JP2003512012A - 洗剤組成物に用いられるプロテアーゼ変異体のスクリーニング法 - Google Patents

洗剤組成物に用いられるプロテアーゼ変異体のスクリーニング法

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JP2003512012A JP2000578476A JP2000578476A JP2003512012A JP 2003512012 A JP2003512012 A JP 2003512012A JP 2000578476 A JP2000578476 A JP 2000578476A JP 2000578476 A JP2000578476 A JP 2000578476A JP 2003512012 A JP2003512012 A JP 2003512012A
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    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/52Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from bacteria or Archaea
    • C12N9/54Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from bacteria or Archaea bacteria being Bacillus

Abstract

(57)【要約】 洗剤で用いるプロテアーゼ変異体のスクリーニング法を提供する。この方法は、プロテアーゼ変異体の置換の正味の電荷およびプロテアーゼ変異体の吸着特性に関する。また、この方法によってスクリーニングされたプロテアーゼ変異体を含んでなる洗剤組成物も包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、プロテアーゼ変異体、特に多置換プロテアーゼ変異体をスクリーニ
ングし、洗剤組成物で有効なクリーニング性能を提供するプロテアーゼ変異体を
選択する方法に関する。
【0002】 背景技術 酵素、特にプロテアーゼ酵素は、洗剤組成物のクリーニング能力についての洗
剤組成物のよく見られる成分となってきている。
【0003】 しかしながら、研究者らは、消費者の要求に応えて一層有効なプロテアーゼ酵
素を開発するための試みを継続している。
【0004】 洗剤組成物および/または洗剤系で用いるためのプロテアーゼ変異体のスクリ
ーニングでよく見られる問題点は、プロテアーゼ変異体を用いることができる洗
剤組成物が様々であるなどの洗浄条件が多岐にわたることである。例えば、異な
る地域で用いられる洗剤系(洗浄水に含まれる洗剤成分)は、洗浄水に含まれる
それぞれの洗剤成分の濃度が異なる。例えば、欧州での洗剤系は、洗浄水に含ま
れる洗剤成分が典型的には約4500ppm〜約5000ppmである。一方、日本に
おける洗剤系は、洗浄水に含まれる洗剤成分が典型的には約667ppmである。
ところが、北米、特に米国では、洗剤系は、洗浄水に含まれる洗剤成分が典型的
には約975ppmである。
【0005】 様々な地域における洗剤濃度の問題に加えて、様々な地域では、最も一般的に
用いられている菌株の種類、洗浄を行う温度、水の硬度なども異なっている。
【0006】 世界中の洗剤系が複雑であるという観点から、洗剤成分、特に酵素、更に具体
的にはプロテアーゼ酵素を選択するためのスクリーニング法が必要とされる。
【0007】 プロテアーゼ酵素、特に洗剤組成物で効果的に行われるプロテアーゼ変異体を
スクリーニングし、選択するための通常の方法は、試行錯誤を包含していた。こ
れらの方法は時間がかかり、コスト高になり、ほとんど役に立たなかった。
【0008】 従って、一層予想能力が高くかつ時間がかからずコストが安いプロテアーゼ変
異体をスクリーニングする方法が必要とされている。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、プロテアーゼ変異体、特に多置換プロテアーゼ変異体をスクリーニ
ングし、様々な洗浄条件下(すなわち、低、中および/または高洗剤濃度系)で
効果的に実行するための方法を提供することによって、上記要求を満足する。
【0010】 驚くべきことに、プロテアーゼ変異体で行った置換の正味の電荷および/また
はプロテアーゼ変異体の吸着活性に基づくスクリーニング法により、様々な洗剤
系で良好に行われるプロテアーゼ変異体をスクリーニングしかつ選択するための
効果的で時間的に効率的で比較的廉価な方法が提供されることを本出願人らは見
出した。
【0011】 本発明の一つの態様によれば、洗剤系で用いるプロテアーゼ変異体のスクリー
ニング法であって、 a) 1個以上のアミノ酸残基置換を有する1種類以上のプロテアーゼ変異体
を用意し、 b) 上記プロテアーゼ変異体の上記1個以上の置換の正味の電荷を計算し、 c) 必要に応じて、プロテアーゼ変異体の1個以上の置換の正味の電荷に基
づく低、中および/または高洗剤濃度系で用いるための1種類以上のプロテアー
ゼ変異体を選択する ことを特徴とする方法が提供される。
【0012】 本発明のもう一つの態様によれば、上記のスクリーニング法によって選択され
たプロテアーゼ変異体および界面活性剤を含んでなる洗剤組成物が提供される。
【0013】 本発明の更にもう一つの態様によれば、洗剤系で用いるプロテアーゼ変異体の
スクリーニング法であって、 a) 1個以上のアミノ酸残基置換を有する1種類以上のプロテアーゼ変異体
を用意し、 b) 上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を洗剤系に加え、 c) 上記洗剤系の上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の表面、好ましくは
ナイロン膜への吸着特性を測定し、 ここで、段階c)は必要に応じて、 i)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の酵素活性の初期量を測定し、 ii)上記プロテアーゼ変異体をナイロン膜を介して濾過し、 iii)上記ナイロン膜を介して濾過した上記1種類以上のプロテアーゼ変異体
の酵素活性の量を測定し、 iv)段階i)と段階iii)との間の量の差を測定することによって、上記ナイ
ロン膜に吸着した上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の酵素活性の損失量を測
定し、 v)酵素活性の損失量を上記ナイロン膜に吸着した酵素の割合に転換し、 vi)必要に応じて、上記膜に吸着した酵素の割合が約16%であり、好ましく
は約20%〜約65%であり、更に好ましくは約60%までである上記1種類以
上のプロテアーゼ変異体を選択し、上記洗剤系で使用する ことをも含んでなる方法が提供される。
【0014】 本発明に更にもう一つの態様によれば、上記のスクリーニング法によって選択
されたプロテアーゼ変異体および界面活性剤を含んでなる洗剤組成物が提供され
る。
【0015】 これらおよび他の目的、特徴および利点は、下記の詳細な説明、例、および特
許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0016】 従って、本発明は、洗剤組成物および/または洗剤系で用いられるプロテアー
ゼ変異体をスクリーニングするための有効な方法、および洗剤組成物および/ま
たは洗剤系で用いられるプロテアーゼ変異体をスクリーニングするための効率的
方法を提供する。
【0017】 本明細書における総ての百分率、比および割合は、特に断らない限り重量によ
るものである。本明細書に引用される総ての文書の内容は、その開示の一部とし
て本明細書に引用される。
【0018】
【発明の具体的な説明】
本発明は、世界中に存在する様々な洗剤系で用いられるプロテアーゼ変異体の
スクリーニング法に関する。
【0019】 上記のように、日本における洗剤系は、洗浄水に含まれる洗剤成分が800pp
m未満であるので、低洗剤濃度系と考えられる。欧州における洗剤系は、洗浄水
に含まれる洗剤成分が2000ppmを上回るので、高洗剤濃度系と考えられる。
北米、特に米国の洗剤系は、洗浄水に含まれる洗剤成分が約800ppm〜200
0ppmであるので、中低洗剤濃度系と考えられる。
【0020】 ラテンアメリカにおける洗剤系は、典型的には高起泡性リン酸ビルダー洗剤系
であり、一般的に中〜高洗剤濃度系の範囲に含まれる。例えば、ブラジルでは、
洗浄水に含まれる洗剤成分は約1500ppmである。一方、他のラテンアメリカ
諸国では、洗浄水に含まれる洗剤成分が6000ppm程度にもなる洗剤系を有す
ることがある。
【0021】 上記の典型的な洗剤系の濃度は、経験的に決定される。例えば、米国では、典
型的な洗濯機の洗浄溶液の容積が約64.4リットルである。従って、洗浄溶液
中で洗剤濃度を約975ppmとするには、洗剤組成物約62.79gを洗浄溶液6
4.4リットルに加えなければならない。この量は、洗剤に備えられている計量
カップを用いて消費者が洗浄水に計量した典型的な量である。
【0022】 世界中の洗剤系に見られるこれらの複雑性を考慮しても、プロテアーゼ酵素、
特にプロテアーゼ変異体、更に具体的にはプロテアーゼ変異体に含まれるアミノ
酸残基置換の正味の電荷および/またはプロテアーゼ変異体の吸着活性に基づく
多置換プロテアーゼ変異体のスクリーニング法は、様々な洗剤系で有効な性能を
提供するプロテアーゼ変異体を同定しおよび/または選択する効果的な方法であ
ることを見出した。
【0023】スクリーニングの方法 A.正味の電荷による方法: 本発明の好ましい態様は、洗剤系で用いるプロテアーゼ変異体のスクリーニン
グ法であって、 a) 1個以上のアミノ酸残基置換を有する1種類以上のプロテアーゼ変異体
であって、好ましくは本明細書に記載のプロテアーゼ変異体から選択されるもの
