JP2011046981A - 塗膜密着性に優れたステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

塗膜密着性に優れたステンレス鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性に優れ、かつ塗装ステンレス鋼板とされたときに高温多湿の過酷な環境下において塗膜と十分に密着しうる表面処理ステンレス鋼板を提供すること。
【解決手段】ステンレス鋼板を基材とし、前記基材の表層の酸化皮膜の厚みを、エッチング処理により、処理前の平均厚みDと処理後の平均厚みDとの比率D/Dで0.10〜0.90とした後、(1)水蒸気濃度が2.0g/m以上であって、大気圧の雰囲気においてプラズマ水蒸気を発生させ、(2)前記プラズマ水蒸気を、基材表面に接触させて、表面処理ステンレス鋼板を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明はステンレス鋼板の製造方法に関する。より具体的には、表面処理をすることにより、塗膜密着性が優れたステンレス鋼板を製造する方法に関する。
ステンレス鋼板は、その優れた耐食性から種々の用途に用いられているが、さらに耐指紋性や加工性を高めたいという要求がある。この要求を満たすため、ステンレス鋼板に水系塗料等の塗料を塗装する等の技術が知られている。しかし、ステンレス鋼板表面に存在する金属酸化物(酸化皮膜)により、塗料がはじかれるという、いわゆるハジキが発生し、塗料を均一に塗布できないという問題があった。塗料が均一に塗布されない塗装ステンレス鋼板は、塗膜の密着性が不十分となり、所期の性能が発揮されない。
このような問題を解決するために、ステンレス鋼板表面の塗料に対する濡れ性を向上させる方法が知られている。例えば、酸性水溶液を用いてステンレス鋼板表面の酸化皮膜をエッチングし、金属を一定比率で露出させて濡れ性を向上させる技術が提案されている(特許文献1を参照)。
また、アルミニウムを含む製品の表面の有機塗料に対する濡れ性を改善するために、コロナ放電で製品の表面を処理する技術が提案されている(特許文献2)。
特許第3666626号公報 特公昭62−10705号公報
本発明者は、特許文献1、2に開示された方法のように、単にステンレス鋼板の濡れ性を向上させるだけでは、高温多湿の過酷な環境下において塗膜を十分に密着させることは困難であることを見出した。また、特許文献1、2に開示されたステンレス鋼板は鋼板自身の耐食性が低下することも明らかにした。特許文献1に開示されたステンレス鋼板は、酸化皮膜が過剰にエッチングされているためであると推察される。
特許文献2には、コロナ放電による表面濡れ性の向上機構は開示されていないが、一般に、コロナ放電による金属の表面処理によって、1)プラズマにより、鋼板表面の酸化皮膜がエッチングにより除去されるか、2)プラズマにより、鋼板表面に吸着されている汚染物質(炭化水素等)が分解除去されることが知られている。よって、特許文献2に開示されたステンレス鋼板も、酸化皮膜がエッチングされて、耐食性が低下したと推察される。特に、コロナ放電は、一般的に減圧下で発生させることが多く、その際に生じるプラズマは鋼板にかなりのエネルギーで衝突するため、酸化皮膜のエッチングが顕著になると推察される。
このように、耐食性に優れ、かつ塗装ステンレス鋼板とされたときに高温多湿の過酷な環境下において塗膜と十分に密着しうる表面処理ステンレス鋼板が望まれているにも係わらず、十分な性能を有するものは提供されていない。そこで、本発明者らは上記問題の解決のため大気圧下にある雰囲気で発生させたプラズマ水蒸気をステンレス鋼板表面に接触させる技術を提案した(特願2008−226278)。プラズマ化したOHを大気圧雰囲気下で接触させて鋼板表面をOH基リッチとすることで、塗装後の塗膜密着性を向上させることができる。
しかし、ステンレス鋼板の耐食性向上を図るために鋼中のCr含有量を高くしたり、Mo等を鋼中に添加したりしている場合、鋼板表層の酸化皮膜は緻密で安定となる。そのため、大気圧下にある雰囲気で水蒸気プラズマを接触させても、表層へのOH基の付与が不充分となり、鋼板表面と塗膜との密着性向上を図れない場合があった。また、Mo等を添加していない鋼種であっても、表面をBA仕上げとする製造工程を経た場合は、鋼板中のSiが表層に濃化し安定な酸化皮膜が形成される。そのため、大気圧下にある雰囲気で水蒸気プラズマを接触させても、成形により鋼板が変形を受ける部位での塗膜の密着性の向上効果が充分でない場合があった。
本発明者らの鋭意検討の結果、プラズマ水蒸気を接触させる前に、ステンレス鋼板の表層をエッチング処理により活性化させ、次に、特定の水蒸気濃度を有する大気圧雰囲気において発生させたプラズマ水蒸気を、ステンレス鋼板表面に接触させることにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち前記課題は、以下の表面処理ステンレス鋼板の製造方法により解決される。
[1] ステンレス鋼板を基材とし、前記基材の表層の酸化皮膜の厚みを、エッチング処理により、処理前の平均厚みDと処理後の平均厚みDとの比率D/Dで0.10〜0.90とした後、(1)水蒸気濃度が2.0g/m以上であって、大気圧の雰囲気においてプラズマ水蒸気を発生させる工程、および(2)前記プラズマ水蒸気を、基材表面に接触させる工程を含む、表面処理ステンレス鋼板の製造方法。
