JP5516338B2 - チキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びその硬化物 - Google Patents

チキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、未硬化時の垂れ落ちが抑制された室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びその硬化物に関するものであり、かつ室温付近での硬化特性に優れ、また耐熱性、低温性、耐薬品性、耐溶剤性、耐油性等に優れた硬化物を与える室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びその硬化物に関するものである。
室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物は、室温中で比較的短時間で硬化し、耐熱性、低温性、耐薬品性、耐溶剤性、耐油性等に優れた硬化物を与えることから、加熱炉に入らないような大型部品や加熱不可部品、耐薬品性、耐溶剤性を必要とするシール材等への応用が期待されている。
また、公知の室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物は、ポリマーの分子量、充填剤量等の各種添加剤によって粘度は異なるものの、未硬化状態では液状であり、その大部分は流れ出し(垂れ落ち)を生じる。よって用途次第で、この流動性が有効な場合があり、本発明者らが既に提案したように(特願2009−207623)、空隙部に流し込む場合や凹部に万遍なく染み渡らせる場合等がその一例として挙げられる。
しかし、未硬化時の流動性が短所として作用する場合も存在する。機械、電気、電子、建築等の産業分野においてシール材、コーティング材に使用される場合、重力以外の応力が加えられない時に、未硬化状態でも流れ出さず、その形状を保持することが求められることがある。
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
特開平9−077944号公報 特開平9−137027号公報 特開平9−263639号公報 特開平9−263640号公報 特開平9−151171号公報
本発明は、そのような要求に鑑みなされ、未硬化時の垂れ落ちが顕著に防止され、かつ硬化後の物性に影響を与えることがない、液状のチキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物及び該組成物を硬化させてなるフルオロポリエーテル系ゴム硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した流動性を有する室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物として、特願2009−207623を提案しているが、更に鋭意検討を進めた結果、該組成物に、第3の成分として、BET比表面積が50m2/g以上で、かつジメチルポリシロキサン(いわゆるジメチルシリコーンオイル又はジメチコーン)により表面が疎水化処理されたシリカ系充填剤を必須成分として配合することで、従来の硬化特性、硬化後物性を損なうことなく、未硬化時の垂れ落ちが顕著に抑制された硬化性組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すチキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びその硬化物を提供する。
〔請求項1〕
(a)1分子中に少なくとも2個のエステル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有する下記一般式(1)で表される数平均分子量3,000〜100,000である直鎖状フルオロポリエーテル化合物; 100質量部、
ROOC−Rf−COOR’ (1)
(式中、Rfは下記一般式(i)〜(iv)で表される2価のパーフルオロアルキルエーテル構造から選ばれるものであり、R及びR’は同一又は異種の、炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
Figure 0005516338
(式中、p及びqはそれぞれ1〜300の整数であって、かつpとqの和の平均は2〜600である。rは0〜6の整数、tは2又は3、uは1〜450の整数、vは1〜150の整数、xは1〜650の整数、yは1〜200の整数、wはそれぞれ独立に1〜350の整数、zはそれぞれ独立に1〜100の整数である。なお、各パーフルオロアルキルエーテル単位の配列はランダムである。)
(b)1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマー;
(b)成分中のアミノ基の合計量/(a)成分中のエステル基の合計量
=1.0〜10.0(モル比)となる量、
(c)BET比表面積が50m2/g以上で、かつジメチルポリシロキサンにより表面が疎水化処理されたシリカ系充填剤; 2〜50質量部
を含有してなることを特徴とするチキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物。
〔請求項
(b)成分が、下記一般式(v)〜(viii)で表されるアミノ基含有シロキサンポリマーから選ばれるものである請求項に記載の組成物。
Figure 0005516338
(式中、fは3〜50の整数、gは3〜50の整数、hは1〜50の整数、g+h=4〜100、b’は0〜100の整数、a’は1〜10の整数である。)
〔請求項
請求項1又は2に記載の組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
本発明によれば、従来の室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物が有する硬化特性、硬化後物性に影響を与えずに、未硬化時の垂れ落ちが顕著に防止されたチキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物を提供することができる。従って、該組成物は、車載用電子部品の封止材、化学プラントのタンク、配管等のシーリング材、工作機器用シーリング材、ポッティング材等への応用に有用である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
(a)直鎖状フルオロポリエーテル化合物
(a)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個のエステル基を、好ましくは分子鎖の末端にそれぞれ有し、より好ましくは分子鎖両末端にそれぞれ1個ずつ有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有するもので、数平均分子量が3,000〜100,000の範囲のものである。
かかる(a)成分としては、下記一般式(1)で表される分子鎖両末端エステル基封鎖のパーフルオロアルキルエーテル系化合物を挙げることができる。
ROOC−Rf−COOR’ (1)
(式中、Rfは下記一般式(i)〜(iv)で表される2価のパーフルオロアルキルエーテル構造から選ばれるものであり、R及びR’は同一でも異なってよく、炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
ここで、上記式(1)中のRfの2価のパーフルオロアルキルエーテル構造としては、例えば、下記一般式(i)〜(iv)で表されるもの等がある。なお、下記式において、各パーフルオロアルキルエーテル単位の配列はランダムである。
Figure 0005516338

