JP2007177036A - コンミテータ用フェノール樹脂成形材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度を実用的レベルに維持しつつ、優れた成形収縮率及び寸法安定性を備える成形品を得ることができるコンミテータ用フェノール樹脂成形材料を提供することである。
【解決手段】 シリコーン含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とし、好ましくは、更にノボラック型フェノール樹脂を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 シリコーン含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とし、好ましくは、更にノボラック型フェノール樹脂を含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、コンミテータ用フェノール樹脂成形材料及びその製造方法に関するものである。
広範囲の分野に利用されているフェノール樹脂成形材料の用途のひとつとしてコンミテータ(整流子)がある。コンミテータはモーターの一部品であり、一般的には、銅セグメントと絶縁体としてフェノール樹脂成形材料に代表される熱硬化性樹脂成形材料の成形品により構成されている。
コンミテータ用フェノール樹脂成形材料として開示されている技術がある(例えば、特許文献1参照)。
コンミテータ用フェノール樹脂成形材料として開示されている技術がある(例えば、特許文献1参照)。
コンミテータは、そもそも機械的強度の他に成形後の低収縮性、時間経過後の寸法安定性が要求されるものである。一方、コンミテータの絶縁体に用いられるフェノール樹脂成形材料の樹脂量を低減させると低成形収縮性、寸法安定性が良好な成形品を得られるが、少なすぎると必要な機械的強度が得られないという問題がある。
本発明の目的は、機械的強度を実用的レベルに維持しつつ、低成形収縮性及び寸法安定性とのバランスに優れた成形品を得ることができるコンミテータ用フェノール樹脂成形材料、及びその製造方法を提供することである。
本発明の目的は、機械的強度を実用的レベルに維持しつつ、低成形収縮性及び寸法安定性とのバランスに優れた成形品を得ることができるコンミテータ用フェノール樹脂成形材料、及びその製造方法を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜(14)に記載の本発明により達成される。
(1)シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(2)更に、シリコーンゲルを含まないノボラック型フェノール樹脂を含有するものである(1)に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(3)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、2〜12重量%である(1)又は(2)に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(4)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂中のシリコーンゲルの含有量は、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して10〜30重量部である(1)〜(3)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(5)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との合計含有量は、成形材料全体に対して、5〜25重量%である(1)ないし(4)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(6)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との配合比率は、20:80〜55:45である(1)ないし(5)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(7)前記酸化マグネシウムの含有量は、成形材料全体に対し0.5〜1.5重量%である(1)ないし(6)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(8)前記ロックウールの含有量は、成形材料全体に対し5〜20重量%である(1)ないし(7)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(9)更に、前記ロックウール以外の無機充填材を含むものである(1)ないし(8)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(10)前記ロックウール以外の無機充填材はガラス繊維であって、成形材料全体に対して30〜50重量%含有するものである(1)ないし(9)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(11)更に、前記ロックウール以外の無機充填材はクレー、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルクの中から選ばれた1種以上を含むものであり、成形材料全体に対して15〜35重量%含有するものである(1)ないし(10)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(12)前記成形材料の成形後における成形収縮率は、0.01〜0.10%である(1)ないし(11)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(13)前記成形材料の成形後、160℃、500時間の条件下における寸法変化率は、0.01〜0.08%である(1)ないし(12)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(14)(1)ないし(13)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料の製造方法であって、前記ノボラック型フェノール樹脂とシリコーンゲルとを予め溶融混練してシリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程を有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料の製造方法。
