JP5319076B2 - 有機ケイ素化合物を含有するワックス組成物。 - Google Patents

有機ケイ素化合物を含有するワックス組成物。 Download PDF

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本発明は(A)ワックス中に(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物を含有してなるワックス組成物及び該組成物を溶媒に分散してなるワックス分散液、およびその製造方法に関し、さらに該ワックス組成物及び/又はワックス分散液を含んでなる塗料組成物、及び該塗料組成物が塗装された物品に関する。
塗膜の耐汚染性、特に屋外における耐汚染性の向上が強く求められている。特許文献1〜4には塗料中に親水性物質であるアルキルシリケートを配合することにより、塗膜表面に親水性層を生成させ雨水による自浄作用を与える、耐汚染性を備えた塗膜の形成技術が公開されている。特許文献1は塗料にアルキルシリケートを添加することにより塗膜に雨水による自浄作用・耐汚染性を与える事ができることを見出した最初の文献であり、特許文献2では一般的な溶剤型有機塗料で効果が見出せる事、特許文献3,4はアルキルシリケートを親水性物質で変性すれば水性塗料でも同様な効果を得る事が出来る事が開示されている。
:国際公開WO94/06870号公報 :特開平10−72569号公報 :特開2000−44836号公報 :特開2000−169750号公報 一方、塗膜の平滑性向上、スリップ性付与のためワックスを添加する事は従来から行われていたが、これはワックスは低極性物質であるので表面張力効果により塗膜表面に移行する事、及び熱や圧力などの外部からのエネルギーにより容易に溶融液状化して表面に濡れ広がる事により、塗膜の表面平滑性を高めることが出来、又塗膜を滑り易くすることが出来るためである。特許文献5にはワックスをディスパージョンとする方法が開示されており、これにより水性塗料にも低極性物質であるワックスを安定に配合することが出来る。 :特開平6−136304号公報 ここで得られるワックスディスパージョンは特に加熱硬化型の塗料に配合された場合に平滑化、スリップ性付与等の塗膜表面特性改質効果が大きい。
ワックスと他の化学物質を混和させる方法として、例えば界面活性剤を用いて極性物質とワックスを均一に分散して粉粒体を製造する方法が特許文献6、7に開示されている。
:特開平8−92007号公報 :国際公開WO95/09532号公報また、特許文献8〜12にはワックスと非極性液状物質であるシリコーンオイルを界面活性剤を用いて混和分散して主に水分散体を得る方法が開示されている。 :特開平8−199199号公報 :特開2000−351961号公報 :特開2003−192524号公報 :特開2004−83639号公報 :特開2004−315516号公報 このように表面調整機能があるワックスを分散媒として他の物質との混和物を得る様々な方法が公開されているが、液状高極性物質であるアルキルシリケートと、常温では固体状態でありかつ低極性物質であるワックスという本来混じりあう事が出来ない2者を安定に混和分散する技術は未だ見出されていない。 そして、低極性物質であるワックスと高極性物質である液状のアルキルシリケートの両者を塗料に配合すると、塗膜形成時に低極性なワックスが塗膜表面に選択的に移行してしまい、アルキルシリケートによる耐汚染性が発現しなくなってしまい、却ってワックスが大気中の油塵等の汚染物質を付着させてしまうことによる塗膜の汚染性の悪化が起こることもあった。
表面調整機能と耐汚染性付与効果を同時に発現するワックスを得る。
発明者らは鋭意検討の結果有機ケイ素化合物を含有するワックス組成物により本課題の解決に至った。すなわち本発明は、
1.(A)ワックス中に(B)一般式I
1.(A)ワックス中に(B)一般式I
Figure 0005319076
[式中Rは互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6アルコキシ基、末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基、炭素数8〜18の炭化水素基又は末端がアルコキシエーテルである炭素数10〜30のポリ(オキシアルキレン)基であり、全てのRのうち少なくとも2つはアルコキシ基又はオキシアルキレン基であり、かつ少なくとも1つは炭素数8〜18の炭化水素基又は末端がアルコキシエーテルである炭素数10〜30のポリ(オキシアルキレン)基である。nは0〜10の整数を示す。]で表される長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、並びに(C)一般式II
Figure 0005319076
[式中Rは互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6アルコキシ基又は末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基であり、全てのRのうち少なくとも2つはアルコキシ基又はオキシアルキレン基である。nは前記と同じ意味を有する。]で表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物を含有するワックス組成物。
2.さらに(D)界面活性剤を含んでなる項1に記載のワックス組成物。
3.一般式Iで表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物(B)において全てのRのうち50%以上が炭素数1〜6アルコキシ基又は末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基である項1又は2に記載のワックス組成物。
4.項1〜3のいずれか1項に記載のワックス組成物が溶媒に分散されているワックス分散液。
5.溶媒が水である項4に記載のワックス分散液。
6.ワックス(A)の融点が40℃〜160℃の範囲である項1〜5のいずれか1項に記載のワックス組成物又はワックス分散液。
7.分散体の平均粒径が0.05μm〜5μmである項4〜6のいずれか1項に記載のワックス分散液。
8.ワックス(A)、化合物(B)及び化合物(C)の合計質量を100部とした時、化合物(B)及び化合物(C)の合計質量が30部以上70部以下である項1〜7のいずれか1項に記載のワックス組成物又はワックス分散液。
