フライフィッシングは、欧米などの国で流行しており、フライフィッシングにおいて、フライが釣餌として使用されている。現在市場にあるフライの固定装置としては、米国特許番号US6079148Aに公開のフライ固定マットが普遍的に採用されている。このフライ用の固定マットは、発泡材によって固定マット本体を作成し、本体上に矩形状の切除区域を設けており、切除されていない区域が切除区域に対して段差区域になり、段差区域には、ガイド溝によって切除区域に連通するカッティングスリットが設けられており、該ガイド溝が一般にはV字状で、カッティングスリットの他端が閉鎖されている。
このような固定マットは、以下の欠点を有している。
(1)このようなフライ用の固定マットは、フライを固定する方式が単一であるため、使用において不便が生ずる。このようなフライ用の固定マットを使用してフライを固定する場合は、先ずフライを切除区域に縦置きにしてから、フック先が下に位置しかつV字状のガイド溝の尾端に向くようにV字状のガイド溝に合わせ、その後にフライをカッティングスリットに押し入れる必要がある。フライのフック先をカッティングスリットの方向に向けてカッティングスリットに引き入れると、フック先がV字状のガイド溝の側壁に引っ掛かってしまうことがよくあり、これによって、フライは引き続きカッティングスリットに押し入れられなくなり、固定という目的を達成できず、さらに固定マットを破損してしまう可能性がある。よって、使用者はこのようなフライ固定マットを使用する際、フライをカッティングスリットに押し入れて固定するために、フライのフック先の向きを確認する必要があり、これによって、使用において操作者に大きな不便をもたらしてしまう。また、フライフィッシングの際、外界からの光線が不足する場合もあるため、フライのフック先の向きを確認しにくいことがある。
(2)汎用性が高くないため、アングラーのコストは高くなってしまう。カッティングスリットは非常に微細で、かつフライマット全体はゴム糊によってベースに貼り付けられており、また固定の際、フライは前のV字状のガイド溝のカッティングスリットに近いため、フライをカッティングスリットに押し入れる際に受ける抵抗は大きい。よって、固定が面倒であり、かつ時間もかかる。カッティングスリットを大きくすると、小さいサイズのフライはうまく固定されず、カッティングスリットから脱し易い。よって、異なるサイズとタイプのフライは、それに対応するための異なるフライマットが必要であり、例えば、ドライ系及びウェット系のフライは、ドライ系及びウェット系のフライマットが必要で、ストリーマー・フライ(streamer fly)は、ストリーマー系のフライマットが必要で、ソルトウォーター・フライ(saltwater fly)は、ソルトウォーター系のフライマットが必要である。よって、アングラーは、常にこのフライマットも含めて複数種類のフライボックスを携帯する必要がある。これは、場所を占めるだけでなく、さらにアングラーのコストを増加させてしまう。
さらに、チューブフライ(tube fly)は、上記特許のカッティングスリットに挿入して固定することができない。チューブフライは、一般には発泡固定ストリップの脇孔に固定されることになり、これらの孔は、孔径が同じく等距離に配列されている。欠点として、チューブフライの管径が発泡固定ストリップの脇孔の孔径よりも大きい場合に、挿入が困難であり、チューブフライの管径が発泡固定ストリップの脇孔の孔径よりも小さい場合に、挿入し易いものの、固定が難しいということである。チューブフライを、発泡を垂直に貫通して等距離に配列されるストリップ状溝に固定する場合もある。この製品の欠点として、チューブフライの管径が明らかにストリップ状溝より大きい場合に、圧入が困難で、チューブフライの毛が破損し易く、取り出しのときに改めて整理する必要があるということである。チューブフライの管径がストリップ状溝より明らかに小さい場合に、圧入し易いものの、固定の作用を奏することはできない。
また、上記特許又は従来技術の装置で固定できないか、或いは固定が困難なフライ又はベイトも多くある。これらのフライ又はベイトは、大きく分けて3つの種類に分類することができる。1種類目は、1つのフックのみを有するフライ又はベイト(フライ又はベイトボディがフックと一体に連結されているもの)であり、例として、L字状又はR字状のスピナーベイトルアー(spinner bait lure)、バズベイトルアー(buzz bait lure)などが挙げられる。2種類目は、1つのフックのみを有するフライ又はベイト(フライ又はベイトボディがリングによってフックに連結されているもの)であり、例として、フックが1つである魚形ベイト、スプーンフライ(spoon fly)、スプーンベイトルアー(spoon bait lure)などが挙げられる。この種類のフライ又はベイトは、一般には魚形や扁平状のブレード又はベイン(vane)を有し、かつフライ又はベイトの形状が比較的複雑である。3種類目は、2本フック又は3本フックを1つ又は複数有するフライ又はベイトであり、この種類のフライとベイトのサイズは同一ではなく、形状も異なり、例として、典型的な魚形ベイト、チューブフライ(tube fly)、スプーンベイトルアー、スピナーベイトルアーなどが挙げられる。
1種類目のフライ又はベイトについて、米国特許US2004256260には、R字状(L字状)のスピナーベイトルアーボックスが開示されている。その使い方としては、R字状(L字状)のスピナーベイトルアーを片手に持ち、ワイヤストリップ51とR字状のリングを、プラスチックの両凹溝の突起する縁部の中部ストリップ状溝に入れてから、他方の手で金属製スピナーブレードをプラスチック凹溝に入れ、その後にフック54を発泡締付装置固定ストリップの31に圧入するようになっている。該技術案の欠点として、ワイヤストリップ51、R字状のリング及び金属製スピナーブレードがうまく固定できないことであり、かつ金属製スピナーブレード及びその連結装置の長さが8cmにも達するものは、運送途中において揺れる状態にあるため、R字状(L字状)のスピナーベイトルアーの金属製スピナーブレード及びその連結装置は、他のR字状(L字状)のスピナーベイトルアーの金属製スピナーブレード及びその連結装置と衝突して表面を破損し、さらに互いに絡まる可能性がある。互いに衝突することを避けるために、R字状(L字状)のスピナーベイトルアーの間の距離を十分とらなければならず、このようにすると、大量の保管場所が無駄にされることになってしまう。明らかに、この技術案も差し支えがある。また、フック51を発泡締付装置の固定ストリップの31に圧入するために、ワイヤ自体の弾力(通常約80度をなす)を克服しなければならないが、弾力が大きいため、フックは発泡締付装置の固定ストリップの31に圧入されたとしても、反力作用の下で発泡締付装置固定ストリップの31から弾き出される可能性があり、特に数回使用された後に、この可能性は非常に高くなる。発泡締付装置固定ストリップをきつくすると、フックの圧入は難しくなってしまう。
