JP2011041392A - スイッチング電源装置、発電機および電力供給装置 - Google Patents

スイッチング電源装置、発電機および電力供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流体の流れを利用した発電の際に、安定性の高い電力供給を行うことが可能なスイッチング電源装置、発電機および電力供給装置を提供する。
【解決手段】コンバータ3内の制御装置35は、検出された風車11における風速および発電部12のトルクのうちの一方を用いて、他方に対するフィードバック制御を行う。また、スイッチング素子33Sに対するスイッチング駆動の際のデューティ比を制御すると共に、フィードバック制御の際の位相余裕θが、所定の範囲(位相余裕範囲Δθ)内に収まるようにする。これにより、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。なお、入力電圧Vinを検出することによって風速を間接的に検出すると共に、入力電流Iinを検出することによってトルクを間接的に検出し、入力電圧Vinおよび入力電流Iinを用いてフィードバック制御を行うようにするのが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、風等の流体の流れを利用して発電を行う発電機、およびそのような発電機に適用されるスイッチング電源装置、ならびにそのようなスイッチング電源装置を備えた電力供給装置に関する。
近年、地球温暖化などの問題を受け、再生可能エネルギーである風力の利用が盛んに行なわれている。この風力の利用方法の1つとして、風車と発電機とを組み合わせて風力−電力変換を行い、得られた電力を使用用途に合わせた形に変換して利用するもの(風力発電システム)が挙げられる。このような風力発電システムは応用用途が広いため、現在盛んに開発が行なわれている。
例えば、特許文献1〜8および非特許文献1,2には、風力発電システムに適用されるスイッチング電源装置(コンバータ)におけるフィードバック制御方法がいくつか提案されている。
具体的には、例えば、風力のエネルギーは風速の3乗に比例することが知られているが、これを電力に変換する風車および発電機における変換効率は、風速と発電機のトルクとに依存している。したがって、風速を計測し、これに応じて発電機のトルクを制御する手法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。この手法は、風速をパラメータにしたトルクのフィードバック制御である。
また、上記した風車−発電機における変換効率においては、風速と風車の回転数との比を選択することにより、最大の変換効率が得られることが知られている。そこで、風速を計測し、これに応じて風車の回転数を制御する手法が提案されている。この手法は、風速をパラメータにした回転数のフィードバック制御である。
更に、これらの2つの手法を組み合わせ、風車の回転数を計測し、これに応じて発電機のトルクを制御する手法も提案されている(例えば、特許文献5参照)。この手法は、回転数がアウターループであり、かつトルクがインナーループであるフィードバック制御となる。
一方、風力を利用して発電機により得られる電圧―電流特性の関係を用いて、この発電機から得られる電圧を計測し、これに応じて電流を制御する手法も提案されている(例えば、特許文献7および非特許文献1参照)。この場合は、電圧がアウターループであり、かつ電流がインナーループであるフィードバック制御となる。
また、その他にも、風車の回転数を計測して回転数が大きい場合は、その値を平準化すると共に、その平準化の程度を回転数によって変化させるようにした制御手法などが提案されている。
特開昭56−107797号公報 特開昭58−95998号公報 特開昭62−123992号公報 特開2002−136192号公報 特開2004−64929号公報 特開2005−287095号公報 特開2005−333788号公報 特開2007−189770号公報
久保大次郎著,「マイクロ風力発電機の設計と製作」,CQ出版, 2007年3月15日,p.142−183 鳥谷、渡辺、大屋著,「小型・マイクロ風車の風速変動に対する応答について」,九州大学応用力学研究所報,第127号(69−73),2004年9月,p.69−73
ところが、上記特許文献1〜8および非特許文献1の手法では、いずれにおいても、風速や発電機のトルク等に応じたフィードバック制御の応答について考慮されていない。一方、上記非特許文献2では、風速に対する風車や発電機の応答時間についての考察がなされているものの、やはり風速や発電機のトルク等に応じたフィードバック制御の安定性等については考察がなされておらず、かつ実際の制御手法の詳細については何ら開示されていない。
これらのことから、従来の風力発電システム等(より一般には、流体の流れを利用した発電システム)では、フィードバック制御の際の安定性を高めて電力供給を行うことが困難であり、改善するための手法の提案が望まれていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、流体の流れを利用した発電の際に、安定性の高い電力供給を行うことが可能なスイッチング電源装置、発電機および電力供給装置を提供することにある。
本発明のスイッチング電源装置は、流体の流れに応じて回転する羽根車と、この羽根車の回転動作に応じて発電を行う発電部とを含んで構成され、流体の流れを利用して発電を行う発電システムに適用されるものであって、発電部から入力される入力電圧に対して電圧変換を行って出力電圧を生成するためのスイッチング素子と、流体の流速および発電部のトルクをそれぞれ、直接もしくは間接的に検出する検出部と、スイッチング素子に対してパルス幅変調によりスイッチング駆動を行うと共に、検出部により検出された流速およびトルクのうちの一方を用いて他方に対するフィードバック制御を行うことにより、スイッチング駆動の際のデューティ比を制御する制御部とを備えたものである。また、この制御部は、フィードバック制御の際の位相余裕が所定の範囲内に収まるように、フィードバック制御を行うようになっている。
本発明の発電機は、上記羽根車と、上記発電部と、上記スイッチング電源装置とを備えたものである。
本発明の電力供給装置は、上記スイッチング電源装置と、上記出力電圧を蓄電するためのバッテリと、この出力電圧に対して電圧変換を行うことにより交流電圧を生成する電圧変換部とを備えたものである。
本発明のスイッチング電源装置、発電機および電力供給装置では、発電部から入力される入力電圧に対してスイッチング素子を用いて電圧変換を行うことにより、出力電圧が生成される。この際、流体の流速および発電部のトルクがそれぞれ、直接もしくは間接的に検出される。そして、検出された流速およびトルクのうちの一方を用いて他方に対するフィードバック制御が行われることにより、スイッチング素子に対するパルス幅変調によるスイッチング駆動の際のデューティ比が制御される。ここで、このフィードバック制御の際には、その際の位相余裕が所定の範囲内に収まるように制御されることにより、フィードバック制御の際の安定性が高まる。
本発明のスイッチング電源装置では、上記検出部が、入力電圧を検出することにより流速を間接的に検出すると共に、発電部から入力される入力電流を検出することにより、トルクを間接的に検出するようにするのが好ましい。このように構成した場合、流体の流速や発電部のトルクを直接検出する場合のように、流速計や回転計を設置する必要がなくなるため、そのような場合と比べ、装置の小型化および低コスト化が図れる。
この場合において、上記制御部は、検出部により検出された入力電圧および入力電流のうちの一方を用いて、この一方の値が所定の閾値を超えないように、他方に対するフィードバック制御を行うのが好ましい。このように構成した場合、例えば暴風等による過大な流速に起因して羽根車の回転数が過大に上昇したような場合であっても、上記一方の値が所定の閾値以下に制限されるため、羽根車の破損が防止される。よって、装置の安全性の確保が可能となる。
あるいは、上記制御部は、検出部により検出された入力電圧および入力電流のうちの一方を用いて、他方に対するフィードバック制御を行うと共に、一方の値と所定の閾値との大小関係に応じて、フィードバック制御の際の制御量を変化させるようにしてもよい。このように構成した場合、目的や用途に応じて、自由度の高い様々なフィードバック制御を行うことが可能となる。
