JP2018065931A - 樹脂ワニス、その製造方法および積層板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
エポキシ樹脂をフェノールノボラック樹脂で硬化させた硬化物の電気特性(低誘電率、低誘電正接)は、汎用の電子製品に要求されるレベルを満たすことはできても、高性能電子製品(スマートフォン、タブレット等)に要求されるレベルを満たすことは困難である。また、この硬化物は、近年開発が進んでいるパワーデバイスに用いるにはガラス転移温度が低く、熱膨張率も高い。
<1>マレイミド基を2以上有するマレイミド化合物と、アリル基含有樹脂と、溶剤とを含み、
前記アリル基含有樹脂が、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有し、
前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量が、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%である樹脂ワニス。
<3>マレイミド基を2以上有するマレイミド化合物と、アリル基含有樹脂と、溶剤とを混合し、樹脂ワニスを製造する方法であって、
前記アリル基含有樹脂が、前記式(1)で表される構成単位(1)および前記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、前記式(3)で表される構成単位(3)と、前記式(4)で表される構成単位(4)と、を有し、
前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量が、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%である樹脂ワニスの製造方法。
<4>前記混合の後、前記マレイミド化合物と前記アリル基含有樹脂を前反応させる、<3>に記載の樹脂ワニスの製造方法。
<5>前記<1>または<2>の樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させ、前記樹脂ワニスが含浸した繊維質基材を加熱加圧し、硬化させて積層板を得る、積層板の製造方法。
本発明の樹脂ワニス(以下、「本樹脂ワニス」ともいう。)は、マレイミド基を2以上有するマレイミド化合物と、特定のアリル基含有樹脂と、溶剤とを含む。
前記アリル基含有樹脂はマレイミド硬化剤として機能する。「マレイミド硬化剤」とは、前記マレイミド化合物を硬化させるための硬化剤を意味する。
本樹脂ワニスは、硬化反応触媒をさらに含むことができる。
本樹脂ワニスは、前記マレイミド化合物、前記アリル基含有樹脂、溶剤および硬化反応触媒以外の他の成分をさらに含むことができる。
本樹脂ワニスにおいては、マレイミド化合物のマレイミド基の一部と、アリル基含有樹脂のアリル基またはヒドロキシ基の一部とが反応した状態になっていてもよい。
本発明におけるアリル基含有樹脂は、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有する。
「構成単位」は、重合体を構成する単位を示す。
構成単位(3)または(4)のArから伸びる結合手は、構成単位(1)もしくは(2)のRから伸びる結合手、pおよびqの少なくとも一方が1である別の構成単位(3)もしくは(4)のRから伸びる結合手、または水素原子に結合する。
pおよびqの少なくとも一方が1である構成単位(3)または(4)のRから伸びる結合手は、別の構成単位(3)もしくは(4)のArから伸びる結合手に結合する。
ここで、構成単位(3)または(4)において、Arから伸びる結合手とは、−*、pが0である(R)p−**およびqが0である(R)q−**のいずれかである。Rから伸びる結合手とは、pが1である(R)p−**およびqが1である(R)q−**のいずれかである。
Rは、前記式(r1)で表される基でもよく、前記式(r2)で表される基でもよい。
前記式(r1)中、ビフェニレン環における2つのメチレン基の結合位置はそれぞれ特に限定されないが、前記アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合、式(r1)で表される基に対応する架橋剤(B)のモノマー(A)との反応性が良好である点から、4位および4’位であることが好ましい。
前記式(r2)中、ベンゼン環における2つのメチレン基の結合位置はそれぞれ特に限定されないが、アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合、式(r1)で表される基に対応する架橋剤(B)のモノマー(A)との反応性が良好である点から、パラ位であることが好ましい。
前記アリル基含有樹脂に含まれる複数のArはそれぞれ同じでもよく異なってもよい。前記アリル基含有樹脂がRを複数含む場合、この複数のRはそれぞれ同じでもよく異なってもよい。
式(1−2)または(1−3)で表される構成単位のナフタレン環における−R−*、アルデヒド基それぞれの結合位置は特に限定されない。例えば式(1−2)中、ヒドロキシ基が結合した位置を1位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは2〜8位のいずれでもよい。式(1−3)中、ヒドロキシ基が結合した位置を2位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは1、3〜8位のいずれでもよい。
