JP2011063249A - 車両用空調装置 - Google Patents

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    • B60H3/00Other air-treating devices
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Abstract

【課題】駐車中において、バッテリ上がりを防止しながら、車室内熱交換器の乾燥を行うことにより、空調開始時の臭い発生、及び細菌増殖を抑制する。
【解決手段】外部電源106及び107から電力の供給を受ける外部電源導入手段105を備えるか、または、バッテリ102の電力量の残量が所定残量以上か否かを判定するバッテリ残量判定手段103を備えるか、車載太陽電池109を備えた車両の駐車中において、車室内熱交換器7を乾燥する。そのために、外部電源からの電力または所定残量以上のバッテリの電力または車載太陽電池109の電力を用いて送風し、車室内熱交換器乾燥制御を実行する。送風継続時間は、臭いが実質的に消えるまでの所定時間を、空気の外気温と外気湿度を用いて、エアコンECU50内の推定手段にて決定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、駐車終了後の車室内熱交換器からの臭いを抑制する車両用空調装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載の車両用空調装置として、蒸発器の温度を所定範囲内で制御することにより乾き臭いを防止するものがある。これは、車両エンジン等の圧縮機駆動源の省動力効果と、臭い発生防止による快適性との両立を図るものである。
この、特許文献1の記載によれば、蒸発器吹出空気への臭気発生は、蒸発器表面での凝縮水が乾ききる直前に蒸発器のフィン表面から付着臭い成分が離脱することにより開始され、そして、時間の経過とともに徐々に臭気強度が増大する。
上記蒸発器吹出空気への臭気発生の時期は、蒸発器吹出温度の一時的な低下が生じる時期と合致する。そこで、特許文献1の構成は、圧縮機停止時に蒸発器吹出温度が高温側へ上昇する過程において、蒸発器表面の凝縮水が乾ききる直前に生じる、蒸発器吹出温度の一時的な温度低下を判定して、圧縮機を再起動させるものである。
具体的には、圧縮機の停止時に、蒸発器の冷却度合が高温側へ上昇する過程において、蒸発器表面の凝縮水が乾ききる直前に生じる、蒸発器吹出温度の一時的な低下が生じると、これを検出して、圧縮機を再起動させる。
この再起動により、蒸発器の冷媒蒸発潜熱による冷却作用が再開されて、吹出温度の一時的低下の開始直後に凝縮水が再度発生し、蒸発器のフィン表面を濡らすようになる。この結果、蒸発器のフィン表面から臭い成分が離脱することを未然に防止でき、臭気発生を阻止できる。
また特許文献2には、電気自動車において、バッテリの充電に商用電源または太陽電池の発電を利用する技術が記載されている。具体的には、太陽電池と、該太陽電池が接続されたバッテリと、太陽電池とバッテリとの接続点に、直流側端子が接続され交流側端子が系統と連系するごとく接続された双方向性コンバータとを有し、バッテリ充電中は、その充電電流をあらかじめ決められた値に制御すると共に、太陽電池電力が最大出力となるように双方向性コンバータを制御するものである。
特開2001−130247号公報 特開平5−146094号公報
上記特許文献1の技術によると、駐車終了後の車両用空調装置の空調制御開始時に、蒸発器(車室内熱交換器)を収納した空調用ダクト内に蓄積された臭いが、車室内に吹き出されるという問題があった。
換言すれば、上記従来の車両用空調装置において、乗員乗車時に空調運転が開始されてブロワによる車室内への送風が行われた場合には、圧縮機の上記再起動による凝縮水の再発生が間に合わず、送風初期に空調ケース内にこもった臭いのする水分を含んだ空気が、空調開始時に車室内に向けて吹き出されてしまうことがある。
また、車両の電源には、特に駐車中において、残存するバッテリの充分な電力、車両搭載または建屋設置の太陽電池の電力、商用電源からの電力等が利用可能であるのに、上記臭い対策に積極的に活用できていないという問題がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、駐車中において、バッテリ上がりを防止しながら、車室内熱交換器の乾燥を行うことにより、空調開始時の臭い発生、及び細菌増殖を抑制できる車両用空調装置を提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、バッテリ(102)を搭載すると共に、外部電源(106、107)からの電力の供給を受ける外部電源導入手段(105)を備える車両、バッテリ(102)の電力量の残量が車室内熱交換器乾燥制御のために予め決定された所定残量以上か否かを判定するバッテリ残量判定手段(103)を備える車両、車載太陽電池(109)を備える車両の少なくともいずれかの車両に搭載され、熱交換用媒体が流れる冷房用の車室内熱交換器(7)を空調ケース(10)内に備えた車両用空調装置(100)において、車両の駐車中において、熱交換用媒体を流すことなく、車室内熱交換器(7)を乾燥するために、外部電源(106、107)からの電力、所定残量以上のバッテリの電力、及び車載太陽電池(109)からの電力のいずれかの電力を用いて、車室内熱交換器(7)に送風して、車室内熱交換器乾燥制御を実行する空調ケース(10)内に設けられた送風機(14)、及び送風開始により車室内熱交換器の臭いが実質的に消えたことを推定して送風機(14)を停止する推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)を有することを特徴としている。
この発明によれば、外部電源(106、107)、または所定残量以上のバッテリ(102)の電力、または車載太陽電池(109)の電力を用いて、空調ケース(10)内の送風機(14)を作動させるので、バッテリ上がりの心配が無く、駐車中に、車室内熱交換器(7)を充分に乾燥させることができる。これによって、臭いがする水分を含んだ風が駐車終了後の空調開始時に吹き出すのを抑止できる。かつ、駐車中における細菌の繁殖を抑えることができるので、車室内熱交換器(7)の汚れを緩和することができ、更に、臭いの原因を少なくすることができ、また、車室内熱交換器(7)の腐食を抑えることができ、車両用空調装置の寿命を長くすることが出来る。
請求項2に記載の発明では、送風機(14)を駆動する電力は、外部電源(106、107)の太陽電池(107)からの電力、または車載太陽電池(109)の電力からなることを特徴としている。
この発明によれば、太陽電池(107)または車載太陽電池(109)を用いて、送風機(14)を作動させるので、バッテリ上がりの心配が無く、車室内熱交換器(7)を乾燥させることができる。
請求項3に記載の発明では、車載太陽電池(109)が専用バッテリに充電し、この受電された専用バッテリを介して車載太陽電池(109)の電力が取り出され送風機を駆動することを特徴としている。
この発明によれば、車載太陽電池(109)の出力が小さい場合も、専用バッテリに蓄積された電力を利用するから確実に送風機(14)を駆動することが出来る。
請求項4に記載の発明では、推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)は、車室内熱交換器(7)の上流側を流れる空気の、車室内熱交換器(7)の乾燥に影響を与える状態に応じて決定された送風時間を決定する時間決定手段(ステップS46)から成ることを特徴としている。
この発明によれば、車室内熱交換器(7)の上流側を流れる空気の、車室内熱交換器(7)の乾燥に影響を与える状態に応じて決定された送風時間だけ、車室内熱交換器(7)を乾燥するために、車室内熱交換器(7)へ送風機(14)により送風するから、最小限の動力で確実に車室内熱交換器(7)を乾燥させることが出来る。
