JP5746558B2 - 樹脂積層体 - Google Patents
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Description
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂層の少なくとも片面に(B)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート成分と下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサン成分からなり、ポリジオルガノシロキサン成分重量比が0.1〜20重量%であり、厚みが10〜50μmであるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層を積層してなる樹脂積層体。
厚み方向の全光線透過率が89%以上である、前記1記載の樹脂積層体。
(構成3)
樹脂積層体の総厚さが0.2〜2.0mmである、前記1記載の樹脂積層体。
(構成4)
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と、(B)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート成分と上記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサン成分からなるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂を共押出しすることによる前記1記載の樹脂積層体の製造方法。
(構成5)
上記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサン成分重量比が0.1〜20重量%であり、厚みが10〜50μmである、前記4記載の樹脂積層体の製造方法。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明の樹脂積層体に用いられるポリカーボネート樹脂は二価フェノールとカーボネート前駆体を溶液法又は溶融法で反応させて製造される芳香族ポリカーボネート樹脂である。
ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、上記二価フェノールを単独で又は二種以上併用することができ、また必要に応じて分子量調節剤、分岐剤、触媒等を用いることができる。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
本発明で樹脂積層体に用いられるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂は、一般式[4]で表される二価フェノール(I)と一般式[5]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の界面重縮合反応により製造される。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
本発明において、樹脂積層体は共押出し法によって成形される。すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂を押出す一つのメイン押出機と、被覆層を構成するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン樹脂を押出すサブ押出機により構成され、通常サブ押出機はメイン押出機より小型のものが採用される。メイン押出機の温度条件は、通常230〜2 90℃、好ましくは240〜280℃であり、サブ押出機の温度条件は、通常230〜2 90℃、好ましくは240〜280℃である。また、樹脂中の異物を除去するために押出機のTダイより上流側にポリマーフィルターを設置することが好ましい。2種の溶融樹脂を積層する方法としては、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式などの公知の方法を用いることができる。この場合、フィードブロックで積層された溶融樹脂はTダイなどのシート成形ダイに導かれ、シート状に成形された後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリッシングロール)に流入して、バンクを形成する。このシート状成形物は、成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却が行われ、積層体が形成される。また、マルチマニホールドダイの場合は、該ダイ内で積層された溶融樹脂は同様にダイ内部でシート状に成形された後、成形ロールにて表面仕上げおよび冷却が行われ、積層体が形成される。ダイの温度としては、通常250〜320℃、好ましくは270〜300℃であり、成形ロール温度としては、通常100〜190℃ 、好ましくは110〜180℃である。ロールは縦型ロールまたは、横型ロールを適宜使用することができる。
本発明の樹脂積層体は、ポリカーボネート系樹脂シートの少なくとも片面にポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層が積層された樹脂積層体であり、透明性に優れ、且つ油分付着防止性に優れた積層体である。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層の厚さは、10〜200μmの範囲であり、好ましくは20〜100μmの範囲である。かかる好適な範囲の下限以下においてはポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン樹脂層の厚み制御が製造上困難となる。かかる好適な範囲の上限以下において透明性と指紋付着防止性が有効に発揮される。ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン樹脂のみからなる単層シートの場合、指紋付着防止性が優れるものの十分に透明性に優れたシートが得られない。ポリカーボネート樹脂シート表面にポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン樹脂を10〜200μmの薄層として積層することにより、指紋付着防止性を付与しつつ、高度な透明性を実現することができる。共押出し法による成形により、斯様な積層体を連続的に、且つ安定して生産することが可能となる。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層は、芳香族ポリカーボネート樹脂0〜90重量%とポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂10〜90重量%のブレンド物から構成されてもよい。
全光線透過率は、透明性のレベルを表示するもので、ASTM−D1003−61の方法E308による、入射光に対する透過光の比を意味する。本発明に関連して用いる用語「ヘイズ」は、透明性のレベルを表示するもので、試験片を通過する際に前方散乱により入射光束から逸れる透過光の割合(%)を意味する(ASTM−D1003−61)。すなわち、全光線透過率が高く、ヘイズが低いほど透明性に優れる。
なお、ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂には、必要に応じて他の成分、例えば、紫外線吸収剤、有機系染料、無機系染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤などを配合してもよい。
ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂の粘度平均分子量は、以下の方法で測定・算出したものである。
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
日本電子株式会社製 JNM−AL400を用い、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂の1H−NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。
実施例で得られた樹脂積層体を温度23℃、湿度50%RHの室内に24時間静置させた後、同室内でポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン層側にオレイン酸を塗布し、ベンコット(旭化成社製)で拭き取り油分の残存状態を目視にて評価した。
○:油分の残存が少なく、目立たない
×:油分が濡れ広がり、目立つ
実施例で得られた樹脂積層体の厚み方向の全光線透過率値(Tt)とヘイズ値(Haze)をJIS K 7361−1、JIS K 7136に準拠して測定した。
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を60分要して吹き込んだ。48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[5]で表される二価フェノール(II)として下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)430部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。(式[7])
式[5]で表される二価フェノール(II)(信越化学工業(株)製 X−22−1821)215部用いた以外は、実施例1と同様にした。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂のシロキサン重合度は37、シロキサン含有量は4.2wt%であった。
式[5]で表される二価フェノール(II)として、下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1822E)215部用いた以外は、実施例1と同様にした。(式[8])得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂のシロキサン重合度は105、シロキサン含有量は4.3wt%であった。
式[5]で表される二価フェノール(II)として、下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1875)を215部用いた以外は、実施例1と同様にした。(式[9])得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂のシロキサン重合度は24、シロキサン含有量は4.0wt%であった。
ポリカーボネート樹脂を押出す押出機は、スクリュー径40mm、スクリュウのL/D=35の単軸押出機で、シリンダー温度270℃に設定した。また、被覆層を形成するポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂を押出す押出機は、スクリュー径30mm、スクリュウのL/D=32の単軸押出機で、シリンダー温度270℃に設定した。2種類の樹脂を同時に溶融押出し、フィードブロック法にて2層に積層させ、設定温度280℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトL−1225、粘度平均分子量22,400)の片面に、表1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂を積層した樹脂積層体を得た。ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた横型配置の3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度11 0℃、2番ロール温度140℃、3番ロール温度185℃に設定した。最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させ、3m/分の速度で引き取り、共押出シートを押出しした。なお、メイン押出機とサブ押出機の吐出量比を調整することにより、共押出シートの総厚み、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層の厚みを調整した。共押出シートの総厚み、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層の厚みは表1に示した通りである。
ポリカーボネートシート(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトシートPC−1151、粘度平均分子量23,800)を用いた。
Claims (5)
- (A)芳香族ポリカーボネート樹脂層の少なくとも片面に(B)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート成分と下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサン成分からなり、ポリジオルガノシロキサン成分重量比が0.1〜20重量%であり、厚みが10〜50μmであるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂層を積層してなる樹脂積層体。
- 厚み方向の全光線透過率が89%以上である、請求項1記載の樹脂積層体。
- 樹脂積層体の総厚さが0.2〜2.0mmである、請求項1記載の樹脂積層体。
- (A)芳香族ポリカーボネート樹脂と、(B)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート成分と上記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサン成分からなるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂を共押出しすることによる請求項1記載の樹脂積層体の製造方法。
- 上記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサン成分重量比が0.1〜20重量%であり、厚みが10〜50μmである、請求項4記載の樹脂積層体の製造方法。
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