JP2010148440A - 組換えアデノウイルス迅速構築システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウイルスゲノムを含むDNA−タンパク質複合体を、導入遺伝子を含むPCR産物と相同組換えさせることにより、ウイルスを構築する。従来の方法のように導入遺伝子の挿入断片の制限酵素処理およびリガーゼによる連結を含まないため、ウイルスゲノムと挿入断片の制限酵素認識部位の一致は不要であることから、迅速かつ高効率に組換えアデノウイルスを構築することが可能である。また、MyoD遺伝子を導入遺伝子として含む組換えウイルスベクターは、筋分化誘導スイッチとして有用である。
【選択図】なし
Description
Itoh, A., et al., J. Gene Med., 2003, Vol.5, p.929-940 Fujii, I., et al., Brain & Development, 2006, Vol.28, p.420-425 近藤小貴ら、ウイルス、第57巻、第1号、pp.37-46、2007 Okada, T., et al., Nucleic Acids Res., 1998, Vol.26, p.1947-1950
(1)アデノウイルスDNA−タンパク質複合体を、導入遺伝子挿入部位で切断する;
(2)導入遺伝子を含むDNA断片を調製する、ここで該DNA断片は、その5’末端および3’末端に、それぞれ前記DNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜100塩基の配列と相同な配列を有し、そしてその間に導入遺伝子の塩基配列を含む;
(3)工程(2)で調製した導入遺伝子を含むDNA断片と、工程(1)で調製した外導入遺伝子挿入部位で切断されたDNA−タンパク質複合体とを、相同組換えにより連結して、導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を得る;
(4)工程(3)で得られた導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体をヒト293細胞に遺伝子導入する;
(5)工程(4)で遺伝子導入したヒト293細胞を培養して、組換えアデノウイルスをウイルスプラークとして得る;
を含む、前記方法。
[5] アデノウイルスDNA−タンパク質複合体が、AVC2.null(配列番号1)を含む、[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の方法。
(1)アデノウイルスDNA−タンパク質複合体を、導入遺伝子挿入部位で切断する;
(2)導入遺伝子を含むDNA断片を調製する、ここで該DNA断片は、その5’末端および3’末端に、それぞれ前記DNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜100塩基の配列と相同な配列を有し、そしてその間に導入遺伝子の塩基配列を含む;
(3)工程(2)で調製した導入遺伝子を含むDNA断片と、工程(1)で調製した外導入遺伝子挿入部位で切断されたDNA−タンパク質複合体とを、相同組換えにより連結して、導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を得る;
を含む、前記方法。
[12] 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法に用いるための、25塩基ないし50塩基からなるプライマーであって、以下:
(a)5’−TTATCGAAATTCTAG−3’(配列番号2)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の5’末端側の10〜35塩基の配列を含む、プライマー;
(b)5’−GACGTACGCCCTTCG−3’(配列番号3)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の3’末端側の10〜35塩基の配列を含む、プライマー;および
(c)5’−AGATATAGGGCATTAAT−3’(配列番号4)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子に機能可能に連結したプロモーター配列の5’末端側の8〜33塩基の配列を含む、プライマー;
からなる群より選択される、前記プライマー。
[14] 間葉系幹細胞の筋分化を誘導する方法であって、MyoD遺伝子を導入される構造遺伝子として含む組換えアデノウイルスを間葉系幹細胞に感染させることを含む、前記方法。
一態様において本発明は、組換えアデノウイルスを迅速かつ効率よく構築する方法に関する。より具体的には、本発明の組換えアデノウイルスを構築する方法は、以下の工程
(1)アデノウイルスDNA−タンパク質複合体を、導入遺伝子挿入部位で切断する;
