JP2002138197A - 難燃性ポリアミド組成物、ペレットおよび成形体並びにその用途 - Google Patents

難燃性ポリアミド組成物、ペレットおよび成形体並びにその用途

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JP2002138197A
JP2002138197A JP2001242204A JP2001242204A JP2002138197A JP 2002138197 A JP2002138197 A JP 2002138197A JP 2001242204 A JP2001242204 A JP 2001242204A JP 2001242204 A JP2001242204 A JP 2001242204A JP 2002138197 A JP2002138197 A JP 2002138197A
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Kunihiro Ouchi
内 邦 裕 大
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】本発明の難燃性ポリアミド組成物は、
(A)テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70
モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン
酸成分単位と、脂肪族および/または脂環族ジアミン成
分単位からなりMFR40〜300g/10分、融点が2
90℃を超える芳香族ポリアミド:20〜80重量%、
(B)無機質強化材:5〜50重量%、(C)ポリ臭素
化スチレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:
5〜40重量%、(D)アンチモンを含む化合物、およ
び/または、亜鉛を含む複合酸化物:0.1〜10重量
%からなり、UL94規格の難燃性がV−0相当であ
り、臭素系難燃剤の数平均粒子径が0.90μm未満で
あることを特徴としている。 【効果】靭性と耐熱性に優れた電気・電子部品が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、流動性、靭性などの機械
物性に優れると共に、リフロー耐熱性に優れた難燃性の
ポリアミド組成物およびこの難燃性ポリアミド組成物か
ら形成されたコネクターのような電気・電子部品に関す
る。さらに詳しくは本発明は、特に薄肉でコネクター端
子間距離が短いファインピッチコネクターなどの電気・
電子部品を形成するのに適した難燃性ポリアミド組成物
およびこの難燃性ポリアミド組成物から形成された耐熱
性に優れたコネクターのような電気・電子部品に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、プリント基板上へのコネク
ター類のはんだ付けはディップ(浸漬)法で行われてい
た。しかし、近年、高密度の実装を行う方法としてリフ
ロー(表面実装)はんだ付けが開発された。これは、プ
リント配線板上にクリーム状のはんだを印刷技術を利用
して塗設し、この塗設されたクリーム状ハンダの上に
コネクターなどの部品を載置し、次いでクリーム状はん
だを赤外線および/または熱風加熱で加熱して溶融させ
て載置したコネクターなどの部品を溶融したハンダによ
り表面実装する方法である。このようなリフローはんだ
付け法を採用すると、表面実装部品はリフロー炉中で赤
外線あるいは熱風などによって230〜240℃もの高
温に晒されるため、表面実装用コネクター材料には高い
耐熱性が必要になる。
【0003】従来から電子部品を形成する素材として加
熱溶融して所定の形状に成形可能なポリアミドが使用さ
れている。一般に、ポリアミドとしては、6ナイロン、
66ナイロンなどが広汎に使用されているが、このよう
な脂肪属ポリアミドは、良好な成形性を有するが、上記
のような高温に晒される表面実装部品を製造するための
原料としては充分な耐熱性を有していない。このような
背景から高い耐熱性を持つポリアミドの要求が高まり、
46ナイロンが開発された。これは、6ナイロン、66
ナイロンより高い耐熱性を有するが、吸水率も高いとい
う欠点があった。そのため、46ナイロン樹脂組成物を
用いて成形された電気・電子部品は、吸水により寸法が
変化することがあり、成形体が吸水していると、リフロ
ー時の加熱によりブリスター(ふくれ)が発生するなど
の問題があった。これに対して、テレフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンとから誘
導される芳香族ポリアミド(特開昭59−53536号
公報参照)が開発された。これは、66ナイロン、46
ナイロンなどの脂肪族ポリアミドに比べてより一層耐熱
性、機械的強度、剛性に優れているのみならず、吸水率
も低いという特長を持っている。
【0004】ポリアミド樹脂は本来自己消火性である
が、UL94で規定されているV−0といった高い難燃
性が要求される表面実装部品には難燃剤を配合する必要
がある。一般的には、ポリアミドにハロゲン化合物など
の難燃化剤を添加する方法が知られており、たとえばポ
リアミドにハロゲン化ポリスチレンが添加された組成物
(特開昭51−47034号公報参照)、たとえばフェ
ロ社製パイロチェック68PBに代表される、ポリスチ
レンを臭素化して得られる臭素化ポリスチレンが添加さ
れた組成物(特開平3−66755号公報参照)、臭素
化ポリスチレンより熱安定性に優れ、臭素化スチレンを
重合して得られるポリ臭素化スチレンが添加された組成
物(特開平5−320503号公報、WO 98/14
510号公報参照)、あるいはポリアミドにブロム化フ
ェノールの縮合生成物が添加された組成物(特開昭56
−2100号公報参照)が知られている。このようなハ
ロゲン系難燃剤を配合することで、難燃性を付与し、ま
た流動特性を向上させることができるが一般に靭性など
の機械的強度は低下する。
【0005】近年、コネクターなどの表面実装部品は薄
肉化と狭ピッチ化が進んでいるため、この用途に用いら
れる樹脂は、高い耐熱性と高い流動性のみならず、高い
靭性が要求されようになった。これは、成形されたコネ
クターに金属端子を圧入する際、クラックなどの発生を
防ぐために高い靭性が必要なためである。このためコネ
クターのような表面実装部品用途には、難燃性に優れ、
流動性が良く、かつ靭性が高い難燃性ポリアミド組成物
の出現が望まれている。
【0006】靭性などの機械物性を向上させる方法とし
ては、マレイン化したポリオレフィンあるいはSEBS
などを添加する方法があるが、単にこれらを添加するだ
けでは流動性は低下してしまう。また、難燃剤の添加に
よる物性の低下を抑制するためには、難燃剤の粒子を均
一に細かく分散させるほうがいいと考えられるが、これ
まで、ベースポリマーと難燃剤とガラス繊維などからな
る樹脂中の難燃剤の粒子径を小さくする方法は検討され
ておらず、またその粒子径は測定されたことはなく、難
燃剤の粒子径と靭性などの物性の関係が調べられたこと
はなかった。特開平5−320503号公報では難燃剤
であるポリ臭素化スチレンの数平均分子量や重量平均分
子量を規定し、これらが小さい場合は機械的特性が低下
し、大きい場合は流動性が不良となるとの記述や、難燃
剤がポリアミド樹脂組成中に平均径20μm以下、好ま
しくは10μm以下で分散していることが好ましいとの
記述がある。しかし、ポリアミド樹脂組成物に含有され
る難燃剤の粒子径などについては具体的に測定したとの
記述がなく、本発明者の検討によると、その粒子径も非
常に大きく、さらには粒子径を小さく分散させる方法、
あるいは、粒子径と物性の関係については具体的な考察
はなされていない。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、難燃性に優れ、流動性が良
