JP4998885B2 - 風力発電装置の最大電力追従制御装置 - Google Patents

風力発電装置の最大電力追従制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、風力発電装置について高効率発電を可能にする制御装置に関し、特に風車パラメータのオンライン同定により最大電力点を追従制御する装置に関する。
近年、地球温暖化による環境保全意識の高揚や化石燃料の価格高騰や資源枯渇などの観点から、自然エネルギーの開発が進められている。その中でも風力発電は環境に優しい風エネルギーを利用した発電システムであるため、世界各地で盛んに建設が行われている。日本でも、政府が2010年度までに風力発電導入量を300万kWとすることを目標に掲げて風力発電の導入を奨励している。
しかし、風力エネルギーは無尽蔵なクリーンエネルギーである反面、風力は極めて変動しやすい不安定なエネルギー源であり、風力発電による発電電力は風速の3乗に比例して変化し不規則性が強く、同じ流体である水エネルギーに比べてエネルギー密度が1/800程度しか無く、風速に不規則性があり発電効率が悪いなどの問題がある。
風車は、それぞれ特性に応じて、風速毎に最大出力が得られる最適回転速度が異なることから、より多くの発電電力を得るためには、風力発電機を可変速で制御し、最大出力を得られる速度で運転することが有効である。
これまで、最適回転速度を決定するために、山登り法を用いる方法、風車の特性パラメータを用いる方法などが提案されている。
特許文献1には、風速センサーを備えて、風速に応じて軸出力が最大となるトルク動作点に相応する電流動作点となるように発電機の出力電流を制御することにより、任意風速において最大の軸出力が得られるトルク動作点で風車を運転して高効率に発電電力をバッテリーに回収できるようにした風車発電装置が開示されている。
しかしながら、事前に与えられた風車パラメータを用いて回転速度の指令値を決定する方法では、風車ブレードに氷雪が固着するなどして風車特性が変化したときには、与えられた風車パラメータが実際のものと異なるため最大電力点追従制御が達成できない。
そこで、各風速毎に風力エネルギー量に見合った最適な負荷量と回転数を得るために、予め設計計算上で求めたデータテーブルを用意し、さらに風速の違いによる各種係数の誤差などを考慮した補正を行って、風速対回転数、風速対軸出力を決定するフィードフォワード制御を組み合わせた制御を行っている。
しかし、この補正は実績に基づいて蓄積されるもので、風力発電装置毎に修正を行う必要があることが問題である。
特許文献2には、電力として供給可能な負荷量を強制的に変化させ、このとき発生する風車の回転数の変化を検知して風車の軸出力を決定する風力発電装置の制御方法が開示されている。
開示方法は、強制的に負荷量を変化させても回転数に変化が生じないときに負荷量と風車の軸出力が合致することを利用するものである。
開示方法により、誤差を検証して修正しなければならない設計上のデータテーブルに頼らず、実際の装置における実績値を蓄積して、短時間で風車の最大出力点を確実に追従させて風車の効率的な運転をおこなうことができる。
しかし、開示方法では、特性曲線の極値を求めるために不要な負荷量変動を与えて効率のよいエネルギー利用を妨げ、円滑な運転を乱す必要が生じる。
特開2002−315396号公報 特開2004−129395号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、風車パラメータが変化しても風速に応じて最大出力が得られる最適回転速度を追従制御するようにした、風力発電装置の最大電力点追従制御装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の風力発電装置の最大電力点追従制御方法は、システムの入力出力測定値と風速情報を用いて逐次形最小二乗推定により運転中の風車の損失係数を同定し、同定した損失係数を用いて最大電力点に当たる最適回転速度を決定し、指定された最適回転速度を目標値として風力発電装置の制御を行うことを特徴とする。
本発明の制御方法によって、パラメータ変動が発生した場合でも正確なパラメータを同定して最適な回転速度を設定して風力発電を行うことができ、風力発電装置の最大電力点追従制御を達成してより効率のよい発電出力を得ることができる。
