JP2011012200A - 共重合ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物の発生や成形時における金型汚れが低減し、アルカリ溶出排水中への重金属含有量が低減され、かつ、色調、熱安定性、染色性に優れた共重合ポリエステルおよびその製造方法。
【解決手段】テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分とエチレングリコール成分、金属スルホイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分を全ジカルボン酸成分に対して0.1〜10モル%、および重量平均分子量400〜6000のポリオキシアルキレングリコール0.1〜5.0重量%をエステル化反応、またはエステル交換反応し、次いで減圧下で重縮合反応して共重合ポリエステルを製造するに際して、エステル化またはエステル交換反応触媒として、リチウム化合物、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を、また重縮合反応触媒としてチタン化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を用いるとともに、減圧を開始してからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間に色調調整剤を共重合ポリエステルの全質量を基準として0.01〜20ppm添加することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法により達成できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、色調、熱安定性、染色性に優れた共重合ポリエステルに関するものである。更に詳しくは、異物の発生や成形時における金型汚れが低減し、アルカリ溶出排水中への重金属含有量が低減され、かつ、色調、熱安定性、染色性に優れ、色斑の小さな共重合ポリエステルおよびその製造方法に関するものである。
ポリエステルはその機能性の有用さから多目的に用いられており、例えば、衣料用、資材用、医療用に用いられている。その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレートが優れ、好適に使用されている。
一般にポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるが、高分子量のポリマーを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマーは以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリマーを溶融紡糸して繊維とするときに、アンチモン触媒の残渣が口金孔周りに堆積することが知られている。この堆積が進行するとフィラメントに欠点が生じる原因となるため、適時除去する必要が生じる。アンチモン触媒残渣の堆積が生じるのは、ポリマー中のアンチモン化合物が口金近傍で変成し、一部が気化、散逸した後、アンチモンを主体とする成分が口金に残るためであると考えられている。また、ポリマー中のアンチモン触媒残渣は比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって成形加工時のフィルターの濾圧上昇、紡糸の際の糸切れあるいは製膜時のフイルム破れの原因になるなどの好ましくない特性を有しており、操業性を低下させる一因となっている。
またポリエステル繊維では、ポリエステル繊維をアルカリ水溶液に含浸させてポリエステル繊維の表面を加水分解し、ソフトな風合いを得るアルカリ加工処理を行う場合があるが、この時重縮合触媒としてアンチモン化合物を用いているとアルカリ水溶液中にアンチモン化合物が溶出してしまうため、環境に好ましくない影響を与える可能性がある。
上記のような背景からアンチモンを含有しないポリエステルが求められている。そこで、重縮合触媒の役割をアンチモン系化合物以外の化合物に求める場合として、ゲルマニウム化合物を用いることがよく知られているが、ゲルマニウム化合物は埋蔵量も少なく希少価値であることから汎用的に用いることは難しい。
この問題に対して重縮合触媒としてチタン化合物やアルミニウム化合物を用いる検討が盛んに行われている。チタン化合物やアルミニウム化合物はアンチモン化合物に比べて触媒活性が高いため、少量の添加で所望の触媒活性を得ることができるため、異物粒子の発生や口金汚れを抑制することができる。しかし、チタン化合物やアルミニウム化合物を重縮合触媒として用いると、その活性の高さゆえに熱分解反応や酸化分解反応などの副反応も促進するため、熱安定性が悪くなりポリマーが黄色く着色したり、ポリマーの熱安定性が悪化するという課題が生じる。ポリマーが黄色味を帯びるということは、例えばポリエステルを繊維として用いる場合、特に衣料用繊維では商品価値を損なうので、好ましくない。
かかる問題に対して、チタン化合物やアルミニウム化合物とともにリン化合物を添加することでポリマーの色調や熱安定性を向上させる検討が広くなされている。この方法は、リン化合物により高すぎる触媒金属の活性を抑制して、ポリマーの熱安定性や色調を向上させるというものである。例えば、チタン化合物を触媒として用いるポリエステルの製造方法において、リン化合物としてホスファイト化合物やホスフェート化合物を添加する方法(特許文献1)や、アルミニウム化合物を触媒として用いるポリエステルの製造方法において、アルミニウム化合物と他の金属種組み合わせて添加する方法(特許文献2)について明示されている。しかしながら、これらの方法を用いると、確かにポリマーの熱安定性に一定の向上は見られるものの、その効果は十分ではない。また、チタン化合物と特定のリン化合物とを反応させて得られた生成物、あるいは、チタン化合物と特定のリン化合物の未反応混合物あるいは反応生成物を、それぞれポリエステル製造用触媒として使用することも検討されている(特許文献3、4)。この検討においても、ポリエステルの色調や熱安定性は一定の改善を得ることが出来るが、リン化合物の添加量が多いときには触媒の失活が起こったり、リン化合物が少ない場合には熱安定性が十分ではないなどの課題が残る。上記の通り、チタン化合物の重合反応活性を損なうことなく、熱安定性を向上させるために副反応を抑制するという矛盾した課題を解決する必要があった。
この課題に対して、本発明者らは、リン化合物を重縮合反応後半に添加することにより、重合時間の遅延が無く、熱安定性・色調を改善出来ることを見出した(特許文献5)。この方法によれば、汎用用途のポリエステルではチタン触媒における欠点をほぼ克服することが出来る。
しかしながら、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分またはポリエーテル成分を共重合成分とする共重合ポリエステルにおいては、通常のポリエチレンテレフタレートに比べて熱安定性が低く、触媒由来の着色がより顕著になるため、問題となる場合がある。
この金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分またはポリエーテル成分を共重合成分とする共重合ポリエステルについても、アンチモン触媒を用いない検討が開示されている。例えば、ポリマーの黄色味を抑えるために重金属であるコバルトを添加する方法がある(特許文献6)が、この方法ではアルカリ加工処理排水中に重金属を含んでしまい、環境負荷が大きくなる。また、チタン酸被覆処理をしたアルミニウム化合物を重縮合触媒として用いる方法(特許文献7)では、ポリマーの着色を十分に抑えることが出来なかった。また、共重合ポリエステルの黄色味を抑えるために色調調整剤として有機染料を添加したポリエステルが開示されている(特許文献8、9)が、この方法ではポリエステルの重合時に副生されるエチレングリコールに有機染料が飛散してしまうため、副生したエチレングリコールを使用して新たなポリエステルを合成する際、明度の低下や異物粒子が発生したり、またポリエステルを成形加工した際に色斑が発生するといった課題が生じる。
そこで、上記の問題点を改善するポリエステルを鋭意検討した結果、本発明に到達した。
特開平6−100680号公報(特許請求の範囲) 特開平11−109207号公報(特許請求の範囲) 特開2005−290290号公報(特許請求の範囲) 特開2008−63486号公報(特許請求の範囲) 特開2008−111088号公報(特許請求の範囲) 特開2005−247883号公報(特許請求の範囲) 特開2008−156453号公報(特許請求の範囲) 特開2006−176625号公報(特許請求の範囲) 特開2007−284599号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は上記従来の問題を解消、つまり、異物の発生や成形時における金型汚れが低減し、アルカリ溶出排水中への重金属含有量が低減され、かつ、色調、熱安定性、染色性に優れ、色斑の小さな共重合ポリエステルおよびその製造方法を提供することである。
上記本発明の課題は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分とエチレングリコール成分、金属スルホイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分を全ジカルボン酸成分に対して0.1〜10モル%、および重量平均分子量400〜6000のポリオキシアルキレングリコールを0.1〜5.0重量%をエステル化反応、またはエステル交換反応し、次いで減圧下で重縮合反応して共重合ポリエステルを製造するに際して、エステル化またはエステル交換反応触媒として、リチウム化合物、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を、また重縮合反応触媒としてチタン化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を用いるとともに、減圧を開始してからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間に色調調整剤を共重合ポリエステルの全質量を基準として0.01〜20ppm添加することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法により解決できる。
本発明によれば、従来品に比べて色調、熱安定性、染色性に優れ、色斑の小さな共重合ポリエステルを得ることができる。この共重合ポリエステルは、繊維用、フイルム用、ボトル用等の成形体の製造において、色調悪化、口金汚れ、濾圧上昇、糸切れ等の問題を解消し、アルカリ溶出排水中への重金属含有量が低減できる。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体及びエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化またはエステル交換反応させた後、重縮合させ合成されるものである。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法には、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸が0.1〜10モル%、重量平均分子量400〜6000のポリオキシアルキレングリコールが0.1〜5.0重量%共重合されていることが必要である。共重合成分をこの範囲にすることにより、成形加工性に優れ、かつ、染色性に優れた共重合ポリエステルを得ることが出来る。金属スルホネート基を含有するイソフタル酸の共重合量が多すぎると成型時の粘度が異常に高くなり、濾圧上昇などの問題が起きる。一方、少なすぎると染色性に劣る。ポリオキシアルキレングリコールの重量平均分子量が大きすぎると、共重合せずポリエステル中で塊を形成しやすく、小さすぎると染色性に劣る。ポリオキシアルキレングリコールの共重合量が多すぎると、耐熱性およびポリマー色調が悪化し、少なすぎると染色性に劣る。金属スルホネート基を含有するイソフタル酸の共重合量は0.6〜5モル%が好ましく、中でも1.0〜2.0%がより好ましい。ポリオキシアルキレングリコールの重量平均分子量は600〜5000、共重合量は0.5〜2.0重量%が好ましく、重量平均分子量は800〜4000、共重合量は0.8〜1.5重量%が特に好ましい。
その他に、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸等のオキシカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体等が共重合されていてもよいが、エチレンテレフタレート繰り返し単位を70モル%以上有する共重合ポリエステルであることが好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、チタン化合物またはアルミニウム化合物を重縮合触媒として用いることが必須である。チタン化合物またはアルミニウム化合物を重縮合触媒として用いることにより、熱安定性、色調に優れた共重合ポリエステルが得られ、また共重合ポリエステルを用いた成形体の製造において、色調悪化、口金汚れ、濾圧上昇、糸切れ等の問題を解消し、アルカリ溶出排水中への重金属含有量が低減できる。
