一実施形態においては、本発明は、1種類以上のsiNA分子及び/又はRNAi阻害剤を特徴とし、また、その全部を参照により本明細書に組込む、米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及びPCT/US03/05028に示されたGenBankアクセッション番号によって参照される配列を含む、本明細書では一般に「標的」配列と称する、遺伝子コード配列など、本明細書の、又は当分野で公知の疾患、形質、障害及び/又は症状の持続及び/又は発生に関連するタンパク質などのタンパク質をコードする標的遺伝子の発現を、独立に、又は組み合わせて、調節する方法を特徴とする。本発明の種々の態様及び実施形態を、本明細書では遺伝子標的と称する例示的標的遺伝子に関連して以下に記述する。本発明は、かかる形質、疾患及び症状の持続又は発生を媒介する遺伝子発現経路又は他の細胞プロセスに関与する遺伝子の発現及び/又は活性の調節に応答する形質、疾患及び症状に関係した化合物、組成物及び方法も対象とする。しかし、かかる参照は、単なる例示にすぎず、本発明の種々の態様及び実施形態は、本明細書の、又は当分野で公知の変異標的遺伝子、標的遺伝子のスプライスバリアント、種ごと又は対象ごとの標的遺伝子変種、他の標的経路遺伝子などの代わりの標的遺伝子を発現する他の遺伝子も対象とする。かかる追加の遺伝子の標的部位は、本明細書の例示的な標的遺伝子及び配列に対する本明細書の方法を用いて分析することができる。したがって、他の遺伝子の調節、及びかかる調節の効果は、本明細書に記載したとおりに実施することができる。換言すれば、以下に定義し、記載した実施形態に列挙する「標的」及び「標的遺伝子」という用語は、ポリペプチドをコードする遺伝子、調節ポリヌクレオチド(例えば、miRNA及びsiRNA)、変異遺伝子、及び遺伝子のスプライスバリアント、並びに遺伝子発現経路及び/又は遺伝子活性に関与する他の遺伝子など、本明細書の疾患、形質及び症状の発生及び/又は持続に関連する遺伝子を包含するものとする。したがって、「標的」という用語が本明細書で定義されるように、「標的」という用語に関連して本明細書に記載した実施形態の各々は、「標的」という用語によって網羅されるタンパク質、ペプチド、ポリペプチド及び/又はポリヌクレオチド分子の全部に適用可能である。包括的に、かかる遺伝子標的を本明細書では一般に「標的」配列とも称する。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA又はDNAの異なる領域(例えば、本明細書のものなどの2つの異なる標的部位、又は標的若しくは経路標的の任意の組合せ)、コード標的と非コード標的の両方などの異なるポリヌクレオチド標的を標的とした、本発明の2種類以上の異なるsiNA分子及び/又はRNAi阻害剤(例えば、siNA、二本鎖形成性(duplex forming)siNA若しくは多官能siNA又はその任意の組合せ)を含む組成物を特徴とする。siNA分子のかかるプールは、治療効果を増大し得る。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA又はDNAの異なる領域(例えば、本明細書の2つの異なる標的部位、又は標的若しくは経路標的の任意の組合せ)、コード標的と非コード標的の両方などの異なるポリヌクレオチド標的に対して特異性を有する、本発明の2種類以上の異なるsiNA分子(例えば、siNA、二本鎖形成性(foming)siNA若しくは多官能siNA又はその任意の組合せ)のプールを特徴とする。ここで、プールは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える異なる標的を標的にするsiNA分子を含む。
異なる生物体間、又は異なる対象間でゲノムの配列が変わり得るために、広範な治療用途向けのsiNA分子を選択するには、遺伝子の保存領域を含む必要があると考えられる。一実施形態においては、本発明は、ゲノムの保存領域を、又は異なる標的間で保存された領域を標的にするsiNA分子及び/又はRNAi阻害剤に関する。種々の標的の保存領域を標的にするように設計されたsiNA分子及び/又はRNAi阻害剤は、多様な患者集団において、標的遺伝子発現を効率的に阻害することができる。
一実施形態においては、本発明は、二本鎖の一方が標的核酸分子又はその一部における所定のヌクレオチド配列に対して相補性を有するヌクレオチド配列を含む、siNA分子などの二本鎖核酸分子を特徴とする。所定のヌクレオチド配列は、本明細書の配列、当分野で公知の配列などのヌクレオチド標的配列であり得る。別の実施形態においては、所定のヌクレオチド配列は、当分野で公知の標的配列又は経路標的配列である。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記siNA分子は、約15から約28個の塩基対を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的RNAの切断を誘導する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記siNA分子は、約15から約28個の塩基対を含む。
一実施形態においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)による標的RNAの切断を誘導する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子は第1の鎖と第2の鎖を含み、siNA分子の各鎖は約18から約28(例えば、約18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28)ヌクレオチド長であり、siNA分子の第1の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含み、前記siNA分子の第2の鎖は、第1の鎖に相補的であるヌクレオチド配列を含む。特定の一実施形態においては、例えば、siNA分子の各鎖は、約18から約27ヌクレオチド長である。
一実施形態においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)による標的RNAの切断を誘導する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子は第1の鎖と第2の鎖を含み、siNA分子の各鎖は約18から約23(例えば、約18、19、20、21、22又は23)ヌクレオチド長であり、siNA分子の第1の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含み、前記siNA分子の第2の鎖は、第1の鎖に相補的であるヌクレオチド配列を含む。
一実施形態においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)による標的RNAの切断を誘導する、化学合成された二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子の各鎖は約18から約28ヌクレオチド長であり、siNA分子の1本の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含む。
一実施形態においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)による標的RNAの切断を誘導する、化学合成された二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子の各鎖は約18から約23ヌクレオチド長であり、siNA分子の1本の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、siNA分子を特徴とする。ここで、例えば、標的遺伝子又はRNAはタンパク質コード配列を含む。一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、siNA分子を特徴とする。ここで、例えば、標的遺伝子又はRNAは、標的遺伝子発現に関与する非コード配列又は調節エレメント(例えば、非コードRNA、miRNA、stRNAなど)を含む。
一実施形態においては、本発明のsiNAを用いて、標的遺伝子又は標的遺伝子ファミリーの発現を阻害する。ここで、遺伝子又は遺伝子ファミリーの配列は、配列相同性を共有する。かかる相同配列は、例えば配列アラインメントによって、当分野で公知のとおりに特定することができる。siNA分子は、例えば、完全な相補配列を用いて、又は追加の標的配列を与え得る非標準塩基対、例えばミスマッチ及び/又はゆらぎ塩基対を導入することによって、かかる相同配列を標的とするように設計することができる。ミスマッチが特定された場合には、非標準塩基対(例えば、ミスマッチ及び/又はゆらぎ塩基)を用いて、1個を超える遺伝子配列を標的にするsiNA分子を作製することができる。非限定的例においては、UU、CC塩基対などの非標準塩基対を用いて、配列相同性を共有する異なるポリヌクレオチド標的の配列を標的にすることができるsiNA分子を作製する。したがって、本発明のsiNAを使用する一利点は、相同遺伝子間で保存されたヌクレオチド配列に相補的である核酸配列を含むように単一のsiNAを設計できることである。この手法においては、異なる遺伝子を標的にするために1個を超えるsiNA分子を用いる代わりに、単一のsiNAを用いて1個を超える遺伝子の発現を阻害することができる。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA(例えば、コード又は非コードRNA)に対するRNAi活性を有するsiNA分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、その全部を参照により本明細書に組込むPCT/US03/05028、米国仮出願第60/363,124号及び/又は米国特許出願第10/923,536号に示されたGenBankアクセッション番号を有する配列などの任意のRNA配列に相補的である配列を含む。別の実施形態においては、本発明は、標的RNAに対するRNAi活性を有するsiNA分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、変種コード配列を有する、例えば、本明細書の、又は当分野で公知の疾患、形質、障害及び/又は症状の持続及び/又は発生に関連することが当分野で知られている他の変異遺伝子を有するRNAに相補的である配列を含む。表I又は本明細書の化学修飾は、本発明の任意のsiNA構築物に適用することができる。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用し、それによって標的遺伝子発現のサイレンシングを媒介し得るヌクレオチド配列を含む。ここで、例えば、siNAは、クロマチン構造又は標的遺伝子のメチル化パターンを調節して、標的遺伝子の転写を防止する細胞プロセスによって、標的遺伝子発現の調節を媒介する。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子を用いて、対象又は生物体において形質、疾患又は症状に関連するハプロタイプ多型から生じるタンパク質の発現を下方制御又は阻害する。遺伝子又はタンパク質若しくはRNAレベルを分析することによって、かかる多型を有する対象、又は本明細書の形質、症状若しくは疾患を発生するリスクのある対象を特定することができる。これらの対象は、治療、例えば、本発明のsiNA分子、及び標的遺伝子発現に関係する疾患の治療に有用である任意の他の組成物を用いた治療に適している。したがって、タンパク質又はRNAレベルを分析することによって、対象を治療する治療タイプ及び療法のコースを決定することができる。タンパク質又はRNAレベルを監視することによって、治療の成果を予測し、また、形質、障害、症状又は疾患に関連したある種のタンパク質のレベル及び/又は活性を調節する化合物及び組成物の効力を求めることができる。
