JPH1161046A - 撥水剤 - Google Patents

撥水剤

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JPH1161046A
JPH1161046A JP23769997A JP23769997A JPH1161046A JP H1161046 A JPH1161046 A JP H1161046A JP 23769997 A JP23769997 A JP 23769997A JP 23769997 A JP23769997 A JP 23769997A JP H1161046 A JPH1161046 A JP H1161046A
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water repellent
mol
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fluorine
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JP23769997A
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Hiromasa Yamaguchi
博正 山口
Hirobumi Kinoshita
博文 木下
Koichi Yamaguchi
浩一 山口
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粘着性がなく、飛散性がなく、容易に塗布可能
であり、塗膜に良好な撥水性を付与する撥水剤を提供す
ること。 【解決手段】一般式(1): R1(CH2)aOb(CH2)3Si(R)O2/2 (1) (Rは脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基、R1はのパー
フルオロアルキル基またはパーフルオロポリエーテル
基、aおよびbは0または1)で示されるオルガノシロキサ
ン単位1〜80モル%、ならびに一般式(2): R2CH(R3)CH2Si(R)O2/2 (2) (Rは前記の通りであり、R2は脂肪族不飽和基を除く1価
炭化水素基、R3は水素原子またはメチル基)で示される
オルガノシロキサン単位1〜80モル%を有する含フッ素オ
ルガノポリシロキサンを含有してなる撥水剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撥水剤に関し、特に
特定の含フッ素オルガノポリシロキサンを含有してな
り、塗膜に優れた撥水性を付与する撥水剤に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、航空機、電車などの塗面(塗装
面)に水滴が付着して乾くと、一般にウォーターマーク
と呼ばれるシミができ、美観の点で問題を生ずる。ま
た、酸性雨により、塗膜の下の金属が腐食するという問
題もある。したがって、塗膜の美観の点、ならびに塗膜
および金属の保護の点から、塗膜に撥水性を付与するこ
とが重要である。そこで、該塗膜の表面に、(1)天然ワ
ックス、合成ワックス、油脂または高分子シリコーン、
(2)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂パウダ
ー、(3)フッ素変性ワックス(例えば、特開平4-149294号
公報)などを塗布することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)のワック
ス類は、一般に、粘着性が塗膜のものより高いため、塗
膜の上に塗布すると、かえって汚れを残してしまう。
(2)のPTFE樹脂パウダーは、塗布後の乾燥により飛散し
やすいため、撥水効果が維持されない。(3)のフッ素変
性ワックスは、固形であるため、塗膜表面に処理するの
にかなりの労力を要する。したがって、いずれも何らか
の欠点があり、完全な解決には至っていない。そこで、
本発明の課題は、上記の欠点を解決し、塗膜に撥水性を
付与するのに好適な撥水剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題について検討した結果、一般式(1): R1(CH2)aOb(CH2)3Si(R)O2/2 (1) (ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く炭素数1〜6の1価炭
化水素基であり、R1は炭素数1〜10のパーフルオロアル
キル基、または炭素数5〜20のパーフルオロポリエーテ
ル基であり、aおよびbは、それぞれ、0または1である)
で示されるオルガノシロキサン単位(以下、「含フッ素
基変性オルガノシロキサン単位」という)1〜80モル%、
ならびに一般式(2): R2CH(R3)CH2Si(R)O2/2 (2) (ここで、Rは前記の通りであり、R2は脂肪族不飽和基を
除く炭素数4〜50の1価炭化水素基であり、R3は水素原子
またはメチル基である)で示されるオルガノシロキサン
単位(以下、「炭化水素基変性オルガノシロキサン単