請求項5に記載の発明では、空気の状態とは、空気の湿度センサ(461)が検出した湿度、及び温度センサ(41)が検出した温度からなることを特徴としている。
この発明によれば、車室内熱交換器(7)の上流側を流れる空気の湿度及び温度に基づいて、正確に乾燥に要する送風時間を決定することが出来る。
請求項6に記載の発明では、推定手段(ステップ76及び77、並びに86及び87)は、車室内熱交換器下流側の空気の乾き状態を検出するセンサ(44、45、46、47、48、及び49)の検出値に基づいて、車室内熱交換器の臭いが実質的に消えたことを推定して送風機(14)を停止する手段から成ることを特徴としている。
この発明によれば、推定手段(ステップ76及び77、並びに86及び87)が、車室内熱交換器(7)を通した風が車室内へ吹き出されても臭いが気にならないことを、センサ(44、45、46、47、48、及び49)の検出値を元に判定しているから、より正確に乾燥することが出来る。
請求項7に記載の発明では、センサ(47、48、及び49)の検出値は、車室内熱交換器下流側における、空気の湿度(RHW)であることを特徴としている。
この発明によれば、空気の湿度(RHW)からなる検出値によって、車室内熱交換器(7)の臭いが実質的に消えたことを推定することが出来る。
請求項8に記載の発明では、車室内熱交換器乾燥制御は、直近の空調期間中において、車室内熱交換器(7)が結露したと結露判定手段(S43、S53、S73、及びS83)が判定した時に行うことを特徴としている。
この発明によれば、直近の空調期間中において、車室内熱交換器が結露したと判定した時でないときは、車室内熱交換器乾燥制御を行わなくて済み、無駄な送風機電力の浪費をなくすことが出来る。
請求項9に記載の発明では、車室内熱交換器乾燥制御は、車室内に乗員が不在であると乗員不在判定手段(S42、S52、S72、及びS82)が判定した時に行うことを特徴としている。
この発明によれば、車室内熱交換器乾燥時は臭いが発生するが、車室内熱交換器乾燥制御を車室内に乗員が不在であることを判定した時に行うようにしたから、臭いにより乗員に不快感を与えることを防止することができる。
請求項10に記載の発明では、車室内熱交換器の上流側に、車両の内部の空気を取り込んで循環させる内気循環モードと、車両外部の空気を導入する外気導入モードとを切替える内外気切替え手段(13)を有し、車室内熱交換器乾燥制御において、車室内熱交換器乾燥制御が早く終了すると予測される内外気切替え手段(13)の切替え状態を予測する予測手段を備え、この予測手段が決定した内気循環モードまたは外気導入モードで車室内熱交換器乾燥制御が行われることを特徴としている。
この発明によれば、車室内熱交換器乾燥制御は、車室内熱交換器乾燥制御が早く終了すると予測される内外気切替え手段の切替え状態で実行されるから、乾燥に使用する電力を少なくすることが出来、省電力となると共に、送風機の耐久性も確保できる。
請求項11に記載の発明では、予測手段は、車室内熱交換器上流側の空気の湿度と温度に基づいて内気循環モード及び外気導入モードのうちのいずれかを予測して決定することを特徴としている。
この発明によれば、車室内熱交換器上流側の空気の湿度と温度、例えば、外気温度と外気湿度に基づいて、乾燥が速く終了する内外気切替えモードを選択することが出来る。
請求項12に記載の発明では、車両のバッテリ(102)が、外部電源(106及び107)からの電力により急速充電されていないときに、外部電源(106及び107)により送風機(14)を駆動して、車室内熱交換器乾燥制御を行うことを特徴としている。
この発明によれば、急速充電中は、乗員が短時間で運転再開する可能性が高く、車室内熱交換器(7)の乾燥を行うと、車室内に臭いが残ることを考慮して、このような場合に、車室内熱交換器(7)の乾燥を行わないようにすることが出来る。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置、及び電源系統の概略構成を示す模式図である。 上記実施形態における上記車両用空調装置の空調制御装置周りの構成を示すブロック図である。 上記実施形態における上記空調制御装置による基本的な空調制御処理を示したフローチャートである。 上記実施形態におけるブロワ電圧決定及び蒸発器の乾燥制御の詳細を示すフローチャートである。 上記実施形態における吸込口モード決定処理の詳細を示すフローチャートである。 上記実施形態におけるウォータポンプ作動決定処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態におけるブロワ電圧決定及び蒸発器の乾燥制御の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態におけるブロワ電圧決定及び蒸発器の乾燥制御の詳細を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図6を用いて説明する。第1実施形態では、図1の車両用空調装置100をハイブリッド自動車用の空調装置に適用した例について説明する。図1は車両用空調装置100、及び電源系統の概略構成を示す模式図である。図2は車両用空調装置100の空調制御装置周りの構成を示すブロック図である。
上記ハイブリッド自動車は、ガソリン等の液体燃料を爆発燃焼させて動力を発生させる走行用内燃機関をなすエンジン30、走行補助用電動機機能及び発電機機能を備える車載負荷101、該車載負荷101内の図示しない走行補助用の電動発電機、エンジン30への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジン用電子制御装置60(以下、エンジンECU60ともいう)、及び上記車載電気負荷101内の上記電動発電機及びエンジンECU60等に電力を供給するバッテリ102を備える。
また、ハイブリッド自動車は、エンジンECU60に制御信号を出力するハイブリッド電子制御装置70(以下、ハイブリッドECU70ともいう)を備えている。ハイブリッドECU70は、電動発電機及びエンジン30のうちいずれの駆動力を駆動輪に伝達するかの駆動源の切替え制御を実行する機能を持っている。
また、バッテリ102の充放電を制御し、バッテリ102の残存容量を管理する電池ECU103を備えている。上記電池ECU103は、車室内空調または走行等によって消費した電力を充電するための充電装置を備えている。
上記バッテリ102には、例えばニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等が用いられる。このバッテリ102及び電池ECU103からなる車載電源装置104は、電力供給源としての電気スタンドや商用電源(家庭用電源)に接続するために、コンセントとプラグ、または電磁誘導を利用する結合器から成る給電用結合器105を備えている。本発明において、単に給電用結合器というときは、コンセントとプラグからなる結合器と電磁誘導タイプの結合器のいずれか一方、または、双方を指し示している。
これら、いずれかの給電用結合器105は、本発明に言う外部電源導入手段を構成する。この給電用結合器105に、電源供給源と成る商用電源106または太陽電池107を接続することにより、バッテリ102の充電等を行うことができる。
なお、太陽電池107は、車庫等の建屋の屋根に設置されている。また、108は特許文献2に開示された双方向性コンバータである。車載のバッテリ102とは別に車載太陽電池109に専用バッテリが設けられており、この専用バッテリからの車載太陽電池109の電力は、車載電源装置内の図示しないスイッチ手段及びコンバータ手段(電磁スイッチ及びDC−DCコンバータ)を経由して、送風機となる室内ブロワ14に供給可能である。この車載太陽電池109は、車両の天井部に設置されたものである。本発明において、単に太陽電池というときは、上記太陽電池107と車載太陽電池109のいずれか一方、または、双方を指し示している。
なお、ハイブリッド自動車は、具体的には、以下のような制御を行う。