現在、R字状(L字状)のスピナーベイトルアーとバズベイトルアーが射出成形ボックスに収納されるのも、良く見られている。このボックスは少なくとも1列のプラスチック隔壁を有し、隔壁の上部には、1列の等距離間隔の浅凹溝があり、スピナーベイトルアーとバズベイトルアーは凹溝に収納されている。その欠点として、運送途中において揺れる状態にあり、スピナーベイトルアーの金属製スピナーブレード(複合ベイン)及びその連結装置は、他のスピナーベイトルアーの金属製スピナーブレード(複合ベイン)及びその連結装置と衝突して表面を破損し、又は互いに絡まったり、引っ掛かったりする可能性がある。互いに衝突することを避けるために、ベイトの間の距離を十分とらなければならず、このようにすると、大量の保管場所が無駄にされることになってしまう。特に、釣道具のボックスが逆に置かれたり、又は引っくり返されたとき、ベイトが互いに絡まったり、引っ掛かったりして、使用に影響してしまう。また、即時に釣りを行うために、アングラーは異なる釣場、水深、天気、気候及び時間に応じて、異なる釣道具を選択して使用するが、ボックスの底部に収納されるスピナーベイン(ブレード)などの用具部品の形状や色などの特徴は、識別し難いことがある。
2種類目について、上記特許又は従来技術の装置ではまだフライ又はベイトの固定問題を解決することができない。
3種類目のフライ又はベイトについては、米国特許US6789669には、小さいスピナーベイトルアーボックスが開示されている。射出成形ボックスの両端及び中部には、フックを締め付ける装置である発泡固定ストリップが取り付けられており、金属製ブレードは、隔壁23の間、並びに底部の隔壁25の上に収納される。使い方としては、3本フックのうちの1つを手に持ち、金属製ブレードを隔壁23の間、並びに底部の隔壁25の上に置いて3本フックを回転させ、フック柄をプラスチック凹溝22に入れてから、3本フックのうちの2つを手で押さえることにより、そのうちの1つのフックを発泡締付装置に圧入して他の2つのフックを上表面に位置させる。その欠点として、3本フックを回転させなければならず、圧入するのが面倒であること、2つのフックが上表面に位置するため、手に傷をつけてしまう可能性があること、ブレードが固定されておらず、運送途中において揺れや衝突の状態にあるため、表面を破損してしまう可能性があること、及び、釣道具のボックスは通常上下蓋を有し、蓋を開けるときに、上蓋に位置する小さいスピナーベイトルアー体及びブレードが固定されていないため、それが落ちて使用に不便をもたらしてしまうことがある。また、該技術は、小型スピナーベイトルアーの固定問題の解決のみに着目し、大型スピナーベイトルアーの固定問題を解決していない。
また、CN2507258には、ベイトの収納ボックスが開示され、その中で、ベイトは収納溝31に収納され、ベイトの2つの3本フックがそれぞれ前ソフトマットと後ソフトマットの係合溝に固定される。ベイトの2つの3本フックのうちの1つが、通常はベイトの腹部又は頚部に位置するため、固定の際にベイトの頭部は、位置決め溝32とソフトマットの上に位置して、さらにボックス本体を超えてしまい、これによって、ボックスの蓋が閉められない可能性がある。かつ、2つのフックは前ソフトマットと後ソフトマットの表面に位置するため、手に傷を付け易い。また、フックを手に持って固定する必要があるため、不便かつ不安全である。さらに、ベイトのもう1つの3本フックの収納も問題になり、それがベイトの魚尾部に位置せずやや前に位置すれば、ベイトは完全に収納溝に収納されることができない。該技術案は、固定の目的を達するができない。
これらのフライ又はベイトについて、簡単な隔壁で隔てる方法もあるが、実際に確実に固定されないため、携帯の際に衝突して破損する可能性があり、かつ取出しと収納の際に、使用者に傷を付け易い。
また、2005年度欧州釣具貿易展(EFTTEX 2005 show in Warsaw)賞のベスト釣具アクセサリを受賞したフックの保護のみに用いられる発泡保護マット(The Happy Hook Protector)があり、それは扁円状で、中心にはフック柄を挿入するための溝があり、マットを下へ押さえてフック先をマットに挿入することによって、保護の作用を奏するものである。該製品の欠点として、フックが小さくかつフック柄が短い場合、マットの厚みが薄いため、フックはマットから突出し易く、使用者に傷をつけてしまうこと、及び固定が困難で、保護ストリップの固定と取外しが不便であることがあり、かつベイト本体の固定問題を解決することができない。
本発明は、構造が簡単、固定が迅速、使用が便利で汎用できる固定マットを提供することを目的とし、この固定マットは、フライフィッシングにおけるフライの固定に用いられるだけでなく、スポーツフィッシングにおけるベイトの固定にも同様に適する。
上記目的を達成するために、本発明は、発泡材により製造された固定マット本体と、上記本体に設置され、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通し1個又は互いに間隔を置いた複数の成形溝とを備え、上記各成形溝の一端には、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通してフライ又はベイトのフック部、ブレード又は類似部品を保持するためのカッティングスリットが連結されているフライ又はベイト用の固定マットを提供する。
上記成形溝の他端にも、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通するカッティングスリットが設けられて良い。
