JP2012111856A - 含フッ素硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)分子中に2個以上のアルケニル基を有し、主鎖中に−CaF2aO−(aは1〜6)単位を含む構造を有する分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、(b)分子中にケイ素原子結合水素原子を2個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物、(c)ヒドロシリル化反応触媒、(d)BET比表面積30m2/g以上のシリカ系充填剤、(e)分子中にアルケニル基を1個及びパーフルオロポリエーテル構造を有する分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、(f)分子中にアルケニル基を3個以上有し、分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物を含み、上記(e)と(f)のVi基量のモル比が0.5〜5.0である含フッ素硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
〔請求項1〕
(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.4〜5.0となる量、
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
(d)BET比表面積が30m2/g以上のシリカ系充填剤:1〜100質量部、
(e)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:0.1〜50質量部、
(f)1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物:0.02〜20質量部
を含有してなり、(e)成分中のアルケニル基量と(f)成分中のアルケニル基量のモル比が(e)/(f)=0.5〜5.0であることを特徴とする含フッ素硬化性組成物。
〔請求項2〕
(a)成分のパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式
(式中、aは1〜6の整数であり、qは20〜600の整数である。)
で表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項3〕
(a)成分が、下記一般式(1)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−、−Si(CH3)2CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−又は下記構造式(Z’)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m,nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が30〜600である。]
で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項4〕
(e)成分のパーフルオロポリエーテル構造が、
(式中、a’は1〜6の整数であり、q’は2〜150の整数である。)
で表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項5〕
(e)成分が、下記一般式(2)
[式中、X”は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、−CH2CH2Si(CH3)2−又は−CO−NR3−Y”−〔但し、Y”は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−又は下記構造式(Z”)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R3は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。p’は0又は1、sは2〜150の整数である。]
で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項6〕
(b)成分が、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基から選ばれる含フッ素置換基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、本発明の組成物における主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個、更に好ましくは2〜4個、特に好ましくは2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量が5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(3)で示されるものなどが挙げられる。
(式中、aは上記と同じであり、qは20〜600の整数、好ましくは30〜400の整数、より好ましくは30〜200の整数である。)
なお、上記パーフルオロポリエーテル構造は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (4)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf1−Q−(X’)p−CH=CH2 (5)
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−、−Si(CH3)2CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕であり、X’は独立に−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−又は下記構造式(Z’)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。Rf1は2価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(3)、即ち−(CaF2aO)q−で示される繰り返し単位を含むものが好ましい。Qは炭素数1〜15の2価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。]
[式中、X,X’及びpは前記と同じであり、rは2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2、m,nはそれぞれ0〜600の整数、好ましくは15〜300の整数であり、更にmとnの和が30〜600、好ましくは30〜300である。]
(a)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(b)成分の1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物は、本組成物において上記(a)成分の架橋剤及び/又は鎖長延長剤として作用するものである。(a)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性を考慮して、1分子中に1個以上、好ましくは1〜100個、より好ましくは1〜30個の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基(即ち、1価のパーフルオロポリエーテル基)、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基(即ち、2価のパーフルオロポリエーテル基)から選ばれる含フッ素置換基を含有し、かつ、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiHで示されるヒドロシリル基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜100個有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
CbF2b+1−
(式中、bは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
(式中、cは1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数、dは1〜3の整数である。)
