JP6090792B2 - 風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム - Google Patents

風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6090792B2
JP6090792B2 JP2013231516A JP2013231516A JP6090792B2 JP 6090792 B2 JP6090792 B2 JP 6090792B2 JP 2013231516 A JP2013231516 A JP 2013231516A JP 2013231516 A JP2013231516 A JP 2013231516A JP 6090792 B2 JP6090792 B2 JP 6090792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
wind power
power generation
generation unit
time constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013231516A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015090145A (ja
Inventor
泰宏 藤田
泰宏 藤田
厚俊 武藤
厚俊 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP2013231516A priority Critical patent/JP6090792B2/ja
Publication of JP2015090145A publication Critical patent/JP2015090145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6090792B2 publication Critical patent/JP6090792B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Description

この発明は、風力によって発電を行う風力発電装置の変動を抑制することができる風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラムに関するものである。
風力発電機は、予測が困難な風エネルギーを用いて発電する仕組み上、出力変動は不可避である。このため、電力系統の調整余力が少ない地域では、周波数維持のため、風力発電の導入量に制限がかけられる場合がある。
そこで、特許文献1では、平均化出力に対する風力発電機出力の逸脱分を、電力貯蔵装置からの充放電によって補償し、出力変動を抑制する手法を提案している。
また、特許文献2では、風力発電機の出力が電力貯蔵装置の補償できる範囲を超えた場合、出力制限をかける方法を提案している。これにより、特許文献1よりもインバーターや電力貯蔵装置の規模を抑えられ、経済的に成立しやすくなるとしている。
特開平11−299106号公報 特開2009−79559号公報
しかし、特許文献1の手法では、インバーターや電力貯蔵装置の出力や容量を超える変動があった場合、合成出力のオーバーシュートやアンダーシュートを招くため、系統負荷を増してしまう。かといって、逸脱が生じないよう、インバーターや電力貯蔵装置の容量を大きくすると、コスト的に不利になるため、採算の合わないシステムとなってしまう。
一方、特許文献2の手法では、風力発電機出力変動が蓄電池でカバーできなくなった途端、風力発電機に対し急制動をかけることになり、ブレード等の疲労寿命低下の懸念が残る。これに対し、疲労荷重を減らすべく、風車の出力制御の勾配を緩くすると、出力変動に追従できなくなり、オーバーシュートやアンダーシュートをもたらす。
本発明は、上記のような従来の技術の課題を解決するためなされたものであり、風力発電機と電力貯蔵装置を協調制御することで、電力貯蔵装置の規模を抑えつつ、効率的な出力平準化を実現する風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラムを提供することを目的としている。
すなわち、本発明の風力発電装置は、
風車に対する風力によって発電を行う風力発電部と、
前記風力発電部による出力に対し出力補償を行う電力貯蔵装置と、
