JP5276000B2 - 難燃性ポリアミド組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ハロゲンフリーであって、かつ、靭性等の機械物性、リフローはんだ工程における耐熱性、流動性、特に薄肉の成形品における難燃性に優れ、かつ成形時における熱安定性が良好な、難燃性ポリアミド組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は、特に薄肉でコネクター端子間距離が短いファインピッチコネクターなどの電気電子部品を形成し、鉛フリーはんだの様な高融点はんだを使用した、表面実装方式で部品を組み立てる用途に好適な、環境負荷の低減された難燃性ポリアミド組成物に関する。
従来から電子部品を形成する素材として加熱溶融して所定の形状に成形可能なポリアミド樹脂が使用されている。一般に、ポリアミドとしては、6ナイロン、66ナイロンなどが広汎に使用されているが、このような脂肪族ポリアミドは、良好な成形性を有するが、リフローはんだ工程のような高温に晒されるコネクターのような表面実装部品を製造するための原料としては充分な耐熱性を有していない。このような背景から、高い耐熱性を有するポリアミドとして46ナイロンが開発されたが、吸水率が高いという問題がある。そのため、46ナイロン樹脂組成物を用いて成形された電気電子部品は、吸水により寸法が変化することがある。成形体が吸水していると、リフローはんだ工程での加熱によりブリスター、いわゆる膨れが発生するなどの問題があった。特に近年環境問題の観点から、鉛フリーはんだを使用した表面実装方式に移行しつつあるが、従来の鉛はんだよりも融点が高く、必然的に実装温度も従来より10〜20℃上昇してきており、46ナイロンの使用は困難な情況になってきている。
これに対して、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンとから誘導される芳香族ポリアミドが開発された。芳香族ポリアミドは、46ナイロンなどの脂肪族ポリアミドに比べてより一層耐熱性、低吸水性に優れる特徴を有している。しかしながら、46ナイロンと比較して剛性を高くする事は可能なものの、靭性が不足する問題を抱えている。特に薄肉のファインピッチコネクター用途では、端子圧入時、および挿抜作業時においてコネクター材料の靭性がないと、製品の割れ、白化等の現象が発生するため、高靭性を持つ材料の開発が望まれている。
上記の問題に対し、ポリアミド樹脂の割合を増やし、難燃剤の量を削減すれば靭性の向上は可能となる。しかし、コネクターの様な電子部品用途は、一般的にアンダーライターズ・ラボラトリーズ・スタンダードUL94で規定されている、V−0といった高い難燃性や耐炎性が要求される事が多く、難燃性を損なうことなく、良好な靭性を得ることが困難であった。
一方、地球温暖化が問題とされる中、既存の難燃剤としては臭素化ポリフェニレンエーテルや、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレンなど、ハロゲン含有難燃剤が一般的に使用されている。しかしながら、ハロゲン化合物は、燃焼時に有毒ガスであるハロゲン化水素の発生を伴うため、耐熱性の高い、ハロゲンフリーの難燃剤の必要性が重要視されている。そのような化合物として、ホスフィン酸塩の利用が注目されている。
しかしながら、薄肉の小型成形品が多い電気電子部品用途においては、1/32インチ以下の薄肉の条件下におけるUL94 V−0を達成するには難燃性が十分でない点、および成形時における流動性が悪い点が問題となっていた。
特許文献1では、難燃性がUL94 V−0となっているが、1/32インチ等の薄肉の成形品を用いた場合は難燃性が不安定で、試験毎によって燃焼時間が大きくばらつく点、および薄肉の小型部品の成形時における流動性が不足する点で問題があった。
特許文献2、3は、難燃成分として金属化合物と共にメラミンとリン酸から形成される付加物を用いた技術に関する内容である。しかし、特に加工温度が280℃以上となる様な高融点耐熱ポリアミド樹脂を用いる場合は、メラミンとリン酸の付加物の耐熱性が低く、射出成形時に分解してしまうといった不具合が発生し、実質使用が困難であった。
特許文献4では、難燃剤成分としてホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩から選択される少なくとも1種の化合物を使用している。しかし本文献で実質使用している化合物はホスファゼン化合物単独であり、融点が280℃、特に310℃以上の高融点ポリアミド樹脂に対しては、ホスファゼン化合物との融点差が大きい為、押出機等を用いた混練作業性が非常に悪化すること、および1/32インチの薄肉の条件下においてUL94 V−0といった、薄肉の成形品における高い難燃性を安定して確保する事が困難であること、などの問題があった。
特許文献5では、ポリアミド等の樹脂に、難燃剤としてホスファゼン化合物、難燃助剤として有機ホスフィン酸化合物を含み得る組成物が提案されている。しかしながら、本文献の組成物も、押出機等を用いた混練作業性の悪化、成形時の流動性の悪化、およびガス発生などの問題点があった。
WO2005/035664号公報 特開2007/023206号公報 特開2007/023207号公報 特開2007−138151号公報 特開2003−342482号公報
本発明は、ハロゲンフリーであって燃焼時のハロゲン化合物の発生がなく、かつ、高い温度条件下における成形時の熱安定性に優れ、燃焼時に安定した難燃性を発現する事が可能であり、かつ流動性、靭性、および鉛フリーはんだを使用した表面実装でのリフローはんだ工程における耐熱性が良好な、難燃性ポリアミド組成物を提供することである。
本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、ポリアミド樹脂、ホスフィン酸塩化合物、ホスファゼン化合物を含み、任意に難燃助剤として特定の元素の酸化物を含む難燃性ポリアミド組成物が、成形安定性、難燃性、流動性、靭性に優れかつ鉛フリーはんだを使用した表面実装でのリフローはんだ工程における耐熱性が良好な材料であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリアミド樹脂(A)20〜80質量%、ホスフィン酸塩化合物(B)5〜30質量%、ホスファゼン化合物(C)0.01〜10質量%であることを特徴とする、難燃性ポリアミド組成物、およびその成形体、成形方法、電気電子部品である。
本発明の難燃性ポリアミド組成物を使用することにより、燃焼時にハロゲン化水素の発生がなく、かつ、成形時の熱安定性、薄肉の成形品における安定した難燃性、流動性、靭性に加え、鉛フリーはんだを使用した表面実装で要求される耐熱性に優れた成形品を得ることができ、工業的価値は極めて高い。