具体的には、例えば、上記制御部は、上記一方の値が上記閾値未満のときには、上記制御量が、上記他方の目標値の大きさに応じて変化する第1の関数により規定されるように設定し、上記一方の値が上記閾値以上のときには、上記制御量が、上記他方の目標値の大きさに応じて変化すると共に上記第1の関数とは異なる第2の関数により規定されるように設定することが可能である。このように構成した場合、上記一方の値と上記閾値との大小関係に応じて、より精密なフィードバック制御を行うことが可能となる。
あるいは、上記制御部は、上記一方の値が上記閾値未満のときには、上記制御量が第1の固定値となるように設定し、上記一方の値が上記閾値以上のときには、上記制御量が、上記第1の固定値とは異なる第2の固定値となるように設定してもよい。このように構成した場合、上記一方の値と上記閾値との大小関係に応じて、より簡単なフィードバック制御を行うことが可能となる。
また、上記制御部は、上記一方の値が上記閾値未満のときには、上記制御量が固定値となるように設定し、上記一方の値が上記閾値以上のときには、上記制御量が、上記他方の目標値の大きさに応じて変化する関数により規定されるように設定してもよい。このように構成した場合、上記一方の値が相対的に小さいときにより簡単なフィードバック制御を行いつつ、上記一方の値が相対的に大きいときには、例えば過大な流速等に対応したより精密なフィードバック制御を行うことが可能となる。
更に、上記制御部は、上記一方の値が上記閾値未満のときには、上記制御量が、上記他方の目標値の大きさに応じて変化する関数により規定されるように設定し、上記一方の値が上記閾値以上のときには、上記制御量が固定値となるように設定してもよい。このように構成した場合、上記一方の値が相対的に大きくなったときに、例えば過大な流速等に対する制御に起因して制御部における処理速度の低下が生じ得るような場合であっても、フィードバック制御をより簡単なものとすることにより、そのような処理速度の低下を低減もしくは回避することが可能となる。
本発明のスイッチング電源装置では、上記制御部が、入力電圧Vinと入力電流IinとがIin∝Vinn(n=2〜4)という関係を満たすように、フィードバック制御を行うのが好ましい。このように構成した場合、流体の流速が変化した場合であっても、常に最大電力が得られるようにすることができると共に、電力変換効率を略一定に保持することが可能となる。なお、電力変換効率を向上させるという観点からは、上記n=2という関係を満たすようにするのが、より好ましいと言える。
本発明のスイッチング電源装置では、上記制御部が、P補償器、PI補償器またはPID補償器を有するように構成することが可能である。また、上記制御部を、デジタル演算装置(DSP)を用いて構成することが可能である。
本発明のスイッチング電源装置では、上記流体の流れが風である場合には、風力発電システムに適用されるスイッチング電源装置として構成することが可能である。
本発明のスイッチング電源装置、発電機および電力供給装置によれば、直接もしくは間接的に検出された流体の流速および発電部のトルクのうちの一方を用いて他方に対するフィードバック制御を行うことによって、スイッチング駆動の際のデューティ比を制御すると共に、このフィードバック制御の際の位相余裕が所定の範囲内に収まるようにしたので、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。よって、流体の流れを利用した発電の際に、安定性の高い電力供給を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る電力供給装置(パワーコンディショナ)を備えた風力発電システムの概略構成を表すブロック図である。 図1に示したスイッチング電源装置(コンバータ)の詳細構成例を表す図である。 図2に示した制御装置の要部構成例を表すブロック図である。 コンバータに対する入力電圧と入力電流との関係の一例を風速の変化と併せて表す特性図である。 図4に示した電圧−電流特性における最大電力線の一例を表す特性図である。 周速比の変化に応じた風車のトルク係数の変化の一例を表す特性図である。 風速とフィードバック系の遅れ時間(目標電圧値までの到達時間)との関係の一例を表す特性図である。 比較例に係る制御装置におけるボード線図の一例を表す特性図である。 図2に示した制御装置におけるボード線図の一例を表す特性図である。 第1の実施の形態に係る入力電圧と位相余裕範囲との関係の一例を表す特性図である。 第1の実施の形態の変形例(変形例1)に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 第1の実施の形態の他の変形例(変形例2)に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 第1の実施の形態の他の変形例(変形例3)に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 入力電圧と閾値電圧との大小に応じた最大電力線の変動例を表す特性図である。 第2の実施の形態に係る入力電圧と位相余裕範囲との関係の一例を表す特性図である。 第2の実施の形態に係る入力電圧と位相余裕範囲との関係の他の例を表す特性図である。 第2の実施の形態の変形例(変形例4)に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 第2の実施の形態の他の変形例(変形例5)に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 第2の実施の形態の他の変形例(変形例6)に係る制御装置の要部構成を表すブロック図である。 本発明の他の変形例に係るスイッチング電源装置(コンバータ)の詳細構成例を表す図である。 図21に示した制御装置の要部構成例を表すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(風力発電システム1の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る風力発電システム1の概略構成を表すものである。風力発電システム1は、風車11と、発電部12と、本発明の第1の実施の形態に係る「電力供給装置」としてのパワーコンディショナ2とを備えている。この風力発電システム1は、風車11および発電部12により得られる入力電圧Vinに基づいて交流の出力電圧Vout2を生成し、電力系統6へと出力(供給)するものであり、特に数10kW程度以下の小型の風力発電に好適なシステムである。
風車11は、風の流れ(風力)に応じて回転するように構成されている。発電部12は、この風車11の回転動作に応じて発電を行うことにより、パワーコンディショナ2に対して入力電圧Vinおよび後述する入力電流Iinを供給するものである。なお、これらの風車11および発電部12と、以下説明するコンバータ3とが、本発明の第1の実施の形態に係る「発電機」に対応している。
パワーコンディショナ2は、入力端子T11,T12から入力される入力電圧Vinに対して電圧変換を行うことにより、交流の出力電圧Vout2(交流電圧)を生成し、出力端子T13,T14を介して電力系統6へと出力(供給)する安定電力供給装置である。このパワーコンディショナ2は、本発明の第1の実施の形態に係る「スイッチング電源装置」としてのコンバータ3と、バッテリ4と、系統連係インバータ5とを備えている。
コンバータ3は、上記した入力電圧Vinに対して電圧変換を行うことにより、直流の出力電圧Vout1を生成するものであり、このような電圧変換を行うためのスイッチング素子(後述するスイッチング素子33L)を含んで構成されている。なお、このコンバータ3の詳細構成については後述する。
バッテリ4は、コンバータ3から出力される直流の出力電圧Vout1を蓄電するためのバッテリである。ただし、場合によっては、このようなバッテリ4を設けないようにしてもよい。
系統連係インバータ5は、コンバータ3から出力される直流の出力電圧Vout1に対して電圧変換(DC−AC変換)を行うことにより、交流の出力電圧Vout2を生成するものである。なお、このような系統連係インバータ5としては、種々の回路構成のものを用いることが可能である。
(コンバータ3の詳細構成)
続いて、図2〜図7を参照して、コンバータ3の構成について詳細に説明する。なお、ここでは、このコンバータ3が昇圧動作を行うものである場合を例に挙げて説明するが、逆に降圧動作を行うものであってもよい。また、回路構成についても、以下説明するようなチョッパ型の構成には限られず、他の構成のものであってもよい。