チタン化合物としては特に限定されず、ポリエステルの重縮合触媒として一般的なチタン化合物、例えば、酢酸チタンやテトラ−n−ブトキシチタンなどが挙げられる。チタン化合物としてより好ましいのは、一般式(I)で表わされる化合物、又は一般式(I)で表わされる化合物と一般式(II)で表わされる芳香族多価カルボン酸若しくは無水物とを反応させた生成物、一般式(I)で表わされる化合物と一般式(III)、(IV)、(V)で表されるリン化合物の少なくとも1種とを反応させた生成物、一般式(I)で表わされる化合物と一般式(II)で表わされる芳香族多価カルボン酸若しくは無水物とを反応させた生成物と一般式(III)、(IV)、(V)で表されるリン化合物の少なくとも1種とを反応させた生成物、多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、含窒素カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つをキレート剤とするチタン錯体化合物を用いることである。
Figure 2011012200
[式(I)中、R、R、R及びRはそれぞれ互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、pは1〜4の整数を示し、かつpが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR及びRは、互いに異なっていてもよい。]
Figure 2011012200
[式(II)中、qは2〜4の整数を表わす。]
Figure 2011012200
[式(III)中、rは1又は2を表し、sは0又は1を表し、但しrとsとの和は1又は2であり、Rは、未置換の又は置換された、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表し、rが2を表す場合、2個のR基は、互いに同一であってもよく、或いは異なっていてもよい。上記式(IV)中、u及びvは1〜3の整数、tは2以上の整数を表し、Rは、水素原子、または未置換の又は置換された、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表す。上記式(V)中、RおよびRは同一又は異なった炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Xは、−CH−又は−C(CH)H−を表す。]
一般式(I)で表わされるチタン化合物は、テトラアルコキサイドチタン及び/又はテトラフェノキサイドチタンなどが挙げられ、R〜Rが炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基であれば特に限定されないが、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン又はテトラフェノキシチタンなどが好ましく用いられる。また、かかるチタン化合物と反応させる一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸若しくはピロメリット酸又はこれらの無水物が好ましく用いられる。一般式(I)で表されるチタン化合物と一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させる場合には、溶媒に芳香族多価カルボン酸又はその無水物の全部又は一部を溶解し、これにチタン化合物を滴下し、0〜200℃の温度で30分以上反応させれば良い。また必要に応じてチタン化合物を滴下後、残りの芳香族多価カルボン酸又はその無水物を加えればよい。チタン化合物(I)と式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応モル比には限定はない。しかし、チタン化合物(I)の割合が高すぎると、得られるポリエステルの色調が悪化したり、軟化点が低下したりすることがあり、逆にチタン化合物(I)の割合が低すぎると重縮合反応が進みにくくなることがある。このため、チタン化合物(I)と式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応モル比は、2/1〜2/5の範囲内にコントロールされることが好ましい。この反応によって得られる反応生成物を、重縮合触媒として用いても良く、またさらに一般式(III)〜(V)で表されるリン化合物と反応させてもよい。リン化合物と反応させる場合は、反応生成物をそのままリン化合物との反応に供してもよく、あるいはこれを、アセトン、メチルアルコール及び/又は酢酸エチルなどからなる溶剤を用いて再結晶して精製した後、リン化合物と反応させてもよい。
一般式(III)で表されるリン化合物は、Rが未置換の又は置換された、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、又は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表しているが、この置換基としては、例えば、カルボキシル基、アルキル基、ヒドロキシル基及びアミノ基などを包含する。例えば、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニルホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3−ジカルボキシルフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,6−ジカルボキシルフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸などから選ばれる。
チタン化合物(I)とリン化合物(III)を反応させる場合、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(III)と反応させる場合は、例えばリン化合物(III)と溶媒とを混合してリン化合物の一部又は全部を溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物(I)を滴下し、反応系を0℃〜200℃の温度に10分間以上、好ましくは15〜150℃の温度に30〜90分間、加熱することによって行われる。この反応において、反応圧力については格別の制限はなく、加圧下(0.1〜0.5MPa)、常圧下、又は減圧下(0.001〜0.1MPa)のいずれであってもよく、通常常圧下が行われる。この時、リン化合物の調製に用いられる溶媒は、リン化合物(III)の少なくとも一部を溶解し得る限り格別の制限はないが、例えば、エタノール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ベンゼン、及びキシレン等から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒が好ましく用いられる。特に、最終的に得ようとするポリエステルを構成しているグリコール成分と同一の化合物を溶媒として用いることが好ましい。この調製反応において、反応系中のチタン化合物(I)とリン化合物(III)の配合割合、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(III)との配合割合は、得られる反応生成物に含まれるチタン化合物のチタン原子換算モル量(mT)と、リン化合物のリン原子換算モル量(mPIII)に対する反応モル比mT:mPIIIが1:1〜1:4の範囲になるように設定されることが好ましい。より好ましい反応モル比はmTi:mPIIIは1:1〜1:3である。
チタン化合物(I)とリン化合物(III)の反応生成物、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(III)の反応生成物は、反応生成物を反応系から遠心沈降処理又は濾過などの手段により分離した後、又は分離することなくそれをそのまま用いてもよく、或は、この分離された反応生成物を、再結晶剤、例えばアセトン、メチルアルコール及び/又は水などにより再結晶し精製した後用いてもよい。
一般式(IV)で表されるリン化合物は、uがより大きい化合物が好ましい。これらのリン化合物は単一種を用いても複数種を併用して用いても良い。特に工業的に生産されており入手が容易という点で、エチレングリコールアシッドホスフェート(上記式(IV)において、R=水素原子、t=2、u=1、v=1または2の化合物に対応する。)、ブトキシエチルアシッドホスフェート(上記式(IV)において、R=C、t=2、u=1、v=1、2の重量比が4:6の化合物に対応する。)が好ましい。上記チタン化合物(I)とリン化合物(IV)とを反応、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(IV)とを反応させる場合は、アルキレングリコールを溶媒として加熱することにより製造することができる。この際チタン化合物(I)、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(IV)のグリコール溶液を混合し加熱すると、チタン化合物とリン化合物が反応し、その反応生成物はグリコール中に懸濁物として得られる。ここで用いるグリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール又はシクロヘキサンジメタノールを例示することができる。溶媒として用いるアルキレングリコールには、その後製造したその触媒を用いて製造するポリエステルの原料と同じグリコールを使用することが好ましい。反応温度は、常温では反応が不十分であったり、反応に過大に時間を要する問題があるため、通常50℃〜200℃の温度で反応させることが好ましく、反応時間は1分〜4時間で完結させるのが好ましい。例えば、アルキレングリコールとしてエチレングリコールを用いる場合は15℃〜150℃が好ましく、ヘキサメチレングリコールを用いる場合100℃〜200℃が好ましい範囲であり、反応時間は30分〜2時間がより好ましい範囲となる。反応温度が高すぎたり、時間が長すぎると、触媒の劣化が起こるため好ましくない。この調製反応において、反応系中のチタン化合物(I)とリン化合物(IV)の反応生成物の配合割合、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(IV)との配合割合は、得られる反応生成物に含まれるチタン化合物のチタン原子換算モル量(mT)と、リン化合物のリン原子換算モル量(mPIV)に対する反応モル比mT:mPIVが1:1.5〜1:2.5の範囲になるように設定されることが好ましい。より好ましい反応モル比はmTi:mPIVは1:1.7〜1:2.3である。一方1.5未満では未反応チタン化合物が多く存在し、逆に2.5以上では、過剰な未反応のリン化合物の存在が多く存在してしまう。
一般式(V)で表されるリン化合物は、ホスホン酸のジメチル−、ジエチル−、ジプロピル−及びジブチルエステルが挙げられ、具体的にはカルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボプトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸等が挙げられる。特に、トリエチルホスホノアセテート(上記式(V)において、R=C、R=C、X=CHの化合物に対応する。)が好ましい。リン化合物(V)は、通常安定剤として使用されリン化合物に比較し、チタン化合物との反応が比較的緩やかに進行する為、チタン化合物の触媒活性が、重縮合反応中における持続時間も長く、結果としてポリエステルへの添加量が少なくでき、また、本出願のように触媒に対し多量の安定剤を添加する場合でも、ポリエステルの重合活性を損ないにくい特性を有している。上記チタン化合物(I)とリン化合物(V)、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(V)と反応させる場合は、例えばリン化合物(V)と溶媒とを混合してリン化合物の一部又は全部を溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物(I)、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物を滴下し、反応系を0℃〜200℃の温度に10分間以上、好ましくは15〜150℃の温度に30〜90分間、加熱することによって行われる。この反応において、反応圧力については格別の制限はなく、加圧下(0.1〜0.5MPa)、常圧下、又は減圧下(0.001〜0.1MPa)のいずれであってもよく、通常常圧下が行われる。この時、リン化合物の調製に用いられる溶媒は、リン化合物(V)の少なくとも一部を溶解し得る限り格別の制限はないが、例えば、エタノール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ベンゼン、及びキシレン等から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒が好ましく用いられる。特に、最終的に得ようとするポリエステルを構成しているグリコール成分と同一の化合物を溶媒として用いることが好ましい。この調製反応において、反応系中のチタン化合物(I)とリン化合物(V)との配合割合、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(V)との配合割合は、得られる反応生成物に含まれるチタン化合物のチタン原子換算モル量(mT)と、リン化合物のリン原子換算モル量(mPV)に対する反応モル比mT:mPVが1:1〜1:4の範囲になるように設定されることが好ましい。より好ましい反応モル比はmTi:mPVは1:1〜1:3である。チタン化合物(I)とリン化合物(V)の反応生成物、またはチタン化合物(I)と芳香族多価カルボン酸化合物(II)との反応生成物とリン化合物(V)の反応生成物は、反応生成物を反応系から遠心沈降処理又は濾過などの手段により分離した後、又は分離することなくそれをそのまま用いてもよく、或は、この分離された反応生成物を、再結晶剤、例えばアセトン、メチルアルコール及び/又は水などにより再結晶し精製した後に用いてもよい。
