JP2013199558A - 含フッ素硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、未硬化時の垂れ落ちが防止され、かつ、硬化特性及び硬化後物性に影響を与えることがない室温硬化型の含フッ素硬化性組成物、及び該組成物を硬化させて得られる硬化物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(a)1分子中に少なくとも2個のエステル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、数平均分子量が3,000〜100,000である直鎖状フルオロポリエーテル化合物 100質量部、
(b)1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマー
(b)成分中のアミノ基の合計個数/(a)成分中のエステル基の合計個数=1〜10となる量、及び
(c)1分子中に炭素原子数6以上のパーフルオロアルキルエーテル構造とケイ素原子数5以上のポリシロキサン構造を有するブロックポリマー
0.1〜20質量部
を含有することを特徴とする含フッ素硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
(a)1分子中に少なくとも2個のエステル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、数平均分子量が3,000〜100,000である直鎖状フルオロポリエーテル化合物 100質量部、
(b)1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマー
(b)成分中のアミノ基の合計個数/(a)成分中のエステル基の合計個数=1〜10となる量、及び
(c)1分子中に炭素原子数6以上のパーフルオロアルキルエーテル構造とケイ素原子数5以上のポリシロキサン構造を有するブロックポリマー
0.1〜20質量部
を含有することを特徴とする含フッ素硬化性組成物及びその硬化物を提供する。
(a)直鎖状フルオロポリエーテル化合物
直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、1分子中に少なくとも2個のエステル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、数平均分子量が3,000〜100,000の範囲にあるものである。好ましくは、分子鎖の両末端にエステル基を有するものがよい。
(式中、Rfは2価のパーフルオロアルキルエーテル基であり、R及びR’は互いに独立に、非置換又は置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基である)
[測定条件]
展開溶媒:ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)−225
流量:1mL/min.
検出器:蒸発光散乱検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel Multipore HXL−M
7.8mmφ×30cm 2本使用
カラム温度:35℃
試料注入量:100μL(濃度0.1質量%のHCFC−225溶液)
アミノ基含有シロキサンポリマーは、上記(a)成分の架橋剤、または鎖長延長剤として作用するものである。本発明において(b)成分は、1分子中にアミノ基、特には1級アミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマーであれば特に制限されるものではない。
(c)パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンは、本発明の組成物にチキソ性を付与するために機能する。該パーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンは、1分子中に炭素原子数6以上のパーフルオロアルキルエーテル構造とケイ素原子数5以上のポリシロキサン構造を有するブロックポリマーである。
本発明の組成物には、上記(a)、(b)及び(c)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種充填剤、添加剤を配合することができる。このような成分として、具体的には、天然シリカ、湿式法または乾式法で製造した合成シリカ、カオリン、マイカ、タルク、クレイ、モンモリロナイト、ゼオライト、天然ケイ酸塩、ガラス粉、グラスファイバー、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、アルミニウム、ブロンズ等の金属粉、これら無機充填材に脂肪酸などを用いて表面処理を施したものや、酸化鉄、カーボンブラック等の顔料、着色剤、染料、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、従来公知の方法により調製することができる。(a)成分と、(b)及び(c)成分との2液タイプとして構成し、使用にあたってこれらを混合するようにしてもよい。また、本発明の組成物がモレキュラーシーブを含有する場合は、モレキュラーシーブと(a)成分とを配合したものと、(b)成分と(c)成分とモレキュラーシーブとを配合したものとの2液タイプとして構成し、使用にあたってこれらを混合するようにしてもよい。この場合、何れか一方の液にモレキュラーシーブを必要量配合しても、両方の液にモレキュラーシーブの必要量を分けて配合してもよい。
[測定条件]
展開溶媒:含フッ素有機溶剤AK−225(ハイドロフルオロカーボン)
流量:1mL/min.