(2)導入遺伝子を含むDNA断片を調製する、ここで該DNA断片は、その5’末端および3’末端に、それぞれ前記DNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜100塩基の配列と相同な配列を有し、そしてその間に導入遺伝子の塩基配列を含む;
(3)工程(2)で調製した導入遺伝子を含むDNA断片と、工程(1)で調製した外導入遺伝子挿入部位で切断されたDNA−タンパク質複合体とを、相同組換えにより連結して、導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を得る;
(4)工程(3)で得られた導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体をヒト293細胞に遺伝子導入する;
(5)工程(4)で遺伝子導入したヒト293細胞を培養して、組換えアデノウイルスをウイルスプラークとして得る;
を含む方法である。本発明の方法を模式的に示したものが、図1である。
本明細書においてアデノウイルスDNA−タンパク質複合体とは、アデノウイルスゲノムの末端に末端タンパク質が共有結合したDNA−タンパク質複合体をいう。アデノウイルスゲノムは二本鎖DNAであり、アデノウイルスDNA−タンパク質複合体において末端タンパク質は、二本鎖DNAそれぞれの5’末端に共有結合している。好ましい態様において、アデノウイルスDNA−タンパク質複合体を構成するアデノウイルスゲノムは、E1a遺伝子を欠失している。
このような相同組換えの促進タンパク質を伴う相同組換えの原理を利用して、より相同配列の長さが短いものについて相同組換えを行うためのキットが市販されている。本発明の方法は、そのようなキットを利用して行うことも可能である。そのようなキットには、In-FusionTM PCR Cloning Kit(タカラバイオ株式会社、Clontech社)、Red/ET Recombination System Quick and Easy BAC MODIFICATION Kit(フナコシ株式会社、Gene Bridges社)等が挙げられるがこれらに限定されない。
アデノウイルスDNA−タンパク質複合体と導入遺伝子を含むDNA断片との相同組換えにより、導入遺伝子が曽遊されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を得た後、これをヒト293細胞に遺伝子導入する。遺伝子導入には、公知の遺伝子導入方法、例えば、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム法、ヌクレオフェクション等を使用することができるが、これらに限定されない。
別の態様において、上記の組換えアデノウイルスを構築する方法における工程(1)ないし(3)を含む、導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を構築する方法もまた、本発明の範囲内である。
好ましい態様において、本発明の方法におけるアデノウイルスDNA−タンパク質複合体はAVC2.nullであり、導入遺伝子を含む断片がプロモータ配列を含まずに宿主細胞中での発現が望まれる構造遺伝子を含み、導入遺伝子挿入部位としてAVC2.nullのマルチプルクローニングサイト中XbaIとNspVの組み合わせを利用する。この場合、導入遺伝子を含むDNA断片をPCR法により調製するためのプライマーは、25塩基ないし50塩基からなるプライマーであって、以下:
5’−TTATCGAAATTCTAG−3’(配列番号2)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の5’末端側の10〜35塩基、好ましくは15〜35塩基、15〜30塩基、15〜25塩基、の配列を含む、プライマー;および、
5’−GACGTACGCCCTTCG−3’(配列番号3)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の3’末端側の10〜35塩基、好ましくは15〜35塩基、15〜30塩基、15〜25塩基、の配列を含む、プライマー;
であってよい。
5’−AGATATAGGGCATTAAT−3’(配列番号4)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子に機能可能に連結したプロモーター配列の5’末端側の8〜33塩基、好ましくは10〜30塩基、15〜30塩基、15〜25塩基、の配列を含む、プライマー;および
5’−GACGTACGCCCTTCG−3’(配列番号3)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の3’末端側の10〜35塩基、好ましくは15〜35塩基、15〜30塩基、15〜25塩基、の配列を含む、プライマー;
であってよい。
