JP2011070920A - 有機elディスプレイパネルの検査方法及び修正方法と、検査装置及び修正装置と、有機elディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板31を検査用照明手段26から検査用照明光で照射し、カメラ33で撮像して検査する。検査用照明手段26は、特性劣化に影響しない波長のみを透過するバンドパスフィルタを備えている。バンドパスフィルタは、使用する有機EL材料の吸光特性により、吸光しない波長のみを通すバンドパスフィルタを選定する。検査中は、常時低酸素状態となるよう、ハウジング23で密閉された窒素雰囲気エリア231を、窒素供給配管22から供給された清浄度の高い窒素で満たし、排気配管24から排気される。
【選択図】図2
Description
しかし、有機ELディスプレイパネルにおいては、製造途中の段階では発光層の特性(効率や寿命など)が劣化しやすい問題があるため、製造途中段階での検査及び修正技術が確立されておらず、歩留まり低下の原因となっている。
しかしながら、現実問題としてクリーンルームなどのごみの少ない環境においても、有機ELディスプレイパネルを、蒸着方式、印刷方式、インクジェット方式、ノズルプリンティング方式、等にて製造する場合、完全にゴミの付着や内包を避けるのは困難である。
そのため、製造途中の段階では、特性劣化なく検査及び修正を実施することは不可能であり、通常は陰極形成後に、パネルを酸素・オゾンのない状態で封止し、特性劣化しない状態にした後、検査してみなければ、欠陥を発見できず、その段階ではもはや修正は不可能であり、歩留まり向上が難しいという問題がある。
シャッター30は通常は閉じているが、基板31の搬入・搬出時に開き、搬入・搬出完了後に閉じる。基板搬送コンベア27に搬入された基板31を、基板固定ユニット32で掴み、検査用照明手段26で検査用照明光を透明基板10側から照射しながら搬送し、カメラ33で撮像して検査する。
検査用照明手段26は、特性劣化に影響しない波長のみを透過するバンドパスフィルタを備えている。バンドパスフィルタは、使用する有機EL材料の吸光特性により、発光層が吸光する吸光波長をカットし、吸光しない波長のみを通すバンドパスフィルタを選定する。例えば550nm未満の波長を遮断し、550nm以上の波長を透過するバンドパスフィルタを挿入する。バンドパスフィルタは、基板31に照射される光の前で、照射される光すべてを通る位置であればよく、すなわち、検査用の照明光が前記発光層に至る光路中に配置すればよく、一般的には光源付近に取り付けるのが良い。ただし、取り付ける位置によって、耐熱性のあるバンドパスフィルタの使用が必要な場合もあるため、注意が必要である。
検査カメラ33は、例えばラインセンサカメラを使用した連続撮像を実施するが、基板の幅方向に対してカメラの幅方向撮像範囲が不足し、1回の撮像で基板全てを撮像できない場合は、カメラを2個以上並べて撮像するか、もしくは1回目の撮像完了後にカメラを移動して2回以上連続撮像を実施し、撮像した画像を連結して基板全ての範囲を撮像する。カメラ数を増やせば検査時間は短くなり、撮像回数を増やせば検査時間は長くなるため、生産数量に合わせて適正な構成を選定する。
なお、この実施の形態では、検査用の照明光を透明基板10側から照射し、検査カメラ33により発光層を含む複数層側から撮像しているが、検査用の照明光を発光層を含む複数層側から照射し、検査カメラ33により透明基板10側から撮像してもよい。また、検査用の照明光の照射方向と同じ方向から撮像してもよい。
欠陥検出サイズは、数十nm〜数十μmのゴミ等の異物が画素非点灯となることが分かっているため、それに合わせた検出能力として、例えば100nmを検出可能なカメラとするが、検出感度を上げすぎると誤検出が多くなったり、検査に時間がかかったりする等の悪影響もあるため、製品作製環境や、検出したい欠陥サイズ、生産数、等を考慮して、適正な検出サイズを選定する。