を提供し、 b) 上記プロテアーゼ変異体の上記1個以上の置換の正味の電荷を計算する
ことを含んでなる方法である。
【0024】 好ましくは、1種類以上のプロテアーゼ変異体は、洗剤系、更に好ましくは本
明細書に記載の洗剤系に包含される。
【0025】 計算段階は、好ましくはpHが約7〜約12の範囲であり、更に好ましくは約
10〜約11の範囲の洗剤系条件下で行われる。
【0026】 好ましくは、プロテアーゼ変異体の1個以上の置換の正味の電荷を、プロテア
ーゼ変異体の前駆体プロテアーゼに対して計算することができる。更に好ましく
は、プロテアーゼ変異体の1個以上の置換の正味の電荷は、Subtilisin 309に対
して計算される(PCT/WO89/06276号明細書を参照されたい)。
【0027】 この方法は、好ましくは本明細書に記載の高洗剤濃度系で用いる上記置換の真
の正または中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選択する段
階をも含んでなる。
【0028】 あるいは、この方法は、好ましくは本明細書に記載の低洗剤濃度系で用いる上
記置換の真の負または中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を
選択する段階をも含んでなる。
【0029】 更にもう一つの好ましい態様としては、中洗剤濃度系で用いる上記置換の真の
正、負または中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選択する
段階をも含んでなる上記のスクリーニング法が挙げられる。
【0030】 更にもう一つの好ましい態様としては、低、中および高洗剤濃度系で用いる上
記置換の真の中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選択する
段階をも含んでなる。
【0031】 上記の点を考慮すれば、洗剤濃度、換言すれば、洗浄水に含まれる洗剤成分の
量は、プロテアーゼ変異体によって所定の洗剤系で効果的に行われるものを決定
する因子であることは明らかである。
【0032】 高洗剤成分濃度条件、特に高界面活性剤濃度条件下では、汚れ表面は界面活性
剤の吸着により負の電荷の層で被覆される。正に帯電したプロテアーゼ変異体は
、このような負の電荷で被覆された汚れ表面と効果的に競争することができる。
高洗剤濃度条件下で、真の正に帯電した変異体はこの表面に吸着し、移動する。
この結果、正に帯電した変異体は、負に帯電した変異体と比較して、優れたクリ
ーニング効果を提供する。一方、負に帯電した変異体は、界面活性剤の負に帯電
した層で被覆された汚れ表面には吸着せず、これから離れる。
【0033】 低洗剤成分濃度条件、特に低界面活性剤濃度条件下では、正に帯電した変異体
は、プロテアーゼ変異体の移動度を限定し、より弱く正に帯電したプロテアーゼ
変異体と同数の部位をサンプリングすることができない真の正電荷を含んでなる
。結果として、低洗剤濃度条件下での正に帯電した変異体は、負に帯電した変異
体より効果的でないクリーニングを提供する。負に帯電した変異体は汚れ表面に
余り強く吸着せず一層移動性であり、従って、正に帯電した変異体に比較して優
れたクリーニング効果を提供する。低洗剤濃度条件下での真の正に帯電した変異
体はより強く吸着するが余り大きな移動度は示さず、一方、負に帯電した変異体
は余り強く吸着しないが、より大きな移動度を示す。一層移動性の負に帯電した
変異体は、より多くの部位をサンプリングすることができる。
【0034】 上記の点を考慮すれば、吸着と移動度の均衡は、所定の洗剤濃度で優れたクリ
ーニング性能を得る上で重要であることは明らかである。
【0035】 本発明のもう一つの好ましい態様は、上記の親の電荷法によって選択されたプ
ロテアーゼ変異体を含んでなる洗剤組成物である。このような洗剤組成物は、米
国特許第5,705,464号、第5,710,115号、第5,698,50
4号、第5,695,679号、第5,686,014号および第5,646,
101号明細書に記載されている界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、
漂白剤触媒、他の酵素、酵素安定系、キレート化剤、蛍光増白剤、汚れ放出ポリ
マー、染料移り化合物(dye transfer agents)、分散剤、起泡抑制剤、染料、香
料、着色剤、充填剤塩、ヒドロトロープ剤、光活性剤、蛍光剤、布帛コンディシ
ョナー、加水分解性界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、防縮剤、防皺剤、殺菌剤
、殺黴剤、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、防
曇および/または防錆剤、アルカリ性供給源、可溶化剤、キャリヤー、加工助剤
、顔料、およびpH調節剤のような添加剤材料を1種類以上含んでなるのが好ま
しい。
【0036】B.吸着法: 本発明のもう一つの好ましい態様は、洗剤系で用いるためのプロテアーゼ変異
体のスクリーニング法であって、 a)1個以上のアミノ酸残基置換を有する1種類以上のプロテアーゼ変異体、
好ましくは本明細書に記載のプロテアーゼ変異体から選択されるものを提供し、 b)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を洗剤系に加え、 c)表面への上記洗剤系中の上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の吸着特性
を測定する ことを特徴とする方法である。
【0037】 洗剤系は、本明細書に記載の低、中、および/または高洗剤濃度系からなる群
から選択するのが好ましい。
【0038】 洗剤系は、好ましくはpHが約7〜約12の範囲であり、更に好ましくは約1
0〜約11の範囲である。
【0039】 吸着段階(段階c)で用いる表面は、当該技術分野で知られている任意の適当
な表面であることができる。好ましくは、この表面はナイロン膜であり、更に好
ましくはナイロン66膜である。更に、このナイロン膜は親水性表面、好ましく
は約50%のアミンと約50%のカルボキシル基とを含んでなる表面を包含する
のが望ましい。本発明に準じて用いられる適当なナイロン膜の一例は、BIODYNE
(登録商標)A膜であり、Nalge Nunc International Corporation(ネーパーヴ
ィル、イリノイ州;旧Pall Corporation、グレンコーヴ、ニューヨーク)からは
つばいされている。
【0040】 好ましくは、吸着特性を測定する段階c)は、 i)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の酵素活性の初期量を、好ましくはB
rode III, P.F., et al. (1996), Biochemistry, 35:3162-3169に記載のpNA
分析法を用いて測定し、 ii)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体をナイロン膜を介して濾過し(典型
的かつ好ましくは、プロテアーゼ変異体試料は、当業者が認識しているように、
96穴プレートのような穴プレート(well-plate)の1個以上のウェル中に含まれ
る)、 iii)上記ナイロン膜を介して濾過した上記1種類以上のプロテアーゼ変異体
の酵素活性の量を計算し、 iv)段階i)と段階iii)との間の量の差を測定することによって、上記ナイ
ロン膜に吸着した上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の酵素活性の損失量を測
定し、 v)酵素活性の損失量を上記ナイロン膜に吸着した酵素の割合に転換する 段階をも含んでなる。
【0041】 吸着法は、好ましくは、上記洗剤系で使用するための上記膜に吸着した酵素の
割合が16%、好ましくは20%から約65%、好ましくは60%までの範囲で
ある上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選択する段階をも含んでなる。この
プロテアーゼ変異体の吸着活性の範囲は、酵素の吸着量が少なくなればクリーニ
ング性能が一層良好になると当業者が考えていることに基づけば予想外のことで
ある。従って、当業者は、WO95/07991号明細書、WO95/3001
0号明細書、WO95/30011号明細書、WO96/28556号明細書、
WO96/28556号明細書、WO96/28557号明細書、WO96/2
8558号明細書、およびWO96/28566号明細書に記載されているよう
に、酵素の吸着活性が減少すると酵素のクリーニング性能が増加すると考えてい
た。
【0042】 従来の技術の教示とは逆に、本発明の方法に基づき、最良のクリーニング性能
を提供するプロテアーゼ変異体の吸着活性には最適範囲があることを意外にも見
出した。従って、酵素の吸着活性が減少すると(特にプロテアーゼ酵素の場合に
)、酵素のクリーニング性能が増加するという従来技術の教示は当てはまらない
。本発明の方法は、プロテアーゼ変異体の吸着活性には、低すぎずかつ高すぎな
い最適範囲があることを示しているからである。
【0043】 本発明の更にもう一つの態様は、上記の吸着法によって選択された1種類以上
のプロテアーゼ変異体を含んでなる洗剤組成物である。このような洗剤組成物は
、米国特許第5,705,464号、第5,710,115号、第5,698,
504号、第5,695,679号、第5,686,014号および第5,64
6,101号明細書に記載されている界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性
剤、漂白剤触媒、他の酵素、酵素安定系、キレート化剤、蛍光増白剤、汚れ放出
ポリマー、染料移り化合物(dye transfer agents)、分散剤、起泡抑制剤、染料
