JP2011042791A - フォトクロミック材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々のポリマー材料に組み込まれ得るフォトクロミック材料の提供。
【解決手段】(a)少なくとも1つの開環可能な環式モノマーと、(b)フォトクロミック開始剤との反応生成物とを含むフォトクロミック材料。他の非限定的な実施形態は、以下の式(I):
Figure 2011042791

によって表されるフォトクロミック材料で、具体的には下記構造の化合物が例示される。
Figure 2011042791

a;1〜165。フォトクロミック組成物および光学素子を作製する方法もまた、開示される。
【選択図】図1

Description

本明細書中に開示される種々の実施形態は、一般に、少なくとも1つの可撓性セグメントが結合した材料に関し、より具体的には、結合した少なくとも1つの開環した環式モノマーを含むフォトクロミック材料に関する。他の非限定的な実施形態は、フォトクロミック組成物および光学素子(例えば、眼科用レンズであるが、これに限定されない)に関し、これには本開示のフォトクロミック材料が挙げられる。
フォトクロミック材料は、ポリマー材料に組み込まれて、そのポリマー材料に所望の光学特性を付与し得る。例えば、フォトクロミック材料は、ポリマー材料およびそこに適用されるポリマーコーティングに首尾よく組み込まれ、このポリマー材料は、眼科用レンズを形成するために使用される。代表的に、フォトクロミック材料が組み込まれるポリマー材料は、比較的軟質であり、従って機械的損傷(例えば、毛羽立ちおよび引っかき傷)を受けやすい。一般的に、特定の製造物品(例えば、眼科用レンズ)がそのような損傷を受けやすいことは所望されないので、しばしば1種以上の「ハードコーティング」がその物品の表面に適用されて、とりわけ、磨耗耐性を強化する。例えば、ハードコーティングは、慣用的に、「軟質」ポリマー材料から形成される眼科用レンズの表面に適用され、それらの磨耗耐性を強化する。
しかしながら、特定の条件下において、フォトクロミック材料は軟質ポリマー材料(この材料にそのフォトクロミック材料が組み込まれる)からそのような他の硬質コーティングの中へと移動する傾向を有することが観察されている。フォトクロミック材料のフォトクロミック能力(例えば、そのフォトクロミック材料の呈色(または能動)速度および消光速度)は、そのフォトクロミック材料の局所的な周辺環境により影響されるので、移動はフォトクロミック材料の性能を悪化させる。一般的に述べると、有機フォトクロミック材料に関して、呈色または消光が起こるために必要とされる時間は、そのフォトクロミック材料を取り囲む局所的環境の硬度に伴って上昇する傾向を有する。従って、フォトクロミック材料が比較的軟質または可撓性の環境から、比較的硬質または剛性の環境に移動する場合、その物質のフォトクロミック性能は低下し得る。その結果、移動はフォトクロミック材料の有用性の低下、およびそのフォトクロミック材料が組み込まれるコーティングまたは物品の有用性の低下を生じる。
ポリマー材料中のフォトクロミック材料の移動を低減させる1つの方法は、そのフォトクロミック材料とポリマー材料とを結合させることである。例えば、ポリマー材料中に重合され得る、比較的短い有機鎖セグメントを有するフォトクロミック材料が、開示されている。このようなフォトクロミック材料は、フォトクロミック材料のポリマー材料への結合により付与される物理的拘束に起因して、ポリマー材料中で移動することが低下した傾向を有する。しかしながら、このような短い有機鎖セグメントを使用したフォトクロミック材料とポリマー材料との結合は、ポリマー材料に結合されてない同様なフォトクロミック材料と比較して、フォトクロミック材料の呈色速度および消光速度を低下させる効果を有し得る。さらに、いくつかのフォトクロミック材料に関して、短い有機鎖セグメントを、そのフォトクロミック材料の「能動」部分(すなわち、光線の照射に曝されて1つの状態から別の状態への可逆的転換を受けるフォトクロミック材料の部分)から離れた位置に配置することが好ましい。すなわち、いくつかのフォトクロミック材料に関して、その鎖セグメントがフォトクロミック材料の能動部位からごく近くに配置されている場合、そのフォトクロミック材料が転換する能力が妨害され得る。従って、材料のフォトクロミック性能が低下され得る。
フォトクロミック材料の消光速度を改変する他の方法は、移動を低減させることではなく、その材料のフォトクロミック性能が取り込まれるポリマー物質の硬さによって相対的に影響されないように、そのフォトクロミック材料周囲に比較的「軟質」環境を作製することに集中している。例えば、フォトクロミック部分と少なくとも1つのペンダントオリゴマー基との付加物であるフォトクロミック材料が開示されている。しかしながら、そのようなフォトクロミック材料は一般的に、それが組み込まれるポリマー材料には結合されないので、フォトクロミック材料がそのポリマー材料から適合しない場合、層の分離が起こり得る。すなわち、フォトクロミック材料はポリマー材料から分離し得、このことは所望されない特性(例えば、曇りおよび乳白化)を生じ得、このことは、透明性が重要である多くの適用においてこの材料の有用性を制限し得る。
従って、移動するのが低下した傾向、ならびに望ましい呈色速度および/または消光速度の両方を有する、種々のポリマー材料に組み込まれ得るフォトクロミック材料を開発することが、有利である。
(開示の簡単な要旨)
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態は、フォトクロミック材料に関する。例えば、1つの非限定的な実施形態は、
(a)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー、ならびに、
(b)フォトクロミック開始剤
の反応生成物を含む、フォトクロミック材料を提供する。
別の非限定的な実施形態は、以下の式:
Figure 2011042791
によって表されるフォトクロミック材料を提供し、この式において、
(a)PCは、フォトクロミック基であり;
(b)nは、1〜8から選択される整数であり;そして
(c)各S’は、各出現例について独立して、以下の式:
Figure 2011042791
によって表される基から選択され、この式において、
(1)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、または、Lは、−O−、−N−および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基を含み;
(2)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(3)Rは、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(4)Rは、各出現例について独立して、水素、および少なくとも1つの反応性基の残留物(residue)を含む有機材料から選択され;そして、
(5)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数である。
別の非限定的な実施形態は、以下の式:
Figure 2011042791
により表されるフォトクロミック材料を提供し、この式において、
(a)Yは、CおよびNから選択され;
(b)Aは、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、チエノ、フロ、インドロ、インドリノ、インデノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チオフェノ、インデノナフト、複素環式縮合ナフト、および複素環式縮合ベンゾから選択され;
(c)n’は、0〜8から選択される整数であるが、ただし、n’が0である場合、BおよびB’の少なくとも一方は、基S’を含み;
(d)S’は、以下の式:
Figure 2011042791
によって表され、この式において、
(1)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、または、Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基を含み;
(2)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(3)Rは、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(4)Rは、各出現例について独立して、水素、および少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され、この少なくとも1つの反応性基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択され;
(5)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数であり;そして
(e)BおよびB’は、独立して、以下:
(1)基S’;
(2)モノR17置換フェニルであって、ここで、R17は、
−G[(OC(OC(OC]J、および
−[(OC(OC(OC]J
のうちの一つにより表され、この式において、−Gは、−C(O)−および−CH−から選択され、Jは、C1−C12アルコキシおよび重合可能な基から選択され;q、rおよびsは、各々が、0と50との間の数であり、そして、q、rおよびsの合計は、2と50との間である、モノR17置換フェニル;
(3)非置換、一置換、二置換、もしくは三置換のアリール基;
(4)9−ジュロリジニル基、または、ピリジルフラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、およびフルオレニルから選択される非置換、一置換もしくは二置換の複素環式芳香族基であって、(3)および(4)におけるアリール基および複素環式芳香族置換基は、独立して、以下:
(i)ヒドロキシ、
(ii)基−C(O)R18であって、ここで、R18は、−OR19、−N(R20)R21、ピペリジノおよびモルホリノから選択され、R19は、アリル、C1−C6アルキル、フェニル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキルおよびC1−C6ハロアルキルから選択され;R20およびR21は、各々、C1−C6アルキル、C5−C7シクロアルキル、フェニル,一置換フェニルおよび二置換フェニルから選択され、このフェニル置換基は、C1−C6アルキルおよびC1−C6アルコキシから選択され、そして、このハロ置換基は、クロロおよびフルオロから選択される、基−C(O)R18
(iii)アリール、モノ(C1−C12)アルコキシアリール、ジ(C1−C12)アルコキシアリール、モノ(C1−C12)アルキルアリール、ジ(C1−C12)アルキルアリール、ハロアリール、C3−C7シクロアルキルアリール、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルコキシ、アリール(C1−C12)アルキル、アリール(C1−C12)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C1−C12)アルキル、アリールオキシ(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルコキシ、アミノ、モノ(C1−C12)アルキルアミノ、ジ(C1−C12)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C1−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、モノ(C1−C12)アルコキシ(C1−C12)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、およびハロゲン、
から選択され;
(5)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニルおよびアクリジニルから選択される非置換もしくは一置換の基であって、この置換基の各々は、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、フェニルおよびハロゲンから独立して選択される、基;
(6)一置換フェニルであって、このフェニルは、パラ位に位置する置換基を有し、この置換基は、−(CH−および−O−(CH−から選択され、ここで、tは、1、2、3、4、5および6から選択される整数であり、この置換基は、別のフォトクロミック材料上のアリール基に結合している、一置換フェニル;
(7)以下の式:
Figure 2011042791
のうちの1つにより表される基であって、この式において、Kは、各式において独立して、メチレンおよび酸素から選択され、そして、Mは、各式において独立して、酸素および置換窒素から選択され、ただし、Mが置換窒素である場合、Kはメチレンであり;この置換窒素置換基は、水素、C1−C12アルキルおよびC1−C12アシルから選択され;各R22は、各式における各出現例について独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ヒドロキシおよびハロゲンから選択され;R23およびR24は、各々が、各式において独立して、水素およびC1−C12アルキルから選択され;そして、uは、0、1および2から選択される整数である、基;
(8)C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルコキシ(C3−C7)シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルキル(C3−C7)−シクロアルキル、ハロ(C3−C7)シクロアルキルおよびC4−C12ビシクロアルキルであって、ただし、BおよびB’の両方が、(8)から選択されることはなく;ならびに
(9)以下の式:
Figure 2011042791
によって表される基であって、ここで、R25は、水素およびC1−C12アルキルから選択され、そして、R26は、ナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルから選択される、非置換、一置換もしくは二置換の基から選択され、ここで、この置換基は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシおよびハロゲンから選択される、基;
から選択されるか;あるいは
(10)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換もしくは二置換のフルオレン−9−イリデン、またはスピロ環式基を形成し、このスピロ環式基は、飽和C3−C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C7−C12スピロ二環式炭化水素環、または、飽和C7−C12スピロ三環式炭化水素環から選択され、ただし、スピロ環式基は、ノルボルニリデンでもビシクロ[3.3.1]9−ノニリデンでもなく、このフルオレン−9−イリデン置換基の各々は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ハロゲンまたは基S’から選択される。
別の非限定的な実施形態は、以下の式:
Figure 2011042791
によって表されるフォトクロミック材料を提供し、この式において、
(a)R34およびR35は、独立して、以下:
(1)基S’であって、ここで、S’は、以下の式:
Figure 2011042791
によって表され、ここで:
(A)Lは、C1−C10アルキルオキシ、C1−C10アルキルアミノ、C1−C10アルキルチオ、C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、C2−C20
β−アミノポリ(エトキシ)、C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、アリールC1−C10アルキルオキシ、アリールC1−C10アルキルアミノ、アリールC1−C10アルキルチオ、アリールC2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、複素環式C1−C10アルキルオキシ、複素環式C1−C10アルキルアミノ、複素環式C1−C10アルキルチオ、複素環式C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、および複素環式C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)から選択される少なくとも1つの基を含み;
(B)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(C)Rは、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(D)Rは、各出現例について独立して、水素および少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され、ここで、この少なくとも1つの反応性基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択され;かつ
(E)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数であり;ならびに
(2)水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル,アリル、フェニル,一置換フェニル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、基−C(O)R40であって、ここで、R40は、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、フェニル,一置換フェニル、アミノ、モノ(C1−C6)アルキルアミノ、もしくはジ(C1−C6)アルキルアミノである;
から選択されるか、または
(3)R34およびR35は、各々、基−OR41であって、ここで、R41は、C1−C6アルキル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C4)アルキル置換C3−C7シクロアルキル、C1−C6クロロアルキル、C1−C6フルオロアルキル、アリル、基−CH(R42)R43であって、ここで、R42が、水素もしくはC1−C3アルキルであり、かつR43が、CN、CFもしくはCOOR44であり、かつR44が、水素もしくはC1−C3アルキルであるか;またはR41は、基−C(O)R45であって、ここで、R45は、水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基フェニルもしくはナフチル、フェノキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルキル置換フェノキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルコキシ置換フェノキシ、アミノ、モノ(C1−C6)アルキルアミノ、ジ(C1−C6)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルキル置換フェニルアミノ、または、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルコキシ置換フェニルアミノであり、このフェニル置換基、ベンジル置換基およびアリール置換基の各々は、C1−C6アルキルもしくはC1−C6アルコキシである;
から選択されるか、あるいは
(4)R34およびR35が、一緒になって、オキソ基、3〜6個の炭素原子を含有するスピロ炭素環式環、または、1もしくは2個の酸素原子と、スピロ炭素原子を含めて3〜6個の炭素原子を含有するスピロ複素環式基を形成し、このスピロ炭素環式環およびスピロ複素環式基は、0、1もしくは2個のベンゼン環と環化(annellate)している;
から選択され;
(b)yおよびy’は、0から利用可能な位置の総数までより独立して選択される整数であり;
(c)R36およびR37の各々は、独立して、以下:基S’、水素、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、フェニル,一置換フェニル、二置換フェニル、ならびに、基−OR50および基−OC(O)R50から選択され、ここで、R50は、C1−C6アルキル、フェニル(C1−C3)−アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキル、C3−C7シクロアルキルまたはモノ(C1−C4)アルキル置換C3−C7シクロアルキルであり、そして、このフェニル置換基は、C1−C6アルキルまたはC1−C6アルコキシであり;
(e)BおよびB’は、上に示した通りであるが;ただし、このフォトクロミック材料は、少なくとも1つの基S’を含む。
他の非限定的な実施形態は、上述のフォトクロミック材料を含むフォトクロミック組成物および光学素子、ならびに、これらを作製する方法に関する。1つの特定の非限定的な実施形態は、(a)ポリマー材料;ならびに、(b)ポリマー材料の少なくとも一部分と結合する少なくとも1つのフォトクロミック材料を含むフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1つのフォトクロミック材料は、(1)フォトクロミック基と、(2)フォトクロミック基に結合した複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含む少なくとも1つのセグメントとを含み、この開環可能な環式モノマーは、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテル、環式シロキサンおよびこれらの組み合わせから選択され、この少なくとも1つのセグメントは、少なくとも1000g/モルの数平均分子量を有し、ここで、このフォトクロミック材料は、ポリマー材料に結合した場合に、複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含むセグメントを欠く、対応するフォトクロミック材料のT1/2値以下のT1/2値を有する。
なお別の非限定的な実施形態は、ポリマー材料内のフォトクロミック材料の移動を防止する方法を提供し、この方法は、フォトクロミック材料を、ポリマー材料の少なくとも一部分に結合させる工程を包含し、ここで、このフォトクロミック材料は、(1)フォトクロミック基;と、(2)フォトクロミック基に結合した複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含む少なくとも1つのセグメントとを含み、この開環可能な環式モノマーは、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテル、環式シロキサンおよびこれらの組み合わせから選択され、そして、少なくとも1つのセグメントは、少なくとも1000g/モルの数平均分子量を有する。
別の非限定的な実施形態は、フォトクロミック材料を作製する方法を提供し、この方法は、フォトクロミック開始剤を用いて、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテルおよび環式シロキサンから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始する工程を包含し、ここで、フォトクロミック開始剤は、少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含み、この少なくとも1つの官能基は、アルコール、アミン、カルボン酸、シラノール、チオール、ならびにこれらの組み合わせ、塩および錯体から選択される。
本願発明は、例えば、以下の項目を含む。
(項目1)
以下:
(a)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;ならびに
(b)フォトクロミック開始剤
の反応生成物を含む、フォトクロミック材料。
(項目2)
前記少なくとも1つの開環可能な環式モノマーが、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される環式エステルであり、該式において、
cおよびdが、1〜8の範囲の整数であり;かつ
、R 、R 、およびR が、各炭素単位について(すなわち、各(C) 単位および(C) 単位について)独立して、−H、−CH 、C2−C16アルキル、C(CH 、およびHO−CH −から選択され;
eが、0または1であり;かつ
Dが、−O−または−O−C(O)から選択されるか;あるいは
cが1であり、Dが−C(R ’)(R ’)−であり、かつR ’およびR ’が、R およびR と一緒になって、縮合アリール基、縮合複素環式アリール基、または縮合脂環式基を形成する、
項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目3)
前記少なくとも1つの開環可能な環式モノマーが、ε−カプロラクトン;t−ブチルカプロラクトン;ζ−エナントラクトン;δ−バレロラクトン;モノアルキルδ−バレロラクトン;ノンアルキル−ε−カプロラクトン、ジアルキル−ε−カプロラクトンもしくはトリアルキル−ε−カプロラクトン;β−ラクトン;γ−ラクトン;ジラクトン;およびケトジオキサノンから選択される環式エステルである、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目4)
前記少なくとも1つの開環可能な環式モノマーが、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される環式カーボネートであり、該式において、
fおよびgは、1〜3の範囲の整数であり;
、R 、R 、およびR 10 は、各々、独立して、各炭素単位について、−H、−CH 、C2−C16アルキル、C(CH 、HO−CH −、または−OC から選択され;
hは0または1であり;そして
Eは、−O−である、
項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目5)
複数の開環可能な環式モノマーの反応生成物を含む、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目6)
前記複数の開環可能な環式モノマーの各々が、独立して、ε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンから選択される、項目5に記載のフォトクロミック材料。
(項目7)
前記フォトクロミック開始剤が、ピラン、オキサジンおよびフルジド(Fulgide)から選択されるフォトクロミック材料を含む、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目8)
前記フォトクロミック開始剤が、ベンゾピラン、ナフトピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオロアンテノピラン、およびスピロピランから選択されるピランを含む、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目9)
前記フォトクロミック開始剤が、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、インデノナフトピラン、および複素環式縮合ナフトピランから選択されるナフトピランを含む、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目10)
前記フォトクロミック開始剤が、前記少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含み、該少なくとも1つの官能基が、アルコール、アミン、カルボン酸、シラノール、チオール、ならびにこれらの組み合わせ、塩および錯体から選択される、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目11)
前記少なくとも1つの官能基が、第一級アルコール基、第二級アルコール基、ならびに、これらの塩および錯体から選択される、項目10に記載のフォトクロミック材料。
(項目12)
前記フォトクロミック開始剤が、以下:
(1) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−メチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(2) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−((3−ヒドロキシメチル)ピペリジニル)−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(3) 3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(4) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−(3−メチルピペリジニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン:
(5) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(ピペリジノ)−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(6) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(7) 3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(8) 3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシメチル−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(9) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−ピロリジノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(10) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(11) 3,3−ジ−(4−メトキシフェニル)−13−プロピル−13−ヒドロキシメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(12) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−フルオロ−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(13) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジメトキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(14) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシメチル−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(15) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(16) 3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(17) 3,3−ジ−(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2,2−ジ(ヒドロキシメチル)ブトキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(18) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(19) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(20) 3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−((3−ヒドロキシメチル)ピペリジノ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(21) 3−(4−メトキシフェニル)−3(4−モルホリン−1−イル−フェニル)−6,11−ジメチル−13−ブチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(22) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−(モルホリノ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(23) 3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(24) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−((4−ヒドロキシメチル)ピペリジノ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(25) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(ピペリジン−1−イル)−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(26) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシメチル−13−(2−ヒドロキシプロピル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(27) 3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−((3−ヒドロキシメチル)ピペリジノ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(28) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(モルホリン−1−イル)−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(29) 3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(30) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(31) 3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(32) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(33) 3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(34) 3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(3−ヒドロキシメチル)ピペリジノフェニル)−6−メトキシ−7−ヒドロキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン:
(35) 3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(36) 2,2−ジフェニル−5−ヒドロキシメチル−8−メチル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(37) 3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(38) 3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(39) 2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−8,9−ジメトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(40) 3,3−ジ(4−フルオロフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(41) 3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(42) 2,2−ジフェニル−5−メトキシカルボニル−6−フェニル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(43) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(44) 3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−6,11−ジメトキシ−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(45) 3−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジノフェニル)−3−フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(46) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−6−フェニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(47) 2,2−ジフェニル−5−ヒドロキシメチル−6−メチル−9−メトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(48) 3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−13−エチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(49) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチル)ピペリジノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(50) 2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−7,8−ジメトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(51) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(52) 2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−6−(4−メトキシ)フェニル−9−メトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(53) 2,2−ジフェニル−5−ヒドロキシメチル−7,8−ジメトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(54) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(10−ヒドロキシデコキシ(decoxy))−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(55) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(56) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(57) 3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(58) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−フェニル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(59) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシ−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(60) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(5−ヒドロキシペントキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(61) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−(2−ヒドロキシエトキシ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(62) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシ−13−(3−ヒドロキシプロピル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(63) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(64) 3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−メチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(65) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシ−13−ヒドロキシメチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(66) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(67) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−メチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(68) 2,2−ジフェニル−5−(2,3−ジヒドロキシ)プロポキシカルボニル−8−メチル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(69) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ヒドロキシ(hydyoxy)−13−(4−ヒドロキシブチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(70) 5,5−ジ(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)−8−(3−クロロプロポキシ)カルボニル−5H−フルオランテノ(fluorantheno)[3,2−b]ピラン;
(71) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(72) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−(3−ヒドロキシプロピル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(73) 3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−13−メチル−13−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(74) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(75) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−メチル−13−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(76) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(77) 2−(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル−2−フェニル−5−メトキシカルボニル−6−メチル−9−メトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(78) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2,2−ビス[2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−3−ヒドロキシプロピルオキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(79) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(80) 2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−8−メチル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(81) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−(2 ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(82) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(83) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(84) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(85) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(86) 2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−6−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ナフト[1,2−b]ピラン
から選択される、項目1に記載のフォトクロミック材料。
(項目13)
以下:
(a)以下:
(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;と
(2)フォトクロミック開始剤と
の反応生成物を含む、フォトクロミック材料;ならびに
(b)少なくとも1つの反応性基を含む、有機材料
反応生成物を含む、フォトクロミック組成物。
(項目14)
前記フォトクロミック材料に結合した少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料を含む、項目13に記載のフォトクロミック組成物であって、該少なくとも1つの反応性基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される、フォトクロミック組成物。
(項目15)
以下の式:
Figure 2011042791

によって表されるフォトクロミック材料であって、該式において、
(a)PCは、フォトクロミック基であり;
(b)nは、1〜8から選択される整数であり;そして
(c)各S’は、各出現例について独立して、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される基から選択され、該式において、
(1)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、または、Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基を含み;
(2)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(3)R は、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(4)R は、各出現例について独立して、水素、および少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され;そして、
(5)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数である、
フォトクロミック材料。
(項目16)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、PCは、ピラン、オキサジンおよびフルジドから選択される、フォトクロミック材料。
(項目17)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、PCは、ベンゾピラン、ナフトピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオロアンテノピラン、およびスピロピランから選択されるピランである、フォトクロミック材料。
(項目18)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、PCは、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、インデノナフトピラン、および複素環式縮合ナフトピランから選択されるナフトピランである、フォトクロミック材料。
(項目19)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、nが1〜4の範囲である、フォトクロミック材料。
(項目20)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、nが1〜2の範囲である、フォトクロミック材料。
(項目21)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、nが1である、フォトクロミック材料。
(項目22)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、Lが、C1−C10 アルキルオキシ、C1−C10アルキルアミノ、C1−C10アルキルチオ、C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、C3−C30
β−アミノポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、アリールC1−C10アルキルオキシ、アリールC1−C10アルキルアミノ、アリールC1−C10アルキルチオ、アリールC2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、複素環式C1−C10アルキルオキシ、複素環式C1−C10 アルキルアミノ、複素環式C1−C10アルキルチオ、複素環式C2−C20
β−オキシポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、およびこれらの組み合わせから選択される、フォトクロミック材料。
(項目23)
前記複素環式基が、アザインドリル、ジベンゾフロ、ジベンゾチエノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チエノ、フロ、ジオキサノ、ジオキソラノ、カルバゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、イソベンズオキサゾリル、イソオキサゾリル、イソインドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、モルホリノ、オキサジアゾリル、オキサチアゾリル、ピペリジノ、プリニル、フェナジニル、ピペラジノ、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、キノリニル、イソキノリニル、チアゾリル、トリアジニル、チオモルホリノ、チアジアゾリル、テトラヒドロキノリニル、およびテトラヒドロイソキノリニルから選択される、項目22に記載のフォトクロミック材料。
(項目24)
前記アリール基が、フェニルおよびナフチルから選択される、項目22に記載のフォトクロミック材料。
(項目25)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、bが1〜10の範囲である、フォトクロミック材料。
(項目26)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、bが1〜3の範囲である、フォトクロミック材料。
(項目27)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、bが2であり、かつ、Lが、2つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基である、フォトクロミック材料。
(項目28)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、R が、開環したε−カプロラクトンモノマーおよび開環したδ−バレロラクトンモノマーから選択される、フォトクロミック材料。
(項目29)
項目15に記載のフォトクロミック材料であって、aが少なくとも2であり、少なくとも1つのR が、開環したε−カプロラクトンモノマーであり、かつ、少なくとも1つのR が、開環したδ−バレロラクトンモノマーである、フォトクロミック材料。
(項目30)
各S’について、aは、1〜100から選択される整数である、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目31)
各S’について、aは、1〜60から選択される整数である、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目32)
各S’について、aは、10〜100から選択される整数である、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目33)
各S’について、aは、20〜60から選択される整数である、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目34)
各S’について、各−[R −セグメントは、10〜22,000g/モルの範囲の数平均分子量を有する、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目35)
各S’について、各−[R −セグメントは、2000〜6000g/モルの範囲の数平均分子量を有する、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目36)
各S’について、各−[R −セグメントは、100〜500g/モルの範囲の数平均分子量を有する、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目37)
は、少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料を含み、該少なくとも1つの反応性基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される、項目15に記載のフォトクロミック材料。
(項目38)
前記少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料が、さらに、少なくとも1つの未反応の反応性基を含む、項目37に記載のフォトクロミック材料。
(項目39)
以下の式:
Figure 2011042791

