JP2005325297A - フッ素ゴム組成物及びその硬化物を含む物品 - Google Patents

フッ素ゴム組成物及びその硬化物を含む物品 Download PDF

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Yasuhisa Osawa
康久 大澤
Takashi Matsuda
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Abstract

【解決手段】 (A)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(1)で表される高分子化合物 100質量部、
【化1】
Figure 2005325297

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
(B)補強性フィラー 1〜100質量部、
(C)パーオキサイド架橋剤 硬化有効量、
(D)多官能ビニル化合物 硬度調整有効量
を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物。
【効果】 本発明の組成物は、ごく少量の多官能ビニル化合物を配合することで、物性低下が殆どなく硬度を上昇させることができる。従って、硬度の微調整や高硬度用途の材料として工業的な利用価値が大きい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ロール作業性に優れ、しかも耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性が良好で硬度調整が容易な硬化物を与えるパーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム組成物及びその硬化物を含む物品に関する。
従来のフッ化ビニリデン系フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性、機械的強度などに優れたエラストマーなので、自動車及び機械産業を中心に広い分野で工業的に使用されている。
しかしながら、その耐薬品性は不十分であり、ケトン系、低級アルコール系、カルボニル系、有機酸系などの極性溶剤には容易に膨潤してしまい、アミンを含む薬品には劣化してゴム強度や伸びが極端に低下してしまうという欠点を有している。また、低温特性においても、−20℃以下ではゴム弾性を失ってしまい、シール材として使用できなくなってしまうため、寒冷地での使用には限界があるのが一般的である。
そこで、それらの欠点を改善するために、パーフルオロ化合物と含フッ素オルガノ水素ポリシロキサンとを主成分とする含フッ素硬化性組成物が提案されている。
しかしながら、これら組成物は、パーフルオロ化合物が低重合度の液状であることから液状の組成物となるため、FIPG工法やLIMS成型などには適しているものの、従来よりゴム成型で用いられている圧縮成型では作業性が劣ってしまう。
LIMS金型は、一般的に従来のゴム用2枚金型に比べて高価であり、LIMS成型機への取り付けに手間取ったり、金型取り付け後の機械の調整に時間がかかるなどの問題点があり、多品種少量生産には不向きである。
このような背景から、本発明者らは、ゴム用ロール作業が可能で圧縮成型用ゴム金型による成型が可能なタイプのゴム組成物(以下、ミラブルタイプ組成物)をパーフルオロ化合物、含フッ素オルガノヒドロポリシロキサン、フィラー、表面処理剤を主成分とする含フッ素硬化性組成物により製造する方法を提案した(特許文献1,2:特開2000−007835号公報、特開2001−106893号公報)。
また、ポリマーの鎖長延長方法を改良して上記ミラブルタイプ組成物のロール作業性を向上させたパーオキサイド架橋可能な組成物及びその製造方法も提案している(特許文献3:特開2003−201401号公報)。
更に、LIMS材料において、多官能ビニル化合物を添加してヒドロシリル化反応により架橋させて、硬度調整、特に高硬度化を行う方法が提案されている(特許文献4:特開2002−293919号公報)
しかしながら、この方法ではLIMS材料の粘度上昇があり、多官能ビニル化合物添加量に限界があったり、粘度上昇を抑えるためにポリマーと相溶性のある多官能ビニル添加剤ではゴム物性を維持させた場合に硬度上昇が少ないという欠点がある。
ミラブル材料においても、製品による硬度調整は重要でありフィラーを増量することで容易に硬度は上昇するが、ゴム物性(特に伸び)が低下する傾向にあるため、添加量には限界がある。
特開2000−007835号公報 特開2001−106893号公報 特開2003−201401号公報 特開2002−293919号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、硬度調整を簡単に行うことができ、パーオキサイド架橋可能で、ロール作業性に優れ、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性に優れた硬化物を与えるミラブルタイプのフッ素ゴム組成物及びその硬化物を含む物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)下記一般式(1)で示される構造を有し、25℃における粘度が1,000Pa・s以上であるポリマー、(B)補強性フィラー、(C)パーオキサイド架橋剤、(D)多官能ビニル化合物を含有する架橋性フッ素ゴム組成物によって、ロール作業性が良好で、ゴム物性の低下がなくヒドロシリル基を用いた付加反応同様に硬度調整を行うことができるゴム硬化物を与えることを知見し、本発明をなすに至った。
Figure 2005325297

