JPH0577278A - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形品の製造方法

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JPH0577278A
JPH0577278A JP3242129A JP24212991A JPH0577278A JP H0577278 A JPH0577278 A JP H0577278A JP 3242129 A JP3242129 A JP 3242129A JP 24212991 A JP24212991 A JP 24212991A JP H0577278 A JPH0577278 A JP H0577278A
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Kazuhiro Kaneko
和弘 金子
Yoshinori Goto
嘉則 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 硬質合成樹脂にてエアバッグのカバー体5の
芯体32を形成する。この芯体32の外周部に断面略L字形
状の挾持片43を突設する。表皮層33形成用の金型45にこ
の芯体32を装着して、上金型46と下金型48とを型締す
る。この時、パーティング面54にて挾持片43を密着挾持
する。キャビティ51内に樹脂を射出し、表皮層33を射出
形成する。 【効果】 表皮層33を形成する合成樹脂液の、芯体32の
裏面側への侵入を防止できる。芯体32の表面側のみに表
皮層33を形成できる。表皮層33の射出成形時の、芯体32
の変形を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯体の表面上に表皮層
を形成する二層成形の樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車において、乗員を衝突時
の衝撃から保護するエアバッグは、通常は折畳まれた状
態でステアリングホイールのボス部などに収納され、合
成樹脂製のカバー体により覆われている。そして、この
エアバッグは、衝突などの際にガスの流入により展開し
て膨脹し、この膨脹の圧力によりカバー体を破断させ、
乗員に向かって突出するようになっている。
【0003】このようなエアバッグを覆うカバー体にお
いては、安全性をさらに向上するとともに、外観性およ
び触感などを向上するため、例えば特開昭63−199
149号公報に示されるように、硬質合成樹脂からなる
芯体の表面に、軟質合成樹脂からなる表皮層を密着して
形成した、二層成形の樹脂成形品が用いられている。
【0004】そして、従来、このような二層成形の樹脂
成形品の製造方法においては、芯体を成形した後にこの
芯体を一旦金型から取外し、この芯体をあらためて表皮
層成形用の金型に装着して型締し、キャビティ内に合成
樹脂を注入してこの芯体の表面上に表皮層を密着成形す
る、いわゆるインサート成形による方法と、芯体を成形
した後に、表面側の金型のみを表皮層成形用の金型に交
換して型締し、キャビティ内に合成樹脂を注入して表皮
層を成形する、いわゆる2色成形(ダブルインジェクシ
ョン)による方法とが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のダブルインジェクションやインサート成形による方
法では、表皮層成形時の熱や圧力によって芯体に変形が
生じやすく、外観性が損なわれるとの問題を有してい
る。これを防止するために、芯体に十分な強度を与えな
ければならないから、芯体を厚肉に成形する必要があ
り、重量の増加とコストアップなどの問題も有してい
る。更に、表皮層成形時の熱や圧力により変形が生じる
と、金型と芯体との間に間隙が生じたり、あるいは、イ
ンサート成形による収縮後の芯体の形状はそれぞれ個々
の芯体により変化するため、これらの芯体は表皮層成形
用の金型に完全に密着しない場合があり、金型と芯体と
の間に不必要な間隙が発生し、これにより表皮層を形成
する樹脂が芯体の裏面側に流入するのであるから、品質
が低下し、歩留りが悪く生産性が低いとの問題を有して
いる。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、芯体の表面上に表皮層を形成する二層成形の樹脂
成形品の製造方法において、表皮層を形成する樹脂が芯
体の裏面側へ流入することを防止し得るとともに、樹脂
成形品の外観性も良好とし、高品質の成形品を得ること
ができる樹脂成形品の製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂成形品の製
造方法は、樹脂にて形成された芯体32の表面上に樹脂に
て表皮層33を形成する二層成形の樹脂成形品5の製造方
法において、前記芯体32には、外周部に挾持片43を突設
し、この芯体32を前記表皮層33成形用の割金型46,48の
キャビティ51に装着し、これらの割金型46,48を型締
し、前記キャビティ51の周辺部にて前記挾持片43を密着
挾持した状態で、前記キャビティ51内の前記芯体32の表
面側に樹脂を注入し前記表皮層33を形成するものであ
る。
【0008】
【作用】本発明の樹脂成形品の製造方法は、芯体32の外
周部に挾持片43を突設し、この挾持片43を割金型46,48
のキャビティ51の周辺部にて密着挾持した状態で、樹脂
を注入し、表皮層33を前記キャビティ51内に形成するた
め、キャビティ51に注入される表皮層33を形成する樹脂
が芯体32の裏面側に侵入することが防止され、芯体32の
表面側のみに表皮層33が形成される。また、表皮層33の
成形時に、割金型46,48で芯体32の挾持片43を挾持して