構成単位(1)としては、式(1−1)で表され、アルデヒド基の結合位置が、ヒドロキシ基に対してオルソ位である構成単位が好ましい。かかる構成単位であれば、前記アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合に、式(1−1)で表される構成単位に対応するモノマー(A)の架橋剤(B)との反応性が良く、また、モノマー(A)を容易に回収リサイクルできる。
前記アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(1)は1種でも2種以上でもよい。
前記アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(2)は1種でも2種以上でもよい。
式(3−2)または(3−3)で表される構成単位のナフタレン環における−*、−(R)p−**、−(R)q−**、アルデヒド基それぞれの結合位置は特に限定されない。例えば式(3−2)中、ヒドロキシ基が結合した位置を1位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは2〜8位のいずれでもよい。式(3−3)中、ヒドロキシ基が結合した位置を2位とした場合、−R−*やアルデヒド基が結合するのは1、3〜8位のいずれでもよい。
構成単位(3)としては、式(3−1)で表され、アルデヒド基の結合位置が、ヒドロキシ基に対してオルソ位である構成単位が好ましい。かかる構成単位であれば、前記アリル基含有樹脂を後述する製造方法(I)により製造する場合に、式(3−1)で表される構成単位に対応するモノマー(A)の架橋剤(B)との反応性が良く、また、モノマー(A)を容易に回収リサイクルできる。
前記アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(3)は1種でも2種以上でもよい。
前記アリル基含有樹脂に含まれる構成単位(4)は1種でも2種以上でもよい。
前記アリル基含有樹脂の分散度(Mw/数平均分子量(Mn))は、1.20〜5.00が好ましい。
本発明において、MwおよびMnは、標準物質をポリスチレンとしたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
前記アリル基含有樹脂の製造方法としては、たとえば、以下の製造方法(I)が挙げられる。
製造方法(I):モノヒドロキシベンズアルデヒドおよびモノヒドロキシナフトアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(A)と、下記式(b1)で表される化合物および下記式(b2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)とを反応させて、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを含むアルデヒド基含有樹脂を得る工程と、
前記アルデヒド基含有樹脂と、前記アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対して10〜80モル%のアリルアミンとを反応させて前記アリル基含有樹脂を得る工程と、
を有するアリル基含有樹脂の製造方法。
モノヒドロキシベンズアルデヒドとしては、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、メタヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられる。
モノヒドロキシナフトアルデヒドとしては、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
モノマー(A)としては、架橋剤(B)との反応性が良い点、反応で残留したモノマーを容易に回収リサイクル可能である点から、オルソヒドロキシベンズアルデヒドが好ましい。
前記式(b1)または(b2)中、Xのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
前記式(b1)で表される化合物としては、4,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル、2,2’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル、2,4’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル等(ただし、アルコキシ基の炭素数は1〜4である。)が挙げられる。
前記式(b2)で表される化合物としては、パラキシリレングリコールジアルキルエーテル、メタキシリレングリコールジアルキルエーテル、1,4−ビス(ハロゲン化メチル)ベンゼン等(ただし、アルキル基の炭素数は1〜4である。)が挙げられる。
これらは1種単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
架橋剤(B)としては、上記のなかでも、比較的安価であり、モノマー(A)との反応性が良好である点から、4,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ハロゲン化メチル)ビフェニル、パラキシリレングリコールジアルキルエーテル、1,4−ビス(ハロゲン化メチル)ベンゼンが好ましい。
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応では、複数のモノマー(A)のArが架橋剤(B)によって架橋され、前記構成単位(1)と前記構成単位(3)とを有するアルデヒド基含有樹脂が生成する。
モノマー(A)に対する架橋剤(B)の比率が低すぎると、歩留まりが低下するおそれがある。モノマー(A)に対する架橋剤(B)の比率が高すぎると、モノマー(A)と架橋剤(B)との反応に時間がかかり、生産性が低下するおそれがある。
