JP3708882B2 - 釣り用ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は釣り用ケースに係り、詳しくは夜釣り等でケース自体の所在が一目で把握できる発光体(化学発光体)を装備できる釣り用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2001−103894号公報に開示されるように、夜釣り等を行う際に、自分の荷物の置き場所が解らなくならないように釣り用ケースに発光体を着脱自在に取り付けたものが知られている。
図17は上記特開2001−103894号公報に開示された釣り用ケース(釣り用ウエストポーチ)を示し、図17及び図18に示すようにこの魚釣用リール1は、ケース本体3の蓋体5に透光部をなす貫通孔7を形成すると共に、蓋体3の内側(裏面側)に、貫通孔7を覆って透明なビニールの如き透光性を有する材料で成形したポケット状の収納部(以下、「収納部」という)9を設けたもので、その一端側の開口部11から収納部9内に棒状の発光体13を挿入できるようになっている。
【0003】
尚、発光体13は、化学発光する物質(例えば、シュウ酸エステルと酸化剤)を合成樹脂製の円柱状のカプセルに密封して、使用時にこれらを混合させるようにしたもので、日本化学発光株式会社製の「ケミホタル」が広く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上記収納部9は一端側が開口するポケット形状であるため、発光体13を差し込むと開口部11が開いた状態となって発光体13が抜け落ち易く、また、発光体13のサイズ(長さ)が短いと収納部9の奥に入り込んでしまって取り出し難く、更にまた、サイズが長いと開口部11から突出して十分な保持ができずに脱落し易いといった欠点が指摘されている。
【0005】
また、発光体13の太さ(径)如何によっては収納部9に挿入することが難しく、これらに対する対応が望まれていた。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、発光体の大きさに左右されることなく発光体の確実な保持を図り、併せて発光体の容易な着脱を可能とした釣り用ケースを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、少なくとも一部に透光性を持たせた収納部を有する釣り用ケースであって、上記収納部の少なくとも発光体を出入れする出入口領域を柔軟性を有する材料で成形し、上記出入口を、弾性変形によって開口する切込みで形成したことを特徴とする。
【0007】
斯かる構成によれば、切込みに向かって発光体を押し込むことで、切込みの両辺が内方へ変形して発光体が収納部内にこじ入れられることとなる。そして、斯様に発光体を収納部内にこじ入れて切込みの両辺に外力が加わらなくなると、切込みの両辺が元の形状に戻って出入口を閉塞する。
これにより、収納した発光体が収納部内で移動しても、出入口は切込みの両辺により閉じられているので、発光体が出入口から外に飛び出すことがないし、或る程度発光体の長さや太さが変わっても、同様の手順で発光体を収納部に収納することが可能である。
【0008】
そして、収納部を介して発光体の光が確認できるため、釣人は夜釣り等で自分の釣り用ケースを容易に見つけることができるし、切込みの両辺を変形させて出入口を開口させれば、発光体が収納部から取り出せることとなる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の釣り用ケースに於て、収納部全体及び当該収納部の取付部を、夫々、柔軟性を有する材料で成形したことを特徴とする。
【0009】
而して、斯かる構成によれば、発光体の収納時に収納部とその取付部を折り曲げて変形させることで出入口が開口し、また、発光体の取出し時にこれらを変形させれば、出入口から発光体が突出することとなる。
そして、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の釣り用ケースに於て、切込みに発光体の一端側を挿入させる挿入孔を設けたことを特徴とする。
【0010】
斯かる構成によれば、発光体の収納時に、発光体の一端側を挿入孔に挿入することで切込みの両辺が変形するので、単に切込みによって出入口を設けた場合に比し発光体を容易に収納部に収納できることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0012】
図1乃至図8は請求項1乃至請求項3に係る発明を釣り用バケツに適用した第一実施形態を示し、図1に於て、15はエチレン酢酸ビニル,塩化ビニル等の合成樹脂からなる柔軟なシート材の端部を溶着や接着して成形した防水性を有するバケツ本体で、図2に示すようにバケツ本体15は方形状に成形されて上部が開口し、開口部17の一側に、バケツ本体15と同一材料で成形された蓋体19がヒンジ部材21を介して連結されている。
