JP2011173989A - ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法 Download PDF

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Manabu Matsui
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Abstract

【課題】第三級アミン触媒を用いることなく、透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を工業的規模で効率よく、且つ安定的に製造する方法を提供する。
【解決手段】あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、二価フェノール(I)とホスゲンとの反応により、末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液中にヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を加え高乳化状態を形成し、高乳化状態を維持して、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーとを界面重縮合させるにあたり、第三級アミン触媒を使用することなく、水に不溶性の有機溶媒を二価フェノール(I)1モルあたり12モル以上使用することを特徴とする、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法に関する。さらに具体的には、透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を無触媒法により効率よく安定的に製造する方法を提供せんとするものである。
ポリカーボネートは、耐衝撃性に優れ、高い熱変形温度と透明性を有するので、成形品の製造に広く用いられているが、ビスフェノールAなど一般的な原料を用いたものでは性能的に十分でない点もあり、用途分野の拡大に伴って更に性能の優れたポリカーボネートの開発が望まれている。そこで、拡大する用途に適合させるために、ビスフェノールA(BPA)などの一般的なモノマー原料に各種の共重合モノマー単位を導入することによる共重合体に関する研究が行われてきている。それら共重合体の研究において、特にBPAとポリジオルガノシロキサンコモノマーからなるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、BPAホモポリカーボネートと比較して、難燃性や低温耐衝撃性に優れることが知られている(特許文献1−3)。
しかしながら、透明な(即ち高全光線透過率及び低ヘイズ)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を製造することは難しいとされている。ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は通例、界面反応条件下でBPAのような二価フェノールとポリジオルガノシロキサン含有ビスフェノールとの混合物中にホスゲンを導入し、トリエチルアミン等の第三級アミンを触媒として重合することによって製造される。例えば、特許文献3−6には、ポリジオルガノシロキサン含有ビスフェノールをBPAのような二価フェノールとともに水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、さらに塩化メチレンを加えた懸濁溶液に対してホスゲンを導入して反応させる製造方法が開示されている。かかる製造方法により得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、白濁し不透明である。
透明ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を製造する従来の試みが、特許文献7〜特許文献11に記載されている。かかる製造方法はある程度透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を与えるものの、トリエチルアミン等の第三級アミン触媒を用いるため色相、滞留安定性等ポリマー品質向上のためには触媒を除去する工程が必要であり、製造設備が大型化してしまう問題点がある。更に、残存触媒により製品品質が安定し難いという問題点もある。この様な事情から、トリエチルアミン等の第三級アミン触媒を使用することなく透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を製造する方法が要望されている。
特許文献12には、トリエチルアミン等の第三級アミン触媒を使用することなく芳香族ポリカーボネートを製造する方法が開示されている。しかしながら、当該製造方法でポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を製造すると、極めてヘイズが高く、ほとんど不透明なポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体が得られるという問題がある。
特開平5−186675号公報 特開平5−247195号公報 特許第2662310号公報 特開平3−79626号公報 特開平4−202466号公報 特開平5−88398号公報 特開平6−100684号公報 特開平6−263865号公報 特開平8−169947号公報 特表2006−518803号公報 特表2005−535761号公報 特開平4−277521号公報
本発明は、第三級アミン触媒を用いることなく、透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を工業的規模で効率よく、且つ安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、二価フェノール化合物とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとの共重合を行うに際し、あらかじめ二価フェノール化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを水に不溶性の有機溶剤の存在下反応させて、末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを製造した後、該混合溶液中にヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンを加え高乳化状態を形成し、これを維持して重合させるにあたり、二価フェノール化合物に対する水に不溶性の有機溶媒のモル比を調整することにより、第三級アミン触媒を使用することなく、透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。本発明によれば、上記課題は下記構成により解決される。
(構成1)
あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、式[1]で表わされる二価フェノール(I)とホスゲンとの反応により、末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液中に式[3]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を加え高乳化状態を形成し、高乳化状態を維持して、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーとを界面重縮合させるにあたり、第三級アミン触媒を使用することなく、水に不溶性の有機溶媒を式[1]で表わされる二価フェノール(I)1モルあたり12モル以上使用することを特徴とする、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
Figure 2011173989
[上記式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
Figure 2011173989