(1)車両が停止しているときは、基本的にエンジン30を停止させる。
(2)走行中は、減速時を除き、エンジン30で発生した駆動力を駆動輪に伝達する。なお、減速時は、エンジン30を停止させて電動発電機にて発電してバッテリ102に充電する(電気走行モード)。
(3)発進時、加速時、登坂時及び高速走行時等の走行負荷が大きいときには、電動発電機を電動モータとして機能させて、エンジン30で発生した駆動力に加えて、電動発電機に発生した駆動力を駆動輪に伝達する(ハイブリッド走行モード)。
(4)バッテリの充電残量が充電開始目標値以下になったときには、エンジン30の動力を電動発電機に伝達して、電動発電機を発電機として作動させてバッテリの充電を行う。
(5)車両が停止しているときに、バッテリの充電残量が充電開始目標値以下になったときには、エンジンECU60に対してエンジン30を始動する指令を発するとともに、エンジン30の動力を電動発電機に伝達する。
次に、図1の車両用空調装置100は、車室内空調運転が実施可能な装置であり、駐車中において、車載電源装置104を経由した電力で室内用ブロワ(送風機ともいう)14を駆動して送風することが可能である。
車両用空調装置100は、図1に示すように、車室内に空調空気を導く空気通路10aを形成する空調ケース10、空調ケース10内において空気流を発生させる送風手段としての室内用ブロワ14、空調ケース10内を流れる空気を冷却するための冷凍サイクル1、空調ケース10内を流れる空気を加熱するための冷却水回路31及び、エアコン電子制御装置50(以下、エアコンECU50ともいう)等を備える。
空調ケース10は、ハイブリッド自動車の車室内の前方付近に設けられている。空調ケース10の最も上流側は、内外気切替箱を構成する部分であり、車室内の空気(以下、内気ともいう)を取り入れる内気吸込口11、及び車室外の空気(以下、外気ともいう)を取り入れる外気吸込口12が形成されている。
内気吸込口11及び外気吸込口12の内側には、内外気切替ドア13が回動自在に設けられている。この内外気切替ドア13は、サーボモータ等のアクチュエータにより駆動されて、吸込口モードを内気循環モード、または外気導入モード等に切り替える内外気切替え手段を構成している。
空調ケース10の最も下流側は、吹出口を構成する部分であり、デフロスタ開口部、フェイス開口部およびフット開口部が形成されている。そして、デフロスタ開口部には、デフロスタダクト23が接続されて、このデフロスタダクト23の最下流端には、車両のフロント窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフロスタ吹出口18が開口されている。
フェイス開口部には、フェイスダクト24が接続されて、このフェイスダクト24の最下流端には、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を吹き出すフェイス吹出口19が開口されている。さらに、フット開口部には、フットダクト25が接続されて、このフットダクト25の最下流端には、乗員の足元部に向かって主に温風を吹き出すフット吹出口20が開口されている。
各吹出口18,19,20の内側には、2個の吹出口切替ドア21及び22が回動自在に取り付けられている。2個の吹出口切替ドア21及び22は、サーボモータ等のアクチュエータによりそれぞれ駆動されて、吹出口モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモードまたはデフロスタモードのいずれに切り替えることが可能である。
室内用ブロワ14は、ブロワケース、ファン16、直流モータ(ブロワモータともいう)15よりなり、この直流モータ15への印加電圧に応じて、直流モータ15の回転速度が決定される。つまり、直流モータ15への印加電圧がエアコンECU50からの制御信号に基づいて制御されることにより、室内用ブロワ14の送風量が制御される。
図1の冷凍サイクル1は、インバータ80により回転数が制御されて冷媒を圧縮する圧縮機2、圧縮された冷媒を凝縮液化させる凝縮器3、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流す気液分離器5、液冷媒を減圧膨張させる膨張弁6、減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器7、及びこれらを環状に接続する冷媒配管等から構成されている。
室内用ブロワ14よりも送風空気の下流側における空調ケース10内の空気通路10aには、上流側から下流側に進むにしたがい順に、蒸発器7(冷却用の車室内熱交換器の一例でありエバポレータともいう)、エアミックスドア17、ヒータコア34が配置されている。
圧縮機2は、内蔵された電動モータにより駆動され、回転数制御が可能であり、回転数に応じて冷媒吐出流量が可変出来る。圧縮機2は、インバータ80により周波数が調整された交流電圧が印加されて、内部の電動モータの回転速度が制御される。インバータ80は車載のバッテリ102から直流電源の供給を受け、エアコンECU50により制御される。
凝縮器3は、エンジンコンパートメント等の車両が走行する際に生じる走行風を受け易い場所に設けられ、内部を流れる冷媒と室外ファン4により送風される外気および走行風と冷媒とを熱交換する室外熱交換器である。
冷却水回路31は、電動のウォータポンプ32によってエンジン30のウォータジャケットで暖められた冷却水を循環させる回路であり、ラジエータ及びサーモスタット(いずれも図示せず)並びにヒータコア34を有している。
上記ヒータコア34は、内部にエンジン30を冷却した冷却水(熱交換用媒体)が流れ、この冷却水を暖房用熱源として空調ケース10を流れる空気を再加熱する。
また、水温センサ33は、冷却水回路31を流れる冷却水の水温TW(図2)を検出する温度検出手段である。水温センサ33によって検出された信号は、図2のエアコンECU50に入力される。
図1の蒸発器7は、室内用ブロワ14直後の空気通路全体を横断するように配置されており、室内用ブロワ14から吹き出された空気全部が通過するようになっている。蒸発器7は、内部を流れる冷媒(熱交換用媒体)と空気通路10aを流れる空気との間で熱交換が行われて当該空気を冷却する空気冷却作用及び自身を通過する空気を除湿する除湿作用を備えている。
蒸発器7よりも下流側であってヒータコア34よりも上流側の通風路には、ヒータコア34を通る空気とヒータコア34を迂回する空気の風量比率を調整できるエアミックスドア17が設けられている。
エアミックスドア17は、アクチュエータ等によりそのドア本体の位置を変化させて、空調ケース10内の蒸発器7よりも下流の通路の一部を塞ぐことで、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調整する温度調整手段である。
図1の冷凍サイクル1内の冷媒圧力センサ43は、冷凍サイクル1の高圧側の流路に設けられ、凝縮器3よりも上流の冷媒の高圧圧力、すなわち圧縮機2の吐出圧力Pre(図2)を検出する。
蒸発器温度センサ44は、蒸発器7における所定箇所の温度(本実施形態ではフィン温度)である図2の蒸発器温度TE(蒸発器7に関する温度情報の一つ)を検出する温度検出手段である。
蒸発器上流空気温度センサ45は、空気通路10aを流れる空気の蒸発器7よりも上流における空気温度である図2の蒸発器上流温度TU(蒸発器7に関する温度情報の一つ)を検出する温度検出手段である。
蒸発器下流空気温度センサ46は、空気通路10aを流れる空気の蒸発器7よりも下流における空気温度である図2の蒸発器下流温度TL(蒸発器7に関する温度情報の一つ)を検出する温度検出手段である。蒸発器温度センサ44、蒸発器上流空気温度センサ45及び蒸発器下流空気温度センサ46のそれぞれによって検出された信号は、図2のエアコン制御ECU50に入力される。