により表されるフォトクロミック材料であって、該式において、
(a)Yは、CおよびNから選択され;
(b)Aは、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、チエノ、フロ、インドロ、インドリノ、インデノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チオフェノ、インデノナフト、複素環式縮合ナフト、および複素環式縮合ベンゾから選択され;
(c)n’は、0〜8から選択される整数であるが、ただし、n’が0である場合、BおよびB’の少なくとも一方は、基S’を含み;
(d)S’は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、該式において、
(1)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、または、Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基を含み;
(2)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(3)R は、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(4)R は、各出現例について独立して、水素、および少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され、該少なくとも1つの反応性基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択され;
(5)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数であり;そして
(e)BおよびB’は、独立して、以下:
(1)基S’;
(2)モノR 17 置換フェニルであって、ここで、R 17 は、
−G[(OC (OC (OC ]J、および
−[(OC (OC (OC ]J
のうちの一つにより表され、該式において、−Gは、−C(O)−および−CH −から選択され、Jは、C1−C12アルコキシおよび重合可能な基から選択され;q、rおよびsは、各々が、0と50との間の数であり、そして、q、rおよびsの合計は、2と50との間である、モノR 17 置換フェニル;
(3)非置換、一置換、二置換、もしくは三置換のアリール基;
(4)9−ジュロリジニル基、ピリジルフラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、およびフルオレニルから選択される非置換、一置換もしくは二置換の複素環式芳香族基であって、(3)および(4)におけるアリール置換基および複素環式芳香族置換基は、独立して、以下:
(i)ヒドロキシ、
(ii)基−C(O)R 18 であって、ここで、R 18 は、−OR 19 、−N(R 20 )R 21 、ピペリジノおよびモルホリノから選択され、R 19 は、アリル、C1−C6アルキル、フェニル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキルおよびC1−C6ハロアルキルから選択され;R 20 およびR 21 は、各々、C1−C6アルキル、C5−C7シクロアルキル、フェニル,一置換フェニルおよび二置換フェニルから選択され、該フェニル置換基は、C1−C6アルキルおよびC1−C6アルコキシから選択され、そして、該ハロ置換基は、クロロおよびフルオロから選択される、基−C(O)R 18
(iii)アリール、モノ(C1−C12)アルコキシアリール、ジ(C1−C12)アルコキシアリール、モノ(C1−C12)アルキルアリール、ジ(C1−C12)アルキルアリール、ハロアリール、C3−C7シクロアルキルアリール、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルコキシ、アリール(C1−C12)アルキル、アリール(C1−C12)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C1−C12)アルキル、アリールオキシ(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルコキシ、アミノ、モノ(C1−C12)アルキルアミノ、ジ(C1−C12)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C1−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、モノ(C1−C12)アルコキシ(C1−C12)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、およびハロゲン、
から選択され;
(5)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニルおよびアクリジニルから選択される非置換もしくは一置換の基であって、該置換基の各々は、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、フェニルおよびハロゲンから独立して選択される、基;
(6)一置換フェニルであって、該フェニルは、パラ位に位置する置換基を有し、該置換基は、−(CH −および−O−(CH −から選択され、ここで、tは、1、2、3、4、5および6から選択される整数であり、該置換基は、別のフォトクロミック材料上のアリール基に結合している、一置換フェニル;
(7)以下の式:
Figure 2011042791

のうちの1つにより表される基であって、該式において、Kは、各式において独立して、メチレンおよび酸素から選択され、そして、Mは、各式において独立して、酸素および置換窒素から選択され、ただし、Mが置換窒素である場合、Kはメチレンであり;該置換窒素置換基は、水素、C1−C12アルキルおよびC1−C12アシルから選択され;各R 22 は、各式における各出現例について独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ヒドロキシおよびハロゲンから選択され;R 23 およびR 24 は、各々が、各式において独立して、水素およびC1−C12アルキルから選択され;そして、uは、0、1および2から選択される整数である、基;
(8)C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルコキシ(C3−C7)シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルキル(C3−C7)−シクロアルキル、ハロ(C3−C7)シクロアルキルおよびC4−C12ビシクロアルキルであって、ただし、BおよびB’の両方が、(8)から選択されることはなく;ならびに
(9)以下の式:
Figure 2011042791

によって表される基であって、ここで、R 25 は、水素およびC1−C12アルキルから選択され、そして、R 26 は、ナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルから選択される、非置換、一置換もしくは二置換の基から選択され、ここで、該置換基は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシおよびハロゲンから選択される、基;から選択されるか;あるいは
(10)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換もしくは二置換のフルオレン−9−イリデン、またはスピロ環式基を形成し、該スピロ環式基は、飽和C3−C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C7−C12スピロ二環式炭化水素環、または、飽和C7−C12スピロ三環式炭化水素環から選択され、ただし、該スピロ環式基は、ノルボルニリデンでもビシクロ[3.3.1]9−ノニリデンでもなく、該フルオレン−9−イリデン置換基の各々は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ハロゲンまたは基S’から選択される、
フォトクロミック材料。
(項目40)
項目39に記載のフォトクロミック材料であって、Lが、C1−C10 アルキルオキシ、C1−C10アルキルアミノ、C1−C10アルキルチオ、C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、C3−C30
β−アミノポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、アリールC1−C10アルキルオキシ、アリールC1−C10アルキルアミノ、アリールC1−C10 アルキルチオ、アリールC2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、複素環式C1−C10アルキルオキシ、複素環式C1−C10アルキルアミノ、複素環式C1−C10アルキルチオ、複素環式C2−C20
β−オキシポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、および複素環式C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)から選択される、少なくとも1つの基を含む、フォトクロミック材料。
(項目41)
項目39に記載のフォトクロミック材料であって、YはCであり、Aはインデノナフトであり、そして、該フォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表されるインデノナフトピランであり、該式において、vおよびv’は、0から利用可能な位置の総数までから独立して選択される整数であるが、ただし、R 30 基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは、基S’を含む、フォトクロミック材料。
(項目42)
項目41に記載のフォトクロミック材料であって、該フォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、該式において、6位のR 30 置換基、7位のR 30 置換基、10位のR 30 置換基、11位のR 30 置換基、13位のR 30 置換基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは、基S’を含む、フォトクロミック材料。
(項目43)
項目39に記載のフォトクロミック材料であって、YはCであり、Aは、α−ナフトールから誘導されたナフトであり、そして、該フォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される2H−ナフト[1,2−b]ピランであり、該式において、wは0から利用可能な位置の総数までの整数であるが、ただし、R 31 基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは、基S’を含む、フォトクロミック材料。
(項目44)
項目43に記載のフォトクロミック材料であって、該フォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、該式において、5位のR 31 置換基、6位のR 31 置換基、7位のR 31 置換基、8位のR 31 置換基、9位のR 31 置換基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは、基S’を含む、フォトクロミック材料。
(項目45)
項目39に記載のフォトクロミック材料であって、YがCであり、Aが、β−ナフトールから誘導されたナフトであり、そして、該フォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される3H−ナフト[2,1−b]ピランであり、該式において、xは、0から利用可能な位置の総数までの整数であり、ただし、R 32 基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは、基S’を含む、フォトクロミック材料。
(項目46)
項目45に記載のフォトクロミック材料であって、該フォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、該式において、5位のR 32 置換基、6位のR 32 置換基、8位のR 32 置換基、9位のR 32 置換基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは、基S’を含む、フォトクロミック材料。
(項目47)
項目39に記載のフォトクロミック材料であって、R は、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料であり、該少なくとも1つの反応基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、チオール、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される、フォトクロミック材料。
(項目48)
項目47に記載のフォトクロミック材料であって、前記少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料が、さらに、少なくとも1つの未反応の反応性基を含む、フォトクロミック材料。
(項目49)
以下の式:
Figure 2011042791

によって表されるフォトクロミック材料であって、該式において、
(a)R 34 およびR 35 は、独立して、以下:
(1)基S’であって、ここで、S’は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、ここで:
(A)Lは、C1−C10アルキルオキシ、C1−C10アルキルアミノ、C1−C10アルキルチオ、C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、C2−C20
β−アミノポリ(エトキシ)、C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、アリールC1−C10アルキルオキシ、アリールC1−C10アルキルアミノ、アリールC1−C10アルキルチオ、アリールC2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、複素環式C1−C10アルキルオキシ、複素環式C1−C10アルキルアミノ、複素環式C1−C10アルキルチオ、複素環式C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、および複素環式C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)から選択される少なくとも1つの基を含み;
(B)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(C)R は、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(D)R は、各出現例について独立して、水素および少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され、ここで、該少なくとも1つの反応性基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択され;かつ
(E)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数であり;ならびに
(2)水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル,アリル、フェニル,一置換フェニル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、基−C(O)R 40 であって、ここで、R 40 は、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、フェニル,一置換フェニル、アミノ、モノ(C1−C6)アルキルアミノ、もしくはジ(C1−C6)アルキルアミノである;
から選択されるか、または
(3)R 34 およびR 35 は、各々、基−OR 41 であって、ここで、R 41 は、C1−C6アルキル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C4)アルキル置換C3−C7シクロアルキル、C1−C6クロロアルキル、C1−C6フルオロアルキル、アリル、基−CH(R 42 )R 43 であって、ここで、R 42 が、水素もしくはC1−C3アルキルであり、かつR 43 が、CN、CF もしくはCOOR 44 であり、かつR 44 が、水素もしくはC1−C3アルキルであるか;またはR 41 は、基−C(O)R 45 であって、ここで、R 45 は、水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基フェニルもしくはナフチル、フェノキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルキル置換フェノキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルコキシ置換フェノキシ、アミノ、モノ(C1−C6)アルキルアミノ、ジ(C1−C6)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルキル置換フェニルアミノ、または、モノ−もしくはジ−(C1−C6)アルコキシ置換フェニルアミノであり、該フェニル置換基、ベンジル置換基およびアリール置換基の各々は、C1−C6アルキルもしくはC1−C6アルコキシである;
から選択されるか、あるいは
(4)R 34 およびR 35 が、一緒になって、オキソ基、3〜6個の炭素原子を含有するスピロ炭素環式環、または、1もしくは2個の酸素原子と、スピロ炭素原子を含めて3〜6個の炭素原子を含有するスピロ複素環式基を形成し、該スピロ炭素環式環およびスピロ複素環式基は、0、1もしくは2個のベンゼン環と環化している;
から選択され;
(b)yおよびy’は、0から利用可能な位置の総数までより独立して選択される整数であり;
(c)R 36 およびR 37 の各々は、独立して、以下:基S’、水素、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、フェニル,一置換フェニル、二置換フェニル、ならびに、基−OR 50 および基−OC(O)R 50 から選択され、ここで、R 50 は、C1−C6アルキル、フェニル(C1−C3)−アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキル、C3−C7シクロアルキルまたはモノ(C1−C4)アルキル置換C3−C7シクロアルキルであり、そして、該フェニル置換基は、C1−C6アルキルまたはC1−C6アルコキシであり;
(e)BおよびB’は、独立して、以下:
(1)基S’;
(2)モノR 17 置換フェニルであって、ここで、R 17 は、
−G[(OC (OC (OC ]J、および
−[(OC (OC (OC ]J
のうちの一つにより表され、該式において、−Gは、−C(O)−および−CH −から選択され、Jは、C1−C12アルコキシおよび重合可能な基から選択され;q、rおよびsは、各々が、0と50との間の数であり、そして、q、rおよびsの合計は、2と50との間である、モノR 17 置換フェニル;
(3)非置換、一置換、二置換、もしくは三置換のアリール基;
(4)9−ジュロリジニル基、ピリジルフラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、およびフルオレニルから選択される非置換、一置換もしくは二置換の複素環式芳香族基であって、(3)および(4)におけるアリール基および複素環式芳香族置換基は各々、独立して、以下:
(i)ヒドロキシ、
(ii)基−C(O)R 18 であって、ここで、R 18 は、−OR 19 、−N(R 20 )R 21 、ピペリジノおよびモルホリノから選択され、R 19 は、アリル、C1−C6アルキル、フェニル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキルおよびC1−C6ハロアルキルから選択され;R 20 およびR 21 は、各々、C1−C6アルキル、C5−C7シクロアルキル、フェニル,一置換フェニルおよび二置換フェニルから選択され、該フェニル置換基は、C1−C6アルキルおよびC1−C6アルコキシから選択され、そして、該ハロ置換基は、クロロおよびフルオロから選択される、基−C(O)R 18
(iii)アリール、モノ(C1−C12)アルコキシアリール、ジ(C1−C12)アルコキシアリール、モノ(C1−C12)アルキルアリール、ジ(C1−C12)アルキルアリール、ハロアリール、C3−C7シクロアルキルアリール、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルコキシ、アリール(C1−C12)アルキル、アリール(C1−C12)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C1−C12)アルキル、アリールオキシ(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルコキシ、アミノ、モノ(C1−C12)アルキルアミノ、ジ(C1−C12)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C1−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、モノ(C1−C12)アルコキシ(C1−C12)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、およびハロゲン、
から選択され;
(5)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニルおよびアクリジニルから選択される非置換もしくは一置換の基であって、該置換基の各々は、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、フェニルおよびハロゲンから独立して選択される、基;
(6)一置換フェニルであって、該フェニルは、パラ位に位置する置換基を有し、該置換基は、−(CH −および−O−(CH −から選択され、ここで、tは、1、2、3、4、5および6から選択される整数であり、該置換基は、別のフォトクロミック材料上のアリール基に結合している、一置換フェニル;
(7)以下の式:
Figure 2011042791

のうちの1つにより表される基であって、該式において、Kは、各式において独立して、メチレンおよび酸素から選択され、そして、Mは、各式において独立して、酸素および置換窒素から選択され、ただし、Mが置換窒素である場合、Kはメチレンであり;該置換窒素置換基は、水素、C1−C12アルキルおよびC1−C12アシルから選択され;各R 22 は、各式における各出現例について独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ヒドロキシおよびハロゲンから選択され;R 23 およびR 24 は、各々が、各式において独立して、水素およびC1−C12アルキルから選択され;そして、uは、0、1および2から選択される整数である、基;
(8)C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルコキシ(C3−C7)シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルキル(C3−C7)−シクロアルキル、ハロ(C3−C7)シクロアルキルおよびC4−C12ビシクロアルキルであって、ただし、BおよびB’の両方が、(8)から選択されることはなく;ならびに
(9)以下の式:
Figure 2011042791

によって表される基であって、ここで、R 25 は、水素およびC1−C12アルキルから選択され、そして、R 26 は、ナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルから選択される、非置換、一置換もしくは二置換の基から選択され、ここで、該置換基は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシおよびハロゲンから選択される、基;から選択されるか;あるいは
(10)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換もしくは二置換のフルオレン−9−イリデン、またはスピロ環式基を形成し、該スピロ環式基は、飽和C3−C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C7−C12スピロ二環式炭化水素環、または、飽和C7−C12スピロ三環式炭化水素環から選択され、ただし、該スピロ環式基は、ノルボルニリデンでもビシクロ[3.3.1]9−ノニリデンでもなく、該フルオレン−9−イリデン置換基の各々は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ハロゲンまたは基S’から選択され、
ただし、該フォトクロミック材料が、少なくとも1つのS’基を含む、
フォトクロミック材料。
(項目50)
以下:
(a)ポリマー材料;ならびに
(b)該ポリマー材料の少なくとも一部分と接触する少なくとも1つのフォトクロミック材料であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下:
(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;と
(2)フォトクロミック開始剤と
の反応生成物を含む、フォトクロミック材料
を含む、フォトクロミック組成物。
(項目51)
項目50に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料は、ポリマー性微粒子、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー;エチレンとビニルアルコールとのコポリマー;エチレンとビニルアセテートとビニルアルコールとのコポリマー;酢酸酪酸セルロース、ポリ(ウレタン);ポリ(アクリレート);ポリ(メタクリレート);エポキシ;アミノプラスト官能性ポリマー;ポリ(無水物);ポリ(ウレアウレタン);N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド官能性ポリマー;ポリ(シロキサン);およびポリ(シラン)から選択される、フォトクロミック組成物。
(項目52)
項目50に記載のフォトクロミック組成物であって、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料が、前記ポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドされる、フォトクロミック組成物。
(項目53)
項目50に記載のフォトクロミック組成物であって、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料が、前記ポリマー材料の少なくとも一部分と結合している、フォトクロミック組成物。
(項目54)
項目50に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料に結合した場合の前記少なくとも1つのフォトクロミック材料の消光速度が、環式モノマーの残留物を欠く、該ポリマー材料に結合した場合の対応するフォトクロミック材料の消光速度と等しいか、これよりも速い、フォトクロミック組成物。
(項目55)
項目54に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料に結合した場合の前記少なくとも1つのフォトクロミック材料のT1/2値が、環式モノマーの残留物を含まない、該ポリマー材料に結合した対応するフォトクロミック材料のT1/2値以下である、フォトクロミック組成物。
(項目56)
前記ポリマー材料に結合した場合の前記少なくとも1つのフォトクロミック材料のT1/2値が、環式モノマーの残留物を含まない、該ポリマー材料に結合した対応するフォトクロミック材料のT1/2値よりも小さい、フォトクロミック組成物。
(項目57)
以下:
(a)ポリマー材料;ならびに
(b)該ポリマー材料の少なくとも一部分と接触する少なくとも1つのフォトクロミック材料であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、該式において:
(1)PCは、フォトクロミック基であり;
(2)nは、1〜8から選択される整数であり;そして
(3)S’の各々は、各出現例について独立して、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される基から選択され、該式において:
(A)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、または、Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基を含み;
(B)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(C)R は、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(D)R は、各出現例について独立して、水素、および、該少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され;そして
(E)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数である、
少なくとも1つのフォトクロミック材料
を含む、フォトクロミック組成物。
(項目58)
項目57に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料は、ポリマー性微粒子、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー;エチレンとビニルアルコールとのコポリマー;エチレンとビニルアセテートとビニルアルコールとのコポリマー;酢酸酪酸セルロース、ポリ(ウレタン);ポリ(アクリレート);ポリ(メタクリレート);エポキシ;アミノプラスト官能性ポリマー;ポリ(無水物);ポリ(ウレアウレタン);N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド官能性ポリマー;ポリ(シロキサン);およびポリ(シラン)から選択される、フォトクロミック組成物。
(項目59)
項目57に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料に結合した場合の、PC−[S’] により表される少なくとも1つのフォトクロミック材料の消光速度は、該ポリマー材料と接触した、PCにより表される対応するフォトクロミック材料の消光速度、または、該ポリマー材料と結合した場合の、PC−L−Hにより表される対応するフォトクロミック材料の消光速度と等しいか、または、これよりも速い、フォトクロミック組成物。
(項目60)
項目59に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料に結合した場合の、PC−[S’] により表される少なくとも1つのフォトクロミック材料のT1/2値は、該ポリマー材料と接触した、PCにより表される対応するフォトクロミック材料のT1/2値、または、該ポリマー材料と結合した場合の、PC−L−Hにより表される対応するフォトクロミック材料のT1/2値以下である、フォトクロミック組成物。
(項目61)
項目59に記載のフォトクロミック組成物であって、前記ポリマー材料に結合した場合の、PC−[S’] により表される少なくとも1つのフォトクロミック材料のT1/2値は、該ポリマー材料と接触した、PCにより表される対応するフォトクロミック材料のT1/2値、または、該ポリマー材料と結合した場合の、PC−L−Hにより表される対応するフォトクロミック材料のT1/2値よりも小さい、フォトクロミック組成物。
(項目62)
以下:
(a)ポリマー材料;ならびに
(b)該ポリマー材料の少なくとも一部分と接触する少なくとも1つのフォトクロミック材料であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下:
(1)フォトクロミック基;と
(2)該フォトクロミック基に結合した複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含む少なくとも1つのセグメントであって、該開環可能な環式モノマーは、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテル、環式シロキサンおよびこれらの組み合わせから選択され、該少なくとも1つのセグメントは、少なくとも1000g/モルの数平均分子量を有する、少なくとも1つのセグメントと
を含む、フォトクロミック材料
を含み、ここで、該フォトクロミック材料は、該ポリマー材料に結合した場合に、複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含むセグメントを欠く、対応するフォトクロミック材料のT1/2値以下のT1/2値を有する、フォトクロミック組成物。
(項目63)
以下:
(a)基板;ならびに
(b)該基板の少なくとも一部分と連結された少なくとも1つのフォトクロミック材料であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下:
(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;と
(2)フォトクロミック開始剤と
の反応生成物を含む、フォトクロミック材料
を含む、光学素子。
(項目64)
項目63に記載の光学素子であって、該光学素子は、接眼要素、表示要素、窓、鏡、能動液晶セル要素、および受動液晶セル要素から選択される、光学素子。
(項目65)
項目63に記載の光学素子であって、該光学素子は、矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズ、およびバイザーから選択される接眼要素である、光学素子。
(項目66)
項目63に記載の光学素子であって、前記基板は、ポリマー材料を含み、そして、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料は、該ポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドされている、光学素子。
(項目67)
項目63に記載の光学素子であって、前記基板は、ガラスを含む、光学素子。
(項目68)
項目63に記載の光学素子であって、前記基板の少なくとも一部分と連結された、少なくとも部分的なコーティングをさらに備え、該少なくとも部分的なコーティングは、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料を含む、光学素子。
(項目69)
項目63に記載の光学素子であって、少なくとも1つの、少なくとも部分的なコーティングをさらに備え、該少なくとも部分的なコーティングは、前記基板の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分と連結された、下塗コーティング、保護コーティング、反射防止コーティングおよび偏光コーティングから選択される、光学素子。
(項目70)
以下:
(a)基板;ならびに
(b)該基板の少なくとも一部分と連結された少なくとも1つのフォトクロミック材料であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下の式:
Figure 2011042791

によって表され、該式において:
(1)PCは、フォトクロミック基であり;
(2)nは、1〜8から選択される整数であり;そして
(3)S’の各々は、各出現例について独立して、以下の式:
Figure 2011042791