本発明の実施例および比較例にて実施した、リフロー耐熱性試験のリフロー工程の温度と時間との関係を示す図である。 本発明の実施例の結果を示す表(表1)である。 本発明の比較例の結果を示す表(表2)である。 本発明の実施例の結果を示す表(表3)である。 本発明の実施例および比較例の結果を示す表(表4)である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポリアミド樹脂(A)]
本発明のポリアミド樹脂(A)は、多官能カルボン酸成分単位(a−1)と、多官能アミン成分単位(a−2)とからなる。
[多官能カルボン酸成分単位(a−1)]
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を構成する多官能カルボン酸成分単位(a−1)は、テレフタル酸成分単位40〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位0〜30モル%、および/または炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位0〜60モル%であることが好ましく、これらの多官能カルボン酸成分単位の合計量は100モル%である。
このうちテレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位としては、例えばイソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられ、これらの中で、特にイソフタル酸が好ましい。またこれらは単独でも2種類以上組み合わせて使用しても構わない。3官能以上の多官能カルボン酸化合物を使用する場合は、樹脂がゲル化しないような添加量、具体的には全カルボン酸成分単位の合計100モル%中10モル%以下にする必要がある。
また、脂肪族多官能カルボン酸成分を導入する際は、炭素原子数は4〜20、好ましくは6〜12、さらに好ましくは6〜10の脂肪族多官能カルボン酸化合物から誘導される。このような化合物の例としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。この中でも、アジピン酸が機械物性向上の観点で特に好ましい。この他にも、必要に応じて適宜3官能以上の多官能カルボン酸化合物を使用する事が出来るが、樹脂がゲル化しないような添加量に留めるべきであり、具体的には全カルボン酸成分単位の合計100モル%中10モル%以下にする必要がある。
また、本発明においては、多官能カルボン酸成分単位の合計量を100モル%とするとき、テレフタル酸成分単位は、40〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは60〜100モル%、さらに好ましくは60〜70モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位は0〜30モル%、好ましくは0〜10モル%の量で含有される事が好ましい。芳香族多官能カルボン酸成分量が増大すると、吸湿量が低下し、リフロー耐熱性が向上する傾向にある。特に鉛フリーはんだを使用したリフローはんだ工程においては、テレフタル酸成分単位は60モル%以上である事が好ましい。また、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分量は、その含有量が少なくなる程ポリアミド樹脂の結晶化度が高くなるため、成形品の機械物性、特に靭性が高くなる傾向にある。さらに、炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位は、0〜60モル%、好ましくは0〜50モル%、さらに好ましくは30〜40モル%の量で含有されることが好ましい。
[多官能アミン成分単位(a−2)]
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を構成する多官能アミン成分単位(a−2)は、直鎖およびまたは側鎖を有する炭素原子数4〜25、好ましくは4〜8、より好ましくは直鎖で炭素原子数が4〜8の多官能アミン成分単位が挙げられ、これらの多官能アミン成分単位の合計量は100モル%である。
直鎖多官能アミン成分単位の具体的な例としては、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンが挙げられる。この中でも、1,6−ジアミノヘキサンが好ましい。
また、側鎖を有する直鎖脂肪族ジアミン成分単位の具体的な例としては、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,6ージアミノヘキサン、2−メチル−1,7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナン、2−メチル−1,10−ジアミノデカン、2−メチル−1,11−ジアミノウンデカン等が挙げられる。この中では、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタンが好ましい。
また脂環族多官能アミン成分単位としては、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,4−シクロヘキサン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,3−シクロヘキサン等の脂環族ジアミンから誘導される成分単位を挙げることができる。これらの脂環族ジアミン成分単位のうちでは、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタンが好ましく、特に1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミンから誘導される成分単位が好ましい。3官能以上の多官能アミン化合物を使用する場合は、樹脂がゲル化しないような添加量、具体的には全アミン成分単位の合計100モル%中10モル%以下にする必要がある。
[ポリアミド樹脂(A)の特性]
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)は、温度25℃、96.5%硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜1.25dl/g、好ましくは0.65〜0.95dl/g、より好ましくは0.75〜0.90dl/gである。[η]がこの範囲にある場合、流動性、リフロー耐熱性、靭性に優れるポリアミド樹脂を得ることができる。