前記風力発電部および電力貯蔵装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、相対的に小さい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第一の時定数で平滑化を行った目標出力Aと、前記第一の時定数よりも相対的に大きい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第二の時定数で平滑化を行った目標出力Bとをそれぞれ計算し、前記目標出力Aが前記目標出力Bよりも大きい場合に前記風力発電部の出力を抑制する指令を出し、かつ前記風力発電部の出力と前記目標出力Bとの差分に応じて前記電力貯蔵装置による出力補償を行うことを特徴とする。
本発明の風力発電装置では、前記制御部は、前記風力発電部に対し、前記風車におけるブレードのピッチ角制御または/および風力発電部の発電機トルクの調整によって、出力制御を行うことが望ましい。
本発明の風力発電装置では、前記制御部は、前記風車のローター回転数に応じて前記出力制御を行うことができる。
本発明の風力発電装置では、前記制御部は、前記風力発電部での出力を抑制する指令として、前記目標出力Aと前記目標出力Bの偏差および現在のローター回転数に応じて修正ローター回転数を算出し、該修正ローター回転数を前記ローター回転数として前記出力制御を行うことができる。
本発明の風力発電装置では、前記制御部は、前記修正ローター回転数を予め定めた関数あるいは変換表によって算出することができる。
上記修正ローター回転数によれば、風力発電部の電力抑制を比較的速やかに行うことができ、前記出力制御を利用して効果的な制御を行うことができる。
本発明の風力発電装置では、前記第一の時定数における周期が10秒〜300秒、より望ましくは30秒〜120秒であり、前記第二の時定数における周期が600秒〜3600秒、より望ましくは1200〜2400秒であり、前記第二の時定数における周期が前記第一の時定数における周期よりも大きいことが望ましい。
上記第1の時定数によれば、比較的短い周期で風力発電部の出力変化の状態を知ることができ、上記第2の時定数によれば、中期で風力発電部の出力変化の状態を知ることができる。
上記第1の時定数の時間は、10秒未満では、出力変動に鋭敏に反応しすぎてしまうため、結果として風車の機械的負荷を増大させてしまう。300秒超では、出力変動への追従が遅れ、電力貯蔵設備による出力補償の負担が増大する。同様の理由で下限を30秒、上限を120秒とするのが一層望ましい。
上記第2の時定数の時間は、600秒未満では、合成出力に変動成分が残り、電力系統側の負荷が増えてしまう。3600秒超では、合成出力の変動は少なくなるが、出力抑制による売電損失が多くなるとともに、電力貯蔵設備の規模も大きくなってしまう。同様の理由で下限を1200秒、上限を2400秒とするのが一層望ましい。
本発明の風力発電装置の変動抑制方法は、
風車に対する風力によって発電を行う風力発電部と、前記風力発電部による出力に対し出力補償を行う電力貯蔵装置とを備える風力発電装置の変動抑制方法であって、
相対的に小さい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第一の時定数で平滑化を行った目標出力Aと、前記第一の時定数よりも相対的に大きい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第二の時定数で平滑化を行った目標出力Bとをそれぞれ計算し、前記目標出力Aが前記目標出力Bよりも大きい場合に前記風力発電の出力を抑制し、かつ前記風力発電部の出力と前記目標出力Bとの差分に応じて前記電力貯蔵装置による出力補償を行うことを特徴とする。
本発明の風力発電装置の変動抑制方法では、前記風力発電部に対し、前記風車におけるブレードのピッチ角制御または/および風力発電部の発電機トルクの調整によって出力調整を行うのが望ましい。
本発明の風力発電装置の変動抑制方法では、前記風車のローター回転数に応じて出力調整を行うのが望ましい。
本発明の風力発電装置の変動抑制方法では、前記風力発電部での出力抑制として、前記目標出力Aと前記目標出力Bの偏差および現在のローター回転数に応じて修正ローター回転数を算出し、該修正ローター回転数を前記ローター回転数として前記出力調整を行うことができる。
本発明の風力発電装置の変動抑制方法では、前記修正ローター回転数を、予め定めた関数あるいは変換表によって算出することができる。
本発明の風力発電装置の変動抑制方法では、前記第一の時定数における周期が10秒〜300秒、より望ましくは30秒〜120秒であり、前記第二の時定数における周期が600秒〜3600秒、より望ましくは1200〜2400秒であり、前記第二の時定数における周期が前記第一の時定数における周期よりも大きいのが望ましい。
本発明の風力発電装置の変動抑制プログラムは、風車に対する風力によって発電を行う風力発電部と前記風力発電部による出力に対し出力補償電力貯蔵装置とを制御する、風力発電装置の制御部を動作させる変動抑制プログラムであって、