によって表される基から選択され、該式において:
(A)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、または、Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む、直鎖もしくは分枝鎖の有機架橋基を含み;
(B)aは、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり;
(C)R は、各出現例について独立して、開環した環式エステルモノマーおよび開環した環式カーボネートモノマーから選択され;
(D)R は、各出現例について独立して、水素、および、少なくとも1つの反応性基の残留物を含む有機材料から選択され;そして
(E)bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数である、
少なくとも1つのフォトクロミック材料
を含む、光学素子。
(項目71)
項目70に記載の光学素子であって、前記基板の少なくとも一部分と連結された、少なくとも部分的なコーティングをさらに備え、該少なくとも部分的なコーティングは、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料を含む、光学素子。
(項目72)
以下:
(a)基板;ならびに
(b)該基板の少なくとも一部分と連結された、少なくとも部分的なコーティングであって、該少なくとも部分的なコーティングは、少なくとも1つのフォトクロミック材料を含み、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下:
(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;と
(2)フォトクロミック開始剤と
の反応生成物を含む、少なくとも部分的なコーティング
を含む、光学素子。
(項目73)
項目72に記載の光学素子であって、前記少なくとも部分的なコーティングは、ポリマー材料を含み、そして、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料は、該ポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドされている、光学素子。
(項目74)
項目72に記載の光学素子であって、前記少なくとも部分的なコーティングは、ポリマー材料を含み、そして、前記少なくとも1つのフォトクロミック材料は、該ポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドされている、光学素子。
(項目75)
フォトクロミック組成物を作製する方法であって、該方法は、以下:
少なくとも1つのフォトクロミック材料を、ポリマー材料の少なくとも一部分と連結させる工程であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下:
(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;と
(2)フォトクロミック開始剤と
の反応生成物を含む、工程
を包含する、方法。
(項目76)
光学素子を作製する方法であって、該方法は、以下:
少なくとも1つのフォトクロミック材料を、基板の少なくとも一部分と連結させる工程であって、該少なくとも1つのフォトクロミック材料は、以下:
(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー;と
(2)フォトクロミック開始剤と
の反応生成物を含む、工程
を包含する、方法。
(項目77)
項目76に記載の方法であって、前記フォトクロミック材料を前記基板の少なくとも一部分に連結させる工程が、インビビション、現場打ちインモールド注型、コーティング、および積層のうちの少なくとも1つを包含する、方法。
(項目78)
ポリマー材料内へのフォトクロミック材料の移動を防止する方法であって、該方法は、以下:
該フォトクロミック材料を、該ポリマー材料の少なくとも一部分に結合させる工程であって、該フォトクロミック材料は、以下:
(1)フォトクロミック基;と
(2)該フォトクロミック基に結合した複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含む少なくとも1つのセグメントであって、該開環可能な環式モノマーは、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテル、環式シロキサンおよびこれらの組み合わせから選択され、該少なくとも1つのセグメントは、少なくとも1000g/モルの数平均分子量を有する、少なくとも1つのセグメントと
を含む、工程
を包含する、方法。
(項目79)
項目78に記載の方法であって、前記少なくとも1つのセグメントは、2000〜6000g/モルの範囲の数平均分子量を有する、方法。
(項目80)
フォトクロミック材料を作製する方法であって、該方法は、以下:
フォトクロミック開始剤を用いて、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテルおよび環式シロキサンから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始する工程であって、該フォトクロミック開始剤は、該少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含み、該少なくとも1つの官能基が、アルコール、アミン、カルボン酸、シラノール、チオール、ならびにこれらの組み合わせ、塩および錯体から選択される、工程
を包含する、方法。
(項目81)
項目80に記載の方法であって、前記開環重合を開始させる工程が、アルミニウムイソプロポキシド、トリエチルアルミニウム、スズ(II)2−エチルヘキサノエート、トリフルオロ酢酸、酵素、カリウムおよびその塩、ならびに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物から選択される少なくとも1つの触媒の存在下で起こる、方法。
(項目82)
項目80に記載の方法であって、前記官能基が、一級アルコール、二級アルコール、ならびにこれらの組み合わせ、塩および錯体から選択される、方法。
(項目83)
項目80に記載の方法によって作製される、フォトクロミック材料。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態は、図面と組み合わせて読む場合によりよく理解される。
図1は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従う、フォトクロミック材料を調製するための種々の経路の模式図である。 図2は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得るフォトクロミック開始剤を調製するための種々の経路の模式図である。 図3は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得るフォトクロミック開始剤を調製するための種々の経路の模式図である。 図4は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従う、フォトクロミック材料を調製するための種々の経路の模式図である。 図5は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従う、フォトクロミック材料を調製するための種々の経路の模式図である。 図6は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従う、フォトクロミック材料を調製するための種々の経路の模式図である。 図7(a)〜7(c)は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料を示す。
(詳細な説明)
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、1つの参照に明確にかつあいまいでなく限定されることのない限り、複数の参照を含む。
さらに、本明細書の目的のため、他に示されない限り、本明細書中で使用される成分の量、反応条件、および他の特性またはパラメーターを表す全ての数値は、用語「約」によって全ての事例において修飾されているとして理解されるべきである。従って、他に示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において記載される数値パラメーターは、近似値であることが理解されるべきである。ごくわずかでも、そして特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限することを意図せずに、数値パラメーターは、報告される有効数字の数および通常の四捨五入技術の適用を踏まえて読まれるべきである。
さらに、本発明の広範な範囲を記載する数値の範囲およびパラメーターは、上で考察したように近似値であるが、実施例の節に記載される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、そのような数値は本質的に、測定環境および/または測定技術から生じる特定の誤差を含むことが理解されるべきである。
先に考察したように、フォトクロミック材料はしばしば、ポリマー材料に組み込まれて、そのポリマー材料またはそれから作製される製造物品に所望の特性を付与する。さらに、先に考察したように、フォトクロミック材料の性能(すなわち、フォトクロミック材料の呈色速度および消光速度)は、そのフォトクロミック材料を囲む環境によって影響され得る。従って、有機フォトクロミック材料が比較的「軟質」または「可撓性」環境から、比較的「硬質」または「剛性」環境へと移動する場合、その物質のフォトクロミック性能は損なわれ得る。フォトクロミック材料をポリマー材料に結合させることは移動を低減させることを助け得るが、そのようにすることの以前の試みは、一般的に、移動されない非結合型のフォトクロミック材料の性能と比較して、フォトクロミック材料のフォトクロミック性能の低下をもたらしていた。
本明細書中に限定されないが、剛性または硬質のポリマーは、室温よりも高いガラス転移温度を有する傾向がある(例えば、23℃);一方、室温未満のガラス転移温度を有するポリマーは、軟質および可撓性である傾向がある。当業者は、適切な剛性および/または可撓性のポリマーセグメントを選択することによって、所望の硬質または軟質を有するポリマーが調製され得ることを理解する。剛性のポリマーセグメントは、硬いポリマー材料を形成する傾向があるセグメントであり、破壊(割れ)の前にプラスチックの変形はほとんど受けない。可撓性ポリマーセグメントは、柔軟でありかつ破壊されることなく可塑的に変形され得るポリマー材料を形成する傾向を有するセグメントである。例えば、構成成分を選択することによってウレタン材料(例えば、イソシアネートおよびポリオール)を調製して適切なセグメント型を形成する方法は、当業者に公知である。例えば、米国特許第6,187,444号第3欄第49行〜第4欄第46行における硬質セグメントおよび軟質セグメントについての考察を参照のこと。この開示は、本明細書中で参考として具体的に援用される。
本明細書中の以下で考察されるように、本発明者らによって、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料がポリマー材料に結合される場合、そのフォトクロミック材料が移動する傾向は、ポリマー材料に結合されない従来の類似のフォトクロミック材料と比較して、低下され得ることが観察されている。さらに、ポリマー材料に結合された場合であっても、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料のフォトクロミック性能は、ポリマー材料に結合されない従来の類似のフォトクロミック材料の性能と等価であり得るかまたはその性能よりもよくあり得ることが、観察されている。
ここで、本発明の種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料が考察される。本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック」は、少なくとも可視光線に対して吸収スペクトルを有すること意味し、この吸収スペクトルは少なくとも光線性の照射に応答して変動する。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック材料」は、フォトクロミック特性を示すように適合される(すなわち、少なくとも光線性の照射に応答して変動する、少なくとも可視光線に対する吸収スペクトルを有するように適合される)、任意の物質を意味する。従って、本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック材料」としては、有機フォトクロミック材料、無機フォトクロミック材料、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「有機フォトクロミック材料」は、有機性材料、例えばフォトクロミック基に限定されないもの、ならびに少なくとも1つのフォトクロミック基を含むポリマー、プレポリマー、モノマーおよび他の化合物を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック基」とは、少なくとも1つのフォトクロミック部分を含む、有機性のフォトクロミック実体をいう。そしてこの実体は、他の有機性基または有機性化合物(例えば、官能基、ならびに/または脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式の基および化合物、など)を含み得、そのフォトクロミック部分に連結されるかまたは縮合(融合)される。本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック実体」とは、光線性の照射に曝されて(すなわち、先に考察したような、フォトクロミック材料の「能動的部分」)1つの状態から別の状態へと可逆的転換を受け得る、フォトクロミック基の部分をいう。本明細書中で使用される場合、用語「連結した」とは、共有結合性に結合されることを意味する。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「縮合(融合)した」とは、少なくとも2つの部分が共有結合性に結合されることを意味する。
さらに、本明細書中で使用される場合、用語「プレポリマー」または「プレポリマー材料」とは、部分的にポリマー化した材料をいい、オリゴマー材料および部分的にポリマー化した材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」および「ポリマー材料」とは、ホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーおよび交互性のコポリマー)、ならびにそのブレンドおよび他の組み合わせをいう。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組合わせて使用され得るフォトクロミック基の非限定的な例としては、フォトクロミックピラン、フォトクロミックオキサジン、フォトクロミックフルギド(fulgide)が挙げられる。本明細書中で使用され得るフォトクロミックピランの非限定的な例としては、以下が挙げられる:ベンゾピラン;ナフトピラン(例えば、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−bピラン]);インデノナフトピラン(例えば、米国特許第5,645,767号第2欄第16行〜第12欄第57行に開示されるもの);ヘテロ環式縮合ナフトピラン(例えば、米国特許第5,723,072号第2欄第27行〜第15欄第55行;米国特許第5,698,141号第2欄第11行〜第19欄第45;米国特許第6,153,126号第2欄第26行〜第8欄第60行;および米国特許第6,022,497号第2欄第21行〜第11欄第46行に開示されものが挙げられ、これらの開示は本明細書中で参考として具体的に援用される);スピロ−9−フルオレノ[1,2−b]ピラン;フェナントロピラン;キノリノピラン;フルオロアンテノピラン(fluoroanthenopyran);およびスピロピラン(例えば、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、およびスピロ(インドリン)ピラン。ナフトピランのより具体的な非限定的な例は、米国特許第5,658,501号第1欄64行〜第13欄第17行に記載され、この開示は本明細書中参考として特に援用される。スピロ(インドリン)ピランもまた、Techniques in Chemistry、第III巻、「Photochromism」、第3章、Glenn H.Brown編、John Wiley and Sons,Inc.,New York,1971のテキスト中に記載され、この開示もまた本明細書中参考として特に援用される。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得るフォトクロミックオキサジンの非限定的な例としては、ベンゾオキサジン;ナフトオキサジン;およびスピロ−オキサジンが挙げられ、例えば、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノキサジン(fluoranethnoxazine)、およびスピロ(インドリン)キノキサジン(quinoxazine)である。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得る熱可逆性のフォトクロミックフルギド(fulgide)またはフォトクロミックフルギミド(fulgimide)の非限定的な例としては、米国特許第4,685,783号第1欄第57行〜第5欄第27行(この開示は本明細書中参考として特に援用される)に開示されるフルギドおよびフルギミド、ならびに前述のフォトクロミック材料の混合物が挙げられる。
本明細書中に適用される種々の非限定的な実施形態は、(a)少なくとも1つの開環可能な環式モノマー、および(b)フォトクロミック開始剤、の反応産物を含むフォトクロミック材料に関する。本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック開始剤」とは、少なくとも1つの環式モノマーの開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含むフォトクロミック材料をいう。先に考察したように、本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック材料」は、フォトクロミック特性を示すように適合される任意の物質を意味する。従って、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック開始剤は、開環反応を開始するように適合される少なくとも1つの官能基を含む、有機フォトクロミック材料、無機フォトクロミック材料、またはこれらの組み合わせであり得る。適切な非限定的な有機フォトクロミック材料としては、フォトクロミック基、ならびに少なくとも1つのフォトクロミック基を有するポリマー、プレポリマー、モノマー、および他の化合物が挙げられる。これらと組合わせて使用され得るフォトクロミック基の非限定的な例、および本明細書中に開示される他の非限定な実施形態は、上に詳細に記載される。
本明細書中で使用される場合、用語「開環可能な環式モノマー」とは、開環反応または開環重合を受け得る環構造を有するモノマーをいう。本明細書中で使用される場合、用語「開環」および「開環反応」とは、代表的には開始剤との反応において、環式モノマーの非環式形態への転換をいう。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「開環重合」とは、複数の開環した環式モノマーの鎖の形成をいう。本明細書中で使用される場合、用語「開環した環式モノマー」は、開環可能な環式モノマーの非環式形態を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「開環可能な環式モノマーの残留物」は、開環可能な環式モノマーが開環反応を受けた後に残存するものを意味する。本明細書中で使用される場合、用語「複数」とは、少なくとも2つを意味する。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得る開環可能な環式モノマー例としては、非限定的に、環式エステル、環式カルボン酸、環式エーテルおよび環式シロキサンが挙げられる。
適切な環式エステルの非限定的な例としては、以下の式:
Figure 2011042791
に表されるエステルが挙げられ、この式において、cおよびdが、1〜8の範囲の整数であり;かつR、R、R、およびRが、各炭素単位について(すなわち、各(C)単位および(C)単位について)独立して、−H、−CH、C2−C16アルキル、C(CH、およびHO−CH−から選択され;eが、0または1であり;かつDが、−O−または−O−C(O)−から選択される。あるいは、cが1であり得、Dが−C(R’)(R’)−であり得、かつR’およびR’が、RおよびRと一緒になって、縮合アリール基、縮合複素環式アリール基、または縮合脂環式基(fused−cycloaliphatic group)を形成し得、例えば、以下に示される。
Figure 2011042791
適切な環式エステルの非限定的な具体例としては、以下が挙げられる:ε−カプロラクトン;t−ブチルカプロラクトン;ζ−エナントラクトン;δ−バレロラクトン;モノアルキルδ−バレロラクトン(例えば、モノメチル−δ−バレロラクトン、モノエチル−δ−バレロラクトン、およびモノヘキシル−δ−バレロラクトンであるが、これらに限定されない);ノンアルキル−ε−カプロラクトン、ジアルキル−ε−カプロラクトンおよびトリアルキル−ε−カプロラクトン(例えば、モノメチル−ε−カプロラクトン、モノエチル−ε−カプロラクトン、モノヘキシル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、ジ−n−プロピル−ε−カプロラクトン、ジ−n−ヘキシル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン、トリエチル−ε−カプロラクトン、およびトリ−n−ε−カプロラクトンであるが、これらに限定されない);5−ノニル−オキセパン−2−オン、4,4,6−トリメチル−オキセパン−2−オンまたは4,6,6−トリメチル−オキセパン−2−オン、5−ヒドロキシメチル−オキセパン−2−オン;β−ラクトン(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトンであるが、これらに限定されない);γ−ラクトン(例えば、γ−ブチロラクトンおよびピバロラクトンであるが、これらに限定されない);ジラクトン(例えば、ラクチド、ジラクチド、グリコシド(例えば、テトラメチルグリコシド)であるが、これらに限定されない);およびケトジオキサノン(例えば、1,4−ジオキサン−2−オンおよび1,5−ジオキセパン−2−オンであるが、これらに限定されない)。
適切な環式カルボン酸の非限定的な例としては、以下の式:
Figure 2011042791
に表されるものが挙げられ、この式において、fおよびgは、1〜3の範囲の整数であり;R、R、R、およびR10は、独立して、各炭素単位について(すなわち、各(C)単位および(C)単位について)、−H、−CH、C2−C16アルキル、C(CH、HO−CH−、または−OCから選択され;hは0または1であり;そしてEは、−O−である。適切な環式カルボン酸の具体的な例としては、非限定的に、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルトリメチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(caronate)、トリエチレンカーボネート、トリメチロールプロパン(trimethylolpropane)モノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネート、および1,2−ジオキセパン−2−オンが挙げられる。
適切な環式エーテルの非限定的な例としては、以下の式:
Figure 2011042791
に表されるものが挙げられ、この式において、「i」は2〜5の範囲の整数であり、そして各R11は同じであっても異なっていてもよく、そして以下から選択され得る:水素;ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素であるが、これらに限定されない);C1−C10アルキル(例えば、直鎖または分枝鎖のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルであるが、これらに限定されない);フェニル(これは、置換されていても非置換であってもよい);ハロゲン化C1−C10アルキル(例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジクロロメチル、2−クロロメチル、および3−クロロメチルであるが、これらに限定されない);およびC1−C6アルキロール(例えば、メチロール(例えば、−CHOH))。環式エーテルの非限定的な具体例としては、以下が挙げられる:エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、オキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、およびテトラヒドロフラン。
適切な環式シロキサンの非限定的な例としては、以下の式:
Figure 2011042791
に表されるものが挙げられ、この式において、R12およびR13は同じであるかまたは異なり、各々は、各シロキサン単位について独立して、C1−C8の直鎖または分枝鎖のアルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、または(C1−C6)アルキルアリールから選択され、そしてjはシロキサン単位の数であり、3〜6から選択される。例えば、本明細書中では限定していないが、非限定的な1実施形態に従い、R12およびR13は各々メチルであり得、jは3または4であり得る。このような環式シロキサンの非限定的な例としては、非限定的に、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(すなわち、j=3)およびオクタメチルシクロテトラシロキサン(すなわち、j=4)が挙げられる。
本明細書中では限定していないが、本明細書中に開示される非限定的な1実施形態に従い、フォトクロミック材料は、(a)環式エステルおよび環式カルボン酸から選択される少なくとも1つの開環可能な環式モノマー、および(b)フォトクロミック開始剤、の反応産物を含む。例えば、本明細書中では限定していないが、非限定的なこの実施形態に従い、少なくとも1つの環式モノマーはε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンから選択され得る。
前述のように、開環可能な環式モノマーの開環は、代表的に開始剤を含む。開始剤の選択は、含まれる環式モノマーに部分的に依存することが当業者に理解される。例えば、開環可能な環式エステルとの使用に適した開始剤は、非限定的に、アルコール、アミン、カルボン酸、チオール、ならびにそれらの組み合わせ、塩、および錯体から選択され得る。さらに、一旦この開環可能な環式モノマーが適切な開始剤によって開環反応を受けると、開環したモノマー自体が別の開環可能な環式モノマーの開環を開始するのに役立ち得、次にこのモノマーがさらに別の開環可能な環式モノマーの開環を開始するのに役立ち得る、などであり、これによって、2個(またはそれより多く)の開環したモノマーの鎖を形成する。換言すると、複数の開環可能な環式モノマーの開環重合が起り得る。使用される開環可能なモノマーに依存して、開環重合はホモポリマーまたはコポリマーの形成を生じ得る。例えば、ホモポリマーは、複数の同種の開環可能な環式モノマーの開環重合によって形成され得る。あるいは、コポリマーが、複数の開環可能な環式モノマーの開環重合によって形成され得、そのモノマーのうちの少なくとも1つは残りのものとは異なる。
例えば、本明細書中では限定していないが、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従い、図1に模式的に示されるように、開環可能な環式モノマー(図1中、一般的に10として示される)は、この開環可能な環式モノマーとフォトクロミック開始剤(一般的に12と示される)との反応によって開環され得、これによってフォトクロミック材料(一般的に14と示される)を形成する。図1に示されるように、開環可能な環式モノマーは、eが0である上記のような環式エステルである。さらに、図1に示されるように、フォトクロミック開始剤12は、開環反応を開始するように適合される少なくとも1つの官能基(すなわち、図1に示されるような、ヒドロキシル(−OH)基)を含む。必要ではないが、図1にさらに示されるように、フォトクロミック材料14は、1つ以上のさらなる開環可能な環式モノマーに対するフォトクロミック開始剤であり得、(一般的に16と示される)これは、環式モノマー10と同じであってもこれと異なっていてもよく、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従ってフォトクロミック材料(一般的に18と示される)を形成する。本明細書中では限定していないが、例えば図1において、kは0〜499の範囲の整数であり得、フォトクロミック材料18は1個〜500個の開環可能な環式モノマーの残留物を含み得、このモノマーの各々は同じであってもよいし、残りの開環可能な環式モノマーとは異なっていてもよい。
上記に考察されるように、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従うフォトクロミック材料は、複数の開環可能な環式モノマーと少なくとも1種のフォトクロミック開始剤との反応産物を含み得る。さらに、上記に考察されるように、開環可能な環式モノマーは同じであっても異なっていてもよい。例えば、本明細書中では限定していないが、非限定的な1つの実施形態に従い、複数の開環可能な環式モノマーの各々は、独立して、ε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンから選択され得る。さらに、非限定的なこの実施形態に従い、この開環可能なモノマーのうちの1種はε−カプロラクトンであり得、そして開環可能なモノマーのうちの別の1種はδ−バレロラクトンであり得る。従って、非限定的なこの実施形態に従い、フォトクロミック材料は、ε−カプロラクトンまたはδ−バレロラクトンのいずれかのホモポリマーであるポリマー鎖セグメント、またはε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンとのコポリマー(例えば、ランダムコポリマー、交互性のコポリマー、またはブロックコポリマー)のポリマー鎖セグメントを含み得る。
先に考察したように、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従うフォトクロミック開始剤は、少なくとも1つの環式モノマーの開環を開始するように適合される少なくとも1つの官能基を含み、そして複数の開環可能な環式モノマーの開環重合を開始し得る。本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせた使用に適している官能基の例としては、非限定的に、アルコール、アミン、カルボン酸、シラノール、チオール、ならびにそれらの組み合わせ、塩、および錯体が挙げられる。非限定的な1つの実施形態に従い、フォトクロミック開始剤は、第一級アルコール基、第二級アルコール基ならびにその塩および錯体から選択される少なくとも1つの官能基を含む。しかしながら、上記に考察したように、官能基の選択は、その開環可能な環式モノマーに部分的に依存する。
本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせて使用され得るフォトクロミック開始剤の非限定的な具体例は、以下の表1に記載される。表1が適切なすべてのフォトクロミック開始剤の網羅的な一覧であることは意図されず、例示の目的のみのために提示されることが理解されるべきである。当業者は、種々の他のフォトクロミック開始剤および以下に示されるこれらフォトクロミック開始剤の改変を理解する。それらは本開示の精神および範囲の内である。そしてそれら開始剤は、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせて使用され得る。
Figure 2011042791
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これらおよび他の非限定的なフォトクロミック開始剤を形成する方法は、本開示および本実施例を見ると、当業者に容易に理解される。例えば、本明細書中では限定していないが、1.18および1.84のようなフォトクロミック開始剤(上記表1に示される)を調製するのに使用され得る、2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−ヒドロキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピランを形成する1方法は、米国特許第5,458,814号第13欄第15行〜第52行の実施例1に見出され得、この例は本明細書により参考として特に援用される。
本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせて使用され得る、フォトクロミックピラン開始剤およびフォトクロミックオキサジン開始剤を形成するための一般的な反応スキームは、それぞれ図2および図3に記載される。図2および図3に示される一般的な反応スキームは、本明細書中で限定していることを意図せず、例示の目的のみのためであることが理解されるべきである。図2および図3に示される一般的な反応スキームならびにそれらの変更に加え、他の方法を使用して、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従って使用され得る適切なフォトクロミック開始剤を形成してもよいことが、当業者に理解される。
