JP2010528613A5 - - Google Patents

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JP2010528613A5
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多能で多能化できる分化および疾患耐性細胞集団の産生および使用のための方法
21世紀の医療における優れた挑戦は、損傷し擦り切れまたは遺伝子学的に損なわれた細胞を、置換することであろう。DNAへ明確に結ばれる転写調節因子は、遺伝子発現の調節において重要な役割をなしている。どの細胞プログラムが活性化され、どれが止められているかを決定するものは各細胞における転写調節因子の特定の補完物である。この機能で転写調節因子は、細胞の同一性を決定・維持し、同様に細胞の脆弱性を決定する役割がある。
(発明の要約)
まだ多能化されず自己再生できない細胞から、増殖し自己再生し、多能で多能化できる細胞集団を得る能力は、細胞療法を利用する全ての分野において明らかに有益なものであろう。これらの分野は、骨髄移植、輸血、遺伝子療法を含み、患者独自の幹細胞や、その他望まれる種類の細胞の生成が可能になる。同様に、神経、筋肉、その他の様々な望ましい細胞集団への分化を始める能力は、医療や動物を含む商業面の過程にとって大きな価値を生むであろう。それに応じて本発明は、遺伝子生成の方法、多能な細胞集団の利用、多能性の細胞集団の利用、神経細胞集団の利用、筋細胞集団の利用、またHIV耐性細胞集団のような他の望まれる細胞集団の利用を提供する。
本発明の請求は、単独もしくは(notch、numbおよびnumblikeなどの)他の細胞運命デターミナントとの組み合わせによって、一時的(多能、多能性、および/または自己再生可能)な、または固定された(分化されたまたは体)細胞の表現型であると考えられるものの変換を可能にする、特定の転写調節因子の有効的な導入または過剰発現についてである。
信頼できる表現型の転換や細胞の再プログラムの能力により、個々の患者に適応した幹細胞、代替細胞、組織、器官の生成が可能になる。
遺伝子治療技術や細胞培養技術に合わせて、細胞タイプの相互変換は、移植に適応できる、疾患に耐性があり、遺伝子学的に修復された細胞を生成することもできる。
本発明の目的は、増殖でき、自己再生可能で、多能および/あるいは多能性の細胞集団だけでなく、他の望まれる細胞集団を生成する方法を、癌遺伝子を使わずに分裂した細胞または分裂していない細胞から提供することである。分化した細胞集団は、特定に分類された細胞タイプと関連する全てのマーカーではないが、いくつかのマーカーを発現する細胞から成る。ここで述べられているように、他の導入遺伝子(特に転写調整因子)との組み合わせによって発現する適切なNumbアイソフォームは、分裂した、多能化した細胞集団または分化している細胞集団の生成を可能にする。さらに本発明における遺伝子ベクターは、遺伝子改変(例:患者で欠損している遺伝子産物が発現)を生み出すため、および、一時的もしくは永久的に増殖でき、自己再生できる細胞の性質または、幹細胞や前駆細胞の性質をインビボで内在性細胞中に誘導するために使われ得るが、具体的には、それらの内在性細胞は、普通ではこのような性質は見せないかもはや見せない組織の中で発見されるものである。最後に、本発明における他の遺伝子ベクターは、(癌細胞など)異常な作用を見せる細胞で、遺伝子改変を行い、および/あるいは増殖、自己再生、または幹細胞/前駆細胞の性質を防ぐのに用いられる。病気の過程を和らげることが予想される、合成オリゴヌクレオチド配列の発現を可能にする、治療上のベクターや細胞を生成することも本発明の目的である。例えば本発明では、HIVおよび他の免疫不全ウィルス感染、増殖また拡大に重要な遺伝子の発現を低減させるための合成オリゴヌクレオチドの利用を明らかにする。
本発明は脊椎動物の細胞ならびに魚類、哺乳類、鳥類、両性類、爬虫類の細胞など、いかなる適した細胞にも利用できる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
HIV共受容体に対して向けられたデコイ、合成オリゴヌクレオチド配列および、合成ヌクレオチドを含む、HIV−lおよび/あるいはHIV−2の感染を阻止することができるベクター。
(項目2)
前記合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列、shRNA配列群から選択されるオリゴヌクレオチドを含む、項目1に記載のベクター。
(項目3)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目1に記載のベクターは分類される。
(項目4)
ウィルスベクターである、項目1に記載のベクター。
(項目5)
合成オリゴヌクレオチドはまた、HIV酵素を標的にする、項目1に記載のベクター。
(項目6)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモータによって駆動される、項目1に記載のベクター。
(項目7)
前記合成オリゴヌクレオチドは、EF−1 alphaプロモータによって駆動される、項目1に記載のベクター。
(項目8)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対してコードするマーカー遺伝子のようなマーカー遺伝子を含む、項目1に記載のベクター。
(項目9)
HIV共受容体に向けられたデコイ合成オリゴヌクレオチド配列と合成オリゴヌクレオチドを含む、HIV−1および/あるいはHIV−2の感染を阻止することができるベクターであって、ここで該デコイ配列は、HIV RRE配列および/あるいはTARデコイ配列を含む、ベクター。
(項目10)
前記合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列またはshRNA配列を含む、項目9に記載のベクター。
(項目11)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目9に記載のベクター。
(項目12)
ウィルスベクターである、項目9に記載のベクター。
(項目13)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目9に記載のベクター。
(項目14)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモータによって駆動される、項目9に記載のベクター。
(項目15)
前記合成オリゴヌクレオチドがEF−1 alphaプロモータによって駆動される、項目9に記載のベクター。
(項目16)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対してコードするマーカー遺伝子のようなマーカー遺伝子を含む、項目9に記載のベクター。
(項目17)
HIV−1および/あるいはHIV−2感染を阻止することができ、デコイ配列がHIV−1デコイ配列とHIV−2デコイ配列の組み合わせを表わす、ベクター。
(項目18)
合成オリゴヌクレオチドがsiRNA配列、miRNA配列またはshRNA配列を含む、項目17に記載のベクター。
(項目19)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目17に記載のベクター。
(項目20)
ウィルスベクターである、項目17に記載のベクター。
(項目21)
合成オリゴヌクレオチドが、HIV酵素も標的とする、項目17に記載のベクター。
(項目22)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモータによって駆動される、項目17に記載のベクター。
(項目23)
前記合成オリゴヌクレオチドがEF−1 alphaプロモータによって駆動される、項目17に記載のベクター。
(項目24)
抗生物質耐性たんぱく質また蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子のようなマーカー遺伝子を含む、項目17に記載のベクター。
(項目25)
HIV共受容体に対して向けられたデコイ合成オリゴヌクレオチド配列および合成オリゴヌクレオチドを含む、HIV−1および/あるいはHIV−2感染を阻止することができるベクターであって、該デコイ配列がHIV−2 RREデコイ配列およびHIV−2 TARデコイ配列を含む、ベクター。
(項目26)
前記合成オリゴヌクレオチドがsiRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目25に記載のベクター。
(項目27)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目25に記載のベクター。
(項目28)
ウィルスベクターである、項目25に記載のベクター。
(項目29)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目25に記載のベクター。
(項目30)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモータによって駆動される、項目25に記載のベクター。
(項目31)
前記合成オリゴヌクレオチドがEF−1 alphaプロモータによって駆動される項目25に記載のベクター。
(項目32)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子のようなマーカー遺伝子を含む、項目25に記載のベクター。
(項目33)
HIV−1および/あるいはHIV−2の感染を阻止することのできるベクターであって、HIV共受容体に対して向けられた合成オリゴヌクレオチドおよび、HIV RREデコイ配列、HIV TARデコイ配列を含む、ベクター。
(項目34)
前記合成オリゴヌクレオチドがsiRNA配列、miRNA配列またはshRNA配列を含む、項目33に記載のベクター。
(項目35)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目34に記載のベクター。
(項目36)
ウィルスベクターである、項目34に記載のベクター。
(項目37)
合成オリゴヌクレオチドはHIV酵素も標的とする、項目34に記載のベクター。
(項目38)
前記合成オリゴヌクレオチドは標的細胞において活性なプロモータによって駆動される、項目34に記載のベクター。
(項目39)
前記合成オリゴヌクレオチドがEF−1 alphaプロモータによって駆動される、項目34に記載のベクター。
(項目40)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子のようなマーカー遺伝子を含む、項目34に記載のベクター。
(項目41)
HIV共受容体に対し向けられた合成オリゴヌクレオチドを含むHIV−1および/あるいはHIV−2の感染を阻止することのできるベクターであって、複数の合成オリゴヌクレオチドが単一HIV共受容体に対し向けられる、ベクター。
(項目42)
前記合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目41に記載のベクター。
(項目43)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目41に記載のベクター。
(項目44)
ウイルスベクターである、項目41に記載のベクター。
(項目45)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目41に記載のベクター。
(項目46)
前記合成オリゴヌクレオチドは標的細胞において活性なプロモータによって駆動される、項目41に記載のベクター。
(項目47)
前記合成オリゴヌクレオチドがEF−1アルファプロモータによって駆動される、項目41に記載のベクター。
(項目48)
抗生物質耐性たんぱく質あるいは蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子などのマーカー遺伝子を含む、項目41に記載の方法。
(項目49)
CXCR4およびCCR5を含むHIV共受容体を標的とする合成ヌクレオチドを含むHIV−1および/あるいはHIV−2感染を阻止することができるベクター。
(項目50)
合成オリゴヌクレオチドはsiRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目49に記載のベクター。
(項目51)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目49に記載のベクター。
(項目52)
ウイルスベクターである、項目49に記載のベクター。
(項目53)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目49に記載のベクター。
(項目54)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモーターによって駆動される、項目49に記載のベクター。
(項目55)
前記合成オリゴヌクレオチドはEF−1アルファプロモーターによって駆動される、項目49に記載のベクター。
(項目56)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子などのマーカー遺伝子を含む、項目49に記載のベクター。
(項目57)
HIV共受容体に対し向けられた合成オリゴヌクレオチドを含むHIV−1および/あるいはHIV−2感染を阻止することができるベクターであって、HIV共受容体に対し向けられた合成オリゴヌクレオチドがmiRNA配列である、ベクター。
(項目58)
前記合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目57に記載のベクター。
(項目59)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目57に記載のベクター。
(項目60)
ウイルスベクターである、項目57に記載のベクター。
(項目61)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目57に記載のベクター。
(項目62)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモーターによって駆動される、項目57に記載のベクター。
(項目63)
前記合成オリゴヌクレオチドは、EF−1アルファプロモーターによって駆動される、項目57に記載のベクター。
(項目64)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子などのマーカー遺伝子を含む、項目57に記載のベクター。
(項目65)
デコイ合成ヌクレオチド配列およびHIV共受容体に対して向けられた合成オリゴヌクレオチドを含むHIV−1および/あるいはHIV−2感染を阻止することができるベクターであって、HIV共受容体に対して向けられた合成オリゴヌクレオチドがmiRNA配列である、ベクター。
(項目66)
前記合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目65に記載のベクター。
(項目67)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目65に記載のベクター。
(項目68)
ウイルスベクターである、項目65に記載のベクター。
(項目69)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目65に記載のベクター。
(項目70)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモーターによって駆動される、項目65に記載のベクター。
(項目71)
前記合成オリゴヌクレオチドは、EF−1アルファプロモーターによって駆動される、項目65に記載のベクター。
(項目72)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子などのマーカー遺伝子を含む、項目65に記載のベクター。
(項目73)
CXCR4に対して向けられた複数のmiRNA配列と、CCR5に対して向けられた複数のmiRNA配列と、HIV−2 RREデコイ配列と、HIV−2 TARデコイ配列とを含むHIV−1および/あるいはHIV−2感染を阻止することができるベクターであって、前記ベクターがウイルスベクターである、ベクター。
(項目74)
合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目73に記載のベクター。
(項目75)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目73に記載のベクター。
(項目76)
ウイルスベクターである、項目73に記載のベクター。
(項目77)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的にする、項目73に記載のベクター。
(項目78)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモーターによって駆動される、項目73に記載のベクター。
(項目79)
前記合成オリゴヌクレオチドは、EF−1アルファプロモーターによって駆動される、項目73に記載のベクター。
(項目80)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子などのマーカー遺伝子を含む、項目73に記載のベクター。
(項目81)
HIV−2 RREデコイ配列および/あるいはHIV−2 TAR配列を含む免疫不全ウイルスによる感染を阻止することができるベクター。
(項目82)
合成オリゴヌクレオチドは、siRNA配列、miRNA配列あるいはshRNA配列を含む、項目81に記載のベクター。
(項目83)
合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む、項目81に記載のベクター。
(項目84)
ウイルスベクターである、項目81に記載のベクター。
(項目85)
合成オリゴヌクレオチドは、HIV酵素も標的とする、項目81に記載のベクター。
(項目86)
前記合成オリゴヌクレオチドは、標的細胞において活性なプロモーターによって駆動される、項目81に記載のベクター。
(項目87)
前記合成オリゴヌクレオチドは、EF−1アルファプロモーターによって駆動される、項目81に記載のベクター。
(項目88)
抗生物質耐性たんぱく質または蛍光たんぱく質に対しコードするマーカー遺伝子などのマーカー遺伝子を含む、項目81に記載のベクター。
(項目89)
患者の感染を改善するための方法であって、
1)免疫不全ウイルス感染を阻止することができるベクターを生成するステップと、
2)臍帯血細胞、造血細胞、末梢血、骨髄、精原細胞、始原生殖細胞、CD4+T細胞、マクロファージ、T細胞の前駆細胞、マクロファージ単球前駆細胞、CD34+幹細胞/前駆細胞および/または体外あるいは体内でHIV標的細胞に分化できる任意の細胞から選択される自己のまたはドナーの幹細胞/前駆細胞をトランスフェクトするステップと、3)トランスフェクトした細胞を患者の血行または骨髄に導入するステップとを含む方法。
(項目90)
前記幹細胞/前駆細胞は、成長促進培地で培養され、前記患者の血行に導入する前に前記細胞を拡張する、項目89に記載の方法。
(項目91)
マーカーたんぱく質の発現により、成功したトランスフェクションが監視される項目89に記載の方法。
(項目92)
前記選択された幹細胞/前駆細胞はドナーの臍帯前駆細胞である、項目89に記載の方法。
(項目93)
前記選択された幹細胞/前駆細胞が自己の末梢血の幹細胞/前駆細胞である、項目89に記載の方法。
(項目94)
前記選択された幹細胞/前駆細胞が自己由来の、誘発した、あるいは再プログラミングされた多能あるいは多能性幹細胞である、項目89に記載の方法。
(項目95)
患者のHIV感染を阻止する方法であって、ウイルスベクターを生成するステップと、前記ベクターから生成されたウイルスを該患者の血行に導入するステップとを含む、方法。
(項目96)
デコイ合成オリゴヌクレオチド配列と、HIV共受容体に対して向けられた合成オリゴヌクレオチドとを含む免疫不全ウイルスによる感染を阻止することができるベクターであって、前記デコイ配列は、HIV RREデコイ配列および/あるいはTARデコイ配列とを含み、前記ベクターは、HIV−1配列およびHIV−2配列に対して向けられたリボザイム配列も含む、ベクター。
(項目97)
デコイ合成オリゴヌクレオチド配列と、HIV共受容体に対して向けられた合成オリゴヌクレオチドとを含む免疫不全ウイルスによる感染を阻止することができるベクターであって、前記デコイ配列は、HIV RREデコイ配列および/あるいはTARデコイ配列とを含み、前記デコイ配列は、U6プロモーターにより駆動される、ベクター。
(項目98)
Sox2たんぱく質、Oct4たんぱく質、NANOGたんぱく質、HOXB4たんぱく質、FGF4たんぱく質、LIF活性を有するたんぱく質、Notch活性を有するたんぱく質をコードする配列から選択された配列を含む追加のヌクレオチド配列の他、哺乳類numbたんぱく質の「長」(PRR挿入+)アイソフォームをコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子ベクター。
(項目99)
短NumbアイソフォームおよびNumblikeを標的とする合成オリゴヌクレオチドも含む、項目98に記載のベクター。
(項目100)
哺乳類のnumbたんぱく質の「長」(PRR挿入+)アイソフォームをコードする前記ヌクレオチド配列ならびに、Nanog、Oct3/4、Sox2、Hoxb4、FGF−4、LIF、LIFR、CNTF、オンコスタチン(OSM)、オンコスタチン受容体(OSMR)カーディオトロフィン−l、IL−6、IL6R、 hyper IL−6、 IL−11、 gpl30、LIF活性を有する他のたんぱく質および/あるいはNotch活性を有するたんぱく質をコードする配列から選択される配列を含む追加のヌクレオチド配列が、条件付きで発現され、テトラサイクリン感受性プロモーターなどの条件付きプロモーターによって駆動される、項目98に記載のベクター。
(項目101)
多能、多能性、及び/または選択した細胞から自己再生できる細胞を製造する方法は、以下のものを含む:骨髄、末梢血、胎盤の血液、羊水、臍帯血、皮膚、脂肪組織、ヒト以外の胚細胞、造血細胞、精原細胞、精巣の始原生殖細胞、上皮細胞、循環白血球、単球マクロファージ、その他の体細胞、遺伝子改変臍帯血細胞、遺伝子改変羊水幹細胞、遺伝子改変骨髄細胞、遺伝子改変末梢血細胞、遺伝子改変脂肪細胞、遺伝子改変胎盤細胞、遺伝子改変造血細胞、遺伝子改変皮膚細胞、遺伝子改変精原細胞、遺伝子改変精巣の始原生殖細胞、遺伝子改変末梢血幹細胞、遺伝子改変上皮細胞、遺伝子改変白血球、遺伝子改変ヒト以外の胚細胞、その他の遺伝子改変幹細胞/前駆細胞と選択した細胞を提供するための体細胞に由来する細胞などの幹細胞/前駆細胞および体細胞型の群から細胞を選択する;Notch活性を有する蛋白質とLIF活性を有する蛋白質、FGF4蛋白質、HOXB4蛋白質、NANOG蛋白質、Oct4蛋白質、Sox2蛋白質をコードするヌクレオチド配列から選択した追加のヌクレオチド配列と哺乳類のnumb蛋白質の「長」(PRR挿入+)アイソフォームをコードするヌクレオチド配列で選択した細胞をトランスフェクトする;EGF, bFGF, LIF, スチールファクター、IL−6, hyper IL−6, IL−7, オンコスタチン−M, カーディオトロフィン−1、および選択した細胞がある速度で拡張するのに効率的な他の成長を高めるサイトカインから選択したサイトカインを含む成長培地中で選択した細胞を成長させるがここで前記速度は前記成長培地中で選択した細胞の倍加時間から決定される;そして目的の細胞数になるまで、これらの培養条件下で細胞を維持する。
(項目102)
前記成長培地が条件つきの導入遺伝子発現を誘導するための誘導剤をさらに含む、項目101に記載の方法。
(項目103)