[2] 前記(1)の工程は、前記雰囲気に、対向するように2つの電極を配置し、前記電極の間に電圧を印加してコロナ放電を生じさせて、前記電極間にプラズマ水蒸気を発生させる工程であり、前記(2)の工程は、前記工程で得たプラズマ水蒸気を空気で押し出して、ステンレス鋼板表面に接触させる工程である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記(1)の工程は、前記雰囲気に、前記ステンレス鋼板と対向するように絶縁体電極を配置し、前記ステンレス鋼板と前記電極の間に電圧を印加してコロナ放電を生じさせて、プラズマ水蒸気を発生させる工程である、[1]に記載の製造方法。
[4] 前記表面処理ステンレス鋼板の表面から4nmの厚み領域における金属水酸化物のO1sピーク強度POHと、金属酸化物のO1sピーク強度Pとの比POH/Pは、0.8以上である、[1]に記載の製造方法。
[5] 前記基材であるステンレス鋼板は、Cr含有量が17.3質量%以上であるか、またはMoが添加されている、[1]に記載の製造方法。
[6] 前記基材であるステンレス鋼板は、BA仕上げされている、[1]に記載の製造方法。
また、本発明は、以下の表面処理ステンレス鋼板に関する。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の方法で得られた表面処理ステンレス鋼板の表面に、さらに無機系皮膜を有する、表面処理ステンレス鋼板。
[8] 無機系皮膜は、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの酸素酸塩、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのリン酸塩、およびバルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む、[7]に記載の表面処理ステンレス鋼板。
[9] [1]〜[6]のいずれかに記載の方法で得られた表面処理ステンレス鋼板の表面に、さらに有機樹脂系皮膜を有する、表面処理ステンレス鋼板。
[10] 前記有機樹脂系皮膜は、潤滑剤を含む、[9]に記載の表面処理ステンレス鋼板。
[11] 前記有機樹脂系皮膜は、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの酸素酸塩、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのリン酸塩およびバルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む、[9]に記載の表面処理ステンレス鋼板。
[12] 前記バルブメタルは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Si、およびAlからなる群から選ばれる1種以上の金属である、[8]または[11]に記載の表面処理ステンレス鋼板。
[13] 前記有機樹脂系皮膜は、ラミネート層または塗布層である、[9]に記載の表面処理ステンレス鋼板。
[14] 前記有機樹脂系皮膜はクリア塗膜である、[9]に記載の表面処理ステンレス鋼板。
本発明により、高温多湿の過酷な環境下においても、塗布層やラミネート層とが十分に密着し、かつ耐食性に優れる表面処理ステンレス鋼板を製造することができる。
1.表面処理ステンレス鋼板の製造方法
本発明の表面処理ステンレス鋼板の製造方法は、ステンレス鋼板を基材として、特定の雰囲気下で発生させたプラズマ水蒸気を基材表面に接触させる。ここで、プラズマ水蒸気に接触させる前に、基材であるステンレス鋼板の酸化被膜がエッチングされていることを特徴とする。
基材であるステンレス鋼板とは、板状のステンレスである。ステンレス鋼板は、オーステナイト系またはフェライト系ステンレス鋼板が好ましい。ステンレス鋼板は、公知の表面仕上げがなされていてもよい。ステンレス鋼板は、以下単に「鋼板」とも称する。
特に、本発明の効果が有効に発現されるのは、緻密な酸化皮膜が形成されているステンレス鋼板である。緻密な酸化皮膜が形成したステンレス鋼板とは、例えば、Cr含有量が高い(例えば、17.3質量%以上)ステンレス鋼板や、Moが添加された(例えば、0.4質量%以上)ステンレス鋼板などをいう。さらに、緻密な酸化皮膜が形成したステンレス鋼板は、BA仕上げを施されたステンレス鋼板でもありうる。
エッチングは、エッチング処理液を用いて行うことができる。エッチング処理液は、任意の成分を含むことができるが、酸性水溶液であることが好ましく、具体的には塩酸、硫酸、リン酸、フッ酸などの無機酸を1種以上含む水溶液であることが好ましい。基材であるステンレス鋼板が、より活性化されるからである。エッチング処理液は、さらに有機酸を含有してもよく、任意の添加剤(界面活性剤やキレート剤など)を含有していてもよい。
エッチングは、基材であるステンレス鋼板の表面(少なくとも、後工程においてプラズマ水蒸気を接触させる面)に、エッチング処理液を接触させればよい。処理方法の例には、基材をエッチング処理液に浸漬させるか、基材の表面にエッチング処理液をスプレーして塗布する方法がある。さらに、エッチング処理液中で基材を超音波処理してもよく、エッチング処理液中で基材を電極として電解を行ってもよい。
エッチング処理後の鋼板表面の酸化皮膜の平均厚みDと、エッチング処理前の鋼板表面の酸化皮膜の平均厚みDとの比率「D/D」を、0.1〜0.9とすることが好ましい。0.1未満であると、エッチングが過剰であり、鋼板の耐食性が低下するとともに、ステンレス鋼板の外観を損なう。0.9超であると、エッチングが不足しており十分に活性化されず、プラズマ水蒸気を接触させても、OH基の付与が不十分となり、塗膜密着性が十分に高まりにくい。