上記固定マットは、各成形溝に対応して設けられる1個又は互いに間隔を置いた複数の付加の成形溝をさらに備えて良く、上記付加の成形溝の一端は1つの中間カッティングスリットによって上記成形溝に連結すると共に、他端にはもう1つのカッティングスリットが連結されており、上記付加の成形溝及びカッティングスリットがともに上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通する。
上記成形溝の他端には、フック部を収納するためのフック溝が設けられて良い。
上記成形溝の他端又はその近傍には、上記成形溝の縦方向での延在方向と交差する方向に沿って延在する抵抗低減スリットが設けられて良く、上記抵抗低減スリットは、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通する。
成形溝と、それに連結するカッティングスリットとの間に、カッティングスリットに挿入すべきフック部、ブレード又は類似部品をガイドするためのガイド部が設けられて良い。
ガイド部は、V字状、弧形状又は矩形状であって良い。
上記固定マットは、上記カッティングスリットと交差して、フック部又はブレードをカッティングスリットに挿入する際の抵抗を低減するための抵抗低減スリットをさらに備えて良く、上記抵抗低減スリットは、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通する。抵抗低減スリット及びカッティングスリットは、T字状、Y字状、十字状又は矢印の形状に組み合わされて良い。
複数の成形溝は平行に配列して、成形溝組を形成する。本体には、並列設置される成形溝組が複数組設けられている。成形溝は、ストリップ状、楕円状、柳葉状、菱状、円状、三角状、又は矩形状であって良い。
上記固定マットの少なくとも一部を、結合装置によって収納ボックスに固定して良い。カッティングスリットと成形溝を設けていない上記固定マットの部分のみを、結合装置によって収納ボックスに固定して良い。結合装置は、両面テープ又は接着剤であって良い。
上記目的を達成するために、本発明は、発泡材により製造された固定マット本体と、上記本体に設けられる1個又は互いに間隔を置いた複数の成形溝とを備え、上記各成形溝の一端には、フライ又はベイトの一端に位置するフック部を収納するためのフック溝が設けられており、上記成形溝及びフック溝は、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通するフライ又はベイト用の固定マットをさらに提供する。また、フック先が1個より多いフック部を一端に有するベイトを上記固定マットに固定する方法を提供し、該方法は、一端のフック部のフック先をフック溝に合わせ、引き入れて固定するステップ、及びベイトのボディを成形溝に圧入するステップを含む。
各成形溝の他端には、上記成形溝の縦方向での延在方向と交差する抵抗低減スリットがさらに設けられており、上記抵抗低減スリットは、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通する。
成形溝は、フライ又はベイトのフック部又は他の1つのフック部を収納するためのサイズ増大部を備えてよい。上記サイズ増大部は、弧形状、又は矩形状であって良く、他の適当な形状であっても良い。
各成形溝のフック溝は、互いに連通して共用のフック収納部を構成して良い。
各成形溝と、対応するフック溝との間には仕切り溝がそれぞれ設けられて、上記仕切り溝の横断面面積が対応するフック溝よりも小さくても良い。
上記目的を達成するために、本発明は、発泡材により製造された固定マット本体と、上記本体に設けられる1個又は互いに間隔を置いた複数のカッティングスリットと、上記カッティングスリットの一端又はその近傍で交差して延在する抵抗低減スリットとを備え、上記カッティングスリット及び抵抗低減スリットは、上記本体の厚み方向に沿って上記本体を貫通し、上記各カッティングスリットの他端は、フライ又はベイトのフック部又はブレード又は類似部品の挿入を許可するように開口するフライ又はベイト用の固定マットを提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、さらにブレードを有するフライ又はベイトを固定マットに固定する方法を提供し、上記固定マットは、発泡材により製造された固定マット本体と、上記本体に設けられて上記本体を貫通し、互い間隔を置いた複数のカッティングスリットとを備え、該方法は、一端のフック部のフック先をフック溝に合わせ、引き入れて固定するステップ、及びベイトのボディを成形溝に圧入するステップを含む。
本発明の有益な効果として、以下を含む。
(1)本発明によれば、各種のフライ及びベイトの固定問題を解決することができる。本発明では、抵抗低減スリット、カッティングスリット、成形溝、フック溝などを設けることにより、全ての種類の1本フック、2本フック、3本フック、及び多本フックが2つ付いたフライとベイトの固定問題を解決することができ、固定種類が単一であるという従来技術に存在する問題を克服した。具体的には、抵抗低減スリット、カッティングスリット、成形溝などを設けることにより、各種の1本フックのフライとベイト及びチューブフライの固定問題を解決することができる。抵抗低減スリット、カッティングスリット、成形溝、フック溝などを設けることにより、例えば、スピナーベイトルアーのような各種の2本フック、3本フック、及び多本フックが2つ付いたフライとベイトの固定問題を解決することができる。該技術案は、本分野において長期にわたって解決できなかった難題を解決することができる。
(2)汎用性が高く、アングラーのコストを節約することができる。本発明による固定マットは、各種の形状、サイズ及びタイプのフライ又はベイトに適用することができ、異なる規格のフライ及びベイトは、いずれも円滑に押す、引く又は上から下へ圧入することによってカッティングスリットに固定し、或いは本体の下からフライ及びベイトを引き入れて固定することができる。よって、本発明は、1枚のフライ又はベイト用の固定マットだけでフライ及びベイトを固定することができ、これによって「一物多用」を実現した。このようにして、場所だけでなく、さらにアングラーの消費コストも節約することができる。特に、フライフィッシングとスポーツフィッシングの両方が好きな人にとっては、より大きな利便性と実益が得られる。本発明によれば、異なる種類のフライに応じて異なる固定マットが必要で、汎用性が低くコストが高いという従来技術に存在する問題を解決することができる。