本発明者らは、導入遺伝子としてMyoD遺伝子が挿入された組換えアデノウイルスを、本願発明の方法に従って構築した。得られた組換えアデノウイルスを、宿主細胞にMyoD遺伝子を導入するための組換えアデノウイルスベクターとして用いて、SDラット由来間葉系幹細胞に感染させた。感染させた間葉系幹細胞を培養したところ、筋分化マーカーであるミオゲニンおよびα−アクチニンの発現と筋管形成を確認した。このことから、本発明者らはMyoD遺伝子を導入遺伝子として含む組換えアデノウイルスベクターを間葉系幹細胞に感染させることにより、間葉系幹細胞の筋分化を誘導できることを見出した。アデノウイルスベクターは一過性に遺伝子発現を行う性質を有するため、本発明のMyoD遺伝子を導入遺伝子として含む組換えアデノウイルスベクターは、間葉系幹細胞における筋分化誘導スイッチとして利用可能である。
よって、本発明の別の態様は、MyoD遺伝子を導入遺伝子として含む組換えアデノウイルスベクターを間葉系幹細胞に感染させることを含む、間葉系幹細胞、iPS細胞、または線維芽細胞を誘導する方法に関する。上記の方法において、組換えアデノウイルスベクターを感染させる条件は特に限定されないが、下限は少なくともMOI=5pfu/細胞、10pfu/細胞、15pfu/細胞、20pfu/細胞から選択されてよく、上限はMOI=1000pfu/細胞以下、750pfu/細胞以下、500pfu/細胞以下、400pfu/細胞以下から選択されてよい。
(1)DNA−タンパク質複合体の調製
DNA−タンパク質複合体の骨格として、CMVプロモーター、およびpolyA配列をアデノウイルスゲノムのE1領域の一部(E1aからE1bの一部にかけての領域)に挿入した、組換えアデノウイルスAVC2.null(配列番号1)を用いた。Okada, T., et al.(Nucleic Acids Res., 1998, Vol.26, p.1947-1950)に記載の方法に従い、DNA−タンパク質複合体を調製した。これに制限酵素XbaIおよびNspVによる処理を加え、発現遺伝子断片が挿入可能なDNA−タンパク質複合体を作製した。
AVC2.nullのDNA−タンパク質複合体に挿入する遺伝子断片を以下の手順で調製した。AVC2.nullにおいて導入遺伝子を挿入する部位、すなわちマルチプルクローニングサイト中のXbaIおよびNspVの外側15塩基の塩基配列は5’−ttatcgaaattctag−3’(上流側:配列番号2)および5’−gacgtacgcccttcg−3’(下流側:配列番号3)である。これらの配列に相同な配列を導入遺伝子の両端に隣接して含む挿入断片を、PCR法にて増幅した。この際、遺伝子変異が生じない様に、正確性と効率の高い高忠実度DNAポリメラーゼとして、PrimeSTAR(登録商標)HS(タカラバイオ株式会社)を用いた。PCRの条件は、98℃、10秒;55℃、15秒;68℃、1分;のサイクルを30サイクル、とした。PCR産物を、QIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン社、カタログ番号28704)にて精製し挿入断片として使用した。導入遺伝子としてEGFP遺伝子及びMyoD遺伝子を用いた。
EGFP遺伝子(配列番号5)のcDNAを含むプラスミド(pEGFP-N1 Vector(クロンテック社、カタログ番号632318)を鋳型として、次のプライマーを用いてPCR法にて挿入遺伝子断片を増幅した。PCR産物の両端にAVC2.nullにおいて導入遺伝子を挿入する部位の配列に相同な15塩基対の配列をアダプターとして含む様に、プライマーを設計した。大文字部分はEGFP遺伝子の塩基配列である。
5’−AVC2.XbaI.EGFP(配列番号6)
5’−ttatcgaaattctagacgccaccATGGTGAGCAAGGGCG−3’
3’−AVC2.NspV.EGFP(配列番号7)
5’−gacgtacgcccttcgaaTTACTTGTACAGCTCGTCCATGC−3’
(ii)MyoD遺伝子
EGFP遺伝子の場合と同様に、マウスMyoD遺伝子(配列番号8)のcDNAを含むプラスミドを鋳型として、次のプライマーを用いてPCR法にて挿入遺伝子断片を増幅した。大文字部分はMyoD遺伝子の塩基配列である。
5’−AVC2.XbaI.mMyoD(配列番号9)
5’−ttatcgaaattctagaATGGAGCTTCTATCGCCGCCAC−3’
3’−AVC2.NspV.mMyoD(配列番号10)
5’−gacgtacgcccttcgaaTCAAAGCACCTGATAAATCGC−3’
(3)遺伝子断片の挿入
In-FusionTMPCR Cloning Kit(タカラバイオ株式会社)を用い、アダプター付きPCR産物をDNA−タンパク質複合体に挿入した。具体的には、PCR産物およびDNA−タンパク質複合体を、モル比で2:1となるように混合し、さらに相同組換えに必要な酵素とバッファーを混合し、37℃で15分間反応させた。
