JP2012111856A - 含フッ素硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形し易く、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ、更に引裂強さを向上させた硬化物を与える組成物を提供する。
【解決手段】(a)分子中に2個以上のアルケニル基を有し、主鎖中に−Ca2aO−(aは1〜6)単位を含む構造を有する分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、(b)分子中にケイ素原子結合水素原子を2個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物、(c)ヒドロシリル化反応触媒、(d)BET比表面積30m2/g以上のシリカ系充填剤、(e)分子中にアルケニル基を1個及びパーフルオロポリエーテル構造を有する分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、(f)分子中にアルケニル基を3個以上有し、分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物を含み、上記(e)と(f)のVi基量のモル比が0.5〜5.0である含フッ素硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、室温(25℃)で自己流動性があり、成形し易く、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ、特に硬さを維持したまま、引裂強さを向上させたパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム硬化物(弾性体)を与える含フッ素硬化性組成物に関するものである。
1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、及びヒドロシリル化反応触媒からなる組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れた硬化物が得られることは、特許第2990646号公報(特許文献1)等により知られている。
この硬化物は、ほとんどの用途に対しては十分な性能を有しているが、曲げ応力、せん断応力への耐久性も要求される用途へ使用するには、引裂強さの更なる向上が求められていた。
引裂強さは、架橋密度を低下させることによって向上させることが可能である。しかし、硬さが低下し、へたり感が出るなどの弊害が発生してしまう。これを補うために、フィラーなどの充填剤を増量すれば、硬さの低下やへたり感を抑えることはできるが、未硬化時の粘度が著しく上昇してしまうという新たな問題が発生する。
特許第2990646号公報 特許第3962894号公報 特開2005−200481号公報 特開2006−36973号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低粘度で成形し易く、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ、更に引裂強さを向上させたパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム硬化物(弾性体)を与える含フッ素硬化性組成物を提供することを目的とする。
硬化物の硬さを低下させないために、アルケニル基を複数個有する化合物を少量配合する手法が開示されている(特許第3962894号公報、特開2005−200481号公報、特開2006−36973号公報:特許文献2〜4)。この方法は架橋密度を高めることによって硬さを上昇させている。本発明者らは、上記目的を達成するためにこの知見を取り入れ、鋭意検討した結果、組成物内に、架橋密度を高める成分と架橋密度を低下させる成分をバランスよく配合することによって、該組成物の硬化物は、これら成分を配合していない硬化物と同じ硬さを維持しつつ、引裂強さを向上させることができることを見出した。
即ち、(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−Ca2aO−(aは1〜6の整数である)の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物、(c)ヒドロシリル化反応触媒、(d)BET比表面積が30m2/g以上のシリカ系充填剤、(e)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、(f)1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物を含有してなり、上記(e)成分中のアルケニル基量と(f)成分中のアルケニル基量のモル比が(e)/(f)=0.5〜5.0である含フッ素硬化性組成物が、室温(25℃)で自己流動性があり、成形し易く、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ、更に引裂強さが向上したパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム硬化物(弾性体)を与え得ることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す含フッ素硬化性組成物を提供する。
〔請求項1〕
(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−Ca2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.4〜5.0となる量、
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
(d)BET比表面積が30m2/g以上のシリカ系充填剤:1〜100質量部、
(e)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:0.1〜50質量部、
(f)1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物:0.02〜20質量部
を含有してなり、(e)成分中のアルケニル基量と(f)成分中のアルケニル基量のモル比が(e)/(f)=0.5〜5.0であることを特徴とする含フッ素硬化性組成物。
〔請求項2〕
(a)成分のパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式
Figure 2012111856

(式中、aは1〜6の整数であり、qは20〜600の整数である。)
で表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項3〕
(a)成分が、下記一般式(1)
Figure 2012111856

[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−、−Si(CH32CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
Figure 2012111856

(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−又は下記構造式(Z’)
Figure 2012111856

(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m,nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が30〜600である。]
で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項4〕
(e)成分のパーフルオロポリエーテル構造が、
Figure 2012111856

