JP5732153B2 - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた耐水解性と速い反応性を持つチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を利用することにより、少なくとも一種類のジカルボン酸と少なくとも一種類のジオールを含む共重合ポリエステルを製造する方法に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(以下、単にPETと称する)は、1941年に初めて特許公開されて以来、人類の生活においてよく使用される泛用プラスチックとなっている。その優れた物性から、人造繊維や、プラスチックボトル、プラスチックシール、薄膜、エンジニアリングプラスチック等の用途を含む。
従来技術では、通常、各種形式のジカルボン酸或いはジオールの単体を添加し、PETに対して改質を行うことによって、その加工性を改善し、又は、特殊な性質を付与する。改質されたPETはPET共重合ポリエステルと通称される。
従来は、PETやPET共重合ポリエステルは、アンチモン触媒を使用し重合を行うことにより得られたが、アンチモン触媒を使用して得られたエステル粒の色相は暗いため、良い色相と高い輝度の要求に対応することができない。
現在、業界における解決方法は、アンチモン触媒の代わりに、チタン触媒を使用することにより、良い色相と高い輝度を有するエステル粒を得る方法である。
米国特許第5,681,918号 米国特許第5,744,571号 米国特許第6,559,272号
工業上の生産において、よく使用されるチタン触媒は、主にチタンアルコキシド(alkoxide)或いは無機チタン酸化物である。チタンアルコキシドを使用するものでは、例えば、米国特許第5,681,918、5,744,571号を例に挙げられるが、その欠点は、水気に対して敏感であるため、水解され易く触媒の活性を低下させることになり、重合の時間が長引く点である。また、無機粒子の形態に還元する可能性もあるため、透明度に悪影響を及ぼし、ひいては、生産設備の管路が塞がれ、生産設備の稼動を中止し清掃を行わなければならない不具合がある。
無機チタン酸化物を使用するものでは、例えば、米国特許第6,559,272号を例に挙げられるが、その欠点は、無機チタン酸化物の反応システムにおける溶解度が十分ではないため、有効的な重合活性を低下させるだけではなく、溶解されていない無機チタン酸化物が濁度の増加をもたらし、ひいてはエステル顆粒の透明度に影響する恐れがある点である。従って、無機チタン酸化物を触媒として使用するプロセス条件を把握し調整することが難しい。
上記従来のアンチモン触媒やチタン触媒の問題点に鑑み、本発明は、少なくとも一種類のジカルボン酸と少なくとも一種類のジオールを含む共重合ポリエステルの製造方法を提供することを目的としている。
優れた耐水解性と速い反応性を持つチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を使用することによって、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を有する共重合ポリエステルを提供する。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、
100mol%の少なくとも一種類のジカルボン酸と100〜150mol%の少なくとも一種類のジオールを単体の原料として使用し、230〜260℃でのエステル化反応を行うことによってオリゴマーを得るエステル化ステップと、
前記エステル化ステップにて得られたオリゴマーをチタニウム−リン(Ti−P)共触媒の存在下で、重合反応を行うことによって共重合ポリエステルを得る重合ステップとを含み、
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、下記の一般式(1)の構造を有し、
一般式(1):O164Ti3
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が1〜50ppmであり、
前記重合ステップの温度は、260〜290℃であり、真空度は、0.1〜10torrであることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法を提供する。
前記ジカルボン酸は、8乃至14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸から選ばれることが好ましい。
前記ジカルボン酸は、8乃至12個の炭素原子を有する脂環族ジカルボン酸から選ばれることが好ましい。
前記ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6−ジカルボン酸、又はその他のジカルボキシ基を有する化合物から選ばれることが好ましい。
前記ジカルボン酸は、80〜100mol%のテレフタル酸と0〜20mol%のイソフタル酸を含むことが好ましい。
前記ジオールは、3乃至20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールから選ばれることが好ましい。
前記ジオールは、6乃至20個の炭素原子を有する脂環族ジオールから選ばれることが好ましい。
前記ジオールは、エチレングリコール、トリグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチルシクロブタンジオール、イソソルビド、及びそれらの混合物から選ばれることが好ましい。
前記ジオールは、0〜120mol%のエチレングリコールと30〜150mol%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことが好ましい。
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が5〜40ppmであることが好ましい。
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が10〜30ppmであることが好ましい。
前記重合ステップには、熱安定剤又は調色剤を添加するステップをさらに含むことが好ましい。
前記熱安定剤は、リン酸、リン酸トリメチル、又はリン酸トリエチルであり、前記熱安定剤の添加量をリンの含有量に換算し、換算された熱安定剤におけるリンの添加量が10〜30ppmであることが好ましい。