前記比率「D/D」が、所定の値となるように、エッチング処理液の濃度や温度、処理時間などを調整する。
エッチング処理前の鋼板表面の酸化皮膜の厚みの絶対値は、2〜10nmであればよく、エッチング処理後の鋼板表面の酸化皮膜の厚みの絶対値は、0.2〜9nmであればよいが、特に限定されるわけではない。
鋼板表面の酸化皮膜の厚みは、AES分析法(オージェ電子分光法)により測定されうる。具体的には、AESプロファイルにおける、Fe元素の分布を示すスペクトルと、O元素の分布を示すスペクトルとの交点が得られるまでの深さを、酸化皮膜の厚みとする。10ヵ所の酸化皮膜の厚み測定し、その平均値を酸化皮膜の平均厚みとすることが好ましい。
AES分析の条件は、以下の通りとすればよい。
分析装置:日本電子株式会社製 型式:JAMP-9500F
加速電圧:10kV
試料電流:10nA
電子線プローブ径:0.1μm以下
エッチング:アルゴンイオン銃
エッチングされたステンレス鋼板を、以下の工程(1)および(2)によって、プラズマ水蒸気で表面処理する。
(1)水蒸気濃度が2.0g/m以上であって大気圧にある雰囲気において、プラズマ水蒸気を発生させる工程
(2)前記プラズマ水蒸気をステンレス鋼板表面に接触させる工程
工程(1)では、特定の雰囲気においてプラズマ水蒸気を発生させる。プラズマ水蒸気とは、プラズマ状態にある水蒸気であり、つまり、電離した状態にあるが全体としては中性の状態にある水蒸気をいう。
プラズマ水蒸気を発生させる手段は特に限定されないが、例えば、以下の方法で発生させることが好ましい。
1)特定の雰囲気において2つの電極を準備して、2つの電極間に電圧を印加してプラズマ水蒸気を発生させる方法。
2)特定の雰囲気において、ステンレス鋼板と対向するように絶縁体電極を配置し、前記ステンレス鋼板と前記絶縁体電極との間に電圧を印加してプラズマ水蒸気を発生させる方法。
1)の方法では電極と電極との間に、2)の方法では絶縁体電極とステンレス鋼板との間に、放電を生じさせて、プラズマ水蒸気を発生させる。ここで生じる放電は、コロナ放電やアーク放電が好ましく、コロナ放電がより好ましい。コロナ放電とは、電極間の電場が均一でないときに、表面の電場の大きいところに部分的絶縁破壊が起こって生じる放電をいう。アーク放電とは、大気中の放電において、電極間電圧の上昇に伴い、コロナ放電から、火花放電という過渡的状況を経ておこる放電をいう。
プラズマ水蒸気は、水蒸気濃度が2.0g/m以上であって、大気圧にある雰囲気において発生させることが好ましい。水蒸気濃度が低すぎると、十分なプラズマ水蒸気が得られない。水蒸気濃度は、鏡面冷却式露点計により測定できる。水蒸気濃度の上限は特に限定されないが、50g/m以下とすることが好ましい。より好ましい水蒸気濃度は、12.7〜23.0g/mである。
コロナ放電を生じさせるには、1)の方法における電極間の距離、または2)の方法における絶縁電極とステンレス鋼板との距離を1〜50mmとし、電極電圧を1〜50kVとし、周波数を1〜60kHzとすることが好ましい。本願明細書において記号「〜」は、その両端の数値を含む。
1)の方法における、電極形状は特に限定されないが、電極の材質はステンレスやアルミなどの金属製が好ましい。2)の方法の場合は、電極形状はナイフエッジ電極、プレート電極、ロール電極、ワイヤー電極などが好ましいが、これに限定されない。また、1)の方法、および2)の方法において、電極がステンレスやアルミなどの金属製電極の場合は、誘電体を電極に被覆すると、コロナがアーク状になるのを防止できるので好ましい。電極を被覆する誘電体の材質は、耐熱性、耐高電圧性、耐オゾン性、高誘電率を考慮すると、セラミック、シリコンゴム、EPTゴム、ハイパロンゴムなどが好ましい。一方、電極の材質が非導電性のセラミックス、クオーツなどの場合は、誘電体で被覆する必要はない。
プラズマ水蒸気を発生させる雰囲気の温度は特に限定されないが、10〜50℃が好ましく、室温程度(20〜30℃)がより好ましい。
工程(2)では、工程(1)で得たプラズマ水蒸気をステンレス鋼板の表面に接触させる。鋼板にプラズマ水蒸気を接触させる手段は特に限定されない。例えば、前記1)の方法でプラズマ水蒸気を発生させた場合は、空気等のガスでプラズマ水蒸気を押し出して、ステンレス鋼板に接触させることができる。また、前記2)の方法でプラズマ水蒸気を発生させた場合は、特にガス等で押し出さなくてもプラズマ水蒸気を鋼板に接触させることができる。
プラズマ水蒸気を接触させる前のステンレス鋼板の酸化皮膜の厚みをDとし、プラズマ水蒸気を接触させたステンレス鋼板(表面処理ステンレス鋼板)の酸化皮膜の厚みをDtとしたときに、その比Dt/Dが、1.0以上であることが好ましい。すなわち、プラズマ水蒸気で処理されたステンレス鋼板の酸化皮膜厚みは、原料とするステンレス鋼板の酸化皮膜厚みに比べて減少しないことが好ましい。酸化皮膜がエッチングされて前記比が1.0未満となった表面処理ステンレス鋼板は、高温多湿環境下での耐食性が十分でない場合がある。前記比の上限値は特に限定されないが、1.5以下であることが好ましい。酸化皮膜の厚みはAESにより測定できる。プラズマ水蒸気を接触させる前のステンレス鋼板の酸化皮膜の厚みDを、0.2〜9nmとし;プラズマ水蒸気を接触させた後の表面処理ステンレス鋼板の酸化皮膜の厚みDtを、0.2〜13.5nmとすることが好ましい。