(上記式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
Figure 2011173989
(上記式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは500未満の自然数である。XはC〜Cの二価脂肪族基である。)
(構成2)
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、そのヘイズが10%以下である、前項1記載の製造方法。
(構成3)
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、その全光線透過率が89%以上である、前項1記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、トリエチルアミンの如き第三級アミン触媒を使用することなく透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を得ることができる。本発明の製造方法によって得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は透明性に優れるため産業用資材一般、電気電子機器部品の素材として極めて有用なものであり、その奏する工業的効果は格別である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の製造方法で用いられる式[1]で表される二価フェノール(I)としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’−ジフェニル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’−(1,3−アダマンタンジイル)ジフェノール、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
なかでも、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−スルホニルジフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
式[3]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)としては、例えば次に示すような化合物が好適に用いられる。
Figure 2011173989
(上記式において、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは500未満の自然数である。)
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有するフェノール類、好適にはビニルフェノール、2−アリルフェノール、イソプロペニルフェノール、2−メトキシ−4−アリルフェノールを所定の重合度を有するポリシロキサン鎖の末端に、ハイドロシリレーション反応させることにより容易に製造される。なかでも、(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンが好ましく、殊に(2−アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサン、(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサンが好ましい。
また、高度な透明性を実現するためにヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)のジオルガノシロキサン重合度(p+q)は100未満が好ましい。かかるジオルガノシロキサン重合度(p+q)はより好ましくは5〜70、さらに好ましくは20〜60、特に好ましくは30〜40である。かかる好適な範囲の下限以上では耐衝撃性や難燃性に優れ、かかる好適な範囲の上限以下では透明性に優れる。かかる重合度は平均重合度を表す。
共重合体全重量に占めるポリジオルガノシロキサン含有量は0.1〜50重量%が好ましい。かかるポリジオルガノシロキサン成分含有量はより好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。
かかる好適な範囲の下限以上では、耐衝撃性や難燃性に優れ、かかる好適な範囲の上限以下では成形条件の影響を受け難い安定した透明性が得られ易い。かかるジオルガノシロキサン重合度、ポリジオルガノシロキサン含有量は、H−NMR測定により算出することが可能である。
本発明の方法において、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。また、本発明の方法の妨げにならない範囲で、上記二価フェノール(I)、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)以外の他のコモノマーを共重合体の全重量に対して10重量%以下の範囲で併用することもできる。
本発明の製造方法においては、あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、二価フェノール(I)とホスゲンとの反応により、末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製する。
二価フェノール(I)のオリゴマーを生成するにあたり、本発明の製造方法に用いられる二価フェノール(I)の全量を一度にオリゴマーにしてもよく、又は、その一部を後添加モノマーとして後段の界面重縮合反応に反応原料として添加してもよい。後添加モノマーとは、後段の重縮合反応を速やかに進行させるために加えるものであり、必要のない場合には敢えて加える必要はない。
このオリゴマー生成反応の方法は特に限定はされないが、通常、酸結合剤の存在下、溶媒中で行う方法が好適に採用される。さらに、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
ホスゲンの使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲンはガス状態で反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基、あるいはこれらの混合物などが用いられる。
酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、オリゴマーの形成に使用する二価フェノール(I)1モル(通常1モルは2当量に相当)に対して、2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
前記有機溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の反応に不活性な溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。特にハロゲン化炭化水素溶媒が好適に用いられ、なかでも塩化メチレンが好ましい。
オリゴマー生成の反応圧力は特に制限はなく、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行うことが有利である。反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、反応に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は他の条件に左右され一概に規定できないが、通常、0.2〜10時間で行われる。
オリゴマー生成反応のpH範囲は、公知の界面反応条件と同様であり、pHは常に10以上に調製される。
本発明においては、このようにして末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のオリゴマーを含む混合溶液を得た後、該混合溶液中にヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を加え高乳化状態を形成し、この高乳化状態を維持して、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーとを界面重縮合させることにより、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を得る。
