル%である。)と、(ii)脂肪族ジ
アミン成分単位および/または脂環族ジアミン成分単位
からなるジアミン成分単位 とからなる繰り返し単位から構成され、融点280℃以
上のポリアミド:20〜85重量%と、(B)無機質強
化材:5〜50重量部と、(C)臭素化スチレンとエポ
キシ基を有するオレフィンを共重合して得られる臭素系
難燃剤:5〜40重量部と、(D)アンチモンを含む化
合物、および/または、亜鉛を含む複合酸化物:0.1
〜10重量部(但し、上記(A),(B),(C),
(D)成分の合計は100重量部である)とからなる。
【0013】以下、本発明の難燃性ポリアミド組成物を
構成する各成分について説明する。 <(A)芳香族ポリアミド>本発明の難燃性ポリアミド
組成物を構成する芳香族ポリアミド(A)は、(i)テ
レフタル酸成分単位30〜100モル%、テレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%、お
よび炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位
0〜70モル%からなるジカルボン酸成分単位(但し、
これらジカルボン酸成分単位の合計量は100モル%で
ある。)と、(ii)脂肪族ジアミン成分単位および/ま
たは脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単位 とからなる繰り返し単位から構成され、融点280℃以
上の芳香族ポリアミドである。
【0014】このように本発明に係る(A)芳香族ポリ
アミドは、(i)ジカルボン酸と(ii)ジアミンとから
誘導される繰返し単位から形成されている。本発明で用
いられる(A)芳香族ポリアミドを形成する(i)ジカ
ルボン酸は、芳香族ジカルボン酸を必須成分として含有
しており、芳香族ジカルボン酸として好ましくは(i-
a)テレフタル酸を含有している。
【0015】またこの(i)ジカルボン酸は、(i-b)テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸さらには(i-c)
脂肪族ジカルボン酸を含有していてもよい。(i-b)テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸としては、たとえ
ばイソフタル酸、2-メチルテレフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、およびこれらの組合せなどが挙げられる。
【0016】(i-c)脂肪族ジカルボン酸としては、具
体的に、炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12のア
ルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、た
とえばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、およびこれらの組合せなどが挙げられる。これらの
うちでは、アジピン酸が好ましい。本発明で用いられる
(A)芳香族ポリアミドを構成する(i)ジカルボン酸
成分単位としては、テレフタル酸から誘導されるジカル
ボン酸成分単位を30〜100モル%、好ましくは50
〜100モル%の範囲内の量で有しているのが望まし
く、(i-b)テレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカル
ボン酸および/または(i-c)炭素原子数4〜20、好
ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導される
構成単位を0〜70モル%、好ましくは0〜50モル%
の量で含むことができる。
【0017】また、上記ジカルボン酸成分と共に、この
(A)芳香族ポリアミドを形成する(ii)ジアミン成分
単位としては、炭素原子数4〜20、好ましくは6〜1
2の直鎖アルキレンジアミンおよび/または側鎖アルキ
ル基を有し炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12の
アルキレンジアミン、脂環族ジアミンが挙げられる。こ
のうちアルキレンジアミン成分単位としては、炭素原子
数4〜18、好ましくは6〜12の直鎖アルキレンジア
ミンおよび/または側鎖アルキル基を有する炭素原子数
4〜18、好ましくは6〜12のアルキレンジアミン成
分単位が挙げられる。
【0018】炭素原子数4〜18の直鎖アルキレンジア
ミンとしては、具体的に、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジ
アミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカ
ン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカ
ン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,8-ジ
アミノオクタンおよびこれらの組合わせなどが挙げられ
る。これらのうちでは、1,6-ジアミノヘキサン、1,9-ジ
アミノノナン、1,10-ジアミノデカンが好ましく、特に
1,6-ジアミノヘキサンが好ましい。