保持するため、表皮層33を形成する樹脂の圧力や熱によ
る、芯体32の変形が防止される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の樹脂成形品の製造方法の一実
施例の構成を図面を参照して説明する。
【0010】この実施例では、樹脂成形品として、自動
車のエアバッグを覆うカバー体の製造方法を示す。
【0011】図2において、1は自動車のステアリング
ホイール本体で、このステアリングホイール本体1は、
中央部のボス部2と円環状のリム部3とが複数個のスポ
ーク部4にて連結され、このボス部2の上部は樹脂成形
品としてのカバー体5にて覆われている。
【0012】また、図3に示すように、このボス部2
は、図示しない自動車のステアリングシャフトに嵌着固
定される筒状の金属ボス11を有し、この金属ボス11の上
部に金属製のボスプレート12が溶接などにより固定され
ている。
【0013】また、15はエアバッグ装置であり、このエ
アバッグ装置15は、下部を開口した略箱形状のベースプ
レート16を有し、このベースプレート16を図示しない取
付け手段を介してボスプレート12に固定することによ
り、ボスプレート12の上部に取付けられている。そし
て、このベースプレート16の略中央部には略円形の開口
部17が形成されており、この開口部17に、上方にガスを
噴出する略円筒形状のガス発生機18が取付けられている
とともに、ベースプレート16の上面の開口部17の周辺部
に、折り畳まれたエアバッグ21の円形の開口部22が固定
板23などにより固定されている。
【0014】さらに、上記のベースプレート16の側面部
24に、カバー体5の裏面側に突設された脚部30がリベッ
ト25などにより固定されている。
【0015】このカバー体5は、上記のベースプレート
16の側面部24を取囲むように形成された複数枚の板状の
脚部30と、ボス部2の上部を覆う平板部31とが硬質合成
樹脂にて一体的に成形されて芯体32とされ、さらに、こ
の平板部31の表面上に、発泡熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーなどの軟質合成樹脂からなる表皮層33が密着し
て成形されている。また、各脚部30には、リベット25が
挿通する通孔34がそれぞれ形成されている。
【0016】また、この平板部31の裏面側には、断面略
U字状または断面略V字状などに凹設された薄肉部35
が、ほぼH字形状を成して、平板部31の中央部を通る左
右方向と平板部31の両側部を通る前後方向に形成されて
いる。
【0017】そうして、このような構成により、自動車
の衝突事故などの場合、図示しない衝撃感知センサが作
動して、ガス発生機18からエアバッグ21の内部にガスを
急激に放出し、このガスにより、エアバッグ21を急激に
膨脹させる。そしてこのエアバッグ21が、その膨脹途中
に、その膨脹圧力によってカバー体5の薄肉部35を破断
してカバー体5を扉状に開口し、エアバッグ21がカバー
体5から突出して運転者に向かって展開する。そして、
この展開したエアバッグ21によって運転者がステアリン
グホイール1や前方のガラスに衝突するのを防止すると
ともに、衝突の際の衝撃を吸収する。
【0018】次に、上記のカバー体5の製造方法を図面
を参照して説明する。
【0019】まず、射出成形などにより、図4に示すよ
うな、硬質合成樹脂製の芯体32を形成する。この芯体32
は、上記のように、ステアリングホイール1のボス部2
を覆う平板部31と、この平板部31の裏面側からほぼ垂直
状に突設された各脚部30とが一体的に成形されていると
ともに、この平板部31の裏面側には、断面略U字状に凹
設された薄肉部35が、ほぼH字形状を成して形成されて
いる。
【0020】また、この平板部31の周辺部は、スポーク
部4に接続する部分を除いて、ボス部2の側面部を覆う
ように、裏面側に向かって折り曲げられ側面部41が形成
されており、さらに、この側面部41の外周部は、肉薄に
下側に突設されたうえ外側に折り曲げられ、断面略L字
形状の挾持片43が形成されている。
【0021】そして、この芯体32を、図1に示すよう
な、表皮層33成形用の金型45に装着する。この金型45
は、芯体32の裏面側を固定する割金型としての下金型46
と、キャビティ面47を有する割金型としての上金型48と
からなっている。また、芯体32をこの金型45に装着し、
下金型46と上金型48とを型合、型締した状態で、芯体32
の表面側と上金型48のキャビティ面47との間に、表皮層
33を形成するキャビティ51が形成されるとともに、下金
型46と上金型48とのキャビティ51の周縁部のパーティン
グ面54で芯体32の挾持片43を密着挾持するようになって
いる。また、この密着性を高めるため、下金型46のパー
ティング面54には、挾持片43の形状に合わせた凹部55が
形成されている。
【0022】そして、上記のように型締した状態で、キ
ャビティ51内に、ポリウレタンなどの合成樹脂液を射出
し、表皮層33を芯体32の表面上に射出成形する。
【0023】また、この表皮層33は、成形直前に例え
ば、ポリウレタンにおけるイソシアネート、ポリオール
及び触媒などを混合して射出する反応射出成形、すなわ
ちRIM(Reaction Injection Molding)成形によ
ることもできる。
【0024】そして、この表皮層33の成形後、型開きし
てカバー体5を取出し、さらに断面略L字形状の挾持片
43を、熱刃、あるいはプレス刃にて切断して除去し、二
層成形のカバー体5を完成する。
【0025】なお、この挾持片43の切除時に、挾持片43
に密着した図示しない成形用のゲート、インモールドコ
ート、ウレタンオーバーフローなどの余部を同時に切除