(3)固定が迅速且つ容易であり、確実に固定ができる。成形溝の予め位置決めおよび加速作用により、フライ又はベイトのフック部又はブレードは、円滑にカッティングスリットにスライドできるようになる。適当な位置にカッティングスリットを設けることにより、ブレードはカッティングスリットに挿入され易く、これによって、形状や構造が異なる各種のフライ又はベイトをしっかりと固定することができる。例えば、L字状のスピナーベイトルアーなどである。カッティングスリットの両端が閉鎖しているため、フックは固定マットから弾き出されることがない。抵抗低減スリットとカッティングスリットの組合せにより、固定力が確保されると同時に、カッティングスリットに挿入する際の抵抗を低減することもできる。本発明によれば、ブレードが固定できず、R字状(L字状)のスピナーベイトルアーのフックが発泡ストリップから弾き出されるといった従来技術に存在する問題を解決することができる。
(4)成形溝を設けることにより、チューブフライ、ベイトボディ、ブレードは収納又は固定できるようになる。本発明によれば、チューブフライがしっかりと固定できず、ベイトボディ、ブレードが収納又は固定できないといった従来技術に存在する問題を解決することができる。
(5)複数のフック先が付いたフック部を収納するためのフック溝を設けることにより、3本フックのフック先は固定マットの表面から露出せず、フック先が複数付いたフライ又はベイトをしっかりと固定することはできる。例えば、チューブフライ、2本フライ、3本フライ、複数のフックが付いたスプーンベイトルアー、スピナーベイトルアー又は通常ベイトなどである。よって、3本フックのうちの2つのフックが固定マットの表面から露出して手に傷を付け易いといった従来技術に存在する問題を解決するができる。
(6)成形溝のサイズ増大部を設けることにより、通常ベイトの頸部又は腹部における2本フック又は3本フックが収納できるようになって、本分野において長期にわたって解決できなかった難題を解決することができる。
(7)成形溝の縦方向のカッティングスリットと抵抗低減スリットを設けることにより、形状やサイズが異なるベイトをいずれも円滑で迅速にしっかりと固定できるようになる。
(8)複数の方法によって、フライ又はベイトを固定することができる。よって、使用者は、フライ又はベイトのフック先の向きを識別する必要がなく、異なる方法でフライ又はベイトを速やかに固定することができる。本発明によれば、固定方法が単一であるといった従来技術に存在する問題を克服することできる。
(9)本発明の固定マットによって固定されるフライ又はベイトの特徴は、外部から識別し易いため、使用者による取出しや使用が便利である。本発明によれば、L字状のスピナーベイトルアー、L字状のスピーナフライのブレードがボックスの底部に位置することにより取出しが不便であるといった従来技術に存在する問題を解決することができる。
添付の概略図を参照すれば、本発明の目的、方案及び長所をより良く理解することができる。
先ず、図1〜7を参照して、本発明の1つの実施例によるフライ又はベイト用の固定マット100を説明する。該固定マット100は、発泡ポリエチレンにより製造された薄い長方体の固定マット本体1を備える。本体1には、独立の成形溝2が複数設けられ、これらの成形溝2は間隔を置いて本体1に並列設置されている。成形溝1は本体1の上下表面を垂直に貫通し、このようにして、操作者はフライ7又はベイト8を成形溝2に入れるだけで、フライ7又はベイト8を非常に便利に位置決めすることができ、これによって、フライを目視しながら位置合わせする必要がなく、操作を便利にすることができる。特に、光線が足りない環境で、その作用は一層明らかなものである。図に示される成形溝2はストリップ状であるが、その形状として、楕円状、柳葉状、菱状、円状、又は三角状であっても良い。
各成形溝2の一端には、本体1の上下表面を垂直に貫通して、フライ又はベイトのフック部又はブレード又はブレードと類似する他の部品を保持するためのカッティングスリット4が連結されている。本体1が一定の弾性を有するため、カッティングスリットにフック部又はブレードを挿入する際、カッティングスリットが押圧されると自然に両側へ開くことにより、各種のサイズのフライ又はベイトを保持することができる。フック先をカッティングスリット4に向けて差し入れる(引き入れる)とき、又はフック先をカッティングスリットと反対方向に押し入れるときに、縦方向での延在方向に沿って一定の長さを有する成形溝2が差し入れる過程又は押し入れる過程に対して、ガイド及び加速の作用を果たすことにより、フライ又はベイトのフック部は、円滑にカッティングスリット4に入られるようになる。
成形溝2と、それに連結するカッティングスリット4との間には、カッティングスリット4に挿入すべきフック部又はブレードをガイドするためのガイド部3がさらに設けられて良い。図に示されるガイド部3はV字状であるが、弧形状又は他の適当な形状であっても良い。フック部又はブレードを横断面面積が通常大きな成形溝2から、横断面面積が通常小さなカッティングスリット4に円滑に入れられる(圧入される)ように、該ガイド部3はフック部又はブレードの加速距離をより長くし、かつガイドの作用を果たすことができる。
挿入するフライのサイズが大きい、或いはブレード又はブレードと類似する部品が大きいときに、カッティングスリット4がフライ又はブレードに与える抵抗が大きいため、挿入は困難になってしまう。このため、カッティングスリット4の成形溝2から離れた一端又はその近傍に、上記本体の厚み方向に沿って本体1を貫通する抵抗低減スリット41を設けて良く、該抵抗低減スリット41もカッティングスリット4と交差する。このようにして、抵抗低減スリット41がカッティングスリット4の開きに寄与するため、サイズの大きいフライ又はベイトは、簡単にカッティングスリット4に挿入して固定できるようになり、同時に本体1の弾性によって、サイズの小さいフライ又はベイトも、弛緩と脱落のないように確保される。図に示される抵抗低減スリット41は、カッティングスリット4の端部でカッティングスリット4と垂直に交差する直線状のもので、カッティングスリット4と組み合わせて「T」字状を形成している。当然、抵抗低減スリット41の形状は、これに限られず、カッティングスリット4と組み合わせて「Y」字状、矢印の形状、又は十字状を形成しても良い。