【0019】また、脂環族ジアミンの例としては、シク
ロヘキサンジアミンを挙げることができる。テレフタル
酸成分単位と脂肪族ジアミンとからなる繰返し単位の例
としては、次式〔I〕で表される繰返し単位を挙げるこ
とができる。
【0020】
【化1】
【0021】但し、上記式において、nは4〜20、好
ましくは6〜12である。また、上記式〔I〕で表され
る繰返し単位と共に、本発明のポリアミドを形成するこ
とができる好適な繰返し単位として、次式〔II〕で表さ
れる繰返し単位を挙げることができる。
【0022】
【化2】
【0023】但し、上記式〔II〕において、nは上記式
〔I〕とは独立に、4〜20、好ましくは6〜12であ
る。さらに、上記式〔I〕で表される繰返し単位と共
に、本発明のポリアミドを形成することができる好適な
繰返し単位として、次式〔III〕で表される繰返し単位
を挙げることができる。
【0024】
【化3】
【0025】但し、上記式〔III〕において、R1およびR
2は、それぞれ独立に、次の式で表される環状基または
炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12の二価の炭化
水素基などである。上記〔III〕において、R1およびR2
は両者が下記環状構造を有する基であってもよいが、通
常はジカルボン酸成分単位が環状構造を有する基であ
り、他方、通常はジアミン成分単位が炭素原子数4〜2
0、好ましくは6〜12の二価の炭化水素基であっても
よい。この場合にジアミン成分単位が炭素原子数4〜2
0、好ましくは6〜12の二価の炭化水素基が例えばシ
クロヘキサンジアミンのような脂環構造を有するジアミ
ンであってもよい。さらにまた、両者が炭素原子数4〜
18、好ましくは6〜12の二価の炭化水素基であって
もよい。なお、以下に示すような二価の環状構造を有す
る基の環状構造を形成する炭素原子に結合している水素
原子は、メチル基、エチル基などのアルキル基、その他
の一価の基、ハロゲン原子などの一価の原子で少なくと
も一部が置換されていてもよい。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】但し、R4は、水素原子または炭素原子数
1〜5のアルキル基であり、qは1〜4の整数である。
上述のように、本発明で用いられる(A)芳香族ポリア
ミドは、上記のようなテレフタル酸を含むジカルボン酸
とジアミンとから誘導される繰り返し単位を有してい
る。そして、(A)芳香族ポリアミドを構成するジカル
ボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位の量
は、30〜100モル%、好ましくは50〜100モル
%の範囲内にあり、(A)芳香族ポリアミドを構成する
ジカルボン酸成分単位中における、テレフタル酸以外の
芳香族ジカルボン酸単位および/または脂肪族ジカルボ
ン酸単位は、0〜70モル%、好ましくは0〜50モル
%の範囲内の量で含有されている。
【0031】そして、より好適には、ジカルボン酸から
誘導される構成単位を100モル%とするとき、テレフ
タル酸から誘導される構成単位(a)を、30〜100
モル%、好ましくは40〜80モル%、さらに好ましく
は50〜70モル%で含有しており、テレフタル酸以外
の芳香族ジカルボン酸から誘導される構成単位(b)
を、0〜50モル%、好ましくは0〜40モル%、さら
に好ましくは0〜20モル%の量で含有しており、脂肪
族ジカルボン酸から誘導される構成単位(c)を、0〜
70モル%、好ましくは20〜60モル%、さらに好ま
しくは30〜50モル%で含有しているのが望ましい。
【0032】上記のような(A)芳香族ポリアミドは、
融点が高く、通常その融点は280℃以上である。この
ような融点を有する芳香族ポリアミドのうちでも、融点
が290〜340℃、好ましくは300〜330℃であ
る芳香族ポリアミドが特に優れた耐熱性を有している。
さらに(A)芳香族ポリアミドの非晶部におけるガラス
転移温度は通常は80℃以上である。
【0033】またこのような芳香族ポリアミドは、上記
のように特定の構造を有するため、吸水性についても低
い値を示す。本発明で用いられる(A)芳香族ポリアミ
ドは、耐熱性に優れており、コンパウンディング時およ
び成形時の加工温度が、通常、280〜380℃、好ま
しくは300〜350℃である。
【0034】本発明の難燃性ポリアミド組成物におい
て、上記のような芳香族ポリアミドは、特性の異なる複
数の芳香族ポリアミドを組み合わせて使用することがで
きる。複数の芳香族ポリアミドを使用する場合には、配
合された芳香族ポリアミド全体の特性が上記範囲内にな
るように使用する芳香族ポリアミド種類、配合量などを
調整することができる。
【0035】本発明の難燃性ポリアミド組成物中におい
て、上記のような(A)芳香族ポリアミドは、本発明の
難燃性ポリアミド組成物を構成する(A)芳香族ポリア
ミド、(B)無機質強化材、(C)臭素化スチレンとエ
ポキシ基を有するオレフィンを共重合して得られる臭素
系難燃剤、(D)アンチモンを含む化合物および/また
は亜鉛を含む複合酸化物の合計量に対して、通常20〜
80重量%、好ましくは25〜70重量%の量で含有さ
れるのが望ましい。
【0036】<(B)無機質強化材>本発明の難燃性ポ