く、靭性が高い難燃性ポリアミド組成物およびこのよう
なポリアミドから形成された難燃性ポリアミドペレッ
ト、ならびに成形体を提供することを目的としている。
【0008】さらに本発明は、上記のような難燃性ポリ
アミド組成物を用いて形成された電気・電子部品を提供
することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の難燃性ポリアミド組成物は (A)テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70
モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン
酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および/または
脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単位とか
らなる繰返し単位から構成され、荷重2160g、融点
+10℃で測定されるMFRが40〜300g/10分の
範囲にあり、融点が290℃を超える芳香族ポリアミ
ド:20〜80重量%、 (B)無機質強化材:5〜50重量%、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
40重量%、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上記
(A),(B),(C),(D)成分の合計は100重量
%である)からなるポリアミド組成物であり、 該ポリアミド組成物についてUL94規格に基づいて測
定した難燃性がV−0相当であると共に、該ポリアミド
組成物をペレット状に成形した際に、該ペレット中にお
ける臭素系難燃剤の数平均粒子径が0.90μm未満で
あることを特徴としている。
【0010】また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂ペレ
ットは、 (A)テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70
モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン
酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および/または
脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単位とか
らなる繰返し単位から構成され、荷重2160g、融点
+10℃で測定されるMFRが40〜300g/10分の
範囲にあり、融点が290℃を超える芳香族ポリアミ
ド:20〜80重量%、 (B)無機質強化材:5〜50重量%、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
40重量%、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上記
(A),(B),(C),(D)成分の合計は100重量
%である)からなるポリアミド樹脂組成物からなるペレ
ットであり、該ペレットから濃硫酸で抽出したポリアミ
ドについて測定した粘度数が60〜110ml/gの範囲
内にあることを特徴としている。さらに、本発明の難燃
性ポリアミド成形体は、 (A)テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70
モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン
酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および/または
脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単位とか
らなる繰返し単位から構成される芳香族ポリアミド:2
0〜80重量%、 (B)無機質強化材:5〜50重量%、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
40重量%、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上記
(A),(B),(C),(D)成分の合計は100重量
%である)からなるポリアミド組成物から形成される成
形体であって、該成形体中に含有される臭素系難燃剤に
ついて測定した平均粒子径が0.9μm未満であること
を特徴としている。
【0011】上記の成形体から濃硫酸で抽出したポリア
ミドについて測定した粘度数が60〜110ml/gの範
囲内にあることが好ましく、また、上記ポリアミド組成
物からなる成形体について、UL94規格に基づいて測
定した難燃性は、通常はV−0相当である。また、本発
明の難燃性電気・電子部品は、上記難燃性ポリアミド組
成物あるいは、難燃性を有するポリアミドペレットを用
いて所望の形状に成形してなる。
【0012】本発明者は、特定の芳香族ポリアミドに、
特定の難燃剤を組み合わせることで、難燃剤の粒子径を
均一にかつ小さくすることができ、その結果、高い流動
性と高い靭性を併せ持つ難燃性ポリアミド組成物を得る
ことができることを見出した。そして、このような難燃
性ポリアミド組成物を用いることにより、昨今のファイ
ンピッチ化された電気・電子部品を製造することが可能
になり、また、リフローはんだ工程のように、この電気
・電子部品が非常な高温に晒されたとしても、この電気
・電子部品が熱的に損傷を受けることが少なくなる。
【0013】
【発明の具体的説明】次の本発明の難燃性ポリアミド組
成物およびこの組成物を用いて形成された電気・電子部
品、特にコネクターについて具体的に説明する。本発明
の難燃性ポリアミド組成物は、 (A)テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70
モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン
酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および/または
脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単位とか
らなる繰返し単位から構成され、荷重2160g、融点
+10℃で測定されるMFRが40〜300g/10分の
範囲にあり、融点が290℃を超える芳香族ポリアミ
ド:20〜80重量%と、 (B)無機質強化材:5〜50重量%と、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
40重量%と、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
を含む複合酸化物:0.1〜10重量%とからなる。但
し、上記(A),(B),(C),(D)成分の合計は
100重量%である。
【0014】そして、このポリアミド組成物についてU
L94規格に基づいて測定した難燃性がV−0相当であ
り、このポリアミド組成物をペレット状に成形した際
に、該ペレット中における臭素系難燃剤の数平均粒子径
が0.90μm未満であるポリアミド組成物である。こ
のように臭素系難燃剤の数平均粒子径を0.9μm未満
になるように芳香族ポリアミド中に分散させる際には、
芳香族ポリアミドのMFRと、臭素系難燃剤の主成分と
して用いるポリ臭素化スチレンのMFRとの関連性が非
常に重要になってくると考えられる。
【0015】(A)耐熱性ポリアミド 本発明では、耐熱性ポリアミドとしては、芳香族ポリア
ミドが用いられる。上記の(A)芳香族ポリアミドは、
