JP2011014356A - 光電変換素子およびその製造方法ならびに電子機器 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法ならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質による多孔質光電極の溶解を防止することができ、しかも表面プラズモン共鳴の効果を十分に得ることができ、光電変換効率の大幅な向上を図ることができる光電変換素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板1上に形成された多孔質光電極3と対極4との間に電解質層6を充填した構造を有する光電変換素子において、多孔質光電極3を金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる金属/金属酸化物微粒子7により構成する。色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3の表面に増感用の色素8を吸着させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、光電変換素子およびその製造方法ならびに電子機器に関し、例えば色素増感太陽電池に用いて好適な光電変換素子およびその製造方法ならびにこの光電変換素子を用いる電子機器に関するものである。
近年、シリコン(Si)系太陽電池などに替わる次世代の太陽電池として、色素増感太陽電池についての研究が広く行われている(例えば、非特許文献1参照。)。色素増感太陽電池はコストがシリコン系太陽電池と比較して安価であり、また製造プロセスも簡便であることから実用化が期待されている。しかしながら、色素増感太陽電池は一般的に、結晶シリコン系太陽電池と比較するとその光電変換効率は高くない。
そこで、色素増感太陽電池の性能向上を目指した検討がいくつかなされている。一つ目に挙げられるのは、光電極を形成する半導体微粒子をナノサイズにして、比表面積を大きくする技術である。これにより、半導体微粒子の表面に吸着させる光増感剤の量を増加させることができるため、光電変換効率が向上する。二つ目に挙げられるのは、色素増感太陽電池の光電極を構成する多孔質膜に入射した光を閉じ込めることにより光電変換効率を向上させる方法である。三つ目に挙げられるのは光増感剤の吸収係数を向上させる方法である。
光増感剤の吸収係数を向上させる方法としては、局在表面プラズモンによる電場増強効果を用いる方法が挙げられる。色素増感太陽電池において、金、銀または銅の金属微粒子を用いれば、局在表面プラズモンによる電場増強効果が得られることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。金属表面に表面プラズモンを励起すると、金属表面近傍に、空間的に局在し、入射光の電場よりも数十から数百倍に増強された電場が生じる。表面プラズモンが励起された金属表面近傍に半導体受光層を配置することで、増強電場によりキャリアを大量に励起することができ、光電変換効率を高めることが可能となる。金属微粒子と半導体微粒子とからなる微粒子積層構造において規則的に配列した金属微粒子同士の相互作用により局在型表面プラズモン共鳴を増強して、金属微粒子に吸着した光増感剤の吸収係数を向上させるといった試みがなされている(特許文献2参照。)。
また、酸化チタンなどの金属酸化物膜の表面にルテニウム錯体などの色素を担持したアノード電極において、色素の近傍に白金、白金合金、パラジウムまたはパラジウム合金の金属微粒子を配した色素増感太陽電池の検討がなされている(特許文献3参照。)。
なお、Ag/TiO2 コア−シェル複合クラスターの紫外光照射下における電荷分離および触媒能について報告されている(非特許文献2参照。)。
Nature,353,pp.737-740,1991 J.Am.Chem.Soc.2005,127,3928-3934 Jpn.J.Appl.Phys.Vol.46,No.4B,2007,pp.2567-2570
特開平9−259943号公報 特開2007−335222号公報 特開2001−35551号公報
しかしながら、表面プラズモン共鳴の効果が大きい金、銀、銅などからなる微粒子はヨウ素系の電解液に溶解することが知られている。そのため、ヨウ素系以外の電解質を用いる必要があった。ところが、ヨウ素以外の電解質を用いた色素増感太陽電池においては、高い光電変換効率は得られていない。また、特許文献3のように金、銀、銅以外の金属を用いてヨウ素による溶解を防ぐ方法が検討されているが、白金などの微粒子では十分に表面プラズモン共鳴の効果を得ることができない。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、電解質による多孔質光電極の溶解を防止することができ、しかも表面プラズモン共鳴の効果を十分に得ることができ、光電変換効率の大幅な向上を図ることができる光電変換素子およびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記のような優れた光電変換素子を用いた高性能の電子機器を提供することである。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明は、
金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により構成された多孔質光電極を有する光電変換素子である。
また、この発明は、
金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により多孔質光電極を形成する工程を有する光電変換素子の製造方法である。
また、この発明は、
金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により構成された多孔質光電極を有する光電変換素子を有する電子機器である。
この発明において、多孔質光電極を構成する微粒子のコアを構成する金属としては表面プラズモン共鳴の効果が大きい金属が用いられ、必要に応じて選ばれる。このような金属としては、好適には、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属が用いられる。また、多孔質光電極を構成する微粒子のシェルを構成する金属酸化物としては使用する電解質に溶解しない金属酸化物が用いられ、必要に応じて選ばれる。このような金属酸化物としては、好適には、酸化チタン(TiO2 )、酸化スズ(SnO2 )、酸化ニオブ(Nb2 5 )および酸化亜鉛(ZnO)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属酸化物が用いられるが、これらに限定されない。例えば、酸化タングステン(WO3 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )などの金属酸化物を用いることもできる。微粒子の粒径は適宜選ばれるが、好適には1〜500nmである。また、微粒子のコアの粒径も適宜選ばれるが、好適には1〜200nmである。
この発明において、光電変換素子を色素増感光電変換素子として構成する場合、多孔質光電極には増感色素を吸着させる。この色素増感光電変換素子は、典型的には、多孔質光電極と対極との間に電解質層が充填された構造を有し、多孔質光電極に増感色素が吸着している。色素増感光電変換素子の光電変換効率および耐久性の向上を図るためには、好適には、多孔質光電極に増感色素としてZ907および色素Aを吸着させ、電解質層に溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを含ませるようにする。このような色素増感光電変換素子の製造方法は、典型的には、多孔質光電極を形成した後、この多孔質光電極に増感色素としてZ907および色素Aを吸着させる工程と、多孔質光電極に増感色素としてZ907および色素Aを吸着させた後、この多孔質光電極と対極との間に電解質層が充填された構造を形成し、この際、電解質層に溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを含ませる工程とをさらに有する。
増感色素であるZ907および色素Aは、典型的には、多孔質光電極を構成する微粒子のシェルを構成する金属酸化物に互いに異なる立体配置で吸着により結合している。典型的には、Z907は金属酸化物に結合する官能基としてカルボキシ基(−COOH)を有し、色素Aは金属酸化物に結合する官能基として同一炭素に結合したカルボキシ基(−COOH)およびシアノ基(−CN)を有する。
多孔質光電極と対極との間に充填される電解質層は、典型的には、電解液またはゲル状もしくは固体状の電解質である。好適には、電解質層は、電解液とナノ粒子とからなるナノコンポジットゲルからなり、ナノ粒子は典型的にはTiO2 またはSiO2 からなるものが用いられるが、これに限定されるものではない。