チタン化合物のキレート剤としては、多価カルボン酸として、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ、ヒドロキシカルボン酸として、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられ、含窒素カルボン酸として、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸等が挙げられる。これらのチタン化合物は単独で用いても併用して用いてもよい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、重縮合触媒として用いるチタン化合物を、得られるポリマーに対してチタン原子換算で0.1〜50ppmとなるように添加することが好ましい。0.5〜20ppmであるとポリマーの色調や熱安定性がより良好となり好ましく、1〜15ppmであると特に好ましい。艶消し剤の目的で添加する酸化チタン粒子は、重縮合触媒としての働きはないため除かれる。
本発明で用いるアルミニウム化合物としては特に限定されず、ポリエステルの重縮合触媒として一般的なアルミニウム化合物が用いられる。例えば、無機アルミニウム化合物、アルミニウムアルコレート、アルミニウムキレート、カルボン酸アルミニウム塩などが挙げられる。無機アルミニウム化合物として、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム等が挙げられ、アルミニウムアルコレートとして、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリ−n−ブチレート、アルミニウムトリ−sec−ブチレート、アルミニウムトリ−tert−ブチレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、アルミニウムキレートとして、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウムアセチルアセトネート等が挙げられ、カルボン酸アルミニウム塩として、酢酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。中でも酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネートが好ましい。これらのアルミニウム化合物は単独で用いても併用して用いてもよい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、重縮合触媒として用いるアルミニウム化合物を、得られるポリマーに対してアルミニウム原子換算で0.1〜100ppmとなるように添加することが好ましい。1〜50ppmであるとポリマーの色調や熱安定性がより良好となり好ましく、3〜30ppmであると特に好ましい。
チタン化合物、アルミニウム化合物の添加時期は、ポリエステルの製造工程における重縮合反応工程が終了するまでの任意の段階で添加されることが必須である。エステル化反応触媒やエステル交換反応触媒としてジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体などの原料添加直後に触媒を添加する方法や、原料と同伴させて触媒を添加する方法があるが、重縮合反応触媒として添加する場合は、実質的に重縮合反応開始前であればよく、エステル化反応やエステル交換反応の前、あるいは該反応終了後、重縮合反応触媒が開始される前に添加してもよい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、エステル化反応触媒、エステル交換反応触媒のいずれかとして、リチウム化合物、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を用いることが必須である。エステル化反応触媒、エステル交換反応触媒のいずれかとして、リチウム化合物、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を用いることにより、熱安定性、色調に優れた共重合ポリエステルが得られ、また共重合ポリエステルを用いた成形体の製造において、色調悪化、口金汚れ、濾圧上昇、糸切れ等の問題を解消し、また染色性を向上させることが出来る。
リチウム化合物としては、具体的には例えば、炭酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム等が挙げられ、中でも炭酸リチウム、酢酸リチウムが好ましい。
ナトリウム化合物としては、具体的には例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられ、中でも炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムが好ましい。
マグネシウム化合物としては、具体的には例えば、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ジグリコキシドマグネシウム等が挙げられ、中でも酢酸マグネシウム、酸化マグネシウムが好ましい。
カルシウム化合物としては、具体的には例えば、酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ジグリコキシドカルシウム、カルシウムハイドライド、カルシウムアルコキシド等が挙げられ、中でも酢酸カルシウム、炭酸カルシウムが好ましい。
マンガン化合物としては、具体的には例えば、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガン、酢酸マンガン、二酸化マンガン等が挙げられ、中でも酢酸マンガン、炭酸マンガンが好ましい。
コバルト化合物としては、具体的には例えば、塩化コバルト、硝酸コバルト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト4水塩等が挙げられ、中でも酢酸コバルト、炭酸コバルトが好ましい。
亜鉛化合物としては、酢酸塩などの脂肪酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などのハロゲン化物、アセチルアセトナート塩、酸化物などが挙げられ、具体的化合物として、酢酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセトナート塩などが挙げられ、中でも酢酸亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法にエステル化反応触媒、エステル交換反応触媒のいずれかとして含まれる、リチウム化合物、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物は、得られるポリマーに対して上記金属原子換算の合計で1〜1000ppmとなるよう含有することが好ましい。5〜500ppmであるとポリマーの色調や熱安定性がより良好となり好ましく、10〜300ppmであると特に好ましい。
中でもエステル化反応触媒、エステル交換反応触媒のいずれかとして、リチウム化合物、カルシウム化合物を併用すると、特に色調、熱安定性に優れ、また異物の発生を抑制できるため好ましい。リチウム化合物、カルシウム化合物が得られるポリマーに対して上記金属原子換算の合計で5〜500ppmとなるよう含有することが好ましい。10〜300ppmであるとポリマーの色調や熱安定性がより良好となり特に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、色調調整剤を0.01〜20ppm添加することが必要である。色調調整剤の添加量が、0.01〜20ppmの範囲の時、明度が高く、また黄色味を抑えられた共重合ポリエステルが得られるため好ましい。より好ましくは、0.1〜10ppmの範囲であり、さらに好ましくは0.3〜3ppmの範囲である。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、通常知られているポリエステルの製造方法が用いられる。すなわち、まずテレフタル酸とエチレングリコールと共重合成分を直接エステル化反応させる、又はテレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸成分の低級アルキルエステルとエチレングリコールと共重合成分をエステル交換反応させ、エチレンテレフタレート共重合物の低重合体を製造する。これらの反応はエステル化反応触媒、エステル交換反応触媒の存在で行う。次いでこの反応生成物を重縮合触媒の存在下で減圧加熱し、所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって目的とする共重合ポリエステルが製造される。重縮合反応時には、発生するアルキレングリコール成分を系外に留去するために、最終的に高減圧にすることが好ましい。ポリエステルの重縮合反応は平衡反応であるため、アルキレングリコールを系外に留去することは高分子量ポリエステルを効率良く得るために重要である。最終的に到達する圧力としては、1〜100Paにすることが好ましく、1〜50Paであることがより好ましい。しかしながら本発明で添加する色調調整剤は、反応系内を高減圧にすると、発生するアルキレングリコールとともに反応系外に留去されてしまう場合がある。色調調整剤がアルキレングリコールとともに反応系外へ留去してしまうと、色調調整剤が所望量ポリエステルに含有されなくなり、得られるポリエステルの色調が変ってしまうため、また経済的にもコスト上昇につながるため好ましくない。また、反応系外に留去されたアルキレングリコールは、コンデンサーにて濃縮後に精製してポリエステルの製造に再び使用する場合があるが、その時に色調調整剤が多量に含まれると色調を大きく変えてしまったり、異物となってポリエステルの品質を大きく損ねてしまう場合がある。重縮合反応時に発生するアルキレングリコール中に含有する色調調整剤が0〜1.0ppmの範囲であると、上述の課題を回避できるため好ましい。より好ましくは0〜0.5ppmの範囲であり、少なければ少ないほど好ましい。また、色調調整剤の残存率(色調調整剤の残存率=共重合ポリエステル中の色調調整剤の含有量/共重合ポリエステルに添加した色調調整剤の添加量×100(%))が50%〜100%の範囲であることが、上述の課題を回避出来るため好ましい。より好ましくは70%〜100%の範囲であり、特に好ましくは90%〜100%の範囲である。
重縮合反応時に発生するアルキレングリコール中への色調調整剤の含有を抑え、また色調調整剤の残存率を向上させるには、色調調整剤の添加を重合反応器内の減圧を開始して重縮合反応を開始させてからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間に添加することが必要である。色調調整剤を上述する添加方法により添加することにより、色調調整剤の系外への留去を極めて抑えることが出来る。色調調整剤が重合時に発生するアルキレングリコール中に含有されるタイミングは、重縮合反応時に発生するアルキレングリコール成分が多く副生する重合初期と考えられるため、ある程度重縮合反応が進行した時期に色調調整剤を添加することにより色調調整剤の系外への留去を抑制できると推定している。すなわち色調調整剤を添加する時期は、反応器内を減圧にして重縮合反応を開始させてから重合が実質的に完了するまでの間であればいつ添加しても良いが、ポリエステルの固有粘度が目的とする固有粘度の40〜99%の時期に添加すると、色調調整剤の反応系外へ飛散を極めて少なくできるために好ましい。一方、色調調整剤の添加から吐出までの時間が短すぎると色調調整剤をポリマー中に均一に含有せしめることが困難となるため、色斑の原因になる場合がある。色調調整剤を添加する時期は、好ましくは50〜98%の間であり、特に好ましくは、75〜95%の間である。色調調整剤を添加する時期におけるポリエステルの固有粘度は、直接サンプリングを行い後述する方法で粘度測定を行って算出しても良いが、反応器の攪拌翼にかかるトルク負荷から算出しても良い。
