JP2011022548A - 光走査装置と画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数の発光点を有する光源1から出射した各光束を整形する第1光学系のレンズ2〜5と、各光束を偏向走査する回転多面鏡6と、その偏向面6aで偏向走査された光束を被走査面13a上に結像させる走査光学系のレンズ8〜12を備え、上記各光束の主光線は偏向走査面内で走査光学系の光軸mに対しそれぞれ異なる角度を有して偏向面に入射し、β:偏向走査内面内で第1光学系の光軸nと光軸mのなす角度の半値、δ:光軸nと回転多面鏡の回転中心から偏向面に下ろした垂線とのなす角がβのとき、光軸nと上記偏向面との交点dcから上記垂線との交点hhまでの距離とし、δは、交点dcが交点hhに対して走査光学系側にある場合を正とするとき、δが零以下に構成されている。
【選択図】 図1
Description
従来、2本の光束を用いて、その2本のレーザ光束のそれぞれについて、走査対象面上で走査範囲の中心に達する状態において、レーザ光束の主光線が反射面の主走査方向の中心から光源部とは反対側に所定のシフト量ずれた位置で反射面と交差するように設定することにより、走査範囲の両端部での副走査方向のジッター量をほぼ一致させるようにした光走査装置(例えば、特許文献1参照)があった。
次に、図に基づいて、像面ずれとそれに起因する形成画像の劣化について詳しく説明する。
図10は、複数ビームを用いた従来の光走査装置(走査光学装置)の概略構成図であり、この光走査装置は、光源200が3個の発光点201,202,203を有している。
図中には、各発光点201,202,203からそれぞれ出射したビームの主光線(B1,B3,B5)を表している。
206は回転多面鏡、207は走査レンズ、208は被走査面である。
この従来の複数ビームを用いた光走査装置では、回転多面鏡206に入射するビームは偏向走査面内で回転多面鏡206の偏向面206aに対してそれぞれ異なった角度で入射する。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数の光束を被走査面に照射したときに生ずる像面ずれのアンバランスを抑制することを目的とする。
あるいは、上記光源は、複数の発光点が等間隔に1次元に配列された発光点列を等間隔に複数列配置した2次元アレイ光源であり、その各発光点列における各発光点の配列方向はそれぞれの発光点が出射する光束が上記回転多面鏡の偏向面の垂直方向に対して角度を有して入射するように配列されているようにしてもよい。
また、上記光源を、端面発光型半導体レーザアレイにするとよい。
あるいは、上記光源を、面発光レーザアレイにするとよい。
さらに、感光体と、その感光体の表面を帯電する帯電手段と、その帯電手段によって帯電された上記感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する光走査手段と、上記感光体上の静電潜像にトナーを付着してトナー像を形成する現像手段を含む現像ユニットを複数有し、上記各感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、上記記録媒体上のトナー像を定着する定着手段を備えた画像形成装置において、上記のような光走査装置を設けた画像形成装置を提供する。
〔実施例1〕
図1は、この発明の実施例1の光走査装置の概略構成図である。
図2は、図1に示すマルチビーム光源の発光点の配列を示す説明図である。
この光走査装置は、複写機,ファクシミリ装置,プリンタ,複合機を含む画像形成装置に搭載され、図1に示すように、複数の光束(マルチビーム)を用いて光記録するマルチビーム光源(以下単に「光源」と略称する)1を備えている。
また、各発光点A1〜A10の配列方向は、後述する回転多面鏡の偏向走査面の垂直方向(図2では縦軸方向)に対して所定の角度を有して配置されている。
この個々の発光点A1〜A10は、図1に示すコントローラ20からの画像データ信号14に従ってレーザドライバ15が発光駆動する。
この光源1には、例えば、端面発光半導体レーザアレイ,面発光半導体レーザアレイを含む半導体レーザアレイがある。