−CbF2b−
(式中、bは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
(式中、e及びfはそれぞれ1以上の整数、e+fの平均は2〜200の整数、好ましくは2〜100の整数である。)
−(CF2O)g−(CF2CF2O)h−CF2−
(式中、g及びhはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは10〜50の整数、g+hの平均は5〜100の整数、好ましくは20〜100の整数である。)
−(CH2)t−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−、
−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2−Si(CH3)2−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2−Si(CH3)2−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−Si(CH3)2−Ph’−N(CH3)−CO−
(但し、tは1〜8の整数、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
また、(b)成分の配合量は、(a)成分中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対して、(b)成分中のヒドロシリル基、即ちSiH基の合計量が0.4〜5.0モル、好ましくは0.8〜3.0モル供給する量である。(b)成分の配合量が少なすぎると架橋度合いが不十分で硬化物の強度が不足し、多すぎても同様に硬化物の強度が不足する。
更に、本発明においては、上記(a)成分と後述する(e),(f)成分との合計のアルケニル基1モルに対し、(b)成分のSiH基が0.4〜5.0モル、好ましくは0.6〜4.0モル、特に0.8〜3.5モルとなる量で(b)成分を使用することが好ましい。
(c)成分のヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族金属等の単体やこれら白金族金属等の遷移金属の化合物などが好ましく使用される。本発明では、これら化合物が一般に貴金属の化合物で高価格であることから、比較的入手しやすい白金化合物が好適に用いられる。白金化合物としては、具体的に塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ、アルミナ又はカーボン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の(d)成分は、シリカ系充填剤(又はシリカフィラー)である。シリカ系充填剤としては、石英やガラスを粉砕した粉砕シリカ、一旦溶融してから球粒状に成形する溶融シリカ、ケイ酸ソーダに鉱酸を加えて製造される湿式シリカ(沈降シリカ)、シラン化合物を燃焼させて製造される乾式シリカ(ヒュームドシリカ)などの微粉末シリカが挙げられるが、機械的強度を向上させる観点から、BET比表面積が30m2/g以上、通常、30〜400m2/g、好ましくは50〜400m2/g、より好ましくは100〜350m2/g程度のものを用いる。湿式シリカ(沈降シリカ)、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)等がこれに該当するが、吸着水分が少ない乾式シリカ(ヒュームドシリカ)がより好適である。BET比表面積が30m2/g未満では十分な機械的強度が得られない。
本発明の(e)成分は、1分子中に1個のアルケニル基を、好ましくは分子鎖の片方の末端に有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。(e)成分は、本組成物を加熱硬化する際に(b)成分の架橋剤と反応するが、分子中にアルケニル基を1つしか有しないため、(e)成分と(b)成分の反応においては、いわゆるゴム状物を形成するための三次元網目構造を形成しない。従って、結果的に硬化物全体の架橋密度を下げ、主に引裂強さを向上させる役割を担う。
−Ca'F2a'O−
(式中、a’は1〜6の整数である。)
の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(6)で示されるものなどが挙げられる。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CH2−、
−OCH2−、
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2−NH−CO−、
−CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−Si(CH3)2−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−Si(CH3)2−Ph’−N(CH3)−CO−、
−Si(CH3)2−CH2CH2−、
−Si(CH3)2−CH2CH2CH2OCH2−、
(但し、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
Rf2−(X”)p'−CH=CH2 (7)
[式中、Rf2は下記一般式(i)又は(ii)
F−[C3F6O]i−CjF2j− (i)
CF3−[OCF(Y)CF2]k−(OCF2)l− (ii)
(式中、iは1〜100の整数、好ましくは2〜50の整数、jは1〜4の整数、kは1〜50の整数、好ましくは10〜50の整数、lは1〜50の整数、好ましくは10〜50の整数である。)
で示される基であり、YはF(フッ素原子)又はCF3基であり、X”は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、−CH2CH2Si(CH3)2−、−CH2OCH2CH2CH2Si(CH3)2−又は−CO−NR3−Y”−〔但し、Y”は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−又は下記構造式(Z”)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R3は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。p’は0又は1である。]
(e)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して0.1〜50質量部であり、好ましくは0.5〜30質量部であり、より好ましくは0.5〜20質量部である。(e)成分の配合量が少なすぎると引裂強度を向上する効果が得られなくなり、多すぎると硬化性が悪くなると同時に、硬化物のゴム強度が低下し、へたったゴムとなってしまう。
本発明の(f)成分は、1分子中に少なくとも3個、通常、3〜30個、好ましくは3〜20個程度のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満(通常、4,900以下)である、比較的低分子量で多官能性のアルケニル基含有化合物であり、該化合物は、分子中にフッ素原子を含有していても非含有であってもよいが、フッ素原子を含有するもののうち、(a)成分に該当するものは含まない。この化合物は本発明の組成物を硬化する際に、架橋密度を増加する働きがあり、硬化したゴムの硬度を維持させることができる。従って、(f)成分としては、高アルケニル基濃度であることが望ましく、例えば、単位質量当たりのアルケニル基含有量が0.6mmol/g以上、好ましくは0.6〜30mmol/g、より好ましくは1〜20mmol/g、更に好ましくは2〜20mmol/g程度であることが望ましい。
(f)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して0.02〜20質量部であり、好ましくは0.02〜15質量部であり、より好ましくは0.05〜10質量部である。(f)成分の配合量が少なすぎると硬化物のゴム硬度の維持が困難であり、多すぎると硬化物の伸び特性が低下して脆いゴムとなってしまう。