架橋剤(B)が有するXがハロゲン原子の場合は、酸性触媒を別途加えなくてもよい。Xがハロゲン原子の場合、反応させる際の熱によりハロゲン原子が脱離しHXとなる。このHXが酸性触媒として機能するため、酸性触媒を別途加えなくても反応速度が充分に速くなる。
酸性触媒の使用量が少なすぎると、反応速度の向上効果が不充分になるおそれがあり、使用量が多すぎると、反応が急激に進み反応をコントロールすることが難しくなる。
反応の終了時、得られた反応生成物にアルカリを添加して酸性触媒を中和してもよい。
この反応生成物はそのまま、または必要に応じて、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー、等)等の処理を行って、次の工程(アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンと反応させる工程)に供される。
モノマー(A)と架橋剤(B)との反応により生成したアルデヒド基含有樹脂と、アリルアミンとを反応させると、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基(構成単位(1)、(3)のアルデヒド基)が−CH=N−CH2−CH=CH2に変換される。
このとき、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基(100モル%)に対して10〜80モル%のアリルアミンを反応させることで、前記アリル基含有樹脂が生成する。
アルデヒド基含有樹脂と反応させるアリルアミンの量は、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対して25〜70モル%が好ましく、25〜50モル%が特に好ましい。
したがって、アルデヒド基含有樹脂とアリルアミンとの反応において、アルデヒド基含有樹脂のアルデヒド基に対するアリルアミンのアミノ基のモル比(アミノ基/アルデヒド基)は、0.10〜0.80が好ましく、0.25〜0.70がより好ましく、0.25〜0.50が特に好ましい。
反応後、必要に応じて、反応生成物に対し、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー、等)等の処理を行ってもよい。
マレイミド化合物としては、マレイミド基を2以上有する化合物であれば特に限定されず、例えばビスマレイミド化合物、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。
ビスマレイミド化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(例えば大和化成工業株式会社品のBMI−1000)、アルキルビスマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールA ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
ポリフェニルメタンマレイミドは、マレイミド基が置換した3以上のベンゼン環がメチレン基を介して結合した重合体であり、例えば大和化成工業株式会社品のBMI−2300が挙げられる。
マレイミド化合物としては、前記アリル基含有樹脂との相溶性が良い点、硬化物の耐熱性、密着性がより優れる点、比較的安価である点から、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミドが好ましい。
これらのマレイミド化合物は1種単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
溶剤としては、本樹脂ワニスに含まれる成分(前記アリル基含有樹脂、前記マレイミド化合物、必要に応じて硬化反応触媒等)を溶解するものであれば特に制限はない。
溶剤として典型的には、極性溶剤が用いられる。極性溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、イソホロン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、エタノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。上記の中でも、ケトン系溶剤が好ましく、メチルエチルケトンが特に好ましい。
本樹脂ワニスの固形分濃度は、用途によっても異なるが、30〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。
本樹脂ワニスの固形分濃度は、本樹脂ワニスの全質量に対する、本樹脂ワニスから溶剤を除いた質量の割合である。
硬化反応触媒としては、例えば、アリル基とマレイミド基との反応を促進する作用を有するものを用いることができる。このような作用を有する硬化反応触媒としては、例えば、イミダゾール化合物、有機過酸化物等が挙げられる。イミダゾール化合物としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノメチル−2−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。有機過酸化物としては、例えばケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル等が挙げられる。ジアルキルパーオキサイドにおいて、アルキル基は、フェニル基等で置換されていてもよい。
上記のうち、イミダゾール類では、2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましく、有機過酸化物類では、ジアルキルパーオキサイドのジクミルパーオキサイドがより好ましい。これらは高温で比較的安定であり、溶剤溶解性もよく、取り扱いも容易である。
