JP2015030852A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、100mol%の少なくとも一種類のジカルボン酸と100〜150mol%の少なくとも一種類のジオールを単体の原料として使用し、エステル化反応を行うことによってオリゴマーを得るステップと、前記オリゴマーをチタニウム−リン(Ti−P)共触媒の存在下で、重合反応を行うことによって共重合ポリエステルを得る重合ステップとを含む共重合ポリエステルを製造する方法に関する。これによって、得られた共重合ポリエステルは、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を有するものになる。
【選択図】なし
Description
従来技術では、通常、各種形式のジカルボン酸或いはジオールの単体を添加し、PETに対して改質を行うことによって、その加工性を改善し、又は、特殊な性質を付与する。改質されたPETはPET共重合ポリエステルと通称される。
従来は、PETやPET共重合ポリエステルは、アンチモン触媒を使用し重合を行うことにより得られたが、アンチモン触媒を使用して得られたエステル粒の色相は暗いため、良い色相と高い輝度の要求に対応することができない。
現在、業界における解決方法は、アンチモン触媒の代わりに、チタン触媒を使用することにより、良い色相と高い輝度を有するエステル粒を得る方法である。
優れた耐水解性と速い反応性を持つチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を使用することによって、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を有する共重合ポリエステルを提供する。
100mol%の少なくとも一種類のジカルボン酸と100〜150mol%の少なくとも一種類のジオールを単体の原料として使用し、230〜260℃でのエステル化反応を行うことによってオリゴマーを得るエステル化ステップと、
前記エステル化ステップにて得られたオリゴマーをチタニウム−リン(Ti−P)共触媒の存在下で、重合反応を行うことによって共重合ポリエステルを得る重合ステップとを含み、
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、下記の一般式(1)の構造を有し、
一般式(1):O16P4Ti3
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が1〜50ppmであり、
前記重合ステップの温度は、260〜290℃であり、真空度は、0.1〜10torrであることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法を提供する。
具体的には、本発明に係る共重合ポリエステルの製造方法では、前記単体の原料と組成を用いてエステル化ステップ及び重合ステップの二段階の反応を行う。重合ステップでは、優れた耐水解性と速い反応性を持つチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用し、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒と熱安定剤の最適な比率を調整することによって、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を有する共重合ポリエステルを製造する。
例えばテレフタル酸や、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6−ジカルボン酸、及びその他のジカルボキシ基を有する化合物等である。
例えば、エチレングリコールや、トリグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチルシクロブタンジオール、イソソルビド、及びそれらの混合物等である。
エステル化ステップは、常圧又は加圧の方式を採用しても良く、加圧方式によるエステル化の最適な圧力の範囲は0.1〜3.0 Kg/cm2である。エステル化の反応時間は100〜360分間に制御され、270〜360分間に制御されるほうが好ましい。エステル化速率は、温度、圧力、アルコールとアシッドの比例等の要素に影響されるため、実際の状況をみて調整する必要がある。
重合ステップ時間は、60〜240分間に制御され、90〜180分間に制御されるほうが好ましい。重合ステップは、通常、触媒、熱安定剤、調色剤等を添加することにより、最終生成物を得ることができる。本発明は、重合ステップにおいて、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用することによって重合反応を行うことを特徴としている。
一般式(1):O16P4Ti3
換算を経た熱安定剤におけるリンの添加量が10ppm未満の場合、最終生成物に黄化現象が起こり、リンの添加量が30ppmより多い場合、最終生成物には理想な重合度を有しない恐れがある。
[実施例1]
実施例1は、前記のチタニウム−リン(Ti−P)共触媒(型番:Tyzor(登録商標) PC−64、Dorf Ketal社から購入される)を重合触媒として使用し、比較例1、比較例2は、それぞれオルトチタン酸テトラブチル(Wylson−Chem Co., Ltdから購入される)と二酸化チタン/二酸化ケイ素の共触媒(型番:C−94、AkzoNobel社から購入される)を重合触媒として使用し、耐水解試験を行う。
試験方法は、前記それらの重合触媒をチタニウムの含有量が5%である100mlのエチレングリコール溶液に調製する。常温下で磁石にてかき混ぜ、5mlの水を滴下し、溶液の変化を観察する。それぞれ実施例及び比較例から観察した結果を下記の表1に示す。
実施例によれば、本発明に使用されるチタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、従来の触媒に比べて、水気に敏感ではなく、水に溶けにくいため、触媒の活性を低下させることがなく、重合時間を短縮することができることがわかる。
[実施例2]
255gのテレフタル酸と97.6gのエチレングリコール及び184.4gの1,4シクロヘキサンジメタノールを使用し、反応容器において第一段階のエステル化ステップを行う。エステル化ステップの温度を250℃に上げ、常圧下で5.5時間に及んでエステル化させる。
エステル化ステップの完了後、5.1mgのリン酸と60mgの酢酸コバルト及び120mgのチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を反応容器に順に入れた後、第二段階の重合ステップを行う。徐々に1torrまでに真空減圧し、反応温度の上限を280℃とし、反応時間は、攪拌機が100rpm/torque=8となった時点を重合の終了点とする。
