JP2010529758A - 指向性をもって音を放射するシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

複数の聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを動作させる方法は、少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップを具備する。各聴取位置において、スピーカ要素の少なくとも1つのアレイが設けられる。フィルタは、少なくとも1つの信号源と第1の聴取位置のスピーカ要素の少なくとも1つとの間に設けられる。フィルタは、第1の聴取位置に対して第1のアレイから放射される音響エネルギーに比較して、複数の聴取位置の少なくとも1つの他の聴取位置に対して第1のアレイから放射される音響エネルギーを減少させるように最適化される。

Description

本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組込まれる、2007年7月19日に出願された米国特許出願第11/780,461号に対して優先権を主張する。
本明細書は、指向性ラウドスピーカを具備する、たとえば車両用のオーディオシステムについて記載する。
指向性ラウドスピーカは、一般に、米国特許第5,870,484号および第5,809,153号に記載される。車両の指向性ラウドスピーカは、2005年11月18日に出願された米国特許出願第11/282,871号に説明される。米国特許第5,870,484号および第5,809,153号ならびに米国特許出願第11/282,871号の開示全体は、参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
米国特許出願第11/780,461号 米国特許第5,870,484号 米国特許第5,809,153号 米国特許出願第11/282,871号 米国特許第4,944,018号 米国特許第5,434,922号 米国特許出願第10/309,395号
Scott G. Norcross, Gilbert A. SoulodreおよびMichel C. Lvoie, Subjective Investigations of Inverse Filtering, 52.10 Audio Engineering Society 1003, 1023(2004)
本発明は、指向性ラウドスピーカを具備する、たとえば車両用のオーディオシステムを提供することを課題とする。
本発明の一構成では、複数の聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを動作させる方法は、少なくとも1つのオーディオ信号源を設けることを含む。各聴取位置において、オーディオ信号を受け取り、応答して、出力オーディオ信号を放射するスピーカ要素の少なくとも1つのアレイが設けられる。少なくとも1つのアレイのスピーカ要素は、それぞれのスピーカ要素から放射される出力オーディオ信号が弱め合うように干渉し、それにより、少なくとも1つのアレイからの指向性オーディオ放射が規定されるように、互いに対して配設される。フィルタは、少なくとも1つの信号源と複数の聴取位置の第1の聴取位置の第1のアレイ内のスピーカ要素の少なくとも1つとの間に設けられる。フィルタは、少なくとも1つの信号源から少なくとも1つのスピーカ要素へのオーディオ信号の振幅および位相を処理する。フィルタは、第1のアレイから第1の聴取位置に放射される音響エネルギーの振幅に比較して、複数の聴取位置の少なくとも1つの他の聴取位置に対して第1のアレイから放射される音響エネルギーの振幅を減少させるように最適化される。
本発明の別の構成では、複数の聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを動作させる方法は、少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップを具備する。各聴取位置において、オーディオ信号を受け取り、応答して、出力オーディオ信号を放射するスピーカが設けられる。第1の聴取位置の第1のスピーカは第1のオーディオ信号を受け取る。フィルタは、第1のオーディオ信号と第2の聴取位置の第2のスピーカとの間に設けられ、それにより、第2のスピーカは、フィルタを通して第1のオーディオ信号を受け取り、応答して、出力オーディオ信号を放射する。第1のスピーカは、フィルタと独立に第1のオーディオ信号を受け取る。第1のオーディオ信号の出力に応答して第2のスピーカによって第2の聴取位置に放射される音響エネルギーと第1のオーディオ信号に応答して第1のスピーカによって第2の聴取位置に放射される音響エネルギーの結合された振幅が、第1のオーディオ信号に応答して第1のスピーカによって第2の聴取位置に放射される音響エネルギーより小さくなるよう、第2のスピーカに供給される第1のオーディオ信号の振幅および位相を、フィルタが処理するようにフィルタを特徴付ける伝達関数が規定される。
本発明のさらなる構成では、複数の座席位置を有する車両用のオーディオシステムは、少なくとも1つのオーディオ信号源を具備する。それぞれの指向性ラウドスピーカアレイは、各座席位置に搭載され、少なくとも1つの信号源に結合し、それにより、オーディオ信号は、それぞれの指向性ラウドスピーカアレイを駆動して、音響エネルギーが放射される。少なくとも1つの信号源と各それぞれの指向性ラウドスピーカアレイとの間の処理回路は、少なくとも1つの信号源からそれぞれの指向性ラウドスピーカアレイへのオーディオ信号の振幅および位相をそれぞれ処理し、それにより、各それぞれの指向性ラウドスピーカアレイは、各それぞれの指向性ラウドスピーカアレイが配置される座席位置に音響エネルギーを、指向性を持って放射し、また、それぞれの指向性アレイから各他の座席位置へ放射される音響エネルギーの振幅は、他の座席位置の少なくとも1つのそれぞれの指向性ラウドスピーカが他の座席位置へ音響エネルギーを放射するときに、各他の座席位置のそれぞれの聞き手によって知覚可能であるレベル未満である。
放射パターンのポーラプロットを示す図である。 本発明の一実施形態による、車両ラウドスピーカアレイシステムの略図である。 図2Aの車両ラウドスピーカアレイシステムの略図である。 図2Aに示すラウドスピーカアレイの略図である。 図2Aに示すラウドスピーカアレイの略図である。 図2Aに示すラウドスピーカアレイの略図である。 図2Aに示すラウドスピーカアレイの略図である。 図2Aに示すラウドスピーカアレイの略図である。 図2Aに示すラウドスピーカアレイの略図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aの場合と同様の車両ラウドスピーカアレイシステムに関連するオーディオ回要素の部分ブロック図である。 図2Aに示すスピーカアレイのうちの1つのスピーカアレイについての比較振幅のプロットである。 図4Aに関して述べたスピーカアレイのスピーカ要素についての利得伝達関数のプロットである。 図4Aに関して述べたスピーカアレイのスピーカ要素についての位相伝達関数のプロットである。
当業者にとって本発明の最良のモードを含む、本発明の完全でかつ有効な開示は、添付図を参照する本明細書の残りの部分においてより詳細に述べられる。
本明細書および図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じかまたは同様の特徴または要素を表すことを意図される。
ここで、本発明のいくつかの実施形態を詳細に参照するが、それらの1つまたは複数の例が添付図面に示されている。各実施例は、本発明の制限のためではなく、本発明の説明のために提供される。実際には、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明において変更および変形を加えることができることが当業者には明らかになろう。たとえば、一実施形態の一部として示すかまたは述べられる特徴は、なおさらなる実施形態をもたらすために別の実施形態に関して使用されてもよい。そのため、本発明は、添付特許請求の範囲を含む、本開示の範囲内に入るこうした変更および変形を包含することが意図される。
本明細書の図面のいくつかの図の要素が、ブロック図においてディスクリート要素として示され述べられ、また、「回路(circuitry)」と呼ばれることがあるが、特段の指示がない限り、要素は、アナログ回路、デジタル回路あるいはソフトウェア命令を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサの1つまたはその組合せとして実施されてもよい。ソフトウェア命令は、デジタル信号処理(DSP)命令を含んでもよい。特段の指示がない限り、信号線は、ディスクリートなアナログまたはデジタル信号線として、オーディオ信号の別々のストリームを処理するための適切な信号処理を有する単一のディスクリートデジタル信号線として、または、無線通信システムの要素として実施されてもよい。処理操作の一部は、係数の計算および適用によって表現されてもよい。係数を計算することおよび適用することと同等のことは、他のアナログまたはデジタル処理技法によって実施することができ、本特許出願の範囲内に含まれる。特段の指示がない限り、オーディオ信号は、デジタル形態かまたはアナログ形態で符合化されてもよく、従来のデジタル-アナログ変換器またはアナログ-デジタル変換器は図には示されないことがある。言葉で表現するのを簡潔にするために、所与のチャネルにおいて、または、所与のアレイから、「オーディオ信号に相当する音響エネルギーを放射する(radiating acoustic energy corresponding to the audio signals)」は、アレイからチャネルを「放射する(radiating)」と称する。
指向性ラウドスピーカは、いくつかの方向で他の方向より実質的に多くの音響エネルギーが放射される放射パターンを有するラウドスピーカである。指向性アレイは複数の音響エネルギー源を有する。指向性アレイでは、エネルギー源の互いの間隔に比べて放射される音響エネルギーの波長が大きい周波数のある範囲にわたって、音響エネルギー源によって放射される圧力波が弱め合うように干渉し、それにより、アレイは、発生する弱め合う干渉の程度に応じて異なる方向に多くのまたは少ないエネルギーを放射する。比較的多くの音響エネルギーが放射される方向、たとえば、音圧レベルが、指向性ラウドスピーカから等しい距離の地点において任意の方向に最大音圧レベル(sound pressure level)(SPL)の6dB以内(好ましくは、-6dBと-4dBとの間、また、理想的には、-4dBと-0dBとの間)である方向は、「高放射方向(high radiation directions)」と称する。少ない音響エネルギーが放射される方向、たとえば、SPLが、指向性ラウドスピーカから等距離の地点について任意の方向に最大値に関して少なくとも-6dBのレベル(好ましくは、-6dBと-10dBとの間、また、理想的には、10dB以上低い、たとえば、-20dBのレベル)である方向は、「低放射方向(low radiation directions)」と称する。図の全てにおいて、指向性ラウドスピーカは、コーン径1.925インチ、コーン要素間隔約2インチを有する、2つ以上のコーンタイプ音響ドライバを有するものとして示される。指向性ラウドスピーカは、コーンタイプ以外のタイプ、たとえば、ドームタイプまたはフラットパネルタイプであってよい。指向性アレイは、少なくとも2つの音響エネルギー源を有し、3つ以上の音響エネルギー源を有してもよい。音響エネルギー源の数を増やすと、指向性ラウドスピーカの放射パターンに対する制御が増大し、たとえば、おそらくはより狭いパターン、または、所与の用途にとって望ましい可能性があるより複雑な幾何形状を有するパターンが達成される。本明細書で説明する実施形態では、音響エネルギー源の数および向きは、アレイが配設される環境に基づいて決定されてもよい。指向性放射パターンを生成するのに必要な信号処理は、以下でより詳細に述べる最適化手法によって確立されてもよく、最適化手法は、所望の結果を達成するために、音響エネルギー源の相対的な振幅および位相を操作する伝達関数のセットを規定する。
ラウドスピーカおよびラウドスピーカアレイの指向性特性は、通常、図1のポーラプロットなどのポーラプロットを使用して記述される。ポーラプロット10は、指向性ラウドスピーカの放射特性、この場合、いわゆる「カーディオイド(cardioid)」パターンを示す。ポーラプロット12は、第2のタイプの指向性ラウドスピーカの放射特性、この場合、ダイポールパターンを示す。ポーラプロット10および12は、指向性放射パターンを示す。線14によって指示される低放射方向は、必ずしも必要であるわけではないが、ヌル方向であってよい。高放射方向は線16によって指示される。ポーラプロットでは、高放射方向におけるベクトルの長さは、その方向に放射される音響エネルギーの相対的な量を表すが、この慣例は図1だけにおいて使用されることを理解されたい。たとえば、カーディオイドポーラパターンでは、方向16aにおいて方向16bより多くの音響エネルギーが放射される。
図2Aは、オーディオシステムを有する車両乗客室の図である。乗客室は、4つの座席位置18、20、22および24を含む。座席位置18には、概してバス周波数範囲を超える(今述べている実施形態では、アレイ28、30、38、46、48および54について約125Hzを超え、また、アレイ26、27、34、36、42、44および52について約185Hzを超える、本明細書で「高(high)」周波数と呼ばれる)周波数で車室内に指向性をもって音響エネルギーを放射する、4つの指向性ラウドスピーカアレイ26、27、28および30と、バス周波数範囲(今述べている実施形態では、約40Hz〜約180Hz)の音響エネルギーを放射する、指向性ラウドスピーカアレイ32とが関連付けられる。同様に、座席位置20に関連する、高周波数用の4つの指向性ラウドスピーカアレイ34、36、38および30ならびにバス周波数用の指向性アレイ40、座席位置22に関連する、高周波数用の4つの指向性ラウドスピーカアレイ42、44、46および48ならびにバス周波数用のアレイ50、ならびに、座席位置24に関連する、高周波数用の4つの指向性ラウドスピーカアレイ44、52、54および48ならびにバス周波数用のアレイ56が位置決めされる。
本図に示すアレイ要素の特定の構成は、車両内の聞き手の相対位置および車室の構成に依存する。本実施例は、クロスオーバタイプのスポーツ汎用車で使用するためのものである。そのため、本明細書で述べるスピーカ要素の場所および向きは、この特定の車両構成についての一実施形態を構成するが、この車両または他の車両(たとえば、制限はしないが、バス、バン、航空機またはボートを含む)または、建物、または、他の固定されたオーディオ会場において、また、車両または会場内の種々の数および種々の構成の座席または聴取位置のために、所望の性能および車両または会場の構成に応じて、他のアレイ構成を使用することができることを理解されたい。さらに、所与のアレイ内のスピーカ要素の種々の構成が、使用されてもよく、また、本開示の範囲内に入る可能性があることをも理解されたい。そのため、アレイの位置および構成が、それによって選択される可能性がある例示的な手法および4人乗り車両における例示的なアレイ構成が、以下でより詳細に説明されるが、これらは、本開示の制限のためでなく、説明だけのために提示されることを理解されたい。
音響エネルギー源の数および向きは、所与の車両または他の物理的環境内で所望の性能が達成されるまで、試行錯誤で選択されうる。ある車両では、物理的環境は、車両の内部室またはキャビンの容積、キャビンのインテリアの幾何形状、および、インテリア内の物体および表面の物理的特性によって規定される。ある環境が与えられると、システム設計者は、アレイ構成の初期選択を行い、次に、以下に述べる最適化手法に従って選択される構成について信号処理を最適化してもよい。これが許容可能な性能をもたらさない場合、システム設計者は、アレイ構成を変更し、最適化を繰返しうる。ステップは、所望の要件を満たすシステムが規定されるまで繰返されうる。
以下の説明は、ステップごとの手順としてアレイ構成の初期選択を述べるが、これは説明だけのためのものであること、および、システム設計者が、設計者にとって重要であるパラメータに従って、また、設計者にとって適した方法に従って初期アレイ構成を選択してもよいことを理解されたい。
初期アレイ構成を決定するときの第1のステップは、車両内で聞き手に提示されるオーディオ信号のタイプを決定することである。たとえば、(スピーカ配置によろうが、空間的キューの使用によろうが)方向を考慮することなく、モノフォニック音だけを提示することが望まれる場合、オーディオ信号が両耳に達するように、聞き手から十分な距離のところに配設された単一スピーカ、または、聞き手の近くに配設され、かつ、聞き手のそれぞれの耳に向かって誘導される2つのスピーカアレイで十分である可能性がある。ステレオ音が望まれる場合、たとえば、聞き手の頭部の両側で、かつ、それぞれの耳に誘導される2つのアレイで十分でありうる。同様に、ワイド音ステージおよび前部/後部オーディオが望まれる場合、より多くのアレイが望ましい。ワイドステージが、前部と後部の両方において望まれる場合、前部の一対のアレイおよび後部の一対のアレイが望ましい。
各聞き手位置におけるアレイの数が決定されると、聞き手に対するアレイの全体の場所が決定される。先に示したように、聞き手の頭部に対する場所は、スピーカがそれについて意図される性能タイプによって、ある程度左右される可能性がある。たとえば、ステレオ音の場合、聞き手の頭部の両側に少なくとも1つのアレイを設置することが望ましいが、サラウンド音が望まれる場合、かつ/または、空間的キューを生成することが望まれる場合、スピーカを搭載すべき車両の位置の所望の作用および可用性に応じて、聞き手の前部と後部の両方に、かつ/または、聞き手の側部にアレイを設置することが望ましい可能性がある。
アレイの所望の数およびその全体的な相対的場所が決定されると、車両内のアレイの特定の場所が決定される。実際問題として、車両におけるスピーカ配置のための利用可能な位置は制限される可能性があり、音響的観点から理想的に望まれるものと、車両において利用可能であるものとの間の妥協が必要である可能性がある。この場合も、アレイの場所は変わる可能性があるが、今述べている実施形態では、各アレイは、聞き手の耳の少なくとも一方に向けて音を誘導し、車両内の他の聞き手に、または近傍反射表面に向かって音を誘導することを回避することが望まれる。好ましくない場所を回避しながら、所望の場所にオーディオを誘導するときの指向性アレイの有効性は、アレイが聞き手の頭部の近くに配設される場合に増加する。その理由は、これが、アレイの場所と、オーディオ信号をそこに放射することが望まれる場所との間、および、アレイの場所と、オーディオ信号をそこに放射することが望まれない場所との間の相対的な経路長差を増加させるからである。そのため、今述べている実施形態では、アレイをできる限り聞き手の頭部の近くに配設することが望ましい。たとえば、座席位置18を参照すると、アレイ26および27は、座席ヘッドレスト内で、聞き手の頭部の非常に近くに配設される。前部アレイ28および30は、前部ダッシュボード内ではなく、天井内張り内に配設される。その理由は、その位置では、アレイが前部ダッシュボート内に配設される場合に比べて、スピーカが聞き手の頭部のより近くに設置されるからである。
アレイ位置が確立されると、アレイ内の音響エネルギー源の数および向きが決定される。アレイ内の1つのエネルギー源または変換器は、音響信号を、聞き手の耳の一方に誘導してもよく、こうした変換器は、本明細書では「1次(primary)」変換器と呼ばれる。たとえば、要素がコーンタイプ変換器である場合、1次変換器は、聞き手の予想される頭部位置に位置合わせされるコーン軸を有してもよい。しかし、1次変換器が聞き手の耳に位置合わせされることは必要ではなく、一般に、1次変換器は、アレイ内の各要素によって供給されるオーディオ信号の減衰を比較することによって特定されうる。1次要素を特定するために、それぞれのマイクロフォンが、座席乗員58、70、72および74の予想される頭部位置に設置されてもよい。各アレイにおいて、アレイ内の各要素は、次々に駆動され、結果得られる放射信号が、マイクロフォンのそれぞれによって記録される。他の座席位置における検出されたボリュームの振幅は、平均され、アレイが配置される座席位置のマイクロフォンによって受け取られるオーディオの振幅と比較される。意図される位置における振幅と他の位置における振幅(平均)の比が、それについて最も高いアレイ内の要素が、1次要素であると考えられうる。
各アレイは、アレイの指向性を高める1つまたは複数の2次変換器を有する。複数の変換器が、アレイの音響パターンの幅および方向を制御する方法は、知られており、したがって、本明細書では説明されない。しかし、一般に、幅および方向の制御の程度は、2次変換器の数と共に向上する。そのため、たとえば、低い制御の程度が必要とされる場合、アレイは、より少ない2次変換器を有してもよい。さらに、要素の間隔が小さければ小さいほど、指向性がそれにわたって効果的に制御されうる(ハイエンドにおける)周波数範囲が広くなる。今述べている実施形態の場合と同様に、接近した要素間隔(約2インチ)が、低周波数において高周波数アレイ効率を減少させる場合、システムは、以下でより詳細に述べるように、各座席位置にバスアレイを含んでもよい。