(i) ジカルボン酸と(ii)ジアミンとから誘導される繰返
し単位から形成されている。そして、この芳香族ポリア
ミドを構成する繰返し単位は、(i)ジカルボン酸成分単
位として、テレフタル酸から誘導されるジカルボン酸成
分単位を30〜100モル%、好ましくは50〜100
モル%の範囲内の量で有している。また、この芳香族ポ
リアミドを構成する繰返し単位は、(i)ジカルボン酸成
分単位として、上記テレフタル酸単位に加えて、テレフ
タル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸および/また
は炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12の脂肪族ジ
カルボン酸から誘導される構成単位を、それぞれ、0〜
70モル%、好ましくは0〜50モル%の量で含むこと
ができる。
【0016】また、上記ジカルボン酸成分と共に、この
芳香族ポリアミドを形成する(ii)ジアミン成分単位とし
ては、炭素原子数4〜18、好ましくは6〜12の直鎖
アルキレンジアミンおよび/または側鎖アルキル基を有
する炭素原子数4〜18、好ましくは6〜12のアルキ
レンジアミン成分単位である。テレフタル酸成分単位と
脂肪族ジアミンとからなる繰返し単位の例としては、次
式〔I〕で表される繰返し単位を挙げることができる。
【0017】
【化1】
【0018】但し、上記式において、nは4〜18、好
ましくは6〜12である。また、上記式〔I〕で表され
る繰返し単位と共に、本発明のポリアミドを形成するこ
とができる好適な繰返し単位として、次式〔II〕で表さ
れる繰返し単位を挙げることができる。
【0019】
【化2】
【0020】但し、上記式〔II〕において、nは上記式
〔I〕とは独立に、4〜18、好ましくは6〜12であ
る。さらに、上記式〔I〕で表される繰返し単位と共
に、本発明のポリアミドを形成することができる好適な
繰返し単位として、次式〔III〕で表される繰返し単位
を挙げることができる。
【0021】
【化3】
【0022】但し、上記式〔III〕において、R1およびR
2は、それぞれ独立に、次の式で表される環状基または
炭素原子数4〜18、好ましくは6〜12の二価の炭化
水素基などである。そして、上記R1およびR2において
は、R1およびR2の少なくともいずれか一方、好ましくは
ジカルボン酸から構成される成分単位が、下記のような
環状構造を有する基であることが望ましい。また、上記
〔III〕において、R1およびR2は両者が下記環状構造を
有する基であってもよいが、通常はジカルボン酸成分単
位が環状構造を有する基であり、他方、通常はジアミン
成分単位が炭素原子数4〜18、好ましくは6〜12の
二価の炭化水素基であってもよい。この場合にジアミン
成分単位が炭素原子数4〜18、好ましくは6〜12の
二価の炭化水素基が例えばシクロヘキサンジアミンのよ
うな脂環構造を有するジアミンであってもよい。さらに
また、両者が炭素原子数4〜18、好ましくは6〜12
の二価の炭化水素基であってもよい。なお、以下に示す
ような二価の環状構造を有する基の環状構造を形成する
炭素原子に結合している水素原子は、メチル基、エチル
基などのアルキル基、その他の一価の基、ハロゲン原子
などの一価の原子で少なくとも一部が置換されていても
よい。
【0023】
【化4】
【0024】但し、R4は、水素原子または炭素原子数
1〜5のアルキル基であり、qは1〜4の整数である。
このような芳香族ポリアミドは、通常20〜80重量部
の量で、好ましくは25〜70重量部の量で配合され
る。本発明で用いられる芳香族ポリアミドを形成する
(i) ジカルボン酸は、芳香族ジカルボン酸を必須成分と
して含有しており、芳香族ジカルボン酸として好ましく
は(i-a) テレフタル酸を含有している。
【0025】またこの(i) ジカルボン酸は、(i-b) テレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸さらには(i-c) 脂肪
族ジカルボン酸を含有していてもよい。 (i-b) テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸として
は、たとえばイソフタル酸、2-メチルテレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、およびこれらの組合せなどが挙
げられる。
【0026】(i-c) 脂肪族ジカルボン酸としては、具体
的に、炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12のアル
キレン基を有する脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、たと
えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、およびこれらの組合せなどが挙げられる。これらの
うちでは、アジピン酸が好ましい。また上記のように
(i) ジカルボン酸とともに芳香族ポリアミドを形成する
(ii)ジアミンは、炭素原子数4〜20、好ましくは6〜
12の直鎖アルキレンジアミンおよび/または側鎖アル
キル基を有し炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12
のアルキレンジアミン、脂環族ジアミンであることが好
ましい。
【0027】このような(ii)炭素原子数4〜18の直鎖
アルキレンジアミンとしては、具体的に、1,4-ジアミノ
ブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタ
ン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10
-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジ
アミノドデカン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、2-
メチル-1,8-ジアミノオクタンおよびこれらの組合わせ
などが挙げられる。
【0028】これらのうち、1,6-ジアミノヘキサン、1,
9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカンが好ましく、
特に1,6-ジアミノヘキサンが好ましい。また、脂環族ジ
アミンの例としては、シクロヘキサンジアミンを挙げる
ことができる。上述のように本発明で用いられる芳香族
ポリアミド は、上記のようなテレフタル酸を含むジカ
ルボン酸とジアミンとから誘導される繰り返し単位を有
しており、この芳香族ポリアミドを構成するジカルボン
酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位の量は、3
0〜100モル%、好ましくは50〜100モル%の範
囲内にある。また、上述のように本発明で用いられる芳
香族ポリアミドは、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸とジアミンとから誘導される繰返し単位を有してお
り、この芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸成分
単位中に上記テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位は0〜70モル%、好ましくは0〜50モル%の
範囲内の量で含有されている。
【0029】さらに、本発明で用いられる芳香族ポリア
ミドは、脂肪族ジカルボン酸とジアミンとから誘導され
る繰返し単位を有しており、この芳香族ポリアミドを構
成するジカルボン酸成分単位中に上記脂肪族ジカルボン
酸成分単位は0〜70モル%、好ましくは0〜50モル
%の範囲内の量で含有されている。そして、好適には、