光電変換素子または色素増感光電変換素子はその用途に応じて様々な形状で作製することが可能であり、その形状は特に限定されない。
光電変換素子または色素増感光電変換素子は、最も典型的には、太陽電池として構成される。ただし、光電変換素子または色素増感光電変換素子は、太陽電池以外のもの、例えば光センサーなどであってもよい。
電子機器は、基本的にはどのようなものであってもよく、携帯型のものと据え置き型のものとの双方を含むが、具体例を挙げると、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、車載機器、各種家庭電気製品などである。この場合、光電変換素子または色素増感光電変換素子は、例えばこれらの電子機器の電源として用いられる太陽電池である。
上述のように構成されたこの発明においては、光電変換素子の多孔質光電極が、金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により構成されている。このため、多孔質光電極と対極との間に電解質層を充填した場合、電解質が微粒子の金属からなるコアと接触することがない。従って、微粒子のコアを構成する金属として表面プラズモン共鳴の効果が大きい金、銀、銅などを用い、かつ、電解質としてヨウ素系の電解質を用いることができる。
また、特に、色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極に結合させる増感色素としてZ907および色素Aを用い、電解質層に含ませる溶媒、言い換えれば電解質層の調製時に用いる溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを用いることにより、光電変換効率が時間の経過とともに低下するのを抑えることができる。
この発明によれば、電解質による多孔質光電極の溶解を防止することができ、しかも表面プラズモン共鳴の効果を十分に得ることができ、光電変換効率の大幅な向上を図ることができる光電変換素子を得ることができる。そして、この優れた光電変換素子を用いることにより、高性能の電子機器を実現することができる。
この発明の第1の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態による色素増感光電変換素子において多孔質光電極を構成する金属/金属酸化物微粒子の構成を示す断面図である。 この発明の第2の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第3の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第4の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第5の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第6の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第7の実施の形態による光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第8の実施の形態による光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第9の実施の形態による光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第10の実施の形態による光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第11の実施の形態による光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第12の実施の形態による光電変換素子を示す断面図である。 この発明の第13の実施の形態による色素増感光電変換素子において多孔質光電極に増感色素として吸着させるZ907の構造式を示す略線図である。 Z907を単独で多孔質TiO2 光電極に吸着させた色素増感光電変換素子のIPCEスペクトルの測定結果を示す略線図である。 この発明の第13の実施の形態による色素増感光電変換素子において多孔質光電極に増感色素として吸着させる色素Aの構造式を示す略線図である。 色素Aを単独で多孔質TiO2 光電極に吸着させた色素増感光電変換素子のIPCEスペクトルの測定結果を示す略線図である。 この発明の第13の実施の形態による色素増感光電変換素子の動作原理を説明するための略線図である。 この発明の第13の実施の形態による色素増感光電変換素子の評価用素子のIPCEスペクトルを測定した結果を比較例の測定結果とともに示す略線図である。 この発明の第13の実施の形態による色素増感光電変換素子の評価用素子の光電変換効率の経過時間による変化を測定した結果を比較例の測定結果とともに示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
2.第2の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
3.第3の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
4.第4の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
5.第5の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
6.第6の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
7.第7の実施の形態(光電変換素子およびその製造方法)
8.第8の実施の形態(光電変換素子およびその製造方法)
9.第9の実施の形態(光電変換素子およびその製造方法)
10.第10の実施の形態(光電変換素子およびその製造方法)
11.第11の実施の形態(光電変換素子およびその製造方法)
12.第12の実施の形態(光電変換素子およびその製造方法)
13.第13の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
14.第14の実施の形態(色素増感光電変換素子およびその製造方法)
〈1.第1の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
図1は第1の実施の形態による色素増感光電変換素子を示す要部断面図である。
図1に示すように、この色素増感光電変換素子においては、透明基板1の一主面に透明導電膜2が設けられ、この透明導電膜2上に一種または複数種の増感色素(以下、単に色素という)が吸着した多孔質光電極3が設けられている。一方、透明基板1と対向するように対極4が設けられている。そして、これらの透明基板1および対極4の外周部が封止材5で封止され、透明基板1上の多孔質光電極3と対極4との間に電解質層6が充填されている。
多孔質光電極3は金属/金属酸化物微粒子7により構成され、典型的には、これらの金属/金属酸化物微粒子7が焼結されたものからなる。この金属/金属酸化物微粒子7の構造の詳細を図2に示す。図2に示すように、金属/金属酸化物微粒子7は、金属からなる球状のコア7aとこのコア7aの周りを取り囲む金属酸化物からなるシェル7bとからなるコア/シェル構造を有する。この金属/金属酸化物微粒子7の金属酸化物からなるシェル7bの表面に一種または複数種の色素8が吸着する。
金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bを構成する金属酸化物は、例えば、酸化チタン(TiO2 )、酸化スズ(SnO2 )、酸化ニオブ(Nb2 5 )、酸化亜鉛(ZnO)などが用いられる。これらの金属酸化物の中でも、TiO2 、取り分けアナターゼ型のTiO2 を用いることが好ましい。ただし、金属酸化物の種類はこれらに限定されるものではなく、必要に応じて、2種類以上の金属酸化物を混合または複合化して用いることができる。また、金属/金属酸化物微粒子7の形態は粒状、チューブ状、棒状などのいずれであってもよい。
上記の金属/金属酸化物微粒子7の粒径に特に制限はないが、一般的には一次粒子の平均粒径で1〜500nmであり、取り分け1〜200nmが好ましく、特に好ましくは5〜100nmである。また、金属/金属酸化物微粒子7のコア7aの粒径は一般的には1〜200nmである。
金属/金属酸化物微粒子7は、できるだけ多くの色素8が吸着することができるようにするために、多孔質光電極3の内部の空孔に面する金属/金属酸化物微粒子7の表面も含めた実表面積の大きいものが好ましい。このため、多孔質光電極3を透明導電膜2上に形成した状態での実表面積は、多孔質光電極3の外側表面の面積(投影面積)に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。この比に特に上限はないが、通常1000倍程度である。