生体内でさらなる分化が可能な所望の分化細胞集団を提供する方法であって、前記所望の細胞は、分化造血細胞、神経細胞、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ノルアドレナリン作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、筋細胞、心筋細胞、内胚葉と膵臓ランゲルハンス島の細胞、生殖細胞または他の所望の細胞を含み、該方法は、骨髄、末梢血幹、胎盤の血液、羊水、臍帯血、皮膚、脂肪組織、ヒト以外の胚、造血細胞、精原細胞、精巣の始原生殖細胞、上皮細胞、循環白血球、単球マクロファージ、その他の体細胞、遺伝子改変臍帯血細胞、遺伝子改変羊水幹細胞、遺伝子改変骨髄細胞、遺伝子改変末梢血細胞、遺伝子改変脂肪細胞、遺伝子改変胎盤細胞、遺伝子改変造血細胞、遺伝子改変皮膚細胞、遺伝子改変精原細胞、遺伝子改変精巣の始原生殖細胞、遺伝子改変末梢血幹細胞、遺伝子改変上皮細胞、遺伝子改変白血球、遺伝子改変ヒト以外の胚細胞、選択された細胞を提供するためのその他の遺伝子改変幹細胞/前駆細胞および体細胞由来の細胞などの幹細胞/前駆細胞および体細胞型の群から細胞を選択するステップと、
Sox2たんぱく質、Oct4たんぱく質、NANOGたんぱく質、HOXB4たんぱく質、FGF4たんぱく質、LIF活性を有するたんぱく質および、Notch活性を有するたんぱく質をコードする配列から選択された配列を含む付加的なヌクレオチド配列の他、哺乳類のnumbたんぱく質の「長」(PRR 挿入+)アイソフォームをコードするヌクレオチド配列で前記細胞をトランスフェクトするステップと、
前記選択された細胞が第1の成長速度で成長するのに有効な成長培地で前記選択された細胞を成長させるステップであって、前記第1の成長速度は前記成長培地内で前記選択された細胞の倍加時間から決定されるステップと、
目的の細胞数を達成するまで、これらの培養条件下で前記細胞を維持するステップと、
前記選択された細胞が分化培地の中で第2の成長速度で成長する有効な前記分化培地で前記選択された細胞を培養するステップであって、前記第2の成長速度は、前記分化培地内で前記選択された細胞の倍加時間から決定され、前記第2の成長速度は前記第1の成長速度の約10%から約90%の間の成長速度であり、
前記分化培地は、前記選択された細胞を前記所望の分化細胞への分化又は改変を促進する上で効果的な少なくとも1つの分化作用物質を含み、さらに
前記分化作用物質はレチノイン酸、神経成長因子、ジメチルスルホキシド、およびヘキサメチレンビスアクリルアミド、または前記所望の細胞型に適切なその他の分化作用物質からなる群から選択される、方法。
(項目104)
項目103に記載の方法であって、
i)前記細胞をヌクレオチド配列、特に転写因子でトランスフェクトすることによって該細胞のいくつかを望まれる細胞への分化を開始するよう促すステップと、
ii)前記細胞を最も短い(Prr−/PTB−)NumbアイソフォームまたはNumblikeをコードするヌクレオチド配列でトランスフェクトするステップと、
iii)前記細胞をPRR+numbアイソフォームを標的にした合成オリゴヌクレオチド配列によりトランスフェクトするステップのうち1つまたは複数のステップをさらに含む、方法。
(項目105)
前記望まれる細胞が心筋細胞であり、その細胞がDMSOやNBS、レチノイン酸、および/または心筋細胞の訓化培地を含む分化培地の中で培養される、項目103に記載の方法。
(項目106)
前記望まれる細胞が神経細胞であり、その細胞が神経成長因子やレチノイン酸から選択された分化作用物質を含む分化培地の中で培養される、項目103に記載の方法。
(項目107)
前記望まれる細胞が筋細胞であり、その細胞がヘキサメチレンビスアクリルアミド、またはジメチルスルホキシドを含む分化培地の中で培養される、項目103に記載の方法。
(項目108)
生体内でさらなる分化が可能な所望の細胞集団を提供する方法であって、
骨髄、末梢血幹、胎盤の血液、羊水、臍帯血、皮膚、脂肪組織、ヒト以外の胚、造血細胞、精原細胞、精巣の始原生殖細胞、上皮細胞、循環白血球、単球マクロファージ、その他の体細胞、遺伝子改変臍帯血細胞、遺伝子改変羊水幹細胞、遺伝子改変骨髄細胞、遺伝子改変末梢血細胞、遺伝子改変脂肪細胞、遺伝子改変胎盤細胞、遺伝子改変造血細胞、遺伝子改変皮膚細胞、遺伝子改変精原細胞、遺伝子改変精巣の始原生殖細胞、遺伝子改変末梢血幹細胞、遺伝子改変上皮細胞、遺伝子改変白血球、遺伝子改変ヒト以外の胚細胞、選択した細胞を提供するためのその他の遺伝子改変幹細胞/前駆細胞および体細胞に由来する細胞などの幹細胞/前駆細胞および体細胞型の群から細胞を選択するステップと、
目的の細胞数を達成するまで、成長培地で前記細胞を維持するステップと、
前記細胞をヌクレオチド配列、特に転写因子でトランスフェクトして、前記細胞の所望の細胞への分化開始を促進するステップと、
前記細胞を最も短い(Prr−/PTB−) NumbアイソフォームあるいはNumblikeをコードするヌクレオチド配列でトランスフェクトするステップと、
前記選択された細胞を望まれる分化をした細胞へと、分化または改変を促進するのに効果的な少なくとも1つの分化作用物質を含む分化培地中で培養するステップとを含み、さらに
前記分化作用物質はレチノイン酸、神経成長因子、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、または前記望まれる細胞タイプに適した他の分化作用物質からなる群から選択される、方法。
(項目109)
前記細胞が、前記最も短い(Prr−/PTB−) NumbアイソフォームまたはNumblikeをコードするヌクレオチド配列でトランスフェクトされない、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記望まれる細胞が筋細胞であり、該細胞がMyoD,ミオゲニン、ミオカルディン、Myf5、Myf6、Mef2A、Gata4、Gata5、およびGata6から選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされる方法であって、該望まれる細胞が骨格筋細胞、平滑筋、または心筋であるか否かに依存する、項目108に記載の方法。
(項目111)
ドーパミン作動性ニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞が前記分化培地の中で培養する前に、Mash1、Ngn2、Nurr1、Lmxlb、および/またはPtx3から選択された因子を含む転写因子でトランスフェクトされる、項目108に記載の方法。
(項目112)
セロトニン作動性ニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞が前記分化培地の中で培養する前に転写因子でトランスフェクトされる、項目108に記載の方法。
(項目113)
前記転写因子は、Mashl、 Phox2b、 Lmxlb、Nkx2.2、 Gata2、Gata3およびPetl を含む、項目112に記載の方法。
(項目114)
コリン作動性のニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞が前記分化培地の中で培養する前に、MASHl、 Phox2aおよびREST4から選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされる、項目108に記載の方法。
(項目115)
GABA作動性ニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞がLIF、NT3、およびNGFから選択される分化作用物質を含む分化培地の中で培養する前に、MASHl、Phox2a、およびREST4から選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされる、項目108に記載の方法。
(項目116)
ノルアドレナリン作動性ニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞が、Mashl、Hand(HAND2)、Phox2a、Phox2b、Gata2およびGata3から選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされる、項目108に記載の方法。
(項目117)
GABA作動性ニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞が、PITX2、Dlx2、Dlx5、およびHes1をターゲットとするRNAから選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされる項目108に記載の方法。
(項目118)
ニューロンが前記望まれる細胞であり、その細胞がPITX2、Dlx2、Dlx5、Nurr1、REN、ニューロゲニン1、ニューロゲニン2、ニューロゲニン3、Mashl、Phox2b、Phox2a、dHand、Gata3、Shh、FGF8、Lmx1b、Nkx2.2、Pet1、Lbx1、Rnxおよび/またはアンチセンスHes1
RNAから選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされる、項目108に記載の方法。
(項目119)
膵臓ランゲルハンス島細胞、または内胚葉細胞が前記望まれる細胞であり、前記選択された細胞はFoxa2、Soxl7、HLXB9およびPdxlから選択される因子を含む転写因子でトランスフェクトされ;そして追加の分化作用物質は酪酸ナトリウム、アクチビンA、レチノイン酸、上皮細胞増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、ノギン、インスリン様成長因子II、ニコチンアミドから選ばれる、項目108に記載の方法。
(項目120)
前記望まれる細胞は造血細胞であり、前記細胞はRunxl/AMLlをコードするヌクレオチド配列でトランスフェクトされ、前記分化作用物質は、望まれる細胞型に適したVEGF、トロンボポエチン、およびコロニー刺激因子から選択される、項目108に記載の方法。
(項目121)
内臓器官、筋系、心臓、中枢神経系、血液、他の組織の障害を患っていて、治療が必要な患者に処置する方法であって、骨髄、末梢血液幹、胎盤の血液、羊水、臍帯血、皮膚、脂肪組織、ヒト以外の胚、造血細胞、精原細胞、精巣の始原生殖細胞、上皮細胞、循環白血球、単球マクロファージ、他の体細胞、遺伝子改変臍帯血細胞、遺伝子改変羊水幹細胞、遺伝子改変骨髄細胞、遺伝子改変末梢血細胞、遺伝子改変脂肪細胞、遺伝子改変胎盤細胞、遺伝子改変造血細胞、遺伝子改変皮膚細胞、遺伝子改変精原細胞、遺伝子改変精巣の始原生殖細胞、遺伝子改変末梢血幹細胞、遺伝子改変上皮細胞、遺伝子改変白血球、遺伝子改変ヒト以外の胚細胞、選択した細胞を提供するための他の遺伝子改変幹細胞/前駆細胞および体細胞に由来する細胞などの幹細胞/前駆細胞および体細胞型の群から細胞を選択するステップと、前記細胞を哺乳類のnumbたんぱく質の「長」(PRR挿入+)アイソフォームならびに、Nanog、Oct3/4、Sox2、Hoxb4、FGF−4、LIF、LIFR、CNTF、オンコスタチン、カーディオトロフィン−1,IL−6,IL−6R,hyper IL−6、IL−11、gp130、LIF活性を有する他のたんぱく質、およびNotch活性を有するたんぱく質をコードする配列から選択される配列を含む追加のヌクレオチド配列でトランスフェクトするステップと、
前記選択された細胞が分化培地中で第2の成長速度で成長するのに有効な分化培地の中で培養し、ここで該第2の成長速度は該分化培地の中での該選択された細胞の倍加時間から決定され、さらに該第2の成長速度は第1の成長速度の約10%から約90%の間の成長速度であり、該分化培地は、該選択された細胞の分化または改変を促進して分化細胞にするのに効果的なジメチルスルホキシド、およびヘキサメチレンビスアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1つの分化作用物質を含むステップと、該分化細胞を前記患者の血行、器官、神経系、または他の組織に注入し、それにより前記障害が改善または治療されるステップとを含む、方法。
(項目122)
項目121に記載の方法であって、前記細胞を前記望まれる細胞へと分化を開始するよう促進するヌクレオチド配列、特に転写因子で該細胞をトランスフェクトするステップと前記細胞を最も短い(Prr−/PTB−) NumbアイソフォームまたはNumblikeをコードするヌクレオチド配列またはPRR+ numbアイソフォームを標的にする配列でトランスフェクトするステップから選択されるステップを更に含む、項目12に記載の方法。
(項目123)
選択された細胞は望まれる細胞数を達成した後に前記成長培地から単離され、前記患者の血行、器官、神経系、または他の組織に注入され、それによって前記障害が改善されるか治療される、項目121に記載の方法。
(項目124)
核酸またはたんぱく質が選択した細胞の中で過剰発現するかまたは導入されており、これらの核酸またはたんぱく質は、長(Prr+) numbアイソフォーム、Nanog、Oct3/4、Sox2、Notch活性を有する導入遺伝子、Hoxb4,FGF−4、LIF、LIFR、CNTF、オンコスタチン、オンコスタチン受容体、カーディオフィリン−1、IL−6、IL6R、hyper IL−6、IL−11、gpl30およびLIF活性を有する他の導入遺伝子をコードするものから選択されたものを含む自己再生、多能、および/または多能性細胞の集団を獲得する方法。
(項目125)
項目124に記載の方法であって、用いるトランスフェクションの方法は、電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいはレトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または他の細胞のゲノムのランダムな変換を避ける別の方法である方法。
(項目126)
自己再生、多能、および/または多能性細胞の集団を獲得する方法であって、単一の遺伝子あるいはその一部に対応する核酸あるいはたんぱく質が選択された細胞の中に過剰発現あるいは導入され、これらの核酸あるいはたんぱく質が長(Prr+) Numbアイソフォーム、Nanog、Oct3/4、Sox2、Notch活性を有する導入遺伝子、Hoxb4、FGF−4、LIF、LIFR、CNTF、OSM、OSMR、カーディオトロフィン−1、IL−6、IL6R、hyperIL−6、IL−11、gpl30をコードするものから選択された1つに対応する方法。
(項目127)
用いるトランスフェクションの方法は、電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいはレトロウィルス/レンチウィルスの組込みまたは他の細胞のゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである、項目121に記載の方法。
(項目128)
遺伝子的に生産した自己再生細胞、多能細胞、多能性細胞および/あるいは分化細胞を、組織工学の目的で、3次元または2次元の足場で培養する、項目121に記載の方法。
(項目129)
遺伝子的に生産した自己再生細胞、多能細胞、多能性細胞、および/または分化細胞を、組織工学の目的で、脱細胞化器官か脱細胞化組織中で培養する、項目121に記載の方法。
(項目130)
遺伝子的に生産した自己再生細胞、多能細胞、多能性細胞、および/または分化細胞を、組織工学の目的で、インクジェット印刷の技術と合わせ利用する、項目121に記載の方法。
(項目131)
遺伝子的に生産した自己再生細胞、多能細胞、多能性細胞、および/または分化細胞をハンギングドロップで培養する、項目121に記載の方法。
(項目132)
生殖細胞を遺伝子的に生産した自己再生細胞、多能細胞、および/または、多能性細胞から生産する、項目121に記載の方法。
(項目133)
核酸が多能、多能性、自己再生を誘導する能力、および/または分化を開始する能力について、核酸をスクリーニングするための、項目121に記載の方法であって、その配列は電気穿孔法、ナノカプセルまたナノヴォールトを利用して選択された細胞に導入される、方法。
(項目134)
多能、多能性、自己再生を誘導する能力、および/または分化を開始する能力について核酸をスクリーニングするための、項目108に記載の方法であって、その配列が電気穿孔法、ナノカプセル、またはナノヴォールトを利用して選択された細胞に導入される、方法。
(項目135)
分化細胞が、所望な分化細胞中に通常存在する一つまたは一つより多い転写因子に対応する核酸またはタンパク質の過剰発現または導入による、遺伝子的に生産された、自己再生細胞、多能細胞、および/または多能性細胞から所望され産生される、項目121に記載の方法。
図1は、実施例13のベクター配列に対応するベクターマップを示す。
(発明の詳細な説明)
全ての特許、特許出願、ならびに本出願書で引用された出版物は、そのまま参照し本論に引用されている。ここで論じられているように、「DNA」はデオキシリボ核酸を表わし、「RNA」はリボ核酸を表わす。ここで書かれている、「cDNA」は相補的DNAを意味し、「mRNA」はメッセンジャーRNAを表わす。
「siRNA」は小干渉RNAを表わし、「shRNA」は小ヘアピンRNAを表わす。「miRNA」は、単一ストランドRNA分子や、特に約20から30の長さのヌクレオチドを持ち遺伝子の発現を調節する可能性があるマイクロRNAを表わす。「decoy」および「decoy RNA」ならびに「RNA decoy」は、リガンドに対する天然の結合ドメインを模倣したRNA分子を表わす。
ここで用いているように、用語「ameliorating(改善する)」は影響を減らし、または損傷を少なくし、または作用、活性または機能の効果もしくは衝撃を最小にすることを意味し、例えば、疾患または状態による有害な影響を減らすことを含む。
ここで用いているように、用語「retarding(遅らせる」は影響または作用の進行を緩めるかまたは減少させることを意味する。それは例えば、病気の進行を緩めたり、感染率を低下させたり、疾患または症状の発達あるいは進行を緩やかにするかまたは低下させるように作用することである。
ここで用いているように、「誘発剤」は作用を促進することを助けるかあるいは単独で効果的な作用物質である。例えば、活性を誘引するかまたは増進させることによりプロモータに作用し、またプロモータの統制のもと遺伝子発現に影響する外生の作用物質は誘発剤と称されるだろう。例えば、テトラサイクリンは誘発剤として使われ、ドキシサイクリンも誘発剤として使われるであろう。
核酸配列(ポリペプチドをコードする核酸配列など)は、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係のもとに配置された時に、他の核酸配列(プロモータなど)に対して「作動可能に連結する」と言われている。例えば、もしコード配列の転写または発現に、プロモータが影響を与えたら、プロモータはコード配列に作動可能に連結するということである。ここで用いられているように「駆動される」という言葉は、遺伝子やコード配列がプロモータ配列に作動可能に連結し、プロモータ配列がコード配列の転写または発現に影響を与えることを意味する。
ここで用いているように、「マーカー」は、探知できる分子または探知できる分子のコードまたはマーカーの存在を探知できるような他の分子上の作用のことである。「マーカーたんぱく質」あるいは「マーカーポリペプチド」は、研究室や臨床的環境において探知でき、実施形態において可視できる、たんぱく質あるいはポリペプチドのことである。「マーカー遺伝子」は、マーカーたんぱく質またはマーカーポリペプチドをコードするものである。
ここで用いているように、「HIV」はヒト免疫不全ウィルスのことを表わし、例えばHlV−I、HIV−2などの変異体を含む。他の免疫不全ウィルスとしては、SIV(サル免疫不全ウィルス)やFIV(ネコ免疫不全ウィルス)などがある。HIVに関連する酵素は「HIV酵素」と呼ばれることもでき、例えばインテグラーゼ、プロテアーゼ、逆転写酵素、TAT(トランス活性化調節たんぱく質)などを含む。HIVによる感染は、「HIV受容体」と呼ばれる受容体が関わっていると考えられている。「HIV共受容体」として名づけられ得る複数のそのような受容体があるであろう。ここで記されているように、「HIV共受容体」にはCXCR4やCCR5などがある。
本発明の実施形態における理論上の論拠はここに記されているが、この議論は本発明を縛るか制限するものではない。当業者は、本発明の理論上の支持を説明するために用いられるモデルであるにもかかわらず、本発明の様々な実施形態が実施され得ることを理解する。
好ましい実施の形態としては、細胞は、a)増殖している多能または多能性の細胞集団、分化しているb)神経細胞の集団、c)筋細胞の集団、d)および/あるいは他の望まれる細胞集団を生成する目的で、利用しやすく分裂しているまたは分裂していない細胞集団から選択される。更に、所望の細胞集団は、生体外、生体内でさらなる分化が可能であり得、および/あるいは生体内で組織に適切な、および部位で適切な一層の分化ができる。
本発明に用いるための選択された細胞の供給源:選択された細胞は、本発明において利用可能であるすべての細胞を含んでいてもよい。本発明で使うために選択した細胞(ここでは「選択された細胞」という)は、他の器官システムに由来した細胞を含む患者の内生的な細胞に由来するか、または外生の供給源から由来した細胞(細胞株、低温保存された供給源、貯蔵された供給源、およびドナー由来のものを含む)であってよい。細胞は、合成あるいは天然の核酸配列を用いて遺伝子改変された細胞から選択されることもある。ここで使用されている「選択された細胞」とは、ヒト胎児性幹細胞は含まない。
本発明の実施形態においては侵襲的な手段の関与なしで単離し得るための選択された細胞は好ましくは容易に採取することができる細胞(例:末梢血白血球、循環造血幹細胞、上皮細胞)、(例:口頬細胞(例:Michalczyk et al, 2004))、脂肪組織(例:Gimble et al., 2007; Ma et al., 2007)、臍帯血液細胞(例:Zhao, et al., 2006; Tian et al., 2007)、など)を利用した。しかしながら骨髄幹細胞、精原細胞(例:Guan et al., 2006; Takahashi et al., 2007)、始原生殖細胞(PGC)、羊膜から分離した幹細胞(例:Ilancheran et al., 2007)、羊水 (例:De Coppi et al., 2007)、同様に皮膚から分離した細胞(例:Tumbar, 2006; Dunnwaldet al., 2001 ; Szudal’tseva et al., 2007)などは、本発明においても利用された。このような細胞は、当該分野で知られている任意の手段によって、それが存在する組織から分離することができる。
精原細胞は、二段階の酵素消化とそれに続くパーコール分離を使用して分離することができる。細胞をウシ血清アルブミンを補充した最小必須培地(MEM)に10/mLの最終濃度に再懸濁することができる。具体的には:細管の断片を手術で入手し、掻き裂いた後に、0.10%炭酸水素ナトリウム、4mM L−グルタミン、非必須アミノ酸、40マイクログラム/mlのゲンタマイシン、100IU〜100マイクログラム/mlのペニシリン−ストレプトマイシン、および15mMのHEPESを含むMEM中で1ミリグラム/mlのトリプシン、ヒアルロニダーゼ、およびコラゲナーゼで処理し、続いて1ミリグラム/mlのヒアルロニダーゼとコラゲナーゼで処理する。精原細胞をさらに細管の断片から30倍の重力で遠心分離によって分離する。77ミクロンおよび/または55ミクロンの孔径を有するナイロンフィルターを介してろ過した後、細胞は収集され、不連続パーコール密度勾配上にロードされる。純度が40%を超える前駆細胞/幹細胞/精原細胞を含む分画を洗浄して、10個の前駆細胞/幹細胞/精原細胞と等価な細胞濃度に懸濁する。その後、細胞は培養され、さらに/または当該分野で公知の任意の凍結保存技術によって保存される。
選択された細胞は遺伝子改変細胞であってよく、特に治療上または商業的に有利なデオキシリボ酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)配列をコードするため当該分野で知られている任意の技術で遺伝子改変された。