本樹脂ワニス中の硬化反応触媒の含有量は、マレイミド化合物に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。
他の成分としては、例えば、無機フィラー(例えばカーボンブラック、ガラスクロス、シリカ等)、ワックス、難燃剤、カップリング剤等、前記アリル基含有樹脂以外のマレイミド硬化剤(以下、他の硬化剤ともいう。)、充填材(フィラー)、離型剤、表面処理剤、着色剤、可撓性付与剤等が挙げられる。
他の硬化剤としては、マレイミド硬化剤として従来公知のものを用いることができ、例えばアリルノボラック型フェノール樹脂等のノボラック型樹脂等が挙げられる。
本樹脂ワニス中の他の硬化剤の含有量は、本発明の効果の点では、本樹脂ワニスの固形分(100質量%)に対し、10質量%以下が好ましく、0質量%が特に好ましい。
本樹脂ワニスの固形分は、本樹脂ワニスから溶剤を除いた部分である。
離型剤としては、たとえばカルナバワックス等の各種ワックス類等が挙げられる。
表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。
可撓性付与剤としては、シリコーン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリルゴム等が挙げられる。
本樹脂ワニスは、例えば、前記マレイミド化合物と、前記アリル基含有樹脂と、前記溶剤とを混合することにより製造できる。各成分の混合は、常法により行うことができる。
前記マレイミド化合物は、市販品を用いることができる。
前記アリル基含有樹脂は、前記の製造方法(I)により製造できる。
前記マレイミド化合物と前記アリル基含有樹脂と溶剤とを混合する際に、または混合した後、必要に応じて、硬化反応触媒や他の成分をさらに混合してもよい。
前記マレイミド化合物と前記アリル基含有樹脂と溶剤との混合の後、前記マレイミド化合物と前記アリル基含有樹脂を前反応させてもよい。前記混合によって得られたワニス状態の混合物について前反応を行うことで、結晶性が高いマレイミド化合物が樹脂ワニスから析出するのを抑制することができる。
前反応を行う際の反応温度は50〜150℃が好ましく、70〜130℃がより好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。反応温度があまりに低いと反応は進まず、あまりに高すぎると反応をコントロールすることが難しくなり、目的の本樹脂ワニスを安定的に得ることが難しくなる。
本樹脂ワニスを硬化させる際の加熱温度(硬化温度)は60〜250℃が好ましい。
硬化操作の一例としては、前記の好適な温度で30秒間以上1時間以下の前硬化を行い、溶剤を除去し、その後さらに、前記の好適な温度で1〜20時間の後硬化を行う方法が挙げられる。
本樹脂ワニスにあっては、硬化剤として前記アリル基含有樹脂を用いているため、アリルフェノール樹脂を用いる場合に比べて、硬化させる際のゲルタイムが短い。また、本樹脂ワニスの硬化物は、マレイミド化合物を用いているために、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低熱線膨張率を示す。また、マレイミド化合物をアリルフェノール樹脂で硬化させた硬化物に比べて、他部材(例えば銅張積層板に用いられる銅箔や、ガラスクロス等の繊維質基材等)との密着性に優れ、低誘電率、低誘電正接である。
(1)アリル基とマレイミド基との反応。
(2)ヒドロキシ基とマレイミド基との反応。
(3)アリル基同士の反応。
(4) マレイミド基同士の反応。
(5)−CH=N−CH2−CH=CH2のイミン部分とアルデヒド基との反応。
樹脂中にイミン基を含有していることが、ゲルタイムの短縮及び、密着性の向上に寄与していると考えられる。
前記の溶剤としては、メチルエチルケトンのような極性のあるものが一般的である。前記アリル基含有樹脂は、アルデヒド基を有することで、かかる溶剤に対する溶解性が高いと考えられる。
本樹脂ワニスから得られる硬化物は、高ガラス転移温度、高熱分解温度、低熱膨張率、低誘電率、低誘電正接であり、耐熱性、絶縁性に優れる。また、他部材(例えば銅張積層板に用いられる銅箔や、ガラスクロス等の繊維質基材等)との密着性に優れる。そのため、本樹脂ワニスは、電子部品に用いられる積層板の製造用の材料として有用である。
本発明の積層板の製造方法では、本樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させ、本樹脂ワニスが含浸した繊維質基材を加熱加圧し、硬化させて積層板を得る。
前記積層板は、前記繊維強化樹脂層以外の他の層をさらに備えてもよい。他の層としては、例えば銅箔等の金属箔層が挙げられる。
繊維質基材の形状は特に限定されず、例えば短繊維、ヤーン、マット、シート等が挙げられる。
本樹脂ワニスが含浸した繊維質基材を加熱加圧する際の加熱温度は、前述の硬化温度が好ましい。加圧条件としては、2〜20kN/m2が好ましい。
本発明の積層板の製造方法により得られる積層板は、繊維質基材と本樹脂ワニスの硬化物とを含む繊維強化樹脂層を備えており、かかる繊維強化樹脂層は、前記硬化物が高ガラス転移温度、高熱分解温度、低熱膨張率、低誘電率、低誘電正接であることから、耐熱性、絶縁性に優れる。また、金属箔層を備える場合の金属箔層と繊維強化樹脂層との間の密着性や、繊維強化樹脂層内での繊維質基材と本樹脂ワニスの硬化物との間の密着性に優れる。また、本樹脂ワニスのゲルタイムが短いことから、積層板の生産性に優れる。