(式中、a’は1〜6の整数であり、q’は2〜150の整数である。)
で表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項5〕
(e)成分が、下記一般式(2)
Figure 2012111856

[式中、X”は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、−CH2CH2Si(CH32−又は−CO−NR3−Y”−〔但し、Y”は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−又は下記構造式(Z”)
Figure 2012111856

(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R3は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。p’は0又は1、sは2〜150の整数である。]
で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
〔請求項6〕
(b)成分が、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基から選ばれる含フッ素置換基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
本発明によれば、室温(25℃)で自己流動性があり、成形し易く、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ、特に燃料油透過性を低減化し得るパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム硬化物(弾性体)を与える室温(25℃)で液状の含フッ素硬化性組成物を提供することができるので、自動車や化学機器、化学プラント等のゴム部材の用途に有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、本発明の組成物における主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個、更に好ましくは2〜4個、特に好ましくは2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量が5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。
ここで、パーフルオロポリエーテル構造としては、
−Ca2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(3)で示されるものなどが挙げられる。
Figure 2012111856

(式中、aは上記と同じであり、qは20〜600の整数、好ましくは30〜400の整数、より好ましくは30〜200の整数である。)
上記式−Ca2aO−で示される繰り返し単位は、例えば下記の単位等が挙げられる。
なお、上記パーフルオロポリエーテル構造は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF32O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
この(a)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH2=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端にCH2=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。
かかる(a)成分としては、下記一般式(4),(5)で表される化合物を挙げることができる。
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (4)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf1−Q−(X’)p−CH=CH2 (5)
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−、−Si(CH32CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
Figure 2012111856

(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕であり、X’は独立に−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−又は下記構造式(Z’)
Figure 2012111856

(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。Rf1は2価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(3)、即ち−(Ca2aO)q−で示される繰り返し単位を含むものが好ましい。Qは炭素数1〜15の2価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。]
このような(a)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物としては、特に下記一般式(1)で示されるものが好適である。
Figure 2012111856

[式中、X,X’及びpは前記と同じであり、rは2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2、m,nはそれぞれ0〜600の整数、好ましくは15〜300の整数であり、更にmとnの和が30〜600、好ましくは30〜300である。]
上記(a)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析(溶媒:メタキシレンヘキサフルオライド)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が5,000〜100,000であり、好ましくは5,000〜30,000である。数平均分子量が5,000未満では、必要とされる耐薬品性を満たすことができず、数平均分子量が100,000を超えると、他成分との相溶性に問題が生じる。
一般式(1)で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856

(式中、m,nはそれぞれ0〜600、m+n=30〜600を満足する整数を示す。)
更に本発明では、上記式(1)の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物を目的に応じた所望の数平均分子量に調節するため、予め上記したような直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物を分子内にSiH基を2個含有する有機ケイ素化合物と通常の従来公知の方法及び条件でヒドロシリル化付加反応させ、鎖長延長した生成物を(a)成分として使用することも可能である。
(a)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
[(b)成分]
(b)成分の1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物は、本組成物において上記(a)成分の架橋剤及び/又は鎖長延長剤として作用するものである。(a)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性を考慮して、1分子中に1個以上、好ましくは1〜100個、より好ましくは1〜30個の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基(即ち、1価のパーフルオロポリエーテル基)、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基(即ち、2価のパーフルオロポリエーテル基)から選ばれる含フッ素置換基を含有し、かつ、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiHで示されるヒドロシリル基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜100個有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
上記の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、下記一般式で示される基等を例示することができる。
b2b+1
(式中、bは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
Figure 2012111856

(式中、cは1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数、dは1〜3の整数である。)
−Cb2b
(式中、bは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
Figure 2012111856

