JP2011046913A - ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体 - Google Patents

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【課題】流動性と難燃性を兼ね備えた透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を提供する。
【解決手段】ポリカーボネートポリマーのマトリックス中にポリジオルガノシロキサンドメインが分散した凝集構造であり、該ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズが5〜40nm、規格化分散が40%以下であり、粘度平均分子量が1.60×10〜2.20×10であり、構造粘性指数(N)が1.55〜1.80であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、流動性と難燃性をバランスよく兼ね備えた透明性を有するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体に関するものである。
芳香族ポリカーボネート樹脂は透明性や優れた耐熱性および強度を有し、さらに一定の難燃性を有することから、広い分野で使用されている。しかしながら、近年の電子・電気機器部品、OA関連部品などの難燃化要求の高まりや製品の薄肉化に伴う難燃レベルアップの要求に対応するためには、芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃性は十分とはいえない。更に最近ではUL規格(米国アンダーライターズラボラトリー規格)−94においてV−1、もしくはV−0に適合するような高度な難燃性が要求される例が多く、高度な難燃性が付与されたPC材料が非常に重要となってきている。
ポリカーボネート樹脂の難燃性向上を目的として、ハロゲン化ビスフェノールA、およびハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーなどのハロゲン系難燃剤が難燃剤効率の点から酸化アンチモンの如き難燃助剤とともに用いられてきた。例えば特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に対して、臭素化ビスフェノールAのカーボネートオリゴマーを全組成物当り1〜20重量%含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。しかしながら、安全性、もしくは廃棄および焼却時の環境への影響の観点から、ハロゲンを含まない難燃剤による難燃化方法が市場より求められている。
ノンハロゲン系難燃剤として、有機リン系難燃剤を、特に有機リン酸エステル化合物を配合したポリカーボネート樹脂組成物は優れた難燃性を示すとともに、可塑剤としての高流動化作用もあり、多くの方法が提案され、使用されている。たとえば、特許文献2には、ポリカーボネート系樹脂の難燃性を改良するためにリン酸エステルを添加することが提案されている。しかしながら、これらの樹脂組成物の難燃性を向上させるためには、リン酸エステルを大量に添加する必要があり、その結果、樹脂成形体の耐熱性や耐衝撃性が低下するという問題があった。また、成形加工時の金型やロールの腐食、ガスの発生、および変色など、成形環境や成形品外観において好ましくない場合がある。
これに対して、上記従来の難燃剤に代わりシリコーン系難燃剤がポリカーボネート系樹脂の難燃剤として使用されるようになっている。特許文献3、特許文献4には、特定のシリコーン化合物を熱可塑性樹脂に添加した難燃性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、かかる文献に記載されたシリコーン化合物を単独で添加した樹脂組成物は、概して難燃性能の大幅な改善が得られていなかった。高濃度のシリコーン化合物の配合により難燃性能が向上する事例もあるものの、かかる処方はプラスチックスの成形性、混練性および他の必要特性に悪影響が生じることがあり、さらにはコスト的にも不利であるため、実用的とはいえなかった。
高度な難燃性を得る手法の一つに燃焼試験における樹脂の溶融滴下(ドリップ)現象の抑制がある。そのための方法としては、ベース樹脂として分岐単位を有する樹脂を用いる方法、ならびにドリップ防止剤としてフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(以下フィブリル化PTFEと略称する場合がある)を添加する方法などがある(特許文献5、特許文献6、および特許文献7参照)。その中で、ベース樹脂として分岐単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を用いる方法では、透明性に優れる点で好ましくドリップ改善効果も認められるものの、ドリップ防止効果と流動性の両立の点で十分に満足なものが得られていないのが現状であった。さらに、ポリカーボネート樹脂の特徴である耐衝撃性が著しく低下する問題がある。フィブリル化PTFEを添加する方法は、ドリップ防止効果が得られ易く、フィブリル化PTFEの添加による流動性の低下も少ないため、高い難燃性が求められる材料(UL規格でV―0、V−1を有する材料)には多く適用されている方法である。ただし、ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性が損なわれる問題があった。
ポリカーボネート樹脂として、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体含有樹脂を用い、フィブリル化PTFEを配合した難燃性樹脂組成物も知られている(特許文献8参照)。ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体をベース樹脂とすることにより酸素指数が向上し、フィブリル化PTFEの添加により溶融滴下防止効果が発現するため、UL規格でV−0を達成する高度な難燃組成物が得られる。しかしながら、透明性が低下する問題があった。
特公昭47−44537号公報 特公昭62−25706号公報 特公昭62−60421号公報 特開平05−86295号公報 特開平11−323118号公報 特開平07−258532号公報 特開2008−297424号公報 特開平08−81620号公報
上記の如く流動性と難燃性を兼ね備えた透明性に優れたポリカーボネート系樹脂が求められている現状に対して、上記従来技術はかかる要求を満足しうるものとはいえなかった。
本発明の目的は、流動性と難燃性を兼ね備えた透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の凝集構造を形成するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体においてその構造粘性指数を特定範囲に調整することにより、成形加工性を損なうことなく格段に高い難燃性を発現し、且つ安定した透明性を発現することを見出し、かかる知見に基づき更に検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば、上記課題は下記構成により解決される。