電解質層6を構成する電解質としては、電解液またはゲル状もしくは固体状の電解質を用いることができる。電解液としては、酸化還元系(レドックス対)を含む溶液が挙げられ、具体的には、ヨウ素I2 と金属または有機物のヨウ化物塩との組み合わせや、臭素Br2 と金属または有機物の臭化物塩との組み合わせなどが用いられる。金属塩を構成するカチオンは、リチウム(Li+ )、ナトリウム(Na+ )、カリウム(K+ )、セシウム(Cs+ )、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)などである。また、有機物塩を構成するカチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムイオン類、ピリジニウムイオン類、イミダゾリウムイオン類などの第4級アンモニウムイオンが好適なものであり、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
電解質層6を構成する電解質としては、上記のほかに、フェロシアン酸塩とフェリシアン酸塩との組み合わせや、フェロセンとフェリシニウムイオンとの組み合わせなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオールとアルキルジスルフィドとの組み合わせなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノンとキノンとの組み合わせなどを用いることもできる。
電解質層6を構成する電解質としては、上記の中でも特に、ヨウ素(I2 )と、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、イミダゾリウムヨーダイドなどの第4級アンモニウム化合物とを組み合わせた電解質が好適なものである。電解質塩の濃度は溶媒に対して0.05M〜10Mが好ましく、さらに好ましくは0.2M〜3Mである。ヨウ素I2 または臭素Br2 の濃度は0.0005M〜1Mが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.5Mである。また、開放電圧や短絡電流を向上させる目的で4 −tert−ブチルピリジンやベンズイミダゾリウム類などの各種添加剤を加えることもできる。
電解液を構成する溶媒としては、一般的には、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、炭酸エステル類、ラクトン類、カルボン酸エステル類、リン酸トリエステル類、複素環化合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、N −メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、炭化水素などが用いられる。
色素増感光電変換素子からの電解液の漏液や、電解液を構成する溶媒の揮発を減少させる目的で、電解質構成物にゲル化剤、ポリマー、または架橋モノマーなどを溶解または分散させて混合し、ゲル状電解質として用いることも可能である。ゲル化材料と電解質構成物の比率は、電解質構成物が多ければイオン導電率は高くなるが、機械的強度は低下し、逆に、電解質構成物が少なすぎると機械的強度は大きいが、イオン導電率は低下する。このため、電解質構成物はゲル状電解質の50wt%〜99wt%であるのが好ましく、80wt%〜97wt%であるのがより好ましい。また、電解質と可塑剤とをポリマーと混合した後、可塑剤を揮発させて除去することで、全固体型の光増感型光電変換素子を実現することも可能である。
透明基板1は、光が透過しやすい材質と形状のものであれば特に限定されるものではなく、種々の基板材料を用いることができるが、特に可視光の透過率が高い基板材料を用いることが好ましい。また、色素増感光電変換素子に外部から侵入しようとする水分やガスを阻止する遮断性能が高く、また、耐溶剤性や耐候性に優れている材料が好ましい。具体的には、透明基板1の材料としては、石英やガラスなどの透明無機材料や、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリアリレート類、ポリスルホン類、ポリオレフィン類などの透明プラスチックが挙げられる。透明基板1の厚さは特に制限されず、光の透過率や、光電変換素子内外を遮断する性能を勘案して、適宜選択することができる。
透明基板1上に設けられる透明導電膜2は、シート抵抗が小さいほど好ましく、具体的には500Ω/□以下であることが好ましく、100Ω/□以下であることがさらに好ましい。透明導電膜2を形成する材料としては公知の材料を用いることができ、必要に応じて選択される。この透明導電膜2を形成する材料は、具体的には、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素がドープされた酸化スズ(IV)SnO2 (FTO)、酸化スズ(IV)SnO2 、酸化亜鉛(II)ZnO、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)などが挙げられる。ただし、透明導電膜2を形成する材料は、これらに限定されるものではなく、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
多孔質光電極3に吸着させる色素8は増感作用を示すものであれば特に制限はないが、この多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7の金属酸化物からなるシェル7bの表面に吸着する酸官能基を有するものが好ましい。具体的には、色素8は、カルボキシ基、リン酸基などを有するものが好ましく、この中でも特にカルボキシ基を有するものが好ましい。色素8の具体例を挙げると、例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシンなどのキサンテン系色素、メロシアニン、キノシアニン、クリプトシアニンなどのシアニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオシン、メチレンブルーなどの塩基性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリンなどのポルフィリン系化合物が挙げられ、その他のものとしてはアゾ色素、フタロシアニン化合物、クマリン系化合物、ビピリジン錯化合物、アントラキノン系色素、多環キノン系色素などが挙げられる。これらの中でも、リガンド(配位子)がピリジン環またはイミダゾリウム環を含み、Ru、Os、Ir、Pt、Co、FeおよびCuからなる群より選ばれた少なくとも一種類の金属の錯体の色素は量子収率が高く好ましい。特に、シス−ビス(イソチオシアナート)−N,N−ビス(2,2’−ジピリジル−4,4’−ジカルボン酸)−ルテニウム(II)またはトリス(イソチオシアナート)−ルテニウム(II)−2,2' :6' ,2" −ターピリジン−4,4' ,4" −トリカルボン酸を基本骨格とする色素分子は吸収波長域が広く好ましい。ただし、色素8は、これらに限定されるものではない。色素8としては、典型的には、これらのうちの一種類のものを用いるが、二種類以上の色素8を混合して用いてもよい。
色素8の多孔質光電極3への吸着方法に特に制限はないが、上記の色素を例えばアルコール類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキシド、アミド類、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケトン類、炭化水素、水などの溶媒に溶解させ、これに多孔質光電極3を浸漬したり、色素溶液を多孔質光電極3上に塗布したりすることができる。また、色素8の分子同士の会合を低減する目的でデオキシコール酸などを添加してもよい。必要に応じて紫外線吸収剤を併用することもできる。
多孔質光電極3に色素8を吸着させた後に、過剰に吸着した色素8の除去を促進する目的で、アミン類を用いて多孔質光電極3の表面を処理してもよい。アミン類の例としてはピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンなどが挙げられ、これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
対極4の材料としては、導電性物質であれば任意のものを用いることができるが、絶縁性材料の電解質層6に面している側に導電層が形成されていれば、これも用いることが可能である。対極4の材料としては、電気化学的に安定な材料を用いることが好ましく、具体的には、白金、金、カーボン、および導電性ポリマーなどを用いることが望ましい。
