JP2011049296A - マスクレス露光方法 - Google Patents

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【課題】 本発明は、マスクを用いることなく投影パターンをデジタル的に生成して露光するマスクレス露光方法に関し、複雑なプロセスや機構要素を付加することなく、分解能を向上することを目的とする。
【解決手段】 露光パターンを生成し縮小させた該露光パターンで基板を露光するマスクレス露光方法であって、前記露光時に、前記露光パターンのエッジを強調処理することを特徴とする。また、前記露光パターンの高照射部分の端部近傍の露光量増大により前記強調処理を行っていることを特徴とする。また、前記露光パターンの低照射部分の端部近傍の露光量減少により前記強調処理を行っていることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、マスクを用いることなく露光パターンをデジタル的に生成して露光するマスクレス露光方法に関する。
近時、DMD(Digital Micromirror Device)を用いて露光パターンを生成し、この露光パターンを対物レンズにより縮小投影して基板を露光するマスクレス露光装置が開発されている。このような露光装置は、マスクを制作する必要がないため、多種少量生産に適しており、研究開発機関での使用に適している。
特開2004−303951号公報
しかしながら、従来のマスクレス露光装置では、例えば、露光波長が405nm、対物レンズのNA(開口数)が0.95の場合には、2点間の理論分解能は、例えば260nmとなる。そして、理論分解能近傍のパターンを露光すると、回折等の影響により現像後のレジストパターンプロファイルがなまり易くなる。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、複雑なプロセスや機構要素を付加することなく、分解能を向上することができるマスクレス露光方法を提供することを目的とする。
第1の発明のマスクレス露光方法は、露光パターンを生成し縮小させた該露光パターンで基板を露光するマスクレス露光方法であって、前記露光時に、前記露光パターンのエッジを強調処理することを特徴とする。
第2の発明のマスクレス露光方法は、第1の発明のマスクレス露光方法において、前記露光パターンの高照射部分の端部近傍の露光量増大により前記強調処理を行っていることを特徴とする。
第3の発明のマスクレス露光方法は、第1または第2の発明のマスクレス露光方法において、前記露光パターンの低照射部分の端部近傍の露光量減少により前記強調処理を行っていることを特徴とする。
第4の発明のマスクレス露光方法は、第1ないし第3のいずれか1の発明のマスクレス露光方法において、前記エッジの強調処理は該当個所の前記露光パターンの照射時間と非照射時間との調整により行っていることを特徴とする。
第5の発明のマスクレス露光方法は、第1ないし第4のいずれか1の発明のマスクレス露光方法において、前記露光パターンを、反射角変更制御可能なマイクロミラーを複数有するDMDにより形成することを特徴とする。
本発明では、理論分解能以下のパターンのプロファイルを向上することができる。
本発明の露光方法に使用されるマスクレス露光装置を示す説明図である。 図1のDMDの詳細を示す説明図である。 通常の露光時におけるDMDの露光パターンの変化を示す説明図である。 通常の露光方法を示す説明図である。 トップエッジを強調する露光時におけるDMDの露光パターンの変化を示す説明図である。 トップエッジを強調するための露光パターンを示す説明図である。 通常露光された基板とトップエッジ強調露光された基板を比較して示す説明図である。 通常露光された基板とトップエッジ強調露光された基板のプロファイルを比較して示す説明図である。 ボトムエッジを強調する露光時におけるDMDの露光パターンの変化を示す説明図である。 ボトムエッジを強調するための露光パターンを示す説明図である。
以下、本発明のマスクレス露光方法の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のマスクレス露光方法に使用されるマスクレス露光装置を示している。
マスクレス露光装置は、露光光学系11、観察光学系13、オートフォーカス光学系15を有している。そして、対物レンズ17が、露光光学系11と観察光学系13に共用されている。
露光光学系11は、露光照明光学系19、DMD21、第2の対物レンズ23、ダイクロイックミラー25,27,29、対物レンズ17を有している。
露光照明光学系19は、露光光源31、コレクタレンズ33を有している。露光光源31には、LD、LED、水銀ランプ等が使用される。より具体的には、i線(365nm)、g線(436nm)等の露光光が使用される。コレクタレンズ33は、露光光源31からの露光光を集光し、平行光をDMD(Digital Micromirror Device)21に照射する。DMD21は、反射角変更可能であり2次元に配列された多数のマイクロミラーを有している。DMD21は露光光学系において基板Kと光学的に共役な位置に配置されており、マイクロミラーを駆動して反射角を変えることで、種々な形状の露光パターンを生成することが可能である。