重合反応器内の減圧を開始して重縮合反応を開始させてからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間に色調調整剤を添加する場合では、エチレングリコール等のジオール成分を多量に持ち込んで添加を行うと、ポリエステルの解重合(ポリエステル主鎖の切断反応)が進行してしまうため、色調調整剤を単独で添加するか、高濃度に色調調整剤を含有したマスターペレットを添加する方法、高濃度に色調調整剤を含有したエチレングリコール等のジオール成分を溶媒として添加する方法が好ましい。この時、色調調整剤は、数回に分割して添加してもよく、フィーダーなどで継続的に添加を行っても良い。また、上記の色調調整剤の添加方法は、重合系に溶解又は溶融可能でありかつ、本発明で得られる重合体と実質的に同一成分の重合体から成る容器に充填して添加することが好ましい。上記のような容器に色調調整剤を入れて添加を行うと、減圧条件下での重合反応器に添加を行うことによって、色調調整剤が飛散して、減圧ラインに色調調整剤が流出を防止することができるとともに、色調調整剤をポリマー中に所望量安定して添加することができる。本発明における「容器」とは、色調調整剤がまとめられるものであればよく、例えば、ふたや栓を有する射出成形容器、あるいはシートやフィルムをシールあるいは縫製などで袋状にしたものなどが含まれる。上記の容器は、空気抜きを作ることがさらに好ましい。空気抜きを作った容器に色調調整剤を入れて添加すると、真空条件下で重合反応器に添加しても、空気膨張により容器が破裂して色調調整剤が減圧ラインに流出したり、重合反応器の上部や壁面に付着することがなく、ポリマー中に色調調整剤を所望量添加することができる。この容器の厚さは、厚すぎると溶解、溶融時間が長くかかるため厚さは薄いほうがよいが、色調調整剤の封入・添加作業の際に破裂しない程度の厚さを確保する。そのためには10〜500μm厚さで均一で偏肉のないものが好ましい。
本発明に使用する色調調整剤は、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で熱天秤にて測定したときの質量減少開始温度が250℃以上である整色用色素から選ばれることが好ましい。ここで、熱天秤で測定したときの質量減少開始温度とは、JISK−7120に記載の質量減少開始温度(T1)のことであり、色調調整剤が有している熱安定性の指標となる。該質量減少開始温度が250℃未満である場合、色調調整剤の熱安定性が不十分であることから最終的に得られるポリエステルの着色の原因となり好ましくない。該質量減少開始温度は300℃以上であることが更に好ましい。またポリエステルが溶融状態にある温度下で分解しないことが更に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法においては、色調調整剤として青色系色調調整用色素と紫色系色調調整用色素を質量比90:10〜40:60の範囲で併用すること、又は青色系色調調整用色素と赤色系又は橙色系色調調整用色素を質量比98:2〜80:20の範囲で併用することが好ましい。ここで青色系色調調整用色素とは、一般に市販されている色調調整用色素の中で「Blue」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が580〜650nm程度にあるものを示す。同様に紫色系色調調整用色素とは市販されている色調調整用色素の中で「Violet」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が560〜580nm程度にあるものを示す。赤色系色調調整用色素とは市販されている色調調整用色素の中で「Red」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が480〜520nm程度にあるものである。橙色系色調調整用色素とは市販されている色調調整用色素の中で「Orange」と表記されているものである。
これらの色調調整用色素としては油溶染料が特に好ましく、具体的な例としては、青色系色調調整用色素には、C.I.SolventBlue11、C.I.SolventBlue25、C.I.SolventBlue35、C.I.SolventBlue36、C.I.SolventBlue45(TelasolBlueRLS)、C.I.SolventBlue55、C.I.SolventBlue63、C.I.SolventBlue78、C.I.SolventBlue83、C.I.SolventBlue87、C.I.SolventBlue94、C.I.SolventBlue104、C.I.SolventBlue122等が挙げられる。紫色系色調調整用色素には、C.I.SolventViolet8、C.I.SolventViolet13、C.I.SolventViolet14、C.I.SolventViolet21、C.I.SolventViolet27、C.I.SolventViolet28、C.I.SolventViolet36、C.I.SolventViolet37、C.I.SolventViolet49等が挙げられる。赤色系色調調整用色素には、C.I.SolventRed24、C.I.SolventRed25、C.I.SolventRed27、C.I.SolventRed30、C.I.SolventRed49、C.I.SolventRed52、C.I.SolventRed100、C.I.SolventRed109、C.I.SolventRed111、C.I.SolventRed121、C.I.SolventRed135、C.I.SolventRed149、C.I.SolventRed168、C.I.SolventRed179、C.I.SolventRed195等が例示される。橙色系色調調整用色素には、C.I.SolventOrange60等が挙げられる。
ここで青色系色調調整用色素と紫色系色調調整用色素を併用する場合、質量比90:10より青色系色調調整用色素の質量比が大きい場合は、得られるポリエステルのカラーa値が小さくなって緑色を呈し、40:60より青色色調調整用色素の質量比が小さい場合は、カラーa値が大きくなって赤色を呈してくる為好ましくない。同様に青色系色調調整用色素と赤色系又は橙色系色調調整用色素を併用する場合、質量比98:2より青色系色調調整用色素の質量比が大きい場合は、得られるポリエステルのカラーa値が小さくなって緑色を呈し、80:20より青色色調調整用色素の質量比が小さい場合は、カラーa値が大きくなって赤色を呈してくる為好ましくない。該色調調整用色素は、青色系色調調整用色素と紫色系色調調整用色素を質量比80:20〜50:50の範囲で併用すること、あるいは青色系色調調整用色素と赤色系又は橙色系色調調整用色素を質量比95:5〜90:10の範囲で併用することが更に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、リン化合物を含有していると熱安定性が向上し、異物が抑制されるため好ましい。リン化合物としては特に限定されないが、ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物、ホスホネート化合物、ホスフィナイト化合物、ホスフィネート化合物から選ばれる1種以上の化合物から選ばれることが好ましい。ホスファイト化合物としては、亜リン酸、亜リン酸モノアルキルエステル、亜リン酸ジアルキルエステル、亜リン酸トリアルキルエステル、およびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。具体的には、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等、亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。ホスフェート化合物としては、リン酸、リン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステル、リン酸トリアルキルエステル、およびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。具体的には、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、リン酸ナトリウム等が挙げられる。ホスホナイト化合物としては、亜ホスホン酸、亜ホスホン酸モノアルキルエステル、亜ホスホン酸ジアルキルエステル、亜ホスホン酸トリアルキルエステル、およびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。具体的には、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸、ブチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等が挙げられる。ホスホネート化合物としては、ホスホン酸、ホスホン酸モノアルキルエステル、ホスホン酸ジアルキルエステル、ホスホン酸トリアルキルエステル、およびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。具体的には、ホスホン酸ナトリウム、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、メチルホスホン酸ジエチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル、ベンジルホスホン酸ジメチルエステル、ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、ベンジルホスホン酸ジフェニルエステル、リチウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ナトリウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、マグネシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、カルシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等が挙げられる。ホスフィナイト化合物としては、亜ホスフィン酸、亜ホスフィン酸モノアルキルエステル、亜ホスフィン酸ジアルキルエステル、亜ホスフィン酸トリアルキルエステル、およびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。具体的には、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸、イソプロピル亜ホスフィン酸、ブチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸、ジエチル亜ホスフィン酸、ジプロピル亜ホスフィン酸、ジイソプロピル亜ホスフィン酸、ジブチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等が挙げられる。ホスフィネート化合物としては、次亜リン酸、次亜リン酸モノアルキルエステル、次亜リン酸ジアルキルエステル、次亜リン酸トリアルキルエステル、およびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。具体的には、次亜リン酸ナトリウム、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニルホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3−ジカルボキルシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,6−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、メチルホスフィン酸メチルエステル、ジメチルホスフィン酸メチルエステル、メチルホスフィン酸エチルエステル、ジメチルホスフィン酸エチルエステル、エチルホスフィン酸メチルエステル、ジエチルホスフィン酸メチルエステル、エチルホスフィン酸エチルエステル、ジエチルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸メチルエステル、フェニルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸フェニルエステル、ジフェニルホスフィン酸メチルエステル、ジフェニルホスフィン酸エチルエステル、ジフェニルホスフィン酸フェニルエステル、ベンジルホスフィン酸メチルエステル、ベンジルホスフィン酸エチルエステル、ベンジルホスフィン酸フェニルエステル、ビスベンジルホスフィン酸メチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸エチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸フェニルエステル等が挙げられる。中でも一般式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)で表されるリン化合物が好ましい。