(式中、p及びqはそれぞれ1〜300の整数、好ましくは5〜200の整数、より好ましくは10〜150の整数であって、かつpとqの和の平均は、2〜600、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜200である。また、rは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数、tは2又は3である。)
Figure 0005516338

(式中、uは1〜450の整数、好ましくは20〜200の整数、vは1〜150の整数、好ましくは5〜50の整数、tは上記と同じである。)
−Ct2t(OCF2CF2x(OCF2yOCt2t− (iii)
(式中、xは1〜650の整数、好ましくは20〜300の整数、yは1〜200の整数、好ましくは5〜50の整数、tは上記と同じである。)
Figure 0005516338

(式中、wはそれぞれ独立に1〜350の整数、好ましくは10〜150の整数、zはそれぞれ独立に1〜100の整数、好ましくは3〜25の整数、r,tはそれぞれ上記と同じである。)
また、上記式(1)中の非置換又は置換の1価炭化水素基R,R’としては、炭素数1〜8、好ましくは1〜3のものであり、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などの非置換1価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子などで置換されたもの、例えばクロロメチル基、クロロエチル基、フロロメチル基、フロロエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換1価炭化水素基等を挙げることができる。これらのうち、非置換脂肪族1価炭化水素基、特にアルキル基が好ましい。
上記(a)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、ゲルパーミエーションクロマトフラフィー(GPC)分析(溶媒:含フッ素有機溶剤AK−225(旭硝子(株)製))によるポリスチレン換算での数平均分子量が3,000〜100,000であり、3,000〜50,000であることが望ましい。数平均分子量が3,000未満では、硬化物が機械的強度に劣り、数平均分子量が100,000を超えると、作業性に劣る。
一般式(1)で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0005516338

(式中、m及びnはそれぞれ1〜300の整数、m+n=20〜600の整数、i、j、k及びlはi+j+k+l=20〜850を満足する1以上の整数を示す。)
この(a)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
(b)アミノ基含有シロキサンポリマー
次に、(b)成分の1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマーは、上記(a)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。(b)成分は、1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマー(即ち、アミノ基含有オルガノポリシロキサン)であれば特に制限されるものではない。
(b)成分のアミノ基含有シロキサンポリマー(アミノ基含有オルガノポリシロキサン)中のアミノ基としては、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、3−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基等が例示でき、これらの中でも1級アミン、特に3−アミノプロピル基が好ましく、またこのシロキサンポリマーにおける分子中のアミノ基の数は、3個以上であれば特に制限されないが、通常3〜50個、特に3〜20個程度が好ましい。
また、上記シロキサンポリマーの(a)成分への分散性を向上させるために、必要に応じて、ケイ素原子に結合する1価置換基として、分子中に1個以上のフッ素変性基を導入してもよい。ここでのフッ素変性基とは、例えば1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロアルキルエーテル基(即ち、1価のパーフルオロポリエーテル基)等がこれに該当し、分子構造は鎖状、分岐状の何れでもよい。その代表例としては下記一般式で示される1価パーフルオロアルキル基及び1価パーフルオロアルキルエーテル基等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
a2a+1
(式中、aは1〜10の整数、好ましくは4〜6の整数である。)
Figure 0005516338

(式中、bは1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは2〜30の整数、cは1〜3の整数である。)
F−(CF2O)d−(CF2CF2O)e−CF2
(式中、d及びeはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは1〜20の整数である。)
これら1価パーフルオロアルキル基及び1価パーフルオロアルキルエーテル基は、例えば下記のような末端エステル化合物を経由して、特開平7−18079号公報に開示された方法に従ってアミノ基含有シロキサンポリマー中に導入することができる。但し、末端エステル化合物としては以下に限定されるものではない。
a2a+1−COOCH3
a2a+1−COOC25
(式中、aは1〜10の整数、好ましくは4〜6の整数である。)
Figure 0005516338