図2は、コンバータ3の詳細構成を回路図およびブロック図で表したものである。このコンバータ3は、入力電圧Vinが入力される入力端子T21,T22と、出力電圧Vout1が出力される出力端子T23,T24と、入力電圧検出部31と、入力電流検出部32と、入力平滑コンデンサCinと、昇圧回路33と、出力平滑コンデンサCoutと、出力電圧検出部34と、制御装置35とを有している。
入力電圧検出部31は、入力端子T21,T22に接続された接続ラインL1,L2上において、入力端子T21,T22と、後述する入力平滑コンデンサCoutとの間に配置されている。この入力電圧検出部31は、入力端子T21,T22間に入力される入力電圧Vinを検出すると共に、この検出した入力電圧Vinに対応する検出信号S(Vin)を、制御装置35内の図示しないA/D(アナログ/デジタル)変換部へ出力するものである。すなわち、入力電圧検出部31は、入力電圧Vinを検出することにより、風車11を回転させている風の風速を、間接的に検出する役割を果たしている。これは、入力電圧Vinと風車11の回転数とが比例関係にあると共に、この風車11の回転数は風速に依存するためである。なお、この入力電圧検出部31の具体的な回路構成としては、例えば、接続ラインL1,L2間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって、入力電圧Vinを検出してこれに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
入力電流検出部32は、接続ラインL1上において、入力平滑コンデンサCinと、後述する昇圧回路33との間に配置されている。この入力電流検出部32は、発電部12から入力される入力電流Iinを検出すると共に、この検出した入力電流Iinに対応する検出信号S(Iin)を、制御装置35内の図示しないA/D変換部へ出力するものである。すなわち、入力電流検出部32は、入力電流Iinを検出することにより、発電部12のトルクを間接的に検出する役割を果たしている。これは、入力電流Iinと発電部12のトルクとが、比例関係にあるためである。なお、この入力電流検出部32の具体的な回路構成としては、例えばカレントトランスを含んだものが挙げられる。
入力平滑コンデンサCinは、入力電圧Vinを平滑化して昇圧回路33へと供給するためのコンデンサである。
昇圧回路33は、スイッチング素子33S、インダクタ33Lおよびダイオード33Dを有しており、入力電圧Vinを昇圧して出力するチョッパ型の昇圧回路となっている。具体的には、インダクタ33Lおよびダイオード33Dはそれぞれ、接続ラインL1上において互いに直列接続されて挿入配置されており、インダクタ33Lの一端が、スイッチング素子33Sの一端およびダイオード33Dのアノードに接続されている。また、スイッチング素子33Sの他端は接続ラインL2に接続され、ダイオード33Dのカソードは後述する出力平滑コンデンサCoutの一端に接続されている。ここで、スイッチング素子33Sは、例えば、電界効果型トランジスタ(MOS−FET;Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolor Transistor)などにより構成されている。そして、このスイッチング素子33Sは、後述する制御装置35から供給されるSW制御信号Sdに従って、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)によるスイッチング駆動がなされると共に、その際のデューティ比が制御されるようになっている。
出力平滑コンデンサCoutは、昇圧回路33からの出力電圧(昇圧電圧)を平滑化し、直流の出力電圧Vout1を生成するためのコンデンサである。
出力電圧検出部34は、接続ラインL1,L2上において、出力平滑コンデンサCoutと出力端子T23,T24との間に配置されている。この出力電圧検出部34は、出力端子T23,T24を介してバッテリ4へと供給される出力電圧Vout1を検出すると共に、この検出した出力電圧Vout1に対応する検出信号S(Vout1)を、制御装置35内の図示しないA/D変換部へ出力するものである。なお、出力電圧検出部34の具体的な回路構成としては、入力電圧検出部31と同様に、例えば、接続ラインL1,L2間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって出力電圧Vout1を検出してこれに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
制御装置35は、入力電圧検出部31および入力電流検出部32から供給される検出信号S(Vin),S(Iin)を用いて、昇圧回路33内のスイッチング素子33Sに対するSW制御信号Sdを生成・出力することにより、このスイッチング素子33Sに対してPWMによるスイッチング駆動を行うものである。具体的には、制御装置35は、検出信号S(Vin)を用いて検出信号S(Iin)に対するフィードバック制御を行うことにより、SW制御信号Sdにおけるデューティ比を制御するようになっている。すなわち、後述する図3に示したように、検出信号S(Vin)をアウターループにすると共に、検出信号S(Iin)をインナーループにしたフィードバック制御を行っている。そして、詳細は後述するが、この制御装置35は、このようなフィードバック制御の際の位相余裕θが所定の範囲内に収まるように、フィードバック制御を行うようになっている。なお、出力電圧検出部34から供給される検出信号S(Vout1)については、制御装置35内において、例えば過電圧検出に用いられている。
このような制御装置35は、例えばデジタル演算装置(DSP;Digital Signal Processor)を用いて構成されている。具体的には、入力される検出信号S(Vin),S(Iin),S(Vout1)を、図示しないA/D変換部を介してそれぞれデジタル信号に変換すると共に、それらのデジタル信号を用いて上記したような制御処理を行うというものである。これは、アナログ回路によってそのような制御処理を行う場合、大規模な回路網が必要となり、回路を構成する部品によっては精度やコストに問題が生じるからである。これに対し、DSPを用いてデジタル制御処理を行う場合、上記したような制御処理を簡単な回路網で精度よく行なうことができる。また、上記の制御処理の際には、後述する図3に示したように、乗算が多数回行なわれている。したがって、専用の乗算論理回路を持つDSPを用いるようにすれば、高速な演算および制御処理が可能となる。
(制御装置35の詳細構成)
ここで、図3は、制御装置35における要部のブロック構成を、風車11、発電部12およびコンバータ3の伝達関数を表すブロックである伝達関数部361,362と併せて示したものである。制御装置35は、目標電流算出部351と、制御量算出部352と、減算部353と、P補償器354とを含んでいる。なお、図3において、制御装置35に含まれるブロック構成のうち、検出信号S(Vout1)を用いた制御ブロックについては図示を省略しており、以下の制御装置についての同様の図面についても同様である。
伝達関数部361は、電圧に関するコンバータ3の伝達関数である伝達関数Pv(s)と、電圧に関する風車11および発電部12の伝達関数である伝達関数Gv(s)との乗算を用いて構成されている。一方、伝達関数部362は、電流に関するコンバータ3の伝達関数である伝達関数Pi(s)と、電流に関する風車11および発電部12の伝達関数である伝達関数Gi(s)との乗算を用いて構成されている。
目標電流算出部351は、検出信号S(Vin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際の目標電流irefを算出するものである。具体的には、まず、風力を利用して発電部12により得られる入力電圧Vin―入力電流Iinの特性は、例えば図4に示したようになる。この図4に示した各特性は、風速がそれぞれ風速Wa〜Wd(Wa<Wb<Wc<Wd)のときのものである。ここで、各風速のときの最大電力点を結んでいくと、そのときの入力電圧Vin―入力電流Iinの特性は、例えば図5および以下の(1)式に示したようになる。すなわち、この(1)式を満たす図5中の特性線上に入力電圧Vinおよび入力電流Iinが設定されているときに、最大電力が得られることになり、このときの風力−電力変換の変換効率はほぼ一定となる。したがって、目標電流算出部351は、この(1)式を利用して、以下の(2)式を用いることにより、検出信号S(Vin)に対応する入力電圧Vinから、目標電流irefを算出するようになっている。言い換えると、制御装置35では、これらの(1)式および(2)式の関係を満たすように、フィードバック制御を行っている。なお、これらの式における比例定数aおよび乗数nは、風車11やその翼(羽根)の形状や大きさ、羽根の枚数、および発電部12の特性等によって定まるものである。また、乗数nとしては、電力変換効率を向上させるという観点からは、n=2であることが好ましい。その場合に、電力変換効率が最も高くなるからである。