一般に、所与の座席位置における所与のアレイ内の2次要素の数および向きは、そのアレイから、他の座席位置における予想される乗員位置へのオーディオの放射を低減するように選択される。2次要素の数および向きは、意図される聞き手に対してアレイがその中に設置される変動する音響環境に応じて、所与の座席位置のアレイの間で変動してもよい。たとえば、聞き手に対して対称位置に(すなわち、聞き手に関して同じ位置であるが、聞き手の両側に)配設されるアレイは、音響環境の非対称局面に応じて、互いに対して非対称である可能性がある(すなわち、異なる数の、および/または、異なる方に向いた変換器を有してもよい)。この点で、アレイから、オーディオ信号をそこへ誘導することが望まれる地点(意図される聞き手の予想される任意の耳位置など)まで延在する線と、アレイから、オーディオ放射をそこで低減することが望まれる地点(近傍反射表面および他の聞き手の予想される耳位置など)まで延在する線との間の角度、ならびに、アレイと、オーディオをそこへ誘導することが望まれる地点との間の距離によって、対称性が考えられうる。所望の座席位置においてそのアレイの放射出力を分離するのに必要とされるアレイの指向性に対する制御の度合いは、これらの角度が減少するにつれて、こうした小さな角度を規定する位置の数が増加するにつれて、また、アレイと、オーディオをそこへ誘導することが望まれる地点との間の距離が増加するにつれて高まる。そのため、これらのパラメータの1つまたは複数に関して非対称を示す、所与の聞き手位置の両側の位置のアレイを考えると、アレイは、環境の非対称性を補償するため、互いに対して非対称である可能性がある。
本技術分野では理解されるべきであるが、意図される聞き手から比較的遠方の車両表面からの反射は、一般に、聞き手によって聞き取られるオーディオ品質を損なうことに関して重要なことではない。その理由は、信号が、一般に減衰し、また、時間遅延されるため、反射が顕著な干渉をもたらさないからである。しかし、近傍反射は、意図されるオーディオとの干渉を引き起こす可能性があり、許容可能な分離レベルを達成するために、こうした近傍反射表面に近接するラウドスピーカに対する高い程度の指向性制御が望ましい。
一般に、所与のアレイ内の2次要素の数および向きを決定するときに、アレイからの漏洩オーディオを低減するために、近傍反射表面および他の座席位置における乗員の予想される頭部位置などの、オーディオ放射をそこで低減することが望まれる地点に向かって、位相がずれた信号エネルギーを供給するように2次要素が配設されてもよいと考えられる。すなわち、2次要素は、弱め合う干渉が望まれる方向にエネルギーを放射するように配置されてもよい。そのため、アレイがこうした表面の近くの位置に配置される場合、かつ、アレイからオーディオ信号をそこに放射することが望まれる地点までの線と、アレイからオーディオ信号をそこに放射することが望まれない地点までの線との間の角度が比較的小さい場合、こうした状況が少ないアレイの場合に比べて、概してこうした表面およびこうした望ましくない地点に向かって誘導されるより多くの2次要素が望まれる可能性がある。
各図に示す例示的な構成を考えると、アレイ27および34は、近傍反射表面が無いインボード位置において、それらのそれぞれの聞き手の非常に近くに配設され、概してそれらの意図される座席乗員(すなわち、オーディオ信号がそこに誘導される乗員位置)と、他の車両乗員(すなわち、オーディオ漏洩がそこで低減される位置)との間にある。そのため、望ましくないレベルで別の乗員に音響放射を誘導することなく目標の乗員に音響放射を誘導するために大きな空間的自由度があり、したがって、2要素指向性アレイ(すなわち、1つだけの2次要素を有するアレイ)によって提供される指向性制御で十分である。それでも、望まれる場合、さらなる指向性制御を提供するために、さらなるラウドスピーカ要素が、これらのアレイ位置で使用されてもよいことを理解されたい。
アウトボード高周波数アレイ26、28、36、38、42、46、52および54はそれぞれ、少なくとも1つのこうした近傍反射表面の近くにあり、さらに、アレイの意図されるそれぞれの聞き手は、アレイと意図されない聞き手との間に延在する線の近くに位置合わせされる。そのため、これらのアレイの指向性に対する高い程度の制御が望まれ、したがって、アレイは、より多くの数の2次変換器を含む。
アレイ42および52に関して、各アレイの第3の要素は、その軸が垂直に位置合わせされるように上を向く。水平面(すなわち、図2Aのページの平面)内で位置合わせされるままの各アレイの2つの要素は、ラウドスピーカ要素対を車両の前方向/後方向で2分する(bisect)水平線に対して対称に配設される。そのため、3つのスピーカ要素は、それぞれ、意図される乗員、後部ドア窓および後部ウィンドシールドを向き、それにより、座席乗員にオーディオ放射を誘導し、窓および後部ウィンドシールドに対する放射を低減するための指向性制御を容易にする。
3つの中央アレイ30、48および44はそれぞれ、アレイが働く2つの座席位置のそれぞれに関して複数要素アレイと考えられうる。すなわち、図2Bを参照すると、また、以下でより詳細に説明するように、ラウドスピーカ要素30a、30b、30cおよび30dは、座席位置18と20の両方にオーディオ信号を放射する。要素48a、48b、48c、48dおよび48eは、座席位置22と24の両方にオーディオ信号を放射する。要素44a、44b、44cおよび44dは、座席位置22と24の両方にオーディオ信号を放射する。中央アレイはそれぞれ、アレイ26、27、28、34、36、38、42、46、52および54に比べて、それぞれの座席乗員から遠方になる。聞き手までの距離が大きいため、他の座席乗員に対する放射が低減されるように、中央アレイから所望の座席乗員へオーディオ信号を誘導するときに高い精度を有することが望ましい。したがって、より多くの数の音響要素が、中央アレイについて選択される。
したがって、システム設計者は、聞き手に提示されるオーディオのタイプ、車両の構成および車両内の聞き手の場所に基づいて、アレイの数、アレイの場所、各アレイ内の変換器の数、および、各アレイ内の変換器の向きの初期選択を行う。初期選択が与えられると、アレイを駆動するための信号処理が、以下で詳細に述べる最適化手法を通して選択される。
図2A〜2Hは、クロスオーバタイプのスポーツ汎用車について選択されたアレイ構成を示す。先に示したように、車両内の各アレイの位置は、所望のオーディオ性能に応じて、各聞き手の前部に、後部に、かつ/または、側部にスピーカを設置するという一般的な必要性または欲求に基づいて選択される。スピーカの特定の位置は、所望の性能から生じる制約が与えられると、車両内で利用可能な物理的場所に基づいて最終的に決定される。スピーカが配置されると、アレイを駆動するのに使用される信号処理は、以下で述べる最適化手法に従って較正されるため、互いからアレイを分離するか、または、座席乗員からアレイを分離するベクトルおよび距離、あるいは、各アレイ内の要素の相対的な位置および向きを決定することが必要であるが、アレイ位置が、こうした距離、ベクトル、位置および向きの観点から選択される手法は、本開示の範囲内にある。したがって、以下で提供される実施例は、例証のためにスピーカアレイの一般的な配置を述べ、スケール図面を提供しない。
図2Bの座席位置18をより具体的に参照すると、ラウドスピーカアレイ26は3要素アレイであり、ラウドスピーカアレイ27は2要素アレイであり、座席位置18の乗員58の予想される頭部位置のいずれかの側に隣接しかついずれかの側に接して位置決めされている。アレイ26および27は、たとえば、背もたれ内か、座席ヘッドレスト内か、ヘッドレストの側面上か、天井内張り内か、または、何らかの他の同様な場所内に位置決めされる。一実施形態では、各座席のヘッドレストは、座席乗員の頭部の側面に対して巻き付き、それにより、乗員の頭部に対してより接近したアレイの配置を可能にし、また、他の座席場所からの音響エネルギーを部分的に遮断する。
アレイ27は、2つのコーンタイプの音響ドライバ27aおよび27bからなり、音響ドライバ27aおよび27bは、それぞれの軸27a'および27b'が、(車室を通して水平に、すなわち、図2Bのページの平面に平行に延在する)同じ平面内にあるように配設され、また、要素27aと27bとの間で車両の前方向および後方向に延在する線60の両側に対称に配設される。アレイ27は、車両内で、車両の前方向および後方向に(すなわち、線60に平行に)延在し、かつ、座席乗員58の頭部の予想される位置を通過する線(図示せず)から側方向にずれ、かつ、同様に乗員58の予想される頭部位置を通過する、その線を横切る側部から側部への線(図示せず)の後方に搭載される。
ラウドスピーカアレイ26は、3つのコーンタイプの音響ドライバ26a、26bおよび26cからなり、音響ドライバ26a、26bおよび26cは、それぞれのコーン軸26a'、26b'および26c'が水平面内にあり、音響要素26cが乗員58から離れた方を向き、軸26c'が線60に直角であるように配設される。要素26bは前方を向き、その軸26b'は、線60に平行でかつ軸26c'に直角である。要素26bは、コーン軸26b'が耳の位置を通過するように、乗員58の予想される頭部位置の左耳を向く。アレイ26は、車両内で、乗員58の頭部を通過する前方/後方線の左側にずれ、かつ、同様に乗員58の頭部を通過する横方向線の後方に搭載される。本明細書で示すように、たとえば、背もたれまたはヘッドレストが乗員の頭部に巻き付く場合、アレイ26および27は共に、横方向線に位置合わせされてもよく、または、横方向線の前方にあってもよい。
図2Cは、座席位置20の視点からの座席位置18の略平面図(同様に、図2Bを参照されたい)を提供する。図2Dは、座席位置22の視点から得られるラウドスピーカ28の略図を提供する。図2B、2Cおよび2Dを参照すると、スピーカアレイ28は、3つのコーンタイプの音響要素28a、28bおよび28cを含む。要素28aおよび28bは、水平に関してある角度で下を向き、それらのコーン軸28a'および28b'が互いに平行になるように配設される。音響要素28cは、そのコーン軸28c'が、28a'および28b'によって規定される平面に交差するように、真下を向く。図2Cに示すように、音響要素28aおよび28bは、要素28cの両側で対称に配設される。
ラウドスピーカアレイ28は、前部運転者の側部窓のちょうどインボードの車両天井内張り内に搭載される。要素28cは、要素28cの基部の中心を通過する線28dが、音響要素28aおよび28bの基部の中心を通過する線28eに、直角に、かつ、要素28aおよび28bの基部間の均等の地点で交差するように、要素28aおよび28bに関して配設される。
図2Bおよび座席位置20を参照すると、ラウドスピーカアレイ34は、アレイ34が乗員70の左であることを除いて、ラウドスピーカアレイ27と同様に搭載され、また、座席位置18の乗員58に関するアレイ27の配置と同様に座席乗員70に関して配設される。アレイ34および27は、それらのそれぞれの座席位置のインボード側にある。
アレイ36および38ならびにアレイ26および28は、それらのそれぞれの座席位置のアウトボード側にある。アレイ36は、アレイ26と同様に搭載され、また、乗員58に関するアレイ27の配置と同様に乗員70に関して配設される。アレイ38は、アレイ28と同様に搭載され、また、乗員58に関するアレイ27の配置と同様に乗員70に関して配設される。アレイ34、36および38の構造(音響要素の数、構成および配置を含む)は、それぞれ、アレイ27、26および28の構造のミラーイメージであり、したがって、本明細書ではさらに説明されない。
座席位置22および24を参照すると、アレイ46および54は、それぞれ、アレイ28および38と同様に搭載され、また、乗員58および70に関するアレイ28および38の配置と同様に座席乗員72および74に関して配設される。アレイ46および54の構造(音響要素の数、構成および配置を含む)は、アレイ28および38に関して上述した構造と同じであり、したがって、本明細書ではさらに説明されない。
アレイ42は、3つのコーンタイプ音響要素42a、42bおよび42cを含む。アレイ42は、アウトボードアレイ26および36と同様の方法で搭載される。しかし、音響要素42aおよび42bは、要素42aおよび42bがそれらの座席位置のアウトボード側に配設されることを除いて、要素27aおよび27bが、(インボード側で)互いに対してまた乗員58に関して配設されるのと同じ方法で、(アウトボード側で)互いにまた乗員72に関して配置される。要素42aおよび42bのコーン軸は水平面内にある。音響要素42cは、そのコーン軸42c'で示すように上を向く。
オンボードアレイ52は、オンボードアレイ42と同様に搭載され、座席位置22の乗員72に関するアレイ42の配置と同様に座席位置24の乗員74に関して配設される。アレイ52の構造(音響要素の数、向きおよび配置を含む)は、アレイ42に関して上述した構造と同じであり、したがって、本明細書ではさらに説明されない。
やはり図2Bを参照すると、アレイ44は、好ましくは、アレイ42および52に関してほぼ均等のところのある垂直レベルにおいて、中央座席位置の背もたれまたはヘッドレスト、座席位置22と24との間のコンソールまたは他の構造内に配設される。
アレイ44は、4つのコーンタイプ音響要素44a、44b、44cおよび44dからなる。要素44a、44bおよび44cは、インボードを向き、それらのそれぞれのコーン軸44a'、44b'および44c'が水平面内にあるように配設される。軸44b'は線60に平行であり、要素44aおよび44cは、軸44a'と44c'との間の角度が、軸44b'によって2分されるように、要素44bの両側に対称に配設される。要素44dは、そのコーン軸44d'が水平面に直角であるように上を向く。軸44d'は、軸44a'、44b'および44c'の水平面に交差する。軸44d'は軸44b'に交差し、要素44aおよび44cの基部の中心を交差する線の後方にある。
図2Eは、座席位置20と24との間の地点の視点からのラウドスピーカ48の側面の略平面図を提供する。図2Fは、ラウドスピーカ48の底部略平面図を提供する。図2B、2Eおよび2Fを参照すると、ラウドスピーカ48は、サンルーフと後部ウィンドシールド(図示せず)との間の車両天井内張り内に配設される。アレイ48は、5つのコーンタイプ音響要素48a、48b、48c、48dおよび48eを含む。要素48aおよび48bは、それらの軸48a'および48b'が一致し、かつ、水平面に平行な平面内に配置されるように、アレイの反対側に向く。アレイ48は、座席位置22と24との間で均等なところに配設される。線48a'/48b'を含む垂直面に直角の、かつ、要素48aと48bとの間で均等なところを通過する垂直面は、アレイ44の要素44bおよび44dの軸44b'および44d'を含む。
要素48eは、要素のコーン軸48e'が垂直であるように下を向く。要素48dは、下向き角度で座席位置24を向く。軸48d'は、座席位置24において座席乗員74の左耳の予想される位置と概して位置合わせされる。要素48cは、下向き角度で座席位置22を向く。軸48c'は、座席位置22において座席乗員72の右耳の予想される位置と概して位置合わせされる。要素48cの位置および向きは、線44d'および線48e'を含む垂直面に関して要素48dの位置および向きと対称である。
図2Gは、座席位置20の前部の地点からのラウドスピーカアレイ30の略側面図を提供する。図2Hは、アレイ48の視点からのアレイ30の略平面図を提供する。ラウドスピーカアレイ30は、サンルーフと前部ウィンドシールド(図示せず)との間の、車両サンルーフのすぐ前部の位置で車両天井内張り内に配設される。
ラウドスピーカアレイ30は、4つのコーンタイプ音響要素30a、30b、30cおよび30dを含む。要素30aは、車室エリアに向かって下を向き、そのコーン軸30a'が水平面に直角であり、かつ、線48e'および44d'を含む平面内に含まれるように配設される。音響要素30cは、要素30bおよび30dと同様の下向き角度で後方に向く。コーン軸30c'は、30a'、48e'および44d'を含む垂直面内に含まれる。
音響要素30bは、ある下向き角度で座席位置20を向く。コーン軸30b'は、座席位置20において、座席乗員70の左耳の予想される位置と概して位置合わせされる。
音響要素30dは、30a'、48e'および44d'を含む垂直面に関して要素30bに対称に配設される。コーン軸30d'は、座席位置18の座席乗員58の右耳の予想される位置と概して位置合わせされる。
アレイ26、27、34および36の要素、アレイ42の要素42aおよび42b、アレイ44の要素44a、44bおよび44c、ならびに、要素52aおよび52bの軸は、本明細書では、図2Bの用紙の平面内にあるものとして述べられるが、これは、座席乗員58、70、72および74についての予想される耳位置が同じ平面内にあるという仮定に基づく。これらのスピーカが乗員の予想される耳位置の水平面の下になる程度まで、これらのアレイが傾斜してもよいため、「水平要素(horizontal element)」の軸が、わずかに上に向けられ、また、各アレイの1次要素の軸が、目標の乗員のそれぞれの耳に一致する。図2Bから明らかなであるように、これは、要素42c、44dおよび52cの軸を垂直からわずかにずらすことになる。
以下でより詳細に述べるように、図2Aおよび2Bに示すラウドスピーカアレイは、種々のアレイに対してローカルである座席位置の乗員への所望のオーディオ信号の放射を容易にし、一方同時に、種々のアレイからリモートである座席位置に対する音響放射を低減するように駆動される。この点で、アレイ26、27および28は、座席位置18に対してローカルである。アレイ34、36および38は、座席位置20に対してローカルである。アレイ42および46は、座席位置22に対してローカルであり、アレイ52および54は、座席位置24に対してローカルである。アレイ30は、座席位置18に対してローカルであり、座席位置18のために意図されるアレイ30からの音響放射に関して、座席位置20、22および24からリモートである。しかし、座席位置20のために意図される音響放射に関して、アレイ30は、座席位置20に対してローカルであり、かつ、座席位置18、22および24からリモートである。同様に、スピーカアレイ44および48はそれぞれ、座席位置22のために意図されるスピーカアレイからの音響放射に関して、座席位置22に対してローカルであり、かつ、座席位置18、20および24からリモートである。しかし、座席位置24のために意図される音響放射に関して、アレイ44および48はそれぞれ、座席位置24に対してローカルであり、かつ、座席位置18、20および22からリモートである。
先に説明したように、スピーカアレイの特定の位置および相対的な構成、ならびに、アレイ内の要素の相対的な位置および向きは、他の座席位置に関して各座席位置のあるレベルのオーディオ分離を達成するために、各座席位置で選択される。すなわち、アレイ構成は、車両内で、各座席位置のアレイから他の座席位置へのオーディオ放射の漏洩を低減するように選択される。しかし、1つの座席位置のアレイから他の座席位置へのオーディオ信号の全ての放射を完全になくすことは可能でないことを当業者なら理解されたい。そのため、本明細書で使用されるように、別の座席位置に関する1つまたは複数の座席位置の音響的「分離(isolation)」は、他の座席位置の乗員による漏洩オーディオ信号の知覚が、許容できる程度に低いレベルになるような、1つの座席位置のアレイから他の座席位置へ漏洩したオーディオの低減を指す。許容可能である漏洩したオーディオレベルは、所与のシステムの所望の性能に応じて変わりうる。
たとえば、図4Aを参照すると、図2Bの構成に示す全てのラウドスピーカ要素が、アレイ36の要素36bを除いてディセーブルされると仮定する。それぞれのマイクロフォンは、座席乗員58、70、72および74の予想される頭部位置に設置される。オーディオ信号は、スピーカ要素36bを通して駆動され、マイクロフォンのそれぞれによって記録される。位置58、72および74において検出されるボリュームの振幅は、平均され、座席位置70のマイクロフォンによって受け取られるオーディオの振幅と比較される。線200は、座席位置70で検出されたオーディオの振幅と比較した場合の、座席位置58、72および74における平均信号の減衰(dB単位)を表す。換言すれば、線200は、以下でより詳細に説明される指向性制御が適用されないときの、車室内でのスピーカ位置36bからの減衰を表す。しかし、こうした指向性制御を有するスピーカ要素36aおよび36cの起動によって、線202で示すように、減衰が増加する。すなわち、座席位置20に直接送出されたオーディオと比較した場合の、座席位置20から他の座席位置へ漏洩したオーディオの振幅は、指向性アレイがスピーカ位置に適用されると減少する。
約70Hzから約700Hzまで、線200と202を比較すると、本明細書で述べる指向性アレイ構成は、一般に、漏洩されるオーディオを約-15dBから-20dBまで低減する。約700Hzと約4kHzとの間では、指向性アレイは、約2〜3dBだけ減衰を改善する。したがって、減衰性能は、低周波数におけるのと同程度に有利ではないが、それでも、改善されたものである。他の変換器についてほぼ4kHz以上の周波数を超えると、変換器は、本来十分に指向性があるため、漏洩オーディオは、一般に、低周波数におけるより概して小さい。ただし、変換器は、オーディオをそこに放射することが望まれるエリアの方に向けられる場合に限る。
もちろん、許容可能であると考えられる漏洩音のレベルは、所与のシステムについて所望される性能のレベルに応じて変わりうる。今述べている実施形態では、各座席位置から各他の座席位置までの音の漏洩を、他の座席位置のオーディオに関してほぼ10〜15dBまで低減することが望まれる。特定の座席位置の乗員がその座席位置に対するオーディオをディセーブルする場合、その乗員は、おそらく、(周囲雑音のレベルに応じて)他の座席位置からのある程度の音漏洩を聞くことになるが、このことは、音減少がその他の方法で所望の性能レベル内に減衰される場合、その座席位置が他の座席位置に関して分離されないことを意味しない。
約125/185Hzから4kHzの範囲内で、また、再び図2Aおよび2Bを参照すると、指向性は、アレイ26、27、28、30、34、36、38、42、46、44、48、52および54の要素に対する入力信号に適用されるフィルタの選択によって制御される。これらのフィルタは、アレイ内の変換器を駆動する信号をフィルタリングする。一般に、所与のスピーカアレイ要素について、総合伝達関数(Yk)は、要素の入力信号の振幅と、所定の空間内のある地点kで測定された要素によって放射されたオーディオ信号の振幅の比および要素の入力信号と、所定の空間内のある地点kで測定された要素によって放射された信号の位相差である。入力信号の振幅および位相はわかっており、また、地点kにおける放射信号の振幅および位相は測定されうる。当技術分野で十分に理解されるべきであるが、この情報が使用されて、総合伝達関数Ykが計算されうる。