(式中、bは1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは2〜30の整数、cは1〜3の整数である。)
F−(CF2O)d−(CF2CF2O)e−CF2−COOCH3
(式中、d及びeはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは1〜20の整数である。)
(b)成分のアミノ基含有シロキサンポリマー(アミノ基含有オルガノポリシロキサン)中において、上記のアミノ基及び1価置換基としてのフッ素変性基以外の、分子中のシロキサン構造(Si−O−Si)を形成するケイ素原子に結合する1価の有機基(1価置換基)としては、前記(a)成分の一般式(1)におけるR及びR’としての非置換又は置換1価炭化水素基と同様のものが例示でき、炭素数1〜8、特に1〜3のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などの非置換1価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子などで置換されたもの、例えばクロロメチル基、クロロエチル基、フロロメチル基、フロロエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換、特にクロロ置換1価炭化水素基等を挙げることができる。これらのうち、非置換脂肪族1価炭化水素基、特にアルキル基が好ましい。
なお、(b)成分のシロキサンポリマーの分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、環状、三次元網状構造等のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状のシロキサンポリマーである。また、分子中のケイ素原子数(又は重合度)は特に制限されるものではないが、通常、3〜200個、好ましくは3〜150個、より好ましくは4〜100個程度である。
このようなアミノ基含有シロキサンポリマーとしては、例えば、下記一般式(v)〜(viii)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。なお、下記式でMeはメチル基を示す。
Figure 0005516338

(式中、fは3〜50の整数、好ましくは3〜30の整数である。)
Figure 0005516338

(式中、fは3〜50の整数、好ましくは3〜30の整数である。)
Figure 0005516338

(式中、gは3〜50の整数、好ましくは3〜20の整数、hは1〜50の整数、好ましくは1〜10の整数、g+h=4〜100、好ましくは5〜50、より好ましくは6〜30の整数、b’は0又は1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは1〜30の整数である。)
Figure 0005516338