Figure 2011012200
[式(VI)中、R、R10、R11はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表し、炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造、脂肪族の分岐構造、フェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。a、b、cおよびa+b+cは0〜5の整数、dは0または1を表している。]
Figure 2011012200
[式(VII)中、R12〜R14は、それぞれ独立に、水酸基または炭素数1〜20の炭化水素基を表しており、eは0〜5の整数、fは0または1を表している。]
Figure 2011012200
[式(VIII)中、R15〜R17は、それぞれ独立に、水酸基または炭素数1〜20の炭化水素基を表しており、gは0〜5の整数、hは0または1を表している。]
Figure 2011012200
[式(IX)中、R18〜R19は、それぞれ独立に、水酸基または炭素数1〜20の炭化水素基を表しており、iは0または1を表している。]
(VI)で表されるリン化合物としては、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトが挙げられる。ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトは、アデカスタブPEP−36として旭電化株式会社より入手可能である。ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトは、アデカスタブPEP−24Gとして旭電化株式会社より、またはIRGAFOS126としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社より入手可能である。
(VII)で表されるリン化合物としては、フェニルホスホナイト、2−カルボキシフェニルホスホナイト、3−カルボキシフェニルホスホナイト、4−カルボキシフェニルホスホナイト、2,3−ジカルボキシフェニルホスホナイト、2,4−ジカルボキシフェニルホスホナイト、2,5−ジカルボキシフェニルホスホナイト、2,6−ジカルボキシフェニルホスホナイト、3,4−ジカルボキシフェニルホスホナイト、3,5−ジカルボキシフェニルホスホナイト、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホナイト、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホナイト、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホナイト、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホナイト、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホナイト、フェニルホスホナイトジメチル、フェニルホスホナイトジエチル、フェニルホスホナイトジフェニル、フェニルホスホナイトジベンジル、2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスホナイトジエチル、2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニルホスホナイトジエチル等のf=0の亜ホスホン酸系化合物、フェニルホスホネート、2−カルボキシフェニルホスホネート、3−カルボキシフェニルホスホネート、4−カルボキシフェニルホスホネート、2,3−ジカルボキシフェニルホスホネート、2,4−ジカルボキシフェニルホスホネート、2,5−ジカルボキシフェニルホスホネート、2,6−ジカルボキシフェニルホスホネート、3,4−ジカルボキシフェニルホスホネート、3,5−ジカルボキシフェニルホスホネート、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホネート、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホネート、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホネート、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホネート、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホネート、フェニルホスホネートジメチル、フェニルホスホネートジエチル、フェニルホスホネートジフェニル、フェニルホスホネートジベンジル、2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスホネートジエチル、2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニルホスホネートジエチル等のf=1のホスホン酸系化合物が挙げられる。
(VIII)で表されるリン化合物としては、ジメチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジエチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジブチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジヘキシル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジオクチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジベンジル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジ−t−ブチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ジフェニル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホナイトなどのh=0の亜ホスホン酸系化合物、ジメチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジエチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジブチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジヘキシル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジオクチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジベンジル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジ−t−ブチル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ジフェニル[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネート、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4−イルホスホネートなどh=1のホスホン酸系化合物などが挙げられる。
(IX)で表されるリン化合物としては、テトラメチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラエチル[1,1−ビフェニル]−4、4‘−ジイルビスホスホナイト、テトラブチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラヘキシル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラオクチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラベンジル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラーt−ブチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラフェニル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイトなどのi=0の亜ホスホン酸系化合物、テトラメチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラエチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラブチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラヘキシル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラオクチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラドデシル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラベンジル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラーt−ブチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネート、テトラフェニル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホネートなどのi=1のホスホン酸系化合物などが挙げられる。中でもテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4、4‘−ジイルビスホスホネート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル−5−メチル)[1,1−ビフェニル]−4、4‘−ジイルビスホスホネートが好ましく用いられる。テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトは、IRGAFOSP−EPQとしてチバ・ジャパン・ケミカルズ社より、またはSandostabP−EPQとしてクラリアント・ジャパン社より入手可能である。テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトは、GSY−P101として大崎工業社より入手可能である。テトラエチル[1,1−ビフェニル]−4、4‘−ジイルビスホスホネート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4、4‘−ジイルビスホスホネートは、城北化学工業株式会社より入手可能である。
これらのリン化合物は単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。
リン化合物の含有量は特に限定されないが、得られるポリエステルに対してリン原子換算で合計して0.1〜1000ppmの範囲であることが好ましい。添加量が上記範囲内であると色調が良好でかつ熱安定性に優れたポリエステルが得られる。より好ましくは0.5〜300ppmの範囲であり、特に好ましくは1〜100ppmの範囲である。
リン化合物の添加方法としては、重合反応器内の減圧を開始して重縮合反応を開始させてからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間にリン化合物を添加することが好ましい。リン化合物を上記の条件にて添加を行うことにより、重合反応が安定し、かつ異物の発生が抑制され、色調が改善した共重合ポリエステルを得ることが出来る。リン化合物を添加する時期は、反応器内を減圧にして重縮合反応を開始させてから重合が実質的に完了するまでの間であればいつ添加しても良いが、ポリエステルの固有粘度が目的とする固有粘度の40〜99%の時期に添加すると、重縮合触媒の失活が極めて少ないまま副反応を抑制できるために好ましい。リン化合物の添加から吐出までの時間が短すぎるとポリマー中に均一に含有せしめることが困難となるため、色斑の原因になる場合がある。リン化合物を添加する時期は、好ましくは50〜98%の間であり、特に好ましくは、75〜98%の間である。リン化合物を添加する時期におけるポリエステルの固有粘度は、直接サンプリングを行い後述する方法で粘度測定を行って算出しても良いが、反応器の攪拌翼にかかるトルク負荷から算出しても良い。