本発明により、鋼板表面に金属水酸化物が形成される。金属水酸化物の形成は、プラズマ水蒸気に含まれるOHによると考えられる。金属水酸化物の量は、表面処理ステンレス鋼板の表面から4nmの厚み領域(以下「表層」ともいう)における金属水酸化物のO1sピーク強度をPOH、金属酸化物のO1sピーク強度をPとするとき、O1sピーク強度比「POH/P」で示され、その比率が0.8以上であることが好ましい。この強度比が0.8未満である表面処理ステンレス鋼板は、高温多湿環境下において塗膜密着性が十分でない場合がある。前記比の上限は特に限定されないが、4.0以下であることが好ましい。
O1sピーク強度比はXPS分析を行い、O1sピークにおいて各金属成分の酸化物および水酸化物をピーク分離することで算出できる。XPS分析は、X線源をMg Kα線、分解能をAg3d:0.8eVとして行うことが好ましい。前記表層は、XPS分析の際に、光電子が基材から放出される深さが0〜4nmであることから決定される。
また、表面処理前のステンレス鋼板の表面粗さと、表面処理後のステンレス鋼板の表面粗さとは、あまり相違しないことが好ましい。具体的には、表面処理前のステンレス鋼板の表面粗さをR、表面処理後のステンレス鋼板の表面粗さをRtとしたときに、その粗さ比「Rt/R」は、1.0〜1.1であることが好ましい。ステンレス鋼板の表面粗さは、表面仕上げの種類や、前述のエッチングの程度により異なるが、例えば、SUS304のBA仕上げの場合、Rは0.05〜0.2μm、Rtは0.05〜0.22μmである。この平均粗さは、JIS B0601−1944に準じて測定された算術平均粗さRaであり、三次元粗度計により測定できる。
このようにOH基リッチとなった鋼板表面に塗膜を形成させると、鋼板表面のOH基と、塗膜中のOH基やCOOH基等の極性基との間で水素結合や、脱水縮合反応が生じる。この結果、高温多湿環境下でも塗膜密着性に優れた、塗装ステンレス鋼板が得られると考えられる。さらに、鋼板表面には、酸化皮膜が適度に残っているので、良好な耐食性も保持される。よって、プラズマ照射時間や、電極と鋼板の距離等の諸条件は、鋼板表面に所望の量のOH基が形成されるように適宜調整される。
2.表面処理ステンレス鋼板
本発明の表面処理ステンレス鋼板は、前記の方法により得られる。本発明の表面処理ステンレス鋼板は、鋼板表面に無機系皮膜または有機樹脂系皮膜をさらに有していてもよい。このように、鋼板表面に皮膜(「塗膜」ともいう)を有している表面処理ステンレス鋼板を「塗装鋼板」とも称する。
無機系皮膜とは、無機系の高分子化合物を主成分とする皮膜である。無機系の高分子化合物は、分子内にOH基を有することが好ましい。このような無機系の高分子化合物の例には、酸化ケイ素が含まれる。無機系皮膜は、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの酸素酸塩、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのリン酸塩およびバルブメタルのフッ化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(以下「バルブメタル化合物」ともいう)を含むことが好ましい。環境適合性を有しつつ塗装鋼板の耐食性を向上できるからである。
バルブメタルとは、その酸化物が高い絶縁抵抗を示す金属をいう。バルブメタル元素としては、Ti、Zr、Hf、V、Mo、W、Al、Siから選ばれる1種以上の元素が好ましい。バルブメタル化合物としては公知のものを用いてよい。
有機樹脂系皮膜とは、有機系の高分子化合物を主成分とする皮膜である。有機系の高分子化合物は特に限定されないが、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエステル、またはこれらの共重合物もしくは変性物が好ましい。中でも、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の、分子内にOH基やCOOH基を有する樹脂が好ましい。有機樹脂系皮膜は、バルブメタル化合物を含むことが好ましい。塗装鋼板の耐食性を向上できるからである。バルブメタルおよびバルブメタル化合物とは、前述の通りである。
有機樹脂系皮膜は、さらに潤滑剤を含むことが好ましい。鋼板の耐カジリ性等を向上させて、加工性に優れた塗装鋼板を得られるからである。潤滑剤は、公知のものを用いてよい。その例には、フッ素系、ポリエチレン系、スチレン系などの有機ワックス、および二硫化モリブデン、タルクなどの無機潤滑剤が含まれる。低融点の有機ワックスを用いると、皮膜を乾燥する際に皮膜の表面にブリードするので潤滑性を発現できる。また、高融点ワックスや無機潤滑剤を用いると、皮膜最表層において島状に分布して存在し、かつ塗膜表面に露出して存在するため、潤滑性が付与される。無機系皮膜および有機樹脂系皮膜におけるバルブメタル化合物または潤滑剤の添加量は適宜設定される。
無機系皮膜および有機樹脂系皮膜は、公知の方法で形成されうる。例えば、無機系塗料または有機系塗料を調製して、公知の方法で鋼板表面に塗装すればよい。さらには、有機樹脂組成物からなるフィルムを、鋼板にラミネートしてもよい。塗料や有機樹脂組成物には、バルブメタル化合物が含まれることが好ましい。バルブメタル化合物が安定して存在できるように、キレート作用のある有機酸を添加してもよい。有機酸の例には、タンニン酸、酒石酸、およびクエン酸が含まれる。その添加量は、有機酸/金属イオンのモル比で0.02以上であることが好ましい。