実施例3の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、リン酸の添加量が15mgである点である。それ以外は、同様である
実施例4の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、リン酸の添加量が26mgである点である。それ以外は、同様である
比較例3の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、170mgの酢酸アンチモンを重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
比較例4の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、160mgの二酸化チタン/二酸化ケイ素共触媒を重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
ガラス移転温度は、得られたエステル粒をMettler−Toledo製の示差走査熱分析装置にて測定する。各実施例及び比較例から測定したそれぞれの固有粘度、色相及びガラス移転温度の結果を上記の表2に示す。
[実施例5]
179.1gのテレフタル酸と27.3gのイソフタル酸及び236.5gの1,4シクロヘキサンジメタノールを使用し、反応容器において第一段階のエステル化ステップを行う。エステル化ステップの温度を250℃までに上げ、常圧下で5.5時間に及んでエステル化させる。
エステル化ステップの完了後、40mgのリン酸と60mgの酢酸コバルト及び300mgのチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を反応容器に順に入れた後、第二段階の重合ステップを行う。徐々に1torrまでに真空減圧し、反応温度の上限を300℃とし、反応時間は、攪拌機が100rpm/torque=8となった時点を重合の終了点とする。
比較例5の製造方法と実施例5の製造方法との異なる点は、425mgの酢酸アンチモンを重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
比較例6の製造方法と実施例5の製造方法との相違点は、400mgの二酸化チタン/二酸化ケイ素共触媒を重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
Claims (15)
- 100mol%の少なくとも一種類のジカルボン酸と100〜150mol%の少なくとも一種類のジオールを単体の原料として使用し、230〜260℃でのエステル化反応を行うことによってオリゴマーを得るエステル化ステップと、
前記エステル化ステップにて得られたオリゴマーをチタニウム−リン(Ti−P)共触媒の存在下で、重合反応を行うことによって共重合ポリエステルを得る重合ステップとを含み、
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、下記の一般式(1)の構造を有し、
一般式(1):O16P4Ti3
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が1〜50ppmであり、
前記重合ステップの温度は、260〜290℃であり、真空度は、0.1〜10torrであることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。 - 前記ジカルボン酸は、8乃至14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジカルボン酸は、8乃至12個の炭素原子を有する脂環族ジカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6−ジカルボン酸、又はその他のジカルボキシ基を有する化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジカルボン酸は、80〜100mol%のテレフタル酸と0〜20mol%のイソフタル酸を含むことを特徴とする請求項4に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジオールは、3乃至20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジオールは、6乃至20個の炭素原子を有する脂環族ジオールから選ばれることを特徴とする請求項6に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジオールは、エチレングリコール、トリグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチルシクロブタンジオール、イソソルビド、及びそれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記ジオールは、0〜120mol%のエチレングリコールと30〜150mol%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことを特徴とする請求項8に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が5〜40ppmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が10〜30ppmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記重合ステップには、熱安定剤又は調色剤を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記熱安定剤は、リン酸、リン酸トリメチル、又はリン酸トリエチルであり、前記熱安定剤の添加量をリンの含有量に換算し、換算された熱安定剤におけるリンの添加量が10〜30ppmであることを特徴とする請求項12に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記調色剤は、酢酸コバルト或いはプロピオン酸コバルトであり、前記熱安定剤の添加量をコバルトの含有量に換算し、換算された熱安定剤におけるコバルトの添加量が10〜100ppmであることを特徴とする請求項12に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタン原子数と前記熱安定剤におけるリン原子数の比は、Ti/P=2.5〜5であることを特徴とする請求項12に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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