また、対極4での還元反応に対する触媒作用を向上させるために、電解質層6に接している対極4の表面には、微細構造が形成され、実表面積が増大するように形成されていることが好ましく、例えば、白金であれば白金黒の状態に、カーボンであれば多孔質カーボンの状態に形成されていることが好ましい。白金黒は、白金の陽極酸化法や塩化白金酸処理などによって、また多孔質カーボンは、カーボン微粒子の焼結や有機ポリマーの焼成などの方法によって形成することができる。
対極4は、必要に応じて、対向基板の一主面に形成された透明導電膜上に形成されるが、これに限定されるものではない。対向基板の材料としては、不透明なガラス、プラスチック、セラミック、金属などを用いてもよいし、透明材料、例えば透明なガラスやプラスチックなどを用いてもよい。透明導電膜としては、透明導電膜2と同様なものを用いることができる。
封止材5の材料としては、耐光性、絶縁性、防湿性を備えた材料を用いることが好ましい。封止材5の材料の具体例を挙げると、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル樹脂、ポリイソブチレン樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート) 、アイオノマー樹脂、セラミック、各種熱融着フィルムなどである。
また、電解質組成物の溶液を注入する場合、注入口が必要であるが、多孔質光電極3およびこれに対向する部分の対極4上でなければ注入口の場所は特に限定されない。また、電解質組成物の溶液の注入方法に特に制限はないが、外周が予め封止され、溶液の注入口を開けられた光電変換素子の内部に減圧下で注液を行う方法が好ましい。この場合、注入口に溶液を数滴垂らし、毛細管現象により注液する方法が簡便である。また、必要に応じて減圧もしくは加熱下で注液の操作を行うこともできる。完全に溶液が注入された後、注入口に残った溶液を除去し、注入口を封止する。この封止方法にも特に制限はないが、必要であればガラス板やプラスチック基板を封止剤で貼り付けて封止することもできる。また、この方法以外にも、液晶パネルの液晶滴下注入(ODF;One Drop Filling)工程のように、電解液を基板上に滴下して減圧下で貼り合わせて封止することもできる。また、ポリマーなどを用いたゲル状電解質や全固体型の電解質の場合、多孔質光電極2上で電解質組成物と可塑剤とを含むポリマー溶液をキャスト法により揮発除去させる。可塑剤を完全に除去した後、上記方法と同様に封止を行う。この封止は真空シーラーなどを用いて、不活性ガス雰囲気下、もしくは減圧中で行うことが好ましい。封止を行った後、電解質を多孔質光電極3へ十分に含漬させるため、必要に応じて加熱、加圧の操作を行うことも可能である。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
次に、この色素増感光電変換素子の製造方法について説明する。
まず、透明基板1の一主面にスパッタリング法などにより透明導電膜2を形成する。
次に、透明導電膜2上に金属/金属酸化物微粒子7からなる多孔質光電極3を形成する。この多孔質光電極3の形成方法に特に制限はないが、物性、利便性、製造コストなどを考慮した場合、湿式製膜法を用いるのが好ましい。湿式製膜法では、金属/金属酸化物微粒子7の粉末あるいはゾルを水などの溶媒に均一に分散させたペースト状の分散液を調製し、この分散液を透明基板1の透明導電膜2上に塗布または印刷する方法が好ましい。分散液の塗布方法または印刷方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、塗布方法としては、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などを用いることができる。また、印刷方法としては、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
多孔質光電極3は、金属/金属酸化物微粒子7を透明導電膜2上に塗布または印刷した後に、金属/金属酸化物微粒子7同士を電気的に接続し、多孔質光電極3の機械的強度を向上させ、透明導電膜2との密着性を向上させるために、焼成することが好ましい。焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過ぎると、透明導電膜2の電気抵抗が高くなり、さらには透明導電膜2が溶融することもあるため、通常は40〜700℃が好ましく、40〜650℃がより好ましい。また、焼成時間にも特に制限はないが、通常は10分〜10時間程度である。
焼成後、金属/金属酸化物微粒子7の表面積を増加させたり、金属/金属酸化物微粒子7間のネッキングを高めたりする目的で、例えば、四塩化チタン水溶液や直径10nm以下の酸化チタン超微粒子ゾルによるディップ処理を行ってもよい。透明導電膜2を支持する透明基板1としてプラスチック基板を用いる場合には、結着剤を含むペースト状分散液を用いて透明導電膜2上に多孔質光電極3を製膜し、加熱プレスによって透明導電膜2に圧着することも可能である。
次に、多孔質光電極3が形成された透明基板1を、色素8を所定の溶媒に溶解した色素溶液中に浸漬することにより、多孔質光電極3に色素8を吸着させる。
一方、例えば対向基板上にスパッタリング法などにより対極4を形成する。
次に、多孔質光電極3が形成された透明基板1と対極4とを多孔質光電極3と対極4とが所定の間隔、例えば1〜100μm、好ましくは1〜50μmの間隔をおいて互いに対向するように配置する。そして、透明基板1および対極4の外周部に封止材5を形成して電解質層が封入される空間を作り、この空間に例えば透明基板1に予め形成された注液口(図示せず)から電解質層6を注入する。その後、この注液口を塞ぐ。
以上により、目的とする色素増感光電変換素子が製造される。
多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7は従来公知の方法により製造することができる(例えば、非特許文献3参照。)。一例として、コア7aがAu、シェル7bがTiO2 からなる金属/金属酸化物微粒子7の製造方法の概要を説明すると次の通りである。すなわち、まず、5×10-4M HAuCl4 500mLの加熱した溶液に脱水クエン酸3ナトリウムを混合・攪拌する。次に、メルカプトウンデカン酸をアンモニア水溶液に2.5重量%添加・攪拌した後、Auナノ粒子分散溶液に添加し、2時間保温する。次に、1M HClを添加して溶液のpHを3にする。次に、チタンイソプロポキシドおよびトリエタノールアミンを窒素雰囲気下でAuコロイド溶液に添加する。こうして、コア7aがAu、シェル7bがTiO2 からなる金属/金属酸化物微粒子7が製造される。
[色素増感光電変換素子の動作]
次に、この色素増感光電変換素子の動作について説明する。
この色素増感光電変換素子は、光が入射すると、対極4を正極、透明導電膜2を負極とする電池として動作する。その原理は次の通りである。なお、ここでは、透明導電膜2の材料としてFTOを用い、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のコア7aの材料としてAu、シェル7bの材料としてTiO2 を用い、レドックス対としてI- /I3 - の酸化還元種を用いることを想定している。ただし、これに限定されるものではない。
透明基板1および透明導電膜2を透過し、多孔質光電極3に入射した光子を多孔質光電極3に吸着した色素8が吸収すると、この色素8中の電子が基底状態(HOMO)から励起状態(LUMO)へ励起される。こうして励起された電子は、色素8と多孔質光電極3との間の電気的結合を介して、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bを構成するTiO2 の伝導帯に引き出され、多孔質光電極3を通って透明導電膜2に到達する。加えて、金属/金属酸化物微粒子7のAuからなるコア7aの表面に光が入射することにより局在表面プラズモンが励起され、電場増強効果が得られる。そして、この増強電場によりシェル7bを構成するTiO2 の伝導帯に電子が大量に励起され、多孔質光電極3を通って透明導電膜2に到達する。このように、多孔質光電極3に光が入射したとき、透明導電膜2には、色素8の励起により発生した電子が到達することに加えて、金属/金属酸化物微粒子7のコア7aの表面における局在表面プラズモンの励起によりシェル7bを構成するTiO2 の伝導帯に励起される電子も到達する。このため、高い光電変換効率を得ることができる。
一方、電子を失った色素8は、電解質層6中の還元剤、例えばI- から下記の反応によって電子を受け取り、電解質層6中に酸化剤、例えばI3 - (I2 とI- との結合体)を生成する。
2I- → I2 + 2e-
2 + I- → I3 -