9.ワックス(A)が溶融状態であるところへ化合物(B)と、化合物(C)、及びさらに必要に応じて界面活性剤(D)を混合し、その後冷却固化させることを特徴とする項1〜3及び項6のいずれか1項に記載のワックス組成物の製造方法。
10.項9の製造方法により製造されたワックス組成物を溶媒中に投入し分散させることを特徴とする項4〜8のいずれか1項に記載のワックス分散液の製造方法。
11.項1〜8のいずれか1項に記載のワックス組成物及び/又はワックス分散液を含んでなる塗料組成物。
12.項11記載の塗料組成物が塗装された物品。
Figure 0005319076
[式中Rは互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6アルコキシ基又は末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基であり、全てのRのうち少なくとも2つはアルコキシ基又はオキシアルキレン基である。nは前記と同じ意味を有する。]
で表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物を含有する項1に記載のワックス組成物。
3.さらに(D)界面活性剤を含んでなる項1又は2に記載のワックス組成物。
4.一般式Iで表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物(B)において全てのRのうち50%以上が炭素数1〜6アルコキシ基又は末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基である項1〜3に記載のワックス組成物。
5.項1〜4に記載のワックス組成物が溶媒に分散されているワックス分散液。
6.溶媒が水である項5に記載のワックス分散液。
7.ワックス(A)の融点が40℃〜160℃の範囲である項1〜6に記載のワックス組成物又はワックス分散液。
8.分散体の平均粒径が0.05μm〜5μmである項4〜7に記載のワックス分散液。
9.固形分合計質量を100部とした時、化合物(B)及び化合物(C)の合計質量が30部以上70部以下である項1〜8に記載のワックス組成物又はワックス分散液。
10.ワックス(A)が溶融状態であるところへ化合物(B)と、必要に応じて化合物(C)、及びさらに必要に応じて界面活性剤(D)を混合し、その後冷却固化させることを特徴とする項1〜4又は7に記載のワックス組成物の製造方法。
11.項10の製造方法により製造されたワックス組成物を溶媒中に投入し分散させることを特徴とする項5〜9に記載のワックス分散液の製造方法。
12.項1〜9に記載のワックス組成物及び/又はワックス分散液を含んでなる塗料組成物。
13.項12記載の塗料組成物が塗装された物品。
本発明によるワックス組成物は媒体であるワックスの中にワックスとの相容性にすぐれる長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物が溶解又は分散している構造となっている。そのためワックスが塗膜表面に移行した際に長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物も表面に移行する。該有機ケイ素化合物は液状物質であり拡散が容易なので、塗膜が形成された後に少なくとも極微量は塗膜表面に浸出する。該有機ケイ素化合物はその構造中にシリケート部分(アルコキシ基又はオキシアルキレン基)を持っており、これらシリケート部分は容易に加水分解を受け、結果として親水性の高いシラノールが塗膜表面に一様に生成される。水は凝集力の大きい極性物質であるので極微量でも塗膜表面にシラノールがあると塗膜を濡らし一様な水膜を作る。この塗膜表面の親水化効果により塗膜は耐汚染性を発現する。つまり、この過程により塗膜はワックスによる表面調整(平滑性)、スリップ性等を示しながら同時に親水性、耐汚染性を発現することが出来る.
(A)ワックス
塗料の表面調整剤として実に多様なワックスが市場では使われている。そのうち本発明において使用されるワックスとしては、天然若しくは合成の炭化水素ワックス、グリセリド及びロウ、並びにこれらの酸化物や酸変性物等を挙げることができる。天然ワックスとしては、例えば牛脂あるいは豚脂を水素添加した水添硬化油脂、密ロウ、鯨ロウ、水添鯨ロウ、カルナバワックス、キャンデリアワックス、ライスワックス、ホホバワックス、シェラック等の動植物性ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、セリシンワックス等の鉱物性ワックス等を挙げることができる。また、合成ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス等を挙げることができる。これらのワックスのうちでもその化学構造中に何らかの極性基をもつ水添硬化油脂、密ロウ、鯨ロウ、水添鯨ロウ、カルナバワックス、キャンデリアワックス、ライスワックス、ホホバワックス、シェラック、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、セリシンワックス等の天然物ワックスが長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物の分散性の面から好ましい。
また、分散液の安定性の面から室温では固体であるもの、即ち融点が40℃以上であること、及び長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物の拡散性の面からは凝集力が過剰に大きくないこと、即ち融点が160℃以下である事が好ましい。
ワックスは1種のみでもよく、また固体状態及び液体状態の両相で相分離が起こらない組み合わせであれば2種以上を併用してもよい。
(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物
本発明は、長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物を用いる事により低極性物質であるワックス中と高極性物質である液状の有機ケイ素化合物が安定に溶解又は分散しているワックス組成物を得る事を可能にしている。これに用いる一般式Iで表される有機ケイ素化合物は一般式IIで表される有機ケイ素化合物の有機基の一部を炭素数8〜18の炭化水素基又は末端がアルコキシエーテルである炭素数10〜30のポリ(オキシアルキレン)基で置換する事によって得る事ができる。ここで置換に用いる炭素数8〜18の炭化水素基をもつ物質として、たとえば1−オクタノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、ミリスチルアルコール、1−ヘキサデカノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコールなどの長鎖1級アルコールを好適に用いることが出来る。炭素数炭素数が7以下のアルコールで変性した場合は変性後の極性がまだ高く、ワックスとの混和性が不充分となる場合がある。一方炭素数が19をこえる長鎖アルコールで変性した場合は変性物の粘度が高く、またワックスへの溶解性が極性が高くなりすぎ表面へ浸出しにくくなるためか親水性が不十分な場合がある。