上記のような半導体レーザアレイは、光源の製作に半導体プロセスを利用することができるので、高い発光点位置精度を有する光源が実現できる。
その後、開口部材18を通過して、ビームエクスパンダを構成するレンズ3とレンズ4を介することで上記複数の略平行光束は光束径が変換される。
そして、シリンダレンズ5を経て偏向走査方向に長い複数の略線状に結像され、回転多面鏡(「光偏向素子」ともいう)6の偏向面(反射面)6aにより反射されて偏向走査される。
回転多面鏡6は、回転多面鏡窓(「光偏向素子窓」ともいう)16が取り付けられた回転多面鏡ハウジング(「光偏向素子ハウジング」ともいう)17内に格納されており、コントローラ20からの回転駆動制御信号21に基づき光偏向素子駆動回路22(「回転多面鏡駆動回路」ともいう)を介して回転駆動制御される。
上記カップリングレンズ2,レンズ3と4,及びシリンダレンズ5が第1光学系に相当する。
同図の(a)は主走査方向(偏向走査方向)の光束の挙動を、同図の(b)は副走査方向(偏向走査方向に垂直方向)の光束の挙動を、同図の(c)は主走査方向の光束の主光線の挙動を、同図の(d)は副走査方向の主光線の挙動をそれぞれ示す図である。
なお、煩雑を避けるために、同図の(a)、同図の(b)では1つの光束(この実施例では、光源1は偶数個の発光点を持つため、各発光点A1〜A10の中心(発光点A5とA6の中間)に仮想発光点Acを設定し、その発光点Acから発した光束にしている)のみ、同図の(c)、同図の(d)では両端の発光点A1,A10から発した光束の主光線に対応する30,32及び仮想発光点Acから発した光束の主光線である31のみ示している。
また、発光点数が奇数個の場合、発光点列中央に位置する発光点から発した主光線はカップリングレンズ2からシリンダレンズ5に至る回転多面鏡前レンズ系の光軸と一致する。なお,ここでの光軸とは回転多面鏡前に配置されている各レンズの入出射面形状を式によって表現するときに設定される原点を通る軸のことである。
この実施例のように、発光点数が偶数個の場合、発光点列の中央に仮想発光点があるものとして扱うことにする。
第1光学系であるカップリングレンズ2,レンズ3,レンズ4,シリンダレンズ5の焦点距離を、それぞれfCOL,fL1,fL2,fCYLとしたとき、光源1から回転多面鏡6までの各レンズの配置間隔は図3に示すように設定される。
Δ=0の場合は、回転多面鏡6の偏向面6aに略一致するのでマルチビームを用いた場合であっても偏向面6aのサイズは1本ビームの場合と同程度になり、不必要に回転多面鏡6のサイズを大きくしなくても済む。
なお、レンズ3とレンズ4で構成されるビームエクスパンダは、カップリングレンズ2の出射光束を拡大させる機能と回転多面鏡6に入射する主光線の交差角度を、図3の(c)に示す、カップリングレンズ2の出射光線の交差角度に対して浅い角度に変換させる機能を有している。
被走査面13a上の各々の結像スポット(図示を省略する)は、各々の結像スポットを変調することによりマルチビームによる光記録が行われる。
図1に示した光走査装置では、被走査面13aの一方の端部である走査開始端(印刷開始端部)の付近に光検出器23が設置されており、光記録が行われる際、光検出器23から最大の用紙サイズを有する印刷用紙24の光検出器23とは反対側の端部である走査終了端(印刷終了端部)までの範囲は、結像スポットの品質を保ちながら走査する必要がある。この範囲が有効走査幅26である。
この実施例の場合、走査レンズ群7は走査光学系に相当し、ガラス製のレンズ8〜11と、ガラス製レンズ11と被走査面13aの間に配置された透明樹脂製のレンズ12を含む5枚構成である。
上記光学系の各部の諸元を表1に示す。
上記カップリングレンズ2,レンズ3と4,シリンダレンズ5は全てガラス製である。
また、回転多面鏡6の偏向面6aから被走査面13aにおける走査レンズ群7の各レンズの諸元を表2に示す。
また、面番号(4)〜(13)が走査レンズ群7を構成する各レンズの面を示しており、面番号(4)と(5)はそれぞれ両側球面レンズ8の入射面8aと出射面8bを、面番号(6)と(7)はそれぞれ両側球面レンズ9の入射面9aと出射面9bを、面番号(8)と(9)はそれぞれトーリックレンズ10の入射面10aと出射面10bを示しており、面番号(8)の入射面10aは平面に、面番号(9)の出射面10bがトーリック面となっている。