有機樹脂系皮膜は、クリア塗膜であってもよい。本発明の表面処理は、ステンレス鋼板の光学特性(特に光反射特性)に過剰な影響を与えることなく、ステンレス鋼板の表面のぬれ性を高めることができる。つまり、ステンレス鋼板の美観を損なうことなく表面処理することができる。そのため、クリア塗膜を形成して、美観の優れた鋼板材料を提供することができる。
[実施例1]
表1に示すステンレス鋼板(板厚:0.8mm)を準備し、表2に示す条件で浸せき法によりステンレス鋼板表面のエッチング処理を行った。定法により、エッチング処理前後のステンレス鋼板に対し、それぞれ10ヶ所のAES分析を行った。これにより、エッチング処理前後のステンレス鋼板の平均酸化皮膜厚みの比(表3において「D/D」と表記した)を求めた。
Figure 2011046981
Figure 2011046981
次に、種々の水蒸気濃度に調整した大気雰囲気下で、コロナ放電装置(春日電機株式会社、AGI-400、PS-1200)を用いて、電圧:20kV、周波数:30kHz、各種照射距離および照射時間に設定し、コロナ放電を発生させた。コロナ放電により生じたプラズマ水蒸気の鋼板表面への接触は、以下の方法Aまたは方法Bで行った。
処理方法A:絶縁体の電極と鋼板との間でコロナ放電を発生させ、鋼板表面の雰囲気にプラズマ水蒸気を形成させ、接触させる方法。
処理方法B:電極間にてコロナ放電を発生させ、生じたプラズマ水蒸気を送風により鋼板表面に接触させる方法。
処理後の各試験片に、10ヶ所のXPS分析(クレイトスアナリティカル製、型式: AXIS−Ultra、X線源 Mg Kα線、分解能 Ag3d : 0.8eV)を行った。この測定により、表面処理ステンレス鋼板の表層における金属水酸化物/金属酸化物のO1sピークの比(表3において「POH/P」と表記した)が求められた。表3にプラズマ水蒸気による処理条件、および試験片の調査結果を示す。
Figure 2011046981

(注)比較例1:エッチング処理により、D/Dが0.10未満となった
比較例2:エッチング処理をせず、アルカリ脱脂(pH12、液温60℃、浸せき時間60秒)のみを施し、D/Dが0.90超となった
比較例3:プラズマ処理時の雰囲気の水蒸気濃度が2.0g/m未満であった
比較例4:無処理の原板(エッチング処理もプラズマ水蒸気による処理もなし)
比較例5:エッチング処理のみ行った
得られた試験片の裸耐食性および塗膜密着性を、以下に示すようにして評価した。結果を表4に示す。
(1)裸耐食性試験:試験片の端面にシールを施し屋外暴露試験を実施した。場所は大阪府堺市(離岸距離:約100m)とし、1週間に1回5質量%NaCl水溶液を試験片に噴霧した。試験を1ヶ月実施した後の試験片表面を観察し、発生した錆の発生面積率により、裸耐食性を評価した。前記面積率が、0以上5面積%未満の場合を◎、5以上10面積%未満である場合を○、10以上20面積%未満である場合を△、20面積%以上である場合を×と評価した。
(2)塗膜密着性試験:試験片表面に、メラミンアルキド塗料を塗装して、膜厚20μmの塗膜を形成し、塗装鋼板を得た。得られた塗装鋼板を沸騰水に4時間浸せきした後、JIS K 5400に準じて、碁盤目に切込みを入れ、次に、エリクセンにて2mm張出し加工を施した後、セロテープ(登録商標)剥離試験を行い、塗膜残存率を測定した。塗膜残存率が90%以上である場合を◎、80以上90%未満である場合を○、60以上80%未満である場合を△、60%未満である場合を×として塗膜密着性を評価した。
Figure 2011046981
[実施例2]
ステンレス鋼板として、表1のNo1およびNo5(板厚:0.8mm)を用意し、表2に示す条件で浸せき法によりステンレス鋼板表面のエッチング処理を行った。定法により、エッチング処理前後のステンレス鋼板に対しそれぞれ10ヶ所のAES分析を行った。これによりエッチング処理前後のステンレス鋼板の平均酸化皮膜厚みの比(表5において「D/D」と表記した)を求めた。
次に、水蒸気濃度:20g/mに調整した大気雰囲気下で、コロナ放電装置を用いて電圧:15kV、周波数:25kHz、照射距離:20mm、照射時間:3秒に設定し、コロナ放電を発生させた。コロナ放電により生じたプラズマ水蒸気の鋼板表面への接触方法は、実施例1と同様に、処理方法AまたはBで行った。また、処理後のステンレス鋼板ごとに、10ヶ所のXPS分析を行い、金属酸化物と金属水酸化物のO1sビーク強度比率の平均値を算出した。表5にステンレス鋼板の調査結果を示す。
Figure 2011046981

(注)No6:エッチング処理をすることなく、アルカリ脱脂(pH12、液温60℃、浸せき時間60秒)後に、プラズマ水蒸気と接触させた
次に、バルブメタル化合物、有機酸、リン酸塩を添加し、表6に示す組成の無機系化成処理液を調合した。プラズマ水蒸気を接触させた各ステンレス鋼板に、表6に示す化成処理液を塗布し、水洗することなく電気オーブンに装入し、到達板温が100℃となる条件で加熱乾燥した。試験片の裸耐食性および塗膜密着性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表7に示す。
Figure 2011046981
Figure 2011046981

(注1)比較例1:エッチング処理により、D/Dが0.10未満となった
比較例2:エッチング処理により、D/Dが0.90超となった
比較例3:プラズマ処理時の雰囲気の水蒸気濃度が0.5g/mであった
(注2) ()内の記号は評価結果である
[実施例3]
