JP2010031130A - 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及び硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及び硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱安定性に優れる熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料、及び従来のフェノール樹脂硬化物より靭性の優れた硬化物を提供する。
【解決手段】
フェノール樹脂及び下記一般式(1)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物。前記熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含む熱硬化性樹脂成形材料。前記熱硬化性樹脂組成物または前記熱硬化性樹脂成形材料を硬化させてなる硬化物。
【化1】
Figure 2010031130

(式(1)中、R1は芳香族基を示す。R2は水酸基またはアルコキシ基である。R3は水素またはアルキル基である。nは2以上である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及び硬化物に関するものである。
従来のフェノール樹脂の硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン(ホルムアルデヒドとアンモニアの反応生成物)、あるいは、フェノール類にホルマリンを反応させたレゾール樹脂などが用いられている。フェノール樹脂硬化物の構造は、どちらの場合もフェノール核間の架橋がメチレン架橋に限られるため、硬化物の構造が剛直になりやすく、引っ張り強度あるいは曲げ強度などの物性面において、靭性の更なる向上には限界があった。一方で、メチレン架橋以外の架橋基として、ノボラック型フェノール樹脂をヒドロキシベンズアルデヒドで変性することにより、樹脂中の置換基の一部を置換メチレン基(−CHR−、Rはヒドロキシフェニル基)とする方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。当該方法により得られる硬化物は靭性が改善されるものの、用途により、さらに靭性の向上が求められていた。
また、フェノール樹脂の硬化剤にヘキサメチレンテトラミン、あるいは、レゾール樹脂を用いて成形材料とした場合、成形性を改善するためには、熱安定性の改善が必要であった。
特開2004−269613号公報
本発明は熱安定性に優れる熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料、及び従来のフェノール樹脂硬化物より靭性の優れた硬化物を提供するものである。
本発明者は、上記問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、フェノール樹脂の硬化剤において、一般式(1)で表される化合物を用いることにより、上記課題を解決することを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、本発明は、第(1)項から第(4)項により達成される。
(1) フェノール樹脂及び下記一般式(1)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2010031130
(式(1)中、R1は芳香族基を示す。R2は水酸基又はアルコキシ基である。R3は水素又はアルキル基である。nは2以上である。)
(2) 硬化触媒を含む第(1)項記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3) 第(1)項又は第(2)項記載の熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含む熱硬化性樹脂成形材料。
(4) 第(1)項もしくは第(2)項記載の熱硬化性樹脂組成物または第(3)項記載の熱硬化性樹脂成形材料を硬化させてなる硬化物。
本発明によれば、熱安定性に優れる熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂成形材料を得ることができる。また、該熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料を用いることにより、従来のフェノール樹脂硬化物より靭性の優れた硬化物を得ることができる。
本発明は、フェノール樹脂及び下記一般式(1)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂成形材料に関するものである。
Figure 2010031130
式(1)中、R1は芳香族基を示し、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ターフェニレン基、アントラセニレン基、及びこれらの芳香族基をアルキル基、アルキリデン基、酸素、スルフィド、スルホン基などの結合基で結合させたものなどを例示することができる。これらの中でも、フェニレン基、ビフェニレン基、これらの芳香族基の一部をアルキル基で置換したものが好ましい。
式(1)中、R2は水酸基、あるいは、メトキシ基、エトキシ基及びブトキシ基などのアルコキシ基である。R3は水素、あるいは、メチル基、エチル基及びブチル基などのアルキル基である。
式(1)中、nは2以上であり、好ましくは2以上100以下であり、さらに好ましくは2以上10以下である。
式(1)で表される化合物は、芳香族ジメチレンエーテル化合物である。その構造は、繰り返し単位におけるR1が、2つの−CH2−基と結合し、隣接した繰り返し単位におけるR1との間が−CH2−O−CH2−基で結合しており、かつ分子の末端が−OH基またはアルコキシ基を有するものである。
式(1)で表される化合物の合成方法は、例えば、式(2)または(3)で表される化合物を用いて、縮合することにより得ることができる。ここで、式(2)で表される化合物を用いる場合、これを反応させて式(3)で表される構造とした後、縮合しても構わない。
Figure 2010031130
(式(2)中、R4は式(1)におけるR1と同様の芳香族基を示し、Xはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲンを示す。)
Figure 2010031130