DMD21で反射された露光パターンを有する露光光は、第2の対物レンズ23を通りダイクロイックミラー25で反射される。反射された露光光は、ダイクロイックミラー27,29、対物レンズ17を通り、基板K上に照射され、基板Kに塗布されたレジストが露光される。対物レンズ17は、例えば100倍程度の拡大倍率を有しており、対物レンズ17を通過した露光パターンは、基板K上に1/100程度に縮小投影される。なお、対物レンズ17は、レボルバに支持されており、レボルバを回転することで倍率の異なる複数の対物レンズに交換可能とされている。この実施形態では、10倍と100倍の対物レンズを有している。
観察光学系13は、観察照明光学系35、対物レンズ17、ダイクロイックミラー25,27,29、第2の対物レンズ37、ビームスプリッタ39、接眼レンズ41、テレビカメラ43を有している。
観察照明光学系35は、光源44、コレクタレンズ45、開口絞り(AS)47、視野絞り(FS)49、コンデンサレンズ51を有している。光源44には、白色光を発生する白色光源が使用される。より具体的には、基板Kのレジストを感光しない、例えば波長が500nm以上の可視光が使用される。光源からの光は、コレクタレンズ45、開口絞り(AS)47、視野絞り(FS)49、コンデンサレンズ51を通りダイクロイックミラー29で反射される。反射された光は、対物レンズ17を通り、基板Kを照明する。基板Kで反射した照明光は、ダイクロイックミラー25,27,29、第2の対物レンズ37を通りビームスプリッタ39に導かれる。
ビームスプリッタ39で反射した光は、接眼レンズ41に導かれる。従って、接眼部を覗くことで、基板Kを拡大観察することができる。ビームスプリッタ39を通過した光は、テレビカメラ43の撮像素子(例えばCCD)53に導かれる。観察光学系において基板Kと共役な位置に配置された撮像素子53で取得された基板Kの拡大画像は、表示装置61の画面に表示される。この表示により基板Kを拡大観察することができる。
オートフォーカス(AF)光学系57は、撮像素子(例えばCCD)55、結像レンズ57、ダイクロイックミラー27を有している。基板Kの像が対物レンズ17、ダイクロイックミラー27,29を介して結像レンズ57に入射され、撮像素子55上に結像される。そして、撮像素子55上への結像状態(例えば画像のコントラスト)に基づいて対物レンズ17のオートフォーカスが行われる。
テレビカメラ43には、表示装置61が接続されている。表示装置61は、テレビカメラ43で取得された画像を表示する。
制御装置63は、メモリ65、CPU67等を有している。制御装置63には、入力部69が接続されている。制御装置63は、駆動部71を介してZθステージ73を駆動する。また、駆動部75を介してX−Yステージ77を駆動する。制御装置63は、テレビカメラ43のオン,オフを制御する。
制御装置63は、DMD駆動部79を介してDMD21を駆動制御する。制御装置63のメモリ65には、露光すべき露光パターンが記憶されている。
本発明のマスクレス露光方法の第1の実施形態は、上述したマスクレス露光装置を用いて行われる。
図2(a)は、上述したDMD21の詳細を示している。DMD21は、例えば横幅Aが40×100μm、縦幅Bが30×100μm程度の寸法とされている。DMD21を拡大すると、図2(b)に示すように多数のマイクロミラーMが2次元的に配列されている。各マイクロミラーMは矩形形状をしており、一辺の長さが例えば70×100nmとされている。各マイクロミラーMは、反射角変更可能であり、マイクロミラーMを駆動して反射角を変えることで、種々な形状の露光パターンを生成することが可能である。本実施形態では信号を入力したマイクロミラー素子が所定の向きに駆動され、信号を非入力の時に初期状態となるDMDを用いている。また、信号を入力されたマイクロミラー素子の駆動精度が初期状態のマイクロミラー素子の向きの精度よりも高いため、本実施形態では露光パターン中の露光する部分に対応するマイクロミラー素子を駆動状態としている。(露光パターン中の露光しない部分に対応するマイクロミラー素子は初期状態であるため、多少向きがずれている可能性があるが、露光に寄与しないため問題はないため)このDMD21を例えば100倍の対物レンズを通して基板に縮小投影すると、全体の寸法が横40μm、縦30μmの寸法になる。また、各マイクロミラーMの一辺の長さが70nmの寸法になる。
図3(a)は、基板Kにライン状のパターンを露光する時にDMD21に生成される露光パターンを示している。図3(a)の黒い部分に位置するマイクロミラーMで反射した光により基板Kが露光される。図3(b)は、図3(a)の黒い部分の一部Dを拡大して示している。この部分には、横方向に例えば7つ(7ピクセル)のマイクロミラーMが配置されている。
