JP2010519203A - 生物活性分子の活性を強化するための組成物及び方法 - Google Patents

生物活性分子の活性を強化するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、1つ以上の送達ビヒクル及び1つ以上の担体分子と一緒に、生物活性分子の活性を強化するための、新規な組成物及び方法に関する。特に本発明は、担体分子を、送達ビヒクル及び興味のある生物活性分子と組合せて使用して、該生物活性分子の活性を強化することを特徴とする。担体分子は、生物学的に不活性(inert)、非活性(inactive)、又は減弱されているか;或いはまた、興味のある生物活性分子と同じか又は異なる方法で、生物学的に活性であってもよい。特に本発明は、種々の生物活性分子を担体分子と一緒に細胞へ到達するのに有用である、カチオン性脂質、マイクロ粒子、及びナノ粒子を含む、新規な粒子形成送達剤であることを特徴とする。本発明はまた、担体分子と一緒に細胞内に送達される、患者又は生体において、遺伝子発現及び/又は活性の調節に応答する形質、疾患、及び症状を、研究、診断、及び治療するための、組成物及び使用法も特徴とする。種々の実施態様において、本発明は、生物活性分子、例えば、抗体(例えば、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体その他)、コレステロール、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、タンパク質、化学治療剤、低分子、ビタミン、コファクター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aキメラ、アロザイム、アプタマー、デコイ及びその類似体、及び、小核酸分子、例えば、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、及び短ヘアピンRNA(shRNA)分子を、例えば患者又は生体中の、関係する細胞及び/又は組織に対し、1つ以上の担体分子と一緒に、効率的にトランスフェクト又は送達する、新規なカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びトランスフェクション剤に関する。1つ以上の担体分子と一緒に使用される、かかる新規なカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びトランスフェクション剤は、例えば、疾患、症状、又は形質を、細胞、患者、又は生体において予防、阻害、又は治療するための組成物の提供において有用である。

Description

本発明は、1つ以上の送達ビヒクル及び1つ以上の担体分子と一緒に、生物活性分子の活性を強化するための、新規な組成物及び方法に関する。特に本発明は、担体分子を、送達ビヒクル及び興味のある生物活性分子と組合せて使用して、該生物活性分子の活性を強化することを特徴とする。担体分子は、生物学的に不活性(inert)、非活性(inactive)、又は減弱されているか;或いはまた、興味のある生物活性分子と同じか又は異なる方法で、生物学的に活性であってもよい。特に本発明は、種々の生物活性分子を担体分子と一緒に細胞へ送達するのに有用である、カチオン性脂質、マイクロ粒子、及びナノ粒子を含む、新規な粒子形成送達剤であることを特徴とする。本発明はまた、担体分子と一緒に細胞内に送達される、患者又は生体において、遺伝子発現及び/又は活性の調節に応答する形質、疾患、及び症状を、研究、診断、及び治療するための、組成物及び使用法も特徴とする。種々の実施態様において、本発明は、生物活性分子、例えば、抗体(例えば、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体その他)、コレステロール、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、タンパク質、化学療法剤、低分子、ビタミン、コファクター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aキメラ、アロザイム、アプタマー、デコイ及びその類似体、及び、小核酸分子、例えば、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、及び短ヘアピンRNA(shRNA)分子を、例えば患者又は生体中の、関係する細胞及び/又は組織に対し、1つ以上の担体分子と一緒に、効率的にトランスフェクト又は送達する、新規なカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びトランスフェクション剤に関する。1つ以上の担体分子と一緒に使用される、かかる新規なカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びトランスフェクション剤は、例えば、疾患、症状、又は形質を、細胞、患者、又は生体において予防、阻害、又は治療するための組成物の提供において有用である。
本発明は、生物活性分子の活性を、インビボ及びインビトロにおいて強化するための、新規な組成物及び方法に関する。特に、本発明は、1つ以上の送達ビヒクル及び1つ以上の担体分子の使用により、例えば上皮組織及び内皮組織において、細胞膜を横切る輸送を促進することにより、細胞に対し、核酸、ポリヌクレオチド、及びオリゴヌクレオチド、例えばRNA、DNA、及びその類似体、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、ホルモン、及び低分子を送達するための、化合物、組成物、及び方法に関する。本発明の化合物、組成物、及び方法は、細胞、組織、及び臓器への生物活性分子の効果的な輸送に依存する、治療、研究、及び診断上の適用において有用である。この議論は、以下の本発明を理解するためにのみ提供されている。この要旨は、以下に記載されたいずれの研究も、クレームされた本発明に対する先行技術であることを認めるものではない。
種々の治療用化合物、例えば抗ウイルス剤及び化学療法剤の細胞送達は、通常、2つの制約によって脅かされる。第1に、多くの治療剤の選択性はしばしば低く、正常な組織に対し高い毒性を生じる結果となる。第2に、生きた細胞内に多くの化合物を輸送することは、細胞の複雑な膜系により高度に制限される。特定のトランスポーターは、栄養物又は調節分子の選択的な輸送を可能にする一方で、核酸及びタンパク質といった外来性分子の殆どを排除する。細胞内への化合物の輸送を改善するため、脂質担体、生分解性ポリマー、及び種々のコンジュゲート系を含む、様々な戦略を使用することができる。
細胞内への外来核酸の輸送を改善するための最も充分に研究されたアプローチは、ウイルスベクター又は、カチオン性脂質及び関連するサイトフェクチンの使用を包含する。ウイルスベクターは、遺伝子をある細胞タイプ内に効率的に輸送するために使用し得るが、一般にそれらは、化学合成された分子を細胞内に導入するために使用することはできない。別のアプローチは、カチオン性脂質を取り入れている送達製剤の使用であり、これは、一方の端で核酸と、そしてもう一方の端で脂質又は膜系と相互作用する(総説については、Felgner,1990,Advanced Drug Delivery Reviews,5,162−187;Felgner,1993,J.Liposome Res.,3,3−16参照)。合成核酸並びにプラスミドは、サイトフェクチンを使用して送達し得るが、かかる化合物の有用性は、細胞タイプ特異性、トランスフェクションの間の低血清の必要性、及び毒性により、しばしば制限される。
生物活性分子を送達するための別のアプローチは、コンジュゲートの使用を包含する。コンジュゲートは、しばしば、ある分子が選択的に特定の細胞内に、例えば、受容体介在性エンドサイトーシスにより、輸送される能力に基づき選択される。興味の化合物を、細胞膜を横切って活発に輸送される分子に結合することにより、その化合物の、細胞又は特定の細胞オルガネラ内への効率的な輸送を実現し得る。別法として、活発な輸送メカニズムなしに細胞膜を貫通し得る分子、例えば、種々の親油性分子を使用して、興味の化合物を送達することができる。コンジュゲートとして利用可能な分子の例は、制限されることなく、ペプチド、ホルモン、脂肪酸、ビタミン、フラボノイド、糖、レポーター分子、レポーター酵素、キレーター、ポルフィリン、インターカレーター、及び、能動輸送又は受動輸送により細胞膜を貫通し得る他の分子を包含する。
特定の細胞タイプ、例えば、癌細胞又は、特定の組織及び臓器に特異的な細胞、に対する化合物の送達は、特定の細胞タイプに関連した受容体を利用することにより達成し得る。高親和性葉酸受容体を含め、特定の受容体が、ある癌性細胞において過剰発現される。例えば、高親和性のフォレート受容体は、腫瘍マーカーであり、これは、乳房、卵巣、子宮頚部、結腸直腸、腎臓、及び鼻咽頭腫瘍を含む、多様な新生物組織において過剰発現されるが、正常組織では、非常に限られた程度に発現される。細胞膜を横切って外来化合物を輸送するための葉酸ベースコンジュゲートの使用は、疾患の治療及び診断のための標的化された送達アプローチをもたらすことができ、かつ治療用化合物の必要用量の低減をもたらすことができる。さらに、治療的バイオアベイラビリティ、薬力学、及び薬物動態学的パラメータは、フォレートバイオコンジュゲートを含む、バイオコンジュゲートの使用により調節し得る。Godwin,1972,J.Biol.Chem.,247,2266−2271は、生物活性プテロイルオリゴ−L−グルタメートの合成を報告している。Habus et al.,1998,Bioconjugate Chem.,9,283−291は、あるオリゴヌクレオチド−フォレートコンジュゲートの固相合成のための方法を記載している。Cook、米国特許第6,721,208号は、特異的なコンジュゲート基で修飾された、あるオリゴヌクレオチドを記載している。特異的オリゴヌクレオチドを含む外来分子の、膜を横切る輸送を促進するための、ビオチン及びフォレートコンジュゲートの使用は、Lowら、米国特許第5,416,016、5,108,921、及び国際PCT公開第WO90/12096号により報告されている。Manoharanら、国際PCT公開第WO99/66063号は、コンジュゲートの核酸成分に結合したホスホロアミダイト基をもつ、特異的な核酸フォレートコンジュゲートを含むあるフォレートコンジュゲート、及びこれらのフォレートコンジュゲートの合成法を記載している。Nomura et al.,2000,J.Org.Chem.,65,5016−5021は、あるタイプのフォレート−ヌクレオシドコンジュゲートの合成において有用な中間体、アルファ−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル]葉酸の合成を記載している。Guzaevら、米国特許第6,335,434号は、あるフォレートオリゴヌクレオチドコンジュゲートの合成を記載している。Vargeeseら、国際PCT公開第WO 02/094185号及び米国特許出願公開第20030130186及び20040110296号は、ある核酸コンジュゲートを記載している。
他の細胞タイプへの送達は、あるタイプの細胞、例えば肝細胞に関連した受容体を利用することにより達成し得る。例えば、受容体介在性エンドサイトーシスを利用する薬剤
送達系は、薬剤標的化並びに薬剤取込み促進を達成するべく使用されてきた。アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)(例えば、Wu and Wu,1987,J.Biol.Chem.,262,4429−4432参照)は、肝細胞に固有であり、そして分枝したガラクトース末端糖タンパク質、例えばアシアロオロソムコイド(ASOR)に結合する。かかる糖タンパク質又は合成グリココンジュゲートの、受容体に対する結合は、オリゴ糖鎖の分枝の程度に強く依存する親和性をもって起こり、例えば、トリアンテナリー型構造は、バイアンテナリー型又はモノアンテナリー型鎖よりも大きい親和性をもって結合される(Baenziger and Fiete,1980,Cell,22,611−620;Connolly et al.,1982,J.Biol.Chem.,257,939−945)。Lee and Lee,1987,Glycoconjugate J.,4,317−328は、ガラクトースに比較してより高い受容体に対する親和性をもつN−アセチル−D−ガラクトサミンを炭水化物基として使用することにより、この高い特異性を得た。この「クラスタリング効果」はまた、マンノシル末端をもつ糖タンパク質又はグリココンジュゲートの、結合及び取込みについても記載されてきた(Ponpipom et al.,1981,J.Med.Chem.,24,1388−1395)。細胞膜を横切って外来化合物を輸送するための、ガラクトース及びガラクトサミンベースコンジュゲートの使用は、HBV及びHCV感染、又は肝細胞癌といった肝疾患の治療のための標的化送達アプローチを提供し得る。バイオコンジュゲートの使用はまた、治療に必要な治療用化合物の必要用量の低減を提供することができる。さらに、治療的バイオアベイラビリティ、薬力学、及び薬物動態学的パラメータは、バイオコンジュゲートの使用により調節可能である。
いくつかの研究グループにより、数多くのペプチドベースの細胞トランスポーターが開発されてきた。これらのペプチドは、インビトロ及びインビボにおいて、高い効率で細胞膜を横切ることができる。かかる膜融合性(fusogenic)ペプチドの例は、ANTENNAPEDIAのホメオドメインの16−アミノ酸フラグメント、ショウジョウバエ(Drosophila)転写因子(Wang et al.,1995,PNAS USA,92,3318−3322);NLSドメインをもつかもたない、カポジ線維芽細胞成長因子のシグナル配列の疎水領域に相当する17量体フラグメント(Antopolskyet al.,1990,Bioconjugate Chem.,10,598−606);カイマンクロコダイルのIg(5)軽鎖の17量体シグナルペプチド配列(Chaloin et al.,1997,Biochem.Biophys.Res.Comm.,243,601−608);HIVエンベロープ糖タンパク質gp4114の17アミノ酸融合配列(Morris et al.,1997,Nucleic Acids Res.,25,2730−2736);HIV−1 Tat49−57フラグメント(Schwarze et al.,1999,Science,285,1569−1572);トランスポータンA−神経ペプチドガラニンのN末端フラグメントと、膜相互作用性スズメバチ毒ペプチド、マストパラレとからなるキメラ27量体(Lindgren et al.,2000,Bioconjugate Chem.,11,619−626);及びインフルエンザウイルス血球凝集素エンベロープ糖タンパク質由来の24量体(Bongartz et al.,1994,Nucleic Acids Res,22,4681−4688)を包含する。これらのペプチドは、アンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチド−ペプチドコンジュゲートの一部として、細胞培養トランスフェクション用に、脂質なしで首尾よく使用された。多くの場合、かかるコンジュゲートは、脂質送達を使用してトランスフェクトされた親オリゴヌクレオチドより良好な細胞培養効率を示した。加えて、ファージディスプレイ技術の使用は、いくつかの臓器標的化及び腫瘍標的化ペプチドをインビボで同定してきた(Ruoslahti,1996,Ann Rev.Cell Dev.Biol.,12,697−715)。ドキソルビシンに対する腫瘍標的化ペプチドのコンジュゲーションは、毒性プロフィールを有意に改善することが示されており、またインビボのネズミ癌モデルMDA−MB−435乳癌において、ドキソルビシンの効果を増強することが示された(Arap et al.,1998,Science,279,377−380)。
生物活性分子の細胞内送達のための別のアプローチは、カチオン性ポリマーの使用を包含する。例えば、Ryserら、国際PCT公開第WO79/00515号は、細胞膜を横切る種々の分子の輸送を増大するための、高分子量リジンポリマーの使用を記載している。Rothbardら、国際PCT公開第WO98/52614号は、生体膜を横切って薬剤及び高分子を輸送するための、ある方法及び組成物を記載しており、これにおいて、薬剤又は高分子は、その少なくとも50%がグアニジノ又はアミジノ側鎖を含有する6から25個までのサブユニットからなる輸送ポリマーに対し、共有結合により結合されている。当該輸送ポリマーは、好ましくは、全てD−、全てL−、又は、D−及びL−アルギニンの混合物からなる、ポリアルギニンペプチドである。Rothbardら、米国特許出願公開第20030082356号は、皮膚、胃腸管、肺上皮、及び血液脳関門を含む、上皮組織を横切る薬剤及び他の薬剤の送達用の、あるポリ−リジン及びポリ−アルギニン化合物を記載している。Wendelら、米国特許出願公開第20030032593号は、あるポリアルギニン化合物を記載している。ロスバードら、米国特許出願公開第20030022831号は、薬剤の眼内送達用の、あるポリ−リジン及びポリ−アルギニン化合物を記載している。コサク、米国特許出願公開第20010034333号は、架橋結合されたカチオン性ポリマー成分を包含する、あるシクロデキストランポリマー組成物を記載している。Beigelmanら、米国特許第6,395,713号;Reynoldsら、国際PCT公開第WO99/04819号;Beigelmanら、国際PCT公開第WO99/05094号;及びBeigelmanら、米国特許出願公開第20030073640号は、ある脂質ベースの製剤を記載している。
生物活性分子の細胞内送達のための別のアプローチは、リポソーム又は他の粒子形成組成物の使用を包含する。1995年の、Banghamによるリポソームの最初の記載(J.Mol.Biol.,13,238−252)以来、薬学的に活性のある化合物の送達のための、脂質ベースの担体系の開発の領域には、持続した興味及び努力があった。リポソームは、それらが生体分子を分解から保護するとともに、その細胞取込みを改善することから、魅力的な薬剤担体である。ポリアニオン(例えば、DNA)を送達するための、最も一般的に使用されるクラスのリポソーム製剤の1つは、カチオン性脂質を含有するものである。脂質集合体は、高分子とともに、カチオン性脂質を単独で、又は他の脂質及び両親媒性物質、例えばホスファチジルエタノールアミンを含めて使用することにより形成し得る。当該技術分野においては、脂質製剤の組成並びにその調製法の双方が、結果として得られるアニオン性高分子−カチオン性脂質集合体の、構造及びサイズに影響を及ぼすことが周知である。これらの因子を調節して、特定の細胞タイプへの、インビトロ及びインビボでのポリアニオンの送達を最適化することができる。生物活性分子の細胞送達のためのカチオン性脂質の使用には、いくつかの利点がある。カチオン性脂質を使用したアニオン性化合物の封入は、静電的相互作用により本質的に定量的である。さらに、カチオン性脂質は、負に帯電した細胞膜と相互作用して、細胞膜輸送を開始させると考えられている(Akhtar et al.,1992,Trends Cell Bio.,2,139;Xu et al.,1996,Biochemistry,35,5616)。
プラスミドDNAを小粒子内に被包し得て、これが脂質二重層のベシクル内に被包された単一のプラスミドからなることを、実験が示してきた(Wheeler et al.,1999,Gene Therapy,6,271−281)。これらの粒子は、典型的には、融合性脂質である、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、低レベルのカチオン性脂質を含有し、かつポリ(エチレングリコール)(PEG)コーティングの存在により、水性媒体中で安定化することができる。これらの粒子は、静脈内(i.v.)注射後に循環持続時間の延長を示すこと、種々の組織及び臓器又は腫瘍では、かかる領域内の血管透過性の増大により選択的に蓄積し得ること、及び、エンドソーム膜の破壊による、リソゾーム性のエンドサイトーシス経路を回避するべく設計可能であることから、全身適用に供される。こうした特性は、実験及び治療適用のための、種々の細胞タイプに対する生物活性分子の送達において有用であってよい。例えば、インビトロ及びインビボにおける、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンス、リボザイム、デコイ、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−A オリゴヌクレオチド、及びアプタマーといった、核酸技術の効果的な使用は、これらの化合物の細胞膜を横切る効果的な送達から恩恵を受けることができる。Lewisら、米国特許出願公開第20030125281号は、siRNA、ある両親媒性化合物、及びあるポリカチオンの組合せからなる、いくつかの組成物を記載している。MacLachlan、米国特許出願公開第20030077829号は、ある脂質ベースの製剤を記載している。MacLachlan、国際PCT公開第WO 05/007196号は、脂質に被包された干渉RNA製剤を記載している。Vargeeseら、国際PCT公開第WO2005007854号は、ポリヌクレオチドの細胞送達用の、あるポリカチオン性組成物を記載している。McSwiggenら、国際PCT公開第WO 05/019453、WO 03/70918、WO 03/74654号、及び米国特許出願公開第20050020525及び20050032733号は、低分子干渉核酸分子(siNA)及び、siNA分子及び他のポリヌクレオチドの送達のための様々な技術を記載している。
さらに、カチオン性脂質に関連した最近の研究は、核酸(又は他のポリアニオン性化合物)とカチオン性脂質とを含んでなる、2つの構造的に異なる複合体の生成を示した(Safinya et al.,1998,Science,281,78−81)。1つの構造は、カチオン性脂質二重層の間にサンドイッチされた核酸の単層をもつ、マルチラメラ構造を含んでなる(「ラメラ構造」)(図13)。2番目の構造は、二次元ヘキサゴナル柱状相構造(「インバーティッドヘキサゴナル構造」)を含んでなり、これにおいて、核酸分子は、ヘキサゴナル構造の構成物中で、カチオン性脂質によって取り囲まれている(図13)。Safinyaらは、インバーティッドヘキサゴナル構造が、ラメラ構造よりもより効率的に哺乳類細胞をトランスフェクトすることを示した。さらに、光学顕微鏡研究は、ラメラ構造を含んでなる複合体が、アニオン性ベシクルに対し、該ベシクルに融合することなく安定に結合するのに対し、インバーティッドヘキサゴナル構造を含んでなる複合体は不安定であり、そして迅速にアニオン性ベシクルに融合し、融合時に核酸を放出することを示した。
ラメラ相からインバーティッドヘキサゴナル相複合体への構造トランスフォーメーションは、インバーティッドヘキサゴナル構造の採用において助けとなる適当なヘルパー脂質を取り入れることによるか、又はヘキサノールのようなコサーファクタントを使用することにより達成される。しかしながら、これらのトランスフォーメーション条件はいずれも、生物系における送達には適さない。さらに、インバーティッドヘキサゴナル複合体は、より大きいトランスフェクション効率を示す一方で、ラメラ複合体に比較して非常に低い血清安定性をもつ。したがって、血清安定性があり、すなわち循環において安定であり、かつ、構造トランスフォーメーションを、例えば、ラメラ相からインバースヘキサゴナル相へ、生体条件下で受け得る送達剤を設計する必要がある。
本出願は、生物活性分子を、1つ以上の担体分子と一緒に全身及び局所に送達するための効率を、有意に改善するための、化合物、組成物及び方法を提供する。中でも、本出願は、循環において安定であり、かつ適当な生理的条件(例えば、pH)下で構造変化を受け、そのことが、1つ以上の担体と一緒の生物活性分子の送達効率を増大させる、新規な送達剤を作成及び使用するための、化合物、組成物、及び方法を提供する。
種々の脂質核酸粒子及びその調製法は、米国特許出願公開第20030077829、20030108886、20060051405、20060083780、20030104044、20060051405、20040142025、200600837880、20050064595、2005/0175682、2005/0118253、20050255153、及び20050008689号;及び米国特許第5,885,613;6,586,001;6,858,225;6,858,224;6,815,432;6,586,410;6,534,484;及び6,287,591号に記載されている。
Vagleら、米国特許出願公開第20060240554号は、生物活性分子の送達用のための、脂質ナノ粒子ベースの組成物及び方法を記載している。
Balmain et al.,1982,Nucleic Acids Res.,10(14),4259−4277は、エタノール沈澱と、それに続く酵母tRNA担体の添加とにより、二本鎖cDNAを単離するための一般法を記載している。
Strain et al.,1985Biochem J.,225(2),529−533は、同調されたCV−1細胞における、高Mr担体DNAによるDNA媒介遺伝子伝達の増強を記載している。
発明の要旨
本発明は、生物活性分子の活性を強化するための、新規な組成物及び方法に関する。特に本発明は、1つ以上の担体分子及び/又は1つ以上の生物活性分子を包含する、送達ビヒクルを含んでなる組成物を特徴とする。本発明の組成物は、生物活性分子の活性及び/又は細胞内送達を強化し、それにより、実質的に低減された生物活性分子の濃度又は用量を用いて、同等の生物活性を提供する。当該担体分子は、生物学的に不活性(inert)、非活性(inactive)、又は減弱されているか;或いはまた、興味のある生物活性分子と同じか又は異なる方法で、生物学的に活性であってもよい。生物活性分子の細胞内送達を強化するための、新規な組成物及び方法は、インビトロ及びインビボ双方の適用において利用可能である。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上の生物活性分子を包含する第1のビヒクルと、1つ以上の担体分子を包含する第2のビヒクルとを、例えば不均一な集団として、含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、第1のビヒクルと第2のビヒクルとは、生物活性分子及び担体分子を除いて同じである(製剤タイプA1と呼ぶ、図1A参照)。さらに別の実施態様においては、第1のビヒクルと第2のビヒクルとは、異なっている(製剤タイプA2と呼ぶ、図1B参照)。1つの実施態様においては、第1のビヒクルは、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上の生物活性分子と1つ以上の担体分子とを包含するビヒクルを、例えば均一な集団として、含んでなる組成物を特徴とする(製剤タイプBと呼ぶ、図2参照)。1つの実施態様においては、当該組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上の担体分子と、1つ以上の生物活性分子を包含するビヒクルとを、例えば不均一な集団として、含んでなる組成物を特徴とする(製剤タイプCと呼ぶ、図3参照)。1つの実施態様においては、当該組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上の担体分子を包含する第1の製剤と、1つ以上の生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、他の核酸分子、及び/又は本明細書に記載の他の生物活性分子)を包含する第2の製剤、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えばPEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲートを含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、第1及び/又は第2の製剤は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。別の実施態様においては、第1及び/又は第2の製剤は、さらに、アルコール又は界面活性剤を含んでなる。別の実施態様においては、第1及び/又は第2の製剤は、さらに、リネオイル(lineoyl)アルコールを含んでなる。この組成物は、全般的に本明細書において、LNP製剤タイプAと呼ばれる(図4参照)。1つの実施態様においては、第2の製剤は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上の担体分子、1つ以上の生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、他の核酸分子、及び/又は本明細書に記載の他の生物活性分子)、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えばPEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲートを包含する製剤を含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該製剤はさらに、コレステロールまたはコレステロール誘導体を含んでなる。別の実施態様においては、該製剤はさらに、アルコール又は界面活性剤を含んでなる。1つの実施態様においては、該製剤はさらに、リネオイルアルコールを含んでなる。この組成物は、全般的に本明細書において、LNP製剤タイプBと呼ばれる(図5参照)。1つの実施態様においては、該組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上の担体分子と、1つ以上の生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、他の核酸分子、及び/又は本明細書に記載の他の生物活性分子)、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えばPEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲートを包含する製剤、とを含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該製剤はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。別の実施態様においては、該製剤はさらに、アルコール又は界面活性剤を含んでなる。別の実施態様においては、該製剤はさらに、リネオイルアルコールを含んでなる。この組成物は、全般的に本明細書において、LNP製剤タイプCと呼ばれる(図6参照)。1つの実施態様においては、該組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の生物活性分子は、1つ以上のヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aキメラ、アロザイム、アプタマー、デコイ及、又は小核酸分子(低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)、RNAi阻害剤分子、及び/又はそれらの任意の組合せを包含する)を含んでなる(例えば、PCT/US06/032168(その記載全体が参考として本明細書に含まれる)を参照)。
1つの実施態様においては、本発明の生物活性分子は、1つ以上の抗体(モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体など)、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、タンパク質、ワクチン、抗生物質、化学療法剤、低分子、ビタミン、及び/又はコファクターを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の担体分子は、1つ以上の脂質(例えば、カチオン性脂質、中性脂質)、ペプチド、タンパク質、ステロイド(例えば、コレステロール、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココーチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチソール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、及び/又は成長ホルモン)、低分子、ビタミン、コファクター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド(例えば、単鎖、二本鎖、又は三本鎖)、及び/又は、当該技術分野において一般に認められるポリマー、又はそれらの任意の組合せを含んでなる。1つの実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドベースの担体分子は、例えば、長さ約2ないし約100,000塩基の、単鎖RNA又はDNA分子;例えば、長さ約2ないし約100,000塩基対の、二本鎖RNA又はDNA分子、又は、例えば、長さ約2ないし約100,000塩基対の、三本鎖RNA又はDNA分子を包含する、1つ以上の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドベースの担体分子は、非ヒト精子DNAのような、様々な種に由来する非ヒトDNA、を含んでなる(例えば、サケ精子DNAを記載しているJP63102682を参照)。別の実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドベースの担体分子は、非ヒトtRNAのような、様々な種に由来する非ヒトRNAを含んでなる。1つの実施態様においては、ポリヌクレオチド担体分子は、本明細書に記載の低分子干渉核酸(siNA)分子である。別の実施態様においては、ポリヌクレオチド担体分子は、標的核酸分子(これは、同じ組成物中の生物活性分子によって標的とされる)に対し相補的ではない。例えば、本発明の生物活性分子が標的ポリヌクレオチド配列に相補性をもつsiNAを含んでなる場合には、本発明の組成物において利用される核酸ベースの担体分子は、該標的ポリヌクレオチド配列に対し相補性をもたない配列からなる。1つの実施態様においては、本発明の担体分子は、本発明の製剤の成分である。
1つの実施態様においては、本発明の二本鎖担体分子を設計して、RISC−ローディング(積み込み)の良好な基質ではないようにする。例えば、二本鎖担体分子を化学的に修飾し、例えば、1つ以上の末端キャップ成分(例えば、二本鎖担体分子の一方又は双方の鎖の、5’末端、3’末端、又は、5’及び3’双方の末端)の取込みによるか、又は、二本鎖担体分子の1つ以上のヌクレオチドの化学修飾(例えば、2’−O−アルキル、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、又は本明細書の任意の別の修飾を含む、2’−置換ヌクレオチドの取込み)により、RISCの基質ではないようにすることができる。別の実施態様においては、二本鎖担体分子は、例えば、該二本鎖担体分子の一方又は双方の末端において1つ以上の塩基対のTmを上げることにより、その配列がRISC−ローディングを受けにくいように設計される。
1つの実施態様においては、本発明のビヒクルは、1つ以上のトランスフェクション剤、リポソーム、マイクロ粒子、ナノ粒子、カプシド、ウイロイド、ビリオン、ウイルス様粒子(VLP)、タンパク質ケージ、フェリチン、ヒドロゲル、又は、本明細書に記載の、若しくは当該技術分野において一般に認められたポリマーを含んでなる組成物である。
1つの実施態様においては、本発明のビヒクルは、1つ以上の脂質ナノ粒子又はLNP組成物を含んでなり、例えば、本明細書(例えば表IV)及び、米国特許出願公開第20060240554号及び2006年10月24日出願のUSSN 11/586,102(これら双方は、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載のLNP組成物を参照のこと。
1つの実施態様においては、本発明のビヒクルは、1つ以上の安定な核酸粒子またはSNALP組成物を含んでなり、例えば、国際PCT公開第WO2007012191号及び米国特許出願公開第2006083780、2006051405号、US2005175682、US2004142025、US2003077829、US2006240093(これらは全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)を参照のこと。
1つの実施態様においては、本発明のビヒクルは、国際PCT公開第WO2005105152及びWO2007014391号、及び米国特許第7,148,205、7,144,869、7,138,382、7,101,995、7,098,032、7,098,030、7,094,605、7,091,041、7,087,770、7,071,163、7,049,144、7,049,142、7,045,356、7,033,607、7,022,525、7,019,113、7,015,040、6,936,729、6,919,091、6,897,068、6,881,576、6,872,519、6,867,196、6,818,626、6,794,189、6,740,643、6,740,336、6,706,922、6,673,612、6,630,351、6,627,616、6,593,465、6,458,382、6,429,200、6,383,811、6,379,966、6,339,067、6,265,387、6,262,252、6,180,784、6,126,964、6,093,701、及び5,744,335号(これらは全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された、1つ以上の送達系を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のビヒクルは、1つ以上のペプチド又はペプチド関連送達系を含んでなり、例えば、米国特許出願公開第20060040882、20050136437、20050031549、及び20060062758号(これらは全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)参照。
1つの実施態様においては、本発明のビヒクルは、タンパク質、例えばアルブミン、コラーゲン、及びゼラチン;多糖類、例えばデキストラン及びデンプン;及び、ポリラクチド(PLA),ポリグリコリド(PGA)、ラクチド−グリコリドコポリマー(PLG)、ポリ(乳酸−グリコール酸)共重合体(PLGA)、ポリカプロラクトン、ラクチド−カプロラクトンコポリマー、ポリヒドロキシブチラート、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、アクリラートポリマー及びコポリマー、例えば、メチルメタクリラート、メタクリル酸、ヒドロキシアルキルアクリラート及びメタクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、アクリルアミド及び/又はビスアクリルアミド、セルロースベースポリマー、エチレングリコールポリマー及びコポリマー、オキシエチレン及びオキシプロピレンポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、及び/又はそれらの任意の組合せを含む、マトリックス形成組成物を含んでなる。
種々の実施態様において、本発明は、生物活性分子、例えば抗体(例えば、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体など)、コレステロール、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、タンパク質、化学療法剤、低分子、ビタミン、コファクター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aキメラ、アロザイム、アプタマー、デコイ及びその類似体、及び、小核酸分子、例えば、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、及び短ヘアピンRNA(shRNA)分子を、例えば患者又は生体中の、関係する細胞及び/又は組織に対し、1つ以上の担体分子と一緒に、効率的にトランスフェクト又は送達する、新規なカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びトランスフェクション剤に関する。
1つの実施態様においては、本発明は、種々の生物活性分子の、生体系、例えば細胞内への送達を促進するための、担体化合物、組成物、及び方法であることを特徴とする。本発明により提供される担体化合物、組成物、及び方法は、細胞膜を横切るか、又は上皮若しくは内皮組織の1つ以上の層を横切る、治療用化合物の輸送を強化することにより、治療活性を付与し得る。かかる担体化合物、組成物、及び方法の使用は、生物活性分子の細胞内送達の強化を可能にし、したがって、実質的に低用量の活性化合物の使用を可能にするか、或いはまた、より少ない副作用でより高い用量を可能にする。
1つの実施態様においては、本発明は、制限されることなく、低分子、脂質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、抗体、毒素、負に帯電したポリマー、及び他のポリマー、例えば、タンパク質、ペプチド、ホルモン、炭水化物、又はポリアミンを含む生物活性分子の、1つ以上の担体化合物又は組成物と一緒の、細胞膜を横切る送達のための、新規薬剤の設計及び合成を包含する。本発明の化合物及び方法を用いて細胞膜を横切って送達し得るポリヌクレオチドの非限定的な例は、低分子干渉核酸(siNA)(これはsiRNAを包含する)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、酵素的核酸分子、2’、5’−オリゴアデニレート、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、アプタマー、デコイ、及び遺伝子療法適用のためのcDNAを包含する。一般に、記載されたトランスポーターは、個別に、又は多成分系の一部として、分解可能なリンカーを用いるか又は用いずに使用するべく設計される。本発明化合物は、組成物中に製剤された場合、種々の組織に由来する多くの細胞タイプ内への、血清の存在下又は非存在下での送達を改善することが期待される。
本発明の化合物、組成物、及び方法は、生物活性物質(例えば、siNA、siRNA、miRNA、siRNA及びmiRNA阻害剤、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ホルモン、抗体、及び低分子)を、細胞へ、又は、上皮及び内皮組織、例えば、皮膚、粘膜、血管組織、胃腸組織、血液脳関門組織、眼科的組織、肺組織、肝組織、心臓組織、腎組織その他を横切って送達するのに有用である。本発明の化合物、組成物、及び方法は、投与の特定部位への送達用のため及び全身送達のための双方に使用可能である。
本発明の化合物、組成物、及び方法は、細胞又は組織への、生物活性物質(例えば、siNA、siRNA、miRNA、siRNA及びmiRNA阻害剤、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ホルモン、抗体、及び低分子)の送達またはアベイラビリティを、本発明の化合物、組成物、及び方法を用いない分子送達に比較して、増大することができる。すなわち、本発明の化合物、及び組成物の存在下では、細胞、組織、又は生体の内側の生物活性分子のレベルは、本発明の化合物、組成物の不在下に比較して、増大される。
1つの態様においては、本発明は、新規なカチオン性脂質、トランスフェクション剤、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びそれらのを1つ以上の担体分子と一緒に生物活性分子を用いた製剤であること特徴とする。別の実施多様においては、本発明は、患者又は生体において、遺伝子発現及び/又は活性の調節に応答する、形質、疾患、及び症状を、研究、診断、及び治療するための、組成物、及び使用法であることも特徴とする。別の実施態様においては、本発明は、新規なカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子トランスフェクション剤及び、小核酸分子、例えば、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、及び短ヘアピンRNA(shRNA)分子、及びその阻害剤(RNAi阻害剤)を、例えば患者又は生体中の、関係する細胞及び/又は組織に対し、1つ以上の担体分子と一緒に、効率的にトランスフェクト又は送達する製剤であることを特徴とする。かかる新規な製剤は、担体組成物、カチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、トランスフェクション剤を含んでなり、かつ製剤は、例えば、本明細書に記載の、細胞、患者又は生体における疾患、症状、又は形質を、予防、阻害、又は治療するための組成物の提供において有用である。
1つの態様においては、本発明は、種々のカチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、トランスフェクション剤、及び、1つ以上の担体分子と一緒に、RNA干渉(RNAi)により、例えば患者又は生体内の、細胞、組織において、標的遺伝子の発現又は活性を調節する、化学修飾された合成低分子干渉核酸(siNA)分子及び/又はRNAi阻害剤の、送達用の製剤であることを特徴とする。化学修飾されたsiNAの使用は、インビボのヌクレアーゼ分解に対する増大された抵抗性、改善された細胞取込み、及び改善されたインビボの薬物動態学的性質により、天然siRNA分子の種々の特性を改善する。担体分子の使用は、細胞取込み、フソジェニシティ(fusogenicity)、及び/又は、治療用ペイロード(例えばsiNA)のエンドソーム放出を改善し、したがって、インビトロ及び/又はインビボでの同じ治療効果を、より少ない活性治療組成物の投与量で可能にする。本発明の担体分子、カチオン性脂質、マイクロ粒子、ナノ粒子、トランスフェクション剤、製剤、及び、siNA分子及びRNAi阻害剤は、様々な治療、獣医学、診断、標的確認、ゲノム発見、遺伝子工学、及びファーマコゲノミクスに応用するための、有用な試薬及び方法を提供する。
1つの態様においては、本発明は、タンパク質、例えば、疾患、形質、又は症状、例えば肝臓の疾患、形質、又は症状の、維持及び/又は発生に関連するタンパク質、をコードしている標的遺伝子の発現を、独立して又は組合せて調節する、組成物及び方法であることを特徴とする。これらの遺伝子は、本明細書では全般的に、標的遺伝子と呼ばれる。かかる標的遺伝子は、当該技術分野において一般的に知られており、かかる遺伝子の転写物は、一般に、ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号により参照され、例えば、国際PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、及び米国特許出願第10/923,536号を参照のこと(これらはともに参考として本明細書に含まれる)。本発明の種々の態様及び実施態様についての以下の記載は、例示的な標的遺伝子及び標的遺伝子転写物について提供されている。しかしながら、種々の態様及び実施態様はまた、他の標的遺伝子、例えば遺伝子ホモローグ、遺伝子転写物バリアント、及び、ある標的遺伝子に関連した遺伝子多形(例えば、単一ヌクレオチド多形(SNP)にも関係している。すなわち、種々の態様及び実施態様はまた、例えば、疾患、形質、又は症状の、維持及び/又は発生に関連している、シグナル伝達又は遺伝子発現の経路に関与する別の遺伝子にも関係している。これらの付加的な遺伝子は、本明細書の標的遺伝子について記載された方法を使用して、標的部位について分析し得る。したがって、他の遺伝子の調節及び、他の遺伝子のかかる調節の効果は、本明細書に記載のように実施、判定、及び測定し得る。
1つの実施態様においては、本発明は、各々が約10nmないし1000nmのサイズを有している、第1の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクル、及び第2の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物を特徴とし、これにおいて:第1のビヒクルはさらに、1つ以上の生物活性分子を含んでなり;第2のビヒクルはさらに、1つ以上の担体分子を含んでなり;かつ各々のビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなる。1つの実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、同じ組成の脂質成分を含んでなる。別の実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、異なる組成の脂質成分を含んでなる。1つの実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’、6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる。1つの実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、さらにリノレイルアルコールを含んでなる。別の実施態様においては、CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールは、約43/36/10/4/7のモル比を有する。別の実施態様においては、脂質ナノ粒子は、50ないし500nm、又は100ないし200nmのサイズを有する。
1つの実施態様においては、本発明は、約10nmないし約1000nmのサイズを有する脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物を特徴とし、これにおいて:ビヒクルはさらに、1つ以上の生物活性分子を含んでなり;ビヒクルはさらに、1つ以上の担体分子を含んでなり;かつ該脂質ナノ粒子ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルは、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’、6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルはさらに、リノレイルアルコールを含んでなる。別の実施態様においては、CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールは、約43/36/10/4/7のモル比を有する。別の実施態様においては、脂質ナノ粒子は、50ないし500nm、又は100ないし200nmのサイズを有する。1つの実施態様においては、組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、約10nmないし約1000nmのサイズを有する脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物を特徴とし、これにおいて:ビヒクルはさらに、1つ以上の生物活性分子を含んでなり;組成物はさらに、1つ以上の担体分子を含んでなり;かつ脂質ナノ粒子ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルは、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’、6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルはさらに、リノレイルアルコールを含んでなる。別の実施態様においては、CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールは、約43/36/10/4/7のモル比を有する。別の実施態様においては、脂質ナノ粒子は、50ないし500nm、又は100ないし200nmのサイズを有する。1つの実施態様においては、組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なる生物活性分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、各々が約10nmないし1000nmのサイズを有している、第1の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルと、第2の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルとを含んでなる組成物を特徴とし、これにおいて:第1のビヒクルはさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長を有しているセンス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、アンチセンス鎖は、哺乳類のRNA配列に相補的な15ないし30個のヌクレオチドを含んでなり、かつセンス鎖は、前記哺乳類のRNA配列の15ないし30個のヌクレオチドを含んでなり;第2のビヒクルはさらに、前記哺乳類のRNA配列に相補的ではない、少なくとも15ヌクレオチドの核酸配列を含んでなる1つ以上の担体分子を含んでなり;かつ各ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなる。1つの実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、同じ組成の脂質成分を含んでなる。別の実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、異なる組成の脂質成分を含んでなる。1つの実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルは、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’、6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる。1つの実施態様においては、各脂質ナノ粒子ビヒクルはさらに、リノレイルアルコールを含んでなる。別の実施態様においては、CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールは、約43/36/10/4/7のモル比を有する。別の実施態様においては、該脂質ナノ粒子は、50ないし500nm、又は100ないし200nmのサイズを有する。1つの実施態様においては、組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なるsiNA分子を、例えばカクテルとして含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、約10nmないし約1000nmのサイズを有している、脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物を特徴とし、これにおいて:該ビヒクルはさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長を有している、センス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、アンチセンス鎖は、哺乳類のRNA配列に相補的な15ないし30個のヌクレオチドを含んでなり、かつセンス鎖は、前記哺乳類のRNA配列の15ないし30個のヌクレオチドを含んでなり;該ビヒクルはさらに、前記哺乳類のRNA配列に相補的ではない、少なくとも15ヌクレオチドの核酸配列を含んでなる1つ以上の担体分子を含んでなり;かつ脂質ナノ粒子ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルは、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’、6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルはさらに、リノレイルアルコールを含んでなる。別の実施態様においては、CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールは、約43/36/10/4/7のモル比を有する。別の実施態様においては、脂質ナノ粒子は、50ないし500nm、又は100ないし200nmのサイズを有する。1つの実施態様においては、組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なるsiNA分子を、例えばカクテルとして含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、約10nmないし約1000nmのサイズを有している、脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物を特徴とし、これにおいて:ビヒクルはさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長を有している、センス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、アンチセンス鎖は、哺乳類のRNA配列に相補的な15ないし30個のヌクレオチドを含んでなり、かつ該センス鎖は、前記哺乳類のRNA配列の15ないし30個のヌクレオチドを含んでなり;組成物はさらに、前記哺乳類のRNA配列に相補的ではない、少なくとも15ヌクレオチドの核酸配列を含んでなる1つ以上の担体分子を含んでなり;かつ脂質ナノ粒子ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルは、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’、6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる。1つの実施態様においては、脂質ナノ粒子ビヒクルはさらに、リノレイルアルコールを含んでなる。別の実施態様においては、CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールは、約43/36/10/4/7のモル比を有する。別の実施態様においては、該脂質ナノ粒子は、50ないし500nm、又は100ないし200nmのサイズを有する。1つの実施態様においては、組成物は、少なくとも2つの(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の)異なるsiNA分子を、例えばカクテルとして含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(例えば、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールであり、この化合物は、本明細書では全般的に、CLinDMA又は、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパンと呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLIV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R1及びR2は、メチルであり、そしてR3及びR4は、オレイルであり、この化合物は、本明細書では全般的に、DMOBA又は、N,N−ジメチル−3,4−ジオエレイルオキシベンジルアミンと呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLVI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLVII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLVIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;そして、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R1及びR2は、メチルであり、そしてR3及びR4は、リノルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLIX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバメート カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXIIa又はCLXIIb:
Figure 2010519203
[式中、R0及び、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXIVa及びCLXIVb:
Figure 2010519203
[式中、R0及び、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lはリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;Lは、リンカーであり、そして各R3は、独立して、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、コレステロールであり、そしてLは、ブチルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXVI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;各Lは、リンカーであり、その構造は、他のLとは独立しており、そして各R3は、独立して、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、R3は、コレステロールであり、そしてLは、ブチルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXVII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり、そしてR3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、そしてR3は、リノイルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXVIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各R1及びR2は、メチルであり、そしてR3は、リノイルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXIX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、そしてLはリンカーである]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。である。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXIV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、そしてLはリンカーである]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。である。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、そしてLはリンカーである]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。である。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXVI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXVII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、そしてLはリンカーである]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。である。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又はポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXVIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXIX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素であり;R3及びR4は、それぞれ独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1及びR2は、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3又はR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXX:
Figure 2010519203
[式中、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立してリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はない、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(例えば、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXI:
Figure 2010519203
[式中、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立してリンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXII:
Figure 2010519203
[式中、各R1、R2、及びR5は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1、R2、及びR5は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXIV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXV:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXVI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXVII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXVIII:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXIX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXX:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXXI:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、各々独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、各R1及びR2は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルであり、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、独立して、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXXII:
Figure 2010519203
[式中、R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、各Lは、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、各Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXXIII:
Figure 2010519203
[式中、各R3及びR4は、独立して、C8−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、エーテル、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、ドデシル(C12)である。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXXIV:
Figure 2010519203
[式中、各R3及びR4は、独立して、C8−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、エーテル、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、ドデシル(C12)である。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXXV:
Figure 2010519203
[式中、各R3及びR4は、独立して、C8−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、エーテル、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、ドデシル(C12)である。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、本発明は、式CLXXXXVI:
Figure 2010519203
[式中、各R3及びR4は、独立して、C8−C24脂肪族炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよく、そして各Lは、独立して、リンカーであり、これらは、存在してもしなくてもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ジスルフィド結合があるか又はないポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、エーテル、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、ドデシル(C12)である。1つの実施態様においては、R3及びR4は、オレイルである。
1つの実施態様においては、CLIないしCLXXXXVIの任意の化合物は、生分解性の結合、例えば:
Figure 2010519203
といったジスルフィド結合を、Lとして包含する。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLI:
Figure 2010519203
[式中、R1は、H、OH、又は、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lは、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1はOH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(例えば、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1は、OHであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLII:
Figure 2010519203
[式中、R1は、H、OH、又は、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lは、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1は、OHであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLIII:
Figure 2010519203
[式中、R1は、H、OH、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;そして各R3及びR4は、独立して、C12−C24脂肪族飽炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R1は、OHであり、そしてR3及びR4は、オレイルであり、この化合物は、本明細書では全般的に、DOBA又は、ジオレイルオキシベンジルアルコールと呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLIV:
Figure 2010519203
[式中、R1は、H、OH C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lは、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1は、OHであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLV:
Figure 2010519203
[式中、R1は、H、OH、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lは、リンカーであり、そしてR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3は、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R4は、コレステロールである。1つの実施態様においては、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、Lは、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。1つの実施態様においては、R1は、OHであり、R3は、リノイルであり、Lは、ブチルであり、そしてR4は、コレステロールである。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLVI:
Figure 2010519203
[式中、R1は、H、OH、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;R3は、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、Lは、リンカーである]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。1つの実施態様においては、各Lは、独立して、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコールリンカーである。別の実施態様においては、各Lは、独立して、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニルリンカーである。
1つの実施態様においては、本発明は、式NLVII:
Figure 2010519203
[式中、R1は、独立して、H、OH、C1−C10アルキル、アルキニル、又はアリール炭化水素又若しくはアルコールであり;R3及びR4は、各々独立して、C9−C24脂肪族飽和又は不飽和炭化水素であり、これらは、同じか又は異なってもよい]を有する化合物を特徴とする。1つの実施態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルか、或いはその対応するアルコールである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、それぞれ独立して、リノイル、イソステアリル、オレイル、エライジル、ペトロセリニル、リノレニル、エラエオステアリル、アラキジル、ミリストイル、パルミトイル、又はラウロイルである。1つの実施態様においては、R3及びR4は、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロイドホルモン、又は胆汁酸である。
1つの実施態様においては、式CLI−CLXIV、CLXVII−CLXXII、CLXXVI、及びCLXXVIII−CLXXXIXを有する任意の化合物の、各O−R3及び/又はO−R4は、さらにリンカーLを含んでなり(例えば、ここで、上記に示された−O−R3及び/又は−O−R4は、−O−L−R3及び/又は−O−L−R4である)、これにおいて、Lは、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、又は、ポリエチレングリコール、アセタール、アミド、スクシニル、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又は、当該技術分野において一般に知られている他のリンカーである。
1つの実施態様においては、本発明の製剤(例えば、本発明の製剤分子組成物(FMC)又は脂質ナノ粒子(LNP))は、式NLI−NLVIIのいずれかを有する中性脂質である。
ステロイドホルモンの例は、コレステロール、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココーチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチソール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、及び/又は成長ホルモンを含んでなるものを包含する。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、他の核酸分子、及び/又は本明細書に記載の他の生物活性分子)、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えば、PEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲートを含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。本明細書に記載の組成物は、全般的に、製剤分子組成物(FMC)、又は脂質ナノ粒子(LNP)と呼ばれる。本発明のある実施例においては、製剤分子組成物(FMC)、又は脂質ナノ粒子(LNP)組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
適当なカチオン性脂質は、選択されたpH、例えば生理的pHにおいて、正味の負電荷をもつカチオン性脂質を包含する。特に有用なカチオン性脂質は、比較的小さい頭部基、例えば、第三級アミン、第四級アミン、又はグアニジン頭部基、及び立体障害性の非対称脂質鎖を有するものを包含する。本明細書に記載の任意の実施態様においては、カチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXII、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXII、CLXXXXIII、CLXXXXIV、CLXXXXV、CLXXXXVI;CLXXXXIII;CLXXXXIV;CLXXXXV;CLXXXXVI;N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DODAP)、1,2−ジオレオイルカルバミル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DOCDAP)、1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLINDAP)、ジオレオイルオキシ−N−[2−スペルミンカルボキサミド)エチル}−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセタート(DOSPA)、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、DC−Chol、1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2−[5’−(コレスタ−5−エン−3β−オキシ)−3’−オキサペントキシ)−3−ジメチル−1−(シス,シス−9’,12’−オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、1,2−N,N’−ジオレイルカルバミル−3−ジメチルアミノプロパン(DOcarbDAP)、及び/又はそれらの混合物、並びに、類似の性質を共有する他のカチオン性脂質、を含んでなるものから選択し得る。上記のカチオン性脂質は、当該技術分野において既知の、種々の異なる塩を包含し得る。これらのカチオン性脂質の非限定的な例は、図7ないし11に示されている。
ある実施態様においては、カチオン性脂質の頭部基は、切断可能又は切断不能のリンカー、例えば、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別のリンカーを介して、脂質に結合し得る。適当なリンカーの非限定的な例は、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニル、を含んでなるものを包含する。
適当な中性脂質は、安定な複合体を産生し得る、任意の多様な中性非荷電性、両性イオン性、又はアニオン性脂質を含んでなるものを包含する。それらは、好ましくは中性であるが、択一的に正又は負に帯電し得る。本明細書に記載の任意の実施態様においては、適当な中性脂質は、式NLIないしNIVIIを有する化合物、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、及びジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシラート(DOPE−mal)、コレステロール、並びに、以下の本明細書に記載の他の中性脂質、及び/又はそれらの混合物、から選択されるものを包含する。
適当なポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール、又はポリエチレングリコール−ジアシルグリカミド(PEG−DAG)のコンジュゲートは、独立して約C4ないし約C40の飽和又は不飽和炭素原子を含んでなるアルキル鎖長を有する、ジアルキルグリセロール又はジアルキルグリカミド基を含んでなるものを包含する。該ジアルキルグリセロール又はジアルキルグリカミド基は、さらに、1つ以上の置換アルキル基を含んでいてもよい。本明細書に記載の任意の実施態様において、該PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C−16)、PEG−ジステリルグリセロール(C18)、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、及びPEG−ジステリルグリカミド(C18)、PEG−コレステロール(1−[8’−(コレスタ−5−エン−3β−オキシ)カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)、及びPEG−DMB(3,4−ジテトラデコキシルベンジル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)エーテル)、から選択し得る。
1つの実施態様においては、本発明は、本明細書の、L051、L053、L054、L060、L061、L069、L073、L077、L080、L082、L083、L086、L097、L098、L099、L100,L101、L102、L103、L104、L105、L106、L107、L108、L109、L110、L111、L112、L113、L114、L115、L116、L117、L118、L121、L122、L123、L124、L130、L131、L132、L133、L134、L149、L155、L156、L162、L163、L164、L165、L166、L167、L174、L175、L176、L180、L181、及び/又はL182(表IV参照)として製剤された、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)を含んでなる組成物を特徴とする。