(式(3)中、R5は式(1)におけるR1と同様の芳香族基を示す。R6及びR7は水素または炭素数1〜10のアルキル基であり、両者は同一でも、異なっていても構わないが、アルキル基である場合は、メチル基、エチル基、ブチル基が取り扱いやすく好ましい。)
式(2)で表される化合物は、メチル置換アリール化合物の光ハロゲン化法や、芳香族カルボン酸エステルの還元とテトラハロゲン化炭素などのハロゲン化剤によるハロゲン化等公知の方法で製造することができる。
また、式(3)で表される化合物は、R5のメチレン結合部分が水素である芳香族化合物とホルムアルデヒドを、アルコール溶媒下塩基を加えてホルマール化する方法や、式(2)で表わされる化合物と金属アルコキシドを反応させることなどで合成できるが、特にこれらに限定されるものではない。
式(2)または(3)で表わされる化合物を縮合する方法としては、溶媒中又は無溶媒で、触媒存在下又は無触媒下で、加熱する方法が適用できるが、縮合可能な方法であれば限定されない。
前記縮合反応の温度は、適宜選択すればよいが、例えば50℃から200℃程度が好適である。
上記縮合反応における反応溶媒としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びエチレングリコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ及びエチルセロソルブなどのセロソルブ類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及びジメチルスルホキサイドなどの非プロトン系極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒等が挙げられる。しかし、上記反応を達成することができれば、反応溶媒は特に限定されるものではない。
また、触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、塩化アルミ及び塩化鉄などの酸性触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類水酸化物、炭酸カリウム及び炭酸水素ナトリウムなどの緩衝液形成する弱塩基性を示す化合物、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン及びピリジンなどの有機塩基など当業者が公知のものが使用できる。
本発明に用いるフェノール樹脂は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物である。このような例としては、フェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール、キシレノール、ナフトール及びビスフェノール等のフェノール化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド及びアセトンなどのケトン類とを、当業者で公知の方法により縮合重合させて得られたノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂;前記フェノール化合物と前記ケトン類をアルカリ条件下で反応させ合成して得られたレゾール樹脂;パラキシリレンジメタノールなどの芳香族ジメチレンアルコキシエーテルやその類縁体であるビスクロロメチレン化合物と、フェノール化合物を縮合重合させて得られた、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂;トリフェノールメタン、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ジヒドロキシナフタレン及びビフェノールなどのフェノール化合物;ビニル基を有するフェノール化合物のビニル基を重合させたポリビニルフェノール;ポリヒドロキシフェニルマレイミド;バイオマスを分解して得られるリグニンまたはその分解物、あるいはその変性物;などが挙げられるが、ノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が安価で容易に入手でき好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に硬化触媒を用いることができる。そのような硬化触媒としては、酸性物質、塩基性物質が挙げられ、酸性物質がより好ましい。
酸性物質としては、有機酸、無機酸のいずれでも用いることができる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸等が挙げられる。有機酸としては、蟻酸、シュウ酸、酢酸、安息香酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸等及びトリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。
また、前記酸性物質は、加熱により酸性物質を発生させる化合物、いわゆる酸発生剤であってもよい。このような酸発生剤としては、芳香族スルホン酸シクロヘキシル類などのスルホン酸エステル、リン酸エステル、スルホニウム塩等が好ましい。これらの中でも、特に、1−フェニル−4−(p−トルエンスルホン酸)シクロヘキシレン、1−(1−ナフチル)−4−(p−トルエンスルホン酸)シクロヘキシレン、及び1−(2−ナフチル)−4−(p−トルエンスルホン酸)シクロヘキシレンなどの芳香族スルホン酸シクロヘキシル類、および下記式(4)で表わされるスルホニウム塩が好ましい。
Figure 2010031130
塩基性物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムなどアルカリ土類金属の酸化物、アンモニア、トリエチルアミン及びジアザビシクロウンデセンなどの含窒素化合物、トリフェニルホスフィンなどの有機リン化合物などが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、式(1)で表される化合物の使用量としては、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましい下限値が10質量部で、好ましい上限値が400質量部である。前記下限値以上であれば、より十分な強度の硬化物が得られ、前記上限値以下であれば、成形時の熱安定性に優れ、より靭性に優れた硬化物が得られる。