Iin∝Vinn(n=2〜4) ……(1)
iref=a×Xn=a×Vinn(a:比例定数) ……(2)
制御量算出部352は、検出信号S(Vin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際の制御量に対応する、P補償器354の比例ゲインKpiを算出するものである。具体的には、まず、一般に風車における運動方程式は、以下の(3)〜(5)式のようになる。なお、(4)式中の風車のトルク係数CT(λ)は、例えば図6に示したような周速比λの関数として表される。
Figure 2011041392
ここで、これらの運動方程式を解くと、図7で示したような、風速と応答時間(フィードバック制御の際の遅れ時間)との関係が得られる。具体的には、このような応答遅れは、風車11および発電部12が持つ慣性モーメントに起因したものであり、風速に反比例するようになっている。このようにして、フィードバック制御の際の遅れ時間が風速に応じて変化することから、風速に応じてフィードバック制御の際の安定性も変化することが分かる。また、前述した図5とこの図7との関係により、入力電圧Vinまたは入力電流Iinから、風車11および発電部12による遅れ時間を推測することができる。したがって、制御量算出部352は、上記したように、フィードバック制御の際の制御量に対応するP補償器354の比例ゲインKpiを、以下の(7)式を用いて算出するようになっている。すなわち、制御量に対応するP補償器354の比例ゲインKpiを、ここでは入力電圧Vinの大きさに応じて変化(増減)させている。これにより、詳細は後述するが、フィードバック制御の際の全体の系における位相余裕θが所定の範囲内に収まるようになり、フィードバック制御の際の安定性を保証することが可能となっている。
Kpi=b×Xm=b×Vinm(b:比例定数、m=0.5〜1.5) ……(7)
減算部353は、目標電流算出部351から出力される目標電流irefと、検出信号S(Iin)に対応する入力電流Iinとを用いて減算を行うことにより、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際のエラー電流値ieを算出するものである。すなわち、減算部353は、以下の(8)式を用いてエラー電流値ieを算出するようになっている。
ie=iref−Iin ……(8)
P補償器354は、乗算部354Aを有しており、減算部353から出力されるエラー電流値ieと、制御量算出部352から出力される比例ゲインKpiとを用いて、以下の(9)式により表されるP補償演算を行うものである。これにより、SW制御信号Sdにおけるデューティ比Sd(Duty)が算出されるようになっている。
Figure 2011041392
ここで、風車11が本発明における「羽根車」の一具体例に対応し、入力電圧検出部31および出力電圧検出部34が、本発明における「検出部」の一具体例に対応する。また、制御装置35(および後述する制御装置35A〜35H)が、本発明における「制御部」の一具体例に対応し、系統連係インバータ5が本発明における「電圧変換部」の一具体例に対応する。
(風力発電システム1の作用・効果)
続いて、本実施の形態の風力発電システム1の作用および効果について説明する。
(1.全体動作)
この風力発電システム1では、図1に示したように、まず、風の流れ(風力)に応じて風車11が回転すると共に、発電部12はこの風車11の回転動作に応じて発電を行う。これにより、発電部12からパワーコンディショナ2に対し、入力電圧Vinおよび入力電流Iinがそれぞれ供給される。
次に、パワーコンディショナ2内のコンバータ3では、入力電圧Vinに対して電圧変換がなされ、直流の出力電圧Vout1が生成される。生成された出力電圧Vout1は、バッテリ4に対して蓄電されると共に、系統連係インバータ5へ入力される。そして、この系統連係インバータ5では、この出力電圧Vout1に対して電圧変換(DC−AC変換)がなされ、交流の出力電圧Vout2が生成される。
このようにして、パワーコンディショナ2では、入力端子T11,T12から入力される入力電圧Vinに対して電圧変換が行われることにより交流の出力電圧Vout2が生成され、出力端子T13,T14を介して電力系統6へと出力(供給)される。
(2.コンバータ3の詳細動作)
ここで、上記したコンバータ3では、具体的には以下のような電圧変換動作がなされる。すなわち、図2に示したように、まず、入力端子T21,T22から入力された入力電圧Vinは、入力平滑コンデンサCinによって平滑化され、昇圧回路33へ供給される。次に、この昇圧回路33では、スイッチング素子33SがSW制御信号Sdに従ってPWMによるオン・オフ動作を行うことにより、入力電圧Vinが昇圧されて出力される。そして、この昇圧回路33からの出力電圧(昇圧電圧)は、出力平滑コンデンサCoutによって平滑化されることにより、直流の出力電圧Vout1が生成される。
このとき、コンバータ3では、入力電圧検出部31、入力電流検出部32および出力電圧検出部34によってそれぞれ、入力電圧Vin,入力電流Iin,出力電圧Vout1の検出信号に対応する検出信号S(Vin),S(Iin),S(Vout1)が得られる。
そして、制御装置35では、これらの検出信号のうち、検出信号S(Vin),S(Iin)を用いて、昇圧回路33内のスイッチング素子33Sに対するSW制御信号Sdを生成・出力することにより、このスイッチング素子33Sに対してPWMによるスイッチング駆動を行う。
具体的には、制御装置35は、検出信号S(Vin)を用いて検出信号S(Iin)に対するフィードバック制御を行うことにより、SW制御信号Sdにおけるデューティ比を制御する。
(3.特徴的部分の作用・効果)
ここで、図8〜図10を参照して、本実施の形態の特徴的部分の1つである制御装置35による制御動作(フィードバック動作)について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。図8は、比較例に係る従来の制御装置におけるフィードバック動作の際のボード線図を模式的に表したものであり、(A)は周波数とゲイン(フィードバック制御の際の制御量である比例ゲインKpに対応し、以下同様。)との関係を、(B)は周波数と位相との関係を示している。同様に、図9は、本実施の形態の制御装置35におけるフィードバック動作の際のボード線図を模式的に表したものであり、(A)は周波数とゲインとの関係を、(B)は周波数と位相との関係を示している。
(3−1.比較例の作用)
まず、図8に示した比較例では、風速に応じたフィードバック制御の応答について考慮されていない。すなわち、図8(A)に示したように、風速によらず、ゲイン(比例ゲインKp)の周波数特性が一定のものとなっている。
したがって、この比較例では、図8(B)に示したように、風速が小さい場合であっても位相余裕がある程度確保できるように、例えば図中の位相余裕θ(周波数f1)で示したように、ゲインが低めに設定されている。また、風速の変化に応じて、位相余裕θの値が大きく変動する。このため、ゲインが小さいことに起因して、フィードバック制御の際に収束するまでに時間がかかってしまう。このようにして、この比較例の制御装置では、フィードバック制御の際の安定性が低くなってしまうと共に、応答性も低くなってしまっている。
(3−2.実施の形態の作用)
これに対し、図9に示した本実施の形態では、図9(A)に示したように、風速の変化に応じて、ゲイン(比例ゲインKp)の周波数特性を変化させている。すなわち、制御装置35は、フィードバック制御の際の制御量に対応するP補償器354の比例ゲインKpiを、風速の大きさに比例する入力電圧Vinの大きさに応じて変化(増減)させている。これにより、図9(B)および図10に示したように、風速(入力電圧Vin)の大きさによらず、フィードバック制御の際の全体の系における位相余裕θがほぼ一定の値となり(所定の位相余裕範囲Δθ内に収まるようになり)、上記比較例と比べてフィードバック制御の際の安定性が高まる。この際、位相余裕θは、60度以上であることが望ましい。これにより、風速が大きくなるのに応じて、高速な応答が可能となるからである。また、この結果、図9(A)に示したように、上記比較例とは異なってゲインを大きくとることができるため、フィードバック制御の際に収束するまでの時間が短くなり、上記比較例と比べて応答性が高くなる。