ジカルボン酸から誘導される構成単位を100モル%と
するとき、テレフタル酸から誘導される構成単位(a)
を、30〜100モル%、好ましくは40〜80モル
%、さらに好ましくは50〜70モル%で含有してお
り、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸から誘導さ
れる構成単位(b) を、0〜50モル%、好ましくは0〜
40モル%、さらに好ましく は0〜20モル%の量で
含有しており、脂肪族ジカルボン酸から誘導される構成
単位(c) を、0〜70モル%、好ましくは10〜60モ
ル%、さらに好ましくは20〜50モル%の量で含有し
ている。
【0030】また、本発明で用いられる芳香族ポリアミ
ドについて荷重2160g、融点+10℃の条件で測定
したMFRは、40〜300g/10分の範囲内にあるこ
とが必要であり、さらにこのMFRが、50〜250g
/10分の範囲内にあることが好ましく、さらに60〜2
00g/10分の範囲内にあることが特に好ましい。特に
本発明では、上記芳香族ポリアミドについて融点+10
℃で測定したMFRmp+10が、40g/10分以上、好ま
しくは50〜250g/10分の範囲内にある特定の芳香族ポリ
アミドと、後述する臭素系難燃剤の主成分であるポリ臭
素化スチレンについて測定した270℃で測定したMF
270 o C が40g/10分以上、好ましくは50〜350g/10
分の範囲内にある特定の溶融粘度を有するポリ臭素化ス
チレンとを組み合わせることにより非常に流動性がよ
く、耐熱性が高く、機械的特性に優れた難燃性ポリアミ
ド組成物を得ることができる。
【0031】上記のような芳香族ポリアミドは、融点が
高く、通常その融点は290℃を超えている。このよう
な融点を有する芳香族ポリアミドのうちでも、融点が2
95〜330℃、好ましくは300〜320℃である芳
香族ポリアミドが特に優れた耐熱性を有している。さら
に芳香族ポリアミドの非晶部におけるガラス転移温度は
通常は80℃以上である。
【0032】またこのような芳香族ポリアミドは、上記
のように特定の構造を有するため、吸水性についても低
い値を示す。本発明で用いられる芳香族ポリアミド
(A)は、耐熱性に優れており、コンパウンディング時
および成形時の加工温度が、通常、280〜380℃、
好ましくは300〜350℃である。
【0033】本発明の難燃性ポリアミド組成物におい
て、上記のような芳香族ポリアミドは、組成、MFR、
融点が上記範囲内にある芳香族ポリアミドを単独で使用
することもできるし、さらに特性の異なる複数の芳香族
ポリアミドを組み合わせて使用することができる。複数
の芳香族ポリアミドを使用する場合には、配合された芳
香族ポリアミド全体の特性が上記範囲内になるように使
用する芳香族ポリアミド種類、配合量などを調整する。
【0034】さらに本発明の難燃性ポリアミド組成物を
形成するポリアミドは、以下に記載する成分を配合して
調整した難燃性ポリアミド組成物を形成した後、以下に
示すように濃硫酸で抽出したポリアミドについてISO 30
7-1984(E)に準拠して測定した粘度数が、60〜110m
l/gの範囲内にあることが好ましく、さらにこの粘度数
が70〜105ml/gの範囲内にあることが特に好まし
い。
【0035】本発明において粘度数は、ISO 307-1984
(E)に準拠して測定した値であり、具体的には本発明の
難燃性ポリアミド組成物から96%濃硫酸を用いてポリ
アミドを抽出し、ポリアミドを0.005g/mlの濃度で含有
するポリアミドの濃硫酸溶液を調製する。こうして得ら
れた溶液についてISO 3105に記載のUbbelode型の粘度計
を用いて25℃における粘度を測定して求めた値であ
る。
【0036】本発明の難燃性ポリアミド組成物におい
て、上記のような芳香族ポリアミドは、20〜80重量
%、好ましくは25〜70重量%の量で含有されてい
る。 (B)無機質強化材 本発明の難燃性ポリアミド組成物において、上記の芳香
族ポリアミド中に、無機質強化材が含有されている 本発明では無機質強化材として 繊維状、粉状、粒状、
板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有する種々
の無機充填材を使用することができる。
【0037】さらに詳述すると、無機質強化材として
は、ガラス繊維(グラスファイバー)、チタン酸カリウ
ム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ウオ
ラストナイト、炭素繊維、金属炭化物繊維、金属硬化物
繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維などの無機繊維
が挙げられる。このような繊維状の充填材としては特に
ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用することによ
り、組成物の成形性が向上すると共に、熱可塑性樹脂組
成物から形成される成形体の引張り強度、曲げ強度、曲
げ弾性率等の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特
性が向上する。上記のようなガラス繊維の平均長さは、
通常は、0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲
にあり、アスペクト比が、通常は10〜2000、好ま
しくは30〜600の範囲にある。平均長さおよびアス
ペクト比がこのような範囲内にあるガラス繊維を使用す
ることが好ましい。このようなガラス繊維は、通常5〜
50重量%の量で、好ましくは10〜40重量%の量で
配合される。
【0038】上記の無機質強化材として使用される繊維
状無機質強化材の他、本発明において使用される無機質
強化材としては、粉末状、粒状、板状、針状、クロス
状、マット状等の形状を有する種々の無機質強化材の例
としては、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、炭酸カ
ルシウム、二酸化チタン、タルク、ワラストナイト、ケ
イソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、セ
ッコウ、ベンガラ、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛な
どの粉状あるいは板状の無機化合物、チタン酸カリウム
などの針状の無機化合物を挙げることができる。
【0039】これらの無機質強化材は、単独であるいは
組み合わせて使用することもできる。また、これらの無
機質強化材はシランカップリング剤あるいはチタンカッ
プリング剤などで処理して使用することもできる。たと
えばビニルトリエトキシシラン、2-アミノプロピルトリ
エトキシシラン、2-グリシドキシプロピルトリエトキシ
シランなどのシラン系化合物で表面処理されていてもよ
い。なお、このような無機質強化材が粒状物である場
合、その平均粒径は、通常0.1〜200μm、好ましく
は1〜100μmの範囲内にある。
【0040】本発明においては、上述した無機質強化材
の中でも、グラスファイバーが好ましく用いられる。本
発明において、無機質強化材は、5〜50重量%、好ま
しくは10〜45重量%の範囲内の量で使用される。 (C)臭素系難燃剤 本発明で用いられる臭素系難燃剤として、臭素化ポリス
チレン、ポリ臭素化スチレン、臭素化ポリフェニレンエ
ーテルなどが挙げられる。このような臭素化ポリスチレ
ンとしては、具体的には、ポリジブロモスチレン、ポリ
トリブロモスチレン、ポリペンタブロモスチレン、ポリ
トリブロモα−メチルスチレンなどが挙げられる。
【0041】上記のような臭素化ポリスチレンはポリス
チレンまたはポリα−メチルスチレンを臭素化すること
により得ることができる、一方、ポリ臭素化スチレンは