(1)シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(2)更に、シリコーンゲルを含まないノボラック型フェノール樹脂を含有するものである(1)に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(3)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、2〜12重量%である(1)又は(2)に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(4)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂中のシリコーンゲルの含有量は、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して10〜30重量部である(1)〜(3)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(5)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との合計含有量は、成形材料全体に対して、5〜25重量%である(1)ないし(4)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(6)前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との配合比率は、20:80〜55:45である(1)ないし(5)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(7)前記酸化マグネシウムの含有量は、成形材料全体に対し0.5〜1.5重量%である(1)ないし(6)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(8)前記ロックウールの含有量は、成形材料全体に対し5〜20重量%である(1)ないし(7)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(9)更に、前記ロックウール以外の無機充填材を含むものである(1)ないし(8)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(10)前記ロックウール以外の無機充填材はガラス繊維であって、成形材料全体に対して30〜50重量%含有するものである(1)ないし(9)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(11)更に、前記ロックウール以外の無機充填材はクレー、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルクの中から選ばれた1種以上を含むものであり、成形材料全体に対して15〜35重量%含有するものである(1)ないし(10)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(12)前記成形材料の成形後における成形収縮率は、0.01〜0.10%である(1)ないし(11)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(13)前記成形材料の成形後、160℃、500時間の条件下における寸法変化率は、0.01〜0.08%である(1)ないし(12)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(14)(1)ないし(13)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料の製造方法であって、前記ノボラック型フェノール樹脂とシリコーンゲルとを予め溶融混練してシリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程を有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料の製造方法。
本発明のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料は、シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするものであり、機械的強度を実用的なレベルに維持しつつ、成形収縮を低減したコンミテータ用成形品を得ることができる。
本発明のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)及びその製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について詳細に説明する。
本発明の成形材料は、シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「シリコーンゲル含有ノボラック樹脂」ということがある)、レゾール型フェノール樹脂(以下、単に「レゾール樹脂」ということがある)、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするものである。
更に、本発明の成形材料においては、更にシリコーンゲルを含まないノボラック型フェノール樹脂を含有することが好ましい。