図1の車室内のフロント窓49aの内面付近には、検出装置110が設けられ、この検出装置110内にフロント窓49aの内面付近の空気の代表的な湿度と温度を検出できる湿度センサ47と空気温度センサ48と、ガラス温度検出温度センサ49(窓温度センサ49ともいう)が設けられている。湿度センサ47は、感湿膜の誘電率が空気の相対湿度に応じて変化し、それにより、静電容量が空気の相対湿度に応じて変化する容量変化型のものである。
エアコンECU50は、湿度センサ47の出力値に基づいて、フロント窓付近の車室内空気の相対湿度RHを演算する。すなわち、エアコンECU50は、湿度センサ47の出力値を相対湿度RHに変換するための所定の演算式を予め記憶しており、この演算式に湿度センサ47の出力値を適用することにより、相対湿度RHを演算する。下記の数式1は、この湿度演算式の具体例である。
(数式1)
RH=αV+β
但し、Vは湿度センサ47の出力値、αは制御係数、βは定数である。
次に、エアコンECU50は、窓温度センサ49の出力値を予め記憶されている所定の演算式に適用することにより、窓ガラス温度を演算する。更に、相対湿度RH及び窓ガラス温度に基づいて窓ガラス表面相対湿度RHWを演算する。
すなわち、湿り空気線図を用いることにより、相対湿度RHと上記空気温度と上記窓ガラス温度の3つから上記窓ガラス表面相対湿度RHWを演算する。これについては、特開2007−8449号公報に詳しく開示されている。
図2に示すエアコンECU50は、車室内の空調運転を制御するエアコン電子制御装置であり、図示しないマイクロコンピュータを有する。このエアコンECU50には、車室内前面に設けられた操作パネル51上の各種スイッチからの信号と、内気センサ40、外気センサ41、日射センサ42、冷媒圧力センサ43、蒸発器温度センサ44、蒸発器上流空気温度センサ45、蒸発器下流空気温度センサ46、水温センサ33、湿度センサ47、空気温度センサ48、及び窓温度センサ49等からのセンサ信号が入力される入力回路、及び各種アクチュエータに出力信号を送る出力回路を備えている。
エアコンECU50内の図示しないマイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、操作パネル51等から送信された運転命令に基づいた演算を行う。
また、エアコンECU50は、圧縮機2の容量等を算出する。そして、エアコンECU50は、演算結果に基づいてインバータ80に対して制御信号を出力し、インバータ80によって圧縮機2の吐出流量が制御される。
また、操作パネル51の操作によって、空調装置の運転、停止及び設定温度などの操作信号などがエアコンECU50に入力され、かつ各種センサの検出信号が入力される。また、エアコンECU50は、図1のエンジンECU60、及びハイブリッドECU70等と通信を行う。
そして、各種の演算結果に基づいて、室内用ブロワ14、室外ファン4、エアミックスドア17、ウォータポンプ32、内外気切替ドア13、並びに吹出口切替ドア21及び22等の各機器の運転を制御する。
図3は、エアコンECU50による基本的な制御処理を示したフローチャートである。図3の基本的な制御処理がスタートすると、エアコンECU50は以降の各ステップに係る処理を実行していく。なお、ステップS2からステップS10の処理は250msに1回行われる。
(イニシャライズ)
まず、ステップS1でエアコンECU50内のRAM等に記憶されている各パラメータ等を初期化する。
(スイッチ信号読み込み)
次に、ステップS2で操作パネル51等からの各種スイッチ信号等を読み込む。
(センサ信号読み込み)
次に、ステップS3で各種センサからの信号を読み込む。
(TAO算出基本制御)
次に、ステップS4で、ROMに記憶された下記の数式2を用いて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する。
(数式2)
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
ここで、Tsetは、温度設定スイッチにて設定された設定温度、Trは図2の内気センサ40にて検出された内気温度、Tamは外気センサ41にて検出された外気温度、Tsは日射センサ42にて検出された日射量である。
また、Kset、Kr、Kam及びKsは、各ゲインであり、Cは全体にかかる補正用の定数である。そして、このTAO及び上記各種センサからの信号により、図1のエアミックスドア17のアクチュエータの制御値及びウォータポンプ32の回転数の制御値等を算出する。
(エアミックスドア開度決定)
次に、図3のステップS5で、ROMに記憶された下記の数式3を用いて、エアミックスドア17の開度決定を実行する。
(数式3)
開度=((TAO−TE)/(TW−TE))×100(%)
この数式3において、TEは、図1の蒸発器温度センサ44が検出する蒸発器温度(蒸発器フィン温度)、TWは水温センサ33が検出する冷却水温度である。
(ブロワ電圧決定及び蒸発器の乾燥制御)
次に、図3のステップS6におけるブロワ電圧決定及び蒸発器7乾燥制御を実施する。このステップS6は、具体的には、図4にしたがって実行する。図4は、図3のステップS6におけるブロワ電圧決定及び蒸発器7乾燥制御の詳細を示すフローチャートである。このブロワ電圧は、図1の車載電源装置104からの電力により駆動される室内用ブロワ14に印加される電圧であり、この第1実施形態では、外部電源となる商用電源106または建屋上の太陽電池107からの電力を利用している。
図4に示すように、制御がスタートすると、ステップS40でイグニッションスイッチ(以下、IGスイッチともいう)がONからOFFに移行したか否かを判定する。つまり、IGスイッチがONからOFFに移行した状態であれば、駐車したと判定し、ON状態のままであれば駐車中以外の状態であると判定するものである。なお、IGスイッチは、エンジンが無くモータのみで走行する純粋な電気自動車の場合は、運転開始用のメインスイッチまたは運転スイッチともいう。
このとき、IGスイッチがON状態であり、駐車中でない(NO)と判定すると、乗員が乗車中の空調運転が行われる可能性が高く、ブロワ電圧は、ステップS41に示すように、予めROMに記憶されている目標吹出温度TAOとブロワ電圧との関係を表した周知のマップにしたがって決定される。そして、ステップS6のブロワ電圧決定制御を終了する。このマップによれば、目標吹出温度TAOに対する適正なブロワ電圧を考慮して決定することができる。
ステップS40で、IGスイッチがOFF状態であると判定すると、さらに、乗員不在判定手段を成すステップS42で、車両のドアが一旦開いてから閉められた後所定時間(ここでは5分)が経過しているか否かを判定する。なお、乗員の重量を感知するシートスイッチの信号を併用するようにしても良い。
この判定により、ドアの開閉動作があることで、車内に人がいない可能性が高いことを検出でき、さらに閉じてから5分経過を確認することで、乗員がいないことを確実に検出できる。
換言すれば、ドアが開閉したことで乗員が車内にいる可能性は低くなったと考えられるが、念のため、5分間余裕をみることで、図1の蒸発器7乾燥中の臭いにより乗員が不快にならないように配慮している。
このため、この後、蒸発器7を乾燥する途中で発生する臭いが車内に流出したとしても、人に不快感を与えることがない。このステップS42の乗員不在判定は、当該所定時間(5分)が経過していると判定されるまで繰り返される。
そして、当該所定時間が経過していると判定すると、結露判定手段を成すステップS43で、駐車前に蒸発器7が結露した可能性があるか否かを判定するために、直近のIGスイッチがON状態での図1の圧縮機(コンプレッサともいう)2のON時間(運転時間)が所定時間(ここでは5分)を超えているか否かの結露判定を実行する。
この結露判定により、駐車前に蒸発器7が結露した可能性があるか否かを判定することができる。ステップS43で上記ON時間が5分以内であると判定すると、蒸発器7が乾燥していると判定して、ステップS48に進み、ブロワ電圧を0Vに決定して、ブロワ電圧決定及び蒸発器7乾燥制御を終了する。