本発明の一つの側面によれば、選択された細胞から望まれる細胞集団(例:多能性、 神経、筋肉、など)を生成する方法が提供される。
多能、多能性および/あるいは自己再生可能な細胞集団の生成
a)増殖し自己再生できる多能性の細胞集団を得るために、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は、哺乳類のnumb遺伝子の「長」 (PRR insert +) アイソフォームをコードするものを含むヌクレオチド配列によってトランスフェクトされる。それとほぼ同時に選択された細胞は、短いNumbアイソフォームおよびNumblikeとを標的にした合成オリゴヌクレオチドによってトランスフェクトされ、それから最適の成長速度で選択された細胞を成長させる環境下で培養され得る。選択された細胞はこのような環境下において、望まれる細胞数に達するまでの十分な期間維持される。細胞はLIF、鉄因子および/あるいは Il−6、hyper 1L−6、IL−7、オンコスタティン−Mおよび/あるいはカーディオトロフィン−1と等しい効力の濃度によって培養され得られた(最適な)成長速度で成長し、もしくは成長を増強する他のサイトカインの存在(例:多能性細胞を培養する条件、例: Guan et al., 2006)によって得られた成長速度によって成長する。成長速度は、前記の成長培地中での選択された細胞の倍加時間よって決定される。同様に、米国特許6432711と5453357にある培養環境は、長(PRR+)Numbアイソフォームによってトランスフェクトされた細胞が最適な成長速度で増殖や拡大するのに適切であり得る。他の適切なプロコトルや参照のサイトカイン濃度は、Koshimizuet al.,1996;Keller et al.,1996;Piquet−Pellorce, 1994;Rose et al.,1994;Park and Han, 2000;Guan et al., 2006; Dykstra et al., 2006; Zhang et al.,2007によって教示されている。しかしながら、本発明の実施は、これら教示の詳細に制限されない。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞は標準的な成長培地において培養される(例:補完(例:グルタミン、ベータ・ メルカプトエタノール)が有るまたは無い最少必須培地。培地は、基本的な繊維芽細胞成長因子(bFGF)、鉄因子、白血病抑制因子(LIF)および/あるいはLIF活性がある因子(例:LIF、LIF受容体(LIFR)、 繊毛状神経栄養因子(CNTF)、 オンコスタティン M (OSM)、OSM 受容体(OSMR)、カーディオトロフィン、IL−6などのインターロイキン(IL)、hyper IL−6、GP 130など)、ウマの血清を含む。LIFのみではなくLIF活性がある他の因子は、細胞の自発的な分化を防止する。このような環境下で、PRR+Numb アイソフォームでトランスフェクトされた選択された細胞およびその子孫細胞は、多能、多能性および/あるいは自己再生能力を得ることが期待されている。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は、「長」 (PRR insert +) Numb アイソフォームをコードするヌクレオチド配列のみならず、他の導入遺伝子をコードする配列によってトランスフェクトされる。これら導入遺伝子の多くは、NCBI配列データベースに、それぞれの対応する識別番号(アクセッション番号)に基づいて列挙される。
別の好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は、他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、「長」(PRR insert +) Numb
アイソフォームの部分をコードするヌクレオチド配列によってトランスフェクトされる。これらの導入遺伝子の多くは、それぞれの対応する識別(アクセッション)番号(コード)に基づいてNCBI配列データベースに列挙される。一つの好適な実施形態において、選択された細胞やその子孫細胞は、LIFなどの他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+)Numbアイソフォームをコードする配列によってトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、LIF活性を有する導入遺伝子を含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞はトランスフェクトされる。一つの好適な実施形態において、LIFRを含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+)Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞はトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、オンコンスタティンM(OSM)を含む他の導入遺伝子の符号化された連鎖と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームによって連鎖を符号化して、選択された細胞および/あるいはその結果である細胞は核酸が入れられる。
一つの好適な実施形態において、オンコンスタティンM受容体(OSMR)を含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞やその結果である細胞は核酸が入れられる。一つの好適な実施例において、カーディオトロフィン−1を含む他の導入遺伝子の符号化された連鎖と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームによって連鎖を符号化して、選択された細胞やその子孫細胞はトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、CNTFを含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞やその子孫細胞はトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、OCT3/4やSOX2を含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長 (PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞やその子孫細胞はトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、NANOGやOCT3/4、SOX2を含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長 (PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞やその子孫細胞はトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、OCT3/4やSOX2を含む他の導入遺伝子および、LIF活性を伴う導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞はトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/またはその子孫細胞は、OCT3/4およびSOX2を含む他の導入遺伝子、ならびにLIF活性を伴う導入遺伝子をコードする配列でトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、Notchを含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞はトランスフェクトされる(例:Gaiano et al., 2000)。
一つの好適な実施形態において、OCT3/4やSOX2、Notchを含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長 (PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によって、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞はトランスフェクトされる(例:notch1 および/あるいはnotch 2)。
一つの好適な実施形態において、OCT3/4、SOX2、NANOGまたNotchを含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームによって連鎖を符号化して、選択された細胞および/あるいはその結果である細胞は核酸が入れられる。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は、OCT3/4、SOX2、NANOGを含む他の導入遺伝子、またLIF活性を伴う導入遺伝子をコードする配列と同様に、長 (PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によってトランスフェクトされる。一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は、OCT3/4、SOX2、NANOGを含む他の導入遺伝子、およびLIF活性がある多重導入遺伝子をコードするのと同様に、長(PRR+)Numbアイソフォームをコードする配列によってトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は、OCT3/4、 Notch,、 HOXB4 、またSOX2を含む他の導入遺伝子をコードする配列と同様に、長(PRR+) Numb アイソフォームをコードする配列によってトランスフェクトされる。
さらに、他のここで記されたものとは異なる遺伝子の組み合わせが、細胞を、多能、多能性とならせることができ、自己再生することができるかまたは分化を始めるようにすることができることが記載または発見されるかもしれない。しかしながら、本特許出願は核酸またはたんぱく質の電気穿孔法(Gagne et al.,1991;Saito et al.,2001;Yuan,2008;Huang etal.,2007; Xia and Zhang,2007;Cemazar and Sersa 2007;lsaka and Imai,2007; Luxembourg et al.,2007;Van Tendeloos,2007;Takahashi,2007;など参照)、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトなどを適応する任意の有核細胞の「遺伝子再プログラミング」(Goldberg et al., 2007; Li
et al., 2007参照)および/あるいはウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避ける別のアプローチなどを包含する。なぜなら、それらの方法は、安全性と効率を向上させるからである。
さらに当然として、ゲノムの特定の場所においてDNAを導入または取り除くために設計された遺伝子ターゲティングならびに部位特異的方法はランダム変換のカテゴリーから除外される。
同様にして、本特許出願は、核酸またはたんぱく質の電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトなどを用いる任意の有核細胞の遺伝子再プログラミングおよび/あるいは、レトロウィルスの/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避ける別のアプローチを包含する。なぜならそれらの方法は、安全性や効率の向上を意味するからである。を意味する。このようなアプローチや手法は、すべて当該分野で公知であり、本発明において実施可能である。
一つの好適な実施形態において、単一の遺伝子またはその一部(特にここで挙げられたもので、ここで挙げられた手法によって発見され、他の公表された方法により発見されたもの;または多能、多能性、自己再生を誘導することが知られているもの)に対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/または自己再生細胞を生成するよう過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好適な実施形態において、単一の遺伝子またはその一部に(特にここで挙げられたもので、ここで挙げられた手法によって発見され、他の公表された方法により発見されたもの;または多能、多能性、または自己再生を誘導することが知られているもの)に対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込みまたはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質は、単一の遺伝子やその一部(特にここで挙げられたもので、ここで挙げられた手法によって発見され、他の公表された方法により発見されたもの; もしくは多能で、多能分化し、または自己再生を誘導することが知られているもの)に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から、多分能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り使用できる。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質は単一の遺伝子またはその一部(特にここで挙げられたもので、ここで挙げられた手法によって発見され、他の公表された方法により発見されたもの、もしくは多能で多能分化し、または自己再生を誘導することが知られているもの)に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成する限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルスの/レンチウィルスの組込みまたはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、使用することができる。
一つの好適な実施形態において、Nanogに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質はNanogに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成される限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールト、および/あるいは、ウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、使用できる。
別の好適な実施形態において、Oct4 とSox2に対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、ウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質はOct4/Sox2に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、ウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、使用する。
別の好適な実施形態において、長(PRR+) Numbアイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、ウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはタンパク質は、長(PRR+) Numbアイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成される限り、そしてその手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、ウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、使用する。
一つの好適な実施形態において、Nanogに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するために過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好適な実施形態において、Nanogに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、Nanogに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成する限り、他の核酸またはたんぱく質を使用することができる。
別の好適な実施形態において、Nanogに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成する限り、他の核酸またはたんぱく質を使用することができる。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
一つの好適な実施形態において、LIF活性をもつ遺伝子に対応する核酸またはたんぱく質が、多能、多能化、および/あるいは自己再生細胞を生成するよう選択された細胞から過剰発現および/あるいは導入された唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好適な実施形態において、LIF活性のある遺伝子に対応する核酸またはたんぱく質が、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう選択された細胞から過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質は、LIF活性がある遺伝子に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、使用する事ができる。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質は、LIF活性がある遺伝子に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、使用することができる。
一つの好適な実施形態において、Oct4に対応する核酸またはたんぱく質が、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう選択された細胞から過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好適な実施形態において、Oct4に対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質はOct4に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選ばれた細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、使用する事ができる。
別の好適な実施形態において、他の核酸またはたんぱく質はOct4に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選ばれた細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、またはその他の細胞ゲノムのランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、使用することができる。
一つの好適な実施形態において、Sox2に対応する核酸またはたんぱく質は、選ばれた細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好適な実施形態において、Sox2に対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいはレトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他のランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、Sox2に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成する限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する事ができる。
別の好適な実施形態において、Sox2に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他のランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する事ができる。
一つの好適な実施形態において、lin28に対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好適な実施形態において、lin28に対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、lin28に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団を生成する限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する事ができる。
一つの好適な実施形態において、c−mycに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
一つの好ましい実施の形態としては、c−mycに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質であり、使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別個の好ましい実施の形態としては、c−mycに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成する限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する事ができる。
別の好適な実施形態において、c−mycに対応する核酸または、たんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう導入された細胞の集団が生成されている限り、そして使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する事ができる。
別の好適な実施の形態としては、Oct4とSox2に対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
別の好適な実施形態において、Oct4とSox2に対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質であり、使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、Oct4とSox2に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、他の核酸またはたんぱく質が使用される。
別の好適な実施形態において、Oct4とSox2に対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、および、使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、他の核酸またはたんぱく質が使用される。
別の好適な実施形態において、長(PRR+)Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
別の好適な実施形態において、長(PRR+)Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質であり、使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、長(PRR+) Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する。
