JP2011012177A - オルガノポリシロキサン組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルオロポリエーテル油とシリコーン油を均一かつ安定に分散したオルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)25℃における動粘度が10000mm/s以下であるシリコーン油
(B)25℃における動粘度が5000mm/s以下であるフルオロポリエーテル油
(C)一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン
【化1】
Figure 2011012177

(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基、Qは炭素数1〜12の2価の有機基、R、R、Rは互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、a、b、c、dは、互いに独立に0〜200の整数であり、但し、a+b+c+dは1以上であり、eは0または1の整数であり、zは5〜100の整数である。)を含有して成ることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオロポリエーテル油とシリコーン油を均一かつ安定に分散したポリシロキサン組成物及びその製造方法に関する。
一般に、パーフルオロポリエーテル基含有化合物(フルオロポリエーテル油)は、その表面エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性・耐薬品性・潤滑性・離型性・防汚性など特有の性質を有する。その性質を利用し、紙・繊維などの撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜などに利用されている。しかし、フルオロポリエーテル油の表面エネルギーの低さは、有機溶剤もしくは塗料、化粧料、各種コーティング材料などの物質との相溶性、親和性が非常に低いことを示しており、フルオロポリエーテル油を各種工業材料等に添加して上記特性を付与しようとすると、分散安定性などに問題が生じ、配合が困難であることが指摘されてきた。
一方、ポリシロキサン化合物(シリコーン油)も、その表面エネルギーが小さいため、撥水性・潤滑性・離型性などの性質を有する。ポリシロキサン化合物は、フルオロポリエーテル油に比べ有機溶剤もしくは塗料、化粧料、各種コーティング材料などの物質に対する親和性が良く、各種変性をすることで分散安定性を向上させることも可能である。そのため、各種工業材料等に添加してシリコーンの特性を容易に付与することができ、幅広い分野で性能向上用の添加剤として利用されている。パーフルオロポリエーテル基とポリシロキサン鎖を有する化合物として、パーフルオロポリエーテル変性のポリシロキサン化合物が合成されている(特許文献1〜5)。
特開2006−321764号公報 特開2008−308628号公報 特開2008−88412号公報 特開昭59−22611号公報 特開昭60−22907号公報
また、本発明者らは、各種工業材料等の性能向上やコストダウンを目的としてフルオロポリエーテル油とシリコーン油を混合して用いることを試みた。しかし、フルオロポリエーテル油とシリコーン油は相溶性がほとんどないため、混合して用いようとすると分散安定性等に問題を生じる。このため、フルオロポリエーテル油とシリコーン油を安定に分散・混合する技術の開発を本発明は提供する。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討した結果、下記一般式に示す特定のパーフルオロポリエーテル基変性オルガノポリシロキサンが、フルオロポリエーテル油とシリコーン油を均一かつ安定に分散させることができることを見出した。
即ち、本発明は、
(A)25℃における動粘度が10000mm/s以下であるシリコーン油
(B)25℃における動粘度が5000mm/s以下であるフルオロポリエーテル油
(C)一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン
Figure 2011012177
(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基、Qは炭素数1〜12の2価の有機基、R、R、Rは互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、a、b、c、dは、互いに独立に0〜200の整数であり、但し、a+b+c+dは1以上であり、eは0または1の整数であり、zは5〜100の整数である。)を含有して成ることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の製造方法を提供する。
上記式に示すパーフルオロポリエーテル基変性オルガノポリシロキサンは、パーフルオロポリエーテルとシリコーン双方の特性を有し、フルオロポリエーテル油とシリコーン油を均一かつ安定に分散させたオルガノポリシロキサン組成物を得ることができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物において、(A)シリコーン油は、25℃における動粘度が10000mm/s以下、好ましくは1000mm/s以下0.5mm/s以上、より好ましくは100mm/s以下2mm/s以上であるものがよい。上記上限値超では、分散性が低下する恐れがあるため好ましくない。本発明のシリコーン油は、上記粘度を有するものであれば特に制限されるものではない。このようなシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンなどの直鎖状ポリシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシロキサンなどの分岐状シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シロキサンなどが挙げられる。
