JP2010528656A5 - - Google Patents

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本発明はタンパク質変異体のライブラリーを提供する方法であって、
所望の試験における所望の性質(例えば、物理的性質)の範囲にわたる複数のタンパク質変異体を試験し、
前記所望の試験における好ましい結果に関係する前記所望の性質の範囲内で最適条件を同定し、
前記所望の性質の範囲の最適条件内で複数のタンパク質変異体を提供し、それにより前記所望の試験における好ましい結果を有するメンバーを多く有するタンパク質変異体のライブラリーを提供する
ことを含む方法を提供する。幾つかの好ましい実施態様においては、好ましい結果が所望の試験において見られる最大値の少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、95%より大きい値に相当する。さらなる実施態様においてはさらに所望の試験において、複数のタンパク質変異体及び野生型タンパク質を試験する段階を含む方法を含む。さらなる実施態様において、改善される結果を有するようなタンパク質変異体を同定する段階を含み、野生型タンパク質が所望の試験において1.0値を達成し、改善される結果を有するタンパク質変異体が1.0より大きい値を達成することを特徴とする方法である。幾つかの好ましい実施態様において、性能指標=試験性能/野生型性能である。幾つかの特に好ましい実施態様においては、タンパク質は酵素である。幾つかのさらに好ましい実施態様においては、酵素はプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ポリエステラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ又はオキシダーゼである。幾つかのさらなる実施態様においては、タンパク質が抗体、又はホルモン又はサイトカイン(例えば、成長因子)である。幾つかの好ましい実施態様においては、プロテアーゼが中性メタロプロテアーゼである。幾つかの特に好ましい実施態様においては、親プロテアーゼが中性メタロプロテアーゼの野生型成熟形態である。さらなる好ましい実施態様においては、変異体はバシルス(Bacillaceae)科の中性メタロプロテアーゼ由来である。他の実施態様においては、変異体はバシルス(Bacillus)属の中性メタロプロテアーゼ由来である。幾つかの他の実施態様においては、プロテアーゼはセリンプロテアーゼである。特に好ましい実施態様においては、親プロテアーゼはセリンプロテアーゼの野生型成熟形態である。さらなる好ましい実施態様においては、変異体はミクロコッカス亜目(Suborder Micrococcineae)のセリンプロテアーゼ由来である。さらに実施態様においては、変異体はセルロモナス(Cellulomonas)属のセリンプロテアーゼ由来である。さらなる実施態様においては、所望の性質は野生型酵素に比較した電荷である。幾つかの特に好ましい実施態様においては、所望の性質はゼータ電位である。幾つかの追加的な好ましい実施態様においては、所望の試験は洗浄性能に関するものである。幾つかの特に好ましい実施態様においては、洗浄性能は洗剤における血液、牛乳、インク(BMI)洗浄性能を含む。幾つかの実施態様においては、洗浄性能は5と12の間のpHを有する粉状又は液状洗剤へ構成される洗浄組成物において試験される。さらなる実施態様においては、塩基性pHを有する冷水液体洗剤中で試験される。幾つかの別の実施態様においては、所望の試験は基質結合測定、及び/又は酵素阻害測定、及び/又は発現レベル測定、及び/又は洗剤安定性測定、及び/又は熱安定性測定、及び/又は反応速度測定、及び/又は反応進行度測定、及び/又は熱活性測定を含む。
また、本発明は基質汚れに特異的な酵素変異体を生産する方法であって、
標準緩衝液における基質汚れのゼータ電位を決定し、
前記標準緩衝液における親酵素のゼータ電位を決定し、及び
変異体酵素のゼータ電位が前記親酵素の前記ゼータ電位より前記基質汚れのゼータ電位に近くなるように、前記親酵素にアミノ酸置換を導入することにより基質汚れに特異的な酵素産することを含む方法である。
本発明はタンパク質変異体のライブラリーを提供する方法であって、
a)少なくとも一つの所望の試験における少なくとも一つの所望の性質の範囲にわたる複数のタンパク質変異体を試験し、
b)前記少なくとも一つの所望の試験における好ましい結果に関係する前記所望の性質の範囲内で最適条件を同定し、
c)前記所望の性質の範囲の最適条件内で複数のタンパク質変異体を提供し、それにより前記少なくとも一つの所望の試験における好ましい結果を有するメンバーを多く有するタンパク質変異体のライブラリーを提供する
ことを特徴とする方法を提供する。幾つかの実施態様においては、所望の性質が物理的性質である。さらに、幾つかの実施態様においては、好ましい結果が所望の試験に観察される最大値の少なくとも約50%より大きい値に相当する。さらなる実施態様においては、好ましい結果が所望の試験に観察される最大値の少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%、95%より大きい値に相当する。幾つかのさらなる実施態様においては、さらに
