JP2005091930A - 光走査装置用光学系・光走査装置および光走査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アパーチュアによるビーム整形を行わない光走査装置において、被走査面上に所望のスポット径の光スポットを形成できるようにする。
【解決手段】光源側からの光束を、アパーチュアによるビーム整形を行うことなく光偏向器により偏向し、走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して光走査を行う光走査装置において、光源1側からの発散性の光束を平行光束化するコリメートレンズ系3と、平行光束化された光束を副走査方向に集束させ、光偏向器7の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像させるシリンドリカルレンズ系5とを有し、コリメートレンズ系3、シリンドリカルレンズ系5が共に焦点距離可変レンズ系である。
【選択図】 図1
【解決手段】光源側からの光束を、アパーチュアによるビーム整形を行うことなく光偏向器により偏向し、走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して光走査を行う光走査装置において、光源1側からの発散性の光束を平行光束化するコリメートレンズ系3と、平行光束化された光束を副走査方向に集束させ、光偏向器7の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像させるシリンドリカルレンズ系5とを有し、コリメートレンズ系3、シリンドリカルレンズ系5が共に焦点距離可変レンズ系である。
【選択図】 図1
Description
この発明は、光走査装置用光学系・光走査装置および光走査方法に関する。
光描画装置や光プリンタ、デジタル複写機、光プロッタ、光ファクシミリ等に関連して知られた光走査装置では一般に、被走査面上に所望形状の光スポットを形成するために、光源側から放射される光束の周辺部分をアパーチュアにより遮光する「ビーム整形」が行われる。
光走査装置は近来、光走査の高速化や「光スポットの小径化による高密度化」が強く要請されている。
光走査装置において、ビーム整形が行われると、光源から放射される光束の一部が被走査面に対して遮光されることになるため、光エネルギの利用効率の面からするとビーム整形はマイナス要因である。また、光スポットの小径化のためには、光束径をなるべく大きくすることが好ましいが、アパーチュアによるビーム整形は光束径を制限するものであるので、この面でもビーム整形はマイナス要因である。
光走査装置において、ビーム整形が行われると、光源から放射される光束の一部が被走査面に対して遮光されることになるため、光エネルギの利用効率の面からするとビーム整形はマイナス要因である。また、光スポットの小径化のためには、光束径をなるべく大きくすることが好ましいが、アパーチュアによるビーム整形は光束径を制限するものであるので、この面でもビーム整形はマイナス要因である。
光走査装置において光源側からの光束は「一般に発散性の光束」で、これをコリメートレンズで平行光束化し、平行光束化された光束をシリンドリカルレンズにより光偏向器の偏向反射面位置近傍に「主走査方向に長い線像」として結像させることが行われている。
光源側からの「発散性の光束」の発散角は必ずしも一様ではなく、光源の種類や個体ごとに微妙に異なっている。このような発散角の「ばらつき」がある場合、アパーチュアによるビーム整形を行わないと、発散角のばらつきに応じて被走査面上の光スポットのスポット径にばらつきが生じることになる。このような「スポット径のばらつき」は、高密度の光走査においては、書込まれる画像の画質を大きく左右する。
ビーム整形を行わない場合における「スポット径のばらつき」を問題とする技術は、従来知られていない。
この発明は、アパーチュアによるビーム整形を行わない光走査装置において、被走査面上に所望のスポット径の光スポットを形成できるようにすることを課題とする。
この発明の光走査装置用光学系は「光源側からの光束を、アパーチュアによるビーム整形を行うことなく光偏向器により偏向し、偏向された光束を、走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して被走査面の光走査を行う光走査装置において、光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させる光学系」であって、コリメートレンズ系と、シリンドリカルレンズ系とを有する。
「コリメートレンズ系」は、光源側からの発散性の光束を平行光束化する。
「シリンドリカルレンズ系」は、コリメートレンズ系により平行光束化された光束を、副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像させる。
