JP3041786U - 案内溝付きフライ保持用マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚釣りに於ける擬餌鈎（フライ、ルアー）
を、機能的に保持整理できるフライボックス内に備えら
れるフライ保持マットに設けたスリットに、容易にフラ
イを出し入れできるフライ保持マットを提供する。 【解決手段】 フライ保持用マットは、まず、適度な固
さと厚さを成すポリエチレン発泡樹脂などを主材とする
矩形状のフライ保持マット（１）に、複数段のフライ保
持部（２）（２）を形成すべく切り抜きによる欠切部
（３）（３）をマット（４）面に施すが、前記のフライ
保持部（２）（２）側になる欠切部（３）（３）の長手
方向一辺の切り抜き端一部位には、スリット目に合せて
クサビ状の窪みを成す案内溝（５）（５）を設け、か
つ、その窪み部位に合う位置には、マット（４）の端部
に連結部（１０）を残すようにしで下面にまで達する切
れ目を付けで成るスリット（６）（６）を複数本形成し
て、本考案のフライ保持マット（１）を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、魚釣りに於ける擬餌鈎（フライ、ルアー）を、機能的に保持整理で きるフライボックス内に備えられるフライ保持マットに設けたスリットに、容易 にフライを出し入れできるフライ保持マットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、魚釣りに使用される擬餌鈎にはフライと称するものとして、鳥の羽根や 糸などを使用して魚の好む虫や昆虫に似せたものや、またルアーと称するものは 合成樹脂材やその他の材料で小魚に似せた疑餌鈎などがあり、それらは目的や用 途に応じて使用されているが、いずれも釣りを行なう際は数多くのフライやルア ー（以下、総称してフライとする）を持参して使い分けることが一般的である。

【０００３】 そのためには、フライボックスやルアーボックスなるケース内に、適宜な厚さ のポリエチレン発泡材や他の発泡樹脂素材を主材とするマットの底側一部を残し て多数の切れ目を等間隔に施したスリットにフライを整理して差し止められるよ うにして、いつでも好みのフライをスピーデーに使用でき、かつフライを傷付け ることなく保管や収納整理ができるような機能を有するフライボックスやルアー ボックスなどがある（図７）。また、これ以外にも表面を波型に形成した発泡樹 脂マットにフライの針を刺し止められるものなど、様々なタイプのフライ保持マ ットや収納具などが提供されている。

【０００４】

【考案が解決しょうとする課題】

このように、フライを機能的に保持収納するための備品が提供されて多用され 、それなりの機能は果たしているが、とりわけ多用されているポリエチレン発泡 樹脂材のマット面に多数の切れ込みスリットにフライを差し止めるタイプは、実 際面に於ける使用に当たって、次のような様々な欠点や不便があり、きわめて使 い易く機能的なもので無いことは、多くの釣り人が共通して実感じているもので あった。

【０００５】 まず、これらは適宜な厚さのポリエチレン発泡樹脂材で成るマット面に、複数 個の欠切部を設けることで複数段に別けて形成されるフライ保持部には、上面よ り一定長の深さの切れ込みを設けたスリットを数多く等間隔に施したフライ保持 マットをボックス底部に備えた構成としているが、フライをこのスリットに差し 止める時は発泡樹脂材の持つ特性による反発性により、スリットの切れ目はほと んど見えない状態であるので、フライを差し止める時はフライを持たない方の指 を適宜にスリットを設けたマット面に当てがながら押圧を加えるか、もしくは左 右いずれかの方向に押圧を与えるようにして切れ目を浮き上がらせてから、フラ イの針部をスリットの上面もしくは下端部から差し込む方法を行なわなければ容 易にスリットに差し込むことが難しく、慣れた者でも手早くフライを差し挟み込 むには大変であり面倒であった。

【０００６】 とりわけフライの取り替えなど行なわれる場所は、明暗変化が多い自然界の中 で、かつ足場の悪い所で行なわれる中にあっては、スピーデーにして容易にフラ イの取り替えやスリットへの差し込みなどの作業はしにくいものである。加えて 、フライ保持スリットを形成する切れ目は、発泡樹脂材の底側一部を残す方法で 施されているので、切れ目はボックス底部まで達しておらず、いわゆる下部にデ ッドスペースを呈することになるために、フライをスリットの底まで差し入れて も確実に保持できる深さのスリットとするには、発泡樹脂マットを一定の厚さの ものを採用しなければならず、したがって、その分ボックスは深いものを採用す るため大きいものになる欠点がある。

