JP2011000731A - 発泡成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサート材の位置決めを容易に且つ精度良く行うことが可能であり、且つ発泡成形時に該インサート材の開口に発泡原料が入り込むことが防止される発泡成形用金型を提供する。
【解決手段】成形品40は、本体部41と、該本体部41から突設された取付部42と、該取付部42を貫通した貫通孔43とを有している。成形品40には、取付部42を補強するための取付部補強片44cを有したインサート材44が埋設されている。取付部補強片44cには、貫通孔43に重なる開口45が設けられている。上型23から貫通孔形成用の第1の凸部25が突設され、これと対峙するように下型22から第2の凸部26が突設されている。第2の凸部26は弾性的に退動可能となっている。第2の凸部26の先端面から開口45に挿入可能な突出部27が突設されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、貫通孔を有する成形品本体と、該貫通孔に重なる開口を有するインサート材とを一体成形するための発泡成形用金型(以下、金型と略すことがある。)に関する。
I: 自動車のドアトリムには、側面衝突(側突)時等における衝撃エネルギー吸収(Energy Absorption:EA)のために、硬質ウレタンフォームよりなる衝撃エネルギー吸収材(以下、EA材と略す。)が取り付けられることがある。このドアトリムにEA材を取り付ける方法として、第9図のように、EA材3に貫通孔(取付孔)4を設け、ドアトリム1の内面から突設されたロッド2をこの貫通孔4に挿通し、このロッド2に平ワッシャ5を嵌合させた後、ロッド2の先端側をカシメ加工して拡大部2aを形成する方法がある(特開2001−322507号の0002〜0003段落)。なお、第9図(b)は第9図(a)のB部分の拡大図である。
このような貫通孔4を有する硬質ウレタンフォーム製EA材を成形するには、貫通孔4形状の凸部を上型又は下型(通常は上型)に設けておく。
特開2008−68581号には、成形品に貫通孔を形成するための該貫通孔形状の凸部が上型及び下型の一方のキャビティ内面から突設されており、該凸部の先端面が上型及び下型の他方のキャビティ内面の凸部対峙部に当接する発泡成形用金型において、凸部と凸部対峙部との当接時に該凸部対峙部が弾性的に退動するように構成した発泡成形用金型が記載されている。該凸部対峙部は、型開き状態にあっては、キャビティ内面からわずかに突出したものとなっている。この発泡成形用金型にあっては、凸部を該凸部対峙部に押し付けて凸部対峙部を若干退動させ、上型と下型とをパーティングラインで密着させるように型締めすることができる。これにより、貫通孔の奥底に薄皮状のバリが発生することがないと共に、上型と下型との型締めも緊密となり、パーティングラインでのバリ発生も防止される。
第9図のようにロッド2の拡大部2aとEA材3との間に平ワッシャ5を設ける代わりに、金属や合成樹脂等の硬質材料からなる補強用のインサート材を貫通孔4の周囲のEA材表面に設けることがある。このインサート材は、貫通孔4に重なる開口を有している。型締め時には、この開口が前記凸部の先端面と重なるようにしてインサート材を該凸部と凸部対峙部との間に配置する。
II: 硬質ポリウレタンフォームを成形する場合、上型及び下型よりなる金型の該下型内にウレタン原料液を供給し、型締めして発泡させ、固化(キュア)後に型開きして脱型を行う。
この脱型を効率良く行う方法として、特開平9−234748号、特開2004−130629号には、下型のキャビティ面に沿ってフィルムを配置し、型開き後の脱型に際してはフィルムとキャビティ面との間に空気を供給してフィルムをキャビティ面から離反させ、フィルムによって成形品を押し上げて取り出すようにした方法が記載されている。
特開2001−322507号 特開2008−68581号 特開平9−234748号 特開2004−130629号
上記特開2008−68581号において、貫通孔の周囲の成形品外面を補強するためのインサート材を成形品本体と一体成形する場合、インサート材を金型内に配置するときに、このインサート材の開口が金型の貫通孔形成用凸部及び凸部対峙部の先端面と重なるようにインサート材の位置決めを行うのは容易ではない。インサート材の開口が該凸部及び凸部対峙部の先端面同士の間からずれると、発泡成形時にこの開口に発泡原料が入り込む可能性がある。