「シリンドリカルレンズ系」は、コリメートレンズ系により平行光束化された光束を、副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像させる。
これらコリメートレンズ系、シリンドリカルレンズ系は共に「焦点距離可変レンズ系」である。
コリメートレンズ系が焦点距離可変であるので、発散性の光束を平行光束化するとき、コリメートレンズ系の焦点距離:fの調整により「平行光束化された光束の光束径」を調整できる。
同様に、シリンドリカルレンズ系が焦点距離可変であるので、シリンドリカルレンズの副走査方向の焦点距離:Fを調整することにより、偏向反射面近傍に結像する主走査方向に長い線像の「副走査方向の幅(走査結像光学系における副走査方向の物体長になる)」を調整できる。勿論、シリンドリカルレンズ系の主走査方向の焦点距離は無限大である。
コリメートレンズ系が焦点距離可変であるので、発散性の光束を平行光束化するとき、コリメートレンズ系の焦点距離:fの調整により「平行光束化された光束の光束径」を調整できる。
同様に、シリンドリカルレンズ系が焦点距離可変であるので、シリンドリカルレンズの副走査方向の焦点距離:Fを調整することにより、偏向反射面近傍に結像する主走査方向に長い線像の「副走査方向の幅(走査結像光学系における副走査方向の物体長になる)」を調整できる。勿論、シリンドリカルレンズ系の主走査方向の焦点距離は無限大である。
従って、コリメートレンズ系における焦点距離:fと、シリンドリカルレンズ系の焦点距離(副走査方向の焦点距離):Fとを調整することにより、光スポットのスポット径を主走査方向と副走査方向に独立して調整できる。
請求項2記載の光走査装置は「光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させ、線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行い、アパーチュアによるビーム整形を行わない光走査装置」であって、以下の点を特徴とする。
即ち、「光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させる光学系」として請求項1記載の光走査装置用光学系を用いる。
請求項2記載の光走査装置における光源は、半導体レーザであることができる(請求項3)。請求項2記載の光走査装置はまた、光源をレーザ光源とし、光源から放射されるレーザ光をAO変調素子の変調部に集光し、AO変調素子により変調された発散性の光束を光走査装置用光学系に入射させる構成とすることができる(請求項4)。
請求項1記載の光走査装置用光学系はまた、マルチビーム走査方式における光源(LDアレイ等)に対し、各発光源からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された各光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させる光学系」として用いることができる。
また、請求項2または3または4記載の光走査装置は、これらを複数用いて周知のタンデム型の画像形成装置を構成することもできる。この場合、各光走査装置における光スポットのスポット径を調整することにより、対応する光導電性感光体上の光スポットのスポット径を容易に「互いに等しく設定可能」である。
請求項5記載の光走査装置は「互いに発光波長の異なるn(≧2)本の光束を放射するn個の光源からの各光束を、n個の変調手段により画像信号に応じて個別的に強度変調し、強度変調された各光束を共通の光偏向器により偏向させ、偏向された各光束を、共通の走査結像光学系により被走査面上に集光させて光束ごとに光スポットを形成し、これら光スポットにより被走査面を等速的に光走査して光書込みを行う光走査装置」であって、n個の光源と光偏向器との間に、各光源と1:1に対応させて上記請求項1記載の光走査装置用光学系を配置することを特徴とする。
請求項5記載の光走査装置は、n個の光源の個々をレーザ光源とし、各光源から放射されるレーザ光を、n個の変調手段を構成する個別のAO変調素子の変調部に集光し、各AO変調素子により変調された発散性の光束を個別の光走査装置用光学系に入射させる構成とすることができる(請求項6)。
この請求項6記載の光走査装置は、光源の数:nを3とし、これら3個の光源が赤色、緑色、青色のレーザ光を放射するものである構成とすることができ(請求項7)、カラー印画紙を実態的な被走査面として光走査を行う構成とすることができる(請求項8)。