以下の各例において「%」は、特に限定のない場合は「質量%」を示す。
以下の各例で用いた測定方法を以下に示す。
下記のGPC装置及びカラムを使用し、標準物質をポリスチレンとして測定した。
GPC装置:東ソー社製のHLC8120GPC。
カラム:TSKgel G3000HXL+G2000H+G2000H。
JIS K 6910:1999に従って軟化点(℃)を測定した。
150℃に設定した溶融粘度計(ブルックフィールド社製CAP2000 VISCOMETER)により、150℃における溶融粘度(P)を測定した。
得られた成形物を幅10.0mm×長さ5.5mm×厚さ1.5mmの大きさに加工し、測定試料とした。この測定試料について、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製 DMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜350℃の範囲でtanδを測定し、ガラス転移温度(℃)を求めた。硬化物のガラス転移温度は、300℃以上が好ましい。
得られた成形物を微粉砕し、測定試料とした。この測定試料について、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6300)により、エアー雰囲気下で10℃/分の昇温速度で30〜800℃の範囲で熱重量減量を測定し、5%熱分解温度(℃)を求めた。硬化物の5%熱分解温度は、365℃以上が好ましい。
得られた成形物を幅50.0mm×長さ50.0mm×厚さ1.5mmの大きさに加工し、測定試料とした。この測定試料について、空洞共振摂動法により周波数1GHzにおける比誘電率(εr)および誘電正接(tanδ)を求めた。硬化物の比誘電率は、4.00以下が好ましい。硬化物の誘電正接は、0.01以下が好ましい。
得られた成形物を幅5.0mm×長さ5.0mm×厚さ1.5mmの大きさに加工し、測定試料とした。この測定試料について、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 TMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜300℃の範囲で測定し、常温線膨張係数(ppm)を求めた。常温線膨張係数は、30℃での線膨張係数を示す。硬化物の常温線膨張係数は、50ppm以下が好ましい。
樹脂ワニスのゲルタイム(ゲル化時間)(秒)を、170℃にて、JIS K 6910:2007に準拠した方法により測定した。
別途、各例の樹脂ワニスのについて、ジクミルパーオキサイドを配合しなかった以外は同様にして無触媒の熱硬化性成形材料を調製した。また、ジクミルパーオキサイドの代わりに、2−エチル−4−イミダゾールを配合した以外は同様にして、樹脂ワニスを調製した。これらの樹脂ワニスについても上記と同様にゲルタイムを測定した。ただし、測定温度は200℃とした。
なお、ゲルタイム以外の評価は全て、ジクミルパーオキサイドを配合した樹脂ワニスまたはこの樹脂ワニスから得た樹脂成形物を用いて行った。
JIS K 6849:1994に準拠した方法にて、接着剤として熱硬化性成形材料を用い、被着材として幅10.0mm×長さ50.0mm×厚さ1.0mmの銅板を用いて、220℃で2時間の条件で硬化させたものについて、引張り接着強さ(N/mm2)を測定した。
〔合成例1〕
(オルソヒドロキシベンズアルデヒドと4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルの反応:モル比=0.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアルデヒド850g(6.967モル)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル674.5g(2.787モル)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒドに対して1%)を仕込み、160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロキシベンズアルデヒドを除去し、アルデヒド含有ビフェニル樹脂を得た。得られた樹脂の軟化点は81℃、150℃における溶融粘度は1.2Pであった。ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下、GPCと略記することもある。)による質量平均分子量(Mw)は815、分散度(Mw/Mn)は1.48であった。
(オルソヒドロキシベンズアルデヒドとパラキシレングリコールジメチルエーテルの反応:モル比=0.40)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lの反応容器にオルソヒドロキシベンズアルデヒド850g(6.967モル)、パラキシレングリコールジメチルエーテル462.6g(2.787モル)、パラトルエンスルホン酸8.5g(オルソヒドロキシベンズアルデヒドに対して1%)を仕込み、160℃まで昇温し、4時間反応を行った。反応で副生するメタノールは、系外へ除去した。反応終了後、中和、水洗を行い、未反応オルソヒドロキシベンズアルデヒドを除去し、アルデヒド含有キシリレン樹脂を得た。得られた樹脂の軟化点は80℃、150℃における溶融粘度は1.7Pであった。GPCによる質量平均分子量(Mw)は756、分散度(Mw/Mn)は1.44であった。
〔製造例1〕
(アルデヒド基含有ビフェニル樹脂とアリルアミンの反応:変性率約30モル%)