(式中、e及びfはそれぞれ1以上の整数、e+fの平均は2〜200の整数、好ましくは2〜100の整数である。)
−(CF2O)g−(CF2CF2O)h−CF2
(式中、g及びhはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは10〜50の整数、g+hの平均は5〜100の整数、好ましくは20〜100の整数である。)
また、これらの1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基あるいは2価のパーフルオロオキシアルキレン基は、ケイ素原子に直接結合していてもよいが、ケイ素原子と2価の連結基を介して結合していてもよい。ここで、2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基やこれらの組み合わせでもよく、あるいはこれらにエーテル結合酸素原子やアミド結合、カルボニル結合、エステル結合、シリレン基等を更に介在するものであってもよく、例えば炭素数2〜12のものが好ましく、下記の2価の連結基等が挙げられる。
−(CH2t−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−、
−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2−Si(CH32−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−
(但し、tは1〜8の整数、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
また、この(b)成分の含フッ素有機ケイ素化合物における上記1価及び2価の含フッ素置換基(1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基)以外のケイ素原子に結合した1価の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基:あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換又は置換1価炭化水素基などが挙げられる。
(b)成分の含フッ素有機ケイ素化合物は、例えば、シラン、シロキサン、シルアルキレン、シルアリーレン及びこれらの組合せからなる有機ケイ素化合物の構造を有するものであればよく、また分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、環状でもよく、更に三次元網状でもよい。更に、この含フッ素有機ケイ素化合物における分子中のケイ素原子数は特に制限されないが、通常2〜60個、特に3〜30個程度が好ましい。
このような有機ケイ素化合物としては、例えば下記のような化合物が挙げられ、これらの化合物は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。なお、下記式でMeはメチル基、Phはフェニル基を示す。
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
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Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
この(b)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
また、(b)成分の配合量は、(a)成分中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対して、(b)成分中のヒドロシリル基、即ちSiH基の合計量が0.4〜5.0モル、好ましくは0.8〜3.0モル供給する量である。(b)成分の配合量が少なすぎると架橋度合いが不十分で硬化物の強度が不足し、多すぎても同様に硬化物の強度が不足する。
更に、本発明においては、上記(a)成分と後述する(e),(f)成分との合計のアルケニル基1モルに対し、(b)成分のSiH基が0.4〜5.0モル、好ましくは0.6〜4.0モル、特に0.8〜3.5モルとなる量で(b)成分を使用することが好ましい。
[(c)成分]
(c)成分のヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族金属等の単体やこれら白金族金属等の遷移金属の化合物などが好ましく使用される。本発明では、これら化合物が一般に貴金属の化合物で高価格であることから、比較的入手しやすい白金化合物が好適に用いられる。白金化合物としては、具体的に塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ、アルミナ又はカーボン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
白金化合物以外の白金族金属化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウムあるいはパラジウム系化合物等が知られており、例えば、RhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、RhC1(C242、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh32、Pd(PPh34等が挙げられる(なお、Phはフェニル基を示す)。
これらの触媒の使用量は特に制限されるものではなく、触媒量で所望とする硬化速度を得ることができるが、経済的見地又は良好な硬化物を得るためには、組成物全量に対して(例えば(a)〜(f)成分の合計、特には(a),(b),(c),(e),(f)成分の合計に対して)0.1〜1,000ppm(白金族金属等の遷移金属の質量換算)、より好ましくは0.5〜500ppm(同上)程度の範囲とするのがよい。
[(d)成分]
本発明の(d)成分は、シリカ系充填剤(又はシリカフィラー)である。シリカ系充填剤としては、石英やガラスを粉砕した粉砕シリカ、一旦溶融してから球粒状に成形する溶融シリカ、ケイ酸ソーダに鉱酸を加えて製造される湿式シリカ(沈降シリカ)、シラン化合物を燃焼させて製造される乾式シリカ(ヒュームドシリカ)などの微粉末シリカが挙げられるが、機械的強度を向上させる観点から、BET比表面積が30m2/g以上、通常、30〜400m2/g、好ましくは50〜400m2/g、より好ましくは100〜350m2/g程度のものを用いる。湿式シリカ(沈降シリカ)、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)等がこれに該当するが、吸着水分が少ない乾式シリカ(ヒュームドシリカ)がより好適である。BET比表面積が30m2/g未満では十分な機械的強度が得られない。
更に、ポリマー成分((a),(b),(e),(f)成分)との濡れ性を考慮すると、シリカフィラーの表面がオルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物などで疎水化処理された疎水性シリカ系充填剤であることが好ましい。シリカフィラー表面の疎水化処理が施されていないと、十分な機械的強度が得られなかったり、組成物の粘度が異常に高くなる場合があるなどの弊害が生じやすい。
(d)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して1〜100質量部であり、好ましくは5〜50質量部である。1質量部未満ではフィラーの補強性効果が十分に得られず、100質量部を超えると組成物の粘度が高くなり、作業性を損なう。
[(e)成分]
本発明の(e)成分は、1分子中に1個のアルケニル基を、好ましくは分子鎖の片方の末端に有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。(e)成分は、本組成物を加熱硬化する際に(b)成分の架橋剤と反応するが、分子中にアルケニル基を1つしか有しないため、(e)成分と(b)成分の反応においては、いわゆるゴム状物を形成するための三次元網目構造を形成しない。従って、結果的に硬化物全体の架橋密度を下げ、主に引裂強さを向上させる役割を担う。
(e)成分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析(溶媒:メタキシレンヘキサフルオライド)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜20,000であり、好ましくは500〜10,000である。数平均分子量が500未満では、(a)成分との相溶性に劣り、数平均分子量が20,000を超えると、硬化後のゴムの機械的強度が低下する。
この(e)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH2=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端にCH2=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。
(e)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物におけるパーフルオロポリエーテル構造としては、片方の末端がフッ素原子(F)又はCF3基等で封鎖されているもの(即ち、1価のパーフルオロオキシアルキル基)が好ましく、パーフルオロポリエーテル構造の主鎖部分は前記(a)成分のパーフルオロポリエーテル構造と同様のものであることが好ましい。ここで、パーフルオロポリエーテル構造としては、
−Ca'2a'O−
(式中、a’は1〜6の整数である。)
の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(6)で示されるものなどが挙げられる。
Figure 2012111856