臭素化スチレンまたは臭素化α−メチルスチレンを重合
することにより製造することができる。特に本発明では
モノマーの段階で予め臭素化された臭素化スチレンある
いは臭素化α−メチルスチレンを重合することにより製
造されたポリ臭素化スチレンを使用することが好まし
い。このように原料モノマーであるスチレンあるいはα
-メチルスチレンの芳香族環を形成する水素原子の少な
くとも一部を臭素化した後、重合させて得られるポリ臭
素化スチレンは、臭素原子が芳香族環を形成する炭素原
子に結合した水素原子と置換してポリマー内に存在して
おり、このポリマーの主骨格をなすアルキル鎖を形成す
る水素原子は実質的に臭素原子で置換されていない。
【0042】他方、スチレンあるいはα-メチルスチレ
ンを原料として用いてポリスチレンなどを重合生成させ
た後、臭素化して得られた臭素化ポリスチレンなどは、
主として、芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素
原子の一部が臭素原子で置換されているが、ポリマーの
主骨格をなすアルキル鎖を形成する水素原子の一部も臭
素原子で置換されており、臭素原子がポリマーの主骨格
をなすアルキル鎖を形成する水素原子と置換しているか
否かの点で両者は異なる。
【0043】しかしながら、両者は式で表すと一般に下
記〔IV〕で表されている。
【0044】
【化5】
【0045】ここで、mは1〜5の整数である。即ち、
臭素化ポリスチレンは、原料として下記式〔V〕で表さ
れるスチレンを重合させた後、臭素化する。
【0046】
【化6】
【0047】これに対してポリ臭素化スチレンは、下記
式〔VI〕で表される臭素化スチレンを重合させることに
より得られる。
【0048】
【化7】
【0049】本発明では、臭素系難燃材として、予めモ
ノマーを臭素化した後、重合させたポリ臭素化スチレン
を含む臭素化難燃材を使用することが好ましい。上記の
ような本発明で用いられるポリ臭素化スチレンは、オリ
フィス内径2.095mm、荷重1200g、270℃
で測定されるMFRが40〜400g/10分、好ましくは
50〜350g/10分、さらに好ましくは、60〜300
g/10分であることが望ましい。または、重量平均分子量
(Mw)が2,000〜500,000、好ましくは、5,000〜400,0
00、さらに好ましくは、10,000〜300,000であることが
望ましい。
【0050】また本発明では、臭素系難燃剤(C)とし
て、上記ポリ臭素化スチレンに加えて、下記のような臭
素化合物を用いることもできる。ヘキサブロモベンゼ
ン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフェ
ニル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニル
オキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカ
ブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノ
ールAおよびテトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒ
ドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノー
ルA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テト
ラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエ
ーテル)などのテトラブロモビスフェノールA誘導体、
テトラブロモビスフェノールSおよびテトラブロモビス
フェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テ
トラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロ
ピルエーテル)などのテトラブロモビスフェノールS誘
導体、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモフタル
イミド、エチレンビステトラブロモフタルイミドなどの
テトラブロモ無水フタル酸誘導体、エチレンビス(5,6-
ジブロモノルボルナン-2,3- ジカルボキシイミド)、ト
リス-(2,3-ジブロモプロピル-1)-イソシアヌレート、ヘ
キサブロモシクロペンタジエンのディールスアルダー付
加物、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブ
ロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフ
ェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェニル、
エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデ
カブロモジフェノキシベンゼン、臭素化ポリフェニレン
オキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネ
ート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、オクタ
ブロモナフタリン、ペンタブロモシクロヘキサン、ヘキ
サブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)
フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミ
ンなど。
【0051】本発明の難燃性ポリアミド組成物中には、
これらの臭素系難燃剤は5〜40重量%、好ましくは1
0〜35重量%の範囲内の量で配合される。 (D)アンチモンを含む化合物および/または亜鉛を含
む複合酸化物本発明で(D)成分として用いられるアン
チモンを含む化合物の例としては、三酸化アンチモン、
五酸化アンチモン、四酸化アンチモン、アンチモン酸ソ
ーダなどが挙げられる。
【0052】また、同様に(D)成分として用いられる
亜鉛を含む複合酸化物の例としては、下記式 2ZnO・3B23、4ZnO・B23・H2O、2Z
nO・3B23・3.5H2Oで表されるホウ酸亜鉛、式
ZnSnO3、ZnSn(OH)6で表される錫酸亜鉛な
ど、モリブデン酸カルシウム亜鉛、塩基性モリブデン酸
亜鉛、高能率モリブデン酸亜鉛と珪酸マグネシウムの化
合物、燐酸亜鉛などが挙げられる。
【0053】このようなアンチモンを含む化合物および
亜鉛を含む複合酸化物は単独で使用することができ、ま
た複数のアンチモンを含む化合物または複数の亜鉛を含
む複合酸化物を組み合わせて使用することができる。ま
た、アンチモンを含む化合物と亜鉛を含む複合酸化物を
併用することもできる。これらのうちでは、アンチモン
酸ソーダ、2ZnO・3B23、およびそれらの組合わ
せが好ましく用いられる。
【0054】本発明において(D)成分として使用され
るアンチモンを含む化合物および/または亜鉛を含む複
合酸化物の添加量は、0.1〜10重量%、好ましくは
1〜8重量%の量である。これらを臭素系難燃剤と併用
することにより、難燃性が向上する。 他の成分 本発明の難燃性ポリアミド組成物は、上記のような各成
分に加えて本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外
の耐熱安定剤、耐候安定剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止
剤、離型剤、顔料、染料、無機あるいは有機充填剤、核
剤、繊維補強剤、カーボンブラック、タルク、クレー、
マイカなどの無機化合物などの配合剤を含有していても
よい。
【0055】特に本発明の難燃性ポリアミド組成物は、