リアミド組成物は、(B)無機質強化材を含有する。本
発明では無機質強化材として 繊維状、粉状、粒状、板
状、針状、クロス状、マット状等の形状を有する種々の
無機充填材を使用することができる。さらに詳述する
と、無機質強化材としては、ガラス繊維(グラスファイ
バー)、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、
セラミックス繊維、ウオラストナイト、炭素繊維、金属
炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維およびホ
ウ素繊維などの無機繊維が挙げられる。このような繊維
状の充填剤としては特にガラス繊維が好ましい。ガラス
繊維を使用することにより、組成物の成形性が向上する
と共に、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の引
張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および
熱変形温度などの耐熱特性が向上する。上記のようなガ
ラス繊維の平均長さは、通常は、0.1〜20mm、好ま
しくは0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比が、通
常は10〜2000、好ましくは30〜600の範囲に
ある。平均長さおよびアスペクト比がこのような範囲内
にあるガラス繊維を使用することが好ましい。
【0037】上記の無機質強化材として使用される繊維
状無機質強化材以外の無機質強化材、すなわち粉末状、
粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有す
る種々の無機質強化材の例としては、シリカ、シリカア
ルミナ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タ
ルク、ワラストナイト、ケイソウ土、クレー、カオリ
ン、球状ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガラ、酸化マ
グネシウムおよび酸化亜鉛などの粉状あるいは板状の無
機化合物、チタン酸カリウムなどの針状の無機化合物を
挙げることができる。
【0038】これらの無機質強化材は、単独で用いても
よく、二種以上組み合わせて用いてもよい。また、これ
らの無機質強化材はシランカップリング剤あるいはチタ
ンカップリング剤などで処理して使用することもでき
る。たとえばビニルトリエトキシシラン、2-アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2-グリシドキシプロピルトリ
エトキシシランなどのシラン系化合物で表面処理されて
いてもよい。なお、このような無機質強化材が粒状物で
ある場合、その平均粒径は、通常0.1〜200μm、
好ましくは1〜100μmの範囲内にあるのが望まし
い。
【0039】本発明においては、上述した無機質強化材
の中でも、グラスファイバーが好ましく用いられる。本
発明の難燃性ポリアミド組成物中において、上記のよう
な(B)無機質強化材は、本発明の難燃性ポリアミド組
成物を構成する(A)芳香族ポリアミド、(B)無機質
強化材、(C)臭素化スチレンとエポキシ基を有するオ
レフィンを共重合して得られる臭素系難燃剤、(D)ア
ンチモンを含む化合物および/または亜鉛を含む複合酸
化物の合計量に対して、通常5〜50重量%、好ましく
は10〜45重量%の量で含有されるのが望ましい。
【0040】<(C)臭素化スチレンとエポキシ基を有
するオレフィンを共重合して得られる臭素系難燃剤>本
発明の難燃性ポリアミド組成物は、(C)臭素化スチレ
ンとエポキシ基を有するオレフィンを共重合して得られ
る臭素系難燃剤を含有する。エポキシ基を有するオレフ
ィンとしては、具体的には、例えば、グリシジルメタク
リレート、グリシジルエタクリレート、イタコン酸グリ
シジル、シトラコン酸グリシジルなどが挙げられ、それ
らは単独でまたは二種以上組み合わせて用いることがで
きる。これらの中では、グリシジルメタクリレートを使
用するのが最も好ましい。
【0041】このようなエポキシ基を有するオレフィン
は、臭素化スチレンとの共重合体において、0.01〜
20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の量で含有
されるのが望ましい。本発明の難燃性ポリアミド組成物
中において、上記のような(C)臭素化スチレンとエポ
キシ基を有するオレフィンを共重合して得られる臭素系
難燃剤は、本発明の難燃性ポリアミド組成物を構成する
(A)芳香族ポリアミド、(B)無機質強化材、(C)
臭素化スチレンとエポキシ基を有するオレフィンを共重
合して得られる臭素系難燃剤、(D)アンチモンを含む
化合物および/または亜鉛を含む複合酸化物の合計量に
対して、通常5〜40重量%、好ましくは10〜35重
量%の量で含有されるのが望ましい。
【0042】また、(C)臭素化スチレンとエポキシ基
を有するオレフィンを共重合して得られる臭素系難燃剤
は、(E)臭素化ポリスチレン、および/またはポリ臭
素化スチレンと併用して用いることもできる。ポリ臭素
化スチレンとしては、臭素化スチレンまたは臭素化α−
