JP2002174786A - 光記録装置 - Google Patents

光記録装置

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JP2002174786A
JP2002174786A JP2000374405A JP2000374405A JP2002174786A JP 2002174786 A JP2002174786 A JP 2002174786A JP 2000374405 A JP2000374405 A JP 2000374405A JP 2000374405 A JP2000374405 A JP 2000374405A JP 2002174786 A JP2002174786 A JP 2002174786A
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optic modulator
imaging lens
diffraction grating
acousto
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Yasuyuki Shibayama
恭之 柴山
Keiji Kataoka
慶二 片岡
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Koki Holdings Co Ltd
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Hitachi Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集光用レンズから出射した各々のレーザビーム
を音響光学変調器上に集光した際、その集光スポット列
に曲がりを生じさせないこと。また、それらの音響光学
変調器上の集光スポットを被走査面上に結像して複数ビ
ーム走査する際に、走査線間隔に誤差が生じない光記録
装置を提供することにある。 【解決手段】マルチチャネル音響光学変調器の各チャネ
ルがほぼ水平に配列されるようにマルチチャネル音響光
学変調器(1-10)を光路上に設けた光記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録装置に関す
るものであり、特に複数のレーザ光を変調走査すること
で光記録を行うレーザプリンタや複写機等の光記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術の一例として特開平10−19
7837号公報に記載されている構成を取り上げて図1
6を用いて説明する。特開平10−197837号公報
に記載のマルチチャンネル光変調装置は、レーザ光源2-
1から出射したレーザビーム2-2をビームエキスパンダ2-
3を介し、互いに角度θだけ離隔した5本のレーザビー
ム2-4〜2-8に分岐させる回折格子2-9と、回折格子2-9よ
り出射するレーザビーム2-4〜2-8を互いに平行とし集光
させる集光用レンズ2-10と、集光用レンズ2-10から出射
するレーザビーム2-11〜2-15を各々独立して変調する5
チャンネルの音響光学変調器2-16とを備えている。
【0003】集光用レンズ2-10と回折格子2-9、および
集光用レンズ2-10と音響光学変調器2-16は、各々、集光
用レンズ2-10の焦点距離f2-10だけ離隔して配置されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のマルチ
チャンネル光変調装置おいては、回折格子2-9で分岐さ
れた回折光2-4〜2-8の集光用レンズ2-10への入射条件が
定量的に何も明記されていない。また、音響光学変調器
出射後の光学系に関しても何ら言及していない。このた
め、場合によっては集光用レンズ2-10から出射したレー
ザビーム2-11〜2-15を音響光学変調器2-16上に集光した
際、その集光スポット列に曲がりが生じることがあるた
め、音響光学変調器2-16の音響光学結晶内部で光変調す
るために用いる超音波が、各々の集光スポットに到達す
るまでに時間的な遅延が生じたり、また、音響光学変調
器2-16後に配置される感光材料上を複数のビームで走査
する際に、その走査線間隔に誤差が生じてしまうという
不具合がある。
【0005】本発明の目的は、集光用レンズから出射し
た各々のレーザビームを音響光学変調器上に集光した
際、その集光スポット列に曲がりを生じさせないこと。