相対的に小さい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第一の時定数で平滑化を行った目標出力Aを算出するステップと、
前記第一の時定数よりも相対的に大きい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第二の時定数で平滑化を行った目標出力Bを算出するステップと、
前記目標出力Aが前記目標出力Bよりも大きい場合に前記風力発電部の出力を抑制する指令を出すステップと、
前記風力発電部の出力と前記目標出力Bとの差分に応じて前記電力貯蔵装置による出力補償を行うステップと、を有することを特徴とする。
本発明の風力発電装置の変動抑制プログラムでは、前記風力発電部に対し、前記風車におけるブレードのピッチ角制御または/および風力発電部の発電機トルクの調整によって出力制御を行うステップをさらに有することが望ましい。
本発明の風力発電装置の変動抑制プログラムでは、前記出力制御では、前記風車のローター回転数に応じて出力制御を行うことができる。
本発明の風力発電装置の変動抑制プログラムでは、前記風力発電部での出力を抑制する指令として、前記目標出力Aと前記目標出力Bの偏差および現在のローター回転数に応じて修正ローター回転数を算出し、該修正ローター回転数を前記ローター回転数として前記出力制御を行うことができる。
本発明によれば、図1に示すように、風力発電機出力を第一の時定数によって平滑化することにより、短周期の出力変動成分が除かれ、中周期以上の変動成分が残った目標出力Aが得られる。また、風力発電機出力を第一の時定数よりも大きい第二の時定数によって平滑化することで、中周期以下の出力変動成分が除かれ、長周期変動成分のみが残った目標出力Bが得られる。目標出力A>目標出力Bの領域では、風力発電機へ出力抑制を行うことで風力発電部における出力を低下させ、一方で、風力発電部の出力と目標出力Bとの差は電力貯蔵装置の充放電によって補償する。
以上のように、この発明では二種類の時定数による平滑化によって、滑らかな出力制御を風力発電に指令し、電力貯蔵装置によって補償可能なレベルに変動を抑えることが可能になる。これによって、効果的な出力変動抑制を実現できるだけでなく、従来の電力貯蔵装置のみの制御よりも充放電回数を抑えることができ、設備寿命の延長にも効果的であり、さらに、過剰な疲労荷重の発生を抑え、風力発電機の装置寿命に悪影響を与えない効果がある。
本発明の二種類の時定数で平滑化された目標出力A、Bと、風力発電出力の時間的変化の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態における風力発電装置の概略を示す図である。 同じく、制御ブロックを示す図である。 同じく、修正ローター回転数換算表の一例を示す。 同じく、制御部における変動抑制方法の手順を示すフローチャートである。 従来の制御法による比較例の各種出力を示すグラフである。 本発明の実施例による各種出力を示すグラフである。 比較例と実施例における、合成出力の最大出力変動幅の累積頻度分布を示すグラフである。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。図2は、一実施形態の風力発電装置10を示すものである。
風力発電装置10は、地上に垂直に設置されたタワー11と、タワー11の上端部に水平回転可能に設置されたナセル12と、ナセル12に回転可能に軸支されたローター回転軸13とローター回転軸13に取り付けられたローター14と、ローター14の外周に放射状に取り付けられ、ピッチ角調整が可能な複数本(例えば3本)のブレード15とを有している。風力発電用ブレード15は略垂直な面に沿って回転方向に等間隔に取り付けられている。
また、ナセル12には、ブレード15に流入する流入風の風向および風速を測定する風向・風速計(図示しない)を設置して、データーの記録や風力発電装置の制御に用いることができる。
また、ナセル12内には、ローター回転軸13の回転により発電する発電機16が設けられている。なお、ローター回転軸13と発電機16との間には、ローター回転軸13の回転をギアなどにより増速して発電機16に伝達する増速機(図示しない)などを設けることができる。また、ナセル12内や地上には発電機16に電気的に接続されたコンバーター、インバーター(いずれも図示しない)を備えている。
上記ブレード15、ローター14、ローター回転軸13、発電機16、コンバーター、インバーターなどは、本発明の風力発電部1を構成している。
また、ナセル内12には、風力発電部1全体を制御する発電部コントローラ17を有している。発電部コントローラ17は、CPUやこれを動作させるプログラム、作業領域となるRAM、不揮発の記憶部などで構成することができる。発電部コントローラ17は、ナセル12の方向制御、ブレード15のピッチ角制御、発電機16の励磁調整によるトルク制御などを行うことができる。