図2は、少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始するように適合される、少なくとも1つの官能基を含むフォトクロミックピランを調製するための、一般的なスキームを示す。図2において、4−フルオロベンゾフェノン(これは図2中、一般的に220と示される)は、少なくとも1つの環式モノマー(「R14」)の開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含む有機基と共に、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒中で窒素の下で反応されて、一般的に222と示される置換ケトンを形成し得る。例えば、本明細書中では限定していないが、R14は、アルコール、アミン、カルボン酸、シラノール、チオール、またはそれらの組み合わせ、塩および錯体から選択される官能基を含む、直鎖状または分枝鎖状の基であり得る。4−フルオロベンゾフェノンは、購入され得るかまたは当該分野で公知であるFriedel−Crafts方法によって調製され得るかのいずれかであることが当業者に理解される。例えば、刊行物「Friedel−Crafts and Related Reactions」、George A.Olah、Interscience Publishers、1964、第3巻、第XXXI章(Aromatic Ketone Synthesis)、および「Regioselective Friedel−Crafts Acylation of 1,2,3,4−Tetrahydroquinoline and Related Nitrogen Heterocycles:Effect on NH Protective Groups and Ring Size」、Ishihara,Yugiら、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,3401〜3406頁,1992(これらは本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。以後、置換ケトン222は、適切な溶媒(例えば、無水テトラヒドロフラン(THF)であるが、これに限定されない)中でナトリウムアセチリドと反応されて、対応するプロパギルアルコール(一般的に224と示される)を形成し得る。次いで、プロパギルアルコール224は、ヒドロキシ置換A’基(一般的に226と示される)と結合されて、フォトクロミックピラン開始剤(一般的に228と示される)を形成し得る。A’基の適切な非限定的な例としては、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、インデンノナフト、複素環縮合ナフト、および複素環縮合ベンゾが挙げられる。さらに、図2に示されるように、A’基は必要に応じて、1つ以上のR14基(例えば、mは0から利用可能な位置の総数までであり得る)で置換され得、そして各々のR14は同じであってもよいし、残りのR14基とは異なっていてもよい。
図3は、少なくとも1つの環式モノマーの開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含む、フォトクロミックオキサジンを調製するための一般的反応スキームを示す。図3において、ヒドロキシル化A”基(一般的に330と示される)が酸(例えば、酢酸が挙げられるが、これに限定されない)の存在下で亜硝酸ナトリウムと反応されて、ニトロソ置換されたA”基(一般的に332と示される)を生じる、一般的なニトロソ化およびカップリングプロセスが示される。A”基の適切な非限定的な例としては、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、インデノ縮合ナフト、複素環縮合ナフト、および複素環縮合ベンゾが挙げられる。必要に応じて、A”基は、開環反応を開始するように適合された官能基(「R15」)を含む1つ以上の有機基で置換され得る。次いで、ニトロソ置換A”基332は、Fischer塩基(一般的に334と示される:これもまた1つ以上のR15基を含み得る)とカップリングされる。カップリングは、溶媒(例えば、無水エタノール)であるが、これらに限定されない)中で行われ、還流条件下で加熱されて、フォトクロミックオキサジン開始剤(一般的に336と示される)を生成する。さらに、図3に示されるように、pおよびp’は、0から、その基が結合される分子上で利用可能な位置の総数までであり得るが、ただし、開環反応を開始するように適合された少なくとも1つの官能基が存在し、そして各々のR15基は同じであってもよいし、残りのR15基とは異なっていてもよい。
先に考察したように、一旦、開環可能な環式モノマーが適切な開始剤により開かれると、この開環したモノマーは別の開環可能な環式モノマーの開環を開始するのに役立ち得る、などである。従って、一旦、フォトクロミック開始剤が少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始すると、得られたフォトクロミック材料はさらに別の開環可能な環式モノマーに対するフォトクロミック開始剤として役立ち得る。この様式で、複数の開環した環式モノマーを含む少なくとも1つのポリマー鎖を含むフォトクロミック材料(これは、同じであっても異なっていてもよい)が形成され得る。従って、例えば、上記表1に列挙される任意のフォトクロミック開始剤は、1つ以上の環式モノマーと反応されて、さらに他のフォトクロミック開始剤を形成し得、この開始剤は本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせた使用に適切である。
さらに、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従うフォトクロミック材料は、少なくとも1つの反応基を含む有機材料とさらに反応されて、その結果得られたフォトクロミック材料は、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料をさらに含む。本明細書中で使用される場合、用語「反応基」は、触媒の存在下または非存在下のいずれかで、ヒドロキシル基と反応され得るいずれの基も意味する。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「反応基の残留物」とは、反応基が反応された後に残存する基を意味する。
本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせて使用され得る少なくとも1つの反応基を含む適切な有機材料の非限定的な例としては、以下の表2に記載されるものが挙げられる。少なくとも1つの反応基を含む有機材料が関与し得る反応の非限定的な例としては、付加反応、脱離反応、縮合反応、置換反応、および重合反応(例えば、ラジカル重合、アニオン性重合、カチオン性重合、開環重合、縮合重合、付加重合、およびUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、「Polymerization Processes」、第21A巻、305〜428頁(これは、本明細書によって参考として特に援用される)に記載されるような重合プロセス)が挙げられる。他の非限定的な具体的な反応は、以下の表2に記載される。少なくとも1つの反応基を反応させた後に得られる、少なくとも1つの反応基の残留物の非限定的な例もまた、以下の表2に示される。表2が、少なくとも1つの反応基、可能性ある反応物、および/または残留物を含むすべての適切な有機材料の網羅的な一覧であることは意図されないこと、そして表2が例示の目的のみのために提示されることが理解されるべきである。当業者は、少なくとも1つの反応基、可能性ある反応物および残留物を含む、種々の他の有機材料を理解する。それら有機材料は本開示の精神および範囲の内であり、それら有機材料は、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態と組み合わせて使用され得る。
上記に考察されるように、少なくとも1つの反応基を含む有機材料との反応後、本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従うフォトクロミック材料は、さらに、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料を含む。本明細書中に開示される非限定的な種々の実施形態に従うフォトクロミック材料が含み得る、少なくとも1つの反応基の残留物の非限定的な例としては、以下が挙げられる:アクリレート、アルキル基、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル基、アルキルオキシジアルキルシリル基、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール基、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、イソシアネート、イソチオシアネート、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能な環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル基、チイラン(thiirane)、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせ。フォトクロミック材料の意図される使用に依存して、少なくとも1つの反応基を含む有機材料は、その反応基の残留物を含む有機材料がさらに他の材料または他の基(例えば、ポリマー材料、プレポリマー材料、およびモノマー材料が挙げられるが、これらに限定されない)と反応し得るように選択され得ることを、当業者は理解する。あるいは、少なくとも1つの反応基を含む有機材料は、その反応基の残留物を含む有機材料がその後の使用において本質的に無反応性であるように選択され得る。
Figure 2011042791
例えば、本明細書中に限定しないが、図4に概略的に示されるように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料(一般的に440として示される)は、さらに、反応基(一般的に442として示される)を含む有機材料と反応されて、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料を含むフォトクロミック材料(一般的に444として示される)を形成し得る。本明細書中に限定しないが、図4に示されるように、少なくとも1つの反応基442を含む有機材料は、合成された少なくとも1つの反応基の残留物が、本質的に非反応性であるように選択され得る。例えば、本明細書中に限定しないが、有機材料442は、少なくとも1つの反応基を含むポリマー材料またはプレポリマー材料であり得、そしてフォトクロミック材料は、ポリマー材料またはプレポリマー材料の反応基とフォトクロミック材料のヒドロキシル基とを反応させることによってポリマー材料に結合され得る。さらに、本明細書中に限定しないが、図4においてk’は、1〜500の範囲であり得る。
あるいは、上記のように、他の非限定的な実施形態に従って、少なくとも1つの反応基を含む有機材料は、合成されたフォトクロミック材料が、1つ以上のさらなる材料または基とさらに反応され得る少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料を含むように選択され得る。例えば、本明細書中に限定しないが、図5に概略的に示されるように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料(一般的に550として示される)は、2つの反応基(一般的に552として示される)を含む有機材料とさらに反応されて、少なくとも1つの反応基および未反応の反応基の残留物を含む有機材料を含むフォトクロミック材料(一般的に554として示される)を形成し得る。図5に示されるように、有機材料552はジイソシアネートであり、合成されたフォトクロミック材料554は、イソシアネート基および未反応のイソシアネート基の残留物を含む有機材料を含む。さらに、図5に示されないが、未反応のイソシアネート基は、1つ以上のさらなる材料または基とさらに反応されて、例えば、ポリマーセグメントを形成し得るか、あるいはフォトクロミック材料を別の材料(ポリマー材料または表面)に結合または連結し得る。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、本明細書中に開示されるフォトクロミック材料と、反応基を含む有機材料とを反応させ、そして/または反応基(または他の官能基)を、フォトクロミック材料に結合させる他の方法が使用され得、そして上述の例が、例示の目的のみのために提供され、本明細書中に限定することを意図しないことは、当業者によって理解される。例えば、本明細書中に限定しないが、図6に示されるように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料(一般的に660として示される)は、少なくとも1つの反応基(例えば、図6に示されるような塩化チオニル(SOCl))を含む有機材料とのハロゲン化反応において反応さて、開環可能環状モノマーの残留物を含む有機材料を含むフォトクロミック材料(一般的に664として示される)を形成し得、ここで、末端ヒドロキシル基は、反応基(例えば、図6に示されるような塩素)と置換される。
従って、本明細書中に開示される1つの特定の非限定的な実施形態は、(a)(1)環状エステルおよび環状カーボネートから選択される少なくとも1つの開環可能環状モノマー、および(2)フォトクロミック開始剤の反応生成物であるフォトクロミック材料;ならびに(b)少なくとも1つの反応基を含む有機材料、の反応生成物を含むフォトクロミック組成物を提供する。上記のように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、少なくとも1つの反応基を含む有機材料が、例えば、所望の官能基をフォトクロミック材料に提供するため、あるいはフォトクロミック材料を別の基または材料に連結または結合するために選択され得る。例えば、この非限定的な実施形態に従って、少なくとも1つの反応基を含む有機材料は、反応後、フォトクロミック組成物が、フォトクロミック材料に結合される反応基の残留物を含む有機材料を含むように選択され得、ここで、この残留物は、アクリレート、アルキル基、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル基、アルキルオキシジアルキルシリル基、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール基、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシ基、イソシアネート、イソチオシアネート、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能環状モノマーの残留物、トリアルコキシシリル基、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびそれらの組み合わせから選択される。
本明細書中に開示される他の非限定的な実施形態は、
Figure 2011042791
によって表されるフォトクロミック材料を提供し、ここで、PCは、フォトクロミック基であり、nは、1〜8から選択される整数であり;そして各S’は、各出現例について独立して、
Figure 2011042791
によって表される基から選択され、ここで、(1)Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−および−S−から選択される連結基であるか、あるいはLは、各出現例について独立して、−O−、−N−、および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む直鎖または分枝鎖の有機架橋基を含み;(2)基Rは、開環した環状モノマーであり、そして(3)基Rは各出現例について独立して、水素および有機材料から選択され、この有機材料は、少なくとも1つの反応基の残留物を含む。さらに、式2において、「a」は、各出現例について独立して、1〜500から選択される整数であり、bは、各出現例について独立して、1〜20から選択される整数である。
上記のように、本明細書中で使用される場合、用語「フォトクロミック基」とは、少なくとも1つのフォトクロミック部分を含む有機物の構成要素をいい、そしてそのフォトクロミック部分に連結または縮合される他の有機物の基または化合物(例えば、官能基および/または脂肪族基、脂環式基、芳香族基、および複素環式基ならびに化合物など)を含み得る。適切なフォトクロミック基の非限定的な例としては、詳細に上記に記載されるそれらのフォトクロミック基が挙げられる。例えば、そして限定せずに、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック基PCは、上記に議論したフォトクロミックピラン、フォトクロミックオキサジン、およびフォトクロミックフルギド類(photochromic fulgides)から選択され得る。1つの特定の非限定的な実施形態に従って、PCは、ベンゾピラン、ナフトピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオロアンテノピラン、およびスピロピランから選択されるフォトクロミックピランである。別の非限定的な実施形態に従って、PCは、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、インデノナフトピラン、および複素環式縮合ナフトピランから選択されるナフトピランである。さらに別の非限定的な実施形態に従って、PCは、インデノナフトピランである。
上記に議論したように、ポリマー材料中のフォトクロミック材料の移動を制限するための以前の試みは、一般に、フォトクロミック材料を、短い有機物のセグメントを有するポリマー材料に結合させることに関係している。しかしながら、この様式においてフォトクロミック材料を結合させることは、この材料のフォトクロミック性能の劣化を生じ得る。さらに、関係するフォトクロミック材料に依存して、フォトクロミック材料上の有機物のセグメントの配置が、フォトクロミック材料の活性部分から離れた位置に制限され得る。
対照的に、本発明者らは、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料が、基S’が、フォトクロミック材料の活性部分の近くに位置する場合でさえも、良好なフォトクロミック性能を有し得ることを観測した。さらに、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、各PCは、1つより多くの基S’を有し得る(すなわち、nは1〜8の範囲であり得る)。
例えば、1つの特定の非限定的な実施形態に従って、nは4であり、そしてフォトクロミック材料は、例えば、以下:
Figure 2011042791
に示すように、4つのS’基を有し得る。
別の特定の非限定的な実施形態に従って、nは2であり、そしてフォトクロミック材料は、例えば、以下:
S’−PC−S’ 式4
に示すように、2つのS’基を有し得る。本明細書中に限定しないが、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従い、そして2つのS’基を有するフォトクロミック材料の1つの特定の非限定的な例は、以下の実施例5に記載される。
さらに別の特定の非限定的な実施形態に従って、nは1であり、そしてフォトクロミック材料は、例えば、以下:
PC−S’ 式5
に示すように、1つのS’基を有し得る。本明細書中に限定しないが、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従い、そして1つのS’基を有する種々のフォトクロミック材料の非限定的な例は、以下の実施例に記載される。
上記に議論したように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、Lは、各出現例について独立して、−O−、−N−、および−S−から選択される連結基であり得るか、あるいはLは、各出現例について独立して、−O−、−N−、および−S−から選択される少なくとも1つの連結基を含む直鎖または分枝鎖の有機架橋基を含み得る。本明細書中で使用される場合、用語「連結基」とは、R基に対して少なくとも1つの共有結合を形成する基をいう。上記に議論したように、本明細書中で使用される場合、用語「連結された」とは、共有結合されることを意味する。例えば、本明細書中に限定しないが、図7(a)に概略的に示されるように、Lは、R基に連結される単一の連結−O−基を有する有機架橋基を含む。
さらに、上に示したように、Lは、1つ以上の連結基を含む直鎖または分枝鎖の有機架橋基を含み得る。例えば、そして図7(b)に概略的に示されるように、本明細書中に開示される1つの非限定的な実施形態は、上の式1および式2によって表されるフォトクロミック材料を提供し、ここで、bは2であり、そしてLは、2つの連結基を含む直鎖または分枝鎖の有機架橋基である。より具体的には、本明細書中で限定せずに、図7(b)に示されるように、Lは、2つの連結基−O−基を有する有機架橋基を含み得、その各々は、R基に連結される。さらに、図7(c)に概略的に示されるように、bは3であり、そしてLは、3つの連結−O−基を有する分枝鎖の有機架橋基であり、その各々は、R基に連結される。さらに他の非限定的な実施形態に従って、L基は、3つより多い連結基を含む架橋基であり得る。例えば、本明細書中に限定しないが、上に議論したように、bは、1〜20の範囲であり得、そしてLは、1〜20の連結基を含む有機架橋基であり得る。他の非限定的な実施形態に従って、bは、1〜16、1〜10、または1〜3の範囲であり得る。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、Lは、少なくとも1つの連結基を含む直鎖または分枝鎖の有機架橋基であり、Lは、以下から選択され得る:C1−C10アルキルオキシ、C1−C10アルキルアミノ、C1−C10アルキルチオ、C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、アリールC1−C10アルキルオキシ、アリールC1−C10アルキルアミノ、アリールC1−C10アルキルチオ、アリールC2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、アリールC3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、アリールC2−C20 β−チオプロピル(エトキシ)、アリールC3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、アリールC4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、複素環式C1−C10アルキルオキシ、複素環式C1−C10アルキルアミノ、複素環式C1−C10アルキルチオ、複素環式C2−C20 β−オキシポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−オキシポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−オキシポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−アミノポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−アミノポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−アミノポリ(ブトキシ)、複素環式C2−C20 β−チオポリ(エトキシ)、複素環式C3−C30 β−チオポリ(プロポキシ)、複素環式C4−C40 β−チオポリ(ブトキシ)、およびこれらの組み合わせ。
本明細書中で使用される場合、用語「複素環式」とは、原子の環を有する化合物であって、ここで、環を形成する少なくとも1つの原子は、環を形成する他の原子と異なる化合物を意味する。適切な複素環式基の非限定的な例としては、以下が挙げられる:アザインドリル、ジベンゾフロ、ジベンゾチエノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チエノ、フロ、ジオキサノ、ジオキソラノ、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、イソベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、イソインドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、モルホリノ、オキサジアゾリル、オキサチアゾリル、ピペリジノ、プリニル、フェナジニル、ピペラジノ、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、キノリニル、イソキノリニル、チアゾリル、トリアジニル、チオモルホリノ、チアジアゾリル、テトラヒドロキノリニル、およびテトラヒドロイソキノリニル。
アリール基の非限定的な例は、フェニルおよびナフチルから選択される。
Lが選択され得る少なくとも1つの連結基を含む適切な架橋基の特定の非限定的な例としては、官能基と環状モノマーとの反応後に、上の表1に記載される少なくとも1つの環状モノマーの開環を開始するために適用される少なくとも1つの官能基を含む有機基が挙げられる。例えば、本明細書中に限定しないが、Lは、官能基と開環可能環状モノマーとの反応後に、構造1.4(すなわち、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル基)に示されるヒドロキシ基またはアルコール基を含む有機基を含み得る。つまり、Lは、4−(2−オキソエトキシフェニル)基であり得る。
上で議論したように、Rは、開環した環状モノマーである。さらに、上で議論したように、本明細書中で使用される場合、用語「開環した環状モノマー」とは、開環可能環状モノマーの非環式形態を意味する。適切な開環可能環状モノマーの非限定的な例は、詳細に上に記載されている。例えば、1つの非限定的な実施形態に従って、Rは、開環した環状エステルモノマー、開環した環状カーボネートモノマー、開環した環状エーテルモノマー、および開環した環状シロキサンモノマーから選択され得る。別の非限定的な実施形態に従って、Rは、開環した環状エステルモノマーおよび開環した環状カーボネートモノマーから選択され得る。さらに別の非限定的な実施形態に従って、Rは、開環したε−カプロラクトンモノマーおよび開環したδ−バレロラクトンモノマーから選択され得る。
さらに、上に示したように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、フォトクロミック材料は、1〜8のS’基を有し得、そして各S’基は、1つのR基または複数のR基を有し得る。従って、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、式2における「a」は、各出現例について独立して、1〜500から選択され得る。他の非限定的な実施例に従って、「a」は、1〜100の範囲であり得る。さらに他の非限定的な実施形態に従って、「a」は、1〜60の範囲であり得る。さらに他の非限定的な実施形態に従って、「a」は、20〜60の範囲であり得る。
上に議論したように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、フォトクロミック材料は、複数の開環した環状モノマーを含むポリマー鎖セグメントを含み得る。種々の非限定的な実施形態に従って、ポリマー鎖セグメントは、望ましくは、ポリマー材料に対するフォトクロミック材料のフレキシブル(flexible)結合を可能にする複数のR基を有するフレキシブル鎖セグメントである。他の非限定的な実施形態に従って、ポリマー鎖セグメントは、ポリマー材料に対するフォトクロミック材料のフレキシブル結合を可能にする10〜100または20〜60のR基を有するフレキシブル鎖セグメントである。さらに、そして以下により詳細に議論されるように、それらの非限定的な実施形態に従って、各R基は、残りのR基と同じであっても、異なっていてもよい(すなわち、ポリマー鎖セグメントは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい)。いずれの特定の理論にも束縛されることを意図しないが、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフレキシブルセグメントは、材料のフォトクロミック性能を妨げずにフォトクロミック材料をポリマー材料に結合させ得る点で有益であり得ることが、企図される。
S’が、複数のR基を含む場合、R基は、一緒に連結されて、鎖セグメントを形成し得る。さらに、複数のR基中の各R基は、残りのR基と同じであっても、異なっていてもよい。従って、例えば、S’が複数のR基を有する1つの非限定的な実施形態に従って、各R基は独立して、開環したε−カプロラクトンモノマーおよび開環したδ−バレロラクトンモノマーから選択され得る。S’が、複数のR基を含む別の非限定的な実施形態に従って、少なくとも1つのRは、開環したε−カプロラクトンモノマーであり得、そして少なくとも1つのRは、開環したδ−バレロラクトンモノマーであり得る。従って、この非限定的な実施形態に従って、S’は、コポリマー鎖セグメントを含む。例えば、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料の1つの非限定的な例(この例においてフォトクロミック材料は、2つのS’基を含み、その各々は、コポリマー鎖セグメントを一緒に形成する複数のR基を含む)は、以下の実施例5に記載される。
さらに、各S’について、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、各−[R−セグメントは、1モルあたり100〜22,000グラム(「g/mol」)の範囲の数平均分子量を有し得る。各S’について、他の非限定的な実施形態に従って、各−[R−セグメントは、2000〜6000g/molの範囲の数平均分子量を有し得る。各S’について、さらに他の非限定的な実施形態に従って、各−[R−セグメントは、100〜500g/molの範囲の数平均分子量を有し得る。
上に議論したように、基Rは、各出現例について独立して、水素および少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料から選択される。上に議論したように、本明細書中で使用される場合、用語「反応基の残留物」とは、反応基が反応した後に残っている残留物を意味する。さらに、本明細書中に限定しないが、Rが、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料である種々の非限定的な実施形態に従って、少なくとも1つの反応基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルホスホネート、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、アジリジン、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、エステル、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、プロペニルエーテル、開環可能環式モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、チイラン、チオール、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択され得る。さらに他の非限定的な実施形態に従って、Rは、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料であり得、ここで、少なくとも1つの反応基の残留物は、アクリレート、アルキル、アルキルジアルコキシシリル、アルキルオキシジアルキルシリル、アリルカーボネート、アミド、アミン、無水物、アリール、カルボン酸、クロロホルメート、脂環式エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、ハロゲン、ヒドロキシル基、メタクリレート、チオール、プロペニルエーテル、開環可能環状モノマーの残留物、トリアルコキシシリル、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、およびそれらの組み合わせから選択される。さらに、上に議論したように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料はさらに、少なくとも1つの未反応の反応基を含む。
上に議論したように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従うフォトクロミック材料は、さらに結合または反応を意図されない少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料を含み得る。従って、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、Rは、さらに結合または反応を意図されない少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料であり得る。例えば、そして限定せずに、少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料は、未反応性官能基でキャップ化され得る。本明細書中に限定しないが、例えば、図4のフォトクロミック材料444に示されるように、Rは、さらに結合または反応を意図されないイソシアネート基の残留物を含む有機材料であり得る。
あるいは、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、Rは、さらに結合または反応を意図されない少なくとも1つの反応基の残留物を含む有機材料であり得る。例えば、本明細書中に限定しないが、Rは、イソシアネート基の残留物および未反応のイソシアネート基(例えば、図5のフォトクロミック材料554に示されるか;または図6のフォトクロミック材料664に示される)を含む有機材料であり得、Rは、反応性ハロゲン基をさらに含む開環可能環状モノマーの残留物を含む有機材料であり得る。
本明細書中に開示される他の非限定的な実施形態は、以下:
Figure 2011042791
によって表されるフォトクロミック材料を提供し、ここで、Yは、炭素または窒素から選択され得;基Aは、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、チエノ、フロ、インドロ、インドリノ、インデノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チオフェノ、インデノナフト、複素環式縮合ナフト、および複素環式縮合ベンゾから選択され得;基S’は、上記の通りであり;そしてn’は、0〜8から選択される整数であるが、ただし、n’が0である場合、BまたはB’の少なくとも一方は、基S’(上記)を含む。