合成例1で得たアルデヒド含有ビフェニル樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで昇温した。そこにアリルアミン7.6gを、発熱に注意しながら2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを常圧下で除去しながら150℃まで昇温し、3時間エージングを行った。そこにメチルエチルケトン(MEK)を固形分60%になるように投入しアリル基含有樹脂Aを得た。GPCによる質量平均分子量(Mw)は2159、分散度(Mw/Mn)は2.39であった。13C−核磁気共鳴分析(以下、NMRと略記することもある。)によるアルデヒド基変性率は31モル%であった。
アルデヒド基変性率は、樹脂中のアルデヒド基とアリル基との合計に対するアリル基の割合を示す。
(アルデヒド基含有ビフェニル樹脂とアリルアミンの反応:変性率約45モル%)
合成例1で得たアルデヒド含有ビフェニル樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで昇温した。そこにアリルアミン11.4gを、発熱に注意しながら2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを常圧下で除去しながら150℃まで昇温し、3時間エージングを行った。そこにMEKを固形分60%になるように投入しアリル基含有樹脂Bを得た。GPCによる質量平均分子量(Mw)は3105、分散度(Mw/Mn)は3.81であった。NMRによるアルデヒド基変性率は44モル%であった。
(アルデヒド基含有キシリレン樹脂とアリルアミンの反応:変性率約30モル%)
合成例2で得たアルデヒド含有キシリレン樹脂100.0gを、トルエン100.0gに溶解し、80℃まで昇温した。そこにアリルアミン9.9gを、発熱に注意しながら2時間かけて添加した。その後、使用したトルエンを常圧下で除去しながら150℃まで昇温し、3時間エージングを行った。そこにMEKを固形分60%になるように投入しアリル基含有樹脂Cを得た。GPCによる質量平均分子量(Mw)は2311、分散度(Mw/Mn)は2.52であった。NMRによるアルデヒド基変性率は32モル%であった。
〔実施例1〕
上記アリル基含有樹脂Aの166.7g(樹脂分100g)に、大和化成工業株式会社品のBMI−1000(4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、マレイミド当量179g/eq;以下、「マレイミド化合物(1)」という。)を19.2g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.2gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスAを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
上記樹脂ワニスAをガラスクロス(Eガラス)に、樹脂分40%となるように含浸し、100℃で10分間乾燥させて溶剤を除去し、プリプレグを得た。このプリプレグを6枚重ねて200℃でプレス成形し、その後、220℃で2時間アフターベークを行い、厚さ1.5mmの成形物Aを得た。
樹脂分とは、成形物Aに対する樹脂の割合を示す。
上記アリル基含有樹脂Aの166.7g(樹脂分100g)に、大和化成工業株式会社品のBMI−2300(ポリフェニルメタンマレイミド、マレイミド当量186g/eq;以下、「マレイミド化合物(2)」という。)を19.9g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.2gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスBを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスBを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Bを得た。
上記アリル基含有樹脂Bの166.7g(樹脂分100g)に、マレイミド化合物(1)を28.8g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.3gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスCを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスCを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Cを得た。
上記アリル基含有樹脂Bの166.7g(樹脂分100g)に、マレイミド化合物(1)を20.1g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.2gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスDを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は0.7であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスDを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Dを得た。