メチルスチレンを重合することにより製造したものであ
ってもよく、ポリスチレンまたはポリα−メチルスチレ
ンを臭素化することにより製造した臭素化ポリスチレン
であってもよい。
【0043】このようなポリ臭素化スチレンとしては、
具体的には、たとえば、ポリジブロモスチレン、ポリト
リブロモスチレン、ポリペンタブロモスチレン、ポリト
リブロモα−メチルスチレンなどが挙げられる。特に本
発明ではモノマーの段階で予め臭素化された臭素化スチ
レンあるいは臭素化α−メチルスチレンを重合すること
により製造されたポリ臭素化スチレンを使用することが
好ましい。このように原料モノマーであるスチレンある
いはα-メチルスチレンの芳香族環を形成する水素原子
の少なくとも一部を臭素化した後、重合させて得られる
ポリ臭素化スチレンは、臭素原子が芳香族環を形成する
炭素原子に結合した水素原子と置換してポリマー内に存
在しており、このポリマーの主骨格をなすアルキル鎖を
形成する水素原子は実質的に臭素原子で置換されていな
い。
【0044】他方、スチレンあるいはα−メチルスチレ
ンを原料として用いてポリスチレンなどを重合生成させ
た後、臭素化して得られた臭素化ポリスチレンは、主と
して、芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素原子
の一部が臭素原子で置換されているが、ポリマーの主骨
格をなすアルキル鎖を形成する水素原子の一部も臭素原
子で置換されており、臭素原子がポリマーの主骨格をな
すアルキル鎖を形成する水素原子と置換しているか否か
の点で両者は異なる。
【0045】しかしながら、両者は式で表すと一般に下
記〔IV〕で表されている。
【0046】
【化8】
【0047】ここで、mは1〜5の整数である。即ち、
臭素化ポリスチレンは、原料として下記式〔V〕で表さ
れるスチレンを重合させた後、臭素化する。
【0048】
【化9】
【0049】これに対してポリ臭素化スチレンは、下記
式〔VI〕で表される臭素化スチレンを重合させることに
より得られる。
【0050】
【化10】
【0051】本発明で用いられる臭素化ポリスチレン、
および/またはポリ臭素化スチレンは、臭素含有量が4
4〜68重量%、好ましくは60〜68重量%である。 <(D)アンチモンを含む化合物/亜鉛を含む複合酸化
物>本発明で(D)成分として用いられるアンチモンを
含む化合物の例としては、三酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモン、四酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダなど
が挙げられる。
【0052】また、同様に(D)成分として用いられる
亜鉛を含む複合酸化物の例としては、下記式 2ZnO・3B23、 4ZnO・B23・H2O、 2ZnO・3B23・3.5H2O で表されるホウ酸亜鉛、式ZnSnO3、ZnSn(O
H)6で表される錫酸亜鉛など、モリブデン酸カルシウ
ム亜鉛、塩基性モリブデン酸亜鉛、高能率モリブデン酸
亜鉛と珪酸マグネシウムの化合物、燐酸亜鉛などが挙げ
られる。
【0053】このようなアンチモンを含む化合物および
亜鉛を含む複合酸化物は単独で使用することができ、ま
た複数のアンチモンを含む化合物または複数の亜鉛を含
む複合酸化物を組み合わせて使用することができる。さ
らに、アンチモンを含む化合物と亜鉛を含む複合酸化物
とを組み合わせて使用することもできる。また、アンチ
モンを含む化合物と亜鉛を含む複合酸化物を併用するこ
ともできる。これらのうちでは、アンチモン酸ソーダ、
2ZnO・3B23、およびそれらの組合わせが好まし
く用いられる。
【0054】このような(D)成分は、(C)臭素化ス
チレンとエポキシ基を有するオレフィンを共重合して得
られる臭素系難燃剤と併用することにより、難燃性が向
上する。本発明の難燃性ポリアミド組成物中において、
上記のような(D)成分は、(A)芳香族ポリアミド、
(B)無機質強化材、(C)臭素化スチレンとエポキシ
基を有するオレフィンを共重合して得られる臭素系難燃
剤、および(D)アンチモンを含む化合物および/また
は亜鉛を含む複合酸化物の合計量に対して、通常0.1
〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の量である。
【0055】<その他の成分>本発明の難燃性ポリアミ
ド組成物は、上記のような各成分に加えて本発明の目的
を損なわない範囲で、上記以外の耐熱安定剤、耐候安定
剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染
料、無機あるいは有機充填剤、核剤、繊維補強剤、カー
ボンブラック、タルク、クレー、マイカなどの無機化合
物などの配合剤を含有していてもよい。
【0056】特に本発明の難燃性ポリアミド組成物は、
上記のうち繊維補強剤を含有していることにより、より
一層耐熱性、難燃性、剛性、引張強度、曲げ強度、衝撃
強度が向上される。さらに本発明の難燃性ポリアミド組
成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の重合体を
含有していてもよく、このような他の重合体の例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メチル-1-