外来遺伝子のcDNA断片を挿入したDNA−タンパク質複合体を含む上記反応液10μLにTEバッファー40μLを加え、反応を停止させた。このうち10μLを分取し、キャリアとなるプラスミドDNA2.5μgと混合した後、Opti−MEM−I培地(インビトロジェン社)500μLに添加した。ここに、LipofectamineTM LTX Reagent(インビトロジェン社)7μLを混合後、室温で30分静置した。この反応液を、6穴プレートに撒いたヒト293細胞に加え、5%CO2インキュベータ内にて37℃で培養した。経時的に細胞を観察し、遺伝子導入3日後にウイルスプラークの出現を確認した。図1中の蛍光顕微鏡観察写真は、EGFP遺伝子発現ベクターの作製に伴うプラークの出現を示している。
組換えウイルスが構築の確認を、以下に記載するようにcDNA断片が挿入されたことの確認、および当該組換えウイルスを細胞に感染させた際に導入遺伝子が発現することの確認、により行った。
外来遺伝子のcDNA断片の挿入を、上記(4)で得られたウイルスプラークのPCRにより確認した(図2A)。具体的には、軟寒天培地で覆われたウイルスプラークを採取し、これを293細胞に感染させて細胞内でウイルスを複製させた後、細胞を回収した。凍結融解を3回反復し、3000×gで10分間遠心し、ウイルスを含む上清を採取した。このサンプルを0.1%SDSを含むTEバッファーで懸濁し、これを鋳型としてPCR反応を行った。
5’−ttatcgaaattctagacgccaccATGGTGAGCAAGGGCG−3’(配列番号6)、および
5’−gacgtacgcccttcgaaTTACTTGTACAGCTCGTCCATGC−3’(配列番号7)
と共に、DNAポリメラーゼとして、PrimeSTAR(登録商標)HS(タカラバイオ株式会社)を用い、98℃、10秒;55℃、15秒;68℃、1分;のサイクルを30サイクル、の条件でPCR反応を行った。
5’−CGCCGCCGCCTGAGCAAAGT−3’(配列番号11)、および
5’−GGTCTGGGTTCCCTGTTCTGTGT−3’(配列番号12)
と共に、DNAポリメラーゼとして、PrimeSTAR(登録商標)HS(タカラバイオ株式会社)を用い、98℃、10秒;63℃、15秒;68℃、1分;のサイクルを30サイクル、の条件でPCR反応を行った。
得られた組換えアデノウイルスのクローンを用いて、293細胞への感染を行った。感染した293細胞の溶解物についてウェスタンブロッティング解析によりEGFPまたはMyoD(図2B)の発現を確認した。
実施例2:組換えウイルスベクターの機能解析(間葉系幹細胞の分化誘導)
MyoD遺伝子を導入遺伝子として有する組換えアデノウイルスをAVC2MyoDとした。精製した組換えアデノウイルスAVC2MyoDを、MOI=1、20、400pfu/細胞の条件にて、2時間、SDラット骨髄由来の間葉系幹細胞に感染させ、その後培養した。感染時の培養条件は、2%ウシ胎仔血清入りDMEM培地中、37℃、5%CO2であり、感染後の培養条件は2%ウシ胎仔血清入りDMEM培地中、37℃、5%CO2であった。
配列番号2: プライマー
配列番号3: プライマー
配列番号4: プライマー
配列番号5: EGFPをコードするDNA
配列番号6: プライマー 5’−AVC2.XbaI.EGFP
配列番号7: プライマー 3’−AVC2.NspV.EGFP
配列番号8: マウスMyoDをコードするDNA
配列番号9: プライマー 5’−AVC2.XbaI.mMyoD
配列番号10: プライマー 3’−AVC2.NspV.mMyoD
配列番号11: プライマー
配列番号12: プライマー
Claims (15)
- 組換えアデノウイルスを構築する方法であって、以下の工程
(1)アデノウイルスDNA−タンパク質複合体を、導入遺伝子挿入部位で切断する;
(2)導入遺伝子を含むDNA断片を調製する、ここで該DNA断片は、その5’末端および3’末端に、それぞれ前記DNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜100塩基の配列と相同な配列を有し、そしてその間に導入遺伝子の塩基配列を含む;
(3)工程(2)で調製した導入遺伝子を含むDNA断片と、工程(1)で調製した外導入遺伝子挿入部位で切断されたDNA−タンパク質複合体とを、相同組換えにより連結して、導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を得る;
(4)工程(3)で得られた導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体をヒト293細胞に遺伝子導入する;
(5)工程(4)で遺伝子導入したヒト293細胞を培養して、組換えアデノウイルスをウイルスプラークとして得る;