別の好適な実施形態において、長(PRR+) Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、さらに使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、他の核酸またはたんぱく質は使用される。
別の好適な実施形態において、Oct4、 Sox2とNanogに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
別の好適な実施形態において、Oct4、 Sox2とNanogに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現した、および/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質であり、使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、Oct4, Sox2とNanogに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する。
別の好適な実施形態において、Oct4, Sox2とNanogに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、さらに使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込み、または細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである限り、他の核酸またはたんぱく質は使用される。
別の好適な実施形態において、長(PRR+)Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質が、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞を生成するよう、過剰発現したおよび/あるいは導入された、唯一の核酸またはたんぱく質である。
別の好適な実施形態において、長(PRR+) Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質は、選択された細胞から、多能、多能性および/あるいは自己再生の細胞を生成するよう、過剰発現および/あるいは導入され、使用されている手法は電気穿孔法、リボソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいはレトロウィルス/レンチウィルスの組込みまたは細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
別の好適な実施形態において、長 (PRR+)Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞集団が生成されている限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する。
別の好適な実施形態において、長 (PRR+)Numb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質との調和の中で、選択された細胞から多能、多能性および/あるいは自己再生細胞の集団が生成されている限り、他の核酸またはたんぱく質は使用する事ができ、使用されている手法は電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいは、レトロウィルス/レンチウィルスの組込みまたは細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチである。
ここに示される核酸またはたんぱく質の配列のあらゆる組み合わせは、望まれる細胞集団または性質が得られる限り、Numbおよび/あるいはNumblikeに対応する核酸またはたんぱく質の配列を除外することで改変できるということが理解されるべきである。
同様にここで示される分化を開始する方法は、ここにある手法で得られた細胞に対してだけでなく、誘発されたまたは誘発されなかった、多能、多能性、または自己再生する幹細胞、他の前駆細胞、または他の選択された細胞に対し適応できることが理解されるべきである。ここに示される核酸またはたんぱく質の配列のあらゆる組み合わせは、望まれる細胞集団が得られる限り、Numbおよび/あるいはNumblikeに対応する核酸またはたんぱく質を除外することで改変できることが理解されるべきである。
別の好適な実施形態において、ここに示される核酸またはたんぱく質の様々な組み合わせは、Numblikeおよび/あるいはNumb アイソフォームに対応する核酸またはたんぱく質を除外することで使用できる。
好ましい実施態様では、選択された細胞および/またはその子孫が遺伝的に、事前に変更されている細胞である。
好ましい実施態様では、ここに説明するトランスフェクションの手順は、一時的なトランスフェクションを表す。さらに好ましい実施態様ではこのような一時的なトランスフェクションは、ホストゲノムへの組込みがないウイルスベクターを使用して達成される。
別の好適な実施形態において、かかる一時的なトランスフェクションは、標準のトランスフェクション技術(電気穿孔法、化学的に媒介されたトランスフェクション、融合性または非融合性リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトなど)を用いて達成される。
時間の経過に従い、ここに示されるものとは異なる他の遺伝子組み合わせで、細胞に対し、多能、多能性、自己再生可能になるようもたらすかまたは分化開始をもたらすことができることが示され、あるいは発見されるであろう。しかしながら本特許出願は、核酸またはたんぱく質の電気穿孔法(例:手法についてはGagne et al.,1991;Saito et al.,2001;Yuan,2008; Huang et al.,2007;Xia and Zhang,2007;Cemazar and Sersa 2007;Isaka and Imai,2007;Luxembourg
et al., 2007;Van Tendeloos,2007;Takahashi,2007;その他を参照)、電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールトおよび/あるいはウィルスの組込みまたは細胞ゲノムのその他ランダムな変換を避けるもう1つのアプローチ(それらの手技は安全性と有効性を向上させるので)を用いる任意の有核細胞の遺伝子再プログラミングも包含する。
別の好ましい実施態様では長(PRR+)numbアイソフォームをコードする配列(および/または合成オリゴヌクレオチドnumblikeと短numbアイソフォーム)が、ヒトLIF(例えば、Du and Shi,1996)、オンコスタチン−M、cardiotrophin-1、IL−11、IL−6、IL6R、Hyper IL−
6、LIFR、gpl30、OCT3(OCT4)、Nanog、SOX2、および/またはFGF−4をコードするものから選択される配列を含む他の配列で、一時的または永久的なトランスフェクションを伴うかまたはそれによって置換される。
これらの異なる導入遺伝子配列の任意のサブセットでの同時トランスフェクションは、単一遺伝子ベクター、複数の遺伝的ベクター、シリアルトランスフェクションと異なるマーカータンパク質および/または抗生物質耐性に基づく選択を含む当該分野で公知の手段によって達成することができる。
別の好ましい実施態様では、長(PRR+)numbアイソフォームでトランスフェクトされた細胞は、EGF、bFGF、オンコスタチン(例えば、Du and Shi,1996)、LIF、鉄因子、IL−11、cardiotrophin−1、IL−6、Hyper IL−6、CNTF、および/または水溶性gpl30を含む、上記のような最適成長速度を促進する細胞培養で培養される。
効力と分化の評価
多能性と多能は次を含むその分野で公知の手法によって評価できる。1)移植、2)胚様体の形成を促進する条件での培養、3)動物の胚盤胞期胚芽への細胞注入とその後の成長、4)分化、多能、多能性など(Guanet al.,2006を参照)に関連した遺伝子発現のRNA発現検査(例:RT−PCR法ならびにマイクロアレイ法に基づいた分析)、5)コロニー形成のみならずES細胞類似形態による。ここで説明する、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞の多能性を知るための1つの方法としては、蛍光タンパク遺伝子に作動可能に結び付けられたNanogプロモータを含む構築物を使うトランスフェクションが含まれる。これによりNanog発現細胞は、蛍光活性化細胞分別(FACS)などを使って特定し富化することができる。
実施の形態としては、内因細胞(例:火傷または怪我をした部分の周りの細胞)が長(PRR+)numb アイソフォームをコードする遺伝子ベクターのみと、あるいはここで名前を挙げた他の導入遺伝子と共に生体内でトランスフェクションし、一時的に細胞再生したかあるいは増加した細胞の増殖を促進する。この手法は低形成組織、幹/前駆細胞が異常に欠損する疾患、また他のこの手法が有効であることが示され得る疾患に対して臨床的に用いることができる。
分化する細胞集団を得る
b) 神経細胞集団、c) 筋肉細胞集団、d) その他の細胞集団がさらに生体内で環境的に制御されて分化が可能になるようにするには、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞が、長(PPR+)Numbアイソフォーム配列および/あるいは合成されたオリゴヌクレオチド配列でのトランスフェクションを任意に受け、(上記の如く)試験管内で十分な時間をもって増加が拡大し望まれる数の子孫細胞が達成される。
この任意の手順に続いて、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞を洗浄して拡大/最適の成長培地を構成するサイトカインと因子を取り除き、任意にNumblike遺伝子および/あるいは「短」(PRR−)Numbアイソフォームおよび/あるいは長(PRR+)アイソフォームなどを標的とする合成オリゴヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列など (例:Zaehres et al.,2005)でトランスフェクションした。そして選択された細胞を望まれる細胞タイプに分化させるのを促進させる状況下で培養した。
殆どの例において、細胞は5から10%の胎仔ウシ血清と、選択された細胞および/あるいはその結果の子孫細胞を望まれる細胞集団に分化させるのを促進させる因子が存在するという条件下で培養された。胎仔ウシ血清とその因子が存在することにより、最適(または拡大)成長速度よりも低い速度で成長あるいは増殖し、望まれる細胞集団に分化するのに好都合である。因子と正確な培養条件は、下記で描写された所望の細胞集団により選ばれる。
ニューロンまたは神経細胞集団を得る
望まれる細胞集団が神経細胞集団の時は、トランスフェクションが成功した細胞が、細胞を神経細胞に分化させるのを促進する因子が存在し、最適速度よりも低い速度で成長を促進する条件下で培養される。ニューロンへの分化を促進する条件については、次のような数多くの文献で説明されている(Benninger et al.,2003; Chung et al.2005;Harkany et al.,2004;Ikeda et al., 2004; Ikeda et al.,2005;Wernig
et al.,2002;およびWernig et al.,2004)。さらには加えたサイトカインの存在とレチノイン酸曝露を組み合わせることは、特定の神経細胞タイプが試験管内で分化するのに有利である(例:Soundararajan etal., 2006; Soundararajan et al.,2007;U.S. Patent 6432711)。
実施の形態としては、試験管内でニューロンまたは、神経細胞の分化は50ng/mlの神経成長因子(NGF)の存在下でおこる。
一つの好適な実施形態において、神経細胞集団が望まれる細胞集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列とのトランスフェクションが、Nurrl、REN、ネウロジェニン1、ネウロジェニン2、ネウロジェニン3、Mash1、Phox2b、Phox2a、dHand、Gata3、Shh、FGF8、Lmxlb、Nkx2.2、Petl、Lbxlおよび/あるいはRnxをコードしたものから選ばれた配列を含む他の配列と、一時的または永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
別の好適な実施形態において、ドーパミン作動性ニューロンが望まれるニューロン集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblikeをコードした配列とのトランスフェクションが、Mash1、Ngn2、Nurrl、Lmxlbおよび/あるいはPtx−3をコードしたものから選ばれた配列を含む他の配列と、一時的または永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
別の好適な実施形態において、セロトニン作動性ニューロンが望まれるニューロン集団である時に、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードした配列とのトランスフェクションが、Mashl、Phox2b、Lmxlb、Nkx2.2、 Gata2、 Gata3、 および/あるいはPetlをコードしたものから選ばれた配列を含む他の配列と、一時的または永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
別の好適な実施形態において、コリン作動性ニューロンが望まれるニューロン集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードした配列とのトランスフェクションが、MASH1、Phox2aおよび/あるいはREST4をコードしたものから選ばれた配列を含む他の配列と、一時的または永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
別の好適な実施形態において、GABA作動性ニューロンが望まれるニューロン集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードした配列とのトランスフェクションが、MASH1、Phox2aおよび/あるいはREST4をコードしたものから選ばれた配列を含む他の配列で一時的または永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられ、任意的にLIF、Neurotrophin 3(NT3)および/あるいは神経成長因子(NGF)が補足された媒体での培養が続く。
別の好適な実施形態において、ノルアドレナリン作動性ニューロンが望まれるニューロン集団の時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)を符号化した配列とのトランスフェクションが、Mashl、dHand、Phox2a、 Phox2b、Gata2 および/あるいは Gata3をコードしたものから選ばれたを配列を含む他の配列と、一時的または永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
別の好適な実施形態において、GABA作動性ニューロンが望まれるニューロン集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列とのトランスフェクションした細胞が、PITX2、Dlx2、Dlx5、アンチセンスHesl RNAおよび/あるいはその他のHES1を標的にした合成オリゴヌクレオチドをコードしたものから選ばれた配列を含む他の配列と、一時的又は永続的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
他の実施形態において、ニューロンまたは神経細胞集団が所望の集団である場合、短(PRR−)numbアイソフォーム(および/またはnumblike)でトランスフェクトされた細胞は、上記のような、および1つまたは複数の次の因子:レチノイン酸、NT3、NGF、グリア細胞株由来成長因子(GDNF)およびインターフェロンγ(IFN−γ)を含む、分化を促進する細胞培養培地中で培養される。
筋細胞集団を得る
望まれる細胞集団が筋細胞集団である場合、形質移入に成功した細胞は、細胞が筋細胞でと分化し、しかも最適速度未満の速度で成長するよう促進する因子の存在下で培養される。筋細胞への分化を促進する条件は以前に記載した(Nakamura et al.,2003;Pal and Khanna,2005;Pipes et al.,2005;Albilez et al.,2006;Pal and Khanna,2007;Behfar et al.,2007;U.SPatent 6432711)。さらに、選択した細胞および/またはそれらの子孫細胞を追加のサイトカインの存在下でヘキサメチレンビス−アクリルアミドまたはジメチルスルホキシドに曝露することは、インビトロで筋タイプの分化の開始に有利である。
一つの好適な実施形態において、心筋細胞集団が望まれる細胞集団である時、短(PRR−) numbアイソフォーム(および/あるいはnumblikeでトランスフェクトされた細胞は、心筋細胞(cardiomycytes)(He et al.,2003; Guan et al., 2007;その他)への分化を促進する細胞倍地中で培養するか、心臓細胞の分化を促進する濃度の特定の因子(例:0.75%− 1 %
ジメチルスルホキシド (DMSO)、20%の正常ウシ血清(NBS)、10(−7) mM レチノイン酸(RA) 、20% 心筋細胞の訓化培地(Hua et al., 2006)を含む細胞培地にて培養される。
別の好適な実施形態において、心筋細胞集団が望まれる細胞集団の時、それら細胞はGata 4、Gata 5、およびGata 6をコードする配列から選択された配列を含むヌクレオチド配列でトランスフェクトされる。
一つの好適な実施形態において、筋細胞集団が望まれる細胞集団である時、短numbアイソフォーム (および/あるいはnumblike)をコードする配列による核酸のトランスフェクションは、筋タイプ特定 bHLH−符号化連鎖、MyoD、ミオゲニン、Myf5、Myf6、 Mef2、ミオカーディン、Ifrdlや他の筋肉転写因子をコードするこれらから、選択された配列を含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
一つの好適な実施形態において、平滑筋細胞集団が望まれる細胞集団である時、短numbアイソフォーム (および/あるいはnumblike)をコードする配列によるトランスフェクションは、筋タイプ特定ミオカーディンヌクレオチド配列をコードするこれらから選択された配列を含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
一つの好適な実施形態において、骨格筋細胞集団が望まれる細胞集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列によるトランスフェクションは、筋タイプ特定MyoDとミオゲニンヌクレオチド鎖を符号化するこれらから選択された配列を含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
一つの好適な実施形態において、oligodensrocyte細胞集団が望まれる細胞集団である時、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列によるトランスフェクションは希突起膠細胞の特有の−OLIGl、 OLIG2、またZfp488 ヌクレオチド配列をコードするこれらから選択された配列を含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
上記のこれらの異なる導入遺伝子配列の任意のサブセットでの同時トランスフェクションは、複数の遺伝子のベクター、シリアルトランスフェクションだけでなく、異なるマーカータンパク質および/または抗生物質耐性に基づく選択の使用を含む当分野で既知の任意の手段によって達成することができる。所望の細胞集団が造血細胞集団である場合、分化培地は、造血前駆細胞(例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、トロンボポイエチンなど(例えば、Ohmizono、1997、Wangら、2005; Srivastavaら、2007; Guptaら、2007)、または分化造血細胞の型(未分化または多能性細胞から分化した造血細胞型を提供するための当分野で既知の方法による)に分化を促進する濃度で特定の因子を含む。
望まれた細胞集団が生殖細胞集団である時、分化培地は生殖細胞への分化を促進させる濃度において特定の因子を含む(例Nayerniaら2006a、2006b)。望まれた細胞集団が、内胚葉およびすい臓島細胞の時、分化培地は、内胚葉およびすい臓島細胞への分化を促進させる濃度において特定の因子を含む(例:徐ら、2006;デネールら、2007;シムら、2007;江ら、2007)。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞の分化は、分化培地において、numblike、短Numb idsoフォームや他の導入遺伝子でのトランスフェクションなしだが培地を変更しない場合、起こり得る。
複数の実施形態において、単一のベクターを利用するが、このものは、一つの調節可能なプロモーター(例えば、テトラサイクリン調節プロモーター)のもとで、哺乳動物numb遺伝子の「長」(PRR+)をコードするヌクレオチド配列(単数または複数)(および/またはnumblikeまたは短numbアイソフォームを標的とする合成オリゴヌクレオチド)の発現を調節し、その一方、Numblikeおよび短Numbアイソフォーム(および/または長(PRR+)アイソフォームを標的とする合成オリゴヌクレオチド)が、別の、異なるが、調節可能でもあるプロモーターの調節下で発現される。従って、長(PRR+)numbアイソフィオーム(単数または複数)は、選択された細胞の拡大が望まれ、誘導因子(例えばテトラサイクリン)が成長培池に添加される場合、発現できる(および/または短アイソフォームが抑制される)。分化が望ましい場合、後でnumblikeおよび短アイソフォームは発現できる(および/または長(PRR+)numbアイソフォーム(単数または複数)は抑制される)。
あるいは、本明細書に列挙するNumbアイソフォーム、Notch、OCT3/4、SOX2および他のDNA配列に対応するタンパク質およびペプチドは、ナノ粒子、陽イオン性脂質、融合性リポソーム(例えば、Yoshikawa et al.,2005;2007)などを用いるか、代わりに、または遺伝子トランスフェクションと組合わせた、電気穿孔法(例えば、Koken et al., 1994:Ritchie and Gilroy, 1998)を介して選択した細胞および/またはそれらの子孫細胞に、類似の様式で適用してよい。一般に、電気穿孔法は、導入遺伝子をゲノムへ組込むことなしに、高いトランスフェクション効率(および所望の細胞の効率的な生産)をもたらすので、それゆえ、安全性向上が伴う。
選択した細胞の増殖、多能力、多能性力、または分化を促進するタンパク質(単数または複数)またはポリペプチド(単数または複数)をコードするDNAまたはRNAは、標準的な遺伝子工学技法(例えば、特定の細胞系統のcDNAライブラリーからそのようなDNAを単離することによって)に従って単離し、それを適当な発現ベクターに入れることができ、その後、選択した細胞にトランスフェクトする。
別の好ましい実施形態において、内胚葉およびランゲルハンス島細胞は所望の集団であり、短numbアイソフォーム(および/またはnumblike)は、Foxa2、Sox17、HLXB9および/またはPdx1をコードするこれらから選ばれる配列を含む他の配列と、一時的または永続的なトランスフェクションを伴うかそれによって置換される。