本発明の風力発電装置の最大電力点追従制御装置は、風車の回転軸に発電機の回転軸を連結し、発電機の固定子にパルス幅調整(PWM)コンバータ装置を接続した風力発電装置において、発電機の回転子の回転位置と回転速度を測定する回転位置速度測定器と、発電機の回転トルクを検出するトルク計と、風速を測定する風速計と、パラメータ同定器と、最適回転速度設定器と、速度制御器と電流制御器と座標変換器とを備えることを特徴とする。
パラメータ同定器は、入力した発電機回転子の回転速度と回転トルクと風速情報に基づいて風車パラメータを算定して最適回転速度設定器に供給する。
最適回転速度設定器は、風速情報と風車パラメータから最大電力点に当たる風車回転速度を算定して速度制御器の目標値として供給する。
速度制御器は、発電機回転子の回転速度を入力し制御演算によりd−q軸電流指令値を算出して電流制御器に電流指令値として供給する。
電流制御器は、座標変換器を介して入力されるd−q軸電流測定値について制御演算してd−q軸電圧指令値を算出して、座標変換器を介してPWMコンバータ装置に電圧指令値として供給する。
PWMコンバータ装置は、発電機の回転を制御する。
本発明の最大電力点追従制御装置により、風車の最大電力点を追従して風力発電を行うことができる。
なお、パラメータ同定器は、風車パラメータを逐次形最小二乗推定により逐次に求めることができる。
以下、図面を用い実施例に基づいて本発明の風力発電装置の最大電力点追従制御装置を詳細に説明する。
図1は本実施例に係る最大電力点追従制御装置を備えた風力発電装置の主機構成図である。
図1において、風車1の軸に増速機2を介して誘導発電機3の回転子が接続されており、風車1が風のエネルギーPwindにより回転すると、誘導発電機3は風車1の回転速度ωwと誘導発電機駆動周波数に応じて交流電力Poutを発生する。
誘導発電機3の固定子にはPWMコンバータ4が接続されており、誘導発電機3の発生する可変周波数の交流電力Poutは直流電力に変換される。PWM(パルス幅調整)コンバータ4はコンデンサを介してPWMインバータ5に接続されており、PWMコンバータ4の直流電力を固定周波数の交流電力に変換して電力系統6に供給する。
風車1より得られる風力エネルギーPwは増幅比Rnの増速機2を介して誘導発電機(IG)3に伝達される。誘導発電機3は、図示しないロータリーエンコーダにより測定した正確な位置と回転速度を用い、PWMコンバータ4によって速度制御されている。
本実施例の風力発電装置では、最大電力点追従制御装置7を附属して、風車のパラメータをオンラインで同定しながら最適回転速度を決定し、常時最大出力が得られるように発電機をベクトル制御する。
図1に示す風力発電装置において、風車ブレードの半径をR0とすると、ブレードの回転面積SはπR0 2となる。風速Vwの風が風車を吹き抜けた場合、空気密度をρとすると、風の持つエネルギーが全て風車回転トルクに変換されたとすれば、その入力エネルギーPwindは次式(1)で表される。
wind=ρπR0 2w 3/2 (1)
また、このときの風車入力トルクTwindは次式(2)で表される。
wind=ρπR0 3w 2/2 (2)
風車の一般的特性を表す指標として、風車出力係数Cpや風車トルク係数Ctがあるが、プロペラ形風車における指標は、次式(3),(4)で表される。
t=αλ2+βλ+γ (3)
p=λCt=Pw/Pwind (4)
ここで、α,β,γはブレードの大きさや形状、枚数、ピッチ角により定める係数、λ=R0ωw/Vwはブレードの周速比、ωwは風車の回転角速度、Pwは風車の出力エネルギーである。
風車トルク係数Ctを用いて風車から実際に取り出せるトルクTwを表すと、次式(5)となる。
w=CtρπR0 3w 2/2 (5)
となる。
この風車トルクを受けたときの風車の運動方程式は次式(6)で表される。
w=Twind−Tf
=Jwdωw/dt+Tlw (6)
ただし、Tfは風車の損失トルク、Jwは風車の慣性モーメント、Tlwは風車の負荷トルクである。
風車の損失トルクTfは次式(7)で与えられる。
f=K0w 2+K1wωw+K2ωw 2 (7)
ここで、K0,K1,K2は風車損失係数で、次式(8),(9),(10)で表される。
0=ρSR0(1−γ)/2 (8)