(B)フルオロポリエーテル油は、25℃における動粘度が5000mm/s以下、好ましくは500mm/s以下1.0mm/s以上、より好ましくは50mm/s以下1.0mm/s以上であるものがよい。上記上限値超では、分散性が低下する恐れがあるため好ましくない。フルオロポリエーテル油は上記粘度を有するものであれば特に制限されるものではない。このようなフルオロポリエーテル油としては、例えば以下の構造で示されるフルオロポリエーテルが挙げられる。(B)フルオロポリエーテル油は、(A)シリコーン油100質量部に対し、1〜500質量部、好ましくは5〜250質量部で配合する。上記上限値超では、シリコーン油の特徴が発現されにくくなるため好ましくない。また、上記下限値未満では、フルオロポリエーテル油の特徴が発現されにくくなるため好ましくない。
Figure 2011012177
本発明の(C)パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンの配合量は、(B)フルオロポリエーテル油の配合量によって最適な量は異なってくるが、(A)シリコーン油100質量部に対し、1〜500質量部、好ましくは5〜250質量部で配合する。上記上限値超では、シリコーン油、フルオロポリエーテル油双方の特徴が失われる恐れがあるため好ましくない。また、上記下限値未満では、分散安定性が悪くなるため好ましくない。
式(1)において、Rfは、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基である。上記上限値超では、パーフルオロポリエーテル鎖の柔軟性が損なわれたり、熱分解時に有害なパーフルオロオクタン酸(PFOA)などを発生する可能性があるため好ましくない。
このようなパーフルオロアルキル基Rfとしては、下記式に示される基が挙げられる。
Figure 2011012177
式(1)において、Qは炭素原子数1〜12、好ましくは炭素原子数3〜8の2価の有機基である。具体的には、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基の組み合わせであってよく、或いはこれらの基にエーテル結合、アミド結合、エステル結合等を介在させたものであってもよい。
このようなQとして、例えば下記式に示される基が挙げられる。
Figure 2011012177
(式中、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基であり、nは1〜10の整数である。Y’は−CH−又は下記式で表される二価の基であり、Rは水素原子又は置換もしくは非置換の、好ましくは炭素数1〜10の一価炭化水素基である。)
Figure 2011012177
式(1)において、R、R、Rは互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−フェニルプロピル基などが挙げられる。中でも、メチル基、n−ブチル基、フェニル基であることが好ましい。
式(1)において、a、b、c、dは0〜200、好ましくは20〜100の整数である。但し、a+b+c+dは1以上である。eは0または1の整数、zは5〜100、好ましくは10〜60の整数である。
式(1)の化合物中のパーフルオロポリエーテル鎖とポリシロキサン鎖は、分子中のフッ素原子の重量割合が20〜70質量%となる割合で存在することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%となる割合である。上記上限値超あるいは下限値未満では、シリコーン油とフルオロポリエーテル油の相溶性などが損なわれる恐れがあるため、好ましくない。
本発明のパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンとして、以下のものを例示することができる。
Figure 2011012177
中でも、下記式(2)で示される構造のパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンが好ましい。
Figure 2011012177
(式中、b、Q、R、R、R及びZは前記と同様である。)
上記パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンを製造するには、一般式(3):
Figure 2011012177
(式中、Rf、X、Q、R、R、R、a、b、c、d及びeは前記と同じ意味である。)で示されるビニル基含有パーフルオロポリエーテルと
一般式(4):
Figure 2011012177
(式中、R、R、R、及びzは前記と同じ意味である。)で示されるSiH基含有ポリシロキサンを好ましくは白金系触媒の存在下、ヒドロシリル化反応させる方法が採られる。
上記ビニル基含有パーフルオロポリエーテルとSiH基含有ポリシロキサンは、モル比(ビニル基/H比)が0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1で反応に付すことが好ましい。パーフルオロポリエーテルが上記より過剰であると、(A)シリコーン油あるいは(B)フルオロポリエーテル油との相溶性などを損なうことがあるため好ましくない。一方、ポリシロキサンが上記より過剰であると、生成物が濁りを生じたり、SiH基が脱水素反応を起こして水素ガスを発生する恐れがあるため好ましくない。