今述べている実施形態では、所与のアレイの総合伝達関数Ykは、音響伝達関数とシステム規定フィルタによって具現化される伝達関数の結合であると考えられうる。アレイ内の所与のスピーカ要素について、音響伝達関数は、入力信号と地点kにおける放射信号との間の比較であり、ここで、入力信号は、フィルタによる処理無しで要素に適用される。すなわち、音響伝達関数は、スピーカ特性、スピーカ格納装置およびスピーカ要素の環境の結果である。
フィルタ、たとえば、入力信号とスピーカ要素との間に配設されるデジタル信号プロセッサで実施される無限インパルス応答(infinite impulse response)(IIR)フィルタは、以下で説明するように、総合伝達関数のシステム選択可能な部分を特徴付ける。本実施形態はIIRフィルタの観点で述べられるが、有限インパルス応答を使用することができることを理解されたい。さらに、適したフィルタは、デジタル回路ではなくアナログ回路によって適用されうる。そのため、本説明は、制限ではなく説明のために提供されることを理解されたい。
システムは、各アレイ内の各ラウドスピーカ要素についてそれぞれのIIRフィルタを含む。各アレイ内で、全てのIIRフィルタは、同じオーディオ入力信号を受け取るが、各フィルタについてのフィルタパラメータは、スピーカ要素が個々にまた選択的に駆動されるように、所望の方法で、伝達関数を選択するかまたは伝達関数を変更するように、選択されるかまたは修正されうる。伝達関数が与えられる場合、伝達関数をもたらすために、IIR、FIRなどのデジタルフィルタまたは他のタイプのデジタルフィルタまたはアナログフィルタを規定する方法を当業者は理解すべきであり、したがって、フィルタ構築の説明は、本明細書で提供されない。
今述べている実施形態では、フィルタ伝達関数は、車両内の予め規定された位置に対するオーディオ信号の放射を最適化する手法によって規定される。すなわち、車室内の各アレイの場所が、上述したように選択され、また、座席乗員の予想される頭部位置、ならびに、オーディオ放射をそこに誘導するかまたはそこで低減することが望まれる車両内の任意の他の位置がわかっている場合、各アレイ内の各要素についてのフィルタ伝達関数が最適化されうる。実施例としてアレイ26を考え、また、図2Aを参照すると、オーディオ放射をそこに誘導することが望まれる方向は、実線矢印で示され、一方、放射をそこで低減することが望まれる方向は点線矢印で示される。特に、矢印261は、乗員58の予想される左耳を指す。矢印262は、乗員70の予想される頭部位置を指す。矢印263は、乗員74の予想される頭部位置を指す。矢印264は、乗員72の予想される頭部位置を指し、矢印265は、近傍反射表面(すなわち、ドア窓)を指す。以下で述べる最適化手法の一実施形態では、近傍反射表面は、それ自体で所望の低放射位置と考えられない。その理由は、所望の低放射座席位置に漏洩したオーディオに対する近傍反射の影響は、それらの座席位置を最適化パラメータとして含むことによって補償されるからである。すなわち、最適化は、オーディオが直接経路によって漏洩しようが、近傍反射によって漏洩しようが、座席位置に対して漏洩したオーディオを低減し、したがって、近傍反射表面を個別に考慮することは不必要である。しかし、別の実施形態では、近傍反射表面は、空間的キューの効率的な使用を抑制しうるため、最適化パラメータとして考えられる。そのため、空間的キューを使用することが望まれる場合、それ自体で近傍反射表面に対する放射を低減するために、近傍反射表面を最適化パラメータとして含むことが望ましい可能性がある。したがって、以下の説明は、最適化パラメータを記述するときに近傍反射表面を含むが、これは、2つの実施形態の間のオプションであることを理解されたい。
最適化手法における第1のステップとして、また、同様に図3Eを参照して、第1のスピーカ要素(好ましくは、1次要素、この例では要素26b)が考えられる。アレイ26内の、また、全ての他のアレイ内の全ての他のスピーカ要素がディセーブルされる。要素26b用の、アレイ回路(たとえば、デジタル信号プロセッサ)96-2内で規定されるIIRフィルタH26bは、単位関数(すなわち、位相偏移が無い単位利得)に初期化される、または、ディセーブルされる。すなわち、IIRフィルタは、システム伝達関数H26bが、入力信号の振幅および位相を変化させることなく、入力オーディオ信号を要素26bに伝達するように初期化される。以下で示すように、H26bは、本実施例では、単位元に維持され、したがって、最適化中でさえも変化しない。しかし、H26bが最適化されうること、さらに、フィルタについての開始点が単位関数である必要がないことを理解されたい。すなわち、システムがフィルタ関数を最適化する場合、フィルタの開始点は変わりうる。ただし、フィルタ伝達関数が許容可能な性能に修正される場合に限る。
マイクロフォンは、乗員58の左耳がそこに予想されるエリア(矢印261で示す)内の複数(たとえば、5つ)の位置に順次設置される。マイクロフォンが各位置にある状態で、要素26bは、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動され、マイクロフォンが、結果得られる放射信号を受け取る。伝達関数は、入力信号の振幅および位相ならびに出力信号の振幅および位相を使用して計算される。伝達関数は、各測定について計算される。
フィルタH26bが単位関数にセットされるため、計算される伝達関数は、5つの測定のそれぞれについての音響伝達関数である。計算される音響伝達関数は、「G0pk」であり、ここで、「0」は、伝達関数が、オーディオ信号をそこへ放射することが望まれるエリア用のものであることを示し、「p」は、伝達関数が1次変換器用のものであることを示し、「k」は測定位置を指す。この実施例では、5つの測定位置kが存在し(任意所望の数の測定が行われてもよいことを理解されたいが)、したがって、測定は、5つの音響伝達関数をもたらす。
マイクロフォンは、その後、乗員70の頭部があることが予想されるエリア(矢印262で示す)内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され、要素26bは、乗員58の左耳位置についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。10の位置が、乗員70の頭部の中心について、10の予想される位置として選択されてもよく、または、乗員70の左耳について5つの予想される位置(たとえば、前に傾斜した頭部、後に傾斜した頭部、左に傾斜した頭部、右に傾斜した頭部および直立した頭部)、および、乗員70の右耳について5つの予想される位置で、測定が行われうる。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、伝達関数が、各測定について計算される。測定される音響伝達関数は「G1pk」であり、ここで、「1」は伝達関数が、所望の低放射エリアに対してであることを示す。
マイクロフォンは、その後、(乗員74の頭部の中心の予想される位置において、または、各耳の5つの予想される位置において10の測定を行うことによる)乗員74の頭部があることが予想されるエリア(矢印263で示す)内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され、要素26bは、乗員58の耳位置についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、伝達関数が、各測定について計算される。測定される音響伝達関数は「G1pk」である。
マイクロフォンは、その後、乗員72の頭部があることが予想されるエリア(矢印264で示す)内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され、要素26bは、乗員58の耳位置についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、伝達関数が、各測定について計算される。測定される音響伝達関数は「G1pk」である。
マイクロフォンは、その後、近傍反射表面(すなわち、前部運転者窓)のエリア(矢印265で示す)内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され、要素26bは、乗員58の耳位置についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、伝達関数が、各測定について計算される。測定される音響伝達関数は「G1pk」である。音響伝達関数はまた、もし存在する場合、任意の他の近傍反射表面について決定されるであろう。
したがって、プロセッサは、5つの音響伝達関数G0pkおよび40の音響伝達関数はG1pkを計算する。
次に、IIRフィルタH26aが単位関数にセットされ、アレイ26内の、また、全ての他のアレイ内の全ての他のスピーカ要素がディセーブルされる。マイクロフォンは、乗員58の左耳がそこに予想される矢印261で示すエリア内の同じ5つの位置に順次設置され、要素26aは、マイクロフォンが5つの位置のそれぞれにあるときの、要素26bの測定中と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。これは、5つの音響伝達関数「G0c(26a)k」を測定し、ここで、「c(26a)」は、音響伝達関数が、2次または打消し要素26aに適用されることを示す。
要素26bについて上述した所望の低放射位置で音響伝達関数を決定するための手法は、同じマイクロフォン位置で要素26aについて繰返され、要素26aについて40の音響伝達関数G1c(26a)kをもたらす。
手法は、要素26cについて繰返され、要素26aおよび26bについて測定されたのと同じマイクロフォン位置について、所望の高放射位置について5つの音響伝達関数G0c(26c)kおよび所望の低放射位置について40の音響伝達関数がもたらされる。
この手法は、45の測定位置kに関して全体のアレイについて135の音響伝達関数をもたらす。所望の放射エリア内の5つの測定位置のそれぞれを考えると、位置エリアkの伝達関数は、
Y0k=G0pkH26b+G0c(26a)kH26a+G0c(26c)kH26c
であり、ここで、G0c(26a)kH26aは、要素26aについて特定の位置kで測定される音響伝達関数にIIRフィルタ伝達関数H26aを乗じた値を指し、G0c(26c)kH26cは、要素26cについて位置kで測定される音響伝達関数にIIRフィルタ伝達関数H26cを乗じた値を指す。
今述べている実施形態では、全ての1次要素フィルタは、単位関数において一定に保持されるが、これは必要ではないこと、および、1次変換器用のフィルタは、2次要素用のフィルタと共に最適化されうることを理解されたい。しかし、この仮定の下で、地点kについての伝達関数は、
Y0k=G0pk+G0c(26a)kH26a+G0c(26c)kH26c
となる。
同じ仮定の下で、所望の低放射エリア内の40の測定位置のそれぞれにおける伝達関数は、
Y1k=G1pk+G1c(26a)kH26a+G1c(26c)kH26c
である。
上記伝達関数は、アレイ26が3つの要素を含むため、3つの項を含む。この説明から明らかになるように、項の数は、アレイ要素の数に依存する。そのため、アレイ27についての対応する伝達関数は、
Y0k=G0pk+G0ckH27a
Y1k=G1pk+G1ckH27a
である。
次に、以下のコスト関数
を考える。
コスト関数は、アレイ27用の伝達関数について規定されるが、同様のコスト関数がアレイ26の伝達関数について規定されうることがこの説明から理解されるべきである。Σ|Y1k|2の項は、各位置における2乗振幅伝達関数の、低放射測定位置にわたる和である。この項は、値を正規化するために、測定位置の数で除される。項は、オーディオ信号の指向性を制御することが望まれる周波数範囲と共に変わる重みWisoで乗ぜられる。この実施例では、Wisoは、6次バタワースバンドパスフィルタである。パスバンドは、それに対して最適化することが望まれる周波数帯であり、通常、ドライバ共振周波数から約6または8kHzまでである。約125Hz〜約4kHzの範囲を超える周波数の場合、Wisoは、ゼロに向かって降下し、その範囲内で1に近づく。スピーカ効率関数Weffは、同様に周波数依存性がある重みである。この実施例では、Weffは、ドライバ共振周波数の周りに中心を持ち、かつ、約1.5オクターブの帯域幅を有する6次バタワースバンドパスフィルタである。Weffは、低周波数における最適化プロセスによる効率低下を防止する。
Σ|Y0k|2の項は、各位置における2乗振幅伝達関数の、10の高放射測定位置にわたる和である。この項はゼロに近づきうるため、逆数値が非ゼロであることを保証するため、重みε(たとえば、0.01)が付加される。項は、値を正規化するために、測定位置の数(この例では、5)で除される。
したがって、コスト関数Jは、正規化された低放射2乗伝達関数を、正規化された高放射2乗伝達関数で除した値に相当する成分からなる。理想的なシステムでは、所望の低放射方向には、漏洩オーディオ信号が存在しないことになり、Jはゼロになることになる。そのため、Jは、所与のアレイについて、漏洩オーディオレベルに正比例し、かつ、所望の放射レベルに反比例する誤差関数である。
次に、コスト関数Jの勾配が、以下のように計算される。
この式は、伝達関数の分解能内の各周波数位置において(たとえば、5Hzごとに)実数部および虚数部について指向性値の系列をもたらす。過剰適合を回避するために、平滑化フィルタが勾配に適用されうる。IIRの実施態様の場合、一定品質係数平滑化フィルタが周波数領域で適用されて、オクターブごとに特徴の数を減少させてもよい。種々の適した平滑化フィルタが使用されてもよいことを理解すべきであるが、勾配結果c(k)は、関数
に従って平滑化されてもよい。ここで、cs(k)は平滑化された勾配であり、kは、伝達関数についてのディスクリートな周波数インデックス(0≦k≦N-1)であり、Wsm(m,i)はゼロ相スペクトル平滑化窓関数である。窓関数は、カットオフ周波数に相当するサンプルインデックスmを有するローパスフィルタである。ディスクリート変数mはkの関数であり、m(k)は、部分オクターブまたは他の不均一周波数平滑化が達成されるような帯域幅関数と考えられうる。平滑化関数は、当技術分野では理解されるべきである。たとえば、Scott G. Norcross, Gilbert A. SoulodreおよびMichel C. Lvoie, Subjective Investigations of Inverse Filtering, 52.10 Audio Engineering Society 1003, 1023(2004)を参照されたい。有限インパルス応答フィルタの実施態様の場合、周波数領域平滑化は、フィルタ長を制限する時間領域の窓として実施されうる。しかし、平滑化関数が必要でないことを理解されたい。
IIRフィルタが因果的であることが望まれる場合、平滑化された勾配系列は、その後、(逆ディスクリートフーリエ変換によって)時間領域に変換され、時間領域窓(たとえば、正の時間について1を、負の時間について0を適用するボックスカー窓)が適用される。結果は、ディスクリートフーリエ変換によって元の周波数領域に変換される。因果性が強制されない場合、アレイ伝達関数は、アレイ要素の全てにオールパスフィルタを後で適用することによって実施されうる。
今述べている実施形態では、フーリエ変換の複素値は、出来る限り大きいが、安定した適用を可能にするのに十分に小さくなるよう、実験的に選択されてもよいステップサイズによって勾配方向に変更される。本実施例では、伝達関数が正規化される場合、0.1ステップが使用される。その後、これらの複素値が使用されて、フィルタH27a用のFIRフィルタについて伝達関数の実数部および虚数部が規定され、当技術分野では十分に理解されるべきであるが、その係数が導出されて、伝達関数が実施される。音響伝達関数G0pk、G0ck、G1pkおよびG1ckがわかっているため、総合伝達関数Y0kおよびY1kならびにコスト関数Jが再計算されうる。新しい勾配が決定され、H27a(または、アレイ26が最適化される場合、H27aおよびH27c)に対するさらなる調整がもたらされる。このプロセスは、コスト関数が変化しなくなるまでか、変化の程度が所定の非ゼロ閾値内に入るまでか、または、コスト関数自体が、所定の閾値、または、所望に応じて他の適した基準を下回るときまで、繰返される。本実施例では、最適化は、20の反復以内で、分離の変化(たとえば、全ての2乗Y1kの和)が0.5dBより小さくなる場合に停止する。
この最適化ステップの終わりに、十分に理解されるべきであるが、FIRフィルタ係数が、最適化ツールを使用してIIRフィルタにフィッティングされる。しかし、最適化は、ディスクリートフーリエ変換の複素値に関して実施されて、IIRフィルタ係数を直接生成してもよいことを理解されたい。IIRフィルタH26aおよびH26cについての係数の最終セットは、ハードドライブまたはフラッシュメモリに格納される。システムの始動(startup)時に、制御回路84は、IIRフィルタ係数を選択し、IIRフィルタ係数をデジタル信号プロセッサ96-4に供給し、デジタル信号プロセッサ96-4は、次に、選択された係数をフィルタH27aにロードする。
このプロセスは、高周波数アレイのそれぞれについて繰返される。各アレイについて、音響伝達関数は、図2Aの実線および点線矢印で示すように、所望の高放射エリアおよび所望の低放射エリア内の複数の位置kについて計算され、結果が最適化されて、所望の性能を達成するために各アレイ内の2次要素に適用するための、フィルタによってもたらされる伝達関数が決定される。先の説明は、説明のために提供される。本説明で概説される手法が修正されうることを理解されたい。たとえば、あるアレイについて全てのマイクロフォン測定を行い、その後、各他のアレイについて全てのマイクロフォン測定を次々と行うのではなく、マイクロフォンは、予想される耳位置に設置され、各アレイの各要素が、次々と駆動されて、所定空間内のその地点kについての全てのアレイ要素について測定値を決定することができる。マイクロフォンは、その後、次の位置に移動され、プロセスが繰返される。さらに、コスト関数および勾配関数を含む上述した最適化手法は、1つの最適化方法を示すが、他の方法を使用することができることを理解されたい。そのため、本明細書で述べる手法は、説明だけのために提示される。
先に示したように、中央アレイ30、48および44がそれぞれ使用されて、2つの座席位置に同時にオーディオが適用される。しかし、これは、アレイ要素についてフィルタ伝達関数を決定するための手法に影響を及ぼさない。図3Fを参照すると、たとえば、アレイ要素30a、30b、30cおよび30dはそれぞれ、それぞれの加算結合部404、408、406および402で結合される2つの信号入力によって駆動される。座席位置18に関するアレイ30の信号を最初に考えると、要素30aが1次要素であり、要素30a、30bおよび30cが2次要素である。そのため、伝達関数HL30a、HL30cおよびHL30bを決定するために、IIRフィルタHL30dは、単位関数にセットされ、全てのアレイの全ての他のスピーカ要素はディセーブルされる。マイクロフォンは、乗員58の右耳がそこに予想されるエリア内の複数(たとえば、5つ)の位置に順次設置され、マイクロフォンが5つの位置のそれぞれにあるとき、要素30dは、同じオーディオ信号によって、同じボリュームで駆動される。G0pk音響伝達関数は、各位置で計算される。マイクロフォンは、その後、図2Aのアレイ30の左側から、点線で示す3つの所望の、低放射エリアの各中の10の位置に移動される。各位置において、低放射音響関数G1pkが決定される。
プロセスは、フィルタ伝達関数HL30a、HL30bおよびHL30cを単位関数に次々にセットしながら、2次要素30a、30bおよび30cについて繰返す。140全ての音響伝達関数を測定した後、結果得られるコスト関数の勾配が、上述したように計算され、フィルタ伝達関数HL30a、HL30bおよびHL30cがしたがって更新される。総合伝達関数および総合コスト関数が再計算され、勾配が再計算される。プロセスは、アレイ最適化についての分離の変化が所定の閾値5dB内に入るまで繰返す。
座席位置20の場合、要素30bが1次要素である。そのため、2次要素についてフィルタ伝達関数HR30a、HR30cおよびHR30dを決定するために、伝達関数HR30bが単位関数に初期化され、全てのアレイ内の全ての他の要素がディセーブルされる。マイクロフォンは、乗員70の左耳がそこで予想される複数(たとえば、5つ)の位置に順次設置され、マイクロフォンが5つの位置のそれぞれにあるとき、要素30bは、同じオーディオ信号によって、同じボリュームで駆動される。音響伝達関数G0pkは、各マイクロフォン位置で計算される。測定は、図2Aのアレイ30の右側から、点線によって示される低放射エリアのそれぞれにおいて、10のマイクロフォン位置で行われる。これらの測定から、低音響伝達関数G1pkが導出される。プロセスは、2次要素30a、30cおよび30dのそれぞれについて繰返す。結果得られる140の伝達関数から、結果得られるコスト関数の勾配が決定され、フィルタ伝達関数HR30a、HR30cおよびHR30dが、したがって更新される。総合伝達関数および総合コスト関数が再計算され、勾配が再計算される。プロセスは、アレイ最適化についての分離の変化が所定の閾値内に入るまで繰返す。
同様の手法は、図3Gおよび3Hに示すように、中央アレイ48および44に適用される。
上述したように、図2Aは、他の高周波数アレイのそれぞれについて、上述した最適化手法でマイクロフォン測定が行われる高放射位置および低放射位置を示す。アレイ28で始めると、高放射方向は、乗員58の左耳に放射され、一方、低放射方向は、乗員70、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳のそれぞれに放射される(各座席乗員70、72および74に対する低放射ラインは単一線として示されるが、単一線は、所与の座席乗員について2つの耳位置のそれぞれにおける低放射位置を表す)。アレイはまた、低放射方向を、近傍反射表面、すなわち、運転者ドア窓に放射するが、先に示したように、近傍反射表面は、最適化において考慮されなくてもよいことが考えられる。図2Aは、2次元図を提示する。しかし、アレイ28は天井に搭載されるため、乗員58の左耳に対する高放射方向は、乗員74に向かう低放射方向と比べてより大きな下向き角度を有することを理解されたい。そのため、図2Aに直接示すのと比べて、これらの方向には大きな相違が存在する。
