JP2011063727A - カチオン硬化性樹脂組成物、回路装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カチオン硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、カチオン硬化開始剤、融点が160℃以下のはんだ粒子、及び式(1)HOCO−C(R1)(R2)−Y−X又は式(2)HOCO−C(R1)(R2)−Y−C(R3)(R4)−Xで示される化合物であるフラックス成分が含有されている。
【選択図】図1
Description
請求項2に係る発明は、上記構成のカチオン硬化性樹脂組成物において、カチオン硬化開始剤は紫外線によってカチオンが発生するものであることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、上記構成のカチオン硬化性樹脂組成物において、構造式(1)又は(2)中のYが、下記構造式(9)〜(12)で示される原子又は原子団のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、上記構成のカチオン硬化性樹脂組成物において、構造式(1)又は(2)で示される化合物が、レブリン酸、グルタル酸、コハク酸、リンゴ酸、4−フェニル酪酸のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とするものである。
{(フラックス成分の質量/樹脂バインダーの質量)×100}
によって算出することができる。
はんだ粒子として、Sn42Bi58(Sn42質量%、Bi58質量%)を用いた。このはんだ粒子の平均粒径は20μmであり、融点は139℃であった。そして、はんだ粒子を80質量部、カチオン硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を17.8質量部、光カチオン開始剤として「アデカオプトマー SP−170」[下記の構造式(18)の化学物質]を0.2質量部、フラックス成分としてレブリン酸を2質量部混合し、遮光雰囲気下にて、ディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、ペースト状のカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
フラックス成分としてグルタル酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
フラックス成分としてコハク酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
フラックス成分として4−フェニル酪酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
フラックス成分としてジグリコール酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
カチオン硬化性樹脂バインダーとして、液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を10.0質量部と、オキセタン樹脂 1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亜合成株式会社製、商品名:OXT−121)7.8質量部、とを用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
はんだ粒子として、Sn42Bi58を90質量部、液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を7.4質量部、光カチオン開始剤として「アデカオプトマー SP−170」を0.1質量部、フラックス成分としてグルタル酸を2.5質量部、で混合するようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
光カチオン開始剤として「アデカオプトマー SP−172」[下記の構造式(19)の化学物質]を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
はんだ粒子として、Sn42Bi58(Sn42質量%、Bi58質量%)を用いた。このはんだ粒子の平均粒径は20μmであり、融点は139℃であった。そして、はんだ粒子を80質量部、硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を14質量部、硬化促進剤(味の素ファインテクノ株式会社製、品番「アミキュアPN23」)を3質量部、フラックス成分としてレブリン酸を3質量部混合し、ディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
はんだ粒子の代わりに、銀粉末(融点:950℃)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
はんだ粒子は含まず、硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を89質量部、光カチオン開始剤として「アデカオプトマー SP−170」を1質量部、フラックス成分としてレブリン酸を10質量部混合し、遮光雰囲気下にて、ディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、ペースト状のカチオン硬化性樹脂組成物を得た。
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を用いて、次のような評価試験を行った。なお、評価試験で作製した回路パターンは、図2のものである。
基板1であるガラス板(50x20x0.7mm)の表面の周辺部に、Niメッキの上にAuメッキが施された回路(幅500μm、厚み;Ni:5μm,Au:0.1μm)を金属層2として形成し、その回路上に、カチオン硬化性樹脂組成物3をスクリーン印刷法で塗布した。塗布後のカチオン硬化性樹脂組成物の厚みは、約70μmであった。この印刷塗布したガラス板を150℃、5分加熱して、はんだ成分を溶融させ、Auメッキ上に溶融固着させて、はんだ接合部5を形成した。固着したはんだ接合部5の外観を顕微鏡で観察し、はんだの溶融固着状態を下記判定基準で評価した。
「○」:ほとんどのはんだ粒子が一体化して球体となっているが、この球体の周りの樹脂層(未硬化樹脂層4)に若干のはんだ粒子が観察される
「△」:かなりのはんだ粒子が一体化して球体となっているが、この球体の周りの樹脂層(未硬化樹脂層4)に多くのはんだ粒子が観察される
「×」:一体化したはんだ粒子が観察されない。
評価(1)のはんだ粒子が溶融接続したガラス板に、超高圧水銀ランプで、光エネルギー2400mJ/cm2の紫外線を照射して未硬化樹脂層4を硬化させ、硬化した樹脂層6について指触にて粘着性(タック性)を評価した。なお、比較例1は、熱硬化性の樹脂組成物であるが、評価(1)の加熱条件では樹脂は硬化せず、紫外線照射によっても樹脂は硬化しなかった。そのため、比較例1については、金属溶融接合が形成されるものの樹脂は固まっておらず、樹脂がべたべたで硬化していない状態のまま評価した。
評価(1)と同様にして、ガラス板の周辺部に回路を金属層2として施し、同じ回路パターンを描いたガラス板を各試験につき2枚一組で準備した。そのうち一方のガラス板を真空蒸着装置にセットし、ガラス板の中央部に、Alを5Å/sの蒸着速度にて厚み1000Åで蒸着し、評価用のAl蒸着膜を形成した(10x10mm)。次に、評価(1)と同様の方法で、中央にAl蒸着膜が形成されたガラス板の金属層2の上面に樹脂組成物を印刷した後、他方のもう一枚のガラス板を、この樹脂を塗布したガラス板と対になる様に位置合わせし、樹脂組成物がシール剤となるように張り合わせた。
2 金属層
3 カチオン硬化性樹脂組成物
4 未硬化樹脂層
5 はんだ接合部
6 樹脂層
Claims (11)
- カチオン硬化開始剤は紫外線によってカチオンが発生するものであることを特徴とする請求項1に記載のカチオン硬化性樹脂組成物。
- 融点が160℃以下のはんだ粒子が、(i)Snと、(ii)Bi、In及びZnから選ばれる少なくとも1種類以上の金属と、を基本組成とする金属であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカチオン硬化性樹脂組成物。
- 構造式(1)又は(2)で示される化合物が、レブリン酸、グルタル酸、コハク酸、リンゴ酸、4−フェニル酪酸のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカチオン硬化性樹脂組成物。
- オキセタン樹脂を樹脂バインダー中5〜70質量%の量で含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン硬化性樹脂組成物。
- カチオン硬化性樹脂組成物全量に対して、樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が3〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のカチオン硬化性樹脂組成物を、はんだ粒子の融点よりも20℃高い温度以下の温度で加熱してはんだ粒子と金属層との溶融接続を形成し、室温に冷却後、紫外線照射してエポキシ樹脂をカチオン硬化する工程を含むことを特徴とする回路装置の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のカチオン硬化性樹脂組成物を用いて金属層が導電接着されていることを特徴とする回路装置。
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