式6を続けて参照して、BおよびB’は、独立して、以下から選択され得る:(1)基S’(これは上に記載される);(2)モノ−R17−置換フェニルであって、ここで、R17は、−G[(OC(OC(OC]Jおよび−[(OC(OC(OC]Jのうちの一つにより表され、ここで、−Gは、−C(O)−および−CH−から選択され、Jは、C1−C12アルコキシおよび重合可能な基から選択され、q、rおよびsは、各々が、0と50との間の数であり、そして、q、rおよびsの合計は、2と50との間である、モノR17置換フェニル;(3)非置換、一置換、二置換、もしくは三置換のアリール基;(4)9−ジュロリジニル(julolidinyl)基、ピリジルフラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、およびフルオレニルから選択される非置換、一置換もしくは二置換の複素環式芳香族基であって、(3)および(4)におけるアリール基および複素環式芳香族置換基の各々は、独立して、以下から選択される:(i)ヒドロキシ(ii)基−C(O)R18であって、ここで、R18は、−OR19、−N(R20)R21、ピペリジノおよびモルホリノから選択され、R19は、アリル、C1−C6アルキル、フェニル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキルおよびC1−C6ハロアルキルから選択され;R20およびR21は、各々、C1−C6アルキル、C5−C7シクロアルキル、フェニル,一置換フェニルおよび二置換フェニルから選択され、フェニル置換基は、C1−C6アルキルおよびC1−C6アルコキシから選択され、そして、上記ハロ置換基は、クロロおよびフルオロから選択される、基−C(O)R18;(iii)アリール、モノ(C1−C12)アルコキシアリール、ジ(C1−C12)アルコキシアリール、モノ(C1−C12)アルキルアリール、ジ(C1−C12)アルキルアリール、ハロアリール、C3−C7シクロアルキルアール、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキルオキシ(C1−C12)アルコキシ、アリール(C1−C12)アルキル、アリール(C1−C12)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C1−C12)アルキル、アリールオキシ(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルキル、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルキルアリール(C1−C12)アルコキシ、モノ−もしくはジ−(C1−C12)アルコキシアリール(C1−C12)アルコキシ、アミノ、モノ(C1−C12)アルキルアミノ、ジ(C1−C12)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C1−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、モノ(C1−C12)アルコキシ(C1−C12)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、およびハロゲン、から選択され;(5)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニルおよびアクリジニルから選択される非置換もしくは一置換の基であって、該置換基の各々は、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、フェニルおよびハロゲンから独立して選択される、基;(6)一置換フェニルであって、該フェニルは、パラ位に位置する置換基を有し、該置換基は、−(CH−および−O−(CH−から選択され、ここで、tは、1、2、3、4、5および6から選択される整数であり、該置換基は、別のフォトクロミック材料上のアリール基に結合している、一置換フェニル;(7)以下:
Figure 2011042791
のうちの1つにより表される基であって、ここで、Kは、各式において独立して、メチレンおよび酸素から選択され、そして、Mは、各式において独立して、酸素および置換窒素から選択され、ただし、Mが置換窒素である場合、Kはメチレンであり;この置換窒素の置換基は、水素、C1−C12アルキルおよびC1−C12アシルから選択され;各R22は、各式における各出現例について独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ヒドロキシおよびハロゲンから選択され;R23およびR24は、各々が、各式において独立して、水素およびC1−C12アルキルから選択され;そして、uは、0、1および2から選択される整数である、基;ならびに(8)C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ(C1−C12)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルコキシ(C3−C7)シクロアルキル、モノ(C1−C12)アルキル(C3−C7)−シクロアルキル、ハロ(C3−C7)シクロアルキルおよびC4−C12ビシクロアルキルであって、ただし、BおよびB’の両方が、(8)から選択されることはなく;ならびに(9)以下の構造式9:
Figure 2011042791
によって表される基であって、ここで、R25は、水素およびC1−C12アルキルから選択され、そして、R26は、ナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルから選択される、非置換、一置換もしくは二置換の基から選択され、ここで、この置換基は、独立して、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシおよびハロゲンから選択される、基。
あるいは、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によれば、BとB’はともに、フルオレン−9−イリデン、一置換フルオレン−9−イリデンもしくは二置換フルオレン−9−イリデン、または飽和C3−C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C7−C12スピロ二環式炭化水素環もしくは飽和C7−C12スピロ三環式炭化水素環から選択されるスピロ環基を形成し得、ただし、このスピロ環基は、ノルボルニリデンでもビシクロ[3.3.1]9−ノニリデンでもなく、上記のフルオレン−9−イリデンの置換基の各々は、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ハロゲンおよび基S’(先に示される)から独立して選択される。
先に考察されるように、ポリマー材料へ重合され得る比較的短い有機鎖セグメントが結合したフォトクロミック材料が記載されている。しかしながら、特定のフォトクロミック材料に対して、フォトクロミック材料上へのこのような有機鎖セグメントの配置は、フォトクロミック材料の活性部分から離れた位置に制限され得る。鎖セグメントがフォトクロミック材料の活性部分にあまりにも近接して配置される場合、フォトクロミック材料の変形する能力が妨害され得、それによりこの材料のフォトクロミック性能を低下させ得る。しかしながら、本発明者らは、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうS’基が、フォトクロミック材料の活性部分に近接して配置されても、概してフォトクロミック性能を妨害しないことを観察した。さらに、以下でより詳細に考察されるように、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料のフォトクロミック性能が、基S’を含まない同様なフォトクロミック材料のフォトクロミック性能よりも良好であり得る。
それゆえ、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によれば、式6のYが炭素であり、Aがインデノナフトである場合、フォトクロミック材料は、
Figure 2011042791
により示されるインデノナフトピランであり、ここで、vおよびv’は0〜利用可能な位置の総数から選択される整数であり、ただし、R30基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは基S’を含む。例えば、本明細書において限定しないが、非限定的な一実施形態によれば、フォトクロミック材料は、
Figure 2011042791
により示されるインデノナフトピランであり、そしてR30基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは基S’を含む。13位のR30基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第9欄4行目〜42行目に示される。6位、7位、10位および11位のR30基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄62行目〜第9欄4行目に示される。BおよびB’として選択され得る基の他の非限定的な例は、先に示される。
本明細書に開示される他の非限定的な実施形態によれば、式6のYが炭素であり、Aがα−ナフトールから誘導されるナフトである場合、フォトクロミック材料は、
Figure 2011042791
により示される2H−ナフト[1,2−b]ピランであり、ここで、wは0〜利用可能な位置の総数から選択される整数であり、ただし、R31基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは基S’を含む。例えば、本明細書において限定しないが、非限定的な一実施形態によれば、フォトクロミック材料は、
Figure 2011042791
により示される2H−ナフト[1,2−b]ピランであり、そしてR31基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは基S’を含む。7位、8位および9位のR31基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄62行目〜第9欄4行目に示される。5位のR31基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄40行目〜51行目に示される。6位のR31基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄52行目〜61行目に示される。BおよびB’として選択され得る基の他の非限定的な例は、先に示される。
本明細書に開示される、なお他の非限定的な実施形態によれば、式6のYが炭素であり、Aがβ−ナフトールから誘導されるナフトである場合、フォトクロミック材料は、
Figure 2011042791
により示される3H−ナフト[2,1−b]ピランであり、ここで、xは0〜利用可能な位置の総数から選択される整数であり、ただし、R32基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは基S’を含む。例えば、本明細書において限定しないが、非限定的な一実施形態において、フォトクロミック材料は、
Figure 2011042791
により示される3H−ナフト[2,1−b]ピランであり、そしてR32基、BおよびB’のうちの少なくとも1つは基S’を含む。5位および6位のR32基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄62行目〜第9欄4行目に示される。9位のR32基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄40行目〜51行目に示される。8位のR32基として選択され得る基の他の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第8欄52行目〜61行目に示される。
本明細書に開示される他の非限定的な実施形態は、
Figure 2011042791
に示されるフォトクロミック材料を提供し、ここで、R34およびR35は、以下から独立して選択され得る:基S’(先に示される)、水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリル、フェニル、一置換フェニル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、基−C(O)R40(ここで、R40は、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、フェニル、一置換フェニル、アミノ、モノ(C1−C6)アルキルアミノまたはジ(C1−C6)アルキルアミノである)。
あるいは、R34およびR35は、それぞれ基−OR41であり得、ここで、R41は、C1−C6アルキル、フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキル、C3−C7シクロアルキル、モノ(C1−C4)アルキル置換C3−C7シクロアルキル、C1−C6クロロアルキル、C1−C6フルオロアルキル、アリル、基−CH(R42)R43(ここで、R42は水素またはC1−C3アルキルであり、R43はCN、CFまたはCOOR44(R44は、水素またはC1−C3アルキルである)である)であるか、またはR41は、基−C(O)R45であり、ここでR45は、水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換されていないか、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、フェノキシ、モノ(C1−C6)アルキル置換フェノキシもしくはジ(C1−C6)アルキル置換フェノキシ、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェノキシもしくはジ(C1−C6)アルコキシ置換フェノキシ、アミノ、モノ(C1−C6)アルキルアミノ、ジ(C1−C6)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニルアミノもしくはジ(C1−C6)アルキル置換フェニルアミノ、あるいはモノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニルアミノもしくはジ(C1−C6)アルコキシ置換フェニルアミノであり、ここで、上記のフェニル基、ベンジル基およびアリール基の置換基の各々は、C1−C6アルキルまたはC1−C6アルコキシである。
さらに、R34およびR35はともに、オキソ基、3〜6個の炭素原子を含むスピロ炭素環、あるいは1個または2個の酸素原子と3〜6個の炭素原子(スピロ炭素原子を含む)とを含むスピロヘテロ環基を形成し得、上記のスピロ炭素環基およびスピロヘテロ環基は、0個、1個または2個のベンゼン環とともに環生成されている。
上記の式16を続けて参照して、R36およびR37の各々は、以下から独立して選択される:基S’(先に示される)、水素、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、フェニル、一置換フェニル、二置換フェニル、ならびに基−OR50および基−OC(O)R50、ここで、R50は、C1−C6アルキル、フェニル(C1−C3)−アルキル、モノ(C1−C6)アルキル置換フェニル(C1−C3)アルキル、モノ(C1−C6)アルコキシ置換フェニル(C1−C3)アルキル、C1−C6アルコキシ(C2−C4)アルキル、C3−C7シクロアルキルまたはモノ(C1−C4)アルキル置換C3−C7シクロアルキルであり、そしてこのフェニル置換基はC1−C6アルキルまたはC1−C6アルコキシである。基Bおよび基B’は、式6に関して先に示されるとおりである。さらに式16において、yおよびy’は各々独立して、0〜利用可能な位置の総数から選択される整数であり、ただし、式16に示されるフォトクロミック材料は、少なくとも1つの基S’を含む。
本明細書に開示される他の非限定的な実施形態は、上記フォトクロミック材料を作製する方法を意図する。例えば、非限定的な一実施形態は、フォトクロミック材料を作製する方法を提供し、この方法は、フォトクロミック開始剤を用いて、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテルおよび環式シロキサンから選択される少なくとも1つの開環可能な単環式モノマーの開環を開始する工程を包含し、このフォトクロミック開始剤は、この少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの開環を開始するように適合された少なくとも1つの官能基を含む。種々の開環可能な環式モノマーの開環(そして、開環重合)を開始するのに使用され得る官能基の適切な非限定的な例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、シラノール、チオールおよびそれらの組み合わせ、塩および複合体が挙げられる。本明細書において限定しないが、非限定的な一実施形態によれば、この少なくとも1つの官能基は、一級アルコール、二級アルコールまたはそれらの塩もしくは複合体から選択され得る。
先に考察されるように、少なくとも1つの適切な官能基を含むフォトクロミック開始剤を用いて、少なくとも1つの環式モノマーの開環を開始することにより、少なくとも1つの開環可能な環式モノマーの残留物または少なくとも1つの開環した環式モノマーを含むフォトクロミック材料を形成することが可能になる。さらに、先に考察されるように、一旦フォトクロミック開始剤が少なくとも1つの環式モノマーの開環を開始すると、開環可能な環式モノマーの残留物を含む生じたフォトクロミック材料は、別の開環可能なモノマーなどの開環をさらに開始し得(すなわち、このフォトクロミック材料はフォトクロミック開始剤である)、それにより複数の開環可能な環式モノマーの残留物から構成されるポリマー鎖を形成し得る。さらに、必ずしも必要とされないが、開環反応の開始は、少なくとも1つの触媒の存在下で生じ得る。適切な触媒の非限定的な例としては、アルミニウムイソプロポキシド、トリエチルアルミニウム、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、トリフルオロ酢酸、酵素、カリウムまたはその適切な塩、ならびに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が挙げられる。適切な触媒の選択は、当業者に容易に認識される。
本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、例えば限定はしないが、製品(例えば、光学素子およびコーティング)を形成するために使用され得るポリマー材料に組み込まれ得る。さらに、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料は、各々単独で使用され得るか、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがう他のフォトクロミック材料と組み合わせて使用され得るか、または1つ以上の他の適切な相補的な従来のフォトクロミック材料と組み合わせて使用され得ることが意図される。例えば、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料は、300ナノメートル〜1000ナノメートルの範囲内の少なくとも1つの活性化吸収極大を有する1以上の他の従来のフォトクロミック材料と組み合わせて使用され得る。相補的な従来のフォトクロミック材料としては、他の重合可能または適合可能な(compatabilized)フォトクロミック材料(例えば、米国特許第4,719,296号、同第5,166,345号、同第5,236,958号、同第5,252,742号、同第5,359,085号、同第5,488,119号および同第6,113,814号(第2欄39行目〜第8欄416行目)および同第6,555,028号(第2欄65行目〜第12欄56行目)(これらの開示は、参考として本明細書に特に援用される)に開示されるフォトクロミック材料)が挙げられ得る。
相補的な従来のフォトクロミック材料のさらなる例としては、他のナフトピランおよびインデノナフトピラン、ベンゾピランおよびオキサジン、置換2H−フェナントロ[4,3−b]ピランおよび3H−フェナントロ[1,2−b]ピラン、ピラン環の2位に置換基を有するベンゾピラン、ならびにこのようなフォトクロミック材料の混合物(例えば、これらのフォトクロミック材料は、米国特許第3,562,172号、同第3,567,605号、同第3,578,602号、同第4,215,010号、同第4,342,668号、同第4,816,584号、同第4,818,096号、同第4,826,977号、同第4,880,667号、同第4,931,219号、同第5,066,818号、同第5,238,981号、同第5,274,132号、同第5,384,077号、同第5,405,958号、同第5,429,774号、同第5,458,814号、同第5,466,398号、同第5,514,817号、同第5,552,090号、同第5,552,091号、同第5,565,147号、同第5,573,712号、同第5,578,252号、同第5,637,262号、同第5,645,767号、同第5,656,206号、同第5,658,500号、同第5,658,501号、同第5,674,432号および同第5,698,141号に記載される)が挙げられる。意図されるなお他の相補的なフォトクロミック材料は、フルギドおよびフルギミド(例えば、米国特許第4,931,220号第20欄5行目〜第21欄38行目に記載される3−フリルフルギドおよび3−チエニルフルギドならびに3−フリルフルギミドおよび3−チエニルフルギミド)である。
さらに、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック組成物は、所望される場合、1つのフォトクロミック材料または2つ以上のフォトクロミック材料の混合物を含み得る。フォトクロミック材料の混合物は、特定の活性色(activated color)(例えば、くすんだ灰色に近い色またはくすんだ茶色に近い色)を達成するために使用され得る。例えば、くすんだ灰色およびくすんだ茶色を規定するパラメータを記載する米国特許第5,645,767号(この開示は、参考として本明細書に特に援用される)の第12欄66行目〜第13欄19行目を参照のこと。
例えば、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態は、(a)ポリマー材料および(b)このポリマー材料の少なくとも一部と接触させた少なくとも1つのフォトクロミック材料を含むフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1つのフォトクロミック材料は、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー、ならびに(2)フォトクロミック開始剤の反応生成物を含む。本明細書で使用される場合、用語「フォトクロミック組成物」は、フォトクロミック材料であっても、またはフォトクロミック材料でなくてもよい少なくとも1つの他の材料と組み合わせた、少なくとも1つのフォトクロミック材料をいう。本明細書で使用される場合、用語「接触」は、直接接触および間接接触の両方を包含する。例えば、本明細書において限定しないが、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によれば、少なくとも1つのフォトクロミック材料は、混合または結合形成によりポリマー材料の少なくとも一部と接触し得る。本明細書で使用される場合、用語「混合された」とは、フォトクロミック材料とポリマー材料の少なくとも一部とが混合されるが、フォトクロミック材料がポリマー材料に結合されないことを意味する。さらに、本明細書で使用される場合、用語「結合された」とは、フォトクロミック材料がポリマー材料の一部に直接結合されるか、またはフォトクロミック材料が、1つ以上の他の基を介してポリマー材料の一部に間接的に結合されることのいずれかを意味する。
例えば、非限定的な一実施形態は、(a)ポリマー材料および(b)ポリマー材料の少なくとも一部と混合される、少なくとも1つのフォトクロミック材料を含むフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1つのフォトクロミック材料は、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー、ならびに(2)フォトクロミック開始剤の反応生成物を含む。別の非限定的な実施形態は、(a)ポリマー材料および(b)ポリマー材料の少なくとも一部に結合される、少なくとも1つのフォトクロミック材料を含むフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1つのフォトクロミック材料は、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマー、ならびに(2)フォトクロミック開始剤の反応生成物を含む。
本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得るポリマー材料の例としては、限定せずに以下が挙げられる:ビス(アリルカーボネート)モノマーのポリマー;ジエチレングリコールジメタクリレートモノマーのポリマー;ジイソプロペニルベンゼンモノマーのポリマー;エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートモノマーのポリマー;エチレングリコールビスメタクリレートモノマーのポリマー;ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマーのポリマー;エトキシ化フェノールビスメタクリレートモノマーのポリマー;アルコキシル化多価アルコールアクリレートモノマー(例えば、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー)のポリマー;ウレタンアクリレートモノマー(例えば、米国特許第5,373,033号に記載されるもの)のポリマー;およびビニルベンゼンモノマー(例えば、米国特許第5,475,074号に記載されるものおよびスチレン)のポリマー。適切なポリマー材料の他の非限定的な例としては、以下が挙げられる:多官能性(polyfunctional)(例えば、単官能性、二官能性または多官能性(multi−functional))のアクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーのポリマー;ポリ(C1−C12アルキルメタクリレート)(例えば、ポリ(メチルメタクリレート));ポリ(オキシアルキレン)ジメタクリレート;ポリ(アルコキシ化フェノールメタクリレート);セルロースアセテート;セルローストリアセテート;セルロースアセテートプロピオネート;セルロースアセテートブチレート;ポリ(ビニルアセテート);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(塩化ビニル);ポリ(塩化ビニリデン);ポリウレタン;ポリチオウレタン;熱可塑性ポリカーボネート;ポリエステル;ポリ(エチレンテレフタレート);ポリスチレン;ポリ(α−メチルスチレン);スチレンとメチルメタクリレートとのコポリマー;スチレンとアクリロニトリルとのコポリマー;ポリビニルブチラール;ならびにジアリリデンペンタエリトリトールのポリマー(特に、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))とアクリレートモノマー(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート)とのコポリマー)。ポリマー材料のさらなる例は、米国特許第5,753,146号(この開示は、参考として本明細書に特に援用される)の第8欄62行目〜第10欄34行目に開示される。ポリマー材料の他の適切な非限定的な例は、米国特許第5,962,617号の第2欄9行目〜第5欄64行目および米国特許第5,658,501号の第15欄28行目〜第16欄17行目に開示される(これらの開示は、参考として本明細書に特に援用される)モノマーおよびモノマーの混合物から調製されるものである。上記のモノマーのコポリマー、ならびに例えば、相互貫入ネットワーク(interpenetrating network)生成物を形成するために、上記ポリマーおよびコポリマーと他のポリマーとの混合物もまた意図される。
さらに、フォトクロミック組成物の透明性が所望される種々の非限定的な実施形態によれば、ポリマー材料は、透明なポリマー、透明なコポリマーおよびそれらの混合物を含み得る。例えば、種々の非限定的な実施形態によれば、ポリマー材料は、熱可塑性ポリカーボネート樹脂(例えば、ビスフェノールAおよびホスゲンから誘導される樹脂(これは商標LEXAN(登録商標)の下で販売される);ポリエステル(例えば、商標MYLAR(登録商標)の下で販売される材料);ポリ(メチルメタクリレート)(例えば、商標PLEXIGLAS(登録商標)の下で販売される材料);ポリオール(アリルカーボネート)モノマー(特に、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、このモノマーは、商標CR−39(登録商標)の下で販売される)の重合物(polymerizate);ならびにポリ尿素−ポリウレタン(ポリ尿素ウレタン)ポリマー(これは、例えば、ポリウレタンプレポリマーとジアミン硬化剤との反応により調製され、このような1つのポリマーのための組成物はPPG Industries,Inc.により商標TRIVEX(登録商標)の下で販売される))から調製される光学的に透明なポリマー材料であり得る。適切なポリマー材料の他の非限定的な例としては、ポリオール(アリルカーボネート)(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))と他の共重合可能なモノマー材料とのコポリマーの重合物(例えば、ビニルアセテートとのコポリマー(例えば、80%〜90%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)および10%〜20%のビニルアセテートのコポリマー、特に80%〜85%のこのビス(アリルカーボネート)および15%〜20%のビニルアセテートのコポリマー);米国特許第4,360,653号および同第4,994,208号に記載される、末端のジアクリレート官能基を有するポリウレタンとのコポリマー;および、米国特許第5,200,483号に記載される、脂肪族ウレタン(この末端部分は、アリル官能基またはアクリル官能基を含む)とのコポリマーであるが、これらに限定されない)が挙げられる。なお他の適切なポリマー材料としては、限定せずに、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリチオウレタン;ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシ化フェノールビスメタクリレートモノマー、およびエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーから選択されるポリマー;セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、ポリスチレン、ならびにメチルメタクリレート、ビニルアセテートおよびアクリロニトリルとスチレンとのコポリマーが挙げられる。本明細書において限定しないが、光学的に透明なポリマー材料は、代表的に約1.48〜約1.75の範囲であり得る屈折率を有する。
非限定的な一実施形態によれば、ポリマー材料は、PPG Industries,Inc.によりCR−指定(例えば、CR−307、CR−407およびCR−607)の下で販売される光学樹脂、またはハードコンタクトレンズもしくはソフトコンタクトレンズとしての使用のために調製されるポリマー材料であり得る。両方の型のコンタクトレンズを調製するための方法は、米国特許第5,166,345号(この開示は、本明細書において参考として特に援用される)の第11欄52行目〜第12欄52行目に開示される。本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によれば使用され得る、さらなるポリマー材料としては、米国特許第5,965,630号に記載される高い含水率を有するソフトコンタクトレンズおよび米国特許第5,965,631号に記載される長期着用(extended wear)コンタクトレンズを形成するのに使用されるポリマー材料が挙げられる(これらの両方の開示は、参考として本明細書に援用される)。
特定の非限定的な一実施形態によれば、ポリマー材料は、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、エチレンとビニルアルコールとのコポリマー、エチレンとビニルアセテートとビニルアルコールとのコポリマー(例えば、エチレンとビニルアセテートとのコポリマーの部分的なけん化から生じるもの);セルロースアセテートブチレート;ポリ(ウレタン);ポリ(アクリレート);ポリ(メタクリレート);エポキシ;アミノプラスト官能性ポリマー;ポリ(無水物);ポリ(尿素ウレタン);N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド官能性ポリマー;ポリ(シロキサン);およびポリ(シラン)から選択される。
なお他の非限定的な一実施形態によれば、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料は、例えば、フォトクロミック材料を微粒子の一部へ結合させるか、またはフォトクロミック材料を微粒子内にカプセル化することによって、ポリマー微粒子に組み込まれ得る。例えば、本明細書において限定しないが、フォトクロミック材料は、フォトクロミック材料を重合可能な系の少なくとも1つの成分に結合させることにより、微粒子へ結合され得、この重合可能な系は、少なくとも1つの実質的に疎水性のポリマー材料、プレポリマー材料またはモノマー材料、および少なくとも1つの実質的に親水性のポリマー材料、プレポリマー材料またはモノマー材料を含み、そしてこの重合可能な系の成分は、結合し、少なくとも部分的に架橋されたフォトクロミックポリマー微粒子を形成するように適合される。あるいは、フォトクロミック材料は、結合形成されずに微粒子内にカプセル化され得る。例えば、重合可能な系の成分は、形成中にフォトクロミック材料をカプセル化する、少なくとも部分的に形成された微粒子へ自己集合し得る。
別の非限定的な実施形態は、ポリマー材料と、このポリマー材料の少なくとも一部に接触させた少なくとも1つのフォトクロミック材料とを含むフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1つのフォトクロミック材料は、先に詳細に示される式1により表される。
先に考察されるように、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料が、結合形成を伴ってか、または伴わずにポリマー材料(例えば、先に記載されるもの)に組み込まれる場合に、これらの材料のフォトクロミック性能(すなわち、材料の活性化速度または呈色速度および消光速度)が対応するフォトクロミック材料のフォトクロミック性能と同等以上であり得ることが本発明者らにより観察された。例えば、本明細書において限定しないが、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料(例えば、式1に表されるもの)は、ポリマー材料に取り込まれた場合に、PCにより表されるが基S’を欠く、対応するフォトクロミック材料と同等以上のフォトクロミック性能を有し得る。さらに、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミック材料は、ポリマー材料に結合された場合においてさえも、結合されない対応するフォトクロミック材料と同等以上のフォトクロミック性能を示し得る。先に考察されるように、フォトクロミック材料の移動を防止するためにフォトクロミック材料をポリマー材料へ結合させる、先行する試みは、概して、フォトクロミック性能の低下をもたらした。
さらに、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態にしたがい、PC−[S’]により表されるフォトクロミック材料が、ポリマー材料に結合された場合に、ポリマー材料に結合された対応するフォトクロミック材料(短い有機鎖セグメントを有する(例えば、PC−L−Hにより表されるフォトクロミック材料)が、−[R−セグメントを欠く)と比較すると、同程度の移動と改善されたフォトクロミック性能とを有し得ることが観察された。