また本発明で使用するポリアミド樹脂(A)は、結晶性であるため融点を有する。上記製造法にて得られたポリアミド樹脂について、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分で昇温した時の融解に基づく吸熱ピークを融点(Tm)として測定した場合、ポリアミド樹脂(A)の融点は280〜340℃、特に300〜340℃が好ましく、より好ましくは315〜330℃である。融点がこのような範囲にあるポリアミド樹脂では、特に優れた耐熱性を有する。また融点が280℃以上、さらに300℃以上、特に315〜330℃であると、リフローはんだ工程、特に高融点を有する鉛フリーはんだを使用した場合における十分な耐熱性を得ることができる。一方、融点が340℃以下であると、ポリアミドの分解点である350℃より低く、成形時に発泡、分解ガスの発生、成形品の変色等を生じることがなく、十分な熱安定性を得ることができる。
また本発明で使用されるポリアミド樹脂(A)は、難燃性ポリアミド組成物100質量%中、20〜80質量%、好ましくは40〜60質量%の割合で添加する事が好ましい。
[ホスフィン酸塩化合物(B)]
本発明で用いられるホスフィン酸塩化合物(B)は、樹脂の燃焼性を低下させる目的で添加され、好ましくはホスフィン酸金属塩化合物が挙げられる。
具体的には、以下の式(3)及び/又は式(4)で表される化合物に代表される。
Figure 0005276000
[式中、RおよびRは互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC−C−アルキルおよび/またはアリールであり; Rは直鎖状のまたは枝分かれしたC−C10−アルキレン、C−C10−アリーレン、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレンであり;Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;mは1〜4であり;nは1〜4であり;xは1〜4である。]
さらに具体例としては、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛が挙げられる。好ましくはジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛であり、さらに好ましくはジエチルホスフィン酸アルミニウムである。
本発明で使用されるホスフィン酸塩化合物(B)は、市場から容易に入手することができ、例えばクラリアントジャパン社製のEXOLIT OP1230、OP930、等が挙げられる。
また本発明で使用されるホスフィン酸塩化合物(B)は、難燃性ポリアミド組成物100質量%中、5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%の割合で添加する事が好ましい。
上記化合物を本範囲内で用いることで、UL94 V−0のような高いレベルの難燃規格において安定した難燃性を発現する事が可能となり、かつ薄肉の成形品への高い流動性、靭性等の機械物性およびリフローはんだ工程、特に高融点を有する鉛フリーはんだを使用した場合における十分な耐熱性を得ることができる。
[ホスファゼン化合物(C)]
本発明で用いられるホスファゼン化合物(C)は、特に1/32インチ以下の肉厚が薄い成形品を得る際に、靭性等の機械物性を損なう事無く、高い流動性およびUL94 V−0のような高いレベルで難燃性を発現させる目的で使用され、特に薄肉の小型電気電子部品のような用途に有効である。
ホスファゼン化合物(C)は、具体的には、式(1)で表される環状ホスファゼン化合物、式(2)で表される鎖状ホスファゼン化合物、および、前記環状ホスファゼン化合物および前記鎖状ホスファゼン化合物から選ばれ、かつ架橋基で架橋された少なくとも1種のホスファゼン化合物、から選ばれた少なくとも1種のホスファゼン化合物である。
Figure 0005276000
[式中、mは3〜25の整数を示す。Rは同一又は異なって、アリール基またはアルキルアリール基を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、Rの合計量に対して0.1〜100モル%である。]
Figure 0005276000
[式中、nは3〜10,000の整数を示す。Xは基−N=P(OR)又は基−N=P(O)ORを示し、Yは基−P(OR)又は基−P(O)(OR)を示す。Rは同一又は異なって、アリール基又はアルキルアリール基を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、Rの合計量に対して0.1〜100モル%である。]
式(1)及び(2)において、Rで表されるアルキルアリール基としては、トリル(o−トリル、m−トリル、p−トリルなど)、キシリル(3,4−キシリル、3,5−キシリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、2,6−キシリルなど)、エチルフェニル、クミル(o−クミル、m−クミル、p−クミル、フェニルクミルなど)、ブチルフェニル(2−t−ブチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、3−メチル−6−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルなど)、アミルフェニル(2,4−ジ−t−アミルフェニル、2,6−ジ−t−アミルフェニルなど)、シクロヘキシルフェニル、トリメチルフェニル、メチルナフチル等のC1−10アルキルC6−20アリール基などが例示できる。好ましくはC1−3アルキルフェニル基(例えば、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,4−キシリル、2,6−キシリル、3,5−キシリル基)などである。
で表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基(o−フェニルフェニル、m−フェニルフェニル、p−フェニルフェニル基など)、アルコキシフェニル基(o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル基など)、ヒドロキシフェニル基(o−ヒドロキシフェニル、m−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシフェニル基、p−(p′−ヒドロキシフェニル)フェニル基など)、(ヒドロキシアリール)アルキルアリール基(p−[2−(p′−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]フェニル基など)、(ヒドロキシアリールスルホニル)アリール基(p−(p′−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル基)、(ヒドロキシアリールオキシ)アリール(p−(p′−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル基など)、グリシジルフェニル、シアノフェニル等のC6−20アリール基などが例示でき、通常、フェニル基、シアノフェニル基である。