本発明は、貫通孔を有する成形品本体と、該貫通孔に重なる開口を有するインサート材とを一体成形するための発泡成形用金型であって、該インサート材の位置決めを容易に且つ精度良く行うことが可能であり、且つ発泡成形時に該インサート材の開口に発泡原料が入り込むことが防止される発泡成形用金型を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の発泡成形用金型は、貫通孔を有する成形品本体と、該貫通孔に重なる開口を有するインサート材とを一体成形するための発泡成形用金型であって、該金型は、上型及び下型を有しており、成形品に貫通孔を形成するための該貫通孔形状の凸部が該上型及び下型の一方のキャビティ内面から突設されており、該第1の凸部に対峙するように、該上型及び下型の他方のキャビティ内面から第2の凸部が突設されており、該上型と下型とを型締めしたときに、該第1の凸部及び第2の凸部の先端面がそれぞれインサート材に当接し、且つ該第2の凸部が、該第1の凸部及びインサート材に押されて弾性的に退動可能となっている発泡成形用金型において、該第1の凸部及び第2の凸部の一方の先端面に、インサート材の開口に係合可能な突出部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発泡成形用金型は、請求項1において、前記第1の凸部及び第2の凸部の先端面は、それぞれ、全周にわたってインサート材の開口よりも大径となっており、前記突出部は、該先端面の周縁部から該先端面の中央側に離隔して配置されていることを特徴とするものである。
請求項3の発泡成形用金型は、請求項1又は2において、前記第1の凸部及び第2の凸部の他方の先端面に、前記突出部の先端側が係合可能な凹部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項4の発泡成形用金型は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記第1の凸部及び第2の凸部の前記一方に、インサート材を磁力によって吸引保持するための磁石が設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の発泡成形用金型は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記下型のキャビティ面にフィルムが重ね合わされており、該下型には、該フィルムの下側に気体を送り込んでフィルムを浮き上がらせるための気体供給部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項6の発泡成形用金型は、請求項5において、前記第1の凸部は上型に設けられ、前記第2の凸部は下型に設けられており、前記突出部は、該第2の凸部の先端面から突設されており、該第2の凸部及び突出部が前記フィルムで覆われていることを特徴とするものである。
請求項7の発泡成形用金型は、請求項5又は6において、前記突出部は、先端側の外面が湾曲した形状となっていることを特徴とするものである。
本発明の発泡成形用金型にあっては、上型又は下型のキャビティ内面から突設された第1の凸部又は第2の凸部の先端面に、インサート材の開口に係合可能な突出部が設けられている。発泡成形に際し、インサート材をキャビティ内に配置するときには、この突出部をインサート材の開口に係合させる。これにより、成形品の貫通孔とインサート材の開口とが重なるように該インサート材の位置決めを容易に且つ精度良く行うことができる。また、これにより、発泡成形時にキャビティ内で発泡原料が流動するのに伴ってインサート材が該貫通孔の軸心線と交差方向にずれ動くことも防止される。
また、本発明では、上型と下型とを型締めした場合、第2の凸部が第1の凸部及びインサート材に押されて弾性的に退動する。即ち、この型締め状態にあっては、第2の凸部の先端面が弾性的にインサート材に押し付けられ、インサート材がこの第2の凸部に押されて第1の凸部の先端面に押し付けられている。そのため、成形品の貫通孔の軸心線方向におけるインサート材の位置決め精度も高く、且つ発泡成形時にインサート材が該軸心線方向にずれ動くことも防止される。また、発泡成形時に発泡原料が第1の凸部とインサート材との間、及び第2の凸部とインサート材との間を通って該インサート材の開口に入り込むことも防止される。これにより、この金型によって成形された成形品本体の貫通孔内及びインサート材の開口内にバリが発生することが防止される。