アレイ27に関して、乗員58の右耳に高放射位置が、また、乗員70、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。
アレイ30によって座席位置18に誘導されるオーディオに関して、乗員58の右耳に高放射位置が、また、乗員70、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。アレイ30によって座席位置20に誘導されるオーディオに関して、乗員70の左耳に高放射位置が、また、乗員58、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。
アレイ34に関して、乗員70の左耳に高放射位置が、また、乗員58、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。
アレイ38に関して、乗員70の右耳に高放射位置が、また、乗員58、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳、ならびに、(任意選択で)近傍反射車両表面-前部乗客側ドア窓に低放射位置が存在する。
アレイ36に関して、乗員70の右耳に高放射位置が、また、乗員58、72および74の予想される頭部位置の左耳および右耳、ならびに、(任意選択で)近傍反射車両表面-前部乗客側部ドア窓に低放射位置が存在する。
アレイ46に関して、乗員72の左耳に高放射位置が、また、乗員58、70および74の予想される頭部位置の左耳および右耳、ならびに、(任意選択で)近傍反射車両表面-後部乗客側部ドア窓に低放射位置が存在する。
アレイ42に関して、乗員72の左耳に高放射位置が、また、乗員58、70および74の予想される頭部位置の左耳および右耳、ならびに、(任意選択で)近傍反射車両表面-後部乗客側部ドア窓および後部ウィンドシールドに低放射位置が存在する。
アレイ48から座席位置22に誘導されるオーディオに関して、乗員72の右耳に高放射位置が、また、乗員58、70および74の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。
アレイ48から座席位置24に誘導されるオーディオに関して、乗員74の左耳に高放射位置が、また、乗員58、70および72の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。
アレイ44から座席位置22に誘導されるオーディオに関して、乗員72の右耳に高放射位置が、また、乗員58、70および74の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。アレイ44から座席位置24に誘導されるオーディオに関して、乗員74の左耳に高放射位置が、また、乗員58、70および72の予想される頭部位置の左耳および右耳に低放射位置が存在する。
アレイ52に関して、乗員74の右耳に高放射位置が、また、乗員58、70および72の予想される頭部位置の左耳および右耳、ならびに、(任意選択で)近傍反射車両表面-後部乗客側部ドア窓に低放射位置が存在する。
アレイ54に関して、乗員74の右耳に高放射位置が、また、乗員58、70および72の予想される頭部位置の左耳および右耳、ならびに、(任意選択で)近傍反射車両表面-後部乗客側部ドア窓に低放射位置が存在する。
システムにおける全てのアレイについての反復的な最適化プロセスが、各アレイ最適化においてコスト関数または分離の振幅変化が停止するか、または、所定の閾値を下回るまで続けられる場合、アレイシステム全体が所望の性能基準を満たす。しかし、アレイの任意の1つまたは複数について、2次要素伝達関数が、コスト関数または分離が所望の閾値内に入ることをもたらさない場合、アレイの位置および/または向きを変更することができ、かつ/または、アレイ内の1つまたは複数の要素の向きを変更することができ、かつ/または、音響要素がアレイに付加されてもよく、最適化プロセスは、影響を受けるアレイについて繰返される。手法は、その後、全てのアレイが所望の基準内に入るまで再開される。
先の説明は、各座席位置に対するオーディオが、その座席位置において3つ全ての他の座席位置から分離されるべきであることを想定する。これは、たとえば、4つ全ての座席位置が占有されており、かつ、各座席位置が異なるオーディオを聴取する場合に望ましい可能性がある。しかし、座席位置18および20だけが占有されている状況、および、2つの座席位置の乗員が異なるオーディオを聴取している場合を考える。座席乗員に対するオーディオが異なるため、座席位置18と座席位置20を互いに対して分離することが望ましいが、座席位置18または20を座席位置22および24のいずれかに関して分離する必要性は存在しない。たとえば、座席位置18用のオーディオを生成するアレイ内の2次音響要素についてのIIRフィルタ伝達関数を決定するときに、座席乗員72および74のそれぞれの頭部位置に対応する低放射位置測定は、最適化から省略されてもよい。そのため、アレイ26についてのフィルタを規定するときに、最適化手法は、矢印263および264で示される低放射エリアについての、行われる測定、したがって、計算される伝達関数をなくす。これは、コスト関数において考慮される伝達関数の数を減らす。最適化に対する制約が少ないため、最適化が最小点に達し、一般に、より良好な分離性能を提供する可能性が高い。座席位置18および20の残りのアレイ用の伝達関数についての最適化は、同様に、座席位置22および24に対応する低放射方向用の伝達関数を省略する。
同様に、4つ全ての座席が占有されているが、座席位置18、22および24の乗員が同じオーディオを聴取し、一方、座席位置20の乗員が異なるオーディオを聴いていると仮定する。座席位置18についての最適化手法は、先の実施例と同じである。座席位置18、22および24の乗員が同じオーディオを聴取するため、これら3つの座席位置の任意の1つのアレイから他の2つの座席位置の任意の座席位置へ漏洩するオーディオに関する懸念が存在しない可能性がある。そのため、これら3つの座席位置の任意の座席位置の最適化は、他の2つの座席位置の低放射位置についての伝達関数を省略する。しかし、座席位置20は、3つ全ての他の座席位置に関して分離される。すなわち、その最適化は、3つ全ての他の座席位置の伝達関数を、所望の低放射エリアとして考える。
要約すると、図2Aに示す高放射エリアおよび低放射エリアが与えられると、所与の座席位置用の所与のアレイについての最適化手法は、他の座席位置が、(a)占有されており、かつ、(b)所与の座席位置と異なるオーディオを受ける場合にだけ、別の座席位置の予想される頭部位置について音響伝達関数を考慮する。他の座席位置が占有されているが、そのオーディオがディセーブルされる場合、その座席位置は、最適化プロセス中に、座席位置へ放射される雑音を低減するために考慮される。換言すれば、ディセーブルされたオーディオは、全ての他のオーディオに共通であると考えられる。近傍反射表面は、最適化において考慮される場合、座席使用または座席位置間のオーディオ共有性によらず考慮される。すなわち、たとえ4つ全ての座席位置が同じオーディオを聴取していても、各位置は、座席位置の任意の近傍反射表面に対して分離される。
別の実施形態では、座席位置間のオーディオの共有性は、最適化パラメータを選択するときに考慮されない。すなわち、座席位置は、同じオーディオを受けるか、または、異なるオーディオを受けるかによらず、占有されている他の座席位置に関して分離される。こうした座席位置間の分離すると、座席位置間の同じオーディオの時間遅延作用を低減することができ、また、以下で説明されるように、車両内会議を容易にすることができる。そのため、この実施形態では、所与の座席位置の所与のアレイについての最適化手法は、他の座席位置が占有されている場合にだけ、別の座席位置の予想される頭部位置について音響伝達関数を考慮する(すなわち、他の座席位置を低放射位置として考える)。
さらに、システムは、オーディオがその間で分離される所定のゾーンを規定してもよい。たとえば、システムは、前部座席位置18および20が互いに対して分離されないが、後部座席位置22および24に関して分離されるゾーンモードを、運転者が(図3Aおよび3Dにおいて、制御回路84への手動入力によって)選択することを可能にしてもよい。逆に、後部座席位置22および24は、互いに対して分離されないが、座席位置18および20に関して分離される。そのため、所与の座席位置の所与のアレイについての最適化手法は、他の座席位置が、所与の座席位置の予め規定されたゾーンの外にある場合、任意選択で、他の座席位置が占有されている場合にだけ、別の座席位置の予想される頭部位置について音響伝達関数を考慮する。前部ゾーン/後部ゾーンが述べられるが、ゾーンは、所望に応じて座席位置グループの任意の構成を含みうる。システムが、複数のゾーン構成で動作する場合、所望のゾーン構成は、制御回路89への手動入力86によって車両内のユーザによって選択されうる。
したがって、所与の座席位置からどの座席位置が分離されるかを判定するための基準は、システムの所望の使用に応じて変わりうることが理解されるであろう。さらに、今述べている実施形態では、オーディオが所与の座席位置で起動される場合、その座席位置は、座席位置自体が占有されているかどうかによらず、こうした基準に従って他の座席位置に関して分離される。
車両内に有限数(図2Aおよび2Bに示す実施例では4つ)の座席位置が存在するため、有限数の考えられる最適化パラメータの組合せが存在する。考えられる各組合せは、4つの座席位置の使用状態、および/または任意選択で、座席位置間のオーディオの共有性または座席位置ゾーン内への座席位置の包含によって規定される。これらのパラメータは、適用可能であるとして、また、考慮される場合、適用可能な近傍反射表面と共に、4つの位置のアレイ内の音響要素についての最適化において考慮される高放射位置および低放射位置を規定する。上述した最適化は、座席位置使用およびオーディオ共有性の考えられる各組合せについて実行され、それにより、各使用/共有性/ゾーンの組合せについて、車両システムの全てのアレイ内の2次要素についてフィルタ伝達関数のセットが生成される。伝達関数のセットは、一意の組合せに相当する識別子に関連してメモリに格納される。
制御回路84(図3B)は、所与の例においてどの組合せが存在するかを判定する。各座席位置の車両座席は、人がその位置に着座したかどうかに応じて、状態を変更するセンサを有する。圧力センサが、現在のところ、自動車前部座席で使用されて、座席の使用が検出され、センサに応答して、前部座席エアバッグが起動されるか、または、停止され、こうした圧力センサはまた、信号処理のどの組合せが適用可能かを判定するために、座席使用を検出するのに使用されてもよい。これらのセンサの出力は、制御回路84に送られ、制御回路84は、それにより、前部座席についての座席使用を判定する。後部座席内に配設される圧力センサの同様のセットは、同じ目的で制御回路84に信号を出力する。そのため、また、各座席位置乗員が、制御回路84を通してオーディオを選択するため、制御回路は、4つ全ての座席の座席使用および4つの座席間のオーディオの共有性を規定する情報を常に有する。始動時に、制御回路84は、そのときに存在する特定の組合せを判定し、その組合せに相当する車両アレイシステムについてのIIRフィルタ係数のセットをメモリから選択し、フィルタ係数をそれぞれのアレイ回路にロードする。制御回路84は、座席センサおよび座席オーディオ選択の状態を定期的にチェックする。最適化の組合せを変更するために、これらの入力の状態が変化する場合、制御回路84は、新しい組合せに相当するフィルタ係数を選択し、したがって、IIRフィルタを更新する。圧力センサが本明細書で述べられるが、これは、例だけのためであること、および、他のデバイス、たとえば、赤外線検出器、超音波検出器または無線周波数検出器あるいは座席使用を検出するための機械的スイッチが使用されてもよいことを理解されたい。
図4Bおよび4Cは、アレイ36についての伝達関数をグラフで示す。図4Bを参照すると、線204は、スピーカ要素36bについて到来するオーディオ信号に対して、そのIIRフィルタによって適用される振幅周波数応答(dB単位)を示す。線206は、スピーカ要素36aに適用される振幅周波数応答を示し、線208は、スピーカ要素36cに適用される振幅周波数応答を示す。図4Cは、各IIRフィルタが、到来するオーディオ信号に適用する位相応答を示す。線210は、要素36bについての信号に適用される位相応答を、周波数の関数として示す。線212は、要素36aに適用される位相偏移を示し、一方、線214は、要素36cに適用される位相偏移を示す。185Hzのブレークポイント周波数を有するハイパスフィルタが、IIRフィルタからスピーカアレイに適用されてもよい。最適化プロセスの結果として、IIRフィルタ伝達関数は、効果的に約4kHzでローパスフィルタを適用する。
当業者なら理解すべきであるが、オーディオアレイは、一般に、バスレベルを超え、かつ、対応する波長が最大アレイ寸法の2分の1である周波数以下の周波数における指向性アレイとして、遠方場で(たとえば、アレイから、最大アレイ寸法の約10倍以上の距離で)効率的に動作しうる。一般に、アレイが指向性モードで駆動される最大周波数は、約1kHz〜2kHz以内であるが、今述べている実施形態では、所与のアレイの指向性性能は、アレイが所与の指向性形状を放射しうるかどうかではなく、アレイが上述した最適化手法を満足させうるかどうかによって規定される。そのため、たとえば、アレイ内の複数の要素が、それにわたって弱め合う干渉によって動作する範囲は、アレイが最適化基準を満たしうるかどうかに依存し、アレイが最適化基準を満たしうるかどうかは、次に、アレイ内の要素の数、要素のサイズ、要素の間隔、高放射および低放射パラメータ、ならびに、アレイの周囲環境に依存し、アレイ内の要素間の間隔に対する直接相関に依存しない。図4で述べるアレイ38に関して、2次要素は、アレイの指向性性能に、約4kHzまで効果的に寄与する。
この周波数範囲を超えると、単一ラウドスピーカ要素は、通常、それ自体で十分に指向性があるため、単一要素は、他の座席位置に対する望ましくない音響漏洩が無い状態で、所望の座席位置の乗員に所望の音響放射を誘導する。1次要素システムフィルタが、最適化プロセスにおいて、単位元に保持されるため、1次スピーカ要素だけが、この範囲を超えて起動される。
本説明は、ここまでで、高周波数スピーカアレイ(すなわち、アレイ26、27、28、34、36、38、42、46、52、54、44、48および30)に的を絞ってきた。約180Hz未満の周波数の場合、各座席位置は、車室内に放射する2要素バスアレイ32、40、50または56を備える。今述べている実施形態では、各バスアレイの要素は、高周波アレイの要素間の分離より著しく長い、約40cmの距離だけ互いから分離される。要素は、たとえば背もたれ内で、聞き手が、他の要素よりも1つの要素に近くになるように、一実施形態ではできる限り近くなるように配設される。示す実施形態では、座席乗員は、2つのバス要素間の距離(たとえば、約40cm)より短い、近くの要素からある距離(たとえば、約10cm)のところにいる。
したがって、今述べている実施形態では、2つのバス要素(32a/32b、40a/40b、50a/50bおよび56a/56b)は、1つのバススピーカが、他のバススピーカ(聞き手から40cm以上のところにある)よりも座席位置乗員に近くなるように、各それぞれの座席位置の背もたれ内に配設される。2つのバススピーカアレイ要素のコーン軸は、一致するかまたは互いに平行であり(この向きはなくてはならないわけではないが)、スピーカは反対方向を向く。一実施形態では、座席乗員に近いスピーカ要素は乗員に向く。この構成は、なくてはならないわけではない、しかし、別の実施形態では、要素は同じ方向を向く。2要素アレイの2つのスピーカのそれぞれからのバスオーディオ信号は、以下で述べる最適化手法によって決定される量だけ、互いから位相がずれる。たとえばアレイから比較的遠い地点で、たとえば座席位置20、22および24においてバスアレイ32を考えると、要素32aおよび32bからのオーディオ信号は打消され、そのため、それらの座席位置における可聴性が低減される。しかし、要素32bは、要素32aに比べて乗員58に近いため、要素32bからのオーディオ信号は、要素32aから放射されたオーディオ信号に比べて、乗員58の予想される頭部位置において強い。そのため、乗員58の予想される頭部位置において、要素32aからの放射は、要素32bからのオーディオ信号を大幅に打消さず、乗員58はこれらの信号を聞くことができる。
上述したように、2つのバス要素は、ある距離だけ分離した一対の点源であると考えられてもよい。観測地点での圧力は、2つの点源からの圧力波の結合である。要素間の距離に比べて大きい、デバイスからの距離にある観測点において、2つの点源のそれぞれから観測点までの距離は、比較的等しく、2つの放射点からの圧力波の振幅はほぼ等しい。一般に、遠方場における2つの点源からの放射は等しいことになる。2つの放射点からの音響エネルギーの振幅がほぼ等しいと仮定すると、2つの放射点からの寄与が結合する方法は、観測点における圧力波の相対位相によって主に決まる。信号が、180°位相がずれていると仮定される場合、信号は、遠方場において打消される傾向がある。しかし、2つの放射点の一方に著しく近い点では、2つの放射点からの圧力波の振幅は等しくなく、また、これらの地点での音圧レベルは、近くの放射点からの音圧レベルによって主に決まる。今述べている実施形態では、2つの離間したバス要素が使用されるが、3つ以上の要素を使用することができること、および、一般に、種々のバス構成を使用することができることを理解されたい。
一実施形態では、バスアレイ要素は、互いに対して180°位相がずれて駆動されるが、分離は、高周波数アレイに関して先に説明した手法と同様の最適化手法によって高められてもよい。図3Aおよび3Iを参照すると、座席位置18およびバスアレイ32に関して、デジタル信号プロセッサ96-3は、それぞれのフィルタ伝達関数H32aおよびH32bを規定し、フィルタ伝達関数H32aおよびH32bはそれぞれ、デジタル信号プロセッサによってもたらされるIIRフィルタに対する係数として規定される。座席乗員58に対して2つの要素のうちの近い方である要素32bは、1次要素であり、一方、要素32aは2次要素である。
最適化を始めるために、伝達関数H32bが単位関数にセットされ、(アレイ31および全ての他のアレイ内の)全ての他のスピーカ要素がディセーブルされる。マイクロフォンは、乗員58の左耳および右耳がそこに予想されるエリア内の複数(たとえば、10)の位置(1つの耳について10のうち5つの位置)に順次設置され、マイクロフォンが10の位置のそれぞれにあるとき、要素30bは、同じオーディオ信号によって、同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、音響伝達関数G0pkが、各マイクロフォン測定について決定される。
マイクロフォンは、その後、乗員70の頭部があることが予想されるエリア内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され(各耳の予想される位置について5つの測定)、要素32bは、乗員58についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、音響伝達関数G1pkが、各測定について決定される。
マイクロフォンは、その後、乗員72(図2A)の頭部があることが予想されるエリア内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され(各耳の予想される位置について5つの測定)、要素32bは、乗員58についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、音響伝達関数G1pkが、各測定について決定される。
マイクロフォンは、その後、乗員74(図2A)の頭部があることが予想されるエリア内の複数(たとえば、10)の位置に順次設置され(各耳の予想される位置について5つの測定)、要素32bは、乗員58についての測定の場合と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。各位置において、マイクロフォンは、放射信号を受け取り、音響伝達関数G1pkが、各測定について決定される。
したがって、10の音響伝達関数G0pkおよび30の音響伝達関数G1pkが計算される。
次に、伝達関数H32aが単位関数にセットされ、他のスピーカ要素および全ての他のアレイがディセーブルされる。マイクロフォンは、乗員58の耳がそこに予想されるエリア内の同じ10の位置に順次設置され、要素32aは、マイクロフォンが10の位置のそれぞれにあるときの、要素32bの測定中と同様に、同じオーディオ信号によって同じボリュームで駆動される。10の音響伝達関数G0ckが計算される。
要素32bについて上述した所望の低放射位置で音響伝達関数を決定するための手法は、同じマイクロフォン位置で要素32aについて繰返され、要素32aについて30の音響伝達関数G1ckをもたらす。
この手法は、40の測定位置に関して全体のアレイについて80の音響伝達関数をもたらす。所望の放射エリア内の10の測定位置のそれぞれを考えると、各位置kの伝達関数は、
Y0k=G0pkH32b+G0ckH32a
である。ここで、G0ckH32aは、要素32aについて特定の位置kで測定される音響伝達関数に、IIRフィルタ伝達関数H32aを乗じた値を指す。1次要素32bの伝達関数H32bは、再び、単位関数に保持される。そのため、この仮定の下で、地点kにおける伝達関数は、
Y0k=G0pk+G0ckH32a
になる。
同じ仮定の下で、所望の低放射エリア内の30の測定位置のそれぞれにおける伝達関数は、
Y1k=G1pk+G1ckH32a
である。