式(1)及び(2)で表される環状及び/又は鎖状ホスファゼン化合物としては、例えば、(ポリ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o−トリルオキシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p−トリルオキシホスファゼン、o,m−トリルオキシホスファゼン、o,p−トリルオキシホスファゼン、m,p−トリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリルオキシホスファゼンなど)、(ポリ)キシリルオキシホスファゼン、(ポリ)メチルナフチルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C1−6アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン(例えば、フェノキシo−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−トリルオキシホスファゼンなど)、(ポリ)フェノキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシメチルナフチルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C6−20アリールC1−10アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン等が例示できる。好ましくは環状及び/又は鎖状C1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン、C6−20アリールオキシC1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又はトリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼンなどであり、特に環状トリルオキシホスファゼン、環状フェノキシトリルオキシホスファゼン)である。
また、本発明に使用されるホスファゼン化合物(C)としては、前記式(1)で表される環状ホスファゼン化合物及び前記式(2)で表される鎖状ホスファゼン化合物から選ばれた少なくとも1種のホスファゼン化合物が、架橋基で架橋された架橋ホスファゼン化合物も含まれる。なお、前記架橋基で一組の前記ホスファゼン化合物を架橋する場合、一組のR基に代えて、二価の架橋基が導入されている。
架橋基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基であってもよいが、通常、アリーレン基である。アリーレン基としては、フェニレン基(1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基など)、ナフチレン基、ビフェニレン基(4,4′−ビフェニレン基、3,3′−ビフェニレン基など)、ビスフェノール残基[1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン基(ビスフェノール−A残基)、1,4−フェニレンメチレン−1,4−フェニレン基(ビスフェノール−F残基)、1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン基、1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン基(ビスフェノール−S残基)、1,4−フェニレンチオ−1,4−フェニレン基、1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン基など]などが好ましい。
架橋基の割合は、R基の合計量に対して0.01〜50モル%、好ましくは0.1〜30モル%程度である。架橋ホスファゼン化合物としては、例えば、前記フェニレン基、ナフチレン基及びビスフェノール残基から選択される少なくとも一種のアリーレン基で架橋された架橋フェノキシホスファゼン、架橋トリルオキシホスファゼン、架橋キシリルオキシホスファゼン、架橋トリルオキシキシリルオキシホスファゼン、架橋フェノキシトリルオキシホスファゼン、架橋フェノキシキシリルオキシホスファゼン、架橋フェノキシトリルオキシキシリルホスファゼンなどが例示される。
なお、ポリアミド樹脂組成物の製造工程における混練作業性の低下を抑制する上で、ホスファゼン化合物(C)の融点は80〜320℃であることが好ましい。
上記ホスファゼン化合物は公知の技術で得る事ができ、その製法は公知の技術を採用する事が可能である。上記ホスファゼン化合物およびその製造方法は、例えば特開2004−115815号公報、および特開2002−114981号公報等に記載されている。また、市場からも容易に入手する事が可能で、例えば伏見製薬所社製のFP−100、FP−200、FP−300、FP−306、FP−400、FP−500、FP−800A、FP−800H、FP−800E、FP−900H、FP−1000、および大塚化学社製のSPS−100、SPB−100、SPE−100等が挙げられる。
また本発明で使用されるホスファゼン化合物(C)は、難燃性ポリアミド組成物100質量%中、0.01〜10質量%、好ましくは1〜5質量%の割合で添加する事が好ましい。上記化合物を本範囲内で用いることで、UL94 V−0のような高いレベルの難燃規格において安定した難燃性を発現する事が可能となり、かつ薄肉の成形品を成形する際の高い流動性、および薄肉の成形品のリフローはんだ工程、特に高融点を有する鉛フリーはんだを使用した場合における十分な耐熱性を得ることができる。
[難燃助剤(D)]
本発明において、必要に応じて難燃助剤(D)を使用する事ができる。本材料の使用目的として、特に肉厚が1/32インチ以下の薄い成形品の場合においてもUL94 V−0のような高いレベルで、かつ安定した難燃性を発現させる目的で使用され、特に薄肉の小型電気電子部品のような用途に有効である。
ホスフィン酸塩化合物(B)、ホスファゼン化合物(C)を用いた難燃化技術は、燃焼時成形品表面に炭化層(チャー)を速やかに形成させ酸素遮断を行い、難燃化させる事が重要となってくる。また得られた炭化層の強度も重要で、強度が弱いと成形品が消炎する前に内部から加熱された分解ガスが炭化層を破壊し噴出する事で、燃焼時間が長くなってしまう傾向にある。本発明で用いられる難燃助剤(D)を用いる事で、チャーの形成速度、強度をより向上させる事が可能となり、薄肉の成形品においてもUL V−0といった高いレベルの難燃性を安定して得る事が可能となる。