ステンレス鋼板として、表1のNo1およびNo5(板厚:0.8mm)を用いて、表2に示す条件で浸せき法によりステンレス鋼板表面のエッチング処理を行った。定法により、エッチング処理前後のステンレス鋼板に対しそれぞれ10ヶ所のAES分析を行った。これにより、エッチング処理前後のステンレス鋼板の平均酸化皮膜厚みの比(表8において「D/D」と表記した)を求めた。
水蒸気濃度:15g/mに調整した大気雰囲気下で、コロナ放電装置(実施例1と同様)を用いて電圧:20kV、周波数:30kHz、照射距離:20mm、照射時間:2秒に設定し、コロナ放電を発生させた。コロナ放電により生じたプラズマ水蒸気の鋼板表面への接触方法は実施例1と同様に、処理方法AまたはBで行った。処理後の各ステンレス鋼板ごとに10ヶ所のXPS分析を行い、金属酸化物と金属水酸化物のO1sピーク強度比率の平均値を算出した。表8に鋼板の調査結果を示す。
Figure 2011046981

(注)No6:エッチング処理を行うことなく、アルカリ脱脂(pH12、液温60℃、浸せき時間60秒)後に、プラズマ水蒸気と接触させた
次に、有機樹脂、バルブメタル化合物、有機酸、リン酸塩を添加し、表9に示す組成の化成処理液を調合した。プラズマ水蒸気と接触させた各ステンレス鋼板に、表9に示す化成処理液を塗布し、水洗することなく電気オーブンに装入し、到達板温が160℃となる条件で加熱乾燥した。試験片の裸耐食性および塗膜密着性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表10に示す。
Figure 2011046981
Figure 2011046981

(注1)比較例1:エッチング処理により、D/Dが0.10未満となった
比較例2:エッチング処理により、D/Dが0.90超となった
比較例3:プラズマ処理時の雰囲気の水蒸気濃度が0.5g/mであった
(注2) ()内の記号は評価結果である
[実施例4]
ステンレス鋼板として表1のNo2(板厚:0.05mm)およびNo3(板厚:0 125mm)を用いて、表2に示す条件で浸せき法によりステンレス鋼板表面のエッチング処理を行った。定法により、エッチング処理前後のステンレス鋼板に対しそれぞれ10ヶ所のAES分析を行った。これにより、エッチング処理前後のステンレス鋼板の平均酸化皮膜厚みの比(表11において「D/D」と表記した)を求めた。
次に、種々の水蒸気濃度に調整した大気雰囲気下で、コロナ放電装置(実施例1と同様)を用いて、電圧:25kV、周波数:40kHz、各種照射距離および照射時間に設定し、コロナ放電を発生させた。コロナ放電により生じたプラズマ水蒸気の鋼板表面への接触方法は、実施例1に示した方法Aまたは方法Bにより行った。処理前後の試験片に対し、処理後の各試験片ごとに10ヶ所のXPS分析を行い、金属酸化物と金属水酸化物のO1sピーク強度比率の平均値を算出した。表11にプラズマ水蒸気による処理条件および試験片の調査結果を示す。
Figure 2011046981

(注)比較例1:エッチング処理をすることなく、アルカリ脱脂(pH12、液温60℃、浸せき時間60秒)後に、プラズマ水蒸気と接触させた
比較例2:無処理の原板(エッチング処理もプラズマ水蒸気による処理もなし)
試験片を以下に示すようにして、フィルム密着性および感圧接着剤層の密着性を評価した。結果を表12に示す。
(1)フィルム密着性試験
フィルムAの密着性試験
ステンレス鋼箔を100℃に加熱して、ポリエチレンフィルム(厚み50μm)をラミネートし、ラミネート後130℃にて7秒間保持した。ラミネート鋼板を冷却した後、40℃の温水に5日間浸せきして、引き上げた。得られたラミネート鋼板の、フィルムとステンレス鋼箔との180°ピール剥離強度(引張り速度:100mm/分、温度:20℃)を測定した。測定された剥離強度が、40(N/10mm)以上である場合を◎、30以上40(N/10mm)未満である場合を○、20以30(N/10mm)未満である場合を△、20(N/10mm) 未満を×として、フィルム密着性を評価した。
フィルムBの密着性試験
オーブンでステンレス鋼板を100℃に加熱して、マレイン酸グラフト重合のエチレン/酢酸ビニル共重合体フィルム(組成比86/14 、厚み:50μm)を、両面にラミネートし、その後、オーブンで後加熱を施して、冷却した。その後、ラミネート鋼板を重ね合わせて、25kg/cmに加圧した状態で両側から、150℃のプレス板で10秒間加熱積層し、冷却した。
得られたラミネート鋼板を、温水(80℃)に10日間浸せきさせた。片方のラミネート鋼板の端部を180°折り返し、その折り返し方向に100mm/分の速度でフィルムを引張り、剥離強度を測定した。試験片のフィルムの剥離強度を測定し、70(N/10mm)以上である場合を◎、60以上70(N/10mm)未満である場合を○、50以上60(N/10mm)未満の場合を△、50(N/10mm)未満の場合を×で評価した。
(2)感圧接着剤層の密着性試験
以下の3種類の感圧接着剤A〜Cを準備した。
感圧接着剤A
シリコーン系感圧接着剤(商品名:KR-120、信越化学工業製)に、架橋触媒としてベンゾイルパーオキサイドを12質量%添加して、感圧接着剤組成物を得た。
感圧接着剤B
ブチルアクリレート:97重量部、アクリル酸:3重量部、アゾビス-i-ブチロニトリル:0.3重量部、エチルアセテート:100重量部を混合して、重合反応させ、トルエンを加えて希釈し、固形分が40質量%のアクリル系共重合体(ガラス転移温度:−44℃、重量平均分子量:55万)溶液を得た。