本発明の一実施形態においては、siNA分子は、標的タンパク質をコードするヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖を含む。siNAは、センス鎖を更に含み、前記センス鎖は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部を含む。
別の実施形態においては、siNA分子は、標的タンパク質をコードするヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス領域を含む。siNA分子は、センス領域を更に含み、前記センス領域は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部を含む。
別の実施形態においては、本発明は、ヌクレオチド配列を含むsiNA分子、例えば、標的遺伝子のヌクレオチド配列又は配列の一部に相補的である、siNA分子のアンチセンス領域中のヌクレオチド配列を含むsiNA分子を特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、領域、例えば、標的遺伝子配列又はその一部を含む配列に相補的である、siNA構築物のアンチセンス領域を含むsiNA分子を特徴とする。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子のセンス領域又はセンス鎖は、標的ポリヌクレオチド配列に相補的である、siNA分子のアンチセンス領域又はアンチセンス鎖の部分に相補的である。
更に別の実施形態においては、本発明は、配列を含むsiNA分子、例えば、その全部を参照により本明細書に組込むPCT/US03/05028、米国仮出願第60/363,124号及び/又は米国特許出願第10/923,536号に示されたGenBankアクセッション番号によって表される配列を含む配列又は配列の一部に相補的である、siNA構築物のアンチセンス配列を含むsiNA分子を特徴とする。表I及び本明細書の化学修飾は、本発明の任意のsiNA構築物に適用することができる。表IVのLNP調合物は、本明細書の任意のsiNA分子又はsiNA分子の組合せに適用することができる。
本発明の一実施形態においては、siNA分子は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを有するアンチセンス鎖を含む。ここで、アンチセンス鎖は、標的RNA配列又はその一部に相補的である。前記siNAは、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを有するセンス鎖を更に含む。前記センス鎖と前記アンチセンス鎖は、異なるヌクレオチド配列であり、各鎖中の少なくとも約15ヌクレオチドは、他方の鎖に相補的である。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子(例えば、二本鎖核酸分子)は、標的RNA配列又はその一部に相補的である、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを有するアンチセンス(ガイド)鎖を含む。一実施形態においては、標的RNA配列の少なくとも15ヌクレオチド(例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチド)は、本発明のsiNA分子のアンチセンス(ガイド)鎖に相補的である。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子(例えば、二本鎖核酸分子)は、標的RNAの配列又はその一部を含む、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを有するセンス(パッセンジャー)鎖を含む。一実施形態においては、標的RNA配列の少なくとも15ヌクレオチド(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドは、本発明のsiNA分子のセンス(パッセンジャー)鎖を含む。
本発明の別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを有するアンチセンス領域を含む。ここで、アンチセンス領域は、標的DNA配列に相補的である。前記siNAは、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを有するセンス領域を更に含む。前記センス領域と前記アンチセンス領域は線状分子に含まれ、センス領域は、アンチセンス領域に相補的である少なくとも約15ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、遺伝子によってコードされるRNAの発現を調節するRNAi活性を有する。各遺伝子はある程度の配列相同性を共有するので、siNA分子は、異なる標的間で共有される配列、又は特定の標的に特有の配列を選択することによって、あるクラスの遺伝子を標的にするように設計することができる。したがって、一実施形態においては、siNA分子は、1種類のsiNA分子を用いてあるクラスの遺伝子を標的にするために、幾つかの遺伝子変種間で相同性を有する標的ポリヌクレオチド配列の保存領域を標的にするように設計することができる。したがって、一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における1種類以上の標的遺伝子アイソフォーム又は変種の発現を調節する。別の実施形態においては、siNA分子は、siNA分子がRNAi活性を媒介するのに必要な高度の特異性のために、特定のポリヌクレオチド配列(例えば、単一の標的遺伝子アイソフォーム又は一塩基多型(SNP))に特有の配列を標的にするように設計することができる。
一実施形態においては、RNA干渉遺伝子サイレンシング応答の媒介物質として作用する本発明の核酸分子は、二本鎖核酸分子である。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド間の約15から約30塩基対を含む二本鎖核酸分子からなる。更に別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、約1から約3(例えば、約1、2又は3)ヌクレオチドのオーバーハング末端を有する二本鎖核酸分子、例えば、約19塩基対と3’末端モノヌクレオチド、ジヌクレオチド又はトリヌクレオチドオーバーハングとを有する約21ヌクレオチド二本鎖を含む。更に別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、両末端が平滑末端である、又は両末端の一方が平滑末端である、平滑末端を有する二本鎖核酸分子を含む。
一実施形態においては、二本鎖核酸(例えば、siNA)分子は、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドオーバーハングを含む。「オーバーハング」とは、二本鎖核酸分子の2本の鎖の間で塩基対を形成していないヌクレオチド配列の末端部分を意味する(例えば、図6参照)。一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子の一方又は両方の鎖の3’末端にヌクレオチド又は非ヌクレオチドオーバーハングを含み得る。例えば、本発明の二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子のガイド鎖若しくはアンチセンス鎖/領域の3’末端に、パッセンジャー鎖若しくはセンス鎖/領域の3’末端に、又はガイド鎖若しくはアンチセンス鎖/領域とパッセンジャー鎖若しくはセンス鎖/領域の両方に、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドオーバーハングを含み得る。別の実施形態においては、本発明の二本鎖核酸(siNA)分子のヌクレオチドオーバーハング部分は、2’−O−メチル、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ(FANA)、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、汎用塩基(universal base)、非環式、又は5−C−メチルヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、本発明の二本鎖核酸(siNA)分子の非ヌクレオチドオーバーハング部分は、グリセリル、脱塩基又は反転(inverted)デオキシ脱塩基非ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸(例えば、siNA)分子のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、siNA分子の標的ポリヌクレオチド配列を含むヌクレオチドに対応する。したがって、かかる実施形態においては、本発明のsiNA分子のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列に基づく配列を含む。ここで、本発明のsiNA分子のガイド鎖又はアンチセンス鎖/領域のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチドに相補的であり得、本発明のsiNA分子のパッセンジャー鎖又はセンス鎖/領域のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチドを含み得る。かかるヌクレオチドオーバーハングは、siRNAへの未変性dsRNAのダイサープロセシングから生成する配列を含む。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸(例えば、siNA)分子のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列に相補的であり、本明細書に記載したとおりに化学修飾されていてもよい。したがって、一実施形態においては、本発明のsiNA分子のガイド鎖又はアンチセンス鎖/領域のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチド、すなわち、siNA分子のガイド鎖又はアンチセンス鎖/領域中のオーバーハングヌクレオチドのヌクレオチド位置に相補的である、標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチド位置に相補的であり得る。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子のパッセンジャー鎖又はセンス鎖/領域のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチド、すなわち、siNA分子中のパッセンジャー鎖又はセンス鎖/領域中のオーバーハングヌクレオチドの同じヌクレオチド位置に対応する標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチド位置を含み得る。