また、タワー11の地上側には、電力貯蔵装置20と演算制御部18とを有している。演算制御部18は、各種演算と電力貯蔵装置20の電力吸収、放出の制御や発電部コントローラ17を介した風力発電部1の制御などを行うことができる。
電力貯蔵装置20としては、蓄電池やキャパシタなどを用いることができるが、本発明としては特定の装置に限定をされるものではなく、電力の吸収、放出を任意に行うことができるものであればよい。
演算制御部18は、CPUやこれを動作させるプログラム、作業領域となるRAM、不揮発の記憶部などによって構成することができる。
演算制御部18は、異なる周期での平滑化の算出や、ローターの修正回転数の算出、風力発電部1に対する制御指令などを行うことができる。平滑化における周期やローターの修正回転数に使用する関数や換算表などは不揮発の記憶部に記録しておき、必要に応じて読み出して利用することができる。
上記した発電部コントローラ17と演算制御部18とは、本願発明の制御部を構成している。なお、制御部は、複数の各部で構成されるものではなく、一体で構成されているものであってもよい。
次に、本実施形態の制御ブロックを図3に示す。
風力発電部1は、発電部コントローラ17の制御によってピッチ角制御や発電機制御が行われる。発電部コントローラ17では、定格出力の設定が可能になっており、該定格出力が得られる制御方向となるように、ブレード15のピッチ角制御や発電機制御が行われる。
なお、定格出力は、一定値であってもよく、また、時間帯や季節などの要因に応じて数値が変化するものであってもよい。通常は、ローター回転数に応じたフィードバック制御によってピッチ角調整や発電機のトルク調整を行って所望の定格回転数が得られるように制御を行う。ローター回転数は、ローター14や発電機16での回転数の検出などによって取得することができ、また発電機16の出力に基づいてローター回転数を取得することも可能である。本発明としてはローター回転数の取得方法を特に限定されるものではなく、少なくとも、現在のローター回転数が得られるものであればよい。
風力発電部1のローター回転数ωは、修正回転数換算ブロック5に入力されている。また、風力発電部1の風力発電部出力Pwgは、第1平滑化ブロック3と、第2平滑化ブロック4に入力され、伝達回路8Bと伝達回路8Cでの入力値とされる。
修正回転数換算ブロック5、第1平滑化ブロック3、第2平滑化ブロック4、伝達回路8B、伝達回路8Cは、演算制御部18の一部によって構成することができる。
第1平滑化ブロック3では、比較的周期の小さい第一の時定数Tが設定されており、望ましくは10秒〜300秒、より望ましくは30秒〜120秒の範囲の周期で、平滑化出力Pを算出する。
第2平滑化ブロック4では、第1の時定数Tよりも大きい第二の時定数Tが設定されており、望ましくは600秒〜3600秒、より望ましくは1200秒〜2400秒の範囲の周期で、平滑化出力Pを算出する。
平滑化出力Pは、本発明の目標出力Aに相当し、平滑化出力Pは、本発明の目標出力Bに相当する。なお、本発明としては、平滑化の手法は特に限定されるものではない。
平滑化手法としては、一次遅れや移動平均などの手法を用いることができ、本発明としては特定の手法に限定されるものではない。
第1平滑化ブロック3で算出された平滑化出力Pと、第2平滑化ブロック4で算出された平滑化出力Pとは、伝達回路8Aの入力値とされ、平滑化出力Pに対する平滑化出力Pの偏差Pが出力値として得られ、偏差Pが修正回転数換算ブロック5に入力される。伝達回路8Aは演算制御部18の一部によって構成することができる。
修正回転数換算ブロック5では、風力発電機10における現在のローター回転数ωと偏差Pとより、適切に設定した関数または換算表により、修正ローター回転数ωmodを算出する。図5に換算表の一例を示す。換算表は、例えば演算制御部18の不揮発の記憶部に格納しておき、必要に応じて読み出す。
修正回転数換算ブロック5では、上記関数または換算表に基づいて、定格出力Prateに対するPの比が0より大きいとき、ωmodがωよりも大きくなるように設定される。一方、P/Prateが0以下のときはωmodはωと等しいものとする。修正ローター回転数ωmodは、発電部コントローラ17にフィードバックされる。