(構成1)
下記式[1]で表されるポリカーボネートブロックと、下記式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックとからなり、ポリカーボネートポリマーのマトリックス中にポリジオルガノシロキサンドメインが分散した凝集構造であり、該ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズが5〜40nm、規格化分散が40%以下であり、粘度平均分子量が1.60×10〜2.20×10であり、構造粘性指数(N)が1.55〜1.80であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
Figure 2011046913
[上記式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
Figure 2011046913
(上記式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
Figure 2011046913
(上記式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは100未満の自然数である。XはC〜Cの二価脂肪族基である。)
(構成2)
式[3]におけるp+qが30〜60である、前項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成3)
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の全重量を基準にして式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが2〜20重量%である、前項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成4)
全光線透過率が88%以上である、前項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成5)
前項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成形品。
(構成6)
前項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる厚みが0.1〜2.0mmである射出成形品。
(構成7)
あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における式[4]で表わされる二価フェノール(I)とホスゲンとの反応により、二価フェノール(I)のクロロホーメートおよび/または末端クロロホーメート基を有する二価フェノール(I)のカーボネートオリゴマーを含むクロロホーメート化合物の混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液を攪拌しながら式[5]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を、該混合溶液の調整にあたり仕込まれた二価フェノール(I)の量1モルあたり、0.01モル/min以下の速度で加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該クロロホーメート化合物とを界面重縮合させることを特徴とする、前項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
Figure 2011046913
(式中、R、R、e、f及びWは前記と同じである。)
Figure 2011046913
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、p、q及びXは前記と同じである。)
(構成8)
水に不溶性の有機溶媒を、式[4]で表わされる二価フェノール(I)1モルあたり、12モル以上使用する、前項7記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、その凝集構造、粘度平均分子量および構造粘性指数を特定範囲に調整することにより、燃焼試験における樹脂の滴下(ドリップ)現象が抑制されるため、射出成形加工性と難燃性を両立し、透明性を有する成形品を成形条件による影響を受けることなく安定して提供することが可能である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を製造する際に用いられる式[4]で表される二価フェノール(I)としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’−ジフェニル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’−(1,3−アダマンタンジイル)ジフェノール、および1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
なかでも、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−スルホニルジフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、および1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’−スルホニルジフェノール、および9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
式[5]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)としては、例えば次に示すような化合物が好適に用いられる。
Figure 2011046913
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有するフェノール類、好適にはビニルフェノール、2−アリルフェノール、イソプロペニルフェノール、2−メトキシ−4−アリルフェノールを所定の重合度を有するポリシロキサン鎖の末端に、ハイドロシリレーション反応させることにより容易に製造される。なかでも、(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンが好ましく、殊に(2−アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサン、および(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサンが好ましい。
また、高度な透明性を実現するためにヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)のジオルガノシロキサン重合度(p+q)は100未満が適切である。かかるジオルガノシロキサン重合度(p+q)は好ましくは5〜70、より好ましくは20〜60、更に好ましくは30〜60、特に好ましくは30〜50である。かかる好適な範囲の下限以上では、耐衝撃性や難燃性に優れ、かかる好適な範囲の上限以下では、透明性に優れる。かかる重合度は平均重合度を表す。