本発明の成形材料は、シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「シリコーンゲル含有ノボラック樹脂」ということがある)、レゾール型フェノール樹脂(以下、単に「レゾール樹脂」ということがある)、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするものである。
更に、本発明の成形材料においては、更にシリコーンゲルを含まないノボラック型フェノール樹脂を含有することが好ましい。
本発明の成形材料に用いられるノボラック樹脂は、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する。ヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、その含有量は、シリコーンゲル含有ノボラック樹脂、及び、必要に応じてシリコーンゲルを含まないノボラック樹脂の合計量100重量部に対して、10〜30重量部配合することが好ましく、特に15〜25重量部配合することが好ましい。ヘキサメチレンテトラミンの含有量上記範囲内とすることで、得られる成形品の機械的強度を最適なものとすることができる。
本発明の成形材料においては、シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を用いることを特徴とする。これにより、成形品の機械的強度を実質的に低下させることなく成形時の成形収縮を低減することができる。その理由は明確ではないが、シリコーンゲルは緩やかな3次元構造であり、適度な柔軟性を有していることから、成形時、冷却にともなう収縮を吸収することにより緩和することができ、このことにより成形収縮を低減することができると推測される。更に、成形後においては、靭性や熱時の機械的強度や加熱寸法安定性を向上させることができる。
上記シリコーンゲルは、上記ノボラック樹脂中に分散していることが好ましい。更に均一分散していることが好ましい。このことにより、上記効果を更に高めることができる。
上記シリコーンゲルは、特に限定されないが、付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物をベースとしたゲル状物質が好ましい。かかるシリコーンゲルは適度な柔軟性を有していて、フェノール樹脂とともに使用されると、耐衝撃性、機械的強度、耐水性等に優れている上に、常温域からコンミテータとして使用される際の高温域に至るまでの広い温度範囲において、これらの特性を維持することができる。かかるシリコーンゲルは、針入度(JIS K 2530−1976−50g加重)が10〜300であることが好ましい。針入度が上記範囲のシリコーンゲルは、特に適度な柔軟性を持ち、耐衝撃性、振動吸収性に優れている。
上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、2〜12重量%であることが好ましい。更に好ましくは3〜10重量%である。シリコーンゲル含有ノボラック樹脂の含有量を上記範囲とすることで、特に成形収縮率及び寸法安定性を優れたものとすることができる。
上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂中のシリコーンゲルの含有量は、ノボラック樹脂(ヘキサメチレンテトラミンも含めて)と、シリコーンゲルとの合計100重量部に対して10〜30重量部が好ましく、特に15〜25重量部が好ましい。シリコーンゲルの割合を上記範囲とすることで、成形材料製造時の作業性を良好にすることができ、成形品の機械的強度を実用レベルに維持することができる。また、成形収縮を低減することができ、熱時強度や靭性を向上させることができる。
本発明の成形材料においては、上記ノボラック樹脂とシリコーンゲルとが予め溶融混練されたシリコーンゲル含有ノボラック樹脂を用いることを特徴とする。これにより、ノボラック樹脂とシリコーンゲルとを無機充填材など他の配合剤とともに同時に溶融混練した場合に比べて、シリコーンゲルがフェノール樹脂中によりミクロに分散することから、上記の特徴を高度に発現させることができるものと推測される。
上記ノボラック樹脂中に分散したシリコーンゲルの平均粒径は、成形に適した粒径のものを用いることができる。更にシリコーンゲルの粒径は均一であることが好ましい。こうすることにより、得られた成形品の局所的な寸法変化を抑えることができる。
本発明の成形材料においては、上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂と併用して、シリコーンゲルを含まないノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。シリコーンゲルを含まないノボラック型樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、3〜13重量%とすることが好ましく、更に3〜10重量%が好ましい。こうすることで、全量シリコーンゲル含有ノボラック樹脂とする場合に比較して、成形材料を安価なものとすることができる。
上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂との合計含有量(ヘキサメチレンテトラミンも含めて)は、成形材料全体に対して、5〜25重量%が好ましく、特に8〜18重量%が好ましい。上記含有量を上記範囲とすることで成形材料製造時の作業性を良好にすることができ、成形品の機械的強度を実用レベルに維持することができる。また、得られる成形品の耐熱性、寸法安定性を向上させることができる。
本発明の成形材料は、レゾール樹脂を含有する。
上記レゾール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、3〜12重量%が好ましく、更に好ましくは5〜10重量%である。レゾール樹脂の含有量を上記範囲とすることで、特に高温時の耐久性を付与することができる。
上記レゾール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、3〜12重量%が好ましく、更に好ましくは5〜10重量%である。レゾール樹脂の含有量を上記範囲とすることで、特に高温時の耐久性を付与することができる。