他の適当なPEGコンジュゲートは、PEG−コレステロール又はPEG−DMBコンジュゲートを包含する。1つの実施態様においては、PEGコンジュゲートは、飽和又は不飽和脂質鎖、例えば、オレイル、リノレイル、及び類似の脂質鎖に結合したPEGを包含する。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、任意の式CLIないしCLXXXXVIを有するカチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−DAG(すなわち、ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール、又はポリエチレングリコール−ジアシルグリカミド)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲートを含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。別の実施態様においては、該組成物は、本明細書の、L051、L053、L054、L060、L061、L069、L073、L077、L080、L082、L083、L086、L097、L098、L099、L100,L101、L102、L103、L104、L105、L106、L107、L108、L109、L110、L111、L112、L113、L114、L115、L116、L117、L118、L121、L122、L123、L124、L130、L131、L132、L133、L134、L149、L155、L156、L162、L163、L164、L165、L166、L167、L174、L175、L176、L180、L181、及び/又はL182(表IV参照)として製剤される。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−n−ジミリスチルグリセロール(PEG−DMG)を含んでなるPEG−DAG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、CLinDMA:DSPC:コレステロール:PEG−DMGのモル比は、それぞれ48:40:10:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤L051と呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−n−ジミリスチルグリセロール(PEG−DMG)を含んでなるPEG−DAG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、DMOBA:DSPC:コレステロール:PEG−DMGのモル比は、それぞれ30:20:48:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤L053と呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−n−ジミリスチルグリセロール(PEG−DMG)を含んでなるPEG−DAG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、DMOBA:DSPC:コレステロール:PEG−DMGのモル比は、それぞれ50:20:28:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤L054と呼ばれる。別の実施態様においては、該組成物はさらに、中性脂質、例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)を含んでなるカチオン性脂質、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−n−ジミリスチルグリセロール(PEG−DMG)を含んでなるPEG−DAG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、CLinDMA:DMOBA:DSPC:コレステロール:PEG−DMGのモル比は、それぞれ25:25:20:28:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤L073と呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−コレステロール(PEG−Chol)を含んでなるPEG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、CLinDMA:DSPC:コレステロール:PEG−Cholのモル比は、それぞれ48:40:10:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤L069と呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、1,2−N,N’−ジオレイルカルバミル−3−ジメチルアミノプロパン)(DOcarbDAP)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−n−ジミリスチルグリセロール(PEG−DMG)を含んでなるPEG−DAG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、DOcarbDAP:DSPC:コレステロール:PEG−DMGのモル比は、それぞれ30:20:48:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤T018.1と呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)を含んでなるカチオン性脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を含んでなる中性脂質、PEG−n−ジミリスチルグリセロール(PEG−DMG)を含んでなるPEG−DAG、及びコレステロールを含んでなる組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、DODMA:DSPC:コレステロール:PEG−DMGのモル比は、それぞれ30:20:48:2であり、この組成物は、本明細書では全般的に製剤T019.1と呼ばれる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)と、任意の
式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXII、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXII、CLXXXXIII、CLXXXXIV、CLXXXXV、CLXXXXVI、CLXXXXIII、CLXXXXIV、CLXXXXV、又はCLXXXXVIを有する化合物を含んでなるカチオン性脂質と、を含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該組成物はさらに、中性脂質、例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでなる。別の実施態様においては、該組成物はさらに、PEGコンジュゲートを含んでなる。なお別の実施態様においては、該組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)と、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)を含んでなるカチオン性脂質と、を含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該組成物はさらに、中性脂質、例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでなる。別の実施態様においては、該組成物はさらに、PEG−コンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB)を含んでなる。なお別の実施態様においては、該組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)と、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)とを含んでなるカチオン性脂質と、を含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、該組成物はさらに、中性脂質、例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでなる。なお別の実施態様においては、該組成物はさらに、カチオン性脂質CLinDMAを含んでなる。別の実施態様においては、該組成物はさらに、PEGコンジュゲートを含んでなる。なお別の実施態様においては、該組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のカチオン性脂質は、選択されたpH、例えば生理的pHでは正味の負電荷をもつカチオン性脂質を包含する。特に有用なカチオン性脂質は、比較的小さい頭部基、例えば、第三級アミン、第四級アミン、又はグアニジン頭部基、及び立体障害性の非対称脂質鎖を有するものを包含する。本明細書に記載の任意の実施態様においては、該カチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXII、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXII、CLXXXXIII、CLXXXXIV、CLXXXXV、CLXXXXVI(USSN 11/586,102参照);N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DODAP)、1,2−ジオレオイルカルバミル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DOCDAP)、1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLINDAP)、ジオレオイルオキシ−N−[2−スペルミンカルボキサミド)エチル}−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセタート(DOSPA)、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、DC−Chol、1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2−[5’−(コレスタ−5−エン−3β−オキシ)−3’−オキサペントキシ)−3−ジメチル−1−(シス,シス−9’,12’−オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、1,2−N,N’−ジオレイルカルバミル−3−ジメチルアミノプロパン(DOcarbDAP)、及び/又はそれらの混合物、並びに、類似の性質を共有する他のカチオン性脂質、を含んでなるものから選択し得る。
上記のカチオン性脂質は、当該技術分野において既知の、種々の異なる塩を包含し得る。これらのカチオン性脂質の制限されない例は、USSN 11/586,102に示されている。
ある実施態様においては、カチオン性脂質の頭部基は、切断可能又は切断不能のリンカー、例えば、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別のリンカーを介して、脂質に結合し得る。適当なリンカーの非限定的な例は、C1−C10アルキル、アルキルエーテル、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、アセタール、アミド、カルボニル、カルバミド、カルバメート、カルボナート、エステル(すなわち、モノエステル、ジエステル)、又はスクシニル、を含んでなるものを包含する。
1つの実施態様においては、本発明の中性脂質は、安定な複合体を産生し得る、多様な中性非荷電性、両性イオン性、又はアニオン性脂質のいずれかを含んでなるものを包含する。それらは、好ましくは中性であるが、択一的に正又は負に帯電し得る。本明細書に記載の任意の実施態様においては、適当な中性脂質は、式NLIないしNIVIIを有する化合物、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、及びジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシラート(DOPE−mal)、コレステロール、並びに以下の本明細書に記載の他の中性脂質、及び/又はそれらの混合物、から選択されるものを包含する。
1つの実施態様においては、本発明のポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール、又はポリエチレングリコール−ジアシルグリカミド(PEG−DAG)のコンジュゲートは、独立して約C4ないし約C40の飽和又は不飽和炭素原子を含んでなるアルキル鎖長を有する、ジアルキルグリセロール又はジアルキルグリカミド基を含んでなるものを包含する。該ジアルキルグリセロール又はジアルキルグリカミド基は、さらに、1つ以上の置換アルキル基を含んでいてもよい。本明細書に記載の任意の実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、PEG−ジステリルグリセロール(C18)、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、及びPEG−ジステリルグリカミド(C18)、PEG−コレステロール(1−[8’−(コレスタ−5−エン−3β−オキシ)カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)、及びPEG−DMB(3,4−ジテトラデコキシルベンジル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)エーテル)、から選択し得る。
1つの実施態様においては、本発明の製剤又はビヒクルは、本明細書の、L051、L053、L054、L060、L061、L069、L073、L077、L080、L082、L083、L086、L097、L098、L099、L100,L101、L102、L103、L104、L105、L106、L107、L108、L109、L110、L111、L112、L113、L114、L115、L116、L117、L118、L121、L122、L123、L124、L130、L131、L132、L133、L134、L149、L155、L156、L162、L163、L164、L165、L166、L167、L174、L175、L176、L180、L181、及び/又はL182(表IV参照)として製剤された、組成物(例えば、1つ以上の生物活性分子及び/又は1つ以上の担体分子)を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物はさらに、特定の組織タイプの細胞のための標的化リガンドを含んでなる。かかるリガンドの非限定的な例は、糖及び炭水化物、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、及びN−アセチルガラクトサミン;ホルモン、例えば、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココーチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチソール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、及び成長ホルモン;成長因子、例えばVEGF、EGF、NGF、及びPDGF;コレステロール;胆汁酸;神経伝達物質、例えばGABA、グルタメート、アセチルコリン;NOGO;イノシトール三リン酸;ジアシルグリセロール;エピネフリン;ノルエピネフリン;酸化窒素、ペプチド、ビタミン、例えば葉酸塩及びピリドキシン、薬剤、抗体、及び、インビボ又はインビトロで受容体と相互作用し得る任意の他の分子を包含する。リガンドは、本発明の製剤siNA組成物(formulated siNA composition)の任意の成分(例えば、カチオン性脂質成分、中性脂質成分、PEG−DAG成分、又はsiNA成分その他)に対し、リンカー分子、例えばアミド(amide)、アミド(amido)、カルボニル、エステル、ペプチド、ジスルフィド、シラン、ヌクレオシド、脱塩基性ヌクレオシド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリハイドロカーボン、リン酸エステル、ホスホルアミダート、チオホスフェイト、アルキルホスフェイト、又は感光性リンカー、を使用して結合し得る。1つの実施態様においては、該リンカーは生分解性リンカーである。
1つの実施態様においては、本発明は、siNA分子及び/又は担体分子、任意の式CLIないしCLXXXXVIを有するカチオン性脂質、中性脂質、及び、ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール、又はポリエチレングリコール−ジアシルグリカミド(PEG−DAG)のコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB)を含んでなる組成物を特徴とする。これらの組成物は、本明細書では全般的に、LNP組成物の製剤siNA組成物と呼ばれる。別の実施態様においては、本発明の製剤siNA組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤siNA組成物のsiNA成分は、哺乳類の細胞、患者、又は生体においてインターフェロン応答を刺激しないように化学修飾されている。かかるsiNA分子は、改善された毒素性のプロフィールをもつと言ってよく、例えば、免疫刺激性が弱められているか又はないか、オフターゲット効果が弱められているか又はないか、或いは、他に本明細書に記載の通りである(例えば、PCT/US06/032168参照)。
1つの実施態様においては、本発明は、miRNA分子又は担体分子、任意の式CLIないしCLXXXXVIを有するカチオン性脂質、中性脂質、及び、ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール、又はポリエチレングリコール−ジアシルグリカミド(PEG−DAG)のコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB)を含んでなる組成物を特徴とする。これらの組成物は、本明細書では全般的に、製剤miRNA組成物と呼ばれる。別の実施態様においては、本発明の製剤miRNA組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤miRNA組成物のmiRNA成分は、哺乳類の細胞、患者、又は生体においてインターフェロン応答を刺激しないよう、化学修飾されている。かかるmiRNA分子は、改善された毒素性のプロフィールをもつと言ってよく、例えば、免疫刺激性が弱められているか又はない、オフターゲット効果が弱められているか又はない、或いは他に本明細書に記載の通りである。
1つの実施態様においては、本発明は、RNAi阻害剤分子及び/又は担体分子、任意の式CLIないしCLXXXXVIを有するカチオン性脂質、中性脂質、及び、ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール、又はポリエチレングリコール−ジアシルグリカミド(PEG−DAG)コンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)の、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB)を含んでなる組成物を特徴とする。これらの組成物は、本明細書では全般的に、製剤RNAi阻害剤組成物と呼ばれる。別の実施態様においては、本発明の製剤RNAi阻害剤組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤RNAi阻害剤組成物のRNAi阻害剤成分は、哺乳類の細胞、患者、又は生体においてインターフェロン応答を刺激しないよう化学修飾されている。かかるRNAi阻害剤分子は、改善された毒素性のプロフィールをもつと言ってよく、例えば、免疫刺激性が弱められているか又はない、オフターゲット効果が弱められているか又はない、或いは他に本明細書に記載の通りである。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)コンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、標的遺伝子のRNAに対しRNA干渉(RNAi)を媒介する低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該標的遺伝子RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該標的遺伝子RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、標的RNAは、ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号により、国際PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、及び米国特許出願第10/923,536(ともに参考として本明細書に含まれる)において参照されるRNA配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)コンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、標的遺伝子のRNAに対しRNA干渉(RNAi)を媒介するmiRNA分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記miRNA分子の各鎖は、約18ないし約40ヌクレオチド長であり;かつ、前記miRNA分子の一方の鎖は、該miRNA分子が該標的遺伝子RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該標的遺伝子RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、標的RNAは、ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号により、国際PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、及び米国特許出願第10/923,536(ともに参考として本明細書に含まれる)において参照されるRNA配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)コンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、miRNA又はsiRNA標的のRNA干渉(RNAi)活性を調節する、RNAi阻害剤分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記RNAi阻害剤分子は、約15ないし約40ヌクレオチド長であり;かつ、前記RNAi阻害剤分子は、該RNAi阻害剤分子が該標的miRNA又はsiRNAのRNAi活性を調節するために充分な相補性を、標的siRNA又はmiRNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、miRNA又はsiRNA標的は、ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号により、国際PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、及び米国特許出願第10/923,536(ともに参考として本明細書に含まれる)において参照されるRNA配列の一部を含んでなるRNA配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)コンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、肝炎ウイルスRNAに対しRNA干渉(RNAi)活性を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該肝炎ウイルスRNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該肝炎ウイルスRNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、肝炎ウイルスRNAは、B型肝炎ウイルス(HBV)である。1つの実施態様においては、肝炎ウイルスRNAは、C型肝炎ウイルス(HCV)である。1つの実施態様においては、siNAは、米国特許出願第60/401104、10/677,271、及び10/942,560号(これらは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)RNAに対しRNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該PTP1B RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該PTP1B RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、siNAは、米国特許出願第20040019001、及び200500704978号(これらは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、形質転換成長因子ベータ(TGF−ベータ)及び/又は形質転換成長因子ベータ受容体(TGF−ベータR)RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該TGF−ベータ及び/又はTGF−ベータR RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該TGF−ベータ及び/又はTGF−ベータR RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、siNAは、USSN 11/054,047(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該CETP RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該CETP RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、siNAは、USSN 10/921,554(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、胃抑制ペプチド(GIP)RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該GIP RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該GIP RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、siNAは、USSN 10/916,030(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該SCD RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該SCD RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、siNAは、USSN 10/923,451(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコール−ジアシルグリセロールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACACB)RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該ACACB RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該ACACB RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該siNAは、USSN 10/888,226(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、アポリポタンパク質RNA(例えば、アポAI、アポA−IV、アポB、アポC−III、及び/又はアポE RNA)に対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該アポリポタンパク質RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該アポリポタンパク質RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該siNAは、USSN 11/054,047(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、VEGF及び/又はVEGF受容体RNA(例えば、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、及び/又はVEGFR3 RNA)に対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が該VEGF及び/又はVEGF受容体RNA対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該VEGF及び/又はVEGF受容体RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該siNAは、USSN 10/962,898(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、IL−4受容体RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子がIL−4受容体RNA対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該IL−4受容体RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該siNAは、USSN 11/001,347(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、ヘアレス(Hairless)RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子がヘアレスRNA対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該ヘアレスRNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該siNAは、USSN 10/919,964(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、(a)式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するカチオン性脂質;(b)中性脂質;(c)ポリエチレングリコールコンジュゲート(すなわち、ポリエチレングリコール ジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG DMB);及び(d)担体分子、及び/又は、標的RNAに対し、RNA干渉(RNAi)を媒介する、低分子干渉核酸(siNA)分子、
を含んでなる組成物であり、これにおいて、前記siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ、前記siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子が標的RNAに対しRNA干渉を媒介するために充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該標的RNAは、ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号により、国際PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、及び米国特許出願第10/923,536(ともに参考として本明細書に含まれる)において参照されるRNA配列を含んでなる。別の実施態様においては、組成物はさらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物の、カチオン性脂質成分(例えば、式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有するか、又は別に本明細書に記載の化合物)は、製剤中に存在する全脂質の、約2%ないし約60%、約5%ないし約45%、約5%ないし約15%、又は、約40%ないし約50%を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物の中性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約5%ないし約90%、又は約20%ないし約85%を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物のPEGコンジュゲート(すなわち、PEG DAG、PEG−コレステロール、PEG−DMB)は、製剤中に存在する全脂質の、約1%ないし約20%、又は約4%ないし約15%を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物のコレステロール成分は、製剤中に存在する全脂質の、約10%ないし約60%、又は約20%ないし約45%を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤siNA成分は、製剤中に存在する全脂質の約30ないし約50%を含んでなるカチオン性脂質、製剤中に存在する全脂質の約30ないし約50%を含んでなる中性脂質、及び製剤中に存在する全脂質の約0ないし約10%を含んでなるPEGコンジュゲート(すなわち、PEG DAG、PEG−コレステロール、PEG−DMB)を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤分子組成物は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有する化合物、DSPC、及びPEGコンジュゲート(すなわち、PEG−DAG、PEG−コレステロール、PEG−DMB)を含んでなる。1つの実施態様においては、該PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、及びPEG−ジステリルグリカミド(C18)である。別の実施態様においては、該PEGコンジュゲートは、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBである。別の実施態様においては、製剤分子組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤分子組成物は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、式CLIを有する化合物、DSPC、及びPEGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、及びPEG−ジステリルグリカミド(C18)である。別の実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBである。別の実施態様においては、製剤分子組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の製剤分子組成物は、生物活性分子(例えば、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)、式CLVを有する化合物、DSPC、及びPEGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、及びPEG−ジステリルグリカミド(C18)である。別の実施態様においては、PEGコンジュゲートは、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBである。別の実施態様においては、製剤分子組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物(例えば、製剤分子組成物)はさらに、特定の組織タイプの細胞のための標的化リガンドを含んでなる。かかるリガンドの非限定的な例は、糖及び炭水化物、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、及びN−アセチルガラクトサミン;ホルモン、例えば、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココーチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチソール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、及び成長ホルモン;成長因子、例えばVEGF、EGF、NGF、及びPDGF;コレステロール;胆汁酸;神経伝達物質、例えばGABA、グルタメート、アセチルコリン;NOGO;イノシトール三リン酸;ジアシルグリセロール;エピネフリン;ノルエピネフリン;酸化窒素、ペプチド、ビタミン、例えば葉酸塩及びピリドキシン、薬剤、抗体、及び、インビボ又はインビトロで受容体と相互作用し得る任意の他の分子を包含する。リガンドは、本発明の製剤siNA組成物の任意の成分(例えば、カチオン性脂質成分、中性脂質成分、PEG−DAG成分、又はsiNA成分その他)に対し、リンカー分子、例えばアミド(amide)、アミド(amido)、カルボニル、エステル、ペプチド、ジスルフィド、シラン、ヌクレオシド、脱塩基性ヌクレオシド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリハイドロカーボン、リン酸エステル、ホスホルアミダート、チオホスフェイト、アルキルホスフェイト、又は感光性リンカー、を使用して結合し得る。1つの実施態様においては、リンカーは生分解性リンカーである。
1つの実施態様においては、本発明のPEGコンジュゲート、例えばPEG−DAG、PEG−コレステロール、PEG−DMBは、200ないし10,000原子のPEG分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明の組成物、例えば、製剤分子組成物は、ジアシルグリセロール−ポリエチレングリコールコンジュゲート、すなわち、DAG−PEGコンジュゲートを含んでなる。用語「ジアシルグリセロール」は、その双方が、エステル結合により該グリセロールの1−及び2−位に結合した、独立して2ないし30個の炭素を有する2つの脂肪酸アシル鎖、R1及びR2を有する化合物を指す。アシル基は、飽和しているか、又は種々の不飽和度を有してもよい。ジアシルグリセロールは、以下の一般式VIII:
Figure 2010519203
[式中、R1及びR2は、それぞれアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、脂質、又はリガンドである]を有する。1つの実施態様においては、R1及びR2は、それぞれ独立して、C2ないしC30アルキル基である。1つの実施態様においては、DAG−PEGコンジュゲートは、ジラウリルグリセロール(C12)−PEGコンジュゲート、ジミリスチルグリセロール(C14)−PEGコンジュゲート、ジパルミトイルグリセロール(C16)−PEGコンジュゲート、ジステリルグリセロール(C18)−PEGコンジュゲート、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、又はPEG−ジステリルグリカミド(C18)である。当業者は、他のジアシルグリセロールが本発明のDAG−PEGコンジュゲートにおいて使用可能であることを容易に認識するであろう。
1つの実施態様においては、本発明の組成物、例えば、製剤分子組成物は、ポリエチレングリコール−コレステロールコンジュゲート、すなわち、PEG−cholコンジュゲートを含んでなる。PEG−cholコンジュゲートは、コレステロール又はコレステロール誘導体に結合した、200ないし10,000原子のPEG分子を含んでいてもよい。例示的なPEG−chol及びその合成は、図30に示されている。
1つの実施態様においては、本発明の組成物、例えば、製剤分子組成物は、ポリエチレングリコール−DMBコンジュゲートを含んでなる。用語「DMB」は、化合物 3,
4−ジテトラデコキシベンジル−β−メチル−ポリ(エチレングリコール)エーテルを指す。PEG−DMBコンジュゲートは、DMBに結合した、200ないし10,000原子のPEG分子を含んでいてもよい。例示的なPEG−DMB及びその合成は、図30Aに示されている。
1つの実施態様においては、本発明の組成物、例えば、製剤分子組成物は、PEG−脂質、例えば、ポリエチレングリコール−DMG(PEG−DMG)コンジュゲートを含んでなる。用語「PEG−DMG」は、化合物 1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)を指すことができる。PEG−DMGコンジュゲートは、DMG基に結合した、200ないし10,000原子のPEG分子を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、PEGは、式PEGn[式中、1500Daないし3000DaのPEGについては、n=33ないし67であり、2KPEG/PEG2000については、平均=45である]によって表わされる多分散物である。例示的なPEG−DMG及びその合成は、図30Bに示されている。
用語「リガンド」は、受容体のような別の化合物と、直接又は間接的に相互作用し得る、任意の化合物又は分子、例えば、薬剤、ペプチド、ホルモン、又は神経伝達物質を指す。リガンドと相互作用し得る受容体は、細胞の表面上に存在してよく、或いはまた、細胞内受容体であってもよい。受容体とリガンドの相互作用は、結果として生化学反応を生じてよく、或いは、単純に物理的相互作用又は結合であってもよい。リガンドの非限定的な例は、糖及び炭水化物、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、及びN−アセチルガラクトサミン;ホルモン、例えば、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココーチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチソール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、及び成長ホルモン;成長因子、例えばVEGF、EGF、NGF、及びPDGF;コレステロール;胆汁酸;神経伝達物質、例えばGABA、グルタメート、アセチルコリン;NOGO;イノシトール三リン酸;ジアシルグリセロール;エピネフリン;ノルエピネフリン;酸化窒素、ペプチド、ビタミン、例えば葉酸塩及びピリドキシン、薬剤、抗体、及び、インビボ又はインビトロで受容体と相互作用し得る任意の他の分子を包含する。リガンドは、本発明の化合物に対し、リンカー分子、例えばアミド(amide)、アミド(amido)、カルボニル、エステル、ペプチド、ジスルフィド、シラン、ヌクレオシド、脱塩基性ヌクレオシド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリハイドロカーボン、リン酸エステル、ホスホルアミダート、チオホスフェイト、アルキルホスフェイト、又は感光性リンカー、を使用して結合し得る。1つの実施態様においては、該リンカーは生分解性リンカーである。
本明細書で使用される用語「生分解性リンカー」は、種々の条件下に切断可能なリンカー基を指す。切断に適した条件は、制限なく、pH、UV照射、酵素活性、温度、加水分解、脱離、及び置換反応、及び、結合の熱力学的性質を包含し得る。
本明細書で使用される用語「感光性リンカー」は、特定のUV波長下に選択的に切断される、当該技術分野において既知のリンカー基を指す。感光性リンカーを含有する本発明の化合物は、興味の標的細胞又は組織に対し化合物を送達するために使用可能であり、その後に、UV源の存在下に放出し得る。
本明細書で使用される用語「脂質」は、任意の親油性化合物を指す。脂質化合物の非限定的な例は、直鎖、分枝鎖、飽和、及び不飽和脂肪酸を含む、脂肪酸及びその誘導体、カロテノイド、テルペン、胆汁酸、及び、コレステロール及びその誘導体又は類似体を含むステロイドを包含する。
本明細書で使用される用語「PEG−脂質」は、PEG基に対し共有結合により結合している、任意の親油性化合物を指す。本発明のPEG−脂質の非限定的な例は、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知である別の、PEG−セラミドコンジュゲート、PEG−DAGコンジュゲート、及びPEG−コレステロールコンジュゲートを包含する。1つの実施態様においては、PEGは、式PEGn[式中、1500Daないし3000DaのPEGについては、n=33ないし67であり、2KPEG/PEG2000については、平均=45である]によって表わされる多分散物である。例示的なPEG−DMG及びその合成は、図30Bに示されている。
本明細書で使用される用語「製剤」は、1つ以上の生物活性分子、1つ以上の担体分子、又は生物活性分子及び担体分子の双方を、該生物活性分子及び/又は担体分子の細胞内送達を可能にする任意の他の成分と一緒に包含する、任意の製剤組成物を指す。1つの実施態様においては、製剤は、本明細書に記載の(表IV参照)、又は当該技術分野において既知である別の、脂質ナノ粒子製剤である。
本発明における使用に適した製剤、及びかかる製剤を作成及び使用する方法は、例えば、米国特許出願公開第20060240554号及び、2006年10月24日出願の、USSN 11/586,102;国際PCT公開第WO2007012191号、及び特許出願公開第2006083780、2006051405号、US2005175682、US2004142025、US2003077829、US2006240093(これらは全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)において開示されている。
本発明は、さらに、製剤又は組成物が、生物活性分子の生体系内への送達に有効であるかどうかを判定するための方法を提供する。1つの実施態様においては、製剤又は組成物が、生物活性分子の生体系内への送達に有効であるかどうかを判定するための該方法は、(1)製剤又は組成物の血清安定性を測定すること、及び(2)製剤又は組成物の、pH依存性の相転移を測定することを含んでなり、これにおいて、製剤又は組成物が血清中で安定であることの判定、及び、該製剤又は組成物が約pH4ないし約7において、例えば、5.5から6.5へ相転移を受けることの判定は、該製剤又は組成物が生物活性分子の生体内への送達に有効となることを示す。別の実施態様においては、方法はさらに、製剤又は組成物の、インビトロの細胞におけるトランスフェクション効率を測定することを含んでなる。
製剤又は組成物の血清安定性は、製剤又は組成物の血清中での安定性を測定する、本明細書に記載の、及び当該技術分野において既知である別のアッセイを含む、任意のアッセイを用いて測定可能である。血清安定性を測定するために使用可能な1つの例示的なアッセイは、ある時間にわたり、血清中の該組成物の相対濁度を測定するアッセイである。例えば、製剤又は組成物の相対濁度は、血清(すなわち、50%)の存在又は不在下に、該製剤又は組成物の吸光度を、いくつかの時点において24時間にわたり、分光光度計を使用して測定することにより判定し得る。吸光度によって測定されるとき、ある時間にわたり相対濁度が常に約1.0付近であれば、製剤又は組成物は血清中で安定である。
製剤又は組成物のpH依存性の相転移は、本明細書に記載の、及び当該技術分野において既知である別のアッセイを含め、製剤又は組成物の相転移を約pH5.5−6.5において測定する任意のアッセイを使用して測定し得る。pH依存性の相転移を測定するために使用可能な1つの例示的なアッセイは、組成物の相対濁度を、ある時間にわたり異なるpHにおいて測定するアッセイである。例えば、製剤又は組成物の相対濁度は、ある範囲の異なるpH値をもつ緩衝液中で、製剤又は組成物の吸光度をある時間にわたり測定することにより判定し得る。吸光度によって測定されるとき、pHが7.0より下に低下すると相対濁度が減少する場合、該製剤又は組成物はpH依存性の相転移を受ける。
さらに、迅速なpH依存性の相転移を受ける製剤又は組成物の、送達剤としての効率は、該製剤又は組成物のトランスフェクション効率を測定することにより判定し得る。トランスフェクションアッセイを行うための方法は、本明細書に記載されており、かつ当該技術分野において既知の別の方法である。
1つの実施態様においては、本発明の方法により製される粒子は、約50ないし約600nmのサイズを有する。該粒子は、界面活性剤透析法によるか、又は、有機溶媒を利用して成分の混合の間に単一層を得る逆相法の変法により形成し得る。何ら特定の形成メカニズムに束縛されることを意図することなく、分子(例えば、ポリヌクレオチドのような生物活性分子)を、カチオン性脂質の界面活性剤溶液と接触させ、コートされた分子複合体を形成する。これらのコートされた分子は、凝集しかつ沈澱し得る。しかしながら、界面活性剤の存在が、この凝集を低減し、かつコート分子を過剰の脂質(典型的には、非カチオン性脂質)と反応させて粒子を形成し、これにおいて興味の分子は脂質二重層の中に被包される。有機溶媒を使用して製剤又は組成物を形成するための、以下に記載の方法は、同様のスキームに従う。
1つの実施態様においては、粒子は、界面活性剤透析を使用して形成される。したがって、本発明は、pH依存性の相転移を受けるものを含む、血清安定性の製剤又は組成物の調製のための方法であって:(a)分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含む、ポリヌクレオチドのような生物活性分子)を、界面活性剤溶液中で、カチオン性脂質と混ぜ合せて、コートされた分子−脂質複合体を形成すること;(b)非カチオン性脂質を、コートされた分子−脂質複合体と接触させて、siNA−脂質複合体と非カチオン性脂質とを含んでなる界面活性剤溶液を形成すること;及び(c)工程(b)の界面活性剤溶液を透析して、血清安定性の分子−脂質粒子の溶液を得ること、を含んでなる該方法を提供し、これにおいて、該分子は脂質二重層内に被包され、かつ該粒子は血清安定性であり、かつ約50から約600nmまでのサイズを有している。
1つの実施態様においては、コートされた分子−脂質(例えば、ポリヌクレオチド−脂質)複合体の最初の溶液は、例えば、該分子を界面活性剤溶液中でカチオン性脂質と混ぜ合せることにより形成される。
これらの実施態様においては、界面活性剤溶液は、好ましくは、15ないし300mM、さらに好ましくは20ないし50mMの臨界ミセル濃度を有する中性界面活性剤の水溶液である。適当な界面活性剤の例は、例えば、N,N’−((オクタノイルイミノ)−ビス−(トリメチレン))−ビス−(D−グルコナミド)(BIGCHAP);BRIJ35;デオキシ−BIGCHAP;ドデシルポリ(エチレングリコール)エーテル;ツイーン(Tween)20;ツイーン40;ツイーン60;ツイーン80;ツイーン85;メガ(Mega)8;メガ9;Zwittergent(登録商標)3−08;Zwittergent(登録商標)3−10;トリトン(Triton)X−405;ヘキシル−、ヘプチル−、オクチル−、及びノニル−ベータ−D−グルコピラノシド;及びヘプチルチオグルコピラノシド、を包含し、オクチルβ−D−グルコピラノシド及びツイーン20が最も好適である。界面活性剤溶液中の界面活性剤濃度は、典型的には約100mMないし約2M、好ましくは約200mMないし約1.5Mである。
1つの実施態様においては、該カチオン性脂質及び興味の分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含む、ポリヌクレオチドのような生物活性分子)は、典型的には、約1:1ないし約20:1の電荷比(+/−)を生成するべく、好ましくは約1:1ないし約12:1の割合で、さらに好ましくは、約2:1ないし約6:1の割合で混ぜ合されるであろう。さらに、溶液中のsiNAの全濃度は、典型的には、約25μg/mLないし約1mg/mL、好ましくは約25μg/mLないし約500μg/mL、さらに好ましくは約100μg/mLないし約250μg/mLであろう。興味の分子及びカチオン性脂質の、界面活性剤溶液中での混ぜ合せは、典型的には室温において、コートされた複合体を形成するのに充分な時間にわたり維持される。別法として、興味の分子及びカチオン性脂質を、界面活性剤溶液中で混ぜ合せ、そして約37℃の温度に温めてもよい。温度に対し特に感受性である分子(例えば、本明細書のポリヌクレオチド)については、コートされた覆複合体を、より低い温度で、典型的には約4℃に下げて形成し得る。
1つの実施態様においては、形成した製剤または組成物中の、生物活性分子対脂質比(質量/質量比)は、約0.01ないし約0.08の範囲である。精製の工程は、典型的には、未被覆の生物活性分子ならびに空のリポソームを除去することから、出発物質の比もまたこの範囲内に入る。別の実施態様においては、製剤化した生物活性分子組成物製剤は、全脂質10mg当たりsiNA約400μg、又は、約0.01ないし約0.08、さらに好ましくは、約0.04の生物活性分子対脂質比を使用し、これは、生物活性分子50μg当たり、全脂質1.25mgに相当する。本発明の製剤又は組成物は、特定の臓器、組織、又は細胞タイプを標的とするべく開発されている。1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物は、肝臓又は肝実質細胞を標的とするべく開発されている。該製剤又は組成物の種々の成分の割合は、特定の臓器、組織、又は細胞タイプを標的とするべく調整される。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の細胞又は複数の細胞に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の細胞又は複数の細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、経肺投与により該患者又は生体の細胞又は複数の細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の肝臓又は肝細胞(例えば、肝実質細胞)に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の肝臓又は肝細胞(例えば、肝実質細胞)に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、直接注入、門脈注入、カテーテル法、ステント留置法など)により、患者又は生体の肝臓又は肝細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の腎臓又は腎細胞に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の腎臓又は腎細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、直接注入、カテーテル法、ステント留置法など)により、患者又は生体の腎臓又は腎細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の腫瘍又は腫瘍細胞に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の腫瘍又は腫瘍細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、直接注入、カテーテル法、ステント留置法など)により、患者又は生体の腫瘍又は腫瘍細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体のCNS又はCNS細胞(例えば、脳、脊髄)に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体のCNS又はCNS細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、直接注入、カテーテル法、ステント留置法など)により、患者又は生体のCNS又はCNS細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の肺又は肺細胞に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の肺又は肺細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、肺組織及び細胞への直接的な肺投与)により、患者又は生体の肺又は肺細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の血管又は血管細胞に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の血管又は血管細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、クランピング、カテーテル法、ステント留置法など)により、患者又は生体の血管又は血管細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の皮膚又は皮膚細胞(例えば、真皮、真皮細胞、胞、又は胞細胞)に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の皮膚又は皮膚細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、該製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、直接的な皮膚投与又はイオン導入法その他)により、患者又は生体の皮膚又は皮膚細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の眼又は眼細胞(例えば、黄班、窩、角膜、網膜その他)に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の眼又は眼細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物を、投与を促進するための賦形剤とともに、または賦形剤なしに、当該技術分野において一般に知られるように、例えば、製剤又は組成物の非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与)又は、局所投与(例えば、直接注入、眼内注射、眼周囲注射、イオン導入法、点眼剤の使用、移植その他)により、患者又は生体の眼又は眼細胞と接触させる。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を、患者又は生体の耳又は耳の細胞(例えば、内耳、中耳、外耳)に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該生物活性分子成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の耳又は耳の細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、投与は、米国特許第5,421,818、5,476,446、5,474,529、6,045,528、6,440,102、6,685,697、6,120,484;及び5,572,594号(これらは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)、及び、Silverstein,1999,Ear Nose Throat J.,78,595−8,600;及び、Jackson,and Silverstein,2002,Otolaryngol Clin North Am,35,639−53の教示に記載され、かつ、本発明の組成物の使用に適合された方法及び装置を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする
低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物であって、これにおいて、前記siNA分子が、約15ないし約28塩基対を含んでなる、該組成物を特徴とする。
1つの実施態様においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)により標的RNAの切断を指示する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物であって、これにおいて、該二本鎖siNA分子は第1及び第2の鎖を含んでなり、該siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり、該siNAの該第1の鎖は、該siNA分子がRNA干渉によって該標的RNAの切断を指示するために充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなり、かつ
前記siNA分子の該第2の鎖が、該第1の鎖に対し相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。
1つの実施態様においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)により標的RNAの切断を指示する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物であって、これにおいて、該二本鎖siNA分子は第1及び第2の鎖を含んでなり、該siNA分子の各鎖は、約18ないし約23ヌクレオチド長であり、該siNA分子の該第1の鎖は、該siNA分子がRNA干渉によって該標的RNAの切断を指示するために充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなり、かつ前記siNA分子の該第2の鎖が、該第1の鎖に対し相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。
1つの実施態様においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)により標的RNAの切断を指示する化学合成された二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物であって、これにおいて、該siNA分子の各鎖は、約18ないし約28ヌクレオチド長であり;かつ該siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子がRNA干渉によって該標的RNAの切断を指示するために充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。
1つの実施態様においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)により標的RNAの切断を指示する化学合成された二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物であって、これにおいて、該siNA分子の各鎖は、約18ないし約23ヌクレオチド長であり;かつ該siNA分子の一方の鎖は、該siNA分子がRNA干渉によって該標的RNAの切断を指示するために充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。
1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする
低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、例えば、これにおいて該標的遺伝子は、標的エンコーディング配列を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、例えば、これにおいて該標的遺伝子は、標的非コーディング配列又は標的遺伝子発現に関与する調節エレメントを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNAは、標的遺伝子又は標的遺伝子ファミリーの発現を阻害するために使用され、これにおいて、該遺伝子又は遺伝子ファミリー配列は、配列相同性を共有する。かかる相同配列は、当該技術分野において知られるように、例えば配列アライメントを使用して同定し得る。siNA分子は、完全に相補的な配列を用いるか、又は非正規塩基対、例えば、付加的な標的配列を提供し得るミスマッチ及び/又はゆらぎ塩基対を取り入れることにより、かかる相同配列を標的化するべく設計し得る。ミスマッチが同定される場合、非正規塩基対(例えば、ミスマッチ及び/又はゆらぎ塩基対)を使用して、1つ以上の遺伝子配列を標的化するsiNA分子を生成し得る。非限定的な例では、UU及びCC塩基対といった非正規塩基対を使用して、配列相同性を共有する異なる標的について配列を標的とし得るsiNA分子を生成する。すなわち、本発明のsiNAを使用することの1つの利点は、単一のsiNAを設計して、相同遺伝子の間で保存されているヌクレオチド配列に対し相補的である核酸配列を含むようにし得ることである。このアプローチでは、種々の遺伝子を標的化するために1つ以上のsiNA分子を使用する代わりに、単一のsiNAを使用して、1つ以上の遺伝子の発現を阻害することができる。
1つの実施態様においては、本発明は、標的RNAに対しRNAi活性をもつsiNA分子を含んでなる、製剤siNA組成物であって、これにおいて、該siNA分子が、標的コーディング配列を有する任意のRNAに対し相補的な配列を含んでなる、該組成物を特徴とする。本明細書に記載の製剤に適したsiNA分子の例は、国際出願番号US04/106390(WO 05/19453)(これは、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に提供されている。PCT/US2004/106390(WO 05/19453)、2003年5月23日出願の、USSN10/444,853、2004年8月20日出願の、USSN10/923,536、2005年9月23日出願の、USSN11/234,730、2005年12月8日出願の、USSN11/299,254(全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載されたか、又は本明細書に記載された別の化学修飾を、本発明の任意のsiNAコンストラクトに適用し得る。別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用し得て、それにより標的遺伝子発現のサイレンシングを媒介するヌクレオチド配列を包含しており、例えば、これにおいてsiNAは、クロマチン構造又は標的遺伝子のメチル化パターンを調節する細胞プロセスにより、標的遺伝子発現の調節を媒介し、該標的遺伝子の発現を防止する。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、疾患又は症状(例えば、脱毛症、脱毛、及び/又は無毛症)に関連した標的ハプロタイプ多形から生じる標的タンパク質の発現を、ダウンレギュレートするか、又は阻害するべく使用される。標的遺伝子、又は標的タンパク質若しくはRNAレベルの分析を使用して、かかる多形をもつ患者、又は、本明細書に記載の、形質、症状、又は疾患を発生するリスクにある患者を同定することができる。こうした患者は、治療、例えば、本発明のsiNA分子と、標的遺伝子発現に関連した疾患の治療に有用な任意の他の組成物とを用いた治療、に適用可能である。例えば、標的タンパク質又はRNAレベルの分析を使用して、患者の治療における治療タイプ及び治療のコースを決定することができる。標的タンパク質又はRNAレベルのモニタリングを使用して、治療の成果を予測し、かつ、形質、症状、又は疾患に関連したある標的タンパク質のレベル及び/又は活性を調節する、化合物及び組成物の有効性を判定することができる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的タンパク質をコードしているヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる、アンチセンス鎖を含んでいる。該siNAは、さらにセンス鎖を含んでなり、これにおいて、前記センス鎖は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的タンパク質をコードしているヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる、アンチセンス領域を含んでいる。該siNAは、さらにセンス領域を含んでなり、これにおいて、前記センス領域は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明のsiNAは、標的遺伝子のヌクレオチド配列又は配列の一部に対し相補的であるsiNA分子の、アンチセンス領域のヌクレオチド配列を含んでなる。別の実施態様においては、本発明のsiNAは、1つの領域、例えば、標的遺伝子配列又はその一部を含んでなる配列に相補的である該siNAコンストラクトのアンチセンス領域、を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを有するアンチセンス鎖を含んでなり、これにおいて、該アンチセンス鎖は、標的タンパク質をコードしているRNA配列又はその一部に対し相補的であり、かつこれにおいて、前記siNAはさらに、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを有するセンス鎖を含んでなり、かつこれにおいて、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、各鎖の少なくとも約15ヌクレオチドが他方の鎖に対し相補的である、別個のヌクレオチド配列である。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを有するアンチセンス領域を含んでなり、これにおいて、該アンチセンス領域は、標的タンパク質をコードしているRNA配列に対し相補的であり、かつこれにおいて、前記siNAはさらに、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを有するセンス領域を含んでなり、かつこれにおいて、前記センス領域及び前記アンチセンス領域は、1つの直鎖状の分子に含まれてなり、ここで、該センス領域は、該アンチセンス領域に対し相補的である少なくとも約15ヌクレオチドを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子によってコードされたRNAの発現を調節するRNAi活性を有する。標的遺伝子は、ある程度の配列相同性を互いに共有し得ることから、異なる標的間で共有されているか、又はそれに代えて、特定の標的に固有である配列を選択することにより、一クラスの標的遺伝子か、又は代わりに、特定の標的遺伝子(例えば、多形性の変異体)を標的とするべく、siNA分子を設計することができる。それ故、1つの実施態様においては、該siNA分子を設計して、いくつかの標的遺伝子変異体間で相同性を有する保存された標的RNA配列を標的化し、1つのsiNA分子を用いて一クラスの標的遺伝子を標的化するようにすることができる。したがって、1つの実施態様においては、本発明の該siNA分子は、一方又は双方の標的化された対立遺伝子(alleles)の発現を、患者において調節する。別の実施態様においては、該siNA分子がRNAi活性を媒介するのに必要とする高度の特異性の故に、該siNA分子を設計して、特定の標的RNA配列に固有である配列(例えば、単一標的対立遺伝子又は、標的単一ヌクレオチド多形(SNP))を標的とすることができる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、二本鎖である。別の実施態様においては、本発明の該siNA分子は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチドの間に、約15ないし約30塩基対を含有する二重鎖核酸分子からなる。なお別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、約1ないし約3(例えば、約1、2、又は3)個のヌクレオチドの突出末端(overhanging end)をもつ二重鎖核酸分子、例えば、約19塩基対と、3’末端のモノヌクレオチド、ジヌクレオチド、又はトリヌクレオチドの突出とをもつ、約21−ヌクレオチドの二重鎖、を含んでなる。なお別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、平滑末端をもつ二重鎖核酸分子を含んでなり、これにおいて、双方の末端は平滑であるか、或いはまた一方の末端が平滑である。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的タンパク質を発現する核酸分子、例えば、標的タンパク質をコードしているRNA、に対し特異性を有する。1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、RNAベース(例えば、2’−OHヌクレオチドを含んでなるsiNA)であり、かつ、1つ以上の化学修飾、例えば、本明細書に記載のもの、を包含する。かかる化学修飾の非限定的な例は、制限なく、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、2’−デオキシロボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロリボヌクレオチド、「ユニバーサル塩基」ヌクレオチド、「非環式」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド、及び末端グリセリル及び/又は逆転デオキシ脱塩基残基の組込みを包含する。これらの化学修飾は、種々のsiNAコンストラクト(例えば、RNAベースのsiNAコンストラクト)において使用される場合、細胞においてRNAi活性を保持しながら、同時に、これらの化合物の血清安定性を劇的に増大することが示されている。さらに、Parrishら、上記、に公開されたデータに反して、本出願人は、多数(1つより多い)ホスホロチオエート置換が充分に耐性であり、かつ修飾されたsiNAコンストラクトの血清安定性に実質的な増加を与えることを示している。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、RNAiを媒介する能力を維持ながらも、修飾されたヌクレオチドを含んでなる。修飾ヌクレオチドを用いて、安定性、活性、及び/又はバイオアベイラビリティといった、インビボ又はインビトロの特性を改善することができる。例えば、本発明のsiNA分子は、該siNA分子中に存在する全ヌクレオチド数の、あるパーセンテージとして修飾ヌクレオチドを含んでなることができすなわち、本発明のsiNA分子は、一般に、約5%ないし100%の修飾ヌクレオチド(例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%の修飾ヌクレオチド)を含んでいてもよい。所与のsiNA分子に存在する修飾ヌクレオチドの実際のパーセントは、該siNA分子に存在する全ヌクレオチド数に依存するであろう。もし該siNA分子が単鎖であれば、修飾のパーセントは、該単鎖siNA分子中に存在する全ヌクレオチド数に基づいてよい。同様に、もし該siNA分子が二本鎖であれば、修飾のパーセントは、センス鎖、アンチセンス鎖、又は、センス鎖及びアンチセンス鎖の双方に存在する全ヌクレオチド数に基づいてよい。
本発明の1つの態様は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該二本鎖siNA分子は、1つ以上の化学修飾を含んでなり、かつ該二本鎖siNAの各鎖は、約21ヌクレオチド長である。1つの実施態様においては、該二本鎖siNA分子は、何らリボヌクレオチドを含有しない。別の実施態様においては、該二本鎖siNA分子は、1つ以上のリボヌクレオチドを含んでなる。1つの実施態様においては、該二本鎖siNA分子の各鎖は、独立して、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなり、これにおいて、各鎖は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の、他方の鎖のヌクレオチドに相補的なヌクレオチドを含んでなる。1つの実施態様においては、該二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に対し相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、そして該二本鎖siNA分子の第2の鎖は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に実質的に類似したヌクレオチド配列を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、アンチセンス領域(ここで、該アンチセンス領域は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる)、及びセンス領域(ここで、該センス領域は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に実質的に類似したヌクレオチド配列を含んでなる)を含んでなる、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる製剤siNA組成物を特徴とする。1つの実施態様においては、該アンチセンス領域及びセンス領域は、独立して、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなり、これにおいて、該アンチセンス領域は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の、該センス領域のヌクレオチドに相補的であるヌクレオチドを含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、センス領域及びアンチセンス領域を含んでなる、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域は、該標的遺伝子又はその一部によってコードされたRNAのヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該センス領域は、該アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、平滑末端、すなわち、何ら突出ヌクレオチドを含まない末端、を含んでなる。例えば、2003年5月23日出願の、USSN10/444,853、2004年8月20日出願の、USSN10/923,536、又は2005年9月23日出願の、USSN11/234,730(全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された修飾か、又はそれらの任意の組合せを含んでなり、及び/又は、本明細書に記載された任意の長さのsiNA分子は、何ら突出ヌクレオチドのない平滑末端、又は複数の平滑末端を含んでなっていてもよい。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、1つ以上の平滑末端を含んでいてもよく、すなわち、ここで、平滑末端は何ら突出ヌクレオチドをもたない。1つの実施態様においては、平滑末端化されたsiNA分子は、該siNA分子の各鎖に存在するヌクレオチド数に等しい数の塩基対を有する。別の実施態様においては、該siNA分子は、1つの平滑末端を有しており、例えばこれにおいて、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端は、何ら突出ヌクレオチドをもたない。別の例では、該siNA分子は、1つの平滑末端を有しており、例えばこれにおいて、アンチセンス鎖の3’末端及びセンス鎖の5’末端は、何ら突出ヌクレオチドをもたない。別の例では、siNA分子は2つの平滑末端を有しており、例えばこれにおいて、アンチセンス鎖の3’末端とセンス鎖の5’末端、並びにアンチセンス鎖の5’末端とセンス鎖の3’末端とは、何ら突出ヌクレオチドをもたない。平滑末端化したsiNA分子は、例えば、約約15ないし約30ヌクレオチド(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチド)を含んでいてもよい。平滑末端化したsiNA分子に存在する他のヌクレオチドは、例えば、該siNA分子がRNA干渉を媒介する活性を調節するための、ミスマッチ、バルジ、ループ、又はゆらぎ塩基対を含んでいてもよい。
「平滑末端」により、対称性の末端、又は、何ら突出ヌクレオチドをもたない二本鎖siNA分子の末端が意味される。二本鎖siNA分子の2つの鎖は、その末端において、突出ヌクレオチドなしに互いに配列する。例えば、平滑末端化したsiNAコンストラクトは、該siNA分子のセンス及びアンチセンス領域の間で相補的である末端ヌクレオチドを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該siNA分子は、2つの別個のオリゴヌクレオチドフラグメントから組立てられ、ここで、1つのフラグメントは、該siNA分子のセンス領域を含んでなり、そして第2のフラグメントは、該siNA分子のアンチセンス鎖を含んでなる。該センス領域は、リンカー分子、例えばポリヌクレオチドリンカー又は非ヌクレオチドリンカーを介して、該アンチセンス領域に結合し得る。
1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該siNA分子は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の塩基対を含んでなり、かつここで、該siNA分子の各鎖は、1つ以上の化学修飾を含んでなる。別の実施態様においては、該二本鎖siNA分子の一方の鎖は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該二本鎖siNA分子の第2の鎖は、該標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に実質的に類似したヌクレオチド配列を含んでなる。別の実施態様においては、該二本鎖siNA分子の一方の鎖は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該二本鎖siNA分子の第2の鎖は、該標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に実質的に類似したヌクレオチド配列を含んでなる。別の実施態様においては、該siNA分子の各鎖は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなり、かつ各鎖は、少なくとも約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の、他方の鎖のヌクレオチドに相補的であるヌクレオチドを含んでなる。
本明細書に記載の任意の実施態様において、本発明のsiNA分子は、何らリボヌクレオチドを含まなくてもよい。或いはまた、本発明のsiNA分子は、1つ以上のリボヌクレオチドを含んでなってもよい。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなるアンチセンス領域を含んでなり、かつ該siNAはさらに、該標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に実質的に類似したヌクレオチド配列を含んでなるセンス領域を含んでなる。別の実施態様においては、該アンチセンス領域及び該センス領域は、それぞれ、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなり、かつ該アンチセンス領域は、少なくとも約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の、該センス領域のヌクレオチドに相補的であるヌクレオチドを含んでなる。該標的遺伝子は、例えば、ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号により、PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、又はUSSN10/923,536において参照される配列を含んでいてもよい。別の実施態様においては、該siNAは、二本鎖核酸分子であり、ここで、該siNA分子の2つの鎖の各々は、独立して、約15ないし約40(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、33、33、34、35、36、37、38、39、又は40)個のヌクレオチドを含んでなり、かつここで、該siNA分子の一方の鎖は、少なくとも約15個(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個以上)の、該標的遺伝子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチドを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、センス領域及びアンチセンス領域を含んでなり、ここで、該アンチセンス領域は、該標的遺伝子又はその一部によってコードされたRNAヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該センス領域は、該アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる。1つの実施態様においては、該siNA分子は、2つの別個のオリゴヌクレオチドフラグメントから組立てられ、ここで、1つのフラグメントは、該siNA分子のセンス領域を含んでなり、そして第2のフラグメントは、該siNA分子のアンチセンス領域を含んでなる。別の実施態様においては、該センス領域は、リンカー分子を介して、該アンチセンス領域に結合される。別の実施態様においては、該センス領域は、リンカー分子、例えば、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー、を介して該アンチセンス領域に結合される。該標的遺伝子は、例えば、PCT公開第WO 03/74654号、出願番号PCT/US03/05028、又はUSSN10/923,536において参照される配列か、又は当該技術分野において知られる別の配列を含んでいてもよい。