1=ρSR0 2ζ/2 (9)
2=ρSR0 3ξ/2 (10)
ここで、γ,ζ,ξは風車ブレードの大きさ、形、枚数、ピッチ角によって決まる係数である。
すなわち、風車損失係数は風車の形状によって決まる係数であり、風車損失トルクが下に凸になることを表現する近似パラメータである。
風車の損失トルクTfは、式(2),(5)から、次式(11)で表すことができる。
f=Twind−Tw
=(1−Ct)Twind (11)
また、増速比Rnを用いると,風車の回転速度ωwと発電機の回転速度ωm、および風車のトルクTlwと発電機のトルクTlmの関係は次式(12)で表される。
ωm=Rnωw (12)
lm=−Tlw/Rn (13)
式(6)より、風車の運動方程式は次式(14)で表すことができる。
wind=Jwdωw/dt+Tf+Tlw (14)
最終的に、発電機への機械的入力Pwは次式(15)で表される。
Pw=Twωw=−Tmωm (15)
図2は、風速毎の風車出力特性を表した図面である。グラフは、横軸に風車ロータの回転速度ωw、縦軸に風車の出力Pwindを風速毎に示す。
風車は、風速によって、最大出力が得られる最適回転速度が存在する。したがって、より多くの電力を得るためには風速毎に最大出力を得られる回転速度を選択して風力発電機を運転することが好ましい。
そこで、風車の基本方程式から風車の出力が最大となる最適回転速度を求める。定常状態における風車出力Pwすなわち発電機への入力は、式(6),(15)の関係より、次式(16)に示すように風車回転速度ωwの3次関数となる。
w=(Twind−Tf)ωw
=(ρSR0/2−K0)Vw 2ωw−K1wωw 2−K2ωw 3 (16)
次式(17)とこの解を示す次式(18)を使って、式(16)を風車回転速度ωwについて偏微分した式の値がゼロになるような回転速度を求めることにより、風車出力Pwが極大値になる最適回転速度ωw optを得ることができる。
dPw/dωw
=(ρSR0/2−K0)Vw 2−2K1wωw−3K2ωw 2=0 (17) ωw opt
=(−K1w+((K1w)2−3K2 (ρSR0 3/2−K0)Vw 2)1/2)/3K2
(18)
最適な発電機回転速度ωm optは、増速比をRnとすれば次式(19)で表される。
ωm opt=Rnωw opt (19)
したがって、式(18)(19)に基づいて風速と風車損失係数から求めることができる最適な発電機回転速度ωm optになるように発電機を制御して風車を最適回転速度ωw optに追従させることにより、最大電力点追従制御を達成することができる。
ブレードに氷雪が固着するなど風車パラメータが変化しうる状態で最適回転速度を求めるには、その時々の風車パラメータを知る必要がある。
入出力信号列を観測し記録しておいて、システムから離れてパラメータ同定するオフライン同定には、最小二乗法がよく使用される。最小二乗法を用いるオフライン同定では、N個のデータが集まった時点で計算を行うが、新しいデータが追加観測されると、改めて全体の計算を行わなければならない。
これに対して、システムが動作し始めてから逐次得られるデータを用い、各時点においてそれまでに得られたデータからの推定値を更新する形で、新しいデータを得る毎に逐次新しい推定値を求めていく、逐次形最小二乗推定を利用することができる。
逐次形最小二乗推定を用いた同定法は、時々刻々のパラメータ推定値を与えるという意味で、オンライン同定法である。
逐次形最小二乗推定は、最小二乗推定を繰り返し計算式に変形して得られるものである。
逐次形最小二乗推定において、1入力uと1出力yの線形離散時間システムで出力が観測雑音eで乱されているものを対象として、時間と共にある程度変化する入力信号uが完全に観測されるとすると、次式(20)で表現することができる。
y(k)+a1y(k-1)+・・・+any(k-n)
=b0u(k)+b1u(k-1)+・・・+bnu(k-n)+e(k) (20)
ここで、a1,a2,・・・an,b0,b1,・・・bnが本実施例における風車損失係数などのパラメータに当たり、パラメータ同定は、{y(k)}{u(k)}を観測して、これらパラメータを決定することを目的とする。
式(20)をベクトル表記すると、次式(21)で表すことができる。
y=Ωα+e (21)
ここで、