【0013】
そして、一対の運搬用のハンドル23がバケツ本体15の前側面25と後側面27の外側に取り付けられているが、バケツ本体15の側面の上部、即ち、前,後側面25,27と左右側面29,31を構成するシート材の上部は、金属や合成樹脂で成形された平面視矩形状のフレーム(図示せず)で外側に折り返されて開口部17の開口周縁部を形成しており、夫々の折返し片33は、端部(周縁部)を除き各側面25,27,29,31の外側にウエルダ加工によって接合されている。そして、各折返し片33の端部と、蓋体19の周縁部との間にファスナ35が縫着されており、ファスナ35の操作部(図示せず)をヒンジ部材21側へ移動させると、蓋体19が開いて開口部17が開くようになっている。そして、図1に示すように既述したヒンジ部材21は右側面31の折返し片33と蓋体19との間に取り付けられているため、ハンドル23が邪魔にならずに蓋体19を開くことができ、また、上記フレームによってバケツ本体15の自立性,強度アップと開口部17の形状保持が図られている。
【0014】
而して、本実施形態に係る釣り用バケツ37は、上述の如き構成に加え、図2以下に示すように蓋体19の内側(裏面側)39に発光体13の収納部41を装着したことを特徴とする。
図3は収納部41の全体斜視図を示し、収納部41は透明で可撓性を有する柔軟な合成樹脂製のシート材を筒状に成形し、これを適当な長さに切断して蓋体19の内側39に溶着した1個の収納体43によって形成されており、当該収納体43を蓋体19の内側39に溶着するに当たり、先ず、その両端下部を長手方向にV字状に切り欠き、この後、収納体43の両端上部を蓋体19の内側39に押し付けて、図3及び図4の如く当該部位が内側39に溶着される。
【0015】
次いで、後述する挿入孔45から図示しない溶着治具で収納体43の中央下部を内側39に溶着して、収納体43が内側39に止着されており、図3,図4中、47,49,51が、夫々、溶着による収納体43の止着部を示す。
【0016】
そして、図4に示すように収納体43の両端側の下部には、既述した略V字状の切り欠きの先端側を残して水抜き孔53,55が形成されている。
また、図3に示すように収納体43の上面には、その長手方向に沿って中央に平面視楕円形状の挿入孔45が開口する一本のストレート形状の切込み57が設けられており、この挿入孔45と切込み57によって発光体13を収納体43に出入れさせる出入口59が形成されている。
【0017】
そして、切込み57に沿った収納体43の両辺61,63は間隙なく対向して出入口59を塞ぎ、両辺61,63を抉って形成した挿入孔45に図5の如く発光体13の一端側が差し込めるようになっている。
その他、図3中、65は夫々切込み57の両端側に設けた補助孔で、両補助孔65を設けたことで、切込み57の両辺61,63が変形し易くなって出入口59が広く開口するようになっている。
【0018】
本実施形態に係る釣り用バケツ37の収納部41はこのように構成されており、当該収納部41への発光体13の取付けは、先ず、図2の如くファスナ35の操作部をヒンジ部材21側へ移動させて蓋体19を開き、収納部41が取り付く蓋体19の内側39を上方に向ける。
そして、図5に示すように挿入孔45に発光体13の一端側を挿入する。
【0019】
この時、蓋体19と共に収納体43を折り曲げると切込み57(出入口59)が開くので、図6の如く切込み57に向かって発光体13の他端側を押し込めば、切込み57の両辺61,63が収納体43の内方へ変形して、発光体13の他端側が収納体43内にこじ入れられることとなる。
尚、蓋体19と収納体43を折り曲げなくても、挿入孔45に発光体13の一端側を挿入した後、切込み57に向かって発光体13の他端側を押し込んでも、切込み57の両辺61,63が収納体43の内方へ変形するため、発光体13の他端側を収納体43内にこじ入れることが可能である。
【0020】
而して、斯様に発光体13を収納体43内にこじ入れて切込み57の両辺61,63に外力が加わらなくなると、収納体43の材質から両辺61,63が図3及び図7に示すように元の形状に戻って出入口59を閉塞する。
これにより、収納した発光体13が収納体43(収納部41)内で移動しても、出入口59は両辺61,63により閉じられているので、発光体13が出入口59から外に飛び出すことがないし、或る程度発光体13の長さや太さが変わっても、これらを収納体43内に収納することが可能である。
【0021】
そして、発光体13の発光により、釣人はその光を透明な収納体43を通して確認できるため、夜釣り等でも釣り用バケツ37の位置が確認できるし、収納体43内に雨水や海水が浸入しても、水抜き孔53から排水されることとなる。