一実施形態においては、オーバーハングは、標的ポリヌクレオチド配列の一部に相補的である2個のヌクレオチド(例えば、3’−GA、3’−GU、3’−GG、3’GC、3’−CA、3’−CU、3’−CG、3’CC、3’−UA、3’−UU、3’−UG、3’UC、3’−AA、3’−AU、3’−AG、3’−AC、3’−TA、3’−TU、3’−TG、3’−TC、3’−AT、3’−UT、3’−GT、3’−CT)オーバーハングを含む。一実施形態においては、オーバーハングは、標的ポリヌクレオチド配列の一部に相補的でない2個のヌクレオチド(例えば、3’−GA、3’−GU、3’−GG、3’GC、3’−CA、3’−CU、3’−CG、3’CC、3’−UA、3’−UU、3’−UG、3’UC、3’−AA、3’−AU、3’−AG、3’−AC、3’−TA、3’−TU、3’−TG、3’−TC、3’−AT、3’−UT、3’−GT、3’−CT)オーバーハングを含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子のオーバーハングヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子のオーバーハングヌクレオチドは、オーバーハングヌクレオチドがプリンヌクレオチドである場合には、2’−O−メチルヌクレオチドであり、及び/又はオーバーハングヌクレオチドがピリミジンヌクレオチドである場合には、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド若しくは2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノヌクレオチドである。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子のオーバーハング中のプリンヌクレオチドは(存在するときには)2’−O−メチルヌクレオチドである。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子のオーバーハング中のピリミジンヌクレオチドは(存在するときには)2’−デオキシ−2’−フルオロ又は2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸(例えば、siNA)分子のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列に相補的でなく、本明細書に記載したとおりに化学修飾されていてもよい。一実施形態においては、オーバーハングは、標的ポリヌクレオチド配列の一部に相補的でない3’−UUオーバーハングを含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子のオーバーハング部分を含むヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核分子(例えば、siNA)は、2又は3個のヌクレオチドオーバーハングを含み、オーバーハング中のヌクレオチドは同じであり、又は異なる。一実施形態においては、本発明の二本鎖核分子(例えば、siNA)は、2又は3個のヌクレオチドオーバーハングを含み、オーバーハング中のヌクレオチドは、同じであり、又は異なり、オーバーハング中の1個以上のヌクレオチドは、塩基、糖及び/又はリン酸骨格において化学修飾されている。
一実施形態においては、本発明は、DNA、タンパク質をコードするRNA、標的遺伝子の発現に関連する非コードRNAなどの標的核酸分子に特異的である1個以上の化学修飾siNA構築物を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、本明細書の1個以上の化学修飾を含む核酸分子に特異的である、RNAベースのsiNA分子(例えば、2’−OHヌクレオチドを含むsiNA)を特徴とする。かかる化学修飾の非限定的例としては、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロリボヌクレオチド、4’−チオリボヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド(例えば、参照により本明細書に組込む、2004年11月5日に出願された米国特許出願第10/981,966号参照)、「汎用塩基」ヌクレオチド、「非環式」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ(FANA、例えば、Dowler et al., 2006, Nucleic Acids Research, 34, 1669−1675参照)及び末端グリセリル及び/又は反転デオキシ脱塩基残基の組み入れが挙げられるが、これらだけに限定されない。これらの化学修飾は、種々のsiNA構築物(例えば、RNAベースのsiNA構築物)において使用すると、細胞におけるRNAi活性を維持し、同時に、これらの化合物の血清安定性を劇的に増大させることが判明した。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、本明細書の化学修飾(例えば、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロリボヌクレオチド、4’−チオリボヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、LNA)をsiNA分子の内部位置に含む。「内部位置」とは、siNA二本鎖の塩基対形成位置を意味する。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、RNAiを媒介する能力を維持しつつ、修飾ヌクレオチドを含む。修飾ヌクレオチドを使用して、安定性、活性、毒性、免疫応答及び/又は生物学的利用能などのインビトロ又はインビボ特性を改善することができる。例えば、本発明のsiNA分子は、siNA分子中に存在するヌクレオチドの総数の百分率として修飾ヌクレオチドを含み得る。したがって、本発明のsiNA分子は、約5%から約100%の修飾ヌクレオチド(例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の修飾ヌクレオチド)を一般に含み得る。例えば、一実施形態においては、本発明のsiNA分子中のヌクレオチド位置の約5%から約100%(例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の修飾ヌクレオチド)は、2’糖修飾、例えば、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチドなどの核酸糖修飾を含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子中のヌクレオチド位置の約5%から約100%(例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の修飾ヌクレオチド)は、イノシン、プリン、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、シュードウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)又は6−アザピリミジン又は6−アルキルピリミジン(例えば6−メチルウリジン)、プロピン修飾などの核酸塩基修飾を含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子中のヌクレオチド位置の約5%から約100%(例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の修飾ヌクレオチド)は、本明細書の式Iの骨格修飾などの核酸骨格修飾を含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子中のヌクレオチド位置の約5%から約100%(例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の修飾ヌクレオチド)は、核酸糖、塩基若しくは骨格修飾又はその任意の組合せ(例えば、本明細書の核酸糖、塩基、骨格又は非ヌクレオチド修飾の任意の組合せ)を含む。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の修飾ヌクレオチドを含む。所与のsiNA分子中に存在する修飾ヌクレオチドの実際の割合は、siNA中に存在するヌクレオチドの総数に依存する。siNA分子が一本鎖である場合には、修飾率は、一本鎖siNA分子中に存在するヌクレオチドの総数に基づき得る。同様に、siNA分子が二本鎖である場合には、修飾率は、センス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖とアンチセンス鎖の両方中に存在するヌクレオチドの総数に基づき得る。
本発明のsiNA分子は、siNA分子内の種々の場所に修飾ヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子は、siNA二本鎖内部の塩基対形成位置に修飾ヌクレオチドを含む。例えば、内部位置は、19塩基対と2個のヌクレオチド3’オーバーハングとを有する21ヌクレオチドsiNA二本鎖のセンス鎖若しくは領域又はアンチセンス鎖若しくは領域のどちらかの5’末端から約3から約19ヌクレオチドの位置を含み得る。別の実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子は、siNA分子の非塩基対形成領域、すなわちオーバーハング領域に修飾ヌクレオチドを含む。「非塩基対形成」とは、センス鎖又はセンス領域とアンチセンス鎖又はアンチセンス領域又はsiNA分子との間でヌクレオチドが塩基対を形成していないことを意味する。オーバーハングヌクレオチドは、対応する標的ポリヌクレオチド配列に相補的であり得、又は対応する標的ポリヌクレオチド配列と塩基対を形成し得る(例えば、図6C参照)。例えば、オーバーハング位置は、19塩基対と2個のヌクレオチド3’オーバーハングとを有する21ヌクレオチドsiNA二本鎖のセンス鎖若しくは領域又はアンチセンス鎖若しくは領域のどちらかの5’末端から約20及び約21ヌクレオチドの位置を含み得る。別の実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子は、siNA分子の末端位置に修飾ヌクレオチドを含む。例えば、かかる末端領域としては、siNA分子のセンス及び/又はアンチセンス鎖若しくは領域の3’と5’の両方の位置に対して、3’位置、5’位置が挙げられる。別の実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子は、塩基対形成位置若しくは内部位置、非塩基対形成領域若しくはオーバーハング領域、及び/又は末端領域、又はその任意の組合せにおいて、修飾ヌクレオチドを含む。