、香料、着色剤、充填剤塩、ヒドロトロープ剤、光活性剤、蛍光剤、布帛コンデ
ィショナー、加水分解性界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、防縮剤、防皺剤、殺
菌剤、殺黴剤、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)
、防曇および/または防錆剤、アルカリ性供給源、可溶化剤、キャリヤー、加工
助剤、顔料、およびpH調節剤のような添加剤材料を1種類以上含んでなるのが
好ましい。
【0044】プロテアーゼ: プロテアーゼは、一般にタンパク質またはペプチドのペプチド結合を開裂する
作用をするカルボニルヒドロラーゼである。ここで用いられる「プロテアーゼ」
とは、天然に存在するプロテアーゼまたは組換えプロテアーゼを意味する。天然
に存在するプロテアーゼとしては、α−アミノアシルペプチドヒドロラーゼ、ペ
プチジルアミノ酸ヒドロラーゼ、アシルアミノヒドロラーゼ、セリンカルボキシ
ペプチダーゼ、メタロカルボキシペプチダーゼ、チオールプロテイナーゼ、カル
ボキシルプロテイナーゼ、およびメタロプロテイナーゼが挙げられる。セリン、
メタロ、チオールおよび酸プロテアーゼ、並びにエンドおよびエキソ−プロテア
ーゼが包含される。
【0045】 本発明は、前駆体カルボニルヒドロラーゼであって、これから変異体のアミノ
酸配列が誘導されるものと比較して異なるタンパク質分解活性、安定性、基質特
異性、pHプロフィールおよび/または特徴的な性能を有する天然に存在しない
カルボニルヒドロラーゼ変異体(プロテアーゼ変異体)であるプロテアーゼ酵素
を包含する。具体的には、このようなプロテアーゼ変異体は、天然にはみられな
いアミノ酸配列を有し、前駆体プロテアーゼの複数のアミノ酸残基を異なるアミ
ノ酸で置換することによって誘導される。前駆体プロテアーゼは、天然に存在す
るプロテアーゼであってもまたは組換えプロテアーゼであってもよい。上記のよ
うに、プロテアーゼ変異体は、トリプシン様特異性を有し、好ましくは漂白剤に
安定であるようにもデザインされる。
【0046】 ここで用いられるプロテアーゼ変異体は、指定したアミノ酸残基位置における
19個の天然に存在するL−アミノ酸のいずれかの置換を包含する。このような
置換は、任意の前駆体ズブチリシン(原核、真核、哺乳類など)で作成すること
ができる。本願明細書では、様々なアミノ酸をよく用いられる一文字および三文
字コードで表す。これらのコードは、Dale, M.W. (1980), 細菌の分子遺伝学(Mo
lecular Genetics of Bacteria), John Wiley & Sons, Ltd., Appendix Bで確認
される。
【0047】 ここで用いられるプロテアーゼ変異体は、バチルスズブチリシン由来である。
更に好ましくは、プロテアーゼ変異体は、Bacillus lentusズブチリシンおよび
/またはズブチリシン309に由来する。
【0048】 カルボニルヒドロラーゼ カルボニルヒドロラーゼは、結合:
【化1】 (上記式中、Xは酸素または窒素である)を含む化合物を加水分解するプロテア
ーゼ酵素である。それらは、天然に存在するカルボニルヒドロラーゼおよび組換
えカルボニルヒドロラーゼを包含する。天然に存在するヒドロラーゼとしては、
主としてヒドロラーゼ、例えば、ズブチリシンまたはメタロプロテアーゼのよう
なペプチドヒドロラーゼが挙げられる。ペプチドヒドロラーゼとしては、α−ア
ミノアシルペプチドヒドロラーゼ、ペプチジルアミノ酸ヒドロラーゼ、アシルア
ミノヒドロラーゼ、セリンカルボキシペプチダーゼ、メタロカルボキシルペプチ
ダーゼ、チオールプロテイナーゼ、カルボキシルプロテアーゼ、およびメタロプ
ロテイナーゼが挙げられる。セリン、メタロ、チオールおよび酸プロテアーゼ、
並びにエンドおよびエキソ−プロテアーゼが包含される。
【0049】 ズブチリシン: ズブチリシンは、一般にタンパク質またはペプチドのペプチド結合を開裂する
作用のある細菌または真菌性プロテアーゼである。ここで用いられる「ズブチリ
シン」とは、天然に存在するズブチリシンまたは組換えズブチリシンを意味する
。一連の天然に存在するズブチリシンは、様々な微生物種によって産生され、分
泌されることが多いことが知られている。このシリーズの成員のアミノ酸配列は
、完全に相同性ではない。しかしながら、このシリーズのズブチリシンは、同一
または同様な種類のタンパク質分解活性を示す。このクラスのセリンプロテアー
ゼは、これをセリンプロテアーゼのキモトリプシン関連クラスとは区別する触媒
的トリアドを画定する共通アミノ酸配列を共有している。ズブチリシンおよびキ
モトリプシン関連セリンプロテアーゼは、両方ともアスパラギン酸、ヒスチジン
およびセリンを含んでなる触媒的トリアドを有する。ズブチリシン関連プロテア
ーゼにおいて、アミノからカルボキシ末端まで読むこれらのアミノ酸の相対順位
は、アスパラギン酸−ヒスチジン−セリンである。しかしながら、キモトリプシ
ン関連プロテアーゼでは、相対順位は、ヒスチジン−アスパラギン酸−セリンで
ある。従って、ズブチリシンはここではズブチリシン関連プロテアーゼの触媒的
トリアドを有するセリンプロテアーゼを表す。例としては、本明細書の図3で同
定されたズブチリシンが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、本発明
の目的には、プロテアーゼにおけるアミノ酸の番号付けは、図1に示される成熟
Bacillus amyloliquefaciens配列に割り当てた番号に相当する。
【0050】 プロテアーゼ変異体: 「プロテアーゼ変異体」は、「前駆体プロテアーゼ」のアミノ酸配列から誘導
されるアミノ酸配列を有する。前駆体プロテアーゼとしては、天然に存在するプ
ロテアーゼおよび組換えプロテアーゼが挙げられる。プロテアーゼ変異体のアミ
ノ酸配列は、前駆体アミノ酸配列の1個以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入
によって前駆体プロテアーゼアミノ酸配列から「誘導」される。このような修飾
は、前駆体プロテアーゼ酵素自体の操作よりは前駆体プロテアーゼのアミノ酸配
列をコードする「前駆体DNA配列」の修飾である。前駆体DNA配列のこのよ
うな操作に適当なポリとしては、本明細書に開示されている方法、並びに当業者
に知られている方法が挙げられる(例えば、欧州特許第0328299号明細書
、WO89/06279号明細書、およびここで既に引用した米国特許および出
願明細書を参照されたい)。
【0051】 好ましい態様では、本発明の方法で用いられるプロテアーゼ酵素であるプロテ
アーゼ変異体は、アミノ酸残基のBacillus amyloliquefaciensズブチリシンの1
03位に相当するアミノ酸残基位置における別の天然に存在するアミノ酸残基に
よる置換を、アミノ酸残基をBacillus amyloliquefaciensズブチリシンの1、3
、4、8、9、10、12、13、16、17、18、19、20、21、22
、24、27、33、37、38、42、43、48、55、57、58、61
、62、68、72、75、76、77、78、79、86、87、89、97
、98、99、101、102、104、106、107、109、111、1
14、116、117、119、121、123、126、128、130、1
31、133、134、137、140、141、142、146、147、1
58、159、160、166、167、170、173、174、177、1
81、182、183、184、185、188、192、194、198、2
03、204、205、206、209、210、211、212、213、2
14、215、216、217、218、222、224、227、228、2
30、232、236、237、238、240、242、243、244、2
45、246、247、248、249、251、252、253、254、2
55、256、257、258、259、260、261、262、263、2
65、268、269、270、271、272、274および275位に相当
する1個以上のアミノ酸残基位置における別の天然に存在するアミノ酸残基によ
る置換と、組み合わせて含むプロテアーゼ変異体を含んでなり、ここで、上記プ
ロテアーゼ変異体が103および76位に相当する位置のアミノ酸残基の置換を
含むときには、Bacillus amylokiquefaciensズブチリシンの27、99、101
、104、107、109、123、128、166、204、206、210
、216、217、218、222、260、265および274位に相当する
アミノ酸残基以外の1個以上のアミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の置換、
および1種類以上のクリーニング添加物材料も存在する。
【0052】 上記のアミノ酸置換の任意の組合わせを用いることができるが、本発明で用い
られる好ましい好ましいプロテアーゼ変異体は、アミノ酸残基の置換、欠失また
は挿入を (1)103位、および236〜245位の1個以上のアミノ酸残基の置換を
含むプロテアーゼ変異体、 (2)103および236位、および12、61、62、68、76、97、
98、101、102、104、109、130、131、159、183、1
85、205、209、210、211、212、213、215、217、2
30、232、248、252、257、260、270および275位の1個
以上のアミノ酸残基の置換を含むプロテアーゼ変異体、 (3)103および245位、および12、61、62、68、76、97、
98、101、102、104、109、130、131、159、170、1
83、185、205、209、210、211、212、213、215、2
17、222、232、248、252、257、260、261、270およ