y=[y(n),y(n+1),・・・y(N)]T
α=[−a1,−a2,・・・,−an,b0,b1,・・・bn]T
e=[e(n),e(n+1),・・・,e(N)]T
Figure 0004998885
である。
このとき、N時点までの観測値列{y(k)}{u(k)}を得ると、パラメータαの最小二乗推定値^αは次式(22)で与えられる。
^α=[ΩTΩ]-1ΩTy (22)
N時点までの観測値に基づいて作られた行列あるいはベクトルであることを明らかにするため、添字Nを付けて式(23)のように書き表す。
TΩ]-1≡PN
ΩTN≡bN (23)
また、行列Ωの最下列をzNとおく。
N≡[y(N-1),y(N-2),・・・,y(N-n),u(N),u(N-1),・・・,u(N-n)]T
すると、次式(24)のような推定式が得られる。
N=^αN-1−kN(zN TN-1−y(N)) (24)
ここで、
N=PN-1N(1+zN TN-1N)-1 (25)
また、
N=PN-1−PN-1N(1+zN TN-1N)-1N TN-1 (26)
式(24)−(26)は、繰り返し計算方式のパラメータ推定式になっており、初期値として^α0,P0,z1が与えられれば、^α1,P1が得られ、新しいデータを加えて作られるz2を用いて、さらに^α2,P2が得られる形になっている。以後この繰り返し計算が新しい観測データが得られるごとに続けられていくことになる。
なお、初期値z1は入出力データの蓄積で決めることができるので、データをn個ずつ取得した時点を初期時点として計算を始めればよいが、初期値^α0,P0は事前に何らかの初期推定値が与えられていない場合には、適当に決めることになる。初期値の決め方によっては、収束が遅くなることがあるので、経験的に適当な値を選択する。
図3は、本実施例の風力発電装置の構成図を示す。
図3に図示しない風車より得られる風力エネルギーは同じく図示しない増速機(増速比Rn)を介してかご形誘導発電機3に伝達される。
風速計8は風速情報Vwを取得して、パラメータ同定器11と最適速度設定器12に供給する。
パラメータ同定器11は風車に入力する風エネルギーと出力するロータ回転出力の関係から風車のパラメータを同定する演算回路である。パラメータ同定器11は、風速情報Vwに加えて、誘導発電機3に設置されたロータリーエンコーダで測定される誘導発電機3の回転速度ωwと、回転子のトルクTmから推算して求める回転子軸に連結された風車ロータの回転トルクTwを逐次入力し、逐次形最小二乗推定法を用いて風車損失係数K0,K1,K2を推定し、最適速度設定器12に供給する。
最適速度設定器12は、入力した風速情報Vwと同定された風車損失係数を用いて最適回転速度ωm optを決定し、速度制御器13に制御演算用に供給すると共に速度制御器13の偏差を算出する減算器14に設定値として供給する。
速度制御器13は、ゲインKPwの比例係数器15と協働して比例積分式(PI)制御演算を実行して、操作信号id *,iq *を生成し、電流制御器17に供給する。
座標変換回路16はd,q直交座標と固定子座標の座標変換を行う回路で、ロータリーエンコーダで測定した誘導発電機3の回転子回転角θmを入力し固定子座標上の電流値ia,ib,icからd−q直交座標軸上の電流値id,iqに変換して、電流制御器17に供給する。
電流制御器17は、d−q軸電流偏差に対してPI演算を施して、d−q軸指令電圧Vd *、Vq *を求めて、座標変換回路16に供給し、ここで固定子座標上の指令電圧Vabc *に変成しPWMコンバータ4に供給して、誘導発電機3をベクトル制御する。
ベクトル制御された誘導発電機の運動方程式を等価直流機として表すと、次式(27)となる。
mdωw/dt+Dmωm+Tl’=Te=KTqs * (27)
ここで、Dmは誘導発電機の制動係数、Jmは誘導発電機の慣性係数である。また、Tl’は次式で表される等価外乱トルク、
l’=PTL−KTiq
Tは次式で表される起電力係数である。
T=3PLm/4Lr(Lrdr *+Lmds *
指令トルクTm *は、PI制御器によって、指令速度ωr *と実際の速度ωrとの偏差ew=ωr−ωr *を用いて次式(28)のように決定される。
m *=KPww+KIw∫ewdt (28)
ここで、KIwは積分ゲインである。