ペンテン、エチレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・
エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポ
リオレフィンエラストマーなどのポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタ
ール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、フッ
素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0057】また本発明の難燃性ポリアミド組成物は、
上記(C)臭素化スチレンとエポキシ基を有するオレフ
ィンを共重合して得られる臭素系難燃剤、前記した臭素
化ポリスチレン、および/またはポリ臭素化スチレン以
外の臭素系難燃剤を含有してもよい。このような臭素系
難燃剤としては、下記のような臭素化合物が挙げられ
る。
【0058】ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチ
ルベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモジフ
ェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、オクタブ
ロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキ
サイド、テトラブロモビスフェノールAおよびテトラブ
ロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジ
ブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノー
ルA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビ
スフェノールA−ビス(アリルエーテル)などのテトラ
ブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェ
ノールSおよびテトラブロモビスフェノールS−ビス
(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェ
ノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)など
のテトラブロモビスフェノールS誘導体、テトラブロモ
無水フタル酸、テトラブロモフタルイミド、エチレンビ
ステトラブロモフタルイミドなどのテトラブロモ無水フ
タル酸誘導体、エチレンビス(5,6-ジブロモノルボルナ
ン-2,3- ジカルボキシイミド)、トリス-(2,3-ジブロモ
プロピル-1)-イソシアヌレート、ヘキサブロモシクロペ
ンタジエンのディールスアルダー付加物、トリブロモフ
ェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリ
レート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エ
チレンビスペンタブロモフェニル、エチレンビスペンタ
ブロモフェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキ
シベンゼン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化
エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブ
ロモベンジルアクリレート、オクタブロモナフタリン、
ペンタブロモシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデ
カン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−
メチルヘキサブロモジフェニルアミンなど。
【0059】<組成物>本発明の難燃性ポリアミド組成
物は、上記のような(A)成分、(B)成分、(C)成
分、(D)成分、さらに必要により他の成分を含有して
いる。また、本発明の難燃性ポリアミド組成物は、UL
94規定により評価した難燃性がV−0相当であるのが
望ましい。
【0060】ここでUL94規定による難燃性の評価
は、次のようにして行う。試験片の上端部をクランプで
試験装置に係止し、試験片を垂直にセットする。この試
験片の下端部に所定の炎を10秒間当てた後、炎をはな
し、試験片の一回目の燃焼時間を測定する。試験片の一
回目の燃焼試験における燃焼が停止(消火)したら直ちに
下端部から炎を10秒間当てた後、炎をはなし、試験件
の二回目の燃焼時間を測定する。
【0061】10個のデータのうち最大値をMとし、合
計をTとする。この結果より、以下の基準で難燃性を評
価する。 V-0相当:Mが10秒以下、Tが50秒以下であって
試験片がクランプまで燃え上がらず、溶融物が落ちて、
下に敷いた綿を発火させなければV-0相当。 V-1相当:Mが30秒以下、Tが250秒以下でし偏
見がクランプまで燃え上がらず、溶融物が、下の綿を発