上記のうち繊維補強剤を含有していることにより、より
いっそう耐熱性、難燃性、剛性、引張強度、曲げ強度、
衝撃強度が向上される。さらに本発明の難燃性ポリアミ
ド組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の重合
体を含有していてもよく、このような他の重合体の例と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メチル
-1- ペンテン、エチレン・1-ブテン共重合体、プロピレ
ン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合
体、ポリオレフィンエラストマーなどのポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシ
ド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0056】本発明の難燃性ポリアミド組成物は、上記
のような(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)
成分、さらに必要により他の成分を含有しており、さら
にこの組成物がUL94規定により測定した難燃性がV
−0相当である。ここでUL94規定による難燃性の測
定は、次のようにして行う。試験片の上端部をクランプ
で試験装置に係止し、試験片を垂直にセットする。この
試験片の下端部に所定の炎を10秒間当てた後、炎をは
なし、試験片の一回目の燃焼時間を測定する。
【0057】試験片の一回目の燃焼試験における燃焼が
停止(消火)したら直ちに下端部から炎を10秒間当てた
後、炎をはなし、試験件の二回目の燃焼時間を測定す
る。10個のデータのうち最大値をMとし、合計をTと
する。 V-0相当:Mが10秒以下、Tが50秒以下であって
試験片がクランプまで燃え上がらず、溶融物が落ちて、
下に敷いた綿を発火させなければV-0相当。
【0058】V-1相当:Mが30秒以下、Tが250
秒以下で試験片がクランプまで燃え上がらず、溶融物
が、下の綿を発火させなければV-1相当。 V−2相当:Mが30秒以下で、Tが250秒以下で試
験片がクランプまで燃え上がらず、溶融物が落ちて、下
の綿を発火させたらV-2相当。さらに、本発明の難燃
性ポリアミド組成物において、ペレット中における臭素
系難燃剤の平均粒子径は0.9μm未満、好ましくは
0.01〜0.8μmであり、使用した臭素系難燃剤が
凝集することなく均一に分散している。このようなペレ
ット中における臭素系難燃剤の平均粒子径の測定は次の
ようにして行う。
【0059】即ち、まず、難燃性ポリアミド組成物のペ
レットをエポキシ系樹脂で包理する。ガラス繊維が横に
なるような面を形成すべくこのペレットを研磨する。こ
うして研磨したペレットを塩化メチレン中に室温で2時
間浸漬し、研磨面から臭素系難燃剤を溶出させてエッチ
ングを行う。次いで、イオンスパッター(E−103
0、(株)日立製作所製)を用いて、Pt−Pd膜を蒸
着させる。走査電子顕微鏡(S−800、(株)日立製
作所製、倍率:500倍、3000倍)で臭素系難燃剤
が抜けた表面を観察する。あらかじめ、エッチング前の
像でボイドなどの存在は確認しておき、両者の電子顕微
鏡写真を比較して溶出した臭素系難燃剤の平均粒子径を
求める。
【0060】具体的には、得られた写真を画像解析・計
測ソフトimage−Pro−Plus(Planet
ron社)を用いて分析し、分散粒子径および分布を求
める。本発明では臭素系難燃剤として、臭素化スチレン
を重合して得られるポリ臭素化スチレンを主として使用
することにより、臭素系難燃剤が、芳香族ポリアミド中
に微細粒子を形成して非常に均一に分散しており、従っ
て、良好な難燃性を有するとともに、このように臭素系
難燃剤が微分散している本発明のポリアミド組成物は良
好な成形性を示し、ファイン化している電気・電子部
品、特にコネクターのように微細な端子が嵌挿する構造
を有する電子・電気部品を形成するための難燃性樹脂と
して好適である。
【0061】なお、本発明の難燃性ポリアミド組成物を
用いて成形された電子・電気部品、例えばコネクターに
おける臭素化難燃剤の平均粒子径についても、上記のペ
レットにおける臭素化難燃剤の平均粒子径を測定したの
と同様の方法で測定することができる。そして、本発明
の難燃性ポリアミド組成物を用いて製造された電気・電
子部品、特にコネクターにおける臭素化難燃剤の平均粒
子径を測定すると、ペレットにおける臭素化難燃剤の平
均粒子径と同等であり、0.9μm未満、好ましくは
0.01〜0.8μmであり、成形体においても、使用
した臭素系難燃剤が凝集することなく均一に分散してい
る。即ち、本発明で使用する臭素系難燃剤は、射出成
形、押出し成形などの成形の際に凝集することがなく、
成形前と同様の状態で成形体中に分散している。
【0062】本発明の難燃性ポリアミド組成物は、上記
のような成分を、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、
リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどで混合す
る方法、あるいは混合後さらに一軸押出機、多軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、
造粒あるいは粉砕する方法により製造することができ
る。
【0063】本発明の電気・電子部品は、上記のように
して得られた本発明の難燃性ポリアミド組成物を加熱溶
融した後所望の形状に賦型し、冷却することにより製造
することができる。この賦型には、所望の形状を形成可
能な金型内に上記本発明の難燃性ポリアミド組成物を溶
融成形する方法などにより製造することができる。そし
て、本発明の難燃性ポリアミド組成物を用いることによ
り、薄肉流動長試験で示される溶融物の流動性が良好で
あり、薄肉部を多数有するコネクターなどの電子部品を
効率よく製造することができる。
【0064】しかも本発明の難燃性ポリアミド組成物か
ら製造されたコネクターのような電子部品は靭性が高
く、コネクターの接合の際(雄型コネクターの端子を雌
型コネクターに挿入する際)などに割れなどが発生しに
くい。また、本発明の電気・電子部品は優れた耐熱性を
有しており、リフローはんだ工程においても熱変形する
ことが少ない。
【0065】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリアミド組成物中に
は、臭素系難燃剤が0.9μm未満の数平均粒子径で含
有されているので、本発明の難燃性ポリアミド組成物を
加熱溶融した際に優れた流動性を示す。また、本発明の
難燃性ポリアミド組成物を用いて形成された成形体であ
る電気・電子部品、特にコネクターは、優れた靭性を有
すると共に、耐熱性に優れている。
【0066】具体的には、このような難燃性ポリアミド
組成物は、破壊に要するエネルギーが37mJ以上、薄
肉流動性は60mm以上である。しかし、難燃剤の数平
均粒子径が0.90μmより大きい場合、その難燃性ポ
リアミド組成物を用いて成形されたコネクターなどの電
気・電子部品は、耐熱性、とくに靭性が低い。また、リ
フロー炉で約200℃以上に加熱された場合や溶融され
た場合、難燃剤の粒子が再凝集して粒子径が大きくな
り、その結果成形品の外観が悪くなったり、靭性が低下
する。これは、難燃性ポリアミド組成物のペレットをプ
レスして得られるシートなどの難燃剤の粒子径を観察す
ることによって確認できる。
【0067】
【実施例】次に本発明の実施例を示して具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例により限定されるものでは
ない。以下の実施例および比較例においては、下記のよ