また、トルク指令電流iqs *は、指令トルクTm *を用いて次式(29)で決定する。
qs *=(Jmdωr */dt+Dmωm *+Tlm−αew)/KT (29)
ここで、KTはトルク出力係数、αはフィードバックゲインである。
さらに、d−q軸の指令電圧vd *,vq *は電流偏差eid,eiqを用いて、PI制御器によって、次式(30)(31)で表される値になる。
d *=KPiid+KIi∫eiddt (30)
q *=KPiiq+KIi∫eiqdt (31)
ここで、KPiは電流偏差に対する比例ゲイン、KIiは電流偏差に対する積分ゲイン、eid=id *−idはd軸電流偏差、eiq=iq *−iqはq軸電流偏差である。
なお、回転子の位置θmと回転速度ωmは、ロータリーエンコーダにより正確に測定することができる。
以上記載の方法により、かご形誘導発電機の速度制御を行うことができる。なお、かご形誘導発電機が指令値追従するときに電動機動作を行うことによる電力損失を避けるため、q軸電流指令値iq *には、たとえば−20A≦iq *≦0Aの制限を設けることが好ましい。
本実施例において、パラメータの不確実性や変動が出力電力にどのような影響をもたらすかを知るために、感度分析を行った。
感度分析には、1個の変量だけを変化させて出力の変動を見る方法と、全ての変量を同時に変化させて出力への影響を評価するモンテカルロシミュレーションとがある。
図4は、感度分析およびシミュレーションの対象とした風車発電システムの機器パラメータを示す表である。対象装置は、半径0.95mのブレードを有する風車により誘導発電機を駆動して発電するシステムである。
風速は8m/s一定とし、起動直後の過渡状態を除いた5秒間について、風車パラメータの変動が出力に与える影響を評価した。風車の回転速度は指令値に追従している。
図5(a),(b),(c)は、最適回転速度を求めるときに用いる風車パラメータK0,K1,K2のそれぞれ1変数ずつを正確な値から±20%の範囲で変化させたとき、回転速度に与える影響を示すものである。影響の度合いは回転速度指令値と最適回転速度のずれを%で表して評価した。
また、図6(a),(b),(c)は、風車パラメータK0,K1,K2のそれぞれについて正確な値から±20%の範囲で変化させたとき、出力電力に与える影響を最適回転速度における出力電力を100%とする%表示で表したグラフである。
図5(a),(b),(c)から、風車パラメータのうち誤差が指令回転速度に与える影響が最も大きいのはK0であり、特にK0が過大になると指令回転速度の誤差が低速側に拡大することが分かる。図6(a)には、その結果が出力電力誤差にも顕著に表れることが示されている。したがって、パラメータ同定を行う際に最も高い精度が求められるのはK0である。
しかし、図6(a),(b),(c)を観察すると、風車パラメータのうちK1,K2については、±10%程度の誤差があっても出力電力は95%以上の水準を保ち、パラメータの同定誤差が出力に与える影響は比較的軽いことが分かる。さらに、K0を含めても同定誤差を±5%程度に抑えることができれば、出力電力への影響は軽微であることが分かった。
図7はモンテカルロシミュレーション結果を示すグラフで、風車パラメータK0,K1,K2の全てを同時に、正確な値から±20%の範囲でランダムに変化させたとき、出力電力に与える影響を最適回転速度における出力電力を100%とする%表示で表した図面である。横軸は、正確な値からの誤差を含む風車パラメータを使って算定された指令回転速度であって、グラフは指令回転速度で運転したときの出力電力を表す。
指令回転速度誤差が±10%以内の範囲に収まれば出力電力は10%以内の減少で運転でき、さらに指令回転速度誤差が±5%以内であれば出力電力減少分は1%以下であることが分かる。
さらに、シミュレーションを行うことにより本発明方法の有効性を確認した。
図8はシミュレーション結果を示す図面である。シミュレーションでは、風力発電装置を起動した直後は初期誤差を含む風力パラメータを用いて算出した指令速度により速度制御し、5秒経過してからは本発明方法に基づき、同定したパラメータを適用して決定した指令速度を用いて発電機の速度制御を行っている。
図8(a)は、対象システムに入力する風の風速変化を示すグラフである。