UL94 V−0の要件として、10秒間接炎した後の各試験片の燃焼時間を測定し、その後直ちに2回目の接炎を実施、燃焼時間を測定する。試験片は5本使用し、何れの試験片も各接炎後の燃焼時間が10秒以下でかつ、5本の試験片の1回目と2回目の合計燃焼時間が50秒以下である必要がある。本発明における「安定した難燃性」とは、前記要件を何れも満たしながら、5本の試料間における燃焼時間のばらつきが少なく(最小燃焼時間と最大燃焼時間の差がより少なく)、かつより短時間で消炎する状態を指す。
本発明に使用される難燃助剤(D)の好ましい態様としては、元素周期律表の第3〜15族に存在する元素の酸化物が挙げられ、これらの化合物は単独または複数の化合物の状態で使用する事ができる。またより難燃性を向上させる為に難燃助剤の表面積、即ち粒子径を微細化させる事が効果的である。具体的には、平均粒子径が100μm以下のものを使用する事が好ましく、より好ましくは0.05〜50μm、さらに0.05〜10μmが好ましい。
さらに元素周期律表の第3〜15族に存在する元素の中でも、Ti、V、Mn、Fe、Mo、Sn、Zr、Bi、B、Al、Znから選択される元素の酸化物が好ましく、より好ましくはFe、Sn、B、Al、Znから選択される元素の酸化物である。さらに、Fe、SnO、硼酸亜鉛、ベーマイトが好ましく、さらにFe、SnO、硼酸亜鉛が安定した難燃性を得る事ができ好ましい。
難燃助剤(D)は、難燃性ポリアミド組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。上記化合物を本範囲内で用いることで、加工温度が280℃以上となるような高い温度下においても樹脂が熱分解する事無く安定した成形が可能で、かつUL94 V−0のような高いレベルの難燃規格において安定した難燃性を発現する事が可能となる。
[強化材(E)]
本発明では必要に応じて強化材(E)を用いてもよく、繊維状、粉状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有する種々の無機充填材を使用することができ、単独あるいは複数のものと併用して使用する事が可能である。
さらに詳述すると、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、ワラストナイト、ケイソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガラ、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛などの粉状あるいは板状の無機化合物、チタン酸カリウムなどの針状の無機化合物、ガラス繊維(グラスファイバー)、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ワラストナイト、炭素繊維、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維などの無機繊維、さらにはアラミド繊維、炭素繊維のような有機繊維が挙げられる。上記強化材の中でも繊維状物質が好ましく、より好ましくはガラス繊維が挙げられる。ガラス繊維を使用することにより、組成物の成形性が向上すると共に、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上する。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比(L(ガラス繊維の平均長さ)/D(ガラス繊維の平均外径))が、通常は10〜5000、好ましくは2000〜3000の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比がこのような範囲内にあるガラス繊維を使用することが好ましい。
さらに、繊維状の強化材を使用する場合、成形品の反りを防止する目的で断面の異径比(長径と短径の比)が1より大きい繊維状物質を用いる事が有効である。好ましくは異径比が1.5〜6.0のものである。
また、上記充填材をシランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理して使用することもできる。たとえばビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン系化合物で表面処理されていてもよい。
また、本発明における強化材(E)のうち繊維状充填材は、集束剤が塗布されていても良く、アクリル系、アクリル/マレイン酸変性系、エポキシ系、ウレタン系、ウレタン/マレイン酸変性系、ウレタン/アミン変性系の化合物が好ましく使用される。上記表面処理剤は上記集束剤と併用しても良く、併用する事により本発明の組成物中の繊維状充填材と、組成物中の他の成分との結合性が向上し、外観および強度特性が向上する。
これらの強化材(E)は、難燃性ポリアミド組成物100質量%に対して、0〜50質量%、好ましくは10〜45質量%の割合で添加することが好ましい。
[その他の添加剤]
本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のような各成分に加えて本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外の耐熱安定剤、耐候安定剤、流動性向上剤、可塑剤、増粘剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染料、無機あるいは有機充填剤、核剤、繊維補強剤、カーボンブラック、タルク、クレー、マイカ等無機化合物などの種々公知の配合剤を含有していてもよい。なお、本発明では、通常用いられるイオン捕捉剤などの添加剤を用いることもできる。イオン捕捉剤としては、例えばハイドロタルサイト、ゼオライトが知られている。特に本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のうち繊維補強剤を含有していることにより、より一層耐熱性、難燃性、剛性、引張強度、曲げ強度、衝撃強度が向上される。
さらに本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の重合体を含有していてもよい。このような他の重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリオレフィンエラストマーなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、PPS、LCP、テフロン(登録商標)などが挙げられる。上記以外にもポリオレフィンの変性体等が挙げられる。ポリオレフィンの変性体は、例えばカルボキシル基、酸無水物基、アミノ基等で変性されている。ポリオレフィンの変性体の例には、変性ポリエチレン、変性SEBSなどの変性芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体またはその水素化物、変性エチレン・プロピレン共重合体などの変性ポリオレフィンエラストマーなどが挙げられる。