界面重縮合反応を行うにあたり、二価フェノール(I)1モルあたり、水に不溶性の有機溶媒を12モル以上使用することが必要であり、14モル以上使用することが好ましい。上限は特に制限されないが、装置の大きさやコストの面から50モル以下が好ましく、40モル以下がより好ましく、30モル以下がさらに好ましい。二価フェノール(I)に対する有機溶媒のモル比を上記範囲内とすることにより、全光線透過率が高く、ヘイズが低い透明性に優れたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を得ることができる。特に高度な透明性を発揮しにくい高シロキサン重合度のヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)(p+q>30)からなる共重合体の場合に、かかる高度の透明性の効果は顕著である。さらに、かかる共重合体は成形条件の透明性への影響が少なく、安定して透明性の高い成形品を与え得る。
また、界面重縮合反応を行うにあたり、酸結合剤を反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜追加してもよい。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基、あるいはこれらの混合物などが用いられる。具体的には、使用するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)、又は上記の如く二価フェノール(I)の一部を後添加モノマーとしてこの反応段階に添加する場合には、後添加分の二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との合計1モル(通常1モルは2当量に相当)に対して、2当量若しくはこれより過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
また、分子量調節剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、好ましくは0.5〜100モル、より好ましくは2〜50モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
界面重縮合反応に際して、反応混合物を高乳化状態にする方法としては、任意の方法が採用される。例えばホモミキサー、攪拌翼付タンク、スタティックミキサー等を用いる方法が挙げられ、特にホモミキサーを用いる方法は乳化液滴を微小化できるため好ましい。なお、高乳化に際し、反応混合物の温度を25〜35℃に調整することは、高乳化後の重縮合反応が容易に進行し、反応終了後の精製も容易になるため好ましい。
重縮合反応は上記方法により製造した高乳化物を激しく攪拌する方法で行ってもよく、あるいは該高乳化物を静置させる方法で行ってもよい。なかでも静置させる方法が好ましい。静置重縮合反応は、高乳化された反応混合物を静置状態で25−35℃に保持することによって重縮合反応が進行する。重縮合反応の終点は乳化状態の崩壊によって判明し、この終点即ち目的とする共重合体の重合度は高乳化前に添加する分子量調節剤の量によって定まる。なお、ここで言う静置とは、攪拌機等で攪拌しないことは勿論のこと、スタティックミキサー、オリフィスミキサー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波等のように強制的、意図的に混合を与えるような装置を使用しないことを意味する。
かかる重縮合反応の反応時間は、透明性を向上させるためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上である。反応時間が長すぎると透明性が低下するため、反応時間の好適な範囲は30分以上、6時間未満である。
本発明の方法においては、次式で表されるトリエチルアミン、エチルモルホリンなどの第三級アミン触媒を使用しない。
Figure 2011173989
(式中、R21の各々は独立に炭素原子数2〜10のアルキル基から選択される。)
本発明の製造方法においては、所望に応じ、第四級アンモニウム塩を始めとする相間移動触媒を使用することができる。相間移動触媒は水溶性反応体を界面越しに有機相中に移行させる機能をもち、有機相中で均質反応が速やかに起こり得る。したがって、水溶性求核剤の関与する反応では、相間移動触媒を添加すれば求核剤はイオン対として有機相中に移行し、そこで有機試薬(ホスゲン)と反応する。陽イオン触媒が水性相に移動して戻ることでサイクルが完成する。相間移動触媒は一般にそれらの製造方法と同様に当技術分野において周知であり、窒素、リン、ヒ素、ビスマス、アンチモンなどを中心原子とする第四塩及び第四樹脂;アミン塩、アンモニウム塩、クラウンエーテル、ポリエーテル、クリプタンド、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、アンチモニウム塩、ビスマソニウム塩、α−ホスホリルスルホキシド、スルホン、スルフィドなどが挙げられる。
本発明においては、分岐化剤を上記の二価フェノール化合物と併用して分岐化することができる。かかる分岐化剤としては、フロログルシン、フロログルシド、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
分岐化剤の使用割合は、二価フェノール化合物に対して好ましくは0.001〜1モル%、より好ましくは0.005〜0.9モル%、さらに好ましくは0.01〜0.8モル%、特に好ましくは0.05〜0.4モル%である。
界面重縮合反応の際の反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は反応温度等の他の条件によって異なるので一概に規定はできないが、通常、0.5〜10時間で行われる。
本発明において、反応のプロセスはバッチ法でも、また連続法でもよい。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体として回収することができる。
得られた反応生成物(粗生成物)は、未反応芳香族ジヒドロキシ化合物や副生成物の塩化物、炭酸塩、苛性アルカリから成る水相とポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の有機溶媒溶液から成る有機相とに分離する。分離が不十分な場合は、静置分離や遠心分離などの手段を用いて分離させる。通常、重合反応後のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体溶液は、4〜27重量%の濃度として得られるが、分離性を向上させるため、あらかじめ19重量%以下の濃度になるまで希釈しておくことが好ましい。分離された有機相は、必要に応じて、塩酸水溶液のような酸性水溶液を使用して、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体溶液中の塩基性成分などを抽出除去しておくこと、あるいは水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリ水溶液を使用して、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体溶液中の未反応モノマーである二価フェノール化合物などを抽出除去しておくことができる。
次いで、分離された有機相を水で洗浄することにより不純物を除去する。この工程に使用される水は、導電率が好ましくは50μS/cm以下、より好ましくは10μS/cm以下、さらに好ましくは1μS/cm以下のものが有利である。具体的には精製された水であり、例えば蒸留水やイオン交換水が使用される。水による洗浄操作は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体溶液と水とを混合し、攪拌した後、有機相と水相を分液し、有機相を取り出すことにより実施される。