(式中、a’は上記と同じであり、q’は2〜150の整数である。)
上記式−Ca'2a'O−で示される繰り返し単位は、例えば下記の単位等が挙げられる。なお、上記パーフルオロポリエーテル構造は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF32O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
(e)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物は、分子鎖の片方の末端がアルケニル基であり、分子鎖のもう一方の末端がパーフルオロポリエーテル構造を有する1価のパーフルオロオキシアルキル基であることが好ましい。この場合、上記パーフルオロポリエーテル構造は、アルケニル基と直接結合していてもよいが、アルケニル基(例えばビニル基)と2価の基を介して結合していてもよい。ここで、2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基やこれらの組み合わせ、あるいはこれらにエーテル結合酸素原子やアミド結合、シリレン基等を介在するものであり、例えば炭素数1〜16、特に炭素数2〜12のものが好ましく、下記の2価の基等が挙げられる。
−CH2−、
−OCH2−、
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2−NH−CO−、
−CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−Si(CH32−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−、
−Si(CH32−CH2CH2−、
−Si(CH32−CH2CH2CH2OCH2−、
(但し、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
このような(e)成分としては、例えば下記一般式(7)で示されるものを挙げることができる。
Rf2−(X”)p'−CH=CH2 (7)
[式中、Rf2は下記一般式(i)又は(ii)
F−[C36O]i−Cj2j− (i)
CF3−[OCF(Y)CF2k−(OCF2l− (ii)
(式中、iは1〜100の整数、好ましくは2〜50の整数、jは1〜4の整数、kは1〜50の整数、好ましくは10〜50の整数、lは1〜50の整数、好ましくは10〜50の整数である。)
で示される基であり、YはF(フッ素原子)又はCF3基であり、X”は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、−CH2CH2Si(CH32−、−CH2OCH2CH2CH2Si(CH32−又は−CO−NR3−Y”−〔但し、Y”は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−又は下記構造式(Z”)
Figure 2012111856

(o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R3は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。p’は0又は1である。]
中でも下記一般式(2)で示されるものが好適である。
Figure 2012111856