また、面番号(12)と(13)はそれぞれ両側非球面レンズ12の入射面12aと出射面12bを示しており、副走査方向に負の屈折力を有している。
さらに、面番号(14)は被走査面13aを示している。
両側非球面レンズ12の入射面12aと出射面12bは、主走査方向をx、副走査方向をy、光軸方向をzとすると、次の数5,数6で表現される非球面形状をしている。
数5の右辺の第1項は基本的なトーリック形状を表し、右辺の第2項は基本形状に光軸非対称成分を付加する追加関数を表す。
数5中のPmnは表3に示した諸元で与えられる定数であり、これより両側非球面レンズ12の入射面12aと出射面12bの母線は光軸対称の非円弧曲線に、任意のyz断面における子線は光軸非対称の非円弧曲線になる。
図4は、回転多面鏡6の偏向面6aにおける主光線の入反射の様子を示した図である。
図中のRiは回転多面鏡6の内接円半径である。
2βは、回転多面鏡前レンズ系の光軸と走査光学系の光軸とのなす角度である。
Ωは、回転多面鏡前レンズ系の光軸から回転多面鏡前レンズ系から出射する複数の光束の主光線とのなす角度の最大値(この実施例では、仮想発光点Acから発した光束の主光線31と両端の発光点A1,A10から発した光束の主光線30,32とのなす角度)である。
Δは、回転多面鏡前レンズ系と回転多面鏡6の回転中心から回転多面鏡6の偏向面6aに下ろした垂線とのなす角がβのとき、回転多面鏡前レンズ系の光軸と回転多面鏡6の偏向面6aとの交点(点dc)から回転多面鏡前レンズ系を出射する複数の光束の主光線が交差する点(この実施例では、主光線30,31,32の交差する点:点x)までの距離である。
上記Ω,βは回転多面鏡前レンズ系の光軸(この実施例では主光線31と一致)を基準に反時計回りを正とする。
また、回転多面鏡6の回転角は、回転多面鏡前レンズ系の光軸と回転多面鏡6の回転中心から回転多面鏡6の偏向面6aに下ろした垂線とのなす角がβのときを基準とし、反時計回りを正とする。回転多面鏡6がこの基準位置にあるとき、走査レンズ群7への入射光線の画角を0度とする。
すなわち、図4中、回転多面鏡6がθ/2回転し、偏向面6aが偏向面′6aの状態になったときが画角θである。
この実施例では、図1に示すように、X′Y′Z′座標系をとると、像面上での光学特性を最適化するために、走査レンズ群7を構成する各レンズの光軸が負のX′方向にシフトして配置している。
このシフト量が、表1に記載した「走査レンズ中心ずらし量(δ)」であり、この実施例ではδ=−0.904mmとしている。
この値が、走査レンズ群7への画角0度の入射光線(の主光線)と走査レンズ群7の光軸との距離になる。
さて、このような構成をとる光走査装置において、主光線30,32の回転多面鏡6からの反射光線が画角θの方向に進行するには、回転多面鏡6の回転角が夫々θ/2の位置から±Ω/2だけ回転した位置になるため、各々の主光線で偏向面6aとの反射ポイントに差異が生じる。
回転多面鏡6での入射光束は副走査方向には収束光となっているため、この差異は被走査面13aにおける副走査方向の像面ずれの原因となる。
まず、主光線31は回転多面鏡6の回転角がθ/2となり偏向面6aが偏向面′6aになったときに、その反射光が画角θとなる。
このときの主光線31と偏向面6aの交点を点ccとすると、主光線を31とする光束が副走査方向に収束する収束点は点ccから反射光の進行方向に点ccから点dc間の距離だけ進んだ点ecとなる。
このとき、主光線31と偏向面6aの交点を点c1とすると、主光線を31とする光束が副走査方向に収束する収束点は点c1から反射光の進行方向に点c1から点d1間の距離だけ進んだ点e1となる。
同様にして、主光線32に関しても点c10、点d10、点e10が定まる。
主光線31を基準に考えると、図5におけるtc1,t10cが副走査方向の収束点のずれ量となり、同一画角での収束点のずれ量はtc1+t10cで表される。
なお、このずれ量は、Ri,Ωが大きいほど顕著になり、また、θが最大画角となったときに最も大きくなる。
例えば、走査レンズの副走査方向倍率をMとすると、上述の同一画角での収束点のずれ量tc1+t10cはM*M倍に拡大され、被走査面13aにおける副走査方向の像面ずれになる。