一つの好適な実施形態において、肝細胞が望まれる集団であり短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列によるトランスフェクションは、肝核因子(HNF)−1、HNF−3 、HNF−4、HNF−6ならびにcreb結合たんぱく質をコードするこれらから選択された配列を含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うかまたは置き換えられる。
別の好適な実施形態において、造血細胞が望まれる細胞集団であり、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列でのトランスフェクションは、Runxl/AMLlとNOV(CCN3)をコードするこれらのものおよび/あるいは望まれる細胞集団に特異的なコロニー刺激因子の存在下での細胞培養物から選択された配列を含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うかまたは置き換えられる。Runxl/ AML1aアイソフォームは、移植が望まれる時に、bアイソフォームは分化が望まれる時に導入される(Creemers et al., 2006)。
別の好適な実施形態において、軟骨細胞が望まれる集団であり、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)を符号化する配列によるトランスフェクションは、Sox9、CREB結合たんぱく質、Gata6、および/あるいはRunx2をコードする配列含む他の配列と、一時的もしくは永久的なトランスフェクションを伴うか置き換えられる。
別の好適な実施形態において、骨細胞(特に骨芽細胞)が望まれる細胞集団であり、短numbアイソフォーム(および/あるいはnumblike)をコードする配列によるトランスフェクションは、Runx2を含む他の配列の、一時的もしくは永久的なトランスフェクションが伴うかまたは置き換えられる。
別の好適な実施形態において、長Numbアイソフォームをコードする遺伝子ベクターは、過渡的にまたは制御可能なプロモータの調節のもとで、一時的にそれらの細胞の増殖を起こす目的で生体内の内在細胞に導入される。
別の好適な実施形態において、内生細胞(例:中枢神経系の上衣層細胞)は生体内において、中枢神経系における前駆細胞/上衣細胞の再生したまたは増加した分化(特にニューロンの分化)および遊走を一過性あるいは永久的に促進するための、最短numbアイソフォームまたはnumblikeタンパク質のいずれか一方をコードする、遺伝子ベクター単独でまたはここで名付けられているような他の導入遺伝子とともにトランスフェクトされる。この再生または増加は、分化に関連したマーカーの新規発生の発現を見せる細胞の数によって計測される。これは遺伝子ベクターを器官システムに、この目的のために適した方法を用いて導入されることにより達成され得る(実施例を参照)。
実施の形態としては、内生細胞(例:中枢神経系の上衣層細胞)は、生体内において、再生または増加した幹細胞の増殖を一過性に促進する目的(引き続く子孫細胞の分化を伴う)で、長numbアイソフォームおよび/あるいはここで名づけられた他の導入遺伝子をコードする遺伝子ベクターでトランスフェクトされる。この再生または増加は、分裂している前駆細胞に関連したマーカーの新規発生の発現を見せる細胞の数によって計測される。これは遺伝子ベクターを器官システムに、その目的に適した方法を用いて導入して達成され得る(実施例を参照)。
同様に、この方法は、他の組織(皮膚など)における他の幹細胞集団から、再生または増加した分化を起こすためにも適している。この方法は、例えば中枢神経系の傷害、通常の分化または遊走が不十分な他の組織の障害、形成異常疾患、本アプローチが有益な他の障害の場合に臨床的に用いることができる。
好ましい実施態様では、単一の遺伝子またはその一部(具体的、本明細書で命名されたもの、本明細書で記載された方法に従って発見われたもの、他の公表された方法に従って発見されたもの、および/または所望する分化の様式を開始することができることが知られているもの)に対応する核酸またはタンパク質は、選択された細胞において分化を誘導するように過剰発現されるかまたは導入される唯一の核酸またはタンパク質である。
好ましい一つの実施形態において、単一の遺伝子またはその一部に対応する核酸(単数または複数)またはタンパク質(単数または複数)、(具体的には、本明細書で命名されたもの、本明細書に記した方法によって発見されたもの、他の公表された方法によって発見されたもの、および/または所望する分化の様式を開始できることが公知のもの)は、選択された細胞において分化を開始するために過剰発現および/または導入された唯一の核酸(単数または複数)またはタンパク質(単数または複数)であり、さらに、用いる方法は、電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールト、および/またはレトロウイルス/レンチウイルスの組込みまたは他の細胞のゲノムのランダムな変換を避ける別のアプローチである。
別個の好ましい実施形態において、分化している細胞の集団が、選択される細胞から産生する限り、他の核酸(単数または複数)またはタンパク質(単数または複数)は、単一の遺伝子またはその一部に対応する核酸(単数または複数)またはタンパク質(単数または複数)と協力して使用することができる(具体的には、本明細書で命名したもの、本明細書に記載の方法によって発見されたもの、他の公表された方法によって発見されたもの、および/または望ましい分化の様式を開始できることが公知のもの)。
別個の好ましい実施形態において、分化している細胞の集団が、選択される細胞から産生し、さらに用いる方法が、電気穿孔法、リポソーム、ナノカプセル、ナノヴォールト、および/またはレトロウイルス/レンチウイルスの組込みまたは他の細胞のゲノムのランダムな変換を避ける別のアプローチである限り、他の核酸(単数または複数)またはタンパク質(単数または複数)は、単一の遺伝子またはその一部に対応する核酸(単数または複数)またはタンパク質(単数または複数)と協力して使用することができる(具体的には、本明細書で命名したもの、本明細書に記載の方法によって発見されたもの、他の公表された方法によって発見されたもの、および/または望ましい分化の様式を開始できることが公知のもの)。
ここで記されているどの核酸またはタンパク質配列の組み合わせも、Numbおよび/あるいはNumblikeに対応する配列を除くことで、望まれる細胞集団または性質が達成される限り、改変できることが理解されるべきである。
同様にして、ここ(または別のところ)に記されている分化を開始するための方法は、ここで記されている様式で得られた細胞だけでなくいかなる誘導されたもしくは誘導されていない多能、多能性または自己再生する幹細胞、または他の選択された細胞に利用することができることも理解すべきである。
選択された細胞の供給源
選択された細胞の集団は、様々な幹細胞、前駆細胞また体細胞から得られるであろう。しかしながら核が欠損している体細胞(例:成熟したヒトの赤血球細胞)は、とりわけ排除された。選択された幹細胞は、存在する細胞株から得られるかまたは貯蔵されている、バンク化されている、または凍結保存されている供給源から単離されるであろう。典型的な幹細胞の供給源は、骨髄、末梢血、胎盤血、羊水(例:De Coppi et al.2007)、靭帯血(例:Zhao,et al.,2006;Tian et al.,2007)、脂肪組織(例:Gimble et al., 2007;Ma et
al.,2007)、ヒト以外の胚などである。循環白血球や他の幹細胞ではない細胞は、同様に、選択され、結果として多能、多能性および/あるいは自己再生能力を得る効果的な上記に記されたような培養条件におかれる。本発明において有用なたやすく利用できる他の体細胞の例には、リンパ球、上皮細胞(例:頬)が含まれる。本発明の中で利用するために選択された細胞の単離および収集は、当分野で知られているいかなる方法によって実施されてもよい。
動物に関する実施形態では、前立腺、精巣、胎児脳、腸から単離された幹細胞は、選択された細胞の好まれる供給源であるとして明らかにれている。
一つの好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞は3次元の型で培養される。
本発明の更なる目的は、かかる器官または組織を必要とするとみなされる患者に移植するための患者に適合性があり、患者に特異的な組織や器官の生産に利用するための細胞を提供することである。ここにある方法(または同様の方法)によって与えられた多能性、多能および/あるいは分化する細胞は、そのような器官および/あるいは組織の生成のための技術とともに使用されることが明らかにている(例:Boland et al.,2006.Xu et al.,2006;Campbell and Weiss,2007)。そのような利用は、本発明により明確にされているカバー。例えば、ここで記された方法(または他の公表された方法)により生成されあるいは処理された多能性、多能および/あるいは分化する細胞は、正常な組織構造および/あるいは器官構造の再生のためにされた足場に関連して成長し得る(例:Yarlagada et al., 2005; Kimら、1998; WO/2003/070084; EP1482871; WO03070084;米国特許2395698、7297540、6995013、6800753;アイゼンバーグら、2006)。
同様に、多能性、多能および/あるいは分化する細胞によって占領される足場は、死体の器官あるいは組織(例えば、骨、心臓、腎臓、肝臓、肺など)において宿主免疫細胞や他の望まれないまたは付属する宿主細胞が除去されるように処置され得たあとの、死体の器官または組織から得られてよい。(例えば、放射線、滅菌(Mrozら、2006)により、および/あるいは各種脱細胞方法(米国特許6734018;6962814、6479064、6376244、米国特許第5032508、4902508、4956178、5281422、5554389、6099567、および6206931、4361552および6576618、6753181、米国出願第11/162,715;WO/2001/048153;WO/2002/024244;WO 003002165;WO/2001/049210;WO/2007/025233;欧州特許EP1482871、EP1246903、EP1244396、EP0987998、EP1244396;EP1333870;Riederら、2004;Ottら、2008;Taylorら、1998))。
同様にして、本発明における多能性、多能および/あるいは分化する細胞が、組織工学におけるインクジェット式印刷を利用する応用において用いられる(例:Boland et al., 2006. Xu et al., 2006;Campbell et al., 2007)。それゆえに、ここで記された方法により生成されるかあるいは扱われる細胞のような使用も、包含される。
別の好適な実施形態において、選択された細胞および/あるいはそれらの子孫細胞は、ハンギングドロップ法で培養される。
本発明の別の側面によれば、選択された細胞は、前もって遺伝子的に改変することができる。本発明の別の側面によれば、細胞を望まれる細胞集団に分化させることを促進するタンパク質またはポリペプチドをコードする選択された細胞はDNAまたはRNAで改変することもできる。
細胞集団の検査
一つの実施形態では、本発明による方法は、細胞株、ドナー源、臍帯血からの細胞のスクリーニング、および自己あるいはドナーの骨髄、血液、精原細胞、始原生殖細胞、口腔細胞、あるいは本発明において効果的なその他の細胞源からの細胞のスクリーニングが含まれる。選択した細胞は、有益な配列または治療ベクターを用いたトランスフェクションの成功を確認するため、ならびに問う分野で公知の任意の方法による分化の開始の成功を確認するために検査され得る(Guan et al., 2006;米国特許6,432,71 1)。いくつかの実施形態では、標準的なPCR法および核酸ハイブリダイゼーションベースの方法を用いて、あるいは急速なタイピング方法を用いて、これらの細胞はスクリーニングされる。好適な実施形態では、レポーター遺伝子の発現に応じて細胞がスクリーニングされる。いくつかの実施形態では、抗生物質抵抗性遺伝子や蛍光たんぱく質(GFPなど)遺伝子などの導入遺伝子発現ベクターによりコードされたマーカー遺伝子の発現によって細胞はスクリーニングされる。
治療ベクターおよび有益な配列のスクリーニング
治療ベクターと有益な配列について、特定配列の検出のための当分野で知られている任意の方法を用いて、細胞がスクリーニングされ得る。それぞれ細胞サンプルは、同時に配列の多様性について調べられ得る。あるいは、多数のサンプルは、同時に検査され得る。
細胞の分化は、(i)形態学的評価、(ii)逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を利用した(RT−PCR)、ノーザンブロットまたは遺伝子発現における変化を監視するためのマイクロアレイ技術、(iii) βチューブリンIII(ニューロンに対する)(Ozawaら、1985)などの特異的マーカーの細胞発現をアッセイすることを含むいくつかの手段によって監視できる。いくつかの実施形態において、細胞は、筋細胞中のミオシンプロモーター;ヒト心筋細胞における心臓α−アクチンプロモーター;インシュリン産生細胞におけるインシュリンプロモーター;ニューロン分化のためのニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーター、またはドパミン作動性ニューロンにおけるチロシンヒドロキシラーゼプロモーターのような神経伝達物質関連のプロモーターなど)のような細胞型特異的プロモーターの調節下で細胞型特異的マーカーまたはトランスジェニックマーカーの発現(例えば、抗生物質耐性または蛍光タンパク質発現)に基づくFACSソーティングを用いた分化開始の成功についてスクリーニングする。いくつかの実施形態では、細胞は標準的なPCR法と核酸ハイブリダイゼーションベースの方法を使用してスクリーニングされる。特に好ましい実施態様では、細胞は急速なタイピング方法を使用してスクリーニングされる。
ヒト白血球抗原(HLA)タイプの検査
特定の実施の形態としては、選択された細胞はHLAタイピングに適合するように選択される。HLAの遺伝子型は、当業者にとって既知の任意の方法により決定される。
検査に利用される細胞は、ドナーから直接採取された細胞、またはドナー細胞から作られた細胞株由来の細胞、または実用できる細胞源由来の細胞からなってよい。細胞は有益な配列および/あるいは治療ベクター、またHLAタイプを一度にまたは個々に検査され得る。有益な配列でうまくトランスフェクトされ、適当なHLA遺伝子型を示すこれらの細胞は、患者への移植のために調製することができる。
特定の実施の形態としては、トランスフェクトされた細胞は、HLAタイピングすることなく移植される。他の実施の形態としては、細胞は適応するようにHLAタイピングされる。
細胞の表現型を促進させる作用物質の検査
本発明はまた、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞の望まれる細胞集団への表現型の変化あるいは分化を誘発する能力についてたんぱく質および因子をスクリーニングする方法を提供する。簡単に言えば、適切なcDNAライブラリから相補のDNA(cDNA)をコードするベクターは選択した細胞および/あるいはその子孫細胞にトランスフェクトされる。分化あるいはその他の表現型の変化を誘発する固有のcDNAのが特定されると、このようなcDNAは単離され、インビトロで適切な細胞(COS細胞など)でたんぱく質を生成するための適切な発現ベクターにクローン化され得る。
その後、上清を含むたんぱく質は、このような細胞から分泌された任意のたんぱく質が分化を誘発するかどうかを決めるのに選択した細胞培養物に適用できる。あるいは、候補の因子は、このような細胞から分泌された任意のたんぱく質が分化を誘発するかどうかを決めるのに選択した細胞培養物に適用できる(米国特許6432711参照)。本発明はまた、多能、多能性および/あるい自己再生を誘導する能力あるいは選択された細胞および/あるいその子孫細胞の分化を開始する能力について、核酸をスクリーニングするための方法を提供する。
これらの方法では、電気穿孔法、ナノカプセル、ナノヴォールト、リポソーム、レトロウイルス、レンチウイルス、および/あるいはその他の適用可能なトランスフェクション手段を用いて、選択されたcDNA(あるいは適切なcDNAのライブラリからのcDNAあるいはその他の配列)をコードするベクターは、選択された細胞および/あるいはその子孫細胞に導入される。表現型の変化、多能、多能性および/あるい自己再生を誘発する固有のcDNAのが特定されると、このようなcDNAは単離され、適切な発現ベクターにクローン化され得る。このような変化を決定するアッセイには、本明細書の他のところで説明されるものが含まれる。同様に、上清をふくむたんぱく質が選択された細胞培養物に適用可能であるか、所望の変化を誘発するかを決定するのに適用、インビトロの適切な細胞(COS細胞など)で特定されたcDNAに対応するたんぱく質が生成されてよい。
最後にたんぱく質は、電気穿孔法、ナノカプセル、ナノヴォールト、リポソーム、レトロウィルス、レンチウィルスおよび、あるいは任意のトランスフェクションのその他の実用的な方法を用いて選択された細胞および/あるいはそれらの子孫細胞に導入してよく、さらにその結果得られた細胞は、多能、多能性、自己再生または分化の開始について、本明細書に記載したとおりに評価される。
患者への細胞移植
検査後、選択された細胞および/あるいはそれらの子孫細胞は、凍結保存され、培養する細胞株として維持されるか、患者に与えられ得る。選択された細胞は、当該分野で知られている任意の手法により、凍結保存されまたは維持され、将来の移植術のために保存される。
できれば、検査される細胞は、容易に採取できる、入手が容易な供給源から得る。
HIV抵抗性細胞の生成に関して:本発明における標的となる体細胞および幹細胞はHIVに感染しうる細胞に分化できるあらゆる種類であり得、HIVの転写および/あるいは複製を維持でき、HIVの免疫反応を変更でき、エイズへの進行を遅らせうる種類の細胞でありうる。このような幹細胞には、精原細胞、始原生殖細胞、造血幹細胞、末梢血液細胞、胎盤の血液細胞、羊水細胞、臍帯血細胞、口腔細胞、脂肪組織の細胞(これらの組織由来幹細胞を含む)、再プログラムされた細胞、誘導多能細胞、誘導多能性細胞など、人間以外の胚細胞、および/または血液や免疫細胞は、HIV標的細胞およびその他の細胞を形成できるその他の細胞型に由来する多能性細胞が含まれるが、これに限定されない。
「有益な配列」を発現する治療ベクターは、HIVの複製や転写を維持する能力がより少ないトランスフェクトした細胞または感染細胞をもたらすことを意図する。「有益な配列」を発現する遺伝子ベクターは、そのようなベクターから得られるいかなるウィルスと同様、ここでは“治療ベクター”と名づけられている。
検査後、望まれる治療ベクターでトランスフェクトし、有益な配列を発現している細胞(HLA遺伝型と適合性を有するかまたは有しない)は、細胞を分裂させ安定的な細胞株として保たせる標準の培養法を用いて(米国特許6432711および5453357を参照として本明細書に引用)生体外(試験管内)で拡大され得る。その代わりに、これらの細胞は、患者に投与することができ、さらに生体内で拡大することができる。
選択された細胞は、この技術分野で良く知られた任意の方法で低温保存され、将来の移植術のために保存することができる。
患者への望ましい細胞集団の移植
特定の実施の形態としては、細胞集団は移植に先立って幹細胞のために富化される。幹細胞を選択する様々な方法は、この技術分野では良く知られている。例えば、蛍光活性化細胞分取(FACS)を介して分取するため、細胞サンプルを、分化していない造血幹細胞(例:、CD34、CD59、Thyl、CD38 low、c-kit low、l
in−minus)を認識する単クローンの抗体によって富化することができる。その他の実施の形態としては、選択された細胞のサンプルは、富化させられることなく移植される。
いくつかの実施の形態としては、骨髄の内生幹細胞は、治療幹細胞の移植に先立って排除されるか減少される。治療幹細胞は、有用な配列または治療ベクターを含む幹細胞として定められる。いくつかの実施の形態としては、移植過程は、以下の段階を含んでよい。(1)訓化、(2)幹細胞注入、(3)好中球減少段階、(4)移植段階、そして(5)移植後期間。
いくつかの実施の形態としては、一般的に望まれる細胞(例:骨髄幹細胞)を生成する内在性の幹細胞は、移植に先立って排除または減少される。化学療法、放射線などおよび/あるいは米国特許6217867にあるものに類似した方法は、移植術に適切な移植のために骨髄の状態を整える手法として利用してよい。最終的には治療幹細胞は、この技術分野で知られている任意の方法を用いて患者に移植してよい。
Numb/Numblikeとその他の導入遺伝子をコードするベクターの設計
ある実施の形態としては、numblike/numbアイソフォームをコードする核酸配列でのトランスフェクションは、ウィルストランスフェクションを介して完成される。「Numb/Numblikeをコードするベクター」という用語は、numblike/numbアイソフォームおよび/あるいはnumblikeまたはnumbアイソフォームを標的とする合成オリゴヌクレオチドをコードする核酸配列だけでなく、あらゆる付加的な導入遺伝子配列、合成オリゴヌクレオチドなど、およびそれらのベクター配列に組み込まれた任意の関連ウィルス上清を組み込んでいるベクターのことを指す。
Numb/Numblikeをコードするベクターは、発現ベクターを含みうる適切な発現ベクターは、DNAまたはRNAを真核細胞へトランスフェクトするために用いることができる。そのようなベクターは、これらに限られるわけではないが、例えばバクテリアベクター、真核細胞ベクター、例えばイーストベクター、真菌ベクターなど、またそれらに限定されないが、アデノウィルスベクター、アデノ関連ウィルスベクター、レトロウィルスベクターなどのウィルスベクターがある。用いることができるレトロウィルスベクターの例としては、これらに限られるわけではないが、モロニーマウス白血病ウィルス、モロニーマウス肉腫ウィルスや、ラウス肉腫ウィルス、FIV、HIV、SIV、および混成ベクター由来のものを含む。
Numb/Numblikeをコードするベクターが生体外および/あるいは生体内の細胞へトランスフェクトするためにも用いられ得ることが明らかにされている。トランスフェクションは、この技術分野では知られた任意の方法により行うことができ、特にウィルスパッケージ細胞から生成されたウィルスを用いて行うことができる。このようなウィルスは、様々な細胞タイプに感染できるようキャプシド形成することができる。言うまでも無く、選択された細胞タイプおよび/あるいはその子孫細胞の感染を可能にする任意のキャプシド形成技術は、本発明における状況において実用的である。
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)の遺伝子治療ベクターの設計
“治療用ベクター”は発現ベクターを含んでいてもよい。適切な発現ベクターはDNAあるいはRNAを真核細胞にトランスフェクトするために使用できるベクターである。このようなベクターには、それらに限定されないが、例えば、細菌ベクター;例えばイーストベクターおよび真菌ベクターなどの真核細胞ベクター;および、それらに限定されないが、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、およびレトロウイルスベクターなどのウイルスベクターが挙げられる。使用できるレトロウイルスベクターの例は、モロニーマウス白血病ウイルス、モロニーマウス肉腫ウイルス、およびラウス肉腫ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、HIV、サル免疫不全ウイルス(SIV)およびハイブリッドベクターが含まれるが、これらに限定されない。