また、それらの音響光学変調器上の集光スポットを被走
査面上に結像して複数ビーム走査する際に、走査線間隔
に誤差が生じない光記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、レーザ光
を発生させる光源と、前記光源が発したレーザ光を複数
本の回折光に分割する光透過型回折格子と、前記光透過
型回折格子側から送られてくる前記複数本の回折光を変
調するマルチチャネル音響光学変調器と、前記光透過型
回折格子および前記マルチチャネル音響光学変調器間に
おける光路上に設けられた結像レンズと、前記マルチチ
ャネル音響光学変調器側から送られてくる複数本のレー
ザ光を被走査面に対し一定方向に走査させる回転多面鏡
とを含み、前記結像レンズの前側焦点位置に前記光透過
型回折格子を配置し、前記結像レンズの後側焦点位置に
前記マルチチャネル音響光学変調器を設置した光記録装
置において、前記マルチチャネル音響光学変調器の各チ
ャネルが、ほぼ水平に配列されるように前記マルチチャ
ネル音響光学変調器を前記光路上に設けることにより達
成される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。
【0008】図2は本発明の実施例の光記録装置を示す
全体模式図であり、光学系を伝搬するビームの主光線が
示してある。まず、光源1-1から出射したレーザ光1-2
は、光透過型回折格子1-3に入射する。この光透過型回
折格子1-3は、石英ガラスあるいは他の光学ガラス部材
を用いた平板ガラス上に作製されている。入射したビー
ム光1-2は透過型回折格子1-3により複数の回折光に分岐
された後、結像レンズ1-9により各々のビームがマルチ
チャネル音響光学変調器1-10上に絞りこまれる。
【0009】図中、使用する回折光の最高次数は+2次
光から−2次光までの5本ビーム(1-4〜1-8)としてい
る。この際、後に詳述するように光透過型回折格子1-
3、結像レンズ1-9およびマルチチャネル音響光学変調器
1-10の配置関係は、結像レンズ1-9の前側焦点位置に光
透過型回折格子1-3を、結像レンズ1-9の後側焦点位置に
マルチチャネル音響光学変調器1-10を設置している。
【0010】また、マルチチャネル音響光学変調器1-10
のチャネル配列方向は、後述する回転多面鏡1-19の回転
面内、すなわちマルチビーム光走査装置の主走査面内と
平行に配置しており、マルチチャネル音響光学変調器1-
10上に絞りこまれる結像スポット列は主走査面内に一列
に配列される。
【0011】マルチチャネル音響光学変調器1-10は、印
刷情報信号(図示せず)に従ってマルチチャネル音響光
学変調器1-10内の音響光学結晶上に設けられたトランス
デューサから超音波信号が伝わり、結晶中に絞りこまれ
た各々の結像スポットを光変調する。この時、図1およ
び図4に示すように、マルチチャネル音響光学変調器1-
10で変調されマルチチャネル音響光学変調器1-10を出射
するビームが、回転多面鏡1-19の回転面内、すなわち主
走査面内に出射するように、結像レンズ1-9を出射後の
複数の回折光が形成する面と回転多面鏡の回転面内、す
なわちマルチビーム光走査装置の主走査面内とのなす角
度(図中ではφincident)が設定される。
【0012】マルチチャネル音響光学変調器1-10を出射
した光1-11〜1-15はレンズ1-16により各ビームが平行光
となり、ダブプリズム1-29、シリンダレンズ1-18を透過
後、回転多面鏡1-19を照射し、走査レンズ1-20を透過し
た後、光感光部材である感光ドラム1-21に結像され走査
する。この際、感光ドラム1-21上に結像された複数の結
像スポット1-24〜1-28は、各々の結像スポットが形成す
る走査線が互いに密着するように斜め角度をもって走査
している。この斜め角度はダブプリズム1-29を光軸回り
に回転することによって調整される。
【0013】シリンダレンズ1-18は回転多面鏡1-19の回
転時の揺動による光走査線のずれをなくすためのもの
で、各々のビームを回転多面鏡1-18上に縦方向に絞り込
んでいる。
【0014】図3と図4が図2に示した光学系の部品配
置位置を示す図で、図3は光記録装置を構成する光学系
の内、回転多面鏡1-19の回転面内からみた光学系、すな
わち感光ドラム1-21上で主走査方向の光学系である。図
4はそれとは垂直方向からみた光学系、すなわち副走査