火させなければV-1相当。
【0062】V−2相当:Mが30秒以下で、Tが25
0秒以下で試験片がクランプまで燃え上がらず、溶融物
が落ちて、下の綿を発火させたらV-2相当。 本発明では、難燃剤として(C)と(D)を主として使
用することにより、難燃剤が芳香族ポリアミド中に微細
粒子を形成して非常に均一に分散する。このため本発明
の難燃性ポリアミド組成物は、良好な難燃性を有すると
ともに、簿肉流動性にも優れ、良好な成形性を示し、フ
ァイン化している電気・電子部品、特にコネクターのよ
うに微細な端子が嵌挿する構造を有する電子・電気部品
を形成するための難燃性樹脂として好適である。
【0063】また、このような本発明の難燃性ポリアミ
ド組成物は、上述のように成形性に優れるとともに、該
組成物を成形して得られる成形体が、吸水性が低く、靭
性などの機械的特性にも優れるため、特に電気・電子部
品用途に好適である。本発明の難燃性ポリアミド組成物
は、上記のような成分を、ヘンシェルミキサー、Vブレ
ンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなど
で混合する方法、あるいは混合後さらに一軸押出機、多
軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混
練後、造粒あるいは粉砕する方法により製造することが
できる。
【0064】<難燃性電気・電子部品>本発明の電気・
電子部品は、上記のようにして得られた本発明の難燃性
ポリアミド組成物を加熱溶融した後所望の形状に賦型
し、冷却することにより製造することができる。この賦
型には、所望の形状を形成可能な金型内に上記本発明の
難燃性ポリアミド組成物を溶融成形する方法などにより
製造することができる。
【0065】そして、本発明の難燃性ポリアミド組成物
を用いることにより、薄肉流動長試験で示される溶融物
の流動性が良好であり、薄肉部を多数有するコネクター
などの電子部品を効率よく製造することができる。しか
も本発明の難燃性ポリアミド組成物から製造されたコネ
クターのような電子部品は靭性が高く、コネクターの接
合時(雄型コネクターの端子を雌型コネクターに挿入す
る際など)に割れなどが発生しにくい。また、本発明の
電気・電子部品は優れた耐熱性を有しており、リフロー
はんだ工程においても熱変形したり、ふくれ(ブリスタ
ー)を発生することが少ない。
【0066】このような本発明の難燃性電気・電子部品
は、難燃性および耐熱性に優れ、吸水性が低く、かつ靭
性などの機械的強度にも優れる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、難燃性に優れ、靭性な
どの機械的特性にも優れ、かつ流動性が良く、電気・電
子部品用途に好適に使用できる難燃性ポリアミド組成物
を提供することができる。また、本発明によれば、上記
のような難燃性ポリアミド組成物を用いて形成された、
難燃性および耐熱性に優れ、かつ機械的特性にも優れた
電気・電子部品を提供することができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。実施例および比較例において、各性状の
測定および評価は以下の方法により行った。
【0069】<融点>ポリアミドについてDSCの吸熱
曲線を求め、最大ピーク位置の温度を融点(Tm)とし
た。吸熱曲線は試料をアルミパンに詰め、10℃/分の
速度で昇温して求めた。 <曲げ試験(靭性)>射出成形で調製した長さ64m
m、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を用いて、スパ
ン26mm、曲げ速度5mm/minで曲げ試験を行
い、曲げ強度、曲げ弾性率、その試験片を破壊するのに
要するエネルギー(靭性)、破壊した時の歪み量を測定
した。
【0070】成形機:(株)ソディック プラステッ
ク、ツパールTR40S3A シリンダー温度:NT/C1/C2/C3=320℃/
320℃/310℃/300℃ 金型温度:120℃ 曲げ試験機:NTESCO社製 AB5 <薄肉流動長試験>幅10mm、厚み0.5mmのバー
フロー金型に以下の条件で射出した。最初の20ショッ
トは捨て、その後10ショットの流動長(mm)を測定
し、平均値を求めた。
【0071】射出成形機:東芝機械(株)製IS−55
EPN 射出圧力:1000kg/cm2 射出速度:99% シリンダー温度:NT/C1/C2/C3=320℃/
320℃/310℃/300℃ 金型温度:120℃ <リフロー耐熱性試験>射出成形で調製した長さ64m
m、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度40
℃、相対湿度95%で96時間調湿した。赤外線及び熱
風併用型リフローはんだ装置(日本アントム(株)製S
OLSIS−201IR)を用いて、図1に示すリフロ
ー工程を行なった。
【0072】試験偏片を厚み1mmのガラスエポキシ基
板上に載置すると共に、この基板上に温度センサーを設
置して、プロファイルを測定した。図1中、所定の設定
温度まで加熱し、試験片が溶融せず、かつ、表面にボイ
ドが発生しないピーク温度の最大値を求め、この設定温
度の最大値を耐リフロー温度とした。 <難燃性>UL94規定により難燃性を評価する。