撮像された画像を使用し、パターンマッチング方式や比較検査方式を用いて検査して欠陥を検出し、XY座標系のデータとして記録しておく。データフォーマットは特に制約はないが、修正機で使用するXY座標系のデータ形式と互換性のあるフォーマットとし、また、一般的なパソコンで記録可能なファイル形式(データファイル形式、テキストファイル形式、CSVファイル形式など)を用いるのが良い。記録内容は、例えば欠陥の位置情報(X座標、Y座標)、欠陥サイズ、検出種類(白欠陥、黒欠陥、透過欠陥、反射欠陥)、等を記録するのが良い。
尚、メンテナンス等で、前工程エリア28、第1の窒素雰囲気エリア201、第2の窒素雰囲気エリア231を解放して人が作業をしたい場合は、いったん大気を注入し、安全な酸素濃度にした後に作業する。危険な酸素濃度で開放されないようなインターロックを施す必要がある。
欠陥観察用照明手段40は、特性劣化に影響しない波長のみを透過するバンドパスフィルタを備えている。バンドパスフィルタは、使用する有機EL材料の吸光特性により、発光層が吸光する吸光波長をカットし、吸光しない波長のみを通すバンドパスフィルタを選定する。例えば550nm未満の波長を遮断し、550nm以上の波長を透過するバンドパスフィルタを挿入する。バンドパスフィルタは、基板に照射される光の前で、照射される光すべてを通る位置であればどこに取り付けても良く、すなわち、欠陥観察用の照明光が発光層に至る光路中に配置すればよく、一般的には光源付近に取り付けるのが良い。ただし、取り付ける位置によって、耐熱性のあるバンドパスフィルタの使用が必要な場合もあるため、注意が必要である。
欠陥観察用カメラ及び修正ユニット37のカメラは、欠陥を人間の目で観察可能な倍率で撮像し、リアルタイムに観察することが可能なカメラとし、例えば観察用レンズとカラーCCDカメラの組み合わせが良い。
なお、この実施の形態では、欠陥観察用の照明光を透明基板10側から照射し、欠陥観察用カメラ及び修正ユニット37により発光層を含む複数層側から撮像しているが、欠陥観察用の照明光を発光層を含む複数層側から照射し、欠陥観察用カメラ及び修正ユニット37により透明基板10側から撮像してもよい。また、欠陥観察用の照明光の照射方向と同じ方向から撮像してもよい。
観察の結果、修正が必要と判断された場合(判断基準は予め決めておく)、欠陥観察用カメラ及び修正ユニット37を用いて、欠陥の種類に合わせて修正を実施する。修正は、レーザー照射により異物を蒸散させるレーザーリペア方式や、異物を掴んで吸引する異物除去方式や、レーザー焼成後の欠損した部分に、欠損した材料を塗布するインクリペア方式(ニードル方式インクリペア、マイクロディスペンサ方式インクリペア等)、を用いる。特に有効なのはレーザー照射により異物を蒸散する方式であり、画素非点灯となる微小な異物を、異物よりわずかに大きいサイズでレーザーリペアすることで、微小な非点灯エリアはあるものの、周囲の画素は正常に点灯し、結果として製品に影響のないレベルの微小非点灯エリアに抑えられた良品に修正することが可能となる。このとき、「製品に影響のないレベルの微小非点灯エリア」のサイズを予め決めておき、そのサイズより大きい欠陥には別の修正を実施すれば、さらに修正を有効活用することができる。
このとき、第4の窒素雰囲気エリア381が常時低酸素状態となるよう、第4の窒素雰囲気エリア381の中に酸素濃度計を設置して常時酸素濃度を測定し、閾値を決めて、酸素濃度が上昇したら窒素供給配管36の流量を増やすような低酸素管理が必要である。酸素濃度の閾値は使用する材料によって適正値を決めるが、例えば100ppmとしておく。
尚、メンテナンス等で、前工程エリア43、第3の窒素雰囲気エリア341、第4の窒素雰囲気エリア381を解放して人が作業をしたい場合は、いったん大気を注入し、安全な酸素濃度にした後に作業する。危険な酸素濃度で開放されないようなインターロックを施す必要がある。
11……電極パターン
12……陽極
13……隔壁
14……正孔輸送層
15……インターレイヤー層
16……発光層
17……電子輸送層
18……陰極
19……異物
20……第1のハウジング
201…第1の窒素雰囲気エリア
21……ファインフィルターユニット
22……窒素供給配管
23……第2のハウジング
231…第2の窒素雰囲気エリア
24……排気配管
25……ステージ架台
26……検査用照明手段
27……基板搬送コンベア
28……前工程エリア
29……基板出入ロボットハンド
30……シャッター
31……基板
32……基板固定ユニット