末端がアルコキシエーテルである炭素数10〜30のポリ(オキシアルキレン)基を持つ物質としてポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールモノエチルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを好適に用いる事ができる。かかる物質として例えば市販のPEG200、PEG300、PEG600(全てライオン株式会社製品)、トリプロピレングリコール、エクセノール420(旭硝子株式会社製)などの両末端が水酸基であるポリアルキレングリコールを等モルのアルコール(例えばメタノール、エタノール等)でモノアルキルエーテル化したものを好適に用いる事ができる。あるいは温和な条件でポリアルキレングリコールの片方の水酸基によって一般式IIで表される有機ケイ素化合物の有機基を置換してかかるのちに残余の水酸基をアルコールによりエーテル化することも可能であるがこの方法は系のゲル化の危険性があるので上述のように予めモノアルキルエーテル化した後に用いる事が好ましい。
ここに述べた置換反応は全てエーテル交換反応であり、反応は少量の触媒存在下に反応混合物を加熱することにより行われる。反応に用いる触媒としては公知のものを用いる事ができるが例えばトリエチルアミンのような3級アミンを好適に用いる事ができる。
なお、本発明で用いる長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物は1種のみでもよく2種以上を併用してもよい。
(C)有機ケイ素化合物
本発明で用いる有機ケイ素化合物は少なくとも2つは反応性官能基としてアルコキシ基又はオキシアルキレン基をもつシリル化合物である。かかる化合物としては例えばジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランのような反応性官能基を2つもつモノマー及びその縮合物:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(2−メトキシエチル)シランのような反応性官能基を3つもつモノマー及びその縮合物:ポリメチルシロキサンジメトキシエーテル、ポリフェニルシロキサンジメトキシエーテル、ポリメチルフェニルシロキサントリメトキシエーテルのようなポリシロキサン(シリコーン)ポリエーテル:テトラメトキシシラン(メチルシリケート)、テトラエトキシシラン(エチルシリケート)などの有機シリケート類及びその縮合物を挙げることができる。中でも上記(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物を合成するには有機シリケート類又はその縮合物を用いることが本発明においては好適である。
有機シリケート類とは一般式IIIに示される構造の物質である。
Figure 0005319076
[式中Rは互いに同じでも異なっていてもよく酸素を含んでいても良い有機基を示す。]
有機シリケートの典型的なものとしてアルキルシリケートが挙げられる。アルキルシリケートにおけるアルキル基は任意の炭素数のものが合成できるが、中でも4つのアルキル基が全てエチル基であるテトラエチルシリケートは非常に多用されている代表的なアルキルシリケートであり、例えば「エチルシリケート28」との商品名でコルコート株式会社より市販されている。それ以外にも同社よりメチルシリケート、N-プロピルシリケート、N-ブチルシリケートが市販されている。
アルキルシリケートのアルキル基と酸素との間の結合(アルコキシ基)は酸触媒存在下で容易に加水分解して水酸基(シラノール基)と対応するアルコール(エトキシ基の場合はエチルアルコール)となる。ここで生じたシラノール基は反応性が高く、4つアルコキシ基の内1つ以上が部分的に加水分解を受けたシアルキルシリケートはシラノール基同士の脱水縮合により容易に高分子量化する。このときの反応条件によりリニアーなポリマーからはしご状のラダーポリマー、3次元ポリマーを作り分ける技術は既に確立していて様々な構造のポリマー(アルキルシリケート縮合物)が市販されている。本発明で用いる縮合物はそれらの一般式Iにおいてn=1〜10である場合として表される。
かかる物質としては、例えばメチルシリケート51(メチルシリケートを出発物質とした平均4量体)、メチルシリケート53A(同平均7量体)、エチルシリケート40(エチルシリケートを出発物質とした平均5量体)、エチルシリケート48(エチルシリケートを出発物質とした平均10量体)、EMS−485(エチルメチルポリシリケート)などを挙げる事ができる。
アルキルシリケート以外の有機シリケートとして式IIIにおけるRが2−メトキシエチル基のものが「MCS−18」との商品名でコルコート株式会社より市販されている。これを好適に用いる事もできるし、これはメチルシリケートと同程度の縮合反応性があるので縮合物として用いる事もできる。また、例えばアルキルシリケートを出発物質としてその一部を炭素数1〜6の水酸基を持つ酸素を含んでいても良い炭化水素化合物とリガンド交換することによって、またはアルキルシリケート縮合物を出発物質としてその一部を炭素数1〜6の水酸基を持つ酸素を含んでいても良い炭化水素化合物とリガンド交換する事によって製造した部分的に変性されたシリケートを用いても良い。
リガンド交換は水酸基を持つ化合物と有機シリケートを混合し、少量の触媒存在下加熱することにより行う事ができる。ここで用いる事のできる水酸基を持つ化合物としては、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール、nヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコールなどのアルコール:エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルキレングリコール:エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノエーテル:エチレングリコールモノブチルエステル、プロピレングリコールモノメチルエステルなどのアルキレングリコールモノエステルなどが挙げられる。また触媒としてはトリエチルアミンのような3級アミンを好適に用いる事ができる。