上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂とレゾール樹脂との合計含有量は、成形材料全体に対して、5〜25重量%が好ましい。更に好ましくは5〜20重量%である。上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂とレゾール樹脂との合計含有量を上記範囲とすることで、特に優れた成形収縮率、寸法安定性を発現することができる。
上記シリコーンゲル含有ノボラック樹脂と、レゾール樹脂との配合比率は、20:80〜55:450が好ましく、更に好ましくは25:75〜50:50である。配合比率を上記範囲とすることで、特に優れた硬化性と高温耐久性を付与することができる。
本発明の成形材料は、酸化マグネシウムを含有する。
上記酸化マグネシウムを含有することで、得られる成形品に優れた寸法安定性を与えることができる。
このメカニズムは明確ではないが、酸化マグネシウムを用いると、成形材料の溶融粘度が高くなるため、成形時の射出圧力が金型内にかかりやすくなり、内圧を高めた状態で金型内に樹脂を充填できるため、優れた寸法安定性が得られるものと推測される。
上記酸化マグネシウムを含有することで、得られる成形品に優れた寸法安定性を与えることができる。
このメカニズムは明確ではないが、酸化マグネシウムを用いると、成形材料の溶融粘度が高くなるため、成形時の射出圧力が金型内にかかりやすくなり、内圧を高めた状態で金型内に樹脂を充填できるため、優れた寸法安定性が得られるものと推測される。
上記酸化マグネシウムの含有量は、成形材料全体に対して、0.5〜1.5重量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜1.0重量%である。酸化マグネシウムの含有量を上記範囲とすることで、特に優れた熱安定性を付与することができる。
本発明の成形材料には、無機充填材としてロックウールを使用する。これにより、成形品に低成形収縮性、高い機械的強度を付与することができる。
本発明の成形材料に用いられるロックウールは天然の岩石(火成岩)を溶融し、加工精製した鉱物繊維であり、融点が1000℃以上であることから充填材として用いると、成形品の耐熱性・耐磨耗性・耐久性・機械的強度が向上することが期待できる。また、ガラス繊維に比べ柔軟性に優れる特徴を有する。上記特性を発現するメカニズムは明確ではないが、ロックウールは柔軟性に優れる繊維状の無機充填材であり、これが相互に絡み合う事で成形収縮率を抑えると共に機械的強度の向上を発現していると推測される。
本発明の成形材料に用いられるロックウールは天然の岩石(火成岩)を溶融し、加工精製した鉱物繊維であり、融点が1000℃以上であることから充填材として用いると、成形品の耐熱性・耐磨耗性・耐久性・機械的強度が向上することが期待できる。また、ガラス繊維に比べ柔軟性に優れる特徴を有する。上記特性を発現するメカニズムは明確ではないが、ロックウールは柔軟性に優れる繊維状の無機充填材であり、これが相互に絡み合う事で成形収縮率を抑えると共に機械的強度の向上を発現していると推測される。
上記ロックウールは、表面処理を施すことが好ましい。これにより、フェノール樹脂との親和性、濡れ性を向上させ、成形品に高い機械的強度を付与することができる。この表面処理の方法としては特に限定されないが、アミノシラン、カチオニック・アンモニウム塩を表面処理剤として用いることが好ましい。また、アミノシラン、カチオニック・アンモニウム塩を単独で用いることもできるが、併用すると例えばアミノシラン単独で表面処理されたロックウールと比較して、成形材料中における分散性にきわめて優れるという特徴を有する。これにより、上記効果をさらに高めることができる。さらに、ガラス繊維など配向性を有する無機充填材を併用する場合においては、例えばガラス繊維の一部を置換して上記ロックウールを配合することにより、機械的強度を実質的に低下させることなく、ガラス繊維の配向性による影響を大きく低減させることができる。
上記ロックウールの繊維長は特に限定されないが、100〜400μmが好ましい。更に好ましくは200〜350μmである。繊維長が上記下限値より短いと成形品の機械的強度が不十分となる場合があり、上記上限値より長いと成形材料製造時の作業性が低下する場合がある。
上記ロックウールの含有量は特に限定されないが、成形材料全体に対して5〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%である。上記下限値未満では低成形収縮性が充分に発現しない場合があり、上記上限値を超えると成形材料製造時の作業性が低下する場合がある。
本発明の成形材料は、ロックウール以外の無機充填材を含有することができる。
ロックウール以外の無機充填材としては、ガラス繊維を用いることが好ましい。カラス繊維を含有することにより、得られる成形品の機械的強度が向上する。ガラス繊維の繊維径は、特に限定されないが、10〜15μmが好ましい。これにより、成形材料化段階での作業性を向上させることができる。また、ガラス繊維の繊維長は、特に限定されないが、1〜3mmのチョップドストランドタイプのものを使用することが好ましい。これにより、成形材料化時の作業性、成形性及び成形物の強度を向上させることができる。
ロックウール以外の無機充填材としては、ガラス繊維を用いることが好ましい。カラス繊維を含有することにより、得られる成形品の機械的強度が向上する。ガラス繊維の繊維径は、特に限定されないが、10〜15μmが好ましい。これにより、成形材料化段階での作業性を向上させることができる。また、ガラス繊維の繊維長は、特に限定されないが、1〜3mmのチョップドストランドタイプのものを使用することが好ましい。これにより、成形材料化時の作業性、成形性及び成形物の強度を向上させることができる。
上記ガラス繊維の含有量は、特に限定されないが、成形材料全体に対して30〜50重量%が好ましく、特に35〜45重量%が好ましい。ガラス繊維の含有量を上記範囲とすることで、成形品の機械的強度を向上させることができると共に、成形材料製造時の作業性を向上させることができる。