【0073】
【実施例1】(A)〜(D)成分として下記の各成分を
表1に示す量で用い、さらに、(A)〜(D)成分の合
計量100重量部に対して、燃焼時のドリップ防止剤と
してマレイン化SEBS(旭化成(株)製、タフテック
M1913)を1重量部、ハロゲンキャッチャーとして
ハイドロタルサイト(協和化学(株)製、DHT−4
C)を0.3重量部、離型剤としてワックス(クラリア
ントジャパン(株)製、ホスターモントNaV101)
0.3重量部、および結晶核剤としてタルク(松村産業
V(株)製、ハイフィラー#100ハクド95)0.7
重量部をそれぞれ添加して混合し、温度310℃に設定
した二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレッ
ト化し、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。 (A)芳香族ポリアミド 組成:ジカルボン酸成分…テレフタル酸55モル%とア
ジピン酸45モル% 、ジアミン成分…1,6-ジアミノヘキサン100モル% 極限粘度[η]…1.0dl/g 融点…310℃ (B)無機質強化材 ガラス繊維(旭ファイバーグラス製CS03JAFT2
A) (C)臭素化スチレンとエポキシ基を有するオレフィン
を共重合して得られる臭素系難燃剤 臭素化スチレンとグリシジルメタアクリレートを共重合
したGLC社製CN−2044B、臭素含有量65%。 (D)アンチモンを含む化合物および/または亜鉛を含
む複合酸化物 アンチモン酸ソーダ(NaSbO3) 次いで、得られたポリアミド樹脂組成物について性状を
評価した。結果を表1に示す。
【0074】
【比較例1】実施例1において、(C)成分の代わり
に、臭素化ポリスチレンとポリ臭素化スチレンを用いた
以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を
製造し、得られたポリアミド樹脂組成物について性状を
評価した。結果を表1に示す。臭素化ポリスチレン、お
よびポリ臭素化スチレン 臭素化ポリスチレン:マナック製PRF−1200ZE
X、臭素含有量68% ポリ臭素化スチレン:GLC社製PDBS−80、臭素
含有量60%
【0075】
【実施例2、3】実施例1において、(C)成分、およ
び臭素化ポリスチレンとポリ臭素化スチレンを併用した
ことの他は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成
物を製造し、得られたポリアミド樹脂組成物について、
性状を評価した。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例および比較例において行われ
たリフロー耐熱性試験でのリフロー工程の温度と時間と
の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H028 AA43 BA06 4J002 BB202 BC112 CL031 DA016 DB016 DE076 DE107 DE127 DE136 DE146 DE186 DE187 DE236 DJ006 DJ036 DJ046 DK006 DK007 DL006 FA016 FA046 FA076 FD132 GQ00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i)テレフタル酸成分単位30〜
    100モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
    成分単位0〜70モル%、および炭素原子数4〜20の
    脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%からなるジ
    カルボン酸成分単位(但し、これらジカルボン酸成分単
    位の合計量は100モル%である。)と、(ii)脂肪族
    ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン成分単
    位からなるジアミン成分単位とからなる繰り返し単位か
    ら構成され、融点280℃以上のポリアミド:20〜8
    5重量%と、(B)無機質強化材:5〜50重量%と、
    (C)臭素化スチレンとエポキシ基を有するオレフィン
    を共重合して得られる臭素系難燃剤:5〜40重量部
    と、(D)アンチモンを含む化合物、および/または、
    亜鉛を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上
    記(A),(B),(C),(D)成分の合計は100
    重量%である)とからなることを特徴とする難燃性ポリ
    アミド組成物。
  2. 【請求項2】臭化ポリスチレン、および/またはポリ臭
    化スチレンをさらに含むものである請求項1記載の難燃
    性ポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の難燃性ポリアミ
    ド組成物から形成されていることを特徴とする難燃性電
    気・電子部品。
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