得られたアクリル系重合体溶液:200重量部に対し、スチレン-ブタジエンブロック共重合体(商品名:カリフレックス TRll84M、シェル化学製、ガラス転移温度:−60℃) : 10重量部、エチレン酢酸ビニル共重合体(商品名:エルバックス45X、三井・デュボンケミカル製、ガラス転移温度:−38℃):10重量部を、トルエン:30重量部に溶解したもの、並びに、イソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製、トルエンジイソシアネートと、トリメチロールプロパンとからなるウレタンプレポリマー):2重量部を、撹拌混合し感圧接着剤組成物を得た。
感圧接着剤C
ブチルアクリレート:90重量部、アクリル酸:10重量部、アゾビス-i-ブチロニトリル:0.3重量部、エチルアセテート:100重量部を混合して重合反応させ、トルエンを加えて希釈し、固形分が34質量%のアクリル系共重合体(ガラス転移温度:−45℃、重量平均分子量:72万)溶液を得た。
得られたアクリル系共重合体溶液:100重量部に対し、ポリグリシジルアミン系化合物[商品名:テトラッド C、三菱瓦斯化学製、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチルシクロへキサン]: 0.1重量部(アクリル系系共重合体:100重量部に対して0.33重量部)を、撹拌混合して感圧接着剤組成物を得た。
次に、ステンレス鋼箔の上に、感圧接着剤組成物溶液を、乾燥時の感圧接着剤の厚みが100μmとなるように塗布した。そして、感圧接着剤Aは80℃で5分間熱風循環式乾燥機にて乾燥し、次いで150℃で10分間架橋させ、試験用感圧シートを得た。感圧接着剤BおよびCは、100℃で10分間熱風循環式乾燥機にて乾燥し、次いで20℃、65%RHで7日間架橋させ、試験用感圧接着シートを得た。
得られた感圧接着シートを、沸騰水に4時間浸せきした後、JIS K 5400に準じ、碁盤目試験を行い、塗膜残存率を測定した。測定した塗膜残存率が90%以上である場合を◎、80以上90%未満である場合を○、60以上80%未満の場合を△、60%未満の場合を×として、感圧接着剤層の密着性を評価した。
Figure 2011046981
[実施例5]
ステンレス鋼板として表1のNo3(板厚:0.4mm)およびNo5(板厚:0.4mm)を準備し、デジタル光度計を用いて、JIS Z 8741に準拠して測定した20°鏡面光沢度が、130である部位を選択し、供試原板とした。
表2に示す条件で、浸せき法によりステンレス鋼板表面のエッチング処理を行った。定法により、エッチング処理前後のステンレス鋼板に対しそれぞれ10ヶ所のAES分析を行った。これにより、エッチング処理前後のステンレス鋼板の平均酸化皮膜厚みの比(表13において「D/D」と表記した)を求めた。
次に、種々の水蒸気濃度に調整した大気雰囲気下で、コロナ放電装置(実施例1と同様)を用いて、電圧:20kV、周波数:50kHz、各種照射距離および照射時間に設定し、コロナ放電を発生させた。コロナ放電により生じたプラズマ水蒸気の鋼板表面への接触方法は、実施例1に示した方法Aまたは方法Bにより行った。処理前後の試験片に対し、10ヶ所のXPS分析を行い、金属酸化物と金属水酸化物のO1sピーク強度比率の平均値を算出した。表13にプラズマ水蒸気による処理条件および試験片の調査結果を示す。
Figure 2011046981
クリア塗料として、高分子ポリエステル系クリア樹脂塗料(PM5000、日本ファインコーティングス製)に、発色顔料[アスペクト比:50、中心粒径:10μm、平均厚み:0.2μmの、透明なマイカ(白雲母)に、TiOを被覆したシルバー色マイカフレーク]を、2質量%配合した。
得られたクリア塗料を、プラズマ水蒸気と接触させた塗装原板に塗布し、230℃で60秒加熱することにより焼付け、膜厚10μmのクリア塗膜を形成した。得られたクリア塗装ステンレス鋼板から試験片を切り出し、以下の蛍光灯の光の反射性試験および耐水密着性試験にて評価した。評価結果を表14に示す。
(1)蛍光灯の光の反射性試験
各クリア塗装ステンレス鋼板を、長さ400mm、幅200mm、端面から幅方向中央部の高さが50mmの曲面状に成形し、蛍光灯の反射板とした。次に、反射板を暗室に入れ、反射板から20mm離れた位置に長さ330mm、出力10Wの蛍光灯を配置した。蛍光灯を点灯し、デジタル照度計(FLX-1332、Fine製)を用いて蛍光灯に直行する方向に沿って照度を測定した。照度は蛍光灯の中心直下からの距離が100mmの位置で測定した。測定した照度が700ルクス以上である場合を◎、680以上700ルクス未満である場合を○、660以上680ルクス未満である場合を△、660未満である場合を×として、反射板特性を評価した。
(2)耐水塗膜密着性試験
試験片を90℃の熱水に4時間浸せきした後、JIS K 5400 に準じ、碁盤目試験を行い、エリクセンにて2mm張出し加工を施し、セロテープ(登録商標)剥離試験を行った。塗膜残存率を測定した。測定した塗膜残存率が90%以上である場合を◎、80以上90%未満である場合を○、60以上80%未満である場合を△、60%未満である場合を×として、塗膜密着性を評価した。
Figure 2011046981
[実施例6]
ステンレス鋼板として、表1のNo3(板厚:0.2mm)を準備し、表2のNo1の条件で、ステンレス鋼板表面のエッチング処理を行った。定法により、エッチング処理前後のステンレス鋼板に対し、それぞれ10ヶ所のAES分析を行った。これにより、エッチング処理前後のステンレス鋼板の平均酸化皮膜厚みの比「D/D」を求めた結果、0.32であった。