なお、ガラス繊維とロックウールとの合計含有量は特に限定されないが、成形材料全体に対して40〜60重量%である事が望ましく、更に好ましくは45〜55重量%である。こうすることで得られる成形品の機械的特性を向上させることができると共に、成形材料製造時の作業性を良好なものとすることができる。
本発明の成形材料は、更に上記ロックウール以外の無機充填材を含有することができる。上記無機充填材として、粉末状のものであることが好ましい。これにより、得られる成形物の機械的強度を向上させるとともに寸法安定性を向上させることができる。
上記粉末状の無機充填材としては、特に限定されないが、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、クレー、硫酸バリウム等を挙げることができる。これらの中でもクレー、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルクが好ましく、これらの中から1種以上を選択し使用することができる。これにより成形品の寸法安定性をさらに向上させることができる。
上記粉末状の無機充填材としては、特に限定されないが、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、クレー、硫酸バリウム等を挙げることができる。これらの中でもクレー、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルクが好ましく、これらの中から1種以上を選択し使用することができる。これにより成形品の寸法安定性をさらに向上させることができる。
上記粉末状の無機充填材の含有量は、特に限定されないが、成形材料全体の15〜35重量%が好ましく、更に20〜30重量%が好ましい。かかる含有量を上記範囲とすることで、成形品の耐熱性、寸法安定性を向上させることができ、更に成形材料製造時の作業性や、成形品の機械的強度を向上させることができる。
更に本発明の成形材料には、エラストマを含有することができる。
上記エラストマとしては、特に限定されないが、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、イソプレン、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。この中でもNBRやPVBが好ましい。エラストマを用いることで特に靱性を付与することができる。
上記エラストマの含有量は、成形材料全体に対して、0.5〜3.0重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜2.0重量%である。エラストマの含有量を上記範囲とすることで、特に強度を落とすことなく靱性を付与することができる。
上記エラストマとしては、特に限定されないが、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、イソプレン、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。この中でもNBRやPVBが好ましい。エラストマを用いることで特に靱性を付与することができる。
上記エラストマの含有量は、成形材料全体に対して、0.5〜3.0重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜2.0重量%である。エラストマの含有量を上記範囲とすることで、特に強度を落とすことなく靱性を付与することができる。
本発明の成形材料によって得られる成形品は、JIS K6911に準拠した成形後における成形収縮率を、0.01〜0.10%とすることができる。
ここでいう成形収縮率とは、成形品の成形収縮が始まって一定期間経過後、すなわち収縮変化が収まった後に測定されたものである。
ここでいう成形収縮率とは、成形品の成形収縮が始まって一定期間経過後、すなわち収縮変化が収まった後に測定されたものである。
また、本発明の成形材料によって得られる成形品の収縮率は、コンミテータ形状にした成形品でも検討することができる。
本発明の成形材料によって得られるコンミテータ形状にした成形品は、成形後、160℃、500時間の条件下における寸法変化率を、0.01〜0.08%とすることができる。
本発明の成形材料によって得られるコンミテータ形状にした成形品は、成形後、160℃、500時間の条件下における寸法変化率を、0.01〜0.08%とすることができる。
本発明の成形材料には、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤、硬化助剤、顔料等の添加剤を添加することができる。
以上に説明したように、本発明の成形材料は、シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするものである。
本発明の成形材料は、シリコーンゲルの有する柔軟性により、成形時、冷却に伴う収縮を吸収することができ、これにより、成形時の成形収縮率を低減することができると考えられる。特に、好ましくはフェノール樹脂とシリコーンゲルとが予め溶融混練されたものであると、上記効果を高く発現させることができる。このメカニズムは明らかではないが、予め溶融混錬することにより、シリコーンゲルがノボラック樹脂中に海島構造で分散させることができるため、架橋構造を構成した時、樹脂中にシリコーンゲルが入り込み、樹脂の収縮を抑えることができるものと考えられる。
本発明の成形材料は、シリコーンゲルの有する柔軟性により、成形時、冷却に伴う収縮を吸収することができ、これにより、成形時の成形収縮率を低減することができると考えられる。特に、好ましくはフェノール樹脂とシリコーンゲルとが予め溶融混練されたものであると、上記効果を高く発現させることができる。このメカニズムは明らかではないが、予め溶融混錬することにより、シリコーンゲルがノボラック樹脂中に海島構造で分散させることができるため、架橋構造を構成した時、樹脂中にシリコーンゲルが入り込み、樹脂の収縮を抑えることができるものと考えられる。