前記調色剤は、酢酸コバルト或いはプロピオン酸コバルトであり、前記熱安定剤の添加量をコバルトの含有量に換算し、換算された熱安定剤におけるコバルトの添加量が10〜100ppmであることが好ましい。
前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタン原子数と前記熱安定剤におけるリン原子数の比は、Ti/P=2.5〜5であることが好ましい。
本発明によれば、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を有する共重合ポリエステルを提供することができる。
本発明は、100モル%のジカルボン酸と100〜150モル%のジオールを単体の原料として、少なくとも一種類のジカルボン酸及び少なくとも一種類のジオールを含む共重合ポリエステルを製造する方法に関する。ある実施形態において、ジカルボン酸には、80乃至100モル%のテレフタル酸と0乃至20モル%のイソフタル酸を含む。他の実施形態において、ジオールには、0乃至120モル%のエチレングリコールと30乃至150モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。
具体的には、本発明に係る共重合ポリエステルの製造方法では、前記単体の原料と組成を用いてエステル化ステップ及び重合ステップの二段階の反応を行う。重合ステップでは、優れた耐水解性と速い反応性を持つチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用し、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒と熱安定剤の最適な比率を調整することによって、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を有する共重合ポリエステルを製造する。
単体の原料において、使用されるジカルボン酸は、8至14個炭素原子の芳香族ジカルボン酸から選ばれることができ、8乃至12個の炭素原子の脂環族ジカルボン酸、或いはそれらの組み合わせが好ましい。
例えばテレフタル酸や、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6−ジカルボン酸、及びその他のジカルボキシ基を有する化合物等である。
単体の原料において、使用されるジオールは、3至20個炭素原子の脂肪族ジオールから選ばれることができ、6至20個炭素原子の脂環族ジオール、或いはそれらの組み合わせが好ましい。
例えば、エチレングリコールや、トリグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチルシクロブタンジオール、イソソルビド、及びそれらの混合物等である。
本発明に係わる共重合ポリエステルの製造方法は、二段階を含む。第一段階は、エステル化ステップであり、反応温度は230〜260℃であり、240〜260℃であるほうが好ましく、245〜255℃であるほうがより好ましい。
エステル化ステップは、常圧又は加圧の方式を採用しても良く、加圧方式によるエステル化の最適な圧力の範囲は0.1〜3.0 Kg/cm2である。エステル化の反応時間は100〜360分間に制御され、270〜360分間に制御されるほうが好ましい。エステル化速率は、温度、圧力、アルコールとアシッドの比例等の要素に影響されるため、実際の状況をみて調整する必要がある。
第二段階は、重合ステップであり、反応温度は、260〜290℃であり、265〜285℃であるほうが好ましく、270〜280℃であるほうがより好ましい。重合ステップは、真空で行う必要があり、真空度を0.1〜10torrの範囲に設定することにより、副生成物を除去することができる。
重合ステップ時間は、60〜240分間に制御され、90〜180分間に制御されるほうが好ましい。重合ステップは、通常、触媒、熱安定剤、調色剤等を添加することにより、最終生成物を得ることができる。本発明は、重合ステップにおいて、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用することによって重合反応を行うことを特徴としている。
重合ステップは、重合触媒を介して行う必要がある。本発明は、優れた耐水解性と速い反応性を持つチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を使用することによって、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を持つ共重合ポリエステルが得られる。このチタニウム−リン共触煤には、下記の一般式(1)に表れる構造を有する。
一般式(1):O164Ti3
重合触媒の添加量をチタニウムの添加量に換算し、換算された重合触媒におけるチタニウムの添加量が1〜50ppmであり、5〜40ppmであるほうが好ましく、10〜30ppmであるほうがより好ましい。良い色相と高い輝度を達成するために、重合触媒のほかに、さらに熱安定剤と調色剤を添加しても良い。
本発明に使用される熱安定剤として、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが挙げられる。熱安定剤の添加量をリンの添加量に換算し、換算された熱安定剤におけるリンの添加量が10〜30ppmである。
換算を経た熱安定剤におけるリンの添加量が10ppm未満の場合、最終生成物に黄化現象が起こり、リンの添加量が30ppmより多い場合、最終生成物には理想な重合度を有しない恐れがある。
本発明に使用される調色剤は、無機化合物であっても良く、有機化合物であっても良く、例えば、酢酸コバルト、プロピオン酸コバルト等が挙げられる。調色剤の添加量をコバルトの添加量に換算し、換算された調色剤におけるコバルトの添加量が10〜100ppmである。
なお、使用されるチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタン原子数と熱安定剤におけるリン原子数の比は、Ti/P=2.5〜5であることが好ましい。
本発明に係わる共重合ポリエステル製造方法により得られた共重合ポリエステルの分子量は、重量比が60/40である50mlのフェノールとテトラクロロエタンからなる溶剤の中に、110℃の高温下で250mgの共重合ポリエステルを溶解させた後、室温(25℃)下でその溶液の固有粘度(intrinsic viscosity、I.V.)を測定することによって算出する。本発明に係わる共重合ポリエステルは、0.60乃至0.80dl/gの固有粘度を有し、0.70乃至0.78dl/gであることが好ましい。