図4(a)は、縦軸がショット回数、横軸が図3(a)の横1行のマイクロミラー素子の一部を示している。図4(a)を用いて、通常の露光方法により基板Kにライン状のパターンを露光する方法を説明する。
(1)先ず、DMD21の全てのマイクロミラーMに駆動信号を入力して基板Kに光を反射する状態(反射状態)とする。この露光パターンP1で例えば24mSecの間露光が行われる。この実施形態では、6mSec(1ショット)毎にDMD21の露光パターンを変更可能とされている。従って、24mSecは4ショットとなる。なお、この4ショットは必ずしも行う必要はない。
(2)次に、4ショットが終了した所で、DMD21の露光パターンが図3(a)に示すような露光パターンに変更される。この露光パターンP2では、黒い部分に位置する横方向7つのマイクロミラーMに駆動信号を入力して基板Kに光を反射する状態(反射状態)としている。そして、この状態で例えば240mSec(40ショット)の間露光が行われる。なお、図4(a)では図3(a)に示すマイクロミラー素子Mの横1行の一部を示しているが、行内の他の部分及び他の行についても同様に制御される。
次に現像後のウエハ(基板)上に形成されるホトレジストの形状を図4(b)を用いて説明する。なお、本実施形態では露光した部分が現像後にパターンとして残る所謂ネガ型のホトレジストを用いている。図4(b)はウエハ上に形成したホトレジストをパターンの延在方向に対して垂直に切断した断面図を示している。前述のようにしてライン状のパターンを露光すると、露光、現像した後のホトレジストのプロファイルのトップエッジ(高照射部分の端部)E1およびボトムエッジ(低照射部分の端部)E2が、曲線状になる所謂なまり現象が発生する。図4(b)において、曲線部分の寸法Cは、例えば70nm程度である。これは、理論分解能近傍のパターンを露光したために生じる現象である。例えば、露光波長が405nm、対物レンズのNA(開口数)が0.95の場合には、2点間の理論分解能は260nmとなる。
この実施形態では、トップエッジE1がなまるのを防止するため図5(a)に示すような露光方法が用いられる。図5(a)は図4(a)と同様に縦軸がショット回数、横軸が図3(a)の横1行のマイクロミラー素子の一部を示している。
(1)先ず、DMD21の全てのマイクロミラーMに駆動信号が入力され基板Kに光を反射する状態(反射状態)とする。この露光パターンP1で例えば24mSec(4ショット)の間露光が行われる。
(2)次に、4ショットが終了した所で、DMD21の露光パターンが図3(a)に示すような露光パターンに変更される。この露光パターンP2では、黒い部分に位置する横方向7つのマイクロミラーMに駆動信号が入力され基板Kに光を反射する状態(反射状態)としている。そして、この状態で例えば240mSec(40ショット)の間露光が行われる。
(3)次に、40ショットの露光が終了した所で、DMD21の露光パターンが図5(a)のP3に示すような露光パターンに変更される。この露光パターンP3では、トップエッジE1に位置する横方向2つのマイクロミラーMが基板Kに光を反射する状態(反射状態)に駆動される。そして、この状態で例えば6mSec(1ショット)の間露光が行われる。
(4)次に、1ショットの露光が終了した所で、DMD21の露光パターンが図5(a)のP4に示すような露光パターンに変更される。この露光パターンP4では、トップエッジE1に位置する横方向1つのマイクロミラーMが基板Kに光を反射する状態(反射状態)に駆動される。図6は、この時にDMD21に生成される露光パターンを示している。図6の黒い部分に位置するマイクロミラーMで反射した光により基板Kが露光される。そして、この状態で例えば12mSec(2ショット)の間露光が行われる。
このようにしてウエハ上に形成したホトレジストの形状は、図5(b)に示すようにトップエッジのなまり現象が発生せずシャープなエッジ形状を得ることができる。
上述したDMD21の露光パターンは、制御装置63のメモリ65に記憶されている。そして、DMD駆動部79を介してDMD21のマイクロミラーMを駆動することで露光パターンが実現される。メモリ65への記憶は、例えば入力部69を介して例えばパーソナルコンピュータからの露光パターンを入力することにより行われる。露光パターンは、トップエッジE1近傍のプロファイルを向上できる最適なパターンであり、例えば基板Kへの露光、現像実験を繰り返すことにより求められる。この場合、実験だけに頼らず、例えば逆ラプラシアン変換を用いて最適なパターンを予想しても良い。
この実施形態の露光方法では、露光パターンのトップエッジE1近傍の露光量が増大するように、DMD21の露光パターンをデジタル的に変化するようにしたので、複雑なプロセスや機構要素を付加することなく、理論分解能以下のパターンのトップエッジE1近傍のプロファイルを向上することができる。