コスト関数Jは、高周波数アレイに関して上述したコスト関数と同様に規定される。コスト関数の勾配は、先に説明したのと同じ方法で計算され、伝達関数の分解能内の各周波数位置において(たとえば、5Hzごとに)実数部および虚数部についてベクトルの系列をもたらす。過剰適合を回避するために、先に説明したのと同じ平滑化フィルタが、勾配に適用されうる。IIRフィルタが因果的であることが望まれる場合、平滑化された勾配系列は、逆ディスクリートフーリエ変換によって時間領域に変換され、先に説明したのと同じ時間領域窓が適用される。結果は、元の周波数領域に変換される。フーリエ変換の複素値は、先に述べたのと同じステップサイズで勾配の方向に変更され、これらの複素値が使用されて、各周波数ステップで、フィルタH32a用のFIRフィルタについて伝達関数の実数部および虚数部が規定される。総合伝達関数および総合コスト関数が再計算され、新しい勾配が決定され、H32aに対するさらなる調整がもたらされる。このプロセスは、コスト関数が変化しなくなるか、または、その変化(または分離の変化)が所定の閾値内に入るまで繰返される。FIRフィルタ係数は、その後、最適化ツールを使用してIIRフィルタにフィッティングされ(十分に理解されるべきである)、フィルタが格納される。
同様に図3Jを参照すると、このプロセスは、バス要素40a、40b、50a、50b、56aおよび56bに相当する伝達関数H40a、H40b、H50a、H50b、H56aおよびH56bをそれぞれ決定するために繰返される。アレイ32についての最適化手法の場合と同様に、1次要素40b、50bおよび56b用の伝達関数H40b、H50bおよびH56bは、単位関数に維持され、最適化手法は、各アレイについて実施されて、伝達関数H40b、H50bおよびH56bをもたらすために、IIRフィルタの係数が決定される。アレイ40についての高放射位置は、座席位置20の乗員70の予想される左および右耳位置であり、一方、低放射位置は、座席位置18の乗員58、座席位置22の乗員72および座席位置24の乗員74の予想される左および右耳位置である。アレイ50についての所望の高放射位置は、座席位置22の乗員72の左および右耳の予想位置からなり、一方、低放射位置は、座席位置18の乗員58、座席位置20の乗員70および座席位置24の乗員74の予想される左および右耳位置である。アレイ56についての所望の高放射位置は、座席位置24の乗員74の左および右耳の予想位置であり、一方、低放射位置は、座席位置18の乗員58、座席位置20の乗員70および座席位置22の乗員72の予想される左および右耳位置である。
バス要素アレイの遠方場打消しから生じる固有の分離がたとえあっても、伝達関数の最適化に基づいて、あるレベルのバスオーディオが、各バスアレイから他の3つの座席位置のそれぞれへ漏洩することが予想されうる。漏洩オーディオはバス周波数で起こるため、任意の他の座席位置からの、任意所与の座席位置において考慮される漏洩オーディオの振幅および位相は、その座席位置の乗員の頭部位置の変動について急速に変化しないことが予想されうる。たとえば、座席位置20の乗員70を考える。バスアレイ32からのある程度のオーディオが座席位置20に漏洩する場合、漏洩オーディオの振幅および位相は、乗員70の頭部の運動の通常予想される範囲内では、急速に変化しないことが予想されうる。本明細書で開示されるシステムの一実施形態では、この特性が使用されて、それぞれの座席位置に対するバスアレイオーディオの分離がさらに高められる。
たとえばバスアレイ40から座席位置18へ漏洩するバスオーディオに関してバスアレイ40を考える。図3Iに示すように、バスアレイ40を駆動する入力信号410はまた、加算結合部414を通してバスアレイ32に誘導される。入力信号410だけがアクティブである、すなわち、全ての高周波数アレイおよび全ての他のバスアレイに対して全ての他の入力信号がゼロであると仮定する。バスアレイ要素の上述した最適化において、伝達関数H32a、H32b、H40aおよびH40bが規定される。すなわち、バスアレイ要素32a/32bおよび40a/40bのそれぞれと、バス要素の各対を共通に駆動するそれぞれの入力信号との間の信号処理が固定される。そのため、この2次最適化のために、アレイ32および40はそれぞれ、単一要素と考えられうる。2次最適化は、信号410が、そこへの唯一の入力信号である共通アレイの要素であるかのように、アレイ40および32を考え、その目的は、座席位置20の座席乗員70の予想される位置にオーディオを誘導し、かつ、座席位置18の座席乗員58の予想される頭部位置に対してオーディオを低減することである。したがって、アレイ40は1次「要素(element)」と考えることができ、一方、アレイ32は2次「要素」である。
この2次最適化の観点から、信号410と、座席位置20の乗員70の予想される頭部位置の地点kとの間の総合伝達関数は、Y0k(2)と呼ばれる。ここで、「0」は、位置kが、オーディオエネルギーをそこに放射することが望まれるエリア内にあることを示す。総合伝達関数Y0k(2)の第1の部分は、信号410と、アレイ40を通して地点kに放射されるオーディオとの間の伝達関数である。信号410と、要素40aおよび40bとの間の伝達関数は固定される(再び、第1の最適化がH40aおよびH40bを決定した)ため、この伝達関数は、固定され、音響伝達関数G0pk(2)になると考えられうる。G0pk(2)は、アレイ40についての第1の最適化の結果において決定された、信号410と、要素40aおよび40bを通した位置kとの間の最終の音響伝達関数またはG0pkH40b+G0ckH40aである。H40bは単位関数であるため、音響伝達関数G0pk(2)は、バスアレイ要素40の最終の最適化によって生成される、
G0pk(2)=G0pk+G0ckH40a
と記述されうる。
総合伝達関数Y0k(2)の第2の部分は、信号410と、アレイ32を通して同じ地点kへ放射されたオーディオとの間の伝達関数である。フィルタG3240が単位関数である場合、信号410と要素32aおよび32bとの間の伝達関数は固定される(再び、第1の最適化がH32aおよびH32bを決定した)ため、この伝達関数は、固定され、音響伝達関数G0ck(2)になると考えられうる。G0ck(2)は、アレイ32についての第1の最適化の結果において決定された、信号410と、要素32aおよび32bを通した位置kとの間の最終の音響伝達関数またはG1pkH32b+G1ckH32aである。H32bは単位関数であるため、音響伝達関数G0ck(2)は、バスアレイ要素32の最終の最適化によって生成される、
G0ck(2)=G1pk+G1ckH32a
と記述されうる。
オールパス関数が、因果性を保証するために、H32aおよびH32bならびに全ての他のバス要素伝達関数に適用されてもよい。
もちろん、入力信号410によって寄与される、アレイ32から座席位置20への放射信号は、システム伝達関数G3240によって影響を受けるため、第2の音響伝達関数G0ck(2)は、システム伝達関数によって修正される。したがって、乗員70の予想される頭部位置の地点kについての総合伝達関数Y0k(2)は、
Y0k(2)=G0pk(2)+G3240G0ck(2)
である。
信号410と、座席位置18の乗員58の予想される頭部位置の地点kとの間の総合伝達関数は、Y1k(2)と呼ばれる。ここで、「1」は、位置kが、オーディオエネルギーの放射をそこに対して低減することが望まれるエリア内にあることを示す。総合伝達関数Y1k(2)の第1の部分は、信号410と、アレイ40を通して地点kに放射されるオーディオとの間の伝達関数である。信号410と、要素40aおよび40bとの間の伝達関数は固定されるため、この伝達関数は、固定され、音響伝達関数G1pk(2)になると考えられうる。G1pk(2)は、アレイ40についての第1の最適化の結果において決定された、信号410と、要素40aおよび40bを通した位置kとの間の最終の音響伝達関数またはG1pkH40b+G1ckH40aである。H40bは単位関数であるため、音響伝達関数G1pk(2)は、バスアレイ要素40の最終の最適化によって生成される、
G1pk(2)=G1pk+G1ckH40a
と記述されうる。
総合伝達関数Y1k(2)の第2の部分は、信号410と、アレイ32を通して同じ地点kへ放射されたオーディオとの間の伝達関数である。フィルタG3240が単位関数である場合、信号410と要素32aおよび32bとの間の伝達関数は固定されるため、この伝達関数は、固定され、音響伝達関数G1ck(2)になると考えられうる。G1ck(2)は、アレイ32についての第1の最適化の結果において決定された、信号410と、要素32aおよび32bを通した位置kとの間の最終の音響伝達関数またはG0pkH32b+G0ckH32aである。H32bは単位関数であるため、音響伝達関数G1ck(2)は、バスアレイ要素32の最終の最適化によって生成される、
G1ck(2)=G0pk+G0ckH32a
と記述されうる。
入力信号410によって寄与される、アレイ32から座席位置18への放射信号は、システム伝達関数G3240によって影響を受けるため、第2の音響伝達関数G1ck(2)は、システム伝達関数によって修正される。したがって、乗員58の予想される頭部位置の地点kについての総合伝達関数Y1k(2)は、
Y1k(2)=G1pk(2)+G3240G1ck(2)
である。
第1の最適化において、乗員58および70の予想される頭部位置において10のマクロフォン測定位置kが存在したため、G0pk(2)、G0ck(2)、G1pk(2)およびG1ck(2)の各既知の10の伝達関数が存在する。コスト関数Jは、上述したコスト関数と同様に規定される。コスト関数の勾配は、先に説明したのと同じ方法で計算され、伝達関数の分解能内の各周波数位置において(たとえば、5Hzごとに)実数部および虚数部について勾配の系列をもたらす。過剰適合を回避するために、先に説明したのと同じ平滑化フィルタが、勾配値に適用されうる。2次の打消し用IIRフィルタGXXXXが因果的であることが望まれる場合、平滑化された勾配系列は、その後、逆ディスクリートフーリエ変換によって時間領域に変換され、先に説明したのと同じ時間領域窓が適用される。結果は、元の周波数領域に変換される。フーリエ変換の複素値は、先に述べたのと同じステップサイズで勾配の方向に変更され、これらの複素値が使用されて、フィルタH32a用のFIRフィルタについて伝達関数の実数部および虚数部が規定される。このプロセスは、コスト関数が変化しなくなるか、または、その変化(または分離の変化)が所定の閾値内に入るまで繰返される。FIRフィルタ係数は、その後、IIRフィルタにフィッティングされ、フィルタが格納される。
別の実施形態では、再び、入力410だけがアクティブであると仮定する。信号410と、アレイ40を通した、座席位置18の乗員58の予想される頭部位置の地点kとの間の総合伝達関数は、バスアレイ要素40の最終の最適化によって生成される、
G1pk(2)=G1pk+G1ckH40a
である。信号410と、アレイ32を通した、座席位置18の乗員58の同じ地点kとの間の総合伝達関数は、バスアレイ要素32の最終の最適化によって生成される、
G1ck(2)=G0pk+G0ckH32a
である。
入力信号410によって寄与される、アレイ32から座席位置18への放射信号は、システム伝達関数G3240によって影響を受けるため、第2の音響伝達関数G1ck(2)は、システム伝達関数によって修正される。したがって、乗員58の予想される頭部位置の地点kについての総合伝達関数Y1k(2)は、
Y1k(2)=G1pk(2)+G3240G1ck(2)
である。G1pk(2)およびG1ck(2)が、地点kで互いに打消すことが望まれる場合、G3240は、180°位相が偏移した、G1pk(2)をG1ck(2)で除した値にセットされてもよい。
いずれの実施形態でも、デジタル信号プロセッサ96-3が、それぞれの方法によって決定される係数によってIIRフィルタG3240を規定する。入力信号410は、デジタル信号プロセッサ96-3に送られ、デジタル信号プロセッサ96-3において、入力信号は、伝達関数G3240によって処理され、加算結合部414において、バスアレイ32を駆動する入力信号412に付加される。したがって、IIRフィルタG3240は、アレイ32を駆動するオーディオ信号に、アレイ40からの予想される漏洩オーディオを打消すように処理されるオーディオ信号を付加し、それにより、座席位置18に関してアレイ40のバスオーディオを分離する傾向がある。
同様の伝達関数G3256が、アレイ32と、バスアレイ56を駆動する座席固有のオーディオ信号処理回路94からの信号との間に、同じ方法で規定される。
同様の伝達関数G3250が、アレイ32と、バスアレイ50を駆動する座席固有のオーディオ信号処理回路92からの信号との間に、同じ方法で規定される。
図3Iおよび3Jに示すように、3つの2次打消し伝達関数のセットは、他の3つのバスアレイのそれぞれについて規定される。各バスアレイについて、3つの2次打消し伝達関数はそれぞれ、そのバスアレイと、他のバスアレイからの放射を打消す傾向がある他のバスアレイのそれぞれの1つに対する入力オーディオ信号との間の伝達関数をもたらす。しかし、他の実施形態では、2次打消しフィルタは、全てのバスアレイの間に設けられなくてもよいことを理解されたい。たとえば、2次打消しフィルタは、アレイ32と40との間、同様にアレイ50と56との間に設けられてもよいが、前部バスアレイと後部バスアレイとの間には設けられなくてもよい。
バス周波数を越えると、任意の他の座席位置からの、任意所与の座席位置において考慮される漏洩オーディオの振幅および位相は、最大約400Hzまで、座席位置の乗員の頭部位置の変動について急速に変化しないと予想されうる。したがって、別の実施形態では、2次打消しフィルタは、各座席位置の高周波数アレイへの入力信号と、各他の座席位置のアレイとの間で規定される。より具体的には、2次打消しフィルタは、図2Aに示す各高周波数アレイと、各他の座席位置のアレイとの間に適用され、そのアレイと他の座席位置の乗員との間で概して位置合わせされる。たとえば、図2Aおよび3Aを参照すると、アレイ26と34との間の打消しフィルタは、回路96-2から上流の信号から、信号処理回路90とアレイ回路98-2との間で信号の加算結合部に適用される。すなわち、アレイ26に印加される信号は、そのアレイの信号処理回路によって処理される前に、2次打消しフィルタによって修正されるように、アレイ34に対する入力信号にも印加される。以下の表は、図2Aに示すアレイの間での2次打消しフィルタの関係を特定する。明確にするために、これらの打消しフィルタは、図に示されない。
高周波数アレイ間の2次打消しフィルタは、各フィルタが、約400Hzのブレークポイント周波数を有する固有のローパスフィルタを有することを除いて、バスアレイ用の打消しフィルタと同じ方法で規定される。Wisoは約1kHzにセットされる。
図3Aおよび3Dを参照すると、オーディオシステムは、オーディオ信号処理回路に結合する複数の信号源76、78および80を含んでもよく、オーディオ信号処理回路は、オーディオ信号源とラウドスピーカアレイとの間に配設される。この回路の1つのコンポーネントは、信号源が結合される先のオーディオ信号処理回路82である。3つのオーディオ信号源が図に示されるが、これは説明だけのためであること、および、任意所望の数の信号源が、図に示すように使用されてもよいことを理解されたい。一実施形態では、制御回路84によって選択可能な、1つの座席位置について独立して選択可能な少なくとも1つの信号源が存在する。たとえば、オーディオ信号源76〜80は、ラジオ受信機のチャネルまたはマルチプルコンパクトディスク(compact disk)(CD)プレーヤのチャネル(または、所望の出力をチャネルに適用するために選択されうる、プレーヤ用の単一チャネル、または、マルチプルCDプレーヤ用のそれぞれのチャネル)、あるいは、高密度コンパクトディスク(DVD)プレーヤチャネルなどの音楽コンテンツ源か、携帯電話回線か、あるいは、運転者58が利用可能か、または、それぞれの座席位置の乗員のいずれかの者が個々に利用可能な手動入力86(たとえば、機械式ノブか、ダイアルか、デジタルキーパッドか、または、スイッチ)を通して制御回路84によって選択可能である信号源の組合せを備えてもよい。
アナログ信号回路82は、座席固有オーディオ信号処理回路88、90、92および94に結合される。座席固有オーディオ信号処理回路88は、アレイ回路96-1、96-2、96-3、96-4および96-5によって指向性ラウドスピーカ28、26、32、27および30にそれぞれ結合する。座席固有オーディオ信号処理回路90は、アレイ回路98-1、98-2、98-3、98-4および98-5によって指向性ラウドスピーカ30、34、40、36および38にそれぞれ結合する。座席固有オーディオ信号処理回路92は、アレイ回路100-1、100-2、100-3、100-4および100-5によって指向性ラウドスピーカ46、42、50、48および44にそれぞれ結合する。座席固有オーディオ信号処理回路94は、アレイ回路102-1、102-2、102-3、102-4および102-5によって指向性ラウドスピーカ48、44、56、52および54にそれぞれ結合する。さらに、各座席固有オーディオ信号処理回路(circuit)は、それぞれのバスアレイ用の信号を、他の3つの座席位置のバスアレイ回路に出力するため、他のバスアレイ回路は、先に説明したように2次打消し伝達関数を適用しうる。それぞれの高周波数アレイ用の信号処理回路とアレイ回路との間の信号はまた、先に説明したように2次打消しフィルタを通して他のアレイ回路に送られるが、これらの接続は、明確にするために、図から省略される。アレイ回路は、それぞれのデジタル信号プロセッサによって実施されてもよいが、今述べている実施形態では、アレイ回路96-1〜96-5、98-1〜98-5、100-1〜100-5および102-1〜102-5は、制御回路84をさらに具現化する共通デジタル信号プロセッサによって具現化される。メモリ、たとえばチップメモリまたは別個の不揮発性メモリは、共通デジタル信号プロセッサに結合される。
明確にするために、1つだけの通信線が、各アレイ回路ブロック96-1〜102-5と、それぞれのラウドスピーカアレイとの間に示される。しかし、各アレイ回路ブロックは、そのアレイ内の各スピーカ要素を独立に駆動することを理解されたい。そのため、アレイ回路ブロックからそれぞれのアレイまでの各通信線は、アレイ内のオーディオ要素の数に相当するある数の通信線を表すものと理解されたい。
動作時、オーディオ信号処理回路82は、オーディオ信号源76〜80からのオーディオを指向性ラウドスピーカ26、27、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54および56に提示する。指向性ラウドスピーカの4つのグループ(i)26/27/28/30/32、(ii)30/34/36/38/40、(iii)42/44/46/48/50および(iv)44/48/52/54/56の任意のグループに提示されるオーディオ信号は、3つの他の指向性ラウドスピーカグループの任意の1つまたは複数のグループに提示されるオーディオ信号と同じであってよく、または、4つのグループのそれぞれに対する信号は、異なるオーディオ信号源からのものであってよい。座席固有オーディオ信号プロセッサ88は、指向性ラウドスピーカ26/27/28/30/32に送信されるオーディオ信号に関する操作を実施する。座席固有オーディオ信号プロセッサ90は、指向性ラウドスピーカ30/34/36/38/40に送信されるオーディオ信号に関する操作を実施する。座席固有オーディオ信号プロセッサ92は、指向性ラウドスピーカ42/44/46/48/50に送信されるオーディオ信号に関する操作を実施する。座席固有オーディオ信号プロセッサ94は、指向性ラウドスピーカ44/48/52/54/56に送信されるオーディオ信号に関する操作を実施する。
座席位置18を参照すると、指向性ラウドスピーカ26、27、28および30に対するオーディオ信号は、モノフォニックであってよく、ステレオフォニック信号の(ラウドスピーカアレイ26および28に対する)左チャネルおよび(ラウドスピーカアレイ27および30に対する)右チャネルであってよく、または、マルチチャネルオーディオ信号の左チャネル/右チャネル/中央チャネル/左サラウンドチャネル/右サラウンドチャネルであってよい。中央チャネルは、左および右チャネルスピーカによって均等位置に設けられてよく、または、空間的キューによって規定されてもよい。同様の信号構成は、他の3つのラウドスピーカグループに適用されうる。そのため、オーディオ信号源76、78および80からの線502、504および505はそれぞれ、システム能力に応じて複数の別個のチャネルを表しうる。手動入力86を通してユーザから受け取られる制御情報に応答して、制御回路84は、508にて、座席位置18、20、22および24の1つまたは複数について所与のオーディオ信号源76〜80を選択する信号を、オーディオ信号処理回路82に送出する。すなわち、信号508は、各座席位置についてどのオーディオ信号源が選択されるかを特定する。各座席位置で異なるオーディオ信号源を選択することも、座席位置の1つまたは複数で共通オーディオ信号源を選択することができる。信号508が、各座席位置についてオーディオ入力線502、504または506のうちの1つを選択すると仮定すると、オーディオ信号処理回路82は、選択された線502、504または506上の5つのチャネルを、適切な座席位置用の座席位置オーディオ信号処理回路88、90、92または94に送る。5つのチャネルは、図3Bに別々に示され、回路82から処理回路88まで延在する。
アレイ回路96-1〜96-5、98-1〜98-5、100-1〜100-5および102-1〜102-5は、先に説明した要素固有伝達関数を個々のアレイ要素に適用する。そのため、アレイ回路プロセッサ(複数可)は、位相偏移、極反転、遅延、減衰および他の信号処理の組合せを適用して、高周波数指向性ラウドスピーカ(たとえば、座席位置18に関するラウドスピーカアレイ26、27、28および30)が、先に説明したように、所望の最適化された性能を達成するようオーディオ信号を放射するようにさせる。