上記下限以上の共重合体は、凝集力の低いポリジオルガノシロキサン部位の導入によるレオロジー特性の改質効果が高く、構造粘性指数を高くしやすい。その結果、剪断流動時の高い流動性を保持しつつ燃焼時のドリップが抑制された難燃性の高い樹脂成形品を得ることができる。かかる上限以下の共重合体は、ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズと規格化分散を小さくしやすい。その結果高温で長時間シリンダー内に滞留される成形条件下にあっても、優れた透明性を有する樹脂成形品を得ることができる。上記上限以下のポリジオルガノシロキサン単位は、その単位重量あたりのモル数が増加し、ポリカーボネート中に該単位が均等に組み込まれやすくなる。ジオルガノシロキサン重合度が大きいと、ポリジオルガノシロキサン単位のポリカーボネート中への組み込みが不均等になるとともに、ポリマー分子中のポリジオルガノシロキサン単位の割合が増加するため、該単位を含むポリカーボネートと、含まないポリカーボネートとが生じやすく、かつ相互の相溶性が低下しやすくなる。その結果として大きなポリジオルガノシロキサンドメインが生じやすくなる。一方で、流動性、耐衝撃性、および難燃性の観点からは、ポリジオルガノシロキサンドメインがある程度大きい方が有利であることから、上記の如く好ましい重合度の範囲が存在する。
なお、本発明においてポリジオルガノシロキサンドメインとは、ポリカーボネートのマトリックス中に分散したポリジオルガノシロキサンを主成分とするドメインをいい、他の成分を含んでもよい。上述の如く、ポリジオルガノシロキサンドメインは、マトリックスたるポリカーボネートとの相分離により構造が形成されることから、必ずしも単一の成分から構成されない。
共重合体全重量に占めるポリジオルガノシロキサン成分含有量は2〜20重量%が好ましい。かかるポリジオルガノシロキサン成分含有量はより好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは4〜20重量%である。かかる好適な範囲の下限以上では、耐衝撃性や難燃性に優れ、かかる好適な範囲の上限以下では、成形条件の影響を受けにくい安定した透明性が得られやすい。かかるジオルガノシロキサン重合度、およびポリジオルガノシロキサン含有量は、H−NMR測定により算出することが可能である。
上記共重合体の製造方法において、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、本発明の製造方法の妨げにならない範囲で、上記二価フェノール(I)、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)以外の他のコモノマーを共重合体の全重量に対して10重量%以下の範囲で併用することもできる。
本発明の製造方法においては、あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、二価フェノール(I)と、ホスゲンや二価フェノール(I)のクロロホルメート等のクロロホルメート形成性化合物との反応により、二価フェノール(I)のクロロホルメートおよび/または末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のカーボネートオリゴマーを含むクロロホルメート化合物の混合溶液を調製する。クロロホルメート形成性化合物としてはホスゲンが好適である。
二価フェノール(I)からのクロロホルメート化合物を生成するにあたり、用いられる二価フェノール(I)の全量を一度にクロロホルメート化合物としてもよく、又は、その一部を後添加モノマーとして後段の界面重縮合反応に反応原料として添加してもよい。後添加モノマーとは、後段の重縮合反応を速やかに進行させるために加えるものであり、必要のない場合には敢えて加える必要はない。
このクロロホルメート化合物生成反応の方法は特に限定はされないが、通常、酸結合剤の存在下、溶媒中で行う方式が好適である。更に、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、およびハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよく、添加することが好ましい。
クロロホルメート形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、好適なクロロホルメート形成性化合物であるホスゲンを使用する場合、ガス化したホスゲンを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにピリジンの如き有機塩基、あるいはこれらの混合物などが用いられる。
酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、二価フェノール(I)のクロロホルメート化合物の形成に使用する二価フェノール(I)1モルあたり(通常1モルは2当量に相当)、2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
前記溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の反応に不活性な溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、キシレンの如き炭化水素溶媒、並びに、塩化メチレンおよびクロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。特に塩化メチレンの如きハロゲン化炭化水素溶媒が好適に用いられる。得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の透明性向上のためには、固形分濃度を下げることが有効である。二価フェノール(I)の濃度は、好ましくは400g/L以下、より好ましくは300g/L以下、更に好ましくは250g/L以下である。二価フェノール(I)の濃度は、安定した透明性の点からは低いほど好ましいものの、製造効率の観点から、その下限は100g/L以上が好ましい。
水に不溶性の有機溶媒のモル比は二価フェノール(I)1モルあたり、好ましくは8モル以上、より好ましくは10モル以上、さらに好ましくは12モル以上、特に好ましくは14モル以上である。上限は特に制限されないが、装置の大きさやコストの面から50モル以下で充分である。二価フェノール(I)に対する有機溶媒のモル比をかかる範囲内とすることにより、ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズおよび規格化分散を、より適正値に制御しやすくなる。その結果、高シロキサン重合度のヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)(p+q>30)からなる共重合体であっても、安定して全光線透過率が高く、ヘイズの低いポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を与え得る。さらに、かかる共重合体は成形条件の透明性への影響が少なく、安定して透明性の高い成形品を与え得る。