この像面ずれが走査域で非対称になると、走査開始端と走査終了端の走査両端で副走査方向の結像スポット径がアンバランスになり、横線の太さの違いやハーフトーン画像の濃度の違いなど、形成画像の品質劣化の原因にもなる。
点cc(ξ,η)={(Ri*(sin2β−sinβ*cos(β−θ/2))−δ*cosβ*cos(β−θ/2))/cos(β+θ/2),(Ri*(cos2β+sinβ*sin(β−θ/2))+δ*cosβ*sin(β−θ/2))/cos(β+θ/2)}
点ec(ξ,η)={−Ri*sin(β−θ)+2*Ri*sin(β−θ/2)−δ*cos(β−θ),−Ri*cos(β−θ)+2*Ri*cos(β−θ/2)+δ*sin(β−θ)}
点c1(ξ,η)={(Ri*(sin(2β−Ω)−sin(β−Ω)*cos(β−θ/2−Ω/2))−δ*cos(β−Ω)*cos(β−θ/2−Ω/2)−Δ*sinΩ*cos(β−θ/2−Ω/2))/cos(β+θ/2−Ω/2),(Ri*(cos(2β−Ω)−sin(β−Ω)*sin(β−θ/2−Ω/2))+δ*cos(β−Ω)*sin(β−θ/2−Ω/2)+Δ*sinΩ*sin(β−θ/2−Ω/2))/cos(β+θ/2−Ω/2)}
点e1(ξ,η)={Ri*(−sin(β−θ−Ω)+2sin(β−θ/2−Ω/2))−δ*cos(β−θ−Ω)−Δ*cos(θ+Ω)*tanΩ,Ri*(−cos(β−θ−Ω)−2cos(β−θ/2−Ω/2))+δ*sin(β−θ−Ω)−Δ*sin(θ+Ω)*tanΩ}
点c10(ξ,η)={(Ri*(sin(2β−Ω)−sin(β−Ω)*cos(β−θ/2−Ω/2))−δ*cos(β−Ω)*cos(β−θ/2−Ω/2)−Δ*sinΩ*cos(β−θ/2−Ω/2))/cos(β+θ/2−Ω/2),(Ri*(cos(2β−Ω)−sin(β−Ω)*sin(β−θ/2−Ω/2))+δ*cos(β−Ω)*sin(β−θ/2−Ω/2)+Δ*sinΩ*sin(β−θ/2−Ω/2))/cos(β+θ/2−Ω/2)}
点e10(ξ,η)={Ri*(−sin(β−θ−Ω)+2sin(β−θ/2−Ω/2))−δ*cos(β−θ−Ω)−Δ*cos(θ+Ω)*tanΩ,Ri*(−cos(β−θ−Ω)−2cos(β−θ/2−Ω/2))+δ*sin(β−θ−Ω)−Δ*sin(θ+Ω)*tanΩ}
点e1〜点ec間距離(tc1)=Ri*(cosβ−2*cos(β+θ/2)−cos(β−Ω)+2*cos(β+θ/2−Ω/2))−2*δ*sin(θ/2)*cos(β−Ω/2)−Δ*sinΩ*tanΩ
点e10〜点ec間距離(t10c)=Ri*(cosβ−2*cos(β+θ/2)−cos(β−Ω)+2*cos(β+θ/2−Ω/2))−2*δ*sin(θ/2)*cos(β−Ω/2)−Δ*sinΩ*tanΩ
これより、同一画角での収束点のずれ量tc1+t10cは下記となる。
tc1+t10c=|2*Ri*(sinβ*sinΩ−2*sin(β+θ/2)*sin(Ω/2))+2*δ*cosβ*sinΩ|
なお、回転多面鏡内接円半径(Ri)、回転多面鏡への入射角(2β)は正であり、また、一般に最大走査画角(θmax)は回転多面鏡入射主光線最大開き角(Ω)よりも遥かに大きいので、cos(θmax/2)<cos(Ω/2)となる。
即ち、数8のδは負となり、δが負側(零以下)にある方が像面ずれのアンバランスは抑制される。
δが数7,数8を超えて更に小さくなると像面ずれのアンバランスは逆転し、増大していく。
他方、回転多面鏡に入射ビームが回転多面鏡でけられない範囲で走査可能な正負の走査画角をθ−,θ+とすると,これらは次式で表される。
θ−=2π/N−2β+2sin−1[{(δ*cosβ+W)/Ri}+sinβ]*cos(π/N)
θ+=2π/N−2β−2sin−1[{(δ*cosβ+W)/Ri}−sinβ]*cos(π/N)
走査レンズの光学特性を有効に利用するためには走査画角の非対称性は大きくない方が望ましい。
ビームがけられない正負の走査画角範囲をバランスさせるには上記の2式を|θ−|=|θ+|とし、表1に記載の数値を代入してδに関して解くと、δ=1.991mmでθ−=−33.2度,θ+=33.2度が得られる。