【０００７】 釣り用品などは機能的なものであることは当然求められるが、その特殊性から 、合せて少しでもコンパクトで高携帯性を有するものであることも欠かせない大 切な要素であるが、前記のようにボックスが大きくなることは、その目的を損な う要因を呈すことでもあり、合せて前記に示したようなフライを差し止めるスリ ットの施し方にしても、従来の技術がきわめて機能的で使い易いものと言えるも のではなかった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上のような従来の欠点や不便を成すフライ保持マットに設けたス リットに、不慣れな者でも容易にフライを差し止められるものとするために考案 したものである。 まず、フライボックス内に備えられるフライ保持マットは、適度な固さと厚さ を成すポリエチレン発泡樹脂を主材とし、そのフライ保持マットに一定幅を成す 帯び状のフライ保持部を複数段設けるべく、マット面を切り抜いて欠切部を設け て複数段のフライ保持部を形成し、そのフライ保持部面に切れ込みによるスリッ トを等間隔に施すが、スリットはフライ保持部の上下辺いずれか端部を少し残す ようにして、切れ目はフライ保持マット面の下面に至るまで切れ込みを付けたス リットを施し、かつ、その各スリットの位置に合う切れ目端部には、Ｖ字又は波 形状の窪み部が位置すべく案内溝を、それぞれのスリットの切れ目部位に合うよ うにして、前記に示した欠切部を型抜きカットで一体にフライマット面をカット 形成して、案内溝付きスリットを有するフライ保持マットを構成する

【０００９】

【考案の実施の形態】

本発明によるフライ保持マット（１）は、フライ保持部（２）面に設けられる スリット（６）にフライ（Ａ）を差し入れやすくさせるための手段として、一つ は切り抜かれた欠切部（３）のフライ保持部（２）側の一部に、スリット（６） 目が窪みとなるクサビ型もしくは波型の案内溝（５，５ａ）を施しているので、 スリット（６）目が見えなくてもフライ（Ａ）はこの案内溝（５，５ａ）に当て がうようにして差し込むだけで容易にしてスピーデーにフライ（Ａ）をスリット （６）（６）に保持止めできる。

【００１０】 さらに、フライ保持部（２）面に設けたスリット（６）目の上面全体に案内溝 （５ｂ）を施したタイプは、欠切部（３）寄りからはもとより、上面からでもス リット（６）に差し入れやすいものである。加えていずれのタイプのスリット（ ６）も切れ目はマット（４）の下面に達するまで施されているので、従来のよう なデッドスペースの解消が可能となるスリット（６）を形成したフライ保持マッ ト（１）であるので、その分マット（４）も容器も浅いものを採用できる。さら に、マット（４）の裏面に基板（７）を固定し、かつその裏面に剥離紙（９）付 き接着剤（８）を施したタイプは、単体の商品として提供できるので、ユーザー が好みのフライ保持マット（１）を選んで、使い易い容器の底に貼り付けること でオリジナルなフライボックスを形成できる自在性があるものである。

【００１１】

【実施例】

実施例１ 本考案の実施例１を、図１に示す斜視図と図２に示す要部拡大使用例図及び図 ３に示すボックス内のフライ保持マットに保持させた断面例図を参照にして説明 する。 実施例１に於けるフライ保持用マットは、まず、適度な固さと厚さを成すポリ エチレン樹脂などの発泡材を主材とする矩形状のフライ保持マット（１）に、複 数段のフライ保持部（２）（２）を形成すべく、切り抜きによる欠切部（３）（ ３）をマット（４）面に施すが、前記のフライ保持部（２）（２）側になる欠切 部（３）（３）の長手方向一辺の切り抜き端部位には、等間隔にクサビ状の窪み を成す案内溝（５）（５）を設けるようにし、かつ、その窪み部位に合う位置に は、マット（４）の端部に連結部（１０）を残すようにして下面にまで達する切 れ目を付けて成るスリット（６）（６）を、複数本形成するようにして一体にカ ットすることで本考案のフライ保持マット（１）を構成している。