上記請求項2〜4の任意の1に記載の光走査装置における光偏向器を回転多面鏡とし、走査結像光学系をfθレンズとすることができる(請求項9)。同様に、請求項5〜8の任意の1に記載の光走査装置における「共通の光偏向器」を回転多面鏡とし、「共通の走査結像光学系」をfθレンズとすることができる(請求項10)。上記光偏向器としては回転多面鏡以外に、回転単面鏡や回転2面鏡を用いることもできる。
また、光偏向器として「ガルバノミラーのような揺動鏡」を用いることもでき、この場合には「走査結像光学系」はf・sinθレンズとなる。
請求項11記載の光走査方法は、請求項2または3または4または請求項9記載の光走査装置を用いる光走査方法であって「光源側から光走査装置用光学系に入射する発散性の光束の発散角に応じて、コリメートレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を主走査方向において調整し、シリンドリカルレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を副走査方向において調整する」ことを特徴とする。この方法によれば被走査面を「所望の、もしくは所定のスポット径の光スポット」で光走査することができる。
請求項12記載の光走査方法は、請求項5または6または7または8または10記載の光走査装置を用いる光走査方法であって「各光源側から対応する光走査装置用光学系に入射する発散性の光束の発散角に応じて、光走査装置用光学系のコリメートレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を主走査方向において調整し、光走査装置用光学系のシリンドリカルレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を副走査方向において調整する」ことを特徴とする。この方法によれば、被走査面上における各光スポット(互いに色が異なる)のスポット径を所望のあるいは所定の大きさに設定でき、各光スポットのスポット径を互いに等しく設定することが容易に可能であり、所望のもしくは所定のスポット径をもった複数の光スポットにより被走査面の光走査を行うことができる。
上記の如く、この発明の光走査装置用光学系によれば、光スポットのスポット径を主走査方向と副走査方向に独立して調整することができる。
また、この発明の光走査装置、光走査方法によれば、被走査面の光走査を、所望のもしくは所定のスポット径の光スポットで光走査できる。
また、アパーチュアによるビーム整形を行わないので光利用効率がよく、高速の光走査を実現できる。
また、この発明の光走査装置、光走査方法によれば、被走査面の光走査を、所望のもしくは所定のスポット径の光スポットで光走査できる。
また、アパーチュアによるビーム整形を行わないので光利用効率がよく、高速の光走査を実現できる。
図1は光走査装置用光学系の1例を説明するための図である。図1(a)は副走査方向を上下方向として描いた図、同図(b)は主走査方向を上下方向として描いた図である。
符号1は「光源」を示している。説明の具体性のため、ここでは光源1を半導体レーザとして説明する。光源1から放射される発散性の光束は、コリメートレンズ系3を透過することにより平行光束化される。
半導体レーザから放射される光束は、共振面に平行な方向と直交する方向とで発散角が異なり、この例で光源1は共振面を主走査方向に平行にして配置されている。このため、コリメートレンズ系3により平行光束化された光束の光束径は、副走査方向において大きく、主走査方向において小さい。
平行光束化された光束は、シリンドリカルレンズ系5に入射する。シリンドリカルレンズ系5は副走査方向にのみ正の屈折力を有し、主走査方向には屈折力を持たない。このため、シリンドリカルレンズ系5を透過した光束は、図1(a)に示すように副走査方向においては集束されて、光偏向器である回転多面鏡7の偏向反射面近傍に集光するが、主走査方向においては図1(b)に示すように、シリンドリカルレンズ5の作用を受けない。 従って、シリンドリカルレンズ系5を透過した光束は、回転多面鏡7の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像される。そして、回転多面鏡7の回転により偏向され、図示されない走査結像光学系により図示されない被走査面上に光スポットとして集光し、被走査面の光走査を行う。
コリメートレンズ系3はこの例において2枚の共軸レンズ3a、3bにより構成されている。これら共軸レンズ3a、3bは光軸方向へ連動して変位するようになっており、各共軸レンズ3a、3bの「光軸方向の位置と間隔」を調整することにより、「コリメート機能を保ちつつ焦点距離を変化させる」ことができるようになっている。
このようにして、コリメートレンズ系3の焦点距離を「コリメート機能を保ちつつ変化させる」ことにより、光源1からの光束を平行光束化した光束の光束径を変化させることができる。シリンドリカルレンズ系5は主走査方向に屈折力を持たないので、平行光束の光束径を変化させると被走査面上に形成される光スポットの「主走査方向のスポット径」が変化する。