クロロホルメート化合物の生成反応における圧力は特に制限はなく、常圧、加圧、もしくは減圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行うことが有利である。反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、反応に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は他の条件に左右され一概に規定できないが、通常、0.2〜10時間で行われる。
クロロホルメート化合物の生成反応におけるpH範囲は、公知の界面反応条件が利用でき、pHは通常10以上に調製される。
本発明においては、このようにして二価フェノール(I)のクロロホルメートおよび末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のカーボネートオリゴマーを含むクロロホルメート化合物の混合溶液を調整した後、該混合溶液を攪拌しながら式[5]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を、該混合溶液の調整にあたり仕込まれた二価フェノール(I)の量1モルあたり、0.01モル/min以下の速度で加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該クロロホーメート化合物とを界面重縮合させることにより、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を得る。本発明を何らかの理論により限定するものではないが、かかる方法により、所定のドメインサイズおよび該ドメインサイズの規格化分散を小さくできる理由を以下のように推察する。
従来の方法では、二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との混合物に対してホスゲンを反応させるため、二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との反応性の差から一方のモノマーのみからなる連鎖長の長いブロック共重合体が形成されやすい。さらには、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)が二価フェノール(I)からなる短鎖のカーボネートオリゴマーを介して結合した構造が形成されやすい。
一方、本発明のプロセスには、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)濃度の急増を抑制し、その結果、該モノマーと末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のカーボネートオリゴマーとの反応を着実に進展させ、未反応のヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の量を低減することができる。かかる低減は、二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との反応性の差を解消し、一方のモノマーのみからなる連鎖長の長いブロック共重合体や、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)が二価フェノール(I)からなる短鎖のカーボネートオリゴマーを介して結合した構造の形成確率を低下させると考えられる。これにより、ポリジオルガノシロキサンドメインサイズの規格化分散の小さい凝集構造が形成され、そして透明性が高く、成型条件に影響され難い熱安定性に優れた共重合体が得られると推測される。
上述のヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の添加速度が、0.01モル/minより速い場合、得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の成形品において、内部に分散したポリジオルガノシロキサンドメインサイズの規格化分散が40%を超え、透明性が悪化しやすくなる。さらに成形加工条件によっては良好な透明性が得られない、または成形加工条件により透明性がばらつきやすくなる。上述のヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の添加速度が0.0001モル当量/minよりも遅い場合、生産効率上好ましくなく、また得られる共重合体のポリジオルガノシロキサン成分含有量が少なくなり、分子量がばらつく傾向があるため好ましくない。したがって、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の添加速度の下限は実質的には0.0001モル当量/minである。ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の添加速度は、該混合溶液の調整にあたり仕込まれた二価フェノール(I)の量1モルあたり、より好ましくは0.005モル/min以下、更に好ましくは0.0025モル/min以下、特に好ましくは0.0015モル/min以下の速度であり、下限はより好ましくは0.0002モル/min以上の速度である。
また、均一分散性を高めるため、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、溶媒と混合して溶液状態で、末端クロロホルメート化合物を含有する混合溶液中に投入することが望ましい。該溶液の濃度は、反応を阻害しない範囲内で希薄であることが望ましく、好ましくは、0.01〜0.2モル/Lの範囲、より好ましくは0.02〜0.1モル/Lの範囲である。尚、かかる溶媒は特に限定されないものの、上述のクロロホルメート化合物の生成反応に使用する溶媒と同一が好ましく、特に塩化メチレンが好ましい。
界面重縮合反応を行うにあたり、酸結合剤を反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜追加してもよい。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにピリジンの如き有機塩基、あるいはこれらの混合物などが用いられる。具体的には、使用するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)、又は上記の如く二価フェノール(I)の一部を後添加モノマーとしてこの反応段階に添加する場合には、後添加分の二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との合計モル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量のアルカリを用いることが好ましい。
二価フェノール(I)のオリゴマーとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との界面重縮合反応は、上記混合液を激しく攪拌することにより行われる。