上述したラウドスピーカの指向性の性質は、ラウドスピーカアレイのそれぞれのグループによって各座席位置に放射される音響エネルギーが、他の3つの座席位置に漏洩する、その座席位置のラウドスピーカアレイからの音響エネルギーに比べてアンプリチュードが著しく高く(たとえば、10dB〜20dBの範囲内になる)ことをもたらす。したがって、各座席位置におけるオーディオ放射と、他の座席位置に漏洩するその座席位置からの放射とのアンプリチュードの差は、各座席乗員が、他の座席位置のオーディオからの認識可能な干渉が無い状態で、(制御回路84および手動入力86を通して乗員によって制御された)自分自身の所望のオーディオ源を聴取することができるようなものである。これは、ヘッドホンの必要性がなく、なおかつ、他の座席位置からの好ましくない干渉がない状態で、乗員が、所望のそれぞれのオーディオ信号源を選択し聴取することを可能にする。
オーディオ信号をオーディオ信号源から指向性ラウドスピーカへ経路指定することに加えて、オーディオ信号処理回路82は他の機能を果たしてもよい。たとえば、オーディオ信号源の1つまたは複数に関連するイコライゼーションパターンが存在する場合、オーディオ信号処理回路は、関連するオーディオ信号源(複数可)からのオーディオ信号にイコライゼーションパターンを適用してもよい。
図3Bを参照すると、座席位置18の座席固有オーディオ信号処理回路がより詳細に示された、座席位置18および20の図が示される。他の3つの座席位置の各オーディオ信号処理回路は、図3Bに示すオーディオ信号処理回路と同様であるが、明確にするために、図面には示されないことを理解されたい。
オーディオ信号処理回路82には、座席固有オーディオ信号処理回路88のコンポーネントとして、座席固有イコライゼーション回路104、座席固有動的ボリューム制御回路106、座席固有ボリューム制御回路108、座席固有「他の機能(other function)」回路110および座席固有空間的キュープロセッサ112が結合される。図3Bでは、オーディオ信号処理回路82と座席固有オーディオ信号処理回路88との間の、図3Aおよび3Bの単一信号線は、5つのスピーカアレイのそれぞれについてのそれぞれのチャネルを表す5つの信号線として示される。この通信は、5つのチャネルがその上でインターリーブされる、平行線またはシリアル線を通してもたらされうる。いずれの場合も、適切な位相関係を維持するために、個々の動作は、異なるチャネル間で同期された状態で維持される。動作時、座席固有オーディオ信号処理回路88のイコライザ104、動的ボリューム制御回路106、ボリューム制御回路108、座席固有他の機能回路110(他の信号処理機能、たとえば、クロストーク打消し処理の挿入を含む)および座席固有空間的キュープロセッサ112(以下で説明される)は、オーディオ信号処理回路90、92および94(図3Aおよび3D)とは別に、オーディオ信号処理回路82からのオーディオ信号を処理する。所望である場合、所与の座席位置の全てのアレイに全体的に(globally)適用可能なイコライゼーションパターンは、各座席位置でそれぞれのイコライザ104によって適用されるように、各座席位置について異なってもよい。たとえば、1つの位置の乗員が携帯電話を聴取している場合、イコライゼーションパターンは、音声について適切であってよい。別の座席位置の乗員が音楽を聴取している場合、イコライゼーションパターンは、音楽について適切であってよい。座席固有イコライゼーションはまた、座席位置間に、アレイ構成、環境および伝達関数の差があるため望ましい可能性がある。今述べている実施形態では、イコライゼーション回路104によって適用されるイコライゼーションは、変化せず、音声または音楽について適切なイコライゼーションパターンは、上述したように、オーディオ信号処理回路82によって適用される。
座席固有動的ボリューム制御回路106は、車両の動作状況(速度など)に応答することができ、かつ/または、着座エリアにおいてマイクロフォンなどの音(sound)検出デバイスに応答することができる。動的ボリューム制御のために車両固有状況を適用するための入力デバイスは、全体が114で示される。ボリュームの動的制御のための技法は、それぞれが、参照により本明細書に組込まれる米国特許第4,944,018号および米国特許第5,434,922号に記載される。乗員の座席位置において、各座席乗員に動的ボリューム制御に対するある程度の制御を可能にする回路が設けられてもよい。
図3Bの構成は、各乗員が、各座席位置の手動入力86および制御回路84を通して、ボリューム制御108によって座席位置に適用されるボリュームを制御することができるため、4つの着座位置の乗員が、異なるボリュームでオーディオ素材を聴取することを可能にする。指向性ラウドスピーカの指向性放射パターンは、著しく大きな音響エネルギーが低放射位置よりも高放射位置に放射されることをもたらす。したがって、たとえ他の着座位置に関連する指向性ラウドスピーカが比較的高いボリュームを放射していても、着座位置のそれぞれにおける音響エネルギーは、他の着座位置に関連する指向性ラウドスピーカからではなく、その着座位置に関連する指向性ラウドスピーカから主に到来する。座席固有動的ボリーム制御回路は、着座位置の近くにマイクロフォンがある状態で使用されると、各場所においてより正確なボリュームの動的制御を可能にする。雑音レベル(周囲雑音および座席位置から漏洩するオーディオを含む)が、別の着座位置、たとえば着座位置20に比べて、ある着座位置、たとえば着座位置18において著しく高い場合、着座位置18に関連する動的ボリューム制御は、座席位置20に関連する動的ボリュームよりも大きくボリュームを上げる。
座席位置イコライゼーションは、聴取位置のそれぞれにおける周波数応答の良好なローカル制御を可能にする。イコライゼーションパターンがそこから生じる測定は、個々の着座位置で行われうる。
上述した指向性放射パターンは、側部窓などの近くの反射表面に向かって、減少した量の音響エネルギーが放射される点で、早期反射から生じる周波数応答異常の発生を低減するのに役立ちうる。座席固有他の機能制御回路は、車両オーディオシステム、たとえば、トーン制御、バランスおよびフェードに通常関連する他の機能の座席固有制御を提供しうる。通常単に「バランス(balance)」と呼ばれる左/右バランスは、以下で述べるように、従来のオーディオシステムと比べて、図3Bのシステムにおいて異なるように達成されてもよい。
従来のオーディオシステムの左/右バランスは、ステレオ対の左および右スピーカに供給される信号の相対レベルを変えることによって、通常行われる。しかし、従来のオーディオシステムは、いくつかの理由で、音響イメージの横方向位置決めを制御するという機能が比較的乏しく、その理由の1つは、クロストークの管理が不十分であることである、すなわち、左スピーカからの放射は乗員の右耳に達し、右スピーカからの放射は乗員の左耳に達する。知覚的に、横方向ローカリゼーション(または、より明白に述べると、水平平面内の知覚される角度変位)は、2つの因子に依存する。1つの因子は、「両耳間レベル差(interaural level difference)」(ILD)または「両耳間強度差(interaural intensity difference)」(IID)と呼ばれることがある、2つの耳における音響エネルギーの相対レベルである。別の因子は、2つの耳における音響エネルギーの時間差および位相差(両耳間時間差または「ITD」および両耳間位相差または「IPD」)である。ITDおよびIPDは、知られている方法で数学的に関連付けられ、互いに変換されうるため、用語「ITD」が本明細書で使用される場合はいつも、用語「IPD」もまた、適切な変換を通して適用されうる。ITD、IPD、ILDおよびIIDの空間的キューは、オーディオ信号に応答して放射される音波の、頭部および耳との相互作用から生じる。空間的キューのより詳細な説明は、その全体の開示が参照により本明細書に組込まれる米国特許出願第10/309,395号に提供される。
本明細書の図に示す、バスアレイ以外の指向性ラウドスピーカは、乗員の頭部に比較的近い。これは、聞き手のそれぞれの耳にオーディオを送るときのより大きな独立性を可能にし、それにより、空間的キューの操作を容易にする。
上述したように、各アレイ回路96-1〜96-5、98-1〜98-5、100-1〜100-5および102-1〜102-5は、各スピーカアレイ内の各スピーカ要素を個々に駆動する。したがって、各アレイ回路ブロックから各個々のスピーカ要素までの独立したオーディオ線が存在する。そのため、図3Aを参照すると、たとえば、システムは、前部左アレイ回路96-1からアレイ28の3つのそれぞれのラウドスピーカ要素までの3つの通信線を含むことを理解されたい。同様の構成が、アレイ26、27、32、34、36、38、40、42、44、46、50、52、54および56について存在する。しかし、先に示したように、アレイ30、44および48はそれぞれ、2つの隣接する座席位置に同時に働く。図3Cは、前部座席中央左アレイ回路96-5および前部座席中央右アレイ回路98-1によってアレイ30のラウドスピーカ要素を駆動するための構成を示す。スピーカ要素30a、30b、30cおよび30dはそれぞれ、両方の座席位置18および20に働き、これらのスピーカ要素はそれぞれ、信号結合器116、117、118および119を通して左アレイ回路と右アレイ回路の両方によって駆動される。
同様な構成は、アレイ44および48について設けられる。アレイ48に関して、後部座席前部中央左アレイ回路100-4(図3D)および後部座席前部中央右アレイ回路102-2(図3D)からの信号は、それぞれの加算結合部によって結合され(combine)、ラウドスピーカ要素48a〜48e(図2B)に送られる。アレイ44に関して、後部座席後部中央左アレイ回路100-5および後部座席後部中央右アレイ回路102-4からのそれぞれの信号は、ラウドスピーカ要素44a〜44d用のそれぞれの加算結合部によって結合される。
アレイ26、27、28、30、34、36、38、42、44、46、48および52の2次アレイ要素用の個々のアレイ回路ブロック96-2、96-4、98-2、98-4、100-2、100-5、102-1および102-4における伝達関数は、約4kHzのカットオフ周波数で指向性ラウドスピーカへの信号をローパスフィルタリングしてもよい。バススピーカアレイ用の伝達関数フィルタは、約180Hzのカットオフ周波数を有するローパスフィルタを特徴とする。
なおさらなる実施形態では、図において開示されるシステムは、車両内会議システムとして動作してもよい。図2Aを参照すると、それぞれのマイクロフォン602、604、606および608は、座席位置18、20、22および24にそれぞれ設けられてもよい。図2Aに概略的に示すマイクロフォンは、利用可能な任意の適した位置のそれぞれの座席位置に配設されてもよいことを理解されたい。たとえば、座席位置22および24に関して、マイクロフォン606および608は、座席位置18および20の座席の後部に設置されてもよい。マイクロフォン602および604は、前部ダッシュボードまたはリアビューミラー内に配設されてもよい。一般に、マイクロフォンは、車両天井内張り内か、側部ピラー内か、または、座席位置のラウドスピーカアレイハウジングの一方の中に配設されてもよい。
任意の適したマイクロフォンが使用されてもよいことを理解されたいが、マイクロフォン602、604、606および608は、今述べている実施形態では、圧力勾配マイクロフォンであり、圧力勾配マイクロフォンは、車両内の他の音を阻止しながら、特定の座席からの音を検出する能力を改善する。一部の実施形態では、圧力勾配マイクロフォンは、マイクロフォンによって変換された信号を再生するのに使用されてもよいラウドスピーカが車両内に存在する1つまたは複数の近くの場所に、その指向性パターンのヌルが送られるように向けられてもよい。別の実施形態では、1つまたは複数の指向性マイクロフォンアレイは、2つ以上の座席位置に関して概して中央に配設される。アレイ内のマイクロフォンの出力は、ある所望の方向からアレイ上に入射する音が強調されるように選択的に結合される。所望の方向がわかっており、かつ、固定されるため、一部の実施形態では、アレイは、所望の場所を強調するために、マイクロフォン出力の組合せを固定した状態で設計されうる。他の実施形態では、指向性アレイパターンは、動的に変化してもよく、ヌルパターンは、所望の場所からの情報を受け取ることに依然として集中しながら、車両内の干渉源に向かって操向される。
同様に図3Aを参照すると、各マイクロフォン602、604、606および608は、オーディオ信号処理回路82に入るディスクリート入力線を有するオーディオ信号源76〜80である。そのため、オーディオ信号処理回路82は、特定のマイクロフォン、したがって、発話信号がそこから生じる特定の座席位置を特定しうる。オーディオ信号処理回路82は、各マクロフォンから受け取られる入力信号に相当する出力信号を、発話信号がそこから受け取られる座席位置以外の各座席位置用の座席固有オーディオ信号処理回路88、90、92または94に送るようにプログラムされる。そのため、オーディオ信号処理回路82は、マイクロフォン602から発話信号を受け取ると、対応するオーディオ信号を、座席位置20、22および24に対応する座席固有オーディオ信号処理回路90、92または94にそれぞれ出力する。信号処理回路82は、マイクロフォン604から発話信号を受け取ると、対応するオーディオ信号を、座席位置18、22および24に対応する座席固有オーディオ信号処理回路88、92または94にそれぞれ出力する。信号処理回路82は、マイクロフォン606から発話信号を受け取ると、対応するオーディオ信号を、座席位置18、20および24に対応する座席固有オーディオ信号処理回路88、90または94にそれぞれ出力する。信号処理回路82は、マイクロフォン608から発話信号を受け取ると、対応するオーディオ信号を、座席位置18、20および22に対応する座席固有オーディオ信号処理回路88、90または92にそれぞれ出力する。
さらなる実施形態では、車両乗員(たとえば、運転者または乗客のうちの任意の乗客)は、その乗員の座席位置からの発話がそこに送られる他の座席位置のうちのどれかを(たとえば、制御回路84への入力86を通して)選択しうる。そのため、たとえば、デフォルト設定は、マイクロフォン602からの発話が信号処理回路90、92および94に経路指定されることであるが、運転者58は、入力82を通した適切な指示によって、車両内会議を座席位置20に制限することができ、その場合、発話は、信号処理回路90にだけ経路指定される。全ての乗客がこの能力を有してもよいが、同じ車両内の、異なる乗客のグループ間で異なる会議を同時に行うことが可能である。
今述べている実施形態では、4つの座席位置のそれぞれについてラウドスピーカアレイへの信号を処理する伝達関数フィルタは、オーディオ源の共有性を考慮することなく、他の座席位置が占有されているかどうかに基づいて他の座席位置に関して最適化される。すなわち、オーディオ源の共有性ではなく、座席使用は、所与の座席位置が、他の座席位置に関して分離されているかどうかを判定するための基準である。そのため、発話オーディオ信号処理回路82が、所与の座席位置のマイクロフォンからの発話信号を受け取り、対応するオーディオ信号を各他の占有されている座席位置に出力するとき、発話信号がそこから受け取られる座席位置は、それらの占有されている座席位置のそれぞれから音響的に分離される。たとえば、発話がマイクロフォン602によって検出されるように、座席乗員58が発話する場合、オーディオ信号処理回路82は、対応するオーディオ信号を、座席位置20、22および24を駆動する回路に出力する(一実施形態では、座席位置20、22および24が占有されている場合にだけ)。しかし、座席位置18が占有されているため、座席位置20、22および24の各スピーカアレイは、座席位置18に関して分離される。したがって、また、出力される発話信号を、処理回路82が座席位置18のラウドスピーカアレイに送らないため、マイクロフォン602に起因する信号から生じるラウドスピーカ放射が、好ましくないフィードバックをもたらすのに十分に高いレベルでマイクロフォン602に達することになる可能性が減少する。別の実施形態では、座席使用によらず、入力86および制御回路84を通して選択されてもよい車両会議モードにおいて、全ての座席位置が全ての他の座席位置に関して分離される。
フィードバックループ利得の減少が、本明細書で述べる分離構成によって達成されるため、会議システムは、周波数偏移フィルタおよびプログラマブルノッチフィルタなどの簡略化されたフィードバック低減技法をより効果的に使用してもよい。エコー打消し処理などの他の技法が使用されてもよい。
なおさらなる実施形態では、オーディオ信号処理回路82は、所与の座席位置からのマクロフォン入力に相当するオーディオ信号を、同じ座席位置のラウドスピーカアレイに、しかし、かなりの減衰状態で、実際に出力する。減衰された再生は、電話側トーン技法の場合と同様に、自分の発話が聞こえるということを話者に確認させるため、話者は、自分の発話のボリュームを好ましくないほどに上げないが、再生信号の減衰は、座席位置マイクロフォンにおける好ましくないフィードバックの可能性を依然として低減する。
他のオーディオ信号源が、自分の座席位置にオーディオ信号を同時に供給するかどうかによらず、オーディオ信号処理回路82は、種々の座席位置に発話オーディオを出力する。すなわち、会話は、他のオーディオ信号源の動作と共に、車両内会議システムを通して起こってもよいが、(入力82を通してユーザによって起動されようが、マイクロフォンの作動によって自動的に起動されようが)車両会議モードにあるとき、システムは、他のオーディオ源のボリュームを自動的に低減しうる。
なお別の実施形態では、オーディオ信号処理回路82は、各聴取位置の1つまたは複数のスピーカアレイを選択的に駆動して、マイクロフォンオーディオに関連する指向性キューを提供する。すなわち、オーディオ信号処理回路は、その座席位置の乗員が、発話信号がそこから生じる座席位置の乗員と概して位置合わせされる状態で向けられている、音を受ける各聴取位置の1つまたは複数のラウドスピーカアレイに、発話出力信号を適用する。
たとえば、マイクロフォン602を通して発話信号が座席位置18の乗員58から生じると仮定する。座席位置20に関して、オーディオ信号処理回路82は、対応するオーディオ信号をアレイ回路98-1および98-2だけに対して供給する。そのため、乗員70は、結果得られる発話オーディオを、話者、乗員58のおおよその方向から受ける。図3Dを参照すると、オーディオ信号処理回路82はまた、対応する発話オーディオ信号を、座席位置22のアレイ46用のアレイ回路100-1および座席位置24のアレイ48用のアレイ回路100-2に出力し、それにより、これらの座席位置のそれぞれで適切な音響イメージを提供する。
座席位置20の乗員70から生じる発話信号に関して、オーディオ信号処理回路82は、対応するオーディオ信号を、座席位置18のアレイ27および30用のアレイ回路96-4および96-5、座席位置22のアレイ46用のアレイ回路100-4、ならびに、座席位置24のアレイ54用のアレイ回路102-5に供給する。
マイクロフォン606を通して座席位置22の乗員72から生じる発話信号に関して、オーディオ信号処理回路82は、対応するオーディオ信号を、座席位置18のアレイ26用のアレイ回路96-2、座席位置20のアレイ34用のアレイ回路98-2、ならびに、座席位置24のアレイ44および48用のアレイ回路102-1および102-2に供給する。
マイクロフォン608を通して座席位置24の乗員74から生じる発話信号に関して、オーディオ信号処理回路82は、対応するオーディオ信号を、座席位置18のアレイ27用のアレイ回路96-4、座席位置20のアレイ36用のアレイ回路98-4、ならびに、座席位置22のアレイ48および44用のアレイ回路100-4および100-5に供給する。
別法としてまたは付加的に、同様な音響イメージは、空間的キューDSP112を通して空間的キューを適用することによって規定されてもよい。音響イメージを提供するための空間的キューの規定は、当技術分野で十分に理解されるべきであり、したがって、本明細書ではさらには説明されない。
本発明の1つまたは複数の実施形態が上述されたが、本発明の任意のまた全ての等価な実現形態が本発明の範囲および精神内に含まれることを理解されたい。そのため、本明細書で提示される実施形態は、例だけのためであり、本発明の制限として意図されない。したがって、任意のまた全てのこうした実施形態は、添付特許請求の範囲内に入るように、本発明に含まれることが考えられる。
18、20、22、24・・・座席位置
26、27、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56・・・指向性ラウドスピーカアレイ
26a、26b、26c、27a、27b、28a、28b、28c、30a、30b、30c、30d、32a、32b、34a、34b、36a、36b、36c、38a、38b、38c、42a、42b、42c、40a、40b、42a、42b、42c、44a、44b、44c、44d、46a、46b、46c、48a、48b、48c、48d、48e、50a、50b、52a、52b、52c、54a、54b、54c、56a、56b・・・音響要素
76、78、80・・・オーディオ信号源
58、70、72、74・・・座席搭乗者
82・・・オーディオ信号処理回路
84、89・・・制御回路
86・・・手動入力
88、90・・・座席固有オーディオ信号処理回路
96-1・・・前部左アレイ回路
96-2・・・運転者座席左アレイ回路
96-3・・・前部左バスアレイ回路、デジタル信号プロセッサ
96-4・・・運転者座席右アレイ回路、デジタル信号プロセッサ
96-5・・・前部座席中央左アレイ回路
98-1・・・前部座席中央右アレイ回路
98-2・・・乗客座席左アレイ回路
98-3・・・前部右バスアレイ回路
98-4・・・乗客座席右アレイ回路
98-5・・・前部右アレイ回路
92、94・・・座席固有オーディオ信号処理回路
100-1・・・後部座席前部左アレイ回路
110-2・・・後部座席後部左アレイ回路
100-3・・・後部左バスアレイ回路
100-4・・・後部座席前部中央アレイ回路
100-5・・・後部座席後部中央アレイ回路
102-1・・・後部座席後部中央右アレイ回路
102-2・・・後部座席前部中央右アレイ回路
102-3・・・後部右バスアレイ回路
102-4・・・後部座席後部右アレイ回路
102-5・・・後部座席前部右アレイ回路