以上のように本実施の形態では、コンバータ3内の制御装置35において、検出された風車11における風速および発電部12のトルクのうちの一方(風速)を用いて他方(トルク)に対するフィードバック制御を行うことによって、スイッチング素子33Sに対するスイッチング駆動の際のデューティ比を制御すると共に、このフィードバック制御の際の位相余裕θが所定の範囲(位相余裕範囲Δθ)内に収まるようにしたので、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。よって、風の流れを利用した風力発電の際に、安定性の高い電力供給を行うことが可能となる。また、それと共に、フィードバック制御の際に収束するまでの時間を短くすることができるため、応答性を向上させることも可能となる。
また、コンバータ3において、入力電圧Vinを検出することによって上記風速を間接的に検出すると共に、入力電流Iinを検出することによって上記トルクを間接的に検出し、これらの入力電圧Vinおよび入力電流Iinを用いてフィードバック制御を行うようにしたので、風速やトルクを直接検出する場合のように、流速計や回転計を設置する必要がなくなり、そのような場合と比べて装置の小型化および低コスト化を図ることが可能となる。
更に、制御部35において、入力電圧Vinと入力電流Iinとが上記(1)式および(2)式の関係を満たすようにフィードバック制御を行っているので、風速が変化した場合であっても、常に最大電力が得られるようにすることができると共に、電力変換効率を略一定に保持することが可能となる。
[第1の実施の形態の変形例]
続いて、第1の実施の形態の変形例をいくつか挙げて説明する。なお、第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
(変形例1)
図11は、第1の実施の形態の変形例1に係る制御装置35Aにおける要部のブロック構成を、伝達関数部361,362と併せて示したものである。本変形例の制御装置35Aは、第1の実施の形態の制御装置35において、P補償器354の代わりにPI補償器355を設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
PI補償器355は、積分演算部355Aと、加算部355Bと、乗算部355Cとを有している。積分演算部355Aは、減算部353から入力されるエラー電流値ieに対して以下説明する演算(後述する(10)式中の積分演算)を行うものである。加算部355Bは、積分演算部355Aによる積分演算結果の値と、エラー電流値ieとを加算するものである。乗算部355Cは、加算部355Bによる加算結果の値と、制御量算出部352から入力される制御量(比例ゲインKpi)とを乗算することにより、SW制御信号Sdのデューティ比Sd(Duty)を算出するものである。すなわち、PI補償器355全体では、以下の(10)式により表されるPI補償演算を行うことにより、SW制御信号Sdのデューティ比Sd(Duty)を算出している。なお、(10)式中のTiは、積分時間を表している。
Figure 2011041392
このように、制御装置において、P補償演算の代わりにPI補償演算を行うようにした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
(変形例2)
図12は、第1の実施の形態の変形例2に係る制御装置35Bにおける要部のブロック構成を、伝達関数部361,362と併せて示したものである。本変形例の制御装置35Bは、第1の実施の形態の制御装置35において、P補償器354の代わりにPID補償器356を設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
PID補償器355は、上記変形例1で説明した積分演算部355Aと、微分演算部356Aと、加算部356Bと、乗算部356Cとを有している。微分演算部356Aは、減算部353から入力されるエラー電流値ieに対して以下説明する演算(後述する(11)式中の微分演算)を行うものである。加算部356Bは、積分演算部355Aによる積分演算結果の値と、微分演算部356Aによる微分演算結果の値と、エラー電流値ieとを加算するものである。乗算部356Cは、加算部356Bによる加算結果の値と、制御量算出部352から入力される制御量(比例ゲインKpi)とを乗算することにより、SW制御信号Sdのデューティ比Sd(Duty)を算出するものである。すなわち、PID補償器356全体では、以下の(11)式により表されるPID補償演算を行うことにより、SW制御信号Sdのデューティ比Sd(Duty)を算出している。なお、(11)式中のTdは、微分時間を表している。
Figure 2011041392
このように、制御装置において、P補償演算の代わりにPID補償演算を行うようにした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
(変形例3)
図13は、第1の実施の形態の変形例3に係る制御装置35Cにおける要部のブロック構成を、伝達関数部361,362と併せて示したものである。本変形例の制御装置35Cは、第1の実施の形態の制御装置35において、目標電流算出部351、制御量算出部352、減算部353およびP補償器354の代わりに、目標電圧算出部351C、制御量算出部352C、減算部353CおよびP補償器357を設けるようにしたものである。
具体的には、本変形例では、これまで説明したフィードバック制御とは逆に、検出信号S(Iin)を用いて検出信号S(Vin)に対するフィードバック制御を行うことにより、SW制御信号Sdにおけるデューティ比を制御している。すなわち、図13に示したように、検出信号S(Iin)をアウターループにすると共に、検出信号S(Vin)をインナーループにしたフィードバック制御を行っている。
目標電圧算出部351Cは、検出信号S(Iin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電圧Vinに対するフィードバック制御の際の目標電圧vrefを算出するものである。具体的には、この目標電圧算出部351Cは、第1の実施の形態の目標電流算出部351と同様に、以下の(12),(13)式を用いることにより、検出信号S(Iin)に対応する入力電流Iinから、目標電圧vrefを算出するようになっている。言い換えると、制御装置35Cでは、これらの(12)式および(13)式の関係を満たすように、フィードバック制御を行っている。
Vin∝Iini(i=(1/n)=0.25〜0.50) ……(12)
vref=c×Xi=c×Iini(c:比例定数) ……(13)
制御量算出部352Cは、検出信号S(Iin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電圧Vinに対するフィードバック制御の際の制御量に対応する、P補償器357の比例ゲインKpvを算出するものである。具体的には、この制御量算出部352Cは、第1の実施の形態の制御量算出部352と同様に、以下の(14)式を用いることにより、P補償器357の比例ゲインKpvを算出するようになっている。すなわち、制御量に対応するP補償器354の比例ゲインKpiを、入力電流Iinの大きさに応じて変化(増減)させている。これにより、第1の実施の形態と同様に、フィードバック制御の際の全体の系における位相余裕θが所定の範囲内に収まるようになり、フィードバック制御の際の安定性を保証することが可能となっている。
Kpv=d×Xj=d×Iinj(d:比例定数、j=0.06〜0.75) ……(14)
減算部353Cは、目標電圧算出部351Cから出力される目標電圧vrefと、検出信号S(Vin)に対応する入力電圧Vinとを用いて減算を行うことにより、入力電圧Vinに対するフィードバック制御の際のエラー電圧値veを算出するものである。すなわち、減算部353Cは、以下の(15)式を用いてエラー電圧値veを算出するようになっている。
ve=vref−Vin ……(15)
P補償器357は、乗算部357Aを有しており、減算部353Cから出力されるエラー電圧値veと、制御量算出部352Cから出力される比例ゲインKpvとを用いて、以下の(16)式により表されるP補償演算を行うものである。これにより、第1の実施の形態のP補償器354と同様に、SW制御信号Sdにおけるデューティ比Sd(Duty)が算出されるようになっている。