本発明の一態様は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。一実施形態においては、二本鎖siNA分子は、1個以上の化学修飾を含み、二本鎖siNAの各鎖は約21ヌクレオチド長である。一実施形態においては、二本鎖siNA分子は、リボヌクレオチドを含まない。別の実施形態においては、二本鎖siNA分子は、1個以上のリボヌクレオチドを含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の各鎖は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを独立に含む。ここで、各鎖は、他方の鎖のヌクレオチドに相補的である約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、二本鎖siNA分子の他方の鎖は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部にかなり類似したヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域とセンス領域を含み、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部にかなり類似したヌクレオチド配列を含む。一実施形態においては、アンチセンス領域とセンス領域は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを独立に含む。ここで、アンチセンス領域は、センス領域のヌクレオチドに相補的である約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含む。
別の実施形態においては、本発明は、センス領域とアンチセンス領域を含み、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域は、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は、アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含む。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、平滑末端、すなわち、オーバーハングヌクレオチドを含まない末端を含む。例えば、本明細書の修飾を含み(例えば、式I−VIIのヌクレオチド、「Stab 00」−「Stab 36」若しくは「Stab 3F」−「Stab 36F」を含むsiNA構築物(表I)、又はその任意の組合せを含み)、及び/又は本明細書の任意の長さを含むsiNA分子は、平滑末端、すなわちオーバーハングヌクレオチドを含まない末端を含み得る。
一実施形態においては、本発明の任意のsiNA分子は、1個以上の平滑末端を含み得る。すなわち、ここで、平滑末端は、オーバーハングヌクレオチドを含まない。一実施形態においては、平滑末端siNA分子は、siNA分子の各鎖中に存在するヌクレオチドと同数の塩基対を有する。別の実施形態においては、siNA分子は1個の平滑末端を含む。例えば、アンチセンス鎖の5’末端とセンス鎖の3’末端はオーバーハングヌクレオチドを含まない。別の例においては、siNA分子は1個の平滑末端を含む。例えば、アンチセンス鎖の3’末端とセンス鎖の5’末端はオーバーハングヌクレオチドを含まない。別の例においては、siNA分子は2個の平滑末端を含む。例えば、アンチセンス鎖の3’末端とセンス鎖の5’末端、及びアンチセンス鎖の5’末端とセンス鎖の3’末端は、オーバーハングヌクレオチドを含まない。平滑末端siNA分子は、例えば、約15から約30ヌクレオチド(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチド)を含み得る。平滑末端siNA分子中に存在する他のヌクレオチドは、例えば、ミスマッチ、バルジ、ループ又はゆらぎ塩基対を含み、siNA分子の活性を調節して、RNA干渉を媒介することができる。
「平滑末端」とは、対称な末端、又はオーバーハングヌクレオチドを含まない二本鎖siNA分子の末端を意味する。二本鎖siNA分子の2本の鎖は、末端にオーバーハングヌクレオチドを含まずに整合する。例えば、平滑末端siNA構築物は、siNA分子のセンス領域とアンチセンス領域の間で相補的である末端ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、2個の別々のオリゴヌクレオチド断片から組み立てられ、第1の断片はセンス領域を含み、第2の断片はsiNA分子のアンチセンス領域を含む。センス領域は、ポリヌクレオチドリンカー、非ヌクレオチドリンカーなどのリンカー分子を介してアンチセンス領域と連結し得る。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸分子(例えば、siNA)分子は、RNAi活性を維持又は増強する位置にリボヌクレオチドを含む。一実施形態においては、リボヌクレオチドは、siNA分子のセンス鎖又はセンス領域中に存在し、RISC内での酵素によるセンス鎖又はセンス領域の切断を可能にすることによってRNAi活性を付与し得る(例えば、RISC中でAGO2酵素によって切断される、19塩基対二本鎖のパッセンジャー鎖の位置9など、パッセンジャー鎖、センス鎖又はセンス領域の切断位置に存在するリボヌクレオチド。例えば、Matranga et al., 2005, Cell, 123:1−114及びRand et al., 2005, Cell, 123:621−629を参照されたい。)。別の実施形態においては、siNA分子の(アンチセンス鎖又はアンチセンス領域としても知られる)ガイド鎖又はガイド領域の5’末端にある1個以上(例えば、1、2、3、4又は5個)のヌクレオチドはリボヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸分子(例えば、siNA)分子は、RISC複合体中での酵素によるパッセンジャー鎖又はパッセンジャー領域の切断を可能にする(センス鎖又はセンス領域としても知られる)パッセンジャー鎖又はパッセンジャー領域内の位置に1個以上のリボヌクレオチドを含む(例えば、RISC中で切断される、19塩基対二本鎖のパッセンジャー鎖の位置9など、パッセンジャー鎖の位置に存在するリボヌクレオチド。例えば、Matranga et al., 2005, Cell, 123:1−114及びRand et al., 2005, Cell, 123:621−629を参照されたい。)。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも2、3、4、5個又はそれを超える、同じでも、異なっていてもよい化学修飾を含む。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも2、3、4、5個又はそれを超える異なる化学修飾を含む。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は二本鎖低分子干渉核酸(siNA)であって、二本鎖核酸分子は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)個の塩基対を含み、siNA分子の各鎖中のヌクレオチド位置の1つ以上(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個)は、化学修飾を含む。別の実施形態においては、siNAは、少なくとも2、3、4、5個又はそれを超える異なる化学修飾を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)個の塩基対を含み、siNA分子の各鎖は1個以上の化学修飾を含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の各鎖は、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)異なる化学修飾、例えば、異なるヌクレオチド糖、塩基又は骨格修飾を含む。別の実施形態においては、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、二本鎖siNA分子の他方の鎖は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部にかなり類似したヌクレオチド配列を含む。別の実施形態においては、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、二本鎖siNA分子の他方の鎖は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部にかなり類似したヌクレオチド配列を含む。別の実施形態においては、siNA分子の各鎖は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含み、各鎖は、他方の鎖のヌクレオチドに相補的である少なくとも約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含む。標的遺伝子は、例えば、本明細書で言及する配列、又は参照により本明細書に組込む配列を含み得る。遺伝子は、例えば、本明細書のGenBankアクセッション番号によって参照される配列を含み得る。
一実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子の各鎖は、本明細書の任意の「Stab 00」−「Stab 36」又は「Stab 3F」−「Stab 36F」(表I)修飾パターン、その任意の組合せなどの異なる化学修飾パターンを含む。種々の修飾パターンを有するかかるsiNA分子のセンス鎖及びアンチセンス鎖の非限定的例を表II並びに図4及び5に示す。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、リボヌクレオチドを含まない。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上のリボヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるリボヌクレオチド)を含む。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス領域を含み、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部にかなり類似したヌクレオチド配列を含むセンス領域を更に含む。別の実施形態においては、アンチセンス領域とセンス領域は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを各々含む。アンチセンス領域は、センス領域のヌクレオチドに相補的である少なくとも約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の各鎖は、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)異なる化学修飾、例えば、異なるヌクレオチド糖、塩基又は骨格修飾を含む。標的遺伝子は、例えば、本明細書で言及する配列、又は参照により本明細書に組込む配列を含み得る。別の実施形態においては、siNAは二本鎖核酸分子であり、siNA分子の2本の鎖の各々は、約15から約40(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、23、33、34、35、36、37、38、39又は40)ヌクレオチドを独立に含み、siNA分子の鎖の1本は、標的遺伝子の核酸配列又はその一部に相補的である少なくとも約15(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24若しくは25又はそれを超える)ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、センス領域及びアンチセンス領域を含み、アンチセンス領域は、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は、アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態においては、siNA分子は、2個の別々のオリゴヌクレオチド断片から組み立てられ、第1の断片はセンス領域を含み、第2の断片はsiNA分子のアンチセンス領域を含む。