(式中、gは3〜50の整数、好ましくは3〜20の整数、hは1〜50の整数、好ましくは1〜10の整数、g+h=4〜100、好ましくは5〜50、より好ましくは6〜30の整数、a’は1〜10の整数、好ましくは4〜6の整数である。)
この(b)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
(b)成分の配合量は、通常(a)成分中に含まれるメチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基等のエステル基の合計量(モル)に対する(b)成分中のアミノ基の合計量(モル)の比が、1.0〜10.0(モル比)、好ましくは1.0〜5.0(モル比)、より好ましくは2.0〜4.0(モル比)を供給する量が好適である。かかるモル比が少なすぎると架橋度合いが不十分となり、機械的強度に劣る問題があり、多すぎると鎖長延長が優先し硬化が不十分となり、満足する硬化物物性が得られない。
(c)シリカ系充填剤
(c)成分のBET比表面積が50m2/g以上で、かつジメチルポリシロキサンにより表面が疎水化処理されたシリカ系充填剤(又はシリカフィラー)は、上記(a)成分と(b)成分よりなる室温硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物に良好なチキソ性を付与することを目的として添加されるものであり、BET比表面積が50m2/g以上、通常、50〜400m2/g、好ましくは80〜400m2/g、より好ましくは100〜350m2/g程度の微粉末シリカフィラーであり、その表面がジメチルポリシロキサン(いわゆるジメチルシリコーンオイル又はジメチコーン)により疎水化処理された疎水性シリカ系充填剤である。
上記BET比表面積が50m2/g未満ではフルオロポリエーテル系ゴム硬化物に十分な機械的強度を付与することが困難である。
このシリカ系充填剤としては、石英やガラスを粉砕した粉砕シリカやこれら粉砕シリカを一旦溶融してから球粒状に成形した溶融シリカ、ケイ酸ソーダに鉱酸を加えて製造される湿式シリカ(沈降シリカ)、シラン化合物を燃焼させて製造される乾式シリカ(ヒュームドシリカ)などの微粉末シリカの表面を、ジメチルポリシロキサン(いわゆるジメチルシリコーンオイル又はジメチコーン)により疎水化処理したものなどが挙げられるが、特に、ジメチルポリシロキサン処理による疎水性の乾式シリカ(ヒュームドシリカ)や疎水性の湿式シリカ(沈降シリカ)等が好ましい。表面未処理の親水性シリカや表面処理剤としてジメチルポリシロキサン以外の処理剤で処理した疎水性シリカ系充填剤では十分なチキソ性が得られない。
また(c)成分のジメチルポリシロキサン処理の疎水性シリカ系充填剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(c)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して2〜50質量部、好ましくは4〜10質量部である。(c)成分の配合量がこれより少なくなると、良好なチキソ性を付与することができず、逆に多くなると粘度が増大し作業性に劣る。
また、上記疎水性シリカ系充填剤は、本成分のチキソ性付与効果を損なわない範囲で他の充填剤と併用してもよい。他の充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、結晶性シリカ等の表面未処理の親水性シリカ充填剤やジメチルポリシロキサン以外の表面処理剤で処理した疎水性シリカ充填剤、炭酸カルシウム等が挙げられる。
その他の成分
本発明の組成物には、上記(a)、(b)及び(c)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種充填剤、添加剤を配合することができる。このような成分として、具体的には、粉末状モレキュラーシーブ等の脱水剤や、酸化鉄、酸化セリウム、カーボンブラック等の顔料、着色剤、染料、酸化防止剤、また粘度調整剤として一部又は全てがフッ素変性されたオイル状化合物等が挙げられる。
使用方法
本発明の組成物は、従来公知の方法により調製することができ、前記(c)成分を充填した(a)成分と(b)成分の2液タイプとして構成し、使用にあたってこれらを混合するようにしてもよい。この場合、(a)成分と(b)成分の何れか一方の成分に(c)成分を必要量充填しても、両方の成分に(c)成分の必要量を分けて充填してもよい。
本発明の組成物は、室温(例えば5〜35℃)にて3日以上放置することにより、表面タックの低減した十分な硬化物が得られる。
用途
本発明の組成物は、種々の用途に利用することができる。即ち、本発明の組成物は、フッ素含有率が高いため、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また透湿性も低く、低表面エネルギーを有するため、離型性、撥水性に優れており、よって耐油性が要求される自動車用ゴム部品、具体的には自動車用ダイヤフラム類、バルブ類、あるいはシール材など、化学プラント用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、ホース類、パッキン類、オイルシール、ガスケット、タンク配管補修用シール材などのシール材など、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、具体的には薬品が接触する機器用のダイヤフラム、弁、パッキン、ガスケットなどのシール材など、低摩擦耐磨耗性が要求されるバルブなど、分析、理化学機器用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、弁、シール部品(パッキンなど)、医療機器用ゴム部品、具体的にはポンプ、バルブ、ジョイントなど、また、テント膜材料、シーラント、成型部品、押し出し部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、工作機器用シール材、積層ゴム布などに有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明について具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は、25℃において回転粘度計により測定したものであり、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析(展開溶媒:含フッ素有機溶剤AK−225(旭硝子(株)製))による分子量分布測定におけるポリスチレン換算値として測定したものである。
室温硬化性組成物用ベースコンパウンドの製造
下記式(2)で表されるポリマー(粘度7.8Pa・s、数平均分子量15,700)100質量部と充填剤に炭酸カルシウム(品名 カーレックス300:丸尾カルシウム(株)社製商品名)40質量部の配合比でプラネタリーミキサーに投入後、1時間混練りを行なった。次いで、100℃で1時間混合減圧(−65〜−75cmHg)熱処理し、冷却してベースコンパウンドの製造を行なった。
Figure 0005516338