複数の成形溝2を平行に配列して成形溝組6を組合わせて良く、かつ本体1には、並列設置される成形溝組6が複数組設けられて良い。図に示される成形溝組6の各成形溝2は同じく、かつ等距離間隔である。しかし、本発明はこれに限られず、固定すべきフライ又はベイトの形状に適するように、異なる形状やサイズの成形溝2を異なる間隔で組み合わせて成形溝組6を形成して良い。この点は、以下の各実施例及び変形例にも適用する。
また、隣り合う成形溝組6の成形溝は、反対向きに設置されて良い(例えば、後述の図14に示されるように)。このように設置した成形溝組は、特にL字状のスピナーベイトルアーの固定に適し、その理由として、通常はL字状(R字状)のスピナーベイトルアー(spinner bait lure)は、距離が遠くかつ互いに一定の角度をなす2つの部分を有し、そのうち1つの部分がブレードを有してもう1つの部分がフック部を有しているからである。このようにして、固定する際、フック部を1つの成形溝組6のカッティングスリットに挿入、または押し入れて、ブレードを隣のもう1つの成形溝6のカッティングスリットに挿入、押し入れ、又は圧入することができる。これによって、L字状のスピナーベイトルアーをしっかりと固定することができる。
図2に示されるように、結合装置5によって固定マットを収納ボックス又はパネルに固定する。交換し易いように、該結合装置5は、好ましくは取外し可能なものであり、例えば、両面テープ又は接着剤などである。図に示されるように、結合装置5は、好ましくは成形溝2とカッティングスリット4を設けていない本体1の裏面及び四周のみに設けられ、このようにすると、フック部又はブレードを挿入する際、結合装置5による抵抗を受けることがなく、かつフック先が本体1の下方に位置することにより、フライ又はベイトの固定し易くすることができる。この点は、以下の各実施例及び変形例にも適用する。
図5〜6に示されるように、上記構造の固定マットによってフライ又はベイトを固定する方法は、複数種がある。
方法1(図5の9に示されるように):使用者は、フライ又はベイトを手に持ち、フック先が下方に位置しかつ成形溝2のカッティングスリット4から離れた一端に向くように成形溝2に入れ、その勢いでフライ又はベイトをカッティングスリット4に押し入れれば、固定することができる。成形溝2の加速作用及び抵抗低減スリット41の抵抗低減作用により、従来技術より速いスピードでフライ又はベイトを挿入することができる。
方法2(図5の10に示されるように):使用者は、フライ又はベイトを手に持ち、フック先が下方に位置しかつカッティングスリット4の方向に向くように成形溝2に入れ、その勢いでフライ又はベイトをカッティングスリット4に引き入れれば、固定することができる。
方法3(図7の12に示されるように):使用者は、フック先が下方に位置しかつ成形溝2のカッティングスリット4から離れた一端に向くようにフライ又はベイトを手に持ち、成形溝2とカッティングスリット4とが連結する箇所の上方にフック部の折曲部分を置き、その勢いでフライ又はベイトをカッティングスリットに圧入すれば、固定することができる。
方法4(図5、6の11に示されるように):使用者は、フック先が下方に位置しかつカッティングスリット4の方向に向くようにフライ又はベイトを手に持ち、フック先を固定マット本体の下方に位置させるように成形溝2に入れ、その勢いでフライ又はベイトをカッティングスリットに引き入れれば、固定することができる。或いは、引き入れなくても固定することができる。
よって、使用者は、フライ又はベイトのフック先の向きを識別する必要がなく、異なる方法でフライ又はベイトを迅速に固定することができる。よって、固定は速やかで、容易かつ便利である。上記方法2又は4によってフック部をカッティングスリット4に引き入れるときに、独立の成形溝2が設けられていることにより、フック先は、引き入れられる前に大体位置が決められるため、側壁に引っ掛かって破損してしまうこと、及び固定過程を邪魔することがない。
上記実施例において、互いに間隔を置いた複数の独立の成形溝2、及びそれに連結するカッティングスリット4を設けることにより、フライ又はベイトのフック部、ブレード又はブレードと類似する部品の挿入はより容易で迅速であり、かつ各種の通常形状のフライ又はベイトに対して確かな固定をすることができ、柔軟で確実な固定を提供し、汎用性を向上させ、使用コストを低減した。同時に、使用者は、固定マットに対するフック部の配向及び位置を考慮せずに複数の方式でフック部をカッティングスリット4に挿入することができ、これによって、使用は非常に便利になり、特に光線が足りない状況では一層に明らかである。
挿入し易いように、成形溝2の形状は、カッティングスリット4の縦方向での延在方向におけるサイズが、該縦方向での延在方向と横に交差する方向におけるサイズよりも大きく形成されるのが好ましい。
上記実施例は、1つのフックのみを有する各種のフライ又はベイト、及び1つのフックとブレードを有する各種のフライ又はベイトに適する。以下、図8〜9を参照して、各種の特別な形状のフライ又はベイトに適応するための上記実施例の各種の変形例を説明する。
図8に示される変形のように、成形溝2の両端には、本体1の厚み方向に沿って貫通する2つのカッティングスリット4及び対応する抵抗低減スリット41がそれぞれ設けられている。このように設置した固定マットでは、そのうちの1つのカッティングスリット4に1本フックのフライ又はベイトのフック部を挿入して、フライ又はベイトの異なる箇所に位置する可能性のあるブレード又は類似部品、ワイヤストリップなどを実際の状況に応じてもう1つのカッティングスリット4に挿入することができる。例えば、上記変形例の固定マットによってL字状のスピナーフライ又はスピナーベイトルアー、スプーンフライ又はスプーンベイトルアーなどを固定する際、その一端の1本フックを成形溝2に合わせて1つのカッティングスリット4に押し入れた後、ブレード又は類似部品を成形溝2に合わせてもう1つのカッティングスリット4に挿入、又は押し入れて固定することができる。状況に応じて、成形溝に入れたL字状のスピナーフライ又はスピナーベイトルアーのワイヤの一端も、カッティングスリットに引き入れて固定することもできる。