本発明で用いる有機シリケートは1種のみでもよく、また2種以上を併用して用いても良い。
(D)界面活性剤
本発明に用いる事のできる界面活性剤は特にその種類を問わないが、ワックス分散液を製造する場合に分散液の分散安定性を改善する効果をもつ。石油系溶剤のような極性の低い溶媒で分散液を製造する場合にはHLB値が10よりも小なものが好ましく、かかる乳化剤の例としては、例えばペレテックスCO−7.5、ペレテックスRO−10(共にミヨシ油脂株式会社製)等のノニオン界面活性剤を挙げることができる。アルコール、エステル、グリコールエーテル、水のような極性の高い溶剤を用いる時はHLB値が8よりも大きいものが好ましい。かかる乳化剤としては例えばペレテックスE−451D、ペレテックス1230(共にミヨシ油脂株式会社製)等のノニオン界面活性剤を用いる事ができる。またこの場合界面活性成分として長鎖脂肪酸塩を用いても良い。この場合中和に用いる塩基性物質に特に限定は無いが、例えばオレイン酸トリエタノールアミン塩、ステアリン酸ジエタノールアミン塩などのアミン塩を好適に用いる事ができる。又界面活性剤は1種のみでもよく2種以上を併用してもよい。
ワックス組成物の製造方法
以下本発明のワックス組成物の製造方法について説明する。本発明のワックス組成物は(A)ワックスに(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び必要に応じて(C)有機ケイ素化合物、さらに必要に応じて(D)界面活性剤を加える工程に特徴がある。即ち混合を(A)ワックスの融点以上の温度の液体状態で行いその後(A)ワックスの融点以下の温度に冷却する事であり、混合を液体状態で行う事により均一な溶解又は分散をはかり、又冷却する事により溶解又は分散した状態を安定化させることにより、成分の分離が起こりにくい、かつ常温での取り扱い性にすぐれたワックス組成物を得る。
製造はまずワックスを融点以上の温度に加熱し液体状態にする。このときワックスが完全に溶解し均一な液状になり、溶融液中に目視で固形物が認められなくなったことを確認する。そこに長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び必要に応じて有機ケイ素化合物、さらに必要に応じて界面活性剤を加え十分に混合する。このとき複数の成分を加える場合、各々別個に加えていっても、予め混合したものを加えてもよい。混合は公知の混合方法、例えば回転撹拌翼による撹拌混合や超音波による混合、分散メディアを用いたミル分散などの方法を適宜用いて行う。このとき混合物が接触する混合機器の温度もワックスの必要に応じて融点以上に保つことが望ましい。これは混合中にワックスの析出が起こり組成物が不均一になる事を防止するためである。また同じ観点からワックスに後から加える長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物等の成分も、加えた際に部分的にワックスが冷却され固化し不均一となるようであれば加熱されていてもよい。
この液状の混合物は混合機器中でもよく、排出され受け容器中でもよく冷却される。冷却は自然放冷でもよく強制冷却でもよいが、ワックスとして融点が異なる2種以上を組み合わせて用いた時など冷却速度が遅いと特定の成分がまず偏析固化し組成物が不均一になる場合がある。
常温で固体である(A)ワックスと常温で液状である(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び(C)有機ケイ素化合物の比率は(A)ワックス、(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び(C)有機ケイ素化合物の合計質量(A+B+C)を100部とした時、B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び(C)有機ケイ素化合物の合計質量が30部以上70部以下であることが好ましい。B+Cが70部をこえると組成物が液状になり有機ケイ素化合物中にワックスが分散した、いわゆる「オイル−イン−オイル」分散液になってしまう事がある。この場合ワックスによる表面調整機能、スリップ性が発揮されにくくなることがある。またB+Cが30部未満であると耐汚染性効果が不十分となることがある。
また、本発明において(B)長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物と(C)有機ケイ素化合物の比率はB:C=10:0〜2:8であるのが好ましく、この比率よりもC成分が多いとワックスとの混和性が不足しC成分が分離してしまう事がある。
分散液の製造方法
以下本発明のワックス分散液の製造方法について説明する。本製造方法はワックス組成物を溶媒に分散するときの状態により大きく2つの方法に分ける事ができる。
1つめの方法は、ワックス組成物を液体状態で分散する方法である。上記したワックス組成物の製造方法の中間段階で得られる溶融状態のワックス組成物もしくは上記した製造方法で得られたワックス組成物を再度加熱し溶融状態にしたものを、好ましくは溶融物と同温度に加熱した溶媒に加え均一に混合する。その後混合物を混合しながら常温に冷却する事によりワックス分散液を得る。ここでの混合は通常の混合方法を適宜選択してよい。また、溶融しているワックス組成物を常温の溶媒中に加えワックスの急冷による固化と分散を同時に進行させる事もできる。ここでの混合分散は高速攪拌機やホモジナイザーを用い高せん断力で高速撹拌する事により安定な分散液を得る事ができる。
2つめの方法は、固体のワックス組成物を分散する方法である。好ましくは破砕された固体状のワックス組成物と溶媒を混合し強制分散してワックス分散液を得る。この場合は分散メディアを使用してペイントコンディショナーで分散したりサンドミル分散する事によって分散液を得る事ができる。
どちらの方法による場合も(D)界面活性剤を用いる事が分散液の安定性の面で好ましい。このとき界面活性剤はワックス組成物に予め混合しておいてもよいし溶媒に溶解させておいてもよい。(D)界面活性剤の量はA+B+Cの合計質量100部に対し30部以下の範囲であることが好ましい。界面活性剤の量が30部を越えるとワックス組成物から有機ケイ素化合物を分離して有機ケイ素化合物単独の分散粒子を形成してしまうことがある。この単独粒子は例えば塗料にワックス分散液を添加した場合塗膜表面に移行せず塗膜中に留まる又はかえって塗装素材側の界面に集まってしまい耐汚染性の向上に寄与しなくなる可能性があり本発明の目的に添わない。