また、発光体13の取り出しは、切込み57の両辺61,63を手で開いてもよいが、図8の如く蓋体19と収納体43を折り曲げて発光体13を出入口59から突出させれば、発光体13を容易に取り出せることとなる。
【0022】
そして、発光体13の長さや太さが変わっても、上述した方法によって発光体13の脱着が容易に行われる。
従って、本実施形態によれば、夜釣り等で自分の釣り用バケツ37を容易に見つけることができることは勿論、発光体13の大きさ(長さや太さ)に左右されることなく発光体13の確実な保持を図り、併せて釣り用バケツ37に対し発光体13の容易な着脱が可能となった。
【0023】
而も、本実施形態は、切込み57の中央に挿入孔45を設けたため、図5の如く挿入孔45に発光体13の一端側を挿入することで切込み57の両辺61,63を変形させ易く、この結果、単に切込み57を設けた場合に比し発光体13を容易に収納体43(収納部41)内に収納できる利点を有する。
尚、上記実施形態では、収納体43を蓋体19の内側39に溶着したが、図9に示すように収納体43の両端側と内側39に、夫々、一対の雄雌のベルベット式ファスナ67,69等の止着具を取り付けて、蓋体19の内側39に対し収納体43を着脱自在にしてもよい。
【0024】
而して、この請求項1乃至請求項3の第二実施形態に係る収納部41-1を設けた釣り用バケツによっても、上記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
図10乃至図15は請求項1乃至請求項3に係る発明を釣り用バケツに適用した第三実施形態を示し、以下、本実施形態を図面に基づき説明するが、収納部を除く釣り用バケツ自体の構成は図1と同様であるため、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0025】
図10に於て、71は蓋体19の内側39に装着された収納部で、本実施形態の収納部71は、図11の如く外側に僅かに湾曲した透明で可撓性を有する柔軟な合成樹脂製の上面シート73からなり、図12に示すように当該上面シート73は矩形状に裁断されて、周縁部全体が透光性を有しない蓋体19の内側39に溶着されている。
【0026】
そして、上面シート73の中央には、既述した切込み57と挿入孔45,補助孔65からなる出入口59と同一形状の出入口59が長手方向に沿って設けられており、この出入口59から発光体13を上面シート73内に出入れできるようになっている。
本実施形態に係る釣り用バケツ37-1の収納部71はこのように構成されており、当該収納部71への発光体13の取付けは、先ず、図10の如くファスナ35の操作部をヒンジ部材21側へ移動させて蓋体19を開き、収納部71が取り付く蓋体19の内側39を上方に向ける。
【0027】
そして、図12に示すように挿入孔45に発光体13の一端側を挿入する。
この時、図1の実施形態と同様、蓋体19と共に上面シート73を折り曲げると切込み57(出入口59)が開くので、図13の如く切込み57に向かって発光体13の他端側を押し込めば、切込み57の両辺75,77が上面シート73の内方へ変形して、発光体13の他端側が上面シート73内にこじ入れられることとなる。
【0028】
尚、蓋体19と上面シート73を折り曲げなくても、挿入孔45に発光体13の一端側を挿入した後、切込み57に向かって発光体13の他端側を押し込んでも、切込み57の両辺75,77が上面シート73の内方へ変形するため、発光体13の他端側を上面シート73内にこじ入れることが可能である。
而して、斯様に発光体13を斯様にこじ入れて切込み57の両辺75,77に外力が加わらなくなると、上面シート73の材質から両辺75,77が図14に示すように元の形状に戻って出入口59を閉塞する。
【0029】
これにより、収納した発光体13が上面シート73(収納部71)内で移動しても、出入口59は両辺75,77により閉じているので、発光体13が出入口59から外に飛び出すことがないし、或る程度発光体13の長さや太さが変わっても、これらを収納部71内に収納することが可能となる。
この結果、発光体13の発光により、釣人はその光を透明な上面シート73を通して確認できるため、夜釣り等でも釣り用バケツ37-1の位置が確認できることとなる。
【0030】
また、発光体13の取り出しは、切込み57の両辺75,77を手で開いてもよいし、図15の如く蓋体19と上面シート73を折り曲げて発光体13を出入口59から突出させても発光体13を容易に取り出せることとなる。
そして、発光体13の長さや太さが変わっても、上述した方法によって発光体13の脱着が容易に行われる。
【0031】
従って、本実施形態によっても、夜釣り等で自分の釣り用バケツ37-1を容易に見つけることができることは勿論、発光体13の大きさに左右されることなく発光体13の確実な保持を図り、併せて釣り用バケツ37-1に対し発光体13の容易な着脱が可能となった。