位」という)1〜80モル%を有する含フッ素オルガノポリ
シロキサンを含有してなる撥水剤が有効であることを見
出した。以下、本発明の撥水剤を詳述する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の撥水剤は、前記のとお
り、一般式(1)で示される含フッ素基変性オルガノシロ
キサン単位、および一般式(2)で示される炭化水素基変
性オルガノシロキサン単位を含有する含フッ素オルガノ
ポリシロキサンを必須成分として含有する。
【0006】〔含フッ素基変性オルガノシロキサン単
位〕R1で示される含フッ素有機基のうち、炭素数1〜10
のパーフルオロアルキル基は、一般式(3): -CkF2k+1 (3) (ここで、kは1〜10の整数、好ましくは6〜9の整数であ
る)で示される。該パーフルオロアルキル基の具体例と
しては、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキ
シル基、ヘプタデカフルオロオクチル基が挙げられる。
また、R1で示される含フッ素有機基のうち、炭素数5〜2
0のパーフルオロポリエーテル基としては、例えば下記
一般式で示されるものが挙げられる。
【0007】
【化1】 (pは1〜6の整数、好ましくは2または3である)
【0008】
【化2】 (pは前記と同じ)
【0009】
【化3】 (qは0から5の整数である)
【0010】
【化4】 (qは前記と同じ)
【0011】
【化5】 (rは1または2であり、sは0から5の整数)
【0012】
【化6】 (r、sは前記と同じ) これらの基の中では、一般式(4)で示されるパーフルオ
ロポリエーテル基が好ましく、特に好ましくは一般式
(4)のpが2または3のものである。一般式(4)〜(9)で
示されるパーフルオロポリエーテル基の具体例として
は、下記式で表されるものが挙げられる。
【0013】
【化7】 で示される基が挙げられる。これらの含フッ素基変性シ
ロキサン単位は、含フッ素オルガノポリシロキサンに一
種単独で、また、二種以上含有されてもよい。
【0014】また、一般式(1)中のRは、脂肪族不飽和基
を除く炭素数1〜6の1価炭化水素基である。具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基など
のアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基; ならびにフェニル基が挙げられ、これらの中で
は、メチル基が好ましい。
【0015】一般式(1)で示される含フッ素基変性オル
ガノシロキサン単位の具体例としては、下記のものが挙
げられる。
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
において、一般式(1)で示される含フッ素基変性オルガ
ノシロキサン単位の含有量は、1〜80モル%であり、好ま
しくは5〜50モル%、特に好ましくは5〜30モル%である。
含フッ素変性オルガノシロキサン単位が1モル%未満で
は、撥水性が充分に得られない。逆、80モル%を超える
と、他成分、特に個体状脂肪族炭化水素との相溶性(親
和性)が悪くなる。
【0019】〔炭化水素基変性オルガノシロキサン単
位〕一般式(2)において、R2は、脂肪族不飽和基を除く
炭素数4〜50、好ましくは 6〜20の1価炭化水素基であ
る。炭素数が4未満であると、他成分、特に個体状脂肪
族炭化水素との相溶性(親和性)が悪くなる。該1価炭
化水素基としては、例えばノニル基、ヘキシル基、デシ
ル基、ラウリル基、ステアリル基などのアルキル基;シ
クロヘキシル基、などのシクロアルキル基;フェニル
基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基な
どのアリール基やアラルキル基が挙げられる。これらの
中では、ノニル基、デシル基およびフェニル基が好まし
い。また、R3は水素原子またはメチル基であり、一般的
には水素原子が好ましく、R2がフェニル基のときはメチ
ル基が好ましい。
【0020】一般式(2)中のRは、一般式(1)で例示され
たものと同等のものが挙げられ、好ましくはメチル基で
ある。
【0021】一般式(2)で示される炭化水素基変性オル
ガノシロキサン単位の具体例としては、下記のものが挙
げられる。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】 なお、一般式(2)で示される炭化水素基変性シロキサン
単位は、本発明の含フッ素オルガノポリシロキサンに一
種単独で、また、二種以上含有されてもよい。
【0024】含フッ素オルガノポリシロキサンにおい
て、一般式(2)で示される炭化水素基変性オルガノシロ
キサン単位の含有量は、1〜80モル%であり、好ましくは
5〜50モル%、特に好ましくは10〜40モル%である。該オ
ルガノシロキサン単位が1モル%未満では、溶剤溶解性
等が劣る。逆、80モル%を超えると、フッ素変性基やシ
ロキサンの特徴である撥水撥油性、潤滑性等が十分に発
揮されない。