一般に、風力発電機10には、定格出力に応じた定格ローター回転数が設定されており、定格値よりも回転数が低い場合は、発電部コントローラ17が最大効率運転を指令し、風力発電部出力は一様に増加する出力制御および出力調整が行われる。しかし、定格値に近づいてくると、ローター過回転を防ぐため、発電部コントローラ17はピッチ角制御等を指令して風を逃がし始め、風力発電部1の出力を定格出力で一定にするよう制御する。すなわち、実際のローター回転数ωよりも大きい修正ローター回転数ωmodを発電部コントローラ17にフィードバックすれば、ピッチ角を増加させたり、発電機のトルクを増大させる方向に制御が働くため、実際のローター回転数は低下することとなり、結果として風力発電部出力が低減される。なお、本発明の出力制御、出力調整では、定格出力よりも低い出力をターゲットにして制御および調整を行うものであってもよい。
一方で、出力を増加させるために、修正ローター回転数ωmodを実際のローター回転数ωよりも小さくし、回転数を上げる方向に誘導するのは、機器の故障などの事態を伴うおそれがあり、本実施形態の対象としない。
修正ローター回転数の算出では、図4に示すように、P/Prateが大きくなるほど、ωmod/ωが増加するような関係にあるのが好ましい。また、回転数と風力発電部出力の非線形な関係を考慮した形状にするのが好ましい。ただし、風力発電部の設計限界であるカットアウト回転数(図4では24rpm)を超えないよう、換算ブロックには上限を設けておくことが望ましい。
また、上述の修正ローター回転数の換算・フィードバック回路とは別に、風力発電部出力Pwgと第二の時定数による平滑化出力Pの差分Pdeltaを補償するよう、電力貯蔵装置20の充放電制御を行う。ただし、電力貯蔵装置20のインバータ容量Pinvを超える充放電はできないことと、充電レベルSOCが100%を超える充電と0%を下回る放電ができない制限を考慮する必要がある。充放電出力算出用飽和ブロック6にてPdeltaにこれらの制限が適用され、充放電出力Pbatを算出する。
また、充放電出力Pbatを積分器7で積算した値を、電力貯蔵容量Cbatで除すことで電力貯蔵装置の充電レベルSOCが得られる。この充電レベルSOCは充放電出力算出用飽和ブロック6にフィードバックされ、電力貯蔵装置の上下限を超える充放電が起きないよう、Pbatを制御する。
充放電出力Pbatは、最終的に、風力発電部出力PwgからPbatを引いた値(放電または充電)がシステムの合成出力Poutとなる。
次に、風力発電装置10の制御部(この実施形態では発電部コントローラ17および演算制御部18)における変動抑制の手順を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
風力発電の開始に伴って、発電部コントローラ17によって、出力制御および出力調整として、定格回転数未満であれば最大効率運転をし、定格回転数以上であれば回転数制御運転を実施する(ステップs1;規定出力制御)。次いで、ローター回転数ωと風力発電部出力Pwgを取得する(ステップs2)。風力発電部出力Pwgについて、所定期間の履歴から現在に至る出力を2つの時定数で平滑化処理を行って、平滑化出力P、Pを取得する(ステップs3)。なお、履歴の期間は、少なくとも時定数となる期間を有していればよいが、その長さは特に限定されるものではない。
次いで、平滑化出力P、平滑化出力Pを比較し、平滑化出力P>平滑化出力Pかを判定する(ステップs4)。平滑化出力Pが平滑化出力Pより大きい場合(ステップs4、Yes)、その差分とローター回転数ωとから、予め定めた関数や変換表によって修正ローター回転数ωmodを算出する(ステップs5)。関数や変換表は、演算制御部18の不揮発の記憶部に格納しておく。関数や変換表は、予め格納されているものであってもよく、また、事後的に記憶部に格納したものでもよい。また、格納された関数や変換表を変更できるようにしてもよい。
一方、平滑化出力Pが平滑化出力P以下の場合(ステップs4、No)、修正ローター回転数ωmod=ωに設定する(ステップs6)。
ステップs5、6の後、平滑化出力P>平滑化出力Pの場合、本来のローター回転数ωよりも大きな修正ロータ―回転数ωmodをフィードバックすることで、前記出力制御に基づいて風力発電機のトルクが増大し、結果として風力発電部1の出力が抑制される。
さらに、出力制御された風力発電部出力Pwgと、平滑化出力Pとの差分に基づいて電力貯蔵装置20で充放電の補償を行う(ステップs8)。すなわち、風力発電部出力Pwgが平滑化出力P以上であれば、電力貯蔵装置20に対する放電が行われ、風力発電部出力Pwgが平滑化出力P未満であれば、電力貯蔵装置20に対する充電が行われて出力変動が抑制される。その後、処理終了でなければ(ステップs9、No)、ステップs2に戻って処理を繰り返し、処理終了であれば(ステップs9、Yes)、処理を終了する。
以下に、本発明の実施例を比較例と比較しつつ説明する。
上記実施形態で示した変動抑制方法を利用して、1日間の風速データと定格出力2700kWの風力発電機モデルを用いてシミュレーションを実施した。