び275位の1個以上のアミノ酸残基の置換を含むプロテアーゼ変異体、および (4)103、236および245位、および12、61、62、68、76
、97、98、101、102、104、109、130、131、159、1
83、185、205、209、210、211、212、213、215、2
17、230、232、243、248、252、257、260、270およ
び275位の1個以上のアミノ酸残基の置換を含むプロテアーゼ変異体 の組み合わせて含んでなる。
【0053】 本発明のクリーニング組成物に用いられる更に好ましいプロテアーゼ変異体と
しては、下記のものからなる群から選択される置換の組(下記の表Iの列当たり
1個の置換の組)を含む。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0054】 本発明のクリーニング組成物で用いられる更に一層好ましいプロテアーゼ変異
体としては、下記のものからなる群から選択される置換の組(下記の表IIの列当
たり1個の置換の組)を含む。
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【0055】 組換えプロテアーゼ/組換えズブチリシン 「組換えプロテアーゼ」または「組換えズブチリシン」とは、天然に存在する
プロテアーゼまたはズブチリシンをコードするDNA配列がそれぞれプロテアー
ゼまたはズブチリシンアミノ酸配列に1個以上のアミノ酸の置換、挿入または欠
失をコードする突然変異体DNA配列を生成するように修飾されているプロテア
ーゼまたはズブチリシンを表す。適当な修飾法は、本明細書および米国特許第R
E34,606号、第5,204,015号および第5,185,258号明細
書に開示されている。
【0056】 非ヒトプロテアーゼ/非ヒトズブチリシン 「非ヒトプロテアーゼ」または「非ヒトズブチリシン」、およびそれらをコー
ドするDNAは、多くの原核および真核生物から得ることができる。原核生物の
適当な例としては、E. coliまたはPseudomanasのようなグラム陰性菌、およびMi
crococcusまたはBacillusのようなグラム陽性菌が挙げられる。カルボニルヒド
ロラーゼおよびそれらの遺伝子を得ることができる真核生物の例としては、Sacc
haromyces cerevisiaeのような酵母、Aspergillus sp.のような真菌、およびプ
ロテアーゼキモシンまたはズブチリシンキモシンをコードする遺伝子を得ること
ができる例えばウシの種などのヒト以外の哺乳類の供給源が挙げられる。一連の
プロテアーゼおよび/またはズブチリシンは、このシリーズの成員間で完全に相
同性ではないが、同一または類似の種類の生物活性を示すアミノ酸配列を有する
様々な関連種から得ることができる。従って、ここで用いる非ヒトプロテアーゼ
または非ヒトズブチリシンは、原核および真核供給源と直接または間接的に関連
しているそれぞれプロテアーゼまたはズブチリシンを表す機能上の定義を有する
【0057】 変異体DNA配列 これらのプロテアーゼまたはズブチリシン変異体をコードする変異体DNA配
列は、天然に存在するまたは組換え前駆体酵素をコードする前駆体DNA配列か
ら誘導される。変異体DNA配列は、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシン
の103位を1、3、4、8、9、10、12、13、16、17、18、19
、20、21、22、24、27、33、37、38、42、43、48、55
、57、58、61、62、68、72、75、76、77、78、79、86
、87、89、97、98、99、101、102、104、106、107、
109、111、114、116、117、119、121、123、126、
128、130、131、133、134、137、140、141、142、
146、147、158、159、160、166、167、170、173、
174、177、181、182、183、184、185、188、192、
194、198、203、204、205、206、209、210、211、
212、213、214、215、216、217、218、222、224、
227、228、230、232、236、237、238、240、242、
243、244、245、246、247、248、249、251、252、
253、254、255、256、257、258、259、260、261、
262、263、265、268、269、270、271、272、274お
よび275位の1個以上と組み合わせたものに相当する前駆体DNA配列によっ
てコードされる1個以上の特異的アミノ酸残基の置換をコードするように前駆体
DNA配列を修飾することによって誘導され、上記プロテアーゼ変異体が103
〜76位に相当する位置のアミノ酸残基の置換を含むときには、Bacillus amylo
kiquefaciensズブチリシンの27、99、101、104、107、109、1
23、128、166、204、206、210、216、217、218、2
22、260、265および274位に相当するアミノ酸残基以外の1個以上の
アミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の置換もある。本発明で修飾の目的で同
定したアミノ酸残基は、B. amylofiquefaciensに適用可能な番号付け(総てのズ
ブチリシンにおける残基の位置を同定するための一般的方法となっている)によ
って同定されるが、本発明で用いられる好ましい前駆体DNA配列は図3に示さ
れるようなBacillus lentusのDNA配列である。
【0058】 好ましい態様では、これらの変異体DNA配列は、Bacillus amylokiquefacie
nsズブチリシンの103位に相当するアミノ酸残基を1、3、4、8、9、10
、12、13、16、17、18、19、20、21、22、24、27、33
、37、38、42、43、48、55、57、58、61、62、68、72
、75、76、77、78、79、86、87、89、97、98、99、10
1、102、104、106、107、109、111、114、116、11
7、119、121、123、126、128、130、131、133、13
4、137、140、141、142、146、147、158、159、16
0、166、167、170、173、174、177、181、182、18
3、184、185、188、192、194、198、203、204、20
5、206、209、210、211、212、213、214、215、21
6、217、218、222、224、227、228、230、232、23
6、237、238、240、242、243、244、245、246、24
7、248、249、251、252、253、254、255、256、25
7、258、259、260、261、262、263、265、268、26
9、270、271、272、274および275位の1個以上の追加のアミノ
酸残基と組み合わせたものの置換、挿入または欠失をコードし、上記プロテアー
ゼ変異体が103〜76位に相当する位置のアミノ酸残基の置換を含むときには
、Bacillus amylokiquefaciensズブチリシンの27、99、101、104、1
07、109、123、128、166、204、206、210、216、2
17、218、222、260、265および274位に相当するアミノ酸残基
以外の1個以上のアミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の置換もある。更に好
ましくは、これらの変異体DNA配列は、本明細書に記載のプロテアーゼ変異体
をコードする。
【0059】 本発明で修飾の目的で同定したアミノ酸残基は、B. amylofiquefaciensに適用
可能な番号付け(総てのズブチリシンにおける残基の位置を同定するための一般
的方法となっている)によって同定されるが、本発明で用いられる好ましい前駆
体DNA配列は図3に示されるようなBacillus lentusのDNA配列である。
【0060】 これらの組換えDNA配列は、新規なアミノ酸配列と一般的に前駆体プロテア
ーゼDNA配列によってコードされる酵素の同じ特性とは実質的に異なる少なく
とも一つの特性を有するプロテアーゼ変異体をコードする。このような特性とし
ては、タンパク質分解活性、基質特異性、安定性、変化したpHプロフィール、
および/または向上した性能特性が挙げられる。
【0061】 Bacillus amylokiquefaciensズブチリシンの103位を1、3、4、8、9、
10、12、13、16、17、18、19、20、21、22、24、27、
33、37、38、42、43、48、55、57、58、61、62、68、
72、75、76、77、78、79、86、87、89、97、98、99、
101、102、104、106、107、109、111、114、116、
117、119、121、123、126、128、130、131、133、
134、137、140、141、142、146、147、158、159、
160、166、167、170、173、174、177、181、182、
183、184、185、188、192、194、198、203、204、
205、206、209、210、211、212、213、214、215、
216、217、218、222、224、227、228、230、232、
236、237、238、240、242、243、244、245、246、
247、248、249、251、252、253、254、255、256、
257、258、259、260、261、262、263、265、268、
269、270、271、272、274および275位の1個以上と組み合わ
せたものに相当する特異的置換であって、上記プロテアーゼ変異体が103〜7
6位に相当する位置のアミノ酸残基の置換を含むときには、27、99、101
、104、107、109、123、128、166、204、206、210