上記の条件でリン化合物を添加する場合では、エチレングリコール等のジオール成分を多量に持ち込んで添加を行うと、ポリエステルの解重合(ポリエステル主鎖の切断反応)が進行してしまうため、リン化合物を単独で添加するか、高濃度にリン化合物を含有したマスターペレットを添加する方法、高濃度にリン化合物を含有したエチレングリコール等のジオール成分を溶媒として添加する方法が好ましい。この時、リン化合物は、数回に分割して添加してもよく、フィーダーなどで継続的に添加を行っても良い。また、上記のリン化合物の添加方法は、重合系に溶解又は溶融可能でありかつ、本発明で得られる重合体と実質的に同一成分の重合体から成る容器に充填して添加することが好ましい。上記のような容器にリン化合物を入れて添加を行うと、減圧条件下での重合反応器に添加を行うことによって、リン化合物が飛散して、減圧ラインにリン化合物が流出を防止することができるとともに、リン化合物をポリマー中に所望量安定して添加することができる。本発明における「容器」とは、リン化合物がまとめられるものであればよく、例えば、ふたや栓を有する射出成形容器、あるいはシートやフィルムをシールあるいは縫製などで袋状にしたものなどが含まれる。上記の容器は、空気抜きを作ることがさらに好ましい。空気抜きを作った容器にリン化合物を入れて添加すると、真空条件下で重合反応器に添加しても、空気膨張により容器が破裂してリン化合物が減圧ラインに流出したり、重合反応器の上部や壁面に付着することがなく、ポリマー中にリン化合物を所望量添加することができる。この容器の厚さは、厚すぎると溶解、溶融時間が長くかかるため厚さは薄いほうがよいが、リン化合物の封入・添加作業の際に破裂しない程度の厚さを確保する。そのためには10〜500μm厚さで均一で偏肉のないものが好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、フェノール系酸化防止剤を添加しても良い。フェノール系酸化防止剤とは、フェノール構造を有したラジカル連鎖反応禁止剤であって、具体的には2,6−t−ブチル−p−クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ{5,5}ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル、トコフェロール、ペンタエリスリトールーテトラキス[3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。これらフェノール系酸化防止剤を1種または2種以上組み合わせて用いても良い。また、添加量は特に限定されないが、化合物の重量として得られるポリマーに対して1ppm〜10重量%、好ましくは100ppm〜1重量%の範囲である。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、硫黄系酸化防止剤を添加しても良い。硫黄系酸化防止剤とは、過酸化物をラジカルを発生しない形で還元し、自身が酸化される硫黄系酸化防止剤であって、具体的には、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられ、これら硫黄系酸化防止剤を1種または2種以上組み合わせて用いても良い。また、添加量は特に限定されないが、化合物の重量として得られるポリマーに対して1ppm〜10重量%、好ましくは100ppm〜1重量%の範囲である。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、紫外線吸収剤を添加していることが好ましい。紫外線吸収剤を添加することで、共重合ポリエステルの紫外線による色調変化が防止される。好ましく使用される耐光剤、紫外線吸収剤としては、他の特性が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、耐熱性に優れ、ポリエステル樹脂との相性が良く均一分散できると共に、着色が少なく成形品の特性に悪影響を及ぼさない紫外線吸収剤を選択することが望ましい。このような紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ヒンダードアミン系の化合物などが挙げられる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、トリアジン系として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、ヒンダードアミン系のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、その他として、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、および2,4−ジ・t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルとの相溶性に優れる、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバ・ジャパン社製;TINUVIN234)、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、の適用が好ましい。上記紫外線吸収剤は、単独でも2種類以上の併用であってもよい。また、添加量は特に限定されないが、化合物の重量として得られるポリマーに対して1ppm〜5重量%、好ましくは100ppm〜1重量%の範囲である。
本発明により得られる共重合ポリエステルは、共重合ポリエステルの全質量を基準として、真比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜5ppmであることが好ましい。本発明における「真比重」とは空隙を含まない比重のことをいい、「比重」とは、標準物質(4℃における水)に対するある物質の同体積での質量の比のことをいう。「真比重5.0以上の金属元素」とは、通常ポリエステル中に含有される触媒や金属系の色調調整剤、艶消剤等に含有されている金属化合物に由来するものである。真比重が5.0以上の金属としては、具体的にはアンチモン、ゲルマニウム、マンガン、コバルト、すず、亜鉛、鉛又はカドミウム等があげられ、これらは通常、触媒や金属系の整色剤、添加剤等としてポリエステルに含有されている。その他にも、鉄、ニッケル、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステンなどが挙げられる。これに対し、チタン、カルシウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム等はここでいう真比重が5.0以上の金属には該当しない。含有される金属の種類によってその特徴、特性は変わるが、例えばアンチモン金属含有量が5ppmより多い場合、溶融紡糸時やフィルムの製膜時に異物となって口金やダイ周辺に付着し、長期間の連続成形性に悪影響を与える。ゲルマニウム金属の場合は、それ自体が高価な為、含有量が多くなると得られるポリエステルの価格が上昇してしまい好ましくない。また、鉛、カドミウムなどの金属場合は金属元素そのものに毒性がある為、ポリエステル中に多量に含有していることは好ましくない。該真比重5.0以上の金属元素の含有量は0〜4ppm以下であることが好ましく、0〜3ppm以下であることが特に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、数平均粒重20mgの粒状体として、濃度10g/L、温度90℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、10g(共重合ポリエステル)/1000g(水酸化ナトリウム水溶液)の割合で10分間含浸させた時の、含浸後の水酸化ナトリウム水溶液中に含有される真比重5.0以上の金属元素が0〜3ppmであると、アルカリ処理加工したときの溶出排水中への重金属含有量を低下させられるため好ましい。より好ましくは0〜2ppmであり、特に好ましくは0〜1ppmである。
本発明の共重合ポリエステルは、後述する測定方法にて測定したときの固有粘度が、0.3〜1.0dlg−1であるのが好ましい。0.4〜0.8dlg−1であるのがさらに好ましく、0.5〜0.75dlg−1であるのが特に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、チップ形状での色調がハンター値でそれぞれL値が50〜95、a値が−6〜2、b値が0〜15の範囲にあることが、繊維やフィルムなどの成型品の色調の点から好ましい。さらに好ましいのは、L値が60〜90、a値が−5〜1、b値が1〜13の範囲である。
本発明の共重合ポリエステルは、150℃で12時間減圧乾燥させた後、窒素雰囲気下290℃で40分間溶融保持させた前後の色調b値の変化、Δb値290が0〜6.0の範囲であることが好ましい。この値が小さいほど、熱劣化による分解・着色が少なく熱安定性に優れていることを示す。この値が6.0を超える場合には、紡糸時や成形加工時に共重合ポリエステルが変色してしまい、特に意匠性が必要とされる繊維用途においては品質に重大な影響を与えてしまう。好ましくは4.0以下、特に好ましくは3.0以下である。
また、本発明の共重合ポリエステルは、150℃で12時間減圧乾燥させた後、窒素雰囲気下290℃で40分間溶融保持させた前後の色調b値測定を20回実施した時のΔb値290の標準偏差が、0〜3.0の範囲であることが好ましい。この値が小さいほど、成形加工したときの成形品の色のバラつきが小さくなることを示す。この値が3.0を超える場合には、成形品の色斑が大きくなるため、特に意匠性が必要とされる繊維用途においては品質に重大な影響を与えてしまう。好ましくは1.5以下、特に好ましくは0.5以下である。
本発明の共重合ポリエステルは、ジエチレングリコールの含有量が0.1〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。この値が大きいほど染色性は向上するが、熱による影響を受けやすくなる。好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲であり、特に好ましくは1.0〜2.重量0%の範囲である。
本発明の共重合ポリエステルは、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、カーボンブラック等の粒子のほか、着色防止剤、安定剤、帯電防止剤、抗酸化剤等の添加剤を含有していても差支えない。
本発明の共重合ポリエステルは、例えば溶融押出成形等によってフィラメント状に成形した後、延伸、或いは紡糸等を施すことにより繊維として有用なものとなる。このポリエステル繊維を製造する時の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の溶融紡糸方法が用いられる。例えば乾燥したポリエステルを270℃〜300℃の範囲で溶融紡糸して製造することが好ましく、溶融紡糸の引き取り速度は400〜5000m/分で紡糸することが好ましい。紡糸速度がこの範囲にあると、得られる繊維の強度も十分なものであると共に、安定して巻き取りを行うこともできる。また紡糸時に使用する口金の形状についても特に制限は無く、円形、異形、中実、中空などのいずれも採用することが出来る。また延伸は未延伸ポリエステル繊維を一旦巻き取ってから行う、あるいは巻き取ることなく連続的に行うことによって、延伸糸を得ることができる。繊維の形態としては、芯鞘型複合繊維、芯鞘型複合中空繊維、海島型複合繊維等として使用することができ、任意の割合で構成成分として用いることが出来る。
本発明の共重合ポリエステルを用いてなる繊維は、後述する測定方法における染料吸尽率が30%以上であると、染色性が良好となり、発色性も高まるため好ましい。好ましくは50%以上であり、特に好ましくは60%以上である。
本発明をさらに実施例により具体的に説明するなお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリマーの固有粘度IV
100℃、60分間、オルソクロロフェノールを溶媒として溶解させた希薄溶液を、ウベローデ粘度計を用いて25℃にて測定した。
(2)ポリマー中のジエチレングリコール(DEG)含有量
モノエタノールアミンを溶媒として、1,6−ヘキサンジオール/メタノール混合溶液を加えて冷却し、中和した後遠心分離した後に、上澄み液をガスクロマトグラフィ(島津製作所社製、GC−14A)にて測定した。
(3)ポリマーの色調
色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、ハンター値(L、a、b値)として測定した。
(4)Δb値290、Δb値の標準偏差
共重合ポリエステルを、150℃で12時間減圧乾燥させた後、窒素雰囲気下290℃で40分間加熱溶融させた後に、前記(3)の方法にて色調を測定し、測定数20回の平均値をΔb値290とし同時にΔb値の標準偏差を求めた。