この工程における水洗浄は、少なくとも1回、好ましくは1〜3回実施される。この水洗浄の回数は、使用する水の純度や使用量によっても変わる。通常1回に使用される水の量はポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体溶液100容量部当り好ましくは5〜200容量部、より好ましくは10〜100容量部の範囲である。
分離精製された樹脂溶液は、攪拌下の温水に滴下する、ニーダーなどに投入するなど従来の方法によって粒状化することが可能である。溶媒や水分を含むポリカーボネート樹脂粒状体を、乾燥機により乾燥させることにより、押出加工や成形加工に適した粒状物が得られる。
本発明の製造方法により得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は1.0×10〜5.0×10の範囲が好ましく、1.3×10〜3.0×10の範囲がより好ましく、1.5×10〜2.5×10の範囲がさらに好ましい。ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量が1.0×10未満では、多くの分野において実用上の機械的強度が得られにくく、5.0×10を超えると、溶融粘度が高く、概して高い成形加工温度を必要とするため、樹脂の熱劣化などの不具合を生じ易い。
本発明でいう粘度平均分子量は、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、射出成形により形成される厚み2.0mmの成形品において、その全光線透過率は75%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、88%以上がさらに好ましく、89%以上が特に好ましい。一方、その上限は好ましくは92%、より好ましくは91.5%である。
また、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる厚み2.0mmの成形品において、そのヘイズは20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましく、2%以下が特に好ましい。一方、その下限は好ましくは0.3%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましい。
本発明に関連して用いる用語「全光線透過率」は、透明性のレベルを表示するもので、ASTM−D1003−61の方法E308による、入射光に対する透過光の比を意味する。本発明に関連して用いる用語「ヘイズ」は、透明性のレベルを表示するもので、試験片を通過する際に前方散乱により入射光束から逸れる透過光の割合(%)を意味する(ASTM−D1003−61)。すなわち、全光線透過率が高く、ヘイズが低いほど透明性に優れる。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。特記しない限り、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法に従った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出した。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
(2)ポリジオルガノシロキサン成分含有量
日本電子株式会社製 JNM−AL400を用い、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のH−NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。
(3)全光線透過率、ヘイズ
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体パウダーをベント式二軸押出機(テクノベル(株)製、KZW15−25MG)によって、温度260℃で混錬し、ペレット化した。得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、JSW J−75EIII)を用いて、成形温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。
かかる3段型プレートの厚み2.0mm部における全光線透過率とヘイズを日本電飾工業(株)製 Haze Meter NDH 2000を用い、ASTM D1003に準拠し測定した。
[実施例1]
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水13980部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液2956部を入れ、式[1]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3395部およびハイドロサルファイト6.8部を溶解した後、塩化メチレン11420部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。
48.5%水酸化ナトリウム水溶液431部、塩化メチレン6346部、p−tert−ブチルフェノール85部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[3]で表される二価フェノール(II)として下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)179重量部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加えた後、SL型ホモミキサーにより回転数8000rpmで2分間攪拌することにより高度の乳化状態として、その後攪拌せずに静置状態で35±1℃に2時間保持して重合反応を行った(ビスフェノールA1モルあたり塩化メチレン14モル)。
反応終了後、塩化メチレンを加えて有機相のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体濃度が12重量%になるまで希釈し、水相を分離除去した後、充分に水洗した。次いで、この樹脂溶液を温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発させ、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の粒状体を得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥した。
得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量、ポリジオルガノシロキサン成分含有量、ならびにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体成形品の全光線透過率、ヘイズを測定した。測定結果を表1に示した。
Figure 2011173989
[実施例2]
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水13980部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液2956部を入れ、式[1]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3395部およびハイドロサルファイト6.8部を溶解した後、塩化メチレン11420部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。