本発明で用いる事のできる溶媒はその種類を問わないが、非極性溶媒としては比較的高沸点の石油系溶媒、例えばスワゾール1000、スワゾール1500(ともに丸善石油化学株式会社製)が取り扱いが容易である。極性溶媒としては比較的高沸点のエチレングリコールモノエーテル類、例えばエチレングリコールモノブチルエーテルやエチレングリコールモノエステル類が取り扱いが容易でかつ広範囲の用途の溶剤型塗料との混和性にもすぐれている。また高極性溶媒として水を用いると水性塗料との混和性にすぐれる。ただし水は沸点が100℃であるので溶融したワックス組成物を加熱した溶媒に加え均一に混合する製造方法を採用する場合ワックスとしてその融点が100℃よりも低いものを用いなければならない。
ワックス組成物と溶媒の比率は任意に設定する事ができるが一般的にはワックス組成物100質量部に対し溶媒100〜900質量部とすることが分散液の安定性から好ましい。
本発明のワックス分散液のワックス粒子の平均粒径はマイクロトラックFRA(LEEDS&NORTHRUP社製)を用いて平均粒径 (50%累積粒径)を測定した。ワックスの平均粒径は5μmよりも小さいことが好ましい。分散時のせん断力が小さいと平均粒径が5μmをこえることがある。この場合に粗大粒子ができたりワックス粒子の分散安定性が低く分離してしまう事がある。一方平均粒径が0.05μmよりも小さい分散液の製造はは本発明の分散方法では実質的に難しい。
本発明のワックス組成物はそのまま耐汚染性にすぐれたワックスとして自動車用ワックス、金属製品用ワックス、床用ワックス等の用途に用いることができる。また潤滑性と親水性にすぐれているので洗浄性の高いグリースとして用いる事ができ例えば医療内視鏡用グリースや外傷血止めグリースとして用いることもできる。また樹脂に練り込んだり顔料と共分散したりすることにより塗料に添加することもできる。
本発明のワックス分散液はそのまま液状ワックスとして上述同様の用途に用いることができる。特に塗料用添加剤として用いる場合は練り込みや分散等の処理を必要とせずそのまま添加することによって、溶剤型、水性を問わず、常温乾燥型、焼付け硬化型を問わず、あらゆるタイプの塗料の塗膜耐汚染性を改善する事ができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにのみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特にことわらない限り、「質量部」及び「質量%」である。
変性シリケートの製造例1
予め下部に溶剤分離器が接続されているコンデンサー、温度計、撹拌装置及び加熱・冷却装置が取り付けられた、容量500mlの4つ口フラスコにシリケートとしてエチルシリケート28(コルコート社製品、テトラエトキシシラン):138.4g、変性剤としてヘキサデカノール:161.0g及び触媒としてトリエチルアミン:0.6gを仕込んだ。
窒素ガス気流下でマントルヒーターを用いて、内容物を撹拌しながら85℃まで加熱・昇温したのちその温度に保ち、エチルシリケートとヘキサデカノールを縮合させた。反応開始後間もなく縮合により脱離するエタノール蒸気の発生が始まったが、コンデンサーにより凝縮されたエタノールをコンデンサーの下部に接続されている溶剤分離器により除去した。エタノールの発生が止まった事を確認した後冷却し、透明液体状の変性シリケート1を得た。
変性シリケートの製造例2〜8
表1に示した原料を用い製造例1と同様の工程で変性シリケート2〜8を得た。ただし用いる変性剤により脱離するアルコールの種類が異なるのでそれに応じて反応温度も変えた。反応温度も併せて表1に示した。
表1
Figure 0005319076
注1:コルコート社製品 メチルシリケート 7量体
注2:コルコート社製品 エチルシリケート 4量体
注3:日本油脂株式会社製品 12プロピレンオキサイドモノブチルエーテ

注4:信越化学工業株式会社製 メチル/メトキシシラン
アクリル樹脂水分散体の製造例
高速撹拌が可能な回転翼を備えた容器に不飽和モノマーとしてスチレン:35g、メチルメタアクリレート:14g、nブチルアクリレート:35g、ヒドロキシエチルアクリレート:15g、アクリル酸:1g、界面活性剤として30%ニューコール707SF(日本乳化剤株式会社製、アニオンノニオン型界面活性剤水溶液):5gおよび脱イオン水:60gを仕込み高速で撹拌混合してプレエマルションを作成した。
コンデンサー、温度計、撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口フラスコに予め80℃に加温された脱イオン水:40g、上記で得たプレエマルション:8.3g及び10%過硫酸アンモニウム水溶液:2.5gを仕込み、撹拌しながら80℃で30分間保持した。
フラスコ中の内容物の温度を80℃に保ちながら残りのプレエマルション:156.7g及び10%過硫酸アンモニウム水溶液:5.0gを3時間かけて均一に滴下した。
滴下終了後温度を保って1時間エージングを行ったのち10%過硫酸アンモニウム水溶液:1.5gを加え温度を保って更に1時間エージングし、固形分含有量47%のアクリル樹脂エマルションEM1を得た。
ワックス組成物の調整
実施例1(ワックス固形物の調整)
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):50gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに上記製造例1で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した後に撹拌を止め、溶融ワックス/変性シリケート均一混合物を急冷し固形物を得た。
固形物をフラスコから取り出し粉砕し粒径10〜100μmの粉末状のワックス組成物を得た。
実施例2〜8
表2に示した材料を用いその他の工程は実施例1と同様にして実施例2〜8のワックス固形物を得た。
表2
Figure 0005319076
注5:コルコート社製品 エチルシリケート 6量体
注6:日本乳化剤株式会社製品 アニオンノニオン型界面活性剤
実施例9(ワックス溶剤分散液の調整)
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):50gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに変性シリケートの製造例3で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した。このとき混合物は半透明の状態となった。