請求項2の通り、第1の凸部及び第2の凸部の先端面は、それぞれ、全周にわたってインサート材の開口よりも大径となっており、突出部は、該先端面の周縁部から該先端面の中央側に離隔して配置されていることが好ましい。このように構成することにより、突出部をインサート材の開口に係合させたときに、この第1の凸部又は第2の凸部の先端面のうち該突出部よりも外周側の部分をインサート材の開口周縁部に対し全周にわたって当接させることができる。また、型締め時には、これと反対側においても、第2の凸部又は第1の凸部の先端面をインサート材の開口周縁部に対し全周にわたって当接させることができる。これにより、インサート材の開口が全周にわたって該第1の凸部及び第2の凸部の先端面同士によって塞がれるため、発泡成形時にこの開口に発泡原料が入り込むことが防止される。
請求項3の態様では、突出部が設けられていない第1の凸部又は第2の凸部の先端面に、該突出部の先端側が係合可能な凹部が設けられている。この凹部に突出部の先端側が係合することにより、この突出部と当該第1の凸部又は第2の凸部の先端面との間に発泡原料が入り込みにくくなる。
請求項4の態様では、突出部が設けられた第1の凸部又は第2の凸部に、インサート材を磁力によって吸引保持するための磁石が設けられている。この磁石によってインサート材を該第1の凸部又は第2の凸部に吸引保持することにより、発泡成形時にインサート材がさらにずれにくくなる。
請求項5の態様では、下型のキャビティ面に沿ってフィルムが配置されており、型開き後の脱型に際しては、このフィルムとキャビティ面との間に空気を供給してフィルムをキャビティ面から離反させ、フィルムによって成形品を押し上げて取り出すことができる。これにより、成形品の脱型を効率よく行うことができる。
請求項6の態様では、第1の凸部は上型に設けられ、第2の凸部は下型に設けられており、該第2の凸部の先端面から突出部が突設されており、該第2の凸部及び突出部がフィルムで覆われている。インサート材をキャビティ内に設置する場合には、このフィルムを介して突出部をインサート材の開口に挿入する。従って、型締め状態にあっては、第2の凸部の先端面とインサート材との間、及び突出部の外面とインサート材の開口の内周面との間にフィルムが介在するため、これらの間に発泡原料が入り込むことをより効果的に防止することができる。
請求項7の態様では、突出部は、先端側の外面が湾曲した形状となっている。そのため、フィルムを介して突出部をインサート材の開口に挿入したときに、フィルムが破れることが防止される。
実施の形態に係る発泡成形用金型の縦断面図である。 図1の金型の第1の凸部及び第2の凸部付近の分解縦断面図である。 下型内にインサート材を配置した状態を示す、図2と同様部分の縦断面図である。 型締め後の図2と同様部分の縦断面図である。 図1の金型の第1の凸部及び第2の凸部付近の分解斜視図である。 図1の金型を用いた発泡成形時の縦断面図である。 図1の金型を用いて成形された成形品の脱型時の縦断面図である。 第2の凸部の別の構成例を示す縦断面図である。 EA材及びその取付構造を示す断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態では、発泡樹脂としてウレタンを用いて、自動車のドアトリムに取り付けられるEA材を製造しているが、本発明は、ウレタン以外の発泡樹脂材料からなる発泡成形品や、EA材以外の発泡成形品の成形用金型にも適用することができる。
第1図は実施の形態に係る発泡成形用金型の縦断面図である。第2図は、この金型の第1の凸部及び第2の凸部付近の分解縦断面図である。第3図は、下型内にインサート材を配置した状態を示す、第2図と同様部分の縦断面図である。第4図は、型締め後の第2図と同様部分の縦断面図である。第5図は、この金型の第1の凸部及び第2の凸部付近の分解斜視図である。第6図は、この金型を用いた発泡成形時の縦断面図である。第7図は、この金型を用いて成形された成形品の脱型時の縦断面図である。
この金型21は、下型22と上型23とからなり、下型22に凹所よりなるキャビティ24が設けられている。
この実施の形態では、下型22のキャビティ面に沿ってフィルム30が設けられていると共に、このフィルム30とキャビティ面との間に気体(好ましくは空気)を吹き込む吹込手段が設けられている。
この吹込手段は、下型22の下面にアウタケース31を取り付けることにより形成されたチャンバ32と、このチャンバ32とキャビティ面とを連通する空気吹込孔33と、チャンバ32内へ給排気口34を介して空気を給排するポンプ及び弁(図示略)により構成されている。