【0025】含フッ素オルガノポリシロキサンにおい
て、前記含フッ素基変性シロキサン単位(1)と前記炭化
水素基変性オルガノシロキサン単位(2)との比〔(1)/
(2)〕は、用いられる金属、塗膜などの種類によって適
切な割合が異なるが、0.05/1〜2.0/1の範囲が好まし
く、特に好ましくは0.1/1〜1/1の範囲である。
【0026】〔その他の構成単位〕含フッ素オルガノポ
リシロキサンは、前記一般式(1)で示される含フッ素基
変性シロキサン単位、および前記一般式(2)で示される
炭化水素基変性オルガノシロキサン単位のほかに、必要
に応じて例えば下記式: R'−COO(CH2)aSi(R)O2/2、 R'−COO−Si(R)O3/2、 R'−CO−NR−(CH2a−Si(R)O2/2 (上記式中、R'は炭素原子数2〜30の脂肪族炭化水素基
を示し、aは3〜20の整数であり、Rは前記の通りであ
る。)等で示される構成単位を、本発明の目的を阻害し
ない範囲で含んでいてもよい、
【0027】含フッ素オルガノポリシロキサンの25℃
における粘度は、通常、10〜100、000 cStでよく、好ま
しくは100〜10、000cSt、特に好ましくは500〜5、000cSt
である。含フッ素オルガノポリシロキサンは、例えば下
記式:
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】 で示される化合物が挙げられる。
【0030】含フッ素オルガノポリシロキサンは、当業
者には周知の方法により、例えば以下のようにして得る
ことができる。相当するオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンと、末端ビニル基含有パーフルオロアルキル基
またはパーフルオロポリエーテル基、及び、末端ビニル
基含有炭化水素化合物を白金化合物などを触媒の存在
下、ヒドロシリル化反応によって付加させることによっ
て得ることができる。また、別の方法としては、パーフ
ルオロアルキル基またはパーフルオロポリエーテル基を
有するジクロロシランと炭化水素基変性ジクロロシラン
とを共加水分解することによっても得られる。
【0031】含フッ素オルガノポリシロキサンは、上記
の粘度により異なるが、通常、液体の状態で得られる。
これを単独で用いてもよく、また溶剤に溶解または分散
させて、任意の粘度の固形物、ペースト、または液体と
することもできる。また、エアゾールとすることもでき
る。さらに、本発明の撥水剤には、上述した含フッ素オ
ルガノポリシロキサンの他に、必要に応じて他の撥水性
物質、艶出し剤、各種助剤、溶剤などを添加して、組成
物としてもよい。本発明の撥水剤を組成物として使用す
る際には、該含フッ素オルガノポリシロキサンの含有量
は、通常、0.2〜30重量%でよく、好ましくは0.5〜20重
量%である。
【0032】〔溶剤〕溶剤としては、塗面を損なわず、
含フッ素オルガノポリシロキサンを溶解または分散させ
ることができるものであれば、従来公知の溶剤を特に制
限なく使用することができる。例えば、ミネラルスピリ
ット、工業用ガソリンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;キ
シレン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤;HCFC
(すなわち、塩素、フッ素で置換された炭化水素(フロ
ン系溶剤))などのハロゲン化炭化水素系溶剤;ケトン
(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンおよびシクロヘキサノン)、エステル(例えば酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチルおよび酪酸ブチル)、エ
ーテル(例えばジブチルエーテル、エチレングリコール
およびモノエチルエーテル)、アルコール(エタノー
ル、ブタノールおよびイソプロパノール)などの極性有
機溶媒系溶剤ならびに水が挙げられ、これらの中では、
脂肪族炭化水素系溶剤が好ましい。
【0033】〔その他の撥水性物質〕その他の撥水性物
質としては、例えば固体状脂肪族炭化水素(好ましくは
融点80℃〜160℃のもの)が挙げられ、具体的にはマイ
クロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、力
ルナウバワックスなどの固形ワックス;ラノリン、およ
びその誘導体;金属石鹸、合成グリセリド、油脂ならび
に硬化油などの高級脂肪酸誘導体が挙げられる。これら
は、一種単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。その他の撥水性物質を併用する場合には、そ
の使用量は、含フッ素オルガノポリシロキサン100重量
部当たり、1〜2000重量部が好ましく、特に好ましくは1
00〜1000 重量部である。
【0034】〔拭取り作業剤〕均一な皮膜を作るための
拭取り作業剤としては、カオリン、タルク、硅石、ゼオ
ライト、ベントナイトなど無機粉体、ならびにポリオレ