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
即ち、本発明は、
上記(A)成分:100部(質量部、以下同じ)
上記(B)成分:1〜100部
上記(C)成分:硬化有効量
上記(D)成分:硬度調整有効量
を含有してなる架橋性フッ素ゴム組成物及びこの組成物を硬化してなるフッ素ゴム硬化物を部分構造又は全体構造として有する、例えば、シール材、O−リング、ダイヤフラム、ホース、コーティング材等の物品を提供する。
本発明の組成物は、ごく少量の多官能ビニル化合物を配合することで、物性低下が殆どなく硬度を上昇させることができる。従って、硬度の微調整や高硬度用途の材料として工業的な利用価値が大きい。
(A)成分
(A)成分は、25℃の粘度が1,000Pa・s以上、好ましくは2,000〜100,000Pa・s、更に好ましくは2,000〜10,000Pa・sの下記一般式(1)で表される高粘性体又はガム状の高分子化合物である。なお、この粘度は、同軸円筒粘弾性計による測定法、測定条件に基づくものである。
Figure 2005325297

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
この場合、nは上記粘度を与える数である。(A)成分は、通常生ゴム状のものが好ましく、ノナフルオロブチルメチルエーテルに10質量%の濃度で溶解させたときの溶液の動粘度が2.0mm2/s以上、より好ましくは5〜50mm2/s、特に10〜40mm2/sであることが好ましい。なお、この動粘度の測定は、毛細管型粘度計によるものである。
Rfはそれぞれ独立に、Cm2m(m=2〜15)で示される二価のパーフルオロアルキレン基、又は下記式(2)、(3)、(4)で示される基から選ばれる二価のパーフルオロオキシアルキレン基であることが好ましい。
Figure 2005325297

(Xはそれぞれ独立にF又はCF3基、rは2〜6の整数、t、uはそれぞれ1又は2、p、qはそれぞれ0〜200の整数、sは0〜6の整数であるが、p、q、sが同時に0とはならない。)
Figure 2005325297

(Xは前記と同じ、v、wはそれぞれ1〜50の整数。)
Figure 2005325297

(yは1〜100の整数。)
二価のパーフルオロアルキレン基は直鎖でも分岐していてもよく、例えば−C24−、−C36−、−C48−、−C612−、−C816−、−C1020−、−C24CF(CF3)C48−などが例示される。
二価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、例えば下記のものが例示される。
Figure 2005325297
また、Qは下記式(5)で表される基であることが好ましい。
Figure 2005325297