上記アリル基含有樹脂Bの166.7g(樹脂分100g)に、マレイミド化合物(1)を11.50g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.1gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスEを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は0.4であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスEを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Eを得た。
上記アリル基含有樹脂Bの166.7g(樹脂分100g)に、マレイミド化合物(2)を29.9g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.3gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスFを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスFを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Fを得た。
上記アリル基含有樹脂Cの166.7g(樹脂分100g)に、マレイミド化合物(1)を26.9g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.3gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスGを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスGを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Gを得た。
上記アリル基含有樹脂Cの166.7g(樹脂分100g)に、マレイミド化合物(2)を27.9g混合し、還流下(95℃)で5時間前反応を行った。その後、ジクミルパーオキサイドを1.3gと、MEKを固形分60%になるように投入し、樹脂ワニスHを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスHを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Hを得た。
下記アリル基含有樹脂Dの100g、マレイミド化合物(1)の120.9g、ジクミルパーオキサイドの2.2gをメチルエチルケトンに溶解し、固形分60%の樹脂ワニスIを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
アリル基含有樹脂D:群栄化学工業株式会社製の製品名:XPL−4437E(アリルフェノールホルムアルデヒド樹脂)。このアリル基含有樹脂Dは、常温で液状であり、25℃での粘度をE型粘度計で測定したところ、31Pa・sであった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスIを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Iを得た。
上記アリル基含有樹脂Dの100g、マレイミド化合物(2)の125.7g、ジクミルパーオキサイドの1.3gをメチルエチルケトンに溶解し、固形分60%の樹脂ワニスJを得た。マレイミド化合物のマレイミド基とアリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)は1.0であった。
樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスJを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mmの成形物Jを得た。
樹脂成形物A〜Jに用いたアリル基含有樹脂、マレイミド化合物、硬化反応触媒それぞれの種類、アリル基含有樹脂のアルデヒド基変性率を表1〜2に併記する。
Claims (5)
- マレイミド基を2以上有するマレイミド化合物と、アリル基含有樹脂と、溶剤とを含み、
前記アリル基含有樹脂が、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有し、
前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量が、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%である樹脂ワニス。
- 前記マレイミド化合物のマレイミド基と前記アリル基含有樹脂のアリル基とのモル比(マレイミド基/アリル基)が、0.2〜1.4である、請求項1に記載の樹脂ワニス。
- マレイミド基を2以上有するマレイミド化合物と、アリル基含有樹脂と、溶剤とを混合し、樹脂ワニスを製造する方法であって、
前記アリル基含有樹脂が、下記式(1)で表される構成単位(1)および下記式(2)で表される構成単位(2)のいずれか一方または両方と、下記式(3)で表される構成単位(3)と、下記式(4)で表される構成単位(4)と、を有し、
前記構成単位(2)と前記構成単位(4)との合計の含有量が、前記構成単位(1)と前記構成単位(2)と前記構成単位(3)と前記構成単位(4)との合計に対して10〜80モル%である樹脂ワニスの製造方法。
- 前記混合の後、前記マレイミド化合物と前記アリル基含有樹脂を前反応させる、請求項3に記載の樹脂ワニスの製造方法。
- 請求項1または2に記載の樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させ、前記樹脂ワニスが含浸した繊維質基材を加熱加圧し、硬化させて積層板を得る、積層板の製造方法。
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