以下の実施例は、本発明の内容を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
<チタン触媒の耐水解能力の比較>
[実施例1]
実施例1は、前記のチタニウム−リン(Ti−P)共触媒(型番:Tyzor(登録商標) PC−64、Dorf Ketal社から購入される)を重合触媒として使用し、比較例1、比較例2は、それぞれオルトチタン酸テトラブチル(Wylson−Chem Co., Ltdから購入される)と二酸化チタン/二酸化ケイ素の共触媒(型番:C−94、AkzoNobel社から購入される)を重合触媒として使用し、耐水解試験を行う。
試験方法は、前記それらの重合触媒をチタニウムの含有量が5%である100mlのエチレングリコール溶液に調製する。常温下で磁石にてかき混ぜ、5mlの水を滴下し、溶液の変化を観察する。それぞれ実施例及び比較例から観察した結果を下記の表1に示す。
Figure 0005732153
表1によれば、前記のチタニウム−リン(Ti−P)共触媒以外、オルトチタン酸テトラブチルと、二酸化チタン/二酸化ケイ素との触媒には、いずれも白い粒子が析出される現象が確認された。それは、触媒の構造中におけるチタニウム元素が水によって二酸化チタンに還元されたからである。上記の現象は、当該触媒が水に溶けやすいことを示す。チタニウム−リン(Ti−P)共触媒には、白い粒子が析出された現象が現れなかった。上記の現象は、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒が耐水解能力を有することを示す。
実施例によれば、本発明に使用されるチタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、従来の触媒に比べて、水気に敏感ではなく、水に溶けにくいため、触媒の活性を低下させることがなく、重合時間を短縮することができることがわかる。
<共重合ポリエステルの製造方法−1>
[実施例2]
255gのテレフタル酸と97.6gのエチレングリコール及び184.4gの1,4シクロヘキサンジメタノールを使用し、反応容器において第一段階のエステル化ステップを行う。エステル化ステップの温度を250℃に上げ、常圧下で5.5時間に及んでエステル化させる。
エステル化ステップの完了後、5.1mgのリン酸と60mgの酢酸コバルト及び120mgのチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を反応容器に順に入れた後、第二段階の重合ステップを行う。徐々に1torrまでに真空減圧し、反応温度の上限を280℃とし、反応時間は、攪拌機が100rpm/torque=8となった時点を重合の終了点とする。
[実施例3]
実施例3の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、リン酸の添加量が15mgである点である。それ以外は、同様である
[実施例4]
実施例4の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、リン酸の添加量が26mgである点である。それ以外は、同様である
[比較例3]
比較例3の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、170mgの酢酸アンチモンを重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
[比較例4]
比較例4の製造方法と実施例2の製造方法との相異点は、160mgの二酸化チタン/二酸化ケイ素共触媒を重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
Figure 0005732153
各実施例及び比較例のそれぞれの固有粘度(intrinsic viscosity、IV)、色相及びガラス移転温度(glass transition temperature、Tg)を測定する。固有粘度は、得られたエステル粒をASTM D2857標準方法に基づき測定する。色相は、得られたエステル粒をTOKYO DENSHOKU製の色差計にて測定する。
ガラス移転温度は、得られたエステル粒をMettler−Toledo製の示差走査熱分析装置にて測定する。各実施例及び比較例から測定したそれぞれの固有粘度、色相及びガラス移転温度の結果を上記の表2に示す。
表2によれば、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、実施例4において最も良い色相が得られることがわかった。実施例4の黄度指標bが1.5であるのに対して、酢酸アンチモンを重合触媒として使用する比較例3の黄度指標bが1.6であり、実施例4に比べてやや良いが、色相が暗くなり(L=48.0)、色相の要求を満足できない。二酸化チタン/二酸化ケイ素共触媒を重合触媒として使用する比較例4の黄度指標bが2.0であり、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用する実施例よりも黄度指標が高い。
<共重合ポリエステルの製造方法−2>
[実施例5]
179.1gのテレフタル酸と27.3gのイソフタル酸及び236.5gの1,4シクロヘキサンジメタノールを使用し、反応容器において第一段階のエステル化ステップを行う。エステル化ステップの温度を250℃までに上げ、常圧下で5.5時間に及んでエステル化させる。
エステル化ステップの完了後、40mgのリン酸と60mgの酢酸コバルト及び300mgのチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を反応容器に順に入れた後、第二段階の重合ステップを行う。徐々に1torrまでに真空減圧し、反応温度の上限を300℃とし、反応時間は、攪拌機が100rpm/torque=8となった時点を重合の終了点とする。
[比較例5]
比較例5の製造方法と実施例5の製造方法との異なる点は、425mgの酢酸アンチモンを重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
[比較例6]