[難燃性ポリアミド組成物の調整方法]
本発明に係る難燃性ポリアミド組成物を製造するには、公知の樹脂混練方法を採用すれば良く、例えば各成分を、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどで混合する方法、あるいは混合後さらに一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。
[難燃性ポリアミド組成物]
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、難燃性ポリアミド組成物100質量%中に、ポリアミド樹脂(A)を20〜80質量%含むことが好ましく、40〜60質量%の割合で含むことがより好ましい。難燃性ポリアミド組成物中のポリアミド樹脂(A)の量が20質量%以上であると十分な靭性を得ることができ、また80質量%以下であると十分な難燃剤を含むことができ、難燃性を得ることができる。
また、難燃性ポリアミド組成物100質量%中に、ホスフィン酸塩化合物(B)を5〜30質量%含むことが好ましく、10〜20質量%含むことがより好ましい。難燃性ポリアミド組成物中のホスフィン酸塩化合物(B)の含有量が、5質量%以上であると、十分な難燃性を得ることができ、30質量%以下であると射出成形時の流動性、靭性が低下することがなく好ましい。
また、難燃性ポリアミド組成物100質量%中に、ホスファゼン化合物(C)を0.01〜10質量%含むことが好ましく、1〜5質量%含むことがより好ましい。難燃性ポリアミド組成物中のホスファゼン化合物の含有量が0.01質量%以上であると、難燃性と流動性の両立を図る事ができ、10質量%以下であると靭性等の機械物性およびリフローはんだ工程における耐熱性を確保することができる。
さらに、難燃性ポリアミド組成物100質量%中に、難燃助剤(D)を0.05〜10質量%含むことが好ましく、0.1〜5質量%の割合で含むことがより好ましい。難燃性ポリアミド組成物中の難燃助剤(D)の含有量が、0.05質量%以上であると十分な難燃性を付与することができる。また、10質量%以下であると、靭性が低下することがなく、好ましい。
さらに、難燃性ポリアミド組成物100質量%中に、強化材(E)を0〜50質量%含むことが好ましく、20〜45質量%の割合で含むことがより好ましい。50質量%以下であると、射出成形時における流動性が低下する事無く好ましい。
さらに本発明の難燃性ポリアミド組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記のその他の添加剤を含むことができる。
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、UL94規格に準じた燃焼性評価がV−0であり、温度40℃、相対湿度95%で96時間吸湿させた後のリフロー耐熱温度は250〜280℃、好ましくは255〜280℃である。機械物性、すなわち靭性の指標となる破壊エネルギーは40〜70mJ、好ましくは50〜70mJである。バーフロー金型への樹脂の射出成形によって求めた流動長は40〜80mm、好ましくは45〜70mmである。このように、本発明の難燃性ポリアミド組成物は、極めて優れた特徴を有しており、鉛フリーはんだを使用した表面実装に要求される、優れた耐熱性、46ナイロン同等以上の高い靭性を有するとともに、高い溶融流動性、難燃性および成形安定性を有する材料であって、特に電気電子部品用途に好適に使用可能である。
[成形体および電子電気部品材料]
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法などの公知の成形法を利用することにより、各種成形体に成形することができる。特に射出成形法が好適で、窒素、アルゴン、ヘリウムに代表される不活性ガスの雰囲気下、具体的には0.1〜10ml/分の流量下で成形する事で、難燃剤およびポリアミド樹脂の酸化劣化を低減させる事が可能となる。その結果、成形機中で加熱された難燃性ポリアミド組成物の熱安定性を確保する事が可能となり、好ましい。
本発明の難燃性のポリアミド組成物は、成形安定性、耐熱性、機械物性の面に優れており、これらの特性が要求される分野、あるいは精密成形分野の用途に用いることができる。具体的には、自動車用電装部品、電流遮断器、コネクター、スイッチ、ジャック、プラグ、ブレーカー、LED反射材料などの電気電子部品、コイルボビン、ハウジング等の各種成形体が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例において、各性状の測定および評価は以下の方法で実施した。
[極限粘度[η]]
JIS K6810−1977に準拠して、ポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25±0.05℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定した。そして、ポリアミド樹脂の極限粘度[η]を、以下の式に基づき算出した。
[η]=ηSP/[C(1+0.205ηSP)]、ηSP=(t−t0)/t0
[η]:極限粘度(dl/g)、ηSP:比粘度、C:試料濃度(g/dl)、t:試料溶液の流下秒数(秒)、t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
[融点(Tm)]
ポリアミド樹脂の試料をPerkinElemer社製DSC7を用いて、一旦330℃で5分間保持し、次いで10℃/分の速度で23℃まで降温せしめた後、10℃/分で昇温して行った。このときの融解に基づく吸熱ピークをポリアミド樹脂の融点とした。
[燃焼性試験]
図2の表1、図3の表2および図4の表3に示される量比で各成分を混合したポリアミド組成物を、以下の条件で射出成形して調製した1/32インチ×1/2×5インチの試験片を用いて、UL94規格(1991年6月18日付のUL Test No.UL94)に準拠して、垂直燃焼試験を行い、難燃性を評価した。
5本の試験片の内で最も燃焼時間の短いもの、長いもの、および5本の試験片の全ての燃焼時間の合計を記録した。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:120℃。
[リフロー耐熱性試験]
図2の表1、図3の表2および図4の表3に示される量比で各成分を混合したポリアミド組成物を、以下の条件で射出成形して調製した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度40℃、相対湿度95%で96時間調湿した。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:100℃。