、216、217、218、222、260、265および274位に相当する
アミノ酸残基以外の1個以上のアミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の置換も
あり、番号付けした位置がBacillus amyloliquefaciens由来の天然に存在するズ
ブチリシンまたは他のカルボニルヒドロラーゼまたはズブチリシン(例えば、Ba
cillus lentusズブチリシン)における同等なアミノ酸残基に相当するものが、
本明細書に記載される。更に、62、212、230、232、252および2
57位の1個以上に相当する特異的置換であって、番号付けした位置がBacillus
amyloliquefaciens由来の天然に存在するズブチリシンまたは他のカルボニルヒ
ドロラーゼまたはズブチリシン(例えば、Bacillus lentusズブチリシン)にお
ける同等なアミノ酸残基に相当するものが、本明細書に記載される。これらのア
ミノ酸位置番号は、図1に示された成熟Bacillus amyloliquefaciensズブチリシ
ンに割り当てられたものを表す。しかしながら、本発明は、この特定のズブチリ
シンの成熟の使用に限定されず、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンの特
定の同一残基と「同等な」位置にアミノ酸残基を含む前駆体プロテアーゼに敷衍
される。本発明の好ましい態様では、前駆体プロテアーゼはBacillus lenthus
ズブチリシンであり、置換、欠失または挿入は上記のものに相当するB. lentus
における同等なアミノ酸残基で行われる。
【0062】 前駆体プロテアーゼの残基(アミノ酸)がBacillus amyloliquefaciensズブチ
リシンにおける特異的残基またはその残基の一部と相同(すなわち、一次または
三次構造における位置に対応する)であるか、または類似している(すなわち、
化学的に結合、反応または相互作用する同一または同様な機能的能力を有する)
場合には、これはBacillus amyloliquefaciensズブチリシンの残基と同等である
【0063】 一次構造に対する相同性を確認するため、前駆体プロテアーゼのアミノ酸配列
を、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンの一次配列、特に配列が知られて
いるズブチリシンで不変であることが知られている残基の組と直接比較する。例
えば、図2はここでは、B. amyloliquefaciensズブチリシンとB. lentusズブチ
リシンとの間のように、保存された残基を示す。保存残基を整列し、整列を保持
するために(すなわち、任意の欠失および挿入による保存残基の除去を回避する
ため)整列を保持するために(すなわち、任意の欠失および挿入による保存残基
の除去を回避するため)必要な挿入および欠失を考慮した後、Bacillus amyloli
quefaciensズブチリシンの一次配列における特定のアミノ酸に同等な残基を画定
する。保存された残基の整列は、好ましくはこれらの残基を100%保存すべき
である。しかしながら、保存された残基の75%を上回りまたは50%程度の整
列でも、同等な残基を画定するのに十分である。触媒的トリアドAsp32/H
is64/Ser221の保存は、保持すべきである。
【0064】 例えば、図3では、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilis、Bacil
lus licheniformis (carsbergensis)、およびBacillus lentus由来のズブチリシ
ンのアミノ酸配列を整列して、アミノ酸配列間で最大量の相同性を提供する。こ
れらの配列を比較すると、それぞれの配列に多数の保存残基があることが示され
る。(BPN’およびB. lentusの間のような)これらの保存残基は、図2で確
認されている。
【0065】 従って、これらの保存残基を用いて、Bacillus lentusの相当する同等なアミ
ノ酸残基(1989年7月13日に公表されたPCT公表第WO89/0627
9号明細書)、本明細書の好ましいプロテアーゼ前駆体酵素、またはPB92と
表され(欧州特許第0328299号明細書)、好ましいBacillus lentusズブ
チリシンに極めて相同性であるものを画定することができる。これらのズブチリ
シンのあるもののアミノ酸配列を、保存残基の最大相同性を生成させるためBaci
llus amyloliquefaciensズブチリシンの配列と共に図3Aおよび3Bに整列させ
る。明らかなように、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンと比較して、Ba
cillus lentusの配列には多数の欠失がある。従って、例えば他のズブチリシン
におけるBacillus amyloliquefaciensズブチリシンでのVal165の同等なア
ミノ酸は、B. lentusおよびB. licheniformisについてはイソロイシンである。
従って、例えば+76位のアミノ酸は、B. amyloliquefaciensおよびB. lentus
ズブチリシンではアスパラギン(N)である。しかしながら、本発明のプロテア
ーゼ変異体では、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンにおける+76と同
等なアミノ酸は、アスパラギン酸(D)で置換されている。本発明における総て
のアミノ酸についての略号および一文字コードは、Patentin User Manual (GenB
ank, Mountain View, CA) 1990, p. 101に一致する。
【0066】 「同等な残基」は、X線結晶学によって測定された前駆体プロテアーゼについ
ての三次構造のレベルで相同性を決定することによって画定することもできる。
同等な残基は、前駆体プロテアーゼの特定のアミノ酸残基およびBacillus amylo
liquefaciensズブチリシンの主鎖原子の2個以上の原子座標(NについてN、C
AについてCA、CについてC、およびOについてO)が整列後には0.13nm
以内であり、好ましくは0.1nmであるものとして定義される。最良のモデルを
、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンに対する当該プロテアーゼの非水素
タンパク質原子の原子座標の重複が最大となるように配向および配置した後に、
整列が行われる。最良のモデルは、利用可能な最高の分解能において回折実験デ
ーターについてR因子が最低となる結晶学的モデルである。
【数1】
【0067】 Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンの特定残基に対して機能的に類似体
である同等な残基は、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンの特定残基に対
して定義しかつ帰属させた方法でタンパク質構造、基質結合または触媒を変更し
、改質しまたは寄与するようなコンホメーションを採用することができる前駆体
プロテアーゼのアミノ酸として定義される。更に、それらは、所定の残基の主鎖
原子が相同位置を占めることに基づく同等性の基準を満足することができないこ
とがあっても、残基の側鎖原子についての少なくとも2個の原子座標はBacillus
amyloliquefaciensズブチリシンの相当する側鎖原子の0.13nmとなる程度ま
で類似位置を占めている(X線結晶学によって三次構造が得られた)前駆体プロ
テアーゼの残基である。Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンの三次元構造
の座標はEPO公表第0251446号明細書(米国特許第5,182,204
号明細書に同等であり、この特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細
書に引用される)に記載されており、上記のように三次構造のレベルで同等な残
基を決定するのに用いることができる。
【0068】 置換、挿入または欠失について同定した残基の幾つかは保存残基であるが、他
のものはそうではない。保存されない残基の場合には、1個以上のアミノ酸の置
換は、天然でみられるものに相当しないアミノ酸配列を有する変異体を産生する
置換に限定される。保存残基の場合には、このような置換は天然に存在する配列
を生じない。本発明のプロテアーゼ変異体としては、プロテアーゼ変異体の成熟
形態、並びにこれらのプロテアーゼ変異体のプロ−およびプレプロ−体が挙げら
れる。プレプロ−体は、プロテアーゼ変異体の発現、分泌および成熟を促進する
ので、好ましい構造である。
【0069】 「プロ配列」は、取り出したときにプロテアーゼの「成熟」形態の外観を生じ
るプロテアーゼの成熟形態のN−末端部分に結合したアミノ酸の配列を表す。多
くのタンパク質分解酵素は天然では翻訳プロ酵素生成物として見出され、翻訳後
処理の非存在下ではこのやり方で発現される。プロテアーゼ変異体を産生させる
ための好ましいプロ配列はBacillus amyloliquefaciensズブチリシンのプロ配列
と推定されるものであるが、他のプロテアーゼプロ配列を用いることもできる。
【0070】 「シグナル配列」または「プレ配列」は、プロテアーゼのN末端、またはプロ
テアーゼの成熟またはプロ体の分泌に関与することがあるプロプロテアーゼのN
末端部分に結合したアミノ酸の任意の配列を表す。シグナル配列のこの定義は、
機能上の定義であり、本来の条件下でプロテアーゼの分泌の実行に関与している
プロテアーゼ遺伝子のN末端部分によってコードされる総てのアミノ配列を包含
することを意味する。本発明はこのような配列を用いて、ここで定義されるプロ