比較例6の製造方法と実施例5の製造方法との相違点は、400mgの二酸化チタン/二酸化ケイ素共触媒を重合触媒として使用する点である。それ以外は、同様である。
Figure 0005732153
表3によれば、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、実施例5において最も良い色相が得られることがわかる。実施例5の黄度指標bが4.0であることに対して、酢酸アンチモンを重合触媒として使用する比較例5の黄度指標bは10.0であり、二酸化チタン/二酸化ケイ素共触媒を重合触媒として使用する比較例6の黄度指標bは13.0であり、いずれもチタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用する実施例5よりも黄度指標bが高い。
上記のことから、チタニウム−リン(Ti−P)共触媒を重合触媒として使用して得られた共重合ポリエステルの各物性は、従来のアンチモンやチタン触媒を重合触媒として使用して得られた共重合ポリエステルの各物性よりも優れることがわかる。本発明に係る共重合ポリエステルの製造方法によれば、良い色相、高い輝度、及び安定した生産性という特性を持つ共重合ポリエステルを得ることができる。

Claims (15)

  1. 100mol%の少なくとも一種類のジカルボン酸と100〜150mol%の少なくとも一種類のジオールを単体の原料として使用し、230〜260℃でのエステル化反応を行うことによってオリゴマーを得るエステル化ステップと、
    前記エステル化ステップにて得られたオリゴマーをチタニウム−リン(Ti−P)共触媒の存在下で、重合反応を行うことによって共重合ポリエステルを得る重合ステップとを含み、
    前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒は、下記の一般式(1)の構造を有し、
    一般式(1):O164Ti3
    前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が1〜50ppmであり、
    前記重合ステップの温度は、260〜290℃であり、真空度は、0.1〜10torrであることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
  2. 前記ジカルボン酸は、8乃至14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  3. 前記ジカルボン酸は、8乃至12個の炭素原子を有する脂環族ジカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  4. 前記ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6−ジカルボン酸、又はその他のジカルボキシ基を有する化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  5. 前記ジカルボン酸は、80〜100mol%のテレフタル酸と0〜20mol%のイソフタル酸を含むことを特徴とする請求項4に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  6. 前記ジオールは、3乃至20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  7. 前記ジオールは、6乃至20個の炭素原子を有する脂環族ジオールから選ばれることを特徴とする請求項6に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  8. 前記ジオールは、エチレングリコール、トリグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチルシクロブタンジオール、イソソルビド、及びそれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  9. 前記ジオールは、0〜120mol%のエチレングリコールと30〜150mol%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことを特徴とする請求項8に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  10. 前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が5〜40ppmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  11. 前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒の添加量をチタニウムの含有量に換算し、換算されたチタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタニウムの含有量が10〜30ppmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  12. 前記重合ステップには、熱安定剤又は調色剤を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  13. 前記熱安定剤は、リン酸、リン酸トリメチル、又はリン酸トリエチルであり、前記熱安定剤の添加量をリンの含有量に換算し、換算された熱安定剤におけるリンの添加量が10〜30ppmであることを特徴とする請求項12に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  14. 前記調色剤は、酢酸コバルト或いはプロピオン酸コバルトであり、前記熱安定剤の添加量をコバルトの含有量に換算し、換算された熱安定剤におけるコバルトの添加量が10〜100ppmであることを特徴とする請求項12に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  15. 前記チタニウム−リン(Ti−P)共触媒におけるチタン原子数と前記熱安定剤におけるリン原子数の比は、Ti/P=2.5〜5であることを特徴とする請求項13に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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