Figure 2011041392
本変形例のように、制御装置において、検出信号S(Iin)を用いて検出信号S(Vin)に対するフィードバック制御を行うことによって、SW制御信号Sdにおけるデューティ比を制御するにした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
なお、本変形のように、検出信号S(Iin)を用いて検出信号S(Vin)に対するフィードバック制御を行う場合であっても、上記変形例1,2と同様に、P補償演算の代わりにPI補償演算やPID補償演算を行うようにしてもよい。そのような場合であっても、本変形例と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
[第2の実施の形態]
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態のように、検出信号S(Vin)を用いて検出信号S(Iin)に対するフィードバック制御を行う際に、入力電圧Vinに対して所定の閾値電圧Vthを設けて制御を行うようにしたものである。なお、第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図14は、本実施の形態に係る制御装置35Dにおける要部のブロック構成を、伝達関数部361,362と併せて示したものである。本実施の形態の制御装置35Dは、第1の実施の形態の制御装置35において、目標電流算出部351および制御量算出部352の代わりに、目標電流算出部351Dおよび制御量算出部352Dを設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
目標電流算出部351Dは、第1の実施の形態の目標電流算出部351と同様に、検出信号S(Vin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際の目標電流irefを算出するものである。ただし、この目標電流算出部351Dでは、図15および以下の(17)式で示したように、入力電圧Vinの値と所定の閾値電圧Vthとの大小関係に応じて、比例定数の値を変化させることにより、目標電流irefの値も変化させるようになっている。
iref(Iin)=a1×Xn=a1×Vinn(Vin<Vthのとき)
iref(Iin)=a2×Xn=a2×Vinn(Vin≧Vthのとき)
(a1,a2:比例定数(a1<a2)) ……(17)
また、制御量算出部352Dも、第1の実施の形態の制御量算出部352と同様に、検出信号S(Vin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際の制御量に対応する、P補償器354の比例ゲインKpiを算出するものである。ただし、この制御量算出部352Dでは、入力電圧Vinに対して、目標電流算出部351Dから出力される目標電流irefの値を考慮した関数f(x,y)を用いて演算を行うことによっても、比例ゲインKpiを算出することが可能となっている。
なお、この際の比例ゲインKpiの変化は、風車11や発電部12のパラメータに依存するため、例えば実測により適切な関数(上記した関数f(x,y))を定め、これを用いて変化させるようにするのが好ましい。また、目標電流irefの値ごとの表を作成し、これを用いて変化させてもよい。この場合、例えば制御装置352Dを構成するDSP内に記憶部を設けるようにすれば、そこにこの表を記憶させることが可能となる。
この制御量算出部352Dでは、具体的には、例えば図16に示したように、検出信号S(Vin)を用いて入力電圧Vinの値が閾値電圧Vthを超えないように、入力電流Iinに対するフィードバック制御を行うことが可能である。これにより、風車11の回転数がほぼ一定に保たれるため、例えば暴風等による過大な風速に起因して風車11の回転数が過大に上昇するような場合であっても、入力電圧Vinが閾値電圧Vth以下に制限されるため、風車11の破損が防止される。
また、制御量算出部352Dは、例えば図17(A)〜図17(D)に示したように、入力電圧Vinの値と所定の閾値電圧Vthとの大小関係に応じて、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際の制御量に対応するP補償器357の比例ゲインKpiを変化させるようにしてもよい。このように構成した場合、目的や用途に応じて、自由度の高い様々なフィードバック制御を行うことが可能となる。
すなわち、まず、図17(A)および以下の(18)式に示したように、制御量算出部352Dは、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth未満のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに応じて変化する関数g(iref)(第1の関数)により規定されるように設定し、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth以上のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに応じて変化すると共に上記関数g(iref)とは異なる別の関数h(iref)(第2の関数)により規定されるように設定してもよい。このように構成した場合でも、第1の実施の形態と同様の作用により、フィードバック制御の際の位相余裕θが所定の範囲(位相余裕範囲Δθ1)内に収まるようになり、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。また、特にこの場合には、入力電圧Vinの値と閾値電圧Vthとの大小関係に応じて、より精密なフィードバック制御を行うことが可能となる。
Kpi=g(iref)(Vin<Vthのとき)
Kpi=h(iref)(Vin≧Vthのとき) ……(18)
また、図17(B)および以下の(19)式に示したように、制御量算出部352Dは、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth未満のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに依存しない固定値K1(第1の固定値)となるように設定し、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth以上のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに依存しないと共に上記固定値K1とは異なる別の固定値K2(第2の固定値)となるように設定してもよい。このように構成した場合でも、第1の実施の形態と同様の作用により、フィードバック制御の際の位相余裕θが所定の範囲(位相余裕範囲Δθ2)内に収まるようになり、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。また、特にこの場合には、入力電圧Vinの値と閾値電圧Vthとの大小関係に応じて、より簡単なフィードバック制御を行うことが可能となる。
Kpi=K1(Vin<Vthのとき)
Kpi=K2(Vin≧Vthのとき) ……(19)
更に、図17(C)および以下の(20)式に示したように、制御量算出部352Dは、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth未満のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに依存しない固定値K1となるように設定し、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth以上のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに応じて変化する関数h(iref)により規定されるように設定してもよい。このように構成した場合でも、第1の実施の形態と同様の作用により、フィードバック制御の際の位相余裕θが所定の範囲(位相余裕範囲Δθ3)内に収まるようになり、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。また、特にこの場合には、入力電圧Vinの値が相対的に小さいときにより簡単なフィードバック制御を行いつつ、入力電圧Vinの値が相対的に大きいときには、例えば過大な風速等に対応したより精密なフィードバック制御を行うことが可能となる。