例えば、本明細書において開示される非限定的な一実施形態は、(a)ポリマー材料;および(b)このポリマー材料の少なくとも一部と接触させた、少なくとも1つのフォトクロミック材料を含むフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1つのフォトクロミック材料は、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1つの開環可能な環式モノマーと(2)フォトクロミック開始剤との反応生成物を含み、このポリマー材料に結合された少なくとも1つのフォトクロミック材料の消光速度は、このポリマー材料に結合された対応するフォトクロミック材料(環式モノマーの残留物を欠く)の消光速度と同程度か、それよりも速い。他の非限定的な一実施形態によれば、ポリマー材料に結合された少なくとも1つのフォトクロミック材料のT1/2値は、ポリマー材料に結合された対応するフォトクロミック材料(環式モノマーの残留物を欠く)のT1/2値以下である。なお他の非限定的な一実施形態によれば、ポリマー材料に結合された少なくとも1つのフォトクロミック材料のT1/2値は、ポリマー材料に結合された対応するフォトクロミック材料(環式モノマーの残留物を欠く)のT1/2値未満である。実施例で考察されるように、本明細書で使用される場合、用語「T1/2値」は、活性化光源を取り外した後に、フォトクロミック組成物中のフォトクロミック材料の活性化形態のΔODが73.4°F(23℃)で15分のΔODの半分に達することについての時間間隔(秒)をいう。
別の非限定的な実施形態は、ポリマー材料、およびこのポリマー材料の少なくとも一部に結合した少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有するフォトクロミック組成物を提供し、この少なくとも1種のフォトクロミック材料は、PC−[S’](これは、上で詳細に記載された)によって表され、そしてこのポリマー材料に結合している場合、PC−[S’]によって表される少なくとも1種のフォトクロミック材料の消光速度は、このポリマー材料に接触している、PCによって表される(すなわち、S’を有さない)対応するフォトクロミック材料の消光速度、またはこのポリマー材料に結合している場合のPC−L−Hによって表される(すなわち、少なくとも1つの環式モノマーの残留部分を有さない)対応するフォトクロミック材料の消光速度に等しいか、またはこれらの消光速度より速い。ここで、PCおよびL は、上に記載されたとおりである。他の非限定的な実施形態によれば、ポリマー材料に結合している場合、PC−[S’]によって表される少なくとも1種のフォトクロミック材料のT1/2値は、このポリマー材料に接触している、PCによって表されるフォトクロミック材料のT1/2値以下、またはこのポリマー材料に結合している場合の、PC−L−Hによって表されるフォトクロミック材料のT1/2値以下である。さらに他の非限定的な実施形態によれば、このポリマー材料に結合している場合、PC−[S’]によって表される少なくとも1種のフォトクロミック材料のT1/2値は、このポリマー材料と接触している、PCによって表されるフォトクロミック材料のT1/2未満、またはこのポリマー材料に結合している場合の、PC−L−Hによって表されるフォトクロミック材料のT1/2値未満である。
別の非限定的な実施形態は、以下を含有するフォトクロミック組成物を提供する:(a)ポリマー材料;および(b)このポリマー材料の少なくとも一部に結合した少なくとも1種のフォトクロミック材料であって、この少なくとも1種のフォトクロミック材料は、(1)フォトクロミック基、および(2)少なくとも1つのセグメントを含み、この少なくとも1つのセグメントは、複数の開環可能環式モノマーの残留物を含み、この開環可能環式モノマーは、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテル、環式シロキサン、およびこれらの組み合わせから選択され、この少なくとも1つのセグメントは、少なくとも1000 g/molの数平均分子量を有し、そしてこのフォトクロミック材料は、このポリマー材料と結合する場合、複数の開環可能環式モノマーの残留物を含むセグメントを欠く対応するフォトクロミック材料のT1/2値以下のT1/2値を有する。
先に議論されたように、本発明は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態によるフォトクロミック材料および組成物を使用して作製される、光学素子をさらに企図する。本明細書中で使用される場合、用語「光学」とは、光および/または視覚に関与するかまたは関連することを意味する。
光学素子は、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態によれば、眼用要素、ディスプレイ素子、窓、ミラー、ならびに能動液晶セル素子および受動液晶セル素子から選択され得る。本明細書中において使用される場合、用語「眼用」とは、眼および視力に関与するか、または関連することを意味する。眼用要素の非限定的な例としては、矯正レンズおよび非矯正レンズ(シングルビジョンレンズまたはマルチビジョンレンズを含み、マルチビジョンレンズは、セグメント化されたマルチビジョンレンズであってもセグメント化されていないマルチビジョンレンズであってもよい(例えば、限定されないが、二焦点レンズ、三焦点レンズおよび進行レンズ))、ならびに(美的にかまたは他の目的で)視力を矯正するか、保護するか、または増強するために使用される他の要素(コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、および保護レンズまたはバイザーが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。本明細書中で使用される場合、「ディスプレイ」とは、可視または機械読取り可能な情報の、単語、数字、記号、図案または図の形態での表現を意味する。ディスプレイ要素の非限定的な例としては、スクリーン、モニタ、およびセキュリティー要素(例えば、セキュリティーマーク)が挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「窓」とは、放射線の透過を可能にするように適合された開口部分を意味する。窓の非限定的な例としては、自動車および航空機の透明部品、フィルタ、シャッター、および光学スイッチが挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「ミラー」とは、入射光の大部分を鏡のように反射させる表面を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「液晶セル」とは、順序付けられ得る液晶材料を含む構造体をいう。能動液晶セルとは、外力(例えば、電場または磁場)の適用によって、液晶材料が、順序付けられた状態と順序付けられていない状態との間、または2つの順序付けられた状態の間で切り替えられ得るセルである。能動液晶セルとは、液晶材料が、順序付けられた状態のままであるセルである。受動液晶セル要素またはデバイスの1つの非限定的な例は、液晶ディスプレイである。
例えば、1つの非限定的な実施形態は、(a)基板;および(b)この基板の少なくとも一部と連結された少なくとも1種のフォトクロミック材料を備える、光学素子を提供し、この少なくとも1種のフォトクロミック材料は、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される少なくとも1種の開環可能な環式モノマーと、(2)フォトクロミック開始剤との、反応生成物を含有する。
本明細書中で使用される場合、用語「連結する」とは、物体との直接的な接触、または物体との間接的な接触を意味する。例えば、限定ではなく、本明細書中に開示されるフォトクロミック材料は、例えば、基材が作製される材料の一部と結合させることによってか、基材の材料と混合することによってか、または基材上をコーティングすることによって、基材の一部と直接接触し得る。あるいは、これらの材料は、例えば、間接的なコーティング、フィルムまたは層を介して、この基材に間接的に接触し得る。例えば、1つの非限定的な実施形態によれば、この基材は、ポリマー材料を含有し、そしてこの少なくとも1種のフォトクロミック材料は、このポリマー材料の少なくとも一部に結合し得る。別の非限定的な実施形態によれば、この基材は、ポリマー材料を含有し、そしてこの少なくとも1種のフォトクロミック材料は、このポリマー材料の少なくとも一部と混合される。本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態による、基材を形成する際に有用なポリマー材料の非限定的な例は、上で詳細に記載されている。
さらに他の非限定的な実施形態によれば、この基材は、ポリマー基材または無機基材(例えば、限定されないが、ガラス基材)であり得、そして少なくとも1種のフォトクロミック材料は、この基材の少なくとも一部に連結された、少なくとも部分的なコーティングの一部として存在し得る。例えば、1つの非限定的な実施形態は、(a)基材;および(b)この基材の少なくとも一部に連結された、少なくとも部分的なコーティングの一部として存在し得る、少なくとも1種のフォトクロミック材料を備える、光学素子を提供し、この少なくとも部分的なコーティングは、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1種の開環可能な環式モノマーと、(2)フォトクロミック開始剤との、反応生成物を含有する。
種々の非限定的な実施形態によれば、少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有する少なくとも部分的なコーティングは、例えば、少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有するコーティング組成物を、基材の表面の少なくとも一部に塗布し、そしてこのコーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させることによって、この基材の少なくとも一部に直接連結され得る。本明細書中において使用される場合、用語「硬化(setting)」としては、硬化(curing)、重合、架橋、冷却、および乾燥が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、または代替的に、少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有する、少なくとも部分的なコーティングは、例えば、1つ以上のさらなるコーティングを介して、基材に間接的に連結され得る。例えば、本明細書において限定しないが、種々の非限定的な実施形態によれば、少なくとも1つのさらなるコーティング組成物が、基材の表面の少なくとも一部に塗布され得、少なくとも部分的に硬化され得、そしてその後、少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有するコーティング組成物が、この基材に塗布され得、そして少なくとも部分的に硬化され得る。コーティングを基材に塗布する非限定的な方法が、本明細書中以下で議論される。
本明細書中に開示される光学素子と組み合わせて使用され得る、他のコーティングおよびフィルムの非限定的な例としては、プライマーコーティング;保護コーティング(移行コーティングおよび耐磨耗コーティングが挙げられる);抗反射コーティング;ならびに偏光コーティングおよびフィルムが挙げられる。本明細書中において使用される場合、用語「保護コーティング」とは、摩滅または磨耗を防止し得、1つのコーティングから別のコーティングへの特性の移行を提供し得、偏光反応化学物質の影響に対して保護し得、そして/または環境条件(例えば、水分、熱、紫外光、酸素など)に起因する劣化に対して保護し得る、コーティングをいう。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得る、プライマーコーティングの非限定的な例としては、カップリング剤、カップリング剤の少なくとも部分的な加水分解物、およびこれらの混合物を含有するコーティングが挙げられる。本明細書中において使用される場合、「カップリング剤」とは、少なくとも1つの表面上の基と反応し得、結合し得、そして/または会合し得る少なくとも1つの基を有する材料を意味する。1つの非限定的な実施形態において、カップリング剤は、少なくとも2つの表面(これらの表面は、類似の表面であっても類似していない表面であってもよい)の界面において、分子架橋として働き得る。カップリング剤は、別の非限定的な実施形態において、モノマー、プレポリマー、および/またはポリマーであり得る。このような材料としては、有機金属(例えば、シラン、チタネート、ジルコネート、アルミネート、ジルコニウムアルミネート、これらの加水分解物およびこれらの混合物)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中において使用される場合、語句「カップリング剤の少なくとも部分的な加水分解物」とは、カップリング剤の加水分解可能な基のうちの少なくともいくつかから全てが加水分解されていることを意味する。本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用するために適切な、プライマーコーティングの他の非限定的な例としては、米国特許第6,025,026、第3欄第3行〜第11欄第40行および米国特許第6,150,430、第2欄第39行〜第7欄第58行(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるプライマーコーティングが挙げられる。
本明細書中において使用される場合、用語「移行コーティング」とは、2つのコーティングの間の特性の傾斜を生じることを補助するコーティングを意味する。例えば、本明細書中で限定しないが、移行コーティングは、比較的硬いコーティングと比較的やわらかいコーティングとの間の硬さの勾配を生じることを補助し得る。移行コーティングの非限定的な例としては、米国特許出願公開第2003/0165686号(このコーティングの開示は、特に、本明細書中に参考として援用される)に記載されるような、放射線で硬化するアクリレートベースの薄膜が挙げられる。
耐磨耗コーティングの非限定的な例としては、オルガノシラン、オルガノシロキサンを含有する耐磨耗コーティング、無機材料(例えば、シリカ、チタニアおよび/またはジルコニア)に基づく耐磨耗コーティング、紫外線で硬化可能な型の有機耐磨耗コーティング、酸素障壁コーティング、UV遮断コーティング、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書中において使用される場合、用語「耐磨耗コーティング」とは、標準的な参照材料より大きい、磨耗に対する耐性を示す、保護的なポリマー材料のコーティングをいう。この標準的な参照材料は、例えば、PPG Industries,Incから入手可能な、CR−39(登録商標)モノマーから作製されるポリマーであり、この耐性は、ASTM F−735 Standard Test Method for Abrasion Resistance of Transparent Plastics and Coatings Using the Oscillating Sand Methodに匹敵する方法で試験される。
抗反射コーティングの非限定的な例としては、金属酸化物、金属フッ化物、または他のこのような材料の単層または多層が挙げられ、これらの層は、本発明の物品に、真空蒸着、スパッタリング、または他の何らかの方法によって、堆積され得る。偏光コーティングの非限定的な例としては、当該分野において公知であるダイクロミック化合物を含有するコーティングが挙げられるが、これらに限定されない。
上で議論されたように、種々の非限定的な実施形態によれば、これらのコーティングは、少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有する少なくとも部分的なコーティングを塗布する前に、基材に塗布され得る。あるいは、またはさらに、これらのコーティングは、少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有する少なくとも部分的なコーティングを塗布した後に、例えば、この少なくとも1種のフォトクロミック材料を含有する少なくとも部分的なコーティング上のオーバーコートとして、基材に塗布され得る。例えば、本明細書中で限定しないが、種々の他の非限定的な実施形態によれば、上記コーティングは、表面から以下の順序で、基材の同じ表面の少なくとも一部に連結され得る:プライマー、フォトクロミック、移行、耐磨耗、偏光フィルムもしくはコーティング、抗反射、および耐磨耗;またはプライマー、フォトクロミック、移行、耐磨耗、および抗反射;またはフォトクロミック、移行、および偏光;またはプライマー、フォトクロミック、および偏光;またはプライマー、フォトクロミック、および抗反射。さらに、上記コーティングは、基材の1つ以上の表面に、例えば、光学基材の両面に、塗布され得る。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従って、フォトクロミック組成物および光学素子を作製する方法の非限定的な実施形態が、ここで議論される。1つの非限定的な実施形態は、フォトクロミック組成物を作製する方法を提供し、この方法は、少なくとも1種のフォトクロミック材料を、基材の少なくとも一部に連結する工程を包含し、この少なくとも1種のフォトクロミック材料は、(1)環式エステルまたは環式カーボネートから選択される、少なくとも1種の開環可能な環式モノマーと、(2)フォトクロミック開始剤との、反応混合物を含有する。
フォトクロミック材料をポリマー材料に連結する非限定的な方法は、例えば、フォトクロミック材料を、ポリマー材料、プレポリマー材料、またはモノマー材料の溶液または融解物に混合すること、および引き続いて、このポリマー材料、プレポリマー材料、またはモノマー材料を、少なくとも部分的に硬化させることを包含する。この非限定的な実施形態によれば、得られるフォトクロミック組成物において、フォトクロミック材料は、ポリマー材料とブレンドされ得る(すなわち、混合するが結合はしない)か、またはこのポリマー材料と結合し得ることが、当業者によって理解される。例えば、このフォトクロミック材料が、このポリマー材料、プレポリマー材料、またはモノマー材料と適合性である反応性官能基を含む場合、この材料の硬化の間、このフォトクロミック材料は、この材料の少なくとも一部と反応して、このフォトクロミック材料を、得られるポリマー材料に結合させ得る。
本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用され得るポリマー材料に、フォトクロミック材料を連結する別の方法は、インビビションである。この方法によれば、フォトクロミック材料は、例えば、このフォトクロミック材料を含有する溶液にポリマー材料を浸漬させることによって(加熱ありまたはなしで)、ポリマー材料内に拡散させられる。その後、このフォトクロミック材料は、例えば、このフォトクロミック材料がポリマー材料と適合性である反応性官能基を含む場合、このポリマー材料と結合し得る。
本明細書中に開示される他の非限定的な実施形態は、光学素子を作製する方法を提供し、この方法は、少なくとも1種のフォトクロミック材料を、基材の少なくとも一部に連結させる工程を包含し、この少なくとも1種のフォトクロミック材料は、(1)環式エステルおよび環式カーボネートから選択される、少なくとも1種の開環可能な環式モノマーと、(2)フォトクロミック開始剤との、反応生成物を含有する。フォトクロミック材料を、基材の少なくとも一部に連結する非限定的な方法としては、インビビション(これは、上に記載された)、現場打ち(cast−in−place)インモールド注型、コーティング、および積層が挙げられる。
基材がポリマー材料を含有する、1つの非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、現場打ち法によって、この基材の少なくとも一部に連結され得る。この非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、ポリマー溶液もしくはポリマー融解物、または他のプレポリマーおよび/もしくはモノマーの溶液もしくは混合物と混合され、これが引き続いて、所望の形状を有する鋳型に注が足され、そして少なくとも部分的に硬化されて、基材を形成する。この非限定的な実施形態によれば、少なくとも1種のフォトクロミック材料は、このポリマー材料に結合し得るか、または基材のポリマー材料とブレンドされ得る(すなわち、混合するが結合はしない)。
基材がポリマー材料を含有する、別の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、インモールド注型によって、基材の少なくとも一部に連結され得る。この非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料を含有するコーティング組成物(これは、液体コーティング組成物であっても粉末コーティング組成物であってもよい)が、鋳型の表面に塗布され、そして少なくとも部分的に硬化される。その後、ポリマーの溶液もしくは融解物、またはプレポリマーもしくはモノマーの溶液もしくは混合物が、このコーティングの上に注型され、そして少なくとも部分的に硬化される。硬化後、このコーティングを有する基材が、この鋳型から取り出される。本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態によるフォトクロミック材料が使用され得る粉末コーティングの非限定的な例は、米国特許第6,068,797号、第7欄第50行〜第19欄第42行(この開示は、特に、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
基材がポリマー材料または無機材料(例えば、ガラス)を含有する、なお別の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、注型によって、基材の少なくとも一部に連結され得る。適切なコーティング方法の非限定的な例としては、スピンコーティング、スプレーコーティング(例えば、液体コーティングまたは粉末コーティングを使用する)、カーテンコーティング、ロールコーティング、スピンおよびスプレーコーティング、インモールド注型、ならびにオーバーモールディング(over−molding)が挙げられる。例えば、1つの非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、オーバーモールディングによって、基材に連結され得る。この非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料を含有するコーティング組成物(これは、先に議論されたように、液体コーティング組成物であっても、粉末コーティング組成物であってもよい)が、鋳型に塗布され、次いで、基材がこのコーティングに接触するように、基材がこの鋳型に入れられ、このコーティングが、この基材の表面の少なくとも一部を覆って広がる。その後、このコーティング組成物は、少なくとも部分的に硬化され、そしてこのコーティングされた基材が、この鋳型から取り出される。あるいは、オーバーモールディングは、基材と鋳型との間に開口領域が規定されるように、基材を鋳型に入れ、その後、フォトクロミック材料を含有するコーティング組成物をこの開口領域に注入することによって、なされ得る。その後、このコーティング組成物は、少なくとも部分的に硬化され得、そしてこのコーティングされた基材が、この鋳型から取り出される。
基材がポリマー材料または無機材料(例えば、ガラス)を含有する、なお別の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料は、積層によって、基材の少なくとも一部に連結され得る。この非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック材料を含有するフィルムは、接着剤ありもしくはなしで、そして/または熱および圧力の適用ありもしくはなしで、この基材の一部に接着し得る。その後、所望であれば、第二の基材が第一の基材の上に適用され得、そしてこれらの2つの基材が、一緒に積層されて(すなわち、熱および圧力の適用による)、フォトクロミック材料を含有するフィルムがこれらの2つの基材の間に介在する要素を形成する。フォトクロミック材料を含有するフィルムを形成する方法は、フォトクロミック材料をポリマー溶液またはプレポリマーの溶液もしくは混合物と混合すること、この混合物からフィルムを注型または押出成型すること、および必要であれば、このフィルムを少なくとも部分的に硬化させることを包含し得るが、これに限定されない。さらに、または代替的に、フィルムが(フォトクロミック材料ありまたはなしで)形成され得、そしてフォトクロミック材料を(上で議論されたように)インビビションされ得る。
さらに、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態による、フォトクロミック組成物およびフォトクロミックコーティング組成物は、この組成物の加工および/または性能を補助する、他の添加剤をさらに含有し得ることが、当業者によって理解される。例えば、限定されないが、このような添加剤は、光開始剤、熱開始剤、重合抑止剤、溶媒、光安定化剤(例えば、紫外線吸収剤および光安定化剤(例えば、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS))であるが、これらに限定されない)、熱安定化剤、離型剤、レオロジー制御剤、レベリング剤(例えば、界面活性剤であるが、これに限定されない)、フリーラジカルスカベンジャー、および接着促進剤(例えば、ヘキサンジオールジアクリレートおよびカップリング剤)から選択され得る。
先に議論されたように、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態によるフォトクロミック材料は、好ましい移動性能を有し得ることが、本発明者らによって観察された。従って、本明細書中に開示される1つの非限定的な実施形態は、ポリマー材料中のフォトクロミック材料の移動を抑止する方法を提供し、この方法は、フォトクロミック材料を、ポリマー材料の少なくとも一部に結合される工程を包含し、このフォトクロミック材料は、(1)フォトクロミック基、ならびに(2)このフォトクロミック基に結合した複数の開環可能な環式モノマーの残留物を含有する少なくとも1つのセグメントを含有し、この開環可能な環式モノマーは、環式エステル、環式カーボネート、環式エーテル、環式シロキサン、およびこれらの組み合わせから選択され、この少なくとも1つのセグメントは、少なくとも1000g/molの数平均分子量を有する。さらに、この非限定的な実施形態によれば、少なくとも1種の開環可能な環式モノマーの残留物は、2000g/mol〜6000g/molの範囲の数平均分子量を有し得る。
本発明の種々の非限定的な実施形態が、ここで、以下の非限定的な実施例において説明される。
(フォトクロミック材料の調製)
(実施例1:実施例のフォトクロミック材料「PM−1」の調製)
(パートA)
フォトクロミック開始剤(上記表1の構造1.49によって表される)を、以下のように調製した。オーブンで乾燥させた反応フラスコに、3−ピペリジノメタノール(5.1グラム)およびテトラヒドロフラン無水物(330mL)を添加した。反応混合物を、氷浴中で冷却した。これに、51mLのブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)を、20分間かけてゆっくりと滴下した。反応混合物を室温まで暖め、次いで、米国特許第6,296,785号の実施例4の工程6の望ましい生成物(3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン、11.0グラム)を入れた。この反応混合物を、室温で一晩攪拌し、次いで、氷水(400mL)にゆっくりと添加した。pHが5になるまで塩酸(10%v/v)を添加し、次いで、酢酸エチル(200mL)で希釈した。これらの層を相分離し、そして水層を、175mLの酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、そして重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中40%の酢酸エチルで溶出する、シリカゲル(300グラム)でのカラムクロマトグラフィーによって精製した。フォトクロミック材料の画分を合わせ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、t−ブチルメチルエーテル中で再結晶し、5.6グラムのオフホワイトの固体を得た。NMRおよび質量分析は、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノメタノール)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造および分子量を有することを示した。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−1」を、パートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:0.8038gの上記パートAのフォトクロミック開始剤、7.37gのε−カプロラクトンモノマーおよび半滴の2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この混合物を、暗色の均質な溶液が形成されるまで、室温で攪拌した。重合を、約120℃で22時間実施した。その後、非常に粘性の混合物を、約80℃まで冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、以下の式19(ここで、「a」は、1〜165の整数である。)によって一般的に表される構造を有する、フォトクロミック材料の混合物からなると考えられる。これらの構造を、質量分析によって確認した。
Figure 2011042791
(実施例2:実施例のフォトクロミック材料「PM−2」の調製)
(パートA)
フォトクロミック開始剤(上記表1において、構造1.51によって表される)を、以下のように調製した。米国特許第5,645,767号の実施例5の生成物(この実施例は、特に本明細書中に参考として援用される)(3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン、200グラム)を、700mLのトリエチレングリコールおよび750mLのアセトニトリルを含む反応フラスコに添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下で攪拌し、そして80℃まで加熱した。引き続いて、2グラムのp−トルエンスルホン酸を、この反応混合物に添加した。80℃で30分後、この反応を、激しく攪拌しながら、緑色の固体が析出するまで、8Lの水中でクエンチした。この固体を濾過し、水で洗浄し、風乾し、そしてカラムクロマトグラフィーによって精製した。引き続くジエチルエーテルからの結晶化によって、152グラムの白色固体を得た。NMR分析は、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−2」を、パートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:40.3190gのパートA(上記)のフォトクロミック開始剤、120.5558gのε−カプロラクトンモノマーおよび0.4209gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および機械攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この混合物を、暗色の均質な溶液が形成されるまで、室温で攪拌した。ε−カプロラクトンの重合を、120℃で5時間実施した。その後、非常に粘性の混合物を、約80℃まで冷却し、そしてガラス瓶に移した。得られた生成物は、室温で固体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対してそれぞれ3300g/molおよび4500であった。この生成物は、以下の式19(ここで、「a」は、1〜307の範囲の整数である)によって一般的に表される構造を有する、フォトクロミック材料の混合物からなると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例3:実施例のフォトクロミック材料「PM−3」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−3」を、実施例2のパートA(上記)に記載されるフォトクロミック材料を使用して、以下のように調製した:1.5822gの実施例2のパートA(上記)のフォトクロミック開始剤、4.7089gのd−バレロラクトンモノマーおよび0.0157gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および磁気攪拌子を備える三口フラスコに入れた。その重合生成物は、実施例2のパートB(上記)に記載されるものと同じであった。得られた生成物は、室温で固体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対して、それぞれ2800g/molおよび3500g/molであった。この生成物は、以下の式19(ここで、「a」は、1〜166の範囲の整数である)によって一般的に表される構造を有する、フォトクロミック材料の混合物からなると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例4:実施例のフォトクロミック材料「PM−4」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−4」を、実施例2のパートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:100.0114gの実施例2のパートA(上記)のフォトクロミック開始剤、139.0881gのd−バレロラクトン、158.5649gのε−カプロラクトンおよび0.9942gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および機械攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この重合生成物は、実施例2のパートB(上記)に記載されたものと同じである。この生成物の物質は、室温で粘性の液体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対して、それぞれ2800g/molおよび3600g/molであった。この生成物は、以下の式20(ここで、「ランダムコポリマー」とは、ε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンとのランダムコポリマーである)によって一般的に表される構造を有する、フォトクロミック材料の混合物からなると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例5:実施例のフォトクロミック材料「PM−5」の調製)
(パートA)
フォトクロミック基開始剤(上記表1において、構造1.3によって表される)を、以下のように調製した。工程1:実施例7のパートA、工程1からの4−フルオロ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾフェノン(下記)(7−974)(43.3グラム)およびアセチレンを飽和させたN,N−ジメチルホルムアミド(130mL)を、反応フラスコ内で混合した。反応フラスコを、氷浴中で冷却した。アセチレン化ナトリウム溶液(トルエン中9重量%、221グラム)を、この冷却した反応混合物中に、30分間かけて滴下した。氷浴を取り除き、そしてこの反応混合物を室温まで暖めた。この反応混合物を、氷水(450mL)に注ぎ、そしてこれに、ジエチルエーテル(300mL)を添加した。これらの層を相分離し、そして水層を、ジエチルエーテル(300mL)で1回、そして酢酸エチル(それぞれ300mL)で2回、抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン45%の酢酸エチルの混合物で溶出するシリカゲル(600グラム)でのカラムクロマトグラフィーによって、精製した。純粋な所望の生成物を含有する画分を合わせ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮して、30.1グラムの1−(4−フルオロフェニル)−1−(4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−プロピン−1−オールを得た。