うな各成分を用いた。 (A)耐熱性ポリアミド(1) 組成:酸成分…テレフタル酸55モル%とアジピン酸4
5モル%、ジアミン成分…1,6-ジアミノヘキサン100
モル% 極限粘度[η]…1.0dl/g 融点…310℃ MFR…9g/10分(320℃で測定) 耐熱性ポリアミド(2) 組成:酸成分…テレフタル酸55モル%とアジピン酸4
5モル%、 ジアミン成分…1,6-ジアミノヘキサン100モル%、 極限粘度[η]…0.8dl/g 融点…310℃ MFR…150g/10分(320℃で測定) (B)無機質強化材 ガラス繊維(旭ファイバーグラス製CS03JAFT2
A) (C)臭素系難燃剤(1) ポリ臭素化スチレン GLC社製PDBS80,MFR…115g/10分 臭素系難燃剤(2) ポリ臭素化スチレン GLC社製PBS64−HW,MFR…58g/10分 臭素系難燃剤(3) 臭素化ポリスチレン フェロ社製PC−68PBC,MFR…21g/10分 (D)アンチモンを含む化合物および/または亜鉛を含む複合酸化物 アンチモン酸ソーダ 日産化学(株)製サンエポック NA−1070…5重量部 上記以外に燃焼時のドリップ防止剤として、マレイン化
SEBS(旭化成(株)製、商品名:タフテックM19
13)1重量部、ハロゲンキャチャーとしてハイドロタ
ルサイト(協和化学工業(株)製DHT−4C)0.3
重量部、および離型剤としてワックス(クラリアントジ
ャパン(株)製、商品名:ホスターモントNaV10
1)0.3重量部、結晶核剤としてタルク(松村産業
(株)製、商品名:ハイフィラー#100ハクド95)
0.7重量部を添加した。
【0068】
【実施例1、2】上記のような各成分を、表1に示すよ
うな量比で混合し、温度310℃に設定した二軸ベント
付押出機に装入し、溶融混練してペレット化した。 [融点]ポリアミドについてDSCの吸熱曲線を求め、
最大ピーク位置の温度を融点(Tm)とした。吸熱曲線
は試料をアルミパンに詰め、10℃/分の速度で昇温し
て求めた。 [MFR]以下に示すASTM D1238に準じて測
定した。
【0069】耐熱性ポリアミドのペレットを真空乾燥機
を用いて、減圧下に120℃、12時間乾燥する。つぎ
に、自動押出型プラストメーターを用い、オリフィス内
径2.095mm、荷重2160g、320℃で測定し
た。 [粘度数]ISO 307−1984(E)に準拠して
測定した。96%の濃硫酸を用いてポリアミド組成物か
らポリアミドを抽出し、0.005g/mlの濃度のポ
リアミドの濃硫酸溶液を調製する。ISO3105に記
載のUbbelohde型の粘度計を用いて25℃で測
定した。 [難燃性]燃焼試験片(1/32インチ×1/2 ×5イン
チ)を得て、UL−94規格に従い、垂直型燃焼試験を
行った。 [曲げ試験(靭性)]射出成形で調製した長さ64m
m、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を用いて、スパ
ン26mm、曲げ速度5mm/minで曲げ試験を行
い、曲げ強度、曲げ弾性率、その試験片を破壊するのに
要するエネルギー(靭性)、破壊した時の歪み量を測定
した。
【0070】成形機:(株)ソディック プラステッ
ク、ツパールTR40S3A シリンダー温度: NT/C1/C2/C3=320℃/320℃/310
℃/300℃ 金型温度:120℃ 曲げ試験機:NTESCO社製 AB5 [薄肉流動長試験]幅10mm、厚み0.5mmのバー
フロー金型に以下の条件で射出した。最初の 20ショ
ットは捨て、その後10ショットの流動長(mm)を測
定し、平均を求 めた。
【0071】 射出成形機:東芝機械(株)製IS−50EPN 射出圧力:1000kg/cm2 射出速度:99% シリンダー温度: NT/C1/C2/C3=320℃/320℃/310
℃/300℃ 金型温度:120℃ [リフロー耐熱性試験]射出成形で調製した長さ64m
m、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度40
℃、相対湿度95%で96時間調湿した。赤外線及び熱
風併用型リフローはんだ装置(日本アントム工業(株)
製SOLSIS−201IR)を用いて、図1に示す温
度プロファイルのリフロー工程を行った。
【0072】試験片を厚み1mmのガラスエポキシ基板
上に載置すると共に、この基板上に温度センサーを設置
して、プロファイルを測定した。図1中、所定の設定温
度(aは240℃、bは230℃、cは220℃、dは
210℃)まで加熱し、20秒間加熱保持した、試験片
が溶融せず、かつ、表面にボイドが発生しない設定温度
の最大値を求め、この設定温度の最大値をリフロー耐熱
性とした。
【0073】ここで上記設定温度とは、リフローはんだ
を充分に溶融させるために、試験片を20秒間以上加熱
保持する温度を意味する。用いるリフローはんだ装置に
よって異なるが、試験片はリフロー工程においては図1
に示すように、上記設定温度よりも10℃程度高い温度
にまで加熱されている。 [難燃剤の粒子径]難燃性ポリアミド組成物のペレット
をエポキシ系樹脂で包理する。ガラス繊維が横になるよ
うな面になるように研磨する。これを塩化メチレン中に
室温で2時間漬け、研磨面から臭素系難燃剤を溶出させ
てエッチングを行う。イオンスパッター(E−103
0、(株)日立製作所)を用いて、Pt−Pd膜を蒸着
させる。走査電子顕微鏡(S−800、(株)日立製作
所、倍率:500倍、3000倍)で臭素系難燃剤が抜
けた表面を観察する。あらかじめ、エッチング前の像で
ボイドなどの存在は確認しておく。
【0074】得られた写真を画像解析・計測ソフトim
age−Pro−Plus(Planetron社製)
を用いて分析し、分散粒子径および分布を求める。結果
を表1に示す。
【0075】
【比較例1、2】表1に示すような組成物を用いた以外
は、実施例と同様にして試験を行った。結果を表1に示
す。
【0076】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、リフロー工程を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01R 13/46 301 H01R 13/46 301B Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15X AA22 AA22X AA55 AA71 AA75 AA84 AA88 AB19 AB21 AB28 AB30 AD01 AE07 AE17 AF17 AF45 AF47 AF53 BA01 BB05 BC03 4J002 BC11X CL03W DA016 DB016 DE107 DE127 DE186 DE187 DJ006 DJ026 DK006 DK007 DL006 DM006 FA046 FB076 FD016 FD13X GQ00 5E087 KK04 RR08 RR14 RR25 RR47

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)テレフタル酸成分単位30〜100
    モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分
    単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20
    の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とからな
    るジカルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位お
    よび/または脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン
    成分単位とからなる繰返し単位から構成され、荷重21