104・・・座席固有イコライゼーション回路
106・・・座席固有動的ボリューム制御回路
108、110、112、116、117、118、119・・・信号結合器
114・・・車両状況入力
402、404、406、408、414・・・加算結合部
410・・・入力信号
602、604、606、608・・・マイクロフォン

Claims (54)

  1. 聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを設け動作させる方法であって、
    (a)少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップと、
    (b)前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射するスピーカ要素の少なくとも1つのアレイを、複数の前記聴取位置のそれぞれに設けるステップであって、前記少なくとも1つのアレイの前記スピーカ要素は、それぞれの前記スピーカ要素から放射される前記出力音響エネルギーが弱め合うように干渉し、それにより、前記少なくとも1つのアレイからの指向性オーディオ放射が規定されるように、互いに対して配設される、ステップと、
    (c)前記少なくとも1つの信号源と、前記複数の聴取位置の第1の聴取位置の第1の前記アレイ内の前記スピーカ要素の少なくとも1つとの間にフィルタを設けるステップであって、前記フィルタは、前記少なくとも1つの信号源から前記少なくとも1つのスピーカ要素への前記オーディオ信号を処理する、ステップと、
    (d)前記第1のアレイから第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と比較して、前記第1のアレイから前記複数の聴取位置の少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅を、前記フィルタが減少させるように、前記フィルタを最適化するステップとを具備することを特徴とする方法。
  2. 前記複数の聴取位置の各聴取位置に前記第1のアレイを設けるステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の聴取位置の各聴取位置に複数の前記第1のアレイを設けるステップを具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のアレイは、第1の前記スピーカアレイおよび少なくとも1つの第2の前記スピーカ要素からなり、ステップ(c)は、前記少なくとも1つの信号源と、各前記第2のスピーカ要素との間に前記フィルタを設けるステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(d)は、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と比較して、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置に近い音響反射表面へ放射される音響エネルギーの振幅を、前記フィルタが減少させるように、前記フィルタを最適化するステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(d)は、
    (d1)第1の前記出力音響エネルギーを放射するために、前記第1のアレイ内の前記スピーカ要素のそれぞれを駆動するステップと、
    (d2)前記第1の聴取位置および前記少なくとも1つの他の聴取位置において、前記第1の出力音響信号を検出するステップと、
    (d3)前記第1の聴取位置で検出される前記第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間で第1の伝達関数を決定するステップと、
    (d4)前記少なくとも1つの他の聴取位置で検出される前記第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間で第2の伝達関数を決定するステップと、
    (d5)前記第1の伝達関数を前記第2の伝達関数と比較するコスト関数を計算するステップと、
    (d6)前記コスト関数の減少に向かう方向を規定する前記コスト関数の勾配を決定するステップと、
    (d7)前記方向に応じて前記フィルタを修正するステップと、
    (d8)ステップ(c5)が所定の基準を満たすまで、ステップ(d1)〜(d7)を繰返すステップとを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が存在するかどうかを検出するステップ(e)と、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイについて、前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出されないときに、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために前記フィルタについて第1の係数のセットを選択するステップ、および、
    前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出される場合、前記フィルタについて第2の係数のセットを選択するステップを備えるステップ(f)とを具備し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記第1のアレイから前記少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅の比が、前記第1の係数のセットが選択されるときに比べて、前記第2の係数のセットが選択されるときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイが、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイによって受け取られる前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号と同じかまたは異なる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号を受け取るかどうかを検出するステップ(e)と、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイについて、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と同じであるときに、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために前記フィルタについて第1の係数のセットを選択するステップ、および、
    前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と異なる場合、前記フィルタについて第2の係数のセットを選択するステップを備えるステップ(f)とを具備し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記第1のアレイから前記少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅の比が、前記第1の係数のセットが選択されるときに比べて、前記第2の係数のセットが選択されるときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  9. 少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が存在するかどうかを検出するステップ(e)を具備するとともに、
    前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイが、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイによって受け取られる前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号と同じかまたは異なる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号を受け取るかどうかを検出するステップ(f)を具備し、
    前記第1の聴取位置の前記第1のアレイについて、前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出されないときで、かつ、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と同じであるときに、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために前記フィルタについて第1の係数のセットを選択するステップ、および、
    前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出される場合、または、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と異なる場合、前記フィルタについて第2の係数のセットを選択するステップを備えるステップ(g)を具備し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記第1のアレイから前記少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅の比が、前記第1の係数のセットが選択されるときに比べて、前記第2の係数のセットが選択されるときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  10. 前記複数の聴取位置は車両内にあり、各聴取位置は前記車両内の座席位置であり、ステップ(a)は、前記車両内に前記少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップを具備する請求項1に記載の方法。
  11. 聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを設け動作させる方法であって、
    (a)少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップと、
    (b)前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射するスピーカ要素の少なくとも1つのアレイを、複数の前記聴取位置のそれぞれに設けるステップと、
    (c)前記複数の聴取位置の各第1の聴取位置の第1の前記少なくとも1つのアレイにおいて、前記少なくとも1つの信号源と、前記第1のアレイ内の前記スピーカ要素の少なくとも1つとの間に、前記少なくとも1つの信号源から前記少なくとも1つのスピーカ要素への第1の前記オーディオ信号をフィルタリングする第1のフィルタを設けるステップと、
    (d)前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と比較して、前記第1のアレイから前記複数の聴取位置の少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅を、前記第1のフィルタが減少させるように、前記第1のフィルタを最適化するステップと、
    (e)各第1の聴取位置の前記第1のアレイと前記複数の聴取位置の第2の前記聴取位置の第2の前記少なくとも1つのアレイとの間で、前記第1のオーディオ信号と前記第2のアレイとの間に第2のフィルタを設けるステップであって、それにより、前記第2のアレイが、前記第1のフィルタと独立に前記第2のフィルタを通して前記第1のオーディオ信号を受け取り、応答して、音響エネルギーを放射する、ステップと、
    (f)前記第1のオーディオ信号に応答して、前記第2のアレイによって前記第2の聴取位置に放射される音響エネルギーが、前記第1のオーディオ信号に応答して、前記第1のアレイによって前記第2の聴取位置に放射される音響エネルギーと弱め合うように干渉するよう、前記第2のフィルタが前記第1のオーディオ信号を処理するように前記第2のフィルタを選択するステップとを具備することを特徴とする方法。
  12. ステップ(f)は、前記第1のオーディオ信号に応答して、前記第1のアレイおよび前記第2のアレイによって前記第2の聴取位置に放射される、結合された音響エネルギーの振幅を減少させるように前記第2のフィルタを特徴付ける伝達関数を最適化するステップを具備することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記複数の聴取位置は車両内にあり、各聴取位置は車両内の座席位置であり、ステップ(a)は、前記車両内に前記少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップを具備する請求項11に記載の方法。
  14. 聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを設け動作させる方法であって、
    (a)少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップと、
    (b)前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射するスピーカを、複数の前記聴取位置のそれぞれに設けるステップであって、第1の前記聴取位置の第1の前記スピーカは、第1の前記オーディオ信号を受信する、ステップと、
    (c)第2の前記聴取位置の第2の前記スピーカに前記第1のオーディオ信号を供給するステップであって、それにより、前記第2のスピーカが、前記第1のオーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射する、ステップと、
    (d)前記第1のスピーカと独立に前記第2のスピーカに供給される前記第1のオーディオ信号をフィルタリングするステップであって、それにより、前記第1のオーディオ信号に応答して、前記第2のスピーカによって前記第2の聴取位置に放射される音響エネルギーは、前記第1のオーディオ信号に応答して、前記第1のスピーカによって前記第2の聴取位置に放射される音響エネルギーと弱め合うように干渉する、ステップとを具備することを特徴とする方法。
  15. ステップ(d)は、前記第1のオーディオ信号に応答して、前記第1のスピーカおよび前記第2のスピーカによって前記第2の聴取位置に放射される、結合された音響エネルギーの振幅を減少させるように前記フィルタを特徴付ける伝達関数を最適化するステップを具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. ステップ(d)は、
    (d1)前記第1のオーディオ信号と前記第1のスピーカによって前記第2の聴取位置に放射される出力音響エネルギーとの間の第1の伝達関数を決定するステップと、
    (d2)前記第1のオーディオ信号と前記第2のスピーカによって前記第2の聴取位置に放射される出力音響エネルギーとの間の第2の伝達関数を決定するステップと、
    (d3)前記第1の伝達関数と前記第2の伝達関数との比に相当する第3の伝達関数を決定するステップと、
    (d4)前記フィルタが、前記第3の伝達関数に関して振幅が相当しかつ位相がずれた関数に従って、前記第2のスピーカに供給される前記第1のオーディオ信号を処理するように、前記フィルタを特徴付ける前記伝達関数を規定するステップとを具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. ステップ(d4)で規定される前記伝達関数は、ステップ(d3)で決定される前記伝達関数に関して約180°だけ位相がずれることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 座席位置を有する車両用のオーディオシステムであって、
    少なくとも1つのオーディオ信号源と、
    複数の前記座席位置の第1の前記座席位置に配置されたスピーカ要素の第1のアレイであって、第1の前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射する、アレイと、
    前記複数の前記座席位置の第2の座席位置に配置されたスピーカ要素の第2のアレイであって、第2の前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射する、アレイと、
    前記オーディオ信号源と前記第2のアレイとの間のフィルタであって、前記第1のオーディオ信号を処理し、フィルタの出力を前記第2のアレイに適用し、それにより、フィルタによって処理された前記第1のオーディオ信号の出力に応答して前記第2のアレイによって前記第2の座席位置に放射される音響エネルギーと、前記第1のオーディオ信号に応答して前記第1のアレイによって前記第2の座席位置に放射される音響エネルギーの結合された振幅が、前記第1のオーディオ信号に応答して前記第1のアレイによって前記第2の座席位置に放射される音響エネルギーより小さくなる、フィルタとを備えることを特徴とするオーディオシステム。
  19. 前記フィルタを特徴付ける伝達関数は、音響エネルギーの結合された振幅を減少させるように最適化されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  20. 前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記第2の振幅と前記第1の振幅の比が、前記第1の係数のセットを前記フィルタが実装するときに比べて、前記第2の係数のセットを前記フィルタが実装するときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  21. 前記比は、前記少なくとも1つの他の座席位置で検出される、前記第1のアレイによって放射される前記音響エネルギーと前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数と、前記第1の座席位置で検出される、前記第1のアレイによって放射される前記音響エネルギーと前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数の比であることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
  22. 座席位置を有する車両用のオーディオシステムであって、
    少なくとも1つのオーディオ信号源と、
    複数の前記座席位置のそれぞれに搭載され、前記少なくとも1つの信号源に結合され、それにより、前記オーディオ信号がそれぞれの指向性ラウドスピーカアレイを駆動して、音響エネルギーが放射される、それぞれの指向性ラウドスピーカアレイと、
    前記第1の座席位置以外の前記複数の座席位置の少なくとも1つの座席位置の前記指向性ラウドスピーカアレイによって受け取られる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号と同じかまたは異なる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号を、第1の座席位置の第1の前記指向性ラウドスピーカアレイが受け取るかどうかを検出する回路と、
    前記少なくとも1つの信号源と前記第1のアレイとの間のフィルタであって、前記少なくとも1つの信号源から前記第1のアレイへの前記オーディオ信号を処理し、それにより、前記第1のアレイは、第1の振幅を有する音響エネルギーを、前記第1の座席位置へ指向性を持って放射し、第2の振幅を有する音響エネルギーを、前記少なくとも1つの他の座席位置へ指向性を持って放射する、フィルタとを備えるとともに、
    前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られるオーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の座席位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と同じであることを、前記前記回路が検出するとき、前記フィルタは、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために第1の係数のセットを実装し、かつ、
    前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られるオーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の座席位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と異なることを、前記前記回路が検出する場合、前記フィルタは、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために第2の係数のセットを実装し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記第2の振幅と前記第1の振幅の比が、前記第1の係数のセットを前記フィルタが実装するときに比べて、前記第2の係数のセットを前記フィルタが実装するときに低くなるように予め決められることを特徴とするオーディオシステム。
  23. 前記比は、前記少なくとも1つの他の座席位置で検出される、前記第1のアレイによって放射される音響エネルギーと前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数と、前記第1の座席位置で検出される、前記第1のアレイによって放射される音響エネルギーと前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数の比であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