従って、コリメートレンズ系3の焦点距離の調整により、光スポットの主走査方向のスポット径を調整できる。
シリンドリカルレンズ系5はこの例において2枚のシリンドリカルレンズ5a、5bにより構成されている。これらシリンドリカルレンズ5a、5bは、光軸方向へ連動して変位するようになっており、シリンドリカルレンズ5a、5bの「光軸方向の位置と間隔」を調整することにより、副走査方向の焦点距離を変化させることができるようになっている。シリンドリカルレンズ系5の主走査方向の主点距離は無限大であり、これはシリンドリカルレンズ5a、5bの変位により変化しない。
シリンドリカルレンズ系5の副走査方向の焦点距離を変化させることにより、回転多面鏡7の偏向反射面近傍に結像する「主走査方向に長い線像」の「副走査方向の幅(線像の太さ)」を変化させることができる。この線像は、走査結像光学系による副走査方向の結像における物点であり、対応する像点は光スポットであるので、シリンドリカルレンズ系5の副走査方向の焦点距離を調整することにより、上記線像の太さを調整して光スポットにおける副走査方向のスポット径を調整できる。
周知の如く、半導体レーザから放射される発散性の光束の発散角は個々の半導体レーザで「ばらつき」があり、アパーチュアによるビーム整形を行わない場合、コリメートレンズ系3やシリンドリカルレンズ系5の焦点距離が固定であると、上記発散角のばらつきに応じ、光スポットのスポット径が「ばらついて」しまうが、この発明の光走査装置用光学系を用いることにより、発散光束の「発散角のばらつき」に拘わらず、光スポットのスポット径を所望の値もしくは所定の値に調整することができる。
仮にシリンドリカルレンズ系5の焦点距離が固定焦点距離であるとすると、コリメートレンズ系により平行光束の光束径を調整した場合、主走査方向のスポット径を所望の値に調整すると、連動して副走査方向のスポット径も変動してしまい、副走査方向のスポット径を所望の値に調整することはできない。シリンドリカルレンズ系5の副走査方向の焦点距離をコリメートレンズ系の焦点距離と独立して調整することにより、主走査方向と副走査方向のスポット径を独立して調整できる。
図1に示した光走査装置用光学系は、光源1側からの光束を、アパーチュアによるビーム整形を行うことなく光偏向器7により偏向し、偏向された光束を、図示されない走査結像光学系により図示されない被走査面上に光スポットとして集光して、被走査面の光走査を行う光走査装置において、光源1側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させる光学系であって、光源1側からの発散性の光束を平行光束化するコリメートレンズ系3と、平行光束化された光束を副走査方向に集束させ、光偏向器7の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像させるシリンドリカルレンズ系5とを有し、コリメートレンズ系3、シリンドリカルレンズ系5が共に、焦点距離可変レンズ系である(請求項1)。
また、図1に示す光走査装置用光学系を用いる光走査装置は、光源1側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させ、線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器7により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行い、「アパーチュアによるビーム整形」を行わない光走査装置であって、光源1側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させる光学系として、請求項1記載の光走査装置用光学系を用いる光走査装置(請求項2)であり、光源1は半導体レーザである(請求項3)。
図1に示す形態における光源1に代えて、光源をレーザ光源とし、このレーザ光源から放射されるレーザ光をAO変調素子の変調部に集光し、AO変調素子により変調された発散性の光束を光走査装置用光学系に入射させる構成とすることができる(請求項4)ことは容易に理解されよう。この場合は、「AO変調素子により変調された発散性の光束」が「光源側からの発散性の光束」である。
図2に示す光走査装置は、図示されない「カラー印画紙」に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3光束により光走査を行って、カラー画像書込みを行う装置である。