つまり、室内用ブロワ14を運転せず、蒸発器7乾燥運転を行わない。このように、蒸発器7が既に乾いていると判断される場合は、蒸発器7乾燥制御は行わないことにより電力を節約できる。
ステップS43において、上記ON時間が5分を超えていると判定すると、コンセント等の外部電源からの電力供給があるか(例えば、図1の給電用結合器105を使用したプラグインによる給電状態にあるか)否かを判定する(ステップS44)。
ステップS44で、外部からの電力供給がないと判定すると、バッテリあがり等の電力不足を考慮して、ステップS48に進み、ブロワ電圧を0Vに決定して、ブロワ電圧決定及び蒸発器7の乾燥制御を終了する。つまり、室内用ブロワ14を運転せず、蒸発器7の乾燥運転を行わない。
一方、ステップS44で、外部からの電力供給があると判定すると、上記のバッテリ上がりを心配することがないため、ステップS45でブロワ電圧をバッテリ電圧の半分程度の電圧である6Vに決定し、室内用ブロワ14の直流モータ15に6Vを印加する。
これにより、室内用ブロワ14は6Vに相当する中レベルの風量の送風を蒸発器7に対して行い、乾燥制御が開始される。なお、車両に対して、外部電源(図1の商用電源106または太陽電池107)で急速充電が行われていると図1の電池ECU103が判定した場合は、乗員が短時間で運転動作を再開する可能性が高く、蒸発器7の乾燥運転を行うと、蒸発器7から発生する臭いが車室内に残ったり、外気の取入れにより車室内温度が低下したりするので、蒸発器7乾燥制御は行わないようにしている。
次に、ステップS46で、図2の外気センサ41が検出した外気温Tamと、外気湿度センサ461が検出した外気湿度の関数として所定時間を決定する。この所定時間とは、この時間だけ図1の室内用ブロワ14を回転させれば、充分に蒸発器7が乾燥するであろうと推定される乾燥時間である。
例えば、現時点の外気温が−3℃で外気湿度が50%の場合は20分を所定時間とする。また、外気温が−3℃で外気湿度が90%の場合は30分を所定時間とする。換言すれば、ステップS46で、蒸発器7からの臭いを感じないレベルまで何分かかるかを予測する。外気温が高いほど乾燥時間は短く、また、湿度が低いほど、乾燥時間は短い。
なお、ステップS46で用いるマップは、外気湿度50%と90%の特性曲線だけしか図示していないが、実際のマップは50%から90%にかけて多数の特性曲線を有する。つまり、ステップS46に記載したマップは外気湿度50%から外気湿度90%の間を省略して図示している。
よって、外気温3℃で外気湿度が80%のときの所定時間は、約22分付近となる。なお、マップを記憶するメモリ量を削減するために、特性曲線の数を少なくして、補完計算により外気温と外気湿度から所定時間を求めても良い。
次に、ステップS47で蒸発器7の乾燥運転開始から所定時間(ステップS46で求めた所定時間、つまり外気温と外気湿度の関数値=f(外気温、湿度))を経過したか否かを判定する。
ステップS47で所定時間が経過したと判明した後に、蒸発器7乾燥制御終了フラグが立てられる。そして、次にステップS48で、ブロワ電圧を0ボルトとして、送風を停止して乾燥を終了する。また、ステップS47で所定時間が経過しない場合は、ステップS45に戻る。
(吸込口モード決定)
次に、図3のステップS7の吸込口モード決定処理を実施する。このステップS7は、具体的には、図5にしたがって実行し、目標吹出温度TAO、及び蒸発器7乾燥制御の有無により吸込口モードを決定する。
図5は、図3のステップS7における吸込口モード決定処理の詳細を示すフローチャートである。図5のステップS50、S52、S53、及びS54は、図4のステップS40、S42、S43、及びS44と同様である。
図5のステップS7がスタートすると、ステップS50で、IGスイッチがONからOFFに移行したか否かを判定する。このときIGスイッチがONからOFFに移行した状態であれば、駐車を開始したと判定する。このとき、IGスイッチがON状態であり、駐車中でない(NO)と判定した場合は、乗員が乗車中の空調運転(図1の圧縮機2の運転)が行われる可能性が高い。
よって、このときは、ステップS51に示すように、現在の制御がオートモードか否かを判定し、オートモードでなくマニュアルモードのときは、乗員の操作による入力信号に従って、ステップS55で、外気導入率0%の内気循環モード(REC)または外気導入率100%の外気導入モード(FRS)のいずれかを決定する。
ステップS51でオートモードであると判定された場合は、ステップS56で、予めROMに記憶されている目標吹出温度TAOと吸込口モードとの関係を表したマップにしたがって吸込口モードが決定される。
ステップS50で、IGスイッチがOFF状態であると判定すると、さらに、乗員不在判定手段を成すステップS52で、車両のドアが一旦開いてから閉められた後、所定時間(ここでは5分)が経過しているか否かを判定する。この判定により、ドアの開閉動作があることで車内に人がいない可能性が高いことを検出でき、さらに閉じてから5分経過を確認することで乗員がいないことを確実に検出できる。
そして、当該所定時間が経過していると判定すると、結露判定手段を成すステップS53で、直近のIGスイッチがON状態での図1の圧縮機2のON時間(運転時間)が所定時間(ここでは5分)を超えているか否かを判定する。
この判定により、駐車前に蒸発器7が結露した可能性があるか否かを判定することができる。ステップS53で5分以内であると判定すると、NOとなり、蒸発器7は乾燥していると判定し、ステップS591に進み、外気導入率を100%の外気導入モードに決定して吸込口モード決定制御を終了する。
ステップS53で5分を超えていると判定すると、次のステップS54でコンセント等の外部電源からの電力供給があるか否か(例えば、図1の給電用結合器105を使用したプラグインによる給電状態にあるか)否かを判定する。
ステップS54で、外部からの電力供給がないと判定すると、バッテリあがり等の電力不足を考慮し、ステップS591に進み、外気導入率を100%の外気導入モードに決定して吸込口モード決定制御を終了する。
なお、ステップS54おいて、車両に対して急速充電が行われていることを電池ECU103からの情報により判明した場合は、乗員が短時間で運転動作を再開する可能性が高いため、蒸発器7の乾燥運転を行うと、蒸発器7から発生する臭いが車室内に残ったり、外気の取入れにより車室内温度が低下したりするので、蒸発器7の乾燥運転は行わない。従って、この場合の外気導入率は、ステップS591で外気導入率100%に制御される。
上記ステップS54おいて、車両に対して急速充電が行われておらず、図1の商用電源106や建屋上の太陽電池107といった外部電源から電力供給が有る場合は、ステップS58に進む。
このステップS58では、外気温が高いほど、また、外気湿度が低いほど、外気導入にした方が蒸発器7が早く乾燥することを考慮して、蒸発器乾燥時間が、内気循環モード側にした方が時間的に短くてすむか、外気導入モード側にした方が短くてすむかを判定する。
即ち、図5のステップS58に記載したマップを用いて、外気温と外気湿度との関係で外気導入率を決定する。そして、ステップS59に進む。このステップS59では、蒸発器乾燥制御が終了したか否かを判断し、蒸発器乾燥制御が終了したと判断したら、ステップS591で外気導入率を100%にして(外気導入モードにして)おく。
このように、蒸発器乾燥制御終了後に外気導入モードとしておくことで、車室内に残った湿気が外気に排出されやすくしている。このときブロワ風量がゼロでも、外気導入モードにしておくことで湿気がこもりにくくなる。なお、ステップS59において、蒸発器乾燥制御が終了したか否かは、図4のステップS47の蒸発器乾燥制御終了フラグが立てられたか否かで判断する。
(吹出口モード決定)
次に、図3のステップS8で、ROMに記憶されたマップから、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを周知のように決定する。具体的には、目標吹出温度TAOが高いときには、フットモードが選択され、目標吹出温度TAOの低下に伴ってバイレベルモード、さらにはフェイスモードの順に選択される。