一方、δ=−0.904mmと表1に記載の数値を用いると、θ−=−40.3度,θ+=26.8度となる。
これより、回転多面鏡でのビームのけられと像面ずれのアンバランスの抑制を両立させるためには、δが負側(零以下)でも次の数9を満足させる範囲が望ましい。
この実施例の光走査装置は、副走査方向の像面ずれは両側で等しく(ε=ε′)、走査域でバランスさせることができる。
また、被走査面における結像スポットの大きさを60μmのガウシアンビームとした場合、焦点深度内に抑えることができる。
上述の1次元アレイの光源1にすることにより、複数ビーム間の像面ずれの非対称性をより抑制することができる。
図8に示す光源は、10個の発光点A1〜A10を1次元に等間隔でそれぞれ配列した複数の光源列40〜42を、横軸に対して任意の角度を有し、縦軸方向に等間隔で配置した面発光半導体レーザアレイ(「2次元面発光半導体レーザアレイ」ともいう)である2次元アレイの例である。
このような2次元アレイでも上述と同様に実施することができ、複数ビーム間の像面ずれの非対称性をより抑制することができる。
また、上述の説明では走査レンズ群7は5枚レンズ構成の場合を示したが、その枚数はこれに限るものではない。
また、有効走査域での副走査方向の像面ずれを抑制することができる。
さらに、走査両端で生じる副走査方向の像面ずれの非対称性を無くすことにより、走査全域でバランスをとることができる。
実施例1に示した光走査装置を、プリンタ,複写機,ファクシミリ装置,複合機などの画像形成装置に適用すれば、走査開始側と走査終了側の走査両端で生じる偏向走査方向に対して垂直方向の複数ビーム間の像面ずれの非対称性を抑制し、その画像形成装置における形成画像の高画質化を図ることができる。
そこで、実施例2では、実施例1に示した光走査装置を搭載した画像形成装置について説明する。
同図に示すように、画像形成装置50は、プリンタ,複写機,ファクシミリ装置などの画像形成装置であり、帯電装置51により帯電された感光体ドラム52の表面に、光走査装置53からレーザ光を照射して静電潜像を形成する。光走査装置53は、実施例1に示した光走査装置と同じ構成である。
その際、レーザ光は感光体ドラム52の表面の方線に対して所定の入射角で感光体ドラム52の表面を照射する。
上述のようにして静電潜像を形成された感光体ドラム52を時計回り方向に回転して、現像装置54により静電潜像をトナーで現像してトナー像にする。
定着装置60は、プレヒータ61,ヒートローラ62並びにバックアップローラ63などから構成されており、それらのローラによってウェブ56に対して加熱と圧力をかけてウェブ56上のトナー像を定着する。このようにして、ウェブ56上への画像形成が完了する。
すなわち、上記帯電装置51が感光体ドラム52の表面を帯電する帯電手段に相当し、上記感光体ドラム52が感光体に相当し、上記光走査装置53が帯電装置51によって帯電させた感光体ドラム52の表面に光を照射して静電潜像を形成する光走査手段に相当する。
また、上記現像装置54が感光体ドラム52上の静電潜像にトナーを付着してトナー像を形成する現像手段に相当し、上記転写装置55が感光体ドラム52上のトナー像をウェブ(記録媒体)56上に転写する転写手段に相当し、上記定着装置60がウェブ56上のトナー像を定着する定着手段に相当する。
この実施例2の画像形成装置50によれば、上述した実施例1の光走査装置を搭載しているので、走査開始側と走査終了側の走査両端で生じる偏向走査方向に対して垂直方向の複数ビーム間の像面ずれの非対称性を抑制することができ、形成画像の高画質化を図ることができる。また、環境安定性に優れた高画質の画像形成が実現できる。
〔実施例3〕
図12には、この発明の実施例の光走査装置を4個用いた画像形成装置の構成例を示す。
図12に示す320〜323はこの発明の実施例の光走査装置に相当する。
また、324〜327は現像ユニットであり、それぞれ感光体ドラムと、その感光体ドラムの表面を帯電する帯電装置と、その帯電装置によって帯電された感光体ドラムの表面に光を照射して静電潜像を形成する光走査装置と、感光体ドラム上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像器を含んでいる(以上の各部については公知なので符号を付して説明することは省略する)。