別の実施形態においては、センス領域は、リンカー分子を介してアンチセンス領域と連結されている。別の実施形態においては、センス領域は、ヌクレオチド、非ヌクレオチドリンカーなどのリンカー分子を介してアンチセンス領域と連結されている。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の各鎖は、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)異なる化学修飾、例えば、異なるヌクレオチド糖、塩基又は骨格修飾を含む。標的遺伝子は、例えば、本明細書で言及する配列、又は参照により本明細書に組込む配列を含み得る。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれを超える)2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジン修飾を含む(例えば、siNAの1個以上又は全部のピリミジン(例えば、U又はC)位置が2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで修飾されている。)。一実施形態においては、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジン修飾は、センス鎖中に存在する。一実施形態においては、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジン修飾は、アンチセンス鎖中に存在する。一実施形態においては、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジン修飾は、siNA分子のセンス鎖中とアンチセンス鎖中の両方に存在する。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれを超える)2’−O−メチルプリン修飾を含む(例えば、siNAの1個以上又は全部のプリン(例えば、A又はG)位置が2’−O−メチルヌクレオチドで修飾されている。)。一実施形態においては、2’−O−メチルプリン修飾は、センス鎖中に存在する。一実施形態においては、2’−O−メチルプリン修飾は、アンチセンス鎖中に存在する。一実施形態においては、2’−O−メチルプリン修飾は、siNA分子のセンス鎖中とアンチセンス鎖中の両方に存在する。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれを超える)2’−デオキシプリン修飾を含む(例えば、siNAの1個以上又は全部のプリン(例えば、A又はG)位置が2’−デオキシヌクレオチドで修飾されている。)。一実施形態においては、2’−デオキシプリン修飾は、センス鎖中に存在する。一実施形態においては、2’−デオキシプリン修飾は、アンチセンス鎖中に存在する。一実施形態においては、2’−デオキシプリン修飾は、siNA分子のセンス鎖中とアンチセンス鎖中の両方に存在する。
一実施形態においては、本発明は、センス領域とアンチセンス領域を含み、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域は、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は、アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含む。siNA分子は、1個以上の修飾ピリミジン及び/又はプリンヌクレオチドを有する。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の各鎖は、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)異なる化学修飾、例えば、異なるヌクレオチド糖、塩基又は骨格修飾を含む。一実施形態においては、センス領域中のピリミジンヌクレオチドは、2’−O−メチルピリミジンヌクレオチド又は2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、センス領域中に存在するプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。別の実施形態においては、センス領域中のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、センス領域中に存在するプリンヌクレオチドは2’−O−メチルプリンヌクレオチドである。別の実施形態においては、センス領域中のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、センス領域中に存在するプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。一実施形態においては、アンチセンス領域中のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、アンチセンス領域中に存在するプリンヌクレオチドは2’−O−メチル又は2’−デオキシプリンヌクレオチドである。上記siNA分子のいずれかの別の実施形態においては、センス鎖の非相補領域(例えば、オーバーハング領域)中に存在する任意のヌクレオチドは2’−デオキシヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、2個の別々のオリゴヌクレオチド断片から組み立てられ、第1の断片はセンス領域を含み、第2の断片はsiNA分子のアンチセンス領域を含む。センス領域を含む断片は、断片の5’末端に、3’末端に、又は5’末端と3’末端の両方に、末端キャップ部分を含む。一実施形態においては、末端キャップ部分は、反転デオキシ脱塩基部分又はグリセリル部分である。一実施形態においては、siNA分子の2個の断片の各々は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを独立に含む。別の実施形態においては、siNA分子の2個の断片の各々は、約15から約40(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、23、33、34、35、36、37、38、39又は40)ヌクレオチドを独立に含む。非限定的例においては、siNA分子の2個の断片の各々は、約21ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、本発明は、少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子を特徴とする。ここで、修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、又は本明細書及び参照により本明細書に組込む2004年11月5日に出願された米国特許出願第10/981,966号の任意の他の修飾ヌクレオシド/ヌクレオチドである。一実施形態においては、本発明は、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子を特徴とする。ここで、修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、又は本明細書及び参照により本明細書に組込む2004年11月5日に出願された米国特許出願第10/981,966号の任意の他の修飾ヌクレオシド/ヌクレオチドからなる群から選択される。修飾ヌクレオチド/ヌクレオシドは、同じでも、異なっていてもよい。siNAは、例えば、約15から約40ヌクレオチド長であり得る。一実施形態においては、siNA中に存在する全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオピリミジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中の修飾ヌクレオチドは、少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン又は2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、siNA中の修飾ヌクレオチドは、少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン及び少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを含む。一実施形態においては、siNA中に存在する全ウリジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全シチジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロシチジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全アデノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全グアノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンヌクレオチドである。SiNAは、ホスホロチオアート結合などの少なくとも1個の修飾ヌクレオチド間結合を更に含み得る。一実施形態においては、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドは、ピリミジンヌクレオチドを有する場所など、リボヌクレアーゼによる切断に敏感である、siNA中の特に選択された場所に存在する。
一実施形態においては、本発明は、少なくとも1個の修飾ヌクレオチドをsiNA分子中に導入することを含む、リボヌクレアーゼによる切断に対するsiNA分子の安定性を増大させる方法を特徴とする。ここで、修飾ヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中の修飾ヌクレオチドは、少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン又は2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、siNA中の修飾ヌクレオチドは、少なくとも1個の2’−フルオロシチジン及び少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドを含む。一実施形態においては、siNA中に存在する全ウリジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全シチジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロシチジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全アデノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全グアノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンヌクレオチドである。SiNAは、ホスホロチオアート結合などの少なくとも1個の修飾ヌクレオチド間結合を更に含み得る。一実施形態においては、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドは、ピリミジンヌクレオチドを有する場所など、リボヌクレアーゼによる切断に敏感である、siNA中の特に選択された場所に存在する。