1つの実施態様においては、本発明は、センス領域及びアンチセンス領域を含んでなる、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域は、該標的遺伝子又はその一部によってコードされたRNAのヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該センス領域は、該アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつこれにおいて、該siNA分子は1つ以上の修飾されたピリミジン及び/又はプリンヌクレオチドを有する。1つの実施態様においては、該センス領域のピリミジンヌクレオチドは、2’−O−メチルピリミジンヌクレオチド、又は2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、そして該センス領域に存在するプリンヌクレオチドは、2’−デオキシ−プリンヌクレオチドである。別の実施態様においては、該センス領域のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、そして該センス領域に存在するプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである。別の実施態様においては、該センス領域のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、そして該センス領域に存在するプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、該アンチセンス領域のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、そして該アンチセンス領域に存在するプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、又は2’−デオキシプリンヌクレオチドである。任意の上記記載のsiNA分子の別の実施態様においては、該センス鎖の非相補領域(例えば、突出領域)に存在する任意のヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチドである。
1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該siNA分子は、2つの別個のオリゴヌクレオチドフラグメントから組立てられ、ここで、1つのフラグメントは、該siNA分子のセンス領域を含んでなり、そして第2のフラグメントは、該siNA分子のアンチセンス鎖を含んでなり、かつここで、該センス領域を含んでなる該フラグメントは、該フラグメントの5’末端、3’末端、又は5及び3’双方の末端において、末端キャップ成分を包含する。1つの実施態様においては、該末端キャップ成分は、反転デオキシ脱塩基成分(inverted deoxy abasic moiety)、又はグリセリル基である。1つの実施態様においては、該siNA分子の2つのフラグメントの各々は、独立して約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなる。別の実施態様においては、該siNA分子の2つのフラグメントの各々は、独立して、約15ないし約40(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40)個のヌクレオチドを含んでなる。非限定的な例においては、該siNA分子の2つのフラグメントの各々は、約21個のヌクレオチドを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含んでなるsiNA分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。該siNAは、例えば、約15ないし約40ヌクレオチド長であることができる。1つの実施態様においては、siNAに存在する全ピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAの修飾ヌクレオチドは、少なくとも1つの、2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン、又は2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを包含する。別の実施態様においては、siNAの修飾ヌクレオチドは、少なくとも1つの2’−フルオロシチジン、及び少なくとも1つの2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを包含する。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのウリジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのシチジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロシチジンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのアデノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのグアノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンヌクレオチドである。siNAは、さらに、少なくとも1つの修飾インターヌクレオチド結合、例えば、ホスホロチオエート結合を含んでなっていてもよい。1つの実施態様においては、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドは、リボヌクレアーゼによる切断に対し感受性である、siNA中の特に選ばれた部位、例えば、ピリミジンヌクレオチドをもつ部位に存在する。
1つの実施態様においては、本発明は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドをsiNA分子内に導入することを含んでなる、リボヌクレアーゼによる切断に対し本発明のsiNA分子の安定性を増大する方法を特徴とし、これにおいて、該修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する修飾ヌクレオチドは、少なくとも1つの2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン、又は2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを包含する。別の実施態様においては、siNAに存在する修飾ヌクレオチドは、少なくとも1つの2’−フルオロシチジン、及び少なくとも1つの2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを包含する。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのウリジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのシチジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロシチジンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのアデノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNAに存在する全てのグアノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンヌクレオチドである。siNAは、さらに、少なくとも1つの修飾されたインターヌクレオチド結合、例えば、ホスホロチオエート結合を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドは、リボヌクレアーゼによる切断に対し感受性である、siNA中の特に選ばれた位置、例えば、ピリミジンヌクレオチドをもつ位置に存在する。
1つの実施態様においては、本発明は、センス領域及びアンチセンス領域を含んでなる、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域は、該標的遺伝子又はその一部によってコードされたRNAのヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該センス領域は、該アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつこれにおいて、該アンチセンス領域に存在するプリンヌクレオチドは、2’−デオキシ−プリンヌクレオチドを含んでなる。別の実施態様においては、アンチセンス領域に存在するプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドを含んでなる。上記実施例のいずれにおいても、該アンチセンス領域は、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、該アンチセンス領域の3’末端に含んでなっていてもよい。別法として、上記実施例のいずれにおいても、該アンチセンス領域は、グリセリル修飾を、該アンチセンス領域の3’末端に含んでなっていてもよい。上記記載の任意のsiNA分子の別の実施態様においては、該アンチセンス鎖の非相補領域(例えば、突出領域(overhang region))に存在する任意のヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチドである。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子の該アンチセンス領域は、特定の標的疾患に関連した対立遺伝子に固有の配列、例えば、疾患特異的対立遺伝子に関連した単一ヌクレオチド多形(SNP)を含んでなる配列、を有する標的転写物の一部に相補的な配列を含んでなる。すなわち、本発明のsiNA分子のアンチセンス領域は、特定の対立遺伝子に固有である配列に相補的な配列を含んでなってよく、疾患、症状、又は形質に関連した対立遺伝子に対する選択的RNAiの媒介において特異性を提供することができる。
1つの実施態様においては、本発明は、標的遺伝子の発現をダウンレギュレートする二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて該siNA分子は、2つの別々のオリゴヌクレオチドフラグメントから組立てられ、ここで、一方のフラグメントは、該siNA分子のセンス領域を含んでなり、かつ第2のフラグメントは、該siNA分子のアンチセンス領域を含んでなる。別の実施態様においては、siNA分子は、二本鎖核酸分子であり、ここで、各鎖は、約21ヌクレオチド長であり、かつここで、該siNA分子の各フラグメントの約19個のヌクレオチドは、該siNA分子の他方のフラグメントの相補的ヌクレオチドに対し塩基対を作っており(base−paired)、これにおいて、該siNA分子の各フラグメントの少なくとも2つの3’末端ヌクレオチドは、該siNA分子の他方のフラグメントのヌクレオチドに対し塩基対を作っていない。別の実施態様においては、siNA分子は、二本鎖核酸分子であり、ここで、各鎖は、約19ヌクレオチド長であり、かつここで、該siNA分子の各フラグメントのヌクレオチドは、該siNA分子の他方のフラグメントの相補的ヌクレオチドに対し塩基対を作っており、少なくとも約15(例えば、15、16、17、18、又は19)個の塩基対を形成しており、これにおいて、該siNA分子の一方又は双方の末端は、平滑末端である。1つの実施態様においては、siNA分子の各フラグメントの二つの3’末端ヌクレオチドの各々は、2’−デオキシ−ピリミジンヌクレオチド、例えば、2’−デオキシ−チミジンである。別の実施態様においては、siNA分子の各フラグメントの全ヌクレオチドは、該siNA分子の他方のフラグメントの相補的ヌクレオチドに対し塩基対を作っている。別の実施態様においては、siNA分子は、センス領域及びアンチセンス領域を有する、約19ないし25個の塩基対の二本鎖核酸分子であり、ここで、該アンチセンス領域の約19ヌクレオチドは、標的遺伝子によってコードされたRNAのヌクレオチド配列又はその一部に対し、塩基対を作っている。別の実施態様においては、アンチセンス領域の約21ヌクレオチドは、該標的遺伝子によってコードされたRNAのヌクレオチド配列又はその一部に対し、塩基対を作っている。上記の任意の実施態様においては、前記アンチセンス領域を含んでなる該フラグメントの5’末端は、リン酸基を包含してもよい。
本明細書に記載の任意の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、表Iに示された、又は、PCT/US2004/106390(WO 05/19453)、2003年5月23日出願の、USSN10/444,853、2004年8月20日出願の、USSN10/923,536、2005年9月23日出願の、USSN11/234,730、又は2005年12月8日出願の、USSN11/299,254(全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された、1つ以上の安定化化学を使用し得る。
1つの実施態様においては、本発明は、標的RNA配列(例えば、前記標的RNA配列は、標的経路に関与する標的遺伝子によってコードされている)の発現を阻害する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、該siNA分子は、何らリボヌクレオチドを含有せず、かつこれにおいて、該二本鎖siNA分子の各鎖は、約15ないし30ヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNA分子は、21ヌクレオチド長である。非リボヌクレオチド含有siNAコンストラクトの例は、PCT/US2004/106390(WO 05/19453)、2003年5月23日出願の、USSN10/444,853、2004年8月20日出願の、USSN10/923,536、2005年9月23日出願の、USSN11/234,730、又は2005年12月8日出願の、USSN11/299,254(全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された、安定化化学の組合せである。
1つの実施態様においては、本発明は、RNA干渉を介して標的RNAの切断を指示する、化学合成された二本鎖RNA分子を含んでなる、製剤siNA組成物を特徴とし、これにおいて、前記RNA分子の各鎖は、約15ないし約30ヌクレオチド長であり;該RNA分子の一方の鎖は、該RNA分子がRNA干渉を介して該標的RNAの切断を指示するのに充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなり;かつこれにおいて、該RNA分子の少なくとも1つの鎖は、任意で、本明細書に記載の1つ以上の化学修飾されたヌクレオチド、例えば、制限なく、デオキシヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド、その他を含んでなってもよい。
1つの実施態様においては、本発明は、本発明の製剤siNA組成物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含んでなる組成物を特徴とする。
1つの実施態様においては、本発明は、標的RNA配列の発現を阻害する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該siNA分子は何らリボヌクレオチドを含有せず、かつこれにおいて、該二本鎖siNA分子の各鎖は、約15ないし約30ヌクレオチドである。1つの実施態様においては、siNA分子は、21ヌクレオチド長である。非リボヌクレオチド含有siNAコンストラクトの例は、表Iにおいて、センス/アンチセンス化学の任意の組合せ、例えば、Stab 7/8、Stab 7/11、Stab 8/8、Stab 18/8、Stab 18/11、Stab 12/13、Stab 7/13、Stab 18/13、Stab 7/19、Stab 8/19、Stab 18/19、Stab 7/20、Stab 8/20、Stab 18/20、Stab 7/32、Stab 8/32、Stab 18/32(例えば、Stab 7、8、11、12、13、14、15、17、18、19、20、又は32を有している、任意のsiNAセンス鎖又はアンチセンス鎖、或いはそれらの任意の組合せ)、において示された安定化化学の組合せである。本明細書では、数字で示したStab化学(stab chemistry)は、表Iに示された化学の、2’−フルオロ及び2’−OCF3バージョンの双方を包含し得る。例えば、「Stab 7/8」は、Stab 7/8及びStab 7F/8Fの双方、その他を指す。1つの実施態様においては、本発明は、RNA干渉を介して標的RNAの切断を指示する、化学合成された二本鎖RNA分子を特徴とし、これにおいて、前記RNA分子の各鎖は、約15ないし約30ヌクレオチド長であり;該RNA分子の一方の鎖は、該RNA分子がRNA干渉を介して該標的RNAの切断を指示するのに充分な相補性を、該標的RNAに対し有しているヌクレオチド配列を含んでなり;かつこれにおいて、該RNA分子の少なくとも1つの鎖は、任意で、本明細書に記載の1つ以上の化学修飾されたヌクレオチド、例えば、制限なく、デオキシヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、その他を含んでなってもよい。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該化学修飾は、式I:
Figure 2010519203
[式中、各R1及びR2は、独立して、任意のヌクレオチド、非ヌクレオチド、又はポリヌクレオチドであり、これは、天然であるか、又は化学修飾されていてもよく、各X及びYは、独立して、O、S、N、アルキル、又は置換アルキルであり、各Z及びWは、独立して、O、S、N、アルキル、置換アルキル、O−アルキル、S−アルキル、アルカリール、アラルキル、又はアセチルであり、かつこれにおいて、W、X、Y、及びZは、任意で、全てがOでなくてもよい]
を有する骨格修飾インターヌクレオチド結合を含んでなる、1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8,9、10個、又はそれ以上)のヌクレオチドを含んでなる。別の実施態様においては、本発明の骨格修飾は、ホスホノアセテート及び/又はチオホスホノアセテートインターヌクレオチド結合(例えば、Sheehan et al.,2003,Nucleic Acids Research,31,4109−4188参照)を含んでなる。
例えば、任意のZ、W、X、及び/又はYが、独立して、硫黄原子を含んでなる、式Iを有する化学修飾されたインターヌクレオチド結合は、siNAの二重鎖の一方又は双方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、式Iをもつ、1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8,9、10個、又はそれ以上)の化学修飾されたインターヌクレオチド結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において含んでいてもよい。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、式Iをもつ、約1ないし約5個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の化学修飾されたインターヌクレオチド結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、5’末端において含んでいてもよい。別の非限定的な例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、式Iをもつ化学修飾されたインターヌクレオチド結合を用いて、1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8,9、10個、又はそれ以上)のピリミジンヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖において含んでいてもよい。なお別の非限定的な例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、式Iをもつ化学修飾されたインターヌクレオチド結合とともに、1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8,9、10個、又はそれ以上)のプリンヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は双方において含んでいてもよい。別の実施態様においては、式Iのインターヌクレオチド結合をもつ本発明のsiNA分子はまた、式IないしVIIのいずれかをもつ、化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該化学修飾は、式II:
Figure 2010519203
[式中、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11、及びR12は、独立して、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール又はアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、又は、式I若しくはIIを有する基であり;R9は、O、S、CH2、S=O、CHF、又はCF2であり、そしてBは、ヌクレオチド塩基、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシン、チミン、2−アミノアデノシン、5−メチルシトシン、2,6−ジアミノプリン、又は、標的RNAに相補的又は非相補的であってよい任意の他の非天然塩基、或いは、非ヌクレオシド塩基、例えば、フェニル、ナフチル、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、ネブラリン、ピリドン、ピリジノン、又は、標的RNAに相補的又は非相補的であってよい任意の他の非天然ユニバーサル塩基である]
を有する1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8,9、10個、又はそれ以上)のヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含んでなる。1つの実施態様においては、R3及び/又はR7は、コンジュゲート基、及びリンカー(例えば、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含んでなる。制限しないコンジュゲート基の例は、細胞受容体用のリガンド、例えば、天然タンパク質リガンドに由来するペプチド;細胞ZIPコード配列を含む、タンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;ビタミン及び他のコファクター、例えば、葉酸塩及びN−アセチルガラクトサミン;ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);リン脂質;コレステロール;ステロイド、及びポリアミン、例えば、PEI、スペルミン、又はスペルミジンを包含する。
式IIの、化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドは、siNA二重鎖の一方又は双方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、1つ以上の、式IIの化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において含んでいてもよい。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、約1ないし約5個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の、式IIの化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、5’末端において含んでいてもよい。別の制限しない例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、約1ないし約5個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の、式IIの化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、3’末端において含んでいてもよい。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該化学修飾は、式III:
Figure 2010519203
[式中、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11、及びR12は、独立して、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール又はアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、又は、式I若しくはIIを有する基であり;R9は、O、S、CH2、S=O、CHF、又はCF2であり、そしてBは、ヌクレオチド塩基、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシン、チミン、2−アミノアデノシン、5−メチルシトシン、2,6−ジアミノプリン、又は、標的RNAに相補的又は非相補的であるように用い得る任意の他の非天然塩基、或いは、非ヌクレオシド塩基、例えば、フェニル、ナフチル、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、ネブラリン、ピリドン、ピリジノン、又は、標的RNAに相補的又は非相補的であってよい任意の他の非天然ユニバーサル塩基である]
を有する1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8,9、10個、又はそれ以上)のヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含んでなる。1つの実施態様においては、R3及び/又はR7は、コンジュゲート基、及びリンカー(例えば、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含んでなる。制限しないコンジュゲート基の例は、細胞受容体用のリガンド、例えば、天然タンパク質リガンドに由来するペプチド;細胞ZIPコード配列を含む、タンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;ビタミン及び他のコファクター、例えば、葉酸塩及びN−アセチルガラクトサミン;ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);リン脂質;コレステロール;ステロイド、及びポリアミン、例えば、PEI、スペルミン、又はスペルミジンを包含する。
式IIIの、化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドは、siNA二重鎖の一方又は双方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、1つ以上の、式IIIの化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において含んでいてもよい。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、約1ないし約5個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の、式IIIの、化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、5’末端において含んでいてもよい。別の制限しない例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、約1ないし約5個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の、式IIIの化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、3’末端において含んでいてもよい。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、式II又はIIIを有するヌクレオチドを含んでなり、これにおいて、式II又はIIIを有する該ヌクレオチドは、反転した立体配置にある。例えば、式II又はIIIを有する該ヌクレオチドは、siNAコンストラクトに対し、3’−3’、3’−2’、2’−3’、又は5’−5’の立体配置において、例えば、一方又は双方のsiNA鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において結合する。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該化学修飾は、式IV:
Figure 2010519203
[式中、各X及びYは、独立して、O、S、N、アルキル、置換アルキル、又はアルキルハロであり;これにおいて、各Z及びWは、独立して、O、S、N、アルキル、置換アルキル、O−アルキル、S−アルキル、アルカリール(alkaryl)、アラルキル、アルキルハロ、又はアセチルであり;かつこれにおいて、W、X、Y、及びZは、全てOというのではない]
を有する5’末端リン酸基を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、式IVを有する5’末端リン酸基を、標的−相補鎖上、例えば、標的RNAに相補的な鎖上に有するsiNA分子を特徴とし、これにおいて、該siNA分子は、全てRNAsiNA分子を含んでなる。別の実施態様においては、本発明は、式IVを有する5’末端リン酸基を、標的−相補鎖上に有するsiNA分子を特徴とし、これにおいて、該siNA分子はまた、約1ないし約4個(例えば、約1、2、3、又は4個)のデオキシリボヌクレオチドを有する約1ないし約3個(例えば、約1、2、又は3個)のヌクレオチド3’末端ヌクレオチド突出を、一方又は両鎖の3’末端上に含んでなる。別の実施態様においては、式IVを有する5’末端リン酸基は、本発明のsiNA分子、例えば、式IないしVIIのいずれかを有する化学修飾をもつsiNA分子、の標的−相補鎖上に存在する。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該化学修飾は、1つ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を含んでなる。例えば、非限定的な例においては、本発明は、約1、2、3、4、5、6、7、8個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、1つのsiNA鎖に有している、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)を特徴とする。なお別の実施態様においては、本発明は、約1、2、3、4、5、6、7、8個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、双方のsiNA鎖に個々に有している、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)を特徴とする。ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合は、該siNA二本鎖の一方又は双方のオリゴヌクレオチド鎖に、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖に存在し得る。本発明のsiNA分子は、1つ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において含んでいてもよい。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、約1ないし約5個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の連続したホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖の、5’末端において含んでいてもよい。別の非限定的な例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のピリミジンホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖に含んでいてもよい。なお別の非限定的な例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のプリンホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両鎖に含んでいてもよい。
1つの実施態様においては、本発明は、siNA分子であって、これにおいて、センス鎖は、1個以上、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該センス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、末端キャップ分子を含んでいてもよく;かつこれにおいて、アンチセンス鎖は、約1ないし約10個、又はそれ以上の、特に約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該アンチセンス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、任意で末端キャップ分子を含んでいてもよい、該siNA分子を特徴とする。別の実施態様においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のピリミジンヌクレオチドは、同じか、又は異なる鎖に存在する、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方における末端キャップ分子を用いるか用いずに、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾される。
別の実施態様においては、本発明は、siNA分子であって、これにおいて、センス鎖が、約1ないし5個、特に約1、2、3、4、又は5個のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該センス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、末端キャップ分子を含んでいてもよく;かつこれにおいて、アンチセンス鎖は、約1ないし約5個、又はそれ以上の、特に約1、2、3、4、5個、又はそれ以上の、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該アンチセンス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、任意で末端キャップ分子を含んでいてもよい、該siNA分子を特徴とする。別の実施態様においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のピリジンヌクレオチドは、同じか、又は異なる鎖に存在する、約1ないし約5個、又はそれ以上の、例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において、末端キャップ分子を用いるか用いずに、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾される。
1つの実施態様においては、本発明は、siNA分子であって、これにおいて、アンチセンス鎖は、1個以上、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、該センス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、末端キャップ分子を含んでなってもよく;かつこれにおいて、アンチセンス鎖は、約1ないし約10個、又はそれ以上の、特に約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上の、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該アンチセンス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、末端キャップ分子を含んでなってもよい、該siNA分子を特徴とする。別の実施態様においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のピリミジンヌクレオチドは、同じか、又は異なる鎖に存在する、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において、末端キャップ分子を用いるか用いずに、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾される。
別の実施態様においては、本発明は、siNA分子であって、これにおいて、アンチセンス鎖が、約1ないし5個、又はそれ以上の、特に約1、2、3、4、又は5個のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該センス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、末端キャップ分子を含んでなってもよく;かつこれにおいて、アンチセンス鎖は、約1ないし約5個、又はそれ以上の、特に約1、2、3、4、5個、又はそれ以上の、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のユニバーサル塩基修飾ヌクレオチド、及び、任意で、該アンチセンス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に、任意で末端キャップ分子を含んでいてもよい、該siNA分子を特徴とする。別の実施態様においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のピリミジンヌクレオチドは、同じか、又は異なる鎖に存在する、約1ないし約5個、又はそれ以上の、例えば、約1、2、3、4、5個、又はそれ以上のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において、末端キャップ分子を用いるか用いずに、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾される。
1つの実施態様においては、本発明は、約1ないし約5個、又はそれ以上(特に約1、2、3、4、5個、又はそれ以上)のホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を、siNA分子の各鎖に有している、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。
別の実施態様においては、本発明は、2’−5’インターヌクレオチド結合を含んでなるsiNA分子を特徴とする。該2’−5’インターヌクレオチド結合は、一方又は双方のsiNA配列鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において存在することができる。さらに、該2’−5’インターヌクレオチド結合は、一方又は双方のsiNA配列鎖の他の様々な位置において存在することができ、例えば、該siNA分子の一方又は双方の鎖における約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又は、全てを含めてそれ以上の、ピリミジンヌクレオチドのインターヌクレオチド結合は、2’−5’インターヌクレオチド結合を含んでなることができ、或いは、該siNA分子の一方又は双方の鎖における約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又は、全てを含めてそれ以上の、プリンヌクレオチドのインターヌクレオチド結合は、2’−5’インターヌクレオチド結合を含んでいてもよい。
別の実施態様においては、本発明の化学修飾されたsiNA分子は、2つの鎖を有する二重鎖を含んでなり、その一方又は双方は、化学修飾可能であり、これにおいて、各鎖は、独立して、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)ヌクレオチド長であり、これにおいて、該二重鎖は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)塩基対を有しており、かつこれにおいて、該化学修飾は、式IないしVIIのいずれかを有する構造を含んでなる。例えば、本発明の化学修飾された例示的なsiNA分子は、2つの鎖を有する二重鎖を含んでなり、その一方又は双方が、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せを有する化学修飾を用いて化学修飾することができ、これにおいて、各鎖は、約21ヌクレオチドからなり、各々が2−ヌクレオチドの3’末端ヌクレオチド突出を有しており、かつこれにおいて、該二重鎖は、約19塩基対を有する。別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、短鎖ヘアピン構造を含んでなり、これにおいて、該siNAは、約36ないし約70(例えば、約36、40、45、50、55、60、65、又は70)ヌクレオチド長であって、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の塩基対を有しており、かつこれにおいて、該siNAは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ構造を含んでなる化学修飾を包含することができる。例えば、本発明の化学修飾された例示的siNA分子は、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せを有する化学修飾を用いて化学修飾されている、約42ないし約50(例えば、約42、43、44、45、46、47、48、49、又は50)個のヌクレオチドを有する直鎖オリゴヌクレオチドを含んでなり、これにおいて、該直鎖オリゴヌクレオチドは、約19ないし約21(例えば、19、20、又は21)個の塩基対と、2−ヌクレオチドの3’末端ヌクレオチド突出とを有する、ヘアピン構造を形成する。別の実施態様においては、本発明の直鎖ヘアピンsiNA分子は、ステムループモチーフ(stem loop motif)を含有し、これにおいて、該siNA分子のループ部分は、生分解性である。例えば、本発明の直鎖ヘアピンsiNA分子は、インビボでのsiNA分子のループ部分の分解が、3’末端突出、例えば、約2ヌクレオチドを含んでなる3’末端ヌクレオチド突出をもつ、二本鎖siNA分子を生成し得るよう設計される。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、ヘアピン構造を含んでなり、これにおいて、該siNA分子は、約25ないし約50(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50)ヌクレオチド長であって、約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)個の塩基対を有しており、かつこれにおいて、該siNAは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ構造を含んでなる、1つ以上の化学修飾を含み得る。例えば、本発明の化学修飾された例示的なsiNA分子は、約25ないし約35(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35)個のヌクレオチドを有する直鎖状のオリゴヌクレオチドを含んでなり、これは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せを有する1つ以上の化学修飾を用いて化学修飾されており、これにおいて、該直鎖状のオリゴヌクレオチドは、約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)個の塩基対を有するヘアピン構造と、本明細書に記載のように化学修飾され得る5’末端リン酸基(例えば、式IVを有する5’末端リン酸基)とを形成する。別の実施態様においては、本発明の直鎖状ヘアピンsiNA分子は、ステムループモチーフを含有し、これにおいて、該siNA分子のループ部分は生分解性である。1つの実施態様においては、本発明の直鎖状ヘアピンsiNA分子は、非ヌクレオチドリンカーを含んでなる、ループ部分を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、非対称性のヘアピン構造を含んでなり、これにおいて、該siNA分子は、約25ないし約50(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50)ヌクレオチド長であって、約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)個の塩基対を有しており、かつこれにおいて、該siNAは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ構造を含んでなる、1つ以上の化学修飾を含み得る。例えば、本発明の化学修飾された例示的siNA分子は、約25ないし約35(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35)個のヌクレオチドを有する直鎖状のオリゴヌクレオチドを含んでなり、これは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ1つ以上の化学修飾によって化学修飾されており、これにおいて、該直鎖状のオリゴヌクレオチドは、約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)個の塩基対を有する非対称性ヘアピン構造と、本明細書に記載のように化学修飾され得る5’末端リン酸基(例えば、式IVを有する5’末端リン酸基)とを形成する。1つの実施態様においては、本発明の非対称性ヘアピンsiNA分子は、ステムループモチーフを含有し、これにおいて、該siNA分子のループ部分は生分解性である。別の実施態様においては、本発明の非対称性ヘアピンsiNA分子は、非ヌクレオチドリンカーを含んでなる、ループ部分を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、センス及びアンチセンス領域を含んでなる別個のポリヌクレオチド鎖を有している、非対称性の二本鎖構造を含んでなり、これにおいて、該アンチセンス領域は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)ヌクレオチド長であり、これにおいて、該センス領域は、約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチド長であり、これにおいて、該センス領域及び該アンチセンス領域は、少なくとも3つの相補的ヌクレオチドを有しており、かつこれにおいて、該siNAは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ構造を含んでなる、1つ以上の化学修飾を含み得る。例えば、本発明の化学修飾された例示的siNA分子は、センス及びアンチセンス領域を含んでなる別個のポリヌクレオチド鎖を有している、非対称性二本鎖構造を含んでなり、これにおいて、該アンチセンス領域は、約18ないし約23(例えば、約18、19、20、21、22、又は23)ヌクレオチド長であり、かつこれにおいて、該センス領域は、約3ないし約15(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15)ヌクレオチド長であり、これにおいて、該センス領域及び該アンチセンス領域は、少なくとも3つの相補的ヌクレオチドを有しており、かつこれにおいて、該siNAは、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ構造を含んでなる、1つ以上の化学修飾を含み得る。別の実施態様においては、非対称性の二本鎖siNA分子はまた、本明細書に記載のように化学修飾され得る5’末端リン酸基(例えば、式IVを有する5’末端リン酸基)を有し得る。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、環状核酸分子を含んでなり、これにおいて、該siNAは、約38ないし約70(例えば、約38、40、45、50、55、60、65、又は70)ヌクレオチド長であって、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個の塩基対を有しており、かつこれにおいて、該siNA分子は、式IないしVIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せをもつ構造を含んでなる、化学修飾を含み得る。例えば、本発明の化学修飾された例示的siNA分子は、式Iないし式VIIのいずれか、又はそれらの任意の組合せを有する化学修飾によって化学修飾されている、約42ないし約50(例えば、約42、43、44、45、46、47、48、49、又は50)個のヌクレオチドを有する環状オリゴヌクレオチドを含んでなり、これにおいて、該環状オリゴヌクレオチドは、約19塩基対と2つのループとを有するダンベル型の構造を形成する。
別の実施態様においては、本発明の環状siNA分子は、2つのループモチーフを含有し、これにおいて、該siNA分子の一方又は双方のループ部分は、生分解性である。例えば、本発明の環状siNA分子は、インビボでのsiNA分子のループ部分の分解が、3’末端突出、例えば、約2ヌクレオチドを含んでなる3’末端ヌクレオチド突出をもつ、二本鎖siNA分子を生成し得るよう設計される。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも1つ(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の脱塩基(abasic)成分、例えば、式V:
Figure 2010519203
[式中、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11、R12、及びR13は、独立して、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール又はアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、又は、式I若しくはIIを有する基であり;R9は、O、S、CH2、S=O、CHF、又はCF2である]
を有する化合物を含んでなる。1つの実施態様においては、R3及び/又はR7は、コンジュゲート基、及びリンカー(例えば、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含んでなる。制限しないコンジュゲート基の例は、細胞受容体用のリガンド、例えば、天然タンパク質リガンドに由来するペプチド;細胞ZIPコード配列を含む、タンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;ビタミン及び他のコファクター、例えば、葉酸塩及びN−アセチルガラクトサミン;ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);リン脂質;コレステロール;ステロイド、及びポリアミン、例えば、PEI、スペルミン、又はスペルミジンを包含する。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも1つ(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の反転脱塩基成分、例えば、式VI:
Figure 2010519203
[式中、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11、R12、及びR13は、独立して、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール又はアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、又は、式I若しくはIIを有する基であり;R9は、O、S、CH2、S=O、CHF、又はCF2であり、かつ、R2、R3、R8、又はR13のいずれかが、本発明のsiNA分子への結合点として役割を果たす]
を有する化合物を含んでなる。1つの実施態様においては、R3及び/又はR7は、コンジュゲート基、及びリンカー(例えば、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含んでなる。制限しないコンジュゲート基の例は、細胞受容体用のリガンド、例えば、天然タンパク質リガンドに由来するペプチド;細胞ZIPコード配列を含む、タンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;ビタミン及び他のコファクター、例えば、葉酸塩及びN−アセチルガラクトサミン;ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);リン脂質;コレステロール;ステロイド、及びポリアミン、例えば、PEI、スペルミン、又はスペルミジンを包含する。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも1つ(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の置換ポリアルキル基、例えば、式VII:
Figure 2010519203
[式中、各nは、独立して、1から12までの整数であり、各R1、R2、及びR3は、独立して、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール又はアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、又は、式Iを有する基であり、かつR1、R1、又はR3は、本発明のsiNA分子への結合点として役割を果たす]
を有する化合物を含んでなる。1つの実施態様においては、R3及び/又はR1は、コンジュゲート基、及びリンカー(例えば、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含んでなる。制限しないコンジュゲート基の例は、細胞受容体用のリガンド、例えば、天然タンパク質リガンドに由来するペプチド;細胞ZIPコード配列を含む、タンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;ビタミン及び他のコファクター、例えば、葉酸塩及びN−アセチルガラクトサミン;ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);リン脂質;コレステロール;ステロイド、及びポリアミン、例えば、PEI、スペルミン、又はスペルミジンを包含する。
「ZIPコード」配列により、細胞のトポジェニックなシグナリング媒介輸送に関与する任意のペプチド、又はタンパク質配列が意味される(例えば、Ray et al.,2004,Science,306(1501):1505参照)。
別の実施態様においては、本発明は、式VIIを有する化合物を特徴とし、これにおいて、R1及びR2は、ヒドロキシル(OH)基であり、n=1であり、そしてR3は、Oを含んでなり、かつ本発明の二本鎖siNA分子の一方又は双方の鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方への、或いは本発明の単鎖siNA分子への結合点である。この修飾を、本発明においては「グリセリル」と呼ぶ。
別の実施態様においては、本発明の化学修飾されたヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI、又はVIIのいずれかを有する成分)は、本発明のsiNA分子の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において存在する。例えば、化学修飾されたヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI、又はVIIを有する成分)は、該siNA分子のアンチセンス鎖、センス鎖、又はアンチセンス及びセンス両鎖の、3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において存在し得る。1つの実施態様においては、化学修飾されたヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI、又はVIIを有する成分)は、本発明の二本鎖siNA分子の、センス鎖の5’末端及び3’末端、及びアンチセンス鎖の3’末端に存在する。1つの実施態様においては、化学修飾されたヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI、又はVIIを有する成分)は、本発明の二本鎖siNA分子の、センス鎖の5’末端及び3’末端、及びアンチセンス鎖の3’末端の、末端位に存在する。1つの実施態様においては、化学修飾されたヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI、又はVIIを有する成分)は、本発明の二本鎖siNA分子の、センス鎖の5’末端及び3’末端、及びアンチセンス鎖の3’末端の、末端位の2つに存在する。1つの実施態様においては、化学修飾されたヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI、又はVIIを有する成分)は、本発明の二本鎖siNA分子の、センス鎖の5’末端及び3’末端、及びアンチセンス鎖の3’末端の、端から2番目の位置に存在する。さらに、式VIIを有する成分は、本明細書に記載のヘアピンsiNA分子の、3’末端又は5’末端に存在し得る。
別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、式V又はVIを有する脱塩基残基を含んでなり、これにおいて、式V又はVIを有する該脱塩基残基は、siNAコンストラクトに対し、3’−3’、3’−2’、2’−3’、又は5’−5’の立体配置において、例えば、一方又は双方のsiNA鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において結合される。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、1つ以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)のロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド分子を、例えば、該siNA分子の5’末端、3’末端、5’及び3’末端の双方、又はそれらの任意の組合せにおいて含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、1つ以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)の4’−チオヌクレオチドを、例えば、該siNA分子の5’末端、3’末端、5’及び3’末端の双方、又はそれらの任意の組合せにおいて含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、1つ以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上)非環式ヌクレオチドを、例えば、該siNA分子の5’末端、3’末端、5’及び3’末端の双方、又はそれらの任意の組合せにおいて含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、センス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドである)。
1つの実施態様においては、本発明は、センス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドであり)、これにおいて、前記センス領域に存在する3’末端ヌクレオチド突出を含んでなる任意のヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチドである。
1つの実施態様においては、本発明は、センス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。
1つの実施態様においては、本発明は、センス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該センス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、前記センス領域に存在する3’末端ヌクレオチド突出を含んでなる任意のヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチドである。
1つの実施態様においては、本発明は、アンチセンス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。
1つの実施態様においては、本発明は、アンチセンス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、前記アンチセンス領域に存在する3’末端ヌクレオチド突出を含んでなる任意のヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチドである。
1つの実施態様においては、本発明は、アンチセンス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドである)。
1つの実施態様においては、本発明は、アンチセンス領域を含んでなる本発明の化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の(例えば、1個以上又は全ての)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これは、センス領域: これにおいて、該センス領域に存在する1個以上のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該センス領域に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−デオキシプリンヌクレオチドである);及びアンチセンス領域: これにおいて、該アンチセンス領域に存在する任意の1個以上のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、該アンチセンス領域に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)、を含んでなる。センス領域及び/又はアンチセンス領域は、末端キャップ修飾を有しても良く、これは任意で、該センス領域及び/又はアンチセンス領域の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に存在してもよい。該センス領域及び/又はアンチセンス領域は、任意でさらに、約1ないし約4個(例えば、約1、2、3、又は4個)の2’−デオキシヌクレオチドを含む3’末端ヌクレオチド突出を含んでいてもよい。突出ヌクレオチドは、さらに、1個以上(例えば、約1、2、3、4個、又はそれ以上)のホスホロチオエート、ホスホノアセテート、及び/又はトリホスホノアセテートインターヌクレオチド結合を含んでいてもよい。記述されたこれらの任意の実施態様において、センス領域に存在するプリンヌクレオチドは、択一的に2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり)、かつ、アンチセンス領域に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。また、これらの任意の実施態様においては、センス領域に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、択一的にプリンリボヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドがプリンリボヌクレオチドであるか、或いはまた、複数のプリンヌクレオチドがプリンリボヌクレオチドであり)、かつ、アンチセンス領域に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。さらに、これらの任意の実施態様においては、センス領域に存在する、及び/又はアンチセンス領域に存在する、1個以上のプリンヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチド、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、及び2’−O−メチルヌクレオチドからなる群より選択される(例えば、全てのプリンヌクレオチドが、2’−デオキシヌクレオチド、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、及び2’−O−メチルヌクレオチドからなる群より選択されるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−デオキシヌクレオチド、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、及び2’−O−メチルヌクレオチドからなる群より選択される)。
別の実施態様においては、任意の修飾されたヌクレオチドは、本発明のsiNA分子において、好ましくは、本発明の該siNA分子のアンチセンス鎖に存在するが、また任意で、センス鎖、及び/又は、アンチセンス及びセンス両鎖において存在してもよく、天然リボヌクレオチドに類似した性質又は特徴を有する修飾されたヌクレオチドを含んでなる。例えば、本発明は、ノーザン(Northern)コンフォメーション(例えば、ノーザンシュードローテーションサイクル、例えば、サンガー(Saenger)著、「Principles of Nucleic Acid Structure(核酸構造)」、スプリンガー・バーラグ版(Springer−Verlag ed、1984年を参照)を有する修飾されたヌクレオチドを包含するsiNA分子を特徴とする。すなわち、化学修飾されたヌクレオチドは、本発明のsiNA分子において、好ましくは、本発明の該siNA分子のアンチセンス鎖に存在するが、また任意で、センス鎖、及び/又は、アンチセンス及びセンス両鎖において存在してもよく、ヌクレアーゼ分解に対し抵抗性であると同時に、RNAiを媒介する能力を維持している。ノーザンコンフィギュレーションを有するヌクレオチドの非限定的な例は、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド(例えば、2’−O,4’−C−メチレン−(D−リボフラノシル)ヌクレオチド;2’−メトキシエトキシ(MOE)ヌクレオチド;2’−メチル−チオ−エチル、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−クロロヌクレオチド、2’−アジドヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、及び2’−O−メチルヌクレオチドを包含する。
1つの実施態様においては、本発明の二本鎖低分子干渉核酸心分子のセンス鎖は、末端キャップ成分、例えば反転デオキシ脱塩基成分を、該センス鎖の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方において含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る、化学修飾された低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて該化学修飾は、化学修飾されたsiNA分子に対し共有結合により結合されたコンジュゲートを含んでなる。本発明に係るコンジュゲートの非限定的な例は、2003年4月30日出願の、Vargeeseら、USSN10/427,160(その記載全体が、図面とともに、参考として本明細書に含まれる)に記載されたコンジュゲート及びリガンドを包含する。別の実施態様においては、コンジュゲートは、化学修飾されたsiNA分子に対し、生分解性リガンドを介して共有結合されている。1つの実施態様においては、コンジュゲート分子は、化学修飾されたsiNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖のいずれか、又は両鎖の、3’末端に結合する。別の実施態様においては、コンジュゲート分子は、化学修飾されたsiNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖のいずれか、又は両鎖の、5’末端に結合する。なお別の実施態様においては、コンジュゲート分子は、化学修飾されたsiNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖のいずれか、又は両鎖の、3’末端及び5’末端の双方か、又はそれらの任意の組合せに結合する。1つの実施態様においては、本発明のコンジュゲート分子は、化学修飾されたsiNA分子の、生物系、例えば細胞、の内部への送達を促進する分子を含んでなる。別の実施態様においては、化学修飾されたsiNA分子に結合したコンジュゲート分子は、細胞受容体用のリガンド、例えば、天然タンパク質リガンドに由来するペプチド;細胞ZIPコード配列を含む、タンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;ビタミン及び他のコファクター、例えば、葉酸塩及びN−アセチルガラクトサミン;ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);リン脂質;コレステロール;ステロイド、及びポリアミン、例えば、PEI、スペルミン、又はスペルミジンである。化学修飾されたsiNA分子に結合し得る、本発明に係る具体的なコンジュゲート分子の例は、2002年7月22日出願の、Vargeeseら、USSN10/201,394(その記載全体が、参考として本明細書に含まれる)に記載されている。使用したコンジュゲートのタイプ、及び本発明のsiNA分子のコンジュゲーションの程度は、RNAi活性を媒介するsiNAの能力を同時に維持しながら、siNAコンストラクトの改善された薬物動態学プロフィール、バイオアベイラビリティ、及び/又は安定性について評価し得る。すなわち、当業者は、当該技術分野において一般に知られているような動物モデルにおいて、種々のコンジュゲートで修飾されたsiNAコンストラクトをスクリーニングして、該siNAコンジュゲート複合体が、RNAiを媒介する能力を維持しながら、改善された特性をもつかどうかを判定することができる。
1つの実施態様においては、本発明は、本発明の低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、該siNA分子はさらに、該siNA分子のセンス領域を該siNA分子のアンチセンス領域に結合する、ヌクレオチド、非ヌクレオチド、又は混合ヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーを含んでなる。1つの実施態様においては、ヌクレオチド、非ヌクレオチド、又は混合ヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーは、例えば、コンジュゲート成分をsiNAに結合するために使用する。1つの実施態様においては、本発明のヌクレオチドリンカーは、2ヌクレオチド長以上、例えば、約3、4、5、6、7、8、9、又は10ヌクレオチド長であってよい。別の実施態様においては、ヌクレオチドリンカーは、核酸アプタマーであってよい。
なお別の実施態様においては、本発明の非ヌクレオチドリンカーは、脱塩基ヌクレオチド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリ炭化水素、又は他のポリマー化合物(例えば、ポリエチレングリコール、例えば、2ないし100個のエチレングリコール単位を有するもの)を含んでなる。具体的な例は、Seela and Kaise,Nucleic Acids Res.1990,18:6353、及びNucleic Acids Res.1987,15:3113;Cload and Schepartz,J.Am.Chem.Soc.1991,113:6324;Richardson and Schepartz,J.Am.Chem.Soc.1991,113:5109;Ma et al.,Nucleic Acids Res.1993,21:2585、及びBiochemistry 1993,32:1751;Durand et al.Nucleic Acids Res.1990,18:6353;McCurdy et al.,Nucleosides & Nucleotides,1991,10:287;Jschke et al.,Tetrahedron Lett.1993,34:301;Ono et al.,Biochemistry 1991,30:9914;Arnoldら、国際公開第WO89/02439、Usmanら、国際公開WO95/06731;Dudyczら、国際公開WO95/11910、及び、Ferentz and Verdine,J.Am.Chem.Soc.1991,113巻:4000(ここに、全て参考として本明細書に含まれる)により記載されたものを包含する。「非ヌクレオチド」はさらに、1個以上のヌクレオチド単位の代わりに、糖及び/又はリン酸置換のいずれかを含めて、核酸鎖中に取込まれ得て、残りの塩基がその酵素活性を示すことができるようにする、任意の基又は化合物を意味する。該基又は化合物は、一般に認識されているヌクレオチド塩基、例えばアデノシン、グアニン、シトシン、ウラシル、又はチミンを、糖のC1位において含有しない場合、脱塩基であり得る。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞又は再構築されたインビトロ系の中で、RNA干渉(RNAi)を媒介し得る、低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とし、これにおいて、2つの別個のオリゴヌクレオチドから組立てられた、該siNA分子の一方又は双方の鎖は、何らリボヌクレオチドを含まない。例えば、siNA分子は、単一のオリゴヌクレオチドから組立てられてもよく、ここで、該siNAのセンス及びアンチセンス領域は、オリゴヌクレオチド中に存在するリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)をもたない別個のオリゴヌクレオチドを含んでなる。別の例では、siNA分子は、単一のオリゴヌクレオチドから組立てられてもよく、ここで、該siNAのセンス及びアンチセンス領域は、本明細書に記載のヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカーにより、結合されるか又は環化されており、これにおいて、該オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド中に存在するリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)をもたない。本出願人は、驚くべきことに、siNA分子中のリボヌクレオチド(例えば、2’−ヒドロキシル基を有するヌクレオチド)の存在が、RNAi活性を支持しるために必要又は必須ではないことを見出した。例えば、1つの実施態様においては、siNA中の全ての位置は、化学修飾されたヌクレオチド及び/又は非ヌクレオチド、例えば、式I、II,III、IV、V、VI、又はVIIを有するヌクレオチド及び又は非ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せを、細胞内でRNAi活性を支持する該siNA分子の能力が維持される程度に包含し得る。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、細胞又は再構築されたインビトロ系においてRNAi活性を媒介する単鎖siNA分子であって、標的核酸配列に相補性を有する単鎖ポリヌクレオチドを含んでなる。別の実施態様においては、本発明の単鎖siNA分子は、5’末端リン酸基を含んでなる。別の実施態様においては、本発明の単鎖siNA分子は、5’末端リン酸基及び3’末端リン酸基(例えば、2’、3’−環状ホスフェイト)を含んでなる。別の実施態様においては、本発明の単鎖siNA分子は、約15ないし約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30)個のヌクレオチドを含んでなる。なお別の実施態様においては、本発明の単鎖siNA分子は、本明細書に記載の、1個以上の化学修飾されたヌクレオチド、又は非ヌクレオチドを含んでなる。例えば、siNA分子中の全ての位置は、化学修飾されたヌクレオチド、例えば、式IないしVIIのいずれかを有するヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せを、細胞内でRNAi活性を支持する該siNA分子の能力が維持される程度に包含し得る。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、細胞又は再構築されたインビトロ系においてRNAi活性を媒介する単鎖siNA分子であって、標的核酸配列に相補性を有する単鎖ポリヌクレオチド; これにおいて、該siNAに存在する1個以上のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のピリミジンヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリジンヌクレオチドであり)、かつこれにおいて、アンチセンス領域に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり);及び、任意で該アンチセンス配列の3’末端、5’末端、又は3’及び5’末端の双方に存在してもよい、末端キャップ修飾を含んでなる。該siNAは、任意でさらに、約1ないし約4個又はそれ以上(例えば、約1、2、3、4個又はそれ以上)の末端2’−デオキシヌクレオチドを、該siNA分子の3’末端に有してもよく、これにおいて、該末端ヌクレオチドは、さらに1個以上(例えば、1、2、3、4個又はそれ以上)のホスホロチオエート、ホスホノアセテート、及び/又はチオホスホノアセテートインターヌクレオチド結合を含んでなることができ、かつこれにおいて、該siNAは、任意でさらに、末端リン酸基、例えば5’末端リン酸基を含んでなってもよい。これらの任意の実施態様においては、アンチセンス領域に存在する任意のプリンヌクレオチドは、択一的に2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが2’−デオキシプリンヌクレオチドであり)る。また、これらの任意の実施態様においては、siNA分子に存在する任意のプリンヌクレオチド(すなわち、センス及び/又はアンチセンス領域に存在するプリンヌクレオチド)は、択一的に、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチドであってよい(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドがLNAヌクレオチドであるか、或いは又複数のプリンヌクレオチドがLNAヌクレオチドである)。また、これらの任意の実施態様においては、siNAに存在する任意のプリンヌクレオチドは、択一的に2’−メトキシエチルプリンヌクレオチドである(例えば、これにおいて、全てのプリンヌクレオチドが2’−メトキシエチルプリンヌクレオチドであるか、或いはまた複数のプリンヌクレオチドが、2’−メトキシエチルプリンヌクレオチドである)。別の実施態様においては、本発明の単鎖siNA分子に存在する任意の修飾されたヌクレオチドは、天然リボヌクレオチドに類似した性質又は特徴を有する修飾されたヌクレオチドを含んでなる。例えば、本発明は、ノーザン(Northern)コンフォメーション(例えば、ノーザンシュードローテーションサイクル、例えば、サンガー(Saenger)著、「Principles of Nucleic Acid Structure(核酸構造)」、スプリンガー・バーラグ版(Springer−Verlag ed、1984年を参照)を有する修飾されたヌクレオチドを包含するsiNA分子を特徴とする。すなわち、本発明の単鎖siNA分子に存在する化学修飾されたヌクレオチドは、好ましくは、ヌクレアーゼ分解に対し抵抗性であると同時に、RNAiを媒介する能力を維持している。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、化学修飾されたヌクレオチド又は非ヌクレオチド(例えば、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、又は2’−O−メチルヌクレオチドといった、式IないしVIIのいずれかを有している)を、該siNA分子の1つ以上の鎖又は領域内の交互の位置において含んでなる。例えば、かかる化学修飾は、RNAベースのsiNA分子の1つおきの位置に導入可能であり、該siNAの3’末端又は5’末端から、1番目又は2番目のヌクレオチドのいずれかで始まる。非限定的な例においては、siNAの各鎖が21ヌクレオチド長である本発明の二本鎖siNA分子は、これにおいて、各鎖の位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、及び21が化学修飾されていることを特徴とする(例えば、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、又は2’−O−メチルヌクレオチドといった、式IないしVIIのいずれかを有している化合物で)。別の非限定的な例において、siNAの各鎖が21ヌクレオチド長である本発明の二本鎖siNA分子は、これにおいて、各鎖の位置2、4、6、8、10、12、14、16、18、及び20が化学修飾されていることを特徴とする(例えば、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、又は2’−O−メチルヌクレオチドといった、式IないしVIIのいずれかを有している化合物で)。かかるsiNA分子は、さらに、本明細書に記載の末端キャップ成分及び/又は骨格修飾を含んでいてもよい。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子、例えば、本発明のポリヌクレオチド分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)を、患者又は生体の細胞又は複数の細胞に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該ポリヌクレオチド成分の送達に適した条件下に、該患者又は生体の細胞又は複数の細胞に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。別の実施態様においては、該細胞は、例えば、肺細胞、肝細胞、CNS細胞、PNS細胞、腫瘍細胞、腎細胞、血管細胞、皮膚細胞、眼細胞、又は耳の細胞である。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子、例えば、本発明のポリヌクレオチド分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)を、患者又は生体の肝臓又は肝細胞(例えば、肝実質細胞)に、送達又は投与するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該製剤又は組成物の該ポリヌクレオチド成分の送達に適した条件下に、患者又は生体の肝臓又は肝細胞(例えば、肝実質細胞)に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。