方向の光学系である。なお、煩雑をさけるために光透過
型回折格子1-3で分岐される回折光は外側の2本のみ描画
して、他は省略してある。
【0015】図3、図4において、結像レンズ1-9の焦
点距離をf1-9(mm)、レンズ1-16の焦点距離をf
1-16(mm)、シリンダレンズ1-18の焦点距離をf
1-18(mm)とするとき、光透過型回折格子1-3と結像レ
ンズ1-9の間隔、および結像レンズ1-9とマルチチャネル
音響光学変調器1-10の間隔がf1-9、また、マルチチャ
ネル音響光学変調器1-10とレンズ1-16との間隔がf1-16
で配置されており、マルチチャネル音響光学変調器1-10
を介して結像レンズ1-9とレンズ1-16とでビーム拡大器
を構成している。レンズ1-16と回転多面鏡1-19の間隔
は、ほぼf1-16の距離に配置されている。このように配
置することによって、図3の主走査方向の光学系では、
光透過型回折格子1-3により回転多面鏡1-19の回転面内
方向に分岐された各レーザ光の主光線はレンズ1-9出射
後に平行となり、マルチチャネル音響光学変調器1-10を
通過後、レンズ1-16を照射する。その後、レンズ1-16を
出射した各ビームの主光線は回転多面鏡1-19上で概略一
致するので、回転多面鏡1-19でのビームのケラレ量を小
さく抑えることができる。
【0016】次に、図3と図4において、光透過型回折
格子1-3で分岐された後の、各々のレーザ光1-4〜1-8に
ついて説明する。マルチチャネル音響光学変調器1-10上
に絞られたビームのスポット径をδ(mm)、各スポット
の間隔をd(mm)とすると、レンズ1-16出射後のビーム
径D(mm)は、 D=4λf1-16/(πδ) …(1) で表される平行光となる。ここで、λ(mm)は光の波長
である。
【0017】つぎに、図4の副走査方向の光学系におけ
るレーザ光について説明する。副走査方向の光学系で
は、各ビームの主光線はレーザ光源1-1出射後から回転
多面鏡1-19まで、ほぼ光軸と一致している。また、各ビ
ームのビーム径についてもレンズ1-16を出射し、ビーム
径D=4λf1-16/(πδ)(mm)の平行光になるとこ
ろまでは図3の光学系と同じであるが、レンズ1-16を出
射した光はシリンダレンズ1-18により回転多面鏡1-19上
に絞りこまれる。このときのスポット径をδ′(mm)と
すると、 δ′=(f1-18/f1-16)δ …(2) で表される。従って、回転多面鏡1-19の反射面には、図
5のように横幅D(mm)、縦幅δ′(μm)の光スポット
が形成される。
【0018】つぎに、回転多面鏡1-19で反射した光は走
査レンズ1-20により感光ドラム1-21上に結像する。この
とき、走査レンズ1-20の焦点距離をfF Θ(mm)とする
と、図14に示すように、感光ドラム1-21上での結像ス
ポット径ωx、ωy、各結像スポットの間隔d′、結像
スポットの斜め配置角度Ψは次式で表される。 ωx=(fF Θ/f1-16)δ …(3) ωy=mδ′=m(f1-18/f1-16)δ …(4) d′≒(fF Θ/f1-16)d …(5) Ψ=sin-1(ε/d′) …(6) ここで、ωxは走査方向の結像スポット径、ωyは副走
査方向の結像スポット径、εは感光ドラム上の隣接する
走査線間隔である。
【0019】さて、ここで、以上説明した光学系の各変
数に具体的な数値を代入して600dpi(dot/inch)
の印刷密度をもつマルチビーム光記録装置を考えてみ
る。マルチチャネル音響光学変調器1-10上に絞られたビ
ームのスポット径をδ=50μm、各ビームのスポット
間隔をd=1.5mm、結像レンズ1-9の焦点距離をf1-
9=100mm、レンズ1-16の焦点距離をf1-16=20
0mm、シリンダレンズ1-18の焦点距離をf1-18=10
0mm、走査レンズ1-20の焦点距離をfF Θ=200m
m、走査レンズ1-20の倍率をm=2倍とすると、感光ド
ラム1-21上での各結像スポット径は、ωx=50μm、
ωy=50μm、d′=1.5mmとなる。また、感光
ドラム上1-21上の隣接する走査線間隔は1/600inch
=42.3μmであるから、Ψ=1.617(deg)とな
る。
【0020】次に、上記した構成をもつ光記録装置にお
いて、レーザ光の分岐・変調を行う、光透過型回折格子
1-3、結像レンズ1-9、マルチチャネル音響光学変調器1-
10の部分について詳しく説明する。図1に示すように光
透過型回折格子1-3で分岐される複数の回折光のうち1-8