フィンバウダ一、四フッ化エチレンパウダ一などの有機
粉体が挙げられる。 〔各種助剤〕各種助剤として、香料、顔料、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、pH調整剤、粘度調整剤、凍結防止剤、
防腐剤などを適宜添加してもよい。
【0035】本発明の撥水剤は、紙、繊維などの撥水
剤、ガラスの撥水剤または防汚剤、自動車、航空機、電
車などの塗面の撥水剤または保護剤、などの用途が期待
され、特に自動車、航空機、電車などの塗面の撥水剤ま
たは保護剤として有用である。塗膜の材料である塗料と
しては、例えば油ペイント、エナメルペイントなどの油
性塗料、クリヤーラッカーなどのセルロース系塗料、フ
ェノール樹脂ワニス、ビニル樹脂ワニス、シリコーン樹
脂塗料などの合成樹脂塗料、水性ペイント、エマルジョ
ン油ペイント、乳化重合塗料などの水性塗料などが挙げ
られ、これらのなかでは、セルロース系塗料、油性塗料
などが好ましい。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
具体的に説明する。 [合成例1] 下記式:
【0037】
【化14】
【0038】で示されるメチルハイドロジェンオルガノ
ポリシロキサン152.0gおよびトルエン38.6gを、温度
計、冷却管および攪拌機を取り付けた500mLのフラス
コに入れ、90℃に加熱した。次いで、α-メチルスチレ
ン93.5gと塩化白金酸の2-エチルヘキサノール溶液(白金
換算で2重量%)0.43gとの混合物を30分かけて滴下し、滴
下後さらに1時間熟成した。次に、下記式: n-C8F17CH2CH=CH2 で示される含フッ素化合物101.22gと、塩化白金酸の2-
エチルヘキサノール溶液(白金換算で2重量%)0.10gとの
混合物を投入し、1.5時間熟成した。IRスペクトルでSiH
基(ヒドロシリル基)の消失を確認した後、溶剤および
過剰の未反応原料を減圧下で溜去して、淡褐色油状物29
0.4gを得た。得られた化合物の1H-NMRスペクトル、およ
びIRスペクトルは次の通りである。
【0039】・1H-NMRスペクトル(TMS標準、ppm、CC
4溶液) 0.0 (s、 79.5H、 (2-フェニルプロピル)Si-C
H3) 0.2 (s、 273H、 Si-CH3) 0.3〜0.7 (m、13H、 Si-CH2CH2CH2-) 1.0〜1.2 (d、 53H、 Si-CH2-CH(CH3)C6H5) 1.3〜1.5 (d、 79.5H、 Si-CH2-CH(CH3)C6H5) 1.8〜2.0 (m、13H、 -CH2CH2CH2-) 2.8〜3.2 (m、29.5H、 -CH2CF2-、Si-CH2-CH(CH3)C6H
5) 7.2 (s、 132.5H、 -C6H5) ・IRスペクトル(KBr液膜法、cm-1) 700(C6H5) 1090(Si-0-Si) 1200〜1260(C8F17,Si-CH3) スペクトル:図1 以上のデータより、得られた化合物は、下記式:
【0040】
【化15】 で示される化合物であることがわかった。
【0041】[合成例2]攪拌機、冷却管、温度計および
滴下漏斗を取り付けた50mLフラスコに、下記式:
【0042】
【化16】 で示されるメチルハイドロジェンシロキサン20.0g、ト
ルエン4.4g、および塩化白金酸と下記式:
【0043】
【化17】 で示されるビニルシロキサンとの錯体のトルエン溶液
(白金換算で0.5重量.%)1.55gを仕込み、90℃に加熱し
た。次いで、下記式:
【0044】
【化18】
【0045】で示される含フッ素不飽和化合物7.6gを滴
下漏斗で5分間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1
0分間保持し、ガスクロマトグラフイーにより、該不飽
和化合物の消失を確認した。次に、この反応液に1-へキ
セン10.8gを11℃以下で15分間かけて滴下した。滴下
後、同温度で10分間保持し、IRスペクトルにより、SiH
基の消失を確認した。こうして得られた反応生成物か
ら、トルエンおよび過剰の1-へキセンを減圧下で溜去
し、淡褐色油状物34.8gを得た。得られた化合物の1H-NM
RスペクトルおよびIRスペクトルは次の通りである。
【0046】・1H-NMRスペクトル(TMS標準、ppm、CCl4
溶液) 0〜2 (s、471H、 Si-CH3) 0.5〜0.9 (m、90H、 Si-CH3) 1.1 (s、120H、 -CH2CH3) 1.2〜1.7 (m、410H、 -CH2-) 1.8〜2.0 (m、10H、 -CH2CH2CF2-) ・IRスペクトル(KBr液膜法、cm-1) 1090 (Si-0-Si) 1205〜1260 (C-F、Si-CH3) 以上のデータより、得られた化合物は、下記式:
【0047】
【化19】 で示される化合物であることがわかった。
【0048】[実施例1]合成例1で得られた油状化合物約
50mgを、鉄板(25×50×0.3mm)上に、厚みが10μmで均
ーに塗布し、皮膜を形成した。次いで、得られた皮膜の