容量1lのトールビーカーに液温約25℃のブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):300gを仕込み、回転翼を備えた撹拌装置を用いて750回転/分の速度で液を撹拌しながら、上述のカルナバワックスと変性シリケートの均一混合物を静かに加えていき粗粒のワックスシリケート複合体分散液を得た。
得られた複合体分散液を1mm径のガラスビーズ:500gを入れた容量900mlの広口ガラス容器に注ぎ、密閉しペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、ワックスシリケート複合体分散液を得た。分散後のワックスシリケート複合体の分散粒子の平均粒径は0.8μmであった(注7)。
注7:粒径の測定はコールター・カウンターN4(コールター社製)を用い
て行った。
実施例10
シリケートとして変性シリケートの製造例3で得た変性シリケート:25gとエチルシリケート48:25g混合したものを用いる以外は実施例9と同様にして実施例10のワックスシリケート複合体分散液を得た。分散後のワックスシリケート複合体の分散粒子の平均粒径は1.2μmであった。
実施例11(ワックス水性分散液の調整)
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量500mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):60gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスにシリケートとして変性シリケートの製造例3で得た変性シリケート:20gとエチルシリケート48:20gを混合したものを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した。このとき混合物は半透明の状態となった。
別の容器に脱イオン水:280gと30%ニューコール707SF:30gを仕込み、撹拌しながら85℃に加温した。
溶融したワックスシリケート混合物の撹拌速度を300回転/分の速度に上げ、そこに上述の脱イオン水とニューコール707SFの均一混合水溶液を一気に加え、さらに系が均一になるまで撹拌を続け、粗粒のワックスシリケート複合水分散液を得た。
得られた複合体分散液を1mm径のガラスビーズ:500gを入れた容量900mlの広口ガラス容器に注ぎ、密閉しペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、ワックスシリケート複合体分散液を得た。分散後のワックスシリケート複合体の分散粒子の平均粒径は0.4μmであった。
比較例1(ワックス固形物の調整)
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):50gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに上記製造例7で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した後に撹拌を止め、溶融ワックス/変性シリケート均一混合物を急冷し固形物を得た。
固形物をフラスコから取り出し粉砕し粒径10〜100μmの粉末状のワックス組成物を得た。
比較例2
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにラノリン(日本精化株式会社製精製ウールグリース、融点:36〜42℃):50gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したラノリンに上記製造例7で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した後に撹拌を止め、溶融ラノリン/変性シリケート均一混合物を急冷し固形物を得た。
固形物をフラスコから取り出し粉砕し粒径10〜100μmの粉末状の組成物を得た。
比較例3
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにポリエチレン樹脂(宇部興産株式会社製気相法メタロセンポリエチレン「ユメリット 4540F」、融点:128℃):50gを仕込み130℃に加熱して溶融させた。
溶融したポリエチレンに上記製造例7で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した後に撹拌を止め、溶融ポリエチレン/変性シリケート均一混合物を急冷し固形物を得た。
固形物をフラスコから取り出し粉砕し粒径10〜100μmの粉末状の組成物を得た。
比較例4
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):50gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに上記製造例8で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した後に撹拌を止め、溶融ワックス/変性シリケート均一混合物を急冷し固形物を得た。
固形物をフラスコから取り出し粉砕し粒径10〜100μmの粉末状のワックス組成物を得た。
比較例5(ワックス溶剤分散液の調整)
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):50gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに変性シリケートの製造例7で得た変性シリケート:50gを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した。このとき混合物は半透明の状態となった。
容量1lのトールビーカーに液温約25℃のブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):300gを仕込み、回転翼を備えた撹拌装置を用いて750回転/分の速度で液を撹拌しながら、上述のカルナバワックスと変性シリケートの均一混合物を静かに加えていき粗粒のワックスシリケート複合体分散液を得た。
得られた複合体分散液を空のガラス容器に注ぎ、密閉しペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、ワックスシリケート複合体分散液を得た。分散後のワックスシリケート複合体の分散粒子の平均粒径は10μmであった。