(圧縮機回転数等決定)
次に、図3のステップS9で図1の圧縮機2の回転数の決定を実行する。上述のようにIGスイッチOFFでの蒸発器7乾燥制御が実行されるときは、圧縮機2は回転しておらず、蒸発器7に熱交換用媒体となる冷媒が流れていない。
IGスイッチがONしており、かつ図2の操作パネル51内のエアコンスイッチがONされているときに圧縮機2の運転状態を決定する。図2のエアコンECU50は、蒸発器温度センサ44の検出値である蒸発器温度TEに基づいて、圧縮機2の回転数を周知のごとく決定する。
具体的には、予めROMに記憶されたマップにしたがって、蒸発器温度TEに対応する圧縮機2の回転数を演算して決定する。図3のステップS11でエアコンECU50は、図1のインバータ80に対して、決定された回転数に圧縮機2を制御するための制御信号を送信する。インバータ80は、送信された制御信号に基づいて、圧縮機2内の多相交流モータの回転数を制御する。
(ウォータポンプ作動決定)
次に、図3のステップS10のウォータポンプ作動決定処理を実施する。このステップS10は、具体的には図6にしたがって実行する。図6は、図3のステップS10におけるウォータポンプ作動決定処理の詳細を示すフローチャートである。
図6に示すように、図3のステップS10がスタートすると、図6のステップS60で図2の水温センサ33によって検出される冷却水の水温TWが蒸発器温度TEより高いか否かを判定する。水温TWが蒸発器温度TE以下であると判定すると、ステップS61で図1のウォータポンプ32のOFFを決定し、図3のステップS10を終了する。
図6のステップS60で水温TWが蒸発器温度TEよりも高いと判定すると、ステップS62で、室内用ブロワ14をON(運転)する状態であるか否かを判定する。室内用ブロワ14をONしない状態であれば、ステップS61に進み、ウォータポンプ32をOFFする決定を行い、図3のステップS10を終了する。
ステップS62で室内用ブロワ14をONする状態であれば、ステップS63に進み、ウォータポンプ32のONを決定し、ステップS10を終了する。このように、エアコンECU50は、冷却水の水温TW、蒸発器温度TE、及び室内用ブロワ14の運転及び停止に応じて、図1の電動のウォータポンプ32の作動を決定する。このように、図1のエンジン30の廃熱を利用してヒータコア34が加熱される。このとき、上述の内気モード(REC)が選択されれば、蒸発器7も加熱され蒸発器7の乾燥が高効率に行われる。
(制御信号出力)
次に、図3のステップS11において、上記各ステップS4〜ステップS10で算出、または決定された各制御状態が得られるように、室内用ブロワ14、インバータ80、及び各種アクチュエータ等に対して制御信号を出力する。そして、図3のステップS12において所定時間の経過を待って、ステップS2に戻り、継続して上記各ステップS2〜ステップS12が実行される。
以上の第1実施形態をまとめれば、以下の通りである。バッテリ102を搭載すると共に、外部電源106または107からの電力の供給を受ける外部電源導入手段105を備える車両に搭載され、熱交換用媒体が流れる車室内熱交換器7を空調ケース10内に備えた車両用空調装置100を備える。車両の駐車中において、熱交換用媒体を流すことなく、車室内熱交換器7を乾燥するために、外部電源106または107からの電力を用いて、車室内熱交換器7に送風して、車室内熱交換器乾燥制御を実行する空調ケース10内に設けられた送風機14、及び送風開始により車室内に吹出される車室内熱交換器7の臭いが実質的に消えたことを推定して送風機14を停止する推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)を有する。
これによれば、外部電源106または107を用いて、空調ケース10内の送風機14を作動させるので、バッテリ上がりの心配が無く、駐車中に、車室内熱交換器7を充分に乾燥させることができる。これによって、臭いがする水分を含んだ風が駐車終了後の空調開始時に吹き出すのを抑止できる。かつ、駐車中における細菌の繁殖を抑えることができるので、車室内熱交換器7の汚れを緩和することができ、更に、臭いの原因を少なくすることができ、また、車室内熱交換器7の腐食を抑えることができる。
(第2実施形態)
図1の蒸発器7においては、乾燥中において空気に結露水が蒸発しているため、気化熱が奪われ、蒸発器7自体の温度及び蒸発器7下流の空気の温度が下がる。乾燥が終わると、蒸発器下流の温度は、上流の温度とおおよそ同じ温度まで上昇する。この現象は、蒸発器7乾燥終了の判断材料になる。
第2実施形態のエアコンECU50は、蒸発器7の乾燥度合いを判定するために、蒸発器7における所定箇所の蒸発器温度を用いる。これによれば、蒸発器7の温度、または蒸発器7周りの温度を直接検出した値を用いて、蒸発器7の乾燥度合いを判定することが出来る。
これにより、空調開始時に起こり得る臭気の発生を確実に抑止できる。以下、第2実施形態について、図7を用いて説明する。なお、第1実施形態と共通する部分の説明は省略し、異なる処理について説明する。
図7は、第2実施形態におけるブロワ電圧決定及び蒸発器の乾燥制御の詳細を示すフローチャートである。図7のステップS70、S72、S73、S74、S75、及びS71は、図4のステップS40、S42、S43、S44、S45、及びS41と同様である。
図7のステップS75で、ブロワ駆動用の直流モータ15に印加するブロワ電圧を6ボルトとして、蒸発器7の乾燥を開始した後に、ステップS76で蒸発器7よりも下流における空気の湿度が80%未満であるか否かを判定する。
この空気の湿度は、前述のとおり、図1の検出装置110内における湿度センサ47、空気温度センサ48、及び窓温度センサ49からのセンサ検出値を演算して得た窓表面相対湿度RHWを活用している。
図7のステップS76で、窓表面相対湿度RHWが80%以上であると判定すると、NOとなり、蒸発器7の結露水がまだ空気中に蒸発しており、蒸発器7はまだ乾燥途中であり、乾燥しきっていないと判断できるので、ステップS78に進み、所定時間(この場合は1時間)が経過するまで乾燥運転を継続する。そして、所定時間の乾燥運転が終了すると、ステップS79に進みブロワ電圧を0Vに決定してブロワ電圧決定及び蒸発器7の乾燥制御を終了する。
一方、ステップS76において、図2の温度センサ47、空気温度センサ48及び窓温度センサ49を用いて決定した窓ガラス表面相対湿度RHWが、80%未満であると判定すると、蒸発器7は乾燥した状態であると判断できる。
このように、蒸発器7の下流の車室内の空気湿度を乾燥終了の判断材料とするのは、蒸発器7からの結露水の蒸発が終わり、乾燥状態に近づくと、蒸発器7の下流の空気湿度は上流の空気湿度とほぼ同じまで低下するからである。
次に、さらに、確実を期して、ステップS77で、図2の蒸発器上流温度センサ45が決定した蒸発器上流温度TUから蒸発器下流温度センサ46が決定した蒸発器下流温度TLを減算した温度差が3℃未満であるか否かを判定する。
ステップS77の判定処理は、以下の特性に基づくものである。蒸発器7の乾燥が進行している途中の水分が多いうちは、気化熱を多く奪うため、蒸発器7の温度が低くなり、また蒸発器7の乾燥が進むに連れて蒸発する水分が少なくなるため、蒸発器7の温度はより上流の空気温度に近くなる。
すなわち、乾燥終了状態に近づくと乾燥度合いが高くなって水分が少なくなり、気化熱も奪わなくなるため、蒸発器7下流の温度は蒸発器7の上流の空気温度にほぼ等しくなる。従って、蒸発器7の上流における蒸発器上流温度TUと、蒸発器下流温度TLとの温度差が、実験データから求められる所定温度差(この場合は3℃)よりも小さくなると、乾燥状態に到達したと判断できるのである。
ステップS77で、上記の温度差が3℃未満であると判定すると、YESと判断され、ステップS79に進み、ブロワ電圧を0Vに決定して、蒸発器7の乾燥運転を終了し、ブロワ電圧決定及び蒸発器7乾燥制御を終了する。