1つの実施態様においては、細胞内で標的遺伝子の発現を調節するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、細胞において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に、該細胞内に導入することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該細胞は肝細胞(例えば、肝実質細胞)である。別の実施態様においては、該細胞は、例えば、肺細胞、CNS細胞、PNS細胞、腫瘍細胞、腎細胞、血管細胞、皮膚細胞、眼細胞、又は耳の細胞である。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、細胞内で1つ以上の標的遺伝子の発現を調節するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を、該細胞において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に、該細胞内に導入することを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該細胞は肝細胞(例えば、肝実質細胞)である。別の実施態様においては、該細胞は、例えば、肺細胞、CNS細胞、PNS細胞、腫瘍細胞、腎細胞、血管細胞、皮膚細胞、眼細胞、又は耳の細胞である。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体における遺伝子発現に関連した疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、該患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に、該患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを含んでなる、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、遺伝子発現の低減、及びしたがってそれぞれのタンパク質/RNAレベルの低減が、疾患、障害、形質、又は症状の徴候をある程度緩和する。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において癌を治療又は予防するための方法であって、該患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に、該患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを含んでなり、それにより癌の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば癌性細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における癌の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体における適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において増殖性の疾患又は症状を治療又は予防するための方法であって、該患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に、該患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを含んでなり、それにより増殖性の疾患又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば増殖性疾患に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における増殖性の疾患又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体における適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、移植片及び/又は組織拒絶(同種移植片拒絶)を治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより移植片及び/又は組織拒絶(同種移植片拒絶)の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば移植片及び/又は組織拒絶(同種移植片拒絶)に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における移植片及び/又は組織拒絶(同種移植片拒絶)の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、自己免疫疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより自己免疫疾患、障害、形質、又は症状の治療または予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば自己免疫疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における自己免疫疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、感染性疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより感染性疾患、障害、形質、又は症状の治療または予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば感染性疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における感染性疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、年齢関連疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより年齢関連疾患、障害、形質、又は症状の治療または予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば年齢関連疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における年齢関連疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、神経又は神経変性疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより神経又は神経変性疾患、障害、形質、又は症状の治療または予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば神経又は神経変性疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における神経又は神経変性疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、該製剤又は組成物の、カテーテル法、浸透圧ポンプ投与(例えば、髄腔内又は脳室)静脈内、又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。1つの実施態様においては、神経疾患はハンチントン病である。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、代謝疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより代謝疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば代謝疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における代謝疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、心臓血管疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより心臓血管疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば心臓血管疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における心臓血管疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、呼吸器疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより呼吸器疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば呼吸器疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における呼吸器疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、眼性疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより眼性疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば眼性疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における眼性疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、皮膚の疾患、障害、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより皮膚の疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば皮膚の疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における皮膚の疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、肝臓の疾患、障害、形質、又は症状(例えば、肝炎、HCV、HBV、糖尿病、肝硬変、肝細胞癌など)を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより肝臓の疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば肝臓の疾患、障害、形質、又は症状に関与する細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における肝臓の疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、腎臓/腎性の疾患、障害、形質、又は症状(例えば、多発性嚢胞腎)を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより腎臓/腎性の疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、腎臓/腎性の疾患、障害、形質、又は症状に関係している、腎臓/腎性細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における腎臓/腎性の疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、聴覚の疾患、障害、形質、又は症状(例えば、聴力損失、難聴)を、治療又は予防するための方法であって、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と、患者又は生体において標的遺伝子の発現を調節するのに適した条件下に接触させ、それにより聴覚の疾患、障害、形質、又は症状の治療又は予防を達成し得る、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、ポリヌクレオチド、例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、聴覚の疾患、障害、形質、又は症状に関係している、耳、内耳、又は中耳の細胞及び組織、への局所投与により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。1つの実施態様においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、患者又は生体における聴覚の疾患、障害、形質、又は症状の維持又は発生に関与する組織又は細胞、への全身投与(例えば、製剤又は組成物の、静脈内又は皮下投与)により、患者又は生体を、本発明の製剤又は組成物と接触させることを特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、患者又は生体において適当な組織又は細胞を標的とするべく、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で製剤又はコンジュゲートし得る。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、本明細書に記載の疾患又は症状を治療又は予防するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を該患者又は生体に投与することを含んでなり;これにおいて、該製剤又は組成物は、患者における標的遺伝子発現のレベルを、該製剤又は組成物で処理されていない患者に比較して低減又は阻害するのに適した条件下に投与される、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、脂質ナノ粒子及び本発明のsiNA分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、本明細書に記載の疾患又は症状を治療又は予防するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を該患者に投与することを含んでなり;これにおいて、(a)製剤分子組成物は、センス鎖及びアンチセンス鎖を有する二本鎖核酸分子を含んでなり;(b)該二本鎖核酸分子の各鎖は、15ないし28ヌクレオチド長であり;(c)該センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドが、該アンチセンス鎖に相補的であり;(d)該二本鎖核酸分子の該アンチセンス鎖は、標的RNAに対し相補性を有しており;かつこれにおいて、該製剤又は組成物は、該患者における標的RNAを、該製剤又は組成物で処理されていない患者に比較して低減又は阻害するのに適した条件下に投与される、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、製剤又は組成物は、脂質ナノ粒子及び本発明のsiNA分子を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、患者又は生体において、本明細書に記載の疾患又は症状を治療又は予防するための方法であって、本発明の製剤又は組成物を該患者又は生体に投与することを含んでなり;これにおいて、(a)製剤分子組成物は、センス鎖及びアンチセンス鎖を有する二本鎖核酸分子を含んでなり;(b)該二本鎖核酸分子の各鎖は、15ないし28ヌクレオチド長であり;(c)該センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドが、該アンチセンス鎖に相補的であり;(d)該二本鎖核酸分子の該アンチセンス鎖は、標的RNAに対し相補性を有しており;(e)該二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくともとも20%が、化学修飾を有する修飾されたヌクレオチドであり;かつ(f)少なくとも2つの該化学修飾は、互いに異なっており、かつこれにおいて、該製剤又は組成物は、該患者における標的RNAのレベルを、該製剤又は組成物で処理されていない患者に比較して低減又は阻害するのに適した条件下に投与される、該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、該製剤又は組成物は、脂質ナノ粒子及び本発明のsiNA分子を含んでなる。
本発明の治療法のいずれにおいても、該製剤又は組成物は、患者に対し、治療コースとして、例えば、1日1回を治療コースにわたり、2日毎に1回を治療コースにわたり、3日毎に1回を治療コースにわたり、4日毎に1回を治療コースにわたり、5日毎に1回を治療コースにわたり、6日毎に1回を治療コースにわたり、1週間に1回を治療コースにわたり、1週間おきに1回を治療コースにわたり、1か月に1回を治療コースにわたり、などといった、様々な時間間隔での投与として投与可能である。1つの実施態様においては、治療のコースは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週間毎に1回である。1つの実施態様においては、治療のコースは、約1ないし約52週間又はそれ以上(例えば、無期限)である。1つの実施態様においては、治療のコースは、約1から約48か月まで又はそれ以上(例えば、無期限)である。
1つの実施態様においては、治療のコースは、最初の治療コース、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10週間、又はそれより多い週毎に1回を、固定された期間に(例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、又はそれ以上)にわたり、及びそれに続く維持用の治療コース、例えば、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40週間、又はそれより多い週毎に1回を、追加の固定された期間(例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、又はそれ以上)にわたるものを包含する。
本発明の任意の治療法において、該製剤又は組成物は、本明細書に記載の通り、又は当該技術において既知の他の方法で、患者に対し全身投与することができる。全身投与は、当該技術分野において一般に知られているような、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、カテーテル法、鼻咽頭、経皮、又は消化管投与を包含し得る。
1つの実施態様においては、本発明の任意の治療又は予防法において、該製剤又は組成物は、本明細書に記載の通り、又は当該技術において既知の他の方法で、患者に局所又は局所細胞に投与することができる。局所投与は、例えば、カテーチル法、移植、浸透圧ポンプ、直接注射、皮膚/経皮適用、ステント留置術、点耳/点眼、又は、関連組織への門脈投与か、或いは、当該技術分野において一般に知られている任意の他の局所投与技術、方法、又は手順を包含する。
1つの実施態様においては、本発明は、本発明の製剤又は組成物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、本発明は、1つ以上の遺伝子を標的化する本発明の製剤又は組成物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含んでなる組成物を特徴とする。別の実施態様においては、本発明は、患者における疾患又は症状を診断するための方法であって、該患者に対し、本発明の製剤又は組成物を、該患者における疾患又は症状の診断に適した条件下に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。別の実施態様においては、本発明は、患者における疾患、形質、又は症状を、治療又は予防するための方法であって、該患者に対し、本発明の製剤又は組成物を、単独で、又は1つ以上の他の治療用化合物と一緒に、該患者における疾患、形質、又は症状の治療又は予防に適した条件下に投与することを含んでなる、該方法を特徴とする。
1つの実施態様においては、制限しないが、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子を含む、本発明のポリヌクレオチド分子の合成法は、Scaringeら、米国特許第5,889,136;6,008,400;及び6,111,086号(その記載全体が、参考として本明細書に含まれる)の教示を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、増大されたヌクレアーゼ抵抗性をもつ製剤ポリヌクレオチド(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)組成物を生成するための方法であって、(a)修飾されたヌクレオチドを、本発明の製剤又は組成物のポリヌクレオチド成分に導入すること、及び(b)工程(a)の製剤又は組成物を、増大されたヌクレアーゼ抵抗性を有する製剤ポリヌクレオチド組成物を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。
別の実施態様においては、本発明は、改善された毒性プロフィールをもつ(例えば、免疫刺激性が弱められているか、又はない)ポリヌクレオチド(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)分子を生成するための方法であって、(a)式IないしVIIのいずれかを有するヌクレオチド(例えば、表Iにおいて参照されたsiNAモチーフ)又はそれらの任意の組合せを、ポリヌクレオチド分子に導入すること、及び(b)工程(a)のポリヌクレオチド分子を、改善された毒性プロフィールを有するsiNA分子を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。
別の実施態様においては、本発明は、改善された毒性プロフィールをもつ(例えば、免疫刺激性が弱められているか、又はない)製剤siNA組成物を生成するための方法であって、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の他の、送達ビヒクル又は送達粒子とを含んでなる、製剤siNA組成物を生成すること、及び(b)工程(a)のsiNA製剤を、改善された毒性プロフィールを有する製剤siNA組成物を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。
別の実施態様においては、本発明は、細胞、患者、又は生体において、インターフェロン応答を刺激しない(例えば、インターフェロン応答がないか、又はインターフェロン応答が弱められている)siNA分子を生成するための方法であって、(a)式IないしVIIのいずれかを有するヌクレオチド(例えば、表Iにおいて参照されたsiNAモチーフ)又はそれらの任意の組合せを、siNA分子に導入すること、及び(b)工程(a)のsiNA分子を、インターフェロン応答を刺激しないsiNA分子を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。
別の実施態様においては、本発明は、細胞、患者、又は生体において、インターフェロン応答を刺激しない(例えば、インターフェロン応答がないか、又はインターフェロン応答が弱められている)製剤siNA組成物を生成するための方法であって、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の他の、送達ビヒクル又は送達粒子とを含んでなる、製剤siNA組成物を生成すること、及び(b)工程(a)のsiNA製剤を、インターフェロン応答を刺激しない製剤siNA組成物を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、インターフェロンはインターフェロンアルファを含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、細胞、患者、又は生体において、炎症性又は前炎症性サイトカイン応答を刺激しない(例えば、サイトカイン応答がないか、又はサイトカイン応答が弱められている)siNA分子を生成するための方法であって、(a)式IないしVIIのいずれかを有するヌクレオチド(例えば、表Iにおいて参照されたsiNAモチーフ)又はそれらの任意の組合せを、siNA分子に導入すること、及び(b)工程(a)のsiNA分子を、サイトカイン応答を刺激しないsiNA分子を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、サイトカインは、インターロイキン、例えばインターロイキン−6(IL−6)、及び/又は腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)を含んでなる。
1つの実施態様においては、本発明は、細胞、患者、又は生体において、炎症性又は前炎症性サイトカイン応答を刺激しない(例えば、サイトカイン応答がないか、又はサイトカイン応答が弱められている)製剤siNA組成物を生成するための方法であって、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の他の、送達ビヒクル又は送達粒子とを含んでなる、製剤siNA組成物を生成すること、及び(b)工程(a)のsiNA製剤を、サイトカイン応答を刺激しない製剤siNA組成物を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、サイトカインは、インターロイキン、例えばインターロイキン−6(IL−6)、及び/又は腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、細胞、患者、又は生体において、トール様(Toll−like)受容体(TLR)応答を刺激しない(例えば、TLR応答がないか、又はTLR応答が弱められている)siNA分子を生成するための方法であって、(a)式IないしVIIのいずれかを有するヌクレオチド(例えば、表Iにおいて参照されたsiNAモチーフ)又はそれらの任意の組合せを、siNA分子に導入すること、及び(b)工程(a)のsiNA分子を、TLR応答を刺激しないsiNA分子を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、TLRは、TLR3、TLR7、TLR8及び/又はTLR9を含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、細胞、患者、又は生体において、トール様受容体(TLR)応答を刺激しない(例えば、TLR応答がないか、又はTLR応答が弱められている)製剤siNA組成物を生成するための方法であって、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の他の、送達ビヒクル又は送達粒子とを含んでなる、製剤siNA組成物を生成すること、及び(b)工程(a)のsiNA製剤を、TLR応答を刺激しない製剤siNA組成物を単離するのに適した条件下にアッセイすること、を含んでなる該方法を特徴とする。1つの実施態様においては、TLRは、TLR3、TLR7、TLR8及び/又はTLR9を含んでなる。
「改善された毒性プロフィール」により、未修飾のポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA又は製剤siNA組成物、或いは、ほとんど修飾がないか、又は改善された毒性を付与する上で有効性の少ない修飾を有しているsiNA分子に比較して、ポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA又は製剤siNA組成物が、細胞、患者、又は生体において、低減された毒性を示すことを意味する。非限定的な例においては、改善された毒性プロフォールをもつポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA又は製剤siNA組成物は、未修飾のポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA又は製剤siNA組成物、或いは、ほとんど修飾がないか、又は改善された毒性を付与する上で有効性の少ない修飾を有しているポリヌクレオチド(例えば、siNA)に比較して、低減された免疫刺激性、例えば、細胞、患者、又は生体において低減されたか、又は弱められた免疫刺激性の応答に関連づけられる。かかる改善された毒性プロフィールは、阻害又は低減された免疫刺激、例えば、インターフェロン(例えば、インターフェロンアルファ)、炎症性サイトカイン(例えば、IL−6のようなインターロイキン、及び/又はTNF−アルファ)、及び/又はトール様受容体(例えば、TLR−3、TLR−7、TLR−8、及び/又はTLR−9)の誘導の低減又は阻害、によって特徴づけられる。1つの実施態様においては、改善された毒性プロフィールをもつポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA又は製剤siNA組成物は、何らリボヌクレオチドを含まない。1つの実施態様においては、改善された毒性プロフィールをもつポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA又は製剤siNA組成物は、5個未満のリボヌクレオチド(例えば、1、2、3、又は4個のヌクレオチド)を含んでなる。1つの実施態様においては、改善された毒性プロフィールをもつsiNA又は製剤siNA組成物は、Stab 7、Stab 8、Stab 11、Stab 12、Stab 13、Stab 16、Stab 17、Stab 18、Stab 19、Stab 20、Stab 23、Stab 24、Stab 25、Stab 26、Stab 27、Stab 28、Stab 29、Stab 30、Stab 31、Stab 32、Stab 33、Stab 34、又はそれらの任意の組合せを含んでなる(表I参照)。本明細書では、数字で示したStab化学は、表Iに示された化学の、2’−フルオロ及び2’−OCF3バージョンの双方を包含し得る。例えば、「Stab 7/8」は、Stab 7/8及びStab 7F/8Fの双方、その他を指す。1つの実施態様においては、改善された毒性プロフィールをもつsiNA又は製剤siNA組成物は、米国特許出願公開第20030077829号(図面を含め、その記載全体が、参考として本明細書に含まれる)に記述されている。
1つの実施態様においては、所与のポリヌクレオチド、製剤又は組成物、siNA分子又は製剤siNA組成物に関連する免疫刺激性応答のレベルは、本明細書に記載の、又は当該技術分野において既知の別の方法で、例えば、PKR/インターフェロン応答、増殖、B細胞活性化、及び/又はサイトカイン産生のレベルを、特定のポリヌクレオチド分子の免疫刺激応答を定量化するためのアッセイにおいて判定することにより、測定可能である(例えば、Leifer et al.,2003,J.Immunother.26,313−9;及び米国特許第5,968,909号(その記載全体が参考として含まれる)を参照)。1つの実施態様においては、低減された免疫刺激性応答は、未修飾又は最小限に修飾されたsiRNA分子に比較して、約10%ないし約100%、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%低減された免疫刺激性応答である。1つの実施態様においては、siNA分子に関連する免疫刺激性応答は、化学修飾の程度により調節可能である。例えば、修飾されたsiNA分子中、約10%ないし100%、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%のヌクレオチド位置を有する該siNA分子が、本明細書に記載の、対応する程度の免疫刺激性をもつべく選択可能である。
1つの実施態様においては、低減された免疫刺激性応答の程度は、最適化されたRNAi活性について選択される。例えば、ある一定の度合の免疫刺激を保持することが、ウイルス感染を治療するために好適であり得て、この場合、免疫刺激の100%未満の低減(例えば、免疫刺激における約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の低減)が、最大抗ウイルス活性のために好適であってよく、一方、最小限の免疫刺激性をもつsiNA分子については、非特異的毒性又はオフターゲット効果を防止するために、内在遺伝子標的の発現制御(例えば、免疫刺激の約90%ないし100%の低減)が好適であってもよい。
1つの実施態様においては、本発明の製剤siNA組成物は、該組成物が細胞に対し非毒性であるか、又は最小化された毒性プロフィールを有するように設計して、該組成物が、製剤siNA組成物のsiNA成分により媒介されるRNAiの効果に干渉しないか、又は結果として細胞に対し毒性を生じないようにする。
本明細書で使用される、用語「生物活性分子」は、系において生物学的応答を誘発するか又は修飾することが可能な、化合物又は分子を指す。生物活性分子の非限定的な例は、抗体(例えば、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、その他)、コレステロール、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、タンパク質、化学療法剤、抗生物質、低分子、ビタミン、コファクター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aキメラ、siNA、siRNA、miRNA、RNAi阻害剤、dsRNA、アロザイム、アプタマー、デコイ、及びそれらの類似体を包含する。本発明の生物活性分子はまた、他の生物活性分子、例えば、脂質及びポリマー、例えばポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、及び他のポリエーテルの薬物動態学及び/又は薬力学を調節し得る分子も包含する。ある実施態様においては、用語「生物活性分子」は、本明細書では、用語「分子」又は「興味の分子」と互換的に使用される。
本明細書で使用される、用語「担体」又は「担体分子」は、送達ビヒクル又は系と共同して、生物活性分子の活性及び/又は細胞内送達を強化し得る、任意の化合物又は組成物を指す。何らのメカニズム又は理論に束縛されることを望むものではないが、担体分子は、生物活性分子の強力な細胞内送達を可能にする、送達ビヒクル又は系の最大化された効率のための手だてであり、担体分子なしの送達ビヒクル又は系の使用に比較して、低減された量又は濃度の生物活性物質が、細胞、組織、又は生体において生物活性を与えることができるようにする。別法として、担体分子は、生物活性分子の生物活性を与える1つ以上の因子との相互作用を介する、生物活性分子の最大化された活性のための手だてであり、これにより生物活性分子の活性を強化する。1つの実施態様においては、担体分子は、特定の量の生物活性分子を、送達ビヒクル又は系と共同して置換え又は交換するべく使用される。1つの実施態様においては、約1ないし約99パーセント(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99パーセント)のモル質量、分子量、又は生物活性分子の濃度を、担体分子で、又は送達ビヒクル又は系と共同して、置換え又は交換し得る。担体分子の非限定的な例は、脂質(例えば、カチオン性脂質、中性脂質)、ペプチド、タンパク質、ステロイド(例えば、コレステロール、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココーチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチソール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸、及び/又は成長ホルモン)、低分子、ビタミン、コファクター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド(例えば、単鎖、二本鎖、又は三本鎖)、ポリマー、アルブミン、コラーゲン、及びゼラチン、多糖類、例えばデキストラン及びデンプン、及び、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ラクチド−グリコリドコポリマー(PLG)、乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリカプロラクトン、ラクチド−カプロラクトンコポリマー、ポリヒドロキシブチラート、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、アクリラートポリマー及びコポリマー、例えばメチルメタクリラート、メタクリル酸、ヒドロキシアルキルアクリラート及びメタクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、アクリルアミド、及び/又はビスアクリルアミド、セルロースベースポリマー、エチレングリコールポリマー及びコポリマー、オキシエチレン及びオキシプロピレンポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、及び/又はそれらの任意の組合せを包含するマトリックス形成組成物、を包含する。1つの実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドベースの担体分子は、例えば、約2ないし約100,000塩基長の、単鎖RNA又はDNA分子;例えば、約2ないし約100,000塩基対長の、二本鎖RNA又はDNA分子;例えば、約2ないし約100,000塩基対長の、三本鎖RNA又はDNA分子を含む、1つ以上の核酸分子を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドベースの担体分子は、非常に異なる種に由来する非ヒトDNA、例えば、非ヒト精子DNAを含んでなる(例えば、サケ精子DNAを記載している、JP63102682を参照)。別の実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドベースの担体分子は、非常に異なる種に由来する非ヒトDNA、例えば、非ヒトtRNAを含んでなる。1つの実施態様においては、ポリヌクレオチド担体分子は、本明細書に記載の、低分子干渉核酸(siNA)分子である。別の実施態様においては、ポリヌクレオチド担体分子は、標的核酸分子に相補的ではなく、これは、同じ組成物中の生物活性分子により標的化される。例えば、本発明の生物活性分子が、標的ポリヌクレオチド配列に相補性を有するsiNA分子を含んでなる場合、本発明の組成物中に利用される核酸ベースの担体分子は、該標的ポリヌクレオチド配列に対し相補性をもたない配列からなる。1つの実施態様においては、本発明の担体分子は、本発明の製剤の成分である、1つの実施態様においては、本発明の担体分子は、ポリヌクレオチドを欠いている。
本明細書で使用される、用語「ビヒクル」は、生物活性分子を輸送することができる任意の送達系又は組成物を指す。ビヒクルの非限定的な例は、トランスフェクション剤、リポソーム、マイクロ粒子、ナノ粒子、カプシド、ウイロイド、ビリオン、ウイルス様粒子(VLP)、タンパク質ケージ、フェリチン、ヒドロゲル、及びポリマー;脂質ナノ粒子又はLNP組成物(例えば、表IV、及び米国特許出願公開第20060240554号、及び2006年10月24日出願のUSSN 11/586,102を参照);安定な核酸粒子又はSNALP組成物(例えば、国際PCT公開第WO2007012191号、及び米国特許第出願公開第2006083780、2006051405、US2005175682、US2004142025、US2003077829、US2006240093を参照);国際PCT公開第WO2005105152号及びWO2007014391号、及び米国特許第7,148,205、7,144,869、7,138,382、7,101,995、7,098,032、7,098,030、7,094,605、7,091,041、7,087,770、7,071,163、7,049,144、7,049,142、7,045,356、7,033,607、7,022,525、7,019,113、7,015,040、6,936,729、6,919,091、6,897,068、6,881,576、6,872,519、6,867,196、6,818,626、6,794,189、6,740,643、6,740,336、6,706,922、6,673,612、6,630,351、6,627,616、6,593,465、6,458,382、6,429,200、6,383,811、6,739,966、6,339,067、6,265,387、6,262,252、6,180,784、6,126,964、6,093,701、及び5,744,335号に記載された送達系;ペプチド又はペプチド関連送達系(例えば、米国特許出願公開第20060040882、20050136437、20050031549、及び20060062758号を参照);タンパク質、例えば、アルブミン、コラーゲン、及びゼラチン;多糖類、例えば、デキストラン及びデンプン、及び、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ラクチド−グリコリドコポリマー(PLG)、乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリカプロラクトン、ラクチド−カプロラクトンコポリマー、ポリヒドロキシブチラート、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、アクリラートポリマー及びコポリマー、例えばメチルメタクリラート、メタクリル酸、ヒドロキシアルキルアクリラート及びメタクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、アクリルアミド、及び/又はビスアクリルアミド、セルロースベースポリマー、エチレングリコールポリマー及びコポリマー、オキシエチレン及びオキシプロピレンポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、及び/又はそれらの任意の組合せを包含するマトリックス形成組成物を包含する。本発明のある実施態様においては、用語ビヒクルは、用語製剤と互換的に使用される。
本発明において使用される、用語「脂質ナノ粒子」、又は「脂質ナノ粒子組成物」、又は「LNP」は、1つ以上の担体分子及び/又は1つ以上の生物活性分子を、独立して、又はカチオン性脂質、中性脂質、及び/又はポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(すなわち、ポリエチレングリコールジアシルグリセロール(PEG−DAG)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB)コンジュゲートと組合せて、含んでなる組成物を指す。製剤又は組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい(図12参照)。本発明のカチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXIIのいずれかを有する化合物、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC),N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DODAP)、1,2−ジオレオイルカルバミル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DOCDAP)、1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLINDAP)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2−[5’−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシ)−3’−オキサペントキシ])−3−ジメチル−1−(シス,シス−9’,12’−オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。中性脂質は、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、PEG−ジステリルグリセロール(C18)、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、PEG−ジステリルグリカミド(C18)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBを含んでいてもよい。カチオン性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約2%ないし約60%、約5%ないし約45%、約5%ないし約15%、又は約40%ないし約50%を含んでいてもよい。中性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約5%ないし約90%、又は約20%ないし約85%を含んでいてもよい。PEG−DACコンジュゲート(例えば、ポリエチレングリコールジアシルグリセロール(PEG−DAC)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMB)は、製剤中に存在する全脂質の、約1%ないし約20%、又は約4%ないし約15%を含んでいてもよい。コレステロール成分は、製剤中に存在する全脂質の、約10%ないし約60%、又は約20%ないし約45%を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物は、製剤中に存在する全脂質の約7.5%を含んでなるカチオン性脂質成分、製剤中に存在する全脂質の約82.5%を含んでなる中性脂質、及び製剤中に存在する全脂質の約10%を含んでなるPEGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物は、生物活性分子、DODMA、DSPC、及びPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、PEG−DAGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、製剤又は組成物はまた、コレステロール又はコレステロール誘導体も含んでなる。1つの実施態様においては、製剤又は組成物は、表IVに示された脂質ナノ粒子製剤を含んでなる。1つの実施態様においては、LNPは、製剤siNA組成物を含んでなる。別の実施態様においては、LNPは、製剤miRNA組成物を含んでなる。別の実施態様においては、LNPは、製剤RNAi阻害剤組成物を含んでなる。
本明細書で用いられる、用語「製剤siNA組成物」は、1つ以上のsiNA分子、又は1つ以上のsiNA分子をコードしているベクターを、独立して、或いは、カチオン性脂質、中性脂質、及び/又はポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)又はPEG−コレステロール(PEG−Chol)コンジュゲートと組合せて含んでなる組成物を指す。製剤siNA組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい。本発明のカチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXIIのいずれかを有する化合物、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC),N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DODAP)、1,2−ジオレオイルカルバミル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DOCDAP)、1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLINDAP)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2−[5’−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシ)−3’−オキサペントキシ])−3−ジメチル−1−(シス,シス−9’,12’−オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。中性脂質は、式NLIないしNLVIIのいずれかを有する化合物、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、PEG−ジステリルグリセロール(C18)、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、PEG−ジステリルグリカミド(C18)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBを含んでいてもよい。カチオン性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約2%ないし約60%、約5%ないし約45%、約5%ないし約15%、又は約40%ないし約50%を含んでいてもよい。中性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約5%ないし約90%、又は約20%ないし約85%を含んでいてもよい。PEG−DACコンジュゲートは、製剤中に存在する全脂質の、約1%ないし約20%、又は約4%ないし約15%を含んでいてもよい。コレステロール成分は、製剤中に存在する全脂質の、約10%ないし約60%、又は約20%ないし約45%を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、本発明の製剤siNA組成物は、製剤中に存在する全脂質の約7.5%を含んでなるカチオン性脂質成分、製剤中に存在する全脂質の約82.5%を含んでなる中性脂質、及び製剤中に存在する全脂質の約10%を含んでなるPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、本発明の製剤siNA組成物は、siNA分子、DODMA、DSPC、及びPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、PEG−DAGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、製剤siNA組成物はまた、コレステロール又はコレステロール誘導体も含んでなる。
本明細書で用いられる、用語「製剤miRNA組成物」は、1つ以上のmiRNA分子、又は1つ以上のmiRNA分子をコードしているベクターを、独立して、或いは、カチオン性脂質、中性脂質、及び/又はポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)又はPEG−コレステロール(PEG−Chol)コンジュゲートと組合せて含んでなる組成物を指す。製剤miRNA組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい。本発明のカチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXIIのいずれかを有する化合物、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC),N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DODAP)、1,2−ジオレオイルカルバミル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DOCDAP)、1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLINDAP)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2−[5’−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシ)−3’−オキサペントキシ])−3−ジメチル−1−(シス,シス−9’,12’−オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。中性脂質は、式NLIないしNLVIIのいずれかを有する化合物、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、PEG−ジステリルグリセロール(C18)、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、PEG−ジステリルグリカミド(C18)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBを含んでいてもよい。カチオン性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約2%ないし約60%、約5%ないし約45%、約5%ないし約15%、又は約40%ないし約50%を含んでいてもよい。中性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約5%ないし約90%、又は約20%ないし約85%を含んでいてもよい。PEG−DAGコンジュゲートは、製剤中に存在する全脂質の、約1%ないし約20%、又は約4%ないし約15%を含んでいてもよい。コレステロール成分は、製剤中に存在する全脂質の、約10%ないし約60%、又は約20%ないし約45%を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、本発明の製剤miRNA組成物は、製剤中に存在する全脂質の約7.5%を含んでなるカチオン性脂質成分、製剤中に存在する全脂質の約82.5%を含んでなる中性脂質、及び製剤中に存在する全脂質の約10%を含んでなるPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、本発明の製剤miRNA組成物は、miRNA分子、DODMA、DSPC、及びPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、PEG−DAGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、製剤miRNA組成物はまた、コレステロール又はコレステロール誘導体も含んでなる。
本明細書で用いられる、用語「製剤RNAi阻害剤組成物」は、1つ以上のRNAi阻害剤分子、又は1つ以上のRNAi阻害剤分子をコードしているベクターを、独立して、或いは、カチオン性脂質、中性脂質、及び/又はポリエチレングリコール−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)又はPEG−コレステロール(PEG−Chol)コンジュゲートと組合せて含んでなる組成物を指す。製剤RNAi阻害剤組成物は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい。本発明のカチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXIIのいずれかを有する化合物、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC),N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DODAP)、1,2−ジオレオイルカルバミル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DOCDAP)、1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLINDAP)、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2−[5’−(コレスタ−5−エン−3−ベータ−オキシ)−3’−オキサペントキシ])−3−ジメチル−1−(シス,シス−9’,12’−オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。中性脂質は、式NLIないしNLVIIのいずれかを有する化合物、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい。PEGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、PEG−ジステリルグリセロール(C18)、PEG−ジラウリルグリカミド(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミド(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミド(C16)、PEG−ジステリルグリカミド(C18)、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBを含んでいてもよい。カチオン性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約2%ないし約60%、約5%ないし約45%、約5%ないし約15%、又は約40%ないし約50%を含んでいてもよい。中性脂質成分は、製剤中に存在する全脂質の、約5%ないし約90%、又は約20%ないし約85%を含んでいてもよい。PEG−DAGコンジュゲートは、製剤中に存在する全脂質の、約1%ないし約20%、又は約4%ないし約15%を含んでいてもよい。コレステロール成分は、製剤中に存在する全脂質の、約10%ないし約60%、又は約20%ないし約45%を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、本発明の製剤RNAi阻害剤組成物は、製剤中に存在する全脂質の約7.5%を含んでなるカチオン性脂質成分、製剤中に存在する全脂質の約82.5%を含んでなる中性脂質、及び製剤中に存在する全脂質の約10%を含んでなるPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、本発明の製剤RNAi阻害剤組成物は、RNAi阻害剤分子、DODMA、DSPC、及びPEG−DAGコンジュゲートを含んでなる。1つの実施態様においては、PEG−DAGコンジュゲートは、PEG−ジラウリルグリセロール(C12)、PEG−ジミリスチルグリセロール(C14)、PEG−ジパルミトイルグリセロール(C16)、又はPEG−ジステリルグリセロール(C18)である。別の実施態様においては、製剤RNAi阻害剤組成物はまた、コレステロール又はコレステロール誘導体も含んでなる。
本明細書で使用される「カチオン性脂質」により、特定のpHにおいてカチオン性変化を有する任意の親油性化合物、例えば、式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有する化合物、が意味される。
本明細書で使用される「中性脂質」により、特定のpHにおいて非カチオン性変化(例えば、アニオン性又は中性変化)を有する任意の親油性化合物が意味される。
「PEG」により、任意のポリエチレングリコール又は他のポリアルキレンエーテル、又は同等のポリマーが意味される。1つの実施態様においては、PEGは、例えば、本発明の脂質成分に結合した、200ないし10,000原子のPEG分子を含んでいてもよいPEGコンジュゲートである。1つの実施態様においては、PEGは、式PEGn[式中、1500Daないし3000DaのPEGでは、n=約33ないし67であり、2KPEG/PEG2000では、平均=45]によって表わされる多分散物である。
「ナノ粒子」により、そのサイズがナノメートルで測定される、顕微鏡的粒子が意味される。本発明のナノ粒子は、典型的には、直径約1ないし約999nmの範囲にあり、被包又は封入された生物活性分子を包含し得る。
「マイクロ粒子」は、そのサイズがマイクロメートルで測定される、顕微鏡的粒子が意味される。本発明のマイクロ粒子は、典型的には、直径約1ないし約100マイクロメートルの範囲にあり、被包又は封入された生物活性分子を包含し得る。
用語「低分子干渉核酸(short interfering nucleic acid)」、「siNA」、「低分子干渉RNA」、「siRNA」、「低分子干渉核酸分子」、「低分子干渉オリゴヌクレオチド分子」、及び「化学修飾された低分子干渉核酸分子」は、本明細書で使用されるとき、RNA干渉「RNAi」又は遺伝子サイレンシングを配列に特異的な方法で媒介することにより、遺伝子発現又はウイルス複製を阻害又はダウンレギュレートし得る任意の核酸分子を指す(PCT/US2004/106390(WO 05/19453)、2003年5月23日出願の、USSN10/444,853、2004年8月20日出願の、USSN10/923,536、2005年9月23日出願の、USSN11/234,730、2005年12月8日出願の、USSN11/299,254、2006年8月17日出願の、PCT/US06/32168(全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)を参照)。これらの用語は、個々の核酸分子の双方、複数のかかる核酸分子、又はかかる核酸分子のプールを指すこともできる。siNAは、自己相補的なセンス及びアンチセンス領域を含んでなる二本鎖核酸分子であってよく、これにおいて、該アンチセンス領域は、標的核酸分子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、該センス領域は、該標的核酸配列又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有する。siNAは、2つの別々のオリゴヌクレオチドから組立てることができ、ここで、一方の鎖はセンス鎖であり、他方はアンチセンス鎖であり、これにおいて、該アンチセンス及び該センス鎖は、自己相補的である(すなわち、各鎖は、他方の鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる;例えば、アンチセンス鎖及びセンス鎖が二重鎖又は二本鎖構造を形成する場合、例えば、二本鎖領域は約15ないし約30、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30塩基対であり;該アンチセンス鎖は、標的核酸分子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、該センス鎖は、該標的核酸配列又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有する(例えば、siNA分子の約15ないし約25個、又はそれ以上のヌクレオチドが、標的核酸又はその一部に相補的である)。別法として、siNAは、単一のオリゴヌクレオチドから組立てられ、ここで、siNAの自己相補的なセンス及びアンチセンス領域は、核酸ベース又は非核酸ベースのリンカーによって結合されている。siNAは、二重鎖、非対称性の二重鎖、ヘアピン、又は非対称性のヘアピン二次構造であってよく、自己相補的なセンス及びアンチセンス領域を備えたポリヌクレオチドであり、これにおいて、該アンチセンス領域は、別の標的核酸分子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該センス領域は、該標的核酸配列又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有する。siNAは、2個以上のループ構造と、自己相補的なセンス及びアンチセンス領域を含んでなるステムとを有する、環状単鎖ポリヌクレオチドであってよく、これにおいて、該アンチセンス領域は、標的核酸分子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ該センス領域は、該標的核酸配列又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有しており、かつこれにおいて、該環状ポリヌクレオチドは、インビボ又はインビトロのいずれかにおいてプロセスされて、RNAiを媒介し得る活性siNA分子を生じ得る。siNAはまた、標的核酸分子又はその一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を有する単鎖ポリヌクレオチドを含んでなることができ(例えば、これにおいて、かかるsiNA分子は、該標的核酸配列又はその一部に相当するヌクレオチド配列が該siNA分子中に存在することを必要としない)、これにおいて、該単鎖ポリヌクレオチドは、さらに、末端リン酸基、例えば、5’−ホスフェイト(例えば、Martinez et al.,2002,Cell,110,563−574、及びSchwarz et al.,2002,Molecular Cell,10,537−568参照)、又は5’,3’−ジホスフェイトを含んでいてもよい。ある実施態様においては、本発明のsiNA分子は、別のセンス及びアンチセンス配列又は領域を含んでなり、これにおいて、該センス及びアンチセンス領域は、当該技術分野において既知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー分子によって共有結合により結合されているか、或いはまた、イオン性相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、及び/又はスタッキング相互作用によって、非共有結合的に結合されている。ある実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる。別の実施態様においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列と、該標的遺伝子の発現阻害を引き起こすように相互作用する。本明細書で用いる場合、siNA分子は、RNAのみを含有するような分子に限定される必要はないが、化学的修飾されたヌクレオチド及び非ヌクレオチドをさらに包含する。ある実施態様においては、本発明の低分子干渉核酸分子は、2’−ヒドロキシ(2’−OH)含有ヌクレオチドを欠く。出願人は、いくつかの実施態様において、RNAiを媒介するのに2’−ヒドロキシ基を有するヌクレオチドの存在を必要としない低分子干渉核酸を記述しており、例えば、本発明の低分子干渉核酸分子は、任意で、何らリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)を包含しなくてもよい。RNAiを支援するためにsiNA分子中にリボヌクレオチドの存在を必要としない、かかるsiNA分子は、しかしながら、2’−OH基をもつ1個以上のヌクレオチドを含有する、結合したリンカー又は複数のリンカー、或いは他の結合又は会合された基、成分、又は鎖を有し得る。任意で、siNA分子は、ヌクレオチド位置の約5、10、20、30、40、又は50%において、リボヌクレオチドを含んでいてもよい。本発明の修飾された低分子干渉核酸分子はまた、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド「siMON」とも呼ぶことができる。本明細書において使用される場合、用語siNAは、配列特異的RNAiを媒介し得る核酸分子を記載するために使用される他の用語、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロ−RNA、(miRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉オリゴヌクレオチド、低分子干渉核酸、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾されたsiRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)、その他と同等であることを意味する。本発明のsiNA分子の非限定的な例は、2005年9月23日出願の、USSN11/234,730(その記載全体が、参考として本明細書に含まれる)に示されている。かかるsiNA分子は、遺伝子発現の阻害を媒介する当該技術分野において既知の他の核酸技術、例えば、リボザイム、アンチセンス、三重鎖形成、アプタマー、2,5−Aキメラ、又はデコイオリゴヌクレオチドとは別個である。
「RNA干渉」又は「RNAi」により、細胞において、当該技術分野において一般に知られているように、遺伝子の発現を阻害するか又はダウンレギュレートする生物学的プロセスが意味され、かつこれは低分子干渉核酸分子により媒介される(例えば、Zamore and Haley,2005,Science,309,1519−1524;Vaughn and Martienssen,2005,Science,309,1525−1526;Zamore et al.,2000,Cell,101,25−33;
Bass,2001,Nature,411,428−429;Elbashire et al.,2001,Nature,411,494−498;及びKreutzerら、国際PCT公開第WO 00/44895号;Zernicka−Goetzら、国際PCT公開第WO 01/36646号;Fire、国際PCT公開第WO 99/32619号;Plaetinkら、国際PCT公開第WO 00/01846号;Mello及びFire、国際PCT公開第WO 01/29058号;Deshamps−Depaillette、国際PCT公開第WO 99/07409号;及びLiら、国際PCT公開第WO 00/44914号;Allshire,2002,Science,297,1818−1819;Volpe et al.,2002,Science,297,1833−1837;Jenuwein,2002,Science,297,2215−2218;及びHall et al.,2002,Science,297,2232−2237;Hutvagner and Zamore,2002,Science,297,2056−60;McManus et al.,2002,RNA,8,842−850;Reinhart et al.,2002,Gene & Dev.,16,1616−1626;及びReinhart & Bartel,2002,Science,297,1831参照)。さらに、本明細書で用いる場合、用語「RNAi」は、配列特異的RNA干渉を記載するために使用される他の用語、例えば、転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、転写阻害、又はエピジェネティクス(epigenetics)、と同等であることを意味する。例えば、本発明のsiNA分子は、遺伝子を、転写後レベル又は転写前レベルの双方において、エピジェネティックにサイレンス化するべく使用し得る。非限定的な例においては、本発明のsiNA分子による遺伝子発現のエピジェネティックな調節は、遺伝子発現を変えるための、クロマチン構造又はメチル化パターンのsiNA媒介性の修飾からの結果として生じ得る(例えば、Verdel et al.,2004,Science,303,672−676;Pal−Bhadra et al.,2004,Science,303,669−672;Allshire,2002,Science,297,1818−1819;Volpe et al.,2002,Science,297,1833−1837;Jenuwein,2002,Science,297,2215−2218;及びHall et al.,2002,Science,297,2232−2237を参照)。制限しない別の例においては、本発明のsiNA分子による遺伝子発現の調節は、RISCによるsiNA媒介性のRNA切断(コーディング又は非コーディングRNAのいずれか)、或いはまた、当該技術分野において既知の翻訳阻害からの結果として生じ得る。別の実施態様においては、本発明のsiNA分子による遺伝子発現の調節は、転写阻害からの結果として生じ得る(例えば、Janowski et al.,2005,Nature Chemical Biology,1,216−222参照)。
本明細書で用いられる「非対称ヘアピン」により、アンチセンス領域、ループ部分(これは、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含んでいてもよい)、及びセンス領域(これは、該センス領域がアンチセンス領域と塩基対合してループをもつ二重鎖を形成するために充分な相補的ヌクレオチドを有する程度に、アンチセンス領域よりも少ないヌクレオチドを含んでなる)を含んでなる。例えば、本発明の非対称ヘアピンsiNA分子は、細胞又はインビトロ系においてRNAiを媒介するのに充分な長さを有するアンチセンス領域(例えば、約15ないし約30、又は約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチド)、及び約4なし約12(例えば、約4、5、6、7、8、9、10、11、又は12)ヌクレオチドを含んでなるループ領域、及び、該アンチセンス領域に相補的である、約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチドを有するセンス領域、を含んでいてもよい。該非対称ヘアピンsiNA分子はまた、化学修飾可能な5’末端リン酸基を含んでいてもよい。該非対称ヘアピンsiNA分子のループ部分は、本明細書に記載の、ヌクレオチド、非ヌクレオチド、リンカー分子、又は、コンジュゲート分子を含んでいてもよい。
本明細書で使用される「非対称二重鎖」により、センス領域及びアンチセンス領域を含んでなる、別の2つの鎖を有するsiNA分子が意味され、これにおいて、センス領域は、該センス領域がアンチセンス領域と塩基対合してループをもつ二重鎖を形成するために充分な相補的ヌクレオチドを有する程度に、アンチセンス領域よりも少ないヌクレオチドを含んでなる。例えば、本発明の非対称二重鎖siNA分子は、細胞又はインビトロ系においてRNAiを媒介するのに充分な長さ(例えば、約15ないし約30、又は約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチド)を有するアンチセンス領域と、該アンチセンス領域に相補的である約3ないし約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチドを有するセンス領域と、を含んでいてもよい。
用語「ポリヌクレオチド」又は「核酸分子」は、本明細書で用いる場合、ヌクレオチドを有する分子を指す。該核酸は、単鎖、二本鎖、又は多重鎖であってよく、かつ修飾又は未修飾の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチド、或いはそれらの種々の混合物及び組合せを含んでいてもよい。
「RNAi阻害剤」により、細胞又は生体におけるRNA干渉機能又は活性を、ダウンレギュレートするか、低減するか、又は阻害し得る任意の分子が意味される。RNAi阻害剤は、タンパク質成分、例えばRISC、又は核酸成分、例えばmiRNA又はsiRNAを含む、RNAi経路の任意の成分の機能との相互作用又は干渉により、RNAi(例えば、RNAi媒介性の、標的ポリヌクレオチドの切断、翻訳阻害、又は転写サイレンシング)をダウンレギュレートするか、低減するか、又は阻害することができる。RNAi阻害剤は、RISC、miRNA、又はsiRNAの機能か、或いは細胞又は生体におけるRNAi経路の任意の他の成分と、相互作用するか又は干渉する、siNA分子、アンチセンス分子、アプタマー、又は低分子核酸であってよい。RNAi(例えば、RNAi媒介性の、標的ポリヌクレオチドの切断、翻訳阻害、又は転写サイレンシング))を阻害することにより、本発明のRNAi阻害剤は、標的遺伝子の発現を調節(例えば、アップレギュレート又はダウンレギュレート)するべく使用し得る。1つの実施態様においては、本発明のRNA阻害剤は、翻訳阻害、転写サイレンシング、又はRISC介在性のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の切断による、遺伝子発現の内在性のダウンレギュレーション又は阻害を、干渉すること(例えば、低減又は防止すること)によって遺伝子発現をアップレギュレートするべく使用される。遺伝子発現の、内在性の抑制、サイレンシング、又は阻害のメカニズムと干渉することにより、本発明のRNAi阻害剤は、それ故、機能の損失からの結果として生じる疾患、形質、又は症状の治療のために、遺伝子発現をアップレギュレートするべく使用し得る。1つの実施態様においては、用語「RNAi阻害剤」は、本明細書の種々の態様において、例えば、機能損失疾患、形質、及び/又は症状の治療のための遺伝子発現の増大効果をもって、用語「siNA」の代わりに使用される。
本明細書で使用される、用語「酵素的核酸分子」は、特定の遺伝子標的に対する基質結合領域に相補性を有しており、かつまた標的RNAを特異的に切断にするのに有効である酵素活性も有している核酸分子を指す。すなわち、該酵素的核酸分子は、RNAを分子間切断することができ、それにより標的RNA分子を不活性化する。これらの相補的領域は、標的RNAに対する酵素核酸分子の充分なハイブリッド形成を可能にし、それ故切断を可能にする、100パーセントの相補性が好ましいが、50ないし75%のような低い相補性もまた、本発明においては有用である(例えば、Werner and Uhlenbeck,1995,Nucleic Acids Research,23,2092−2096;Hammann et al.,1999,Antisense and Nucleid Acid Drug Dev.,9,25−31参照)。該核酸は、塩基、糖、及び/又はリン酸基において修飾し得る。用語「酵素的核酸」は、リボザイム、触媒的RNA、酵素的RNA、触媒的DNA、アプタザイム(aptazyme)又はアプタマー結合リボザイム、調節可能なリボザイム、触媒的オリゴヌクレオチド、ヌクレオザイム、DNAザイム、RNA酵素、エンドリボヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、ミニザイム、リードザイム、オリゴザイム、又はDNA酵素といった用語と、互換的に使用される。これらの専門用語は全て、酵素活性をもつ核酸分子を記載している。本出願において記載された特別の酵素核酸分子は、本発明において制限するものではなく、当業者は、本発明の酵素的核酸分子において重要であるものは全て、1つ以上の標的核酸領域に相補的である特異的基質結合部位を有するものであり、かつ、該基質結合部位の中又は周辺に、核酸切断及び/又は結合活性を分子に付与するヌクレオチド配列を有するものであることを認識するであろう(Cechら、米国特許第4,987,071号;Cech et al.,1988,JAMA,260,3030参照)。本発明のリボザイム及び酵素的核酸分子は、当該技術分野において一般に知られているか、又は本明細書に記載のように化学修飾可能である。
本明細書で使用される、用語「アンチセンス核酸」は、RNA−RNA、又はRNA−DNA、又はRNA−PNA(タンパク質核酸;Egholm et al.,1993,Nature,365,566)相互作用により標的RNAに結合し、かつ、該標的RNAの活性を変える非酵素的核酸分子を指す(総説については、Stein and Cheng,1993,Science,261,1004、及びWoolfら、米国特許第5,849,902号を参照)。典型的には、アンチセンス分子は、アンチセンス分子の単一な連続した配列に沿って、標的配列に相補的である。しかしながら、ある実施態様においては、アンチセンス分子は、基質に結合して、該基質分子がループを形成するようにすることができ、及び/又は、アンチセンス分子は、アンチセンス分子がループを形成するように結合することができる。したがって、該アンチセンス分子は、2つ(又はさらにそれ以上)の非連続的な基質配列に対し相補的であってよく、或いは、アンチセンス分子の2つ(又はさらにそれ以上)の非連続的な配列部分が、標的配列に対し相補的であるか、或いは両方であってもよい。現在のアンチセンス戦略の総説については、Schmajuk et al.,1999,J.Biol.Chem.,274,21783−21789、Delihas et al.,1997,Nature,15,751−753、Stein et al.,1997,Antisense N.A.Drug Dev.,7,151、Crooke,2000,Methods Enzymol.,313,3−45;Crooke,1998,Biotech.Genet.Eng.Rev.,15,121−157、Crooke,1997,Ad.Pharmacol.,40,1−49参照。さらに、アンチセンスDNAは、DNA−RNA相互作用によりRNAを標的とするべく使用可能であり、それにより、標的二重鎖中の標的RNAを消化する、RNアーゼHを活性化する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的RNAのRNアーゼH切断を活性化し得る、1つ以上のRNアーゼH活性化領域を含んでいてもよい。アンチセンスDNAは、化学的に合成されるか、又は単鎖DNA発現ベクター若しくはその同等物の使用により発現可能である。本発明のアンチセンス分子は、当該技術分野において一般に知られているか、又は本明細書に記載のように、化学修飾可能である。
用語「RNアーゼH活性化領域」は、本明細書で用いる場合、標的RNAに結合して、細胞RNアーゼH酵素により認識される非共有結合型の複合体を形成し得る、核酸分子の領域(一般に、4ないし25ヌクレオチド長以上、好ましくは5ないし11ヌクレオチド長)を指す(例えば、Arrowら、US 5,849,902;Arrowら、US 5,989,912;参照)。RNアーゼH酵素は、核酸分子−標的RNA複合体に結合し、そして標的RNA配列切断する。RNアーゼH活性化領域は、例えば、ホスホジエステル、ホスホロチオアート(好ましくは、少なくとも4つのヌクレオチドがホスホロチオアート置換;さらに具体的には、4ないし11個のヌクレオチドがホスホロチオアート置換である);ホスホロジチオアート、5’−チオホスフェイト、又はメチルホスホナート骨格化学、又はそれらの組合せを含んでなる。上記の1つ以上の骨格化学に加えて、RNアーゼH活性化領域はまた、多様な糖化学も含んでいてもよい。例えば、RNアーゼH活性化領域は、デオキシリボース、アラビノ、フルオロアラビノ、又はそれらの組合せ、ヌクレオチド糖化学、を含んでいてもよい。当業者は、上記のものが非限定的な例であること、及び、RNアーゼH酵素の活性を支持する核酸の、ホスフェイト、糖、及び塩基化学の任意の組合せが、RNアーゼH活性化領域の定義及び本発明の範囲内に入ることを認識するであろう。
用語「2−5Aアンチセンスキメラ」は、本明細書で用いるとき、5’−ホスホリル化された2’−5’−結合アデニレート残基を含有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを指す。これらのキメラは、配列特異的方法で標的RNAに結合し、そして細胞の2−5A−依存性のリボヌクレアーゼを活性化し、これが次に標的RNAを切断する(Torrence et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90,1300;Silverman et al.,2000,Methods Enzymol.,313,522−533;Player and Torrence,1998,Pharmacol.Ther.,78,55−113)。本発明の2−5Aアンチセンスキメラ分子は、当該技術分野において一般に知られているか、又は本明細書に記載のように、化学修飾可能である。
用語「三重鎖形成オリゴヌクレオチド」は、本明細書で用いるとき、配列特異的方法で二本鎖DNAに結合して、三本鎖ヘリックスを形成し得るオリゴヌクレオチドを指す。かかる三重鎖ヘリックス構造の形成は、標的遺伝子の転写を阻害することが示されてきた(Duval−Valentin et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci USA 89,504;Fox,2000,Curr.Med.Chem.,7,17−37;Praseuth et al.,2000,Biochim.Biopys.Acta,1489,181−206)。本発明の三重鎖形成オリゴヌクレオチドは、当該技術分野において一般に知られているか、又は本明細書に記載のように、化学修飾可能である。
本明細書で使用される、用語「デコイRNA」は、予め決められたリガンドに選択的に結合するべく設計された、RNA分子又はアプタマーを指す。かかる結合は、結果として、標的分子の阻害又は活性化を生じ得る。デコイRNA又はアプタマーは、特定のリガンドの結合について、天然の結合標的と競合することができる。例えば、HIVのトランス活性化応答(TAR)RNAの過剰発現が「デコイ」として作用し得て、HIVtatタンパク質を結合し、それにより、HIV RNAにコードされているTAR配列にそれが結合するのを妨げることが示されてきた(Sullenger et al.,1990,Cell,63,601−608)。これは、1つの具体例にすぎず、当業者は、当該技術分野において一般に知られている技術を用いて、他の実施態様が容易に生成され得ることを認識するであろう(例えば、Gold et al.,1995,Annu,Rev.Biochem.,64,763;Brody and Gold,2000,J.Biotechnol.,74,5;Sun,2000,Curr.Opin.Mol.Ther,2,100;Kusser,2000,J.Biotechnol,74,27;Hermann and Patel,2000,Science,287,820;及びJayasena,1999,Clinical Chemistry,45,1628参照)。同様に、デコイRNAは、受容体に結合してエフェクター分子の結合をブロックするべく設計可能であり、或いは、デコイRNAは、興味の受容体に結合して、該受容体との相互作用を妨げるべく設計可能である。本発明のデコイ分子は、当該技術分野において一般に知られているか、又は本明細書に記載のように、化学修飾可能である。
用語「単鎖RNA」(ssRNA)は、本明細書で用いる場合、直鎖状の一本鎖を含んでなる、天然又は合成されたリボ核酸分子を指し、例えば、ssRNAは、1つの遺伝子の、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)その他であってよい。
用語「単鎖DNA」(ssDNA)は、本明細書で用いる場合、直鎖状の一本鎖を含んでなる、天然又は合成されたデオキシリボ核酸分子を指し、例えば、ssDNAは、センス又はアンチセンス遺伝子配列、又はEST(発現配列タグ)であってよい。
用語「二本鎖RNA」又は「dsRNA」は、本明細書で用いるとき、低分子干渉RNA(siNA)を含め、RNA干渉が可能な二本鎖RNA分子を指す。
本明細書で用いられる、用語「アロザイム」は、アロステリック酵素的な核酸分子を指す(例えば、Georgeら、米国特許第5,834,186及び5,741,679号、Shihら、米国特許第5,589,332号、Nathan、米国特許第5,871,914号、Nathan及びEllington、国際PCT公開第WO 00/24931号、Breakerら、国際PCT公開第WO 00/26226及び98/27104号、及びSullengerら、国際PCT公開第WO 99/29842号を参照)。
本明細書において使用される、「アプタマー」又は「核酸アプタマー」により、標的分子に特異的に結合するポリヌクレオチドが意味され、これにおいて、該核酸分子は、その天然の状況において該標的分子によって認識される配列とは異なる配列を有する。或いはまた、アプタマーは、標的分子に特異的に結合する核酸分子であってよく、ここで、該標的分子は、天然には核酸に結合しない。標的分子は、興味の任意の分子でよい。例えば、アプタマーは、タンパク質のリガンド結合ドメインに結合するべく使用でき、それにより、天然リガンドの、該タンパク質との相互作用を妨げる。これは、非限定的な例であり、当業者は、当該技術分野において一般に知られている技術を用いて、他の実施態様が容易に生成され得ることを認識するであろう(例えば、Gold et al.,1995,Annu,Rev.Biochem.,64,763;Brody and Gold,2000,J.Biotechnol.,74,5;Sun,2000,Curr.Opin.Mol.Ther.,2,100;Kusser,2000,J.Biotechnol.,74,27;Hermann and Patel,2000,Scince,)287,820;Jayasena,1999,Clinical Chemistry,45,1628参照)。本発明のアプタマー分子は、当該技術分野において一般に知られているか、又は本明細書に記載のように、化学修飾可能である。