することもできる。
【0026】そうして、本実施例の樹脂成形品の製造方
法によれば、表皮層33の射出成形時に、下金型46と上金
型48とのキャビティ51の周縁部のパーティング面54で芯
体32に形成された挾持片43を密着挾持するため、表皮層
33を形成する樹脂が芯体32の裏面側の、特に薄肉部35に
侵入することを防止し、芯体32の表面側のみに表皮層33
を形成することができる。そこで、品質を向上し、コス
トダウンを図り得るとともに、カバー体5を軽量化し、
取付け構造の簡易化、エアバッグ21の展開性能のいっそ
うの向上、安定などを図ることができる。
【0027】また、表皮層33の射出成形時に、下金型46
と上金型48とで芯体32の挾持片43を挾持して保持してい
るので、表皮層33を形成する樹脂の圧力や熱による、芯
体32の波打ち等の変形を防止することができ、均一な厚
さにすることができる。また、このために、芯体32の肉
薄化を図ることもできる。
【0028】なお、本実施例においては、一対の下金型
46と上金型48とで金型45を形成したが、図5および図6
に示すように、下金型46と上金型48とのパーティング面
54に、側方に移動する複数個のスライド駒58を組み合わ
せることもできる。このスライド駒58は、型締した状態
で挾持片43の上面および表皮層33の端部に密着するた
め、表皮層33を肉厚に形成した場合でも、挾持片43に対
する密着性を保持して合成樹脂液の流出を防止し得ると
ともに、カバー体5と金型45との離型性を向上すること
ができる。
【0029】また、図7に示すように、シリコンなどの
弾性体からなる駒体59を上金型48の、挾持片43への密着
部に取付けることによっても、この駒体59が弾性変形す
ることにより、挾持片43に対する密着性を向上し得ると
ともに、カバー体5と金型45との離型性を向上すること
ができる。
【0030】なお、挾持片43は芯体32の平板部31にも形
成することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の樹脂成形品の製造方法によれ
ば、芯体の外周部に挾持片を突設し、この挾持片を金型
のキャビティの周辺部にて密着挾持した状態で、表皮層
を前記キャビティ内に注入形成するため、キャビティに
注入される表皮層を形成する樹脂が芯体の裏面側に侵入
することを防止し、芯体の表面側のみに表皮層を形成す
ることができる。そこで、コストダウンを図り得るとと
もに、樹脂成形品を軽量化し、品質を向上させることが
できる。また、表皮層の成形時に、金型で芯体の挾持片
を挾持して保持するため、表皮層を形成する樹脂の圧力
や熱による、芯体の変形を防止することができ、均一な
厚さにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形品の製造方法の一実施例を示
す作業工程図である。
【図2】同上樹脂成形品の製造方法の一実施例によるス
テアリングホイールの平面図である。
【図3】同上図2のステアリングホイールのA−A視断
面図である。
【図4】同上芯体の製造工程における裏面の斜視図であ
る。
【図5】本発明の樹脂成形品の製造方法の他の実施例を
示す作業工程図である。
【図6】同上作業工程図である。
【図7】本発明の樹脂成形品の製造方法の他の実施例に
よる作業工程図である。
【符号の説明】
5 樹脂成形品としてのカバー体 32 芯体 33 表皮層 43 挾持片 46 割金型としての下金型 48 割金型としての上金型 51 キャビティ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂にて形成された芯体の表面上に樹脂
    にて表皮層を形成する二層成形の樹脂成形品の製造方法
    において、 前記芯体には、外周部に挾持片を突設し、 この芯体を前記表皮層成形用の割金型のキャビティに装
    着し、 これらの割金型を型締し、前記キャビティの周辺部にて
    前記挾持片を密着挾持した状態で、前記キャビティ内の
    前記芯体の表面側に樹脂を注入し前記表皮層を形成する
    ことを特徴とした樹脂成形品の製造方法。
JP3242129A 1991-09-21 1991-09-21 樹脂成形品の製造方法 Expired - Lifetime JPH07108540B2 (ja)

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JPH07108540B2 JPH07108540B2 (ja) 1995-11-22

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996025308A1 (en) * 1995-02-14 1996-08-22 Winget, Larry, J. Unitary composite air bag cover and method of making same
US5762983A (en) * 1995-11-27 1998-06-09 Toyoda Gosei Co., Ltd. Mold for air bag cover
JP2008068527A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Nippon Plast Co Ltd 樹脂成形品のrim成形用成形型並びにrim成形方法
JP2009006610A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ装置のカバー体、エアバッグ装置のカバー体の製造方法、及びエアバッグ装置

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