こうして生成された酸化剤は拡散によって対極4に到達し、上記の反応の逆反応によって対極4から電子を受け取り、もとの還元剤に還元される。
3 - → I2 + I-
2 + 2e- → 2I-
透明導電膜2から外部回路へ送り出された電子は、外部回路で電気的仕事をした後、対極4に戻る。このようにして、色素8にも電解質層6にも何の変化も残さず、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、金属からなる球状のコア7aとこのコア7aの周りを取り囲む金属酸化物からなるシェル7bとからなるコア/シェル構造を有する金属/金属酸化物微粒子7により多孔質光電極3が構成されている。このため、この多孔質光電極3と対極4との間に電解質層6を充填した場合、電解質層6の電解質が金属/金属酸化物微粒子7の金属からなるコア7aと接触することがなく、電解質による多孔質光電極3の溶解を防止することができる。従って、金属/金属酸化物微粒子7のコア7aを構成する金属として表面プラズモン共鳴の効果が大きい金、銀、銅などを用いることができ、表面プラズモン共鳴の効果を十分に得ることができる。また、電解質層6の電解質としてヨウ素系の電解質を用いることができる。以上により、光電変換効率が高い色素増感光電変換素子を得ることができる。そして、この優れた色素増感光電変換素子を用いることにより、高性能の電子機器を実現することができる。
〈2.第2の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
図3に示すように、第2の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7として互いに粒径が異なるものが混在している。具体的には、この場合、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子における多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7と同じ粒径の金属/金属酸化物微粒子7に加えて、より粒径が大きい金属/金属酸化物微粒子7が含まれている。この粒径が大きい金属/金属酸化物微粒子7は、多孔質光電極3に入射する光の散乱効果を有し、光閉じ込め効果を有する。加えて、この粒径が大きい金属/金属酸化物微粒子7は、粒径が小さい金属/金属酸化物微粒子7とは異なる吸収波長を有するため、光電変換に利用することができる光の波長領域が広がる。粒径が大きい金属/金属酸化物微粒子7の粒径は例えば20〜500nmであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7として互いに粒径が異なる二種類のものを用いることを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈3.第3の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
図4に示すように、第3の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3が、金属/金属酸化物微粒子7と、この金属/金属酸化物微粒子7より粒径が大きい球状の散乱粒子9とにより構成されている。金属/金属酸化物微粒子7の粒径は、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子における多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7と同じ粒径である。また、散乱粒子9はTiO2 などの金属酸化物からなる。この粒径が大きい散乱粒子9は、多孔質光電極3に入射する光の散乱効果を有し、光閉じ込め効果を有する。この散乱粒子9の粒径は例えば20〜500nmであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3を金属/金属酸化物微粒子7と散乱粒子9とにより構成することを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈4.第4の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
図5に示すように、第4の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7として互いに形状が異なるものが混在している。具体的には、多孔質光電極3は、例えば、球状の金属/金属酸化物微粒子7、棒状の金属/金属酸化物微粒子7、四面体状の金属/金属酸化物微粒子7などからなる。このように互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7の吸収波長は互いに異なるため、光電変換に利用することができる光の波長領域が広がり、光電変換効率の向上を図ることができる。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3を互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7により構成することを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈5.第5の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
図6に示すように、第5の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3が、第4の実施の形態で用いたものと同様な互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7と、第3の実施の形態で用いたものと同様な散乱粒子9とにより構成されている。散乱粒子9は、多孔質光電極3に入射する光の散乱効果を有し、光閉じ込め効果を有する。加えて、互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7の吸収波長は互いに異なるため、光電変換に利用することができる光の波長領域が広がり、光電変換効率の向上を図ることができる。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3を互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7と散乱粒子9とにより構成することを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈6.第6の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
図7に示すように、第6の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3が、第4の実施の形態で用いたものと同様な互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7と、この金属/金属酸化物微粒子7より粒径が大きい球状の金属/金属酸化物微粒子7とにより構成されている。この粒径が大きい金属/金属酸化物微粒子7は、多孔質光電極3に入射する光の散乱効果を有し、光閉じ込め効果を有するとともに、より粒径が小さい金属/金属酸化物微粒子7とは吸収波長が異なる。また、互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7の吸収波長は互いに異なるため、光電変換に利用することができる光の波長領域が広がり、光電変換効率の向上を図ることができる。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3を互いに形状が異なる金属/金属酸化物微粒子7とより粒径が大きい球状の金属/金属酸化物微粒子7とにより構成することを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈7.第7の実施の形態〉
[光電変換素子]
図8に示すように、第7の実施の形態による光電変換素子は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7に色素8が吸着していないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様な構成を有する。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8を吸着させないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
[光電変換素子の動作]
次に、この光電変換素子の動作について説明する。