なお、フィルム30の周縁部は下型22の合わせ面PLに重ね合わされ、パッキン及び押さえ部材(図示略)によって該合わせ面PLに支持されている。
この実施の形態では、金型21によって成形される成形品40は、自動車のドアトリムに取り付けられる硬質ウレタンフォーム製EA材である。第6,7図の通り、この成形品40は、盤状の本体部41と、該本体部41から耳状に突設された取付部42と、この取付部42に設けられた貫通孔43とを有している。第6,7図における成形品40の上面側がドアトリムとの対峙面となっており、成形品40がドアトリムに取り付けられた状態にあっては、この成形品40の第6,7図における下面側が自動車の乗員と対峙する。以下、成形品40の上面及び下面とは第6,7図における上面及び下面をいい、厚み方向とは第6,7図における上下方向をいう。取付部42は、本体部41の上面と略面一状に該本体部41の側面から側方へ突出している。取付部42の厚みは、本体部41の厚みよりも小さいものとなっている。貫通孔43は、取付部42を該厚み方向に貫通している。なお、成形品40の形状はこれに限定されない。
成形品40にはインサート材44が埋設されている。この実施の形態では、該インサート材44は、本体部41の下面に沿って延在した受圧片44aと、該受圧片44aから本体部41の上面側へ起立した起立片44bと、該起立片44bの上端側から取付部42の下面に沿って側方へ延出した、該取付部42を補強するための取付部補強片44cとを有している。受圧片44aは、本体部41の下面の略全体にわたって延在している。取付部補強片44cは、取付部42の下面に露出している。この取付部補強片44cには、取付部42の貫通孔43と略同軸状に重なる開口45が設けられている。成形品40をドアトリムに取り付ける場合には、例えば第9図のように、ドアトリム1の内面から突設されたロッド2を貫通孔43及び開口45に挿通し、このロッド2の先端側をカシメ加工して拡大部2aを形成する。この拡大部2aが取付部補強片44cの開口45の周縁部に係合することにより、成形品40がドアトリム1に固定される。なお、成形品40のドアトリムへの取付方法はこれに限定されない。成形品40が自動車のドアトリムに取り付けられた状態において、側突時等に乗員が本体部41に接触したときには、受圧片44aによって該本体部41の広い範囲に荷重が分散される。このインサート材44は、成形品40の発泡成形時に予めキャビティ24内にセットしておくことにより、本体部41及び取付部42を形成する硬質ウレタンフォームと一体化されている。この実施の形態では、インサート材44は、後述の磁石54に吸着可能な鉄等の磁性材料からなる。なお、インサート材44の構成及び材料はこれに限定されない。
この成形品40の取付部42を形成するために、キャビティ24は張出部24Aを備えている。この張出部24Aは、下型22の合わせ面PLを部分的に凹ませて形成した形状のものである。
また、上記貫通孔43を形成するために、上型23に略円柱状の第1の凸部25が突設されている。この第1の凸部25は、張出部24A内に突出している。上型23のキャビティ面からの第1の凸部25の突出長さは、該上型23と下型22とを型締めした状態において、この第1の凸部25の下端面(先端面)と張出部24Aの底面との間に、前記取付部補強片44cの厚みと同等か、それよりもわずかに(例えば0.1〜0.5mm程度)大きな隙間があく寸法となっている。この第1の凸部25は、脱型時における貫通孔43からの抜き易さを考慮して、下端側ほど直径が小さくなるテーパ形状となっている。第1の凸部25の下端面の直径は、取付部補強片44cの開口45の直径よりも大きなものとなっている。この第1の凸部25の下端面には、後述の突出部27の先端側が係合可能な凹部25aが形成されている。この実施の形態では、該凹部25aは、開口45と略同一直径の略半球面状の凹みであり、その中心を第1の凸部25の軸心と略合致させて配置されている。第1の凸部25の下端面の該凹部25aよりも外周側の部分は、取付部補強片44cの上面の開口45の周縁部に略密着しうる、略水平な平坦面となっている。なお、第1の凸部25及び凹部25aの形状及び配置はこれに限定されない。