比較例6
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):80gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに変性シリケートの製造例1で得た変性シリケート:10gとエチルシリケート48を:10gを混合したものを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した。このとき混合物は半透明の状態となった。
容量1lのトールビーカーに液温約25℃のブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):300gを仕込み、回転翼を備えた撹拌装置を用いて750回転/分の速度で液を撹拌しながら、上述のカルナバワックスと変性シリケートの均一混合物を静かに加えていき粗粒のワックスシリケート複合体分散液を得た。
得られた複合体分散液を1mm径のガラスビーズ:500gを入れた容量900mlの広口ガラス容器に注ぎ、密閉しペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、ワックスシリケート複合体分散液を得た。分散後のワックスシリケート複合体の分散粒子の平均粒径は0.5μmであった。
比較例7
コンデンサー、温度計、回転翼を備えた撹拌装置及び加熱・冷却装置を備えた容量300mlの4つ口セパラブルフラスコにカルナバワックス(融点:80〜86℃):20gを仕込み90℃に加熱して溶融させた。
溶融したワックスに変性シリケートの製造例1で得た変性シリケート:40gとエチルシリケート48:40gを混合したものを加え、150回転/分の速度で系が均一になるまで回転撹拌し混合した。このとき混合物は半透明の状態となった。
容量1lのトールビーカーに液温約25℃のブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):300gを仕込み、回転翼を備えた撹拌装置を用いて750回転/分の速度で液を撹拌しながら、上述のカルナバワックスと変性シリケートの均一混合物を静かに加えていき粗粒のワックスシリケート複合体分散液を得た。
得られた複合体分散液を1mm径のガラスビーズ:500gを入れた容量900mlの広口ガラス容器に注ぎ、密閉しペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、ワックスシリケート複合体分散液を得た。分散後のワックスシリケート複合体の分散粒子の平均粒径は1.5μmであった。
ワックス組成物又はワックス分散液を配合した塗料の調整
実施例12(溶剤型塗料組成物の調整)
関西ペイント株式会社製溶剤型白色塗料マジクロン1531ホワイト(バインダー:アクリル/メラミン/エポキシ、顔料:チタン白、溶剤:キシレン/ジエチレングリコールモノブチルエーテル、固形分濃度60%(バインダー30%+顔料30%)):330gに実施例1で得た粉末状のワックス組成物を10g加えよく混合し、前もって1mm径のガラスビーズ500gを入れた容量900mlの広口ガラス瓶に仕込み、密閉し、ペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、実施例12の溶剤型塗料組成物を得た。
実施例13〜19
表3に示した材料を用いその他の工程は実施例12と同様にして実施例13〜21の溶剤型塗料組成物を得た。
表3
Figure 0005319076

実施例20
関西ペイント株式会社製溶剤型白色塗料マジクロン1531ホワイト:330gに実施例9で得たワックスシリケート複合体分散液を40g加え充分に回転撹拌混合し実施例20の溶剤型塗料組成物を得た。
実施例21
ワックスシリケート複合体分散液として実施例10で得られたものを用いる他は実施例20と同様にして実施例21の溶剤型塗料組成物を得た。
実施例22(水性塗料組成物の調整)
アクリル樹脂水分散体の製造例で得た固形分含有量47%のアクリル樹脂エマルションEM1:169.5g、メラミン樹脂(日本サイテックインダストリーズ株式会社製「サイメル211」、固形分濃度80%):24.5g、変性エポキシ樹脂水分散液(荒川化学工業株式会社製「KA−1826」、固形分濃度33%):29.7g、顔料(テイカ株式会社製「TITANIX JR−903」、二酸化チタン):91g、プロピレングリコールモノプロピルエーテル:10g及び上水:52.2gを良く混合し、前もって1mm径のガラスビーズ500gを入れた容量900mlの広口ガラス瓶に仕込み、密閉し、ペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、実施例22の水性塗料組成物を得た。
比較例8
関西ペイント株式会社製溶剤型白色塗料マジクロン1531ホワイトを比較例8とした。
比較例9
関西ペイント株式会社製溶剤型白色塗料マジクロン1531ホワイト:330gにカルナバワックス:5g及びエチルシリケート:5gを加えよく混合し、前もって1mm径のガラスビーズ500gを入れた容量900mlの広口ガラス瓶に仕込み、密閉し、ペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、比較例9の溶剤型塗料組成物を得た。
比較例10
関西ペイント株式会社製溶剤型白色塗料マジクロン1531ホワイト:330gに比較例1で得た粉末状のワックス組成物を10g加えよく混合し、前もって1mm径のガラスビーズ500gを入れた容量900mlの広口ガラス瓶に仕込み、密閉し、ペイントコンディショナーにより15分間撹拌混合分散し、比較例10の溶剤型塗料組成物を得た。
比較例11〜13
表4に示した材料を用いその他の工程は比較例10と同様にして比較例11〜13の溶剤型塗料組成物を得た。
表4
Figure 0005319076

比較例14
関西ペイント株式会社製溶剤型白色塗料マジクロン1531ホワイト:330gに比較例5で得たワックスシリケート複合体分散液を40g加え充分に回転撹拌混合し比較例14の溶剤型塗料組成物を得た。
比較例15、16
ワックスシリケート複合体分散液として比較例6、7で得られたものを夫々用いる他は比較例14と同様にして比較例15および16の溶剤型塗料組成物を得た。
ワックス組成物又はワックス分散液を配合した塗料の評価
実施例12〜22及び比較例8〜16の塗料組成物及びそれを硬化させた塗膜の性能評価を行った。ここで硬化塗膜は以下の手順で作成した。