図9に示されるもう1つの変形例のように、1のカッティングスリット4によって連結される2つの直列配置の成形溝2が設けられており、かつ2つの成形溝2の先端には、本体1の厚み方向に沿って貫通する2つのカッティングスリット4及び対応する抵抗低減スリット41がそれぞれ設けられている。このように設置する固定マットでは、類似的に1本フックのフライ又はベイトのフック部をそのうちの1つのカッティングスリット4に挿入して、フライ又はベイトの異なる箇所に位置する可能性のあるブレード、ワイヤストリップ又はリングなどを実際の状況に応じてもう1つのカッティングスリット4に挿入することができる。簡略化のために、上記2種の変形例は、成形溝2とカッティングスリット4との間に設けられているガイド部3を示していない。例えば、図10に示されるように、上記変形例の固定マットによってL字状のスピナーベイトルアー20を固定する場合、その一端の1本フック203を成形溝2に合わせて1つのカッティングスリット4に押し入れた後、ブレード201又は類似部品をもう1つの成形溝2に合わせて挿入する、又はもう1つのカッティングスリット4に押し入れて固定することができる。状況に応じて、成形溝に入れたL字状のスピナーベイトルアーのワイヤの一端も、カッティングスリットに引き入れて固定することができる。図示は、引き入れていない場合である。図10に示されるL字状のスピナーベイトルアー20は、2つのブレード201、202を備え、この場合、ブレード202をもう1つの成形溝2に合わせて挿入する、又は中間のカッティングスリット4に押し入れて固定することができる。図8と9は同様にカッティングスリットの両端点が閉鎖状態であるため、1本フックは固定マットから弾き出されることがない。当然、特定の形状やサイズのフライ又はベイトに適するために、3つ以上の成形溝2を有する実施例を考えても良い。
同様に、ブレードが大きいバズベイトルアーを固定する場合、1本フックを上記方法で固定した後、ブレードを直接に成形溝2に挿入して固定することもできる。なお、図8と9に示される固定マットによってL字状のスピナーベイトルアーを固定する場合、固定マットの厚みは少なくとも5mmより大きく、フック部、ブレード又は類似アクセサリを固定するに足りるものでなければならない。
スプーンフライ又はスプーンベイトルアーについて、その1本フックを成形溝2に合わせて1つのカッティングスリット4に押し入れてから、1つのブレード又は類似部品を2つの成形溝2の間のカッティングスリット4に固定することができる。JIGのようなフライ又はベイトは、L字状のスピナーフライ又はスピナーベイトルアーと同様に1つの1本フックを有し、かつ頭部には、ブレードに連結するための連結装置を有する。その固定方法は、L字状のスピナーフライ又はスピナーベイトルアーと似ている。図8と9に示される固定マットは、図1に示される固定マットと同様に異なる種類のフライ又はベイトを容易に固定することができる。図に示される成形溝2は柳葉状であるが、その形状として、ストリップ状、楕円状、菱状、円状又は三角状、矩形状などであっても良い。
図8と9に示されるように、成形溝にはガイド部が設けられて良く、ガイド部の形状として、V字状、弧形状、矩形状であって良い。矩形状のガイド部は、ブレード又は類似アクセサリ及びフライやベイトのフック部がガイド部とカッティングスリットとを連結する箇所の上端から円滑にカッティングスリットに圧入されるように設置されている。ブレード又は類似アクセサリを成形溝に入れて矩形状端部のカッティングスリットへ圧す、又は推し、成形溝の予め位置決めの作用があるため、容易に固定を行うことができる。フライやベイトの固定方法は、上記方法3の通りである。
図8と9の設置構造は簡単、便利で実用的なものであり、運送途中で製品が揺れて破損し、ブレードが固定できないなどの従来技術に存在する問題を解決することができ、固定した製品を一目瞭然にし、アングラーは異なる釣場、水深、天気、気候及び時間に応じて簡単に製品を取り出し、即時に釣りを行うことができる。これによって、ボックスに収納されている製品の形状、色などの特徴が識別し難いという問題を解決することができる。例えば、スピナーブレードが、コロラドブレード(Colorado Blade)なのか、ウイローリーフブレードなのか、インディアナブレード(Indiana Blade)なのか、それとも綜合型なのか、白いものなのか、黒いものなのかといった問題を解決することができる。さらに、該固定マットの固定と取出しは便利で、コストも安い。取り出しが不便でコストが高く、L字状のスピナーフライ又はスピナーベイトルアーの1本フックが固定マットから弾き出されるといった従来技術に存在する問題を解決することができる。
もう1つの変形例に示されるように、成形溝2のカッティングスリット4から離れた一端又はその近傍には、成形溝2の縦方向での延在方向と交差する方向に沿って延在する交差抵抗低減スリットがさらに設けられて良く、該交差抵抗低減スリットは、本体1の厚み方向に沿って本体1を貫通する。成形溝2の両端に、抵抗低減スリットがともに設けられていることにより、サイズの異なる各種のフライ又はベイトを固定できるようになり、特にチューブフライを固定することができる。
これらの上記変形例は、現在多くの特別なフライ又はベイトの固定に用いることができる。これらの特別なフライ又はベイトは形状が特殊(R字状、L字状など)でブレード又は類似部品を有するため、従来の固定マットで完全に固定するには困難があり、運送途中で揺れて破損する問題がよく起こる。また、これらの製品は異なるタイプが多くあり、異なる種類の環境及び魚種に適用するために、各タイプは異なる色及び形状のブレードを有している。従来の固定マットでは、使用者が下に隠されているブレードを直観的に見ることも、識別することもできないことが良くある。上記実施例及び変形例による固定マットでは、ブレード又は類似部品を固定マット表面のカッティングスリットに挿入すれば、ブレード又は類似部品を固定できるだけでなく、ブレードが一目瞭然でわかり、使用者は製品を便利に取り出して即時に釣りを行えるようになる。
以下、図11と12を参照して本発明のもう1つの実施例を説明する。該実施例は比較的に、複数のフック先を有するフライ又は典型的なベイトの固定に適する。該実施例において、固定マット1には、1個又は複数の互いに間隔を置いたほぼ閉鎖の成形溝52が設けられている。図11に示される成形溝52は矩形状であるが、他の適当な形状であっても良い。成形溝52の縁部は、直線状、千鳥状、波状又は他の適当な形状であって良い。各成形溝52の一端には、フライ又はベイトの頭部又は尾部に位置して複数のフック先を有するフック部を収納するためのフック溝55が設けられている。フック溝55のサイズは、フック部が固定マットの表面から露出せず完全に収納されるように設計され、かつ固定や取出しがされ易いことを原則とする。フック溝55は、フック部に適する各種の形状に形成されて良く、例えば、矩形状、楕円状、半球状、方形状などであって良い。成形溝52及びフック溝55は、本体1の厚み方向に沿って本体1を貫通する。図12に示されるように、該固定マットによって固定を行う場合、先ず典型的なベイト30の一端のフック部301のフック先をフック溝55に合わせ、引き入れて固定する。その後、通常ベイト30のボディを成形溝52に圧入する。