この光電変換素子は、光が入射すると、対極4を正極、透明導電膜2を負極とする電池として動作する。その原理は次の通りである。なお、ここでは、透明導電膜2の材料としてFTOを用い、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のコア7aの材料としてAu、シェル7bの材料としてTiO2 を用い、レドックス対としてI- /I3 - の酸化還元種を用いることを想定している。ただし、これに限定されるものではない。
透明基板1および透明導電膜2を透過し、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のAuからなるコア7aの表面に光が入射することにより局在表面プラズモンが励起され、電場増強効果が得られる。そして、この増強電場によりシェル7bを構成するTiO2 の伝導帯に電子が大量に励起され、多孔質光電極3を通って透明導電膜2に到達する。
一方、電子を失った多孔質光電極3は、電解質層6中の還元剤、例えばI- から下記の反応によって電子を受け取り、電解質層6中に酸化剤、例えばI3 - (I2 とI- との結合体)を生成する。
2I- → I2 + 2e-
2 + I- → I3 -
こうして生成された酸化剤は拡散によって対極4に到達し、上記の反応の逆反応によって対極4から電子を受け取り、もとの還元剤に還元される。
3 - → I2 + I-
2 + 2e- → 2I-
透明導電膜2から外部回路へ送り出された電子は、外部回路で電気的仕事をした後、対極4に戻る。このようにして、色素8にも電解質層6にも何の変化も残さず、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈8.第8の実施の形態〉
[光電変換素子]
図9に示すように、第8の実施の形態による光電変換素子は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7に色素8が吸着していないことを除いて、第2の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様な構成を有する。
[光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8を吸着させないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第8の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈9.第9の実施の形態〉
[光電変換素子]
図10に示すように、第9の実施の形態による光電変換素子は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7および散乱粒子9に色素8が吸着していないことを除いて、第3の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様な構成を有する。
[光電変換素子の製造方法]
この光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8を吸着させないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第9の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈10.第10の実施の形態〉
[光電変換素子]
図11に示すように、第10の実施の形態による光電変換素子は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7に色素8が吸着していないことを除いて、第4の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様な構成を有する。
[光電変換素子の製造方法]
この光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8を吸着させないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第10の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈11.第11の実施の形態〉
[光電変換素子]
図12に示すように、第11の実施の形態による光電変換素子は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7および散乱粒子9に色素8が吸着していないことを除いて、第5の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様な構成を有する。
[光電変換素子の製造方法]
この光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8を吸着させないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第11の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈12.第12の実施の形態〉
[光電変換素子]
図13に示すように、第12の実施の形態による光電変換素子は、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7に色素8が吸着していないことを除いて、第6の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様な構成を有する。
[光電変換素子の製造方法]
この光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8を吸着させないことを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第12の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈13.第13の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
第13の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7の金属酸化物からなるシェル7bの表面に色素8としてZ907および色素Aが、互いに異なる立体配置で吸着し、結合している。また、電解質層6には溶媒として3−メトキシプロピオニトリル(MPN)が含まれる。その他の構成は図1に示す色素増感光電変換素子と同様である。
図14にZ907の構造式を示し、図15にZ907を単独で多孔質TiO2 光電極の表面に吸着させたときのIPCE(Incident Photon-to-current Conversion Efficiency)スペクトルの測定結果を示す。また、図16に色素Aの構造式を示し、図17に色素Aを単独で多孔質TiO2 光電極の表面に吸着させたときのIPCEスペクトルの測定結果を示す。図15および図17に示すように、Z907は広範囲の波長の光を吸収することができるが、短波長領域に吸光度が不足する領域があり、この短波長領域では、この短波長領域で大きな吸光度を有する色素Aが光吸収を補助する関係にある。すなわち、色素Aは、短波長領域では大きな吸光度を有する増感色素として働いている。
図14に示すように、Z907は、多孔質光電極3と強く結合する官能基としてカルボキシ基(−COOH)を有し、このカルボキシ基が多孔質光電極3と結合している。これに対し、図16に示すように、色素Aは、多孔質光電極3と強く結合する官能基であるカルボキシ基(−COOH)と多孔質光電極3と弱く結合する官能基であるシアノ基(−CN)とが同一炭素に結合している。そして、色素Aは、同一炭素に結合したこれらのカルボキシ基およびシアノ基が多孔質光電極3と結合している。すなわち、色素Aは、同一炭素に結合しているカルボキシ基とシアノ基とによって多孔質光電極3に吸着し、カルボキシ基のみによって多孔質光電極3に吸着するZ907とは異なる立体配置で多孔質光電極3に吸着する。ここで、もし仮に、色素Aの同一炭素に結合した複数個の官能基が、いずれも多孔質光電極3に強く結合する官能基であると、多孔質光電極3に吸着されたこの色素Aの立体配置は自由度が少なくなり、同一炭素に結合した複数個の官能基が存在する効果が発現しにくくなる。これに対し、色素Aでは、多孔質光電極3に弱く結合するシアノ基が補助的に機能し、しかも、強く結合するカルボキシ基の、多孔質光電極3への結合を妨げることがない。この結果、色素Aでは、カルボキシ基およびシアノ基が同一炭素に結合している効果が効果的に発現する。すなわち、色素AとZ907とは、多孔質光電極3の表面上で互いに隣接していても、強い相互作用を及ぼし合うことなく共存することができるため、互いの光電変換性能を損なうことがない。一方、色素Aは、同じ多孔質光電極3の表面に結合したZ907間に効果的に介在し、Z907の会合を抑制して、Z907間での無駄な電子移動を防止する。このため、光を吸収したZ907からは、励起された電子が無駄にZ907間で移動することなく、効率よく多孔質光電極3に取り出されるため、Z907の光電変換効率が向上する。また、光を吸収した色素Aの励起電子は、強く結合するカルボキシ基から多孔質光電極3へ取り出されるため、多孔質光電極3への電荷移動が効率よく行われる。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、多孔質光電極3に色素8としてZ907および色素Aを吸着させることを除いて、第1の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