【００１２】 以上のように、フライ保持マット（１）面のフライ保持部（２）（２）には複 数本のスリット（６）（６）が施されているが、そのフライ差し込み口となる欠 切部（３）のマット（４）端部位には、各スリット（６）（６）目に窪み部が位 置するようにして案内溝（５）（５）がカットにより施されているので、フライ （Ａ）を差し入れる時は図２に示すように案内溝（５）に当てがうようにするこ とで、見えにくいスリット（６）にスムーズにフライ（Ａ）を差し入れて保持さ せることができる。

【００１３】 また、スリット（６）はマット（４）の下面にまで付けられるので、いわゆる デッドスペースは無くなるため、図３に示すように保持させたフライ（Ａ）はボ ックス（Ｂ）の底まで納められるのでマット（４）もボックス（Ｂ）も薄いもの を採用できるものである。

【００１４】 実施例２ 実施例２を図４に示す要部拡大斜視図を参照して説明する。 実施例２に於けるフライ保持マット（１）の基本構成は実施例１と同様である が、異なるポイントとしては、フライ保持部（２）（２）に設けるスリット（６ ）（６）の差し入れ口に当たる部位の欠切部（３）一辺に施す案内溝（５ａ）（ ５ａ）の形状を、波型にカット形成した構成としている。

【００１５】 実施例１の案内溝（５）（５）はクサビ状であるが、実施例２に於ては波型に した案内溝（５ａ（５ａ）を施しているので、フライ（Ａ）をスリット（６）に 差し入れる場合は、実施例１と同様の要領でスムーズに差し入れられるものであ る。

【００１６】 実施例３ 実施例３を図５に示す要部拡大斜視図を参照して説明する。 実施例３に示すフライ保持マット（１）も、基本構成は実施例１及び２と同様 であるが、それらと違う点は、欠切部（３）をカットした四辺は直線状で形成さ れてフライ保持部（２）が設けられるが、そのフライ保持部（２）面に施される スリット（６）（６）の上面は、スリット（６）（６）目部位の全体に窪みを成 す案内溝（５ｂ）（５ｂ）を施して実施例３を構成している。

【００１７】 本実施例の案内溝（５ｂ）（５ｂ）は、実施例１及び実施例２に示すように欠 切部（３）の一辺に施したタイプと異なり、マット（４）上面に施したスリット （６）（６）目の全体と、連結部（１０）位まで案内溝（５ｂ）（５ｂ）を施し ているので、フライ（Ａ）を差し入れる時は欠切部（３）寄りはもとより、上面 スリット（６）（６）目部位いずれからでも差し入れることが可能である。

【００１８】 実施例４ 実施例４を図６に示す要部拡大斜視図を参照して説明する。 実施例１から３に示すタイプは、異なる案内溝（５，５ａ，５ｂ）を施したフ ライ保持マット（１）を、それに合うボックス（Ｂ）の底に接着固定して使用さ れるものを示したが、実施例４に示すタイプは、ユーザーが任意の容器内に好み のフライ保持マット（１）を貼り付けて使用できるようにしたものであり、それ を構成するフライ保持マット（１ａ）は、実施例１から実施例３に示すいずれの タイプでもよいが、マット（４）面には、フライ保持部（２）を形成する欠切部 （３）及び案内溝（５，５ａ，５ｂ）付きスリット（６）を形成したマット（４ ）の裏面に、薄くても適度な強さを有する基板（７）を貼り付けて固定し、さら にその基板（７）の裏面には接着剤（８）を施して剥離紙（９）を付けた構成と している。

【００１９】 実施例４に示すフライ保持マット（１ａ）は、いずれかの案内溝（５，５ａ， ５ｂ）付きスリット（６）を施したマット（４）であり、その裏面には基板（７ ）を接着固定し、かつ、その基板（７）の裏面に接着剤（８）を施して剥離紙（ ９）を付けたタイプであるので、このフライ保持マット（１ａ）のみで単体の商 品として提供できる。したがって、ユーザーはスリット（６）の間隔や案内溝（ ５，５ａ，５ｂ）が異なる好みのタイプを選べ、かつ、容器も使い易いものを選 択して後、剥離紙（９）を剥して容器の底に貼り付けるだけで、機能的なフライ ボックスとすることができ、自在性があるフライ保持マット（１ａ）である。