図11に示されるように、成形溝52と、対応するフック溝55との間には、横断面面積が対応するフック溝55よりも小さい仕切り溝54が設けられている。このようにして、フック溝55に収納されているフック部がフック溝55から脱落することを避けることができる一方、仕切り溝54は、フック柄(例えば、図12に示されるフック柄302)の収納又はチューブフライの保持にも用いられる。少なくともフック柄の一部を収納する、又はチューブフライを保持するために、仕切り溝54は矩形状、V字状、千鳥状、波状などの適当な形状であって良い。成形溝52の他端には、成形溝52の縦方向での延在方向と交差する抵抗低減スリット56がさらに設けられて良く、該抵抗低減スリット56は、本体1の厚み方向に沿って本体1を貫通する。このようにして、ベイトの本体を成形溝52に挿入する際の抵抗を低減することができる。ベイトは形状やサイズが異なるが、ともに一定の長さと幅を有するため、ともに溝に圧入されて固定を行うことができる。幅の大きいベイトが溝に圧入されると、カッティングスリットは開いてベイトに対して圧力をかけ、これによってベイトを固定することができる。小さいベイトを固定する場合、固定マット本体の弾性により、ベイトの確実な固定が確保できる。
上述は、ベイトボディの圧水板(水中におけるベイトの深さ及び遊動の姿勢を制御するための部品であり、通常はベイトの頭部の下方に位置して、舌の形状になっていることが多い)の幅がベイトボディの幅より小さい、又は圧水板がない場合の固定方法である。通常ベイトの圧水板の幅がベイトボディの幅より大きい場合には、圧水板を直接に成形溝52に固定してよく、このようにして、固定はより便利になり、かつベイトボディが明らかに固定マットより高くて露出するため、取出し易い。
明らかに、図11に示される実施例は、スピナーフライ又はスピナーベイトルアー、及びスプーンフライ又はスプーンベイトルアーの固定にも用いられる。この場合、スピナーフライ又はスピナーベイトルアーの3本フックをフック溝55と仕切り溝54に入れかつ引き入れて固定してから、ボディを成形溝52に入れ、その後にブレード又は類似部品を成形溝52に挿入して固定する。スプーンフライ又はスプーンベイトルアーについては、同様な方法でフック部を固定した後、ブレード又は類似部品を成形溝に挿入して固定する。
また、上記固定において、さらにフライ又はベイトのブレードを抵抗低減スリット56に挿入することもでき、これによって、一部の特別な構造のフライ又はベイトに適することができる。フック部がないチューブフライを固定する場合、フック溝55を設置せずに成形溝52及び抵抗低減スリット56のみを設置すれば良い。このようにして、異なる管径のチューブフライを挿入、又は圧入することができる。
該技術案は、本分野において長期にわたって解決できなかった問題を解決することができる。多本フックを収納するフック溝を設けることによって、フック部全体が溝に収納され、これによって、1つ又は複数のフックが固定マットから露出して使用者に傷を付けるといった従来技術に存在する問題が発生することはない。また、カッティングスリットの設置により、ベイトの形状や大きさが異なる全てのベイトが、しっかりと固定できるようになる。
通常のベイトは、さらにその腹部(頸部)又は他端に1つ又は複数の2本フック又は3本フックを有するため、このような通常のベイトを固定するために、ベイトの腹部(頸部)に位置するフック部を収納するためのサイズ増大部53を、成形溝52の中部又は他端に設けて良い。図に示されるサイズ増大部は弧形状であるが、例えば、矩形状などでベイトに適する他の形状であっても良い。該サイズ増大部により、腹部又は頸部に位置するフックは円滑にサイズ増大部の下に収納されるようになり、同時にベイトの取出しも便利である。一部のイカフック(squild jig)はその腹部又は頸部にフックがなく、或いは少数のベイトはその腹部(頸部)又は他端におけるフック部の幅が明らかにベイトボディの幅より小さいため、サイズ増大部がなくても、それを固定することができる。但し、サイズ増大部を備えるものは汎用性がより強く、イカフック、及びフック部の幅がベイトボディより小さいベイトにも適用する。サイズ増大部の設置により、ベイトの腹部又は頸部のフックが散在して手にも傷を付け易いという問題を解決することができる。
また、各成形溝52のフック溝55は、互いに連通して共用のフック収納部を構成して良い。このようにして、固定マットを型作りする際のコストを低減することができる。
また、特定形状のフライ又はベイトに適するために、上記実施例の特徴を組合わせても良い。例えば、図1に示される成形溝2のカッティングスリット4から離れた一端に、図11に示されるフック溝55と類似する溝を形成して、図13と14に示される2つの実施例を得ることができる。
図13に示される固定マットは、溝及びカッティングスリットからなるユニットを複数備え、各ユニットはともに、上記で図1を参照して述べた成形溝2、カッティングスリット4、抵抗低減スリット41、及び上記で図11を参照して述べたフック溝55を備える。成形溝2の一端は、開口してフック溝55に連通するように設置されても良い。図13の最右方のユニットに示されるように、複数のフック溝55を互いに連通させて共用のフック収納部を構成して良い。図13に示されるように、成形溝2の形状は、弧形状、弧形状と菱状の結合、弧形状とストリップ状の結合、矩形状と弧形状の結合、矩形状と矩形状の結合、楕円状、稜形状、ストリップ状、柳葉状、及び矩形状などの適当な形状であって良い。フック溝55は、フック部に適する各種の形状に形成されて良く、例えば、矩形状、楕円状、半球状、方形状などである。図13において、成形溝の中にはガイド部が設けられて良く、ガイド部の形状は、V字状、弧形状、矩形状であって良い。矩形状のガイド部は、ブレード又は類似アクセサリ及びフライやベイトのフック部がガイド部とカッティングスリットとを連結する箇所の上端から円滑にカッティングスリットに圧入されるように設置されている。ブレード又は類似アクセサリを成形溝に入れて矩形状端部のカッティングスリットへ圧し、又は推し、成形溝の予め位置決めの作用があるため、容易に固定を行うことができる。フライやベイトの固定方法は、上記方法3の通りである。