また、酸化マグネシウムは、成形材料の溶融粘度を高めることから、成形時の金型内圧を高くすることにより、良好な充填性が得られ、高寸法安定性に寄与しているものと考えられる。
更に、ロックウールは、柔軟性に優れる繊維状基材が相互に絡み合った形態を有するものであり、成形収縮率を抑えるとともに、成形品の機械的強度を向上させていると考えられる。
更に、ロックウールは、柔軟性に優れる繊維状基材が相互に絡み合った形態を有するものであり、成形収縮率を抑えるとともに、成形品の機械的強度を向上させていると考えられる。
本発明の成形材料は、このような成分を含有することにより、成形品成形時の収縮率を低減させることができると共に優れた寸法安定性を得ることができる。特に、コンミテータ用として用いた場合には、銅セグメントと成形品との剥離を防止し、片間段差を低減することができるという特徴を有するものである。
そして、本発明の成形材料は、上記成分以外にも、エラストマ、ガラス繊維、粉末状の無機充填材などを含有することができる。これにより、上記効果に加えて、コンミテータ用成形品としての基本的特性を付与することができるものである。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、上記ノボラック型フェノール樹脂とシリコーンゲルとを予め溶融混練してシリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程を有することを特徴とする。
具体的には、ノボラック型フェノール樹脂の一部又は全部とシリコーンゲルとをニーダー、ロール等で予め溶融混練し、次いで他の原料と均一に混合した後、あるいは、配合する全原料をロール、コニーダ、二軸押出し機等の混錬装置単独またはロールと他の混合装置との組み合わせで溶融混練した後、粉砕して得られる。
本発明の製造方法は、上記ノボラック型フェノール樹脂とシリコーンゲルとを予め溶融混練してシリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程を有することを特徴とする。
具体的には、ノボラック型フェノール樹脂の一部又は全部とシリコーンゲルとをニーダー、ロール等で予め溶融混練し、次いで他の原料と均一に混合した後、あるいは、配合する全原料をロール、コニーダ、二軸押出し機等の混錬装置単独またはロールと他の混合装置との組み合わせで溶融混練した後、粉砕して得られる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
シリコーンゲル含有ノボラック樹脂6重量%、ノボラック型フェノール樹脂5重量%、レゾール型フェノール樹脂を7重量%、ヘキサメチレンテトラミン3重量%、硬化助剤として酸化マグネシウム1重量%、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム1重量%とポリビニルブチラール1重量%、無機充填材としてロックウール10重量%、ガラス繊維40重量%、未焼成クレー25重量%、および離型剤1重量%、顔料1重量%を配合し、約80℃の加熱ロールで約5分間混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
シリコーンゲル含有ノボラック樹脂6重量%、ノボラック型フェノール樹脂5重量%、レゾール型フェノール樹脂を7重量%、ヘキサメチレンテトラミン3重量%、硬化助剤として酸化マグネシウム1重量%、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム1重量%とポリビニルブチラール1重量%、無機充填材としてロックウール10重量%、ガラス繊維40重量%、未焼成クレー25重量%、および離型剤1重量%、顔料1重量%を配合し、約80℃の加熱ロールで約5分間混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
(実施例2)
シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を3重量%に減量、ノボラック型フェノール樹脂を8重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を3重量%に減量、ノボラック型フェノール樹脂を8重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
(実施例3)
レゾール型フェノール樹脂を5重量%に減量、ノボラック型フェノール樹脂を7重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
レゾール型フェノール樹脂を5重量%に減量、ノボラック型フェノール樹脂を7重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
(実施例4)
レゾール型フェノール樹脂を10重量%に増量、ノボラック型フェノール樹脂を2重量%に減量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
レゾール型フェノール樹脂を10重量%に増量、ノボラック型フェノール樹脂を2重量%に減量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
(比較例1)
シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を用いず、ノボラック型フェノール樹脂11重量%、レゾール型フェノール樹脂を7重量%、ヘキサメチレンテトラミン3重量%、硬化助剤として酸化マグネシウム1重量%、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム1重量%とポリビニルブチラール1重量%、無機充填材としてロックウール10重量%、ガラス繊維40重量%、未焼成クレー25重量%、および離型剤1重量%、顔料1重量%を配合し、約80℃の加熱ロールで約5分間混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を用いず、ノボラック型フェノール樹脂11重量%、レゾール型フェノール樹脂を7重量%、ヘキサメチレンテトラミン3重量%、硬化助剤として酸化マグネシウム1重量%、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム1重量%とポリビニルブチラール1重量%、無機充填材としてロックウール10重量%、ガラス繊維40重量%、未焼成クレー25重量%、および離型剤1重量%、顔料1重量%を配合し、約80℃の加熱ロールで約5分間混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