(5)ポリマー中のチタン、アルミニウム、リチウム、カルシウム、リン、コバルト、アンチモン、コバルト元素含有量
チップ状のサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成形体を作成し、蛍光X線元素分析装置(理学電機工業社製、System3270)により求めた。すなわち、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、必要に応じてクロロホルムで該ポリマー溶液の粘性を調製した後、遠心分離器で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、アセトン添加によりポリマーを再析出、濾過、洗浄して粒子を除去したポリマーとする。
(6)真比重5.0以上の金属成分定性分析
ポリエステルを硫酸アンモニウム、硫酸、硝酸、過塩素酸とともに混合して約300℃で9時間湿式分解後、蒸留水で希釈し、理学電機工業株式会社製ICP発光分析装置(JY170ULTRACE)を用いて定性分析し、(5)で求められる金属元素以外の真比重5.0以上の金属元素の有無を確認した。1ppm以上の存在が確認された金属元素について、その元素含有量を示した。
(7)重縮合反応中に発生したエチレングリコール中の色調調整剤含有量
重縮合反応時に発生するエチレングリコール(回収EG)を、親水性メンブレンフィルターでろ過し、ろ液を日本ウォーターズ社製HPLC(アライアンス2690/2487、カラムInertsil Ph−3 3μ 4.6×75mm(GLサイエンス社製))にて含有量を算出した。
(8)ポリマー中の色調調整剤の残存率
ポリマーを150℃にてオルソクロロフェノールに溶解後、分光光度計(HITACHI社製、U−3000)を用いて吸光度を測定して色調調整剤の含有量を算出し、色調調整剤の残存率を下記式より求めた。
ポリマー中の色調調整剤の残存率=ポリマー中の色調調整剤の含有量/ポリマーに添加した色調調整剤の添加量×100(%))
(9)水酸化ナトリウム水溶液中に含有される真比重5.0以上の金属含有量
共重合ポリエステルを数平均粒重20mgの粒状体として、濃度10g/L、温度90℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、10g(共重合ポリエステル)/1000g(水酸化ナトリウム水溶液)の割合で10分間含浸させ、含浸後の水酸化ナトリウム水溶液を理学電機工業株式会社製ICP発光分析装置(JY170ULTRACE)を用いて定性分析し、真比重5.0以上の金属元素の含有量を測定した。
(10)染料吸尽率
ポリエステルをチップ化した後、150℃・15時間真空乾燥し、含水分量を10〜50ppmの範囲にした後、紡糸機に供してメルターにて285℃にて溶融した後、孔径0.18mmφ、孔数16個の紡糸口金から吐出し、1000m/分の速度で引取り、得られた未延伸糸を80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)で熱セットし、83.3dtex36フィラメントの延伸糸を得る。この延伸糸を、27ゲージの靴下編機(英光産業(株)製)により筒編地を編成した。次いで、これを0.2%の非イオン性活性剤(グランアップCS、三洋化成(株)製)と0.2%のソーダ灰を含む沸騰水で5分間煮沸精錬し、水洗い、乾燥させた。この筒編地を用いてマラカイトグリーン(関東化学製)5%Owf、酢酸0.5ml/L、酢酸ソーダ0.2g/Lからなる浴比1:100の120℃熱水溶液中で60分間染色を行い、染色前後の液中染料濃度差から筒編地の染料吸尽率を求めた。
(11)口金の堆積物の観察
ポリエステルをチップ化した後、150℃・15時間真空乾燥し、含水分量を10〜50ppmの範囲にした後、紡糸機に供してメルターにて285℃にて溶融した後、孔径0.18mmφ、孔数16個の紡糸口金から吐出し、1000m/分の速度で引取り、72時間紡糸した後の口金孔周辺の堆積物量を、長焦点顕微鏡を用いて観察した。堆積物がほとんど認められない状態を○、堆積物は認められるものの操業可能な状態を△、堆積物が認められ頻繁に糸切れが発生する状態を×として判定した。
参考例1(チタン触媒3の合成)
無水トリメリット酸のエチレングリコール溶液(0.2質量%)にテトラ−n−ブトキシチタンを無水トリメリット酸に対して1/2モル添加し、空気中常圧下で80℃に保持して60分間反応せしめた。その後常温に冷却し、10倍量のアセトンによって生成触媒を再結晶化させた。析出物をろ紙によって濾過し、100℃で2時間乾燥せしめ、目的の化合物であるチタン触媒3を得た。
参考例2(チタン触媒4の合成)
無水トリメリット酸のエチレングリコール溶液(0.2質量%)にテトラ−n−ブトキシチタンを無水トリメリット酸に対して1/2モル添加し、空気中常圧下で80℃に保持して60分間反応せしめた。その後常温に冷却し、10倍量のアセトンによって生成触媒を再結晶化させた。析出物をろ紙によって濾過し、100℃で2時間乾燥した。得られた化合物をトリエチルホスホノアセテートのエチレングリコール溶液(2質量%)に加え、120℃で60分間撹拌し、白色スラリーを得た。この化合物をチタン触媒4とした。
参考例3(チタン触媒5〜6の合成)
リン化合物を表1の通りに変更した以外は参考例2と同様にして調整した。
参考例4(アルミニウム触媒3の合成)
酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液(0.1質量%)に、トリエチルホスホノアセテートのエチレングリコール溶液をアルミニウム化合物中のアルミニウム原子換算に対してリン化合物中のリン原糸換算で1:2となるように、空気中常圧下で30℃に保持して60分間反応せしめた。得られた化合物をアルミニウム触媒3とした。
Figure 2011012200
参考例5(容器の作成)
<容器1>
ポリエチレンテレフタレートシートを射出成形により厚さ0.2mm、内容積500cmの容器およびそのふたを成形し、空気抜きを設けた。容器およびふたを合わせた重量は20gであった。
<容器2>
厚さ0.07mmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、縫製糸としてポリエチレンテレフタレート繊維を用いて縫製し、空気抜きを有した内容積500cmの袋を作成した。フィルム、糸を含んだ容器の重さは5gであった。
実施例1
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、酢酸リチウム0.15重量部(得られるポリマーに対してリチウム原子換算で100ppm)、酢酸カルシウム0.044重量部(得られるポリマーに対してカルシウム原子換算で100ppm)、シリコン(東芝シリコン製、TSF433)0.0005重量部、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールーテトラキス[3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・ジャパンケミカルズ社製;Irganox1010)0.1重量部の混合物に、5ナトリウムイソフタル酸ジメチルエステル(三洋化成工業社製)を2.7重量部(得られるポリマーへの共重合量が1.8モル%)になるように添加し、加圧反応が可能なSUS製容器に仕込んだ。0.07MPaの加圧を行い、140℃から235℃まで撹拌しながら3時間かけて昇温しエステル交換反応槽を進行させた。次いで、重量平均分子量1000のポリエチレングリコール(三洋化成工業社製)を1.1重量部(得られるポリマーへの共重合量が1重量%)を添加した後、缶内を500Torrに減圧し30分間エチレングリコールを留去した。その後得られたエステル交換反応生成物を重縮合反応槽に移行し、ポリマーに対してチタン原子換算で2ppm相当のチタン触媒1(クエン酸キレートチタン化合物)を添加した。5分間撹拌した後、30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。重縮合反応の進行度合いを、系内の攪拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所定の攪拌トルク(IV設定値)の80%となった時点(減圧を開始してから125分の時点)で、あらかじめ参考例5で作成した容器1に、C.I. Solvent Blue 45(クラリアント社製;Polysynthren Blue RLS)を得られるポリマーに対して0.8ppm、C.I. Solvent Violet 36(有本化学社製;Plast Violet 8855)得られるポリマーに対して0.2ppmの混合物を詰めて反応缶上部より添加した。その後、所定の攪拌トルク(IV設定値)の92%となった時点(減圧を開始してから145分の時点)で、あらかじめ参考例5で作成した容器1に、得られるポリマーに対してリン原子換算で50ppm相当のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(大崎工業社製、GSY−P101)を詰めて添加した。その後反応を継続し、所定の攪拌トルクに到達したら反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、ストランド状に吐出して冷却後、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は155分であった。
得られたポリマーの物性の測定結果を表3に示す。得られたポリマーは色調に優れており、またΔb値290が小さく熱安定性に優れていた。またΔb値290の標準偏差は0.3と非常に小さく、色斑の少ないポリマーであった。このポリマーをアルカリ処理した時のアルカリ処理液中には真比重5.0以上の重金属は検出されなかった。ポリマー中の色調調整剤残存率は96%と非常に高く、また回収EG中に色調調整剤は検出されなかった。
150℃15時間真空乾燥し、含水分量を10〜50ppmの範囲にした後、紡糸機に供してメルターにて285℃にて溶融した後、孔径0.18mmφ、孔数16個の紡糸口金から吐出し、1000m/分の速度で引取り、得られた未延伸糸を80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)で熱セットし、83.3dtex36フィラメントの延伸糸を得た。溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。この糸の染料吸尽率を求めたところ66%であり、染色性の良好なポリマーであった。
実施例2〜13
金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分の共重合量、共重合種、ポリエチレングリコールの重量平均分子量と共重合量をそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。実施例2、3、8、9、12では染料吸尽率がやや劣っていたが、操業上問題となるレベルではなかった。実施例5、6、10、11、13では、Δb値290、Δb値290の標準偏差がやや大きかったが、成形加工を操業する上では問題ないレベルであった。また実施例6、10、13では、口金の堆積物の観察の結果、若干の堆積物が見られたが、操業に差し支えないレベルであった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
Figure 2011012200
実施例14〜25
エステル交換反応触媒、重縮合反応触媒の添加種、添加量を表4の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。(実施例14、16では、チタン化合物、アルミニウム化合物をエステル交換反応触媒および重縮合反応触媒として用いた。)実施例25ではΔb値290、Δb値290の標準偏差が大きく、また実施例14、16、18〜22、24ではΔb値290、Δb値290の標準偏差がやや大きい水準もあったが、成形加工を操業する上で問題ないレベルであった。実施例19、20では、ポリマー中に真比重5.0以上の金属が含有し、またポリマーをアルカリ処理した時のアルカリ処理液中に真比重5.0以上の重金属は検出されたが、その量は微量であり問題となるレベルではなかった。また実施例14、16、18、19、20、25では、口金の堆積物の観察の結果、若干の堆積物が見られたが、操業に差し支えないレベルであった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
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実施例26〜37
重縮合触媒の添加種、添加量を表6の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。実施例30、32、34、35ではΔb値290、Δb値290の標準偏差がやや大きかったが、成形加工を操業する上で問題ないレベルであった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