d)少なくとも一つの所望の試験において、前記複数のタンパク質変異体及び少なくとも一つの野生型タンパク質を試験する段階を含む方法である。幾つかのさらなる実施態様においては、改善される結果を有するような前記タンパク質変異体を同定する段階をさらに含み、野生型タンパク質が少なくとも一つ所望の試験において1.0の性能指標値を有し、前記改善される結果を有するタンパク質変異体が1.0より大きい値であることを特徴とすることを含む方法である。幾つかの実施態様においては、タンパク質が抗体、ホルモン、又はサイトカインである。幾つかの好ましい実施態様においては、タンパク質が酵素である。幾つかの特に好ましい実施態様においては、酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ポリエステラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、オキシダーゼ、又はトランスフェラーゼである。幾つかのより好ましい実施態様においては、プロテアーゼが中性メタロプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼである。幾つかのさらなる好ましい実施態様においては、前記セリンプロテアーゼがスブチリシンである。幾つかの別の好ましい実施態様においては、前記中性メタロプロテアーゼがバシルス(Bacillaceae)科のメンバーから得られる。幾つかのさらなる実施態様においては、セリンプロテアーゼがセルロモナス(Cellulomonas)属のメンバーから得られる。幾つかの追加的な実施態様においては、前記酵素がセルラーゼである一方、他の実施態様においては、前記酵素がアミラーゼである。幾つかのさらなる実施態様においては、所望の性質が電荷である。幾つかの追加的な実施態様においては、タンパク質変異体及び野生型酵素の前記電荷が決定され及び比較される。幾つかのさらなる実施態様においては、前記所望の性質がゼータ電位である。幾つかのまたさらなる実施態様においては、前記タンパク質変異体及び前記野生型酵素の前記ゼータ電位が決定され及び比較される。幾つかの好ましい実施態様においては、前記タンパク質変異体の前記ゼータ電位が約−40mVと約+40mVの間である一方、他の実施態様においては、前記タンパク質変異体の前記ゼータ電位が約−20mVと約+20mVの間であり、またさらなる実施態様においては、前記タンパク質変異体の前記ゼータ電位が約−10mVと約+10mVの間である。幾つかのさらなる実施態様においては、所望の試験が洗浄性能を含む。幾つかの好ましい実施態様においては、前記洗浄性能が血液、牛乳、インク洗浄性能を含む。幾つかのさらなる実施態様においては、前記タンパク質変異体及び野生型タンパク質が洗剤組成物において試験される。幾つかの好ましい実施態様においては、前記洗剤組成物が約5と約12.0の間のpHを有する粉状又は液状洗剤へ構成される。幾つかのさらなる好ましい実施態様においては、前記洗浄性能が塩基性pHを有する冷水液体洗剤中で試験されることを特徴とする。幾つかの別の実施態様においては、前記洗浄性能が温水洗剤中で試験される。幾つかの好ましい実施態様においては、少なくとも一つの所望の試験が基質結合、酵素阻害、発現レベル、洗剤安定性、熱安定性、反応速度、反応進行度、熱活性、デンプン液状化、バイオマス分解、及び/又は糖化を測定することを含む。
正規分布は所定の反応条件(pH、導電率、塩のタイプ、洗剤キレーター等)下、各基質汚れ対して特徴的である。種々の利点又は好ましい結果は多様な折りたたみ由来の酵素にわたって維持される物理的性質を有する正規分布に従う。たとえるなら、ASP及びNprE電荷ラダーに関する発現レベルとゼータ電位の場合である。正規分布において、ピーク値は平均値に位置する。共通のゼータ電位スケールでの酵素及び基質電荷の比較により、平均酵素ゼータ電位、この場合−9.68mV、が、同じ条件下で測定される基質汚れゼータ電位、この場合−8.97mV、と実質的に適合する時、最適BMI性能が生じることが明らかとなる。
表14−1は糖化反応の過程を通してPCS基質電荷をゼータ電位として表示し、負として2倍近くになった。理論に束縛されず、正味電荷増加に関して多くの説明があり、リグニン濃縮、この基質の非反応部分、並びに非生産的結合又はセルラーゼ及び他のタンパク質全体のファウリングを含むが、これらに限定されない。実施例8(酵素と基質分配)におけるBMI微小布見本活性からわかるように、性能(例えば、反応進行度及び反応速度)に関する最適酵素ゼータ電位あり、それは反応媒体条件下基質ゼータ電位と適合する。異なるバイオマス前処理が初期基質電荷に非常に影響してよい。反応過程を通して酵素又は基質が不適合なゼータ電位ならば、酵素‐基質相互作用はもはや最適でないであろう。この効果は10mV付近の電荷について飛躍的であり、それはバイオマス変換に関する例である。

Claims (32)

  1. タンパク質変異体のライブラリーを提供する方法であって、
    a)少なくとも一つの所望の試験における少なくとも一つの所望の性質の範囲にわたる複数のタンパク質変異体を試験し、
    b)前記少なくとも一つの所望の試験における好ましい結果に関係する前記所望の性質の範囲内で最適条件を同定し、
    c)前記所望の性質の範囲の最適条件内で複数のタンパク質変異体を提供し、それにより、前記少なくとも一つの所望の試験における前記好ましい結果を有するメンバーを多く有するタンパク質変異体のライブラリーを提供すること
    を含み、
    前記所望の性質がゼータ電位であり、
    前記タンパク質が酵素であり、前記酵素がプロテアーゼ又はアミラーゼであり、
    前記少なくとも一つの所望の試験が洗浄性能、基質結合、酵素阻害、発現レベル、洗剤安定性、熱安定性、反応速度、反応進行度、熱活性、デンプン液状化、バイオマス分解、及び/又は糖化を測定することを含むことを特徴とする、前記方法。
  2. 前記好ましい結果が前記所望の試験に観察される最大値の少なくとも50%より大きい値に相当することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記好ましい結果が前記所望の試験に観察される最大値の少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%より大きい値に相当することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. さらに
    d)前記少なくとも一つの所望の試験において、前記複数のタンパク質変異体及び少なくとも一つの野生型タンパク質を試験する段階を含む請求項1に記載の方法。
  5. 改善される結果を有するような前記タンパク質変異体を同定する段階をさらに含み、野生型タンパク質が前記少なくとも一つ所望の試験において1.0の性能指標値を達成し、前記改善される結果を有するタンパク質変異体が1.0より大きい値で達成することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記プロテアーゼが中性メタロプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記セリンプロテアーゼがスブチリシンであることを特徴とする請求項に記載の方法。