「調節する」により、遺伝子の発現、又は1つ以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードしている、RNA分子若しくは同等のRNA分子のレベル、又は、1つ以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性が、アップレギュレートされるか又はダウンレギュレートされ、発現、レベル、又は活性が、モジュレーターの不在時に観察されるものよりも大きいか又は小さくなるようにすることが意味される。例えば、用語「調節する」は、「阻害する」を意味することができるが、用語「調節する」の使用は、この定義に限定されない。
「阻害する」、「ダウンレギュレートする」、又は「低減する」により、遺伝子の発現、又は1つ以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードしている、RNA分子若しくは同等のRNA分子のレベル、又は、1つ以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性が、本発明の核酸分子(例えば、siNA)の不在下に観察されるものよりも低く低減されることが意味される。1つの実施態様においては、siNA分子による阻害、ダウンレギュレーション、又は低減は、不活性な又は弱められた分子の存在下に観察されるレベルよりも低い。別の実施態様においては、siNA分子による阻害、ダウンレギュレーション、又は低減は、例えば、スクランブル配列をもつか、又はミスマッチをもつsiNA分子の存在下に観察されるレベルよりも低い。別の実施態様においては、本発明の核酸による遺伝子発現の阻害、ダウンレギュレーション、又は低減は、該核酸の存在下では、その不在下よりも大きい。1つの実施態様においては、遺伝子発現の阻害、ダウンレギュレーション、又は低減は、転写後のサイレンシング、例えば、標的核酸分子(例えば、RNA)のRNAi媒介性の切断、又は翻訳の阻害に関連する。1つの実施態様においては、遺伝子発現の阻害、ダウンレギュレーション、又は低減は、転写前のスライシングに関連する。
「アップレギュレートする」又は「促進する」により、遺伝子の発現、又は1つ以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードしている、RNA分子若しくは同等のRNA分子のレベル、又は1つ以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性化が、本発明の核酸分子(例えば、siNA)の不在下に観察されるものよりも高く増大されることが意味される。1つの実施態様においては、siNA分子による遺伝子発現のアップレギュレーション又は促進は、不活性な又は弱められた分子の存在下に観察されるレベルよりも高い。別の実施態様においては、siNA分子による遺伝子発現のアップレギュレーション又は促進は、例えば、スクランブル配列をもつか、又はミスマッチをもつsiNA分子の存在下に観察されるレベルよりも高い。別の実施態様においては、本発明の核酸による遺伝子発現のアップレギュレーション又は促進は、該核酸の存在下では、その不在下よりも大きい。1つの実施態様においては、遺伝子発現のアップレギュレーション又は促進は、RNA媒介性の遺伝子サイレンシング、例えば、アップレギュレートされるべき興味の遺伝子の発現をダウンレギュレートするか、阻害するか、又はサイレンスする、コーディング又は非コーディングRNA標的の、RNA媒介性の切断又はサイレンシングに関連する。遺伝子発現のダウンレギュレーションは、例えば、コーディングRNA、又はそのコードされたタンパク質により、例えば、ネガティブフィードバック、又は拮抗作用によって誘導可能である。遺伝子発現のダウンレギュレーションは、例えば、興味の遺伝子を、例えば翻訳阻害、クロマチン構造、メチル化、RISC媒介RNA切断、又は翻訳阻害を介して該遺伝子の発現をサイレンシングすることにより調節支配する、非コーディングRNAによって誘導し得る。例えば、興味の遺伝子をダウンレギュレートするか、抑制するか、又はサイレンスする標的の、阻害又はダウンレギュレーションは、治療的使用に向けて、該遺伝子の発現をアップレギュレートするか又は促進するべく使用し得る。
1つの実施態様においては、本発明のRNAi阻害剤は、RNAi又は遺伝子サイレンシングを阻害することにより、遺伝子発現をアップレギュレートするべく使用し得る。例えば、本発明のRNAi阻害剤は、遺伝子発現をアップレギュレートすることにより、機能損失型の疾患及び症状を治療するべく、例えば、特定の遺伝子の一方の対立遺伝子が突然変異(例えば、フレームシフト、ミスセンス、又はナンセンス突然変異)を隠しており、結果として、該突然変異対立遺伝子によってコードされたタンパク質の機能の損失を生じる、ハプロ不全の例において使用可能である。かかる例においては、RNAi阻害剤は、野生型又は機能性の対立遺伝子によってコードされたタンパク質の発現を、アップレギュレートするべく使用可能であり、このようにして、突然変異体又はヌル対立遺伝子を補償することにより、ハプロ不全を修正する。別の実施態様においては、例えば、本明細書の、又は当該技術分野において既知の他の疾患、形質、又は症状の治療において、本発明のsiNA分子を使用して、機能対立遺伝子の毒性増加の発現をダウンレギュレートする一方で、本発明のRNAi阻害剤を併用して、野生型又は機能性対立遺伝子の発現をアップレギュレートする(例えば、Rhodes et al.,2004,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,101,11147−11152、及びMeisler et al.,2005,The Journal of Clinical Investigation,115,2010−2017参照)。
「遺伝子」、又は「標的遺伝子」により、RNAをコードする核酸、例えば、制限なく、ポリペプチドをコードしている構造遺伝子を含む核酸配列が意味される。遺伝子又は標的遺伝子はまた、機能性RNA(fRNA)、又は非コーディングRNA(ncRNA)、例えばスモールテンポラルRNA(stRNA)、マイクロRNA(miRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、核小体低分子(small nucleolar)核酸(snRNA)、リボソームRNA(rRNA)、転移RNA(tRNA)、及びそれらの前駆体RNAもコードし得る。かかる非コーディングRNAは、機能性又は調節性の細胞プロセスに関与する、fRNA又はncRNAの活性の調節における、siNA媒介性のRNA干渉のための標的核酸分子として役立ち得る。疾患をもたらす異常なfRNA又はncRNA活性は、それ故、本発明のsiNA分子によって調節し得る。fRNA及びncRNAを標的とするsiNA分子はまた、細胞プロセス、例えば遺伝的刷り込み、転写、翻訳、又は核酸プロセシング(例えば、アミノ基転移、メチル化、その他)に介入することにより、患者、生体、又は細胞の遺伝子型又は表現型を操作又は改変するべく使用し得る。標的遺伝子は、細胞由来の遺伝子、内在性遺伝子、トランスジーン、病原体、例えばウイルス、の遺伝子のような外来遺伝子(これは、その感染後に細胞内に存在する)であってよい。標的遺伝子を含有する細胞は、任意の生体、例えば、植物、動物、原生動物、ウイルス、細菌、又は真菌に、由来するか、又は含有されていてもよい。制限しない植物の例は、単子葉類、双子葉類、又は裸子植物を包含する。制限しない動物の例は、脊椎動物又は無脊椎動物を包含する。制限しない真菌の例は、糸状菌又は酵母を包含する。総説としては、例えば、Snyder and Gerstein,2003,Science,300,258−260を参照。
本明細書で使用される「標的」により、標的遺伝子によってコードされた任意の標的タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドが意味される。用語「標的」はまた、例えば標的RNAによってコードされた、標的活性を有している任意の標的タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドをコードしている核酸配列も指す。用語「標的」はまた、他の標的コーディング配列、例えば、他の標的アイソフォーム、突然変異体標的遺伝子、標的遺伝子のスプライスバリアント、及び標的遺伝子多型を包含することも意味する。「標的核酸」により、その発現又は活性が調節されるべき任意の核酸配列が意味される。標的核酸は、DNA又はRNAであってよい。
「非正規塩基」により、任意の非ワトソンクリック塩基対、例えば、反転性ミスマッチ、単一水素結合性ミスマッチ、トランス型ミスマッチ、三重塩基相互作用、及び四重塩基相互作用を含む、ミスマッチ及び/又は揺らぎ型塩基対を意味する。かかる非正規塩基対の非限定的な例は、制限されることなく、AC リバースフーグスティーン、AC 揺らぎ型、AU リバースフーグスティーン、GU 揺らぎ型、AA N7アミノ、CC 2−カルボニル−アミノ(H1)−N3−アミノ(H2)、GA 剪断型、UC 4−カルボニルアミノ、UU イミノ−カルボニル、AC リバーズ揺らぎ型、AU フーグスティーン、AU リバーズワトソンクリック、CG リバーズワトソンクリック、GC N3−アミノ−アミノN3、AA N1−アミノ対称型、AA N7−アミノ対称型、GA N7−N1アミノ−カルボニル、GA+カルボニル−アミノN7−N1、GG N1−カルボニル対称型、GG N3−アミノ対称型、CC カルボニル−アミノ対称型、CC N3−アミノ対称型、UU 2−カルボニル−イミノ対称型、UU 4−カルボニル−イミノ対称型、AA アミノ−N3、AA N1−アミノ、AC アミノ2−カルボニル、AC N3−アミノ、AC N7−アミノ、AU アミノ−4−カルボニル、AU N1−イミノ、AU N3−イミノ、AU N7−イミノ、CC カルボニル−アミノ、GA アミノ−N1、GA アミノ−N7、GA カルボニル−アミノ、GA N3−アミノ、GC アミノ−N3、GC カルボニル−アミノ、GC N3−アミノ、GC N7−アミノ、GG アミノ−N7、GG カルボニル−イミノ、GG N7−アミノ、GU アミノ−2−カルボニル、GU カルボニル−イミノ、GU イミノ−2−カルボニル、GU N7−イミノ、psiU イミノ−2−カルボニル、UC 4−カルボニル−アミノ、UC イミノ−カルボニル、UU イミノ−4−カルボニル、AC C2−H−N3、GA カルボニル−C2−H、UU イミノ−4−カルボニル2カルボニル−C5−H、AC アミノ(A)N3(C)−カルボニル、GC イミノアミノ−カルボニル、Gspi イミノ−2−カルボニルアミノ−2−カルボニル、及びGU イミノアミノ−2−カルボニル塩基対を包含する。
本明細書で使用される「標的」により、例えば、USSN 10/923,536及びUSSN 10/923536(ともに参考として本明細書に含まれる)に示された、GenBankアクセッション番号によってコードされた、任意の標的タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドが意味される。用語「標的」はまた、USSN 10/923,536及びUSSN 10/923536に示された、GenBankアクセッション番号を有する配列によってコードされた、タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドのような、任意の標的タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドをコードしている、核酸配列又は標的ポリヌクレオチド配列も指す。興味のある「標的」は、標的DNA又は標的RNAといった、標的ポリヌクレオチド配列を包含し得る。用語「標的」はまた、他の配列、例えば、異なるアイソフォーム、突然変異体標的遺伝子、標的ポリヌクレオチドのスプライスバリアント、標的多型、及び非コーディング(例えば、ncRNA、miRNA、sRNA)、又は本明細書に記載の他の調節ポリヌクレオチド配列を包含することも意味する。それ故、本発明の種々の実施態様においては、標的RNAに相補性を有する本発明の二本鎖核酸分子(例えば、siNA)を、miRNA又は他のncRNA活性を阻害又はダウンレギュレートするべく使用し得る。1つの実施態様においては、miRNA又はncRNA活性の阻害を使用して、miRNA又はncRNA活性に依存する遺伝子発現(例えば、本明細書に記載の、又は他当該技術分野において既知の他の遺伝子標的)又はウイルス複製(例えば、本明細書に記載の、又は他当該技術分野において既知の他のウイルス標的)をダウンレギュレート又は阻害することができる。別の実施態様においては、miRNA又はncRNAに相補性を有している本発明の二本鎖核酸分子(例えば、siNA)による、miRNA又はncRNAの阻害は、かかる遺伝子の発現が該miRNA又はncRNAによってダウンレギュレートされるか、抑制されるか、又はサイレンスされている場合に、標的遺伝子発現(例えば、本明細書に記載の、又は他当該技術分野において既知の他の遺伝子標的)をアップレギュレート又は促進するべく使用し得る。遺伝子発現のかかるアップレギュレーションは、当該技術分野において一般に知られている、機能の損失又はハプロ不全に関連した疾患及び症状を治療するべく使用し得る(例えば、筋ジストロフィー、嚢胞性線維症、又は、本明細書に記載の神経疾患及び症状、例えば、幼児重症ミオクロニー性てんかん又はドラヴェ(Dravet)症候群を含むてんかん)。
「相同配列」により、1つ以上のポリヌクレオチド配列、例えば、遺伝子、遺伝子転写物、及び/又は非コーディングポリヌクレオチド、によって共有されているヌクレオチド配列が意味される。例えば、相同配列は、関連するがしかし異なるタンパク質、例えば、遺伝子ファミリーの異なるメンバー、異なるタンパク質エピトープ、異なるタンパク質アイソフォーム、又は完全に異なっている遺伝子、例えば、サイトカイン及びその対応する受容体、をコードしている2つ以上の遺伝子によって共有されるヌクレオチド配列であってよい。相同配列は、2つ以上の非コーディングポリヌクレオチド、例えば、非コーディングDNA又はRNA、調節配列、イントロン、及び転写調節又は制御の部位、によって共有されるヌクレオチド配列であってよい。相同配列はまた、1つ以上のポリヌクレオチド配列によって共有された、保存配列領域も含んでいてもよい。相同性は、部分的に相同な配列(例えば、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%その他)もまた本発明によって意図されていることから、完全な相同性(例えば、100%)である必要はない。
「保存配列領域」は、1つのポリヌクレオチド中の1つ以上の領域のヌクレオチド配列が、世代間で、又は1つの生物系、患者、又は生体から、別の生物系、患者、又は生体まで、有意に異ならないことが意味される。該ポリヌクレオチドは、コーディング及び非コーディング双方のDNA及びRNAを包含し得る。
「センス領域」により、siNA分子のアンチセンス領域に対し相補性をもつ、siNA分子のヌクレオチド配列が意味される。さらに、siNA分子のセンス領域は、標的核酸配列と相同性をもつ核酸配列を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、siNA分子のセンス領域は、センス鎖又はパッセンジャー鎖と呼ばれる。
「アンチセンス領域」により、標的核酸配列に対し相補性をもつ、siNA分子のヌクレオチド配列が意味される。さらに、siNA分子のアンチセンス領域は、任意で、siNA分子のセンス領域に対し相補性を有する核酸配列を含んでいてもよい。1つの実施態様においては、siNA分子のアンチセンス領域は、アンチセンス鎖又はガイド鎖と呼ばれる。
「標的核酸」又は「標的ポリヌクレオチド」により、その発現又は活性が調節されるべき、任意の核酸配列が意味される。該標的核酸は、DNA又はRNAであってよい。1つの実施態様においては、本発明の標的核酸は、標的RNA又はDNAである。
「相補的」及び「相補性」(及びその変形)により、別の核酸配列と、伝統的なワトソンクリック又は本明細書に記載された他の非伝統的なタイプのいずれかにより、水素結合を形成し得る核酸を記載することが意味される。好ましくは、相補性の程度は、相補的である核酸が、生理的条件下に二本鎖複合体又は二重鎖を形成するようにする程度である。かかる核酸は、必ずしもそうではないが、好ましくは相補的であってよい。相補的核酸は、該核酸が生理的条件下に二重鎖を形成し得る限り、1、2、3個、又はそれ以上のミスマッチを包含し得る。1つの実施態様においては、本発明の2本鎖核酸分子、例えばsiNA分子は、これにおいて、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長であり、該二本鎖核酸分子の2つの鎖の間で、約10%ないし100%(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%)の相補性を含んでなる。別の実施態様においては、本発明の2本鎖核酸分子、例えばsiNA分子は、これにおいて、一方の鎖がセンス鎖であり、かつ他方の鎖がアンチセンス鎖であり、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長であり、該二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列と、その対応する標的核酸分子、例えば標的RNA、又は標的mRNA、又はウイルスRNA、のヌクレオチド配列との間で、約10%ないし100%(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%)の相補性を含んでなる。1つの実施態様においては、本発明の2本鎖核酸分子、例えばsiNA分子は、これにおいて、一方の鎖がセンス領域と呼ばれるヌクレオチド配列を含んでなり、かつ他方の鎖がアンチセンス領域と呼ばれるヌクレオチド配列を含んでなり、これにおいて、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長であり、該二本鎖核酸分子の該センス領域と該アンチセンス領域との間で、約10%ないし100%(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%)の相補性を含んでなる。本発明の核酸分子について、その相補的配列をもつ核酸分子の結合自由エネルギーは、該核酸に関連した機能の進行、例えばRNAi活性、を行なわせるのに充分である。核酸分子の結合自由エネルギーの判定は、当該技術分野において周知である(例えば、Turner et.al.,1987,CSH Symp.Quant.Biol.LIIpp.123−133;Frier et al.,1986,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 83:9373−9377;Turner et al.,1987,J.Am.Chem.Soc.109:3783−3785)。パーセント相補性は、第2の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン−クリック塩基対合)を形成し得る核酸分子中の隣接した残基のパーセンテージを示す(例えば、10ヌクレオチドを有する第2の核酸配列に対して塩基対合している、第1のオリゴヌクレオチド中の全10ヌクレオチドのうちの、5、6、7、8、9、又は10ヌクレオチは、それぞれ、50%、60%、70%、80%、90%、及び100%の相補性を表わす)。1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、siNA分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間に、完全な相補性を有する。1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、対応する標的核酸分子に対し完全に相補的である。「完全に相補的」は、核酸配列の全ての隣接残基が、第2の核酸配列中の同数の隣接残基と水素結合することを意味する。1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、1つ以上の標的核酸分子又はその一部に対し相補的である、約15ないし約30個、又はそれ以上(例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個、又はそれ以上)のヌクレオチドを含んでなる。1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子は、該siNA分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間か、或いは、該siNA分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域と、対応する標的核酸分子との間に、部分的な相補性(すなわち、100%未満の相補性)を有する。例えば、部分的な相補性は、siNA構造内に、種々のミスマッチ又は非塩基対合ヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5個、又はそれ以上の、ミスマッチ又は非塩基対合ヌクレオチド)を包含でき、その結果として、該siNA分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間か、或いは、該siNA分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域と、対応する標的核酸分子との間に結果として生じる、バルジ(bulge)、ループ、又は突出を生じ得る。
1つの実施態様においては、本発明の二本鎖核酸分子、例えばsiNA分子は、該核酸分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間に、完全な相補性を有する。1つの実施態様においては、本発明の二本鎖核酸分子、例えばsiNA分子は、対応する標的核酸分子に対し、完全に相補的である。
1つの実施態様においては、本発明の二本鎖核酸分子、例えばsiNA分子は、該二本鎖核酸分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間か、或いは、該核酸分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域と、対応する標的核酸分子との間に、部分的な相補性(すなわち、100未満の相補性)を有する。例えば、部分的な相補性は、該二本鎖核酸分子構造内に、種々のミスマッチ又は非塩基対合ヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5個、又はそれ以上の、ミスマッチ又は非塩基対合ヌクレオチド、例えばヌクレオチドバルジ)を包含でき、その結果として、該二本鎖核酸分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間か、或いは、該二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域と、対応する標的核酸分子との間に結果として生じる、バルジ、ループ、又は突出を生じ得る。
1つの実施態様においては、本発明の二本鎖核酸分子は、マイクロRNA(miRNA)である。「マイクロRNA」又は「miRNA」により、標的メッセンジャーRNAの発現を、mRNA切断、翻訳抑制/阻害、又はヘテロクロマチンサイレンシングにより調節する、低分子二本鎖RNAが意味される(例えば、Ambros,2004,Nature,431,350−355;Bartel,2004、Cell,116,281−297;Cullen,2004,Virus Research,102,3−9;He et al.,2004,Nat.Rev.Genet.,5,522−531;及びYing et al.,2004,Gene,342,25−28参照)。1つの実施態様においては、本発明のマイクロRNAは、miRNA分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間か、或いは、該miRNA分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域と、対応する標的核酸分子との間に、部分的な相補性(すなわち、100%未満の相補性)を有する。例えば、部分的な相補性は、該二本鎖核酸分子構造内に、種々のミスマッチ又は非塩基対合ヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5個、又はそれ以上の、ミスマッチ又は非塩基対合ヌクレオチド、例えばヌクレオチドバルジ)を包含でき、その結果として、該miRNA分子のセンス鎖又はセンス領域と、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間か、或いは、該miRNA分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域と、対応する標的核酸分子との間に結果として生じる、バルジ、ループ、又は突出を生じ得る。
1つの実施態様においては、本発明の組成物、例えば、標的遺伝子発現をダウンレギュレート又は低減する、本発明の製剤又は組成物、及び製剤siNA組成物は、患者又は生体において、疾患、障害、症状、又は形質を、本明細書に記載のように、又は当該技術分野において周知のように、予防又は治療するために使用される。
本明細書で用いられる、「増殖性疾患」又は「癌」により、当該技術分野において既知の、制御されない細胞増殖又は複製によって特徴づけられる、任意の疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型が意味され;白血病、例えば急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、及び慢性リンパ性白血病、AIDS関連癌、例えばカポジ肉腫;乳癌;骨癌、例えば骨肉腫、骨軟骨肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、巨細胞腫瘍、アダマンチノーマ、及び脊索腫;脳癌、例えば髄膜腫、神経膠芽細胞腫、グレードの低い星状細胞腫、乏突起細胞腫、下垂体腫瘍、神経鞘腫、及び転移性脳癌;種々のリンパ腫を含む、頭頸部の癌、例えば、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腺腫、扁平上皮細胞癌、咽頭癌、胆嚢及び胆管癌、網膜の癌、例えば網膜芽細胞腫、食道癌、胃癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮癌、甲状腺癌、精巣癌、子宮内膜癌、黒色腫、結腸直腸癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、膵臓癌、肉腫、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、頭頸部癌、皮膚癌、鼻咽頭癌、脂肪肉腫、上皮癌、腎細胞癌、胆嚢腺癌、耳下腺癌、子宮内膜肉腫、多剤耐性癌;及び増殖性疾患及び症状、例えば、腫瘍血管形成に付随した血管新生、黄班変性(例えば、滲出型/委縮型AMD)、角膜血管新生、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、近視性変性、及び他の増殖性疾患及び症状、例えば、再狭窄及び腎嚢胞、及び、単独で又は他の療法と組合せて、細胞又は組織において、疾患関連遺伝子発現の調節に対し応答し得る、任意の他の癌又は増殖性疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、を包含する。
本明細書で用いる場合、「炎症性疾患」又は「炎症性症状」により、当該技術分野において既知の、炎症性又はアレルギー性プロセスによって特徴づけられる、任意の疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、例えば、炎症、急性炎症、慢性炎症、呼吸器疾患、アテローム性動脈硬化症、乾癬、皮膚炎、再狭窄、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、敗血症性ショック、リウマチ様関節炎、炎症性大腸炎、骨盤炎症性疾患、疼痛、眼の炎症性疾患、セリアック病、ライ症候群、グリセロールキナーゼ欠損症、家族性好酸球増加症(FE)、常染色体劣性痙攣性失調、咽頭炎症性疾患;結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、珪肺症及び他の塵肺症、及び、単独で又は他の療法と組合せて、細胞又は組織において、疾患関連遺伝子発現の調節に対し応答し得る、任意の他の炎症性疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、が意味される。
本明細書で用いられる、「自己免疫疾患」又は「自己免疫症状」により、当該技術分野において既知の、自己免疫性によって特徴づけられる、任意の疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、例えば、多発性硬化症、糖尿病、狼瘡、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギラン・バレー症候群、硬皮、グッドバスチャー症候群、ウェグナー肉芽腫瘍、自己免疫性てんかん、ラスムッセン脳炎、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、アジソン病、橋本甲状腺炎、線維筋痛症、メニエール症候群;移植拒絶(例えば、同種移植拒絶の防止)、悪性貧血、リウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、狼瘡エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ライター症候群、グレーブス病、及び、単独で又は他の療法と組合せて、細胞又は組織において、疾患関連遺伝子発現の調節に対し応答し得る、任意の他の自己免疫性疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、が意味される。
「感染症」により、感染因子、例えばウイルス、細菌、真菌、プリオン、又は寄生生物に関連した、任意の疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型が意味される。本発明のsiNA分子を使用して標的化され得る、種々のウイルス遺伝子の非限定的な例は、C型肝炎ウイルス(HCV、例えば、Genbankアクセッション番号:D11168、D50483.1、L38318及びS82227)、B型肝炎ウイルス(HBV、例えば、Genbankアクセッション番号:AF100308.1)、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1、例えば、Genbankアクセッション番号:U51188)、ヒト免疫不全ウイルス2型(HIV−2、例えば、Genbankアクセッション番号:X60667)、西ナイルウイルス(WNV、例えば、Genbankアクセッション番号:NC 001563)、サイトメガロウイルス(CMV、例えば、Genbankアクセッション番号:NC 001347)、RSウイルス(RSV、例えば、Genbankアクセッション番号:NC 001781)、インフルエンザウイルス(例えば、Genbankアクセッション番号:AF037412)、ライノウイルス(例えば、Genbankアクセッション番号:D00239、X02316、X01087、L24917、M16248、K02121、X01087)、乳頭腫ウイルス(例えば、Genbankアクセッション番号:NC 001353)、単純ヘルペスウイルス(HSV、例えばGenbankアクセッション番号:NC 001345)、及び他のウイルス、例えばHTLV(例えば、Genbankアクセッション番号:AJ430458)を包含する。多くのウイルスゲノムの高い配列変異性のため、幅広い治療適用のためのsiNA分子の選択は、ウイルスゲノムの保存領域を含むことが予想されよう。ウイルスゲノムの保存領域の非制限的な例は、制限なく、5’非コーディング領域(NCR)、3’非コーディング領域(NCR)、及び/又は、リボソーム内部侵入部位(IRES)を包含する。種々のウイルスゲノムの保存領域に対して設計されたsiNA分子は、多種多様な患者集団におけるウイルス複製の効率的な阻害を可能にし、そして、ウイルスゲノムの非保存領域の突然変異に起因して発生するウイルスの類似種に対するsiNA分子の有効性を保証するであろう。細菌感染症の非制限的な例は、放線菌症、炭疽病、アスペルギルス症、菌血症、細菌感染症及び真菌症、バルトネラ感染症、ボツリヌス中毒症、ブルセラ症、ブルクホルデリア感染症、カンピロバクター感染症、カンジダ症、猫引っ掻き病、クラミジア感染症、コレラ、クロストリジウム感染症、コクシジオイデス症、交差感染、クリプトコッカス症、皮膚真菌症、(皮膚真菌症)、ジフテリア、エーリキア症、大腸菌感染症、筋膜炎、壊死、フゾバクテリウム感染症、ガス壊疽、グラム陰性菌感染症、グラム陽性菌感染症、ヒストプラスマ症、膿痂疹、クレブシエラ感染症、レジオネラ症、らい病、レプトスピラ症、リステリア感染症、ライム病、マズラ足、類鼻疽、マイコバクテリウム感染症、マイコプラズマ感染症、真菌症、ノカルジア感染症、爪甲心筋症、鳥類病、ペスト、肺炎双球菌感染症、緑膿菌感染症、Q熱、鼠咬熱、回帰熱、リウマチ熱、リケッチア感染症、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ感染症、猩紅熱、恙虫病、敗血症、性交渉感染症、細菌性皮膚疾患−細菌性、細菌性皮膚疾患、ブドウ球菌感染症、連鎖球菌感染症、破傷風、ダニ媒介疾患、結核、野兎病、腸チフス、チフス、発疹チフス、ビブリオ感染症、イチゴ腫、エルシニア感染症、人畜共通伝染病、及び接合菌症を包含する。真菌感染症の非制限的例は、アスペルギルス症、分芽菌症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、手足の爪真菌症、真菌性副鼻腔炎、ヒストプラスマ症、(ヒストプラスマ症)、ムコール菌症、爪真菌感染、パラコクシジオイデス症、スポロトリクス症、渓谷熱(コクシジオイデス症)、及びカビアレルギーを包含する。
「神経疾患」又は「神経性疾患」により、中枢又は末梢神経系に影響を及ぼす任意の疾患、障害、又は症状が意味され、ADHD、AIDS−神経合併症、透明中隔の欠如、後天性てんかん性失語症、急性散在性脳脊髄炎、副腎白質ジストロフィー、脳梁欠損症、失認、アイカルディ症候群、アレキサンダー病、アルパーズ病、交代性片麻痺、アルツハイマー病、委縮性側索硬化症、無脳症、動脈瘤、アンジェルマン症候群、血管腫症、無酸素症、失語症、失行症、クモ膜嚢胞、クモ膜炎、アーノルドキアリ奇形、脊髄動静脈奇形、アスパルテーム病、アスペルガー症候群、血管拡張性失調症、失調、注意欠陥多動性障害、自閉症、自律神経機能異常、背痛、バース症候群、バッテン病、ベーチェット病、顔面神経麻痺、良性本態性眼瞼痙攣、良性焦点性筋委縮症、良性頭蓋内圧亢進、ベルンハルト・ロート症候群、ビンスワンゲル病、眼瞼痙攣、ブロッホ・サルズバーガー症候群、腕神経叢分娩時損傷、腕神経叢損傷、ブラッドベリ・エグルストン症候群、脳動脈瘤、脳損傷、脳脊髄腫瘍、ブラウン・セカール症候群、延髄脊髄筋委縮症、カナバン病、手根管症候群、カウザルギー、海綿腫、海綿状血管腫、海綿状血管奇形、中心性頸髄症候群、頸髄症候群、中心性疼痛症候群、頭部障害、小脳変性症、小脳低形成、脳動脈瘤、脳動脈硬化症、脳委縮、脳性脚気、脳性巨人症、脳低酸素症、脳性麻痺、脳・眼・顔・骨格症候群、シャルコー・マリー・ツース病、キアリー奇形、舞踏病、有棘赤血球舞踏病、慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパシー(CIDP)、慢性起立耐性失調、慢性痛、コケーン症候群2型、コフィン・ローリー症候群、昏睡、遷延性植物状態を含む、複合性局所疼痛症候群、先天性顔面両側麻痺、先天性筋無力症、先天性ミオパシー、先天性海綿状血管腫、大脳皮質基底変性症、頭蓋内血管炎、頭蓋骨癒合症、クロイツフェルト・ヤコブ病、累積外傷性障害、クッシング症候群、巨細胞性封入体症(CIBC)、サイトメガロウイルス感染症、ダンシングアイズ−ダンシングフィート(Dancing eyes−Dansing Feet)症候群、ダンディー・ウォーカー症候群、ドーソン病、ドモーシエ(De Morsier’s)症候群、デジェリーヌ・クルンプケ麻痺、多発塞栓性痴呆、皮質下痴呆、レビー小体性痴呆、皮膚筋炎、発達性統合運動障害、デビック症候群、糖尿病性腎症、広汎性硬化症、乳児重症ミオクロニーてんかん(Dravet症候群)、自律神経障害、書字障害、失読症、嚥下困難、ジストニア、早期乳児てんかん脳症、エンプティセラ症候群、嗜眠性脳炎、脳炎及び髄膜炎、脳ヘルニア、脳症、脳3叉神経領域血管腫、てんかん、エルブ麻痺、エルブ・デュシェンヌ及びデジェリーヌ・クルンプケ麻痺、ファブリー病、ファール症候群、失神、家族性自律神経障害、家族性血管腫、家族性特発性基底核石灰化、家族性痙性麻痺、熱性痙攣(例えば、GEFS及びGEFSプラス)、フィッシャー症候群、筋緊張低下児症候群、フリードライヒ失調症、ゴーシェ病、ゲルストマン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、巨細胞性動脈炎、巨細胞性封入体病、グロボイド細胞性ロイコジストロフィー、舌咽神経痛、ギラン・バレー症候群、HTLV−1関連ミエロパシー、ハレルフォルデン・スパッツ病、頭部外傷、頭痛、持続性片頭痛、片側顔面痙攣、交代性片麻痺、遺伝性ニューロパシー、遺伝性痙性対麻痺、遺伝性多発神経炎性失調、耳ヘルペス、帯状ヘルペス、平山症候群、全前脳症、ハンチントン病、水頭無脳症、正常圧水頭症、水頭症、水脊髄症、高コルチゾール症、睡眠過剰、高血圧症、低血圧症、低酸素症、免疫介在性脳脊髄炎、封入体筋炎、色素失調症、幼児低血圧症、幼児型フィタン酸蓄積症、幼児型レフサム病、幼児性痙攣、炎症性、炎症性ミオパシー、腸性脂肪異栄養症、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進、アイザック症候群、ジュベール症候群、カーンズ・セイヤ症候群、ケネディ病、キンスボーン(Kinsbourne)症候群、クライン・レヴィン症候群、クリッペル・フィル症候群、クリッペル・トレノーネイ症候群(KTS)、クリューヴァー・ビューシー症候群、コルサコフ健忘症候群、クラッベ病、クーゲルバーグ・ヴェランダー病、ランバート・イートン筋無力症候群、ランダウ・クレフナー症候群、外側大腿皮神経エントラップメント、外側髄症候群、学習障害、リー病、レノックス・ゲシュタウト症候群、レッシュ・ナイハン症候群、白質ジストロフィー、レバイン・クリッチュリー症候群、レビー小体型認知症、脳回欠損、かぎしめ症候群、ルー・ゲーリング病、狼瘡−神経学的後遺症、ライム病−神経学的合併症、マシャド・ジョセフ病、巨大頭蓋症、巨脳、メルカーソン・ローゼンタール症候群、髄膜炎、メンケス症候群、間隔異常性大腿神経痛、異染色性脳白質ジストロフィー、小頭症、片頭痛、ミラー・フィッシャー症候群、小発作、ミトコンドリアミオパシー、メービウス症候群、単肢筋委縮症、運動ニューロン疾患、モヤモヤ病、ムコリピドーシス、ムコ多糖症、多発塞栓性痴呆、多巣性運動ニューロパシー、多発性硬化症、起立性低血圧を伴う多系統委縮症、多系統委縮症、筋ジストロフィー、先天性筋無力症、重症筋無力症、ミエリン破壊性広汎性硬化症、乳児ミオクロニー脳症、ミオクローヌス、先天性ミオパシー、甲状腺中毒性ミオパシー、ミオパシー、先天性ミオトニー、ミオトニー、ナルコレプシー、神経有棘赤血球症、脳内鉄蓄積を伴う神経変性症、神経線維腫症、神経遮断薬誘発性悪性症候群、AIDSの神経合併症、ポンペ病の神経学的症状発現、視神経脊髄炎、神経ミオトニー、神経性セロイドリポフスチン沈着症、ニューロン移動障害、遺伝性ニューロパシー、神経サルコイドーシス、神経毒性、海綿状母斑、ニーマン・ピック病、オサリバン・マクロード症候群、後頭神経痛、続発性潜在性脊髄癒合不全、太田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮、眼球クローヌス・ミオクローヌス、起立性低血圧症、濫用症候群、慢性疼痛、パラネオプラスチック症候群、感覚異常症、パーキンソン病、先天性パラミオトニア、発作性舞踏病アテトーゼ、発作性片頭痛、ペイリー・ロンベルグ病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ペナ・ショッカー症候群II型、神経周囲嚢胞、周期性四肢麻痺、末梢性ニューロパシー、脳質周囲白質軟化症、遷延性植物状態、広汎性発達障害、フィタン酸蓄積症、ピック病、梨状筋症候群、下垂体腫瘍、多発性筋炎、ポンペ病、孔脳症、ポリオ後症候群、ヘルペス後神経痛、感染後脳脊髄炎、体位性低血圧症、体位性起立性頻脈症候群、体位性頻脈症候群、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性片側顔面委縮、進行性脊髄癆、進行性多病巣性白質脳症、進行性硬化性灰白質委縮症、進行性核上麻痺、偽脳腫瘍、ピリドキシン依存性及びピリドキシン応答性の発作障害、ラムゼー・ハント症候群1型、ラムゼー・ハント症候群2型、ラスムッセン脳炎及び他の自己免疫性てんかん、反射交感神経ジストロフィー症候、乳児型レフサム病、レフサム病、反復運動障害、反復性ストレス損傷、不穏下肢症候群、レトロウイルス関連ミエロパシー、レット症候群、ライ症候群、ライリー・デイ症候群、SUNCT頭痛、仙骨神経根嚢腫、舞踏病、唾液腺疾患、サンドホフ病、シルダー病、脳裂、発作障害、視神経異形成症、幼児重症ミオクロニー性てんかん(SMEI)、揺さぶられっ子症候群、帯状ヘルペス、シャイ・ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠無呼吸、睡眠病、ソトス症候群、痙性、二分脊椎、脊髄梗塞、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊髄筋委縮症、脊髄小脳、スティール・リチャードソン・オルスゼフスキー症候群、スティッフ・パーソン症候群、線条体黒質変性症、卒中、スタージ・ウェーバー症候群、亜急性硬化性全脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、嚥下障害、シドナム舞踏病、失神、梅毒性脊髄硬化症、脊髄水空洞症、脊髄空洞症、全身性エリテマトーデス、脊髄癆、遅発性ジスキネジー、ターロヴ嚢胞、テイ・サックス病、側頭動脈炎、脊髄終糸症候群、トムゼン病、胸郭出口症候群、甲状腺中毒性ミオパシー、疼痛性チック、トッド麻痺、トゥーレット症状群、一過性虚血性発作、伝染性海綿状脳症、横断脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性痙性対不全麻痺、結節硬化症、血管拡張性腫瘍、側頭動脈炎を含む血管炎、フォン・エコーノモ病、フォンヒッペル・リンダウ病(VHL)、フォンレックリングハウゼン病、ワレンベルグ・ホフマン症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウェスト症候群、ウィッペル病、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、X染色体性球脊髄性筋萎縮症、及びツェルヴェーガー症候群を包含する。
「呼吸器疾患」により、気道に影響を及ぼす任意の疾患又は症状、例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患又は「COPD」、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管狭窄、炎症、アレルギー、呼吸妨害、呼吸窮迫症候群、嚢胞性繊維症、肺高血圧症、肺血管狭窄、肺気腫、及び、単独で又は他の療法と組合せて、細胞又は組織において、疾患関連遺伝子発現の調節に対し応答し得る、任意の他の呼吸器疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、が意味される。
「心臓血管疾患」により、制限なく、冠動脈性心疾患(CHD)、脳血管疾患(CVD)、大動脈弁狭窄症、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、心筋梗塞(心臓発作)、脳血管疾患(卒中)、一過性虚血発作(TIA)、アンギナ(安定及び不安定)、心房性細動、不整脈、Vavular disease、鬱血性心不全、高コレステロール血症、I型高リポタンパク血症、II型高リポタンパク血症、III型高リポタンパク血症、IV型高リポタンパク血症、V型高リポタンパク血症、二次性高トリグリセリド血症、及び家族性レシチンコレステロールアシル転移酵素欠損症を含む、心臓及び血管に影響を及ぼす任意の疾患又は症状が意味される。
本明細書で使用される「眼性疾患」により、当該技術分野において既知の、眼及び関連構造の任意の疾患、症状、形質、遺伝子型、又は表現型、例えば、類嚢胞黄斑浮腫、星状硝子体症、病的近視及び後部ブドウ腫、トキソカラ症(眼幼虫移行症)、網膜静脈閉塞症、後部硝子体剥離、牽引性網膜裂孔、網膜上膜、糖尿病性網膜症、格子様変性、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症、黄斑変性(例えば、滲出型AMD又は委縮型AMDといった、年齢関連性の黄班変性)、トキソプラスマ症、脈絡膜黒色腫、後天性網膜分離症、ホレンホースト斑、特発性中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑円孔、推定眼ヒストプラスマ症候群、網膜動脈瘤(Retinal Macroaneursym)、色素性網膜炎、網膜剥離、高血圧性網膜症、網膜色素上皮(RPE)剥離、乳頭静脈炎、眼虚血症候群、コート病、レーバー粟粒動脈瘤、結膜新生物、アレルギー性結膜炎、春季結膜炎、急性細菌性結膜炎、アレルギー性結膜炎及び春季角結膜炎、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎、クラミジア及び淋菌性結膜炎、結膜裂傷、上強膜炎、強膜炎、瞼裂斑炎、翼状片、上方輪部角結膜炎(テオドール(Theodore)のSLK)、中毒性結膜炎、偽膜性結膜炎、巨大乳頭結膜炎、テリエン辺縁変性、アカントアメーバ角膜炎、真菌性角膜炎、糸状角膜炎、細菌性角膜炎、乾燥性角膜炎/ドライアイ症候群、細菌性角膜炎、単純ヘルペス性角膜炎、無菌性角膜浸潤、フリクテン症、角膜剥離及び再発性角膜びらん、角膜異物、化学火傷、上皮基底膜ジストロフィー(EMBD)、タイゲソン表層性点状角膜症、角膜裂傷、ザルツマン結節状角膜変性、フックス内皮ジストロフィー、水晶体亜脱臼、毛様体ブロック緑内障、原発性開放隅角緑内障、色素分散症候群及び色素性緑内障、偽落屑症候群及び偽落屑緑内障、原発性開放隅角緑内障、ブドウ膜炎緑内障及び緑内障毛様体炎発症、色素分散症候群及び色素性緑内障、急性閉塞隅角緑内障、前部ブドウ膜炎、前房出血、隅角後退緑内障、水晶体原性緑内障、偽落屑症候群及び偽落屑緑内障、アクセンフェルト・リーガー症候群、血管新生緑内症、扁平部炎、脈絡膜破裂、デュエーン眼球後退症候群、中毒性/栄養性視神経症、第III脳神経の迷走性再生、頭蓋内腫瘤状病巣、頚動脈海綿静脈洞瘻、前部乏血性視神経症、視神経乳頭浮腫及び乳頭水腫、第III脳神経麻痺、第IV脳神経麻痺、第VI脳神経麻痺、第VII脳神経(顔面神経)麻痺、ホルネル症候群、核間性眼筋麻痺、視神経乳頭形成不全、眼陥凹、緊張性瞳孔、視神経乳頭ドルーゼ、脱髄性視神経症(視神経炎、球後視神経炎)、一過性黒内障及び一過性虚血性発作、偽脳腫瘍、下垂体腺腫、伝染性軟属腫、小管炎、揖保、疣贅及び乳頭腫、シラミ寄生症及び毛ジラミ症、眼瞼炎、麦粒腫、眼窩隔膜前蜂巣炎、霰粒腫、基底細胞癌、眼部帯状ヘルペス、シラミ寄生症及び毛ジラミ症、眼窩骨折、慢性流涙症、涙嚢炎、単純ヘルペス眼瞼炎、眼窩蜂巣炎、老人性内反、及び扁平上皮細胞癌が意味される。
「代謝疾患」により、当該技術分野において既知の、代謝経路に影響を及ぼす任意の疾患又は症状が意味される。代謝疾患は、結果として、遺伝性の酵素異常(代謝の先天異常)による先天性の、又は内分泌器官の疾患、若しくは肝臓のような代謝上重要な臓器の障害による後天性の、いずれかの異常な代謝プロセスを生じ得る。1つの実施態様においては、代謝疾患は、肥満、インスリン抵抗性、及び糖尿病(例えば、I型及び/又はII型糖尿病)を包含する。
「皮膚疾患」により、皮膚、真皮、又は、その任意の下部構造、例えば毛、胞等、任意の疾患又は症状が意味される。皮膚疾患、障害、症状、及び形質は、乾癬、異所性皮膚炎、皮膚癌、例えば黒色腫及び基底細胞癌、脱毛症、抜け毛、色素沈着の変化、及び、皮膚、真皮、又はその下部構造に関連した任意の他の疾患、症状、又は形質を包含し得る。
「聴覚疾患」により、耳、例えば内耳、中耳、外耳、聴神経、及びそれらの任意の下部構造を含む、聴覚系の任意の疾患又は症状が意味される。聴覚疾患、障害、症状、及び形質は、聴力損失、難聴、耳鳴り、メニエール病、眩暈、平衡及び運動障害、及び、耳又はその構造に関連した任意の他の疾患、症状、又は形質を包含し得る。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子の各配列は、独立して、約15ないし約30ヌクレオチド長、具体的な実施態様においては、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチド長である。別の実施態様においては、本発明のsiNA分子の二重鎖は、独立して約15ないし約30塩基対(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個)を含んでなる。別の実施態様においては、本発明のsiNA分子の1つ以上の鎖は、独立して、標的核酸分子に対し相補的である約15ないし約30ヌクレオチド(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個)を含んでなる。なお別の実施態様においては、ヘアピン又は環状構造を含んでなる本発明のsiNA分子は、約35ないし約55(例えば、約35、40、45、50、又は55)ヌクレオチド長であるか、又は約38ないし約44(例えば、約38、39、40、41、42、43、又は44)ヌクレオチド長であり、かつ約15ないし約25(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25)塩基対を含んでなる。
本明細書で用いる場合、「細胞」は、その通常の生物学的意味において使用され、かつ、完全な多細胞生物を指さず、例えば、特にヒトを指さない。細胞は、生体、例えば、鳥類、植物、哺乳類、例えばヒト、ウシ、ヒツジ、類人猿、サル、ブタ、イヌ、及びネコに存在してよい。細胞は、原核細胞(例えば、細菌細胞)か、又は真核細胞(例えば、哺乳類又は植物の細胞)でよい。細胞は、体細胞又は生殖細胞系起源、全能又は多能性、分裂又は非分裂性であってよい。細胞はまた、配偶子又は胚、幹細胞、又は完全に分化した細胞に由来するか、又はこれらを含んでなってもよい。
1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物、又は製剤siNA組成物は、直接注入、カテーテル法、又はステント留置法(例えば、門脈カテーテル法/ステント留置法)により、関連する組織に対し、エクソビボ(ex vivo)又はインビボにおいて局所投与される。
1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物、又は製剤siNA組成物は、当該技術分野において既知の非経口投与、例えば、静脈内、筋肉内、又は皮下注射により、患者又は生体に対し全身投与される。
別の実施態様においては、本発明は、本発明の1つ以上の製剤又は組成物、又は製剤siNA組成物を含有している哺乳類細胞を提供する。1つ以上の製剤又は組成物、又は製剤siNA組成物は、独立して、同じか又は異なる部位に対し標的化可能である。
「RNA」により、少なくとも1つのリボヌクレオチド残基を含んでなる分子が意味される。「リボヌクレオチド」により、β−D−リボフラノース成分の2’位にヒドロキシルキをもつヌクレオチドが意味される。この用語は、二本鎖RNA、単鎖RNA、単離されたRNA、例えば、部分精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換えにより生成されたRNA、並びに、1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、及び/又は改変により天然RNAとは異なった、改変されたRNAを包含する。かかる改変は、非ヌクレオチド物質の、例えば、siNAの末端へ、又は内部へ、例えばRNAの1つ以上のヌクレオチドへの付加を包含し得る。本発明のRNA分子におけるヌクレオチドはまた、非標準的なヌクレオチド、例えば、非天然ヌクレオチド、又は化学合成されたヌクレオチド若しくはデオキシヌクレオチドを含んでなってもよい。これらの改変されたRNAは、類似体、又は天然RNAの類似体と呼ばれ得る。
「患者」により、移植細胞のドナー又はレシピエントである生体、又は細胞自体が意味される。「患者」はまた、本発明の核酸分子がそれに対し投与され得る生体も指す。患者は、ヒト又はヒト細胞を含む、哺乳類又は哺乳類細胞であってよい。
用語「ホスホロチオアート」は、本明細書で用いる場合、式I[式中、Z及び/又はWは、硫黄原子を含んでなる]を有するインターヌクレオチド結合を指す。したがって、用語ホスホロチオアートは、ホスホロチオアート及びホスホロチオアートインターヌクレオチド結合の双方を指す。
用語「ホスホノアセテート」は、本明細書で用いる場合、式I[式中、Z及び/又はWは、アセチル又は保護されたアセチル基を含んでなる]を有するインターヌクレオチド結合をさす。
用語「チオホスホノアセテート」は、本明細書で用いる場合、式I[式中、Zは、アセチル又は保護されたアセチル基を含んでなり、かつWは、硫黄原子を含んでなるか、或いはまた、Wが、アセチル又は保護されたアセチル基を含んでなり、かつZが、硫黄原子を含んでなる]を有するインターヌクレオチド結合をさす。
用語「ユニバーサル」塩基は、本明細書で用いる場合、天然のDNA/RNA塩基の各々と、それらの間に殆ど区別なく塩基対を形成する、ヌクレオチド塩基類似体を指す。ユニバーサル塩基の非限定的な例は、当該技術分野において既知の、C−フェニル、C−ナフチル、及び他の芳香族誘導体、イノシン、アゾールカルボキサミド、及びニトロアゾール誘導体、例えば、3−ニトロピロール、4−ニトロインドール、5−ニトロインドール、及び6−ニトロインドールを包含する(例えば、Loakes,2001,Nucleic Acids Research,29,2437−2447参照)。
用語「非環状ヌクレオチド」は、本明細書で用いる場合、非環状リボース糖を有する任意のヌクレオチドを指し、例えば、これにおいて、任意のリボース炭素(C1、C2、C3、C4、又はC5)は、独立して又は組合せて、該ヌクレオチドから欠けている。
さらなる実施態様においては、製剤又は組成物、及び製剤siNA組成物は、他の既知の治療と組合せて、患者又は生体において、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、疾患、形質、及び症状を、阻害、低減、又は予防するべく使用可能である。例えば、記載された分子は、1つ以上の既知の化合物、治療、又は方法と組合せて使用して、患者又は生体において、本明細書に記載の、又は他の当該技術分野において既知の、疾患、形質、及び症状を、阻害、低減、又は予防することも可能である。非限定的な例では、HCV感染及びHBV感染に付随している併発症状を治療するべく使用される、製剤又は組成物、及び製剤siNA組成物は、他のHCV治療、例えば、HCVワクチン;抗HCV抗体、例えば、HepeX−C及びCivacir;プロテアーゼ阻害剤、例えばVX−950;ペグ・インターフェロン、例えばPEG−イントロン(Intron)、及び/又は他の抗ウイルス剤、例えばリバビリン(Ribavirin)及び/又はバロピシタビン(Valopicitabine)と組合せて使用される。
1つの実施態様においては、本発明の製剤siNA組成物は、少なくとも1つの本発明のポリヌクレオチド分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)をコードしている核酸配列を、該siNA分子の発現を可能にする方法で含んでなる、発現ベクターを含んでなる。例えば、該ベクターは、二重鎖を含んでなるsiNA分子の、両鎖をコードしている配列を含有し得る。該ベクターはまた、自己相補性があり、それ故siNA分子を形成する、単鎖核酸分子をコードしている配列も含有し得る。かかる発現ベクターの非限定的な例は、Paul et al.,2002,Nature Biotechnology,19,505;Miyagishi and Taira,2002,Nature Biotechnology,19,497;Lee et al.,2002,Nature Biotechnology,19,500;及びNovina et al.,2002,Nature Medicine,advance online publication doi:10.1038/nm725に記載されている。1つの実施態様においては、本発明の発現ベクターは、同じか又は異なってもよい2つ以上のsiNA分子をコードしている核酸配列を含んでなる。
別の態様においては、本発明のポリヌクレオチド、例えば、標的RNA分子と相互作用し、かつ標的RNA分子(例えば、本明細書のGenbankアクセッション番号によって参照される標的RNA分子)をコードしている遺伝子をダウンレギュレートするsiNA分子は、DNA又はRNAベクター中にインサートされた転写単位から発現される。組換えベクターは、DNAプラスミド又はウイルスベクターでよい。ポリヌクレオチド発現性のウイルスベクターは、制限なく、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、又はアルファウイルスをベースとして構築し得る。ポリヌクレオチド分子を発現し得る組換えベクターは、本明細書に記載のように送達可能であり、標的細胞中に残続する。別法として、ウイルスベクターは、ポリヌクレオチド分子の一過性の発現に備えたものを使用し得る。かかるベクターは、必要に応じて繰り返し投与可能である。例えば、ひとたび発現されれば、siNA分子が結合し、そしてRNA干渉(RNAi)により、遺伝子機能又は発現をダウンレギュレートする。製剤又は組成物発現性ベクターの送達は、全身性、例えば、静脈内又は筋肉内投与によるか、患者からの外植標的細胞への投与及びそれに続く該患者への再導入によるか、又は、所望の標的細胞内への導入を可能にするであろう、任意の他の手段によることができる。
「ベクター」により、所望の核酸を送達するべく使用される、任意の核酸ベース及び/又はウイルスベースの技術が意味される。
本発明の他の特徴及び利点は、その好ましい実施態様についての以下の記載から、及びクレームから明らかであろう。
1つ以上の生物活性分子(B)を包含する第1のビヒクルと、1つ以上の担体分子(X)を包含する第2のビヒクルとを、例えば不均一な集団として含んでなる組成物の、非限定的な例を示す図である。第1のビヒクル及び第2のビヒクルは、生物活性分子及び担体分子を除いて、同じであってよい(製剤タイプA1と呼ばれる、図1A参照)。第1のビヒクル及び第2のビヒクルはまた、異なってもよい(製剤タイプA2と呼ばれる、図1B参照)。第1のビヒクル及び第2のビヒクルは、同じ比率(例えば1:1)で、又は異なる比率で存在し得る。 1つ以上の生物活性分子(B)と1つ以上の担体分子(X)とを包含するビヒクルを、例えば均一な集団として含んでなる組成物の、非限定的な例を示す図である(製剤タイプBと呼ばれる)。生物活性分子(B)及び担体分子(X)は、同じ比率(例えば1:1)で、又は異なる比率で存在し得る。 1つ以上の担体分子(X)と、1つ以上の生物活性分子(B)を含んでなるビヒクルとを、例えば不均一な集団として含んでなる組成物の、非限定的な例を示す図である(製剤タイプCと呼ばれる)。ビヒクル及び担体分子(X)は、同じ比率(例えば1:1)で、又は異なる比率で存在し得る。 1つ以上の担体分子(X)を包含する第1の製剤、1つ以上の生物活性分子(B)(例えば、ポリヌクレオチド、例えばsiNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、本明細書に記載の、他の核酸分子及び/又は他の生物活性分子)、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えばPEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲートを包含する第2の製剤、を含んでなる組成物の、非限定的な例を示す図である。第1及び/又は第2の製剤は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい。第1及び/又は第2の製剤は、さらに、アルコール又は界面活性剤を含んでいてもよい。第1及び/又は第2の製剤は、さらに、リネオイル(lineoyl)アルコールを含んでいてもよい。この組成物は、本明細書において全般的に、LNP製剤タイプAと呼ばれる。第1の製剤及び第2の製剤は、同じ比率(例えば1:1)で、又は異なる比率で存在し得る。 1つ以上の担体分子(X)、1つ以上の生物活性分子(B)(例えば、ポリヌクレオチド、例えばsiNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、本明細書に記載の、他の核酸分子及び/又は他の生物活性分子)、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えばPEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲート、を包含する製剤を含んでなる組成物の、非限定的な例を示す図である。製剤は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい。製剤は、さらに、アルコール又は界面活性剤を含んでいてもよい。製剤は、さらに、リネオイルアルコールを含んでいてもよい。この組成物は、本明細書において全般的に、LNP製剤タイプBと呼ばれる。生物活性分子(B)及び担体分子(X)は、同じ比率(例えば1:1)で、又は異なる比率で存在し得る。 1つ以上の担体分子(X)と、1つ以上の生物活性分子(B)(例えば、ポリヌクレオチド、例えばsiNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、本明細書に記載の、他の核酸分子及び/又は他の生物活性分子)、カチオン性脂質、中性脂質、及びポリエチレングリコールコンジュゲート、例えばPEG−ジアシルグリセロール、PEG−ジアシルグリカミド、PEG−コレステロール、又はPEG−DMBコンジュゲート、を包含する製剤と、を含んでなる組成物の、非限定的な例を示す図である。製剤は、さらに、コレステロール又はコレステロール誘導体を含んでいてもよい。製剤は、さらに、アルコール又は界面活性剤を含んでいてもよい。製剤は、さらに、リネオイルアルコールを含んでいてもよい。この組成物は、本明細書において全般的に、LNP製剤タイプCと呼ばれる。ビヒクル及び担体分子(X)は、同じ比率(例えば1:1)で、又は異なる比率で存在し得る。 本発明のカチオン性脂質化合物の非限定的な例を示す図である。 本発明のアセタール結合カチオン性脂質化合物の非限定的な例を示す図である。 本発明のスクシニル/アシル結合カチオン性脂質化合物の非限定的な例を示す図である。 本発明の芳香族カチオン性脂質化合物の非限定的な例を示す図である。 本発明の追加のカチオン性脂質化合物の非限定的な例を示す図である。 製剤又は組成物の成分の構成図を示す図である。 製剤又は組成物により採用可能な、ラメラ構造及び逆ヘキサゴナル構造の概略説明図を示す図である。 迅速なpH依存性相転移を受ける、血清安定性の製剤又は組成物、L051の成分を示す図である。 迅速なpH依存性相転移を受ける、血清安定性の製剤又は組成物、L073の成分を示す図である。 迅速なpH依存性相転移を受ける、血清安定性の製剤又は組成物、L069の成分を示す図である。 500nmでの吸収により測定された、50%血清中の製剤又は組成物の相対濁度によって判定された、製剤又は組成物L065、F2、L051、L073の、血清安定性を描いているグラフを示す図である。 350nmでの吸収により測定された、pH3.5からpH9.0までの範囲の緩衝溶液中の、製剤又は組成物の相対濁度によって判定された、製剤又は組成物L065、F2、L051、L073の、pH依存性の相転移を描いているグラフを示す図である。製剤又は組成物、L051及びL073は、各々、pH5.5ないしpH6.5において、迅速なpH依存性の相転移を受ける。 350nmでの吸収により測定された、pH3.5からpH9.0までの範囲の緩衝溶液中の、製剤又は組成物の相対濁度によって判定された、製剤又は組成物L069の、pH依存性の相転移を描いているグラフを示す図である。製剤又は組成物、L069は、pH5.5ないしpH6.5において、迅速なpH依存性の相転移を受ける。 本発明のsiNA分子の化学修飾の非限定的な例を示す図である。 HepG2細胞での、HBsAgレベルの低減におけるsiNAナノ粒子のインビトロの有効性の、非限定的な例を示す図である。活性のある化学修飾されたsiNA分子は、HBV部位263RNAを標的化するべく設計された(siNA配列は、図20に示されている)。この図は、製剤された活性siNA L051ナノ粒子(表IV参照)で処理された細胞におけるHBsAgのレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示している。活性siNAで処理した細胞では、用量依存性のHBsAgレベルの減少が観察されたが、ネガティブコントロール処理細胞では何ら減少は見られない。 HepG2細胞での、HBsAgレベルの低減におけるsiNAナノ粒子のインビトロの有効性の、非限定的な例を示す図である。活性のある化学修飾されたsiNA分子は、HBV部位263RNAを標的化するべく設計された(siNA配列は、図20に示されている)。この図は、製剤された活性siNA L053及びL054ナノ粒子(表IV参照)で処理された細胞におけるHBsAgのレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示している。活性siNAで処理した細胞では、用量依存性のHBsAgレベルの減少が観察されたが、ネガティブコントロール処理細胞では何ら減少は見られない。 HepG2細胞での、HBsAgレベルの低減におけるsiNAナノ粒子のインビトロの有効性の、非限定的な例を示す図である。活性のある化学修飾されたsiNA分子は、HBV部位263RNAを標的化するべく設計された(siNA配列は、図20に示されている)。この図は、活性siNAを含んでなる製剤分子組成物、L069(表IV参照)で処理された細胞におけるHBsAgのレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示している。活性siNAで処理した細胞では、用量依存性のHBsAgレベルの減少が観察されたが、ネガティブコントロール処理細胞では何ら減少は見られない。 HBVマウスモデルにおける、全身投与されたsiNA L051(表IV)ナノ粒子の活性の、非限定的な例を示す図である。流体力学的な尾静脈注射を、0.3μgのpWTD HBVベクターの含有によって行なった。ナノ粒子被包活性siNA分子を、HDI後6日に始まる標準的なIV(静脈内)注射により、3mg/kg/日において3日間投与した。グループ(N=5)の動物を、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、そして血清HBV DNAのレベルを測定した。HBV DNAの力価を、リアルタイム定量PCRにより判定し、平均log10 コピー/ml(±SEM)として表わした。 HBVマウスモデルにおける、全身投与されたsiNA L051(表IV)ナノ粒子の活性の、非限定的な例を示す図である。流体力学的な微静脈注射を、0.3μgのpWTD HBVベクターを含有して行なった。ナノ粒子被包活性siNA分子を、HDI後6日に始まる標準的なIV(静脈内)注射により、3mg/kg/日において3日間投与した。グループ(N=5)の動物を、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、そして血清HBVAgのレベルを測定した。血清HBVAgレベルを、ELISAによりアッセイし、平均log10 pg/ml(±SEM)として表わした。 Huh7 HCVレプリコン系におけるウイルス複製を用量依存性の方法で標的化している、製剤siNA L051(表IV)ナノ粒子コンストラクトの、非限定的な例を示す図である。活性siNA製剤を、1、5、10、及び25nMにおいて、未処理細胞(「未処理」)、及び、同じ濃度における製剤された不活性なsiNAスクランブルコントロールコンストラクトに比較して評価した。 Huh7 HCVレプリコン系におけるウイルス複製を用量依存性の方法で標的化している、製剤siNA L053及びL054(表IV)ナノ粒子コンストラクトの、非限定的な例を示す図である。活性siNA製剤を、1、5、10、及び25nMにおいて、未処理細胞(「未処理」)、及び、同じ濃度における製剤された不活性なsiNAスクランブルコントロールコンストラクトに比較して評価した。 未製剤のsiNA、コレステロール−コンジュゲートsiNA、及び製剤siNA(製剤分子組成物18.1及び19.1)の気管内投与後の、マウスの肺組織におけるsiNAの分布を示す図である。示した通り、肺組織における暴露の最長半減期は、分子組成物T018.1又はT019.1中に製剤化されたsiNAについて観察された。 3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)の合成に使用した合成スキームの、非限定的な例を示す図である。 3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)の合成に使用した、別の合成スキームの、非限定的な例を示す図である。 N,N−ジメチル−3,4−ジリノレイルオキシベンジルアミン、及びN,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミンの合成に使用した合成スキームの、非限定的な例を示す図である。 1−[8’−(コレスタ−5−エン−3β−オキシ)カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−コレステロール)、及び3,4−ジテトラデコキシイルベンジル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)エーテル(PEG−DMB)の合成に使用した合成スキームの、非限定的な例を示す図である。図中、PEGはPEG2000、多分散物であり、これは典型的には、式PEGn(すなわち、ここで、nは約33ないし約67、又は平均して〜45である)によって表わされた〜1500から〜3000Daまで変動し得る。 1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)の合成に使用した合成スキームの、非限定的な例を示す図である。図中、PEGはPEG2000、多分散物であり、これは典型的には、式PEGn(すなわち、ここで、nは約33ないし約67、又は平均して〜45である)によって表わされた〜1500から〜3000Daまで変動し得る。 迅速なpH依存性の相転移を受ける、血清安定性製剤又は組成物、L083の成分を示す図である。 迅速なpH依存性の相転移を受ける、血清安定性製剤又は組成物、L077の成分を示す図である。 迅速なpH依存性の相転移を受ける、血清安定性製剤又は組成物、L080の成分を示す図である。 迅速なpH依存性の相転移を受ける、血清安定性製剤又は組成物、L082の成分を示す図である。 HBVマウスモデルにおける、全身投与されたsiNA L077、L069、L080、L082、L083、L060、L061、L051(表IV)ナノ粒子の活性の、非限定的な例を示す図である。流体力学的な尾静脈注射を、0.3μgのpWTD HBVベクターの含有によって行なった。ナノ粒子被包活性siNA分子を、HDI後6日に始まる標準的なIV(静脈内)注射により、3mg/kg/日において3日間投与した。グループ(N=5)の動物を、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、そして血清HBV DNAのレベルを測定した。HBV DNAの力価を、リアルタイム定量PCRにより判定し、平均log10 コピー/ml(±SEM)として表わした。 HBVマウスモデルにおける、全身投与されたsiNA L083及びL084(表IV)ナノ粒子の、用量依存性の活性の、非限定的な例を示す図である。流体力学的な尾静脈注射を、0.3μgのpWTD HBVベクターの含有によって行なった。ナノ粒子被包活性siNA分子を、HDI後6日に始まる標準的なIV(静脈内)注射により、3mg/kg/日において3日間投与した。グループ(N=5)の動物を、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、そして血清HBsAgのレベルを測定した。血清HBsAgレベルを、ELISAによりアッセイし、平均log10pg/ml(±SEM)として表わした。 HBVマウスモデルにおける、全身投与されたsiNA L077(表IV)ナノ粒子の、用量依存性の活性の、非限定的な例を示す図である。流体力学的な尾静脈注射を、0.3μgのpWTD HBVベクターの含有によって行なった。ナノ粒子被活性siNA分子を、HDI後6日に始まる標準的なIV(静脈内)注射により、3mg/kg/日において3日間投与した。グループ(N=5)の動物を、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、そして血清HBsAgのレベルを測定した。血清HBsAgレベルを、ELISAによりアッセイし、平均log10pg/ml(±SEM)として表わした。 HBVマウスモデルにおける、全身投与されたsiNA L080(表IV)ナノ粒子の、用量依存性の活性の、非限定的な例を示す図である。流体力学的な尾静脈注射を、0.3μgのpWTD HBVベクターの含有によって行なった。ナノ粒子被活性siNA分子を、HDI後6日に始まる標準的なIV(静脈内)注射により、3mg/kg/日において3日間投与した。グループ(N=5)の動物を、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、そして血清HBsAgのレベルを測定した。血清HBsAgレベルを、ELISAによりアッセイし、平均log10pg/ml(±SEM)として表わした。 siNA L077、L080、L082、及びL083(表IV)ナノ粒子製剤の、血清安定性の非限定的な例を示す図である。 350nmでの吸収により測定された、pH3.5からpH9.0までの範囲の緩衝溶液中の、製剤分子組成物の相対濁度によって判定された、siNA L077、L080、L082、及びL083(表IV)ナノ粒子製剤の、pH依存性の相転移を描いているグラフを示す図である。製剤分子組成物、L069は、pH5.5ないしpH6.5において、迅速なpH依存性の相転移を受ける。 RAW264.7マウスマクロファージ細胞におけるMapK14部位1033を標的化する、LNP58及びLNP59製剤についての有効性のデータを、LFK2000及び製剤された無関係なsiNAコントロールに比較して示す図である。 MM14.Lu正常マウス肺細胞におけるMapK14部位1033を標的化する、LNP98製剤についての有効性のデータを、LFK2000及び製剤された無関係なsiNAコントロールに比較して示す図である。 6.12Bリンパ球細胞におけるMapK14部位1033を標的化する、LNP54、LNP97、及びLNP98製剤についての有効性のデータを、LFK2000及び製剤された無関係なsiNAコントロールに比較して示す図である。 NIH 3T3細胞におけるMapK14部位1033を標的化する、LNP98製剤についての有効性のデータを、LFK2000及び製剤された無関係なsiNAコントロールに比較して示す図である。 RAW264.7細胞における、MapK14LNP54及びLNP98製剤siNAによる、MapK14RNAの用量依存性の低減を示す図である。 MM14.Lu細胞における、MapK14LNP98製剤siNAによる、MapK14RNAの用量依存性の低減を示す図である。 6.12B細胞における、MapK14LNP97及びLNP98製剤siNAによる、MapK14RNAの用量依存性の低減を示す図である。 NIH 3T3細胞における、MapK14LNP98製剤siNAによる、MapK14RNAの用量依存性の低減を示す図である。 OVA誘発に媒介される気道過敏症のマウスモデルにおける、IL−4Rを標的化するLNP−51製剤siNAによる処理からの、低減された気道過敏症の非限定的な例を示す図である。活性のある製剤siNAを、0.01、0.1、及び1.0mg/kgにおいて試験し、LNPビヒクル単独及び未処理(ナイーブ)の動物と比較した。 インビボのハンチントン(htt)遺伝子発現の、LNP製剤siNA媒介性の阻害の、非限定的な例を示す図である。アルゼット(Alzet)浸透圧ポンプを用いて、LNP中に被包されたsiNAを、0.1ないし1mg/mlの範囲の濃度(全用量は、8.4ないし84μgの範囲)で、マウス側側脳室又は線条内に、それぞれ7又は14日間注入した。LNP−098又はLNP−061で製剤した活性siNAで処理された動物を、LNP−061で製剤されたミスマッチコントロールsiNA、及び未処理動物コントロールと比較した。ハンチントン(htt)遺伝子発現のレベルは、QPCRにより判定した。 不活性siNAの担体LNP製剤の在・不在下での、活性のあるLNP製剤HBV263siNAの、未処理コントロールに比較した用量依存性の抗HBV活性の、非限定的な例を示す図である。 不活性siNAの担体LNP製剤の在・不在下での、活性のあるLNP製剤SSB291siNAによる、マウス肝臓におけるSSB標的RNAの、未処理コントロールに比較した用量依存性のノックダウンの、非限定的な例を示す図である。 活性のあるLNP製剤SSB291siNAのRNAi活性に対する、LNP製剤単鎖又は二重鎖ポリヌクレオチド担体分子の、未処理コントロールに比較しての作用の、非限定的な例を示す図である。 担体作用の活性についての、非限定的な例を示す図である。担体作用が、有効なRNAiを、多数のsiRNAについて混合物中で可能にするかどうかを調べるため、3つの異なる遺伝子を標的化するsiRNAを使用した。SSB291、CRTC2:283、及びIKK2 2389siRNAを、3mg/kgで単独に、又は全3種の、2.1mg/kgの担体HCV316との混合物として、全用量3mg/kgで投与した。siRNAを、0.3mg/kgで個別に投与した場合、それらはその意図した標的に対し、中程度のノックダウンを示すか、又は何らノックダウンを示さなかった。一方、混合物として与えた場合、ノックダウン作用は有意に改善された。SSB291では、標的ノックダウンは、単独で与えた場合の31%から、混合物において与えた場合の77%に改善した。CRTC2:283では、標的ノックダウンは、単独で与えた場合の17%から、混合物において与えた場合の41%に改善した。IKK2:2389では、標的ノックダウンは、単独で与えた場合何らノックダウンは観察されなかったが、混合物において与えた場合、それは48%に改善した。したがって、各々のsiRNAの濃度が0.3mg/kgであっても、単独又は混合物において与えた場合、活性の有意な改善が、それらを混合物として投与することにより達成された。このことは、多数の標的を低い用量で標的化して、相加効果又は相乗効果を達成できるようにする。 有利な担体作用のための、空のLNPの使用についての、非限定的な例を示す図である。担体カーゴの性質をさらに理解するため、空のL201を調製した。SSB291 L201を、1mg/kgで単独に、又は担体としての空のL201の存在下に、全用量3mg/kgで注射した。全肝臓RNAを単離し、SSB RNAについて分析した。SSB291は、単独で投与した場合、54%の標的RNAのノックダウンを示したが、空のLNP担体と共に与えた場合、ノックダウン効率は79%に改善した。空のLNP担体それ自体では、SSB標的の有意なノックダウンを示さなかった。この結果は、RNAi活性の強化が、空のLNP、「空の担体」によって達成可能であることを示している。
発明の詳細な記載
本発明の核酸分子の作用メカニズム
アプタマー:核酸アプタマーは、興味のある特定のリガンドに特異的に結合させるべく選択し得る(例えば、Gold et al.,米国特許第5,567,588号及び米国特許第5,475,096号、Gold et al.,1995,Annu.Rev.Biochem.64,763;Brody and Gold,2000,J.Biotechnol.,74,5;Sun,2000,Curr.Opin.Mol.Ther.,2,100;Kusser,2000,J.Biotechnol.,74,27;Hermann and Patel,2000,Science,287,820;及びJayasena,1999,Clinical Chemistry,45,1628参照)。例えば、インビトロ選択法の使用を適用して、CylAに結合特異性をもつ核酸アプタマーを進化させることができる。核酸アプタマーは、本明細書に記載の、化学修飾及びリンカーを包含し得る。本発明の核酸は、二本鎖又は単鎖でよく、かつ互いに複合体形成する1つの別個の核酸配列、又は1つ以上の核酸配列を含んでいてもよい。CylAに結合する本発明のアプタマー分子は、CylAのプロテアーゼ活性と、それに続く細胞溶解素の活性化とを調節し、かつそれ故に、腸球菌感染に関連した急性毒性を調節し得る。
アンチセンス:アンチセンス分子は、修飾又は未修飾のRNA、DNA、又は混合ポリマーオリゴヌクレオチドであってよく、そして主に、適合性配列に対し特異的に結合し、その結果としてペプチド合成の調節を生じることにより機能する(Wu−Pong,Nov 1994,BioPharm,20−33)。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ワトソンクリック塩基対合により標的RNAに結合し、結合した配列のリボソームでの翻訳を、立体阻害又はRNアーゼH酵素の活性化のいずれかによって妨げることにより、遺伝子発現を阻止する。アンチセンス分子はまた、RNAプロセシング又は、核から細胞質への輸送に干渉することにより、タンパク質合成を改変させる(Mukhopadhyay & Roth,1996,Crit.Rev.in Oncogenesis 7,151−190)。
さらに、RNAに対する単鎖DNAの結合は、結果として、ヘテロ二重鎖のヌクレアーゼ分解を生じてもよい(Wu−Pong、上記;Crooke,上記)。現在までのところ、RNアーゼHの基質として作用することができる骨格修飾DNA化学は、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、及び三フッ化ホウ素塩のみである。最近、2’−アラビノ及び2’−フルオロアラビノ−を含有するオリゴもまた、RNアーゼH活性を活性化し得ることが報告された。
化学修飾されたヌクレオチド、二次構造、及び/又はRNアーゼH基質ドメインの、新規なコンフィギュレーションを利用するいくつかのアンチセンス分子が記載されてきた(Woolfら、米国特許第5,989,912号;Thompsonら、1998年4月20日出願のUSSN60/082,404;Hartmannら、1998年9月21日出願のUSSN60/101,174)(これらは全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)。
アンチセンスDNAは、DNA−RNA相互作用によりRNAを標的化し、それにより、二重鎖中の標的RNAを消化するRNアーゼHを活性化するべく使用し得る。アンチセンスDNAは、化学合成可能であり、或いは、単鎖DNA細胞内発現ベクター又はその同等物の使用によって発現可能である。
三重鎖形成オリゴヌクレオチド(TFO):単鎖オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNAに対し配列特異的な方法で結合するべく設計可能である。TFOは、フーグスティーン(Hoogsteen)塩基対合を介してDNAヘリックスに結合する、ピリミジンリッチなオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい(Wu−Pong、上記)。さらに、TFOは、標的DNA配列に対する結合親和性を増大するべく化学修飾可能である。結果として得られた、DNAセンス、DNAアンチセンス、及びTFOから構成される、得られた三本鎖ヘリックスは、RNAポリメラーゼによるRNA合成を破壊する。TFOメカニズムは、結合が不可逆的であってもよいことから、遺伝子発現又は細胞死を生じる結果となる(Mukhopadhyay & Roth、上記)。
2’−5’オリゴアデニレート:2−5Aシステムは、高等脊椎動物において発見された、RNA分解のためのインターフェロン媒介性のメカニズムである(Mitra et al,1996,Proc Nat Acad Sci USA 93,6780−6785)。2つのタイプの酵素、2−5Aシンセターゼ及びRNアーゼL、がRNA切断に必要である。2−5Aシンセターゼは、2’−5’オリゴアデニレート(2−5A)を形成するのに二本鎖RNAを必要とする。2−5Aは次に、単鎖RNA切断能をもつRNアーゼLを利用するためのアロステリックエフェクターとして作用する。二本鎖RNAと2−5A構造を形成するこの能力は、このシステムを、ウイルス複製の調節のために特に有用なものにする。
(2’−5’)オリゴアデニレート構造は、アンチセンス分子に対し共有結合により結合し得て、RNA切断が可能なキメラオリゴヌクレオチドを形成する(Tprrence、上記)。これらの分子は、推定上、2−5A依存性のRNアーゼに結合して活性化し、次にオリゴヌクレオチド/酵素複合体が、標的RNA分子に結合して、これを次に該RNアーゼ酵素により切断され得るようにする。2’−5’オリゴアデニレート構造の共有結合は、アンチセンスへの応用に限定されず、本発明の核酸分子への結合を包含するべくさらに合成し得る。