工程2:工程1からの1−(4−フルオロフェニル)−1−(4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−プロピン−1−オール(19.9グラム)、実施例8のパートA、工程4(下記)からの2,3−ジメトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン(18.0グラム)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.02グラム)およびクロロホルム(ペンタンと一緒に保存、360mL)を、反応フラスコ中で混合し、そして室温で2.5時間攪拌した。この反応混合物を、50%重炭酸ナトリウム飽和水溶液(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中50%の酢酸エチルの混合物で溶出する、シリカゲル(500グラム)でのカラムクロマトグラフィーによって、精製した。所望のフォトクロミック材料を含有する画分を合わせ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮して、18.9グラムの3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランを得た。
工程3:工程2からの3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン(18.9グラム)、ジエチレングリコール(190mL)、トルエン(190mL)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.60グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして85℃まで2.5時間加熱した。この反応混合物を、室温まで冷却し、そしてトルエン(190mL)で希釈した。この反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(350mL)で洗浄し、そして塩化ナトリウム飽和水溶液(それぞれ350mL)で2回洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中65%の酢酸エチルの混合物で溶出する、シリカゲル(650グラム)でのクロマトグラフィーで分離した。純粋なフォトクロミック材料の画分を合わせ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮して、暗緑色の油状物を得た。NMR分析は、この生成物が、3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−5」を、パートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:0.4194gのパートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤、1.6973gのd−バレロラクトン、1.9349gのε−カプロラクトンおよび0.0101gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および磁気攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この重合生成物は、実施例2のパートB(上記)に記載されるものと同じであった。この生成物は、室温で粘性の液体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対して、それぞれ8800g/molおよび9800g/molであった。この生成物は、以下の式21(ここで、「ランダムコポリマー」とは、ε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンとのランダムコポリマーである)によって一般的に表される構造を有する、フォトクロミック材料の混合物からなると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例6:実施例のフォトクロミック材料「PM−6」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−6」を、実施例2のパートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:12.1814gの実施例2のパートA(上記)のフォトクロミック開始剤、11.2488gのd−バレロラクトン、12.8240gのε−カプロラクトンおよび0.0906gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および機械攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この重合生成物は、実施例2のパートB(上記)に記載されるものと同じである。重合後、得られた反応物を80℃まで冷却し、1滴のジラウリン酸ジブチルスズを添加し、そして2.8097gのメタクリル酸2−イソシアナトエチルを、約80℃で、30分間かけて入れた。この反応混合物を、IRによってイソシアネート基が検出されなくなるまで、80℃に維持した。この生成物は、室温で粘性の液体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対して、それぞれ2400g/molおよび3900g/molであった。この生成物は、以下の式22(ここで、「ランダムコポリマー」とは、ε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンとのランダムコポリマーである)によって一般的に表される構造を有する、フォトクロミック材料の混合物からなると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例7:実施例のフォトクロミック材料「PM−7」の調製)
(パートA)
フォトクロミック開始剤(表1において構造1.37によって表される)を、以下のように調製した。工程1:4−ヒドロキシ−4’−フルオロ−ベンゾフェノン(100グラム)、2−クロロエタノール(93グラム、ヨウ化ナトリウム(14グラム)、炭酸カリウム(128グラム)を、400mLのN,N−ジメチルホルムアミドを含む反応フラスコに添加した。得られた混合物を、95℃まで加熱し、そして窒素雰囲気下で攪拌した。95℃で4時間後、さらに30グラムの2−クロロエタノールおよび5グラムのヨウ化ナトリウムを、この反応混合物に添加した。95℃でさらに14時間後、この反応を、激しく攪拌しながら、50mLの50%水酸化ナトリウム溶液と4Lの水との混合物中で、白色固体が析出するまでクエンチした。この固体を濾過し、水で洗浄し、そして空気に曝露させた状態で乾燥させて、117グラムの所望の生成物(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−4’−フルオロ−ベンゾフェノン)を得た。この物質を、さらに精製せずに、次の工程において使用した。
工程2:工程1の生成物(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−4’−フルオロ−ベンゾフェノン)(90グラム)、モルホリン(75.3グラム)、トリエチルアミン(69.9グラム)を、160mLのジメチルスルホキシドを含む反応フラスコに添加した。得られた混合物を、95℃まで加熱し、そして窒素雰囲気下で攪拌した。95℃で4時間後、さらに40グラムのモルホリンおよび35グラムのトリエチルアミンを、この反応混合物に添加した。95℃でさらに14時間後、さらに60グラムのモルホリンを、この反応混合物に添加した。95℃でさらに24時間後、この反応を、激しく攪拌しながら、5Lの水中でクエンチすると、淡黄色の固体が析出するのが見られた。この固体を濾過し、水で洗浄し、そして空気に曝露した状態で乾燥させて、105グラムの所望の化合物(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−4’−モルホリノ−ベンゾフェノン)を得た。この物質を、さらに精製せずに、次の工程において使用した。
工程3:工程2の生成物(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−4’−モルホリノ−ベンゾフェノン)(105グラム)を、アセチレンで飽和させた600mLのN,N−ジメチルホルムアミドを含む反応フラスコに添加した。得られた混合物を、機械攪拌子を使用して、室温で、窒素雰囲気下で攪拌した。キシレン/鉱油中のアセチレン化ナトリウム(18%重量%の溶液214グラム)を、3回に分けて、攪拌している反応混合物に添加した。室温で半時間の攪拌後、この反応を、激しく攪拌しながら、4Lの水中でクエンチすると、淡黄色の固体が析出するのが見られた。この固体を濾過し、水で洗浄し、そして空気に曝露した状態で乾燥させて、111.1グラムの所望の化合物(1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オール)を得た。この物質を、さらに精製せずに、次の工程において使用した。
工程4:米国特許第5,645,767号の実施例1、工程2の生成物(1−フェニル−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシナフタレン、50グラム)を、500mLのテトラヒドロフランを含む反応フラスコに添加した。得られた混合物を、氷水浴中で冷却し、そして窒素雰囲気下で攪拌した。703mLのメチルマグネシウムクロリド溶液(テトラヒドロフラン中1M)を、45分間かけて滴下した。得られた黄色の反応混合物を、0℃で2時間攪拌し、そして室温までゆっくりと暖めた。この反応混合物を、2Lの氷/水混合物に注いだ。エーテル(1L)を添加し、そして層を分離した。水層を、500mLのエーテルで2回抽出し、そして有機部分を合わせ、そして1Lの水で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた油状物を、500mLのトルエンを含む反応容器(Dean−Starkトラップを備える)に移し、ここに、10滴のドデシルベンゼンスルホン酸を添加した。この反応混合物を、2時間加熱還流し、そして冷却した。このトルエンを、ロータリーエバポレーターで除去して、40.2グラムの淡黄色の固体を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレンと一致する構造を有することを示した。この材料を、さらには精製せずに、次の工程において直接使用した。
工程5:工程4の生成物(7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン)(40グラム)、工程3の生成物(1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オール)(54.3グラム)、20滴のメタンスルホン酸および800mLのクロロホルムを、反応フラスコ中で混合し、そして還流温度で、窒素雰囲気下で攪拌した。2時間後、さらに5グラムの1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールを、この反応混合物に添加し、続いて、さらに2時間後に、別の5グラムを添加した。この反応混合物を、16時間加熱還流し、次いで、室温まで冷却した。この反応混合物を、500mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液と500mLの水との混合物で、注意深く洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。この残留物を、シリカゲルカラムで、ヘキサンと、塩化メチレンと、酢酸エチルとの混合物(50/40/10)を溶出液として使用して、クロマトグラフィーで分離した。フォトクロミック材料の画分を収集し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮して、青みがかった固体(66グラム)を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−7」パートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:1.4230gの上記パートAに記載されるフォトクロミック開始剤、4.7830gのε−カプロラクトンモノマー、および0.0064gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および磁気攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この反応混合物を、暗色の均質な溶液が形成されるまで、室温で攪拌した。重合を、実質的に、140℃で10時間実施した。その後、非常に粘性の混合物を、約80℃まで冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温で固体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対して、それぞれ1800g/molおよび3100g/molであった。この生成物は、以下の式23(ここで、「a」は、1〜228の範囲の整数である)によって表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例8:実施例のフォトクロミック材料「PM−8」の調製)
(パートA:フォトクロミック開始剤の調製)
フォトクロミック開始剤(表1において構造1.32によって表される)を、以下のように調製した。工程1:米国特許第6,296,785号の実施例4、工程2の生成物(4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−フェニル−3−メトキシカルボニル−3−ブテン酸のE異性体とZ異性体との混合物、225グラム)および無水酢酸(900mL)を、反応フラスコに、窒素雰囲気下で添加した。この反応混合物を、5時間加熱還流した。この反応混合物を、室温まで冷却し、そして得られた沈殿物を、減圧濾過によって収集し、そして冷メタノールで洗浄して、211グラムの1−フェニル−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−6,7−ジメトキシナフタレンを得た。この生成物を、さらに精製せずに、引き続く反応において使用した。
工程2:工程1からの1−フェニル−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−6,7−ジメトキシナフタレン(100グラム)、水(675mL)、メタノール(35mL)、および水酸化ナトリウム(75グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして1時間加熱還流した。この反応混合物を、室温まで冷却し、そして1.5Lの4N HCl/氷混合物にゆっくりと注いだ。さらなる4N HClを、この反応混合物をのpHが3になるまで添加した。得られた白色沈殿物を、減圧濾過によって収集し、そして水で洗浄して、96グラムの1−フェニル−2−ヒドロキシカルボニル−4−ヒドロキシ−6,7−ジメトキシ−ナフタレンを得た。この生成物を、さらに精製せずに、引き続く反応において使用した。
工程3:工程2からの1−フェニル−2−ヒドロキシカルボニル−4−ヒドロキシ−6,7−ジメトキシ−ナフタレン(105グラム)、無水酢酸(420mL)、酢酸(630mL)、および塩化亜鉛(7グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして10時間加熱還流した。この反応混合物を冷却し、そして得られた転電物を減圧濾過によって収集し、そして酢酸で洗浄し、続いて水で洗浄して、橙色固体を得た。この固体を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液中で15分間スラリー化し、減圧濾過によって収集し、そして水で洗浄して、橙色固体を得た。この橙色の固体を、熱メタノール中でスラリー化し、室温まで冷却し、減圧濾過によって収集し、そして冷メタノールで洗浄し、84.2グラムの2,3−ジメトキシ−5−アセトキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン−7−オンを得た。この生成物を、さらに精製せずに、引き続く反応において使用した。
工程4:反応フラスコに、工程3からの2,3−ジメトキシ−5−アセトキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン−7−オン(50.0グラム)を、窒素雰囲気下で入れた。テトラヒドロフラン無水物(1250mL)を、この反応フラスコに添加した。この反応混合物を、氷浴中で冷却し、そして178mLのエチルマグネシウムブロミド溶液(ジエチルエーテル中3.0M)を、30分間かけて滴下した。この反応混合物を、室温までゆっくりと暖め、引き続いて、塩化アンモニウム飽和水溶液と氷との混合物(1.3L)に注いだ。これらの層を相分離し、そして水層を、750mLの酢酸エチルで2回抽出した。有機部分を合わせ、そして重炭酸ナトリウム飽和水溶液(800mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた橙色固体を、熱t−ブチルメチルエーテル中にスラリー化し、室温まで冷却し、減圧濾過によって収集し、そして冷t−ブチルメチルエーテルで洗浄して、41.3グラムの2,3−ジメトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレンを得た。この生成物を、さらに精製せずに、引き続く反応において使用した。
工程5:工程4からの2,3−ジメトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン(30g)、モルホリン(46.7mL)、およびテトラヒドロフラン無水物(900mL)を、反応フラスコ中で混合した。この反応混合物を、氷浴中で冷却し、そしてn−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中2.5M、178mL)を、30分間かけて滴下した。氷浴を取り除き、そしてこの反応混合物を、3時間加熱還流した。この反応混合物を、室温まで冷却し、次いで、塩化アンモニウム飽和水溶液と氷との混合物(1L)に注いだ。これらの層を相分離し、そして水層を、350mLの酢酸エチルで2回抽出した。有機部分を合わせ、そして重炭酸ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた橙色固体を、熱t−ブチルメチルエーテル中でスラリー化し、室温まで冷却し、減圧濾過によって収集し、そして冷t−ブチルメチルエーテルで洗浄して、26.6グラムの2−モルホリノ−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレンを得た。この生成物を、さらに精製せずに、引き続く反応において使用した。
工程6:工程5からの2−モルホリノ−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン(20グラム)、米国特許第5,458,814号の実施例1、工程1の生成物(1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール、17.8グラム)、ドデシルベンゼンスルホン酸(1.7グラム)およびクロロホルム(ペンタンと一緒に保存、600mL)を、反応フラスコ中で混合し、そして室温で2時間攪拌した。この反応混合物を、50%重炭酸ナトリウム飽和水溶液(300mL)で洗浄し、そして有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を、ロータリーエバポレーターで濃縮した。熱メタノールを、得られた残渣に添加し、次いで室温まで冷却した。得られた沈殿物を、減圧濾過によって収集し、そして冷メタノールで洗浄して、26.8グラムの3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランを得た。この生成物を、さらに精製せずに、引き続く反応において使用した。
工程7:工程6からの3,3,−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン(12グラム)、ジエチレングリコール(120mL)、トルエン(120mL)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.36グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして85℃で4時間加熱した。この反応混合物を、室温まで冷却し、そしてトルエン(120mL)で希釈した。反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)、および4部(それぞれ100mL)の塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして暗色の油状物になるまで濃縮した。この油状物を、ヘキサン中40%の酢酸エチルの混合物で溶出するシリカゲルカラムで、クロマトグラフィーで分離した。フォトクロミック材料の画分を収集し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、t−ブチルメチルエーテル中40%のヘキサンの混合物中で再結晶して、5グラムのオフホワイトの固体を得た。NMR分析は、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−8」を、パートA(上記)に記載されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下のように調製した:1.695gの上記パートAに記載されるフォトクロミック開始剤、4.6440gのε−カプロラクトンモノマーおよび0.0062gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、窒素下で、凝縮器、窒素の入口および磁気攪拌子を備える三口フラスコに入れた。この反応混合物を、暗色の均質な溶液が形成されるまで、室温で攪拌した。重合を、140℃で6時間実施した。その後、粘性が高い混合物を、約80℃まで冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温で固体であり、数平均分子量および重量平均分子量は、GPCによって決定すると、ポリスチレン標準物質に対して、それぞれ2000g/molおよび3100g/molであった。この生成物は、以下の式24(ここで「A」は、1〜166の範囲の整数である)によって表される一般構造を有するフォトクロミック材料であると考えられる。
Figure 2011042791
(実施例9:実施例のフォトクロミック材料「PM−9」の調製)
(パートA:フォトクロミック開始剤の調製)
フォトクロミック開始剤(上記表1において構造1.31によって表される)を、以下のように調製した。工程1:アニソール(27.5グラム)、4−フルオロベンゾイルクロリド(35グラム)およびジクロロメタン(250mL)を、反応フラスコ中で混合した。塩化アルミニウム(30.8グラム)を、20分間かけてゆっくりと、この反応混合物に添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌し、次いで、この反応混合物を、70mLの濃塩酸と500mLの水との混合物に注いだ。これらの層を相分離し、そして水層ジクロロメタン(それぞれ300mL)で2回抽出した。有機部分を合わせ、そして重炭酸ナトリウム飽和水溶液(400mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、48.0グラムの4−フルオロ−4’−メトキシ−ベンゾフェノンを白色固体として得た。この材料を、さらには精製せずに、次の工程において直接使用した。
工程2:工程1からの4−フルオロ−4’−メトキシ−ベンゾフェノン(126.7グラム)、およびアセチレンを飽和させたN,N−ジメチルホルムアミド(380mL)を、反応フラスコ中で混合した。アセチレン化ナトリウム溶液(トルエン中9重量%、343グラム)を、45分間かけて、この反応混合物に滴下した。この反応混合物を、室温で1時間攪拌し、次いで、氷水(600mL)に注いだ。これらの層を相分離し、そして水層を、ジエチルエーテル(200mL)で3回抽出した。有機層を合わせ、そして塩化アンモニウム飽和水溶液(200mL)、塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)、および重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして琥珀色の油状物になるまでエバポレートして、136.6グラムの1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールを得た。この材料を、さらには精製せずに、次の工程において直接使用した。
工程3:工程2からの1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール(26.3グラム)、実施例8の工程4のパートAからの2,3−ジメトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン(30.0グラム)、ドデシルベンゼンスルホン酸(2.9グラム)およびクロロホルム(ペンタンと一緒に保存、600mL)を、反応フラスコ中で混合し、そして室温で1時間攪拌した。この反応混合物を、50%重炭酸ナトリウム飽和水溶液(300mL)で洗浄し、そして有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を、暗色の油状物になるまでエバポレートし、これに、温メタノールを添加した。得られた沈殿物を、減圧濾過によって収集し、そして冷メタノールで洗浄して、34.5グラムの3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランを得た。この物質を、さらに精製せずに、次の工程において直接使用した。
工程4:工程7からの3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン(35.0グラム)、ジエチレングリコール(350mL)、トルエン(350mL)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(1.73グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして85℃で6時間加熱した。この反応混合物を、室温まで冷却し、そしてトルエン(350mL)で希釈した。この反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(300mL)および4部の塩化ナトリウム飽和水溶液(それぞれ300mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして暗色の油状物になるまで濃縮した。この油状物を、トルエン中25%の酢酸エチルの混合物で溶出して、シリカゲルでのクロマトグラフィーで分離した。フォトクロミック材料の画分を収集し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を、t−ブチルメチルエーテル中10%のヘキサンの混合物で再結晶して、16.6グラムの白色固体を得た。NMR分析は、この生成物が、3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−9」を、パートA(上記)に示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:1.6577gの上記のパートAに示されるフォトクロミック開始剤、5.0002gのε−カプロラクトンモノマーおよび0.0067gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。この反応混合物を、暗黒色の均質な溶液が形成されるまで、室温にて攪拌した。重合を、140℃で8時間行った。その後、この高い粘性の混合物を、約80℃に冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温にて固体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定したところ、それぞれ、2200g/molの数平均分子量および3700g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、以下の式25で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「a」は、1〜382の範囲の整数である。
Figure 2011042791
(実施例10:実施例のフォトクロミック材料「PM−10」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−10」を、実施例8(上記)のパートAに示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:1.6310gの実施例8のパートAのフォトクロミック開始剤、8.9370gのε−カプロラクトンモノマー、および0.0120gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。この反応混合物を、暗黒色の均質な溶液が形成されるまで、室温にて攪拌した。重合を、140℃で10時間行った。その後、この高い粘性の混合物を、約80℃に冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温にて固体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定したところ、それぞれ、3100g/molの数平均分子量および7200g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、式25(上記)で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「a」は、1〜665の範囲の整数である。
(実施例11:実施例のフォトクロミック材料「PM−11」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−11」を、実施例7(上記)のパートAに示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:1.8334gの実施例7のパートAに示されるフォトクロミック開始剤、3.080gのε−カプロラクトンモノマー、および0.0041gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。この反応混合物を、暗黒色の均質な溶液が形成されるまで、室温にて攪拌し、そして重合を、140℃で7時間行った。その後、この高い粘性の混合物を、約80℃に冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温にて固体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定したところ、それぞれ、1300g/molの数平均分子量および1900g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、式25(上記)で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「a」は、1〜117の範囲の整数である。
(実施例12:実施例のフォトクロミック材料「PM−12」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−12」を、実施例9(上記)のパートAに示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:1.2358gの上記実施例9のパートAに示されるフォトクロミック開始剤、7.4580gのε−カプロラクトンモノマー、および0.0100gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。この反応混合物を、暗黒色の均質な溶液が形成されるまで、室温にて攪拌した。重合を、140℃で10時間行った。その後、この高い粘性の混合物を、約80℃に冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温にて固体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定したところ、それぞれ、3100g/molの数平均分子量および8100g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、式25(上記)で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「a」は、1〜853の範囲の整数である。
(実施例13:実施例のフォトクロミック材料「PM−13」の調製)
(パートA:フォトクロミック開始剤の調製)
フォトクロミック開始剤(表1において構造1.18で表される)を、以下の通りに調製した:9.4g(0.02モル)の2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−ヒドロキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピランを、300ml丸底フラスコ中の100mlのDMFジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。粉末の無水炭酸カリウム(13.8g、0.1モル)を添加し、そしてこの混合物を、攪拌し、そして5g(0.04モル)の2−ブロモエタノールを滴下しながら80℃に加熱する。この反応を、TLC(薄層クロマトグラフィー)によってモニタリングする。そして4時間後(出発物質が存在しなくなった)、この反応を、1リットルの水に注ぐことによってクエンチする。この生成物を、クロロホルム中に抽出し、濃縮し、そして溶離剤として2:1のエチルアセテート:ヘキサンを使用してシリカ上で色層分析する。この赤色のフォトクロミック画分を回収し、そしてこの生成物を、ジエチルエーテル:ヘキサン混合物から結晶化する。得られた物質は、上記の表1において構造1.18で表される2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピランであった。
(パートB)