テアーゼ変異体の分泌を行う。一つの可能なシグナル配列は、Bacillus subtili
sズブチリシンからのシグナル配列の最初の7個のアミノ酸残基がBacillus lent
us 由来のズブチリシンのシグナル配列の残りに融合したものを含んでなる(A
TCC21536)。
【0071】 プロテアーゼ変異体の「プレプロ」体は、プロテアーゼのアミノ末端に操作可
能に結合したプロ配列を有するプロテアーゼの成熟形態およびプロ配列のアミノ
末端に操作可能に結合した「プレ」または「シグナル」配列からなっている。
【0072】 「発現ベクター」は、適当な宿主でDNAを発現することができる適当な制御
配列に操作可能に結合しているDNA配列を含むDNA構築物を表す。このよう
な制御配列としては、転写を行うためのプロモーター、この転写を制御するため
の任意のオペレーター配列、適当なmRNAリボソーム結合部位をコードする配
列、および転写および翻訳の終結を制御する配列が挙げられる。ベクターは、プ
ラスミド、ファージ粒子、または単なる潜在的なゲノムインサートであることが
できる。適当な宿主に形質転換したならば、ベクターは複製し、独立して機能す
ることができ、または宿主ゲノムは、必要に応じてゲノム自身に組込むことがで
きる。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが
現在のところ最も一般的に用いられるベクターの形態であるので、互換的に用い
られることがある。しかしながら、本発明は、同等な機能を供給しかつ当該技術
分野で知られているかまたは知られるようになってきている発現ベクターの他の
形態を包含しようとするものである。
【0073】 本発明で用いられる「宿主細胞」は、米国特許RE34,606号明細書に開
示されている方法によって好ましく操作されて活性エンドプロテアーゼを分泌す
ることができなくなった原核または真核宿主である。プロテアーゼを発現するの
に好ましい宿主細胞は、酵素活性な中性プロテアーゼおよびアルカリ性プロテア
ーゼ(ズブチリシン)を欠くBacillus BG2036株である。BG2036株の構築は、米
国特許第5,264,366号明細書に詳細に記載されている。プロテアーゼを
発現するための他の宿主細胞としては、Bacillus subtilis 168(米国特許RE
34,606号明細書および米国特許第5,264,366号明細書にも記載さ
れており、これらの特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用
される)、並びに任意の適当なBacillus株、例えばB. licheniformis、B. lentu
sなどが挙げられる。
【0074】 宿主細胞は、組換えDNA法を用いて構築したベクターで形質転換またはトラ
ンスフェクションされる。このような形質転換した宿主細胞は、プロテアーゼ変
異体をコードするベクターを複製することも、所望なプロテアーゼ変異体を発現
することもできる。プロテアーゼ変異体のプレ−またはプレプロ−体をコードす
るベクターの場合には、これらの変異体が発現されると、典型的には宿主細胞か
ら宿主細胞培地中へ分泌される。
【0075】 「操作可能に結合した」とは、2つのDNA領域の間の関係を記載するときに
は、単にそれらが機能的に互いに関係していることを意味する。例えば、プロ配
列がシグナル配列として作用する場合には、これはペプチドに操作可能に結合し
、し、恐らくはシグナル配列の開裂を含む成熟形態のタンパク質の分泌に関与し
ている。プロモーターは、配列の転写を制御する場合には、コード配列に操作可
能に結合し、リボソーム結合部位は、翻訳できるように配置される場合には、コ
ード配列に操作可能に結合する。
【0076】 天然に存在する前駆体プロテアーゼをコードする遺伝子は、当業者に知られて
いる一般的方法によって得ることができる。これらの方法は、一般には目的とす
るプロテアーゼの領域をコードする推定配列を有する標識ラベルを合成し、プロ
テアーゼを発現する生物からゲノムライブラリーを調製し、問題の遺伝子につい
てのライブラリーをプローブにハイブリダイゼーションすることによってスクリ
ーニングすることを含んでなる。次に、積極的にハイブリダイゼーションするク
ローンをマッピングして配列決定する。
【0077】 次に、クローニングしたプロテアーゼを用いて、宿主細胞を形質転換し、プロ
テアーゼを発現させる。次に、プロテアーゼ遺伝子を、高コピー数プラスミドに
連結する。このプラスミドは、プラスミド複製に必要な周知の要素、すなわち問
題の遺伝子(これが認識されるならば、すなわち宿主によって転写される場合に
は、遺伝子自身の相同性プロモーターとして供給することができる)に操作可能
に結合したプロモーター、(ある種の真核宿主細胞中のプロテアーゼ遺伝子から
宿主によって転写されるmRNAの安定性に必要な)外来性のまたはプロテアー
ゼ遺伝子の内因性ターミネーター領域によって供給される転写終結およびポリア
デニル化領域、および望ましくは抗生物質含有培地での成長によってプラスミド
感染宿主細胞の継続的培養を保持することができる抗生物質耐性遺伝子のような
選択遺伝子を含むという意味において宿主中で複製する。高コピー数プラスミド
は宿主に対する複製の起源も含んでおり、これによって染色体に制限を加えるこ
となく細胞質で多数のプラスミドを産生することができる。しかしながら、プロ
テアーゼ遺伝子の複数のコピーを宿主ゲノムに組込むことは本発明の範囲内にあ
る。これは、特に相同組換えを受けやすい原核および真核生物によって促進され
る。遺伝子は、天然のB. lentus遺伝子であることができる。あるいは、天然に
存在するまたは突然変異体前駆体プロテアーゼをコードする合成遺伝子を製造す
ることができる。このような方法では、前駆体プロテアーゼのDNAおよび/ま
たはアミノ酸配列が決定される。次いで、複数の重複合成一本鎖DNA断片を合
成し、ハイブリダイゼーションおよび連結反応によって、前駆体プロテアーゼを
コードする合成DNAを生成する。合成遺伝子構築の一例は米国特許第5,20
4,105号明細書の例3に記載されており、上記特許明細書の内容は、その開
示の一部として本明細書に引用される。
【0078】 天然に存在するまたは合成前駆体プロテアーゼ遺伝子をクローニングしたなら
ば、多数の修飾を行って、遺伝子の用途を天然に存在する前駆体プロテアーゼの
合成以外に向上させる。このような修飾としては、米国特許RE34,606号
明細書およびEPO公表第0251446号明細書に開示されている組換えプロ
テアーゼの産生、および本明細書に記載されているプロテアーゼ変異体の産生が
挙げられる。
【0079】 下記のカセット突然変異誘発法を用いて本発明のプロテアーゼ変異体の構築を
促進したが、他の方法を用いることもできる。最初に、プロテアーゼをコードす
る天然に存在する遺伝子を得て、全体または一部をはつれ津決定した。次に、コ
ードした酵素の1個以上のアミノ酸の突然変異(欠失、挿入または置換)を起こ
したい点について配列を走査する。この点に隣接する配列を、遺伝子の短切片を
、オリゴヌクレオチドプールであって発現したときに様々な突然変異体をコード
するプールで置換する制限部位の存在について評価する。この制限部位は、好ま
しくは遺伝子切片の置換を促進させるプロテアーゼ遺伝子中の特異部位である。
しかしながら、制限消化によって生成した遺伝子断片を適当な配列に置いて再組
立することができるとすれば、プロテアーゼ遺伝子でさほど豊富ではない任意の
好都合な制限部位を用いることができる。制限部位が選択した点からの好都合な
距離(10〜15ヌクレオチド)内の位置になければ、このような部位はリーデ
ィングフレームもコードされるアミノ酸も最終構築物で変化しないようなやり方
で遺伝子中のヌクレオチドを置換することによって生成させる。遺伝子の突然変
異によりその配列を変化させて所望な配列に一致させることは、一般に知られて
いる方法に準じるM13プライマー伸張によって行われる。適当な隣接領域を確
認して2つの好都合な制限部位配列に到達するのに必要な変化を評価する作業は
、豊富な遺伝子コード、すなわち遺伝子の制限酵素マップ、および多数の様々な
制限酵素によって機械的作業となっている。好都合な隣接制限部位が利用可能で
あれば、部位を含まない隣接領域に関してのみ上記の方法を用いる必要があるこ
とに留意されたい。
【0080】 天然に存在するDNAまたは合成DNAをクローニングしたならば、突然変異
を行う位置に隣接する制限部位を同種の制限酵素でしょうかし、複数の末端相補
的オリゴヌクレオチドカセットを遺伝子に連結させる。突然変異誘発はこの方法
によって単純化されるのであり、総てのオリゴヌクレオチドを同一性限部位を有
するように合成することができ、合成リンカーは制限部位の作成に必要でないか
らである。ここで用いられるタンパク質分解活性は、活性酵素1mg当たりのペプ
チド結合の加水分解の速度として定義される。タンパク質分解活性の測定には、
多くの周知の方法がある(K.M. Kalisz, 「微生物性プロテイナーゼ(Microbial
Proteinases), 生化学工学/バイオテクノロジーの進歩(Advances in Biochemic al Engineering/Biotechnology ), A. Fiechter監修, 1988年)。改質タンパ
ク質分解活性の他にまたはその代替法として、本発明の変異体酵素はK、K at 、Kcat/K比、および/または改質基質特異性、および/または改質
pH活性プロフィールのような他の改質特性を有することができる。これらの酵
素は、例えばペプチドの調製において含まれることが予想される特定の基質、ま
たは洗濯屋での用途のような加水分解工程のために調整することができる。
【0081】 本発明の一態様では、タンパク質分解活性が増加する(数値的に大きくなる)
と、酵素の使用を一層効率的に標的基質に作用させることができるので、前駆体
プロテアーゼと比較して変更したタンパク質分解活性を有する変異体プロテアー