エアーリフローはんだ装置(エイテックテクトロン(株)製AIS−20−82−C)を用いて、図1に示す温度プロファイルのリフロー工程を行った。
上記調湿処理を行った試験片を、厚み1mmのガラスエポキシ基板上に載置すると共に、この基板上に温度センサーを設置して、プロファイルを測定した。図1において、所定の速度で温度230℃まで昇温した。次いで20秒間で所定の温度(aは270℃、bは265℃、cは260℃、dは255℃、eは235℃)まで加熱した後230℃まで降温した場合において、試験片が溶融せず、且つ表面にブリスターが発生しない設定温度の最大値を求め、この設定温度の最大値をリフロー耐熱温度とした。一般的に、吸湿した試験片のリフロー耐熱温度は、絶乾状態のそれと比較して劣る傾向にある。また、ポリアミド樹脂/難燃剤量の比率が低くなるにつれて、リフロー耐熱温度が低下する傾向にある。
[曲げ試験]
図2の表1、図3の表2および図4の表3に示される量比で各成分を混合したポリアミド組成物を、以下の条件で射出成形して調製した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で曲げ試験機:NTESCO社製 AB5、スパン26mm、曲げ速度5mm/分で曲げ試験を行い、曲げ強度、歪量、弾性率からその試験片を破壊するのに要するエネルギー(靭性)を求めた。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:100℃。
[流動長試験(流動性)]
図2の表1、図3の表2および図4の表3に示される量比で各成分を混合したポリアミド組成物を、幅10mm、厚み0.5mmのバーフロー金型を使用して以下の条件で射出し、金型内の樹脂の流動長(mm)を測定した。
射出成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A
射出設定圧力:2000kg/cm、シリンダー設定温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:120℃。
[成形時のガス発生量]
図5の表4に示される量比で各成分を混合したポリアミド組成物を、上記曲げ試験用の成形品を製造する時に、成形時のガス発生量を目視で評価した。ガスの発生がないものを○、若干のガスの発生はあるが、成形時の製品のショートショットがないものを△、ガスの発生が多く、成形時に製品のショートショットが発生したものを×と評価した。
実施例、および比較例においては、ポリアミド樹脂(A)、ホスフィン酸塩化合物(B)、ホスファゼン化合物(C)、難燃助剤(D)および強化材(E)は、下記の各成分を使用した。
[ポリアミド樹脂(A)]
(ポリアミド樹脂(A−1))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:62.5モル%、アジピン酸:37.5モル%)、ジアミン成分単位(1,6−ジアミノヘキサン:100モル%)
極限粘度[η]:0.8dl/g
融点:320℃
(ポリアミド樹脂(A−2))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:62.5モル%、アジピン酸:37.5モル%)、ジアミン成分単位(1,6−ジアミノヘキサン:100モル%)
極限粘度[η]:1.0dl/g
融点:320℃
(ポリアミド樹脂(A−3))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:55モル%、アジピン酸:45モル%)、ジアミン成分単位(1,6−ジアミノヘキサン:100モル%)
極限粘度[η]:1.0dl/g
融点:310℃
[ホスフィン酸塩化合物(B)]
クラリアントジャパン株式会社製、EXOLIT OP1230
リン含有量:23.8質量%
[ホスファゼン化合物(C)]
環状フェノキシホスファゼン化合物(式(1)、式中のmは3)
融点:110℃
リン含有量:13%
[難燃助剤(D)]
SnO:日本化学株式会社製、酸化第二錫SH、平均粒子径2.5μm
Fe:利根産業株式会社製、MS−80、平均粒子径0.3μm
硼酸亜鉛:ボラックス社製、FIREBREAK500(2ZnO・3B
[強化材(E)]
ガラス繊維/セントラル硝子(株)製、ECS03−615
ガラス繊維/オーウェンスコーニングジャパン(株)製、CS 03JA FT2A
上記以外に、タルク(松村産業(株)製、商品名:ハイフィラー#100ハクド95)およびモンタン酸カルシウム(クラリアントジャパン株式会社製、CAV102)を、ポリアミド樹脂(A)、ホスフィン酸塩化合物(B)、ホスファゼン化合物(C)、難燃助剤(D)、強化材(E)、タルク、およびモンタン酸カルシウムの合計100質量%中、それぞれ0.7質量%、0.25質量%となるように添加した。
[実施例1〜12]および[比較例1〜5、比較例8]
上記のような各成分を、図2の表1、図3の表2、図4の表3および図5の表4に示すような量比で混合し、温度320℃に設定した二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレット状組成物を得た。次いで、得られた難燃性ポリアミド組成物について各性状を評価した結果を表1〜4の実施例1〜12、および比較例1〜5、比較例8に示す。
[比較例6]
ポリアミド樹脂(A−1)38.05質量%、ホスファゼン化合物(C)30.4質量%(リン含有量で実施例3相当分)、強化材(E)(ECS03−615)30質量%、タルク(ハイフィラー#100ハクド95)0.7質量%、およびモンタン酸カルシウム(CAV102)0.25質量%からなる配合物を上記同様に二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレット状組成物を得ようとした。しかし、ホスファゼン化合物のみ溶解してしまい、ポリアミド樹脂の溶融および他成分との溶融混練が出来ず、ペレット組成物を得る事ができなかった。
[比較例7]
ポリアミド樹脂(A−1)26.05質量%、ホスフィン酸塩化合物(B)40質量%、ホスファゼン化合物(C)3質量%、強化材(E)(ECS03−615)30質量%、タルク(ハイフィラー#100ハクド95)0.7質量%およびモンタン酸カルシウム(CAV102)0.25質量%からなる配合物を上記同様に二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレット状組成物を得ようとした。しかし、ホスフィン酸塩化合物が多量にある為、ポリアミド樹脂との混練状態が悪く、ペレット組成物を得る事ができなかった。