次に、水蒸気濃度:15g/mに調整した大気雰囲気下で、コロナ放電装置を用いて、電圧:20kV、周波数:50kHz、照射距離:5mm、照射時間:5秒に設定し、コロナ放電を発生させた。コロナ放電により発生させたプラズマ水蒸気の鋼板表面への接触方法は、実施例1の方法Aを用いた。処理前後の試験片に対し、10ヶ所のXPS分析を行い、金属酸化物と金属水酸化物のO1sピーク強度比率の平均値を算出した結果、1.6であった。
プラズマ水蒸気を接触させたステンレス鋼板表面に、表15に示す塗料を、バーコーターで乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布し、板温:230℃で60秒加熱することで塗膜を形成させた。塗装ステンレス鋼板より試験片を切り出し、実施例5と同様の試験方法で塗膜密着性を評価した。評価結果を表16に示す。
Figure 2011046981
Figure 2011046981

(注)比較例1:エッチング処理のみ(プラズマ水蒸気による処理なし)
比較例2:無処理の原板(エッチング処理もプラズマ水蒸気による処理もなし)
本発明の表面処理ステンレス鋼板には塗料を塗布したり、樹脂フィルムをラミネートしたりしやすく、かつ形成された皮膜の密着性が高い。よって、種々の用途の塗装ステンレス鋼板に適用することができる。

Claims (14)

  1. ステンレス鋼板を基材とし、前記基材の表層の酸化皮膜の厚みを、エッチング処理により、処理前の平均厚みDと処理後の平均厚みDとの比率D/Dで0.10〜0.90とした後、
    (1)水蒸気濃度が2.0g/m以上であって、大気圧の雰囲気においてプラズマ水蒸気を発生させる工程と、(2)前記プラズマ水蒸気を、基材表面に接触させる工程、とを含む、表面処理ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 前記(1)の工程は、前記雰囲気に、対向するように2つの電極を配置し、前記電極の間に電圧を印加してコロナ放電を生じさせて、前記電極間にプラズマ水蒸気を発生させる工程であり、
    前記(2)の工程は、前記工程で得たプラズマ水蒸気を空気で押し出して、ステンレス鋼板表面に接触させる工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(1)の工程は、前記雰囲気に、前記ステンレス鋼板と対向するように絶縁体電極を配置し、前記ステンレス鋼板と前記電極の間に電圧を印加してコロナ放電を生じさせて、プラズマ水蒸気を発生させる工程である、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記表面処理ステンレス鋼板の表面から4nmの厚み領域における金属水酸化物のO1sピーク強度POHと、金属酸化物のO1sピーク強度Pとの比POH/Pは、0.8以上である、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記基材であるステンレス鋼板は、Cr含有量が17.3質量%以上であるか、またはMoが添加されている、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記基材であるステンレス鋼板は、BA仕上げされている、請求項1に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法で得られた表面処理ステンレス鋼板の表面に、さらに無機系皮膜を有する、表面処理ステンレス鋼板。
  8. 前記無機系皮膜は、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの酸素酸塩、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのリン酸塩、およびバルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む、請求項7に記載の表面処理ステンレス鋼板。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法で得られた表面処理ステンレス鋼板の表面に、さらに有機樹脂系皮膜を有する、表面処理ステンレス鋼板。
  10. 前記有機樹脂系皮膜は、潤滑剤を含む、請求項9に記載の表面処理ステンレス鋼板。
  11. 前記有機樹脂系皮膜は、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの酸素酸塩、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのリン酸塩およびバルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の表面処理ステンレス鋼板。
  12. 前記バルブメタルは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Si、およびAlからなる群から選ばれる1種以上の金属である、請求項8または11に記載の表面処理ステンレス鋼板。
  13. 前記有機樹脂系皮膜は、ラミネート層または塗布層である、請求項9に記載の表面処理ステンレス鋼板。
  14. 前記有機樹脂系皮膜はクリア塗膜である、請求項9に記載の表面処理ステンレス鋼板。
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