Figure 2011012200
実施例38〜49
リン化合物の添加量、添加方法、添加時期を表8の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。(実施例49では、リン化合物の添加を行わなかった。)実施例38、49では、Δb値290が大きく、また実施例44、45では、Δb値290の標準偏差が大きかったが、品質上課題となるレベルではなかった。また実施例39、42、47、48ではΔb値290、Δb値290の標準偏差がやや大きかったが、成形加工を操業する上で問題ないレベルであった。また実施例40、41、44、45では、口金の堆積物の観察の結果、若干の堆積物が見られたが、操業に差し支えないレベルであった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
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実施例50〜61
リン化合物の添加種、色調調整剤の添加量、添加種を表10の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。実施例54では、色調L値がやや低く、若干くすんだポリマーであったが品質上問題となるレベルではなかった。また実施例57では、色調L値、a値、b値が低く、やや緑味が強いくすんだ色合いのポリマーであったが、品質上問題となるレベルではなかった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
Figure 2011012200
実施例62〜71
色調調整剤の添加量、添加種、添加時期、その他の添加剤の添加量、添加種を表12の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。実施例62、63では、ポリマー中に残存する色調調整剤の割合がやや低く、また回収EG中に色調調整剤がわずかに含有していたが操業上問題ないレベルであった。実施例64、65では、Δb値290の標準偏差がやや大きかったが、成形加工を操業する上では問題ないレベルであった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
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実施例72
重合を以下の通りエステル化法によって行った以外は、実施例1と同様に紡糸、染色した。
予め50重量部のビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートが滞留する反応器内に、攪拌下、窒素雰囲気で255℃、常圧下に維持された条件下に、ポリマーに対してチタン原子換算で5ppm相当のチタン触媒1(クエン酸キレートチタン化合物)、シリコン(東芝シリコン製、TSF433)0.0005重量部、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールーテトラキス[3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・ジャパンケミカルズ社製;Irganox1010)0.1重量部の混合物に、5ナトリウムイソフタル酸ジメチルエステル(三洋化成工業社製)を2.7重量部(得られるポリマーへの共重合量が1.8モル%)になるように添加した後、45重量部の高純度テレフタル酸(三井化学社製)と19重量部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを一定速度で供給し、反応で発生する水とエチレングリコールを系外に留去しながら、エステル化反応を4時間し反応を完結させた。この時のエステル化率は、98%以上で、生成されたポリエステルオリゴマーの重合度は、約5〜7であった。
このエステル化反応で得られたオリゴマー50重量部を重縮合反応槽に移し、ポリマーに対してチタン原子換算で2ppm相当のチタン触媒1(クエン酸キレートチタン化合物)を添加した。5分間撹拌した後、30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。重縮合反応の進行度合いを、系内の攪拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所定の攪拌トルク(IV設定値)の80%となった時点(減圧を開始してから130分の時点)で、あらかじめ参考例5で作成した容器1に、C.I. Solvent Blue 45(クラリアント社製;Polysynthren Blue RLS)を得られるポリマーに対して0.8ppm、C.I. Solvent Violet 36(有本化学社製;Plast Violet 8855)得られるポリマーに対して0.2ppmの混合物を詰めて反応缶上部より添加した。その後、所定の攪拌トルク(IV設定値)の92%となった時点(減圧を開始してから149分の時点)で、あらかじめ参考例5で作成した容器1に、得られるポリマーに対してリン原子換算で50ppm相当のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(大崎工業社製、GSY−P101)を詰めて添加した。その後反応を継続し、所定の攪拌トルクに到達したら反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、ストランド状に吐出して冷却後、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は166分であった。
得られたポリマーの物性や紡糸、染色結果を表15に示すが、色調、ポリマー物性、染色性は良好であった。製糸時の口金の堆積物の観察の結果、若干の堆積物が見られたが、操業に差し支えないレベルであった。
実施例73〜81
エステル化触媒の添加種、添加量を表14の通りにそれぞれ変更した以外は実施例72と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。実施例77、78、80、81ではΔb値290、Δb値290の標準偏差がやや大きい水準もあったが、成形加工を操業する上で問題ないレベルであった。実施例80、81では、ポリマー中に真比重5.0以上の金属が含有し、またポリマーをアルカリ処理した時のアルカリ処理液中に真比重5.0以上の重金属は検出されたが、その量は微量であり問題となるレベルではなかった。また実施例73、74、76〜81では、口金の堆積物の観察の結果、若干の堆積物が見られたが、操業に差し支えないレベルであった。それ以外の実施例においては、色調、ポリマー物性、製糸性、染色性は良好であった。
Figure 2011012200
Figure 2011012200
比較例1、2
金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分の共重合量を表16の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。比較例1では、染料吸尽率が低く染色性に劣ったポリマーであった。また比較例2では、溶融紡糸時の口金孔周辺に堆積物が見られ濾圧上昇および糸切れが発生した。
比較例3〜6
ポリエチレングリコールの重量平均分子量と共重合量を表16の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。比較例3、4、5では、染料吸尽率が低く染色性に劣ったポリマーであった。また比較例4、6では、溶融紡糸時の口金孔周辺に堆積物が見られ濾圧上昇および糸切れが発生した。
比較例7〜9
エステル交換反応触媒、重縮合反応触媒の添加種を表16の通りにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。比較例7、8、9では、得られたポリマー中に重金属が多く含有しており、また得られたポリマーにアルカリ処理を行った残液中に重金属が多く含まれていた。また比較例9では、溶融紡糸時の口金孔周辺に堆積物が見られ濾圧上昇および糸切れが発生した。
比較例10、11
色調調整剤の添加時期を表16の通りに変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、紡糸、染色した。比較例10、11では、色調調整剤の残存率が低く、また回収EG中の色調調整剤含有量が多かった。またΔb値290標準偏差が大きく、色むらの大きいポリマーであった。
Figure 2011012200
Figure 2011012200

Claims (10)

  1. テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分とエチレングリコール成分、金属スルホイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分を全ジカルボン酸成分に対して0.1〜10モル%、および重量平均分子量400〜6000のポリオキシアルキレングリコール0.1〜5.0重量%をエステル化反応、またはエステル交換反応し、次いで減圧下で重縮合反応して共重合ポリエステルを製造するに際して、エステル化またはエステル交換反応触媒として、リチウム化合物、ナトリウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を、また重縮合反応触媒としてチタン化合物、アルミニウム化合物より選ばれる1種以上を用いるとともに、減圧を開始してからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間に色調調整剤を共重合ポリエステルの全質量を基準として0.01〜20ppm添加することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
  2. チタン化合物が、多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、含窒素カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つをキレート剤とするチタン錯体であることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  3. アルミニウム化合物が、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム及びアルミニウムアセチルアセトネートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  4. 減圧を開始してからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間で、ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物、ホスホネート化合物、ホスフィナイト化合物、ホスフィネート化合物から選ばれる1種以上のリン化合物を、得られるポリエステルに対してリン原子換算で合計して、1〜1000ppm添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  5. 重縮合時の副生エチレングリコール中の色調調整剤の含有量が0〜1.0ppmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  6. 窒素雰囲気下290℃で40分間溶融保持させた前後の色調b値の変化Δb値290が0〜6.0の範囲であり、Δb値290の標準偏差が0〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造された共重合ポリエステル。
  7. 色調調整剤の残存率が50〜100重量%であることを特徴とする請求項6に記載の共重合ポリエステル。
    (色調調整剤の残存率=共重合ポリエステル中の色調調整剤の含有量/ポリエステルの製造時の色調調整剤の添加量×100(%))
  8. 共重合ポリエステルを数平均粒重20mgの粒状体として、濃度10g/L、温度90℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、10g(共重合ポリエステル)/1000g(水酸化ナトリウム水溶液)の割合で10分間含浸させた時、含浸後の水酸化ナトリウム水溶液に含有する真比重5.0以上の金属元素が0〜3ppmであることを特徴とする請求項6または7に記載の共重合ポリエステル。
  9. 共重合ポリエステルの全質量を基準として、真比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜5ppmであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の共重合ポリエステルを用いてなる繊維。
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