硬化触媒の使用量としては、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましい下限値が0.5質量部で、好ましい上限値が20質量部である。前記下限値以上であれば、より十分な硬化速度が得られ、前記上限値以下であれば、成形時の作業性も、より良好なものとなる。
本発明において、式(1)で表される化合物は、熱硬化性樹脂の射出成形におけるシリンダ内での溶融温度のような低温領域では熱に対して安定であることから、熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料とした場合に、成形時の熱安定性に優れる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料に用いる充填材としては、有機充填材及び無機充填材等の充填材を用いることができる。前記有機充填材としては、例えば、木粉、合板粉、熱硬化性樹脂硬化物粉末及び粉砕布などが挙げられる。前記無機充填材としては、例えば、ガラスビーズ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー及びマイカなどの粉末状の充填材や、ガラス繊維及びカーボン繊維などの繊維状の充填材が挙げられる。充填材は、これらの1種又は2種以上が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料において、充填材の使用量としては、前記フェノール樹脂式(1)で表わされる化合物の合計量100質量部に対して、好ましい下限値が20質量部で、好ましい上限値が600質量部である。前記下限値以上であれば、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物である成形品において、より十分な機械強度が得られ、前記上限値以下であれば、成形時の流動性も、より良好であり金型への充填性も良好である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料において、上記成分以外の成分として、必要に応じて、レゾール樹脂、エポキシ樹脂及びシアネート樹脂などの樹脂、また、本発明に影響しない範囲で、ヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤、上記以外の硬化触媒や増粘剤などの流動固化特性を調整する添加剤、さらには、シランカップリング剤、着色剤、難燃剤及び離型剤などの一般的な熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂組成物に用いられる各種添加剤を用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、フェノール樹脂、式(1)で表わされる化合物、任意に硬化触媒及び必要に応じて用いる各種添加剤を混合して製造することができる。その混合方法としては、特に制限されることはなく、例えば、公知のミキサーで混合することによって得ることができ、溶融混合しても良い。また、フェノール樹脂と式(1)で表わされる化合物とを、予め溶融混合した混合物を製造し、この混合物と、前記した硬化触媒などを混合して製造しても良い。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて、熱硬化性成形材料とする場合は、その製造方法は特に制限されず、前記熱硬化性樹脂組成物及び充填材、必要に応じて添加剤を混合し、例えば、加熱ロールやニーダーなどによって、溶融混合して得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料は、例えば、50℃以上、望ましくは80〜300℃程度に加熱することにより、硬化物とすることができる。得られた硬化物は、フェノール樹脂のメチレン結合間にフェノール核のみならず、フェニレン基、ビフェニレン基といった芳香族基を含んだ構造となるため、架橋点間距離を長くすることができるため、従来のフェノール樹脂をヘキサメチレンテトラミンで硬化させた硬化物より柔軟となり、靭性が向上する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、成形時の熱安定性に優れると共に、靭性の優れた硬化物を得ることができることから、ヘキサメチレンテトラミンやレゾール樹脂が硬化剤として用いられている既存の用途全般に適用可能である。特に成形材料、機構部品、電子部品、筐体、建材、積層板、接着剤、摩擦材、研磨剤等の種々の用途に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
(合成例1)
三口フラスコに、4,4’−ビスメトキシメチルベンゼン100質量部、メチルイソブチルケトン100質量部及び35%塩酸2質量部を仕込み、60℃で6時間反応させた後、120℃まで昇温し、揮発分を除去した。その後、さらに減圧下、130℃で6時間反応させることにより、下記式(5)で表される化合物(A)を得た。得られた化合物(A)について、テトラヒドロフランを移動相として、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレン換算の数平均分子量は640であった。
Figure 2010031130
(合成例2)
合成例1において、35%塩酸の使用量を2質量部から5質量部、最終反応条件を130℃、6時間から、135℃、9時間に変更した以外は合成例1と同様の方法により、化合物(B)を得た。得られた化合物(B)について、GPCよるポリスチレン換算の数平均分子量は1420であった。
(合成例3)
合成例1において、4,4’−ビスメトキシメチルベンゼンを1,2−ベンゼンジメタノール100質量部に置き換えた以外は合成例1と同様の方法により、下記式(6)で表される化合物(C)を得た。得られた化合物(C)について、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は660であった。
Figure 2010031130
(合成例4)
合成例1において、4,4’−ビスメトキシメチルベンゼンを4,4’−ビスメトキシメチルビフェニル100質量部に置き換えた以外は合成例1と同様の方法により、下記式(7)で表される化合物(D)を得た。得られた化合物(D)について、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は760であった。
Figure 2010031130
(合成例5)