張出部24Aの底面から第1の凸部25と対峙するように第2の凸部26が突設されている。この第2の凸部26は、該凸部25,26同士の間に取付部補強片44cを配置して上型23と下型22とを型締めしたときに、該第1の凸部25及び取付部補強片44cに押されて弾性的に退動しうるように構成されている。この第2の凸部26の上端面(先端面)からは、取付部補強片44cの開口45に係合可能な突出部27が突設されている。この実施の形態における第2の凸部26及び突出部27の構成について、以下に詳しく説明する。
張出部24Aの底面には、下型22を貫通する孔50が設けられている。この孔50は、第1の凸部25と略同軸状に配置されている。この孔50内に、ピストンロッド状の挿填体51が挿入されている。この挿填体51の下側に、該挿填体51をキャビティ24内に向って付勢する付勢部材としてのコイルスプリング52が配置されている。孔50の下端はプラグ53によって閉鎖されており、コイルスプリング52は、このプラグ53と挿填体51との間に蓄力状態(圧縮状態)にて配置されている。
孔50は、キャビティ24側の小径部50aと、下型22の外面側の大径部50bとからなる。挿填体51は、小径部51aと大径部51bとからなり、この小径部51aが孔50の小径部50a内に配置され、大径部51bが孔50の大径部50b内に配置されている。この挿填体51の小径部51aの直径は、取付部補強片44cの開口45の直径よりも大きなものとなっている。第2,3,7図の通り、金型21が型開き状態にあるときには、この挿填体51の大径部51bが孔50の小径部50aと大径部50bとの段差面にコイルスプリング52によって押し付けられている。この状態では、挿填体51の小径部51aの上端部は、張出部24Aの底面から若干(例えば0.5〜1.0mm程度)キャビティ内に突出している。即ち、この挿填体51の小径部51aの上端部が前記第2の凸部26を構成している。
第4図のように、第1の凸部25と該小径部51aとの間に取付部補強片44cを配置して上型23と下型22とを型締めしたときには、第1の凸部25の下端面が取付部補強片44cの上面に当接すると共に、該小径部51aの上端面がフィルム30を介して取付部補強片44cの下面に当接し、且つ該小径部51aが第1の凸部25及び取付部補強片44cに押されて孔50内に弾性的に後退する。第4図の通り、この型締め状態にあっては、該小径部51aは、その上端面が張出部24Aの底面と略面一状となるか、又はごくわずかに該底面から突出状態となる位置まで後退している。
この小径部51aの上端面から、該小径部51aよりも小径の略円柱形突起状の前記突出部27が突設されている。この実施の形態では、突出部27は、該小径部51aと略同軸状に配置されている。この突出部27の半径は、取付部補強片44cの開口45の半径から前記フィルム30の厚みを引いた値と同等か、それよりも若干(例えば1〜2mm程度)小さいものとなっている。即ち、第3,4図の通り、この突出部27は、フィルム30を介して開口45に挿入可能であり、且つこのようにフィルム30を介して突出部27を開口45に挿入することにより、該突出部27の外周面と開口45の内周面との間がフィルム30によって略密閉された状態となる。この実施の形態では、該突出部27の先端側の外面は、略半球状に湾曲した形状となっている。これにより、突出部27をフィルム30の下側から開口45に挿入したときにフィルム30が破れることが防止される。小径部51aの上端面からの突出部27の突出長さは、取付部補強片44cの厚みよりも大きなものとなっている。第4図の通り、上型23と下型22とを型締めした状態にあっては、この突出部27の先端側が取付部補強片44cの上面側に突出し、第1の凸部25の下端面の凹部25aにフィルム30を介して略緊密に係合する。なお、突出部27の形状及び配置はこれに限定されない。例えば、突出部27の先端側は、角が丸まった略台形状などであってもよい。なお、本発明において、突出部27の先端側の外面が湾曲している又は丸まっているとは、曲率半径が1mm以上、例えば6〜8mm程度の湾曲形状であることをいう。
小径部51aの上端面の該突出部27よりも外周側の部分は、取付部補強片44cの下面の開口45の周縁部に対しフィルム30を介して略密着しうる、略水平な平坦面となっている。なお、この実施の形態では、第2〜5図の通り、小径部51aの上端部には、該突出部27を取り囲むように環形の磁石54が取り付けられている。この磁石54により、取付部補強片44cが小径部51aの上端面に吸引保持される。なお、磁石54の形状や配置はこれに限定されるものではない。例えば、挿填体51の全体に磁性が付与されてもよい。また、磁石54は省略されてもよい。なお、第1,6,7図では、この磁石54の図示が省略されている。