[色素増感光電変換素子の動作]
次に、この色素増感光電変換素子の動作について説明する。
図18は、この色素増感光電変換素子の動作原理を説明するためのエネルギー図である。この色素増感光電変換素子は、光が入射すると、対極4を正極、透明導電膜2を負極とする電池として動作する。その原理は次の通りである。なお、ここでは、透明導電膜2の材料としてFTOを用い、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bの材料としてTiO2 、コア7aの材料としてAuを用い、レドックス対としてI- /I3 - の酸化還元種を用いることを想定している。ただし、これに限定されるものではない。
透明基板1および透明導電膜2を透過してきた光子を、多孔質光電極3に吸着した色素8、すなわちZ907および色素Aが吸収すると、これらのZ907および色素A中の電子が基底状態(HOMO)から励起状態(LUMO)へ励起される。この際、色素8がZ907および色素Aからなるため、色素8が単一の色素からなる従来の色素増感光電変換素子に比べて、より広い波長領域の光をより高い光吸収率で吸収することができる。
励起状態の電子は、色素8、すなわちZ907および色素Aと多孔質光電極3との間の電気的結合を介して、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bを構成するTiO2 の伝導帯に引き出され、多孔質光電極3を通って透明導電膜2に到達する。この際、Z907および色素Aの最小励起エネルギー、言い換えるとHOMO−LUMOギャップが互いに十分異なり、しかもこれらのZ907および色素Aは多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bの表面に異なる立体配置で吸着するため、これらのZ907および色素Aの間で無駄な電子移動が起こりにくい。このため、これらのZ907および色素Aは互いの量子収率を低下させることがなく、これらのZ907および色素Aによる光電変換機能が発現し、電流の発生量が大きく向上する。また、この系では、色素Aの励起状態の電子が多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bの伝導帯に引き出される経路が二種類存在する。一つは、色素Aの励起状態から直接、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bの伝導帯に引き出される直接経路11である。もう一つは、色素Aの励起状態の電子が、まず、エネルギー準位の低いZ907の励起状態へ引き出され、その後、Z907の励起状態から多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bの伝導帯に引き出される間接経路12である。この間接経路12の寄与によって、色素Aに加えてZ907が共存する系では色素Aの光電変換効率が向上する。
一方、電子を失ったZ907および色素Aは、電解質層6中の還元剤、例えばI- から下記の反応によって電子を受け取り、電解質層6中に酸化剤、例えばI3 - (I2 とI- との結合体)を生成する。
2I- → I2 + 2e-
2 + I- → I3 -
こうして生成された酸化剤は拡散によって対極4に到達し、上記の反応の逆反応によって対極4から電子を受け取り、もとの還元剤に還元される。
3 - → I2 + I-
2 + 2e- → 2I-
透明導電膜2から外部回路へ送り出された電子は、外部回路で電気的仕事をした後、対極4に戻る。このようにして、色素8、すなわちZ907および色素Aにも電解質層6にも何の変化も残さず、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
ここで、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のTiO2 からなるシェル7bの表面に色素8としてZ907および色素Aを吸着させ、かつ電解質層6の溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを用いることにより得られる効果の評価を行った。ただし、この評価実験においては、金属/金属酸化物微粒子7からなる多孔質光電極3の代わりに従来のTiO2 微粒子からなる多孔質光電極を用いた。金属/金属酸化物微粒子7の表面にZ907および色素Aを吸着させた場合も、TiO2 微粒子の表面にZ907および色素Aを吸着させた場合も、Z907および色素Aが吸着しているのはTiO2 であり、かつ色素8からの電子の移動先もTiO2 である。このため、金属/金属酸化物微粒子7の代わりにTiO2 微粒子を用いても、金属/金属酸化物微粒子7のTiO2 からなるシェル7bの表面にZ907および色素Aを吸着させることにより得られる効果の評価を行うことができると考えられる。
評価実験に用いた色素増感光電変換素子は次のようにして作製した。
TiO2 微粒子からなる多孔質光電極を形成する際の原料であるTiO2 のペースト状分散液は、「色素増感太陽電池の最新技術」(荒川裕則監修,2001年,(株)シーエムシー)を参考にして作製した。すなわち、まず、室温で撹拌しながらチタンイソプロポキシド125mLを0.1Mの硝酸水溶液750mLに徐々に滴下した。滴下後、80℃の恒温槽に移し、8時間撹拌を続けたところ、白濁した半透明のゾル溶液が得られた。このゾル溶液を室温になるまで放冷し、ガラスフィルタでろ過した後、溶媒を加えて溶液の体積を700mlにした。得られたゾル溶液をオートクレーブへ移し、220℃で12時間水熱反応を行わせた後、1時間超音波処理して分散化処理を行った。次に、この溶液をエバポレータを用いて40℃で濃縮し、TiO2 の含有量が20wt%になるように調製した。この濃縮ゾル溶液に、TiO2 の質量の20%分のポリエチレングリコール(分子量50万)と、TiO2 の質量の30%分の粒子直径200nmのアナターゼ型TiO2 とを添加し、撹拌脱泡機で均一に混合し、粘性を増加させたTi O2 のペースト状分散液を得た。
上記のTiO2 のペースト状分散液を、透明導電膜2であるFTO層の上にブレードコーティング法によって塗布し、大きさ5mm×5mm、厚さ200μmの微粒子層を形成した。その後、500℃に30分間保持して、TiO2 微粒子をFTO層上に焼結した。焼結されたTiO2 膜へ0.1Mの塩化チタン(IV)TiCl4 水溶液を滴下し、室温下で15時間保持した後、洗浄し、再び500℃で30分間焼成を行った。この後、紫外光照射装置を用いてTiO2 焼結体に紫外光を30分間照射し、このTiO2 焼結体に含まれる有機物などの不純物をTiO2 の光触媒作用によって酸化分解して除去し、TiO2 焼結体の活性を高める処理を行い、TiO2 微粒子からなる多孔質光電極を得た。
色素8として、十分に精製したZ907 23.8mgと、色素A 2.5mgとを、アセトニトリルとtert−ブタノールとを1:1の体積比で混合した混合溶媒(以下、アセトニトリルとtert−ブタノールとの混合溶媒と略称する。)50mLに溶解させ、色素溶液を調製した。
次に、多孔質光電極をこの色素溶液に室温下で24時間浸漬し、TiO2 微粒子表面に色素8としてZ907および色素Aを保持させた。次に、4 −tert−ブチルピリジンのアセトニトリル溶液およびアセトニトリルを順に用いて多孔質光電極を洗浄した後、暗所で溶媒を蒸発させ、乾燥させた。
対極4は、予め直径0.5mmの注液口が形成されたFTO層の上に厚さ50nmのクロム層および厚さ100nmの白金層を順次スパッタリング法によって積層し、その上に塩化白金酸のイソプロピルアルコール(2 −プロパノール)溶液をスプレーコートし、385℃、15分間加熱することにより形成した。
次に、透明基板1と対極4とを多孔質光電極と対極4とが対向するように配置し、外周を厚さ30μmのアイオノマー樹脂フィルムとアクリル系紫外線硬化樹脂とによって封止した。
一方、3−メトキシプロピオニトリル(溶媒)2.0gに、ヨウ化ナトリウムNa I