なお、ステップS77で、当該温度差が3℃未満であると判定した後、さらに外気を取入れつつ室内用ブロワ14の運転を5分程度継続してから、すなわち車室内の換気をしてから、ステップS79に進み、ブロワ電圧を0Vに決定して、蒸発器7の乾燥運転を終了するようにしてもよい。このようにすれば、乾燥運転とともに車室内に送られた湿気を車室外に排出でき、乗員を考慮して車室内の臭い軽減したり、湿気による不快感を回避したりすることができる。
一方、ステップS77で、上記の温度差が3℃以上であると判定すると、NOとなって、ステップS78に進み、所定時間(ここでは1時間)の乾燥運転が終了するまで乾燥運転を継続した後、ステップS79にてブロワ電圧を0Vに決定して蒸発器7の乾燥運転を終了する。なお、所定時間を1時間とするのは、1時間以上たっても乾燥と判定できなくても、電力節約とブロワモータ寿命確保のために蒸発器7の乾燥を終了する必要があるからである。
上記第2実施形態の車両用空調装置100(図1)がもたらす効果を以下に述べる。車両用空調装置100のエアコンECU50は、蒸発器7よりも上流における蒸発器上流温度TUと蒸発器7下流側の所定箇所の温度である蒸発器下流温度TLとの差が所定値未満であるとき蒸発器7が乾燥状態であると判定する。
つまり、蒸発器7乾燥中は空気に結露水が蒸発しているため、気化熱が奪われ、温度が下がるが、乾燥が終わると、蒸発器7下流の温度は上流の温度とおおよそ同じまで上昇する現象を蒸発器乾燥の判断材料にしている。これによれば、乾燥状態の確保と無駄が少なく効率的な運転の両方を実現することができる。
(第3実施形態)
次に、図1のバッテリ102、または車載太陽電池109の電力を蓄積する専用バッテリに蓄積された電力量が充分に残っている場合に、図1の蒸発器7の乾燥を行う第3実施形態について説明する。周知のように電気自動車やハイブリッド車には、図1の車載のバッテリ102を制御する電池ECU103と呼ばれる電子制御ユニットが搭載され、バッテリ102及び上記専用バッテリの充放電を管理している。この第3実施形態では、上記電池ECU103からのバッテリ残量に関する情報を使用するものである。
図8は、本発明の第3実施形態におけるブロワ電圧決定及び蒸発器7乾燥制御の詳細を示すフローチャートである。図8のステップS80、82、83、85、及び81は、図4のステップS40、42、43、45、及び41と同様である。
ステップS84において、図1の電池ECU103から車両内多重通信線を介して空調制御装置(エアコンECU)50内に取り込まれたバッテリ残量に関する情報から、バッテリ残量が所定残量以上あるか否かを判定している。
ステップS84においてバッテリ残量が蒸発器7乾燥制御のために充分でないと判定されると、ステップS89でブロワ電圧は0ボルトとされ、駐車時における車室内熱交換器乾燥制御は実行されない。バッテリ残量が充分に有ると判定されると、ステップS85に進み、ブロワ駆動用の直流モータ15に印加するブロワ電圧を6ボルトとして、蒸発器7の乾燥が開始される。この場合、車載太陽電池109の専用バッテリの電力を優先して消費する。これにより、車両走行に必要なバッテリ102の電力を確保し易い。
ステップS86で蒸発器7よりも下流における空気の湿度が80%未満であるか否かを判定する。このフローチャートにおけるステップS86、S87及びS88は、図7のステップS76、S77及びS78と略同じである。ステップS87で、蒸発器下流温度TLの代わりに蒸発器7のフィン温度TEを蒸発器温度センサ44(図2)で検出して活用している点のみが異なる。
以上の第3実施形態をまとめれば、以下の通りである。バッテリ102を搭載すると共に、少なくともバッテリ102の電力量の残量が車室内熱交換器乾燥制御のために予め決定された所定残量以上か否かを判定するバッテリ残量判定手段となる電池ECU103を備える車両に搭載され、熱交換用媒体が流れる車室内熱交換器7を空調ケース10内に備えた車両用空調装置100において、車両の駐車中において、熱交換用媒体を流すことなく、車室内熱交換器7を乾燥するために、少なくとも所定残量以上のバッテリ102の電力を用いて、車室内熱交換器7に送風して、車室内熱交換器乾燥制御を実行する空調ケース10内に設けられた送風機14、及び送風開始により車室内に吹出される車室内熱交換器の臭いが実質的に消えたことを推定して送風機14を停止する推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)を有する。
これにより、所定残量以上のバッテリ102の電力を用いて、空調ケース10内の送風機14を作動させるので、バッテリ上がりの心配が無く、駐車中に、車室内熱交換器7を充分に乾燥させることができる。また、車載太陽電池109の電力を蓄積する専用バッテリに蓄積された電力量が充分残っている場合に、この電力を利用しても、バッテリ上がりの心配が無く、駐車中に、車室内熱交換器7を充分に乾燥させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態の圧縮機2の回転数は、インバータ80により制御される構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、圧縮機2は、エンジン30にベルト駆動されて冷媒を圧縮するものであってもよい。
この場合、圧縮機2には、エンジン30から圧縮機2への回転動力の伝達を断続するクラッチ手段としての電磁クラッチが連結されており、この電磁クラッチは、クラッチ駆動回路等により制御される。
電磁クラッチが通電された時に、エンジン30の回転動力が圧縮機2に伝達されて、蒸発器7による空気冷却作用が行われ、電磁クラッチの通電が停止した時に、エンジン30と圧縮機2とが遮断され、蒸発器7による空気冷却作用が停止するようになる。
また、上記実施形態のヒータコア34(図1)の後方に、さらに空気を加熱できる電気式補助熱源としてのPTCヒータ(positive temperature coefficient)を設けるようにしてもよい。このPTCヒータは、通電発熱素子部を備え、通電発熱素子部に通電されることによって発熱し、周囲の空気を暖めることができる。
この通電発熱素子部は、耐熱性を有する樹脂材料(例えば、66ナイロンやポリブタジエンテレフタレートなど)で成形された樹脂枠の中に複数個のPTC素子を嵌め込むことにより構成したものである。
また車室内にシートを加熱するシート空調装置が有る場合は、シート空調装置でシートの加熱を行いながら、内気循環モードで蒸発器7の乾燥を行い、乾燥時間を早めることが出来る。
なお、本発明の車両用空調装置を搭載できる車両は、電気自動車またはハイブリッド自動車に限らず、通常のガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンで走行する車両であっても良い。また、外部電気と車両との接続は、コンセントとプラグを使用して接触式で給電しても良いし、非接触式で電磁誘導を利用して給電しても良い。
また、車室内熱交換器は、冷媒を蒸発させる蒸発器に限らず、例えばブライン等の熱交換用媒体が流れる冷却用熱交換器にも本発明を適用できる。また、湿気を含んで異臭がするものであれば、その他の熱交換器であっても乾燥することが出来る。また、車両用空調装置は、ヒートポンプサイクルを利用したものであっても良い。
また、車載太陽電池109の電力を、専用のバッテリに充電しておいて、駐車時に、車室内熱交換器を乾燥させる電力に利用したが、専用バッテリ無しで車載太陽電池109の電力で直接送風機を駆動しても良い。つまり、バッテリ102を搭載すると共に、車載太陽電池109を備える車両に搭載され、熱交換用媒体が流れる車室内熱交換器7を空調ケース10内に備えた車両用空調装置100において、以下の構成を採用すれば良い。車両の駐車中において、熱交換用媒体を流すことなく、車室内熱交換器7を乾燥するために、車載太陽電池109からの電力を用いて、車室内熱交換器7に送風して、車室内熱交換器乾燥制御を実行する空調ケース10内に設けられた送風機14を備え、かつ送風開始により車室内に吹出される車室内熱交換器の臭いが実質的に消えたことを推定して送風機14を停止する推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)を備える。この場合、予め車載太陽電池109の電力で蒸発器7乾燥制御を行うように、使用する電源を手動スイッチで選択するようにしても良い。