[式中、X”、p’は上記と同じ。sは2〜150の整数、好ましくは5〜50の整数である。]
(e)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物としては、下記のような化合物が挙げられる。
Figure 2012111856
Figure 2012111856
Figure 2012111856
この(e)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
(e)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して0.1〜50質量部であり、好ましくは0.5〜30質量部であり、より好ましくは0.5〜20質量部である。(e)成分の配合量が少なすぎると引裂強度を向上する効果が得られなくなり、多すぎると硬化性が悪くなると同時に、硬化物のゴム強度が低下し、へたったゴムとなってしまう。
[(f)成分]
本発明の(f)成分は、1分子中に少なくとも3個、通常、3〜30個、好ましくは3〜20個程度のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満(通常、4,900以下)である、比較的低分子量で多官能性のアルケニル基含有化合物であり、該化合物は、分子中にフッ素原子を含有していても非含有であってもよいが、フッ素原子を含有するもののうち、(a)成分に該当するものは含まない。この化合物は本発明の組成物を硬化する際に、架橋密度を増加する働きがあり、硬化したゴムの硬度を維持させることができる。従って、(f)成分としては、高アルケニル基濃度であることが望ましく、例えば、単位質量当たりのアルケニル基含有量が0.6mmol/g以上、好ましくは0.6〜30mmol/g、より好ましくは1〜20mmol/g、更に好ましくは2〜20mmol/g程度であることが望ましい。
この(f)成分の多官能性アルケニル化合物におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH2=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端にCH2=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。
(f)成分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析(溶媒:メタキシレンヘキサフルオライド又はテトラヒドロフラン(THF))におけるポリスチレン換算での数平均分子量が5,000未満(通常、4,900以下)であり、好ましくは200〜4,000である。数平均分子量が大きすぎると配合量(質量)が多くなり、ゴム物性が低下したり、ゴム硬度の維持が困難になる。また、200未満ではアルケニル基が局在化しすぎてしまい、架橋密度の増大効果が得られない場合がある。
このような、高アルケニル基濃度の多官能性アルケニル基含有化合物として、具体的には、下記化合物が例示される。なお、下記式でMeはメチル基を示す。
Figure 2012111856
Figure 2012111856

(式中、wは1以上の整数であり、かつ数平均分子量5,000未満を満足する整数である。)
Figure 2012111856
この(f)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
(f)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して0.02〜20質量部であり、好ましくは0.02〜15質量部であり、より好ましくは0.05〜10質量部である。(f)成分の配合量が少なすぎると硬化物のゴム硬度の維持が困難であり、多すぎると硬化物の伸び特性が低下して脆いゴムとなってしまう。
なお、本発明においては、(e)成分中のアルケニル基量と(f)成分中のアルケニル基量の比率、即ち、(f)成分中のアルケニル基に対する(e)成分中のアルケニル基のモル比は、(e)/(f)=0.5〜5.0であり、好ましくは0.5〜3.0であり、より好ましくは0.8〜2.5である。(e)/(f)が0.5未満では、目的とする引裂強さが得られない。(e)/(f)が5.0を超えると、硬化後のゴムの硬さが低下し、(e),(f)成分未配合時と同じ硬さを維持することができない。
その他の成分
本発明の組成物には、(a)〜(f)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種の添加剤を配合することができる。このような成分としては、具体的に、1−エチル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のヒドロシリル化反応触媒の制御剤、酸化鉄、酸化セリウム、カーボンブラック等の顔料や、着色剤、染料、酸化防止剤、一部又は全部がフッ素変性されたオイル状化合物等が挙げられる。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
使用方法
本発明の組成物は、室温(25℃)で自己流動性のある液状のものであり、用途に応じて前記(a)〜(f)成分の必須成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは例えば前記(a),(c),(d),(e)及び(f)成分を一方の組成物とし、(a),(b),(d),(e)及び(f)成分を他方の組成物とする、いわゆる2液タイプとして構成し、使用にあたってこれを混合してもよい。
また、組成物を溶解希釈して用いることも可能である。このような溶剤としては、(a)成分を溶解させ得るものが好ましく、例えばC410、C818、C49OCH3、C49OC25、2−n−ノナフルオロブチル−テトラフルオロフラン、トリス(n−ノナフルオロブチル)アミン、メタキシレンヘキサフルオライド、パラキシレンヘキサフルオライド、ベンゾトリフルオライド等のフッ素化溶剤などが例示される。
本発明の含フッ素硬化性組成物は、常温にて放置するか、加熱することにより容易に硬化させることができるが、通常、室温(例えば5〜35℃)〜200℃、1分間〜24時間の範囲で熱的に硬化させるのが好ましく、このような硬化により、優れた特性を有するパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム硬化物(ゴム弾性体)を得ることができる。
本発明の組成物を硬化して得られるパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム硬化物(ゴム弾性体)は、種々の用途に利用することができる。即ち、フッ素含有率が高いため、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また、透湿性も低く、低表面エネルギーを有するため、離型性、撥水性に優れており、耐油性を要求される自動車用ゴム部品、具体的にはフューエル・レギュレーター用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクター用O−リングなどのO−リング類、あるいは、オイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材、化学プラント用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、ホース類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどのシール材、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、具体的には薬品が接触する機器用のダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのシール材、低摩擦耐磨耗性を要求されるバルブ、分析、理化学機器用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、弁、シール部品(O−リング、パッキンなど)、医療機器用ゴム部品、具体的にはポンプ、バルブ、ジョイント、また、テント膜材料、シーラント、成形部品、押し出し部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布などに有用である。
以下、参考例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は25℃における値であり、下記式でMeはメチル基を表す。また、各成分の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析(溶媒:メタキシレンヘキサフルオライド)におけるポリスチレン換算での数平均分子量を示す。
[参考例1]
(a)成分として、下記式(8)
Figure 2012111856