  8. 前記中性メタロプロテアーゼがバシルス(Bacillaceae)科のメンバーから得られることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記セリンプロテアーゼがセルロモナス(Cellulomonas)属のメンバーから得られることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記酵素がアミラーゼであることを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 前記タンパク質変異体及び前記野生型酵素の前記ゼータ電位が決定され及び比較されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  12. 前記タンパク質変異体の前記ゼータ電位が−40mVと+40mVの間であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  13. 前記タンパク質変異体の前記ゼータ電位が−20mVと+20mVの間であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  14. 前記タンパク質変異体の前記ゼータ電位が−10mVと+10mVの間であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  15. 前記所望の試験が洗浄性能を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  16. 前記洗浄性能が血液、牛乳、インク洗浄性能を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記タンパク質変異体及び野生型タンパク質が洗剤組成物において試験されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記洗剤組成物が5と12の間のpHを有する粉状又は液状洗剤へ構成されることを特徴とする請求項17の方法。
  19. 前記洗浄性能が塩基性pHを有する冷水液体洗剤中で試験されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  20. 前記洗浄性能が温水洗剤中で試験されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  21. 前記少なくとも一つの所望の試験が基質結合、酵素阻害、発現レベル、洗剤安定性、熱安定性、反応速度、反応進行度、熱活性、デンプン液状化、バイオマス分解、及び/又は糖化を測定することを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  22. 基質汚れに特異的な酵素変異体を生産する方法であって
    a)標準緩衝液において基質汚れのゼータ電位を決定し、
    b)前記標準緩衝液において親酵素のゼータ電位を決定し、及び
    c)前記基質汚れに特異的な酵素変異体の前記ゼータ電位が前記親酵素の前記ゼータ電位より前記基質汚れのゼータ電位に近くなるように、前記親酵素に少なくとも一つのアミノ酸修飾を導入することにより基質汚れに特異的な酵素変異体を生産することを含む方法。
  23. 前記修飾が少なくとも一つのアミノ酸置換、欠損及び/又は挿入を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記修飾が前記親酵素の化学的修飾を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  25. 前記基質汚れに特異的な酵素変異体が正に荷電し、吸熱性であり、及び前記基質汚れが負に荷電することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  26. 前記基質汚れに特異的な酵素変異体が負に荷電し、発熱性であり、及び前記基質汚れが負に荷電することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  27. 前記基質汚れに特異的な酵素変異体が正に荷電し、発熱性であり、及び前記基質汚れが正に荷電することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  28. 前記基質汚れに特異的な酵素変異体が負に荷電し、吸熱性であり、及び前記基質汚れが正に荷電することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  29. 複数の汚れを洗浄するための組成物を生産する方法であって
    a)標準緩衝液において前記複数の汚れのそれぞれのゼータ電位を決定し、
    b)前記標準緩衝液において少なくとも一つの前記複数の汚れのゼータ電位と実質的に等しいゼータ電位を有する洗浄酵素を選択し、
    c)複数の汚れを洗浄するための組成物を生産し、前記組成物がb)段階にて選択される少なくとも一つの洗浄酵素を含むことを特徴とする
    ことを含む方法。
  30. 前記組成物が前記標準緩衝液と実質的に同じpH及び導電率を有する洗剤溶液を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記選択段階が2以上の洗浄酵素を同定することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  32. 前記組成物が少なくとも二つの洗浄酵素を含み、前記少なくとも二つの洗浄酵素が少なくとも二つの前記複数の汚れの前記ゼータ電位に相当するゼータ電位を有することを特徴とする請求項29に記載の方法。
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