(但し、
1は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、
2は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、
3は酸素原子又は炭素原子数1〜8のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基、
4はR1と同様の一価炭化水素基、
5はR1と同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基
を示す。)
1 、R 2 、R 4 の例示:
1、R4は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基であり、R2は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基である。R1、R2、R4の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。
5 の例示:
5はR1と同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基である。R5の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基としては、例えばビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基及び下記構造の基が例示される。
(Siとの結合部位を示すために、化学式中にSiを記す。)
Figure 2005325297
または、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基として、下記のものが例示される。
(Siとの結合部位を示すために、化学式中にSiを記す。)
Si−C2424CH=CH2
Si−C24612CH=CH2
Si−C24510CF=CHCH3
Si−C24612CF=CF2
Si−C24816CF=CF2
3 の二価の有機基の例示:
3は酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基である。R3の二価炭化水素基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基等のアリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基などが挙げられる。
Zは炭素原子数1〜30の一価炭化水素基等の一価の有機基であって、酸素、窒素、硫黄、ケイ素から選ばれる原子を結合途中に有していてもよく、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、これらの基の途中に、エーテル結合、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合、スルホニルアミド結合、シロキサン結合等を含んだ基を挙げることができる。
本発明のフッ素ゴム組成物の(B)成分は補強性フィラーである。この補強性フィラーは、ロール作業性、機械的強度、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難燃性等を向上させたり、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率の低下、ガス透過率を下げるなどの目的で添加されるが、主としてミラブルタイプの組成物にするため、ロール作業性と機械的強度を向上させる目的で配合される。
補強性フィラーとしては、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、珪藻土、石英粉末、ガラス繊維、カーボンブラックや、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩などを挙げることができ、これらは各種表面処理剤で処理したものであってもよい。これらの中では、機械的強度の点からヒュームドシリカ及びカーボンブラックが好ましく、特に分散性を向上させるためにシラン系等の分子中にケイ素を含む表面処理剤で処理されたヒュームドシリカが最も好ましい。
補強性フィラーの配合量は、(A)成分100部に対して1〜100部、特に5〜50部である。1部未満ではフィラーの補強性が低下すると共に、ロール作業性が低下し、100部を超えるとゴムの柔軟性が失われたり、ロールに巻き付かなくなるなどの不都合が生じる。
本発明の(C)成分のパーオキサイド架橋剤としては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネートなどが挙げられるが、架橋効率性、保存安定性やスコーチ防止の点から、2,5−ジメチル−2,5−ビス−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネートが好ましい。
上記パーオキサイド架橋剤の添加量は、(A)成分を硬化させるに十分な量であればよいが、(A)成分100部に対して0.1〜5部、特に0.5〜3部が好ましい。0.1部に満たないと架橋が不十分になったり架橋が遅くなる場合があり、5部を超えると物性に悪影響を与える場合がある。
(D)成分の多官能ビニル化合物は本発明の最も重要な成分であり、分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有している必要があり、更に好ましくは耐熱性に優れた分子構造であることが望ましい。
具体的な化学構造を示すと、下記のものが挙げられる。
Figure 2005325297
Figure 2005325297
上記例示の中でも特に好ましいものは、耐熱性に優れ、少量添加でも効果のあるTAIC(トリアリルイソシアヌレート)である。
上記多官能アリル化合物の添加量は、目的とする硬度調整に合わせて任意に添加すればよいが、(A)成分100部に対して0.01〜5部、特に0.5〜3部が好ましい。0.01部に満たないと硬度上昇の効果が殆どなく、5部を超えると物性に悪影響を与える場合がある。
本発明のフッ素ゴム組成物には、その実用性を高めるために、内添離型剤、ウェッター、顔料、染料などの種々の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明のフッ素ゴム組成物は、
(a)(A)成分に対し、(B)成分の補強性フィラーを添加する工程、
(b)次いで、(C)成分のパーオキサイド架橋剤及び(D)成分の多官能ビニル化合物を添加する工程
によって製造することができる。
(a)工程は、一般的なゴムの配合に用いられるゴム用ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ゴム用2本ロール等を用い、フィラーを添加しながら混練すればよい。
これらの配合の際は、常温であっても何ら問題ないが、剪断熱を安定にするなどの目的によりポリマーが分解しない温度範囲で加熱してもよく、その条件は100〜300℃で10分〜8時間程度が望ましい。
(b)工程は、(C)成分のパーオキサイド架橋剤及び(D)成分の多官能ビニル化合物を配合する工程であるが、装置としてはニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどは混合発熱により架橋が進行するスコーチ現象の危険があり好ましくなく、分出し作業も行うことができるゴム用2本ロールが望ましく、練り作業時の発熱による架橋の進行を抑えるために冷却設備を有するものがよい。
本発明の組成物の硬化条件は、一次キュアーとして100〜200℃で1〜30分が好ましい。100℃未満では硬化時間が長くなってしまうため、工業的生産性に劣る場合があり、200℃を超えるとスコーチ発生の危険性があるため、100〜200℃が好ましく、更には120〜170℃が好適である。その場合の硬化時間は架橋反応が完了する時間を適宜選択すればよい。また、本組成物の物性を安定化させるため、100〜230℃で1〜24時間程度の熱処理で二次キュアーをすることが好ましい。二次キュアーは100℃未満では効果が少なく、230℃を超えると熱分解するおそれがある。更に好ましくは150〜200℃で1〜20時間が好適である。
本発明の組成物は種々の用途に利用することができる。即ち、フッ素含有率が高いため、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また、透湿性も低く、低表面エネルギーを有するため、離型性、撥水性に優れており、耐油性を要求される自動車用ゴム部品、具体的にはフューエル・レギュレーター用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクター用O−リングなどのO−リング類、あるいは、オイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材など、化学プラント用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、ホース類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどのシール材など、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、具体的には薬品が接触する機器用のダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのシール材など、低摩擦耐磨耗性を要求されるバルブなど、分析、理化学機器用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、弁、シール部品(O−リング、パッキンなど)、医療機器用ゴム部品、具体的にはポンプ、バルブ、ジョイントなど、また、テント膜材料、シーラント、成型部品、押し出し部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布などに有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で部は質量部を示す。また、下記例で使用した物質は下記の通りである。
Figure 2005325297
(R6はC81724−又はCH2=CHC61224−であって、その比率は5:5である。)
(B)補強性フィラー
(VP−NVX300;日本アエロジル社製商品名…ケイ素系表面処理剤で処理されたヒュームドシリカ)
(C)パーオキサイド架橋剤
(パーブチルI;日本油脂株式会社製商品名…t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート)
Figure 2005325297
[実施例1〜6、比較例1,2]
表1に示すように多官能ビニル化合物を配合したフッ素ゴム組成物を得た。得られた組成物について以下のような評価を行った。結果を表1に示す。
[製造法]
(a)工程(フィラー配合工程)
上記ポリマーを300cc試験用ニーダーに移して温度を170℃に上昇させ、表1に示すような配合にてフィラーを添加した。フィラーの添加終了後、同様の温度にて1時間混練りを継続した。
(b)工程(架橋剤配合工程)
(a)工程で得られたコンパウンドをニーダーから取り出し、ゴム用2本ロールに巻き付け、パーオキサイド架橋剤を配合して硬化可能なフッ素ゴム組成物を得た。このときのロール粘着性でロール作業性を評価した。
[組成物の物性評価方法]
得られた組成物は、ゴム用75トンプレスにて150℃,10分間の条件で2mm厚のゴムシートを作製した後に、200℃,4時間のポストキュアーを行ったものをJISゴム評価方法に従い、物性測定を行った。
[ロール作業性評価方法]
3インチゴム用2本ロールに200gの材料を用いて、ロール混練作業を20分間継続したときのロール作業性を評価した。
○:ロールへ容易に巻きつき、粘着がなく、良好なロール作業性。
△:ロールに巻きつきにくく、ロールに材料を素通しして暖めてからロールに巻きつ
く。
Figure 2005325297
実施例の組成物は、少量の多官能ビニル化合物を添加するだけで硬度は容易に上昇し、伸びや強度の低下が殆どみられないのに加えてロール作業性も殆ど変わらない。それに対して比較例2で示すようにフィラーを増量して硬度を上昇させた場合は伸びの低下が大きく、またロールへの巻きつきが悪くなってしまった。