    60g、融点+10℃で測定されるMFRが40〜30
    0g/10分の範囲にあり、融点が290℃を超える芳香
    族ポリアミド:20〜80重量%、 (B)無機質強化材:5〜50重量%、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
    チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
    40重量%、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
    を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上記
    (A),(B),(C),(D)成分の合計は100重量
    %である)からなるポリアミド組成物であり、 該ポリアミド組成物についてUL94規格に基づいて測
    定した難燃性がV−0相当であると共に、該ポリアミド
    組成物をペレット状に成形した際に、該ペレット中にお
    ける臭素系難燃剤の数平均粒子径が0.90μm未満で
    あることを特徴とする難燃性ポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】 上記難燃性ポリアミド組成物から濃硫酸
    を用いて抽出したポリアミドについて測定した粘度数が
    60〜110ml/gの範囲にあることを特徴とする請求項
    第1項記載の難燃性ポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】 上記難燃性ポリアミド組成物から形成さ
    れた成形体中に含有されている臭素系難燃剤について測
    定した数平均粒子径が0.9μm未満であることを特徴
    とする請求項第1項記載の難燃性ポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 上記ポリ臭化スチレンについて直径2.0
    95mmのオレフィスを用いて、加重1200g、270℃の条
    件で測定したMFRが40〜400g/10分であるか、およ
    び/または、該臭化スチレンの重量平均分子量が200
    0〜500000の範囲内にあることを特徴とする請求
    項第1項記載の難燃性ポリアミド組成物。
  5. 【請求項5】(A)テレフタル酸成分単位30〜100
    モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分
    単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20
    の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とからな
    るジカルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位お
    よび/または脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン
    成分単位とからなる繰返し単位から構成され、荷重21
    60g、融点+10℃で測定されるMFRが40〜30
    0g/10分の範囲にあり、融点が290℃を超える芳香
    族ポリアミド:20〜80重量%、 (B)無機質強化材:5〜50重量%、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
    チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
    40重量%、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
    を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上記
    (A),(B),(C),(D)成分の合計は100重量
    %である)からなるポリアミド樹脂組成物からなるペレ
    ットであり、 該ペレットから濃硫酸で抽出したポリアミドについて測
    定した粘度数が60〜110ml/gの範囲内にあること
    を特徴とする難燃性ポリアミド樹脂ペレット。
  6. 【請求項6】 上記ポリ臭化スチレンについて直径2.0
    95mmのオレフィスを用いて、加重1200g、270℃の条
    件で測定したMFRが40〜400g/10分であるか、およ
    び/または、該臭化スチレンの重量平均分子量が200
    0〜500000の範囲内にあることを特徴とする請求
    項第5項記載の難燃性ポリアミド樹脂ペレット。
  7. 【請求項7】(A)テレフタル酸成分単位30〜100
    モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分
    単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20
    の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とからな
    るジカルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位お
    よび/または脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン
    成分単位とからなる繰返し単位から構成される芳香族ポ
    リアミド:20〜80重量%、 (B)無機質強化材:5〜50重量%、 (C)臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化ス
    チレンを少なくとも1種類以上含む臭素系難燃剤:5〜
    40重量%、 (D)アンチモンを含む化合物、および/または、亜鉛
    を含む複合酸化物:0.1〜10重量%(但し、上記
    (A),(B),(C),(D)成分の合計は100重量
    %である)からなるポリアミド組成物から形成される成
    形体であって、 該成形体中に含有される臭素系難燃剤について測定した
    平均粒子径が0.9μm未満であることを特徴とする難
    燃性ポリアミド成形体。
  8. 【請求項8】 上記ポリ臭化スチレンについて直径2.0
    95mmのオレフィスを用いて、加重1200g、270℃の条
    件で測定したMFRが40〜400g/10分であるか、およ
    び/または、該臭化スチレンの重量平均分子量が200
    0〜500000の範囲内にあることを特徴とする請求
    項第7項記載の難燃性ポリアミド成形体。
  9. 【請求項9】 上記成形体から濃硫酸で抽出したポリア
    ミドについて測定した粘度数が60〜110ml/gの範
    囲内にあることを特徴とする請求項第7項記載の難燃性
    ポリアミド成形体。
  10. 【請求項10】 上記ポリアミド組成物からなる成形体
    について、UL94規格に基づいて測定した難燃性がV
    −0相当であることを特徴とする請求項第7項記載の難
    燃性ポリアミド成形体。
  11. 【請求項11】 上記請求項第1項乃至第4項のいずれ
    かの項に記載された難燃性ポリアミド組成物、または、
    請求項第5項記載の難燃性ポリアミド樹脂ペレットのい
    ずれかからから形成されていることを特徴とする難燃性
    電気・電子部品。
  12. 【請求項12】 上記難燃性電気・電子部品がコネクタ
    ーであることを特徴とする請求項第11項記載の難燃性
    電気・電子部品。
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