で表されるポリマー(粘度5,500mm2/s、数平均分子量15,700、ビニル基量0.012モル/100g)100質量部、(d)成分として、R972(日本アエロジル社製乾式シリカ、BET比表面積110m2/g)40質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでR972の配合量が(a)成分100質量部に対して20質量部になるように、上記式(8)のポリマー100質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Aを調製した。
混合物A 120質量部に、(b)成分として、下記式(9)
Figure 2012111856

で表される含フッ素有機ケイ素化合物3.4質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.10)、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
[実施例1]
(e)成分として、下記式(10)
Figure 2012111856

で表されるポリマー(粘度670mm2/s、数平均分子量4,300、ビニル基量0.023モル/100g)100質量部、(d)成分として、R972(日本アエロジル社製乾式シリカ、BET比表面積110m2/g)50質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでR972の配合量が(e)成分100質量部に対して20質量部になるように、上記式(10)のポリマー150質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Bを調製した。
参考例1で調製した混合物A 108質量部、上記混合物B 12質量部に、(b)成分として、上記式(9)で表される含フッ素有機ケイ素化合物4.3質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.54)、(f)成分として、下記式(11)
Figure 2012111856

で表される多官能性ビニル化合物(分子量約678、ビニル基量0.0044モル/g)0.4質量部、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、(e)/(f)=1.3であった。
[比較例1]
実施例1において、上記式(9)で示される化合物の配合量を3.9質量部、上記式(11)で示される化合物の配合量を0.1質量部にそれぞれした以外は、同様な処方で硬化性組成物を調製し、硬化シートを作製した。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、e)/(f)=5.2であった。
[比較例2]
実施例1において、上記式(9)で示される化合物の配合量を5.3質量部、上記式(11)で示される化合物の配合量を1.2質量部にそれぞれした以外は、同様な処方で硬化性組成物を調製し、硬化シートを作製した。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、(e)/(f)=0.44であった。
[参考例2]
(a)成分として、上記式(8)で表されるポリマー(粘度5,500mm2/s、数平均分子量15,700、ビニル基量0.012モル/100g)100質量部、(d)成分として、BET比表面積300m2/gの乾式シリカフィラーの表面をヘキサメチルジシラザンで処理したフィラー50質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでシリカフィラーの配合量が(a)成分100質量部に対して25質量部になるように、上記式(8)のポリマー100質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Cを調製した。
混合物C 125質量部に、(b)成分として、下記式(12)
Figure 2012111856