従来の蓄電池制御のみの比較例の各種出力を図6に示し、風力発電機と電力貯蔵装置である蓄電池との協調制御による本発明の実施例の各種出力を図7に示した。
比較例と比べて、実施例では風力発電部出力Pwgが効果的に抑制され、合成出力Poutのオーバーシュート頻度、程度が低減されていることが分かる。
また、定量的に出力変動抑制効果を比較するため、各時刻の合成出力の1分間平均値を計算した上で、過去20分間の最大値と最小値の差から得た最大出力変動率の累積頻度分布を図8に示した。
実施例は比較例よりも全域で頻度が低減しており、出力変動抑制が効果的に実現されていることが確認できる。
表1には、比較例と実施例について、1日間の総発電量と充放電回数を表1に示した。風力発電機の出力を抑制している都合上、実施例の方が4%程度発電量が低い。しかしながら、充放電回数は約8%実施例の方が低くなっており、電力貯蔵装置の寿命延長に効果があると予想される。
以上より、本発明を適用することによって、従来技術よりも電力貯蔵設備の規模が小さくても効率的な出力変動抑制が期待でき、また、電力貯蔵設備寿命も延長できるため、各種コストの節減につながると予想される。
Figure 0006090792
以上、本発明について上記実施形態および実施例に基づいて本発明の説明を行ったが、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
1 風力発電部
3 第1平滑化ブロック
4 第2平滑化ブロック
5 修正回転数換算ブロック
6 充放電出力算出用飽和ブロック
7 積分器
10 風力発電装置
11 タワー
12 ナセル
13 ローター回転軸
14 ローター
15 ブレード
16 発電機
17 発電部コントローラ
18 演算制御部
20 電力貯蔵装置

Claims (16)

  1. 風車に対する風力によって発電を行う風力発電部と、
    前記風力発電部による出力に対し出力補償を行う電力貯蔵装置と、
    前記風力発電部および電力貯蔵装置を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、相対的に小さい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第一の時定数で平滑化を行った目標出力Aと、前記第一の時定数よりも相対的に大きい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第二の時定数で平滑化を行った目標出力Bとをそれぞれ計算し、前記目標出力Aが前記目標出力Bよりも大きい場合に前記風力発電部の出力を抑制する指令を出し、かつ前記風力発電部の出力と前記目標出力Bとの差分に応じて前記電力貯蔵装置による出力補償を行うことを特徴とする風力発電装置。
  2. 前記制御部は、前記風力発電部に対し、前記風車におけるブレードのピッチ角制御または/および風力発電部の発電機トルクの調整によって、出力制御を行うことを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
  3. 前記制御部は、前記風車のローター回転数に応じて前記出力制御を行うことを特徴とする請求項2記載の風力発電装置。
  4. 前記制御部は、前記風力発電部での出力を抑制する指令として、前記目標出力Aと前記目標出力Bの偏差および現在のローター回転数に応じて修正ローター回転数を算出し、該修正ローター回転数を前記ローター回転数として前記出力制御を行うことを特徴とする請求項3記載の風力発電装置。
  5. 前記制御部は、前記修正ローター回転数を予め定めた関数あるいは変換表によって算出することを特徴とする請求項4記載の風力発電装置。
  6. 前記第一の時定数における周期が10秒〜300秒であり、前記第二の時定数における周期が600秒〜3600秒であり、前記第二の時定数における周期が前記第一の時定数における周期よりも大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  7. 風車に対する風力によって発電を行う風力発電部と、前記風力発電部による出力に対し出力補償を行う電力貯蔵装置とを備える風力発電装置の変動抑制方法であって、
    相対的に小さい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第一の時定数で平滑化を行った目標出力Aと、前記第一の時定数よりも相対的に大きい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第二の時定数で平滑化を行った目標出力Bとをそれぞれ計算し、前記目標出力Aが前記目標出力Bよりも大きい場合に前記風力発電の出力を抑制し、かつ前記風力発電部の出力と前記目標出力Bとの差分に応じて前記電力貯蔵装置による出力補償を行うことを特徴とする風力発電装置の変動抑制方法。