実施例のフォトクロミック材料「PM−13」を、パートA(上記)に示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:1.4580gの上記のパートAに示されるフォトクロミック開始剤、3.0340gのε−カプロラクトン、2.6613gのδ−バレロラクトン、および0.0179gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。この反応混合物を、暗黒色の均質な溶液が形成されるまで、室温にて攪拌した。重合を、120℃で7時間行った。その後、この高い粘性の混合物を、約80℃に冷却し、そしてガラス瓶に移した。この生成物は、室温にて液体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定すると、それぞれ、2900g/molの数平均分子量および3400g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、下の式26で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「ランダムコポリマー」は、ε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンとのランダムコポリマーである。
Figure 2011042791
(実施例14:実施例のフォトクロミック材料「PM−14」の調製)
フォトクロミック材料PM−14を、以下の通りに調製した:6.5gのフォトクロミック材料PM−2(上の実施例2において記載される)を、50mlのクロロホルム中に攪拌して溶解した。次いで触媒量の4−ジメチルアミノピリジン(dimethyaminopyridine)(DMAP)と一緒にモル過剰のトリエチルアミンを添加し、その後、5滴の4−塩化メトキシベンゾイルを添加した。その後この反応の進行をTLCにより追跡した。2時間後、5滴を超える塩化ベンゾイルを添加した。このプロセスを、TLCが出発物質を示さなくなるまで繰り返した。この時点で、この反応混合物を、250mlの水に注いだ。有機画分を、分離し、濃縮し、その後ヘキサン:酢酸エチルの2:1混合物を使用してシリカ上でクロマトグラフィーした。このフォトクロミック画分を、回収し、合わせ、そして濃縮して、静置した状態で固化した油を得た。得られた物質は、ヒドロキシル基がp−アニス酸エステル基によって覆われることを除いて、上の式18に示される構造を有した。
(実施例15:実施例のフォトクロミック材料「PM−15」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−15」を、実施例2(上記)のパートAに示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:1.2475gの実施例2(上記)のパートAのフォトクロミック開始剤、3.7128gのトリメチレンカルボネート(TMC)モノマーおよび0.0124gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。重合手順は、実施例2(上記)のパートBに示されるものと同じであった。この生成物は、室温にて固体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定したところ、それぞれ、2700g/molの数平均分子量および4700g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、下の式27で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「a」は、1〜402の範囲の整数である。
Figure 2011042791
(実施例16:実施例のフォトクロミック材料「PM−16」の調製)
実施例のフォトクロミック材料「PM−16」を、実施例2(上記)のパートAに示されるフォトクロミック開始剤を使用して、以下の通りに調製した:2.1127gの実施例2(上記)のパートAのフォトクロミック開始剤、6.2878gのラクチド(LT)モノマーおよび0.0210gの2−エチルオクタン酸スズ(II)を、コンデンサー、窒素注入口および磁性攪拌子を備えた三つ首フラスコに、窒素下で入れた。重合手順は、実施例2(上記)のパートBに示されるものと同じであった。この生成物は、室温にて固体であり、ポリスチレン標準に対するGPCによって決定したところ、それぞれ、1756g/molの数平均分子量および3840g/molの重量平均分子量を有した。この生成物は、下の式28で表される一般構造を有するフォトクロミック材料の混合物であると考えられ、「a」は、1〜209の範囲の整数である。
Figure 2011042791
(試験)
(実施例17)
フォトクロミックコーティング組成物(下の表3において「実施例のコーティング1」として示される)を、実施例1に示されるフォトクロミック材料PM−1を使用して調製した。さらに、2つの比較例のフォトクロミックコーティング組成物(「比較例のコーティングA」および「比較例のコーティングB」として表3において示される)を、以下のフォトクロミック材料「CPM−A」および「CPM−B」を、それぞれ使用して調製した。
比較例のフォトクロミック材料CPM−A(下の式29で表される)を、以下の通りに調製した。オーブンで乾燥した反応フラスコに、ピペリジン(1.5mL)および無水テトラヒドロフラン(150mL)を添加した。反応混合物を、氷浴中で冷却した。これに、7mLのブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M)をゆっくりと20分間掛けて滴下した。反応混合物を、室温まで温め、次いで実施例4の所望の生成物(米国特許第6,296,785号の工程6(3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン、5.0グラム))を入れた。反応混合物を、室温で一晩攪拌し、次いで氷水(250mL)中にゆっくりと注いだ。塩酸水溶液(10%v/v)を、pHが4になるまで添加し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈した。その層を相分離し、そして水層を100mL部分の酢酸エチルで3回抽出した。有機層を、合わせて、そして飽和ジカルボン酸ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてロータリーエバポレーションによって濃縮した。得られた残渣を、t−ブチルメチルエーテルにおいて再結晶し、1.6グラムの白色固体を得た。NMRおよび質量分析法は、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランから構成される構造および分子量を有する生成物を示した。
Figure 2011042791
比較例のフォトクロミック材料CPM−Bは、実施例1のパートAに示されるフォトクロミック材料であった。
各コーティング組成物を、N−メチルピロリジノン(「NMP」)中に適切なフォトクロミック材料を予め溶解することによって調製し、次いでこの溶液に、表3に示される残りの成分を記載された量で添加した。得られた混合物を、磁性攪拌子を使用して、均質な混合物が得られるまで約30分間攪拌した。混合した後、各コーティング組成物を、1500rpmにて6秒間、約0.2gの湿重量になるまでスピンコーティングすることによって、予めプラズマ処理したGentex PDQハードコーティングポリカルボネートレンズ(1.5×70mm)に適用した。このコーティングを、約20ミクロンの最終的な厚さになるまで120℃にて1時間硬化させた。このコーティング組成物の成分を、3つのコーティングの各々が、本質的に同じFischer硬度(表3に示されるような)を有するように調整した。このコーティングレンズの各々のFischer硬度およびフォトクロミック性能を、下で考察した通りに測定した。
Figure 2011042791
HDIビウレットBI7960は、Lancashire,EnglandのBaxenden Chemical Co.から入手可能な、ブロックヘキサメチレンジイソシアネートである。
HC−86−7776は、Pittsburgh,PennsylvaniaのPPG
Industries,Inc.から入手可能な、ポリアクリレートポリマーである。PC−U 22は、Stahl USAから入手可能な、脂肪族カーボネートジオールである。
4,5Milwaukee,WisconsinのAldrichから入手可能である。NMPは、生物工学用の等級であった。
Fischer微小硬度試験を、Fischer Technology,Inc.から入手可能なFischerscope HCV,Model H−100を使用して行った。このコーティングの1mmあたりニュートンで測定されるFischer微小硬度(または「Fischer硬度」)を、100ミリニュートンの負荷、30回の負荷工程および負荷工程の間の0.5秒間の休止の条件下において決定した。本明細書中で報告されるFischer硬度データを、2μmのインデンター(indentor)の深さにて測定した。
上述のコーティング組成物の各々のフォトクロミック性能を、以下の通りに行った。上で調製したコーティングレンズを、Essilor,Ltd.France製のBench for Measuring Photochromies(「BMP」)光学台上でフォトクロミック反応について試験した。この光学台を、試験する間、73.4°F(23℃)の一定温度に維持した。
光学台上で試験する前に、コーティングレンズの各々を、365ナノメートルの紫外光に、約14センチメートルの距離にて約10分間曝して、このフォトクロミック材料を活性化した。このレンズにおけるUVA(315nm〜380nm)照射度を、Licor
Model Li−1800分光放射計によって測定し、そして1平方メートルあたり22.2ワットであることを見出した。その後このレンズを、500ワットの高強度ハロゲンランプ下に、約36センチメートルの距離にて約10分間配置して、このフォトクロミック材料を消光(不活性化)させた。このレンズにおける照度を、Licor分光放射計によって測定し、そして21.4Kルクスであることを見出した。次いでこのレンズを、光学台上で試験する前に、暗い環境中に室温(70〜75°F、すなわち21〜24℃)にて少なくとも1時間保った。光学台測定の前に、このレンズを、390ナノメートルおよび405ナノメートルにおける紫外部吸収について測定した。
BMP光学台を、2つの150ワットのOriel Model #66057キセノンアーク燈を、互いに対して直角に取り付けた。ランプ1からの光路を、必要とされるUV照射度レベルおよび部分的な可視光照射度レベルに寄与する、3mmのSchott KG−2帯域通過フィルターおよび適切な濃度フィルターを通して方向付けた。ランプ2からの光路を、追加の可視光照度を提供するために、3mmのSchott KG−2帯域通過フィルター、Schott狭帯域(short band)400nmカットオフフィルターおよび適切な濃度フィルターを通して方向付けた。それぞれのランプに対して45°にて、2インチ×2インチの50%ポルカドットビームスプリッターを使用して、2つのビームを混合する。濃度フィルターとキセノンアーク燈の電圧制御との組み合わせを使用して、照射度の強度を調整した。独自のソフトウェアをBMP上で使用して、タイミング、照射度、空気電池およびサンプル温度、シャッターの開閉(shuttering)、フィルターの選択ならびに反応の測定を制御した。レンズを通して光を送達するためのファイバー光学ケーブルを有するZeiss分光光度計(Model MCS 501)を、反応および色の測定のために使用した。明所視反応の測定値、および4つの選択した波長を、レンズ上に集めた。
光学台の出力(すなわち、レンズを曝した場合の光の線量)を、315〜380nmに統合される1平方メートルあたり6.7ワット(W/m)のUVA、および380〜780nmに統合される50Kルクスの照度に調整した。この出力の測定を、BMP内に含まれるオプトメーターおよびソフトウェアを使用して行った。
活性化していない状態または消光した状態から活性化した状態または有色の状態までの光学濃度(ΔOD)における変化に関して、反応の測定値を、最初の活性化していない透過率を確立し、キセノンランプからのシャッターを開け、そして選択した時間の間隔における活性化を介する透過率を測定することによって決定した。光学濃度における変化を、式:ΔOD=log10(%Tb/%Ta)に従って決定した。ここで%Tbは、消光した状態における透過率の%であり、%Taは、活性化した状態における透過率の%である。光学濃度の測定は、明所視の光学濃度に基づいた。
この試験の結果を、表4において下に示し、ここで第1の消光の半減期(「T1/2」)の値は、点灯している光源の除去後において、73.4°F(23℃)での15分間ΔODの半分に達する、コーティング中のフォトクロミック材料の活性化形態のΔODについての時間間隔(秒数)である。第2の消光の半減期(「2T1/2」)の値は、点灯している光源の除去後において、73.4°F(23℃)での15分間ΔODの4分の1に達する、コーティング中のフォトクロミック材料の活性化形態のΔODについての時間間隔(秒数)である。第3の半減期(「3T1/2」)の値は、点灯している光源の除去後において、73.4°F(23℃)での15分間ΔODの8分の1に達する、コーティング中のフォトクロミック材料の活性化形態のΔODについての時間間隔(秒数)である。さらに、「AT3/4」の値は、点灯している光源に対する曝露後において、73.4°F(23℃)での15分間ΔODの4分の3に達する、コーティング中のフォトクロミック材料の活性化形態のΔODについての時間間隔(秒数)である。
Figure 2011042791
表4における結果から明らかな通り、実施例1のフォトクロミック材料PM−1を含んだ実施例のコーティング1のT1/2、2T1/2、および3T1/2の値は、比較例のフォトクロミック材料CPM−AおよびCPM−Bをそれぞれ含んだ比較例のコーティングAまたは比較例のコーティングBのいずれの値よりも小さかった(すなわち、実施例のコーティング1の消光速度は、どちらの比較例のコーティングよりも速かった)。さらに、実施例のコーティング1のAT3/4の値は、比較例のコーティングBについてのAT3/4活性化速度より低く、比較例のコーティングAについてのAT3/4活性化速度と実質的に同じであった。
(実施例18)
2つのフォトクロミックコーティング組成物(下の表5に「実施例のコーティング2」および「実施例のコーティング4」として示される)を、実施例2に示される実施例のフォトクロミック材料PM−2および実施例4に示される実施例のフォトクロミック材料PM−4を使用して調製した。さらに、2つの比較例のフォトクロミックコーティング組成物(下の表5に「比較例のコーティングC」および「比較例のコーティングD」として示される)を、比較例のフォトクロミック材料CPM−CおよびCPM−Dをそれぞれ使用して調製した。
比較例のフォトクロミック材料CPM−C(下で式30によって表される)は、米国特許第5,645,767号の実施例5に示されるように調製した3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランであった。
Figure 2011042791
比較例のフォトクロミック材料CPM−Dは、実施例2のパートAに示されるフォトクロミック材料であった。
各コーティング組成物を、実施例17において上に示される通りの記載された量で、表5に示される成分を混合することによって調製した。調製後、スピンコーティングを1500rpmにて5秒間で行ったことを除いて、上で実施例15において記載されるように各コーティングを、プラズマ処理したGentex PDQハードコーティング平面(plano)ポリカーボネートレンズに適用し、そして硬化させた。実施例のコーティング2の成分および比較例のコーティングの成分を、3つのコーティングの各々が本質的に同じFischer硬度(下の表5に示されるような)を有するように調整した。実施例のコーティング4は、より高いFischer硬度を有した。
Figure 2011042791
Fischer硬度試験およびフォトクロミック性能試験を、実施例17において上で考察したように、コーティングレンズの各々に対して行った。さらに、NMP浸漬試験を、実施例のコーティング2を用いたレンズおよび2つの比較例のコーティングを用いたレンズに対して行い、そのコーティングから浸出し得るフォトクロミック材料の量を測定した。より具体的には、このNMP浸漬試験において、各コーティングを、ハードコーティングポリカーボネートレンズに適用し、そして硬化させた。その後、各レンズをNMP中に1時間浸漬した。390nmにおけるUV吸収を、NMP浸漬の前後に測定した。フォトクロミックの喪失の%を、浸漬した後にUV吸収における喪失の%を取得することによって決定した。NMPをこの試験において使用した。なぜなら、このフォトクロミック材料が、その溶媒中に抽出され得るからである。
上述の試験の結果を、下の表6に示す。
Figure 2011042791
表6における結果から明らかな通り、(実施例2の)実施例のフォトクロミック材料PM−2および(実施例4の)実施例のフォトクロミック材料PM−4をそれぞれ含む、実施例のコーティング2および4の両方のAT3/4、T1/2、および2T1/2の値は、これらの比較例のコーティング組成物のいずれのAT3/4、T1/2および2T1/2の値よりも小さかった(すなわち、実施例のコーティングの活性化速度および消光速度は、これらの比較例のコーティングの消光速度よりも速かった)。さらに、その比較例のコーティング組成物の少なくと2倍のFischer硬度を有する実施例のコーティング4は、これらの比較例のコーティングより小さいT1/2、2T1/2およびAT3/4の値を有した。さらに、NMP浸漬の間、実施例のコーティング2からのフォトクロミック材料の浸出は、本質的に、NMP浸漬後に検出されなかったのに対して、比較例のコーティングからのフォトクロミック材料の浸出は検出された。
(実施例19)
実施例のフォトクロミックコーティング組成物(下で表7に「実施例のコーティング5」として示される)を、実施例5示される実施例のフォトクロミック材料PM−5を使用して調製した。さらに、比較例のフォトクロミックコーティング組成物(下で表7に「比較例のコーティングH’」として示される)を、比較例のフォトクロミック材料「CPM−H」(実施例20において下に示されるフォトクロミック材料)を使用して調製した。
各コーティング組成物を、実施例17において上に示される通りの記載された量で、表7に示される成分を混合することによって調製した。調製後、実施例18で上記されるように各コーティングを、プラズマ処理したGentex PDQハードコーティング平面ポリカーボネートレンズに適用し、そして硬化させた。実施例のコーティング5の成分および比較例のコーティングH’の成分を、これらのコーティングの各々が本質的に同じFischer硬度(下の表7に示されるような)を有するように調整した。
Figure 2011042791
Fischer硬度試験およびフォトクロミック性能試験を、実施例17において上で考察したように、コーティングレンズの各々に対して行った。さらに、NMP浸漬試験を、実施例18において上で考察したように行った。
上述の試験の結果を、下の表8に示す。
Figure 2011042791
表8における結果から明らかな通り、(実施例5の)実施例のフォトクロミック材料PM−5を含んだ実施例のコーティング5のT1/2、2T1/2、およびAT3/4の値は、比較例のフォトクロミック材料CPM−Hを含んだ比較例のコーティングH’の値と同様であった。
(実施例20)
以下のフォトクロミック材料の移動性能を、以下の通りに試験した:2つのコーティング組成物(「実施例のコーティング789」および「比較例のコーティングFGH」)を、表9に示される成分を混合することによって調製した。実施例のコーティング789は、それぞれ、実施例7、8、および9において上記される3つの実施例のフォトクロミック材料PM−7、PM−8、およびPM−9を含んだ。比較例のコーティングFGHは、ポリマーコーティングに結合していない3つの比較例のフォトクロミック材料(CPM−F、CPM−G、およびCPM−H)を含んだ。
比較例のフォトクロミック材料CPM−Fを、以下の通りに調製した:実施例7のパートAの工程4から得た7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン(2.6g、0.01mol)を、100mlのトルエン中の3.5g(わずかにモル過剰)の1−(4−メトキシフェニル−1−(4−モルフォリノフェニル)−2−プロピン−1−オールと共に溶解した。この混合物を40℃にて攪拌し、そしてドデシルベンゼンスルホン酸を、一貫した暗色が得られるまで滴下した。2時間後、TLCは、この反応がほぼ完了したことを示した。その後、300mlの水を、この攪拌した混合物に添加した。この有機層を、分離し、そしてその溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。この粗生成物を、ヘキサン対酢酸エチルの2:1混合物を使用して、シリカカラム上でクロマトグラフィーした。フォトクロミック画分を、回収し、混合し、そしてその溶媒を、ロータリーエバポレーターで除去した。この残渣をメタノールから結晶化して、NMRが構造3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルフォリノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致した1.8gの白色の結晶を得た。
比較例のフォトクロミック材料CPM−Gを、以下の通りに調製した:実施例8のパートAの工程6から得た3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルフォリノ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン(68.7グラム)、無水メタノール(685mL)、トルエン(685mL)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(5.1グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして加熱して還流した。さらなるp−トルエンスルホン酸一水和物を、4時間還流した後、および次いで再び8時間還流した後の、2回で0.5グラム部分で入れた。次いでこの反応混合物を、一晩還流した。その後、この反応混合物を、室温に冷却し、そしてトルエン(400mL)によって希釈した。反応混合物を、50%飽和した炭酸水素ナトリウム水溶液(800mL)によって洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてロータリーエバポレーションによって濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中の25%酢酸エチルによって溶出するシリカゲル(1,300グラム)上でクロマトグラフィーした。フォトクロミック画分を混合し、そしてロータリーエバポレーションによって濃縮した。得られた残渣を、t−ブチルメチルエーテル中の20%ヘキサンにおいて再結晶し、62.6グラムの黄褐色の固体を得た。質量分析法およびNMRスペクトルは、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルフォリノ−13−エチル−13−メトキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有する生成物を示した。
比較例のフォトクロミック材料CPM−Hを、以下の通りに調製した:実施例9のパートAの工程3から得た3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン(14.9グラム)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(150mL)、トルエン(150mL)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.495グラム)を、反応フラスコ中で混合し、そして95℃に6時間加熱した。この反応混合物を、室温に冷却し、そしてトルエン(150mL)によって希釈した。反応混合物を、50%飽和した炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)および4つの部分の飽和した塩化ナトリウム水溶液(各175mL)によって洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてロータリーエバポレーションによって濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中の25%酢酸エチルによって溶出するシリカゲル上でクロマトグラフィーした。フォトクロミック画分を回収し、そしてロータリーエバポレーションによって濃縮した。得られた残渣を、t−ブチルメチルエーテル中の20%ヘキサンにおいて再結晶し、9.3グラムの白色の結晶性固体を得た。質量分析法およびNMRスペクトルは、3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有する生成物を示す。
次いで各コーティング組成物を、実施例18において上で示されるように、2つのプラズマ処理したGentex PDQハードコーティング平面ポリカーボネートレンズの各々にスピンコーティングし、そして硬化させた。コーティングレンズのそれぞれの対から得た1つのコーティングレンズを、さらにプラズマ処理し、そして表10において下で示される組成物を有する保護コーティングを、フォトクロミックコーティング上に、約0.6グラムの湿潤フィルム重量になるまでスピンコーティングし、そして窒素雰囲気下でUVによって、約10〜12ミクロンの厚さになるまで硬化させた。次いで保護コーティングレンズの各々を、105℃のポストべークに3時間供して、代表的なハードコート硬化プロセスの間に認められる状態を模擬した。
Figure 2011042791
Figure 2011042791
SR−399は、Sartomer Company of Exton,Pennsylvaniaから入手可能なジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
SR−305は、Sartomer Companyから入手可能なトリメチロールプロパントリメタクリレートである。
SR−348は、Sartomer Companyから入手可能なエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートである。
Versailles,MissouriのEcho Resins and LaboratoriesからADME#302として得られる。
10SILQUEST A−187は、Paris,FranceのOsi Specitiesから入手可能なγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
11Irgacure 819は、Basel,SwitzerlandのCiba−Geigyから入手可能なビスアクリルホスフィンオキシド光開始剤(photoinitiator)である。
12CD−1011は、Sartomer Companyから入手可能なトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートカチオンの光開始剤である。
コーティングレンズの対における各々のレンズ(すなわち、保護コーティングを有するレンズおよび保護コーティングを有さないレンズ)についてのフォトクロミック性能試験を、実施例17において上記されるように行った。この試験の結果を、以下の表11において示す。
Figure 2011042791
上の表11から明らかなように、実施例のコーティング789コーティング(保護コーティングを有する789コーティングおよび保護コーティングを有さない789コーティングの両方)のT1/2および2T1/2の値は、それぞれ、保護コーティングを有する比較例のコーティングFGHおよび保護コーティングを有さない比較例のコーティングFGHのT1/2ならびに2T1/2の値より小さかった。さらに、表11において見られるように、実施例のコーティング789の2T1/2の値、t=70%の値、およびt=75%の値(すなわち、それぞれ、70%および75%の透過率に達するレンズについての時間間隔(分))は、保護コーティングを有するものと、保護コーティングを有さないものとでは、本質的に同じである。これは、コーティング組成物に対して結合したフォトクロミック材料の、実施例のコーティング789における比較的硬性の保護コーティング中への移動が低かったことを示唆する。対照的に、比較例のコーティングFGHについてのt=70%の値およびt=75%の値は、保護コーティングを有するものが保護コーティングを有さないものよりも長かった。これは、比較例のコーティングFGHの比較例のフォトクロミック材料のいくつかの部分が、比較的硬性の保護コーティング中に移動して、比較例のコーティングFGHのフォトクロミック性能の劣化を引き起こしたことを示唆する。
(実施例21)
下の表12に示される実施例のコーティングおよび比較例のコーティングを、実施例17において上記されるように調製し、そして実施例18において上記されるようにレンズ上にコーティングした。各フォトクロミックコーティングを、約15N/mmのFischer硬度を有するように配合した。
Figure 2011042791
BYK 333は、Wallingford,ConnecticutのB YK−Chemieから入手可能なポリエーテル改変ジメチルポリシロキサンコポリマーである。実施例7のパートAのフォトクロミック材料。
実施例9のパートAのフォトクロミック材料。
実施例8のパートAのフォトクロミック材料。
表12に記載されるフォトクロミックコーティングに使用されるフォトクロミック材料の各々の数平均分子量は、GPCを使用して決定するか、または示されるように理論計算によって決定した。表12に列挙されるフォトクロミックコーティングの各々についてのT1/2および2T1/2の消光速度を、実施例17において上で考察した通りに測定した。これらの結果を、表13において下で示す。
Figure 2011042791
四捨五入した理論計算によって決定されるMW
表13から明らかな通り、本明細書中に開示される種々の非限定的な実施形態に従ってフォトクロミック材料を含んだ実施例のコーティングは、一般的に、比較例のフォトクロミック材料を含んだフォトクロミックコーティングより短いT1/2および2T1/2の値(すなわち、速い消光速度)を有した。
(実施例22)
実施例のフォトクロミックコーティング組成物(下で表14において「実施例のコーティング13」として示される)を、実施例13に示される実施例のフォトクロミック材料PM−13を使用して調製した。さらに、2つの比較例のフォトクロミックコーティング組成物(下の表14において「比較例のコーティングL」および「比較例のコーティングM」として示される)を、下に示される比較例のフォトクロミック材料CPM−L、および上で実施例13のパートAに示されるフォトクロミック材料である比較例のフォトクロミック材料CPM−Mを使用して調製した。さらに、このフォトクロミック材料PM−13およびCPM−Mは、各々、それらのそれぞれのコーティング(実施例のコーティング13および比較例のコーティングM)のポリマー材料に結合したが、フォトクロミック材料CPM−Lは、ポリマー材料に結合しなかった。
式31において下に示される構造を有する比較例のフォトクロミック材料CPM−Lを、米国特許第5,458,814号の第13欄55行目〜第14欄7行目の実施例2(この実施例は本明細書中に参考として本明細書によって具体的に援用される)に示されるように調製した。
Figure 2011042791
各コーティング組成物を、実施例17において上に示される通りの記載された量で、表14に示される成分を混合することによって調製した。調製後、実施例18で上記されるように、各コーティングを、プラズマ処理したGentex PDQハードコーティング平面ポリカーボネートレンズに適用し、そして硬化させた。下の表14に示されるように、実施例のコーティング13の成分ならびに比較例のコーティングLおよびMの成分を、これらのコーティングの各々が本質的に同じFischer硬度を有するように調整した。
Figure 2011042791
フォトクロミック性能試験を、実施例17において上で考察したように、これらのコーティングに対して行った。このフォトクロミック試験の結果を、下の表15に示す。
Figure 2011042791
表15における結果から明らかな通り、実施例のコーティング13は、比較例のコーティングLまたは比較例のコーティングMどちらよりも短いT1/2および2T1/2の値(すなわち、速い消光速度)を有した。
(実施例23)
実施例のフォトクロミックコーティング組成物(下で表16において「実施例のコーティング14」として示される)を、実施例14に示される実施例のフォトクロミック材料PM−14を使用して調製した。第2の実施例のフォトクロミックコーティング組成物(下で表16において「実施例のコーティング2’」として示される)を、上の実施例2に示される実施例のフォトクロミック材料PM−2を使用して調製した。さらに、比較例のフォトクロミックコーティング組成物(下の表16において「比較例のコーティングC」として示される)を、実施例18において上に示される比較例のフォトクロミック材料CPM−Cを使用して調製した。
各コーティング組成物を、実施例17において上にされる通りの記載された量で、表16に示される成分を混合することによって調製した。調製後、各コーティングを、プラズマ処理したGentex PDQハードコーティング平面ポリカーボネートレンズに適用し、そして実施例17で上記されるように硬化させた。下の表16に示されるように、各コーティング組成物の成分を、これらのコーティングの各々が本質的に同じFischer硬度を有するように調整した。フォトクロミック材料PM−14およびCPM−Cの両方を、それらのそれぞれのフォトクロミックコーティング組成物(すなわち、実施例のコーティング14および比較例のコーティングC’)のポリマー材料にブレンドしたが、これらのフォトクロミック材料は、このポリマー材料に対して結合しなかった。フォトクロミック材料PM−2は、実施例のコーティング2’のポリマー材料に結合した。
Figure 2011042791
フォトクロミック性能試験およびNMP浸漬試験を、実施例18に示されるように、上で考察したコーティングに対して行った。これらの試験の結果を、下の表17に示す。
Figure 2011042791
表17における結果から明らかな通り、実施例のコーティング14および2’の両方は、比較例のコーティングC’より低いT1/2および2T/12の値(すなわち、速い消光速度)を有した。さらに、実施例のコーティング2’からのフォトクロミック材料の浸出は、NMP浸漬後に検出されなかったが、比較例のコーティングC’および実施例のコーティング14からのフォトクロミック材料は、検出された。さらに、フォトクロミック材料がそのポリマーコーティングに結合しなかった実施例のコーティング14は、硬化においてブルーミングを示した。
本願明細書が、本発明の明確な理解に関連する本発明の局面を説明ことが理解されるべきである。当業者にとって明らかであり、それ故本発明のより良好な理解を容易にしない本発明の特定の局面は、本発明の説明を単純化するために記載していない。本発明は、特定の実施形態と組み合わせて記載されてきたが、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲内にある改変を網羅することを意図する。

Claims (1)

  1. 本願明細書または図面に記載された発明。
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