48.5%水酸化ナトリウム水溶液431部、塩化メチレン11420部、p−tert−ブチルフェノール85部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[3]で表される二価フェノール(II)として前記ポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)179重量部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加えた後、SL型ホモミキサーにより回転数8000rpmで2分間攪拌することにより高度の乳化状態として、その後攪拌せずに静置状態で35±1℃に2時間保持して重合反応を行った(ビスフェノールA1モルあたり塩化メチレン18モル)。
反応終了後、塩化メチレンを加えて有機相のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体濃度が12重量%になるまで希釈し、水相を分離除去した後、充分に水洗した。次いで、この樹脂溶液を温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発させ、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の粒状体を得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥した。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の測定結果を表1に示した。
[実施例3]
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水13980部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液2956部を入れ、式[1]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3395部およびハイドロサルファイト6.8部を溶解した後、塩化メチレン11420部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。
48.5%水酸化ナトリウム水溶液431部、塩化メチレン16500部、p−tert−ブチルフェノール85部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[3]で表される二価フェノール(II)として前記ポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)179重量部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加えた後、SL型ホモミキサーにより回転数8000rpmで2分間攪拌することにより高度の乳化状態として、その後攪拌せずに静置状態で35±1℃に5時間保持して重合反応を行った(ビスフェノールA1モルあたり塩化メチレン22モル)。
反応終了後、塩化メチレンを加えて有機相のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体濃度が12重量%になるまで希釈し、水相を分離除去した後、充分に水洗した。次いで、この樹脂溶液を温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発させ、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の粒状体を得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥した。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の測定結果を表1に示した。
[比較例1]
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水13980部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液2956部を入れ、式[1]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3395部およびハイドロサルファイト6.8部を溶解した後、塩化メチレン12692部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。
48.5%水酸化ナトリウム水溶液431部、p−tert−ブチルフェノール85部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら式[3]で表される二価フェノール(II)として前記ポリジオルガノシロキサン化合物(信越化学工業(株)製 X−22−1821)179重量部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加えた後、SL型ホモミキサーにより回転数8000rpmで2分間攪拌することにより高度の乳化状態として、その後攪拌せずに静置状態で35±1℃に5時間保持して重合反応を行った(ビスフェノールA1モルあたり塩化メチレン10モル)。
反応終了後、塩化メチレンを加えて有機相のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体濃度が12重量%になるまで希釈し、水相を分離除去した後、充分に水洗した。次いで、この樹脂溶液を温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発させ、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の粒状体を得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥した。得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の測定結果を表1に示した。
Figure 2011173989
本発明の製造方法によって得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、産業用資材一般、電気電子機器部品の素材として有用である。

Claims (3)

  1. あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、式[1]で表わされる二価フェノール(I)とホスゲンとの反応により、末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液中に式[3]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を加え高乳化状態を形成し、高乳化状態を維持して、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーとを界面重縮合させるにあたり、第三級アミン触媒を使用することなく、水に不溶性の有機溶媒を式[1]で表わされる二価フェノール(I)1モルあたり12モル以上使用することを特徴とする、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
    Figure 2011173989
    [上記式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
    Figure 2011173989
    (上記式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
    Figure 2011173989
    (上記式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは500未満の自然数である。XはC〜Cの二価脂肪族基である。)
  2. ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、そのヘイズが10%以下である、請求項1記載の製造方法。
  3. ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、その全光線透過率が89%以上である、請求項1記載の製造方法。
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