の−2次回折光から1-4の+2次回折光までの5本ビー
ムを使用するものとし、結像レンズ1-9の入射側主面内
における座標系(xyz)および各軸回りの回転角(α
βγ)、また、マルチチャネル音響光学変調器1-10の配
置位置における座標系(x'y'z')および各軸回りの
回転角(α'β'γ')を図中のように決めることにす
る。なお、回転角は各軸に対して時計回り方向を正にと
ることにする。
【0021】先に延べたように、光透過型回折格子1-
3、結像レンズ1-9、マルチチャネル音響光学変調器1-10
の部分の光学系において、結像レンズ1-9を出射後の複
数の回折光が形成する面と回転多面鏡の回転面内とのな
す角度(図中のφincident)は、マルチチャネル音響光
学変調器1-10で変調され、マルチチャネル音響光学変調
器1-10を出射するビームが回転多面鏡の回転面内に出射
するようにφincidentが設定される。
【0022】このように、マルチチャネル音響光学変調
器1-10に対して斜入射させる光学系を実現するための配
置案の一つとして図15に示すように、レーザ光源1-1
から出射したレーザ光1-2の光軸に対して垂直方向に、
光透過型回折格子1-3、結像レンズ1-9の入射面を配置す
る方法がある。しかし、マルチチャネル音響光学変調器
1-10の音響光学結晶材質として良く使用される二酸化テ
ルル(TiO2)、搬送周波数200(MHz)を用いた場合
を考えてみると、マルチチャネル音響光学変調器1-10へ
の入射角φincidentは、φincident=1〜2(deg)と
小さな値になる。このため、機械精度で精度良く光透過
型回折格子1-3、結像レンズ1-9の配置位置、配置角度を
設定することは難しく、レーザ光1-2の光軸を正確に結
像レンズ1-9の中心に一致させて垂直入射させることが
難しい。
【0023】そこで、結像レンズ1-9に入射するビーム
の角度ずれ、位置ずれに対する影響を考え、この部分の
配置構成を考えることにする。図6に示すように、光透
過型回折格子1-3で分岐され、結像レンズ1-9に入射する
回折光が入射角度α(回折光は複数発生するので、回折
格子をそのまま透過してくる0次回折光をもって入射角
を定義することにする)と入射高さ誤差H(これも便宜
上0次回折光と結像レンズ中心との位置ずれ量をもって
入射高さ誤差を定義することにする)がない場合、マル
チチャネル音響光学変調器1-10の配置位置上で集光され
た結像スポットは一直線上に等間隔で配列れさる。
【0024】しかし、図7、図8に示すように入射ビー
ムが入射角度α(図7はα<0、H=0の場合である)
を有したり、入射高さ誤差H(図8はα=0、H>0の
場合である)を有する時には、マルチチャネル音響光学
変調器1-10の配置位置上で集光された結像スポットが
y'軸正方向に凸型に曲がった結像スポット列になって
しまう。先述したように光記録装置の光学系は、マルチ
チャネル音響光学変調器1-10の配置位置上に集光された
結像スポット列をその後の光学系を用いて感光ドラム1-
21上に結像しているので、この部分での結像スポット列
が湾曲してしまうと図1-9に示すように、感光ドラム1-2
1上に結像させた光スポットを走査した際、その走査線
に走査線間隔誤差が生じ光記録画像の劣化の原因にな
る。図17〜図19、図20〜図22は光線追跡プログ
ラムを用いて結像レンズ1-9に入射する回折光が図10
に示すように入射角度α(rad)を有する場合(図17〜
図19)および図11に示すように入射高さ誤差H(m
m)を有する場合(図20〜図22)の各々における0
次〜3次回折光の各ビーム結像点位置をマルチチャネル
音響光学変調器1-10上のスポット間隔をd=1.5mm
とし、レンズ1-9の焦点距離がf1-9=60、330、6
00(mm)の3種類についてシュミレーションした結果
である。
【0025】図17と図20は0次回折光と1次回折
光、図18と図21は0次回折光と2次回折光、図19
と図22は0次回折光と3次回折光の結像位置座標をそ
れぞれ計算した結果を示している。なお、今回シュミレ
ーションに用いた結像レンズ1-9は両凸レンズとした。
また、これらの図において、0次回折光の結像点位置を
基準にしたy軸方向の各回折光の結像位置を実際の曲が
り量として表記してある。0次〜−3次回折光について
はy軸対称になる。これより、結像レンズ1-9に入射す
る回折光が入射角度と入射高さ誤差が大きくなればなる