図8(b)は、風車パラメータK0,K1,K2の誤差を表す。また、図8(c)と(d)はそれぞれ回転速度の変化と出力電力の変化を示す。
図8(b)にあるように、初期状態では風車パラメータK0,K1,K2の誤差が大きいが、5秒経過して本発明における同定方法を適用するようになった後はパラメータ誤差が減少している。K1,K2の誤差は数%存在するが、特にK0の誤差は小さく管理されている。
図8(c)(d)に見られるように、回転速度と出力電力共に、初期状態では風車パラメータの初期誤差の影響で最適値との偏差が存在するが、5秒経過後は同定したパラメータを使用するため指令回転速度は最適速度とよく一致し、出力電力も最大電力点によく追従している。
本発明の風力発電装置の最大電力点追従制御方法および制御装置は、逐次計測した入出力の測定値に基づいて逐次形最小二乗推定法を用いてオンライン同定した風車パラメータを使って最適指令値を算出し、誘導発電機の速度制御をするので、風車パラメータに変動が生じたときにも、風力発電装置が常に最大電力点に追従するように運転することができる。本発明の最大電力点追従制御方法の性能はシミュレーションによって確認された。
なお、本明細書では風力発電装置の発電機を誘導発電機としたが、本発明の最大電力点追従制御方法は、ベクトル制御が適用できる永久磁石同期発電機などを使用する場合にも適用できる。また、増速機の有無に左右されないことはいうまでもない。
本発明の1実施例に係る最大電力点追従制御装置を備えた風力発電装置を表す主機構成図である。 本実施例の風車における風速毎の風車出力特性を表した図面である。 本実施例の風力発電装置の構成図である。 感度分析及びシミュレーションの対象とした風力発電装置の機器パラメータを示す表である。 感度分析において風車パラメータを1変数ずつ変化させたときに回転速度に与える影響を示すグラフである。 感度分析において風車パラメータを1変数ずつ変化させたときに出力電力に与える影響を示すグラフである。 モンテカルロシミュレーションの結果を示すグラフである。 本実施例の風力発電装置の最大電力点追従制御装置のシミュレーション結果を表すグラフである。
符号の説明
1 風車
2 増速機
3 誘導発電機
4 PWMコンバータ
5 PWMインバータ
6 電力系統
7 最大電力点追従制御装置
8 風速計
11 パラメータ同定器
12 最適速度設定器
13 速度制御器
14 減算器
15 比例係数器
16 座標変換器
17 電流制御器

Claims (3)

  1. 風力発電装置の入力出力測定値と風速情報を用いて逐次形最小二乗推定により運転中の風車の損失係数を同定し、同定した損失係数を用いて最大電力点に当たる最適回転速度を決定し、指定された最適回転速度を目標値として風力発電装置の制御を行うことを特徴とする風力発電装置の最大電力点追従制御方法。
  2. 風車の回転軸に発電機の回転軸を連結し、発電機の固定子にパルス幅調整(PWM)コンバータ装置を接続した風力発電装置において、前記発電機の回転子の回転位置と回転速度を測定する回転位置速度測定器と、該発電機の回転トルクを検出するトルク計と、風速を測定する風速計と、パラメータ同定器と、最適回転速度設定器と、速度制御器と電流制御器と座標変換器とを備えて、前記パラメータ同定器が入力した前記回転子の回転速度と回転トルクと前記風速に基づいて風車パラメータを算定して前記最適回転速度設定器に供給し、該最適回転速度設定器が前記風速と風車パラメータから最大電力点に当たる風車回転速度を算定して前記速度制御器の目標値として供給し、該速度制御器が前記発電機回転子の回転速度を入力し制御演算によりd−q軸電流指令値を算出して前記電流制御器に電流指令値として供給し、該電流制御器が前記座標変換器を介して入力されるd−q軸電流測定値について制御演算してd−q軸電圧指令値を算出して前記座標変換器を介して前記PWMコンバータ装置に電圧指令値として供給し、該PWMコンバータ装置が前記発電機の回転を制御することにより、風車の最大電力点を追従して風力発電を行うことを特徴とする風力発電装置の最大電力点追従制御装置。
  3. 前記パラメータ同定器が前記風車パラメータを逐次形最小二乗推定により逐次に求めることを特徴とする請求項2記載の風力発電装置の最大電力点追従制御装置。
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