33……検査カメラ
34……第3のハウジング
341…第3の窒素雰囲気エリア
35……ファインフィルターユニット
36……窒素供給配管
37……欠陥観察用カメラ及び修正ユニット
38……第4のハウジング
381…第4の窒素雰囲気エリア
39……排気配管
40……欠陥観察用照明手段
41……ステージ架台
42……ガラスステージ
43……前工程エリア
44……基板出入ロボットハンド
45……シャッター
46……基板出入用リフターピン
47……基板
Claims (5)
- 基板上に、発光層を含む複数層を形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルにおいて、製造途中段階である発光層形成までに生じた欠陥を検査する有機ELディスプレイパネルの検査方法であって、
前記検査方法は、検査用の照明光を前記基板に照射して、前記基板の照明と同方向あるいは逆方向からカメラで撮影して欠陥を検出するものであり、
前記検査用の照明光のうち、前記発光層の材料が吸光する吸光波長が前記発光層に到達しないように、前記検査用の照明光が前記発光層に至る光路中に、前記吸光波長をカットするバンドパスフィルタを挿入し、
基板周囲を窒素雰囲気あるいは真空状態にする、
有機ELディスプレイパネルの検査方法。 - 基板上に、発光層を含む複数層を形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルにおいて、製造途中段階である発光層形成までに生じた欠陥を修正する有機ELディスプレイパネルの修正方法であって、
前記修正方法は、欠陥観察用の照明光を前記基板に照射して、前記基板の照明と同方向あるいは逆方向からカメラで撮影して欠陥を観察し、修正ユニットを用いて前記欠陥に対して修正を施すものであり、
前記欠陥観察用の照明光のうち、前記発光層の材料が吸光する吸光波長が前記発光層に到達しないように、前記欠陥観察用の照明光が前記発光層に至る光路中に、前記吸光波長をカットするバンドパスフィルタを挿入し、
基板周囲を窒素雰囲気あるいは真空状態にする、
有機ELディスプレイパネルの修正方法。 - 基板上に発光層を含む複数層を形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルあって、
製造途中段階である発光層形成後、製造最終段階である特性劣化防止のための封止を実施する前に、請求項1に記載の検査方法による検査、又は請求項2に記載の修正方法による修正を行うことを特徴とする有機ELディスプレイパネル。 - 基板上に発光層を含む複数層を形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルの製造途中段階である発光層形成までに生じた欠陥を検査する有機ELディスプレイパネルの検査装置であって、
検査用の照明光を前記基板に照射する照明手段と、
前記基板の照明と同方向あるいは逆方向から基板を撮像するカメラと、
前記検査用の照明光が前記発光層に至る光路中に配置され、前記検査用の照明光のうち前記発光層の材料が吸光する波長をカットするバンドパスフィルタと、
基板周囲を窒素雰囲気あるいは真空状態にするためのハウジングとこのハウジングに設置された窒素供給配管及び排気配管を有する、
有機ELディスプレイパネルの検査装置。 - 基板上に発光層を含む複数層を形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルの製造途中段階である発光層形成までに生じた欠陥を修正する有機ELディスプレイパネルの修正装置であって、
欠陥観察用の照明光を前記基板に照射する照明手段と、
前記基板の照明と同方向あるいは逆方向から基板を撮像するカメラと、
前記欠陥を修正する修正ユニットと、
前記欠陥観察用の照明光が前記発光層に至る光路中に配置され、前記欠陥観察用の照明光のうち前記発光層の材料が吸光する波長をカットするバンドパスフィルタと、
基板周囲を窒素雰囲気あるいは真空状態にするためのハウジングとこのハウジングに設置された窒素供給配管及び排気配管を有する、
有機ELディスプレイパネルの修正装置。
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