Kpi=K1 (Vin<Vthのとき)
Kpi=h(iref)(Vin≧Vthのとき) ……(20)
加えて、図17(D)および以下の(21)式に示したように、制御量算出部352Dは、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth未満のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに応じて変化する関数g(iref)により規定されるように設定し、入力電圧Vinの値が閾値電圧Vth以上のときには、比例ゲインKpiが、目標電流irefの大きさに依存しない固定値K2となるように設定してもよい。このように構成した場合でも、第1の実施の形態と同様の作用により、フィードバック制御の際の位相余裕θが所定の範囲(位相余裕範囲Δθ4)内に収まるようになり、フィードバック制御の際の安定性を高めることができる。また、特にこの場合には、入力電圧Vinの値が相対的に大きくなったときに、例えば過大な風速等に対する制御に起因して制御装置35Dにおける処理速度の低下が生じ得るような場合であっても、フィードバック制御をより簡単なものとすることにより、そのような処理速度の低下を低減もしくは回避することが可能となる。
Kpi=g(iref)(Vin<Vthのとき)
Kpi=K2 (Vin≧Vthのとき) ……(21)
以上のように本実施の形態では、制御量算出部352Dにおいて、検出信号S(Vin)を用いて入力電圧Vinの値が閾値電圧Vthを超えないように、入力電流Iinに対するフィードバック制御を行うようにした場合には、風車11の回転数がほぼ一定に保たれるため、例えば暴風等による過大な風速に起因して風車11の回転数が過大に上昇するような場合であっても、入力電圧Vinを閾値電圧Vth以下に制限することができる。よって、風車11の破損を防止することができ、装置の安全性を確保することが可能となる。また、従来の風力発電システムでは、そのような場合には、風車の破損を防止するため電磁ブレーキを用いて風車を減速するようにしていたため、回転計が必要となって装置が大型化および高コスト化してしまっていた。これに対し、本実施の形態のフィードバック制御では、従来のような回転計等が不要となるため、装置の安全性を確保するうえで、装置の小型化および低コスト化を図ることも可能となる。
また、制御量算出部352Dにおいて、入力電圧Vinの値と所定の閾値電圧Vthとの大小関係に応じて、入力電流Iinに対するフィードバック制御の際の制御量に対応するP補償器357の比例ゲインKpiを変化させるようにした場合には、例えば上記した図17(A)〜図17(D)のように、目的や用途に応じて、自由度の高い様々なフィードバック制御を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、入力電圧Vinの値と所定の閾値電圧Vthとの大小関係に応じた2段階のフィードバック制御を行う場合について説明したが、この場合には限られず、例えば、入力電圧Vinの大きさに応じて多段階や連続的にフィードバック制御を行うようにしてもよい。
[第2の実施の形態の変形例]
また、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の変形例(変形例1〜3)と同様に、P補償演算の代わりにPI補償演算やPID補償演算を行うようにしたり、検出信号S(Iin)を用いて検出信号S(Vin)に対するフィードバック制御を行うようにしてもよい。これらの場合であっても、上記第2の実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
(変形例4)
すなわち、例えば図18に示した第2の実施の形態の変形例(変形例4)に係る制御装置35Eのように、第2の実施の形態の制御装置35Dにおいて、P補償器354の代わりにPI補償器355を設けるようにしてもよい。
(変形例5)
また、例えば図19に示した第2の実施の形態の他の変形例(変形例5)に係る制御装置35Fのように、第2の実施の形態の制御装置35Dにおいて、P補償器354の代わりにPID補償器356を設けるようにしてもよい。
(変形例6)
更に、例えば図20に示した第2の実施の形態の他の変形例(変形例5)に係る制御装置35Gのように、第2の実施の形態の制御装置35Dにおいて、目標電流算出部351D、制御量算出部352D、減算部353およびP補償器354の代わりに、目標電圧算出部351G、制御量算出部352G、減算部353CおよびP補償器357を設けるようにしてもよい。
ここで、目標電圧算出部351Gは、第2の実施の形態の目標電流算出部351Dと同様に、検出信号S(Iin)に対して以下説明する所定の演算を行うことにより、入力電圧Vinに対するフィードバック制御の際の目標電圧vrefを算出するものである。具体的には、この目標電圧算出部351Gでは、図20および以下の(22)式で示したように、入力電流Iinの値と所定の閾値電流Ithとの大小関係に応じて、比例定数の値を変化させることにより、目標電圧vrefの値も変化させるようになっている。
vref(Vin)=c1×Xi=c1×Iini(Iin<Ithのとき)
vref(Vin)=c2×Xi=c2×Iini(Iin≧Ithのとき)
(c1,c2:比例定数(c1<c2)) ……(22)
また、制御量算出部352Gは、第2の実施の形態の制御量算出部352Dと同様に、入力電流Iinに対して、目標電圧算出部351Gから出力される目標電圧vrefの値を考慮した関数g(x,y)を用いて演算を行うことによって、フィードバック制御の際の制御量に対応するP補償器357の比例ゲインKpvを算出することが可能となっている。
なお、本変形例においても、上記変形例4,5と同様に、P補償演算の代わりにPI補償演算やPID補償演算を行うようにしてもよい。
[その他の変形例]
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、コンバータ3において、入力電圧Vinを検出することによって風速を間接的に検出すると共に、この入力電圧Vinと入力電流Iinとを用いてフィードバック制御を行う場合について説明したが、例えば、風速を直接検出すると共に、この検出した風速と入力電流Iinとを用いてフィードバック制御を行うようにしてもよい。すなわち、例えば図21に示したコンバータ3Hのように、上記実施の形態等における入力電圧Vinの代わりに、風速計13により直接検出された風速Winの検出信号S(Win)を用いてフィードバック制御を行う制御装置35Hを設けるようにしてもよい。具体的には、この制御装置35Hは、例えば図22に示したように、第1の実施の形態の制御装置35において、目標電流算出部351および制御量算出部352の代わりに、目標電流算出部351Hおよび制御量算出部352Hを設けるようにしたものである。なお、この場合には、風速計13および入力電流検出部32が、本発明における「検出部」の一具体例に対応する。ここで、目標電流算出部351Hでは、以下の(23)式を用いて目標電流irefを算出している。また、制御量算出部352Hでは、以下の(24)式を用いて、フィードバック制御の際の制御量に対応するP補償器354の比例ゲインKpiを算出している。なお、この場合にも、上記第2の実施の形態や上記変形例1〜6の構成を適用するようにしてもよい。このように、入力電圧Vinの代わりに風速Winを用いて制御するようにした場合であっても、上記実施の形態等と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
iref(Iin)=e×Xn=e×Winn(e:比例定数) ……(23)
Kpi=f×Xm=f×Winm(f:比例定数) ……(24)
また、上記実施の形態等では、コンバータ3において、入力電流Iinを検出することによって発電部12のトルクを間接的に検出すると共に、この入力電流Iinと入力電圧Vinとを用いてフィードバック制御を行う場合について説明したが、例えば、発電部12のトルクをトルク計等によって直接検出すると共に、この検出したトルクと入力電圧Vinとを用いてフィードバック制御を行うようにしてもよい。
更に、これまでは、流体の流れが風であり、風力発電システムに適用されるスイッチング電源装置等を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば水力発電システムのような、風力発電システム以外の他の発電システム(流体の流れを利用した発電システム全般)にも適用することが可能である。