かかる重縮合反応においては、末端停止剤或いは分子量調節剤が通常使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、好ましくは100〜0.5モル、より好ましくは50〜2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加することができ、添加することが好ましい。特に好適にはトリエチルミンが利用される。
かかる重合反応の反応時間は、透明性を向上させるためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上であり、製造効率の点からその上限は好ましくは2時間以下、より好ましくは1.5時間以下である。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物と併用して分岐化ポリカーボネート共重合体とすることができる。かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
かかる分岐化ポリカーボネート共重合体の製造方法は、クロロホルメート化合物の生成反応時にその混合溶液中に分岐化剤が含まれる方法であっても、該生成反応終了後の界面重縮合反応時に分岐化剤が添加される方法であってもよい。分岐化剤由来のカーボネート構成単位の割合は、該共重合体を構成するカーボネート構成単位全量中、好ましくは0.005〜1.5モル%、より好ましくは0.01〜1.2モル%、特に好ましくは0.05〜1.0モル%である。なお、かかる分岐構造量についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
重縮合反応における系内の圧力は、減圧、常圧、もしくは加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は反応温度等の他の条件によって異なるので一概に規定はできないが、通常、0.5〜10時間で行われる。
場合により、得られたポリカーボネート共重合体に適宜物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所望の還元粘度[ηSP/c]のポリカーボネート共重合体として取得することもできる。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体として回収することができる。
ポリカーボネート樹脂の溶融流動特性を特徴付ける指標として構造粘性指数が用いられ、下記式(1)で表される。
Figure 2011046913
上式(1)において、Dは剪断速度(1/sec)、aは定数、σは剪断応力(Pa)、Nは構造粘性指数である。この構造粘性指数は、ISO11443に準拠して測定される。
構造粘性指数は成形加工における樹脂の流動性の指標となるとともに、燃焼時の滴下防止能の指標となりうる。N=1のときはニュートン流動性を示し、Nが大きくなるほど非ニュートン流動性が大きくなる。この構造粘性指数が高い場合、樹脂は溶融状態における粘度が高いため燃焼時に滴下しにくくなり、剪断速度が高くなると粘度が低下するため成形加工性に優れる。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体はNが1.55〜1.80の値を示すものである。Nが1.55以上の共重合体は燃焼時の火種の滴下が抑制され優れた難燃性を発現し、Nが1.80以下の共重合体は剪断粘度が低く成形加工性に優れるため好ましい。構造粘性指数Nは1.60〜1.80の範囲が好ましく、1.62〜1.78の範囲がより好ましい。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、その粘度平均分子量、ポリジオルガノシロキサン重合度、ポリジオルガノシロキサン含有量を各々特定範囲内として構造粘性指数を調整することにより、難燃性および成形加工性が有効に発揮される。
通常、樹脂の粘度平均分子量(Mv)が高いほど構造粘性指数が高くなるが、芳香族ポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量が高くなるにしたがい流動性が低下する。したがって、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は好ましくは1.60×10〜2.20×10、より好ましくは1.70×10〜2.10×10であり、さらに好ましくは1.80×10〜2.05×10である。かかる好適な範囲の下限以上であれば、多くの分野において実用上の機械的強度が得られ、かかる上限以下であれば高剪断速度における剪断粘度が低く、各種成形法、特に射出成形において好適である。
なお、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量の算出は次の要領で行なわれる。まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、良好な剪断流動性を維持しながら優れた難燃性を有しており、良好な成形加工性と溶融粘度の増大による滴下防止効果という両立し難い特性を両立するものである点において特徴的である。この驚くべき特徴は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の構造粘性指数が高く、同等粘度平均分子量のポリカーボネートホモポリマーと比較して、高剪断速度における粘度が同等であるのに対して低剪断速度における粘度が著しく高い現象に起因していると考えられる。この溶融粘度の剪断速度依存性はポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を構成するポリジオルガノシロキサン成分の重合度や含有量、さらには共重合体の製造方法により大きく異なり、本発明は良好な成形加工性と溶融粘度の増大による滴下防止効果を両立する範囲を特定した点において極めて有用である。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体において、ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズは、5〜40nmの範囲である。かかる平均サイズの下限は好ましくは6nmであり、より好ましくは7nmである。かかる平均サイズの上限は、好ましくは20nm、より好ましくは15nm、特に好ましくは12nmである。かかる範囲の下限未満では、耐衝撃性や難燃性が十分に発揮されず、かかる範囲の上限を超えると透明性が安定して発揮されない。