なお、第2の凸部26及び突出部27の構成はこれに限定されない。
このように構成された金型21を用いた成形品40の成形手順は、以下の通りである。まず、第1〜4図の通り、フィルム30をキャビティ面に密着させた状態とする。次いで、第3図のように、インサート材44を下型22のキャビティ24内に設置し、取付部補強片44cの開口45にフィルム30を介して突出部27を挿入する。この際、取付部補強片44cが磁石54に吸引されて第2の凸部26の上端面にフィルム30を介して密着する。その後、キャビティ24内にウレタン原料を注入し、上型23と下型22とを型締めする。このとき、第4図の通り、第1の凸部25が取付部補強片44cの上面に当接し、第2の凸部26がこの第1の凸部25及び取付部補強片44cに押されて弾性的に退動する。その後、ウレタン原料を加熱し、発泡させる。脱型に際しては、型開き後、チャンバ32内に空気を吹き込み、第7図の通りフィルム30を押し上げて成形品40をキャビティ24内から押し出す。
この金型21にあっては、上記の通り、第2の凸部26の上端面から突出した突出部27を取付部補強片44cの開口45に係合させることにより、成形品40の貫通孔43と取付部補強片44cの開口45とが重なるようにインサート材44の位置決めを容易に且つ精度良く行うことができる。また、これにより、発泡成形時にキャビティ24内でウレタン原料が流動するのに伴ってインサート材44が該貫通孔43の軸心線と交差方向にずれ動くことも防止される。この実施の形態では、磁石54により取付部補強片44cが第2の凸部26の上端面に吸引保持されるため、このインサート材44のずれ防止効果が高い。
型締め状態にあっては、コイルスプリング52からの付勢力により、第2の凸部26の上端面がフィルム30を介して取付部補強片44cの下面に押し付けられると共に、取付部補強片44cが上方へ付勢され、該取付部補強片44cの上面が第1の凸部25の下端面に押し付けられている。そのため、成形品40の貫通孔43の軸心線方向におけるインサート材44の位置決め精度も高く、且つ発泡成形時にインサート材44が該軸心線方向にずれ動くことも防止される。また、発泡成形時にウレタン原料が第1の凸部25と取付部補強片44cとの間、及び第2の凸部26と取付部補強片44cとの間を通って開口45に入り込むことが防止される。この結果、脱型直後の成形品40の貫通孔43及び開口45内にはバリが全く又は殆ど発生せず、バリ取り作業を全く行うことなく、又はごく簡単に行うだけで成形品40をEA材製品とすることができる。
この実施の形態では、第1の凸部25の下端面及び第2の凸部26の上端面は、それぞれ取付部補強片44cの開口45よりも大径となっており、突出部27は、該第2の凸部26の略中央に配置されている。そのため、突出部27を取付部補強片44cの開口45に係合させたときに、この第2の凸部26の先端面のうち該突出部27よりも外周側の部分が取付部補強片44cの下面の開口45の周縁部に対し全周にわたって当接する。また、型締め時には、これと反対側において、第1の凸部25の先端面が取付部補強片44cの上面の開口45の周縁部に対し全周にわたって当接する。これにより、開口45が全周にわたって該第1の凸部25及び第2の凸部26の先端面同士によって塞がれるため、発泡成形時にこの開口45にウレタン原料が入り込むことが防止される。
この実施の形態では、キャビティ24の内面を覆うフィルム30が設けられており、このフィルム30が第2の凸部26の上端面と取付部補強片44cの下面との間、及び突出部27の外周面と開口45及び凹部25aの内周面との間に介在するので、第2の凸部26の上端面が取付部補強片44cの下面に押し付けられていることと相俟って、発泡成形時にこれらの間にウレタン原料が入り込むことを効果的に防止することができる。
この実施の形態では、型締め状態にあっては、突出部27の先端側がフィルム30を介して第1の凸部25の下端面の凹部25aに係合している。これにより、ウレタン原料がこの突出部27と第1の凸部25の先端面との間に入り込むことも防止される。
[第2の凸部26の別の構成例]
上記の実施の形態では、コイルスプリング52によってキャビティ24内に向って付勢されたピストンロッド状の挿填体51によって第2の凸部26が構成されているが、第2の凸部26の構成はこれに限定されない。第8図は、第2の凸部の別の構成例を示す縦断面図である。