酵素的核酸:現在、いくつかの多様な天然の酵素RNAが知られている(Doherty and Doudna,2001,Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.,30,457−475;Symons,1994,Curr.Opin.Struc.Biol.,4,322−30)。さらに、いくつかのインビトロでの選択(進化)戦略(Orgel,1979,Proc.R.Soc.London,B 205,435)が、ホスホジエステル結合の切断及び結合を触媒し得る新規な核酸触媒を進化させるべく使用されてきた(Joyce,1989,Gene,82,83−87;Beaudry et al.,1992,Science 257,635−641;Joyce,1992,Scientific American 267,90−97;Breaker et al.,1994,TIBTECH 12,268;Bartel et al.,1993,Science 261:1411−1418;Szostak,1993,TIBS 17,89−93;Kumar et al.,1995,FASEB J.,9,1183;Breaker,1996,Curr.Op.Biotech.,7,442;Santoro et al.,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.94,4262;Tang et al.,RNA 3,914;Nakamaye & Eckstein,1994,上記;Long & Uhlenbeck,1994,上記;Ishizaka et al.,1995、上記;Vaish et al.,1997,Biochemistry 36,6495)。各々は、生理的条件下に、トランスでのホスホジエルテル結合の加水分解を包含する一連の反応を触媒し得る(したがって、他のRNA分子の切断が可能である)。
酵素的核酸の酵素的性質は、治療的処置に影響を及ぼすために必要な核酸の濃度が低いといった、有意な利点をもつ。この利点は、酵素的核酸分子が酵素的に作用する能力を反映している。例えば、単一の酵素的核酸分子が、多くの標的RNA分子を切断し得る。さらに、酵素的核酸分子は、高度に特異的なモジュレーターであり、調節の特異性は、標的RNAに対する結合の塩基対合メカニズムだけでなく、標的RNA切断のメカニズムにも依存する。切断部位付近の単一のミスマッチ又は塩基置換を選択して、酵素的核酸分子の触媒活性を完全に除去することが可能である。
エンドヌクレアーゼ酵素的活性を有する核酸分子は、ヌクレオチド塩基配列に特異的な方法で、他の別のRNA分子を反復的に切断することができる。適切な設計及び構築により、かかる酵素的核酸分子を任意のRNA転写物に対し標的化して、有効な切断をインビトロで達成することができる(Zaug et al.,324、Nature 429 1986;Uhlbeck,1987 Nature 328,596;Kim et al.,84 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8788,1987;Dreyfus,1988,Einstein Quart.J.Bio.Med.,6,92;Haseloff and Gerlach,334 Nature 585,1988;Cech,260 JAMA 3030,1988;及びJefferies et al.,17 Nucleic Acids Research 1371,1989;Chartrand et al.,1995、Nucleic Acids Research 23,4092;Santoro et al.,1997,PNAS 94,4262)。
その配列特異性の故に、トランス切断性の酵素的核酸分子は、ヒト疾患用の治療剤として期待される(Usman & McSwiggen,1995 Ann.Rep.Med.Chem. 30,285−294;Christoffersen and Marr,1995 J.Med.Chem.38,2023−2037)。酵素的核酸分子を設計して、細胞RNAのバックグラウンド内の特異的なRNA標的を切断することができる。かかる切断事象は、RNAを非機能性化し、かつそのRNAからのタンパク質発現を阻止する。この方法で、疾患状態に関連したタンパク質の合成を選択的に調節し得る(Warashina et al.,1999,Chemistry and Biology,6,237−250)。
本発明はまた、本発明の核酸デコイ及び/又はアプタマーを含んでなるセンサードメインを有する、核酸センサー分子又はアロザイムも特徴とする。核酸センサー分子のセンサードメインの、分子標的との相互作用は、核酸センサー分子の酵素的核酸ドメインを活性化又は不活性化して、該核酸センサー分子の活性が、標的シグナリング分子の存在下に調節されるようにすることができる。核酸センサー分子は、標的分子の存在下に活性化されるべく設計可能であり、或いはまた、標的分子の存在下に不活性化されるべく設計可能である。例えば、リガンドに対する結合特異性をもつアプタマーを含んでなるセンサードメインをもつ、核酸センサー分子が設計される。非限定的な例では、リガンドと、核酸センサー分子のセンサードメインとの相互作用は、該核酸センサー分子の酵素的核酸ドメインを活性化して、該センサー分子が反応、例えばリガンドをコードしているRNAの切断、を触媒するようにすることができる。この例では、核酸センサー分子は、リガンドの存在下に活性化され、そして該リガンドに関連した疾患又は症状を治療するための治療剤として使用可能である。別法として、この反応は、標識された核酸レポーター分子の切断又は結合を含んでいてもよく、系におけるリガンドの存在を検出するための有用な診断薬を提供する。
RNA干渉:以下の議論は、現在知られている低分子干渉RNAにより媒介されるRNA干渉についての提唱されたメカニズムを議論しており、限定されることを意味するものではなく、また先行技術と認めるものではない。本出願人は、本明細書において、化学修飾された低分子干渉核酸が、siRNA分子と類似か又は改善されたRNAi媒介能を有し、かつインビボでの改善された安定性及び活性を有することが予想されることを示しており;したがって、この議論は、siRNAのみに限定されることを意味するものではなく、全体としてsiNAに適用可能である。「RNAiを媒介する改善された能力」又は「改善されたRNAi活性」により、インビトロ及び/又はインビボで測定されたRNAi活性を含むことが意味され、ここで、RNAi活性は、RNAiを媒介するsiNAの能力と、本発明のsiNAの安定性の、双方を反映する。本発明では、これらの活性の産物を、全RNA siRNA又は複数のリボヌクレオチドを含有するsiNAに比較して、インビトロ及び/又はインビボにおいて増大させることができる。ある場合には、siNA分子の活性又は安定性は、低減され得るが(すなわち、10分の1より低く)、siNA分子の全体としての活性は、インビボ及び/又はインビトロで増大される。
RNA干渉は、動物において低分子干渉RNA(siRNA)により媒介される、配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングのプロセスを指す(Fire et al.,1998,Nature,391,806)。植物における対応するプロセスは、一般に、転写後遺伝子サイレンシング又はRNAサイレンシングと呼ばれており、また真菌では、クエリングとも呼ばれる。転写後遺伝子サイレンシングのプロセスは、外来遺伝子の発現を防止するべく使用される、進化的に保存された細胞防御メカニズムであると考えられ、これは様々な叢又は門によって共有されている(Fire et al.,1999,Trends Genet.,15,358)。外来遺伝子発現からのかかる防御は、相同単鎖RNA又はウイルスゲノムRNAを特異的に破壊する細胞応答により、ウイルス感染又は宿主ゲノム内へのトランスポゾンエレメントのランダムインテグレーションに由来する、二本鎖RNAの産生に応答して、進化してきたのかもしれない。細胞内のdsRNAの存在は、まだ完全には特性決定されていないメカニズム介して、RNAi応答を誘発する。このメカニズムは、プロテインキナーゼPKRと、リボヌクレアーゼLによるmRNAの非特異的切断を生じる結果となる2’、5’−オリゴアデニレートシンセターゼとの、dsRNA媒介性の活性化からの結果であるインターフェロン応答とは異なるようである。
細胞内の長いdsRNAの存在は、ダイサーと呼ばれるリボヌクレアーゼIII酵素の活性を刺激する。ダイサーは、dsRNAを、低分子干渉RNA(siRNA)として知られる短い断片のdsRNAへのプロセシングに関与する(Berstein et al.,2001,Nature,409,363)。ダイサー活性に由来する低分子干渉RNAは、典型的には約21ないし約23ヌクレオチド長であり、かつ約19個の塩基対の二重鎖を含んでなる。ダイサーはまた、翻訳制御に関与する保存構造をもつ前駆体RNAからの、21及び22ヌクレオチドの小さな一時的RNA(stRNA)の切り出しに関係づけられてきた(Hutvagner et al.,2001,Science,293,834)。RNAi応答はまた、一般にはRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれる、siNAを含有するエンドヌクレアーゼ複合体を特徴とし、これは、siRNAと相同な配列を有する単鎖RNAの切断を媒介する。標的RNAの切断は、siRNA二重鎖のガイド配列に対し相補的な領域の、中央で起こる(Elbashir et al.,2001,Genes Dev.,15,188)。さらに、RNA干渉はまた、小さいRNA(例えば、マイクロRNA又はmiRNA)に媒介される遺伝子サイレンシングに関与し得て、これはおそらく、クロマチン構造を制御し、それにより標的遺伝子の転写を妨害する細胞メカニズムによる(例えば、Allshire,2002,Science,297,1818−1819;Volpe et al.,2002.Science,297,1833−1837;Jenuwein,2002,Science,297,2215−2218;及びHall et al.,2002,Science,297,2232−2237参照)。すなわち、本発明のsiNA分子は、RNA転写物との相互作用を介して、或いはまた特定の遺伝子配列との相互作用により、遺伝子サイレングを媒介するべく使用可能であり、この場合、かかる相互作用の結果として、転写レベル又は転写後レベルのいずれかにおいて、遺伝子サイレンシングを生じる。
RNAiは、様々な系において研究されてきた。Fireら(1988,Nature,391,806)は、C.エレガンス(eleganse)において最初にRNAiを観察した。Winnay及びGoetz(1999,Nature Cell Biol.,2,70)は、マウス胚において、dsRNAにより媒介されるRNAiを記載している。Hammondら(2000,Nature,404,293)は、dsRNAでトランスフェクトされたショウジョウバエ(Drosophila)細胞において、RNAiを記載している。Elbashirら(2001,Nature,411,494)は、ヒト胚性腎細胞及びHeLa細胞を包含する培養哺乳類細胞において、合成21ヌクレオチドRNAの二重鎖を導入することにより誘導された、RNAiを記載している。ショウジョウバエ胚の溶解物における最近の研究は、効率的なRNAi活性を媒介するために不可欠である、siRNAの長さ、構造、化学組成物、及び配列について、いくつかの必要条件を明らかにしてきた。これらの研究は、21ヌクレオチドのsiRNA二重鎖が、2つの2−ヌクレオチド3’末端の突出を含有する場合、最も活性があることを示した。さらに、一方又は双方のsiRNA鎖を、2’−デオキシ又は2’−O−メチルヌクレオチドで置換することは、RNAi活性を消失するのに対し、3’−末端siRNAヌクレオチドをデオキシヌクレオチドで置換することは許容されることが示された。siRNA二重鎖の中央におけるミスマッチ配列もまた、RNAi活性を消失させることが示された。さらに、これらの研究はまた、標的RNAにおける切断部位の位置が、siRNAガイド配列の3’端よりもむしろ5’末端によって規定されることを示している(Elbashir et al.,2001,EMBO J.,20,6877)。別の研究は、siNA二重鎖の標的相補鎖上の5’ホスフェイトが、siRNA活性に必要であること、及び、siRNA分子上の5’−リン酸基を維持するためにATPが利用されていることを示している(Nykanen et al.,2001,Cell,107,309);しかしながら、5’ホスフェイトを欠いているsiRNA分子は、外来性に導入された場合は活性があり、siRNAコンストラクトの5’−リン酸化が、インビボで生じてもよいことを示唆している。
核酸分子の合成
100ヌクレオチド長を超える核酸の合成は、自動化された方法を用いては困難であり、かつ、かかる分子の治療コストは法外に高い。本発明においては、小さな核酸モチーフ(「小さな」は、100ヌクレオチド長を超えない、好ましくは80ヌクレオチド長を超えない、そして最も好ましくは50ヌクレオチド長を超えない核酸モチーフを指し;例えば、個々のsiNAオリゴヌクレオチド配列か、又はタンデムに合成されたsiNA配列を指す)が、好ましくは外来性の送達に使用される。これらの分子の単純な構造は、標的領域のタンパク質及び/又はRNA構造への、核酸の侵入能力を増大する。本発明の例示的な分子は、化学的に合成されているが、他のものも同様に合成し得る。
オリゴヌクレオチド(例えば、ある修飾されたオリゴヌクレオチド、又はリボヌクレオチドを欠くオリゴヌクレオチド部分)は、当該技術分野において既知のプロトコルを用いて、例えば、Caruthers et al.,1992,Methods in Enzymology 211,3−19,Thompsonら、国際PCT公開第WO99/54459号、Wincott et al.,1995,Nuceic Acids Res.23,2677−2684,Wincott et al.,1997,Methods Mol.Bio.,74,59,Brennan et al.,1998,Biotechnol Bioeng.,61,33−45,及びBrennan,米国特許第6,001,311号に記載のように合成される。これらの参考文献は、参考として本明細書に含まれる。オリゴヌクレオチドの合成は、一般的な核酸保護基及びカップリング基、例えばジメトキシトリチルを5’末端において、かつホスホルアミダイトを3’末端において利用する。非限定的な例においては、小スケールの合成を、394 アプライド・バイオシステムズ・インク(Applide Biosystems Inc.)合成装置において、0.2μmolスケールのプロトコルで、2’−O−メチル化ヌクレオチドには2.5分間のカップリング工程を、また2’−デオキシヌクレオチド又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドには45秒間のカップリング工程を用いて
行なう。表IIは、合成サイクルにおいて使用される試薬の量及び接触時間の概要を示している。別法として、0.2μmolスケールでの合成は、96ウエルプレートの合成装置、例えば、プロトジーン(Protogene,Palo alto,CA)により製造された装置において、サイクルに最少の修正を加えて行ない得る。2’−O−メチル残基の各カップリングサイクルにおいては、ポリマー結合5’−ヒドロキシルに比較して、33倍過剰(60μLの0.11M=6.6μmol)の2’−O−メチルホスホルアミダイト、及び105倍過剰のS−エチルテトラゾール(60μLの0.25M=15μmol)を使用し得る。デオキシ残基の各カップリングサイクルにおいては、ポリマー結合5’−ヒドロキシルに比較して、約22倍過剰(40μLの0.11M=4.4μmol)のデオキシホスホルアミダイト、及び70倍過剰のS−エチルテトラゾール(40μLの0.25M=10μmol)を使用し得る。トリチル分画の比色定量により判定された、394アプライド・バイオシステムズ・インク合成装置での平均カップリング収率は、典型的には97.5ないし99%である。394アプライド・バイオシステムズ・インク合成装置用の他のオリゴヌクレオチド合成試薬は、以下を包含する:脱トリチル化溶液は、塩化メチレン中の3%TCA(ABI)であり;キャッピングは、THF中の16%N−メチルイミダゾール(ABI)、及びTHF中の10%無水酢酸/10% 2,6−ルチジン(ABI)を用いて行ない;かつ酸化溶液は、THF中の16.9mM I、49mM ピリジン、9% 水(パーセプティブ・バイオシステムズ・インク(PerSeptive Biosystems Inc.))である。バーディック&ジャクソン(Burdick & Jackson)合成等級のアセトニトリルは、試薬瓶から直接使用する。S−エチルテトラゾール溶液(アセトニトリル中0.25M)は、アメリカン・インタナショナル・ケミカル・インク(American International Chemical Inc.)から入手した固体から作成する。或いはまた、ホスホロチオアート結合の導入用には、ボウケージ(Beaucage)試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシド、アセトニトリル中0.05M)を使用する。
DNAベースのオリゴヌクレオチドの脱保護は、以下のように行なう:ポリマー結合トリチル−オン オリゴリボヌクレオチドを、4mLのガラススクリュートップバイアルに移し、40%メチルアミン水溶液(1mL)中に、65℃で10分間懸濁する。−20℃に冷却した後、上清をポリマー支持体から移す。支持体を、1.0mLのEtOH:MeCN:H2O/3:1:1で3回洗浄し、ボルテックスし、そして次に、上清を最初の上清に添加する。オリゴリボヌクレオチドを含有している合わせた上清を、乾燥させて白色粉末を得る。
本発明のいくつかのsiNA分子を包含するRNAのために使用される合成法は、Usmanet al.,1987,J.Am.Chem.Soc.,109,7845;Scaringe et al.,1990,Nucleic Acids Res.,18,5433;及び Wincott et al.,1995,Nucleic Acids Res.23,2677−2684 Wincott et al.,1997,Methods Mol.Bio.,74,59、に記載された方法に従い、一般的な核酸保護基及びカップリング基、例えば、ジメトキシトリチルを5’末端において、かつホスホルアミダイトを3’末端において利用する。非限定的な例においては、小スケールの合成を、394 アプライド・バイオシステムズ・インク合成装置において、0.2μmolスケールのプロトコルで、アルキルシリル保護されたヌクレオチドには7.5分間のカップリング工程を、及び2’−O−メチル化されたヌクレオチドには2.5分間のカップリング工程を用いて行なう。表IIは、合成サイクルにおいて使用される試薬の量及び接触時間の概要を示している。別法として、0.2μmolスケールでの合成は、96ウエルプレートの合成装置、例えば、プロトジーン(Palo alto,CA)により製造された装置において、サイクルに最少の修正を加えて行ない得る。2’−O−メチル残基の各カップリングサイクルにおいては、ポリマー結合5’−ヒドロキシルに比較して、33倍過剰(60μLの0.11M=6.6μmol)の2’−O−メチルホスホルアミダイト、及び75倍過剰のS−エチルテトラゾール(60μLの0.25M=15μmol)を使用し得る。リボ残基の各カップリングサイクルにおいては、ポリマー結合5’−ヒドロキシルに比較して、66倍過剰(120μLの0.11M=13.2μmol)のアルキルシリル(リボ)保護されたホスホロアミダイト、及び150倍過剰のS−エチルテトラゾール(120μLの0.25M=30μmol)を使用し得る。トリチル分画の比色定量により判定された、394アプライド・バイオシステムズ・インク合成装置での平均カップリング収率は、典型的には97.5ないし99%である。394アプライド・バイオシステムズ・インク合成装置用の他のオリゴヌクレオチド合成試薬は、以下を包含する:脱トリチル化溶液は、塩化メチレン中の3%TCA(ABI)であり;キャッピングは、THF中の16%N−メチルイミダゾール(ABI)、及びTHF中の10%無水酢酸/10% 2,6−ルチジン(ABI)を用いて行ない;酸化溶液は、THF中の16.9mM I、49mM ピリジン、9% 水(パーセプティブ・バイオシステムズ・インク(PerSeptive Biosystems Inc.))である。バーディック&ジャクソン(Burdick & Jackson)合成等級のアセトニトリルは、試薬瓶から直接使用する。S−エチルテトラゾール溶液(アセトニトリル中0.25M)は、アメリカン・インタナショナル・ケミカル・インク(American International Chemical Inc.)から入手した固体から作成する。或いはまた、ホスホロチオアート結合の導入用には、ボウケージ(Beaucage)試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシド、アセトニトリル中0.05M)を使用する。
RNAの脱保護は、2ポットプロトコル又は1ポットプロトコルのいずれかを用いて行なう。2ポットプロトコルでは、ポリマー結合トリチル−オン オリゴリボヌクレオチドを、4mLのガラススクリュートップバイアルに移し、そして40%メチルアミン水溶液(1mL)中で、65℃で10分間懸濁する。−20℃に冷却した後、上清をポリマー支持体から移す。支持体を、1.0mLのEtOH:MeCN:H2O/3:1:1で3回洗浄し、ボルテックスし、そして次に、上清を最初の上清に添加する。オリゴリボヌクレオチドを含有している合わせた上清を、乾燥させて白色粉末を得る。塩基脱保護オリゴリボヌクレオチドを、無水TEA/HF/NMP溶液(1.5mL N−メチルピロリジノン、750μL TEA、及び1mL TEA・3HFの溶液300μL、HF濃度1.4Mとする)中に再懸濁し、65℃で加熱する。1.5時間後、1.5M NHHCOでオリゴマーをクエンチする。
別法として、1ポットプロトコル用には、ポリマー結合トリチル−オン オリゴリボヌクレオチドを、4mLのガラススクリュートップバイアルに移し、33%エタノール性メチルアミン/DMSO:1/1(0.8mL)の溶液中に、65℃で15分間懸濁する。バイアルを室温にし、TEA・3HF(0.1mL)を添加し、バイアルを65℃で15分間加熱する。試料を−20℃に冷却し、次いで、1.5M NHHCOでクエンチする。
トリチル−オン オリゴマー精製用には、クエンチしたNHHCO溶液を、アセトニトリルで、続いて50mM TEAAで予備洗浄したC−18含有カートリッジに負荷する。負荷されたカートリッジを水で洗浄した後、RNAを、0.5%TFAで13分間脱トリチル化する。次いで、カートリッジを水で再度洗浄し、1M NaClで塩交換し、そして再度水で洗浄する。次に、オリゴヌクレオチドを30%アセトニトリルで溶出する。
平均段階カップリング収率は、典型的には>98%である(Wincott et al.,1995,Nucleic Acids Res. 23,2677−2684)。当業者は、合成のスケールを、例えば、制限なく96ウエルフォーマットを含めて、上記記載の例よりも大きく又は小さく適合し得ることを認識するであろう。
別法として、本発明の核酸分子は、個別に合成し、そして合成後に、例えば、ライゲーションにより(Moore et al.;1992,Science 256,9923;Daper et al.,国際PCT公開第WO93/23569;Shabarova et al.,1991,Nucleic Acids Research 19,4247;Bellon et al.,1997,Nucleosides & Nucleotides,16,951;Bellon et al.,1997,Bioconjugate Chem.8,204)、又は、合成及び/又は脱保護に続くハイブリダイゼーションにより、つなぎ合わせてもよい。
本発明のsiNA分子はまた、本明細書の実施例1で記載したタンデム合成法により合成可能であり、これにおいて、双方のsiNA鎖を、切断可能なリンカーによって隔てられた単一の連続したオリゴヌクレオチドフラグメント又は鎖として合成し、続いてこれを切断して、ハイブリダイズしかつsiNA二重鎖の精製を可能にする、個別のsiNAフラグメント又は鎖を得る。リンカーは、ポリヌクレオチドリンカー、又は非ヌクレオチドリンカーでよい。本明細書に記載のsiNAのタンデム合成は、マルチウエル/マルチプレート合成プラットフォームの双方、例えば96ウエル又は類似のより大きいマルチウエルプラットフォームに容易に適合し得る。本明細書に記載のsiNAのタンデム合成はまた、バッチリアクター合成カラムなどを用いた大規模の合成プラットフォームにも容易に適合可能である。
siNA分子はまた、2つの別個の核酸鎖又はフラグメントから組立て可能であり、これにおいて、一方のフラグメントはRNA分子のセンス領域を包含し、第2のフラグメントがRNA分子のアンチセンス領域を包含する。
本発明の核酸分子は、広範囲に修飾して、ヌクレアーゼ耐性基、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−Hを用いた修飾により、安定性を増強し得る(総説としては、Usman and Cedergren,1992,TIBS 17,34;Usman et al.,1994,Nucleic Acids Symp.Ser.31,163を参照)。siNAコンストラクトは、ゲル電気泳動により、一般法を用いて精製可能であり、或いは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC;例えば、Wincott et a.,上記(その記載全体が参考として本明細書に含まれる)を参照)により精製可能であり、水中に再懸濁する。
本発明の別の態様においては、本発明のsiNA分子は、DNA又はRNAベクター内にインサートされた、転写ユニットから発現される。組換えベクターは、DNAプラスミド又はウイルスベクターでよい。siNA発現ウイルスベクターは、制限なく、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、又はアルファウイルスをベースに構築し得る。siNA分子の発現が可能な組換えベクターは、本明細書に記載のように送達可能であり、標的細胞内で存続する。別法として、siNA分子の一過性の発現に備えたウイルスベクターを使用し得る。
脂質ナノ粒子(LNP)組成物の調製
1つの実施態様においては、本発明は、本発明の脂質ナノ粒子組成物を製造するためのプロセスを特徴とする。このプロセスは、典型的には、本発明の生物活性分子(例えば、siNA、miRNA、siRNA、又はRNAi阻害剤)、及び/又は本発明の担体を含んでなる水溶液を、第1のリザーバーであって、第2のリザーバー内の有機脂質溶液と液体連絡がある該第1のリザーバーにおいて提供すること、及び、該水溶液を該有機脂質溶液と混合すること、これに続くインキュベーション工程、透析濾過工程、及び最終濃縮工程を含んでなる。1つの実施態様においては、該水溶液、例えば緩衝液は、生物活性分子及び/又は担体分子を含んでなり、この工程の結果として該生物活性分子が脂質ナノ粒子中に被包されるようにする。ある実施態様においては、担体分子は、第2のリザーバー内の有機脂質溶液中に溶解される。
別の実施態様においては、本発明は、生物活性分子を包含する脂質ナノ粒子(LNP)組成物を製造するための装置を特徴とする。該装置は、典型的には、水溶液を保持するための第1のリザーバーと、有機脂質溶液を保持するための第2のリザーバーとを包含し、これにおいて、該水溶液が生物活性分子を包含する。該装置はまた、典型的には、該水溶液及び有機脂質溶液を、実質的に等しい流速で、混合領域又は混合チャンバー内に注入するべく設定された、ポンプメカニズムも包含する。1つの実施態様においては、該混合領域又は混合チャンバーは、T型カップリング又はその同等物を含んでなり、これは、Tコネクター内に投入されるとき、水性及び有機液体流を合わせるようにし、得られた混ぜられた水性及び有機溶液が、Tコネクターからコレクションリザーバー又はその同等物内に出るようにする。稼働中、有機脂質溶液を混合領域において水溶液と混合して、インキュベーション、透析濾過、及び濃縮の後に、所望の脂質ナノ粒子組成物を形成する。
1つの実施態様においては、本発明は、本発明の脂質ナノ粒子組成物を合成するための工程であって:(a)本発明の生物活性分子(例えば、siNA、miRNA、siRNA、又はRNAi阻害剤)及び/又は本発明の担体分子を含んでなる水溶液を提供すること;(b)本発明のLNP成分(例えば、表IVに示されたLNP成分)を含んでなる有機溶液を提供すること;(c)該水溶液を該有機溶液と混合すること;(d)得られた混合された水溶液及び有機溶液を、インキュベートした後に(e)希釈すること;(f)限外濾過;及び(g)脂質ナノ粒子組成物を製造するのに適した条件下に最終濃縮すること、を含んでなる該プロセスを特徴とする。1つの実施態様においては、生物活性分子は、工程の結果として脂質ナノ粒子内に被包される。
1つの実施態様においては、本発明は、生物活性分子を含んでなる脂質ナノ粒子(LNP)組成物を調製するための方法であって:(a)興味のある生物活性分子及び/又は担体分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi組成物)の溶液を、適当な緩衝液中に調製すること;(b)脂質成分(例えば、ClinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG)、及び/又はリノレイルアルコール)の溶液を、適当な緩衝液中に調製すること;(c)該脂質成分溶液と、該生物活性分子溶液とを、粒子形成に適した条件下に混ぜ合わせること;(d)得られた混合物をインキュベートした後に、(e)適当な緩衝液で希釈すること;(f)限外濾過;及び(g)LNP組成物を最終濃縮すること、を含んでなる該方法を提供する(例えば、表VI参照)。
1つの実施態様においては、(a)の緩衝液は、水性緩衝液、例えばクエン酸緩衝液である。別の実施態様においては、(b)の緩衝液は、有機アルコール、例えばエタノールを含んでなる。1つの実施態様においては、(c)の、混合することは、(a)の溶液の第1の液体流と、(b)の溶液の第2の液体流とを、実質的に等しい流速で混合領域内に混ぜ入れて、脂質ナノ粒子組成物を形成する、ポンプ装置を利用することを含んでなる。別の実施態様においては、(d)のインキュベーションは、得られた(c)のインプロセス溶液を、約12ないし約100時間(好ましくは約12ないし約24時間)、ほぼ室温において、かつ任意で光を防御して、容器内に静置させることを含んでなる。1つの実施態様においては、希釈(e)は、ポンプ系(例えば、横隔膜ポンプ)を使用した、水性緩衝液(例えば、クエン酸緩衝液)による希釈を包含する。1つの実施態様においては、限外濾過(f)は、希釈されたLNP溶液の濃縮と、それに続く透析濾過、例えば、適当なポンプ系(例えば、クワトロフロー(Quatroflow)ポンプ系又はその同等物等のポンプ装置)を、適当な限外濾過膜(例えば、GE NP UFP−100−C−35A又はその同等物)と組合せて使用することを含んでなる。
別の実施態様においては、本発明は、脂質ナノ粒子(LNP)を調製するための方法であって:(a)カチオン性脂質及び非カチオン性脂質を含んでなる混合物を、有機溶媒中に調製すること;(b)興味の分子(例えば、生物活性分子及び/又は担体分子)の水溶液を、工程(a)の混合物と接触させて、透明な単相を提供すること;及び(c)該有機溶媒を除去して、分子−脂質粒子の懸濁液を提供することを含んでなる該方法を提供し、これにおいて、興味の分子は、脂質二重層内に被包されており、該粒子は血清中で安定であって、約50ないし約150nmか、或いはまた50ないし約600nmのサイズを有する。
有機溶媒の選択は、典型的には、溶媒の極性と、粒子形成のもっと遅い段階での溶媒除去の容易さとを考慮することを含む。可溶化剤としても使用されている有機溶媒は、生物活性分子及び脂質の、透明な単相混合物を提供するのに充分な量である。適当な溶媒は、制限されないが、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、メタノール、又は他の脂肪族アルコール、例えば、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、及びヘキサノールを包含する。2種以上の溶媒の組合せもまた、本発明において使用可能である。
興味の分子を、カチオン性及び中性脂質の有機溶液と接触させることは、典型的には水溶液である、興味の分子の第1の溶液と、第2の、脂質の有機溶液とを混ぜ合わせることによって達成される。当業者は、この混合が、任意の多くの方法により、例えば、ボルテックスミキサーの使用によるような機械的手段により、行ない得ることを理解するであろう。
興味の分子を脂質の有機溶液と接触させた後、有機溶媒を除去し、このようにして血清安定性の分子−脂質粒子の水性懸濁物を形成する。有機溶媒を除去するために使用した方法は、典型的には、減圧下での蒸発か、又は不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴン)の流れを、混合物を横切ってブローすることを包含するであろう。
このように形成された製剤又は組成物は、典型的には、約50nmないし150nm、或いはまた約50ないし600nmか、又は約5ないし1000nmのサイズであろう。粒子の、さらなるサイズの減少、又はサイズの均一性を達成するためには、上記記載のようにサイジングを行ない得る。
別の実施態様においては、この方法はさらに、本発明の組成物を用いた細胞のトランスフォーメーションを引き起こすのに有用である、非脂質性ポリカチオンの添加を含んでいてもよい。適当な非脂質性ポリカチオンの例は、制限されないが、臭化ヘキサジメトリン(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wis.,USA)から、商品名ポリブレン(POLYBRENE)(登録商標)で市販)、又は他のヘキサジメトリンの塩を包含する。他の適当なポリカチオンは、例えば、ポリ−L−オルニチン、ポリ−L−アルギニン、ポリ−L−リジン、ポリ−D−リジン、ポリアリルアミン、及びポリエチレンイミンの塩を包含する。
ある実施態様においては、脂質ナノ粒子(LNP)組成物の形成は、単相系(例えば、ブライ及びダイヤー単相系(Bligh and Dyer monophase)、又は類似の水性溶媒及び有機溶媒の混合物)か、又は適当な混合による二相系のいずれかにおいて行ない得る。
脂質ナノ粒子(LNP)の形成を単相系で行なう場合、カチオン性脂質及び興味の分子は、それぞれある量の単相混合物中に溶解される。2つの溶液を混ぜ合わせることで、その中で複合体が形成されている単一の混合物を得る。別法として、複合体は、二相系において形成可能であり、これにおいて、カチオン性脂質が、該分子(これは、水性相に存在する)に結合し、そして有機相内にそれを「引っ張る」。
別の実施態様においては、本発明は、脂質ナノ粒子(LNP)組成物を調製するための方法であって:(a)興味の分子(例えば、生物活性分子及び/又は担体分子)を、非カチオン性脂質及び界面活性剤を含んでなる溶液と接触させて、分子−脂質混合物を形成すること;(b)カチオン性脂質を、該分子−脂質混合物と接触させて、興味の分子の負電荷部分を中和し、かつ、分子及び脂質の、電荷中和混合物を形成すること;及び(c)該電荷中和混合物から界面活性剤を除去して、脂質ナノ粒子(LNP)組成物を得ることを含んでなる、該方法を提供する。
一群の実施態様においては、中性脂質及び界面活性剤の溶液は、水溶液である。興味の分子(例えば、生物活性分子及び/又は担体分子)を中性脂質及び界面活性剤の溶液と接触させることは、典型的には、興味の分子の第1の溶液と、脂質及び界面活性剤の第2の溶液とを、混ぜ合わせることによって達成される。当業者は、この混合が任意の多くの方法により、例えば、ボルテックスミキサーの使用によるような機械的手段により、行ない得ることを理解するであろう。好ましくは、該分子溶液もまた、界面活性剤溶液である。本方法において使用される中性脂質の量は、典型的には、使用されるカチオン性脂質の量に基づき決定され、典型的には、カチオン性脂質の量の約0.2ないし5倍、好ましくは、用いたカチオン性脂質の量の約0.5ないし約2倍である。
このように形成された分子−脂質混合物は、カチオン性脂質と接触され、存在している興味の分子(例えば、生物活性分子及び/又は担体分子、又は他のポリアニオン性物質)に付随した負電荷部分を中和する。使用されるカチオン性脂質の量は、典型的には、興味の分子の負電荷の少なくとも50%を中和するのに充分な量である。好ましくは、負電荷は、少なくとも70%が中和され、さらに好ましくは少なくとも90%が中和される。本発明において有用なカチオン性脂質は、例えば、式CLIないしCLXXIXのいずれかを有する化合物、DODAC、DOTMA、DDAB、DOTAP、DC−Chol、DMOBA、CLinDMA、及びDMRIEを含んでなる。これらの脂質及び関連類似体は、米国特許出願第08/316,399号;米国特許第5,208,036、5,264,618、5,279,833、及び5,283,185号(これらの開示は、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載されてきた。さらに、いくつかの市販のカチオン性脂質標品が入手可能であり、本発明において使用し得る。これらは、例えば、リポフェクチン(LIPOPHECTIN)(登録商標)(ギブコ/BRL(GIBCO/BRL,Grand Island,N.Y.,USA)から市販の、DOTMA及びDOPEを含んでなるカチオン性リポソーム);リポフェクタミン(LIPOPHECTAMINE)(登録商標)(ギブコ/BRLから市販の、DOSPA及びDOPEを含んでなるカチオン性リポソーム);及びトランスフェクタム(TRANSFECTAM)(登録商標)(プロメガ・コープ(Promega Corp.,Madison, Wisconsin,USA)から市販の、エタノール中にDOGSを含んでなるカチオン性脂質)を包含する。
カチオン性脂質を分子−脂質混合物と接触させることは、任意のいくつかの技術により、好ましくは、該カチオン性脂質の溶液と、該分子−脂質混合物を含有する溶液とを、混ぜ合わせることによって達成される。二つの溶液を混合する(又は任意の他の方法において接触させる)と、興味の分子に付随した負電荷の一部が中和される。
カチオン性脂質を分子−脂質混合物と接触させた後、界面活性剤(又は、界面活性剤と有機溶媒の組合せ)を除去し、このようにして製剤又は組成物を形成する。界面活性剤を除去するのに使用した方法は、典型的には透析を包含する。有機溶媒が存在する場合、除去は、典型的には減圧下での蒸発か、又は不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴン)の流れを、混合物を横切ってブローすることによる。
このように形成された脂質ナノ粒子(LNP)組成物粒子は、典型的には、約50nmないし数ミクロンのサイズである。粒子の、さらなるサイズの減少、又はサイズの均一性を達成するためには、脂質ナノ粒子(LNP)組成物粒子を超音波処理するか、濾過するか、又は、リポソーム製剤において使用され、かつ当業者に既知の、他のサイジング技術によることができる。
別の実施態様においては、この方法はさらに、本発明の組成物を用いた細胞のリポフェクションに影響を及ぼすのに有用である、非脂質性ポリカチオンを添加することを含んでいてもよい。適当な非脂質性ポリカチオンの例は、制限されないが、臭化ヘキサジメトリン(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wis.,USA)から、商品名ポリブレン(POLYBRENE)(登録商標)で市販)、又は他のヘキサジメトリンの塩を包含する。他の適当なポリカチオンは、例えば、ポリ−L−オルニチン、ポリ−L−アルギニン、ポリ−L−リジン、ポリ−D−リジン、ポリアリルアミン、及びポリエチレンイミンの塩を包含する。これらの塩の添加は、粒子が形成された後が好ましい。
別の態様においては、本発明は、製剤siNA組成物の調製法であって:(a)ある量のカチオン性脂質をsiNAと、溶液中で接触させること(ここで該溶液は約15ないし35%の水、及び約65ないし85%の有機溶媒を含んでなり、該カチオン性脂質の量は、約0.85ないし約2.0の+/−電荷比を生成して、疎水性の、脂質−siNA複合体を提供するのに充分である);(b)溶液中の、該疎水性の、脂質−siNA複合体を、中性脂質と接触させて、siNA−脂質混合物を得ること;及び(c)該脂質−siNA混合物から有機溶媒を除去して、製剤siNA組成物粒子を得ること、を含んでなる該方法を提供する。
別の態様においては、本発明は、製剤siNA/担体組成物の調製法であって:(a)ある量のカチオン性脂質をsiNA/担体と、溶液中で接触させること(ここで該溶液は約15ないし35%の水、及び約65ないし85%の有機溶媒を含んでなり、該カチオン性脂質の量は、約0.85ないし約2.0の+/−電荷比を生成して、疎水性の、脂質−siNA/担体複合体を提供するのに充分である);(b)溶液中の、該疎水性の、脂質−siNA/担体複合体を、中性脂質と接触させて、siNA/担体−脂質混合物を得ること;及び(c)該脂質−siNA/担体混合物から有機溶媒を除去して、製剤siNA/担体組成物粒子を得ること、を含んでなる該方法を提供する。
別の態様においては、本発明は、製剤担体分子組成物の調製法であって;(a)ある量のカチオン性脂質を担体分子と、溶液中で接触させること(ここで該溶液は約15ないし35%の水、及び約65ないし85%の有機溶媒を含んでなり、該カチオン性脂質の量は、約0.85ないし約2.0の+/−電荷比を生成して、疎水性の、脂質−担体複合体を提供するのに充分である);(b)溶液中の、該疎水性の、脂質−担体複合体を、中性脂質と接触させて、siNA−担体混合物を得ること;及び(c)該脂質−担体混合物から有機溶媒を除去し、製剤担体組成物粒子を得ること、を含んでなる該方法を提供する。
本発明のこの態様において有用であるsiNA、担体分子、中性脂質、カチオン性脂質、及び有機溶媒は、界面活性剤を使用した上記の方法について記載されたものと同様である。一群の実施態様においては、工程(a)の溶液は、単相である。別の群の実施態様においては、工程(a)の溶液は、二相である。
1つの実施態様においては、本発明の製剤において使用されるカチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIX、CLXXXX、CLXXXXI、CLXXXXIIを有する化合物、及びDODAC、DDAB、DOTMA、DODAP、DOCDAP、DLINDAP、DOSPA、DMRIE、DOGS、DMOBA、CLinDMA、及びそれらの組合せから選択される。1つの実施態様においては、非カチオン性質は、ESM、DOPE、DOPC、DSPC、ポリエチレングリコールベースポリマー(例えば、PEG2000、PEG5000、又はPEG−修飾ジアシルグリセロール)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及びそれらの組合せから選択される。1つの実施態様においては、有機溶媒は、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン、エタノール、ジエチルエーテル、及びそれらの組合せから選択される。
1つの実施態様においては、カチオン性脂質は、式CLI、CLII、CLIII、CLIV、CLV、CLVI、CLVII、CLVIII、CLIX、CLX、CLXI、CLXII、CLXIII、CLXIV、CLXV、CLXVI、CLXVII、CLXVIII、CLXVII、CLXVIII、CLXIX、CLXX、CLXXI、CLXXII、CLXXIII、CLXXIV、CLXXV、CLXXVI、CLXXVII、CLXXVIII、CLXXIX、CLXXX、CLXXXI、CLXXXII、CLXXXIII、CLXXXIV、CLXXXV、CLXXXVI、CLXXXVII、CLXXXVIII、CLXXXIXを有する化合物、又はDODAC、DOTAP、DODAP、DOCDAP、DLINDAP、DDAB、DOTMA、DOSPA、DMRIE、DOGS、又はそれらの組合せから選択され;非カチオン性脂質は、ESM、DOPE、DAG−PEG、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、又はそれらの組合せ(例えば、DSPC及びDAG−PEG)であり;そして有機溶媒は、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン、エタノール、ジエチルエーテル、及びそれらの組合せである。
上記のように、siNA及び/又は担体を、カチオン性脂質と接触させることは、典型的には、siNA及び/又は担体の第1の溶液と、脂質の第2の溶液とを混ぜ合わせることにより、好ましくは、ボルテックスミキサーの使用によるような機械的手段により行なわれる。得られた混合物は、上記記載のような複合体を含有する。これらの複合体は、次に、中性脂質の添加及び有機溶媒の除去により、粒子に変換される。中性脂質の添加は、典型的には、中性脂質の溶液を、複合体を含有する混合物に対し、単純に添加することにより達成される。逆の添加もまた使用し得る。続く有機溶媒の除去は、当業者に既知の、及び上記記載の方法によって達成可能である。
本発明のこの態様において使用される中性脂質の量は、典型的には、電荷中和された脂質−核酸複合体を得るべく使用されたカチオン性脂質の、約0.2ないし約15倍の量(モルベースで)である。好ましくは、この量は、使用されたカチオン性脂質の約0.5ないし約9倍である。
なお別の態様においては、本発明は、上記記載の方法により調製される、製剤siNA及び/又は担体組成物を提供する。これらの実施態様においては、製剤siNA及び/又は担体組成物は、中性の正味電荷をもつか、又は、製剤siNA及び/又は担体組成物により大きいリポフェクション活性を与える全電荷をもち続けるか、のいずれかである。1つの実施態様においては、非カチオン性脂質は、卵スフィンゴミエリンであり、カチオン性脂質はDODACである。1つの実施態様においては、非カチオン性脂質は、DSPC及びコレステロールの混合物であり、カチオン性脂質はDOTMAである。別の実施態様においては、非カチオン性脂質は、さらに、コレステロールを含んでいてもよい。
核酸製剤を調製するための非限定的な例は、米国特許第5,976,567号、米国特許第5,981,501号、及びPCT特許公開第WO96/40964号(に開示されており、これらの全ての開示は、その記載全体が参考として本明細書に含まれる。本発明において有用であるカチオン性脂質は、選択されたpH、例えば生理的pHにおいて、正味の正の電荷をもつ、任意の数の脂質種でよい。適当なカチオン性脂質は、制限なく、式CLIないしCLXXXXVIのいずれかを有する化合物、DODAC、DOTMA、DDAB、DOTAP、DODAP、DOCDAP、DLINDAP、DOSPA、DOGS、DC−Chol、及びDMRIE、並びに本明細書に記載の他のカチオン性脂質、又はそれらの混合物を包含する。これらのいくつかのカチオン性脂質及び、本発明においてもまた有用である関連類似体は、米国特許出願第08/316,399号;米国特許第5,208,036、5,264,618、5,279,833、及び5,283,185号に記載されおり、これらの開示は、その記載が参考として本明細書に含まれる。さらに、いくつかの市販のカチオン性脂質標品が入手可能であり、本発明において使用し得る。これらは、例えば、リポフェクチン(LIPOFECTIN)(登録商標)(ギブコ/BRL(GIBCO/BRL,Grand Island,N.Y.,USA)から市販の、DOTMA及びDOPEを含んでなるカチオン性リポソーム);リポフェクタミン(LIPOFECTAMINE)(登録商標)(ギブコ/BRLから市販の、DOSPA及びDOPEを含んでなるカチオン性リポソーム);及びトランスフェクタム(TRANSFECTAM)(登録商標)(プロメガ・コープ(Promega Corp.,Madison, Wisconsin,USA)から市販の、DOGSを含んでなるカチオン性リポソーム)を包含する。
本発明において使用される非カチオン性脂質は、安定な複合体を生成し得る、任意の多様な中性非荷電性、両性イオン性、又はアニオン性脂質でよい。それらは、好ましくは中性であるが、択一的に正又は負に帯電し得る。本発明において有用な非カチオン性脂質は、リン脂質関連物質、例えば、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リソレシチン、リソホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジセチルホスフェイト、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、及びジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン4(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシラート(DOPE−mal)を包含する。非カチオン性脂質又はステロイド、例えばコレステロールが存在してもよい。追加の非リン含有脂質は、例えば、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、アセチルパルミタート、グリセロールリシノレアート、ヘキサデシルステアラート、イソプロピルミリスタート、両性アクリルポリマー、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキル−アリール硫酸ポリエチルオキシル化脂肪酸アミド、臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウムなど、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、及びセレブロシドである。他の脂質、例えば、リソフォスファチジルコリン、及びリソフォスファチジルエタノールアミンが存在してもよい。非カチオン性脂質はまた、米国同時係属出願第08/316,429号(参考として本明細書に含まれる)に記載のような、ポリエチレングリコールベースポリマー、例えばPEG2000、PEG5000、及び、リン脂質又はセラミドに対しコンジュゲートされたポリエチレングリコール(PEG−Cerと呼ばれる)を包含する。
1つの実施態様においては、非カチオン性脂質は、ジアシルホスファチジルコリン(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、又はジリノレオイルホスファチジルコリン)、ジアシルホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、及びパルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、セラミド、又はスフィンゴミエリンである。これらの脂質におけるアシル基は、好ましくは、約C10ないしC24炭素鎖を有する脂肪酸に由来するアシル基である。1つの実施態様においては、アシル基は、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はオレオイルである。追加の実施態様においては、非カチオン性脂質は、コレステロール、1,2−sn−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、又は卵スフィンゴミエリン(ESM)を含んでなる。
カチオン性脂質及び中性脂質に加えて、本発明の製剤又は組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)コンジュゲートを含んでなる。PEGコンジュゲートは、ジアシルグリセロール−ポリエチレングリコールコンジュゲート、すなわち、DAG−PEGコンジュゲートを含んでなってもよい。用語「ジアシルグリセロール」は、2つの脂肪酸、R1及びR2を有しており、その双方が独立して、エステル結合によってグリセロールの1−及び2−位に結合した2ないし30個の炭素を有している化合物を指す。アシル基は、飽和されているか、又は種々の度合の不飽和があってもよい。ジアシルグリセロールは、以下の一般式VIII:
Figure 2010519203
[式中、R1及びR2は、それぞれアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、脂質、又はリガンドである]を有する。1つの実施態様においては、R1及びR2は、それぞれ独立して、C2ないしC30アルキル基である。
1つの実施態様においては、該DAG−PEGコンジュゲートは、ジラウリルグリセロール(C12)−PEGコンジュゲート、ジミリスチルグリセロール(C14)−PEGコンジュゲート、ジパルミトイルグリセロール(C16)−PEGコンジュゲート、ジステリルグリセロール(C18)−PEGコンジュゲート、PEG−ジラウリルグリカミドコンジュゲート(C12)、PEG−ジミリスチルグリカミドコンジュゲート(C14)、PEG−ジパルミトイルグリカミドコンジュゲート(C16)、又はPEG−ジステリルグリカミド(B18)である。当業者は、他のジアシルグリセロールが本発明のDAG−PEGコンジュゲートにおいて使用可能であることを容易に認識するであろう。
PEGコンジュゲートは、択一的に、DAG−PEGコンジュゲート以外のコンジュゲート、例えば、PEG−コレステロールコンジュゲート又はPEG−DMBコンジュゲートを含んでいてもよい。
上記の成分に加えて、本発明の製剤又は組成物、又はLNPは、さらに、正の電荷を与えるべく脂質二重層内へのインサート用に設計された、カチオン性ポリ(エチレングリコール)(PEG)脂質、又はCPLを含んでいてもよい(例えば、Chen,et al.,2000,Bioconj.Chem.11,433−437参照)。本発明における使用に適した製剤、及びかかる製剤の作成法及び使用法は、例えば、2000年4月20日出願の、米国特許出願第09/553,639号、及び、2000年4月20日に出願され、かつ2000年10月26日にWO 00/62813として公開された、PCT出願第CA00/00451号(これらの各々の教示は、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に開示されている。
本発明の製剤又は組成物、すなわち、DAG−PEGコンジュゲートを含有する、製剤又は組成物、又はLPSは、任意のいくつかの異なる方法を使用して製造し得る。例えば、脂質−核酸粒子は、粗水性のsiNA−脂質中間複合体を介して生成し得る。該複合体は、好ましくは電荷中和されている。界面活性剤ベース又は有機溶媒ベースのいずれかの系におけるこれらの複合体の操作は、その中で核酸が保護される粒子形成をもたらし得る。
本発明は、pH依存性の相変化を受ける製剤を含む、血清安定性の製剤又は組成物(又は脂質ナノ粒子、LNP)を調製する方法であって、これにおいて、生物活性分子が脂質二重層内に被包され、かつ分解から保護される、該方法を提供する。さらに、本発明において形成された製剤粒子は、好ましくは、生理的pHにおいて中性か又は負に帯電する。インビボ適用には、中性の粒子が有利であるのに対し、インビトロ適用には、粒子はより好ましくは負に帯電している。このことは、生物活性分子がカチオン性脂質内に被包され得る、正に帯電したリポソーム製剤に対し、凝集の低減というさらなる利点を提供する。
本発明の方法により製剤粒子及びLNPは、約50ないし約600nm又はそれ以上のサイズを有しており、ある粒子は約65ないし85nmである。粒子は、界面活性剤透析法によるか、又は、成分の混合の間に単相を得るべく有機溶媒を利用する、逆相法の変法によって形成し得る。何ら特定の製剤メカニズムに束縛されることを意図するものではないが、生物活性分子は、カチオン性脂質の界面活性剤溶液と接触して、コートされた分子複合体を形成する。これらのコートされた分子は、凝集しかつ沈澱し得る。しかしながら、界面活性剤の存在がこの凝集を低減し、コートされた分子が過剰の脂質(典型的には、非カチオン性脂質)と反応して、その中で生物活性分子が脂質二重層内に被包されている粒子を形成する。有機溶媒を使用した製剤又は組成物の形成のための、下記に記載の方法は、同様のスキ―ムに従う。
ある実施態様においては、粒子は、界面活性剤透析を用いて形成される。すなわち、本発明は、血清安定性の製剤又は組成物(pH依存性の相転移を受ける製剤を含む)の調製のための方法であって:(a)興味の分子を、カチオン性脂質と、界面活性剤溶液中で混ぜ合わせて、コートされた分子−脂質複合体を形成すること;(b)非カチオン性脂質を、該コートされた分子−脂質複合体と接触させて、分子−脂質複合体と、非カチオン性脂質とを含んでなる界面活性剤溶液を形成すること;及び(c)工程(b)の界面活性剤溶液を透析して、血清安定性の分子−脂質粒子の溶液を得ることを含んでなり、これにおいて、興味の分子は、脂質二重層内に被包され、かつ該粒子は約50ないし約600nmのサイズを有している、該方法を提供する。1つの実施態様においては、粒子は、約50ないし約150nmのサイズを有する。
コートされた分子−脂質複合体の最初の溶液は、例えば、興味の分子をカチオン性脂質と、界面活性剤溶液中で混ぜ合わせることにより形成される。
これらの実施態様においては、界面活性剤溶液は、好ましくは15ないし300mM、さらに好ましくは20ないし50mMの臨界ミセル濃度を有する中性洗剤の水溶液である。適当な界面活性剤の例は、例えば、N,N’−((オクタノイルイミノ)−ビス−(トリメチレン)−ビス−(D−グルコンアミド)(BIGCHAP);BRIJ 35;デオキシ−BIGCHAP;ドデシルポリ(エチレングリコール)エーテル;ツイーン20;ツイーン40;ツイーン60;ツイーン80;ツイーン85;Mega8;Mega9;Zwittergent(登録商標)3−8;Zwittergent(登録商標)3−10;トリトンX−405;ヘキシル−、ヘプチル−、オクチル−、及びノニル−ベータ−D−グルコピラノシド;及びヘプチルチオグルコピラノシドを包含する。1つの実施態様においては、界面活性剤は、オクチルβ−D−グルコピラノシド又はツイーン20である。界面活性剤溶液中の界面活性剤の濃度は、典型的には、約100mMないし約2M、好ましくは約200mMないし約1.5Mである。
カチオン性脂質及び被包されるべき分子は、典型的には、約1:1ないし約20:1、の電荷比(+/−)、好ましくは約1:1ないし12:1の比、及びさらに好ましくは約2:1ないし6:1の比を生成するべく混ぜ合わされるであろう。さらに、溶液中の興味の分子の全体濃度は、典型的には、約25μg/mLないし約1mg/mL、好ましくは約25μg/mLないし約500μg/mL、及びさらに好ましくは約100μg/mLないし約250μg/mLであろう。界面活性剤溶液中での分子及びカチオン性脂質の混ぜ合わせは、典型的には、室温において、コートされた複合体を形成するのに充分な時間にわたり保持される。別法として、分子及びカチオン性脂質を、界面活性剤溶液中で混ぜ合わせ、かつ約37℃の温度に温めてもよい。温度に対し特に感受性のある分子については、コートされた複合体を、より低い温度において、典型的には約4℃に下げて形成することができる。
1つの実施態様においては、形成された製剤又は組成物中の、分子対脂質比(質量/質量比)は、約0.01から約0.08までの範囲であろう。精製の工程は、典型的には、未被包の分子並びに空のリポソームを除去することから、出発物質の比もまたこの範囲内に入る。別の実施態様においては、製剤又は組成物標品は、全脂質10mg当たり約400μgのsiNA、又は約0.01ないし0.08の分子対脂質比、さらに好ましくは約0.04(これは、50μgのsiNA当たり、1.25mgの全脂質に相当する)を使用する。
コートされた分子−脂質複合体の界面活性剤溶液を、次に、中性脂質と接触させて、分子−脂質複合体及び中性脂質の界面活性剤溶液を得る。この工程において有用である中性脂質は、なかんずく、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、及びセレブロシドを包含する。好ましい実施態様においては、中性脂質は、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、又はスフィンゴミエリンである。これらの脂質におけるアシル基は、好ましくは、C10ないしC24炭素鎖を有する脂肪酸に由来するアシル基である。さらに好ましくは、アシル基は、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はオレオイルである。好ましい実施態様においては、中性脂質は、1,2−sn−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、又はそれらの混合物である。最も好ましい実施態様においては、siNA−脂質粒子は、インビボでの増強された特性をもつ膜融合性の粒子であり、中性脂質は、DSPC又はDOPEである。上記に説明されたように、本発明のsiNA−脂質粒子は、さらに、PEGコンジュゲート、例えば、DAG−PEGコンジュゲート、PEG−コレステロールコンジュゲート、及びPEG−DMBコンジュゲートを含んでいてもよい。さらに、本発明のsiNA−脂質粒子は、さらに、コレステロールを含んでいてもよい。
本方法において使用される中性脂質の量は、典型的には、50μgの興味の分子に対し、約0.5ないし約10mgの全脂質である。好ましくは、全脂質の量は、50μgの興味の分子当たり、約1ないし約5mgである。
分子−脂質複合体及び中性脂質の界面活性剤溶液の形成に続いて、好ましくは透析により、界面活性剤を除去する。界面活性剤の除去は、結果として興味の分子を取り囲む脂質二重層を形成して、約50nmないし約150nm、又は約50nmないし約600nmのサイズを有する血清安定性の分子−脂質粒子が得られる。このようにして形成した粒子は、凝集せず、また均一の粒子サイズを達成するべく任意にサイジングしてもよい。
血清安定性の分子−脂質粒子は、当該技術分野において既知の、リポソームのサイジングに利用可能な任意の方法によりサイジングし得る。サイジングは、所望のサイズ範囲及び比較的狭い粒子サイズ分布を達成するべく行い得る。
所望のサイズに粒子をサイジングするためには、いくつかの技術が利用可能である。リポソーム用に使用され、かつ本発明の粒子にも同様に適用可能な1つのサイジング法は、米国特許第4,737,323号(参考として本明細書に含まれる)に記載されている。バス型又はプローブ型の超音波処理のいずれかにより、粒子懸濁液を超音波処理すると、サイズ約50nm未満の粒子までの、徐々に進行するサイズダウンを生じる。ホモジナイゼーションは、剪断エネルギーに依存して大きい粒子をより小さいものへ断片化する、もう1つの方法である。典型的なホモジナイゼーション法では、粒子は、標準的なエマルジョンホモジナイザーを通して、選択された粒子サイズ、典型的には約60ないし80nmが観察されるまで再循環される。双方の方法においては、粒子サイズの分布を、通常のレーザービーム粒子サイズ識別法、又はQELSによりモニターし得る。
本明細書において粒子の「サイズ」が記載される場合、例えば、通常のレーザービーム粒子サイズ識別法、又はQELSにより測定された、粒子の分布の平均サイズを記載している。したがって、50nmないし150nmのサイズを有する粒子は、例えば、通常のレーザービーム粒子サイズ識別法、又はQELSにより測定された、平均サイズ50mmないし150nmを有するタイプの粒子の集合体を指す。好ましくは、分布の標準偏差は、分布の平均サイズの50%未満、さらに好ましくは30%未満、及び、なおさらに好ましくは10%未満である。
細孔をもつポリカーボネート膜、又は非対称セラミック膜を通した粒子の押出しもまた、比較的充分に規定されたサイズ分布まで粒子サイズを低減するのに有効である。典型的には、懸濁液を、所望の粒子サイズ分布を達成するまで1回以上、膜を通して循環する。粒子を、より孔の小さい膜を連続的に通して押出して、段階的なサイズ減少を実現してもよい。
製剤siNA組成物−CPL(CPL−含有性の製剤siNA組成物)を作成するための多様な一般法が、本明細書に議論されている。2つの一般的な技術は、「ポスト・インサーション」技術、すなわち、例えば、予め製剤siNA組成物内へのCPLのインサーションと、CPLが例えば、製剤siNA組成物形成の工程の間に脂質混合物中に包含される、「標準的」技術とを包含する。ポスト・インサーション技術は、結果として、製剤siNA組成物二重膜の主として外表面にCPLを有している、製剤siNA組成物を生ずるのに対し、標準的技術は、内外両表面にCPLを有している、製剤siNA組成物を得る。
特に、「ポスト・インサーション」は、製剤siNA組成物(任意の方法による)を形成すること、及び予め形成された、製剤siNA組成物を、CPLの存在下に適当な条件下で(好ましくは、60℃で2ないし3時間)インキュベートすることを包含する。CPLの60ないし80%を、レシピエントベシクルの外側のリーフレット中にインサートして、約5ないし10mol%(全脂質に比較して)までの最終濃度を得ることができる。この方法は、リン脂質(これは、コレステロールを含有し得る)から製造されたベシクルに、またPEG−脂質(例えば、PEG−DAG)を含有するベシクルにも特に有用である。
「標準的」技術の一例においては、本発明のCPL−製剤siNA組成物は、押出しにより形成し得る。この実施態様においては、CPLを含む全ての脂質を、クロロホルム中に同時溶解し、次にクロロホルムを、窒素下に、続いて高真空下に除去する。脂質混合物を適当な緩衝液中で水和し、孔サイズ100nmの2つのポリカーボネートフィルターを通して押出す。得られた製剤siNA組成物は、内外両表面にCPLを含有する。なお別の標準的技術においては、CPL−製剤siNA組成物の形成は、界面活性剤透析法、又はエタノール透析法を用いて、例えば、米国特許第5,976,567及び5,981,501号(これらの双方は、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に議論されたように達成し得る。
本発明の製剤siNA組成物は、単独で、又は、投与の経路及び標準的薬学のプラクティスに従って選択された生理学的に許容される担体(例えば、生理食塩水又はリン酸緩衝液)と混合して投与し得る。一般には、通常の食塩水が、薬学的に許容される担体として用いられるであろう。他の適当な担体は、例えば、水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシン、及びその他、安定性を増強するための糖タンパク質を含め、例えばアルブミン、リポタンパク質、グロブリンその他を包含する。
薬学的担体は、一般に、製剤siNA組成物形成に続いて添加される。したがって、製剤siNA組成物が形成した後、製剤SiNA組成物を薬学的に許容される担体、例えば通常の食塩水中に希釈してよい。
医薬製剤中の製剤siNA組成物の濃度は、幅広く、すなわち、重量で約0.05%未満、又は少なくとも約2ないし5%から、10ないし30%までも変動可能であり、選択された特定の投与様式に従って、主として液体体積、粘性、その他により選択できる。例えば、濃度を増して、治療に伴う液体負荷を低減することができる。このことは、アテローム性動脈硬化症に随伴する鬱血性心不全、又は重症高血圧症をもつ患者において特に望ましい。別法として、刺激性の脂質からなる製剤siNA組成物を低濃度に希釈して、投与部位における炎症を和らげることができる。
上記記載のように、本発明の製剤siNA組成物は、DAG−PEGコンジュゲートを含んでなる。しばしば他の、DAG−PEGコンジュゲートと類似の様式で作用するもの、及び、粒子凝集を防止して、循環中の存続時間を増すため、及び標的組織への製剤siNA組成物の送達を増すための手段を提供するのに役立つ成分を包含することが望ましい。かかる成分は、制限されないが、粒子に対する、PEG−脂質コンジュゲート、例えば、PEG−セラミド又はPEG−リン脂質(例えば、PEG−PE)、ガングリオシドGM1−修飾脂質、又は,ATTA−脂質である。典型的には、粒子中の該成分の濃度は、約1ないし20%、好ましくは約3ないし10%であろう。
本発明の医薬組成物は、通常の、周知の滅菌技術により滅菌し得る。水溶液は、無菌条件下に、使用に向けてパッケージされるか又は濾過され、凍結乾燥され、凍結乾燥標品は、投与に先立ち、無菌の水溶液と混ぜ合わされる。該組成物は、必要であれば、生理的条件に近づけるべく、薬学的に許容される助剤、例えば、pH調整及び緩衝剤、張度調整剤、及びその他、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化カルシウムを含有し得る。さらに、粒子懸濁液は、貯蔵時のフリーラジカル及び脂質−過酸化性の破壊に対し、脂質を保護する脂質保護剤を包含し得る。親油性のフリーラジカルクエンチ剤、例えば、アルファトコフェロール及び水溶性の鉄特異キレーター、例えばフェリオキサミンが適する。
その使用についての別の実施態様では、製剤又は組成物は、制限されないが、ゲル、オイル、エマルジョンなどを包含する、広範囲の局所剤形に取り入れ得る。例えば、製剤又は組成物を含有する懸濁液は、局所用クリーム、ペースト、軟膏、ゲル、ローションなどとして製剤及び投与し得る。
ひとたび形成されれば、本発明の製剤又は組成物は、細胞内への生物活性分子の導入に有用である。したがって、本発明はまた、生物活性分子を細胞内へ導入するための方法も提供する。この方法は、まず、製剤又は組成物を上記記載のように形成すること、及び次に、該製剤又は組成物を、トランスフェクションが起こるのに充分な時間、細胞と接触させることにより、インビトロ又はインビボにおいて行なわれる。
本発明の製剤又は組成物は、それらと共に混合又は接触された、殆どの任意の細胞タイプに吸着され得る。ひとたび吸着されれば、製剤は、細胞の一部によりエンドサイトーシスされるか、細胞膜と脂質交換するか、又は細胞と融合することのいずれかが可能である。製剤の生物活性分子部分の輸送又は取込みは、これらの経路のうちの任意の1つによって起こりうる。特に、融合が起こる場合には、粒子の膜は細胞膜にインテグレートされ、そして該粒子の内容物、すなわち、生物活性分子は細胞内流体、例えば細胞質と混ざり合う。pH依存性の相転移を受ける血清安定性の製剤又は組成物は、初期エンドソームpH(すなわち、約pH5.5ないし6.5)において細胞融合を増加させ、粒子の内容物、すなわち、生物活性分子の、細胞への効率的な送達を生じる結果となる。
本発明のエンドソーム放出パラメータ(ERP)アッセイを使用して、製剤又は組成物、又は他の脂質ベース担体系の、トランスフェクション効率を最適化し得る。さらに詳細には、ERPアッセイの目的は、製剤又は組成物の種々のカチオン性脂質及びヘルパー脂質成分の効果を、エンドソーム膜の結合/取込み、又は融合/不安定化に対するそれらの相対効果に基づき識別することである。これらのアッセイは、製剤又は組成物又は他の脂質ベース担体系の各成分が、いかにトランスフェクション効率をもたらすかを、定量的に判定させ、それにより製剤又は組成物又は他の脂質ベース担体系を最適化できるようにする。本明細書に説明したように、エンドソーム放出パラメータ、別名ERPは、製剤又は組成物の取込み/細胞 で割った、レポーター遺伝子発現/細胞 として定義される。
当業者には、任意のレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質、その他)が、このアッセイに使用可能であることが容易に分かるであろう。さらに、脂質成分(又は、別法として、製剤又は組成物の任意の成分)を任意の検出可能な標識物で標識し、細胞内への取込みを阻害又は干渉する。本発明のERPアッセイを使用して、当業者は、種々の脂質成分(例えば、カチオン性脂質、中性脂質、PEG−脂質誘導体、PEG−DAGコンジュゲート、ATTA−脂質誘導体、カルシウム、CPL、コレステロール、その他)の、細胞取込み及びトランスフェクション効率に対する強い影響を評価し、それにより製剤siNA組成物を最適化することができる。ERPを、種々の製剤又は組成物の各成分について比較することにより、最適化された系、例えば、最大のトランスフェクション効率と対になった、最大の細胞取込みを有する製剤又は組成物を容易に判定し得る。
本発明のERPアッセイを行うために適当な標識は、制限されないが、スペクトル標識、例えば、蛍光色素(例えば、フルオレセイン及び誘導体、例えば、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)及びオレゴン・グリーン(Oregon Green)9;ローダミン及び誘導体、例えばテキサスレッド(Texas red)、イソチオシアン酸テトラローダミン(TRITC)、その他、ジゴキシゲニン、ビオチン、フィコエリスリン、AMCA、CyDyes、など;放射性標識、例えば、H、125I、35S、14C、32P、33P、その他;酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、その他;スペクトル比色標識、例えば、金コロイド、又は着色ガラス又はプラスチックビーズ、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス、その他を包含する。標識は、当該技術分野において周知の方法を用いて、製剤又は組成物の成分に対し、直接又は間接的に結合し得る。上記に示したように、必要な感度、製剤siNA組成物とのコンジュゲートの容易さ、安定性の要求条件、及び利用可能な機械装備及び廃棄設備に依存して標識を選択することにより、広く多様な標識を使用できる。
さらに、製剤又は組成物、又は他の脂質ベース担体系のトランスフェクション効率は、血清中の組成物の安定性を測定することにより、及び/又は、製剤又は組成物のpH依存性の相転移を測定することにより判定可能であり、これにおいて、製剤又は組成物が血清中で安定であることの判定、及び製剤又は組成物が約pH5.5ないし6.5における相転移を受けることの判定が、製剤又は組成物が増大されたトランスフェクション効率をもつこととなると示している。製剤又は組成物の血清安定性は、例えば、血清中で組成物の相対濁度を測定するアッセイを用いて、血清中の組成物の濁度が、ある時間にわたり一定のままであることを判定することにより測定し得る。製剤又は組成物のpH依存性相転移は、組成物の相対濁度を、一定時間にわたり種々のpHにおいて測定するアッセイを用いて、pHが生理的pHからずれた場合に濁度が変化することを判定することにより、測定可能である。
本発明の核酸分子の活性の最適化
修飾(塩基、糖、及び/又はホスフェイト)を有する化学修飾された核酸分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)は、血清リボヌクレアーゼによる分解を防止することができ、そのことがその効力を増大し得る(例えば、Ecksteinら、国際公開第WO92/07065号;Perrault et al.,1990 Nature 344,565;Pieken et al.,1991 Science 253,314;Usman and Cedergen,1992, Trends in Biochem.Sci.17,334;Usmanら、国際公開第WO93/15187号;及びRossiら、国際公開第WO91/03162号;Sproat、米国特許第5,334,711号;Goldら、米国特許第6,300,074号;及びBurgin et al.,上記、(これらの全ては、参考として本明細書に含まれる)を参照)。上記の参考文献は全て、本明細書に記載された核酸分子の塩基、ホスフェイト、及び/又は糖成分に対し行ない得る種々の化学修飾を記載している。細胞におけるその効力を増強する修飾、及び、オリゴヌクレオチドの合成時間を短縮しかつ必要な化学物質を低減するための、核酸成分からの塩基の除去が望ましい。
当該技術分野においては、核酸分子中に導入されてそのヌクレアーゼ安定性及び効力を有意に増強し得る、糖、塩基、及びホスフェイト修飾を記載しているいくつかの例がある。例えば、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性基、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−Hによる修飾、ヌクレオチド塩基修飾により、安定性を増強し、及び/又は生物活性を増強するべく修飾される(総説については、Usman and Cedergren,1992,TIBS.17,34;Usman et al.,1994,Nucleic Acids Symp.Ser.31,163;Burgin et al.,1996,Biochemistry,35,14090を参照)。核酸分子の糖修飾は、当該技術分野において幅広く記載されてきた(Ecksteinら、国際公開PCT第WO92/07065号;Perrault et al.Nature 1990,344,565−568;Pieken et al.,Science,1991,253,314−317;Usman and Cedergren,Trends in Biochem.Sci.,1992,17,334−339;Usman et al、国際公開PCT第WO93/15187号;Sproat,米国特許第5,334,711号、及びBeigelman et al.,1995,J.Biol.Chem,270,25702;Beigelmanら,国際PCT公開第WO97/26270号、Beigelmanら、米国特許第5,716,824号、Usmanら、米国特許第5,627,053号;Woolfら、国際PCT公開第WO98/13526号、Thomoson et al.,1998年4月20日出願の、USSN60/082,404;Karpeisky et al.,1998,Tetrahedron Lett.,39,1131;Earnshaw and Gait,1998,Biopolymers(Nucleic Acid Sciences),48,39−55;Verma and Eckstein,1998,Annu.Rev.Biochem.,67,99−134;及びBurlina et al.,1997,Bioorg.Med.Chem.,5,1999−2010、(これらの参考文献は全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)を参照)。これらの刊行物は、触媒作用を調製することなく、糖、塩基、及び/又はホスフェイト修飾などを核酸分子中に取込む位置を決定するための、一般的な方法及び戦略を記載しており、参考として本明細書に含まれる。かかる教示を考慮すれば、siNAが細胞内のRNAiを促進する能力が有意に阻害されない限り、本明細書に記載のように同様の修飾を用いて、本発明のsiNA核酸分子を修飾することができる。
ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、及び/又は5’−メチルホスホナート結合による、オリゴヌクレオチドのインターヌクレオチド結合の化学的修飾は、安定性を改善する一方、過剰な修飾は、多少の毒性又は活性の低下を引き起こし得る。それ故、核酸分子の設計においては、これらのインターヌクレオチド結合の量を最小にするべきである。これらの結合の濃度の低減は、毒性を低下させ、結果としてこられの分子の効力を高め、かつ特異性を高くするはずである。
活性を維持又は増強する化学修飾を有するポリヌクレオチド(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)が提供される。かかる核酸はまた、一般に、未修飾核酸よりもヌクレアーゼに対する耐性が高い。したがって、インビトロ及び/又はインビボの活性は、有意に低下しないはずである。調節が目標である場合、外来的に送達された治療用核酸分子は、最適には、望ましくないタンパク質のレベルを低減するべく充分長く標的RNAの翻訳を調節するまで、細胞内に安定しているべきである。この時間は、疾患の状態に依存して、数時間から数日間まで様々である。RNA及びDNAの化学合成における改善(Wincott et al.,1995,Nucleic Acids Res.23,2677;Caruthers et al.,1992,Methods in Enzymology 211,3−19(参考として本明細書に含まれる))により、上記記載のように、ヌクレオチド修飾を導入してそのヌクレアーゼ安定性を増強することにより、核酸分子を修飾する能力が拡大された。
1つの実施態様においては、本発明の核酸分子は、1つ以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上)のG−クランプヌクレオチドを包含する。G−クランプヌクレオチドは、修飾されたシトシン類似体であり、これにおいて、修飾は、二重鎖内の相補的グアニンのワトソン・クリック及びフーグスティーン面の双方に水素結合能を与える(例えば、Lin and Matteucci,1998,J.Am.Chem.Soc.,120,8531−8532を参照)。オリゴヌクレオチド中の単一のG−クランプ類似体置換は、相補的オリゴヌクレオチドに対しハイブリダイズした場合、結果として、らせんの、熱安定性及びミスマッチ識別性の実質的な増強を生じ得る。本発明の核酸分子中にかかるヌクレオチドを包含することにより、核酸標的、相補的配列、又は鋳型鎖に対し、親和性及び特異性の双方の増強を生じる結果となる。別の実施態様においては、本発明の核酸分子は、1つ以上(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上)のLNA「ロック核酸」ヌクレオチド、例えば、2’、4’−Cメチレンビシクロヌクレオチドを包含する(例えば、Wengelら、国際PCT公開第WO 00/66604及びWO 99/14226号を参照)。
別の実施態様においては、本発明は、本発明のsiNA分子のコンジュゲート及び/又は複合体を特徴とする。かかるコンジュゲート及び/又は複合体を用いて、生体系、例えば細胞内へのsiNA分子の送達を促進することができる。本発明により提供されるコンジュゲート及び複合体は、細胞膜を横切って治療用化合物を輸送し、薬物動態を変更し、及び/又は本発明の核酸分子の局在化を調節することにより、治療的活性を与えることができる。本発明は、制限なく、低分子、脂質、コレステロール、リン脂質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸、抗体、毒素、負に帯電したポリマー、及び他のポリマー、例えば、タンパク質、ペプチド、ホルモン、炭水化物、ポリエチレングリコール、又はポリアミンを含め、分子を、細胞の膜を横切って送達するための、新規なコンジュゲート及び複合体の、設計及び合成を包含する。一般に、記載されたトランスポーターは、個別に、又は多成分系の一部として、分解可能なリンカーを用いるか用いずに使用されるべく設計される。これらの化合物は、血清の存在下又は非存在下での、種々の組織に由来する多くの細胞タイプへの、本発明の核酸分子の送達及び/又は局在化を、改善することが予想される(Sullenger and Cech、米国特許第5,854,038号参照)。本明細書に記載の分子のコンジュゲートは、生物分解性であるリンカー、例えば、生物分解性核酸リンカー分子を介して、生物活性分子に対し結合し得る。
用語「生分解性リンカー」は、本明細書で用いる場合、1つの分子を別の分子に、例えば、生物活性分子を本発明のsiNA分子に、又は、本発明のsiNA分子のセンス及びアンチセンス鎖を結合するための生分解性リンカーとして設計されている核酸又は非核酸リンカー分子を指す。生分解性リンカーは、特定の目的、例えば、特定の組織又は細胞タイプへの送達用にその安定性を調節することができるよう設計される。核酸ベースの生分解性リンカー分子の安定性は、種々の化学、例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、及び化学修飾されたヌクレオチド、例えば、2’−O−メチル、2’−フルオロ、2’−アミノ、2’−O−アミノ、2’−C−アリル、2’−O−アリル、及び、他の2’−修飾又は塩基修飾されたヌクレオチドの組合せ、を用いることにより調節可能である。生分解性核酸リンカー分子は、ダイマー、トリマー、テトラマー、又はより長い核酸分子、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであってよく、或いはリンをベースとする結合、例えば、ホスホルアミダート、又はホスホジエステル結合をもつ単一のヌクレオチドを含んでなってもよい。生分解性核酸リンカー分子はまた、核酸骨格、核酸糖、又は核酸塩基修飾を含んでなることも可能である。
用語「生分解性」は、本明細書で用いる場合、生体系における分解、例えば、酵素的分解又は化学的分解を指す。
用語「リン脂質」は、本明細書で用いる場合、少なくとも1つの含リン基を含んでなる疎水性分子を指す。例えば、リン脂質は、リン含有基と飽和又は不飽和アルキル基とを含んでなり、任意で、OH、COOH、オキソ、アミン、又は置換又は未置換のアリール基で置換されていてもよい。
外来的に送達された治療用核酸分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)は、最適には、RNAの逆転写が該RNAの転写物のレベルを低減するべく充分に長く調節されるまで、細胞内に安定している。核酸分子は、有効な細胞内治療剤として機能するためには、ヌクレアーゼに耐性である。本発明において、及び当該技術分野において記載された核酸分子の化学合成における改善は、上記記載のように、ヌクレオチド修飾を導入してそのヌクレアーゼ安定性を増強することにより、核酸分子を修飾する能力を拡大させてきた。
さらに別の実施態様においては、RNAiに関与するタンパク質の酵素活性を維持又は増強する化学修飾を有するsiNA分子が提供される。かかる核酸はまた、一般に、未修飾の核酸よりもヌクレアーゼに対しより抵抗性である。したがって、インビトロ及び/又はインビボにおいて、活性は有意に低下されないはずである。
本発明の核酸ベースの分子の使用は、併用療法の可能性を提供することにより、よりよい治療をもたらすであろう(例えば、異なる遺伝子に対し標的化した多数のsiNA分子;既知の低分子モジュレーターに結合した核酸分子;又は、異なるモチーフ及び/又は他の化学的又は生物学的分子を含む、分子の組合せによる間欠的治療)。
別の態様においては、本発明のポリヌクレオチド分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)は、1つ以上の5’及び/又は3’キャップ構造を、例えば、センスsiNA鎖のみに、アンチセンスsiNA鎖のみ、又は双方のsiNA鎖に含んでなる。