一実施形態においては、本発明は、少なくとも1個の修飾ヌクレオチドをsiNA分子中に導入することを含む、リボヌクレアーゼによる切断に対するsiNA分子の安定性を増大させる方法を特徴とする。ここで、修飾ヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノピリミジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中の修飾ヌクレオチドは、少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノシチジン又は2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノウリジンヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、siNA中の修飾ヌクレオチドは、少なくとも1個の2’−フルオロシチジン及び少なくとも1個の2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノウリジンヌクレオチドを含む。一実施形態においては、siNA中に存在する全ウリジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノウリジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全シチジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノシチジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全アデノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノアデノシンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA中に存在する全グアノシンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノグアノシンヌクレオチドである。SiNAは、ホスホロチオアート結合などの少なくとも1個の修飾ヌクレオチド間結合を更に含み得る。一実施形態においては、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノヌクレオチドは、ピリミジンヌクレオチドを有する場所など、リボヌクレアーゼによる切断に敏感である、siNA中の特に選択された場所に存在する。
一実施形態においては、本発明は、センス領域とアンチセンス領域を含み、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域は、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は、アンチセンス領域に相補的であるヌクレオチド配列を含む。アンチセンス領域中に存在するプリンヌクレオチドは、2’−デオキシ−プリンヌクレオチドを含む。代替の実施形態においては、アンチセンス領域中に存在するプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドを含む。上記実施形態のいずれにおいても、アンチセンス領域は、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合をアンチセンス領域の3’末端に含み得る。或いは、上記実施形態のいずれにおいても、アンチセンス領域は、グリセリル修飾をアンチセンス領域の3’末端に含み得る。上記siNA分子のいずれかの別の実施形態においては、アンチセンス鎖の非相補領域(例えば、オーバーハング領域)中に存在する任意のヌクレオチドは2’−デオキシヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子のアンチセンス領域は、疾患又は形質特異的対立遺伝子に関連した一塩基多型(SNP)を含む配列など、対象又は生物体における特定の疾患又は形質に関係する対立遺伝子に特有の配列を有する内因性転写物の一部に相補的である配列を含む。したがって、本発明のsiNA分子のアンチセンス領域は、特定の対立遺伝子に特有な配列であって、疾患、症状又は形質に関係する対立遺伝子に対して選択的なRNAiを媒介する特異性をもたらす配列に相補的である配列を含み得る。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を下方制御する、又は標的RNAの切断を誘導する、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、2個の別々のオリゴヌクレオチド断片から組み立てられ、第1の断片はセンス領域を含み、第2の断片はsiNA分子のアンチセンス領域を含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の各鎖は、約21ヌクレオチド長であり、siNA分子の各断片の約19ヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片の相補ヌクレオチドと塩基対を形成し、siNA分子の各断片の少なくとも2個の3’末端ヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片のヌクレオチドと塩基対を形成しない。別の実施形態においては、siNA分子は二本鎖核酸分子であり、各鎖は約19ヌクレオチド長であり、siNA分子の各断片のヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片の相補ヌクレオチドと塩基対を形成して、少なくとも約15(例えば、15、16、17、18又は19)塩基対を形成し、siNA分子の一方又は両方の末端は平滑末端である。一実施形態においては、siNA分子の各断片の2個の3’末端ヌクレオチドの各々は、2’−デオキシ−チミジンなどの2’−デオキシ−ピリミジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA分子の各断片の2個の3’末端ヌクレオチドの各々は、2’−O−メチルウリジン、シチジン、チミジンなどの2’−O−メチルピリミジンヌクレオチドである。別の実施形態においては、siNA分子の各断片の全ヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片の相補ヌクレオチドと塩基対を形成する。別の実施形態においては、siNA分子は、センス領域及びアンチセンス領域を有する、約19から約25塩基対の二本鎖核酸分子であり、アンチセンス領域の約19ヌクレオチドは、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部と塩基対を形成する。別の実施形態においては、アンチセンス領域の約21ヌクレオチドは、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部と塩基対を形成する。上記実施形態のいずれにおいても、前記アンチセンス領域を含む断片の5’末端は、リン酸基を含んでいてもよい。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列の発現を阻害する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNA分子はリボヌクレオチドを含まず、二本鎖siNA分子の各鎖は約15から約30ヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA分子は21ヌクレオチド長である。非リボヌクレオチド含有siNA構築物の例は、Stab 7/8、Stab 7/11、Stab 8/8、Stab 18/8、Stab 18/11、Stab 12/13、Stab 7/13、Stab 18/13、Stab 7/19、Stab 8/19、Stab 18/19、Stab 7/20、Stab 8/20、Stab 18/20、Stab 7/32、Stab 8/32、Stab 18/32など、センス/アンチセンスケミストリーの任意の組合せの表Iに示す安定化ケミストリーの組合せである(例えば、Stab 7、8、11、12、13、14、15、17、18、19、20又は32のセンス若しくはアンチセンス鎖又はその任意の組合せを有する任意のsiNA)。本明細書では、数字で表したStabケミストリーは、表Iに示すケミストリーの2’−フルオロと2’−OCF3の両方のバージョンを含み得る。例えば、「Stab 7/8」は、Stab 7/8とStab 7F/8Fの両方を指すなど。一実施形態においては、本発明は、RNA干渉による標的RNAの切断を誘導する、化学合成された二本鎖RNA分子を特徴とする。ここで、前記RNA分子の各鎖は約15から約30ヌクレオチド長である。RNA分子の一方の鎖は、RNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を、標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含む。RNA分子の少なくとも一方の鎖は、デオキシヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノ、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチドなど、又はその任意の組合せなど、ただしこれらだけに限定されない、本明細書の1個以上の化学修飾ヌクレオチドを含んでいてもよい。
一実施形態においては、本発明の標的RNAは、タンパク質をコードする配列を含む。
一実施形態においては、本発明の標的RNAは、非コードRNA配列(例えば、miRNA、snRNA、siRNAなど)を含む。例えば、Mattick, 2005, Science, 309, 1527−1528; Claverie, 2005, Science, 309, 1529−1530; Sethupathy et al., 2006, RNA, 12, 192−197及びCzech, 2006 NEJM, 354, 11: 1194−1195を参照されたい。