符号1R、1G、1Bで示す光源はそれぞれレーザ光源である。光源1Rは波長:690nmの赤色レーザ光束を放射する。光源1Gは波長:532nmの緑色レーザ光束を放射し、光源1Bは波長:473nmの青色レーザ光束を放射する。レーザ光源1G、1Bから放射されるレーザ光束は、所謂「高調波成分」である。
光源1R、1G、1Bから放射される各色レーザ光束は、それぞれ、対応する変調手段2R、2G、2Bを透過し、画像信号に応じて変調される。変調手段2R、2G、2BはAO変調素子(音響光学素子)であり、光走査に供せられるのは「画像信号に応じて回折された光束(変調された光束)」である。
光源1R、1G、1Bから放射された各色レーザ光束は、対応する変調手段2R、2G、2Bの変調部に向かって光束径:0.1mm程度に集光され、変調手段2R、2G、2Bを通過した「変調された光束」は「光源側からの発散性の光束」となる。
変調された各光束は光源側からの発散性の光束として、コリメートレンズ系3R、3G、3Bにより光束径を拡大されたのち、ミラー4R、4G、4Bにより光路を屈曲され、シリンドリカルレンズ系5R、5G、5Bにより副走査方向へ集光され、ダイクロイック膜を有する光路合成素子6により「1本の光束」として合成され、光偏向器としての回転多面鏡7の偏向反射面に入射する。
回転多面鏡7が等速回転すると、上記合成された光束は等角速度的に偏向しつつ、走査結像光学系(fθレンズ)を構成するレンズ8、9、10を透過し、図示されない被走査面(実体的には「カラー印画紙」である。)上に光スポットを形成し、走査線11を等速的に光走査して光書込みを行う。カラー印画紙は、走査線11に直交する副走査方向へ等速で搬送され、この搬送に伴い、主走査が副走査方向に繰返されて2次元的なカラー画像が書込まれていく。
回転多面鏡7により偏向された各色レーザ光束は、レンズ8、9、10により結像されるが、光走査開始位置へ向かう光束は、レンズ8、9を透過した時点でミラー12により反射されて光検出器13に入射して検出される。光検出器13の検出信号に基づいて、光スポットによる光書込みの開始の同期がとられ、光書込み開始位置が揃えられる。
上記の如く、光源1R、1G、1Bから放射された各色レーザ光束は、対応する変調手段2R、2G、2Bの変調部に向かって光束径:0.1mm程度に集光され、変調手段2R、2G、2Bを通過した「変調された光束」は「光源側からの発散性の光束」となるが、レーザ光束を変調部に向かって集光させる際「集光状態のばらつき」が存在し、このばらつきにより、光源側からの発散性の光束の発散角にもばらつきが存在する。
また、この光走査装置では、偏向される各色レーザ光束を共通の走査結像光学系8、9、10により被走査面上に集光させるので、走査結像光学系の色収差の影響を考慮する必要(スポット径、即ち「ビームウエスト径」は波長に比例する。)があり、R、G、Bの各色光スポットのスポット径を揃えるためには、上記発散角のばらつきや、走査結像光学系の色収差を考慮して各色レーザ光束ごとの調整が必要となる。
コリメートレンズ系3Rと対応するシリンドリカルレンズ系5Rとは、赤色レーザ光束に対する「光走査装置用光学系」を構成し、コリメートレンズ系3Gと対応するシリンドリカルレンズ系5Gとは、緑色レーザ光束に対する「光走査装置用光学系」を構成し、コリメートレンズ系3Bと対応するシリンドリカルレンズ系5Bとは、赤色レーザ光束に対する「光走査装置用光学系」を構成する。
コリメートレンズ系3R、3G、3Bは、図1に即して説明したコリメートレンズ系3と同様のものであり、コリメート機能を保ちつつ焦点距離を変化させることができ、シリンドリカルレンズ系5R、5G、5Bは、図1に即して説明したシリンドリカルレンズ系5と同様のものであり、副走査方向の焦点距離を変化させることができる。
従って、コリメートレンズ系3R、3G、3Bの焦点距離の調整により、R、G、B各色光スポットのスポット径を主走査方向において調整でき、シリンドリカルレンズ径5R、5G、5Bの副走査方向の焦点距離を調整することにより、被走査面上におけるR、G、B各色光スポットのスポット径を「発散性の光束の発散角のばらつきや、走査結像光学系の色収差の影響」に拘わらず、所望の値に設定することができる。
即ち、上記コリメートレンズ系3R(3G、3B)とシリンドリカルレンズ系5R(5G、5B)は、光源1R(1G、1B)側からの光束を、アパーチュアによるビーム整形を行うことなく光偏向器7により偏向し、偏向された光束を、走査結像光学系8、9、10により被走査面上に光スポットとして集光して、被走査面の光走査を行う光走査装置において、光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させる光学系であって、光源側からの発散性の光束を平行光束化するコリメートレンズ系3R(3G、3B)と、平行光束化された光束を副走査方向に集束させ、光偏向器7の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像させるシリンドリカルレンズ系5R(5G、5B)とを有し、コリメートレンズ系3R(3G、3B)、シリンドリカルレンズ系5R(5G、5B)が共に、焦点距離可変レンズ系(請求項1)を構成する。