治療的ベクター(単数または複数)を用いて試験管内および/あるいは生体内で標的細胞にトランスフェクトできることが本明細書に開示される。トランスフェクションは、当技術分野で公知の任意の手技によって、とりわけ、ウイルスパッケージ細胞から産生されるウイルスを介して実施できる。そのようなウイルスは、CD34+細胞および/またはCD4+細胞に感染できるようにカプセル形成されてよい。しかしながら、幾つかの例において、他の細胞形がCD4またはCD34タンパク質が関与しない手段でトランスフェクトされる。それにもかかわらず、そのような細胞型への感染を可能にする任意のカプセル形成技法が、従って、本発明の開示に含まれ得る。
異なるエンベロープタンパク質を用いる仮タイピングは、ウイルスベクターおよび治療用ベクターによって形質導入が可能になる宿主細胞の範囲を拡大し、特に、水疱性口内炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質(VSV−G)で仮タイピングする場合、ウイルスを高力価に濃縮することができる(Li et al., 1998;Reiser et al., 2000)。
ベクター構築
本発明に用いられるウイルスベクターは、ハイブリッドベクターを含む様々な種類があるだろう。例えば、ベクターは天然ゲノムのとても小さな断片だけを含む(Zufferey et al., 1998)、第三世代のレンチウイルスであろう。導入遺伝子をコードするベクターの生成は、標的細胞への感染のあとに全長ベクターRNAの生成を 排除する、自己不活化転移ベクター(Zufferey et al., 1998; Miyoshi et al., 1998)も含み得る。
ウイルスベクターは、複製に必要である、ある種のウイルスプロテインを発現し損なうことによる、複製不可能なものを利用されるだろう。しかしながら、ヘルパーウイルスが治療用ウイルス複製を可能にすることも考えられる。この可能性は自己不活性化ベクターを使用することで減じることができる。
好ましい実施の形態にて、導入遺伝子配列はユビチキンプロモーター、,U6プロモーター、EFl アルファプロモーター、CMVプロモーター、調節可能なプロモーターおよび、あるいは、望まれる細胞タイプの特定なプロモーターによって駆動される。
ウイルス向性
好ましい1つの実施の形態としては、本発明のNumb アイソフォーム/ Numblikeをコードするベクター、治療用ベクターおよび、あるいはその他のトランスジェニックベクターに由来するウイルスは、水疱性口内炎ウイルスエンベロープ糖タンパク質によって仮タイピングし、ウイルス濃度を高力価にすることができ、CD34+細胞の感染を促進する。
配列選択
NUMBまたはNumblike配列(Entrez−Pubmed データベースを用いて検索可能)として参照される任意の配列に70%以上同一である(または相補性である)任意の配列の使用は、本発明により書かれた方法により利用されるならば、本発明によって包含される。
本発明は、HIV 1 とHIV−2ウィルス(両方とも本明細書ではHIVと呼ぶ)による哺乳類細胞の感染のしやすさを顕著に減少させることができる配列を誘導する遺伝子ベクターに一部関係する。
本発明は、有害なHIV/AIDS病の過程に重要な遺伝子発現を減少させる新規の合成オリグヌクレオチドの組み合わせを明らかにする。
共受容体に「ノックダウン」をもたらす合成オリゴヌクレオチドとTARおよびRREデコイ配列の発現との組合せの望ましいところは、個々の細胞において、1)HIV感染、2)HIV転写、および3)HIV複製を同時に標的とする組合せの複数の遺伝子治療アプローチが、これらの単独でのアプローチのどのものよりも高い治療的有益性を生み出すらしいという、本明細書で述べた命題に起因している。
治療用ベクターは、HIVの複製や転写の持続性を減少させるようトランスフェクトされた細胞または感染細胞に対しもたらすことを意図した、「有益な配列」を発現する。「有益な配列」を発現する遺伝子ベクターならびに、そのような遺伝子ベクターに由来するいかなるウィルスは、「治療用ベクター」とここで名づけられている。
本発明では、一部にはHIV感染に対し感受性が強いかまたはHIVを伝播できる細胞への遺伝子改変に向けられている。そのような細胞は、ここでは「標的細胞」と名づけられている。
本発明は、成熟したまたは未成熟の標的細胞、白血球、血液細胞、あらゆる幹/前駆細胞、および/あるいはそれらの子孫細胞のHIV感染に対する感受性を減少させる組成物と治療用のウィルスベクターの使用方法を与える。
また本発明は、再プログラムされた細胞、誘発された多能細胞、誘発された多能性細胞および/あるいはそれらの子孫細胞のHIV感染に対する感受性を減少させる組成物と治療用のウィルスベクターの利用方法を与える。
本発明の更なる目的は成熟したあるいは未成熟の標的細胞、幹/前駆細胞(再プログラムされた細胞、誘発された多能細胞、誘発された多能性細胞を含む)および/あるいはそれらの子孫細胞が免疫不全ウィルスの複製や転写を維持する能力を減少させることである。
本発明のもう1つの目的は、成熟または未成熟の標的細胞、その他の静止状態の細胞、幹/前駆細胞および/あるいはそれらの子孫細胞において有効で長期的に治療用配列発現することである。
ある局面では本発明は、HIV感染を予防しまたは治療する方法も提供する。その方法は、治療用ベクターまたは配列をトランフェクトされた幹細胞を、HIVに感染した患者に移植することを含む。
有効な配列は、HIVウィルスが細胞に感染する能力、ウィルスDNAを転写する能力、または感染した細胞内で複製する能力を減少させるまたはHIV感染を中和する細胞の能力を高めるものだろう。
特定の実施形態においては、、有効な配列とはHIVの侵入を妨げる合成オリゴヌクレオチドを示し、いかなるHIV共受容体(CXCR4、CCR5、CCR2b、 CCR3、 およびCCRlなどに限らず)に対抗するsiRNA、shRNA、アンチセンスRNAまたはmiRNAが挙げられる。
好ましい実施形態では、治療用ベクターとは、CXCR4、CCR5、CCRl、CCR2、CCR3、CXCR6および/あるいは BOBなどのHIV共受容体の1つまたはそれ以上を標的にする、合成オリゴヌクレオチドを含む。
別の好ましい実施形態では、治療用ベクターは主要なHIV共受容体であるCXCR4
とCCR5を標的にする、合成オリゴヌクレオチドなどがある。
更なる好ましい実施形態では、治療用ベクターは、1つまたはそれ以上のHIV逆転写酵素、インテグラーゼ、タンパク分解酵素などのHIV酵素を標的にする合成オリゴヌクレオチドを含む。
合成オリゴヌクレオチドとして適切な配列は、1)コンピュータのアルゴリズムにより、標的配列の減少に効果的であると予想でき、2)標準の定量的RNA分析検査および、酵素活性検査で70パーセントを超えるか、またはそれより劣っていても治療的である度合いで標的酵素の量を減少させる能力のあるものである。
「標的配列」という言葉は、特定の配列が、ウイルスゲノムのヌクレオチド配列と少なくとも70%一致するヌクレオチド塩基配列を有しているあるいはその補足物(例えば、そのようなウイルスゲノム配列に同じかまたは相補性である)、あるいは対応するRNA配列であることを示す。本発明の特定の実施形態においては、この言葉は、配列が、オリゴヌクレオチドが指向される特定のウイルスのウイルスゲノム配列あるいはその相補配列と少なくとも70%一致することを示す。
合成オリゴヌクレオチドの様々な種類のいずれも、治療用ベクターのトランスフェクションを介して発現されてもよい。また、本発明はこのようなオリゴヌクレオチドのあらゆる可能な組み合わせに関する。
一つの好適な実施形態において、合成オリゴヌクレオチドの配列は標的細胞、特定のプロモーターにより駆動される。別の好ましい実施態様では、合成オリゴヌクレオチド配列はU6プロモーターにより駆動される。
合成オリゴヌクレオチドは、デコイRNAと同じ治療用ベクターに含めてよい。
デコイRNA
デコイRNAは、特定のたんぱく質に結合して、その機能を抑制するのに効果を示すRNAの配列である。
一つの好ましい実施形態では、治療用ベクターは、複数のデコイRNA配列から成る。
更なる実施形態では、デコイRNA配列は、デコイ配列の安定性を与える配列に隣接する。
その他の好ましい実施形態では、デコイRNA配列はRREおよび/あるいは TARデコイ配列である。
一つの実施形態では、RREとTARデコイ配列は、HIV−2から操作されるTARとRRE配列である。他の好ましい実施の形態としては、デコイ配列は、Psi要素デコイ配列をも含む。
一つの好ましい実施形態では、デコイ配列はそれぞれU6プロモータによって駆動される。
別個の好ましい実施の形態としては、デコイ配列は標的細胞の特定プロモータによって駆動される。
一つの好ましい実施の形態としては、治療用ベクターは、HIV−2 TAR および/あるいはRREデコイ配列を組み合わせて合成ヌクレオチド配列をコードすることによって、HIVのライフサイクルの複数の段階を標的とする。
別個の好ましい実施の形態としては、ベクターはmiRNAオリゴヌクレオチド配列を含む。
別個の好ましい実施の形態としては、ベクターはshRNAオリゴヌクレオチド配列を含む。
別個の好ましい実施の形態としては、ベクターはsi RNAオリゴヌクレオチド配列を含む。
別個の好ましい実施の形態としては、ベクターはRNAiオリゴヌクレオチド配列を含む。
別個の好ましい実施の形態としては、ベクターはリボザイム配列を含む。
別個の好ましい実施の形態としては、ベクターは合成オリゴヌクレオチドクラスの組み合わせを含む。
更なる実施の形態としては、合成ヌクレオチド配列は、CCR5、 CXCR4などのHIV共受容体を標的にする。
更なる実施の形態としては、合成ヌクレオチド配列はインテグラーゼ、プロテアーゼ、逆転写酵素、TATなどのHIV酵素を標的にする。
更なる実施形態としては、リボザイム配列は、CCR5、CXCR4などのHIV共受容体や、インテグラーゼ、プロテアーゼ、逆転写酵素、TATなどのHIV酵素を標的にする。
一つの好ましい実施形態では、ウィルスは治療用ベクターを用いて生成され、ウィルスはシュードダイピングされる。
一つの好ましい実施形態では、ウィルスは治療用ベクターを用いて生成され、ウィルスはシュードタイプされずに、天然のHIVトロピズムを見せる。
一つの好ましい実施形態では、治療用ベクターは、ウィルスベクターである。
一つの好ましい実施の形態としては、治療用ベクターは、レンチウィルスベクターである。
一つの好ましい実施形態では、治療用ベクターは第三世代のレンチウィルスベクターである。一つの好ましい実施形態では、治療用ベクターは、合成ヌクレオチドクラスの組合せを含む。
好ましい一つの実施形態では、合成ヌクレオチド配列の発現は、EF−1 alphaプロモータまたは他の標的細胞の適正なプロモータによって駆動される。
一つの好ましい実施形態では、合成ヌクレオチド配列の発現は、U6プロモータまたは他の標的細胞の適正なプロモータによって駆動される。
一つの好ましい実施形態では、合成ヌクレオチド配列の発現は、EF−1 alphaとU6の組み合わせおよび/あるいは、他の標的細胞の適正なプロモータによって駆動される。
一つの好ましい実施の形態としては、EF−1 alphaは、U6プロモータがRNAデコイの遺伝子発現を操作する一方で、miRNAの遺伝子発現を駆動する。
好ましい一つの実施形態では、EF−1 alphaは、U6プロモータがRNAデコイの発現を駆動する一方で、siRNA配列の発現を駆動している。
好ましい一つの実施形態では、EF−1 alphaは、U6プロモータがRNAデコイの発現を駆動する一方で、shRNA配列の発現を駆動している。
好ましい実施態様では、治療用のベクターはCXCR4に向けられた複数のmiRNA配列、CCR5に向けられた複数のmiRNA配列、HIV−2 RREデコイ配列および、HIV−2のTARデコイ配列を含み、およびベクターはウイルスベクターである。
好ましい実施態様では、治療用vcctor含む治療は、薬理学的治療を含む抗レトロウイルス療法の他のモードと組合わされる。治療用ベクターとの組み合わせに適した抗レトロウイルス療法は、治療用ベクターとの組み合わせにおける付加または相乗効果のある治療である。
HIVの遺伝子治療のための標的となる細胞には、成熟末梢血Tリンパ球、単球、組織マクロファージ、T細胞の前駆細胞、マクロファージ−単球前駆細胞、および/あるいは臍帯血、末梢血、および占有骨髄スペース中に見出されるような多能造血幹細胞が含まれ得るが、これらに限定されない。
本発明は、CD4+ T細胞、マクロファージ、T細胞の前駆細胞、マクロファージ−単球前駆細胞、CD34+幹細胞/前駆細胞および/またはその他の任意の静止細胞、分裂細胞で、体外あるいは体内でHIV標的細胞に分化可能な幹細胞または前駆細胞、CD4 + T細胞、マクロファージ、T細胞の前駆細胞、マクロファージ−単球前駆細胞、および/またはCD34 +幹細胞/前駆細胞のトランスフェクションに関する。そのため、トランスフェクトされた細胞は、インサイチュでの内因性の細胞あるいは、他の身体部位、あるいはその他の個々のドナーから取り出した外因性の細胞であってよい。この目的のために選択された細胞を本明細書では「選択された細胞」と呼ぶ。
同様に、自己再生、多能、および/あるいは多能性幹細胞(再プログラムされ、誘発された多能性細胞を含む)は、HIVの遺伝子治療のための別の論理的なターゲットを表し、その使用は、特に本発明に包含される。本プロセスの一実施形態では、選択された細胞(スチールファクター、皮膚幹細胞、臍帯細胞、始原生殖細胞(PGC)、精原細胞、アクセス可能な任意の体細胞など)は、1)培養中に1つあるいは複数のサイトカイン(造血幹細胞因子、白血病抑制因子(LIF)、カーディオトロピン−1、IL−11、IL−6、IL−6R、GP−130、CNTF、IGF−I、bFGF、および/あるいはオンコンスタチン−Mなど)を用いて培養され、2)当該技術分野(本明細書で参考として援用されたUSPatent 5677139に記載されたものなど)で既知の任意の方法を用いた、あるいはその他の標的細胞に関して、US Patent 5677139に類似した方法による分化の前に治療用ベクターまたは有益な配列でトランスフェクトされる。
別の実施形態では、トランスフェクションの前にさまざまな段階を実施することが望ましいかもしれない。別個の実施の形態としては、多能性の幹細胞集団を生成する目的で、上記の培養の段階だけが行われることが望ましい。
その他の細胞培養条件の他、幹細胞および前駆細胞の増殖/増殖のためのL1Fおよび造血幹細胞因子の適切な濃度についてはすでに説明している(例えば、本明細書において参考用に引用されているUS Patent6432711および5453357)。その他の適切なプロトコルおよび参照のサイトカイン濃度については、Koshimizu
et al.、1996; Kelleret al.、1996; Piquet−Pellorce、1994; Rose et al.、1994; Park and Han、2000; Guan et al.、2006; Dykstra et
al., 2006において説明されている。
標的細胞の集団は、体細胞、幹細胞、前駆細胞を含むであろう。幹細胞はおそらく、既存の細胞株に由来するか、貯蔵、バンク化、または低温保存された供給源から分離されたものである。幹細胞の典型的な供給源は、骨髄、末梢血、胎盤血、羊水液、臍帯血、脂肪組織、ヒト以外の胎芽などである。
体細胞、特に循環白血球やその他の非前駆細胞/幹細胞も同様に幹細胞/前駆細胞について有効な上記したと同じ培養条件におかれてよく、結果として、それらの細胞は幹細胞/前駆細胞の性質を得る。
本発明は、HIV感染および/あるいはHIV複製へ相対的に抵抗性があるよう作られ得る幹細胞/前駆細胞から標的細胞を生成することも明らかにする(USPatent Application 20030099621など)。
しかしながら、以前に増やした幹細胞/前駆細胞/白血球を所望の細胞に分化させる任意の方法は、HIV感染および/あるいはHIV複製および/あるいはHIV転写に対し相対的に抵抗性のある機能的標的細胞が生成される限り、本発明の範囲内で働き得る。
好ましい一つの実施形態では、治療用ウィルスベクターは、ネイティブHIV株が感染し得るあらゆる細胞に対し感染する能力を治療用ウィルスに与えるネイティブHIVウイルスからの1つないしそれ以上のエンベロープたんぱく質でパックされる。
本発明で使用するために選択された細胞は、幾つかの例では手に入りやすい細胞である(例えば、臍帯幹細胞、骨髄幹細胞、精巣の精原細胞、および始原生殖細胞、羊水液から単離された幹細胞、皮膚から単離された幹細胞など)。これら細胞はこの技術分野で知られている任意の方法により、それらが存在する組織から単離することができる。
他の選択された細胞は、再プログラムされた細胞、誘導された多能細胞、誘導された多能化細胞などから成るであろう。
本発明の一つの側面によれば、選択した細胞から、目的の細胞株、細胞型、あるいは細胞クラスを生成する方法が提供される。一般的に、この方法は、最適な成長速度で選択した細胞の成長を促進する条件下での選択した細胞および/あるいはその子孫細胞の培養を含む。
次に、生成された細胞集団は通常最適な速度未満の速度で、および細胞の必要な細胞株、細胞型、細胞クラス(CD4 + T細胞など)への分化を促進する因子の存在下で細胞の成長を促進する条件下で培養される。
発明はこの他に、治療用ベクターによるトランスフェクション前あるいは後に当該技術分野で既知の手段(US Patent Application 20060099177など)によって、選択した細胞および/または子孫細胞の培養での増殖を開示する。このような方法はまた、LIF、スチールファクター、Il−6、IL−7、オンコンスタチン−Mおよび/あるいはカーディオトロピン−I、およびその他の成長促進サイトカインなどによる培養を含む。
本発明はさらに、適切なサイトカインおよびM−CSF(CSF−1)、GM−CSF、IL−7、CD4+T細胞分化を促進する任意のサイトカインなどコロニー刺激因子などの成長因子を含む培地での更なる培養により治療用ベクターでトランスフェクトされた細胞の所望の細胞型への定方向分化も開示する。
トランスフェクション
選択した細胞および標的細胞の遺伝子改変は、それらが外因性の細胞あるいは内因性の細胞であるかに関係なく、当該技術分野において既知であり、公開済みあるいは未公開の方法(U.S. Pat. Nos. 6,432,711, U.S. 05,593,875, U.S. 05,783,566, U.S.5,928,944, U.S. 05,910,488, U.S. 05,824,547など)、あるいはその他の一般的に通用する手段によって実施可能である。宿主細胞を形質転換するための適切な方法は、Sambrook et al (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press (1989))およびその他の研究室の教科書に記載されている。
うまくトランスフェクトした細胞をRNAの発現アッセイと形態学的解析に加えて、抗生物質耐性遺伝子などのマーカーを含む選択プロトコルによって識別できる。適切なレベルで適切な外因性のDNAを発現するうまくトランスフェクトした細胞から生成されたクローンは、凍結保存(当該技術分野で既知の適切な冷凍保存方法を用いて)によって細胞株として保存できる。
選択可能なマーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)は、G418、ハイグロマイシン、アンピシリンとブラストサイジンなどの薬に耐性を与えるマーカーを含んでいてもよい。対象となる遺伝子を含む細胞は、選択可能なマーカー遺伝子を組み込んだ細胞が生き残り、それ以外の細胞は死滅する薬品選択によって特定できる。
本発明の実施の形態における理論上の根拠は、ここで記されている通りである。しかしながら、ここでの議論は本発明を縛るとか制限するものではない。当業者は、本発明の理論上の根拠を記すために用いられたモデルに関わらず本発明の様々な実施形態が実施可能であることを理解するであろう。
本発明は、以下の例に関して記載され例示されるであろう。しかしながら、本発明の範囲は、これらに限定して示されたわけではない。
例1.本発明において使用するための適切なトランスジェニックベクターの構築
適切なEGFP−NumbおよびEGFP−Numblike、およびEGFP−Xレンチウイルスベクター(ここでXは本発明で説明した任意の導入遺伝子)は適切なウイルスベクターにクローニングによって生成されることができる(例えば、二つの遺伝子HIV−EGFP−HSAベクター)(ライザーら、2000))。アダプタプライマーは、NumblikeとNumbアイソフォームcDNAのPCR増幅のためおよび遺伝的ベクター中へのクローニングのために選択することができる。クローニングのための準備では、遺伝子ベクターは酵素で消化される。その後、各導入遺伝子のcDNAは、先にHSAのcDNAで占められたネフコーディングに挿入される。EGFP(強化緑色蛍光たんぱく質)と細胞集団に適切なプロモーター(すなわちCMVまたはEFlアルファなど)は、その前に、ウイルスコード領域に挿入された。遺伝子構築物は、ベクターバックボーンを含むおよび異種核酸配列に作動可能に連結するプロモーターを調節するトランスアクチベーターを含むことができる。
採用してよいレトロウイルスベクターの例は、これらに限定されないが、Moloneyマウス白血病ウイルス、Moloneyマウス肉腫ウイルス、およびラウス肉腫ウイルス、FIVとHIV由来のものを含む。適切な発現ベクターは、真核生物の細胞にDNAまたはRNAのトランスフェクションに使用してよい発現ベクターである。このようなベクターには、これらに限定されないが、例えば、細菌のベクター;真核生物のベクター(例えば、酵母のベクターと真菌のベクター);およびウイルスベクター(これらに限定されないが、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター)が含まれる。 複製能のないpcDNA 6.2/EmGFP−Bsd/V5−DESTベクターは、適切な発現ベクター(Invitrogen)の一例であり、標的配列を開裂する能力をもつpcDNA 6.2GW/miRベクターから転移した合成オリゴヌクレオチド(例えば、miRNA)の発現を可能にする。これらのベクターには、より長いpol IIの転写産物(プレmiRNA)からの操作されたmiRNAの切断を指向するための内因性miRNA由来の隣接配列およびループ配列が含まれる。
特定の内生RNA種に対して向けられた複数のmiRNA配列の組合せは、標的細胞配列の遺伝子発現を減少させる成功を促進させる可能性がある。miRNA配列は、調節可能なまたは組織特異的プロモータに作動可能に連結していてよい。
遺伝子発現のためにレンチウィルスベクターを使用することによって生じる本発明の、Numb / Numblikeコードベクターおよび/あるいは他のトランスジェニックベクターは、分裂細胞型と非裂細胞型のいずれにも安定的な形質導入することができるようになる。
好ましい実施の形態としては、結果として生じる本発明のNumb / Numblikeコードベクターおよび/あるいは他のトランスジェニックベクターは、特定のnumbアイソフォームおよび/あるいはnumblikeの発現を減少させるかぎり、1つまたはそれ以上のプロモータによて駆動された複数の合成ヌクレオチド配列を含む。
例2:他の適したベクターの例は、レトロウィルスベクターである。レトロウィルスは、RNAゲノムを含むRNAウィルスである。Gag、pol、env遺伝子は、末端長反復(LTR)配列によって隣接される。5’ と3’ LTR配列は、mRNAの転写とポリアデルニ化を促進する。
レトロウィルスベクターは、調節可能なトランス活性化エレメント、内部リボソーム再侵入部位(IRES)、選択マーカー、調節可能なプロモータによって操作された標的異種性遺伝子を与えることができる。
また、複数の配列を、複数のプロモーターの制御下で発現することができる。最後に、レトロウイルスベクターは、逆転写と組込みのために必要なシス作用配列を含んでいてよい。感染時には、RNAは、効率的にホストゲノムに組み込まれるDNAに逆転写される。本発明の組換えレトロウイルスは、ネイティブなウイルスのレトロウイルス遺伝子、感染性遺伝子のいくつかが削除され、特定の例では、その代わりに細胞の遺伝子改変のための標的核酸配列に置き換えられるような方法で遺伝子改変される。配列は、天然型またはその変形型において、DNAまたはRNAであってよい。