白金系触媒としては、ヒドロシリル化に用いられる従来公知のものを使用できる。一般に貴金属の化合物であり高価格であることから、比較的入手しやすい白金または白金化合物がよく用いられる。このような白金化合物としては、塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコール、ビニルシロキサンとの錯体、及びシリカ、アルミナ、カーボン等に担持された金属白金を用いることができる。白金化合物以外の白金族金属触媒としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びパラジウム系化合物が使用でき、例えば、RhCl(PPh、RhCl(CO)(PPh、Ru(CO)12、IrCl(CO)(PPh、Pd(PPh等(式中、Phはフェニル基である。)を用いることができる。
白金系触媒の使用量は触媒量でよく、パーフルオロポリエーテルとポリシロキサンの合計量100質量部に対し、0.1〜500ppm(白金重量換算)となる量が好ましい。
反応温度は、溶媒の量や種類により適宜決められ、通常、室温〜200℃でよく、好ましくは70〜140℃である。時間は、特に制約なく、個別の反応条件に応じて反応が充分に進行するようにすればよい。
上記ヒドロシリル化反応を行う際に、必要に応じて溶媒を用いてもよい。溶媒は、パーフルオロポリエーテルとポリシロキサンの双方を溶解するものであることが望ましいが、どちらか一方のみを溶解するものであってもヒドロシリル化反応を阻害するものでなければ特に制限されない。溶媒の使用量は、パーフルオロポリエーテルやポリシロキサンの粘度や仕込み量によって適宜選定されるが、パーフルオロポリエーテルとポリシロキサンの合計量100質量部に対して、10〜200質量部が好ましく、20〜100質量部であることが特に好ましい。
このような溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、イソドデカンなどの脂肪族炭化水素系化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系化合物、トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロメタキシレンなどの含フッ素芳香族炭化水素系化合物、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル系化合物、ダイフロイル(ダイキン製)などのクロロフルオロカーボン系化合物、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、2−(トリメチルシロキシ)−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチルトリシロキサンなどの鎖状シロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シロキサン、フォンブリン、ガルデン(ソルベイソレクシス製)、デムナム(ダイキン工業製)、クライトックス(デュポン製)などのパーフルオロポリエーテル系化合物などが挙げられる。中でも、ヘキサフルオロメタキシレン、デカメチルシクロペンタシロキサンが、式(2)パーフルオロポリエーテル、式(3)ポリシロキサン及び生成物の溶解性に優れており好適である。
また、ヒドロシリル化反応を行う際、本発明のオルガノポリシロキサン組成物に含まれる(A)成分のシリコーン油と(B)成分のフルオロポリエーテル油を反応溶媒として使用することができる。この場合、反応後に溶媒を溜去する工程を省略でき、また混合後の安定性が向上するため好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、(A)シリコーン油、(B)フルオロポリエーテル油、(C)パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンを、必要により加熱しながら、攪拌、溶解、分散、混合させることにより得ることができる。これらの攪拌、溶解、分散、混合の装置としては、特に限定されるものではないが、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、撥水撥油性・耐薬品性・潤滑性・離型性などに優れ、かつ、従来のパーフルオロポリエーテル基含有化合物と比較して有機溶剤もしくは塗料、化粧料、各種コーティング材料などの物質との親和性に優れているため、家庭用品分野におけるクリーナ・ワックス品への添加剤、自動車などの塗装表面の艶出し剤、化粧品添加剤、成型時の金型離型性を向上させる離型剤、グリースに撥水撥油性を付与するための添加剤、潤滑油の耐摩耗性向上のための添加剤、染料及び顔料工業分野における顔料の着色性及び分散性向上用助剤、塗料欠陥是正のための流展性及びへこみ防止性付与剤、複写機やプリンターのフューザーオイル等として有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに下記式(5):
Figure 2011012177
で示すビニル基含有パーフルオロポリエーテル432.2gと、下記式(6):
Figure 2011012177