一実施形態においては、本発明は、本発明のsiNA分子を含む医薬品を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、本発明のsiNA分子を含む活性成分を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する、下方制御する、又は減少させるための二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子の使用を特徴とする。ここで、siNA分子は1個以上の化学修飾を含み、二本鎖siNAの各鎖は独立に約15から約30又はそれを超える(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30又はそれを超える)ヌクレオチド長である。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の化学修飾を含む二本鎖核酸分子であり、siNA分子の2個の断片の各々は、約15から約40(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、23、33、34、35、36、37、38、39又は40)ヌクレオチドを独立に含み、鎖の1本は、標的コードRNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的である少なくとも15ヌクレオチドを含む。非限定的例においては、siNA分子の2個の断片の各々は、約21ヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、siNA分子は、1個以上の化学修飾を含む二本鎖核酸分子であり、各鎖は約21ヌクレオチド長であり、siNA分子の各断片の約19ヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片の相補ヌクレオチドと塩基対を形成し、siNA分子の各断片の少なくとも2個の3’末端ヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片のヌクレオチドと塩基対を形成しない。別の実施形態においては、siNA分子は、1個以上の化学修飾を含む二本鎖核酸分子であり、各鎖は約19ヌクレオチド長であり、siNA分子の各断片のヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片の相補ヌクレオチドと塩基対を形成して、少なくとも約15(例えば、15、16、17、18又は19)塩基対を形成し、siNA分子の一方又は両方の末端は平滑末端である。一実施形態においては、siNA分子の各断片の2個の3’末端ヌクレオチドの各々は、2’−デオキシ−チミジンなどの2’−デオキシ−ピリミジンヌクレオチドである。一実施形態においては、siNA分子の各断片の2個の3’末端ヌクレオチドの各々は、2’−O−メチルウリジン、シチジン、チミジンなどの2’−O−メチルピリミジンヌクレオチドである。別の実施形態においては、siNA分子の各断片の全ヌクレオチドは、siNA分子の他方の断片の相補ヌクレオチドと塩基対を形成する。別の実施形態においては、siNA分子は、センス領域及びアンチセンス領域を有し、かつ、1個以上の化学修飾を含む、約19から約25塩基対の二本鎖核酸分子であり、アンチセンス領域の約19ヌクレオチドは、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部と塩基対を形成する。別の実施形態においては、アンチセンス領域の約21ヌクレオチドは、標的遺伝子によってコードされるRNAのヌクレオチド配列又はその一部と塩基対を形成する。上記実施形態のいずれにおいても、前記アンチセンス領域を含む断片の5’末端は、リン酸基を含んでいてもよい。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する、下方制御する、又は減少させる、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子の使用を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖であり、他方の鎖は、アンチセンス鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むセンス鎖である。一実施形態においては、各鎖は、ヌクレオチド、糖、塩基、骨格修飾などの同じでも、異なっていてもよい、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)化学修飾を有する。一実施形態においては、二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子中に存在するプリンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する、下方制御する、又は減少させる、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖であり、他方の鎖は、アンチセンス鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むセンス鎖である。一実施形態においては、各鎖は、ヌクレオチド、糖、塩基、骨格修飾などの同じでも、異なっていてもよい、少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)化学修飾を有する。一実施形態においては、二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子中に存在するプリンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する、下方制御する、又は減少させる、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、タンパク質をコードする標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖であり、他方の鎖は、アンチセンス鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むセンス鎖であり、二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。一実施形態においては、siNA分子の各鎖は、約15から約30個又はそれを超える(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30個又はそれを超える)ヌクレオチドを含み、他方の鎖のヌクレオチドに相補的である少なくとも約15ヌクレオチドを含む。一実施形態においては、siNA分子は、2個のオリゴヌクレオチド断片から組み立てられ、第1の断片はsiNA分子のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列を含み、第2の断片はsiNA分子のセンス領域のヌクレオチド配列を含む。一実施形態においては、センス鎖は、ポリヌクレオチドリンカー、非ヌクレオチドリンカーなどのリンカー分子を介して、アンチセンス鎖と連結されている。更なる実施形態においては、センス鎖中に存在するピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’フルオロピリミジンヌクレオチドであり、センス領域中に存在するプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである。別の実施形態においては、センス鎖中に存在するピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’フルオロピリミジンヌクレオチドであり、センス領域中に存在するプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである。更に別の実施形態においては、アンチセンス鎖中に存在するピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、アンチセンス鎖中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである。別の実施形態においては、アンチセンス鎖は、1個以上の2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチド及び1個以上の2’−O−メチルプリンヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、アンチセンス鎖中に存在するピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、アンチセンス鎖中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである。更なる実施形態においては、センス鎖は、3’末端及び5’末端を含み、末端キャップ部分(例えば、反転チミジンなどの反転デオキシ脱塩基部分又は反転デオキシヌクレオチド部分)は、センス鎖の5’末端、3’末端、又は5’末端と3’末端の両方に存在する。別の実施形態においては、アンチセンス鎖は、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合をアンチセンス鎖の3’末端に含む。別の実施形態においては、アンチセンス鎖は、グリセリル修飾を3’末端に含む。別の実施形態においては、アンチセンス鎖の5’末端は、リン酸基を含んでいてもよい。
二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数が糖修飾を含む、標的遺伝子の発現を阻害する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子の上記実施形態のいずれにおいても、siNA分子の2本の鎖の各々は、約15から約30個又はそれを超える(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30個又はそれを超える)ヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、siNA分子の各鎖の約15から約30個又はそれを超える(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30個又はそれを超える)ヌクレオチドは、siNA分子の他方の鎖の相補ヌクレオチドと塩基対を形成する。別の実施形態においては、siNA分子の各鎖の約15から約30個又はそれを超える(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30個又はそれを超える)ヌクレオチドは、siNA分子の他方の鎖の相補ヌクレオチドと塩基対を形成する。ここで、siNA分子の各鎖の少なくとも2個の3’末端ヌクレオチドは、siNA分子の他方の鎖のヌクレオチドと塩基対を形成しない。別の実施形態においては、siNA分子の各断片の2個の3’末端ヌクレオチドの各々は、2’−デオキシ−チミジンなどの2’−デオキシ−ピリミジンである。一実施形態においては、siNA分子の各鎖は、siNA分子の他方の鎖の相補ヌクレオチドと塩基対を形成する。一実施形態においては、アンチセンス鎖の約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドは、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部と塩基対を形成する。一実施形態においては、アンチセンス鎖の約18から約25(例えば、約18、19、20、21、22、23、24又は25)ヌクレオチドは、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部と塩基対を形成する。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖であり、他方の鎖は、アンチセンス鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むセンス鎖である。一実施形態においては、各鎖は、ヌクレオチド 糖、塩基、骨格修飾などの少なくとも2個の(例えば、2、3、4、5個又はそれを超える)異なる化学修飾を有する。一実施形態においては、二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。一実施形態においては、二本鎖siNA分子中に存在するプリンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。一実施形態においては、アンチセンス鎖の5’末端は、リン酸基を含んでいてもよい。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖であり、他方の鎖は、アンチセンス鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むセンス鎖である。二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。アンチセンス鎖のヌクレオチド配列又はその一部は、標的RNAの非翻訳領域のヌクレオチド配列又はその一部に相補的である。