【0032】
而も、本実施形態も、切込み57の中央に挿入孔45を設けたため、図12の如く挿入孔45に発光体13の一端側を挿入することで切込み57の両辺75,77を容易に変形させ易く、この結果、単に切込み57を設けた場合に比し発光体13を容易に上面シート73(収納部71)内に収納できる利点を有する。
尚、上記各実施形態では、切込み57をストレート形状に成形したが、棒状の発光体13に対し、図16の如く切込み57-1を例えばS字状に成形すれば、収納部71-1に収納した発光体13の飛び出しをより確実に防止することが可能となる。
【0033】
また、収納部は蓋体の表面やバケツ本体の側面,底面等、他の部位に装着してもよいし、釣り用バケツ以外に餌箱,タックルケース,釣り用バッグ等、様々な釣り用ケースに実施することができる。そして、切込みの両辺は僅かな間隙が開くように設けても良い。
更にまた、上記収納体43,上面シート73は透明であるが、透光性を有していれば必ずしも透明である必要はなく、色彩を有していたりメッシュ状等複数の小孔を有するものでもよいし、収納部の少なくとも出入口領域を透光性,可撓性を有する材料で成形して、その他の部位を硬質で非透光性の合成樹脂材で成形してもよい。
【0034】
而して、これらの変形例によっても、上述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、発光体の光により、夜釣り等で自分の釣り用ケースを容易に見つけることができることは勿論、発光体の大きさに左右されることなく発光体の確実な保持を図り、併せて釣り用ケースに対し発光体の容易な着脱が可能となった。
【0036】
また、請求項2に係る発明によれば、発光体の収納時に収納部とその取付部を折り曲げて変形させることで出入口が開口するため、発光体の収納が容易であるし、取出し時にこれらを変形させれば出入口から発光体が突出するため、発光体の出入れが更に容易となる。
そして、請求項3に係る発明によれば、切込みに挿入孔を設けた結果、挿入孔に発光体の一端側を挿入することで切込みの両辺を容易に変形させ易くなるため、単に切込みによって出入口を設けた場合に比し、発光体を容易に収納部に収納できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項3の第一実施形態に係る釣り用バケツの全体斜視図である。
【図2】蓋体を開いた釣り用バケツの全体斜視図である。
【図3】収納部の拡大斜視図である。
【図4】図3に示す収納部の拡大断面図である。
【図5】挿入孔に発光体の一端側を挿入した状態を示す収納部の拡大斜視図である。
【図6】切込み内に発光体を押し込んだ状態を示す収納部の拡大斜視図である。
【図7】発光体を収納した収納部の拡大断面図である。
【図8】発光体の取り出し状態を示す収納部の拡大断面図である。
【図9】請求項1乃至請求項3の第二実施形態に於ける収納部の拡大断面図である。
【図10】蓋体を開いた請求項1乃至請求項3の第三実施形態に係る釣り用バケツの全体斜視図である。
【図11】収納部の拡大断面図である。
【図12】挿入孔に発光体の一端側を挿入した状態を示す収納部の拡大斜視図である。
【図13】切込み内に発光体を押し込んだ状態を示す収納部の拡大斜視図である。
【図14】発光体を収納した収納部の拡大断面図である。
【図15】発光体の取り出し状態を示す収納部の拡大断面図である。
【図16】請求項1乃至請求項3の他の実施形態に於ける収納部の拡大斜視図である。
【図17】従来の釣り用ケースの全体斜視図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線断面図である。
【符号の説明】
13 発光体
15 バケツ本体
19 蓋体
35 ファスナ
37,37-1 釣り用バケツ
41,41-1,71,71-1 収納部
43 収納体
45 挿入孔
53,55 水抜き孔
57,57-1 切込み
59 出入口
73 上面シート
Claims (3)
- 少なくとも一部に透光性を持たせた発光体収納部を有する釣り用ケースであって、
上記発光体収納部の少なくとも発光体を出入れする出入口領域を柔軟性を有する材料で成形し、
上記出入口を、弾性変形によって開口する切込みで形成したことを特徴とする釣り用ケース。 - 発光体収納部全体及び当該発光体収納部の取付部を、夫々、柔軟性を有する材料で成形したことを特徴とする請求項1記載の釣り用ケース。
- 切込みに、発光体の一端側を挿入させる挿入孔を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の釣り用ケース。
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