で示すSiH基含有ポリシロキサン93.2g及びヘキサフルオロメタキシレン225gを投入した。次に、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.32g(白金として1.6mg含有)を加えて80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、下記式(7)に示される分子中のフッ素原子の重量割合が53.9%の淡褐色ペースト状物質512.0gを得た。
Figure 2011012177
[合成例2]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、下記式(8):
Figure 2011012177
で示すビニル基含有パーフルオロポリエーテル432.2gと下記式(9):
Figure 2011012177
で示されるSiH基含有ポリシロキサン521.2g及びデカメチルシクロペンタシロキサン183gを投入した。次に、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.57g(白金として2.8mg含有)を加えて80℃で1時間加熱した後、減圧下でデカメチルシクロペンタシロキサンを溜去し、下記式(10)に示される分子中のフッ素原子の重量割合が30.9%の淡褐色ペースト状物質904.5gを得た。
Figure 2011012177
[合成例3]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、下記式(11):
Figure 2011012177
で示すビニル基含有パーフルオロポリエーテル516.6gと下記式(12):
Figure 2011012177
で示されるSiH基含有ポリシロキサン314.2g、及びヘキサフルオロメタキシレン208gを投入した。白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.50g(白金として2.5mg含有)を加えて80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、下記式(13)に示される分子中のフッ素原子の重量割合が39.9%の淡黄色油状物質814.0gを得た。
Figure 2011012177
[合成例4]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、下記式(14):
Figure 2011012177
で示すアルケニル基含有パーフルオロポリエーテル470.1gと下記式(15):
Figure 2011012177
で示されるSiH基含有ポリシロキサン284.8g、及びヘキサフルオロメタキシレン189gを投入した。白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.45g(Pt2.3mg相当)を加えて80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、下記式(16)に示される分子中のフッ素原子の重量割合が38.5%の淡黄色油状物質731.6gを得た。
Figure 2011012177
[実施例1〜5]
オルガノポリシロキサン組成物の調製
300ccSUS製容器に、合成例1〜3のパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンの夫々と、下記に示す(A)シリコーン油及び(B)フルオロポリエーテル油を表1に示す組成で入れ、T.K.ホモディスパー2.5型(プライミクス(株)製)を用いて、3000rpmで20分間、分散・混合したのち、透明ガラス瓶に移し替えて評価用サンプルとした。
(A)シリコーン油
KF−995:デカメチルシクロペンタシロキサン(動粘度4mm/s(25℃))(信越化学工業製)
KF96 6cS:ジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s(25℃))
(信越化学工業製)
(B)フルオロポリエーテル油
HT−135:パーフルオロポリエーテルオイル(動粘度1mm/s(25℃))
(Galden、ソルベイソレクシス製)
HC−02:パーフルオロポリエーテルオイル(動粘度3mm/s(25℃))
(Fomblin、ソルベイソレクシス製)
[相溶性の評価]
1時間静置後及び24時間静置後の外観を目視で確認し、以下の指標で相溶性の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
○…24時間後でも均一に溶解し、透明になっている。
△…1時間後には分離していないが、24時間後にはシリコーン油層とポリエーテル油層が2層に分離、あるいは一部のパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンが乳化状態となった3層の形成が認められた。
×…1時間後にはシリコーン油層とポリエーテル油層の2層に分離、あるいは一部のパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンが乳化状態となった3層を形成していた。
[分散安定性の評価]
また、上記オルガノポリシロキサン組成物を40℃、7日間静置した後の外観を目視で確認し、以下の指標で分散安定性の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
○…均一に相溶している
×…シリコーン油層とポリエーテル油層が2層に分離している
[比較例1]
合成例1〜3の化合物に代えて合成例4で得られたパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンを用い、実施例と同様の方法で相溶性、分散安定性の評価を行った。尚、参照例としてパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンを添加しない系を試験した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2011012177