また、各色光源から被走査面に至る光路上の光学系は、光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させ、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行い、アパーチュアによるビーム整形を行わない光走査装置であって、光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させる光学系として、請求項1記載の光走査装置用光学系を用いる光走査装置(請求項2)を構成する。
そして、光源がレーザ光源で、光源から放射されるレーザ光をAO変調素子の変調部に集光し、AO変調素子により変調された発散性の光束を光走査装置用光学系に入射させる(請求項4)。
図2の光走査装置はまた、互いに発光波長の異なるn(=3)本の光束を放射するn個の光源1R、1G、1Bからの各光束を、n個の変調手段2R、2G、2Bにより画像信号に応じて個別的に強度変調し、強度変調された各光束を共通の光偏向器7により偏向させ、偏向された各光束を共通の走査結像光学系8、9、10により被走査面上に集光させて光束ごとに光スポットを形成し、これら光スポットにより被走査面を等速的に光走査して光書込みを行う光走査装置において、n個の光源1R、1G、1Bと光偏向器7との間に、各光源と1:1に対応させて請求項1記載の光走査装置用光学系3Rと5R、3Gと5G、3Bと5Bを配置するものである(請求項5)。
また、n個の光源の個々がレーザ光源であり、各光源から放射されるレーザ光を個別のAO変調素子2R、2G、2Bの変調部に集光し、各AO変調素子により変調された発散性の光束を個別の光走査装置用光学系に入射させ(請求項6)、光源の数:nが3で、これら3個の光源が、赤色、緑色、青色のレーザ光を放射するものであり(請求項7)、カラー印画紙を実態的な被走査面として光走査を行う光走査装置(請求項8)である。
また、光偏向器7は回転多面鏡であり、走査結像光学系8.9、10はfθレンズである(請求項9、10)。
従って、図2に示す光走査装置において、個々の光源1R(1G、1B)側から光走査装置用光学系3R(3G、3B)と5R(5G、5B)に入射する発散性の光束の発散角に応じて、コリメートレンズ系3R(3G、3B)の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を主走査方向において調整し、シリンドリカルレンズ系5R(5G、5B)の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を副走査方向において調整する光走査方法(請求項11)を実施できる。
また、図2に示す光走査装置においては、各光源側から対応する光走査装置用光学系に入射する発散性の光束の発散角に応じて、光走査装置用光学系のコリメートレンズ系3R、3G、3Bの焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を主走査方向において調整し、光走査装置用光学系のシリンドリカルレンズ系5R、5G、5Bの焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を副走査方向において調整する光走査方法(請求項12)を実施できる。
1 光源
3 焦点距離可変のコリメートレンズ系
5 副走査方向の焦点距離可変のシリンドリカルレンズ系
7 光偏向器(回転多面鏡)
3 焦点距離可変のコリメートレンズ系
5 副走査方向の焦点距離可変のシリンドリカルレンズ系
7 光偏向器(回転多面鏡)
Claims (12)
- 光源側からの光束を、アパーチュアによるビーム整形を行うことなく光偏向器により偏向させ、偏向された光束を、走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して上記被走査面の光走査を行う光走査装置において、光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させる光学系であって、
光源側からの発散性の光束を平行光束化するコリメートレンズ系と、
平行光束化された光束を副走査方向に集束させ、光偏向器の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像させるシリンドリカルレンズ系とを有し、