例3:本発明のNumb/Numblikeコードベクター、および/または他のトランスジェニックベクターの生成のための例示の方法
本発明の、得られるNumb/Numblikeコードベクター、および/または他のトランスジェニックベクターは、Invitrogen社のウイルスパワーレンチウイルス発現システムマニュアル、2007年に教えているものを含む。簡潔には、EmGFPに基づくカセットPmlI−BIpIフラグメントとしてpLenti6/R4R2/V5−DESTベクターにクローン化され、一方、miR−長(PRR+)numbアイソフォームかまたはmiR−短numbアイソフォーム/ numblikeカセットは、同時にBP反応によってpDONR221に移入される。その後、調節可能なプロモーターとmiR −アイソフォームカセットは、改変されたpLenti6/EmGFPに基づく/R4R2−DESTベクター中にマルチサイトLR交差される。複数のベクターは、合成オリゴヌクレオチドと導入遺伝子カセットのさまざまな組み合わせを含むこの方法で生成することができる。
pLenti6/R4R2/V5−DESTベクター配列(配列番号1)
例4:治療用ベクターの生成の追加的方法
「パッケージ細胞株」は、ウィルスのgag、 pol、 env構造遺伝子によって、正常細胞株にトランスフェクトしたまたは感染させて生じたヒトおよび/あるいは動物の繊維芽細胞株から得られる。その一方で、パッケージ細胞株は、psi配列のRNA欠陥を生む。従って、パッケージ細胞から生成されたウィルス粒子は、gag、pol、またはenv遺伝子を含まない。一度、psi配列を含む治療用ベクターのDNAが、トランスフェクションまたは感染によって、パッケージ細胞に導入されると(治療用遺伝子とともに)、パッケージ細胞は治療用のRNAを最終標的細胞(例:CD4+細胞)へ移送する様々な能力を生成することができる。
治療用ベクターの「感染しやすい範囲」は、パッケージ細胞株によって決められる。
多くのパッケージ細胞株が、広範囲のヒトの細胞タイプに感染するのに適したウィルス生成のために入手できる。これらのパッケージ細胞株は、それでも普段自然では他の動物種に感染するウィルスから得られるキャプシド形成ができるウィルスベクターである。例えば、SIV またはMMLV由来のベクターは、GP 120キャプシド形成細胞株によりパッケージされ得る。
治療用ベクターの上清を生成する例のプルコトルは以下の方法で得られる。
1.20マイクログラムのレトロウィルスベクターが、1.5mlのプラスチック・チューブ中でHepes緩衝生理食塩水(pH=7.05)0.8‐1ミリリットルのゆるやかなタッピングによって選別できるマーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子)を含む2‐3マイクログラムのウィルスDNAと混ぜ合わせられる。
2.70マイクロリットルの2MCaClが、ゆるやかなタッピングを繰り返しながら混合液に入れられる。
3.チューブの中に、青い沈殿が初めて起こったら、生成物はパッケージ細胞(商業用ベンダーのいくつからでも)の30%の密集した層にゆるやかに適用すべきであるDNA混合物は、パッケージ細胞から最初に培地を除いた後にのみ適用すべきである。
4.パッケージ細胞は、室温(25℃)に置いて20−30分培養してから、36‐38度のインキュベーターに3.5時間入れられる。
5.3.5−4ミリリットルの15%グリセロールを含むヘペス緩衝化生理食塩水を3分間加えて、次に細胞をDulbeccoの改変Eagle培地(DMEM)+10% FBS x2で洗浄する。
6.DMEM+10% FBSをもどして加え、37度で20時間細胞を培養する。
7.取り除き、治療用のウィルス粒子を含む培養液を取り除いてろ過する。
過剰なウィルスの上澄みは、瞬時に保存されるかまたは濃縮され摂氏−80度で保存される。上澄みは、標的細胞感染効率を増加させるため、5から8マイクログラムのポリブレンとともに保存される。別の方法で、ポリブレンは除かれるかまたは感染させる前に加えてよい。
安定的な生産者ラインは、
8.安定的な生産ラインは、分割パッケージ細胞株を1から20、または1から40に分割し、その後に、これらの細胞を最大10日間(3日ごとに培地を交換する)選択薬(トランスフェクトした耐性遺伝子に対応する特定の抗生物質)を含む培地中で培養することによって確立することができる。
9.10日のちに単離したコロニーは選びとられ、成長させて一定分量に分けられ保存のために冷凍される。
レトロウイルスの感染性/滴定アッセイは、20%集密度で置かれたNIH 3T3細胞などの「テスト」細胞のコンフルエントな層にウイルス上清の規定ボリュームを適用して実施する。2〜3回の細胞分裂(NIH 3T3細胞については24−36時間)の後、抗生物質を含む培地中で37℃で培養された“テスト”細胞のコロニーがカウントされる。上清の力価は、これらのコロニー数から次の式により推定され:
コロニー形成単位/ml=同定されたコロニーXの0.5(分割因子)/ウイルスの液量(ml)
この推定値の精度は、“テスト”細胞の多くのプレートにわたり大液量の上清を試験することによって上昇する。
治療用ウィルスの上澄みの標的細胞へのアプリケーションは、臨床の状況に適した様々な方法により成される。
例5:選択された細胞のための成長培地
選択された細胞は、グルタミン、β−メルカプトエタノール、10%(体積で)ウマ血清、ヒト遺伝子組換え白血病抑制因子(LIF)で補充したダルベッコの改変最小必須培地(DMEM)で増殖/成長させることができる。LIFによって、細胞のフィーダー層上で選択した細胞を維持する必要がなくなり、(それもまた使用してもよく)、さらに、未分化、多能、または多能性の状態にある選択された細胞を維持するために必須であり、このような細胞をグルタミン、β−メルカプトエタノール、10%(体積で)ウマ血清、およびヒト遺伝子組換え白血病抑制因子(LIF)を補充したダルベッコの改変最小必須培地(DMEM)で維持することができる。LIFにより、細胞のフィーダー層上で細胞を維持する必要がなくなり、(それもまた使用してもよく)、さらに未分化状態にある細胞を維持するために必須である(米国特許6432711によって)。
選択した細胞をニューロン細胞へと分化開始するためには、細胞をトリプシン処理し、洗浄してLIFを除き、10%牛胎仔血清(FBS)を補充したDMEM中に置く。 DMEMおよび10%のFBS中に再懸濁した後、1×lO細胞を60ミリメートルフィッシャー細菌学的グレードのペトリ皿中の、5mlのDMEM、10%FBS、0.5マイクロモル(micro M)のレチノイン酸中におくが、そこでは細胞が小さな集合体を形成すると予想される。集合は、適切な細胞の分化に役立つ。適切なニューロン転写因子による高効率トランスフェクションが、DMEM培地、FBS、およびレチノイン酸中におく前かその後におこることができる。(追加の詳細については米国特許6432711および5453357を参照)。
例6:HLAマッチング。 選択した細胞(例:臍帯血、またはその他の適する供給源および/あるいはそれらの子孫細胞からの細胞.)は検査され、遺伝子が改変され(オプション)、増殖させられ、望まれる細胞タイプ(オプション)への分化開始のために誘導することができる。それら細胞は、標準的な幹細胞移植プロコトルに従って移植される。特定の例として、細胞はHLAマッチングなしに移植してよい。
例7:ごくまれな例では、生体内における細胞分裂または細胞分化を刺激するか抑制する目的で、導入遺伝子をコードするベクターを患者に導入することは適切であろう。
例8:選択された細胞の遺伝子改変
体外では外因性の細胞や、患者の内因性の細胞の遺伝子改変のいずれかを当技術分野で公知の公表されたか未公表の方法(米国特許第6,432,711、同第05593875、同第05783566、同第5928944、同第05910488、同第05824547など)または、他の一般に受け入れられた手順によって実施することができる。宿主細胞を形質転換するために適した方法をSambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory press(1989))、および他の研究室の教科書に発見することができる。うまくトランスフェクトした細胞はRNAの発現アッセイと形態学的解析に加えて、抗生物質耐性遺伝子などのマーカーを含む選択プロトコルによって識別される。適切なレベルで適切な外因性のDNAを発現するうまくトランスフェクトした細胞からクローンは、凍結保存(当技術分野で公知の任意の適切な凍結保存方法を用いて)によって細胞株として凍結保存することができる。
選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)として、G418、ハイグロマイシンとメトトレキサートなどの薬に耐性を与えるものなどを挙げることができる。関心のある遺伝子を含む細胞を、選択可能なマーカー遺伝子を組み込んだ細胞は生き残るが、そうでない細胞は死滅する薬剤選択によって識別することができる。
本発明は、本発明の「選択された細胞」としての、遺伝子改変の選択を開示する。遺伝子改変という用語は、当技術分野で公知の手段によって、天然または合成の核酸を選択した細胞および/またはその子孫細胞に、または不死化した細胞株および/またはその子孫細胞に導入することによって細胞の遺伝子型を変えることを指す。また遺伝子発現パターンの永続的な変化を誘発する培養条件は、本明細書においては遺伝子改変を表すことと考えられている。幹細胞の改変は、それらが宿主の脳、内因性ドナー源、外因性のドナー源、または細胞株に由来するものであろうと、特定の人間の病気、特に人間の神経系の病気、の治療に実行可能なアプローチを表している。
本開示に包含される遺伝的改変は、これらに限定されないが:in vivoで実行される遺伝子改変;変更は、内因性または外因性の選択した細胞および/またはその子孫細胞が発現する代謝酵素の活性または量、;変更は、改変細胞たんぱく質の活性、量、または抗原性を変更する;シグナル伝達経路に関与するたんぱく質の活性または量を変更する改変;HLAのタイプを変更する改変;細胞の分化を変更する改変;腫瘍の可能性を変更する改変;細胞の分化を変更する改変;構造たんぱく質の量または活性を変更する改変;膜関連たんぱく質(構造または酵素的)の量または活性を変更する改変;活性やたんぱく質、DNA修復および染色体の維持に関与するたんぱく質の活性または量を変える改変;細胞輸送に関与するたんぱく質の活性または量を変更する改変;酵素の活性または量を変える改変;シナプスの形成と維持に関与するたんぱく質の活性または量を変える改変;神経突起伸長または軸索伸長や形成に関与するたんぱく質の活性または量を変える改変;細胞内の抗酸化物質生成酵素の量または活性を変える改変;細胞たんぱく質の翻訳後修飾の変更につながる改変;細胞修復の他の側面に関与するたんぱく質の活性または量を変更する改変、および細胞の寿命を増加させる変更(テロメラーゼの生産など)が含まれる。上記たんぱく質のようなこのような蛋白質は、ヒトゲノムや他の動物、植物、ウイルス、または細菌ゲノム由来のDNAやRNAによりコードされることがある。本発明はまた、デノボ設計された配列包含する。
加えて、本発明は、病気の治療のための選択した細胞および/またはその子孫細胞のin − situ遺伝子改変に関連する。内因性幹細胞は、組織の物質への、または脳の脳室システムの適当な部分へのウイルス、レトロウイルス、リポソームなどを含むDNAまたはRNAベクターを直接の注入または適用することによってインサイチュで改変してよい。1992年以来、本発明者らは、この方法で、数千の幹細胞/前駆細胞や何千もの子孫細胞を改変している。本発明者らのデータは、前駆細胞を改変するこの方法が、神経系全体においてきわめて多くの種類の改変細胞をもたらすが、有害作用は決してもたらさなかったことを示している。
例9:遺伝子ベクターの宿主への導入
好ましい実施形態において、治療用ベクター(単数または複数)を宿主の血液、組織、神経性、骨髄などに導入することによって、本明細書に記載のベクターなどのベクターでインビボでトランスフェクトされる。最大の利益は、多数の内因性標的細胞を改変することによって達成することができる。これは、治療用ベクター(単数または複数)を静脈または動脈循環、筋肉組織などの特定の組織、または神経系に注射するための適当な大きさに作られたカテーテル様のデバイスまたはニードルを用いることによって実施してよい。好ましい実施形態において、ウイルスはVSV−Gエンベロープ糖タンパク質および天然HIV−1 envタンパク質でシュードタイプされる。
例10:神経系への注射
選択した細胞(成長培池または分化培池の何れか由来)の胎児神経系への移植または遺伝子ベクターを用いる内因性胎児細胞の遺伝子改変は、以下の様式で実施することができる:無菌状態の下では、子宮や胎児を超音波や放射線学の指針によって視覚化される。あるいは、胎児の頭蓋骨のランドマークの直接の識別を容易にするため、子宮が手術で露出されることがある。次に選択された細胞を注射によって(適切な大きさに作られたカテーテルまたは針を用いて)、脳室のシステム、胚ゾーンまたは神経系の物質に導入することができる。注射は、特定の場合では、母親の腹壁、子宮壁と胎児の膜を介して胎児になされることがある。注射の精度を直接観察、超音波、コントラスト、または放射性同位体に基づく方法、または当技術分野で公知の放射線学の指針のその他の任意の手段によって監視する。
適切な無菌の条件下では、胎児の頭蓋骨のランドマークの直接の同定は、定位および放射線学の指針と結びついた身体の検査および触診によるのと同様視覚的にも達成される。細胞培養後、選択された細胞または分化細胞の適切な量を注射または他の手段によって脳室のシステムは、胚のゾーン、または神経系の物質に導入することができる。注射の精度を直接観察、超音波、または他の放射線学の指針によって監視することができる。
ハンチントン病やパーキンソン病などの成人の神経系の特定の神経学的疾患では、脳の特定部分の細胞は、選択的に影響を受ける。パーキンソン病の場合には、それは黒質のドーパミン作動性細胞である。成人を冒す局所特異的な疾患において、局所への細胞移植は、無菌条件の下で放射線学で指針化された分化細胞の移植で達成することができる。放射線学の指針には、CTおよび/またはMRIの使用を含めることができ、注入された材料を監視するためのコントラストや同位体に基づく手法に利益をもたらし得る。
幾つかの代謝貯蔵障害などの特定の神経疾患では、細胞が神経系の多様な領域に渡って冒されるので、最大の利益は、内因性細胞を遺伝子改変することによって、または本発明の選択された細胞(成長培池または分化培池由来の何れか)を拡散様式で多数を組織に導入することによって達成されるだろう。中枢神経系では、これらの疾患は、脳室内注射によって(適切な大きさに作られたカテーテル様デバイス、または針を用いて)(特に開発の初期段階では最初にアプローチされるであろう。)脳室内注射は、広範な内因性細胞を改変または成長培地および/または分化培地から単離した選択した細胞の広範な移植を可能にする。それにもかかわらず、同じ目的のために循環系への細胞の注入も包含されている。しかし、複数の臓器または体を広範に冒す(例えば、リソソーム貯蔵障害、hemoglobinpathies、筋ジストロフィー)すべての障害に関し、成長培地および/または分化培地から単離した細胞は、優先的に直接循環器官および/または内臓器官(肝臓、腎臓、消化管、脾臓、副腎、膵臓、肺などの臓器および胸腺)に、内視鏡ガイダンスおよび適切な大きさに作られたカテーテル様デバイスを用いて導入し、選択された器官への細胞の特異的な導入および浸潤と同じく、体全体に広範な細胞の移植を可能にする。
例11:血液循環の流れと器官への注入による細胞送達
1つの器官系の病気は、別々の器官系から遺伝子改変細胞で治療できる可能性がある。また、いくつかの場合、選択した細胞を、成長培地および/または分化培地で培養した後、血流(動脈、静脈または肝のいずれか)に注入されるならば、その選択した細胞はインビボで十分な量組み込んでそれら自身で分化し得ることが明らかになるだろう。このアプローチは、本発明により包含される。びまん性筋(例えば、筋ジストロフィー)、器官、組織または血液障害(例えば、遺伝性球状赤血球症、鎌状赤血球貧血、他のhemoglobinopathies等)は、例えば、成長培地または分化培地から分離された細胞の患者への、特に患者の循環への注入を伴う。このアプローチは、また、心筋梗塞、脳卒中などの虚血性傷害を改善するだけでなく、脳や他の組織への外傷を改善すると考えられている。針やカテーテルによる血流中に本発明によって生成したそのような細胞の直接の注入により、細胞が骨髄、筋肉、腎臓、肺、および/またはその他の他の任意の器官系に「帰る」ことが可能となり、同様に、骨髄空間に直接注射することは、本発明の実施に適している。同様に、超音波、放射線または蛍光透視指針を用いるか用いないで、損傷部位に細胞を直接注射することも本発明の実施に適している。
本発明において有用な選択された細胞を単離する方法は、Zhao et al., 2006によって書かれているものを含む。
好ましい実施の形態としては、numblike および/あるいはnumbアイソフォームをコードする遺伝子ベクターは、Numb またはnumblike導入遺伝子に作動可能に連結している調節可能なプロモータを含む。
別個の好ましい実施の形態としては、トランスフェクションのモードは、numblike とnumbアイソフォームの永久的な発現よりも、一過性の発現を提供するトランスフェクションのモードから選択することができる。
例12:遺伝子改変の例
カナバン病(ASP);テイサックス病(HEXA);レッシュナイハン症候群(HRPT);ハンチントン病(HTT);スライ症候群;タイプAとBのニーマンピック病;サンドホフ病(HEXB)、ファブリー病(GLA); C型ニーマンピック病(NPCl);ゴーシェ病(GBA);パーキンソン病(PARK2等)フォンヒッペルリンダウ病、鎌状赤血球貧血(HBB)およびその他のサラセミアならびに同じような病気を含むが、これらに限定されない数百の病気や臨床状態が、本発明の方法によって治療および/あるいは改善することができる。これらの導入遺伝子は、正常遺伝子のコーディング領域、またはコーディング領域の一部を表すことがある。しかしながら、本発明の範囲は、特定の実施態様および、上記の例に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、具体的に記載したものとは別のように実施してもよく、それらは添付の特許請求の範囲内である。
例13:テトラサイクリン感受性プロモーターの調節下で細胞を多能性にし、長Numbアイソフォーム、Oct−4、Sox−2、およびEmGFP核配列を発現することが可能なベクターの配列の例は、以下の(配列番号2):
上のベクター配列に対応する図式化マップは、図1に示されている。
ベクターを完全にde novoの遺伝子合成を通じて、または一部をNumb、SoxとOCT3/4 cDNA配列のクローニングを通じて、インビトロジェンpcDNA4tolacZベクターの中にLacZで占められる位置に構築してよい。同様に、tetR遺伝子インビトロジェンpcDNA6/TRベクターの中に見出される。参照した遺伝子のコード配列もpcDNA41acZベクターのクローニングに適している。
代わりにtetR遺伝子はpcDNA6/TRベクターを、tetR遺伝子とそのPCMVプロモータを除いたここでの配列を含むベクターと組み合わせて用いることにより標的細胞に個々にトランスフェクトすることができる。
同様に、複数のベクターは、上記配列に含まれる要素に類似の要素が存在する限り、使用することができる。これはプロモーターの競合の可能性を減らすことができる。他の暫定的なプロモーター要素は、テトラサイクリン感受性のプロモーター要素の代わりに使用できることが理解されるべきである。
例14 一回もしくは複数回、ここに記された方法(またはその他の公表された方法)により生成された多能性の幹細胞の、静脈内投与および他の投与は、体に細胞の置換を提供し、そのような投与が加齢性老化の患者において寿命を延ばすかまたは健康増進に役立ち得ることが期待される。
例15 生殖細胞の生成
本発明は、ここで記されている方法(またはその他の公表された方法による)により生成された多能、多能性、および/または自己再生できる幹細胞からの生殖細胞の誘導を包含する。このような生殖細胞の生成は、不妊の治療ならびに生体外での胎芽の生成に適するであろう。(例: Hubner et al., 2003; Kehler et
al., 2005;Nayernia et al., 2006a; Nayernia et al., 2006b; Drusenheimer et al., 2007;Moore et al., 2007; など)
例16:トランスジェニック動物の形成
本発明は、トランスジェニック動物の形成を包含する。他の多能性細胞を用いる場合、ここで記されている方法(またはその他の公表された方法)により生成された多能性細胞は、当技術分野で知られている任意の方法によりトランスジェニック動物を生成するために利用することができる。
例17:治療用ベクターの構築
用いることができるレトロウイルスベクターの例は、Moloneyマウス白血病ウイルス、Moloneyマウス肉腫ウイルスとラウス肉腫ウイルス、FIVや、HIVに由来するベクターを含むがそれらに限定されない。適切な発現ベクターは、真核生物の細胞にDNAまたはRNAのトランスフェクションに用いることができるものである。このようなベクターには、原核生物のベクター(例えば、細菌のベクターなど;真核生物のベクター(例えば、酵母のベクターと真菌のベクターなど、およびウイルスベクター(限定されないが、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターおよび、レトロウイルスベクターなど)が含まれるが、これらに限定されない。
レプリケーション無能なpcDNA 6.2GW/miRとpcDNA 6.2/EmGFP−Bsd/V5−DESTベクターは、適切な発現ベクター(インビトロジェン社)の例であり、ターゲット配列を切断する能力がある合成オリゴヌクレオチド(例えば、miRNA)の発現が可能である。これらのベクターには、より長いpolIIの転写産物(プレmiRNA)由来の操作されたmiRNAの切除を誘導するための内因性miRNA由来の隣接配列およびループ配列がふくまれる。
代わりに、HIVpsi配列の包含は、治療用ベクターが、ウイルス粒子を形成することに関してネイティブのHIVゲノムと競合し、HIVの伝播もそがいすることを可能にする。
単一の標的に対抗する複数のmiRNA配列の組合せは、標的配列の発現を減少させる成功の可能性を上昇させる。miRNA配列は、EF−1 alphaプロモータ、任意のT細胞特異的プロモータ、または望まれる細胞型での発現を確実にするマクロファージ特異的プロモータなどの組織特異的プロモータに作動可能に連結することができる。
遺伝子発現のためのInvitrogenのレンチウイルス表記(DEST)ベクターを利用すると、結果として生まれた治療用ベクターは、分裂する細胞と分裂しない細胞型の両方の安定的な形質導入が可能になる。
好ましい実施の形態としては、治療用ベクターは、CXCR4、CCR5および/あるは標的細胞におけるHIV感染の共受容体として作用することが知られている他の任意の細胞たんぱく質の発現を減少させるかぎり、1つないしそれ以上のプロモータにより駆動される複数の合成オリゴヌクレオチド配列を含む。
ある治療用ベクターでは(2006年に構築)、CXCR4 とCCR5の共受容体を標的にする4つのmiRNA配列が、HIV −2 TAR とRRE を標的にするデコイRNA配列とともに、pcDNA6.2 GW/miRベクターにクローン化された。
遺伝子構築物は、ベクターのバックボーンおよび、異種核酸配列に作動可能に連結するプロモータを調節するトランス活性化因子を含み得る。
他の適したベクターの例としては、レトロウィルスベクターがある。レトロウィルスは、RNAゲノムを含むRNAウィルスである。gag、 pol、 env 遺伝子は、末端長反復(LTR)配列によって隣接される。5’ と 3’LTR配列は、mRNAの転写とポリアデニル化を促進させる。