第8図の実施の形態では、キャビティ24の張出部24Aの底面に、第1の凸部25と同軸状に凹穴80を設け、この凹穴80にゴム、ウレタンなどの弾性体81を装着し、この弾性体81の先端を張出部24A内に突出させている。即ち、この実施の形態では、該弾性体81の上端部が第2の凸部26となっている。この弾性体81の上端面から突出部27が突設されている。
この実施の形態における金型21のその他の構成は前述の第1〜7図の実施の形態と同様であり、第8図において第1〜7図と同一符号は同一部分を示している。この実施の形態における成形品40の成形手順も、第1〜7図の実施の形態と同様である。
この実施の形態にあっては、型締め時には、該弾性体81が第1の凸部25及び取付部補強片44cに押し潰されるように弾性変形する。
なお、第8図では、突出部27は弾性体81と一体に形成されているように図示されているが、例えば、突出部27を弾性体81と異なる硬質材料から作製し、インサート成形等により弾性体81と一体化してもよい。
[その他の構成]
上記の各実施の形態では、第2の凸部26に突出部27を設けているが、第1の凸部25の下端面から突出部27を突設すると共に、第2の凸部26の上端面に、この突出部27の先端側が係合する凹部25aを設けてもよい。
上記の各実施の形態では、上型23に第1の凸部25を設け、下型22に第2の凸部26を設けているが、下型22に第1の凸部25を設け、上型23に第2の凸部26を設けてもよい。
上記の構成は、いずれも本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成をもとりうる。
21 金型
22 下型
23 上型
24 キャビティ
25 第1の凸部
25a 凹部
26 第2の凸部
27 突出部
30 フィルム
40 成形品
41 本体部
42 取付部
43 貫通孔
44 インサート材
44a 受圧片
44b 起立片
44c 取付部補強片
45 開口
50 孔
51 挿填体
52 コイルスプリング
54 磁石
80 凹穴
81 弾性体

Claims (7)

  1. 貫通孔を有する成形品本体と、該貫通孔に重なる開口を有するインサート材とを一体成形するための発泡成形用金型であって、
    該金型は、上型及び下型を有しており、
    成形品に貫通孔を形成するための該貫通孔形状の凸部が該上型及び下型の一方のキャビティ内面から突設されており、
    該第1の凸部に対峙するように、該上型及び下型の他方のキャビティ内面から第2の凸部が突設されており、
    該上型と下型とを型締めしたときに、該第1の凸部及び第2の凸部の先端面がそれぞれインサート材に当接し、且つ該第2の凸部が、該第1の凸部及びインサート材に押されて弾性的に退動可能となっている発泡成形用金型において、
    該第1の凸部及び第2の凸部の一方の先端面に、インサート材の開口に係合可能な突出部が設けられていることを特徴とする発泡成形用金型。
  2. 請求項1において、前記第1の凸部及び第2の凸部の先端面は、それぞれ、全周にわたってインサート材の開口よりも大径となっており、
    前記突出部は、該先端面の周縁部から該先端面の中央側に離隔して配置されていることを特徴とする発泡成形用金型。
  3. 請求項1又は2において、前記第1の凸部及び第2の凸部の他方の先端面に、前記突出部の先端側が係合可能な凹部が設けられていることを特徴とする発泡成形用金型。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記第1の凸部及び第2の凸部の前記一方に、インサート材を磁力によって吸引保持するための磁石が設けられていることを特徴とする発泡成形用金型。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記下型のキャビティ面にフィルムが重ね合わされており、
    該下型には、該フィルムの下側に気体を送り込んでフィルムを浮き上がらせるための気体供給部が設けられていることを特徴とする発泡成形用金型。
  6. 請求項5において、前記第1の凸部は上型に設けられ、前記第2の凸部は下型に設けられており、
    前記突出部は、該第2の凸部の先端面から突設されており、
    該第2の凸部及び突出部が前記フィルムで覆われていることを特徴とする発泡成形用金型。
  7. 請求項5又は6において、前記突出部は、先端側の外面が湾曲した形状となっていることを特徴とする発泡成形用金型。
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