(比較例2)
ロックウールを用いず、未焼成クレーを35重量%に増量し、酸化マグネシウムの代わりに消石灰を用いた以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
ロックウールを用いず、未焼成クレーを35重量%に増量し、酸化マグネシウムの代わりに消石灰を用いた以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
(比較例3)
ロックウールを用いず、シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を6重量%追加配合し、ノボラック型フェノール樹脂を5重量%に減量した以外は、比較例2と同様にして成形材料を得た。
ロックウールを用いず、シリコーンゲル含有ノボラック樹脂を6重量%追加配合し、ノボラック型フェノール樹脂を5重量%に減量した以外は、比較例2と同様にして成形材料を得た。
(比較例4)
酸化マグネシウムの代わりに消石灰を用いて、ロックウール10重量%を追加配合し、未焼成クレーを25重量%に減量した以外は比較例3と同様にして成形材料を得た。
酸化マグネシウムの代わりに消石灰を用いて、ロックウール10重量%を追加配合し、未焼成クレーを25重量%に減量した以外は比較例3と同様にして成形材料を得た。
実施例及び比較例の原材料配合を、表1に示す。表中の数字は重量%を示す。
(使用した原料)
(1)シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製 RT−54529
シリコーンゲルはα−ゲル(ジェルテック社製 針入度:JIS K 2530−1976−50g加重)を使用し、ノボラック型フェノール樹脂と溶融混練した。シリコーンゲル含有率はノボラック型フェノール樹脂との合計量100重量部に対して20重量部である。
(2)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製 PR−HF−3(重量平均分子量1000)
(3)ヘキサメチレンテトラミン:住友精化社製 ウロトロピン
(4)レゾール型フェノール樹脂:以下の方法にて製造した。
還流コンデンサー、撹拌装置、加熱装置、真空脱水装置を備えた反応釜内に、フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)とをモル比(F/P)=1.7で仕込み、これに酢酸亜鉛をフェノール100重量部に対して0.5重量部添加した。この反応系のpHを5.5に調整し、還流反応を3時間行った。その後、真空度100Torr、温度100℃で2時間水蒸気蒸留を行って未反応フェノールを除去し、さらに、真空度100Torr、温度115℃で1時間反応させ、数平均分子量800のレゾール型フェノール樹脂(固形)を得た。
(5)硬化助剤:酸化マグネシウム
(6)硬化助剤:秩父石灰工業社製 消石灰
(7)アクリロニトリルブタジエンゴム:JSR社製 PNC−38
(8)ポリビニルブチラール:積水化学工業社製 エスレックBL−1
(9)ガラス繊維:日本板硝子社製 RES03−BM38(平均繊維径11μm、平均繊維長3mmのチョップドストランド)
(10)ロックウール:ラピナス社製 RF840(平均繊維径5.5μm、平均繊維長300μm)
(11)未焼成クレー:ECC社製 ECKALITEI
(12)離型剤:日本油脂社製 ステアリン酸
(13)顔料:三菱化学社製 カーボンブラック#750B
(1)シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製 RT−54529
シリコーンゲルはα−ゲル(ジェルテック社製 針入度:JIS K 2530−1976−50g加重)を使用し、ノボラック型フェノール樹脂と溶融混練した。シリコーンゲル含有率はノボラック型フェノール樹脂との合計量100重量部に対して20重量部である。
(2)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製 PR−HF−3(重量平均分子量1000)
(3)ヘキサメチレンテトラミン:住友精化社製 ウロトロピン
(4)レゾール型フェノール樹脂:以下の方法にて製造した。
還流コンデンサー、撹拌装置、加熱装置、真空脱水装置を備えた反応釜内に、フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)とをモル比(F/P)=1.7で仕込み、これに酢酸亜鉛をフェノール100重量部に対して0.5重量部添加した。この反応系のpHを5.5に調整し、還流反応を3時間行った。その後、真空度100Torr、温度100℃で2時間水蒸気蒸留を行って未反応フェノールを除去し、さらに、真空度100Torr、温度115℃で1時間反応させ、数平均分子量800のレゾール型フェノール樹脂(固形)を得た。
(5)硬化助剤:酸化マグネシウム
(6)硬化助剤:秩父石灰工業社製 消石灰
(7)アクリロニトリルブタジエンゴム:JSR社製 PNC−38
(8)ポリビニルブチラール:積水化学工業社製 エスレックBL−1
(9)ガラス繊維:日本板硝子社製 RES03−BM38(平均繊維径11μm、平均繊維長3mmのチョップドストランド)
(10)ロックウール:ラピナス社製 RF840(平均繊維径5.5μm、平均繊維長300μm)
(11)未焼成クレー:ECC社製 ECKALITEI
(12)離型剤:日本油脂社製 ステアリン酸
(13)顔料:三菱化学社製 カーボンブラック#750B