ほど結像点位置における結像スポット列の曲がりが大き
くなることが分かる。また、高次の回折光になればなる
ほどその曲がり量も大きくなることがわかる。
【0026】結像レンズ1-9に入射する回折光に入射角
度と入射高さ誤差があった場合でも、マルチチャネル音
響光学変調器位置における結像スポット列の曲がりを小
さくするための方策の1つとしては結像レンズ1-9を改良
して組み合わせレンズにする方法があるが構成が複雑に
なり、またコストもアップするという欠点がある。
【0027】このため、上記した入射角度と入射高さ誤
差に対する結像スポット曲がり特性を巧く利用して、結
像スポット列の曲がりをキャンセルさせる方法がが有用
であることがわかる。例えば、結像レンズ1-9に入射す
る回折光が正の入射角度(α>0)を有するためにy軸
正方向に凹型に曲がった結像スポット列は、結像レンズ
1-9に入射する回折光の入射高さ誤差をy軸の正方向
(H>0)に補正することによって結像スポット列の曲
がりを修正することができる。つまり、特定の入射角と
入射光高さ誤差の組み合わせの条件内なら結像スポット
列の曲がりのない光学系が実現できる。
【0028】そこで、図17〜図19、図20〜図22
中に示すように、レンズ1-9に入射する回折光が入射角
度αと入射高さ誤差Hを有する場合におけるマルチチャ
ネル音響光学変調器1-10上の結像スポット列の曲がり量
を、回折格子の回折次数、および結像レンズ1-9の焦点
距離に依らず定量的に把握するために、次式で表される
入射角度α(rad)に対する規格量μ(mm2)、および入射
高さ誤差Hに対する規格量ν(mm3)を設定する。 μ=(u×f1-9)/m2 …(7) ν=(v×f1-9 2)/m2 …(8) ここで、u(mm)は入射角度α(rad)に対する実際の曲
がり量、v(mm)は入射高さ誤差H(mm)に対する実際
の曲がり量である。
【0029】図11は入射角度α(rad)に対する規格量
μ(mm2)を、図12は入射高さ誤差H(mm)に対する
規格量ν(mm3)をプロットしたグラフを示している。
これらのグラフより、αとμ、Hとνは、回折次数、結
像レンズ1-9焦点距離に依らず線形であり、次式の関係
が成り立つことがわかる。 μ=c1×α≒0.763×α (但し、c1は定数) …(9) ν=c2×H≒−2.640×H (但し、c1は定数) …(10) 式(7)〜(10)より実際の曲がり量u、vは、 u=(0.763×m2×α/f1-9) …(11) v=(−2.640×m2×H/f1-9 2) …(12) と表される。従って、 |u+v|=|(m2/f1-9)×(0.763×α−2.640×H/f1-9)|= 0 …(13) が満足するようにα、Hの組み合わせを設定すればマル
チチャネル音響光学変調器1-10上の結像スポット列の曲
がり量が互いにキャンセルされて零にすることができる
が、実際には光路の調整誤差などにより完全に零にはで
きないので、目安としてマルチチャネル音響光学変調器
1-10上の結像スポット径δ(mm)以下、つまり、 |(m2/f1-9)×(0.763×α−2.640×H/f1-9)|<δ …(14 ) を満足するようにすれば少なくとも感光ドラム上で隣接
する走査線と重なることは防ぐことができ、印刷品質の
劣化を抑えることができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、結
像レンズから出射した各々のレーザビームをマルチチャ
ネル音響光学変調器上に集光した際、その集光スポット
列には曲がりが生じない。従って、マルチチャネル音響
光学変調器上の集光スポット列を被走査面上に結像して
複数ビーム走査する際にも、その走査線間隔に誤差が生
じることがなく良好な光記録を維持することが可能な光
記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録装置の光学系の部分拡大図。
【図2】本発明の光記録装置の全体模式図。
【図3】本発明の光記録装置の走査方向の光学系図。
【図4】本発明の光記録装置の副走査方向の光学系図。
【図5】本発明の光記録装置光学系の回転多面鏡部分の
詳細図。
【図6】本発明の光記録装置の光学系の部分拡大図。
【図7】本発明の光記録装置の光学系の部分拡大図。
【図8】本発明の光記録装置の光学系の部分拡大図。
【図9】本発明の光記録装置における被走査面上での結
像スポットの曲がりの影響に関する説明図。
【図10】結像レンズへの入射角と入射高さ誤差に関す