検出器:蒸発光散乱検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel Multipore HXL−M
7.8mmφ×30cm 2本使用
カラム温度:35℃
試料注入量:100μL(濃度0.1質量%のAK−225溶液)
下記式(5)で表されるポリマー(粘度7.8Pa・s、数平均分子量15,700)100質量部と、充填剤に脂肪酸で表面処理されたコロイド質炭酸カルシウム(平均粒径;0.03〜0.06μm、品名カーレックス300:丸尾カルシウム(株)製、商品名)40質量部とをプラネタリーミキサーに投入し、1時間混練りを行った。次いで三本ロールにて分散促進し、冷却して混合物1を製造した。
下記式(6)で示されるフッ素変性アミノ基含有シロキサンポリマー(粘度1,000Pa・s、数平均分子量16,000)60.0質量部と、粉末状モレキュラーシーブ4A(平均粒径10μm以下、MERCK社製)5.0質量部と、充填剤として炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm、品名ホワイトンSSB赤:白石カルシウム(株)製、商品名)24.0質量部とをプラネタリーミキサーに投入し、15分間混練りを行い、次いで室温中で30分間減圧混合した(−65〜−75cmHg)。その後、得られた混合物に粘度調節剤として下記式(7)で示されるオイル状フッ素ポリマー(片末端ビニルジメチルシリル基封鎖パーフルオロポリエーテルオイル)35.0質量部と、下記式(8)で示されるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン化合物5.0質量部とを添加し、プラネタリーミキサーにて15分間混練し、次いで室温中で30分間減圧混合し(−65〜−75cmHg)、混合物2を製造した。
上記式(6)で示されるフッ素変性アミノ基含有シロキサンポリマー(粘度1,000Pa・s、数平均分子量16,000)60.0質量部と、粉末状モレキュラーシーブ4A(平均粒径10μm以下、MERCK社製)5.0質量部と、充填剤として炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm、品名ホワイトンSSB赤:白石カルシウム(株)製、商品名)24.0質量部とをプラネタリーミキサーに投入し、15分間混練りを行い、次いで室温中で30分間減圧混合した(−65〜−75cmHg)。その後、得られたコンパウンドに粘度調節剤として上記式(7)で示されるオイル状フッ素ポリマー(片末端ビニルジメチルシリル基封鎖パーフルオロポリエーテルオイル)36.0質量部と、下記式(9)で示されるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサン化合物4.0質量部とを添加し、プラネタリーミキサーにて15分間混練を行い、次いで室温中で30分間減圧混合して(−65〜−75cmHg)、混合物3を製造した。
[製造例4]
上記式(6)で示されるフッ素変性アミノ基含有シロキサンポリマー(粘度1,000Pa・s、数平均分子量16,000)60.0質量部と、粉末状モレキュラーシーブ4A(平均粒径10μm以下、MERCK社製)5.0質量部と、充填剤として炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm、品名ホワイトンSSB赤:白石カルシウム(株)製、商品名)24.0質量部とをプラネタリーミキサーに投入した後、15分間混練りを行い、次いで室温中で30分間減圧混合した(−65〜−75cmHg)。その後、得られたコンパウンドに粘度調節剤として上記式(7)で示されるオイル状フッ素ポリマー(片末端ビニルジメチルシリル基封鎖パーフルオロポリエーテルオイル)40.0質量部を添加し、プラネタリーミキサーにて15分間混練を行い、次いで室温中で30分間減圧混合し(−65〜−75cmHg)、混合物4を製造した。
上記製造例1にて得た混合物1を140質量部と、製造例2にて得た混合物2を129質量部とを均一に混合して含フッ素硬化性組成物を調製した。該組成物の液垂れ性及び各種物性を下記に示す方法にて試験した。
[実施例2]
上記製造例1にて得た混合物1を140質量部と、製造例3にて得た混合物3を129質量部とを均一に混合して含フッ素硬化性組成物を調製した。該組成物の液垂れ性及び各種物性を下記に示す方法にて試験した。
上記製造例1にて得た混合物1を140質量部と、製造例4にて得た混合物4を129質量部とを均一に混合して含フッ素硬化性組成物を調製した。該組成物の液垂れ性及び各種物性を下記に示す方法にて試験した。
上記、実施例1、2及び比較例1の含フッ素硬化性組成物0.5gをテトラフルオロエチレン製の板上に計り取った。該板を地面に対して90°に直立させ、室温中で10分間静置した後の組成物の液垂れ具合を測定した。結果を表1に示す。
前記、実施例1、2及び比較例1の含フッ素硬化性組成物を厚さ2mmのシート状に成形し、室温(23℃)中で1週間静置して硬化させた。得られた各硬化物のゴム物性をJIS K6251及びJIS K6253に準拠して測定した。結果を表2に示す。
実施例1、2及び比較例1の含フッ素硬化性組成物を、室温(23℃)中で1週間静置して硬化させた。得られた硬化物をDSC測定に付し、ガラス転移点(Tg)を見積もった。その結果、いずれもTg=−54℃であることが確認された。
実施例1、2及び比較例1の含フッ素硬化性組成物を、室温(23℃)中で1週間静置して硬化させた。得られた硬化物の耐溶剤膨潤性を、JIS K6258に準じて各種有機溶剤に対する浸漬試験を実施することで評価した。結果を表3に示す。
Claims (7)
- (a)1分子中に少なくとも2個のエステル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、数平均分子量が3,000〜100,000である直鎖状フルオロポリエーテル化合物 100質量部、
(b)1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマー
(b)成分中のアミノ基の合計個数/(a)成分中のエステル基の合計個数=1〜10となる量、及び
(c)1分子中に炭素原子数6以上のパーフルオロアルキルエーテル構造とケイ素原子数5以上のポリシロキサン構造を有するブロックポリマー
0.1〜20質量部
を含有することを特徴とする含フッ素硬化性組成物。 - Rfが、下記式(i)〜(iii)から選ばれる2価のパーフルオロアルキルエーテル基である、請求項2記載の含フッ素硬化性組成物
- (c)成分が下記一般式(2)
で示されるパーフルオロポリエーテル変性ポリシロキサンである、請求項1〜4のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。 - 請求項1〜6のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
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