上記コリメートレンズ系、シリンドリカルレンズ系が共に、焦点距離可変レンズ系であることを特徴とする光走査装置用光学系。 - 光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させ、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行い、アパーチュアによるビーム整形を行わない光走査装置であって、
光源側からの発散性の光束を平行光束化し、平行光束化された光束を副走査方向に集束させて主走査方向に長い線像として結像させる光学系として、請求項1記載の光走査装置用光学系を用いることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2記載の光走査装置において、
光源が、半導体レーザであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2記載の光走査装置において、
光源がレーザ光源であり、上記光源から放射されるレーザ光をAO変調素子の変調部に集光し、AO変調素子により変調された発散性の光束を光走査装置用光学系に入射させることを特徴とする光走査装置。 - 互いに発光波長の異なるn(≧2)本の光束を放射するn個の光源からの各光束を、n個の変調手段により画像信号に応じて個別的に強度変調し、強度変調された各光束を共通の光偏向器により偏向させ、偏向された各光束を、共通の走査結像光学系により被走査面上に集光させて光束ごとに光スポットを形成し、これら光スポットにより上記被走査面を等速的に光走査して光書込みを行う光走査装置において、
n個の光源と光偏向器との間に、各光源と1:1に対応させて、請求項1記載の光走査装置用光学系を配置することを特徴とする光走査装置。 - 請求項5記載の光走査装置において、
n個の光源の個々がレーザ光源であり、各光源から放射されるレーザ光を個別のAO変調素子の変調部に集光し、各AO変調素子により変調された発散性の光束を個別の光走査装置用光学系に入射させることを特徴とする光走査装置。 - 請求項6記載の光走査装置において、
光源の数:nが3であり、これら3個の光源が、赤色、緑色、青色のレーザ光を放射するものであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項7記載の光走査装置において、
カラー印画紙を実態的な被走査面として光走査を行うことを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜4の任意の1に記載の光走査装置において、
光偏向器が回転多面鏡であり、走査結像光学系がfθレンズであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項5〜8の任意の1に記載の光走査装置において、
共通の光偏向器が回転多面鏡であり、共通の走査結像光学系がfθレンズであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2または3または4または請求項9記載の光走査装置を用いる光走査方法であって、
光源側から光走査装置用光学系に入射する発散性の光束の発散角に応じて、コリメートレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を主走査方向において調整し、シリンドリカルレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を副走査方向において調整することを特徴とする光走査方法。 - 請求項5または6または7または8または10記載の光走査装置を用いる光走査方法であって、
各光源側から対応する光走査装置用光学系に入射する発散性の光束の発散角に応じて、上記光走査装置用光学系のコリメートレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を主走査方向において調整し、上記光走査装置用光学系のシリンドリカルレンズ系の焦点距離を調整して、被走査面上の光スポットのスポット径を副走査方向において調整することを特徴とする光走査方法。
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JP2003326884A JP2005091930A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 光走査装置用光学系・光走査装置および光走査方法 |
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2003
- 2003-09-18 JP JP2003326884A patent/JP2005091930A/ja active Pending
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