これらの現像ユニット324〜327は、それぞれ垂直方向に配置されており、各現像ユニット324〜327は、例えば、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの画像形成を司る。
そして、各現像ユニット324〜327の感光ドラム上にそれぞれ形成された各色のトナー像はベルト状の中間転写体328へ転写されて重ね合わせられることにより、フルカラーのトナー像となり、さらに転写器329により記録紙(画像記録用紙)330へ転写され、公知なので図示を省略した定着装置によって定着され、記録紙330上にフルカラー画像が形成される。
このように、この発明の実施例の光走査装置は、複写機,ファクシミリ装置,プリンタ,複合機を含む画像形成装置に適用することができる。
51:帯電装置 52:感光体ドラム 53:光走査装置 54:現像装置 55:転写装置 56:ウェブ 57:搬送装置 58:搬送装置 59:搬送装置 60:定着装置 61:プレヒータ 62:ヒートローラ 63:バックアップローラ 200:光源 201〜203:発光点 204:レンズ 205:シリンダレンズ 206:回転多面鏡 207:走査レンズ 208:被走査面 320,321,322,323:光走査装置 324,325,326,327:現像ユニット 328:中間転写体 329:転写器 330:記録紙 A1〜A10:発光点
Claims (9)
- 複数の発光点を有する光源と、該光源から出射した複数の光束を整形する第1光学系と、該第1光学系から出射された複数の光束を偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡の偏向面で偏向走査された光束を被走査面上に結像させる走査光学系とを備えた光走査装置において、
前記第1光学系から出射された複数の光束の主光線は、前記回転多面鏡の偏向走査内面内で前記走査光学系の光軸に対してそれぞれ異なる角度を有して前記回転多面鏡の偏向面に入射しており、
β:偏向走査内面内で前記第1光学系の光軸と前記走査光学系の光軸のなす角度の半値、δ:前記第1光学系の光軸と前記回転多面鏡の回転中心から前記回転多面鏡の偏向面に下ろした垂線とのなす角が前記βのとき、前記第1光学系の光軸と前記回転多面鏡の偏向面との交点dcから前記回転多面鏡の回転中心から前記回転多面鏡の偏向面に下ろした垂線との交点hhまでの距離、と定義し、
前記交点dcが前記交点hhに対して前記走査光学系側にある場合を正とするとき、前記δが零以下となるようにしたことを特徴とする光走査装置。 - 複数の発光点を有する光源と、該光源から出射した複数の光束を整形する第1光学系と、該第1光学系から出射された複数の光束を偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡の偏向面で偏向走査された光束を被走査面上に結像させる走査光学系とを備えた光走査装置において、
前記第1光学系から出射された複数の光束の主光線は、前記回転多面鏡の偏向走査内面内で前記走査光学系の光軸に対してそれぞれ異なる角度を有して前記回転多面鏡の偏向面に入射しており、
Ri:前記回転多面鏡の内接円半径、β:偏向走査内面内で前記第1光学系の光軸と前記走査光学系の光軸のなす角度の半値、Ω:前記第1光学系から出射する複数の光束の主光線と前記第1光学系の光軸とのなす角度の最大値、δ:前記第1光学系の光軸と前記回転多面鏡の回転中心から前記回転多面鏡の偏向面に下ろした垂線とのなす角が前記βのとき、前記第1光学系の光軸と前記回転多面鏡の偏向面との交点dcから前記回転多面鏡の回転中心から前記回転多面鏡の偏向面に下ろした垂線との交点hhまでの距離、θmax−:前記第1光学系の光軸を通る光束又は仮想光束の主光線に関し、前記走査光学系への負側像高における最大走査画角、θmax+:前記第1光学系の光軸を通る光束又は仮想光束の主光線に関し、前記走査光学系への正側像高における最大走査画角、と定義し、
前記交点dcが前記交点hhに対して前記走査光学系側にある場合を正とするとき、前記δが数1を満足するようにしたことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