ゼを確保することが目的である。また、前駆体と比較して熱安定性を変更させお
よび/または基質特異性を変更させた変異体酵素も、関心がある。幾つかの場合
には、タンパク質分解活性を低いほうが望ましいことがあり、例えば(ペプチド
の合成について)プロテアーゼの合成活性が所望な場合には、タンパク質分解活
性の減少が有用となる。このタンパク質分解活性を減少させたいことがあり、こ
の活性は上記の合成の生成物を破壊することができるのである。逆に、幾つかの
場合には、変異体酵素の前駆体と比較して変異体酵素のタンパク質分解活性を増
加させることが望ましいことがある。更に、アルカリまたは熱安定性がどうあろ
うと、この変異体の安定性を増減(変更)させることが望ましいことがある。K cat 、KまたはKcat/K比の増減は、これらの動態パラメーターを決
定するのに用いられる基質に特異的である。
【0082】 本発明のもう一つの態様では、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンの1
03位を1、3、4、8、9、10、12、13、16、17、18、19、2
0、21、22、24、27、33、37、38、42、43、48、55、5
7、58、61、62、68、72、75、76、77、78、79、86、8
7、89、97、98、99、101、102、104、106、107、10
9、111、114、116、117、119、121、123、126、12
8、130、131、133、134、137、140、141、142、14
6、147、158、159、160、166、167、170、173、17
4、177、181、182、183、184、185、188、192、19
4、198、203、204、205、206、209、210、211、21
2、213、214、215、216、217、218、222、224、22
7、228、230、232、236、237、238、240、242、24
3、244、245、246、247、248、249、251、252、25
3、254、255、256、257、258、259、260、261、26
2、263、265、268、269、270、271、272、274および
275位の1個以上と組み合わせたものに相当する置換基が酵素の総合的安定性
および/またはタンパク質分解活性の調節に重要であることを決定した。
【0083】 これらの置換は好ましくはBacillus lentus(組換え体または本来の型)ズブ
チリシンで行われるが、置換は任意のBacillusプロテアーゼで行うことができる
【0084】 変異体プロテアーゼを用いて得たスクリーニング結果に基づけば、Bacillus a
myloliquefaciensズブチリシンで注目した突然変異は、これらの酵素のタンパク
質分解活性、性能および/または安定性、および変異体酵素のクリーニングまた
は洗浄性能に重要である。
【0085】 本発明の洗剤およびクリーニング組成物で用いられる酵素の製造法および手順
は既知であり、PCT公表WO95/10615号明細書に開示されている。
【0086】 本発明の酵素は、トリプシン様特異性を有する。すなわち、本発明の酵素は、
疎水性アミノ酸残基、更に具体的にはフェニルアラニン、トリプトファンおよび
チロシンのペプチド結合を優先的に開裂するよりは、帯電したアミノ酸残基、更
に具体的にはアルギニンおよびリシンのような残基のペプチド結合を優先的に開
裂することによってタンパク質を加水分解する。前者の側面を有する酵素は、キ
モトリプシン様特異性を有する。上記のような基質特異性は、二種の合成基質に
対する酵素の作用によって示される。トリプシン様特異性を有するプロテアーゼ
は、合成基質sucAAPF−pNAよりも合成基質bVGR−pNAを優先的
に加水分解する。対照的に、キモトリプシン様プロテアーゼ酵素は、後者よりも
前者をずっと速やかに加水分解する。本発明の目的には、下記の手順を用いて本
発明のプロテアーゼ酵素のトリプシン様特異性を定義した。
【0087】 一定量のグリシン緩衝液を、pH10および25℃の温度で標準的10ml試験
管に加える。試験を行う活性酵素0.5ppmを試験管に加える。緩衝溶液1ml当
たり合成基質約1.25mgを試験管に加える。混合物を25℃で15分間インキ
ュベーションを行う。インキュベーション時間が終了したならば、酵素阻害剤P
MSFを緩衝溶液1ml当たり0.5mgの濃度で混合物に加える。混合物の吸光度
またはOD値を、410nmの波長で読取る。次に、吸光度は、合成基質に対する
酵素の活性を示す。吸光度が大きくなれば、基質に対する活性のレベルは高くな
る。
【0088】 次に、個々の酵素の特異性を決定するため、2種類の合成基質タンパク質につ
いての吸光度を特異性比に転換することができる。本発明の目的について、この
比は [sAAPF-pNAについての活性]/[bVGR-pNAについての活性] の式特異性によって決定される。比が約10未満であり、更に好ましくは約5未
満であり、最も好ましくは約2.5未満である酵素は、トリプシン様活性を示す
と考えられる。
【0089】 このような変異体は、一般に変異体アミノ酸配列が誘導されるプロテアーゼ前
駆体の同一の特性とは異なる少なくとも1つの特性を有する。
【0090】
【実施例】
下記の例は、本発明のプロテアーゼ変異体のスクリーニング法を例示すること
を意味するが、必ずしも本発明の範囲を限定したりあるいは定義することを意味
するものではない。
【0091】例I 1個以上の置換を有する数種類のプロテアーゼ変異体を、本発明による真電荷
法(net charge method)を用いてスクリーニングする。プロテアーゼ変異体を、
pHが約7〜約12の範囲の洗剤系(A=洗剤濃度が約975ppm〜1050ppm
である北米の洗剤系;B=洗剤濃度が約4500ppm〜5100ppmである欧州の
洗剤系;C=洗剤濃度が約1500ppm〜2000ppmであるラテンアメリカの洗
剤系;およびD=洗剤濃度が約650ppm〜700ppmである日本の洗剤系)に加
える。プロテアーゼ変異体の1個以上の置換の正味の電荷を、Subtilisin 309に
対して測定する。所定の洗剤系での、BMI汚れのような汚れを効果的にクリー
ニングするプロテアーゼ変異体を、表IIIに示す。
【表25】
【0092】例II 1個以上の置換を有するプロテアーゼ変異体を、本発明による吸着法を用いて
スクリーニングする。この例では単一の変異体に関して詳細に説明するが、この
方法は多くのプロテアーゼ変異体について繰返すことができる。プロテアーゼ変
異体の初期の酵素活性を、pNA分析法を用いて測定する。洗剤濃度が500ml
中約5000ppm(洗剤Ariel Futur (Procter & Gamble, Cincinnati, OH, USA)
2.5g)であり、混合Ca2+/Mg2+硬度が15gpg(10,000gpg
人工硬度の750μl添加=15gpg/500ml)である欧州の洗剤系を調製し、
沈降させる。沈降の後、洗剤系を濾過する。次に、96穴プレートで、第一列目
のウェルを除く総てのウェルに濾過した洗剤系175μlを加える。次に、上記
のような欧州の洗剤系を含むプロテアーゼ変異体を、個々のバイアルで450レ
イト(rate)1000μlについての計算値を用いて調製する。450レイト(rate
)溶液を用いて、ウェルプレートの第一列目に洗剤/プロテアーゼ変異体溶液1
6μlおよび洗剤系のみ209μlを加える。第一列から開始し、上記組合わせ7
5μlを採取し、第二列に加える。第二列から75μlを採取し、第三列に加える
。連続した列について繰返す。
【0093】 次いで、96穴のサイレントプレート(ナイロン66 Biodyne(登録商標)A 膜
Btm, 0.45μm細孔)の希釈物100μlをそれぞれの列に移す。すなわち、
1列目をサイレントスクリーンプレート上の1列目などに移す。最後に移し終え
た後、5分間平衡にする。
【0094】 次に、溶液を膜プレートから別の空の96穴プレートに吸引する。
【0095】 別の96穴プレートで、200μlpNAをトリス緩衝液に溶解したもの(2
0〜220)をウェルに加える。吸引した溶液(濾過後)20μlをpNAプレ
ートに素早く移す。直ちに、25℃にてA410nmでプレートを読取る。吸引し
た溶液を初期に調製した洗剤/プロテアーゼ変異体溶液に代えて、この工程を繰
返す。初期(濾過前)および最終(濾過後)洗剤/プロテアーゼ変異体溶液の活
性を測定し、活性の差を濾紙(膜)へ吸着した酵素の割合で表す。
【0096】 クリーニング効果を示すプロテアーゼ変異体を、下記の表IVの列1〜5に示す
。クリーニング効果を示さなかったプロテアーゼ変異体およびSubtilisine 309
を、下記の表IVの例6〜9に示す。
【表26】
【0097】 好ましい態様と例について本発明を詳細に説明してきたが、本発明の範囲から
離反することなく様々な変更および改質を行うことができること、および本発明
は明細書に記載されていることに限定されると考えるべきではないことは、当業
者には明らかであろう。
【0098】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 Bacillus amyloliquefaciens ズブチリシンのDNAおよびアミノ酸配列、お
よびこの遺伝子の部分制限マップ。
【図1B】 Bacillus amyloliquefaciens ズブチリシンのDNAおよびアミノ酸配列、お
よびこの遺伝子の部分制限マップ。
【図2】 Bacillus amyloliquefaciens (BPN') およびBacillus lentus (野生型)由来
のズブチリシンの保存アミノ酸残基。
【図3A】 4種類のズブチリシンのアミノ酸配列。最上列はBacillus amyloliquefaciens
(BPN'と表されることもある)由来のズブチリシンのアミノ酸配列を表す。二列
目はBacillus subtilis由来のズブチリシンのアミノ酸配列を表す。三列目はB.