  8. 前記風力発電部に対し、前記風車におけるブレードのピッチ角制御または/および風力発電部の発電機トルクの調整によって、出力調整を行うことを特徴とする請求項7記載の風力発電装置の変動抑制方法。
  9. 前記風車のローター回転数に応じて前記出力調整を行うことを特徴とする請求項8記載の風力発電装置の変動抑制方法。
  10. 前記風力発電部での出力抑制として、前記目標出力Aと前記目標出力Bの偏差および現在のローター回転数に応じて修正ローター回転数を算出し、該修正ローター回転数を前記ローター回転数として前記出力調整を行うことを特徴とする請求項9記載の風力発電装置の変動抑制方法。
  11. 前記修正ローター回転数を予め定めた関数あるいは変換表によって算出することを特徴とする請求項10記載の風力発電装置の変動抑制方法。
  12. 前記第一の時定数における周期が10秒〜300秒であり、前記第二の時定数における周期が600秒〜3600秒であり、前記第二の時定数における周期が前記第一の時定数における周期よりも大きいことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の風力発電装置の変動抑制方法。
  13. 風車に対する風力によって発電を行う風力発電部と前記風力発電部による出力に対し出力補償電力貯蔵装置とを制御する、風力発電装置の制御部を動作させる変動抑制プログラムであって、
    相対的に小さい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第一の時定数で平滑化を行った目標出力Aを算出するステップと、
    前記第一の時定数よりも相対的に大きい周期時間において前記風力発電部の過去の履歴から現在に至る発電出力を第二の時定数で平滑化を行った目標出力Bを算出するステップと、
    前記目標出力Aが前記目標出力Bよりも大きい場合に前記風力発電部の出力を抑制する指令を出すステップと、
    前記風力発電部の出力と前記目標出力Bとの差分に応じて前記電力貯蔵装置による出力補償を行うステップと、を有することを特徴とする風力発電装置の変動抑制プログラム。
  14. 前記風力発電部に対し、前記風車におけるブレードのピッチ角制御または/および風力発電部の発電機トルクの調整によって、出力制御を行うステップをさらに有することを特徴とする請求項13記載の風力発電装置の変動抑制プログラム。
  15. 前記出力制御では、前記風車のローター回転数に応じて出力制御を行うことを特徴とする請求項14記載の風力発電装置の変動抑制プログラム。
  16. 前記風力発電部での出力を抑制する指令として、前記目標出力Aと前記目標出力Bの偏差および現在のローター回転数に応じて修正ローター回転数を算出し、該修正ローター回転数を前記ローター回転数として前記出力制御を行うことを特徴とする請求項15記載の風力発電装置の変動抑制プログラム。
JP2013231516A 2013-11-07 2013-11-07 風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム Active JP6090792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013231516A JP6090792B2 (ja) 2013-11-07 2013-11-07 風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013231516A JP6090792B2 (ja) 2013-11-07 2013-11-07 風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015090145A JP2015090145A (ja) 2015-05-11
JP6090792B2 true JP6090792B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=53193788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013231516A Active JP6090792B2 (ja) 2013-11-07 2013-11-07 風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6090792B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109973298A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 新疆金风科技股份有限公司 风电机组功率补偿的控制方法及装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6276223B2 (ja) * 2015-07-16 2018-02-07 株式会社日本製鋼所 風力発電装置、風力発電制御装置および風力発電制御プログラム