【００２０】 本考案は以上のような各実施例を成しているが、各実施例に示したフライ保持 部（２）や欠切部（３）は二つであるが、その数や向きの配列は任意でよく、ま た、スリット（６）の本数や間隔も特に限定されるものではない。加えて、スリ ット（６）部位に施す異なる案内溝（５，５ａ，５ｂ）の形も一つのマット（４ ）で統一すれば好ましいが、それぞれ組み合わせたタイプであっても差し支えな いものである。さらに、実施例に示す発泡樹脂材としてはポリエチレン発泡樹脂 材を用いた一例を示しているが、これ以外に適度な弾性を成す発泡材であればよ く、例えばウレタン発泡樹脂材やその他の合成樹脂発泡材でもよい。さらに、ス リット（６）の切れ目はマット（４）の下面まで施すタイプを示しているが、従 来のような下部に連結部を残す方式のスリットに案内溝（５，５ａ，５ｂ）を施 してもよいものであり、いずれも特に限定されるものではない。

【００２１】

【考案の効果】

以上のような実施例を成す構成であるので、次のような特徴や効果を呈すフラ イ保持マットである。 フライ保持マット面に施されるスリットのフライ差し入れ部位には、クサビ型 や波型、もしくはスリット上面全体に案内溝を施しているので、フライを差し入 れて保持させる時は、案内溝部位に当てがうようにして差し入れるだけで、慣れ ない者でも容易にしてスピーデーにフライやルアーをスリットに保持固定させる ことができる。また、フライやルアーの針部位を保持するスリットは、マットの 下面にまで達するように付けられているので、いわゆるデッドスペースの解消が でき、その分フライ保持マットの厚さも薄くでき、かつ収納容器も浅いコンパク トなものを採用することができる。加えて、マットの裏面に基板を固定し、かつ その裏面に接着剤を施して剥離紙を付けたタイプは単体の商品としても提供でき るので、ユーザーは好みのフライ保持マットを選べ、かつ容器やケースも使い易 いものに組み合わせて、オリジナルなフライボックスやルアーボックスを構成す ることも可能なものであり、いずれも機能的にしてきわめて使い易いフライ保持 マットを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１を示す斜視図。

【図２】実施例１の要部拡大使用例図。

【図３】実施例１のフライ保持マットにフライを保持さ
せた状態の断面図。

【図４】実施例２を示す要部拡大斜視図。

【図５】実施例３を示す要部拡大斜視図。

【図６】実施例４を示す要部拡大斜視図。

【図７】フライボックスに備えられる従来品のフライ保
持マットを示す斜視図。

【符号の説明】

１，１ａ・・フライ保持マット、２・・フライ保持部、
３・・欠切部、４・・マット、５，５ａ，５ｂ・・案内
溝、６・・スリット、７・・基板、８・・接着剤、９・
・剥離紙、１０・・連結部、Ａ・・フライ、Ｂ・・ボッ
クス

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【手続補正書】

【提出日】平成９年４月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項４

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フライボックス内に備えられるフライ保
   持マットは、発泡樹脂フォームを主材とするマットとと
   し、そのマット面に欠切部を設けて形成されるフライ保
   持部に設ける複数本のスリットの任意部位に、窪みを成
   すフライ差し込み用の案内溝を施して形成される構成と
   した案内溝付きフライ保持用マット。
2. 【請求項２】 スリット部位に設ける案内溝の形状が、
   波型を成す構成とした請求項１記載の案内溝付きフライ
   保持用マット。
3. 【請求項３】 案内溝を、フライ保持部面に設けたスリ
   ット上面部に形成した構成である、請求項１又は請求項
   ２に記載の案内溝付きフライ保持用マット。
4. 【請求項４】 フライ保持マットの裏面に接着剤を施し
   て剥離紙を設けた構成である、請求項１〜請求項３に記
   載の一つの項に記載の案内溝付きフライ保持マット。