これによれば、車載太陽電池109の電力を用いて、空調ケース10内の送風機14を作動させるので、バッテリ102のバッテリ上がりの心配が全く無く、駐車中に、車室内熱交換器7を充分に乾燥させることができる。
また、屋外に青空駐車する場合は、車載の太陽電池109またはバッテリ102に充分残っている電力を利用して車室内熱交換器7を乾燥させる電力を得るが、車両に外部電源導入手段となる給電用結合器105(図1)が結合されたことを、センサまたは電圧検出回路で検出すると、外部電源と成る太陽電池107、商用電源106の順に優先度を付けて送風機14の電源を切り替えても良い。
また、太陽電池107またはバッテリ102の電力を商用電源106の系統に戻さない場合は、双方向性のコンバータ108は不要であり、単なるコンバータで良い。また、乾燥の程度を測定するために、湿度センサとして窓曇り検出用の既存センサの出力を利用したが、専用の湿度センサを車室内や空調ダクト内に設けても良い。
また、送風機は、車両用空調装置に既存のブロワを利用したが、専用の軸流ファンからなる送風機を空調ダクト内に設置して、車室内熱交換器7を乾燥させても良い。この場合、軸流ファンで、空気を蒸発器7から外気導入モードとされて開放されている外気導入口を介して、逆方向に風を起こして、蒸発器7を乾燥させ、湿った空気を外に出しても良い。
また、遠隔操作できるリモコンまたはタイマーを用いて、乗員が駐車後の車両に戻る前に乾燥制御を実行することも出来る。この場合、圧縮機2(図1)は停止したままであるので、プレ空調のように比較的大きな電力を使用しないで、臭気の発生を防止できる。
7…蒸発器(車室内熱交換器)
10…空調ケース
10a…空気通路
13…内外気切替え手段を成す内外気切替ドア
14…室内用ブロワ(送風機)
44…蒸発器温度センサ
45…蒸発器上流空気温度センサ
46…蒸発器下流空気温度センサ
47…湿度センサ
50…エアコンECU(空調制御装置)
TE…蒸発器温度(熱交換器温度)
TU…蒸発器上流温度
TL…蒸発器下流温度
102…バッテリ
103…電池ECU
106…商用電源
107…太陽電池
108…コンバータ
109…車載太陽電池

Claims (12)

  1. バッテリ(102)を搭載すると共に、外部電源(106、107)からの電力の供給を受ける外部電源導入手段(105)を備える車両、前記バッテリ(102)の電力量の残量が車室内熱交換器乾燥制御のために予め決定された所定残量以上か否かを判定するバッテリ残量判定手段(103)を備える車両、車載太陽電池(109)を備える車両の少なくともいずれかの車両に搭載され、
    熱交換用媒体が流れる冷房用の車室内熱交換器(7)を空調ケース(10)内に備えた車両用空調装置(100)において、
    前記車両の駐車中において、前記熱交換用媒体を流すことなく、前記車室内熱交換器(7)を乾燥するために、前記外部電源(106、107)からの電力、前記所定残量以上のバッテリの電力、及び前記車載太陽電池(109)からの電力のいずれかの電力を用いて、前記車室内熱交換器(7)に送風して、前記車室内熱交換器乾燥制御を実行する前記空調ケース(10)内に設けられた送風機(14)、及び
    前記送風開始により前記車室内熱交換器の臭いが実質的に消えたことを推定して前記送風機(14)を停止する推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)を有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記送風機(14)を駆動する電力は、前記外部電源(106、107)の太陽電池(107)からの電力、または前記車載太陽電池(109)の電力からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記車載太陽電池(109)が専用バッテリに充電し、この受電された専用バッテリを介して前記車載太陽電池(109)の電力が取り出され前記送風機を駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記推定手段(ステップS46及びS47、76及び77、並びに86及び87)は、前記車室内熱交換器(7)の上流側を流れる空気の、前記車室内熱交換器(7)の乾燥に影響を与える状態に応じて決定された送風時間を決定する時間決定手段(ステップS46)から成ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記空気の状態とは、前記空気の湿度センサ(461)が検出した湿度、及び温度センサ(41)が検出した温度からなることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記推定手段(ステップ76及び77、並びに86及び87)は、前記車室内熱交換器下流側の空気の乾き状態を検出するセンサ(44、45、46、47、48、及び49)の検出値に基づいて、前記車室内熱交換器の臭いが実質的に消えたことを推定して前記送風機(14)を停止する手段から成ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  7. 前記センサ(47、48、及び49)の検出値は、前記車室内熱交換器下流側における、前記空気の湿度(RHW)であることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記車室内熱交換器乾燥制御は、直近の空調期間中において、前記車室内熱交換器(7)が結露したと結露判定手段(S43、S53、S73、及びS83)が判定した時に行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  9. 前記車室内熱交換器乾燥制御は、前記車室内に乗員が不在であると乗員不在判定手段(S42、S52、S72、及びS82)が判定した時に行うことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  10. 前記車室内熱交換器の上流側に、前記車両の内部の空気を取り込んで循環させる内気循環モードと、前記車両外部の空気を導入する外気導入モードとを切替える内外気切替え手段(13)を有し、
    前記車室内熱交換器乾燥制御において、前記車室内熱交換器乾燥制御が早く終了すると予測される内外気切替え手段(13)の切替え状態を予測する予測手段を備え、この予測手段が決定した前記内気循環モードまたは前記外気導入モードで前記車室内熱交換器乾燥制御が行われることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  11. 前記予測手段は、前記車室内熱交換器上流側の空気の湿度と温度に基づいて前記内気循環モード及び前記外気導入モードのうちのいずれかを予測して決定することを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。
  12. 前記車両の前記バッテリ(102)が、前記外部電源(106及び107)からの電力により急速充電されていないときに、前記外部電源(106及び107)により前記送風機(14)を駆動して、前記車室内熱交換器乾燥制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
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