る説明図。
【図11】結像レンズへの入射角と入射高さ誤差に関す
る説明図。
【図12】結像レンズへの入射角と入射高さ誤差に対す
る規格量の関係を示す説明図。
【図13】結像レンズへの入射角と入射高さ誤差に対す
る規格量の関係を示す説明図。
【図14】本発明の光記録装置における感光ドラム上で
の結像スポット列を示す説明図。
【図15】本発明の光記録装置における光透過型回折格
子、結像レンズ、マルチチャネル音響光学変調器部分の
配置関係の説明図。
【図16】従来技術を示す模式図。
【図17】0次回折光と1次回折光の結像位置座標の関
係を示す説明図。
【図18】0次回折光と2次回折光の結像位置座標の関
係を示す説明図。
【図19】0次回折光と3次回折光の結像位置座標の関
係を示す説明図。
【図20】0次回折光と1次回折光の結像位置座標の関
係を示す説明図。
【図21】0次回折光と2次回折光の結像位置座標の関
係を示す説明図。
【図22】0次回折光と3次回折光の結像位置座標の関
係を示す説明図。
【符号の説明】
1-1…光源、1-2…レーザ光、1-3…光透過型回折格子、1
-4〜1-8…回折光、1-9…結像レンズ、1-10…音響光学変
調器、1-11〜1-15…音響光学変調器出射光、1-16…レン
ズ、1-17…平面ミラー、1-18…シリンダレンズ、1-19…
回転多面鏡、1-20…走査レンズ、1-21…感光ドラム、1-
22…ビームディテクタ、1-23…走査方向、1-24〜1-28…
結像スポット、1-29…ダブプリズム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 AA42 BA58 BA59 BA61 BA86 BB14 DA03 2H045 AA01 BA26 BA33 CB65 DA02 2H049 AA02 AA12 AA45 AA55 2H079 AA04 CA21 GA04 HA11 KA01 KA08 5C072 AA03 BA17 CA06 DA21 DA23 HA02 HA06 HA13 HA16 HB06 JA07 XA05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発生させる光源と、前記光源
    が発したレーザ光を複数本の回折光に分割する光透過型
    回折格子と、前記光透過型回折格子側から送られてくる
    前記複数本の回折光を変調するマルチチャネル音響光学
    変調器と、前記光透過型回折格子および前記マルチチャ
    ネル音響光学変調器間における光路上に設けられた結像
    レンズと、前記マルチチャネル音響光学変調器側から送
    られてくる複数本のレーザ光を被走査面に対し一定方向
    に走査させる回転多面鏡とを含み、前記結像レンズの前
    側焦点位置に前記光透過型回折格子を配置し、前記結像
    レンズの後側焦点位置に前記マルチチャネル音響光学変
    調器を設置した光記録装置において、前記マルチチャネ
    ル音響光学変調器の各チャネルが、ほぼ水平に配列され
    るように前記マルチチャネル音響光学変調器を前記光路
    上に設けたことを特徴とする光記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光記録装置において、前
    記光透過型回折格子にて発生した複数本の回折光を、下
    式の条件を満たす範囲で前記結像レンズに入射させると
    ともに、前記結像レンズ出射後の複数本の回折光が形成
    する面と前記回転多面鏡の回転面内とのなす角度を、前
    記マルチチャネル音響光学変調器にて回折されるビーム
    が前記回転多面鏡の回転面内に出射する角度に設定した
    ことを特徴とする光記録装置。 |(m×m/f)×(0.763×α−2.640×H/
    f)|<δ 但し、αは光透過型回折格子で回折した0次回折光の結
    像レンズへの入射角度(rad)、Hは光透過型回折格子で
    回折した0次回折光の結像レンズへの入射位置と結像レ
    ンズ中心との距離(mm)、mは光透過型回折格子で分岐し
    た回折光の内、使用する最高次回折光の次数の絶対値、
    fは結像レンズの焦点距離(mm)、δはマルチチャネル音
    響光学変調器上での各回折光のビーム径(mm)である。
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