1.リン酸亜鉛化成処理を施した鋼板(0.7×70×150mm)にエアースプレー法により上記実施例12〜22又は比較例8〜16で得られた塗料を夫々塗装した。
2.塗装は鋼板を水平に保持しその上面に硬化後の塗膜厚みが20μmとなるように行った。塗装後10分間静置した後、庫内温度を150℃に保った熱風式乾燥器中に20分間保持して塗膜を焼付け硬化させた。
塗料組成物及び硬化塗膜の性能評価結果を表5−1,2に示した。
表5−1(実施例)
Figure 0005319076
表5−2(比較例)
Figure 0005319076

注8:塗料を密閉した容器に入れ40℃で2ヶ月間貯蔵した後の塗料の状態を評価した。
○:塗料の増粘がなく、軽く撹拌すればスプレー塗装可能である。
△:塗料が増粘しており、スプレー塗装を行うためには塗料100部に対し
20部以上の溶剤または水を更に加える必要がある。
×:塗料がゲル化しており塗装できない。
注9:塗料調整直後に塗装した初期塗膜の60℃鏡面光沢度をJIS K5600−4−7に従って評価した。
○:60℃鏡面光沢度が80以上である。
△:60℃鏡面光沢度が60以上80未満である。
×:60℃鏡面光沢度が60未満である。
注10:光沢保持率は塗料調整直後に塗装した初期塗膜と40℃で2ヶ月貯蔵した後の塗料を塗装した塗膜の60℃鏡面反射率を比較した。
○:貯蔵後塗膜の光沢/初期塗膜の光沢が90%以上である。
△:貯蔵後塗膜の光沢/初期塗膜の光沢が50%以上、90%未満である。
×:貯蔵後塗膜の光沢/初期塗膜の光沢が50%未満、またはゲル化により
貯蔵後塗膜が作成できない。
注11:鉛筆硬度はJIS K−5600−5−4に記載の鉛筆硬度試験に基づいて行った。(破れ法)
注12:塗膜の平滑性を目視で評価した
○:平滑で艶のある塗面である。
△:塗面にうねり、ユズ肌が見られる。
×:ハジキ、ヘコミ、肌荒れなど塗面欠陥が甚だしい。
注13:各試験塗板を、東京都大田区南六郷3−12−1 関西ペイント東京事業所内で南面に向かって、塗面を上に30°に傾けて3ヶ月屋外暴露試験に供し、曝露前後の色差をJIS K 5600−4−7に基づいてΔL(明度指数の差)を測定する事によって試験後の塗面の汚れを評価した。なお暴露後の塗面のL値を測定する際には塗板をシャワー水洗し水切り後室内で2時間放置乾燥した後に測定に供した。
◎:△L(初期塗膜のL値−暴露後のL値)が2未満であり、暴露による塗膜の 汚染が全く目立たない。
○:△Lが2以上5未満であり、汚染が目立たない。
△:△Lが5以上10未満であり、少し汚染していることが目で判る。
×:△Lが10以上であり、汚染していることがはっきり目立つ。
本発明のワックス組成物を用いる事により、平滑性と耐汚染性に優れた塗膜を得る事ができる。

Claims (12)

  1. (A)ワックス中に(B)一般式I
    Figure 0005319076
    [式中Rは互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6アルコキシ基、末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基、炭素数8〜18の炭化水素基又は末端がアルコキシエーテルである炭素数10〜30のポリ(オキシアルキレン)基であり、全てのRのうち少なくとも2つはアルコキシ基又はオキシアルキレン基であり、かつ少なくとも1つは炭素数8〜18の炭化水素基又は末端がアルコキシエーテルである炭素数10〜30のポリ(オキシアルキレン)基である。nは0〜10の整数を示す。]で表される長鎖有機基で変性された有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、並びに(C)一般式II
    Figure 0005319076
    [式中Rは互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6アルコキシ基又は末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基であり、全てのRのうち少なくとも2つはアルコキシ基又はオキシアルキレン基である。nは前記と同じ意味を有する。]で表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物を含有するワックス組成物。
  2. さらに(D)界面活性剤を含んでなる請求項1に記載のワックス組成物。
  3. 一般式Iで表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物(B)において全てのRのうち50%以上が炭素数1〜6アルコキシ基又は末端がアルキルエーテルである炭素数1〜6のオキシアルキレン基である請求項1又は2に記載のワックス組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワックス組成物が溶媒に分散されているワックス分散液。
  5. 溶媒が水である請求項4に記載のワックス分散液。
  6. ワックス(A)の融点が40℃〜160℃の範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載のワックス組成物又はワックス分散液。
  7. 分散体の平均粒径が0.05μm〜5μmである請求項4〜6のいずれか1項に記載のワックス分散液。
  8. ワックス(A)、化合物(B)及び化合物(C)の合計質量を100部とした時、化合物(B)及び化合物(C)の合計質量が30部以上70部以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のワックス組成物又はワックス分散液。
  9. ワックス(A)が溶融状態であるところへ化合物(B)と、化合物(C)、及びさらに必要に応じて界面活性剤(D)を混合し、その後冷却固化させることを特徴とする請求項1〜3及び請求項6のいずれか1項に記載のワックス組成物の製造方法。
  10. 請求項9の製造方法により製造されたワックス組成物を溶媒中に投入し分散させることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のワックス分散液の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のワックス組成物及び/又はワックス分散液を含んでなる塗料組成物。
  12. 請求項11記載の塗料組成物が塗装された物品。
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