Figure 2011012177
[実施例6]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、下記式(17):
Figure 2011012177
で示すビニル基含有パーフルオロポリエーテル108.1gと、下記式(18):
Figure 2011012177
で示されるSiH基含有ポリシロキサン23.3g、パーフルオロポリエーテルオイルHT−200(Galden ソルベイソレクシス製、動粘度2.4mm/s(25℃))
131.4g、及び、デカメチルシクロペンタシロキサンKF−995 56.3gを投入した。次に、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.32g(白金として1.6mg含有)を加えて80℃で1時間加熱し、微濁半透明ペースト状の生成物を得た。この生成物85.0gにデカメチルシクロペンタシロキサン66.7gを徐々に加えながら、ホモミキサーで均一に溶解させたところ、無色透明の液体が得られた。
実施例6で得られたオルガノポリシロキサン組成物の相溶性及び分散安定性を、実施例1〜5と同様の指標で評価したところ、室温で2ヵ月以上保管しても均一に相溶しており、非常に優れた分散安定性を示した。
表1、表2及び実施例6に示す結果より、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、相溶性、分散安定性にすぐれており、フルオロポリエーテル油とシリコーン油を均一かつ安定に分散していることがわかった。本発明のオルガノポリシロキサンは、家庭用品分野におけるクリーナ・ワックス品への添加剤、自動車などの塗装表面の艶出し剤、化粧品添加剤、成型時の金型離型性を向上させる離型剤、グリースに撥水撥油性を付与するための添加剤、潤滑油の耐摩耗性向上のための添加剤、染料及び顔料工業分野における顔料の着色性及び分散性向上用助剤、塗料欠陥是正のための流展性及びへこみ防止性付与剤、複写機やプリンターのフューザーオイル等として有用である。

Claims (5)

  1. (A)25℃における動粘度が10000mm/s以下であるシリコーン油
    (B)25℃における動粘度が5000mm/s以下であるフルオロポリエーテル油
    (C)一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン
    Figure 2011012177
    (式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基、Qは炭素数1〜12の2価の有機基、R、R、Rは互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、a、b、c、dは、互いに独立に0〜200の整数であり、但し、a+b+c+dは1以上であり、eは0または1の整数であり、zは5〜100の整数である。)を含有して成ることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物。
  2. 前記シリコーン油(A)100質量部に対し、前記フルオロポリエーテル油(B)1〜500質量部、前記パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン(C)1〜500質量部を含有して成ることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  3. パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン(C)が、下記式(2):
    Figure 2011012177
    (式中、b、Q、R、R、R及びZは前記と同様である。)
    で示される構造のパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンであることを特徴とする請求項1及び2に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  4. パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン(C)が、分子中のフッ素原子の重量割合が20〜70質量%であるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  5. パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン(C)が、シリコーン油(A)とフルオロポリエーテル油(B)の存在下、
    下記式(3):
    Figure 2011012177
    (式中、Rf、X、Q、R、R、R、a、b、c、d及びeは前記と同じ意味である。)で示されるビニル基含有パーフルオロポリエーテルと
    下記式(4):
    Figure 2011012177
    (式中、R、R、R、及びzは前記と同じ意味である。)で示されるSiH基含有ポリシロキサンをヒドロシリル化反応させることによって製造されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物の製造方法。
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