図7(a)は、図4に示す通常の露光を行った基板Kをテレビカメラ撮像した画面である。図7(b)は、図5に示すトップエッジE1を強調した露光を行った基板Kをテレビカメラ撮像した画面である。各画面の白い部分は、露光された部分である。トップエッジE1を強調した露光を行った基板Kでは、通常の露光を行った基板Kに比較してトップエッジE1が鮮明になっているのがわかる。
図8は、図7(a)と図7(b)のプロファイルを比較した図である。横軸には基板Kの横方向の位置が、縦軸にはコントラストがとられている。曲線aは、図5に示すトップエッジE1を強調した露光を行った基板Kのプロファイル、曲線bは、図4に示す通常の露光を行った基板Kのプロファイルである。トップエッジE1を強調した露光を行った基板Kでは、通常の露光を行った基板Kに比較してトップエッジE1が明瞭になっているのがわかる。
(第2の実施形態)
この実施形態では、ボトムエッジE2がなまるのを防止するため図9(a)に示すような露光方法が用いられる。
(1)先ず、DMD21の全てのマイクロミラーMが基板Kに光を反射する状態(反射状態)に駆動される。この露光パターンP1で例えば6mSec(1ショット)の間露光が行われる。
(2)次に、1ショットの露光が終了した所で、DMD21の露光パターンが図9(a)のP5に示すような露光パターンに変更される。この露光パターンP5では、ボトムエッジE2に位置する横方向1つのマイクロミラーMが基板Kに光を反射しない状態(非反射状態)に駆動される。図10は、この時にDMD21に生成される露光パターンを示している。図10の黒い部分に位置するマイクロミラーMで反射した光により基板Kが露光される。そして、この状態で例えば12mSec(2ショット)の間露光が行われる。
(3)次に、2ショットの露光が終了した所で、DMD21の露光パターンが図9(a)のP6に示すような露光パターンに変更される。この露光パターンP6では、ボトムエッジE2に位置する横方向2つのマイクロミラーMが基板Kに光を反射しない状態(非反射状態)に駆動される。そして、この状態で例えば6mSec(1ショット)の間露光が行われる。
(4)次に、1ショットの露光が終了した所で、DMD21の露光パターンが図9(a)のP2に示すような露光パターンに変更される。そして、この露光パターンP2で例えば240mSec(40ショット)の間露光が行われる。
この実施形態の露光方法では、露光パターンのボトムエッジE2近傍の露光量が減少するように、DMD21の露光パターンをデジタル的に変化するようにしたので、複雑なプロセスや機構要素を付加することなく、理論分解能以下のボトムエッジE2近傍のパターンのプロファイルを向上することができる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上述した実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような形態でも良い。
(1)上述した実施形態では、DMD21により露光パターンを生成した例について説明したが、例えば、画面を細かくデジタル的に分割し透過率を制御する液晶表示素子等の空間変調器を用いても良い。
(2)上述した実施形態では、トップエッジE1近傍のなまり、または、ボトムエッジE2近傍のなまりを軽減した例について説明したが、トップエッジE1近傍およびボトムエッジE2近傍のなまりを同時に軽減するようにしても良い。
(3)上述した実施形態では、直線状のラインのエッジ近傍のなまりを軽減した例について説明したが、曲線状のライン等のエッジ近傍のなまりを軽減するようにしても良い。
17…対物レンズ、21…DMD、E1…トップエッジ、E2…ボトムエッジ、K…基板、M…マイクロミラー、P1,P2,P3,P4,P5,P6…露光パターン。

Claims (5)

  1. 露光パターンを生成し縮小させた該露光パターンで基板を露光するマスクレス露光方法であって、
    前記露光時に、前記露光パターンのエッジを強調処理することを特徴とするマスクレス露光方法。
  2. 請求項1記載のマスクレス露光方法において、
    前記露光パターンの高照射部分の端部近傍の露光量増大により前記強調処理を行っていることを特徴とするマスクレス露光方法。
  3. 請求項1または請求項2記載のマスクレス露光方法において、
    前記露光パターンの低照射部分の端部近傍の露光量減少により前記強調処理を行っていることを特徴とするマスクレス露光方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のマスクレス露光方法において、
    前記エッジの強調処理は該当個所の前記露光パターンの照射時間と非照射時間との調整により行っていることを特徴とするマスクレス露光方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のマスクレス露光方法において、
    前記露光パターンを、反射角変更制御可能なマイクロミラーを複数有するDMDにより形成することを特徴とするマスクレス露光方法。
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