  24. 前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が存在するかどうかを検出するステップ(e)と、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイについて、前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出されないときに、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために前記フィルタについて第1の係数のセットを選択するステップ、および、
    前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出される場合、前記フィルタについて第2の係数のセットを選択するステップを備えるステップ(f)とを具備し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記少なくとも1つの他の聴取位置で検出される第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの他の信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数と、前記第1の聴取位置で検出される前記第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数の比が、前記第1の係数のセットが選択されるときに比べて、前記第2の係数のセットが選択されるときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイが、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイによって受け取られる前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号と同じかまたは異なる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号を受け取るかどうかを検出するステップ(e)と、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイについて、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と同じであるときに、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために前記フィルタについて第1の係数のセットを選択するステップ、および、
    前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と異なる場合、前記フィルタについて第2の係数のセットを選択するステップを備えるステップ(f)とを具備し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記少なくとも1つの他の聴取位置で検出される第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの他の信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数と、前記第1の聴取位置で検出される前記第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数の比が、前記第1の係数のセットが選択されるときに比べて、前記第2の係数のセットが選択されるときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が存在するかどうかを検出するステップ(e)を具備するとともに、
    前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイが、前記第1の聴取位置の前記第1のアレイによって受け取られる前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号と同じかまたは異なる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号を受け取るかどうかを検出するステップ(f)を具備し、
    前記第1の聴取位置の前記第1のアレイについて、前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出されないときで、かつ、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と同じであるときに、前記第1のアレイへのオーディオ信号を処理するために前記フィルタについて第1の係数のセットを選択するステップ、および、
    前記少なくとも1つの他の聴取位置において乗員が検出される場合、または、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号が、前記少なくとも1つの他の聴取位置の前記少なくとも1つのアレイによって受け取られる前記オーディオ信号と異なる場合、前記フィルタについて第2の係数のセットを選択するステップを備えるステップ(g)を具備し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記少なくとも1つの他の聴取位置で検出される第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの他の信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数と、前記第1の聴取位置で検出される前記第1の出力音響エネルギーと、前記少なくとも1つの信号源からの前記オーディオ信号との間の伝達関数の比が、前記第1の係数のセットが選択されるときに比べて、前記第2の係数のセットが選択されるときに低くなるように予め決められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  27. 聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを設け動作させる方法であって、
    (a)少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップと、
    (b)前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射するスピーカ要素の少なくとも1つのアレイを、複数の前記聴取位置のそれぞれに設けるステップであって、前記少なくとも1つのアレイの前記スピーカ要素は、それぞれの前記スピーカ要素から放射される前記出力音響エネルギーが弱め合うように干渉し、それにより、前記少なくとも1つのアレイからの指向性オーディオ放射が規定されるように、互いに対して配設される、ステップと、
    (c)前記少なくとも1つの信号源と、前記複数の聴取位置の第1の聴取位置の第1の前記アレイ内の前記スピーカ要素の少なくとも1つとの間にフィルタを設けるステップであって、前記フィルタは、前記少なくとも1つの信号源から前記少なくとも1つのスピーカ要素への前記オーディオ信号を処理し、それにより、前記フィルタは、前記複数の聴取位置の1つまたは複数へ放射される前記出力音響エネルギーに前記オーディオ信号を関連付ける伝達関数に寄与する、ステップと、
    (d)前記オーディオ信号と、前記第1の聴取位置以外の前記複数の聴取位置の少なくとも1つの聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数と、前記オーディオ信号と、前記第1の聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数の比が、音響分離のための所定の基準を満たすように、前記少なくとも1つのスピーカ要素へのオーディオ信号を処理するために、前記フィルタについて係数のセットを選択するステップとを具備することを特徴とする方法。
  28. 前記比は、前記オーディオ信号と、前記複数の聴取位置の各他の聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数と、前記オーディオ信号と、前記第1の聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数の比であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 前記複数の聴取位置の各聴取位置に前記第1のアレイを設けるステップを具備することを特徴とする請求項27に記載の方法。
  30. 前記少なくとも1つの信号源と各第1の前記アレイ内の各スピーカ要素との間に前記フィルタを設けるステップを具備することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記複数の聴取位置の各聴取位置に複数の前記第1のアレイを設けるステップを具備する請求項30に記載の方法。
  32. 前記伝達関数は、前記オーディオ信号の振幅と前記複数の聴取位置の1つまたは複数に放射される前記音響エネルギーの振幅との比を包含し、前記比は、前記オーディオ信号の前記振幅と前記複数の聴取位置の1つまたは複数に放射される前記前記音響エネルギーの振幅との比であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  33. 前記比は、前記オーディオ信号の前記振幅の2乗と、前記複数の聴取位置の1つまたは複数に放射される前記前記音響エネルギーの振幅の2乗の比であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 前記所定の基準は最低レベルであることを特徴とする請求項33に記載の方法。
  35. 座席位置を有する車両用のオーディオシステムであって、
    少なくとも1つのオーディオ信号源と、
    複数の前記座席位置のそれぞれにおいて、前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射するスピーカ要素の少なくとも1つのアレイであって、少なくとも1つのアレイの前記スピーカ要素は、それぞれの前記スピーカ要素から放射される前記出力音響エネルギーが弱め合うように干渉し、それにより、少なくとも1つのアレイからの指向性オーディオ放射が規定しされるように、互いに対して配設される、アレイと、
    前記少なくとも1つの信号源と前記複数の座席位置の第1の座席位置の第1の前記アレイ内の前記スピーカ要素の少なくとも1つとの間のフィルタであって、前記少なくとも1つの信号源から前記少なくとも1つのスピーカ要素への前記オーディオ信号を処理し、それにより、前記複数の座席位置の1つまたは複数へ放射される前記出力音響エネルギーに前記オーディオ信号を関連付ける伝達関数に寄与する、フィルタとを備え、かつ、
    前記オーディオ信号と、前記第1の座席位置以外の前記複数の座席位置の少なくとも1つの座席位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数と、前記オーディオ信号と、前記第1の座席位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数の比が、音響分離のための所定の基準を満たすように、前記少なくとも1つのスピーカ要素へのオーディオ信号を処理するために、前記フィルタは係数のセットを実装することを特徴とするシステム。
  36. 前記比は、前記オーディオ信号と、前記複数の座席位置の各他の座席位置に対して前記少なくとも1つのスピーカ要素によって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数と、前記オーディオ信号と、前記第1の座席位置に対して前記少なくとも1つのスピーカ要素によって放射される前記出力音響エネルギーとの間の前記伝達関数の比であることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
  37. 前記複数の座席位置の各座席位置に前記第1のアレイを備えることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
  38. 前記少なくとも1つの信号源と各第1の前記アレイ内の各スピーカ要素との間に前記フィルタを備えることを特徴とする請求項37に記載のシステム。
  39. 前記複数の座席位置の各座席位置に複数の前記第1のアレイを備えることを特徴とする請求項38に記載のシステム。
  40. 前記伝達関数は、前記オーディオ信号の振幅と前記複数の座席位置の1つまたは複数に放射される前記音響エネルギーの振幅との比を包含し、前記比は、前記オーディオ信号の前記振幅と前記複数の座席位置の1つまたは複数に放射される前記前記音響エネルギーの振幅との比であることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
  41. 聴取位置にオーディオ放射を供給するオーディオシステムを設け動作させる方法であって、
    (a)少なくとも1つのオーディオ信号源を設けるステップと、
    (b)前記オーディオ信号を受け取り、応答して、出力音響エネルギーを放射するスピーカ要素の少なくとも1つのアレイを、複数の前記聴取位置のそれぞれに設けるステップであって、前記少なくとも1つのアレイの前記スピーカ要素は、それぞれの前記スピーカ要素から放射される前記出力音響エネルギーが弱め合うように干渉し、それにより、前記少なくとも1つのアレイからの指向性オーディオ放射が規定されるように、互いに対して配設される、ステップと、
    (c)前記少なくとも1つの信号源と、前記複数の聴取位置の第1の聴取位置の第1の前記アレイ内の前記スピーカ要素の少なくとも1つとの間にフィルタを設けるステップであって、前記フィルタは、前記少なくとも1つの信号源から前記少なくとも1つのスピーカ要素への前記オーディオ信号を処理する、ステップと、
    (d)前記第1の聴取位置以外の前記複数の聴取位置の少なくとも1つの聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーの振幅と、前記第1の聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーの振幅の比が、音響分離のための所定の基準を満たすように、前記少なくとも1つのスピーカ要素へのオーディオ信号を処理するために、前記フィルタについて係数のセットを選択するステップとを具備することを特徴とする方法。
  42. 前記比は、前記第1の聴取位置以外の前記複数の聴取位置の各聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーの振幅と、前記第1の聴取位置に対して前記少なくとも1つのアレイによって放射される前記出力音響エネルギーの振幅の比であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
  43. 前記複数の聴取位置の各聴取位置に前記第1のアレイを設けるステップを具備することを特徴とする請求項41に記載の方法。
  44. 前記少なくとも1つの信号源と各第1の前記アレイ内の各スピーカ要素との間に前記フィルタを設けるステップを具備することを特徴とする請求項43に記載の方法。
  45. 前記複数の聴取位置の各聴取位置に複数の前記第1のアレイを設けるステップを具備することを特徴とする請求項44に記載の方法。
  46. 前記比は、前記オーディオ信号の前記振幅の2乗および前記少なくとも1つの他の聴取位置に対して前記少なくとも1つのスピーカ要素によって放射される前記出力前記音響エネルギーの振幅の2乗および前記第1の聴取位置に対して前記少なくとも1つのスピーカ要素によって放射される前記出力前記音響エネルギーの振幅の2乗の比であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
  47. 前記所定の基準は最低レベルであることを特徴とする請求項46に記載の方法。
  48. 座席位置を有する車両用のオーディオシステムであって、
    少なくとも1つのオーディオ信号源と、
    複数の前記座席位置に搭載され、また、前記少なくとも1つの信号源に結合され、それにより、前記オーディオ信号が、それぞれの指向性ラウドスピーカアレイを駆動して、音響エネルギーが放射される、それぞれの指向性ラウドスピーカと、
    前記複数の座席位置の各座席位置と通信し、それにより、前記複数の座席位置の第1の座席位置および前記第1の座席位置以外の前記座席位置の少なくとも1つにおいて乗員が存在するかどうかを検出するセンサと、
    前記少なくとも1つの信号源と前記第1の座席位置の第1の前記指向性ラウドスピーカとの間のフィルタであって、前記少なくとも1つの信号源から前記第1のアレイへの前記オーディオ信号を処理し、それにより、前記第1のアレイは、第1の振幅を有する音響エネルギーを、前記第1の座席位置へ指向性を持って放射し、第2の振幅を有する音響エネルギーを、前記少なくとも1つの他の座席位置へ指向性を持って放射する、フィルタとを備え、
    前記フィルタは、前記少なくとも1つの他の座席位置において前記センサが乗員を検出しないときに、前記第1のアレイへの前記オーディオ信号を処理するために第1の係数のセットを実装し、かつ、
    前記フィルタは、前記少なくとも1つの他の座席位置において前記センサが乗員を検出する場合、前記第1のアレイへの前記オーディオ信号を処理するために第2の係数のセットを実装し、前記第1の係数のセットおよび前記第2の係数のセットは、前記少なくとも1つの他の座席位置と前記第1の座席位置との間の音響分離が、前記第1の係数のセットを前記フィルタが実装するときに比べて、前記第2の係数のセットを前記フィルタが実装するときに大きくなるように予め決められることを特徴とするオーディオシステム。
  49. 複数の前記係数のセットは予め決められ、各セットは、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と比較して、前記第1のアレイから前記複数の聴取位置の他の聴取位置のそれぞれのグループへ放射される音響エネルギーの振幅を、前記フィルタが減少させるように、最適化され、複数の前記他の聴取位置において乗員が存在することを前記センサが検出するとき、前記第2の係数のセットは、乗員がそこに存在することを前記センサが検出する他の聴取位置の前記それぞれのグループに対して前記第1のアレイから放射される前記音響エネルギーの振幅を減少させるように最適化された係数のセットであることを特徴とする請求項48に記載のシステム。
  50. 前記第1の座席位置の第1の前記指向性ラウドスピーカアレイが、前記第1の座席位置以外の前記少なくとも1つの座席位置の前記指向性ラウドスピーカアレイによって受け取られる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号と同じかまたは異なる、前記少なくとも1つの信号源からのオーディオ信号を受け取るかどうかを検出する回路を備えるとともに、
    複数の前記係数のセットは予め決められ、各セットは、前記第1のアレイから前記第1の聴取位置へ放射される音響エネルギーの振幅と比較して、前記第1のアレイから前記複数の聴取位置の他の聴取位置のそれぞれのグループへ放射される音響エネルギーの振幅を、前記フィルタが減少させるように選択され、かつ、
    乗員がそこに存在することを前記センサが検出する、または、前記少なくとも1つのアレイがそこで受け取る、1つまたは複数の他の聴取位置について、前記回路が検出するオーディオ信号は、前記第1のアレイによって前記オーディオ源から受け取られる前記オーディオ信号と異なり、前記第2の係数のセットは、前記1つまたは複数の聴取位置に対して前記第1のアレイから放射される前記音響エネルギーの振幅を減少させるように選択される前記係数のセットであることを特徴とする請求項48に記載のシステム。
  51. 前記第1の座席位置の前記それぞれの指向性アレイから前記少なくとも1つの他の前記座席位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅は、前記フィルタが前記第2の係数のセットを実装すると、所定の周波数範囲にわたって、前記それぞれの指向性ラウドスピーカから前記第1の座席位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅より少なくとも約10dB低いことを特徴とする請求項48に記載のシステム。
  52. 前記第1の座席位置の前記それぞれの指向性アレイから前記少なくとも1つの他の前記座席位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅は、前記フィルタが前記第2の係数のセットを実装すると、所定の周波数範囲にわたって、前記それぞれの指向性ラウドスピーカから前記第1の座席位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅より少なくとも約15dB低いことを特徴とする請求項48に記載のシステム。
  53. 前記第1の聴取位置の前記それぞれの指向性アレイから各少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅は、所定の周波数範囲にわたって、前記第1の聴取位置の前記それぞれの指向性ラウドスピーカから前記第1の聴取位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅より少なくとも約10dB低いことを特徴とする請求項27に記載のシステム。
  54. 前記第1の聴取位置の前記それぞれの指向性アレイから各少なくとも1つの他の聴取位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅は、所定の周波数範囲にわたって、前記第1の聴取位置の前記それぞれの指向性ラウドスピーカから前記第1の聴取位置へ放射される前記音響エネルギーの振幅より少なくとも約15dB低いことを特徴とする請求項27に記載のシステム。
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