撥水性を、接触角計(協和界面科学社製A3型)を用いて、
水に対する接触角を測定することにより評価した。その
結果を表1に示す。
【0049】[実施例2]実施例1において、合成例1の
化合物を合成例2で得られた化合物に代えた以外は、実
施例1と同様の操作で皮膜の形成、撥水性の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0050】[比較例1〜4]実施例1において、合成例
1の油状化合物の代わりに、表1に示す撥水剤(ただ
し、比較例1では撥水剤を使用しなかった)を用いた以
外は、実施例1と同様の操作で皮膜の形成、撥水性の評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】 *1)フォンブリンY45:アウジモント社製パーフルオ
ロポリエーテルオイル。 *2)KF410 :信越化学(株)製2−フェニルプロピ
ル基変性シリコーンオイル *3)X-70-181 :信越化学(株)製パーフルオロアル
キル基のみで変性されたポリジメチルシロキサンオイル
【0052】[実施例3]合成例1で得られた油状化合物
0.3g、力ルナウバワックス5.0g、炭化水素系溶剤〔商
品名、シェルソル71(蒸留範囲174〜270℃、アニリン点
84℃のイソパラフィン系溶剤)シェル化学製〕44.7gを
透明ガラス瓶に入れ、90℃で溶解混合して、相溶性を目
視観察した。その結果、相溶性は良好であった。次い
で、室温下で放冷した後、該混合物約50mgを鉄板(25×5
0×0.3mm)上に均一に塗布し、皮膜を形成した。次い
で、得られた皮膜の撥水性を、実施例1と同様の操作で
評価した。その結果を表2に示す。
【0053】[実施例4]実施例3において、合成例1の
化合物を合成例2で得られた化合物に代えた以外は、実
施例3と同様の操作で皮膜の形成、撥水性の評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0054】[比較例5〜8]実施例3において、合成例
2の油状化合物の代わりに、表2に示す撥水剤(ただ
し、比較例5では撥水剤を使用しなかった)を用いた以
外は、実施例3と同様の操作で皮膜の形成、撥水性の評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明の撥水剤は、撥水性が従来のもの
より優れ、かつ炭化水素系ワックスとの相溶性にも優れ
る。該撥水剤を各種の塗面に塗布すると、長期間、撥水
状態を保ことができる。したがって、自動車、航空機、
電車などの塗面の撥水剤および/または保護剤としてに
用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得られた油状化合物のIRスペクト
ルである。
【図2】合成例2で得られた油状化合物のIRスペクト
ルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 浩一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1): R1(CH2)aOb(CH2)3Si(R)O2/2 (1) (ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く炭素数1〜6の1価炭
    化水素基であり、R1は炭素数1〜10のパーフルオロアル
    キル基、または炭素数5〜20のパーフルオロポリエーテ
    ル基であり、aおよびbは、それぞれ、0または1である)
    で示されるオルガノシロキサン単位1〜80モル%、ならび
    に一般式(2): R2CH(R3)CH2Si(R)O2/2 (2) (ここで、Rは前記の通りであり、R2は脂肪族不飽和基を
    除く炭素数4〜50の1価炭化水素基であり、R3は水素原子
    またはメチル基である)で示されるオルガノシロキサン
    単位1〜80モル%を有する含フッ素オルガノポリシロキサ
    ンを含有してなる塗膜に撥水性を付与するために用いら
    れる撥水剤。
  2. 【請求項2】さらに、固体状脂肪族炭化水素を含んでな
    る請求項1に記載の撥水剤。
JP23769997A 1997-08-19 1997-08-19 撥水剤 Pending JPH1161046A (ja)

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JP23769997A Pending JPH1161046A (ja) 1997-08-19 1997-08-19 撥水剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012177A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Shin-Etsu Chemical Co Ltd オルガノポリシロキサン組成物及びその製造方法

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