レトロウイルスベクターは、調節可能なトランス活性化エレメント、内部リボソームリエントリー部位(IRES)、選択マーカーおよび、調節可能なプロモータによって操作される標的の異種遺伝子を提供することができる。
あるいは、複数の配列を、複数のプロモーターの制御下で発現することができる。最後に、レトロウイルスベクターは、逆転写と組込みのために必要なシス作用配列を含むことができる。感染時には、RNAは逆転写されてDNAになり、効率的にホストゲノムに組み込まれる。本発明の組換えレトロウイルスは、天然ウイルスのレトロウイルス性の感染性の遺伝子のいくつかを削除し、実施形態において、細胞の遺伝子改変のかわりに標的核酸配列に置き換えるような方法で遺伝子改変される。配列は、天然型または変形型において外因性DNAまたはRNAであり得る。
例18:治療用ベクターを生成する方法の例
治療用ベクターを生成する方法は、Invitrogen’s Viral Power Lentiviral Expression Systems Manualに記されている通りのものを含む。簡潔に言えば、EmGFPに基づくカセットは、PmlI−BlpI断片としてpLenti6/R4R2/V5−DESTベクター中にクローン化され、一方、miRデコイカセットが同時にBP反応によってpDONR221に輸送される。それから、EF1aプロモータとmiRデコイは、改変されたpLenti6/EmGFP−bsd/R4R2−DESTベクターに交差するMultisite LRである。
pLenti6/R4R2/V5−DESTベクター配列(配列番号1)
例19:生体内で増殖する/増殖する幹細胞/前駆細胞のための方法
1)HIV感染症、2)HIVの複製および/または3)HIVの転写に比較的耐性のある多数の標的細胞を取得するため、前駆細胞/幹細胞をグルタミン、β−メルカプトエタノール、10%(体積で)ウマ血清、およびヒト組換え白血病抑制因子(LIF)を補充したダルベッコの改変最小必須培地(DMEM)で成長させることができる。LIFにより、前駆細胞/幹細胞を細胞のフィーダー層(使用しても構わない)上で維持する必要がなくなるが、LIFは、未分化状態の前駆細胞/幹細胞を維持するために必須である。
例20:幹細胞は個人から集められ、細胞は治療用ベクターによってトランスフェクトされ、次にHLAタイピングやマッチングを伴うか伴わない標準的な方法により移植のため調製される。
例21:臍帯血サンプルは臍帯血コードバンクから得られる。細胞は、次に有用な配列の治療用ベクターでトランスフェクトされ、次にHLAタイピングやマッチングを伴うか伴わない標準的な方法により移植のために調製される。
例22:治療用ベクターに含有させるのに適する合成オリゴヌクレオチド配列の例
70%を超える標的配列のたんぱく質発現をうまく減少させるいかなる合成オリゴヌクレオチド配列も本発明に包含される。
標的細胞がHIV複製を維持する能力を70%を超えるかそれよりも少ないが治療的程度にまで、または、標的細胞がHIVのウイルス活性を維持する能力を70%を超えるかそれよりも少ないが治療的程度にまでうまく減じる任意の合成オリゴヌクレオチド配列もまた本発明に包含される。
miRNA配列の例には、IVGNアルゴリズム(Invitrogen)に由来するmiRNAが含まれる。CXCR4遺伝子を標的とするmiRNA配列は最上段の鎖を含む:
同様に、CCR5遺伝子を標的とするmiRNA配列は最上段の鎖を含む:
例23:治療用ベクターに含有されるのに適したデコイRNAの例
標的細胞がHIV複製を維持する能力を70%を超えるかそれよりも少ないが治療的程度にまで、または、標的細胞がHIVのウイルス活性を維持する能力を70%を超えるかそれよりも少ないが治療的程度にまでうまく減じる任意のデコイ配列もまた本発明に包含される。
例のTARデコイ配列は、(配列番号12)
例のRREデコイ配列は、(配列番号13)
例24:RNAデコイの安定性を提供するフランキング配列
RNAデコイに適したフランキング配列の例は以下に挙げられる:
5’サイドのU6 RNAの19ヌクレオチド(ntds)ならびにPoLIIIに対するポリUターミネータがすぐに先行する3’ステムの何れかのサイドにおいてヘアピンで隣接されたデコイ配列は、より大きな安定性を示すことが以前に実証されている。この配置は3’−5’エキソヌクレアーゼの攻撃から保護するものと期待され、挿入RNAの折り畳みに干渉する3’トレーラー(trailer)の機会を低減することが期待される。最初の3/4のtRNA配列のみが存在するので、挿入の5’末端は保護されるはずであるし、核からの輸送が阻止されるはずである(グッドら、1997)。
例25:治療用のベクターの宿主への導入
好ましい実施の形態としては、血液幹細胞/前駆細胞、および標的細胞は、治療用ベクター(または随伴の治療用ウイルス)の宿主血液や組織、または骨髄などへの導入により、生体内において治療用ベクターを用いてトランスフェクトされる。最大の利点は、多くの内因性標的細胞および幹細胞/子孫細胞を改変することによって得られる。これは、適したサイズのカテーテルのような装置またはニードルを用いて、治療用ベクターを静脈循環または動脈循環に注入することによって達成することができる。好ましい実施形態において、ウイルスはVSV−Gエンベロープ糖たんぱく質および天然HLV−1 envたんぱく質でシュードタイプされる。
例26:宿主への遺伝子改変細胞の導入
成熟した末梢血Tリンパ球、単球、マクロファージ、T細胞前駆細胞、マクロファージ単球前駆細胞、および/あるいは多能性の造血幹細胞(臍帯血および占有骨髄空間にみられるものなど)などの血液細胞は、他の幹細胞/前駆細胞と同様に、生体外において治療用ベクターを用いてトランスフェクトすることができる。治療用ベクターの適切な濃度は、Browning et al., 1999と一致したものであってよい。その後、細胞は、生体外で拡張(増殖)され、続いて、細胞は、静脈内用針またはカテーテルを用いて静脈循環または動脈循環に細胞を導入することを介して宿主に移入される。その後、治療用ベクターによってトランスフェクトされた細胞は、骨髄や他の組織に「帰る」ことができる。
ここで書かれている例や実施の形態は、説明的な目的のみであり、それに照らした様々な改変または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲内および添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書で引用された全ての出版物、特許、特許出願は、すべての目的において、その全てが参照により本明細書に援用される。
例27:本発明において利用した発現、または標的にされた導入遺伝子の例
本発明を実行するのに有効な任意の導入遺伝子配列は、本発明における利用に適切である。適したヌクレオチド配列は、望まれる細胞または性質が得られる限り、どの種からも採取されてよい。このような配列の呼称方法は、同様に、本明細書において小文字または大文字のいずれも、特別な種類は表わさない。NCBIデータベース(アクセッション番号で列挙される)に保存される以下の配列は、本出願で上記で引用した配列の例を表わす。これらは、本発明に用いるのに適した配列(cds)をコードする特定遺伝子の例でもあるが、いずれの場合であっても、本発明の実施を制限するものではない。
挿話として引用されている全刊行物の内容および次のアメリカ合衆国における特許は、その全てを参照として記載および援用する: 7211247, 5677139, 6432711および5453357, U.S. 05,593,875, U.S. 05,783,566, U.S. 5,928,944, U.S.05,910,488, U.S. 05,824,547。

Claims (16)

  1. 一つ以上の細胞運命デターミナントおよび一つ以上の転写因子をコードするヌクレオチド配列を含むベクターであって、該一つ以上の細胞運命デターミナントおよび一つ以上の転写因子は、Numb、Numblike、HOXB4、OCT3/4、SOX2、NANOG、lin28、c−myc、FGF4、LIF活性を有するタンパク質、Mash1(Ascl1)、MyoD、ミオゲニン、Myf5、Myf6、Mef2、ミオカーディン、Ifrd1、筋肉転写因子、筋タイプ特定bHLH−コード化配列、Foxa2、Sox17、HLXB9、Pdx1、肝核因子(HNF)−1、HNF−3、HNF−4、HNF−6、CREB−結合タンパク質、Runx1/AML1、NOV(CCN3)、Sox9、OLIG1、OLIG2、Zfp488、Gata4、Gata5、Gata6、Runx2、Nurr1、REN、ニューロゲニン1、ニューロゲニン2、ニューロゲニン3、Phox2a、Phox2b、dHand、Shh、FGF8、Lmx1b、Nkx2.2、Pet1、Lbx1、Rnx、Ptx−3、Gata2、Gata3、Rest4、PITX2、Dlx2、Dlx5、stat3、テロメラーゼ、およびHES1標的合成オリゴヌクレオチド、またはその一部分から選択され、該ベクターは、体細胞、分化細胞、再プログラミングされた細胞、生殖細胞、精原細胞、または遺伝子改変細胞をトランスフェクトし、そして所望の細胞集団を産生するためのものである、ベクター。
  2. 請求項1に記載のベクターを含む、細胞。
  3. 所望の細胞集団を産生するためのインビトロの方法であって、該方法は、
    分裂細胞および非分裂細胞、外因性細胞および内因性細胞、体細胞、分化細胞、再プログラミングされた細胞、生殖細胞、精原細胞、および遺伝子改変細胞からなる群から、細胞を選択する工程;および
    該選択された細胞中で一つ以上のタンパク質、または該タンパク質をコードする一つ以上のヌクレオチド配列を過剰発現するのに有効なように、該選択された細胞を、請求項1に記載のベクターと接触させる工程であって、該タンパク質は、該所望の細胞集団に特異的な細胞運命デターミナントおよび転写因子からなる群から選択される、工程
    を含み、その結果、該所望の細胞集団は、該分裂細胞および非分裂細胞、外因性細胞および内因性細胞、体細胞、分化細胞、再プログラミングされた細胞、生殖細胞、精原細胞、および遺伝子改変細胞から産生される、方法。
  4. 前記一つ以上の細胞運命デターミナントまたは転写因子、あるいは、該細胞運命デターミナントまたは転写因子をコードする一つ以上のヌクレオチド配列は、
    a)前記所望の細胞集団が、神経細胞集団である場合、Mash1(Ascl1)またはその一部分;
    b)該所望の細胞集団が、筋肉細胞集団である場合、MyoD、ミオゲニン、Myf5、Myf6、Mef2、ミオカーディン、Ifrd1、筋肉転写因子および/または筋タイプ特異的bHLH−コード化配列、またはその一部分;
    c)該所望の細胞集団が、内胚葉細胞または膵臓ランゲルハンス島細胞集団である場合、Foxa2、Sox17、HLXB9、および/またはPdx1、またはその一部分;
    d)該所望の細胞集団が、肝細胞集団である場合、肝核因子(HNF)−1、HNF−3、HNF−4、HNF−6、および/またはCREB結合タンパク質、またはその一部分;
    e)該所望の細胞集団が、造血細胞集団である場合、Runx1/AML1および/またはNOV(CCN3)、またはその一部分;
    f)該所望の細胞集団が、軟骨細胞集団である場合、Sox9、CREB結合タンパク質、Gata6および/またはRunx2、またはその一部分;
    g)該所望の細胞集団が、希突起膠細胞集団である場合、OLIG1、OLIG2および/またはZfp488、またはその一部分;
    h)該所望の細胞集団が、筋肉細胞である場合、MyoD、ミオゲニン、ミオカーディン、Myf5、Myf6、Mef2A、Gata4、Gata5、およびGata6、またはその一部分;
    i)該所望の細胞集団が、心筋細胞集団である場合、Gata4、Gata5、および/またはGata6、またはその一部分;
    j)該所望の細胞集団が、平滑筋細胞集団である場合、ミオカーディン、またはその一部分;
    k)該所望の細胞集団が、骨格筋細胞集団である場合、ミオゲニンおよびMyoD、またはその一部分;
    l)該所望の細胞集団が、骨細胞型である場合、Runx2、またはその一部分;
    m)該所望の細胞集団が、多能(pluripotent)、多能性(multipotent)または自己再生する細胞集団である場合、PRR+Numb、Nanog、HoxB4、FGF4、Notch活性を有するタンパク質、およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分;
    n)該所望の細胞集団が、多能、多能性または自己再生する細胞集団である場合、PRR+Numb、OCT3/4、HOXB4、FGF4、Notch活性を有するタンパク質およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分;
    o)該所望の細胞集団が、多能、多能性または自己再生する細胞集団である場合、PRR+Numb、Sox2、HoxB4、FGF4、Notch活性を有するタンパク質およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分;
    p)該所望の細胞集団が、多能、多能性または自己再生する細胞集団である場合、PRR+Numb、Lin28、c−myc、およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分;
    q)該所望の細胞集団が、多能、多能性または自己再生する細胞集団である場合、PRR+Numb、Nanog、c−myc、およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分;
    r)該所望の細胞集団が、多能、多能性または自己再生する細胞集団である場合、PRR+Numb、OCT3/4、Sox2、HOXB4、Notch活性を有するタンパク質、およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分;
    s)Nanog、OCT3/4、Sox2、HOXB4、FGF−4、LIF、LIFR、CNTF、オンコスタチン(OSM)、オンコスタチン受容体(OSMR)、カーディオトロフィン−1、IL−6、IL6R、hyper IL−6、IL−11、gp130、LIF活性を有する他のタンパク質、およびNotch活性を有する他のタンパク質(単数または複数)またはその一部分;
    t)該所望の分化細胞中に通常存在する、転写因子またはその一部分;ならびに
    u)細胞を、該所望の細胞に分化させ始めることを促進する、転写因子またはその一部分;
    からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記細胞は、FGF4、Notch、Numblike、Numbアイソフォームまたはその一部分から選択される細胞運命デターミナントとさらに接触させられる、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記選択された細胞を、一つ以上のタンパク質、または該タンパク質をコードする一つ以上のヌクレオチド配列と接触させる工程をさらに含み、該タンパク質は、
    a)前記所望の細胞集団が、ドーパミン作動性ニューロン細胞型である場合、Mash1(Ascl1)、Ngn2、Nurr1、Lmx1b、および/またはPtx−3、またはその一部分;
    b)該所望の細胞集団が、セロトニン作動性ニューロン細胞集団である場合、Mash1(Ascl1)、Phox2b、Lmx1b、Nkx2.2、Pet1、Gata2、Gata3、Pet1および/またはその一部分;
    c)該所望の細胞集団が、コリン作動性ニューロン細胞集団である場合、Mash1(Ascl1)、Phox2a、およびREST4、および/またはその一部分;
    d)該所望の細胞集団が、GABA作動性ニューロン細胞集団である場合、Mash1(Ascl1)、PITX2、Dlx2、Dlx5、HES1標的合成オリゴヌクレオチド、Phox2a、およびREST4、および/またはその一部分;
    e)該所望の細胞集団が、ノルアドレナリン作動性ニューロン細胞集団である場合、Mash1(Ascl1)、Phox2a、Phox2b、dHand、Gata2、およびGata3、および/またはその一部分;ならびに
    f)該所望の細胞集団が、ニューロン細胞型である場合、Mash1(Ascl1)、Nurr1、REN、ニューロゲニン1、ニューロゲニン2、ニューロゲニン3、Mash1、Phox2b、Phox2a、dHand、Shh、FGF8、Lmx1b、Nkx2.2、Pet1、Lbx1、Rnx、Gata3、アンチセンスHes1 RNAおよび/またはその一部分
    からなる群から選択される、請求項3または4に記載の方法。
  7. 前記選択された細胞および/またはそれらの子孫細胞を、成長培地中で培養する工程であって、該成長培地は、該選択された細胞が一定の速度で増殖するのに有効なサイトカインを含み、該速度は、該成長培地中の該選択された細胞の倍加時間から決定される、工程、および
    該細胞を、所望の細胞数が達成されるまでこれらの培養条件下で維持する工程
    をさらに含む、請求項3または4に記載の方法。
  8. 前記サイトカインは、EGF、bFGF、LIF、鉄因子、IL−6、hyper IL−6、IL−7、オンコスタチン−M、カーディオトロフィン−1、他の成長促進サイトカイン、および誘導因子から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記選択された細胞および/またはそれらの子孫細胞を、分化培地中で培養する工程をさらに含み、
    ここで、該分化培地は、該選択された細胞が該分化培地中で第二の増殖速度で増殖するのに有効であり、該第二の増殖速度は、該分化培地中の該選択された細胞の倍加時間から決定され、該第二の増殖速度は、第一の増殖速度未満の増殖速度であり;該分化培地は、少なくとも一つの分化作用物質を含む、請求項3または4に記載の方法。
  10. 請求項3または4に記載の方法であって、分化培地中で前記細胞を培養する工程をさらに含み、該分化培地は、以下:
    a)レチノイン酸、Neurotrophin3(NT3)、神経成長因子(NGF)、グリア細胞株由来成長因子(GDNF)、および/またはインターフェロン−γ(IFNγ)、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、胎仔ウシ血清(FBS)、正常ウシ血清(NBS)、心筋細胞の訓化培地、血管内皮増殖因子(VEGF)、LIF、トロンボポエチン、コロニー刺激因子、M−CSF(CSF−1)、GMCSF、IL−7、CD4+T細胞分化を促進するサイトカイン、酪酸ナトリウム、アクチビンA、上皮増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、ノギン、インスリン様成長因子およびニコチンアミド;
    b)前記所望の細胞集団が、神経細胞集団である場合、レチノイン酸、Neurotrophin3(NT3)、神経成長因子(NGF)、グリア細胞株由来成長因子(GDNF)、および/またはインターフェロン−γ(IFNγ);
    c)該所望の細胞集団が、筋肉細胞集団である場合、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、またはジメチルスルホキシド;
    d)胎仔ウシ血清(FBS);
    e)該所望の細胞集団が、心筋細胞集団である場合、正常ウシ血清(NBS)、ジメチルスルホキシド、レチノイン酸および/または心筋細胞の訓化培地;
    f)該所望の細胞集団が、造血細胞集団である場合、所望の細胞型に適切な、血管内皮増殖因子(VEGF)、トロンボポエチン、およびコロニー刺激因子;
    g)該所望の細胞集団が、GABA作動性ニューロンである場合、LIF、Neurotrophin3(NT3)、および/または神経成長因子(NGF);
    h)コロニー刺激因子、必要に応じて、M−CSF(CSF−1)、GM−CSF、IL−7、またはCD4+T細胞分化を促進するサイトカイン;ならびに
    i)該所望の細胞集団が、膵臓ランゲルハンス島細胞または内胚葉細胞である場合、酪酸ナトリウム、アクチビンA、レチノイン酸、上皮増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、ノギン、インスリン様成長因子IIおよびニコチンアミド
    からなる群から選択される一つ以上の因子を含む、方法。
  11. 前記一つ以上のタンパク質、または該タンパク質をコードする一つ以上のヌクレオチド配列が、PRR+Numb、Notch、HOXB4、OCT3/4、SOX2、NANOG、lin28、c−myc、stat3、およびLIF活性を有するタンパク質、またはその一部分から選択され、そして前記選択された細胞中で過剰発現される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法であって、該方法は、治療用ベクターでトランスフェクトする工程を含み、該治療用ベクターは、
    アスパルトアシラーゼ(ASP)、ヘキソサミニダーゼA(HEXA)、ヘキソサミニダーゼB(HEXB)、レッシュナイハン症候群(HRPT)、ハンチントン病(HTT)、ガラクトシダーゼα(GLA)、グルコシダーゼβ酸(GBA)、フォンヒッペルリンダウ腫瘍抑制因子(VHL)、βグロブリン(HBB)、NPC1、PARK254、または患者において欠損している遺伝子産物から選択されるタンパク質をコードする、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはリボ核酸(RNA)配列、合成オリゴヌクレオチド、もしくは核酸配列、を含むか、あるいは、
    核酸配列、デコイ配列、siRNA、shRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAを含み、そして該治療用ベクターは、FIV、SIV、HIV−1、および/またはHIV−2感染を阻止することができる、方法。
  13. 前記細胞が、3次元または2次元の足場で培養されるか、該細胞は、脱細胞化器官中または脱細胞化組織上で増殖されるか、あるいは該細胞は、印刷技術と組み合わせるか、もしくは組織工学と組み合わせて利用される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記過剰発現工程は、トランスフェクトする工程を含み、該トランスフェクトする工程は、電気穿孔法、ナノカプセル、ナノヴォールト、およびリポソームのうちの1つ以上を使用する工程を含むか、あるいは、レトロウィルス/レンチウイルスの組込み、または前記選択された細胞のゲノムのランダムな変換を避ける工程を含む、請求項3、4、または10のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記選択された細胞は、タンパク質、または該タンパク質をコードするヌクレオチドを過剰発現し、該タンパク質は、numblike、numb、FGF4、HOXB4、OCT3/4、SOX2、NANOG、lin28、c−myc、LIF活性を有するタンパク質、Mash1(Ascl1)、MyoD、ミオゲニン、Myf5、Myf6、Mef2、ミオカーディン、Ifrd1、筋肉転写因子、bHLH−コード化配列、Foxa2、Sox17、HLXB9、Pdx1、肝核因子(HNF)−1、HNF−3、HNF−4、HNF−6、CREB結合タンパク質、Runx1/AML1、NOV(CCN3)、Sox9、Gata6、Runx2、OLIG1、OLIG2、Zfp488、Gata4、Gata5、Nurr1、REN、ニューロゲニン1、ニューロゲニン2、ニューロゲニン3、Phox2a、Phox2b、dHand、Shh、FGF8、Lmx1b、Nkx2.2、Pet1、Lbx1、Rnx、Ptx−3(Pitx3)、Gata2、Gata3、Rest4、PITX2、Dlx2、Dlx5、stat3、テロメラーゼ、HES1標的合成オリゴヌクレオチド、またはその一部分から選択される、請求項3または4に記載の方法。
  16. 前記細胞は、低温保存されるか、または細胞株として維持される、請求項3〜15のいずれか一項に記載の方法。
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