該固定マットは、上記各実施例で固定された各種のフライ及びベイトの固定に適するだけでなく、特にチューブフライ、3本フライ、3本フックが付いたスピナーフライやスピナーベイトルアーとスプーンフライやスプーンベイトルアー、1本フックの典型的なベイトの固定にも適する。通常のチューブフライについて、それを成形溝2に圧入、又は挿入して固定することができる。成形溝2とフック溝55が連結する一端における開口により、異なるサイズのチューブフライはともに容易に挿入、又は圧入できるようになり、また成形溝2の他端におけるカッティングスリット4と抵抗低減スリット41により、これらの異なるサイズのチューブフライはともにしっかりと固定できようになる。短い3本フライについて、フライの尾部を手に持って直接にフック溝55と成形溝2との間の仕切り溝(図示せず)に固定し、又は3本フライを上から下へ押えて、毛の尾部を上向きに固定マット本体の上表面に固定することができる。長いチューブ状の3本フライについては、そのフックをフック溝に合わせて引き入れ、頭部を、成形溝2の上部における横断面面積が小さい成形溝部分に圧入することができる。スペナーベイトルアーのような3本フックが付いたベイトについては、3本フックをフック溝55に固定してからブレードとベイトボディを同時に成形溝2に入れ、ブレード又は類似部品を成形溝2によってカッティングスリット4に挿入、又は圧入して固定することができる。また、3本フックをフック溝55に固定してからベイトボディを成形溝に入れ、ブレード又は類似部品を成形溝2によってカッティングスリット4に挿入、又は圧入して固定することもできる。3本フックが付いたスプーンフライ又はスプーンベイトルアーについては、3本フックをフック溝55に固定してから、ブレード又は類似部品を成形溝2によってカッティングスリット4に挿入、又は圧入して固定することができる。抵抗低減スリット41、カッティングスリット4、成形溝2が設けられていることにより、厚みが異なる各種のブレード又は類似部品は円滑にカッティングスリット4に挿入、又は圧入して固定できるようになる。1本フックの通常のベイトについては、フックをカッティングスリット4に押し入れて通常ベイトボディを成形溝2に固定し、成形溝とフック溝が連通しているため、フック溝55もガイド及び抵抗低減の作用を果す。上記は例として、一部のフライ又はベイトの固定のみを示すが、該固定マットは抵抗低減スリット41、カッティングスリット4、成形溝2及びフック溝55の共同作用により、チューブフライを含む各種のフライ及びベイトに適用することができ、良好な汎用性を有する。また、該固定マットは固定と取出しが便利で、コストも安い。
図14に示される固定マットは、複数の成形溝組6、6’を備える。各成形溝組はともに、上記で図1を参照して述べた成形溝2、カッティングスリット4、抵抗低減スリット41、及び上記で図11を参照して述べたフック溝55を備える。フック溝55は、フック部に適する各種の形状に形成されて良く、例えば、矩形状、楕円状、半球状、方形状などである。成形溝2の一端は開口してフック溝55に連通する。図14に示されるように、各成形溝2に連通するフック溝55は、互いに連通して共用のフック収納部を構成している。図において、成形溝2のカッティングスリット4に近い一端又はその近傍には、成形溝2の縦方向での延在方向(図の上下方向)と交差するもう1つのカッティングスリット42がさらに設けられている。このカッティングスリット42は抵抗低減スリット41の作用と同じく、異なるサイズのチューブフライを成形溝2に挿入又は圧入し易くするために用いられる。図14に示される固定マットは、図13に示される固定マットと似た方式で、チューブフライを含む各種のフライ及びベイトを固定することができる。図14において、成形溝の中にはガイド部が設けられて良く、ガイド部の形状として、V字状、弧形状、矩形状であって良い。矩形状のガイド部は、ブレード又は類似のアクセサリ及びフライやベイトのフック部がガイド部とカッティングスリットとを連結する箇所の上端から円滑にカッティングスリットに圧入されるように設置されている。ブレード又は類似アクセサリを成形溝に入れて矩形状端部のカッティングスリットへ圧し、又は推し、成形溝の予め位置決めの作用があるため、容易に固定を行うことができる。フライやベイトの固定方法は、上記方法3の通りである。
また、図15に示されるように、同一の成形溝組6には、図1、8、9に示される成形溝2とカッティングスリット4からなるユニット62、及び図10に示される成形溝52とフック溝55からなるユニット61を備えて良い。このようにして、同一の固定マットに上記各種のフライ又はベイトを固定することができる。また、ユニット61とユニット62を交互に設置する場合は、特にサンダーストライカーベイト(Thunder Striker Baits)という特別なベイトに適し、このベイトも3本フックとブレードを備え、門の形に近い。しかし、サンダーストライカーベイトは他のL字状のスピナーベイトルアーと異なり、その一端には1本フックの代わりに3本フックを有している。このようなベイトは、1つのユニット61又は62によって固定できない可能性があるが、図15に示される固定マットによって固定することができる。先ず、3本フックをフック溝55に合わせて引き入れ、フックをユニット61のフック溝55の縁部に固定してから、ベイトボディを該フック溝55に連結する成形溝52に固定し、その後にブレードを隣のユニット62の成形溝2又はカッティングスリット4に挿入する。当然、図15に示されるユニット62は、図9に示される2つの成形溝が付いたユニット形式を採用して良く、かつ複数のユニット61のフック溝55は、図14に示されるように互いに連通して共用のフック収納部を構成しても良い。また、上記ユニット62を、図13に示される成形溝2、カッティングスリット4、抵抗低減スリット41及びフック溝55からなるユニットで差し替えても良い。
上記は例として、本発明の一部の実施例のみを説明する。当業者が本発明に基づいて容易に想到できる代替案は、いずれも本発明の保護範囲に入ることになる。