CN113790130B (zh) * 2021-09-23 2022-10-14 风脉能源(武汉)股份有限公司 风力发电机组转速波动平稳性的评估方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3905692B2 (ja) * 2000-07-10 2007-04-18 三菱重工業株式会社 風力発電制御方法
JP2010071159A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Univ Of Ryukyus 風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109973298A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 新疆金风科技股份有限公司 风电机组功率补偿的控制方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015090145A (ja) 2015-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ebrahimi et al. A novel optimizing power control strategy for centralized wind farm control system
CN108474346B (zh) 风力发电厂的控制
KR101213002B1 (ko) 풍력 발전 장치의 제어 장치 및 제어 방법
US9716384B2 (en) System and method for controlling a wind farm
CN104321944B (zh) 用于协调传统发电厂与风力发电厂之间的频率控制特性的方法
US9366229B2 (en) Wind power plant having an adjustable power reserve
JP5216167B1 (ja) 風車の出力制御装置及び出力制御方法
JP5156029B2 (ja) 風力発電装置及びその制御方法
CN107453410B (zh) 负荷扰动的双馈风机参与风柴微网调频控制方法
JP5717916B2 (ja) ウィンドファームの出力制御装置及び出力制御方法
WO2012108033A1 (ja) 風力発電設備及び風力発電設備の制御方法
JP2015201900A (ja) ウィンドファームの出力制御装置、方法、及びプログラム
CN103052794B (zh) 风力发电装置的控制装置、风力发电系统及风力发电装置的控制方法
CN107800154A (zh) 一种dfig参与电网一次调频的多风速段综合控制方法
CN108138746B (zh) 通过使降额功率输出和降额转子速度斜变而改变功率输出
CN107947195B (zh) 一种大型风力发电机组的调频方法及装置
KR101141090B1 (ko) 풍력 발전 장치의 제어 장치, 윈드팜, 및 풍력 발전 장치의 제어 방법
JP6090792B2 (ja) 風力発電装置、風力発電装置の変動抑制方法および風力発電装置の変動抑制プログラム
DK201470481A1 (en) Improvements relating to wind turbine operation
JP2010071159A (ja) 風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置
CN107820539A (zh) 使用风力涡轮发电机的频率调节
Lee et al. Operation scheme for a wind farm to mitigate output power variation
JP2010025028A (ja) 風力発電機の出力電力変動抑制装置
JP2017057787A (ja) 風力発電システム及び風力発電制御方法
Van et al. Ouput power smoothening of variable-speed wind turbine systems by pitch angle control

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6090792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250