- 複数の発光点を有する光源と、該光源から出射した複数の光束を整形する第1光学系と、該第1光学系から出射された複数の光束を偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡の偏向面で偏向走査された光束を被走査面上に結像させる走査光学系とを備えた光走査装置において、
前記第1光学系から出射された複数の光束の主光線は、前記回転多面鏡の偏向走査内面内で前記走査光学系の光軸に対してそれぞれ異なる角度を有して前記回転多面鏡の偏向面に入射しており、
Ri:前記回転多面鏡の内接円半径、β:偏向走査内面内で前記第1光学系の光軸と前記走査光学系の光軸のなす角度の半値、Ω:前記第1光学系から出射する複数の光束の主光線と前記第1光学系の光軸とのなす角度の最大値、δ:前記第1光学系の光軸と前記回転多面鏡の回転中心から前記回転多面鏡の偏向面に下ろした垂線とのなす角が前記βのとき、前記第1光学系の光軸と前記回転多面鏡の偏向面との交点dcから前記回転多面鏡の回転中心から前記回転多面鏡の偏向面に下ろした垂線との交点hhまでの距離、θmax−:前記第1光学系の光軸を通る光束又は仮想光束の主光線に関し、前記走査光学系への負側像高における最大走査画角、θmax+:前記第1光学系の光軸を通る光束又は仮想光束の主光線に関し、前記走査光学系への正側像高における最大走査画角、と定義し、
前記交点dcが前記交点hhに対して前記走査光学系側にある場合を正とするとき、前記δが数2を満足するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の光走査装置。
- 前記光源は、複数の発光点が等間隔に1次元に配列されたアレイ光源であり、その各発光点の配列方向はそれぞれの発光点が出射する光束が前記回転多面鏡の偏向面の垂直方向に対して角度を有して入射するように配列されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光走査装置。
- 前記光源は、複数の発光点が等間隔に1次元に配列された発光点列を等間隔に複数列配置した2次元アレイ光源であり、その各発光点列における各発光点の配列方向はそれぞれの発光点が出射する光束が前記回転多面鏡の偏向面の垂直方向に対して角度を有して入射するように配列されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記光源は、端面発光型半導体レーザアレイであることを特徴とする請求項4又は5記載の光走査装置。
- 前記光源は、面発光レーザアレイであることを特徴とする請求項5項記載の光走査装置。
- 感光体と、該感光体の表面を帯電する帯電手段と、該帯電手段によって帯電された前記感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する光走査手段と、前記感光体上の静電潜像にトナーを付着してトナー像を形成する現像手段を含む現像ユニットと、前記感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上のトナー像を定着する定着手段を備えた画像形成装置において、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光走査装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
- 感光体と、該感光体の表面を帯電する帯電手段と、該帯電手段によって帯電された前記感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する光走査手段と、前記感光体上の静電潜像にトナーを付着してトナー像を形成する現像手段を含む現像ユニットを複数有し、前記各感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光走査装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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