(m+n≒90)
室温硬化性組成物用架橋剤コンパウンドの製造
下記式(3)で示されるフッ素変性アミノ基含有シロキサンポリマー(粘度102Pa・s、数平均分子量3,600)11.0質量部と粉末状モレキュラーシーブ4A(MERCK社製)0.6質量部の配合比でプラネタリーミキサーに投入後、15分間混練りを行なった。次いで室温中で30分間減圧混合(−65〜−75cmHg)し、架橋剤コンパウンドの製造を行なった。
Figure 0005516338
[実施例1]
上記ベースコンパウンド140質量部に、表面ジメチルポリシロキサン処理ヒュームドシリカ(品名 CAB−O−SIL TS−720:CABOT社製商品名、BET比表面積;100m2/g)4.6質量部を配合し、また上記架橋剤コンパウンド11.6質量部に、同様に上記の表面ジメチルポリシロキサン処理ヒュームドシリカ(品名 CAB−O−SIL TS−720)0.8質量部を配合し、ベース/架橋剤=144.6質量部/12.4質量部(アミノ基/メチルエステル基=3.0(モル比)となる量)の比率にて均一に混合し、下記に示す液垂れ性試験や各種物性評価等を実施した。
[比較例1]
上記ベースコンパウンドと上記架橋剤コンパウンドを、ベース/架橋剤=140.0質量部/11.6質量部(アミノ基/メチルエステル基=3.0(モル比)となる量)の比率にて均一に混合し、下記に示す液垂れ性試験や各種物性評価等を実施した。
[比較例2]
上記ベースコンパウンド140質量部に、表面をメチル基で疎水化処理したヒュームドシリカ(品名 AEROSIL R972:日本アエロジル(株)製商品名)5.0質量部を配合し、上記架橋剤コンパウンド11.6質量部に、同様に上記の表面をメチル基で疎水化処理したヒュームドシリカ(AEROSIL R972)0.8質量部を配合し、ベース/架橋剤=145.0質量部/12.4質量部(アミノ基/メチルエステル基=3.0(モル比)となる量)の比率にて均一に混合し、下記に示す液垂れ性試験を実施した。
液垂れ性試験
上記、実施例及び比較例より得られた硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を5g計り取り、地面に対して90°に直立したテトラフルオロエチレン製の板上に載せ、室温中で1分後の液垂れ性より評価を行なった。その結果を表1に示す。
Figure 0005516338
表1の解説
本発明の実施例1の組成物では、良好なチキソ性が得られた。また、表面をメチル基で疎水化処理したフュームドシリカを加えた比較例2の組成物では、充分なチキソ性が得られなかった。
硬化後物性の評価
前記、実施例1と比較例1より得られる硬化性組成物を厚さ2mmのシート状に成形し、室温(23.5℃)中で1週間静置後、硬化物を得た。この硬化物サンプルにて、JIS K6251、6253に準じてゴム物性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005516338
硬化物の接着性評価
前記、実施例1と比較例1より得られる硬化性組成物を用い、以下のように引張せん断接着試験片を準備し、JIS K6850に準じて引張せん断接着試験を実施した。
各種基材(Al、Fe、SUS304)の表面をメチルエチルケトンを溶剤として脱脂・洗浄し、風乾の後、3種のプライマー(品名 Chemlok 5150、Chemlok AP−133、Chemlok Y−4310:ロード・ファー・イースト Inc.製商品名)をそれぞれの基板に刷毛塗りし、30分風乾の後、硬化性組成物を1mm厚に成形し、室温(23.5℃)中で1週間静置後にせん断接着試験を実施した。その結果を表3に示す。
Figure 0005516338
硬化物の低温性評価
前記、実施例1と比較例1で得られた硬化性組成物を、室温(23.5℃)中で1週間静置した後、得られた硬化物を用いてDSC測定によりガラス転移点(Tg)を見積もった。その結果、いずれもTg=−54℃であることが確認された。
硬化物の耐溶剤性評価
前記、実施例1と比較例1で得られた硬化性組成物を、室温(23.5℃)中で1週間静置した後に得られた硬化物を用い、JIS K6258に準じて各種有機溶剤に対する浸漬試験を実施し、耐溶剤膨潤性を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0005516338
*Fuel C;イソオクタン:トルエン=50vol%:50vol%の混合溶剤
表2〜4の解説
本発明の実施例で得られた硬化性組成物が、従来の未硬化時に流動性を有する室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物と同等の硬化特性、硬化後物性を有することが確認された。

Claims (3)

  1. (a)1分子中に少なくとも2個のエステル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有する下記一般式(1)で表される数平均分子量3,000〜100,000である直鎖状フルオロポリエーテル化合物; 100質量部、
    ROOC−Rf−COOR’ (1)
    (式中、Rfは下記一般式(i)〜(iv)で表される2価のパーフルオロアルキルエーテル構造から選ばれるものであり、R及びR’は同一又は異種の、炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
    Figure 0005516338
    (式中、p及びqはそれぞれ1〜300の整数であって、かつpとqの和の平均は2〜600である。rは0〜6の整数、tは2又は3、uは1〜450の整数、vは1〜150の整数、xは1〜650の整数、yは1〜200の整数、wはそれぞれ独立に1〜350の整数、zはそれぞれ独立に1〜100の整数である。なお、各パーフルオロアルキルエーテル単位の配列はランダムである。)
    (b)1分子中にアミノ基を少なくとも3個含有するシロキサンポリマー;
    (b)成分中のアミノ基の合計量/(a)成分中のエステル基の合計量
    =1.0〜10.0(モル比)となる量、
    (c)BET比表面積が50m2/g以上で、かつジメチルポリシロキサンにより表面が疎水化処理されたシリカ系充填剤; 2〜50質量部
    を含有してなることを特徴とするチキソ性室温硬化型フルオロポリエーテル系ゴム組成物。
  2. (b)成分が、下記一般式(v)〜(viii)で表されるアミノ基含有シロキサンポリマーから選ばれるものである請求項に記載の組成物。
    Figure 0005516338
    (式中、fは3〜50の整数、gは3〜50の整数、hは1〜50の整数、g+h=4〜100、b’は0〜100の整数、a’は1〜10の整数である。)
  3. 請求項1又は2に記載の組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
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