Claims (6)

  1. (A)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(1)で表される高分子化合物 100質量部、
    Figure 2005325297

    (但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
    (B)補強性フィラー 1〜100質量部、
    (C)パーオキサイド架橋剤 硬化有効量、
    (D)多官能ビニル化合物 硬度調整有効量
    を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物。
  2. 式(1)において、Rfが、Cm2m(m=2〜15)で示される二価のパーフルオロアルキレン基又は下記式(2)、(3)、(4)で示される基から選ばれる二価のパーフルオロオキシアルキレン基であり、Qが下記式(5)で表される基であり、Zが酸素、窒素、硫黄、ケイ素から選ばれる原子を結合途中に有していてもよい炭素原子数1〜30の一価の有機基である請求項1記載の組成物。
    Figure 2005325297

    (Xはそれぞれ独立にF又はCF3基、rは2〜6の整数、t、uはそれぞれ1又は2、p、qはそれぞれ0〜200の整数、sは0〜6の整数であるが、p、q、sが同時に0とはならない。)
    Figure 2005325297

    (Xは前記と同じ、v、wはそれぞれ1〜50の整数。)
    Figure 2005325297

    (yは1〜100の整数。)
    Figure 2005325297

    (但し、
    1は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、
    2は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、
    3は酸素原子又は炭素原子数1〜8のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基、
    4はR1と同様の一価炭化水素基、
    5はR1と同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基
    を示す。)
  3. 前記(B)成分の補強性フィラーが、カーボンブラック、ヒュームドシリカ又は分子中にケイ素を含む表面処理剤で処理されたヒュームドシリカである請求項1又は2記載の組成物。
  4. 前記(D)成分の多官能ビニル化合物がトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の組成物を硬化してなるフッ素ゴム硬化物を部分構造又は全体構造として有する物品。
  6. 物品がシール材、O−リング、ダイヤフラム、ホース、又はコーティング材である請求項5記載の物品。
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