加えて、上記実施の形態等において説明した変形例等を組み合わせてもよい。
1…風力発電システム、11…風車、12…発電部、13…風速計、2…パワーコンディショナ、3,3H…コンバータ、31…入力電圧検出部、32…入力電流検出部、33…昇圧回路、33S…スイッチング素子、33L…インダクタ、33D…ダイオード、34…出力電圧検出部、35,35A〜35H…制御装置、351,351D,351H…目標電流算出部、351C,351G…目標電圧算出部、352,352C,352D,352G,352H…制御量算出部、353…減算部、354,357…P補償器、354A,357A…乗算部、355…PI補償器、355A…積分演算部、355B…加算部、355C…乗算部、356…PID補償器、356A…微分演算部、356B…加算部、356C…乗算部、361,362…伝達関数部、4…バッテリ、5…系統連係インバータ、6…電力系統、T11,T12,T20,T21,T22…入力端子、T13,T14,T23,T24…出力端子、Vin…入力電圧、Vout1,Vout2…出力電圧、L1,L2…接続ライン、Cin…入力平滑コンデンサ、Cout…出力平滑コンデンサ、S(Vin),S(Iin),S(Vout1),S(Win)…検出信号、Sd…SW制御信号、iref…目標電流値、vれf…目標電圧値、ie…エラー電流値、ve…エラー電圧値、Kpi,Kpv…制御量(比例ゲイン)、K1,K2…固定値、g(iref),h(iref)…関数、Wa〜Wd…風速、CT…風車のトルク係数、λ…周速比、f1…周波数、θ…位相余裕、Δθ,Δθ1〜Δθ4…位相余裕範囲、Vth…閾値電圧、Ith…閾値電流、a1,a2,c1,c2…比例定数。

Claims (13)

  1. 流体の流れに応じて回転する羽根車と、この羽根車の回転動作に応じて発電を行う発電部とを含んで構成され、前記流体の流れを利用して発電を行う発電システムに適用されるスイッチング電源装置であって、
    前記発電部から入力される入力電圧に対して電圧変換を行って出力電圧を生成するためのスイッチング素子と、
    前記流体の流速および前記発電部のトルクをそれぞれ、直接もしくは間接的に検出する検出部と、
    前記スイッチング素子に対してパルス幅変調によりスイッチング駆動を行うと共に、前記検出部により検出された流速およびトルクのうちの一方を用いて他方に対するフィードバック制御を行うことにより、前記スイッチング駆動の際のデューティ比を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記フィードバック制御の際の位相余裕が所定の範囲内に収まるように、フィードバック制御を行う
    ことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記検出部は、
    前記入力電圧を検出することにより、前記流速を間接的に検出すると共に、
    前記発電部から入力される入力電流を検出することにより、前記トルクを間接的に検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記制御部は、前記検出部により検出された入力電圧および入力電流のうちの一方を用いて、この一方の値が所定の閾値を超えないように、他方に対するフィードバック制御を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記制御部は、
    前記検出部により検出された入力電圧および入力電流のうちの一方を用いて、他方に対するフィードバック制御を行うと共に、
    前記一方の値と所定の閾値との大小関係に応じて、前記フィードバック制御の際の制御量を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記制御部は、
    前記一方の値が前記閾値未満のときには、前記制御量が、前記他方の目標値の大きさに応じて変化する第1の関数により規定されるように設定し、
    前記一方の値が前記閾値以上のときには、前記制御量が、前記他方の目標値の大きさに応じて変化すると共に前記第1の関数とは異なる第2の関数により規定されるように設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記制御部は、
    前記一方の値が前記閾値未満のときには、前記制御量が第1の固定値となるように設定し、
    前記一方の値が前記閾値以上のときには、前記制御量が、前記第1の固定値とは異なる第2の固定値となるように設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記制御部は、
    前記一方の値が前記閾値未満のときには、前記制御量が固定値となるように設定し、
    前記一方の値が前記閾値以上のときには、前記制御量が、前記他方の目標値の大きさに応じて変化する関数により規定されるように設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  8. 前記制御部は、
    前記一方の値が前記閾値未満のときには、前記制御量が、前記他方の目標値の大きさに応じて変化する関数により規定されるように設定し、
    前記一方の値が前記閾値以上のときには、前記制御量が固定値となるように設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  9. 前記制御部は、前記入力電圧Vinと前記入力電流Iinとが、Iin∝Vinn(n=2〜4)という関係を満たすように、前記フィードバック制御を行う
    ことを特徴とする請求項3ないし請求項8のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
  10. 前記制御部は、P補償器、PI補償器またはPID補償器を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
  11. 前記流体の流れが風であり、風力発電システムに適用されるスイッチング電源装置として構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
  12. 流体の流れを利用して発電を行う発電システムに適用される発電機であって、
    前記流体の流れに応じて回転する羽根車と、
    前記羽根車の回転動作に応じて発電を行う発電部と、
    前記発電部から入力される入力電圧に対して電圧変換を行って出力電圧を生成するためのスイッチング素子と、
    前記流体の流速および前記発電部のトルクをそれぞれ、直接もしくは間接的に検出する検出部と、
    前記スイッチング素子に対してパルス幅変調によりスイッチング駆動を行うと共に、前記検出部により検出された流速およびトルクのうちの一方を用いて他方に対するフィードバック制御を行うことにより、前記スイッチング駆動の際のデューティ比を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記フィードバック制御の際の位相余裕が所定の範囲内に収まるように、フィードバック制御を行う
    ことを特徴とする発電機。
  13. 流体の流れに応じて回転する羽根車と、この羽根車の回転動作に応じて発電を行う発電部とを含んで構成され、前記流体の流れを利用して発電を行う発電システムに適用される電力供給装置であって、
    前記発電部から入力される入力電圧に対して電圧変換を行って出力電圧を生成するためのスイッチング素子と、
    前記出力電圧を蓄電するためのバッテリと、
    前記出力電圧に対して電圧変換を行うことにより、交流電圧を生成する電圧変換部と、
    前記流体の流速および前記発電部のトルクをそれぞれ、直接もしくは間接的に検出する検出部と、
    前記スイッチング素子に対してパルス幅変調によりスイッチング駆動を行うと共に、前記検出部により検出された流速およびトルクのうちの一方を用いて他方に対するフィードバック制御を行うことにより、前記スイッチング駆動の際のデューティ比を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記フィードバック制御の際の位相余裕が所定の範囲内に収まるように、フィードバック制御を行う
    ことを特徴とする電力供給装置。
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