さらに、ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズが好適な範囲であっても、その規格化分散が40%を超えると良好かつ安定した透明性が発揮されない。かかるポリジオルガノシロキサンドメインサイズの規格化分散は40%以下であり、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。かかる規格化分散の下限は実用上5%以上が好ましく、7%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。かかる適切なドメインの平均サイズと、その規格化分散を有することにより、透明性と耐衝撃性、ならびに難燃性の両立に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体およびその成形品が提供される。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、射出成形により形成される厚み2.0mmの成形品において、その全光線透過率が88%以上であることが好ましい。かかる全光線透過率はより好ましくは88.5%以上、さらに好ましくは89%以上である。一方、その上限は好ましくは92%、より好ましくは91%、さらに好ましくは90%である。また、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる厚み2.0mmの成形品において、そのヘイズは0.3〜20%が好ましい。かかるヘイズは、より好ましくは0.5〜10%、さらに好ましくは0.6〜5%、特に好ましくは0.7〜2%である。
本発明に関連して用いる用語「全光線透過率」は、透明性のレベルを表示するもので、ASTM−D1003−61の方法E308による、入射光に対する透過光の比を意味する。本発明に関連して用いる用語「ヘイズ」は、透明性のレベルを表示するもので、試験片を通過する際に前方散乱により入射光束から逸れる透過光の割合(%)を意味する(ASTM−D1003−61)。すなわち、全光線透過率が高く、ヘイズが低いほど透明性に優れる。
本発明におけるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体成形品のポリジオルガノシロキサンドメインの平均ドメインサイズ、規格化分散は、小角エックス線散乱法(Small Angle X−ray Scattering:SAXS)により評価される。小角エックス線散乱法とは、散乱角(2θ)が10°未満の範囲の小角領域で生じる散漫な散乱・回折を測定する方法である。この小角エックス線散乱法では、物質中に電子密度の異なる1〜100nm程度の大きさの領域があると、その電子密度差によりエックス線の散漫散乱が計測される。この散乱角と散乱強度に基づいて測定対象物の粒子径を求める。ポリカーボネートポリマーのマトリックス中にポリジオルガノシロキサンドメインが分散した凝集構造となるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の場合、ポリカーボネートマトリックスとポリジオルガノシロキサンドメインの電子密度差により、エックス線の散漫散乱が生じる。散乱角(2θ)が10°未満の範囲の各散乱角(2θ)における散乱強度Iを測定して、小角エックス線散乱プロファイルを測定し、ポリジオルガノシロキサンドメインが球状ドメインであり、粒径分布のばらつきが存在すると仮定して、仮の粒径と仮の粒径分布モデルから、市販の解析ソフトウェアを用いてシミュレーションを行い、ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズと粒径分布(規格化分散)を求める。小角エックス線散乱法によれば、透過型電子顕微鏡による観察では正確に測定できない、ポリカーボネートポリマーのマトリックス中に分散したポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズと粒径分布を、精度よく、簡便に、かつ再現性良く測定することができる。
平均ドメインサイズとは個々のドメインサイズの数平均を意味する。規格化分散とは、粒径分布の広がりを平均サイズで規格化したパラメータを意味する。具体的には、ポリジオルガノシロキサンドメインサイズの分散を平均ドメインサイズで規格化した値であり、下記式(2)で表される。
Figure 2011046913
上記式(2)において、σはポリジオルガノシロキサンドメインサイズの標準偏差、Davは平均ドメインサイズである。
本発明に関連して用いる用語「平均ドメインサイズ」、「規格化分散」は、射出成形により形成される厚み1.0mmの成形品を用いて、小角エックス線散乱法により測定することにより得られる測定値を示す。具体的には、射出成形により成形した3段型プレート(幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.03μm)を用いて、厚み1.0mm部の端部より5mm、側部より5mmの交点におけるポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズと粒径分布(規格化分散)を小角エックス線散乱法により測定したものである。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。特記しない限り、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法に従った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
(2)ポリジオルガノシロキサン成分含有量
日本電子株式会社製 JNM−AL400を用い、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のH−NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。
(3)全光線透過率
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体パウダーをベント式二軸押出機(テクノベル(株)製, KZW15−25MG)によって、温度260℃で混錬し、ペレット化した。得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製, JSW J−75EIII)を用いて、成形温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)であり、算術平均粗さ(Ra)が0.03μmである3段型プレートを成形した。
かかる3段型プレートの厚み2.0mm部における全光線透過率を日本電飾工業(株)製 Haze Meter NDH 2000を用い、ASTM D1003に準拠し測定した。
(4)ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズと規格化分散
(3)で作成した3段型プレートを用いて、厚み1.0mm部の端部より5mm、側部より5mmの交点におけるポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズと粒径分布(規格化分散)を、X線回折装置((株)リガク社製 RINT−TTRII)を用いて測定した。X線源として、CuKα特性エックス線(波長0.1541841nm)、管電圧50kV、管電流300mAで行った。小角散乱光学系は、Slit:1st 0.03mm、HS 10mm、SS 0.2mm、RS 0.1mmとした。測定は、非対称走査法(2θスキャン)により、FT 0.01°ステップ、4sec/step、走査範囲 0.06−3°として実施した。カーブフィッティングの解析には、(株)リガク社製 小角散乱解析ソフトウェア NANO−Solver(Ver.3.3)を使用した。解析はポリカーボネートポリマーのマトリックス中にポリジオルガノシロキサンの球状ドメインが分散した凝集構造であり、粒径分布のばらつきが存在すると仮定して、ポリカーボネートマトリックスの密度を1.2g/cm、ポリジオルガノシロキサンドメインの密度を1.1g/cmとし、粒子間相互作用(粒子間干渉)を考慮しない孤立粒子モデルにて実施した。