licheniformis由来のアミノ酸配列を表す。四列目はBacillus lentus由来のズブ
チリシン(PCT WO89/06276号明細書においてズブチリシン309と
も表される)のアミノ酸配列を表す。記号*は、ズブチリシンBPN'と比較して特
異的アミノ酸残基が存在しないことを示している。
【図3B】 4種類のズブチリシンのアミノ酸配列。最上列はBacillus amyloliquefaciens
(BPN'と表されることもある)由来のズブチリシンのアミノ酸配列を表す。二列
目はBacillus subtilis由来のズブチリシンのアミノ酸配列を表す。三列目はB.
licheniformis由来のアミノ酸配列を表す。四列目はBacillus lentus由来のズブ
チリシン(PCT WO89/06276号明細書においてズブチリシン309と
も表される)のアミノ酸配列を表す。記号*は、ズブチリシンBPN'と比較して特
異的アミノ酸残基が存在しないことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:07) C12N 15/00 X (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 チャンチャル、クマー、ゴーシュ アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チ ェスター、パインミル、ドライブ、7005 (72)発明者 フィリップ、フレデリック、ブロウド、 ザ、サード アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 スクワーラルズネスト、レイン、5780 (72)発明者 デボラ、スーザン、ラウクス アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 ラディ、コート、5418 (72)発明者 マイケル、スタンフォード、ショウェル アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 コンプトン、ロード、685 Fターム(参考) 4B050 CC07 DD02 LL04 4B063 QA01 QQ36 QR57 QR75 QR80 QR84 QS05 QS15 QS28 QS36 QX02 4H003 DA01 EC02 FA47

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗剤系で用いるプロテアーゼ変異体のスクリーニング法であって、 a) 1個以上のアミノ酸残基置換を有する1種類以上のプロテアーゼ変異体
    を用意し、 b) 上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の上記1個以上のアミノ酸残基置
    換の正味の電荷を計算し、好ましくは、上記1種類以上のプロテアーゼ変異体中
    の上記1個以上のアミノ酸残基置換の正味の電荷を計算することができるように
    、i)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体をpHが7〜12の範囲、好ましく
    は10〜11の範囲の洗剤系に加えることを含んでなり、 c) 必要に応じて、高洗剤濃度系、好ましくは洗浄水中に2000ppmを上
    回る洗剤成分を含む系で用いる目的で、上記1個以上のアミノ酸残基置換の真の
    正または中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選択し、 d) 必要に応じて、低洗剤濃度系、好ましくは洗浄水中に800ppm未満の
    洗剤成分を含む系で用いる目的で、上記1個以上のアミノ酸残基置換の真の負ま
    たは中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選択し、 e) 必要に応じて、中洗剤濃度系、好ましくは洗浄水中に800ppm〜20
    00ppmの洗剤成分を含む系で用いる目的で、上記1個以上のアミノ酸残基置換
    の真の正、負または中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を選
    択し、 f) 必要に応じて、低、中および高洗剤濃度系で用いる目的で、上記1個以
    上のアミノ酸残基置換の真の中性電荷を有する上記1種類以上のプロテアーゼ変
    異体を選択する、 ことを特徴とする、方法。
  2. 【請求項2】 上記1種類以上のプロテアーゼ変異体が、アミノ酸残基のBacillus amyloliqu
    efaciensズブチリシンの103位に相当するアミノ酸残基位置における別種の天
    然に存在するアミノ酸残基による置換を、アミノ酸残基のBacillus amyloliquef
    aciensズブチリシンの1、3、4、8、9、10、12、13、16、17、1
    8、19、20、21、22、24、27、33、37、38、42、43、4
    8、55、57、58、61、62、68、72、75、76、77、78、7
    9、86、87、89、97、98、99、101、102、104、106、
    107、109、111、114、116、117、119、121、123、
    126、128、130、131、133、134、137、140、141、
    142、146、147、158、159、160、166、167、170、
    173、174、177、181、182、183、184、185、188、
    192、194、198、203、204、205、206、209、210、
    211、212、213、214、215、216、217、218、222、
    224、227、228、230、232、236、237、238、240、
    242、243、244、245、246、247、248、249、251、
    252、253、254、255、256、257、258、259、260、
    261、262、263、265、268、269、270、271、272、
    274および275位に相当する1個以上のアミノ酸残基位置における別種の天
    然に存在するアミノ酸残基による置換と、組合わせて包含する多置換プロテアー
    ゼ変異体から選択され、 ここで、上記プロテアーゼ変異体が103および76位に相当する位置における
    アミノ酸残基の置換を包含するときには、Bacillus amyloliquefaciensズブチリ
    シンの27、99、101、104、107、109、123、128、166
    、204、206、210、216、217、218、222、260、265
    、または274位に相当するアミノ酸残基位置以外の1個以上のアミノ酸残基位
    置におけるアミノ酸残基の置換も存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法に従って選択されたプロテアーゼ変異体を含んでなる、
    洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 洗剤系で用いるためのプロテアーゼ変異体のスクリーニング法であって、 a)1個以上のアミノ酸残基置換を有する1種類以上のプロテアーゼ変異体を
    用意し、 b)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体を、好ましくはpHが7〜12の範
    囲であり、更に好ましくは10〜11の範囲である洗剤系に加え、 c)表面への上記洗剤系中の上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の吸着特性
    を測定し、 d)必要に応じて、上記洗剤系で用いるため、上記ナイロン膜に吸着した酵素
    の割合が16%〜65%、好ましくは20%〜60%の範囲である上記1種類以
    上のプロテアーゼ変異体を選択する ことを特徴とする、方法。
  5. 【請求項5】 上記洗剤系が、洗浄水中に2000ppmを上回る洗剤成分を含んでなる、請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記洗剤系が、洗浄水中に約4500ppm〜約5500ppmの洗剤成分を含んで
    なる、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記表面がナイロン膜を含んでなる、請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 測定段階c)が、 i)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の酵素活性の初期量を、好ましくは
    pNA分析法を用いて測定し、 ii)上記1種類以上のプロテアーゼ変異体をナイロン膜、好ましくはナイロン
    66膜を介して濾過し、上記ナイロン膜は好ましくは親水性表面を含んでなり、 iii)上記ナイロン膜を介して濾過した上記1種類以上のプロテアーゼ変異体
    の酵素活性の量を計算し、 iv)段階i)と段階iii)との間の量の差を測定することによって、上記ナイ
    ロン膜に吸着した上記1種類以上のプロテアーゼ変異体の酵素活性の損失量を測
    定し、 v)酵素活性の損失量を上記ナイロン膜に吸着した酵素の割合に転換する 段階を含んでなる、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記親水性表面が50%のアミンおよび50%のカルボキシル基を含んでなる
    、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記1種類以上のプロテアーゼ変異体が、アミノ酸残基のBacillus amyloliqu
    efaciensズブチリシンの103位に相当するアミノ酸残基位置における別種の天
    然に存在するアミノ酸残基による置換を、アミノ酸残基のBacillus amyloliquef
    aciensズブチリシンの1、3、4、8、9、10、12、13、16、17、1
    8、19、20、21、22、24、27、33、37、38、42、43、4
    8、55、57、58、61、62、68、72、75、76、77、78、7
    9、86、87、89、97、98、99、101、102、104、106、
    107、109、111、114、116、117、119、121、123、
    126、128、130、131、133、134、137、140、141、
    142、146、147、158、159、160、166、167、170、
    173、174、177、181、182、183、184、185、188、
    192、194、198、203、204、205、206、209、210、
    211、212、213、214、215、216、217、218、222、
    224、227、228、230、232、236、237、238、240、
    242、243、244、245、246、247、248、249、251、
    252、253、254、255、256、257、258、259、260、
    261、262、263、265、268、269、270、271、272、
    274および275位に相当する1個以上のアミノ酸残基位置における別種の天
    然に存在するアミノ酸残基による置換と、組合わせて包含する多置換プロテアー
    ゼ変異体から選択され、 ここで、上記プロテアーゼ変異体が103および76位に相当する位置における
    アミノ酸残基の置換を包含するときには、Bacillus amyloliquefaciensズブチリ
    シンの27、99、101、104、107、109、123、128、166
    、204、206、210、216、217、218、222、260、265
    、または274位に相当するアミノ酸残基位置以外の1個以上のアミノ酸残基位
    置におけるアミノ酸残基の置換も存在し、 好ましくは上記プロテアーゼ変異体が 68A/76D/103A/104I/159D/236H/245R 101G/103A/104I/159D/232V/236H/245R/2
    48D/252K 103A/104I/159D/232V/236H/245R/248D/2
    52K 103A/104I/159D/232V/236H/245R/248D/2
    52K 103A/104I/159D/230V/236H/245R 68A/76D/103A/104I/159D/213R/232V/236
    H/245R/260A からなる群から選択される置換を含んでなる、請求項4に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項4に記載の方法に従って選択された1種類以上のプロテアーゼ変異体を
    含んでなる、洗剤組成物。
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