合成例1において、4,4’−ビスメトキシメチルベンゼンを9,10―ジメトキシメチルアントラセン100質量部に置き換えた以外は合成例1と同様の方法により、下記式(8)で表される化合物(E)を得た。得られた化合物(E)について、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は720であった。
Figure 2010031130
(合成例6)
三口フラスコに、4,4’−ビスクロロメチルベンゼン100質量部、メタノール100質量部、水酸化ナトリウム18質量部、水75質量部を仕込み、室温で6時間反応した後、メチルイソブチルケトンを100質量部加え、pHが7.0になるように中和し、30分間混合した。その後、静置分離し、水層を除去した。その後、水を100質量部仕込み、混合した後、静置して油層と水層とを分離して、水層を除去する工程を3回繰り返した。次に、上記で得られた油層を120℃まで昇温し、揮発分を除去した後、さらに減圧下、130℃で3時間反応することにより、下記式(9)で表される化合物(F)を得た。得られた化合物(F)について、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は535であった。
Figure 2010031130
(合成例7)
三口フラスコに、フェノール100質量部、37%ホルマリン85質量部及び蓚酸1質量部の混合物を仕込み、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水した。更に、反応容器内の圧力を0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が230℃になるまで、減圧蒸留して、未反応フェノールを除去して、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量が1250、軟化点(JIS K 2531に準拠)が107℃のノボラック型フェノール樹脂を得た。
(合成例8)
三口フラスコに、フェノール100質量部、37%ホルマリン145質量部及びアンモニア水5質量部の混合物を仕込み、80℃で3時間反応後、反応混合物の温度が110℃になるまで、常圧蒸留で脱水した。更に、反応容器内の圧力を1kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が110℃になるまで、減圧蒸留して、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量が650、軟化点が72℃のレゾール型フェノール樹脂を得た。
(実施例1)
合成例1で得た化合物A119質量部、合成例7で得たノボラック型フェノール樹脂100質量部を、卓上粉砕機を用いて粉砕混合して、熱硬化性樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性樹脂組成物について、硬化速度の指標であるゲルタイムの評価を行った。
ゲルタイムは、110℃又は175℃に保った熱板上に、上記で得た1.5gの試料をのせ、スパチュラで、常時、かき混ぜながら、スパチュラを持ち上げても、樹脂組成物が糸を引かなくなるまでの時間を測定した。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
また、得られた熱硬化性樹脂組成物を、金型を用い、幅10mm、長さ100mm、厚み4mmに、150℃で圧縮成形し、乾燥機により175℃で6時間硬化して曲げ試験片を作製した。次いで、この曲げ試験片10本を用いて、25℃、相対湿度60%の雰囲気で、試験機((株)オリエンテック社製 UCT−30T型テンシロン)により、支点間距離64mm、クロスヘッド速度2mm/分の条件で、曲げ試験を行い、曲げ強度の高いもの上位5本の曲げ弾性率、曲げ歪量の平均値を算出した。
(実施例2〜9及び比較例1、2)
合成例1〜6で得た化合物A〜F、合成例7で得たノボラック型フェノール樹脂、合成例8で得たレゾール型フェノール樹脂を用いて、表1に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法で熱硬化性樹脂組成物を作製し、上記同様の方法で特性評価を行った。
Figure 2010031130
(実施例10)
合成例1で得た化合物A119質量部、合成例7で得たノボラック樹脂100質量部、木粉(大友化成株式会社製、100メッシュ以下)329質量部を混合し、この混合物を、加熱ロールを用いて、80℃で、3分間、混練して、熱硬化性樹脂成形材料を得た。得られた成形材料を用いて、実施例1と同様の方法により、曲げ試験を実施した。
(実施例11、12及び比較例3)
表2に示す割合で配合し、実施例10と同様の方法で熱硬化性樹脂成形材料を作製し、特性評価を行った。
Figure 2010031130
上記の表1、2の結果から明らかなように、本発明の熱硬化性樹脂組成物及び成形材料は、成形温度程度の高い温度では十分な反応速度を示し、成形温度より低い温度では、熱安定性が高い。さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物及び成形材料の硬化物は高い曲げ弾性率でありながら、靭性が高いという結果が得られた。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱安定性に優れると共に、靭性の優れた硬化物を得ることができることから、ヘキサメチレンテトラミンやレゾール樹脂が硬化剤として用いられている既存の用途全般に適用可能である。特に成形材料、機構部品、電子部品、筐体、建材、積層板、接着剤、摩擦材、研磨剤等の種々の用途に好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. フェノール樹脂及び下記一般式(1)で表される化合物を含む熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2010031130
    (式(1)中、R1は芳香族基を示す。R2は水酸基又はアルコキシ基である。R3は水素又はアルキル基である。nは2以上である。)
  2. 硬化触媒を含む請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含む熱硬化性樹脂成形材料。
  4. 請求項1もしくは2記載の熱硬化性樹脂組成物または請求項3記載の熱硬化性樹脂成形材料を硬化させてなる硬化物。
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