本出願は、2007年9月21日出願の特願2007−244695に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用する事無く、靭性等の機械物性、リフローはんだ工程における耐熱性、特に薄肉の成形品における安定した難燃性、および流動性に優れるとともに、成形時における熱安定性が良好である。特に、ファインピッチコネクターのような薄肉の成形品を、鉛フリーはんだの様な高融点はんだを使用して表面実装方式で部品を組み立てる電気・電子用途、あるいは精密成形分野の用途に良好に用いる事ができる。

Claims (15)

  1. 融点が280〜340℃であるポリアミド樹脂(A)20〜80質量%、ホスフィン酸塩化合物(B)5〜30質量%、ホスファゼン化合物(C)0.01〜10質量%、および強化材(E)0〜50質量%を含む難燃性ポリアミド組成物。
  2. メラミンとリン酸との付加物を含まない、請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物
  3. ホスファゼン化合物(C)が、
    式(1)で表される環状ホスファゼン化合物、
    式(2)で表される鎖状ホスファゼン化合物、および、
    前記環状ホスファゼン化合物および前記鎖状ホスファゼン化合物から選ばれ、かつ架橋基で架橋された少なくとも1種のホスファゼン化合物、
    から選ばれた少なくとも1種のホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性ポリアミド組成物。
    Figure 0005276000
    [式中、mは3〜25の整数を示す。Rは同一又は異なって、アリール基またはアルキルアリール基を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、Rの合計量に対して0.1〜100モル%である。]
    Figure 0005276000
    [式中、nは3〜10,000の整数を示す。Xは基−N=P(OR)又は基−N=P(O)ORを示し、Yは基−P(OR)又は基−P(O)(OR)を示す。Rは同一又は異なって、アリール基又はアルキルアリール基を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、Rの合計量に対して0.1〜100モル%である。]
  4. ポリアミド樹脂(A)20〜80質量%、ホスフィン酸塩化合物(B)5〜30質量%、ホスファゼン化合物(C)0.01〜10質量%、強化材(E)0〜50質量%、さらに難燃助剤(D)0.01〜10質量%を含む難燃性ポリアミド組成物であって、
    難燃助剤(D)が元素周期律表の第3〜15族に存在する元素の酸化物から選択される1種以上である事を特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  5. 難燃助剤(D)の平均粒子径が100μm以下である事を特徴とする、請求項4に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  6. 難燃助剤(D)がFe、SnOおよび硼酸亜鉛から選択される少なくとも1種以上である、請求項4または5に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  7. ホスフィン酸塩化合物(B)が式(3)のホスフィン酸塩、および/または式(4)のビスホスフィン酸塩、および/またはこれらのポリマーを含む難燃剤である、請求項1〜6の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物。
    Figure 0005276000
    [式中、RおよびRは互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC−C−アルキルおよび/またはアリールであり;
    は直鎖状のまたは枝分かれしたC−C10−アルキレン、C−C10−アリーレン、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレンであり;
    Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;
    mは1〜4であり;
    nは1〜4であり;
    xは1〜4である。]
  8. ポリアミド樹脂(A)が、テレフタル酸成分単位を60〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位0〜30モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位0〜60モル%からなる多官能カルボン酸成分単位(a−1)と、炭素原子数4〜25の多官能アミン成分単位(a−2)とを含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  9. ポリアミド樹脂(A)は、温度25℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜0.95dl/gである、請求項1〜8の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  10. 強化材(E)は繊維状物質である、請求項1〜9の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  11. 強化材(E)100質量%中、断面の異径比が1より大きい繊維状物質を含有する事を特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物を成形して得られる成形体。
  13. 請求項1〜11の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物を、不活性ガスの存在下で射出成形して成形体を得る方法。
  14. 請求項1〜11の何れか1項に記載の難燃性ポリアミド組成物を成形して得られる電気電子部品。
  15. ホスファゼン化合物(C)は、式(1)で表される環状ホスファゼン化合物の少なくとも一種及び/又は式(2)で表される直鎖状ホスファゼン化合物の少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃性ポリアミド組成物。
    Figure 0005276000
    [式中、mは3〜25の整数を示す。Rは置換基を有していてもよいフェニル基を示す。]
    Figure 0005276000
    [式中、Xは基−N=P(OR又は基−N=P(O)ORを示し、Yは基−P(OR又は基−P(O)(ORを示す。nは3〜1000の整数を示す。Rは、置換基を有していてもよいフェニル基を示す。]
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