本発明の組成物には、(a)〜(f)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種の添加剤を配合することができる。このような成分としては、具体的に、1−エチル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のヒドロシリル化反応触媒の制御剤、酸化鉄、酸化セリウム、カーボンブラック等の顔料や、着色剤、染料、酸化防止剤、一部又は全部がフッ素変性されたオイル状化合物等が挙げられる。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の組成物は、室温(25℃)で自己流動性のある液状のものであり、用途に応じて前記(a)〜(f)成分の必須成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは例えば前記(a),(c),(d),(e)及び(f)成分を一方の組成物とし、(a),(b),(d),(e)及び(f)成分を他方の組成物とする、いわゆる2液タイプとして構成し、使用にあたってこれを混合してもよい。
(a)成分として、下記式(8)
で表されるポリマー(粘度5,500mm2/s、数平均分子量15,700、ビニル基量0.012モル/100g)100質量部、(d)成分として、R972(日本アエロジル社製乾式シリカ、BET比表面積110m2/g)40質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでR972の配合量が(a)成分100質量部に対して20質量部になるように、上記式(8)のポリマー100質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Aを調製した。
混合物A 120質量部に、(b)成分として、下記式(9)
で表される含フッ素有機ケイ素化合物3.4質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.10)、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
(e)成分として、下記式(10)
で表されるポリマー(粘度670mm2/s、数平均分子量4,300、ビニル基量0.023モル/100g)100質量部、(d)成分として、R972(日本アエロジル社製乾式シリカ、BET比表面積110m2/g)50質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでR972の配合量が(e)成分100質量部に対して20質量部になるように、上記式(10)のポリマー150質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Bを調製した。
参考例1で調製した混合物A 108質量部、上記混合物B 12質量部に、(b)成分として、上記式(9)で表される含フッ素有機ケイ素化合物4.3質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.54)、(f)成分として、下記式(11)
で表される多官能性ビニル化合物(分子量約678、ビニル基量0.0044モル/g)0.4質量部、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、(e)/(f)=1.3であった。
実施例1において、上記式(9)で示される化合物の配合量を3.9質量部、上記式(11)で示される化合物の配合量を0.1質量部にそれぞれした以外は、同様な処方で硬化性組成物を調製し、硬化シートを作製した。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、e)/(f)=5.2であった。
実施例1において、上記式(9)で示される化合物の配合量を5.3質量部、上記式(11)で示される化合物の配合量を1.2質量部にそれぞれした以外は、同様な処方で硬化性組成物を調製し、硬化シートを作製した。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、(e)/(f)=0.44であった。
(a)成分として、上記式(8)で表されるポリマー(粘度5,500mm2/s、数平均分子量15,700、ビニル基量0.012モル/100g)100質量部、(d)成分として、BET比表面積300m2/gの乾式シリカフィラーの表面をヘキサメチルジシラザンで処理したフィラー50質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでシリカフィラーの配合量が(a)成分100質量部に対して25質量部になるように、上記式(8)のポリマー100質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Cを調製した。
混合物C 125質量部に、(b)成分として、下記式(12)
で表される含フッ素有機ケイ素化合物2.6質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.08)、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
(e)成分として、上記式(10)で表されるポリマー100質量部、(d)成分として、BET比表面積300m2/gの乾式シリカフィラーの表面をヘキサメチルジシラザンで処理したフィラー50質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでシリカフィラーの配合量が(e)成分100質量部に対して25質量部になるように、上記式(10)のポリマー100質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Dを調製した。
参考例2で調製した混合物C 112.5質量部、上記混合物D 12.5質量部、(b)成分として、上記式(12)で表される含フッ素有機ケイ素化合物3.3質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.53)、(f)成分として、下記式(13)
で表される多官能性ビニル化合物(分子量約249、ビニル基量0.012モル/g)0.15質量部、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、(e)/(f)=1.3であった。
比較例1、比較例2は(e)成分と(f)成分の比率が本発明の範囲を逸脱した場合である。この場合、元の特性(参考例1)に対して硬さが変化したり、引裂強さが向上しない結果となっている。
Claims (6)
- (a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.4〜5.0となる量、
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
(d)BET比表面積が30m2/g以上のシリカ系充填剤:1〜100質量部、
(e)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:0.1〜50質量部、
(f)1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物:0.02〜20質量部
を含有してなり、(e)成分中のアルケニル基量と(f)成分中のアルケニル基量のモル比が(e)/(f)=0.5〜5.0であることを特徴とする含フッ素硬化性組成物。 - (a)成分が、下記一般式(1)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−、−Si(CH3)2CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−又は下記構造式(Z’)
(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m,nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が30〜600である。]
で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の含フッ素硬化性組成物。 - (b)成分が、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基から選ばれる含フッ素置換基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
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