「キャップ構造」により、オリゴヌクレオチドのいずれかの末端において組込まれている化学修飾が意味される(例えば、Adamicら、米国特許第5,998,203号(参考として本明細書に含まれる))。これらの末端修飾は、核酸分子をエキソヌクレアーゼ分解から保護し、かつ、送達及び/又は細胞内局在化を助けてもよい。キャップは、5’末端(5’−キャップ)又は3’末端(3’−キャップ)に存在してもよく、或いは双方の末端に存在してもよい。非限定的例では、5’−キャップは、制限なく、グリセリル、反転デオキシ脱塩基残基(成分);4’、5’−メチレンヌクレオチド;1−(ベータ−D−エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド;炭素環式ヌクレオチド;1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;アルファ−ヌクレオチド;修飾塩基ヌクレオチド;ホスホロジチオアート結合;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’、4’−セコヌクレオチド;非環式3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;非環式3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド;3’−3’−反転ヌクレオチド成分;3’−3’−反転脱塩基成分;3’−2’−反転ヌクレオチド成分;3’−2’−反転脱塩基成分;1,4−ブタンジオールホスフェイト;3’−ホスホルアミダート;ヘキシルホスフェイト;アミノヘキシルホスフェイト;3’−ホスフェイト;3’−ホスホロチオアート;ホスホロジチオアート、又は架橋又は非架橋メチルホスホナート成分を包含する。
非限定的例では、3’−キャップは、制限なく、グリセリル、反転デオキシ脱塩基残基(成分)、4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(ベータ−D−エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド;5’−アミノ−アルキルホスフェイト;1,3−ジアミノ−2−プロピルホスフェイト;3−アミノプロピルホスフェイト;6−アミノヘキシルホスフェイト;1,2−アミノドデシルホスフェイト;ヒドロキシプロピルホスフェイト;1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;アルファ−ヌクレオチド:修飾塩基ヌクレオチド;ホスホロジチオアート;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5’−5’−反転ヌクレオチド成分;5’−5’−反転脱塩基成分;5’−ホスホルアミダート;5’−ホスホロチオアート;1,4−ブタンジオールホスフェイト;5’−アミノ;架橋又は非架橋5’−ホスホルアミダート、ホスホロチオアート及び/又はホスホロジチオアート、架橋又は非架橋メチルホスホナート、及び5’−メルカプト成分を包含する(さらに詳細には、Beaucage and Iyer,1993,Tetrahedron 49,1925;(参考として本明細書に含まれる)を参照)。
用語「非ヌクレオチド」により、1個以上のヌクレオチド単位の代わりに核酸鎖中に導入可能であって、糖又はホスフェイト置換のいずれかを包含しており、かつ残りの塩基がその酵素活性を示すことができるようにする、任意の基又は化合物が意味される。該基又は化合物は、一般に認識されたヌクレオチド塩基、例えば、アデノシン、グアニン、シトシン、ウラシル、又はチミンを含有せず、それ故1’−位に塩基を欠くという点で脱塩基である。
「アルキル基」は、直鎖、分枝鎖、及び環状アルキル基を包含する、飽和脂肪族炭化水素を指す。好ましくは、及び特に反対に述べられない限り、アルキル基は、1ないし12個の炭素を有する。さらに好ましくは、これは、1ないし7個の炭素、より好ましくは1ないし4個の炭素をからなる低級アルキルである。アルキル基は、置換されているか、又は未置換でもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO又はN(CH、アミノ、又はSHである。この用語はまた、直鎖、分枝鎖、及び環式基を含め、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する不飽和炭化水素基であるアルケニル基も包含する。好ましくは、アルケニル基は、1ないし12個の炭素を含有する。さらに好ましくは、これは、1ないし7個の炭素、より好ましくは1ないし4個の炭素をからなる低級アルキルである。アルケニル基は、置換されているか、又は未置換でもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO、ハロゲン、N(CH、アミノ、又はSHである。用語「アルキル」はまた、直鎖、分枝鎖、及び環式基を含め、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する不飽和炭化水素基であるアルキニル基も包含する。好ましくは、アルキニル基は、1ないし12個の炭素を含有する。さらに好ましくは、これは、1ないし7個の炭素、より好ましくは1ないし4個の炭素をからなる低級アルキルである。アルキニル基は、置換されているか、又は未置換でもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO又はN(CH、アミノ、又はSHである。
かかるアルキル基はまた、アリール、アルキルアリール、炭素環式アリール、複素環式アリール、アミド、及びエステル基を包含し得る。「アリール」基は、共役したパイ電子系を有する少なくとも1つの環を有している芳香族基を指し、炭素環式アリール、複素環式アリール、及びビアリール基を包含し、これらは全て、任意で置換されていてもよい。アリール基の好ましい置換基は、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシル、SH、OH、シアノ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアミノ基である。「アルキルアリール」基は、アリール基(上記記載)に共有結合したアルキル基(上記記載)を指す。炭素環式アリール基は、芳香族環の環原子が全て炭素原子である基である。炭素原子は、任意で置換されていてもよい。複素環式アリール基は、1ないし3個のヘテロ原子を芳香族環中の環原子として有し、残りの環原子が炭素原子である基である。適当な複素原子は、酸素、硫黄、及び窒素を包含し、かつ、フラニル、チエニル、ビリジル、ピロリル、N−低級アルキルピロロ、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリルなどを包含し、全てが任意で置換されていてもよい。「アミド」は、−C(O)R−NH−R[式中、Rは、アルキル、アリール、アルキルアリール、又は水素のいずれかである]を指す。「エステル」は、−C(O)−OR’[式中、Rは、アルキル、アリール、アルキルアリール、又は水素のいずれかである]を指す。
本明細書において使用される「ヌクレオチド」により、当該技術分野においては、天然塩基(標準的な)、及び、当該技術分野において周知の修飾塩基を包含することが認識される。かかる塩基は、一般に、ヌクレオチド糖成分の1’位に位置する。ヌクレオチドは一般に、塩基、糖、及びリン酸基を含んでなる。ヌクレオチドは、糖、ホスフェイト、及び/又は塩基成分において、未修飾か、又は修飾されていてもよい(区別なく、ヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、非標準的ヌクレオチドなどとも呼ばれる;例えば、Usman and McSwiggen、上記;Ecksteinら、国際PCT公開第WO92/07065;Usmanら、国際PCT公開第WO93/15187;Uhlman & Peyman、上記(これらは全て、参考として本明細書に含まれる)を参照)。Limbach et al.,1994,Nucleic Acids Res.22,2183により要約されたような、当該技術分野において知られる修飾核酸塩基のいくつかの例がある。核酸分子中に導入し得る塩基修飾のいくつかの非限定的例は、イノシン、プリン、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、シュードウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)、又は6−アザピリミジン又は6−アルキルピリミジン(例えば、6−メチルウリジン)、プロピン、及びその他を包含する(Burgin et al.,1996,Biochemistry,35,14090;Uhlman & Peyman,上記)。この観点において、「修飾塩基」により、1’位における、アデニン、グアニン、シトシン、及びウラシル以外のヌクレオチド塩基、又はそれらの同等物が意味される。
1つの実施態様においては、本発明は、1つ以上のホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、メチルホスホナート、ホスホトリエステル、モルホリノ、アミダートカルバメート、カルボキシメチル、アセトアミデート、ポリアミド、スルホナート、スルホンアミド、スルファマート、ホルムアセタール、チオホルムアセタール、及び/又はアルキルシリル置換を含んでなる、リン酸骨格修飾をもつ、修飾されたポリヌクレオチド分子(例えば、siNA、miRNA、RNAi阻害剤、アンチセンス、アプタマー、デコイ、リボザイム、2−5A、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、又は他の核酸分子)を特徴とする。オリゴヌクレオチド骨格修飾の総説については、Hunziker and Leumann,1995,Nucleic Acid Analogues:Synthesis and Properties, in Modern Synthetic Methods,VCH,331−417、及びMesmaeker et al.,1994,Novel Backbone Replacements for Oligonucleotides,in Carbohydrate Modifications in Antisense Research,ACS,24−39を参照。
「脱塩基」により、塩基を欠くか、又は、1’位において塩基の代わりに他の化学基を有している糖成分が意味される(例えば、Adamicら、米国特許第5,998,203号参照)。
「未修飾ヌクレオシド」により、β−D−リボ−フラノースの1’炭素に結合した、塩基、アデニン、シトシン、グアニン、チミンン、又はウラシルうちの1つが意味される。
「修飾ヌクレオシド」により、未修飾のヌクレオチドの塩基、糖、及び/又はホスフェイトの化学構造中に修飾を含有する任意のヌクレオチド塩基が意味される。修飾ヌクレオチドの非限定的例は、式IないしVII、及び/又は本明細書に記載の他の修飾によって示される。
本発明に記載された2’−修飾ヌクレオチドに関連して、「アミノ」により、2’−NH又は2’−O−NHが意味され、これは修飾又は未修飾でよい。かかる修飾塩基は、例えば、Ecksteinら、米国特許第5,672,695号、及びMatulic−Adamicら、米国特許第6,248,878号(これら双方は、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載されている。
核酸siNA構造に対する種々の修飾を、これらの分子の有用性を高めるべく作成し得る。かかる修飾は、保存寿命、インビトロでの半減期、安定性、及び標的部位に対するかかるオリゴヌクレオチドの導入の容易さを向上させて、例えば、細胞膜の透過を高め、標的細胞を認識及び結合する能力を与えることができる。
「コレステロール誘導体」により、その付加、置換、及び/又は欠失を含む、本質的にコレステロール構造からなる任意の化合物が意味される。本明細書の用語、コレステロール誘導体はまた、当該技術分野において一般に認められている、ステロイドホルモン及び胆汁酸も包含する。
製剤siNA組成物の投与
本発明の製剤又は組成物は、単独で、又は他の療法と組合せて、細胞又は組織における標的遺伝子発現のレベルに関連づけられるか又は応答するであろう、任意の形質、疾患、又は症状を、防止するか、阻害するか、又は低減するべく適合可能である。
1つの実施態様においては、製剤又は組成物は、当業者に既知の多様な方法により、細胞に投与可能であり、制限なく、注射によるか、イオン導入法によるか、又は、生分解性ポリマー、ヒドロゲル、シクロデキストリンといった、他のビヒクル中への取込みによる方法を包含する(例えば、Gonzalez et al.,1999,Bioconjugate Chem.,10,1068−1074;Wangら、国際PCT公開第WO 03/47518及び、WO 03/46185号を参照)。1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物は、膜破壊剤、例えば、米国特許出願公開第20010007666号(図面を含め、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載されたものと複合体形成される。別の実施態様においては、膜破壊剤(単数又は複数)及び生物活性分子はまた、カチオン性脂質又はヘルパー脂質分子、例えば、米国特許第6,235,310号(図面を含め、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載された脂質と複合体形成される。
1つの実施態様においては、本発明の送達系は、例えば、水性及び非水性ゲル、クリーム、マルチプルエマルジョン、マイクロエマルジョン、軟膏、水性及び非水性溶液、ローション、エアロゾル、ハイドロカーボンベース、及び粉末を包含し、かつ、賦形剤、例えば、可溶化剤、浸透増強剤(例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、及びアミノ酸)、及び疎水性ポリマー(例えば、ポリカーボフィル、及びポリビニルピロリドン)を含有し得る。1つの実施態様においては、薬学的に許容される担体は、経皮増強剤である。
1つの実施態様においては、本発明の送達系は、パッチ、タブレット、坐剤、ペッサリー、ゲル、及びクリームを包含し、かつ、賦形剤、例えば、可溶化剤及び増強剤(例えば、ポリエチレングリコール、胆汁酸塩、及びアミノ酸)、及び他のビヒクル(例えば、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル及び誘導体、及び疎水性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒアルロン酸)を含有し得る。
1つの実施態様においては、本発明は、本発明の1つ以上の製剤されたsiNA組成物を、許容される担体、例えば、安定剤、緩衝剤などの中に含んでなる、医薬組成物を特徴とする。本発明の製剤又は組成物は、任意の標準的な手段により、医薬組成物を形成するための、安定剤、緩衝剤などを用いるか用いずに、患者に投与及び導入することができる。本発明の組成物はまた、クリーム、ゲル、スプレー、オイル、及び他の、当該技術分野において既知の、局所、皮膚、又は経皮投与に適した組成物として、製剤及び使用可能である。
1つの実施態様においては、本発明はまた、記載された化合物の薬学的に許容される製剤も包含する。これらの製剤は、上記化合物の塩、例えば、酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、酢酸、及びベンゼンスルホン酸の塩を包含する。
医薬組成物又は製剤は、投与、例えば、細胞又は患者(例えばヒトを含む)内への、全身又は局所投与に適した形態の組成物又は製剤を指す。適当な形態は、部分的に、用途又は、例えば、経口、経皮、又は注射による侵入経路に依存する。かかる形態は、製剤又は組成物が標的細胞(すなわち、そこへのsiNAの送達が望まれる細胞)に到達するのを妨げるべきではない。例えば、血流中に注射された医薬組成物は、可溶性であるべきである。他の因子は、当該技術分野において既知であり、製剤又は組成物がその作用を及ぼすのを妨げる毒性及び形態といった考慮すべき事項を包含する。
1つの実施態様においては、本発明の製剤又は組成物は、薬学的に許容される組成物又は製剤において、全身投与により患者に投与される。「全身投与」により、インビボの全身的吸収、又は血流中への薬物の蓄積とそれに続く全身にわたる分布が意味される。全身的吸収をもたらす投与経路は、制限なく:静脈内、皮下、腹腔内、吸入、経口、肺内、及び筋肉内を包含する。これらの投与経路の各々は、本発明のsiNA分子を、アクセス可能な疾患組織に暴露する。薬剤が循環中に侵入する速度は、分子量又はサイズの関数であることが示されてきた。
「薬学的に許容される製剤」又は「薬学的に許容される組成物」により、本発明の製剤分子A組成物を、その所望の活性に最も適した物理学的位置において有効に分布させることができる組成物又は製剤が意味される。本発明の製剤又は組成物を用いた製剤に適する薬剤の非限定的例は:P−糖タンパク質阻害剤(例えば、プルロニック(Pluronic)P85)、生分解性ポリマー、例えば、徐放送達用のポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)微小球(Emerich,DF et al.,1999,Cell Transplant,8,47−58);及び負荷されたナノ粒子、例えばポリブチルシアノアクリラートから製されたものを包含する。本発明の核酸分子の送達戦略の、他の非限定的例は、Boado et al.,1998,J.Pharm.Sci.,87,1308−1315;Tyler et al.,1999,FEBS Lett.,421,280−284;Pardridge et al.,1995,PNAS USA.,92,5592−5596;Boado,1995,Adv,Drug Delivery Rev.,15,73−107;Aldrian−Herrada et al.,1998,Nucleic Acids Res.,26,4910−4916;及びTyler et al.,1999,PNAS USA.,96,7053−7058に記載されている物質を包含する。
本発明はまた、薬学的に有効な量の所望の化合物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に包含する、貯蔵又は投与用に調製された組成物も包含する。治療的使用のための許容される担体又は希釈剤は、医薬の技術分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro edit.1985)(参考として本明細書に含まれる)に記載されている。例えば、保存剤、安定剤、染料、及び着香剤を提供することができる。これらは、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルを包含する。さらに、酸化防止剤及び懸濁化剤が使用可能である。
薬学的に有効な用量は、疾患状態を予防、阻害、又は治療(病状をある程度、好ましくは全ての病状を緩和する)ために必要な用量である。薬学的に有効な用量は、疾患のタイプ、用いる組成物、投与経路、治療される哺乳類の種類、検討されている特定の哺乳類の物理的特性、及び、医学分野の当業者が認識するであろう、他の因子に依存する。一般に、製剤siNA組成物の効力に依存して、0.1mg/kgないし100mg/kg体重/日の量が投与される。
本発明の製剤又は組成物は、通常の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、及び/又はビヒクルを含有する用量単位剤形において、経口的、局所的、非経口的、吸入又はスプレーにより、又は経直腸的に投与可能である。本明細書で用いる用語「非経口的」は、経皮、皮下、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、又は髄腔内注射、又は輸液技術などを包含する。さらに、本発明の製剤又は組成物と、薬学的に許容される担体とを含んでなる、医薬製剤が提供される。本発明の1つ以上の製剤又は組成物は、1つ以上の非毒性の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントと、また所望であれば、他の活性成分と一緒に存在することができる。本発明の製剤又は組成物を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、タブレット、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、硬又は軟カプセル、又は、シロップ又はエリキシルでよい。
経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野において既知の任意の方法により調製可能であり、かかる組成物は、薬学的にエレガントで美味な製品を提供する目的で、1つ以上のかかる甘味剤、着香剤、着色剤、又は保存剤を含有し得る。タブレットは、活性成分を、タブレットの製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム;造粒剤又は崩壊剤、例えば、コーンスターチ、又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、又はアラビアゴム;及び潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクであってよい。タブレットは、コートされていなくてもよく、又は、既知の技術によりコートされていてもよい。ある場合には、既知の技術により、かかるコーティングを調製して、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅延させ、それにより、より長時間の持続作用を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリル、又はジステアリン酸グリセリルといった、時間遅延物質が使用可能である。
経口使用のための製剤はまた、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合されている、硬ゼラチンカプセルとして、或いは、活性成分が、水又は油状媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合されている、軟カプセルとして提供可能である。
水性懸濁液は、活性成分を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に含有する。かかる賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムであり;分散又は湿潤剤は、天然ホスファチド、例えばレシチン、又は、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又は、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンでよい。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、例えば、エチル、又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾアート、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤、及び1つ以上の甘味剤、例えばスクロース、又はサッカリンも含有してよい。
油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油か、又は鉱物油、例えば流動パラフィン中に懸濁することにより製剤してもよい。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有してもよい。甘味剤、及び着香剤は、美味な経口用製剤を提供するために添加し得る。これらの組成物を、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸の添加により保存してもよい。
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存剤との混合物中に提供する。適当な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤は、上記のすでに列挙されたものに例示される。付加的な賦形剤、例えば、甘味剤、着香剤、及び着色剤もまた存在してよい。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形状であってもよい。油性相は、
植物油、鉱物油、又はこれらの混合物でよい。適当な乳化剤は、天然ゴム、例えば、アラビアゴム、又はトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えばダイズ、レシチン、及び、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステル又は部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、及び、前記部分エステルと、エチレンオキシドとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンでよい。エマルジョンはまた、甘味、及び着香剤を含有してもよい。
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコース又はスクロースを用いて製剤してもよい。かかる製剤はまた、粘滑剤、保存剤、着香剤及び着色剤を含有してもよい。医薬組成物はまた、無菌の注射用の水性又は油性の懸濁液であってもよい。この懸濁液は、上述の適当な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤を用いて、当該技術分野において知られるように製剤し得る。無菌の注射用製品はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の、無菌の注射用溶液又は懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であってよい。使用可能な許容されるビヒクル及び溶媒は、なかんずく、水、リンガー液、及び等張の塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒体として便利に使用される。この目的のためには、合成モノ−又はジグリセリドを含め、任意の無刺激性の固定油を使用し得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸を、注射用の製品において使用する。
本発明の製剤又は組成物はまた、例えば、薬剤の直腸投与用に、坐剤の形態で投与し得る。これらの組成物は、薬剤を、常温では固定であるが直腸温度では液体であり、それ故直腸内では融解して薬物を放出することができる、適当な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製し得る。かかる物質は、カカオバター、及びポリエチレングリコールを包含する。
本発明の製剤又は組成物は、無菌の媒体中で、非経口的に投与し得る。薬剤は、用いるビヒクル及び濃度に依存して、ビヒクル中に懸濁されるか、又は溶解されていてもよい。有利なことに、局所麻酔剤、保存剤、及び緩衝剤といったアジュバントを、ビヒクル中に溶解することができる。
上記に示した症状の治療においては、キログラム体重当たり、1日当たり、約0.1mgないし約140mgのオーダーの投与量レベルが有用である(患者当たり、1日当たり、約0.5mgないし約7g)。担体物質と組合せて単一の剤形を生成しうる活性成分の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に依存して異なる。単位剤形は、一般に、約1mgないし約500mgの活性成分を含有する。
任意の特定の患者のための特定の用量レベルは、用いた特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、投与経路、及び排出速度、薬剤の併用、及び治療を受けている特定の疾患の重さを含む、種々の因子に依存することが理解される。
非ヒト動物に投与するためには、組成物はまた、動物飼料又は飲料水に添加してもよい。動物が治療上適切な量の組成物を飼料と一緒に摂取するよう、動物飼料及び飲料水組成物を配合することが便利であってよい。組成物を、飼料又は飲料水に添加するためのプレミックスとして提供することもまた便利であってよい。
本発明の製剤又は組成物はまた、他の治療用化合物と組合せて、患者に投与して、全体的な治療効果を高めることもできる。1つの適応症を治療するために、多数の化合物を用いて、副作用の存在を低減しながら、薬効を増大することができる。
実施例1:任意のRNA配列中の潜在的なsiNA標的部位の同定
興味のあるRNA標的、例えば、ウイルス又はヒトのmRNA転写物(例えば、本明細書においてGenBankアクセッション番号によって言及した任意の配列)を、例えば、コンピュータフォールディングアルゴリズムを使用することにより、標的部位についてスクリーンする。非限定的例では、データベース、例えばGenbank由来の遺伝子又はRNA遺伝子転写物の配列を使用して、標的に対し相補性を有するsiNA標的を生成する。かかる配列は、データベースから入手可能であるか、又は当該技術分野において知られるように実験的に判定し得る。既知の標的部位、例えば、リボザイム又はアンチセンスといった他の核酸分子を用いた研究に基づき有効な標的部位と判定された標的部位、又は、突然変異又は欠失を含有する部位のような、疾患、形質、又は症状に関連することが知られている標的を用いて、これらの部位を標的化するsiNA分子を設計することができる。種々のパラメータを使用して、標的RNA配列中のどの部位が最適の標的部位であるかを判定することができる。これらのパラメータは、制限なく、二次又は三次のRNA構造、標的配列のヌクレオチド塩基組成、標的配列の種々の領域間の相同性の程度、又はRNA転写物内の標的配列の相対的位置を包含する。これらの判定に基づき、RNA転写物内の任意の数の標的部位を選んで、効力について、例えば、インビトロのRNA切断アッセイ、細胞培養、又は動物モデルを用いることにより、siNA分子をスクリーンすることができる。非限定的例では、使用されるべきsiNAコンストラクトのサイズに基づき、1ないし1000個の標的部位が、転写物内のどこからでも選ばれる。当該技術分野において既知の方法、例えば、標的遺伝子発現の効率的な低減を判定するためのマルチウエル又はマルチプレートアッセイを用いて、siNA分子をスクリーニングするためのハイスループットスクリーニングアッセイを開発することができる。
実施例2:RNAにおけるsiNA分子標的部位の選択
以下の非限定的工程を用いて、所与の遺伝子配列又は転写物を標的化するsiNAの選択を行うことができる。
1.標的配列を、インシリコで解析して、標的配列内に含有される特定の長さ、例えば23ヌクレオチドフラグメントの、全フラグメントまたはサブ配列のリストとする。この工程は、典型的には、特注のPerlスクリプトを用いて行うが、Oligo、MacVector、又はGCG Wisconsin Packageといった、市販の配列分析プログラムも同様に使用し得る。
2.ある場合には、siNAは2つ以上の標的配列に対応する;これらは、例えば、同じ遺伝子内の異なる転写物を標的化するか、2つ以上の遺伝子の異なる転写物を標的化するか、又はヒト遺伝子及び動物ホモログの双方を標的化する場合であろう。この場合、特定の長さのサブ配列リストを各標的について生成し、次いで、リストを比較してマッチング配列を各リスト中に検出する。サブ配列を次に、所与の配列を含有する標的配列の数に従ってランク付けする;この目的は、標的配列の殆ど又は全てに存在するサブ配列を検出することである。或いはまた、ランク付けにより、標的配列に固有のサブ配列、例えば突然変異標的配列を同定し得る。かかるアプローチは、突然変異配列を特異的に標的化し、かつ正常配列の発現には影響を及ぼさないsiNAの使用を可能にするであろう。
3.ある場合には、siNAサブ配列は、所望の標的配列中に存在しながら、1つ以上の配列中には不在である;これらは、siNAが、標的化されずに残るべきパラロガス(paralogous)ファミリーメンバーをもつ遺伝子を標的化している場合であろう。上記2の場合のように、各標的について特定の長さのサブ配列リストを生成し、次にリストを比較して、標的遺伝子には存在するが、標的化されないパラログには存在しない配列を検出する。
4.ランク付けされたsiNAサブ配列を、さらに分析し、GC含有量に従ってランク付けする。30ないし70%GC含有部位を優先することができ、40ないし60%GC含有部位をさらに優先することができる。
5.ランク付けされたsiNA配列は、自己フォールディング及び内部ヘアピンに従って、さらに分析及びランク付けが可能である。弱い内部フォールディングが好ましい;強いヘアピン構造は、避けるべきである。
6.ランク付けされたsiNA配列は、それらが配列中にGGG又はCCCの連続をもつかどうかに従って、さらに分析及びランク付けが可能である。いずれかの鎖中のGGG(又はさらに多いG)は、オリゴヌクレオチド合成を問題が多いものとし、かつRNAi活性を潜在的に妨害し得るため、よりよい配列が利用可能である場合は常に、これを避けるようにする。CCCは、GGGをアンチセンス鎖に置くことになるため、標的鎖中で検索する。
7.ランク付けされたsiNAサブ配列は、それらがジヌクレオチドUU(ウリジジヌクレオチド)を配列の3’末端に、及び/又はAAを配列の5’末端にもつかどうか(アンチセンス鎖上に3’UUを生じる)に従って、さらに分析及びランク付けが可能である。これらの配列は、末端TTチミジンジヌクレオチドをもつsiNA分子の設計を可能にする。
8.上記記載のサブ配列のランク付けされたリストから、5ないし4個の標的部位を選択する。例えば、23ヌクレオチドを有するサブ配列においては、選択された各23−merサブ配列の右側の21ヌクレオチドを、それ故、siNA二重鎖の上(センス)鎖用に設計及び合成し、一方、選択された各23−merサブ配列の左側の21ヌクレオチドの逆補完物を、それ故、siNA二重鎖の下(アンチセンス)鎖用に設計及び合成する。末端TT残基が配列(例えば、パラグラフ7で記載したような)に求められる場合には、それ故、オリゴヌクレオチドの合成に先立ち、センス及びアンチセンス両鎖の2つの3’末端ヌクレオチドをTTによって置き換える。
9.siNA分子を、インビトロ、細胞培養、又は動物モデル系においてスクリーンし、最も活性のあるsiNA分子、又は、標的RNA配列中の最も好適な標的部位を同定する。
10.標的核酸配列を選択する場合、他の設計上考慮すべき事項を使用することができる(例えば、Reynolds et al.,2004,Nature Biotechnology Advanced Online Publication,2004年2月1日、doi:10.1038/nbt936、及びUi−Tei et al.,2004,Nucleic Acids Research,32,doi:10.1093/nar/gkh247参照)。
別のアプローチにおいては、標的配列に特異的なsiNAコンストラクトのプールを使用して、標的RNAを発現する細胞、例えば、ジャーカット(Jurkat)、ヒーラ(HeLa)、A549、又は293T細胞において、標的部位についてスクリーンする。標的RNAを発現している細胞を、siNAコンストラクトのプールでトランスフェクトし、標的阻害に関連した表現型を示す細胞を分類する。siNAコンストラクトのプールは、適当なベクター中にインサートされた転写カセットから発現可能である。ポジティブな表現型変化(例えば、増殖の低下、標的mRNAレベルの低下、又は標的タンパク質発現の低下)を示している細胞からのsiNAを、シーケンスして、標的RNA配列内の最適の標的部位を判定する。
1つの実施態様においては、本発明のsiNA分子を、以下の方法論を用いて選択する。以下のガイドラインに準拠して、本明細書に記載の化学修飾を含有する高活性siNAを予測した。これらのルールは、高活性(標的mRNAレベルの>75%のノックダウン)及び不活性(標的mRNAレベルの<75%のノックダウン)siNAの、いくつかの異なる標的に対する比較分析から生じた。全242個のsiNA配列を分析した。242siNAのうちの35個のsiNAは、高活性群に、そして残りのsiNAは、不活性群に分類された。高活性siNAは、siNA配列内の特定のヌクレオチド位置において、ある塩基について明らかに嗜好性を示した。例えば、A又はU核塩基は、高活性siNAのセンス鎖の位置19において圧倒的に存在し、不活性siNAについはその反対であった。高活性siNAのセンス鎖の、位置15−19の間のA/Uリッチ(5塩基のうち3つをA又はUとする)領域、及び位置1−5の間のG/Cリッチ領域(5塩基のうち3つをG又はCとする)というパターンもあった。表Vに示したように、そのような12のパターンが同定され、これは高活性siNAに特徴的であった。全てのパターンが高活性siNAの各々に存在するのではないことに注目されるべきである。したがって、高活性siNAを予想するためのアルゴリズムを設計するため、各パターンについて異なるスコアが割り当てられた。高活性siNA対不活性siNAにおいて、かかるパターンがどの程度頻繁に生じる下に依存して、設計パラメータに最高が10であるスコアを割り当てた。ある核塩基が1つの位置において好適でない場合、負のスコアを割り当てられる。例えば、センス鎖の位置9及び13において、Gヌクレオチドは高活性siNAにおいて好適ではなかったため、それには−3(マイナス3)のスコアが与えられた。各パターンについてのディファレンシャルスコアが表Vに示されている。パターン#4は、最大スコア−100が与えられた。これは主として、4G又は4Cの連なりを含有する任意の配列を取り除くためであり、その理由は、それらが合成には極めて不適合であり得て、かつ配列を自己集合させることができ、したがってsiNAを不活性にするからである。このアルゴリズムを用いると、任意のsiNAの最大可能スコアは、66である。妥当なサイズ(〜1000ヌクレオチド)の、任意の所与の標的に対し、多数の可能なsiNA配列があることから、このアルゴリズムは高活性siNAを生成するために有用である。
1つの実施態様においては、表Vに示したルール1ないし11を用いて、本発明の活性siNA分子を生成する。別の実施態様においては、表Vに示したルール1ないし12を用いて、本発明の活性siNA分子を生成する。
実施例3:siNA設計
siNA標的部位は、上記実施例3に記載されたパラメータを用いて標的RNA配列の配列を分析すること、及び任意で、上記実施例3において提示されたルールに基づき、及び代わりに、フォールディング(標的に対するsiNAのアクセシビリティを判定するために分析された任意の所与の配列の構造)に基づき、標的部位に優先順位を付けることによるか、或いは、実施例3に記載したsiNA分子のライブラリを用いることによるか、又は本明細書の実施例6に記載のインビトロsiNA系を用いることにより選択した。siNA分子は、それぞれの標的に結合し得るように設計し、かつ上記のアルゴリズムを用いて選択し、かつ任意で、コンピュータフォールディングにより個別に分析して、siNA分子が標的配列と相互作用できるかどうかを評価した。化学修飾の基準を、本明細書に記載の安定化化学のモチーフに基づき(例えば、表I参照)、化学修飾されたsiNA分子の設計に応用した。種々の長さのsiNA分子を選択して、活性を最適化することができる。一般に、標的RNAに結合するか、又はさもなければそれと相互作用するべく、充分な数の相補的ヌクレオチド塩基が選択されるが、相補性の程度は、種々の長さ又は塩基組成物のsiNA二重鎖に適応するべく調節可能である。かかる方法論を用いることにより、siNA分子は任意の既知のRNA配列、例えば、任意の遺伝子転写物に対応するRNA配列内の部位を標的とするべく設計し得る。
標的RNA配列を分析して標的を生成し、そこから二本鎖siNA及び多機能性分子を設計した。合成siNAコンストラクトを生成するため、実施例3に記載のアルゴリズムを利用して、活性二本鎖コンストラクト及びその化学修飾バージョンを選択した。多機能性siNAは、異なる標的配列間の相同部位(例えば、標的間の、約5ないし約15ヌクレオチド領域の共有されたホモロジー)を検索すること、及び非標準塩基対(例えば、3個までのゆらぎ塩基対合(G:U)又はミスマッチ塩基対(例えば、2個までのミスマッチ)を可能にすることにより、設計される。
化学修飾されたsiNAコンストラクトを、本発明に記載のように設計して、RNAi活性の媒介能を保持しながら、インビボでの全身投与のためのヌクレアーゼ安定性及び/又は改善された薬物動態、局在化、及び送達特性を提供する。本明細書に記載の化学修飾は、本明細書に記載の合成法及び当該技術分野において一般に知られている合成法を用いることにより、合成的に導入される。合成siNAコンストラクトは、次に、血清及び/又は細胞/組織抽出物(例えば、肝臓抽出物)中で、ヌクレアーゼ安定性についてアッセイされる。合成siNAコンストラクトはまた、適当なアッセイ、例えば、本明細書に記載のルシフェラーゼレポーターアッセイ、又はRNAi活性を定量化し得る他の適当なアッセイを用いて、RNAi活性についても並行して試験される。ヌクレアーゼ安定性及びRNAi活性の双方をもつ合成siNAコンストラクトを、さらに修飾して、安定性及び活性のアッセイにおいて再評価することができる。安定化された活性siNAコンストラクトの化学修飾を、次に、任意の選択されたRNAを標的とする任意のsiNA配列に適用して、例えば、標的スクリーニングアッセイにおいて用いて、治療薬開発用のリードsiNA組成物を選ぶことができる。
実施例4:siNAの化学合成及び精製
siNA分子は、RNAメッセージ中の種々の部位、例えば、本明細書に記載のRNA配列内の標的配列と相互作用するべく設計可能である。siNA分子の一方の鎖の配列は、上述の標的部位の配列に相補的である。siNA分子は、本明細書に記載の方法を用いて、化学合成することができる。コントロール配列として使用される不活性siNA分子は、siNA分子の配列をスクランブルすることにより合成して、標的配列に相補的でないようにすることができる。一般に、siNAコンストラクトは、本明細書に記載の固相オリゴヌクレオチド合成法を用いて合成可能である(例えば、Usemanら、米国特許第5,804,683;5,831,071;5,998,203;6,117,657;6,353,098;6,362,323;6,437,117;6,469,158号;Scaringeら、米国特許第6,111,086;6,008,400;6,111,086号(これらは全て、その記載全体が参考として本明細書に含まれる)を参照)。
非限定的例においては、RNAオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において既知のホスホルアミダイト化学を用いて、段階的な様式で合成される。標準的なホスホルアミダイト化学は、5’−O−ジメトキシトリチル、2’−O−tert−ブチルジメチルシリル、3’−O−2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト基、及び環外アミン保護基(例えば、N6−ベンゾイルアデノシン、N4−アセチルシチジン、及びN2−イソブチリルグアノシン)のいずれかを含んでなるヌクレオシドの使用を包含する。或いはまた、Scaringe(上記)によって記載されたように、2’−O−シリルエーテルを、酸不安定性2’−O−オルトエステル保護基と一緒に、RNAの合成において使用し得る。異なる2’化学は、異なる保護基を必要とし、例えば、Usemanら米国特許第5,631,360号(参考としてその記載全体が本明細書に含まれる)によって記載されたように、2’−デオキシ−2’−アミノヌクレオシドは、N−フタロイル保護を利用し得る。
固相合成の間に、各ヌクレオチドを順番に(3’−から5’−方向に)、固体支持体結合オリゴヌクレオチドに対し付加する。鎖の3’末端の最初のヌクレオシドを、固体支持体(例えば、調整した多孔質ガラス又はポリスチレン)に対し、種々のリンカーを用いて共有結合させる。ヌクレオチド前駆体、リボヌクレオシドホスホルアミダイト、及び活性化剤を混ぜ合せ、結果として、第2のヌクレオシドホスホルアミダイトを、第1のヌクレオシドの5’末端上にカップリングさせる。次いで、支持体を洗浄し、そして未反応の5’−ヒドロキシル基を無水酢酸のようなキャッピング試薬でキャップして、不活性の5’−アセチル基を生じる。次いで、3価のリン結合を酸化して、より安定なリン酸結合とする。ヌクレオチド付加サイクルの最後に、適当な条件(例えば、トリチルベース基用には酸性条件、シリルベース基用にはフッ化物)下に、5’−O−保護基を切断する。このサイクルを、後続の各ヌクレオチドについて繰り返す。
合成条件を修正することにより、例えば、合成されるべきsiNAの特定の化学組成に依存して、異なるカップリング時間、異なる試薬/ホスホルアミダイト濃度、異なる接触時間、異なる固体支持体及び固体支持体リンカー化学を用いることにより、カップリング効率を最適化することができる。siNAの脱保護及び精製は、一般に、Usmanら、米国特許第5,831,071号;米国特許第6,353,098号;米国特許第6,437,117号;及びBellonら、米国特許第6,054,576号;米国特許第6,162,909号;米国特許第6,303,773号、又はScaringe(上記)(その記載全体が参考として本明細書に含まれる)に記載されたように行ない得る。さらに、脱保護条件を修正して、最大可能な収率及び純度のsiNAコンストラクトを得ることができる。例えば、本出願人は、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチドが、不適切な脱保護条件下に分解し得ることを観察した。かかるオリゴヌクレオチドは、水性メチルアミンを用いて、約35℃で30分間脱保護する。2’−デオキシ−2’−フルオロ含有オリゴヌクレオチドが、リボヌクレオチドも含んでなる場合には、水性メチルアミンによる約35℃において30分間の脱保護の後、TEA−HFを添加して、反応を約65℃においてさらに15分間維持する、脱保護されたsiNAの単鎖を、陰イオン交換により精製して、高い収率を維持しながら、高純度を達成する。siNA二重鎖分子を形成するためには、単鎖を、食塩水において等しいモル比で混ぜ合わせ、二重鎖を形成する。二重鎖siNAが構築され、凍結乾燥に先立ち、タンジェンシャル濾過により脱塩される。
siNA組成物の製造
非限定的例では、それぞれのsiNA組成物について、2つの個々のsiNAの相補鎖を、固相合成を用いて別々に合成し、次いで、イオン交換クロマトグラフィーにより個別に精製する。相補鎖をアニールして、二本鎖(二重鎖)を形成する。二重鎖を次に、限外濾過し、そして凍結乾燥して、固体siNA組成物(例えば、医薬組成物)を形成する。製造プロセスの非限定的例を、表VIの工程系統図に示す。
固相合成
単鎖オリゴヌクレオチドを、自動固相合成装置、例えば、アマーシャム・ファルマシア(Amersham Pharmacia)AKTA Oligopilot(例えば、Oligopilot又はOligopilot 100plus)において、ホスホルアミダイト化学を用いて合成する。調節可能な合成カラムに、第1のヌクレオチド残基で誘導体化した固体支持体を詰める。合成を、酸不安定性の5’−O−ジメトキシトリチル基の脱トリチル化によって開始し、5’−ヒドロキシルを放出する。ホスホルアミダイト及び適当な活性化剤をアセトニトリル中で、同時に合成カラムに与え、結果として5’−ヒドロキシルに対するアミダイトのカップリングを生じる。次に、カラムをアセトニトリルで洗浄する。ヨウ素をポンプによりカラムに通して、亜リン酸トリエステル結合P(III)を酸化してそのリン酸トリエステルP(V)類似体とする。未反応の5’−ヒドロキシル基を、無水酢酸のような試薬を用いて、2,6−ルチジン及びN−メチルイミダゾールの存在下にキャップする。伸長サイクルを、次のホスホルアミダイト取込みのための脱トリチル化によって再開する。このプロセスを、所望の配列が合成されるまで繰返す。合成は、末端ジメトキシトリチル基の除去によって終結する。
切断及び脱保護
合成の完了時に、固体支持体及び結合したオリゴヌクレオチドを濾過用漏斗に移し、真空下に乾燥させ、反応容器に移す。水性塩基を添加し、混合物を加熱して、スクシニル結合の切断、シアノエチルリン酸保護基の除去、及び環外アミン保護の脱保護を成し遂げる。
以下のプロセスを、リボヌクレオチドを含有しない単鎖に対して行なう:固体支持体を水性塩基で処理した後、混合物を減圧下に濾過して、脱保護された粗合成物質から固体支持体を分離する。次に、固体支持体を水ですすぎ、これを濾液と混ぜ合わせる。得られた塩基性溶液を酸で中和して、粗単鎖の溶液を得る。
以下のプロセスを、リボヌクレオチドを含有する単鎖に対して行なう:固体支持体を水性塩基で処理した後、混合物を減圧下に濾過して、脱保護された粗合成物質から固体支持体を分離する。次に、固体支持体をジメチルスルホキシド(DMSO)ですすぎ、これを濾液と混ぜ合わせる。混合物を冷却し、フッ化物試薬、例えば、トリエチルアミントリヒドロフルオリドを添加し、そして溶液を加熱する。反応を、適当な緩衝液でクエンチして、粗単鎖の溶液を得る。
陰イオン交換精製
それぞれの粗単鎖の溶液を、クロマトグラフィー精製を用いて精製する。生成物を、適当な緩衝液勾配を用いて溶出する。分画を密閉無菌容器に収集し、HPLCにより分析し、適当な分画を合わせて生成物のプールを得て、これを、純度(HPLC)、同定(HPLC)、及び濃度(UV A260)について分析する。
アニーリング
生成物のプールの分析に基づき、等モル量(理論的な吸光係数を用いて算定)のセンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチド鎖を、反応容器に移す。溶液を混合し、クロマトグラフィー法により二重鎖の純度について分析する。もし分析によってどちらかの鎖の過剰が示されれば、追加の非過剰の鎖を二重鎖形成が完了するまで滴定する。分析によって標的生成物の純度が達成されたとき、濃縮及び脱塩のため、材料をタンジェンシャルフロー濾過(TFF)システムに移す。
限外濾過
アニールされた生成物の溶液を、適当な分子量カットオフ膜を含有するTFFシステムを用いて濃縮する。濃縮に続き、生成物溶液を、WFI品質ウォーターを用いた透析濾過により、濾液の伝導率が水の伝導率になるまで脱塩する。
凍結乾燥
濃縮した溶液を、棚式凍結乾燥器の無菌トレーに移す。生成物を次に、凍結乾燥して粉末とする。凍結乾燥器からトレーを移し、パッケージング用にクラス100ラミナーエアフロー(Laminar Air Flow:LAF)フードに移す。
薬剤物質のパッケージング
凍結乾燥された生成物を含有する凍結乾燥トレーを、クラス100LAFフード内で開ける。生成物を、適当なサイズの無菌容器に移し、これを次に密閉してラベル付けする。
薬剤物質容器密閉システム
凍結乾燥された薬剤物質を、無菌キャップ付きの無菌ナルゲン(Nalgene)容器内にバルクパッケージする。使用されるボトルサイズは、それに入れる物質の量に依存する。充填後、各ボトルをさらに、クロージャーにおいてポリエチレンテープで密封する。
分析法及び明細
原料及びインプロセス法
原料は、薬剤物質製造プロセスへの投入に先立ち、同定のため試験する。薬剤物質分子中に取込まれる、重要な原料は、さらに、純度試験又は適当なアッセイテストを用いて試験する。インプロセスサンプルを、製造プロセスにおけるキーコントロールポイントにおいて試験して、最終薬剤物質の品質を監視及び保証する。
薬剤物質分析法及び明細
コントロールを取り入れた、オリゴヌクレオチド用の分析法及び許容基準を、バルクsiNA組成物の臨床試験に先立ち確立した。以下の試験法及び許容基準は、これらのコントロールの例を示している。表VIIは、siNA医薬組成物用の材料明細の例を要約している。
分析法の要約
同定(ID)試験
ID オリゴヌクレオチド主ピーク:薬剤物質の同定は、クロマトグラフィー法を用いて確立される。この判定に用いたデータは、HPLC試験法(純度試験を参照)の1つによって生成される。薬剤物質サンプル及び標準注入物のピーク保持時間を比較する。薬剤物質同定は、主ピーク保持時間の好適な比較により支持される。
分子量:薬剤物質の同定は、分光法を用いて確立される。薬剤物質のサンプルは、酢酸アンモニウム水溶液を用いた沈澱により、分析用に調製する。薬剤物質の分子量は、質量分析法により判定する。この試験は、理論分子量からの原子質量単位の設定数内に制御される。
融解温度:この方法は、二本鎖薬剤物質の融解温度(Tm)の測定により、薬剤物質の同定を支持する。溶液中のサンプルを、溶液の紫外線(UV)吸収をモニターしながら加熱する。Tmは、二重鎖が単鎖に解離することにより吸収が増大したときの、吸収曲線の変曲点によって表示する。
アッセイ試験
オリゴヌクレオチド含有量:このアッセイは、薬剤物質中の全オリゴヌクレオチド含有量を判定する。オリゴヌクレオチドは、260nmに極大値をもってUV光を吸収する。存在するオリゴヌクレオチド種は、二本鎖siNA生成物と、残留性の単鎖を含む、製造プロセスからの、他の少量のオリゴヌクレオチド物質とからなる。薬剤物質のサンプルを正確に秤量し、溶解し、かつ容積測定により水に希釈する。吸収は、石英セル内で、UV分光光度計を使用して測定する。全オリゴヌクレオチドアッセイ値は、実験的に判定された、常用標準器のモル吸光係数を用いて計算し、固体薬剤物質1ミリグラム当たりのナトリウムオリゴヌクレオチドのミリグラムとして記録する。
純度試験:純度は、1つ以上のクロマトグラフィー法を用いて測定されるであろう。存在する薬剤物質の分離及び核酸類似体の数に依存して、オルソゴナル分離法を用いてAPIの純度をモニターしてもよい。分離は、以下の手段により実現する:
SAX−HPLC:オリゴヌクレオチドホスホジエステルと強アニオン交換HPLCカラムとの間の、緩衝塩勾配を用いた、分離を行なうためのイオン交換相互作用。
RP−HPLC:オリゴヌクレオチドと疎水性逆相HPLCカラムとの間の、水性緩衝液対有機溶媒を用いた、分離を行なうための分配相互作用。
キャピラリーゲル電気泳動(CGE):ゲルを充填したキャピラリー内での、緩衝溶液中の分子ふるいによる電気泳動的分離。分離は、電場を適用したときに起こり、アニオン性オリゴヌクレオチドに、それらがゲルマトリックスを通って移動する際に分子サイズによって分離させるようにする。全ての分離法において、ピークは一般にオリゴヌクレオチドの長さの順に溶出し、260nmにおいてUVにより検出される。
他の試験
物理的外観:薬剤物質サンプルを、視覚的に検査した。この試験は、物質が、凍結乾燥された固体の特徴をもつことを判定し、固体の色を同定し、かつ任意の可視的な汚染物質が存在しないかを判定する。
細菌内毒素試験:細菌内毒素試験を、リムルス変形細胞溶解産物(LAL)アッセイにより、96ウエルプレートにおけるカイネティック比濁法を用いて行なう。薬剤物質に関する内毒素許容限度は、賦形剤と混ぜ合わせたとき、投与された薬剤製品中のエンドトキシンの毎日の許容濃度限界を超えないよう、適切に設定されるであろう。
好気性汚染微生物数:好気性汚染微生物数は、委託研究所により、USP第61章に基づく方法を用いて実施する。
アセトニトリル含有量:残留アセトニトリル分析は、委託研究所により、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて実施する。アセトニトリルは、上流の合成工程において使用される主要な有機溶媒であるが、他のいくつかの有機試薬も合成において使用される。後続の精製プロセスの工程は、典型的には薬剤物質中の溶媒を除去する。他の溶媒は、プロセス開発作業の結果に依存してモニターしてもよい。溶媒は、ICH規制値以内に制限されるであろう。
水分含有量:水分含有量は、容積測定カールフィッシャー(KF)滴定法により、固体エバポレーターユニット(オーブン)を用いて判定する。水は、典型的には、核酸薬剤物質中に、組成物の数重量パーセントとして存在しており、それ故モニターされる。
pH:再構成された薬剤物質のpHをモニターして、ヒトへの注射に対する適合性を確実にする。
イオン含有量:ナトリウム、塩化物、及びリン酸塩についての試験は、委託研究所により、標準的な原子吸光及びイオンクロマトグラフィー法を用いて行なわれるであろう。一般的なイオンモニタリングを実行して、薬剤物質を取り込んでいる薬剤製品のモル浸透圧が確実に生理学的許容範囲内になるようにする。
金属含有量:関連する金属についての試験は、委託研究所により、標準的な分析法、誘導結合プラズマ(ICP)分光法を用いて行なう。
実施例5:siNA活性を評価するためのRNAiインビトロアッセイ
無細胞系においてRNAiを再現するインビトロアッセイを用いて、RNA標的を標的とするsiNAコンストラクトを評価する。アッセイは、標的RNAを用いた使用に適合され、Tuschl et al.,1999,Genes and Development,13,3191−3197、及びZamore et al.,2000,Cell,101,25−33により記載された系を含んでなる。多核性胞胚に由来するショウジョウバエ抽出物を用いて、インビトロでRNAi活性を再構成する。標的RNAは、適当な標的発現プラスミドからの、T7RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写によるか、又は本明細書に記載の化学合成により生成する。センス及びアンチセンスsiNA鎖(例えば、各々20uM)を、緩衝液(例えば、100mM酢酸カリウム、30mM HEPES−KOH、pH7.4、2mM酢酸マグネシウム)中で、90℃で1分間、続いて37℃で1時間インキュベートすることによりアニールし、次に、溶解緩衝液(例えば100mM酢酸カリウム、30mM HEPES−KOH、pH7.4、2mM酢酸マグネシウム)中に希釈する。アニーリングは、ゲル電気泳動により、アガロースゲル上で、TBE緩衝液中でモニターして、エチジウムブロミドで染色することができる。ショウジョウバエ溶解物は,OregonRハエからのゼロないし2時間齢の胚を用いて、酵母糖密寒天上に収集して調製し、これを、漿膜を除いて溶解する。溶解物を遠心分離し、上清を単離する。アッセイは、50%溶解物[vol/vol]、RNA(10ないし50pMの終濃度)、及び10%[vol/vol]siNAを含む溶解緩衝液(10nM最終濃度)を含有する反応混合物を含んでなる。反応混合物はまた、10mM クレアチンリン酸、10ug/mlのクレアチンホスホキナーゼ、100uM GTP、100uM UTP、100uM CTP、500uM ATP、5mM DTT、0.1U/uL RNasin(プロメガ(Promega))、及び100uMの各アミノ酸を含有する。酢酸カリウムの終濃度を、100mMに調整する。反応は、氷上で予め組立て、25℃で10分間プレインキュベートした後、RNAを添加し、次いで25℃でさらに60分間インキュベートする。反応を、4量の1.25xPassive Lysis Buffer(プロメガ)でクエンチする。標的RNAの切断は、RT−PCR分析、又は当該技術分野において既知の他の方法によりアッセイし、反応からsiNAを省いたコントロール反応と比較する。
別法として、アッセイ用に内部標識した標的RNAを、[アルファ−32P]CTPの存在下でのインビトロ転写により調製し、スピンクロマトグラフィーによりG50セファデックスカラムを通し、さらなる精製なしに標的RNAとして使用する。任意で、標的RNAを、T4ポリヌクレオチドキナーゼ酵素を用いて5’−32P末端標識してもよい。アッセイは、上述のように行ない、標的RNA及びRNAiにより生成される特異的RNA切断産物を、ゲルのオートラジオグラフィーで可視化する。切断のパーセントは、インタクトなコントロールRNA、又はsiNAなしのコントロール反応からのRNA、及びアッセイにより生成された切断産物を表わすバンドの、PHOSPHOR IMAGER(登録商標)(オートラジオグラフィー)定量により判定する。
1つの実施態様においては、このアッセイを用いて、siNA媒介性RNAi切断のための、標的RNA標的の標的部位を判定し、これにおいては、例えば、標識された標的RNAの電気泳動によるか、又はノーザンブロッティングにより、並びに当該技術分野において周知の他の方法論により、複数のsiNAコンストラクトを、標的RNA標的のRNAi媒介性の切断についてスクリーンする。
実施例6:標的RNAの核酸阻害
ヒト標的RNAを標的としたsiNA分子を、上述のように設計及び合成する。これらの核酸を、インビボの切断活性について、例えば、以下の方法を用いて試験することができる。
2つのフォーマットを用いて、標的を標的とするsiNAの効力を試験した。第1に、試薬を、細胞培養において試験して、RNA及びタンパク質阻害の程度を判定する。siNA試薬を、本明細書に記載のように、標的に対し選択する。RNA阻害は、これらの試薬を適当なトランスフェクション剤によって細胞に送達した後に測定する。増幅のリアルタイムPCRモニタリング(例えば、ABI7700 TAQMAN(登録商標))を用いて、アクチンに対する標的RNAの相対量を測定する。比較は、無関係の標的に対し作成されたオリゴヌクレオチド配列の混合物に対して、又は、全体の長さ及び化学は同じであるが各位置にランダムに置換されているランダム化siNAコントロールに対して行なう。標的に対し、一次及び二次のリード試薬を選択し、最適化を行なう。最適のトランスフェクション試薬濃度を選択した後、リードsiNA分子を用いて、RNA阻害のタイムコ−スを実施する。さらに、細胞播種フォーマットを用いて、RNA阻害を判定することができる。
細胞に対するsiNAの送達
細胞は、トランスフェクションの前日に、例えば、EGM−2(BioWhittaker)中で、6ウエルディッシュのウエル当たり1x10細胞で播種する。製剤siNA組成物を、ポリスチレン管において、EGM基本培地(Bio Whittaker)中で、37℃で30分間複合体化する。ボルテックスした後、複合体化した製剤siNA組成物を各ウエルに添加し、示された時間インキュベートする。最初の最適化実験では、細胞は、例えば1x10で96ウエルプレートに播種し、記載されたようにsiNA複合体を添加する。細胞に対するsiNA送達の効率は、脂質と複合体化した蛍光siNAを使用して判定する。6ウエルディッシュ中の細胞を、siNAとともに24時間インキュベートし、PBSですすぎ、2%パラホルムアルデヒド中で、室温で15分間固定する。siNAの取込みは、蛍光顕微鏡を用いて可視化する。
TAQMAN(登録商標)(増幅のリアルタイムPCRモニタリング)及び光サイクラーによるmRNAの定量
siNA送達の後、例えば、6−ウエル用にはキアゲン(Qiagen)RNA精製キットを、又は96ウエルアッセイ用にはRneasy抽出キットを用いて、細胞から全RNAを調製する。TAQMAN(登録商標)分析(増幅のリアルタイムPCRモニタリング)用には、二重標識されたプローブを、5’末端に共有結合されたレポーター色素、FAM又はJOE、及び3’末端にコンジュゲートされたクエンチャー色素、TAMRAを用いて合成した。ワンステップRT−PCR増幅を、例えば、ABI PRISM7700 シーケンス・ディテクター(Sequence Detector)で、10μl 全RNA、100nM 前向きプライマー(forward primer)、900nM 逆向きプライマー(revers primer)、100nM プローブ、1X TaqMan PCR反応緩衝液(PE−アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems))、5.5mM MgCl、300μM 各dATP、dCTP、dGTP、及びdTTP、10U RNアーセ阻害剤(プロメガ)、1.25U AMPLITAQ GOLD(登録商標)(DNAポリメラーゼ)(PE−アプライド・バイオシステムズ)、及び10U M−MLV リバース・トランスクリプターゼ(Reverse Transcriptase)(プロメガ)からなる、50μlの反応を用いて行なう。熱サイクリング条件は、48℃で30分間、95℃で10分間、次に、95℃で15秒間及び60℃で1分間を40サイクル、からなってもよい。mRNAレベルの定量は、連続的に希釈した全細胞RNA(300、100、33、11ng/rxn)から生成した標準に比較して判定し、平行したTAQMAN(登録商標)反応(増幅のリアルタイムPCRモニタリング)におけるβ−アクチン又はGAPDH mRNAに対し標準化する。興味の各遺伝子について、アッパー及びロウワープライマー(upper and lower primer)、及び蛍光標識したプローブを設計する。特定のPCR産物中へのSYBR GreenI色素のリアルタイムの取込みは、ラクトサイクラーを用いてガラスキャピラリー管内で測定し得る。標準曲線は、各プライマー対について、コントロールcRNAを使用して生成する。値は、各サンプル中のGAPDHに対する相対的発現として表わされる。
ウエスタンブロッティング
核抽出物を、標準的なマイクロ調製技術(例えば、Andrews and Faller,1991,Nucleic Acids Research,19,2499を参照)を用いて調製することができる。上清からのタンパク質抽出物は、例えば、TCA沈澱を用いて調製される。同体積の20%TCAを、細胞上清に添加し、氷上で1時間インキュベートし、5分間の遠心分離によりペレット化する。ペレットをアセトン中で洗浄し、乾燥させ、水中に再懸濁する。細胞タンパク質抽出物を、10%ビス−トリス NuPage(核抽出物)、又は4ないし12%トリス−グリシン(上清抽出物)ポリアクリルアミドゲルに流し、そしてニトロセルロース膜に移す。非特異的結合は、例えば、5%脱脂乳と1時間、その後一次抗体と4℃で16時間インキュベートすることにより阻止し得る。洗浄の後、二次抗体、例えば(1:10,000希釈)を、室温で1時間適用し、SuperSignal試薬(ピアス(Pierce))でシグナル検出する。
実施例7:製剤siNA組成物の血清安定性の評価
本明細書に議論されたように、製剤された脂質組成物のトランスフェクション又は送達効率を判定するための1つの方法は、インビトロで、製剤組成物の血清中の安定性を判定することである。比濁度測定を用いて、製剤siNA組成物のインビトロの血清安定性を判定することができる。
濁度測定を用いて、脂質粒子製剤、L065、F2、L051、及びL073の血清安定性をモニターした(L051及びL073の脂質製剤については、図14及び15を参照)。L065の脂質製剤は、カチオン性脂質CpLinDMA、中性脂質DSPC、コレステロール、及び2kPEG−DMGを含んでなる。脂質製剤F2は、DODAPを含んでなる。50%血清の存在及び非存在下に、製剤siNA組成物(0.1mg/ml)の吸収を、対応する量の血清のみをリファレンスとして、モレキュラー・ディバイス(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)からのSpectraMax(登録商標)Plus384マイクロプレート分光光度計の使用により、500nmにおいて測定した。製剤を、37℃でインキュベートし、そして2分間、5分間、10分間、20分間、30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、7時間、及び27時間で分析した。比濁度は、サンプルの濁度を、50%血清中で2分間インキュベートされた製剤siNA組成物の濁度で割ることにより判定した。時間が経過しても比濁度が1.0付近に一定したままであれば、製剤又は組成物は血清中で安定である。図17に示したように、製剤siNA組成物、L065、L051、及びL073は、血清安定性の脂質ナノ粒子組成物である。図39に示したように、製剤siNA組成物、L077、L080、L082、及びL083は、血清安定性の脂質ナノ粒子組成物である。
実施例8:製剤siNA組成物のpH依存性相転移の評価
さらに、製剤siNA組成物のトランスフェクション又は送達効率は、製剤組成物のpH依存性相転位をインビトロで測定することにより判定し得る。比濁度を用いて、製剤siNA組成物のpH依存性相転位をインビトロで判定することができる。
濁度測定を用いて、製剤siNA組成物、L065、L051、F2、L073、及びL069の相転移をモニターした。pH3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、及び9.0の0.1Mリン酸緩衝液中での脂質粒子製剤(0.1mg/ml)の吸収を、対応する量の緩衝液のみをリファレンスとして、モレキュラー・ディバイス(Molecular Devices、Sunnyvale,CA)からのSpectraMax(登録商標)Plus384マイクロプレート分光光度計の使用により、350nmにおいて測定した。このアッセイは、種々のpHにおける製剤の相対的光散乱を測定する。比較的大きい粒子サイズをもつラメラ構造(すなわち、血清安定性構造)は、対応するインバーティッドヘキサゴナル構造よりも、より光を散乱すると期待される。サンプルを37℃でインキュベートし、2分間、5分間、10分間、30分間、及び2時間で分析した。比濁度は、サンプルの濁度を、pH7.5のリン酸緩衝液中で2分間インキュベートされた製剤siNA組成物の濁度で割ることにより判定した。pH7.5ないし5.0の間で測定したとき、比濁度に変化があれば、製剤又は組成物はpH依存性相転移を受ける。図18に示したように、製剤siNA組成物、L051及びL073は、pH6.5ないしpH5.0において、pH依存性相転移を受ける。図19に示したように、製剤siNA組成物、L069は、pH6.5ないしpH5.0において、pH依存性相転移を受ける。図40に示したように、製剤siNA組成物、L077、L080、L082、及びL083、は、pH6.5ないしpH5.0において、pH依存性相転移を受ける。
実施例9:慢性HBV感染モデルにおける製剤siNA組成物の評価
siNAナノ粒子活性のインビトロ分析
HepG2細胞を、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム(90%)、及び10%ウシ胎児血清(ハイクローン(HyClone)、カタログ番号SH30070.03)を加えたEMEM(セルグロ(Cellgro)、カタログ番号10−010−CV)において増殖させた。複製コンピテントcDNAを、psHBV−1ベクターからのHBVゲノム配列の切り出し再連結によって生成した。HepG2細胞(3x10細胞/ウエル)を、96ウエルマイクロタイタープレートに播種し、一晩インキュベートした。形成されたカチオン性脂質/DNA複合体は(終濃度で)、カチオン性脂質(11ないし15μg/mL)、及び再連結したpsHBV−1(4.5μg/mL)を、増殖培地中に含有していた。37℃で15分間のインキュベーションの後、20μLの複合体を、抗生物質なしの培地80μL中に播種されたHepG2細胞に添加した。37℃で7.5時間後、次に培地を除去し、細胞を培地で1回すすぎ、100μLの新鮮な培地を各ウエルに添加した。ウエルあたり50μLのsiNAナノ粒子製剤(製剤の詳細については実施例9を参照)(培地中に3X濃度に希釈)を添加し、濃度ごとに3つのレプリケートウエルを用いた。細胞を4日間インキュベートし、次いで培地を除去し、HBsAgレベルについてアッセイした。図21は、製剤された(製剤L051、表IV)活性siNA処理細胞からのHBsAgレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示す。図22は、製剤された(製剤L053及びL054、表IV)活性siNA処理細胞からのHBsAgレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示す。図23は、製剤された(製剤L051、表IV)活性siNA処理細胞からのHBsAgレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示す。図36は、製剤された(製剤L083及びL084、表IV)活性siNA処理細胞からのHBsAgレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示す。図37は、製剤された(製剤L077、表IV)活性siNA処理細胞からのHBsAgレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示す。図38は、製剤された(製剤L080、表IV)活性siNA処理細胞からのHBsAgレベルを、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較して示す。これらの研究において、ナノ粒子製剤、L051、L053、及びL054を用いた、活性製剤siNAで処理された細胞では、HBsAgレベルに用量依存性の低減が見られたのに対し、ネガティブコントロール処理細胞では何ら低減は見られなかった。この結果は、製剤siNA組成物が細胞に侵入し、細胞のRNAiマシーナリに有効にかかわって、ウイルス遺伝子発現を阻害することを示している。
HBV複製のマウスモデルにおける製剤siNA活性の分析
化学的に安定化したsiNAナノ粒子(製剤の詳細については実施例9参照)組成物の、HBVに対する活性を評価するため、製剤siNA組成物(製剤L051、表IV)の全身投与を、マウス系統NOD.CB17−Prkdcscid/J(ジャクソン・ラボラトリ(Jacson Laboratory、Bar Harbor,ME))において、HBVベクターのハイドロダイナミック注入(HDI)に従って行なった。雌マウスは、5ないし6週齢であり、実験の時点で約20グラムであった。用いたHBVベクター、pWTDは、完全HBVゲノムのヘッドツーテイルダイマーである。20グラムのマウスには、食塩水中にpWTDを含有する全注入液1.6mlを、5秒以内で尾静脈内に注入した。マウス当たり、全0.3μgのHBVベクターを注入した。HDIにより引き起こされる破壊から肝臓を回復させるため、製剤siNA組成物の投与は、HDIの6日後に開始した。被包された活性のある、又はネガティブコントロールsiNAを、標準的なIV注射により、3mg/kg/日にて3日間投与した。群(N=5)の動物は、最終回投与の3及び7日後に犠牲にし、血清HBV DNA及びHBsAgのレベルを測定した。HBV DNAタイターを、定量的リアルタイムPCRにより測定し、平均log10 コピー/ml(±SEM)として表わした。血清HBsAgレベルは、ELISAによりアッセイし、平均log10 pg/ml(±SEM)として表わした。PBS及びネガティブコントロール群に比較して、活性製剤siNA組成物処理群では、3及び7日の双方の時点において、血清HBV DNA(図24及び41)及びHBsAg(図25、36、37、及び38)に、有意な低減が観察された。
材料及び方法
オリゴヌクレオチド合成及びキャラクタリゼーション
全てのRNAは、本明細書に記載されたように合成した。相補鎖は、PBS中でアニールし、脱塩し、そして凍結乾燥した。活性部位263HBVsiNAの配列を、図20に示す。インビボで使用した修飾されたsiNAを、HBV263M及びHBV1583Mと呼び、一方、未修飾リボヌクレオチド及び反転脱塩基末端キャップを含有するバージョンを、HBV263R及びHBV1583Rと呼ぶ。ある薬物動態研究は、別の2つの部位を標的とするsiNA、HBV1580M及びHBV1580Rで行なった。
HCV無関係コントロール用のsiNA配列は:
センス鎖:5’B−cuGAuAGGGuGcuuGcGAGTT−B 3’(配列番号:1)
アンチセンス鎖:5’CUCAAGcccuucAGTsT 3’(配列番号:2)
(式中、小文字=2’−デオキシ−2’−フルオロ;大文字、イタリック=2’−デオキシ;大文字、下線=2’−O−メチル;大文字、太字=リボヌクレオチド;T=チミジン;B=反転デオキシ脱塩基;及びs=ホスホロチオアート)
反転コントロール配列は、5’から3’への反転である。
HBsAg ELISAアッセイ
HBsAgのレベルを、ジェネティック・システムス(Gentetic Systems)/バイオラド(Bio−Rad)(Richmond,VA)HBsAg ELISAキットを用いて、製造業者の指示に従って測定した。HBVベクターでトランスフェクトされていない細胞の吸収を、アッセイ用のバックグラウンドとして使用し、したがって、サンプルの実験値から差し引いた。
HBV DNA分析
ウイルスDNAは、50μLのマウス血清から、QIAmp 96DNABloodキット(Qiagen,Valencia,CA)を用いて、製造業者の指示に従って抽出した。HBV DNAレベルは、ABI Prism 7000配列検出装置(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems,Foster City,CA))を用いて分析した。定量リアルタイムPCRは、以下のプライマー及びプローブ配列を使用して行なった:
前向きプライマー 5’−CCTGTATTCCCATCCCATCGT(配列番号3:HBVヌクレオチド2006−2026)、逆向きプライマー 5’−TGAGCCAAGAGAAACGGACTG(配列番号4:HBVヌクレオチド2063−2083)、及びプローブFAM 5’−TTCGCA AAATACCTATGGGAGTGGGCC(配列番号5、HBVヌクレオチド2035−2062)。完全長HBVゲノムを含有するpsHBV−1ベクターを、血清1mL当たりのHBVコピーを計算するための標準曲線として使用した。
実施例10:HCV感染のインビトロHCVレプリコンモデルにおける製剤siNA組成物の評価
HCVレプリコン系を使用して、HCV RNAを標的とするsiNAの効力を調べた。試薬は、Huh7細胞を用いた細胞培養(例えば、Randall et al.,2003,PNAS USA,100,235−240を参照)において試験し、RNA阻害の程度を判定した。siNAは、本明細書に記載されたように、HVC標的に対して選択した。HCV位置304用の、活性siNA配列は、以下の通りである:センス鎖(配列番号1)、アンチセンス鎖(配列番号2)(これらは上記実施例8において不活性配列として用いた)。この研究に用いたsiNA不活性コントロール配列は、HBV位置263を標的とし、以下の通りである:センス鎖(配列番号6);アンチセンス鎖(配列番号7)(これらは上記実施例8において活性配列として用いた)。活性及び不活性siNAを、上記実施例9に記載したように、製剤L051、L053、又はL054として製剤した。安定にトランスフェクトされたクローンA HCVサブゲノムレプリコン(Apath,LLC,St.Luis,MO)を含有するHuh7細胞は、5mlの100X(10mM)非必須アミノ酸(インビトロジェン(Invitrogen)、カタログ番号11140−050)、5μLの200mM グルタミン(Cellugro、カタログ番号25−005−C1)、50μLの熱不活化ウシ胎児血清(Invitrogen、カタログ番号26140−079)、及び1mg/mL G418(Invitrogen、カタログ番号11811−023)を加えたDMEM(Invitrogen、カタログ番号11965−118)中で増殖させた。siNA製剤によるトランスフェクションでは、細胞は、ウエル当たり9,800個の細胞を、96ウエル コスター(CoStar)組織培養プレートに、NEAA及び10%FBS(抗生物質なし)を加えたDMEMを用いて播種する。20ないし24時間後、終濃度1ないし25nM用の、製剤されたsiNAで細胞をトランスフェクトした。3日間のインキュベートした後、細胞を溶解し、RNaqueous−96キット(アンビオン(Ambion)、カタログ番号1920)を使用し、製造業者の指示に従ってRNAを抽出した。図26は、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較した、製剤された(製剤L051、表IV)活性siNA処理細胞からの、HCV RNAレベルを示す。図27は、未処理又はネガティブコントロール処理細胞に比較した、製剤された(製剤L053及びL054、表IV)活性siNA処理細胞からの、HCV RNAレベルを示す。これらの研究においては、製剤L051、L053、及びL054を用いて、活性製剤siNA処理した細胞では、HCV RNAレベルに用量依存性の低減が見られたのに対し、ネガティブコントロール処理細胞では何ら低減は見られない。この結果は、製剤siNA組成物が細胞に侵入し、ウイルス遺伝子発現を効率的に阻害し得ることを示している。
実施例11:気管内投与後の未製剤及び製剤siNAの肺分布
肺に対するsiNA分子の送達効率を判定するため、未製剤siRNA(裸の)、コレステロールコンジュゲートsiNA、又は、製剤された分子組成物中のsiRNA(T018.1及びT019.1)を、気管からマウスの肺へ投与した。未製剤siNAは、裸の核酸を含んでなる。コレステロールコンジュゲートsiNAは、コレステロールに結合されたsiNAを含んでなる。製剤された分子組成物、T018.1及びT019.1は、各々、DOcarbDAP、DSPC、コレステロール、及びPEG−DMG;及びDODMA、DSPC、コレステロール、及びPEG−DMGを用いて製剤されたsiNAを含んでなる。3匹の雌のC57B1/6マウスからなる群を、ケタミン及びキシラジンによる麻酔下に置いた。濾過した投与溶液を、1.0mg/kgの二重鎖siRNAにて、siRNA(TGFβ位置1264 安定化化学7/8)をエアロゾル化するための、ペンセンチュリー(Penncentury)モデル#1A−1Cマイクロスプレー及びPenncenturyモデル#FMJ250シリンジとを用いて、気管から直接肺へ投与した。動物に、未製剤siNA、コレステロールコンジュゲートsiNA、又は、製剤された分子組成物中のsiNAを投与した。投与の1、24、又は72時間後、動物を安楽死させ、放血し、無菌の獣医学用グレードの食塩水で心臓を通して灌流した。肺を除去し、予め秤量したホモジナイズ用チューブに入れ、ドライアイス上で凍結させた。肺重量は、チューブプラス肺を秤量した後に引き算することにより測定した。肺組織中のsiNAのレベルは、ハイブリダイゼーションアッセイを用いて測定した。図28は、(i)未製剤siNA、(ii)コレステロールコンジュゲートsiNA、又は(iii)製剤された分子組成物、T018.1及びT019.1中のsiNAの直接投与の後の、肺組織中のsiNAのレベルを示す。肺組織における暴露の半減期は、未製剤siNAでは3ないし4時間、コレステロールコンジュゲートsiNAでは9時間、及び、製剤された分子組成物、T018.1及びT019.1中のsiNAでは37ないし39時間であった。
実施例12:本発明のsiNA LNP製剤を用いた種々の細胞系のトランスフェクション効率
本発明のLNP製剤のトランスフェクション効率を、6.12脾臓、Raw264.7腫瘍、MM14Lu、NIH3T3、D10.G4.1、Th2ヘルパー、及び肺初代マクロファージ細胞を含む、種々の細胞系において、内在MAPキナーゼ14(p38)遺伝子発現を標的とすることにより測定した。MapK14(p38a)に対する有力なリードsiNAを、リポフェクタミン(Lipofectamine)2000(LF2K)を送達剤として用いたインビトロスクリーニングにより選択した。このsiNAのセンス鎖配列は、5’− B cuGGuAcAGAccAuAuuGATT B −3’(配列番号6)を、そしてアンチセンス鎖配列は、5’− UCAGGucuccAGTsT −3’(配列番号7)を含んでいた(式中、小文字=2’−デオキシ−2’−フルオロ;大文字、イタリック=2’−デオキシ;大文字、下線=2’−O−メチル;大文字、太字=リボヌクレオチド;T=チミジン;B=反転デオキシ脱塩基;及びs=ホスホロチオアート)。
所有のMapK14標的化LNPをスクリーンし、培養細胞において、LF2K及び、不活性siNAを含有するLNPコントロールと比較した。さらに、リードLNPを、用量依存法で試験して、IC50値を判定した。結果を表Vに要約する。図41は、RAW264.7マウスマクロファージ細胞における、MapK14位置1033を標的とするLNP58及びLNP98製剤についての効力データを示す。図42は、MM14.Lu正常マウス肺細胞における、MapK14位置1033を標的とするLNP98製剤についての効力データを示す。図43は、6.12Bリンパ球細胞における、MapK14位置1033を標的とするLNP54、LNP97、及びLNP98製剤についての効力データを示す。図44は、NIH 3T3細胞における、MapK14位置1033を標的とするLNP98製剤についての効力データを示す。図45は、RAW264.7細胞における、MapK14RNAの、MapK14LNP54、及びLNP98製剤siNAによる用量依存性の低減を示す。図46は、MM14.Lu細胞における、MapK14RNAの、MapK14LNP98製剤siNAによる用量依存性の低減を示す。図47は、6.12B細胞における、MapK14RNAの、MapK14LNP97及びLNP98製剤siNAによる用量依存性の低減を示す。図48は、NIH 3T3細胞における、MapK14RNAの、MapK14LNP98製剤siNAによる用量依存性の低減を示す。
LF2Kトランスフェクション法:
以下の方法を、LF2Kトランスフェクションに使用した。20ないし24時間後、細胞を、0.25又は0.35uLのリポフェクタミン2000/ウエル、及び0.15又は0.25uLの/ウエルの、25nMsiNAとの複合物を用いてトランスフェクトした。リポフェクタミン2000を、OptiMEMと混合し、少なくとも5分間静置した。0.25uLのトランスフェクションでは、各複合体用に、1uLのLF2Kを、99uLのOptiMEMと混合した。0.35uLのトランスフェクションでは、各複合体用に、1.4uLのLF2Kを、98.6uLのOptiMEMと混合した。0.15uLのトランスフェクションでは、各複合体用に、0.60uLのSilentFectを、99.4uLのOptiMEMと混合した。0.30uLのトランスフェクションでは、各複合体用に、1.2uLのSilentFectを、98.2uLのOptiMEMと混合した。siNAを、マイクロタイターチューブ(BioRad#223−9395)に加え、次にOptiMEMを添加して、4つのウエルに使用するべき全体積100uLを作成した。100uLの、リポフェクタミン2000/OptiMEM混合物を添加し、チューブを、中程度の速度で10秒間ボルテックスし、そして室温で20分間静置した。チューブを急速にボルテックスし、ウエル当たり50uLを添加し、これは100のuL培地を含有した。処理細胞からのRNAは、24、48、72、及び96時間で単離した。