0.030g、1 −プロピル−2,3 −ジメチルイミダゾリウムヨーダイド 1.0g、ヨウ素I2 0.10g、そして4 −tert−ブチルピリジン(TBP) 0.054gを溶解させ、電解液を調製した。
この電解液を予め準備した色素増感光電変換素子の注液口から送液ポンプを用いて注入し、減圧することで素子内部の気泡を追い出した。こうして電解質層6が形成される。次に、注液口をアイオノマー樹脂フィルム、アクリル樹脂およびガラス基板で封止し、評価用の色素増感光電変換素子を完成した。
〈比較例1〉
溶媒として3−メトキシプロピオニトリルの代わりにアセトニトリルを用いて電解液を調製した。その他は上記の評価用の色素増感光電変換素子と同様にして色素増感光電変換素子を製造した。
〈比較例2〉
多孔質光電極に吸着させる光増感色素として、Z907および色素Aの代わりにブラックダイ(BDと略記)および色素Aを用いた。その他は上記の評価用の色素増感光電変換素子と同様にして色素増感光電変換素子を製造した。
〈比較例3〉
多孔質光電極に吸着させる色素8として、Z907および色素Aの代わりにブラックダイ(BDと略記)および色素Aを用い、溶媒として3−メトキシプロピオニトリルの代わりにアセトニトリルを用いて電解液を調製した。その他は上記の評価用の色素増感光電変換素子と同様にして色素増感光電変換素子を製造した。
〈評価用の色素増感光電変換素子の性能評価〉
以上のようにして作製した評価用の色素増感光電変換素子について、擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm2 )照射時における電流−電圧曲線における光電変換効率を測定した。その結果、TiO2 微粒子からなる多孔質光電極にZ907および色素Aを吸着させた評価用の色素増感光電変換素子の光電変換効率は7.3%であった。この光電変換効率の値は、多孔質光電極に単独で色素Aを結合した場合の光電変換効率4.3%、多孔質光電極3に単独でZ907を結合した場合の光電変換効率6.6%に比べて高い。
この評価用の色素増感光電変換素子の長期信頼性を短時間で確認するために、この色素増感光電変換素子を60℃の環境に長時間(960時間)保管し、加速劣化試験を行った。その結果を図19に示す。図19には比較例の色素増感光電変換素子について加速劣化試験を行った結果も示す。図19に示すように、電解質層6の溶媒としてアセトニトリルを用いた比較例の色素増感光電変換素子では、加速劣化試験後にIPCEが大幅に減少し、光電変換性能が大幅に低下している。これに対し、電解質層6の溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを用いた評価用の色素増感光電変換素子では、加速劣化試験後でもIPCEはほとんど減少しておらず、光電変換性能はほとんど変化していない。
評価用および比較例1〜3の色素増感光電変換素子を60℃の環境に保管して光電変換効率の経時変化を測定した。その結果を図20に示す。図20の縦軸は色素増感光電変換素子の電流−電圧測定から求めた光電変換効率を正規化したもの(正規化効率)である。図20に示すように、比較例1〜3の色素増感光電変換素子では光電変換効率は時間の経過とともに大幅に減少するのに対し、評価用の色素増感光電変換素子では光電変換効率は960時間経過後でもほとんど減少していない。これにより、評価用の色素増感光電変換素子は耐久性が高く、長期信頼性に優れていることが分かる。このことから、第13の実施の形態による色素増感光電変換素子も耐久性が高く、長期信頼性に優れているということができる。
以上のように、この第13の実施の形態によれば、多孔質光電極3を構成する金属/金属酸化物微粒子7のシェル7bの表面に吸着させる色素8としてZ907および色素Aを用い、電解質層6を調製する際の溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを用いている。このため、時間の経過とともに光電変換効率がほとんど減少せず、耐久性が高く、長期信頼性に優れた色素増感光電変換素子を得ることができる。
〈14.第14の実施の形態〉
[色素増感光電変換素子]
第14の実施の形態による色素増感光電変換素子においては、電解質層6として、3−メトキシプロピオニトリルを溶媒に用いた電解液とTiO2 またはSiO2 からなるナノ粒子とからなるナノコンポジットゲルを用いる。この色素増感光電変換素子のその他の構成は第13の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
[色素増感光電変換素子の製造方法]
この色素増感光電変換素子の製造方法は、電解質層6を、3−メトキシプロピオニトリルを溶媒に用いた電解液とTiO2 またはSiO2 からなるナノ粒子とからなるナノコンポジットゲルにより形成することを除いて、第13の実施の形態による色素増感光電変換素子と同様である。
第13の実施の形態と同様にして、この色素増感光電変換素子の評価を行った結果について説明する。
この評価用の色素増感光電変換素子は次のようにして作製した。
溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを用い、第13の実施の形態において作製した評価用の色素増感光電変換素子と同様な電解質を添加して調製した電解液にSiO2 からなるナノ粒子を約10%添加して混合することによりゲル化し、ナノコンポジットゲルを調製し、これを電解質層6に用いた。その他は第13の実施の形態において作製した評価用の色素増感光電変換素子と同様にして色素増感光電変換素子を製造した。
〈評価用の色素増感光電変換素子の性能評価〉
以上のようにして作製した評価用の色素増感光電変換素子について、擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm2 )照射時における電流−電圧曲線における光電変換効率を測定した。その結果、多孔質光電極を構成するTiO2 微粒子の表面にZ907および色素Aを結合したこの評価用の色素増感光電変換素子の光電変換効率は8.5%であった。この光電変換効率の値は、多孔質光電極を構成するTiO2 微粒子の表面に単独で色素Aを結合した場合の光電変換効率5.1%、同じく多孔質光電極を構成するTiO2 微粒子の表面に単独でZ907を結合した場合の光電変換効率7.5%に比べて高い。
第14の実施の形態によれば、第13の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。
1…透明基板、2…透明導電膜、3…多孔質光電極、4…対極、5…封止材、6…電解質層、7…金属/金属酸化物微粒子、7a…コア、7b…シェル、8…色素、9…散乱粒子

Claims (11)

  1. 金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により構成された多孔質光電極を有する光電変換素子。
  2. 上記金属が金、銀、銅、白金およびパラジウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属である請求項1記載の光電変換素子。
  3. 上記金属酸化物が酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属酸化物である請求項2記載の光電変換素子。
  4. 上記微粒子の粒径が1〜500nmである請求項3記載の光電変換素子。
  5. 上記微粒子の上記コアの粒径が1〜200nmである請求項4記載の光電変換素子。
  6. 上記多孔質光電極に増感色素が吸着している請求項5記載の光電変換素子。
  7. 上記光電変換素子は、上記多孔質光電極と対極との間に電解質層が充填された構造を有し、上記多孔質光電極に増感色素が吸着している色素増感光電変換素子である請求項6記載の光電変換素子。
  8. 上記多孔質光電極に上記増感色素としてZ907および色素Aが吸着しており、上記電解質層に溶媒として3−メトキシプロピオニトリルが含まれている請求項7記載の光電変換素子。
  9. 金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により多孔質光電極を形成する工程を有する光電変換素子の製造方法。
  10. 上記多孔質光電極を形成した後、上記多孔質光電極に増感色素としてZ907および色素Aを吸着させる工程と、
    上記多孔質光電極に増感色素としてZ907および色素Aを吸着させた後、上記多孔質光電極と対極との間に電解質層が充填された構造を形成し、この際、上記電解質層に溶媒として3−メトキシプロピオニトリルを含ませる工程とをさらに有する請求項9記載の光電変換素子の製造方法。
  11. 金属からなるコアとこのコアを取り巻く金属酸化物からなるシェルとからなる微粒子により構成された多孔質光電極を有する光電変換素子を有する電子機器。
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