(5)メルトボリュームレート(MVR)
ISO1133(JIS K 7210)に準拠して300℃、1.2kgfで測定した。得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥したものをサンプルとして用いた。
(6)構造粘性指数(N)
ISO11443(JIS K 7199)に準拠し、キャピラリー型レオメーター(東洋精機製作所(株)製 キャピログラフ1D)を使用し、キャピラリーとして東洋精機製作所(株)製 キャピラリー型式EF(径:1.0mm、長さ:10.0mm、L/D:10)を用いて、炉体温度300℃で、剪断速度D(60.8−6080 sec−1)に対する剪断応力σ(Pa)を測定し、それぞれの値を両対数グラフにプロットして得られる回帰直線の勾配から構造粘性指数Nを求めた。得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥したものをサンプルとして用いた。
(7)剪断粘度
(6)の方法により測定した剪断速度1.22×10sec−1における剪断粘度(Pa・s)を求めた。
(8)難燃性
得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製, JSW J−75EIII)によりシリンダー温度280℃、金型温度80℃で厚み3.2mmのUL94燃焼試験用の試験片を成形し、米国UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に準じて評価した。なお、V−0、V−1、V−2いずれの判定にもあてはまらないものについてはnotVと表記した。5本の試験片における溶融滴下(ドリップ)回数についても併せて記載した。
(9)滞留熱安定性
得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製, JSW J−75EIII)を用いシリンダー温度300℃で10分間滞留させたものとさせないものの上記3段型プレートをそれぞれ作成した。かかる3段型プレートの厚み2.0mm部におけるヘイズを日本電飾工業(株)製 Haze Meter NDH 2000を用い、ASTM D1003に準拠して測定し、その測定値の差よりΔヘイズを算出した。
[実施例1]
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3880部(17.07モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)1モルに対して10モル)を加え、撹拌下20〜30℃でホスゲン1900部を60分要して吹き込んだ。48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[5]で表される二価フェノール(II)として下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)430部(0.067モル)を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.0008モル/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。
Figure 2011046913
得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量、MVR、剪断粘度、構造粘性指数ならびにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体成形品の全光線透過率、ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズ、ポリジオルガノシロキサンドメインサイズの規格化分散を測定し、難燃性を評価した。滞留試験によるヘイズの変化を測定した。測定、評価結果を表1に示す。
[実施例2]
塩化メチレンを20387部(二価フェノール(I)1モルに対して14モル)用いた以外は、実施例1と同様にした。
[実施例3]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3860部用い、式[5]で表される二価フェノール(II)を681部を塩化メチレン2400部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.0012モル/minとなる速度で加えた以外は、実施例1と同様にした。
[比較例1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3897部用い、式[5]で表される二価フェノール(II)を205部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.0004モル/minとなる速度で加えた以外は、実施例1と同様にした。
[比較例2]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3889部用い、p−tert−ブチルフェノールを116部用い、式[5]で表される二価フェノール(II)として、下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1875)205部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.0004モル/minとなる速度で加えた以外は、実施例1と同様にした。
Figure 2011046913
[比較例3]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3867部用い、p−tert−ブチルフェノールを113部用い、式[5]で表される二価フェノール(II)429部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.0008モル/minとなる速度で加えた以外は、比較例2と同様にした。
[比較例4]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3840部用い、p−tert−ブチルフェノールを111部用い、式[5]で表される二価フェノール(II)678部を塩化メチレン2400部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.0012モル/minとなる速度で加えた以外は、比較例2と同様にした。
[比較例5]
p−tert−ブチルフェノールを77.6部用いた以外は、実施例2と同様にした。
[比較例6]
p−tert−ブチルフェノールを103部用いた以外は、比較例2と同様にした。
[比較例7]