を含む、前記方法。 - 導入遺伝子を含むDNA断片の5’末端および3’末端の配列が、それぞれ、アデノウイルスDNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜50塩基の配列と相同な配列である、請求項1に記載の方法。
- 導入遺伝子を含むDNA断片の5’末端および3’末端の配列が、それぞれ、アデノウイルスDNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜20塩基の配列と相同な配列である、請求項1に記載の方法。
- 相同組換えが、リコンビナーゼおよび相同組換えの促進タンパク質の存在下で行われる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- アデノウイルスDNA−タンパク質複合体が、AVC2.null(配列番号1)を含む、請求項1ないし3いずれか1項に記載の方法。
- アデノウイルスDNA−タンパク質複合体がAVC2.null(配列番号1)を含み、そして外来遺伝子挿入部位の上流側および下流側がそれぞれAVC2.nullのマルチプルクローニングサイト中のXbaIおよびNspV制限酵素サイトである、請求項5に記載の方法。
- アデノウイルスDNA−タンパク質複合体がAVC2.null(配列番号1)を含み、外来遺伝子挿入部位の上流側および下流側がそれぞれAVC2.nullにおけるCMVプロモーターの上流側のPacI制限酵素サイトおよびマルチプルクローニングサイト中のNspV制限酵素サイトであり、そして、導入遺伝子が構造遺伝子およびそれに機能可能に連結したプロモーター配列を含む、請求項5に記載の方法。
- アデノウイルスDNA−タンパク質複合体がAVC2.null(配列番号1)を含み、外来遺伝子挿入部位の上流側および下流側がそれぞれAVC2.nullのマルチプルクローニングサイト中のXbaIおよびNspV制限酵素サイトであり、そして、導入遺伝子を含むDNA断片の5’末端および3’末端の配列が、それぞれ、アデノウイルスDNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の15塩基の配列と相同な配列である、請求項5に記載の方法。
- 導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を構築する方法であって、以下の工程:
(1)アデノウイルスDNA−タンパク質複合体を、導入遺伝子挿入部位で切断する;
(2)導入遺伝子を含むDNA断片を調製する、ここで該DNA断片は、その5’末端および3’末端に、それぞれ前記DNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜100塩基の配列と相同な配列を有し、そしてその間に導入遺伝子の塩基配列を含む;
(3)工程(2)で調製した導入遺伝子を含むDNA断片と、工程(1)で調製した外導入遺伝子挿入部位で切断されたDNA−タンパク質複合体とを、相同組換えにより連結して、導入遺伝子が挿入されたアデノウイルスDNA−タンパク質複合体を得る;
を含む、前記方法。 - 導入遺伝子を含むDNA断片の5’末端および3’末端の配列が、それぞれ、アデノウイルスDNA−タンパク質複合体における導入遺伝子挿入部位の上流側および下流側の10〜20塩基の配列と相同な配列である、請求項9に記載の方法。
- 相同組換えが、相同組換えの促進タンパク質の存在下で行われる、請求項9または10に記載の方法。
- 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法に用いるための、25塩基ないし50塩基からなるプライマーであって、以下:
(a)5’−TTATCGAAATTCTAG−3’(配列番号2)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の5’末端側の10〜35塩基の配列を含む、プライマー;
(b)5’−GACGTACGCCCTTCG−3’(配列番号3)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子の3’末端側の10〜35塩基の配列を含む、プライマー;および
(c)5’−AGATATAGGGCATTAAT−3’(配列番号4)を5’末端側に含み、そして3’末端側に、導入される構造遺伝子に機能可能に連結したプロモーター配列の5’末端側の8〜33塩基の配列を含む、プライマー;
からなる群より選択される、前記プライマー。 - MyoD遺伝子を導入される構造遺伝子として含む、組換えアデノウイルスベクター。
- 間葉系幹細胞の筋分化を誘導する方法であって、MyoD遺伝子を導入される構造遺伝子として含む組換えアデノウイルスを間葉系幹細胞に感染させることを含む、前記方法。
- 組換えアデノウイルスを、少なくともMOI=20pfu/cellで感染させる、請求項14に記載の方法。
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