実施例および比較例により得られた成形材料を用いて、次の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
(測定方法)
<1> シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、成形収縮率:試験片は、トランスファ成形(175℃、硬化時間3分間)により作製し、成形後に、JIS K 6911に準拠して測定した。
<1> シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、成形収縮率:試験片は、トランスファ成形(175℃、硬化時間3分間)により作製し、成形後に、JIS K 6911に準拠して測定した。
<2> 成形後外径収縮率:トランスファ成形(175℃、硬化時間3分間)にて円筒型試験片(外径:20mm、内径:14mm、高さ:15mm)を成形し、成形後1時間経過後に試験片の外径を測定することで、金型寸法からの変化率を求めた。試験片の形状をコンミテータの形状により近づけたことから、外径収縮率について前記成形収縮率よりも精度の高い評価となったと考えられる。
<3> 寸法変化率:上記で得られた成形品を用い、160℃条件下において500時間放置した場合における寸法を測定し、元の外径寸法から算出した。
<4>ガラス転移温度:JIS K 6911に準拠して、4mm×4mm×10mmの試験片を2種切り出し、セイコーインスツルメンツ製TMA/SS6100を用いて測定を行い、各チャートのガラス転移温度の平均値を算出した。
<4>ガラス転移温度:JIS K 6911に準拠して、4mm×4mm×10mmの試験片を2種切り出し、セイコーインスツルメンツ製TMA/SS6100を用いて測定を行い、各チャートのガラス転移温度の平均値を算出した。
表2の結果から明らかのように、シリコーンゲル含有ノボラック樹脂、レゾール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有する本発明の成形材料から得られた成形品の実施例1〜4は、これらの全ては含んでいない比較例1〜4に比較し、機械的強度を実用的なレベルに維持しつつ、成形収縮率、特に寸法安定性及び成形後外径収縮率が大幅に低減されたものであった。
Claims (14)
- シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、酸化マグネシウム、及び、無機充填材としてロックウールを含有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 更に、シリコーンゲルを含まないノボラック型フェノール樹脂を含有するものである請求項1に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して、2〜12重量%である請求項1又は2に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂中のシリコーンゲルの含有量は、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して10〜30重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との合計含有量は、成形材料全体に対して、5〜25重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記シリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との配合比率は、20:80〜55:45である請求項1ないし5のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記酸化マグネシウムの含有量は、成形材料全体に対し0.5〜1.5重量%である請求項1ないし6のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記ロックウールの含有量は、成形材料全体に対し5〜20重量%である請求項1ないし7のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 更に、前記ロックウール以外の無機充填材を含むものである請求項1ないし8のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記ロックウール以外の無機充填材はガラス繊維であって、成形材料全体に対して30〜50重量%含有するものである請求項1ないし9のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 更に、前記ロックウール以外の無機充填材はクレー、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルクの中から選ばれた1種以上を含むものであり、成形材料全体に対して15〜35重量%含有するものである請求項1ないし10のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記成形材料の成形後における成形収縮率は、0.01〜0.10%である請求項1ないし11のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 前記成形材料の成形後、160℃、500時間の条件下における寸法変化率は、0.01〜0.08%である請求項1ないし12のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料の製造方法であって、前記ノボラック型フェノール樹脂とシリコーンゲルとを予め溶融混練してシリコーンゲル含有ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程を有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料の製造方法。
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