で表される含フッ素有機ケイ素化合物2.6質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.08)、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
[実施例2]
(e)成分として、上記式(10)で表されるポリマー100質量部、(d)成分として、BET比表面積300m2/gの乾式シリカフィラーの表面をヘキサメチルジシラザンで処理したフィラー50質量部をニーダー中で175℃/2時間混合した。その後、プラネタリーミキサーでシリカフィラーの配合量が(e)成分100質量部に対して25質量部になるように、上記式(10)のポリマー100質量部を添加して調製し、3本ロールミル処理を施して混合物Dを調製した。
参考例2で調製した混合物C 112.5質量部、上記混合物D 12.5質量部、(b)成分として、上記式(12)で表される含フッ素有機ケイ素化合物3.3質量部((a)成分中のビニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比=1.53)、(f)成分として、下記式(13)
Figure 2012111856

で表される多官能性ビニル化合物(分子量約249、ビニル基量0.012モル/g)0.15質量部、(c)成分として、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.2質量部及びエチニルシクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.3質量部を加え、プラネタリーミキサーで混合し、硬化性組成物を調製した。この組成物を150℃、10分間のプレス架橋(一次架橋)及び200℃、2時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を得た。得られた硬化シートの物性は、JIS K6253、JIS K6251、JIS K6252に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、この組成物中の(e)成分と(f)成分のアルケニル基の比率(モル比)は、(e)/(f)=1.3であった。
Figure 2012111856
実施例1は参考例1に(e)成分と(f)成分をバランス良く配合した場合である。実施例2は参考例2に(e)成分と(f)成分をバランス良く配合した場合である。いずれも、引裂強さが顕著に向上しており、他の特性には実質的に影響がない。
比較例1、比較例2は(e)成分と(f)成分の比率が本発明の範囲を逸脱した場合である。この場合、元の特性(参考例1)に対して硬さが変化したり、引裂強さが向上しない結果となっている。

Claims (6)

  1. (a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
    −Ca2aO−
    (式中、aは1〜6の整数である。)
    の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量5,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
    (b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.4〜5.0となる量、
    (c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
    (d)BET比表面積が30m2/g以上のシリカ系充填剤:1〜100質量部、
    (e)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量500〜20,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:0.1〜50質量部、
    (f)1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有し、かつ数平均分子量が5,000未満である多官能性アルケニル基含有化合物:0.02〜20質量部
    を含有してなり、(e)成分中のアルケニル基量と(f)成分中のアルケニル基量のモル比が(e)/(f)=0.5〜5.0であることを特徴とする含フッ素硬化性組成物。
  2. (a)成分のパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式
    Figure 2012111856

    (式中、aは1〜6の整数であり、qは20〜600の整数である。)
    で表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1記載の含フッ素硬化性組成物。
  3. (a)成分が、下記一般式(1)
    Figure 2012111856

    [式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−、−Si(CH32CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
    Figure 2012111856

    (o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
    で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−又は下記構造式(Z’)
    Figure 2012111856

    (o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
    で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m,nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が30〜600である。]
    で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の含フッ素硬化性組成物。
  4. (e)成分のパーフルオロポリエーテル構造が、
    Figure 2012111856

    (式中、a’は1〜6の整数であり、q’は2〜150の整数である。)
    で表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
  5. (e)成分が、下記一般式(2)
    Figure 2012111856

    [式中、X”は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、−CH2CH2Si(CH32−又は−CO−NR3−Y”−〔但し、Y”は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−又は下記構造式(Z”)
    Figure 2012111856

    (o,m又はp位で示されるジメチルシリルフェニレン基)
    で示される基であり、R3は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。p’は0又は1、sは2〜150の整数である。]
    で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
  6. (b)成分が、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基から選ばれる含フッ素置換基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014205832A (ja) * 2013-04-10 2014-10-30 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG オルガノシリコン化合物系架橋性組成物
JPWO2014034508A1 (ja) * 2012-08-27 2016-08-08 日本バルカー工業株式会社 ブリードが抑制された成形体およびその製造方法
WO2023136701A1 (ko) * 2022-01-17 2023-07-20 주식회사 엘지화학 화합물, 이의 제조 방법, 상기 화합물로부터 유래되는 단분자 및 올리고머

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