LNPトランスフェクション法:
以下の方法を、LNPトランスフェクションに使用した。細胞は、96ウエルプレートにおいて、100uLの完全増殖培地中で、5,000ないし30,000細胞/ウエルの範囲で所望の濃度に播種した。24時間後、完全増殖培地中の5X濃度のLNPを細胞上に希釈することによって細胞をトランスフェクトした(25uLの5Xは、結果として1Xの終濃度を生じる)。処理細胞からのRNAは、24、48、72、及び96時間で単離した。
実施例13:喘息のマウスモデルにおける気道過敏の低減
OVA誘発性気道過敏モデルを用いて、インターロイキン4R(IL−4Rアルファ)を標的とするLNP製剤siNA分子を、気道過敏を低減する効力について評価した。本研究において使用した、IL−4Rアルファを標的とする活性siNAの、センス鎖配列は、5’− B ucAGcAuuAccAAGAuuAATT B−3’ (配列番号8)を含んでなり、かつアンチセンス鎖配列は、5’−UUAucuuGGAAcuGATsT−3’ (配列番号9)を含んでいた(式中、小文字=2’−デオキシ−2’−フルオロ;大文字、イタリック=2’−デオキシ;大文字、下線=2’−O−メチル;大文字、太字=リボヌクレオチド;T=チミジン;B=反転デオキシ脱塩基;及びs=ホスホロチオアート)。0日及び7日目に、動物を、等量のImjectAlum中に混合した0.4mg/mLのOVA/食塩水溶液(最終注入液0.2mg/mL)の、腹腔内注射により免疫化した(100uL/マウス)。PBS(w/o Ca2+,Mg2+)中に調製した、LNP−51製剤IL−4R−アルファ位置1111siNA(USSN 11/001,347(参考として本明細書に含まれる)を参照)、又は無関係なコントロールを、17日目に開始して26日目に終了する全10回の気管内投与qd(1日1回)により送達した。24、25、及び26日目に、マウスを、OVA(食塩水中1.5%)で、パリ(Pari)LCエアロゾルネブライザーを用いて30分間エアロゾルチャレンジした。動物は、気道機能分析に先立ち、24時間休息させた。28日目に、気道応答性を、エアロゾル化したメタコリンによるチャレンジの後、バクスコ(Buxco)全身型プレチスモグラフを用いて評価した。メタコリンチャレンジの後、動物を安楽死させた。気管切開を行ない、肺を0.5mLの食塩水で2回洗浄した。肺の洗浄は、動物の胸部をマッサージしながら行ない、全ての洗浄液を収集して氷上に置いた。サイトスピン調製を行って、白血球分画用に、BAL液から細胞を集めた。結果は図49に示されており、これは、LNPビヒクル単独及び未処理(naive)動物に比較して、用量応答性(0.01、0.1、及び1mg/kg)の製剤siNAの活性を明らかに示している。
実施例14:LNP製剤siNAを用いたインビボのヒトハンチントン(htt)遺伝子発現における有効な低減
ハンチントン病(HD)は、ハンチントン(htt)タンパク質のポリグルタミン(ポリQ)トラクトの延長によって引き起こされる、優性の神経変性疾患である。httにおけるポリQ延長は、皮質及び線状体のニューロン細胞の損失と、脳細胞内にhtt含有凝集体の形成を誘導する。HD患者には、進行性の、精神医学的、認知的、及び運動の機能障害、及び若年死がある。マウスモデルにおける初期の研究は、疾患表現型の開始後の突然変異体タンパク質の低減が運動機能障害を改善し、かつhtt凝集体の負荷を低減し得ることを示した。したがって、患者の脳内の突然変異体httの低減は、疾患を改善するかもしれない。
最近の研究は、HDマウスモデルにおいて、短鎖干渉RNA(siNA)を発現するウイルスベクターを用いて、突然変異体httの低減が、この疾患の行動的及び神経病理学的特徴の開始から動物を防御したことを示している(Harper et al.,2005,PNAS USA,102:5820−5参照)。この研究を利用して、非ウイルス的方法により、合成されたsiNAを直接脳に送達することが同様に有効であり得るかどうかを判定した。このアプローチは、用量用法を変更できることを含め、多くの利点をもつ。化学修飾されたsiNA、配列5’−B AccGuGuGAAucAuuGucuTT B−3’(配列番号10)を有するセンス鎖、及びアンチセンス鎖5’− AGAcAAGAuucGGuTsT−3’(配列番号11)を、脂質ナノ粒子(LNP)製剤中に被包した製剤、LNP−061、LNP−098、及びLNP−101(表IV参照)を、この研究において利用した。これらの配列においては、小文字は、2’−デオキシ−2’−フルオロを表わし、大文字はリボヌクレオチドを表わし、下線付き大文字は、2’−O−メチルヌクレオチドを表わし、Tはチミジン、sはホスホロチオアート、そしてBは反転デオキシ脱塩基である。種々のLNP製剤中に被包されたsiNA二重鎖を、その完全長httのサイレンシング能について、インビトロでスクリーンし、続いてインビボで試験した。アルゼット(Alzet)浸透圧ポンプを用いて、LNP中に被包されたsiNAを、0.1ないし1mg/mlの範囲の濃度で(8.4ないし84μgの範囲の全用量)、側脳質又は線状内に、それぞれ7日又は14日間注入した。スクランブルコントロール配列、又は未処理の脳に比較して、QPCRによって測定されたとき、LNP−061及びLNP−098製剤siNAで処理された動物において、httmRNAレベルに印象的な80%の低減が観察された。結果を図50に示す。
実施例15:非標的化核酸を含有する担体LNPの添加による、LNP製剤siNAの強化されたRNAi活性
本明細書の種々の実施態様及び実施例に示したように、本出願人は、生物活性分子、例えば低分子干渉核酸(siNA)分子を効率的に被包する、いくつかの脂質ナノ粒子(lNP)製剤を開発してきた。これらのLNP製剤されたsiNAの、マウスにおける静脈内経路による注入は、結果として肝臓のような標的臓器への効率的な送達を生じ、かつ、意図した標的の強力かつ特異的なノックダウンを生じる(上記実施例9を参照)。LNP製剤されたsiNAの局所送達もまた、結果として標的臓器、例えば肺及びCNSへの効率的な送達を生じ、かつ、意図した標的の強力かつ特異的なノックダウンを生じる(上記実施例13及び14を参照)。これらの製剤siNAはまた、組織培養細胞を効率的にトランスフェクトし、かつ特異的なRNAi活性を示す(実施例12参照)。本出願人は、本明細書において、製剤siNA組成物を、本発明の非標的化ポリヌクレオチド担体分子と一緒に利用することにより、脂質ベースの送達ビヒクルを用いた生物活性分子の送達を強化するための、一般的な方法論を記載する。
LNP製剤された不活性担体分子と一緒にLNP製剤された、活性siNA組成物の、強化されたインビトロ活性
LNP製剤されたHBV263siNAのIC50を算定するため、用量応答性研究を、本明細書の実施例9に記載したように、B型肝炎ウイルス(HBV)を安定に発現するHepG2細胞において行なった。L124(表IV)LNP製剤されたHBV263siNAの濃度シリーズを、2つの異なる方法で調製した。最初のシリーズでは、活性siNAを、組織培養培地中に直接希釈して、所望の濃度を達成する。第2のシリーズでは、活性製剤siNAを、担体LNP被包コントロールsiNA(HBV263反転配列)で希釈して、全siNA濃度の終濃度を、各サンプルで同じに保つようにする(詳細は実験のセクションを参照)。図51に示したように、製剤された担体コントロールsiNAの存在下に調製された、活性製剤siNAシリーズは、製剤された担体コントロールsiNAを含有しない活性製剤siNAシリーズに比較して、強化されたRNAi活性を示した。この実験は、担体LNP製剤コントロールsiNAの存在が、例えば、活性siNA分子種の増大された細胞内送達のメカニズムを介して、LNP製剤された活性siNAのRNAi活性を改善することを示唆した。
LNP製剤された不活性担体分子と一緒にLNP製剤された、活性siNA組成物の、強化されたインビボ活性
本出願人は、同様の実験を、シェーグレン症候群抗原B(SSB)RNAを標的とする、LNP製剤された活性siNAを注入することにより、インビボ設定において行なった。雄のBalb/Cマウスに、0.1、0.3、及び3mg/kgのL124(表IV)製剤SSB291siNA(対応する全脂質用量は、約9、30、及び90mg/kgである)を、1日1回、3日間にわたり、静脈内に投与した。SSB291siNAは、リン酸緩衝食塩水(PBS)のみで希釈するか、又は担体LNP(L124製剤されたHCV316非標的化siNA)を用いて希釈して、全siNA用量が3mg/kg(又は、90mg/全脂質用量)に等しくなるようにした。最終回投与の3日後、動物を犠牲にし、RNA単離用に肝臓を収集した。約100mgの肝臓組織から、Tri試薬(Sigma)を使用して、製造業者の指示に従って全RNAを単離した。リアルタイム逆転写(RT)−PCRを使用して、SSB RNAレベルを定量し、マウスGAPDH RNAに対し標準化した。SSB及びGAPDH RNA双方の相対量を、PBSコントロール動物から収集した全肝臓RNAの標準曲線から計算した(反応当たり、300ngないし1ngのRNAから三倍連続希釈)。データはSSB対GAPDH RNAの比で表わされる。図52に示したように、担体LNPの存在は、SSB291siNAの活性を有意に改善した。活性SSB291siNAが0.3mg/kgで投与された場合、標的ノックダウンは、担体LNPなしの45%から、担体LNPありの75%に増加した。これらの実験から、担体LNPが、活性siNAのRNAi活性を、例えば、細胞内に送達されるべき全脂質製剤の臨界量を確立するか、又は維持することにより、強化することは明らかである。
不活性二重鎖siNA(RNA標的に対し何ら相補性をもたない二重鎖siNA)の、担体としての役割を探るべく、不活性単鎖(SS)ポリヌクレオチド(RNA標的に対し何ら相補性をもたない単鎖)との比較を行った。HBV263siNA二重鎖の修飾されたセンス鎖を、L124で製剤し、製剤されたHCV316siNA二重鎖と一緒にアッセイした。SSB291siNA二重鎖は、0.3mg/kg単独で、又は、全用量3mg/kgでの担体LNPの存在下に、上述のように投与した。全肝臓RNAを単離し、SSB RNAについて上述のように分析した。図53に示したように、SSB291は、〜37%の標的RNAのノックダウンを示したが、不活性二重鎖又は単鎖ポリヌクレオチドを含有する担体LNPを与えた場合、ノックダウン効率は、各々、〜79%及び〜70%に改善された。担体LNPそれ自体は、何ら有意なSSB標的のノックダウンを示さなかった。したがって、担体LNPは、単鎖又は二本鎖のいずれかを用いて作成することができ、活性siNAのRNAi活性をさらに有意に改善する。
何ら特定の理論に束縛されることを望むことなく、1つ以上の担体分子(例えば、不活性のLNP製剤されたポリヌクレオチド)の存在下に見られる送達ビヒクル結合生物活性分子(例えば、活性のあるLNP製剤されたsiNA)の、生物活性(例えば、RNAi活性)における強化は、1つ以上の理論によって説明が可能である。例えば、生物活性分子(例えば、LNP被包された活性siNA)に結合している送達ビヒクルの臨界量が、生物活性が行われる細胞コンパートメント(例えば、siNAについては、siNAがRISC複合体を形成し得る場所)における、生物活性分子(例えば、活性siNA)の効果的な送達に必要である可能性がある。1つの仮説は、一定量の又は一定濃度の、送達ビヒクル及び生物活性分子(例えば、LNP製剤された活性siNA)が、エンドソームからの生物活性分子(例えば、活性siNA)の効率的放出に必要だというものである。また、送達ビヒクル及びそのカーゴ(例えば、LNP製剤された活性siNA)を効率的に取り上げるが、しかしその生物活性(例えば、siNAの場合、RISC負荷及び、Ago1/Ago2活性)が起こるようにさせることはない、細胞又は細胞性コンパートメントがあることも可能である。かかる場合、製剤された生物活性分子(例えば、LNP製剤されたsiNA)が低濃度では、生物活性分子が、生物活性の行われ得る細胞又は細胞コンパートメント(例えば、RNAiマシーナリがある場所)に到達することは難しいであろう。例えば、担体LNPを用いてLNP製剤の臨界量を増すことにより、少量の活性LNPであっても、それらがRNAi経路において利用される細胞コンパートメントに到達できるようになるであろう。担体現象には、いくつかの利点がある。RNAi活性を誘導するために必要な生物活性分子(例えば、活性siNA)の有効量を、担体分子(例えば、不活性ポリヌクレオチド)により、劇的に低減し得る。担体分子の使用はまた、同じか又は異なる細胞内標的に対し、生物活性分子の混合物を使用する機会を与えて、かかる生物活性に必要な個々の生物活性分子の濃度を低減しながら、効果的な生物活性のための生物活性分子の臨界量が達成されるようにする。
材料及び方法
(配列は、表IXに示されている)
細胞培養におけるsiNAのインビトロ活性
HepG2siNA研究のためのトランスフェクションプロトコル
細胞は、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、グルタミン(90%)、及び10%ウシ胎児血清(HyClone カタログ番号SH30070.03)を加えたEMEM(Cellgro カタログ番号10−010−CV)において増殖させる。
細胞の播種
トランスフェクション用には、細胞は、ウエル当たり80uLの増殖培地中の42,000個の細胞(525,000/mL)を、96ウエル組織培養プレート(CoStar、カタログ番号3596)に播種する。細胞は、16ないし24時間後にトランスフェクトする。
HBV製剤の試験
ベクターのみのトランスフェクション用:
60ウエルの1プレート用のトランスフェクション複合体
80uL プラスミド(pSV−HBV−1)
1,430uL 培地
80uL 168(1mg/mL)
4.5において5秒間ボルテックス、インキュベーター内に15ないし20分間静置、ボルテックス
アリコートをBioradマイクロタイターチューブへ、ウエル当たりこの20uLを添加
インキュベーター内で6ないし7時間トランスフェクションを起こさせる
製剤トランスフェクション用:
培地を吸引、100uLの培地で1回洗浄、次いで100uLの新鮮培地を添加
各ウエルに、50uLの、培地中に希釈された3Xの製剤L124.1.2.7Au、又は30nM 不活性又反転HBViL12.1.2.3.Cuを添加
3日間インキュベート
上清について、指示にしたがってELISAを実施する(Genetic Systems HBsAg EIA 3.0)
実施例16:本発明のカチオン性脂質の調製(合成スキームについては、図29A及び29Bを参照)
コレスタ−5−エン−3β−トシラート(2)
コレステロール(1、25.0g、64.7mmol)を、攪拌子を入れた1Lの丸底フラスコに秤量した。フラスコにピリジン(250mL)を装填し、隔膜(septum)を閉め、アルゴンでフラッシュした。トルエンスルホニルクロリド(25.0g、131mmol)を、100mLの丸底フラスコに秤量し、これを次に密閉し、ピリジンを装填した。次にトルエンスルホニルクロリド溶液を、シリンジにより、攪拌中のコレステロール溶液に移し、これを一晩攪拌した。ピリジンの殆どを真空中で除去し、得られた固体をメタノール(300mL)中に懸濁し、固体が壊れて均一な懸濁液になるまで3時間攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、固体をアセトニトリルで洗浄し、高真空下に乾燥させて、31.8g(91%)の白色粉末を得た(例えば、Davis,S.C.;Szoka,F.C.,Jr.Bioconjugate Chem.1998,9,783を参照)。
コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オール(3a)
コレスタ−5−エン−3β−トシラート(20.0g、37.0mmol)を、攪拌子を入れた500mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコに、ジオキサン(300mL)及び1,4−ブタンジオール(65.7mL、20当量)を装填した。フラスコに還流コンデンサーを取り付け、混合物を一晩還流させた。反応を冷却し、真空中で濃縮した。反応混合物を、水(400mL)中に懸濁した。溶液を塩化メチレン(3x200mL)で抽出した。有機相を合わせ、水(2x200)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして溶媒を除去した。得られた油/ワックスを、カラムクロマトグラフィー(15% アセトン/ヘキサン)でさらに精製して、13.41g(79%)の無色のワックスを得た。
コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−オール(3b)
この化合物は、コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オールと同様に調製した。コレスタ−5−エン−3β−トシラート(5.0g、9.2mmol)を、攪拌子を入れた500mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコに、ジオキサン(150mL)及びジエチレングリコール(22mL、25当量)を装填した。フラスコに還流コンデンサーを取り付け、混合物を一晩還流させた。反応を冷却し、濃縮した。反応混合物を、水(500mL)中に懸濁した。溶液を塩化メチレン(3x200mL)で抽出した。有機相を合わせ、水(2x200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして溶媒を除去した。得られた油/ワックスを、カラムクロマトグラフィー(25% EtOAc/ヘキサン)でさらに精製して、3.60g(82%)の無色の油を得た(例えば、Davis,S.C.;Szoka,F.C.,Jr.Bioconjugate Chem.1998,9,783を参照)。
コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−メシラート(4a)
コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オール(12.45g、27.14mmol)を、攪拌子を入れた500mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコを密封し、アルゴンでフラッシュし、塩化メチレン(100mL)及びトリエチルアミン(5.67mL、1.5当量)を装填し、0℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(3.15mL、1.5当量)をPPシリンジに計量し、攪拌中の反応溶液に徐々に添加した。反応を0℃で1時間攪拌し、この時点でTLC分析(7.5% EtOAc/ヘキサン)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を塩化メチレン(100mL)で希釈し、飽和重炭酸塩溶液(2x200mL)及び食塩水(1x100mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して、14.45g(99%)の無色のワックスを得て、これをさらなる精製なしに用いた。
コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−メシラート(4b)
この化合物は、コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−メシラートと同様に調製した。コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−オール(3.60g、7.58mmol)を、攪拌子を入れた500mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコを密封し、アルゴンでフラッシュし、塩化メチレン(30mL)及びトリエチルアミン(1.60mL、1.5当量)を装填し、0℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(0.89mL、1.5当量)をPPシリンジに計量し、攪拌中の反応溶液に徐々に添加した。反応を0℃で1時間攪拌し、この時点でTLC分析(10% EtOAc/ヘキサン)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を塩化メチレン(150mL)で希釈し、飽和重炭酸塩溶液(2x200mL)及び食塩水(1x100mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して、4.15g(99%)の無色のワックスを得て、これをさらなる精製なしに用いた。
1−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−ジメチルアミノ−2−プロパノール(5)
3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール(6.0g、50mmol)を、攪拌子を入れた1Lの丸底フラスコに秤量した。フラスコを密閉し、アルゴンでフラッシュし、ピリジンを装填し、0℃に冷却した。4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(17.9g、1.05当量)を、100mLの丸底フラスコに秤量し、密閉し、次にピリジン(80mL)中に溶解した。4,4’−ジメトキシトリチルクロリド溶液を、攪拌中の反応混合物に対し徐々に添加し、追加の新鮮なピリジン(20mL)を用いて、残留する4,4’−ジメトキシトリチルクロリドの移動を成し遂げた。反応を、一晩攪拌しながら、室温にさせた。反応を真空中で濃縮し、ジクロロメタン(300mL)中に再溶解した。有機相を飽和重炭酸塩溶液(2x200mL)及び食塩水(1x200mL)で洗浄し、MgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して、高真空下に乾燥させ、22.19gの黄色のゴムを得て、これをさらなる精製なしに用いた。
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−プロパノール(6a)
1−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−ジメチルアミノ−2−プロパノール(7.50g、17.8mmol)を、200mLの丸底フラスコに秤量し、無水トルエン(2x50mL)で共蒸発させた。撹拌子をフラスコに添加し、セプタムを閉じ、アルゴンでフラッシュし、そしてトルエン(60mL)を装填した。水素化ナトリウム(1.71g、4当量)を一度に加え、混合物を室温で20分間攪拌した。コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−メシラートを、無水トルエン(20mL)中に溶解し、シリンジにより反応溶液に添加した。フラスコに、連続的なアルゴン流を用いた還流コンデンサーを取り付け、反応を一晩加熱還流した。反応混合物を、水浴中で室温に冷却し、ガスの発生が止まるまでエタノールを滴下添加した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x300mL)で洗浄した。水性相を合わせ、酢酸エチル(2x100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、500mLの丸底フラスコ内に濃縮して油とした。
フラスコに攪拌子を装着し、密閉し、アルゴンでパージし、ジクロロ酢酸溶液(DCM中3%、200mL)を装填した。トリエチルシラン(14.2mL、89mmol)を混合物に添加し、反応を一晩攪拌した。反応混合物をDCM(300mL)で希釈し、飽和炭酸塩溶液(2x200mL)で洗浄した。水性相を合わせ、DCM(2x100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して油とし、これをエタノール(150mL)中に再溶解した。溶液に、フッ化カリウム(10.3g、178mmol)を添加し、これを次に1時間還流させた。混合物を冷却し、真空中で濃縮し、DCM(200mL)に再溶解し、濾過し、濃縮して油/結晶混合物とした。混合物を最少量のDCM中に再溶解し、予め平衡化したシリカゲルカラムに負荷し、25%EtOAc/3%TEA入りのヘキサンで溶出して、4.89g(49%)の無色のワックスを得た。
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−オキシ)−1−プロパノール(6b)
この化合物は、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−プロパノールと同様に調製した。1−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−ジメチルアミノ−2−プロパノール(2.65g、6.31mmol)を、200mLの丸底フラスコに秤量し、無水トルエン(2x20mL)で共蒸発させた。撹拌子をフラスコに添加し、セプタムを閉じ、アルゴンでフラッシュし、そしてトルエン(50mL)を装填した。水素化ナトリウム(0.61g、4当量)を一度に加え、混合物を室温で20分間攪拌した。コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−メシラート(4.15g、7.6mmol)を、無水トルエン(10mL)中に溶解し、シリンジにより反応溶液に添加した。フラスコに、連続的なアルゴン流を用いた還流コンデンサーを取り付け、反応を一晩加熱還流した。反応混合物を、水浴中で室温に冷却し、ガスの発生が止まるまでエタノールを滴下添加した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x200mL)で洗浄した。水性相を合わせ、酢酸エチル(2x100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、500mLの丸底フラスコ内に濃縮して油とした。
フラスコに攪拌子を装着し、密閉し、アルゴンでパージし、ジクロロ酢酸溶液(DCM中3%、150mL)を装填した。トリエチルシラン(4.03mL、25.2mmol)を混合物に添加し、反応を4時間攪拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、飽和炭酸塩溶液(2x200mL)で洗浄した。水性相を合わせ、DCM(2x100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濃縮して油とし、これをエタノール(100mL)中に再溶解した。溶液に、フッ化カリウム(3.6g、63mmol)を添加し、これを次に1時間還流させた。混合物を冷却し、真空中で濃縮し、DCM(200mL)に再溶解し、濾過し、濾過して油/結晶混合物とした。混合物を最少量のDCM中に再溶解し、予め平衡化したシリカゲルカラムに負荷し、25%アセトン/3%TEA入りのヘキサンで溶出して、2.70g(74%)の無色のワックスを得た。
リノレイルメシラート(7)
リノレイルアルコール(10.0g、37.5mmol)を、攪拌子を入れた500mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコを密閉し、アルゴンでフラッシュし、DCM(100mL)及びトリエチルアミン(7.84mL、1.5当量)を装填し、0℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(4.35mL、1.5当量)をPPシリンジに計量し、攪拌中の反応溶液に徐々に添加した。TLC分析(7.5%EtOAc/ヘキサン)は、反応が1時間以内に完了したことを示した。反応をDCM(100mL)で希釈し、飽和炭酸塩溶液(2x200mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して、12.53g(97%)の無色の油とし、これをさらなる精製なしに使用した。
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(8a)(CLinDMA)
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−プロパノール(2.6g、4.6mmol)を、200mLの丸底フラスコに秤量し、無水トルエン(2x20mL)で共蒸発させた。撹拌子をフラスコに添加し、これを次に密閉し、アルゴンでフラッシュし、そして無水トルエン(100mL)を装填した。水素化ナトリウム(0.7g、6当量)を一度に加え、混合物をアルゴン下に20分間攪拌した。リノレイルメシラート(4.6g、2.3当量)をPPシリンジに計量し、反応溶液に徐々に添加した。フラスコに還流コンデンサーを取り付け、装置をアルゴンでフラッシュした。反応混合物を油浴中で加熱し、還流下に一晩攪拌した。反応混合物を次に、水浴中で室温に冷却し、ガスの発生が止まるまでエタノールを滴下添加した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x200mL)で洗浄した。水性相を合わせ、酢酸エチル(2x100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた油を、カラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン、3%TEA)で精製し、3.0g(81%)の無色の油を得た。
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(DEGCLinDMA)(8b)
この化合物は、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパンと同様に調製した。3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシペント−3−オキサ−アン−5−オキシ)−1−プロパノール(0.73g、1.3mmol)を、100mLの丸底フラスコに秤量し、無水トルエンで共蒸発させた。撹拌子をフラスコに添加し、これを次に密閉し、アルゴンでフラッシュし、そして無水トルエンを装填した。水素化ナトリウム(121mg、4当量)を一度に加え、混合物をアルゴン下に20分間攪拌した。リノレイルメシラート(0.873g、23当量)をPPシリンジに計量し、反応溶液に徐々に添加した。フラスコに還流コンデンサーを取り付け、装置をアルゴンでフラッシュした。反応混合物を油浴中で加熱し、還流下に一晩攪拌した。反応混合物を次に、水浴中で室温に冷却し、ガスの発生が止まるまでエタノールを滴下添加した。反応混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x100mL)で洗浄した。水性相を合わせ、酢酸エチル(2x50mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、NaSO上で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた油を、カラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン、3%TEA)で精製し、0.70g(67%)の無色の油を得た。
CLinDMAの合成のための別の経路(図29B)
1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−ジメチルアミノ−2−プロパノール(6)
3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール(5)(50.1g、420.4mmol)を、攪拌子を入れた2Lの丸底フラスコに秤量した。フラスコを密閉し、アルゴンでフラッシュし、N,N−ジメチルホルムアミド(750mL)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(111mL、630.7mmol)を装填し、0℃に冷却した。t−ブチルジメチルクロロシラン(67.0g、1.05当量)を500mLの丸底フラスコに秤量し、密閉し、N,N−ジメチルホルムアミド(250mL)中に溶解した。t−ブチルジメチルクロロシラン溶液を均圧滴下漏斗に移し、攪拌中の反応混合物に対し、20分間にわたり徐々に添加した。反応を、3時間にわたり攪拌しながら、室温にさせた。反応を真空中で濃縮した。飽和炭酸塩溶液(1500mL)を残渣に添加し、混合物を4Lの分液漏斗に移した。水性相を酢酸エチル(3x500mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して、高真空下に乾燥させ、97.81g(99.7%)の透明な無色の油を得て、これをさらなる精製なしに用いた。
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−プロパノール(7)
1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−ジメチルアミノ−2−プロパノール(6)(25.52g、109.3mmol)を、攪拌子を含有する1Lの二口丸底フラスコに秤量した。フラスコに還流コンデンサー及びすり合わせ栓を取り付け、アルゴンでフラッシュし、トルエン(250mL)を装填した。水素化ナトリウム(10.50g、4当量)を一度に添加し、混合物を室温で20分間攪拌した。コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−メシラート(4、上述のように調製)を、無水トルエン(100mL)中に溶解し、反応混合物に一度に添加した。追加のトルエン(30mL)の洗浄を用いて、残留するメシラート全部を容易に反応混合物に移すようにした。フラスコを、連続的なアルゴン流下に置き、反応を8時間加熱還流した。反応混合物を水浴中で0℃に冷却し、酢酸エチル(350mL)で希釈し、ガスの発生が止まるまでエタノールを滴下添加した。反応混合物を酢酸エチル(350mL)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x1L)で洗浄した。水性相を合わせ、酢酸エチル(2x500mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、2Lの丸底フラスコ内に濃縮して油とした。
フラスコに攪拌子を装着し、残渣を、ジオキサン(300mL)、エタノール(200mL)、及び水(6mL)の混合物中に溶解した。濃塩酸(11.3mL、139.2mmoL)を溶液に添加し、これを次に、室温で2時間攪拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液(2L)を、4Lの分液漏斗において、反応混合物に添加した。水性相を酢酸エチル(3x750mL)で抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して油とした。油の精製は、ヘキサン中3%TEAで予め平衡化した4.5”シリカゲルカラムで行なった。溶出は、1Lのヘキサン、続いて3Lの25%EtOAc/3%TEA入りのヘキサンを用いて行ない、28.01g(50.0%)の無色のワックスを得た。
リノレイルメシラート(8)
リノレイルアルコール(10.0g、37.5mmol)を、攪拌子を入れた500mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコを密閉し、アルゴンでフラッシュし、DCM(100mL)及びトリエチルアミン(7.84mL、1.5当量)を装填し、0℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(4.35mL)、1.5当量)をPPシリンジに計量し、攪拌中の反応混合物に徐々に添加した。TLC分析(7.5%EtOAc/ヘキサン)は、反応が1時間以内に完了したことを示した。反応をDCM(100mL)で希釈し、飽和炭酸塩溶液(2x200mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で脱水し、濾過し、濃縮して、12.53g(97%)の無色の油を得て、これをさらなる精製なしに使用した。
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)(9)
3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−プロパノール(7)(2.6g、4.6mmol)を、200mLの丸底フラスコに秤量し、無水トルエン 2x20mL)で共蒸発させた。撹拌子をフラスコに添加し、これを次に密閉し、アルゴンでフラッシュし、そして無水トルエン(100mL)を装填した。水素化ナトリウム(0.7g、6当量)を一度に加え、混合物をアルゴン下に20分間攪拌した。リノレイルメシラート(4.6g、2.3当量)をPPシリンジに計量し、反応溶液に徐々に添加した。フラスコに還流コンデンサーを取り付け、装置をアルゴンでフラッシュした。反応混合物を油浴中で加熱し、還流下に一晩攪拌した。反応混合物を次に、水浴中で室温に冷却し、ガスの発生が止まるまでエタノールを滴下添加した。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x200mL)で洗浄した。水性相を合わせ、酢酸エチル(2x100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、MgSO上で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた油を、カラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン、3%TEA)で精製し、3.0g(81%)の無色の油を得た。
実施例17:本発明の芳香族系脂質の調製(図29C参照)
ジオレイルオキシベンズアルデヒド、3a
3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(2.76g、20.0mmol)を、攪拌子を入れた200mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコにジグリム(100mL)を装填し、セプタムを閉め、アルゴンでフラッシュした。炭酸セシウム(19.5g、60.0mmol)を、溶液に対し徐々に分割添加した。オレイルメシラート(15.2g、44.0mmol)を、シリンジにより添加した。反応混合物を、わずかに高圧のアルゴン下に、100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を1,2−ジクロロエタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮し、次に高真空下に65℃で乾燥させて、残留するジグリムを除去した。得られた黄色の油を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、11.4g(89%)の黄色の油を得、これは室温に静置すると黄色のワックスに変化した。
ジリノレイルベンズアルデヒド、3b
3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(2.76g、20.0mmol)を、攪拌子を入れた200mLの丸底フラスコに秤量した。フラスコにジグリム(100mL)を装填し、セプタムを閉め、アルゴンでフラッシュした。炭酸セシウム(19.5g、60.0mmol)を、溶液に対し徐々に分割添加した。リノレイルメシラート(15.2g、44.0mmol)を、シリンジにより添加した。反応混合物を、わずかに高圧のアルゴン下に、100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を1,2−ジクロロエタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮し、次に高真空下に65℃で乾燥させて、残留するジグリムを除去した。得られた黄色の油を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、11.9g(94%)の褐色の油を得た。
N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミン、4a
エタノール(20mL)中のトリエチルアミンアミン(2.0mL、14mmol)に対し、塩酸ジメチルアミン(1.63g、20mmol)、チタニウムテトライソプロポキシド(5.96mL、20mmol)、及び3,4−ジオレイルオキシベンズアルデヒド(6.39g、10mmol)を添加した。混合物を、アルゴン下に室温で10時間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.57g、15mmol)を反応混合物に添加し、これを次に室温で一晩攪拌した。濃アンモニア水(4mL)を、反応混合物に徐々に添加した。反応混合物を濾過し、固体をジクロロメタンで洗浄した。濾液をKCO上で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた油を、フラッシュクロマトグラフィー(2−10%アセトン(ジクロロエタン、0.5%TEA中)勾配)で精製し、5.81g(87−+%)の黄色の油を得た。
N,N−ジメチル−3,4−ジリノレイルオキシベンジルアミン、4b
エタノール(20mL)中のトリエチルアミンアミン(2.0mL、14mmol)に対し、塩酸ジメチルアミン(1.63g、20mmol)、チタニウムテトライソプロポキシド(5.96mL、20mmol)、及び3,4−ジリノレイルオキシベンズアルデヒド(6.35g、10mmol)を添加した。混合物を、アルゴン下に室温で10時間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.57g、15mmol)を反応混合物に添加し、これを次に室温で一晩攪拌した。6N アンモニア水(30mL)を、反応混合物に徐々に添加し、続いてジクロロメタンを添加した。反応混合物を濾過した。濾液をKCO上で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた油を、フラッシュクロマトグラフィー(2−10%アセトン(ジクロロエタン、0.5%TEA中)勾配)で精製し、4.94g(74%)の黄色の油を得た。
実施例18:本発明のPEG−コンジュゲートの調製(図30A及び30B参照)
PEG−DMB(図30A)
1−[8’−(コレスタ−5−エン−3β−オキシ)カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−コレステロール)
20mLの無水THF中の、2.0g(0.89mmol)の1−[8’−アンモニオ−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)、22mg(0.18mmol)の4−ジメチルアミノピリジン、及び0.93mL(5.3mmol)のジイソプロピルエチルアミンの溶液を装填した、200mLの丸底フラスコに対し、20mLの無水THF中の、1.20g(2.67mmol)のコレステロールクロロホルマートの溶液を、攪拌しながら添加した。得られた反応混合物を、一晩穏やかに加熱還流した。冷却後、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、得られた残渣を、精製のためシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた(メタノール/ジクロロメタン 5:95−10:90)。クロマトグラフィーは、2.43g(91%)の白色固体生成物を生じた。
3,4−ジテトラデコキシルベンジル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)エーテル(PEG−DMB)
20mLの1,4−ジオキサン中の、2.67g(5.00mmol)のジテトラデコキシベンジルアルコールの溶液を装填した、100mLの丸底フラスコに対し、1,4−ジオキサン中の、20mLの4.0M HC溶液を添加した。次に、フラスコに還流コンデンサーを取り付け、これを炭酸水素ナトリウム溶液に接続して、発生した任意の塩化水素ガスを吸収した。反応混合物を80℃で6時間加熱した後、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒としてジクロロメタン)は、反応の完了を示した。溶媒及び過剰の試薬を、ロータリーエバポレーションにより、真空下で完全に除去して、2.69g(97%)の灰色の固体、3,4−ジテトラデコキシルベンジルクロリドを得た。この粗物質を、さらなる精製なしに次の工程に直接用いた。
ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(2.00g、1.00mmol)を、真空下にトルエン(2x20mL)で共蒸発させることによって乾燥した。用いたPEGは、PEG2000であり、これは典型的には、〜1500から〜3000Daまで変動し得る多分散物である(すなわち、ここでPEG(n)は、約33ないし約67、又は平均して〜45である)。30mLの無水トルエン中の、乾燥ポリ(エチレングリコール)の溶液に対し、0.17g(7.2mmol)の水素化ナトリウムを、攪拌しながら分割添加した。即座にガス発生が起きた。得られた混合物を60℃で2時間攪拌し続け、オキシドの完全な形成を確保した。次に、10mLの無水トルエン中の、0.668g(1.20mmol)の3,4−ジテトラデコキシルベンジルクロリドの溶液を、上記の混合物に滴下投入した。反応混合物を、80℃で一晩静置した。冷却後、10mLの飽和塩化アンモニウム溶液の添加により、反応をクエンチした。得られた混合物を、次に、300mLのジクロロメタン中に取り、飽和塩化アンモニウム(3x100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、蒸発乾燥させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン 2:98−5:95)により精製して、1.24g(49%)の所望の生成物の灰色の固体を得た。
PEG−DMG(図30B)
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール(DMG−OH)(1)(10.0g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(2)(3.32g、1.05当量)を、磁気攪拌子及びゴムセプタを具備した250mLの乾いた丸底フラスコに、アルゴン下で添加した。フラスコに50mLの無水THFを装填し、得られた混合物を室温で6時間攪拌した。攪拌子を除去し、反応混合物を、1Lの分液漏斗に、350mLの酢酸エチルとともに移した。反応混合物を200mLの脱イオン水で洗浄した。水性相を除去し、洗浄を繰り返し(2x)、有機相を収集し、10gの硫酸マグネシウム上で攪拌しながら脱水した。焼結ガラスでの濾過及びそれに続く真空中での蒸発により、1,2−ジミリストイル−3−プロパノキシ−カルボキシイミダゾール(DMG−CDI)(3);11.68g、99%を得た。攪拌子及びゴムセプタムを具備した200mLの丸底フラスコ内の、メトキシ−PEG−NH2 2K(PEG−アミン)(4)(2.36g);1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ−カルボキシイミダゾール(DMG−CDI)(3)(1.91g、3.0当量);及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(0.025g,0.2当量)の混合物に対し、アルゴンン下に、THF(20mL)及びジイソプロピルエチルアミン(DiPEA)(1.10mL、6.0当量)を添加した。用いたPEGは、PEG2000であり、これは典型的には、〜1500から〜3000Daまで変動し得る多分散物である(すなわち、ここでPEG(n)は、約33ないし約67、又は平均して〜45である)。溶液を、17時間還流及び攪拌させ、その後、反応混合物を室温に冷却し、攪拌子を除去し、反応を真空中で濃縮して、粗1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)(5)4.31gを得た。
実施例19:ナノ粒子被包siNA/担体製剤の調製
全般的なLNP調製
siNAナノ粒子溶液は、siNA及び/又は担体分子を、25mMクエン酸緩衝液(pH4.0)中に、0.9mg/mLの濃度に溶解することにより調製した。脂質溶液は、カチオン性脂質(例えば、ClinDMA又はDOBMA、構造及び比率は表IVの製剤を参照)、DSPC、コレステロール、及びPEG−DMG(比率は表IVに示した)の混合物を、無水エタノール中に、約15mg/mLの濃度に溶解することにより調製した。窒素対ホスフェイトの比は、約3:1であった。
同体積の、siNA/担体及び脂質溶液を、2つのFPLCポンプにより、同じ流速で、ミキシングTコネクターに送達した。背圧バルブを用いて所望の粒子サイズに調整した。得られた乳状の混合物を、無菌のガラス瓶に収集した。この混合物を、次に、同体積のクエン酸緩衝液で希釈し、イオン交換膜を通して濾過し、混合物中の任意の遊離のsiNA/担体を除去した。限外濾過を、クエン酸緩衝液(pH4.0)に対し用いてエタノールを除去し(アルコ(ALCO)スクリーンからのテストスティック)、かつPBS(pH7.4)に対し用いて緩衝液を交換した。最終的なLPNを、所望の体積に濃縮し、かつ0.2μmのフィルターを通し滅菌濾過することによって得た。得られたLNPは、粒子サイズ、ゼータ電位、アルコール含有量、全脂質含有量、核酸被包、及び全核酸濃度についてキャラクタライズした。
LNP製造プロセス
非限定的例においては、LNP−086siNA/担体製剤を、以下のようにバルクで調製する。プロセスに関するプロセス工程系統図は、表VIIIに示されており、これは、siNA/担体カクテル(2つのsiNA/担体二重鎖が示されている)に、又は単一のsiNA/担体二重鎖に適用し得る。プロセスは、(1)脂質溶液を調製すること;(2)siNA/担体溶液を調製すること;(3)混合/粒子形成;(4)インキュベーション;(5)希釈;(6)限外濾過及び濃縮、からなる。
1.脂質溶液の調製
要約:コンデンサーを備えた3口丸底フラスコに、ClinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールの混合物を添加した。次にエタノールを添加した。懸濁液を、アルゴン下に攪拌子で攪拌し、プロセスコントローラで制御された加熱用マントルを用いて30℃に加熱した。懸濁液が透明化した後、溶液を室温に冷却した。
8LバッチのLNPの製剤のための詳細な手順
1.2Lの3口丸底フラスコ、コンデンサー、メスシリンダー、及び2つの10Lの円錐形ガラス容器をピロゲン除去する。
2.脂質を室温に温める。丸底フラスコの風袋を差し引く。ClinDMA(50.44g)を、ピペットエイドを用いてピペットにより3口丸底フラスコに移す。
3.DSPC(43.32g)、コレステロール(5.32g)、及びPEG−DMG(6.96g)を、秤量紙を用いて、連続的に丸底フラスコに秤量する。
4.リノレイルアルコール(2.64g)を、別のガラスバイアル(ピロゲン除去された)に秤量する。最初にバイアルの風袋を差し引き、次に化合物をピペットによりバイアル内へ移す。
5.脂質を中に入れた丸底フラスコの全重量を測り、風袋を差し引く。誤差は、通常±1.0%未満であった。
6.脂質溶液に必要な、八分の一のエタノール(1L)を、丸底フラスコに移す。
7.加熱用マントル内に置かれた丸底フラスコを、J−CHEMプロセスコントローラに接続した。脂質懸濁液を、攪拌子及び上部のコンデンサーを用いて、アルゴン下に攪拌した。熱電対プローブを、密閉アダプター付きの丸底フラスコの1口から、懸濁液内に入れた。
8。懸濁液を30℃で、透明になるまで加熱した。溶液を室温に冷却し、円錐形ガラス容器に移し、キャップを密閉した。
2.siNA/担体溶液の調製
要約:siNA/担体溶液は、単一のsiNA二重鎖及び/又は担体を含んでなることができ、或いはまた、2種以上のsiNA二重鎖のカクテル及び/又は担体を含んでなってもよい。単一のsiNA/担体二重鎖の場合、siNA/担体は、25mM クエン酸緩衝液(pH4.0、100mM NaCl)中に溶解し、終濃度を0.9mg/mLとする。二種のsiNAのカクテル/担体分子の場合、siNA/担体溶液は、それぞれのsiNA/担体分子を、全予想体積の50%の25mMクエン酸緩衝液(pH4.0、100mM NaCl)中に溶解することにより調製し、終濃度を0.9mg/mLとする。この方法を、他のsiNA/担体分子について繰り返す。2つの0.9mg/mLのsiNA/担体溶液を合わせ、0.9mg/mLの溶液を、2つのsiNA分子を含有する全体積において生じる。
8LバッチのLNPをsiNAカクテルと共に製剤するための詳細な手順
1.3.6g掛ける水分補正係数(約1.2)のsiNA−1粉末を、無菌容器、例えばコーニング(Cornig)保存瓶に秤量する。
2.siNAを、ピロゲン除去した5Lのガラス容器に移す。秤量容器を3xのクエン酸緩衝液(25mM、pH4.0、及び100mM NaCl)ですすぎ、すすぎ液を5L溶液に入れ、適量のクエン酸緩衝液で4Lとする。
3.siNA溶液の濃度を、UV分光計で測定する。一般的には、溶液から20μLを取り、50倍希釈して1000μLとし、クエン酸緩衝液でブランキングした後に、A260においてUV測定値を記録する。平行したサンプルを作成し、測定する。もし2つのサンプルの測定値が一致すれば、平均をとり、siNAの吸光係数に基づき濃度を計算する。終濃度が0.90±0.01mg/mLの範囲外であれば、さらなるsiNA/担体粉末の添加によって、又は、さらなるクエン酸緩衝液を添加して濃度を調整する。
4.siNA−2について繰り返す。
5.101 ピロゲン除去した10Lのガラス容器に、4Lの、それぞれ0.9mg/mLのsiNA溶液を移す。
滅菌濾過
このプロセスは、脂質/エタノール溶液を滅菌濾過するための手順を記載する。この目的は、被包プロセス用に無菌の出発物質を提供することである。濾過プロセスは、80mLスケールで20cmの膜面積で行なった。流速は、280mL/分である。このプロセスは、チュービングの直径及び濾過面積を増大することによりスケーラブルである。
1.材料
a.ナルゲン50シリコン・チュービング(Nalgen 50 Scilicone Tubing)PN8060−0040、オートクレーブ済み
b.マスター・フレックス・ペリスタルティック・ポンプ(Master Flex Peristaltic Pump) モデル7520−40
i.マスター・フレックス・ポンプ・ヘッド モデル7518−00
c.ポール・アクロパック(Pall Acropak)20 0.8/0.2μm 無菌フィルター PN 12203
d.ピロゲン除去した10Lのガラス容器
e.オートクレーブした、ガラス容器用のリッド
2.手順
a.チュービングをポンプヘッドに入れる。ポンプを、全スピードの50%にセットし、1分間にわたり流速をメスシリンダーで測定する。
b.ポンプ設定を、280mL/分の流速を測定するまで調整する。
c.チュービングにフィルターをセットアップし、クランプで確実に取り付ける。
d.ポンプをセットアップし、チュービングをポンプヘッドに入れる。
e.チュービングのフィード(供給)端を濾過されるべき物質の中に入れる。
f.フィリングベル付きのフィルターの濾液側を、ピロゲン除去したガラス容器内に入れる。
g.材料を、フィルターを通してポンプし、全ての材料が濾過されるまで注入する。
AKTAポンプセットアップ
1.材料
a.AKTA P900ポンプ
b.テフロン(登録商標)チュービング 内径2mmx外径3mm 各2の20.5cmアップチャーチ(Upchurch)PN1677
c.テフロン(登録商標)チュービング 内径1mmx外径3mm 6.5cm Upchurch PN1675
d.ピーク・ティー(Peek Tee)内径1mm 各1 Upchurch P
N P−714
e.1/4−28Fないし10−32M 各2 Upchurch PN P−65

f.3mm外径チュービング用のETFEフェルール 各6 Upchurch P
N P−343x
g.フランジレスナット 各6 Upchurch PN P−345x
h.1/4−28フラッボトムフィッティング用ETFEキャップ 各1 Upch
urch PN P−755
i.アルゴン圧縮ガス
j.レギュレータ 0−60psi
k.テフロン(登録商標)チュービング
l.ピーク(Peek)Yフィッティング
m.ピロゲン除去したガラス器具コニカルベース、2個/ポンプ
n.オートクレーブ化したリッド
o.プレッシャーリッド
2.ポンプセットアップ
a.ポンプのスイッチを入れる
b.ポンプにセルフテストを実行させる
c.キャップ又はプレッシャーレギュレータがチュービングに取り付けられていないことを確認する(このことは、ポンプに過圧を引き起こすことがある)
d.「OK]を押して、ポンプを同時進行させる
e.ノブ4を時計回りにクリックして「Setup」とし、「OK」を押す
f.ノブ5を時計回りにクリックして「Setup Gradient Mode」とし、「OK」を押す
g.ノブ1を時計回りにクリックして「D」とし、「OK」を押す
h.「Esc」を2回押す
3.ポンプの浄化
a.1000mLの、1N NaOHを、1Lのガラス容器に入れる
b.プレッシャーリッドでポンプに取り付ける
c.1000mLの、70%エタノールを、1Lのガラス容器に入れる
d.プレッシャーリッドでポンプに取り付ける
e.2000mLのガラス容器を下のポンプ出口に置く
f.ノブ1を時計回りにクリックして「SET Flow Rate」とし、「OK」を押す
g.ノブを時計回りに回して流速を40mL/分まで上げる;反時計回りで下げる;所望の流速がセットされたら「OK」を押す。
h.時間を40分間にセットする
i.アルゴンガスを10psiでオンにする
j.ノブ2を反時計回りにクリックして「Run」にし「OK]を押し、タイマーをスタートする
k.ノブ1を反時計回りにクリックして「End Hold Pause」とする
l.タイマーが鳴ったら、ポンプの「OK」を押す
m.ガスをオフにする
n.使用の準備ができるまでポンプを浄化溶液中に保存する(一晩?)
4.ポンプ流速チェック
a.200mLのエタノールを、500mLのピロゲン除去したガラス容器に入れる
b.プレッシャーキャップでポンプに取り付ける
c.200mLの、無菌のクエン酸緩衝液を、500mLのピロゲン除去したガラスガラス瓶に入れる
d.プレッシャーキャップでポンプに取り付ける
e.100mLのメスシリンダーを下のポンプ出口に置く
f.ノブ1を時計回りにクリックして「SET Flow Rate」とし、「OK」を押す
g.ノブを時計回りに回して流速を40mL/分まで上げる;反時計回りで下げる;所望の流速がセットされたら「OK」を押す。
h.時間を1分間にセットする
i.アルゴンガスを10psiでオンにする
j.ノブ2を反時計回りにクリックして「Run」にし「OK]を押し、タイマーをスタートする
k.ノブ1を反時計回りにクリックして「End Hold Pause」とする
l.タイマーが鳴ったら、ポンプの「OK」を押す
m.ガスをオフにする
n.40mLのエタノール/クエン酸溶液が送達されたことを確認する。
3.粒子形成−混合工程
o.無菌の脂質/エタノール溶液をAKTAポンプに取り付ける
p.無菌のsiNA/担体又はsiNA/担体カクテル/クエン酸緩衝溶液を、AKTAポンプに取り付ける
q.リッド付きのピロゲン除去した受容容器(2xバッチサイズ)を取り付ける
r.計算された混合時間用の時間をセットする
s.アルゴンガスをオンにして、圧力を5ないし10psiに維持する
t.ノブ2を反時計回りにクリックして「Run」にし「OK]を押し、タイマーをスタートする
u.ノブ1を反時計回りにクリックして「End Hold Pause」とする
v.タイマーが鳴ったら、ポンプの「OK」を押す
w.ガスをオフにする
4.インキュベーション
混合後、溶液を22±2時間インキュベーションに保持する。インキュベーションは、室温(20ないし25℃)において行ない、加工中の溶液は遮光する。
5.希釈
脂質siNA溶液を、同体積のクエン酸緩衝液で希釈する。溶液を、等長のチュービング及びTeeコネクションを具備したデュアルヘッドペリスタルティックポンプで希釈する。流速は360mL/分である。
1.材料
h.ナルゲン50シリコン・チュービング(Nalgene 50 Silicone Tubing)PN8060−0040、オートクレーブ済み
i.Tee 1/4‘ID
j.マスター・フレックス・ペリスタルティック・ポンプ(Master Flex Peristaltic Pump) モデル7520−40
i.マスター・フレックス・ポンプ・ヘッド モデル7518−00
ii.マスター・フレックス・ポンプ・ヘッド モデル7518−00
k.ピロゲン除去した2x20Lのガラス容器
l.オートクレーブした、ガラス容器用のリッド
2.手順
a.2つの等長のチュービングを、Teeコネクターに取り付ける。チュービングは、長さ約1メートルとすべきである。約50cmの第3のチュービング片を、Teeコネクターの出口端に取り付ける。
b.チュービング装置を、デュアルポンプヘッドに入れる。
c.チュービング装置のフィード端をエタノール溶液中に入れる。他方のフィード端を同体積のクエン酸緩衝液中に入れる。
d.ポンプ速度コントロールを50%にセットする。時間を1分間にセットする。
e.チュービング装置の出口端を、500mLのメスシリンダーに入れる。
f.ポンプをオンにし、タイマーをスタートする。
g.タイマーが鳴ったらポンプを止め、送達された体積を測定する。
h.ポンプ流速を360mL/分に調整する。
i.流速をセットする際、チュービングを排水する。
j.チュービング装置の一方のフィード端を、脂質/siNA溶液に入れる。チュービング装置の他方のフィード端を、同体積のクエン酸緩衝液(16L)に入れる。
k.チュービング装置の出口端を、2x20Lのピロゲン除去したガラス容器の1番目に入れる。
l.タイマーを90分間にセットし、ポンプをスタートする、流速が等しいことを確認するため、希釈の進行を視覚的にモニターする。
m.受容容器が16Lになれば、次の容器に交換して、16Lを収集する。
n.全ての材料が移された時点でポンプを停止する。
6.限外濾過及び濃縮
要約:限外濾過プロセスは、時限性のプロセスであり、流速を注意深くモニターするべきである。膜面積は、バッチの体積に基づき判定されてきた。これは、二段階のプロセスである;第1は、希釈された材料を32リットルから3600mLへ、及び約2mg/mLの濃度とする、濃縮工程である。濃縮工程は、約4時間±15分間である。第2の工程
は、エタノールクエン酸緩衝液をリン酸緩衝食塩水へ交換する、透析濾過工程である。透析濾過工程は、3時間であり、再度、流速を注意深くモニターするべきである。この工程を通じて、エタノール濃度を、ヘッドスペースGCによりモニターする。3時間後(20透析濾過体積)、第二の濃度は、溶液を、約6mg/mL又は体積1.2リットルに濃縮するべく保証される。この物質を、ピロゲン除去したガラス容器に収集する。このシステムを、400mLのPBSで、高流速ですすぎ、透過物ラインを閉じる。この物質を収集して、第1のコレクションに加える。この時点で期待される濃度は、4.5mg/mLである。濃度及び体積を測定する。
1.材料
x.クアトロフロー(Quatroflow)ポンプ
y.フレックススタンド(Flexstand)システム、オートクレーブ済みの5Lの容器付き
z.限外濾過膜 GE PN UFP−100−C−35A
aa.PBS 0.05μmで濾過 100L
bb.0.5N 水酸化ナトリウム
cc.WFI
dd.ナルゲン50シリコン・チュービング(Nalgene 50 Scilicone Tubing)PN8060−0040、オートクレーブ済み
ee.マスター・フレックス・ペリスタルティック・ポンプ(Master Flex Peristaltic Pump) モデル7520−40
i.マスター・フレックス・ポンプ・ヘッド モデル7518−00
ff.透過物収集容器 100L容量
gg.ピロゲン除去したメスシリンダー 2L、1l、500mL
2.手順
a.システム調製
i.Flexstandホルダーに、適当なサイズの膜用のサニタリーフィッティングを用いて、膜をインストールする。FlexstandをQuatroflowポンプに取り付ける。チュービングをリテンテート(循環液、retentate)及びパーメエート(透過液、permate)コネクションに取り付け、これらを適当な空き容器に入れる。
ii.システムのホールドアップ体積を決める。
1.1リットルのWFIをリザーバーに入れる。
2.パーメエートラインをクランプする。
3.Quantroflowポンプをスタートし、リテンテートラインに気泡が存在しなくなるまで再循環する。ポンプを停止する。
4.リザーバーにマークを付し、1リットルの示度を記録する。
5.200mLのWFIをリザーバーに添加し、1200mLレベルにマークを付す。
iii.3リットルの0.5N 水酸化ナトリウムをリザーバーに添加し、リテンテートからフラッシュして廃棄する。3Lの0.5N 水酸化ナトリウムをリザーバーに添加し、リテンテートを再循環させ、パーメエートからへフラッシュして廃棄する。3回目の3Lの0.5N水酸化ナトリウムをリザーバーに添加し、パーメエートラインを通してリザーバーに30分間再循環させる。使用に先立ち、システムを0.5N 水酸化ナトリウム中に一晩保存する。
vi.水酸化ナトリウムをフラッシュして廃棄する。
v.3LのWFIをリザーバーに添加し、pHが中性になるまでリテンテートをフラッシュして廃棄し、必要に応じてWFIを交換する。リテンテートラインをリザーバーに戻す。
vi.3LのWFIを添加し、pHが中性になるまでパーメエートラインをフラッシュして廃棄し、必要に応じてWFIを交換する。システムを排水する。
vii.3Lのクエン酸緩衝液をリザーバーに添加する。pHが<5になるまでパーメエートラインを通してフラッシュする。必要に応じて、クエン酸緩衝液を添加する。
viii.システムを排水する。
b.LNP濃縮
i.適当な長さのチュービングを、ペリスタルティックポンプヘッドに入れる。
ii.フィード端を、希釈LNP溶液に入れる;他方の端をリザーバーに入れる。
iii.希釈LNP溶液をリザーバー内に、4リットルのマークまでポンプする。
iv.パーメエートラインを清浄な空き容器に入れる。
v.Quantroflowポンプをスタートし、ポンプ速度を調整し、透過流速を300mL/分とする。
vi.ペリスタルティックポンプを300mL/分に調整して、リザーバー内の液体レベルが一定して4Lであるようにする
vii.全ての希釈LNP溶液がリザーバーに移された時点で、ペリスタルティックポンプを停止する。
viii.希釈LNP溶液を、必要に応じてポンプ速度を調整することにより、240分間で3600mLに濃縮する。
ix.パーメエート流速、ポンプセッティング、及び、フィード及びリテンテート圧をモニターする。
c.LNP透析濾過
i.ペリスタルティックポンプのフィードチュービングを、72LのPBS(0.05μmで濾過した)を含有する容器に入れた。
ii.ペリスタルティックポンプをスタートし、リザーバー内で3600mLの一定体積を維持するように流速を調整する。
iii.Quantroflowポンプの流速を、400mL/分に上げる。
iv.パーメエート流速、ポンプセッティング、及び、フィード及びリテンテート圧をモニターする。
v.エタノール濃度を、GCによりモニターする。
vi.LNP溶液を、PBS(20体積)により180分間透析濾過する。
vii.ペリスタルティックポンプを停止する。チュービングをリザーバーから除去する。
d.終濃度
i.LNP溶液を、1.2リットルのマークまで濃縮する。
ii.LNP溶液を、ピロゲン除去した2Lのメスシリンダーに収集する。
iii.400mLのPBS溶液を、リザーバーに添加する。
iv.ポンプをスタートし、2分間再循環させる。
v.リンスを収集し、メスシリンダー中の収集したLNP溶液に添加する。
vi.LNP溶液の体積を記録する。
vii.2Lのピロゲン除去したガラス容器に移す。
viii.ラベルを付し、冷蔵する。
e.システム浄化
i.1LのWFIをリザーバーに添加する
ii.パーメエートを閉じて5分間再循環させる。
iii.システムを排水する
iv.2Lの0.5N 水酸化ナトリウムをリザーバーに添加する
v.5分間再循環させる。
vi.システムを排水する
vii.2Lの0.5N 水酸化ナトリウムをリザーバーに添加する。
viii.5分間再循環させ、ポンプを停止する。
ix.WFIでシステムを中和する。
x.システムを排水し、膜を廃棄する。
得られたLNPを、粒子サイズ、ゼータ電位、アルコール含有量、全脂質含有量、核酸被包、及び全核酸濃度についてキャラクタライズした。
実施例20:混合物としての活性の改善
担体効果が、多数のsiRNAについて、混合物中で、効率的なRNAiを可能にするかどうかを探るため、3つの異なる遺伝子を標的とするsiRNAを用いた(図54参照)。SSB291、CRTC2:283、及びIKK2 2389siRNAを、3mg/kgで、単独に、又は全三種を、2.1mg/kgの担体HCV316と共に、全用量3mg/kgで投与した。siRNAを、0.3mg/kgで個別に投与した場合、それらは意図した標的に対し、中程度ないしは全く無しのノックダウンを示した。一方、混合物として与えた場合、ノックダウン効率は有意に改善された。SSB291では、標的ノックダウンは、単独で与えたときの31%から、混合物として与えたときの77%に改善された。
CTC2:283では、標的ノックダウンは、単独で与えたときの17%から、混合物として与えたときの41%に改善された。IKK2:2389では、単独で与えた場合何ら標的ノックダウンは見られなかったが、混合物として与えると48%に改善された。したがって、各siRNAの濃度が0.3mg/kgであっても、単独で又は混合物において与えた場合、それらを混合物として投与することにより、活性において有意な改善を達成した。このことは、低い用量で多数の標的を標的化して、相加又は相乗効果を達成することを可能にする。
実施例21:有益な担体効果のための空のLNPの使用
担体カーゴの性質をさらに理解するため、空のL201を調製した。SSB291 L201を、1mg/kgで単独に、又は、担体としての空のK201の存在下に全用量3mg/kgで注射した。全肝臓RNAを単離し、SSBRNAについて分析した。図55に示したように、SSB291は、単独で投与した場合、標的RNAの54%のノックダウンを示したが、空のLNP担体と共に与えた場合、ノックダウン効率は79%に改善した。空のLNP、担体自体は、SSB標的の有意なノックダウンは示さなかった。この結果は、RNAi活性の強化が空のLNP、「空の担体」によって達成され得ることを示している。
本明細書において記載された全ての特許及び刊行物は、本発明の属する技術分野の技術者のレベルを示す。本開示において引用された全ての参考文献は、各々の参考文献が個別にその記載全体が参考として含まれたのと同じ程度に、参考として本明細書に含まれる。
当業者は、本発明が、その目的を実施し、記載された結果及び利点、並びに本明細書に固有のものを得るために、充分に適合していることを容易に理解するであろう。現在の好ましい実施態様の代表的なものとして、本明細書に記載された方法及び組成物は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。当業者には、クレームの範囲において定義される、本発明の精神の範囲内に包含される変更及び他の用途が、見出されるであろう。
当業者は、本発明の範囲及び精神から離れることなく、本明細書に開示された本発明に対し、種々の置換及び改変をなし得ることを容易に理解するであろう。すなわち、かかる付加的な実施態様は、本発明及び以下のクレームの範囲内である。本発明は、RNAi活性を媒介する改善された活性を有する核酸コンストラクトの生成に向けて、本明細書に記載の化学修飾の、種々の組合せ及び/又は置換を試験することを、当業者に教示している。かかる改善された活性は、改善された安定性、改善されたバイオアベイラビリティ、及び/又は、RNAi活性を媒介する細胞応答の改善された活性化を含み得る。それ故、本明細書に記載された特定の実施態様は、限定するものではなく、当業者は、改善されたRNAi活性をもつsiNA分子の同定に向けて、不必要な実験をすることなく、本明細書に記載された修飾の特定の組合せを試験し得ることを、容易に理解することができる。
本明細書において例示的に記載された発明は、本発明に具体的に開示されていない任意の要素、又は限定なしに、適切に実施することができる。用いてきた用語及び表現は、記載のための用語として使用されたものであり、制限するものではなく、かかる用語及び表現の使用においては、示されかつ記載された特徴、又はその一部の、任意の同等物を排除することを意図したものではなく、クレームされた本発明の範囲内で種々の修飾が可能であることが認識される。したがって、好ましい実施態様及び任意の特徴により本発明を具体的に開示してきたが、本明細書に開示された概念の、任意の特徴、修飾、及び変動が、当業者により修復されてよいこと、及びかかる修飾及び変動が、記載及び添付のクレームにより定義された本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
さらに、本発明の特徴又は態様が、マーカッシュグループ又は他の代替えグループの概念で記載されている場合、当業者は、本発明もまたそれにより、マーカッシュグループ又は他のグループの、任意の個々のメンバー又はサブグループのメンバーの概念において記載されることを認識するであろう。
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CLinDMA構造式
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pCLinDMA 構造式
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eCLinDMA構造式
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DEGCLinDMA構造式
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PEG−n−DMG構造式
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DMOBA構造式
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DMLBA構造式
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DOBA構造式
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DSPC構造式
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コレステロール構造式
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2KPEG−コレステロール構造式
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2KPEG−DMG構造式
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COIM構造式
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5−CLIM 及び 2−CLIM構造式
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Claims (33)

  1. 各々が約50nmないし約500nmのサイズを有している、第1の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクル及び第2の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物であって、
    a)各ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなり;
    b)前記第1のLNPビヒクルはさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長である、センス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる、1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、前記アンチセンス鎖は、哺乳類RNA配列に相補的である15ないし30ヌクレオチドを含んでなり、かつ前記センス鎖は、前記哺乳類RNA配列の15ないし30ヌクレオチドを含んでなり;かつ
    c)前記第2のLNPビヒクルはさらに、前記哺乳類RNA配列に相補的ではない少なくとも15ヌクレオチドの核酸配列を含んでなる、1つ以上の担体分子を含んでなり;
    これにおいて、前記第1のLNPビヒクルの脂質は、前記第2のLNPビヒクルと同じか又は異なっている、前記組成物。
  2. 前記各脂質ナノ粒子ビヒクルの脂質成分が同じである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記各脂質ナノ粒子ビヒクルが、脂質成分からなる異なる組成物を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記第1及び第2の脂質ナノ粒子ビヒクルが、それぞれ、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9、12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
  5. 各LNPビヒクルがさらに、リノレイルアルコールを含んでなる、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールが、約43/36/10/4/7のモル比を有している、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記siNA分子が、1つ以上のリボヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記センス鎖に存在する1つ以上のプリンヌクレオチドが、2’−デオキシプリンヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記アンチセンス鎖に存在する1つ以上のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記センス鎖に存在する1つ以上のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記アンチセンス鎖に存在する1つ以上のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。
  12. 請求項1に記載の組成物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含んでなる組成物。
  13. 約50nmないし約500nmのサイズを有する脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物であって、
    a)前記脂質ナノ粒子ビヒクルが、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなり;
    b)前記ビヒクルがさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長である、センス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる、1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、前記アンチセンス鎖は、哺乳類RNA配列に相補的である15ないし30ヌクレオチドを含んでなり、かつ前記センス鎖は、前記哺乳類RNA配列の15ないし30ヌクレオチドを含んでなり;
    c)前記ビヒクルがさらに、前記哺乳類RNA配列に相補的ではない少なくとも15ヌクレオチドの核酸配列を含んでなる、1つ以上の担体分子を含んでなる、
    前記組成物。
  14. 前記脂質ナノ粒子ビヒクルが、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記LNPビヒクルがさらに、リノレイルアルコールを含んでなる、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールが、約43/36/10/4/7のモル比を有している、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記siNA分子が、1つ以上のリボヌクレオチドを含んでなる、請求項13に記載の組成物。
  18. 前記センス鎖に存在する1つ以上のプリンヌクレオチドが、2’−デオキシプリンヌクレオチドである、請求項13に記載の組成物。
  19. 前記アンチセンス鎖に存在する1つ以上のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである、請求項13に記載の組成物。
  20. 前記センス鎖に存在する1つ以上のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項13に記載の組成物。
  21. 前記アンチセンス鎖に存在する1つ以上のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項13に記載の組成物。
  22. 請求項13に記載の組成物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含んでなる組成物。
  23. 1つ以上の担体分子と、約50nmないし約500nmのサイズを有する脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルとを含んでなる組成物であって、
    a)前記脂質ナノ粒子ビヒクルが、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなり;かつ
    b)前記ビヒクルがさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長である、センス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる、1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、前記アンチセンス鎖は、哺乳類RNA配列に相補的である15ないし30ヌクレオチドを含んでなり、かつ前記センス鎖は、前記哺乳類RNA配列の15ないし30ヌクレオチドを含んでなる、
    前記組成物。
  24. 前記脂質ナノ粒子ビヒクルが、3−ジメチルアミノ−2−(コレスタ−5−エン−3β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(シス,シス−9,12−オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び1−[8’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパンオキシ)−カルボキサミド−3’,6’−ジオキサオクタニル]カルバモイル−ω−メチル−ポリ(エチレングリコール)(PEG−DMG)を含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記LNPビヒクルがさらに、リノレイルアルコールを含んでなる、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記CLinDMA、DSPC、コレステロール、PEG−DMG、及びリノレイルアルコールが、約43/36/10/4/7のモル比を有している、請求項25に記載の組成物。
  27. 前記siNA分子が、1つ以上のリボヌクレオチドを含んでなる、請求項23に記載の組成物。
  28. 前記センス鎖に存在する1つ以上のプリンヌクレオチドが、2’−デオキシプリンヌクレオチドである、請求項23に記載の組成物。
  29. 前記アンチセンス鎖に存在する1つ以上のプリンヌクレオチドが、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである、請求項23に記載の組成物。
  30. 前記センス鎖に存在する1つ以上のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項23に記載の組成物。
  31. 前記アンチセンス鎖に存在する1つ以上のピリミジンヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項23に記載の組成物。
  32. 請求項23に記載の組成物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含んでなる組成物。
  33. 各々が約50nmないし約500nmのサイズを有している、第1の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクル及び第2の脂質ナノ粒子(LNP)ビヒクルを含んでなる組成物であって、
    a)各ビヒクルは、カチオン性脂質、中性脂質、及びPEG−脂質を含んでなり;
    b)前記第1のLNPビヒクルはさらに、各鎖が15ないし30ヌクレオチド長である、センス鎖及び相補的なアンチセンス鎖を含んでなる、1つ以上の低分子干渉核酸(siNA)分子を含んでなり、ここで、前記アンチセンス鎖は、哺乳類RNA配列に相補的である15ないし30ヌクレオチドを含んでなり、かつ前記センス鎖は、前記哺乳類RNA配列の15ないし30ヌクレオチドを含んでなり;かつ
    c)前記第2のLNPビヒクルはさらに、1つ以上の空の担体分子を含んでなり;
    これにおいて、前記第1のLNPビヒクルの脂質は、前記第2のLNPビヒクルと同じか又は異なっている、前記組成物。
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