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.07モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を60分要して吹き込んだ。48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[5]で表される二価フェノール(II)として上記ポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)205部(0.067モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を、二価フェノール(II)が二価フェノール(I)1モルに対して0.5モル/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られた共重合体を実施例1と同様に分析した。評価結果を表1に併記する。
[比較例8]
ビスフェノールA及び末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、並びにホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1250WP(商品名)、粘度平均分子量 23,900)。
[比較例9]
ビスフェノールA及び末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、並びにホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WX(商品名)、粘度平均分子量 19,700)。
Figure 2011046913
本発明のポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体は、粘度平均分子量が低く剪断流動性が高いにも関わらず優れた難燃性を発揮し、しかも滞留により透明性が悪化することなく高い全光線透過率の成形品が得られており、構造粘性指数と成形品の凝集構造を最適化することにより高度な成形加工性と優れた難燃性、および安定した透明性を併有することができることを明らかに実証している。
本発明において得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、高度な成形加工性と優れた難燃性を両立し、さらには透明性の良好な成形品を与えるため、かかる特性を活かし従来使用できなかった部品に用途展開が可能である。具体例としては、光学部品、電気・電子機器分野、自動車分野において幅広く使用することができる。さらに具体的には、光ディスクなどの各種光学ディスクおよび関連部材、電池ハウジングなどの各種ハウジング成形品、鏡筒、メモリーカード、スピーカーコーン、ディスクカートリッジ、面発光体、マイクロマシン用機構部品、ヒンジ付き成形品またはヒンジ用成形品、透光・導光型ボタン類、タッチパネル部品などが例示される。

Claims (8)

  1. 下記式[1]で表されるポリカーボネートブロックと、下記式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックとからなり、ポリカーボネートポリマーのマトリックス中にポリジオルガノシロキサンドメインが分散した凝集構造であり、該ポリジオルガノシロキサンドメインの平均サイズが5〜40nm、規格化分散が40%以下であり、粘度平均分子量が1.60×10〜2.20×10であり、構造粘性指数(N)が1.55〜1.80であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
    Figure 2011046913
    [上記式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
    Figure 2011046913
    (上記式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
    Figure 2011046913
    (上記式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは100未満の自然数である。XはC〜Cの二価脂肪族基である。)
  2. 式[3]におけるp+qが30〜60である、請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  3. ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の全重量を基準にして式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが2〜20重量%である、請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  4. 全光線透過率が88%以上である、請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  5. 請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成形品。
  6. 請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる厚みが0.1〜2.0mmである射出成形品。
  7. あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における式[4]で表わされる二価フェノール(I)とホスゲンとの反応により、二価フェノール(I)のクロロホーメートおよび/または末端クロロホーメート基を有する二価フェノール(I)のカーボネートオリゴマーを含むクロロホーメート化合物の混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液を攪拌しながら式[5]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を、該混合溶液の調整にあたり仕込まれた二価フェノール(I)の量1モルあたり、0.01モル/min以下の速度で加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該クロロホーメート化合物とを界面重縮合させることを特徴とする、請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
    Figure 2011046913
    (式中、R、R、e、f及びWは前記と同じである。)
    Figure 2011046913
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、p、q及びXは前記と同じである。)
  8. 水に不溶性の有機溶媒を、式[4]で表わされる二価フェノール(I)1モルあたり、12モル以上使用する、請求項7記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
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