一実施形態においては、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害する二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、二本鎖siNA分子の鎖の一方は、標的RNAのヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖であり、他方の鎖は、アンチセンス鎖のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むセンス鎖である。二本鎖siNA分子中に存在するピリミジンヌクレオチドの大多数は、糖修飾を含む。アンチセンス鎖のヌクレオチド配列は、標的RNAのヌクレオチド配列、又は標的RNA中に存在するその一部に相補的である。
一実施形態においては、本発明は、本発明のsiNA分子と薬剤として許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、本発明の2種類以上のsiNA分子(例えば、標的RNAの異なる領域を標的にするsiNA分子、又はSREBP1経路RNAを標的にするsiNA分子)及び薬剤として許容される担体又は希釈剤を特徴とする。
非限定的例においては、化学修飾ヌクレオチドを核酸分子に導入することは、外因的に送達される未変性RNA分子に固有のインビボでの安定性及び生物学的利用能の潜在的限界を克服する強力なツールとなる。例えば、化学修飾核酸分子を使用すると、化学修飾核酸分子は、血清中でより長い半減期を有する傾向にあるので、所与の治療効果に対する特定の核酸分子の用量を減少させることができる。また、ある種の化学修飾は、特定の細胞又は組織を標的にすることによって、及び/又は核酸分子の細胞内取り込みを改善することによって、核酸分子の生物学的利用能を改善することができる。したがって、化学修飾核酸分子の活性が未変性核酸分子よりも低い場合でも、例えば、全RNA(all−RNA)核酸分子と比較したときに、分子の安定性及び/又は送達が改善されたために、修飾核酸分子の全活性が、未変性分子の全活性よりも大きくなり得る。未変性無修飾siNAとは異なり、化学修飾siNAは、ヒトにおけるインターフェロン活性又は免疫賦活を活性化する可能性も最小化し得る。したがって、これらの諸性質は、研究と治療の両方の適用分野における使用を含めて、種々のインビトロ及びインビボでの設定において、未変性siRNA又は最小限に修飾されたsiRNAがRNAiを媒介する能力を更に改善する。出願人は、対応する無修飾siRNA分子又は最小限に修飾されたsiRNA分子よりもRNAi活性が改善された化学修飾siNA分子を本明細書に記述する。本明細書に開示する化学修飾siNAモチーフは、無修飾活性siRNA又は最小限に修飾された活性siRNAにかなり類似したRNAi活性を維持する能力を提供し(例えば、Elbashir et al., 2001, EMBO J., 20:6877−6888参照)、同時に治療への応用に適切なヌクレアーゼ耐性及び薬物動態学的(pharmacoketic)諸性質を提供する。
本明細書のsiNA分子の実施形態のいずれにおいても、本発明のsiNA分子のアンチセンス領域は、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合を前記アンチセンス領域の3’末端に含み得る。本明細書のsiNA分子の実施形態のいずれにおいても、アンチセンス領域は、約1から約5個のホスホロチオアートヌクレオチド間結合を前記アンチセンス領域の5’末端に含み得る。本明細書のsiNA分子の実施形態のいずれにおいても、本発明のsiNA分子の3’末端ヌクレオチドオーバーハングは、核酸糖、塩基又は骨格において化学修飾されたリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドを含み得る。本明細書のsiNA分子の実施形態のいずれにおいても、3’末端ヌクレオチドオーバーハングは、1個以上の汎用塩基リボヌクレオチドを含み得る。本明細書のsiNA分子の実施形態のいずれにおいても、3’末端ヌクレオチドオーバーハングは、1個以上の非環式ヌクレオチドを含み得る。
本発明の一実施形態は、核酸分子の発現が可能であるように、本発明の少なくとも1種類のsiNA分子をコードする核酸配列を含む、発現ベクターを提供する。本発明の別の実施形態は、かかる発現ベクターを含むほ乳動物細胞を提供する。ほ乳動物細胞は、ヒト細胞であり得る。発現ベクターのsiNA分子は、センス領域及びアンチセンス領域を含み得る。アンチセンス領域は、標的をコードするRNA又はDNA配列に相補的である配列を含み得る。センス領域は、アンチセンス領域に相補的である配列を含み得る。siNA分子は、相補センス及びアンチセンス領域を有する2本の異なる鎖を含み得る。siNA分子は、相補センス及びアンチセンス領域を有する一本鎖を含み得る。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、化学修飾は、骨格が修飾された式I
のヌクレオチド間結合を含む1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)ヌクレオチドを含む。
ここで、各R1及びR2は独立に、天然でも、化学修飾されていてもよい、siNA分子構造に含まれ得る、又はsiNA分子との結合点として役立ち得る、任意のヌクレオチド、非ヌクレオチド又はポリヌクレオチドであり、各X及びYは独立にO、S、N、アルキル又は置換アルキルであり、各Z及びWは独立にO、S、N、アルキル、置換アルキル、O−アルキル、S−アルキル、アルカリール、アラルキル又はアセチルであり、W、X、Y及びZは全部がOとは限らない。別の実施形態においては、本発明の骨格修飾は、ホスホノアセタート及び/又はチオホスホノアセタートヌクレオチド間結合を含む(例えば、Sheehan et al., 2003, Nucleic Acids Research, 31, 4109−4118参照)。
例えば任意のZ、W、X及び/又はYが硫黄原子を独立に含む、式Iの化学修飾ヌクレオチド間結合は、siNA二本鎖の一方又は両方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、式Iの1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)化学修飾ヌクレオチド間結合を、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含み得る。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、式Iの約1から約5個又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)化学修飾ヌクレオチド間結合を、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の5’末端に含み得る。別の非限定的例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、式Iの化学修飾ヌクレオチド間結合を有する1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)ピリミジンヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖に含み得る。更に別の非限定的例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、式Iの化学修飾ヌクレオチド間結合を有する1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)プリンヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖に含み得る。別の実施形態においては、式Iのヌクレオチド間結合を有する本発明のsiNA分子は、式I−VIIのいずれかの化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドも含む。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、化学修飾は、式II
の1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含む。
ここで、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11及びR12は独立に、いずれもsiNA分子の構造に含まれ得る、又はsiNA分子との結合点として役立ち得る、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール若しくはアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCH3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキル(alklyl)アミノ、置換シリル、又は式I、II、III、IV、V、VI及び/又はVIIのいずれかの基であり、R9は、O、S、CH2、S=O、CHF又はCF2であり、Bは、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシン、チミン、2−アミノアデノシン、5−メチルシトシン、2,6−ジアミノプリンなどのヌクレオシド塩基、又は標的RNAに相補的でも、非相補的でもよい任意の他の非天然塩基、又はフェニル、ナフチル、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、ネブラリン、ピリドン、ピリジノンなどの非ヌクレオシド塩基、又は標的RNAに相補的でも、非相補的でもよい任意の他の非天然汎用塩基である。一実施形態においては、R3及び/又はR7は、抱合部分(conjugate moiety)及びリンカー(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含む。抱合部分の非限定的例としては、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;ステロイド及びPEI、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンが挙げられる。一実施形態においては、本発明の式IIのヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。一実施形態においては、本発明の式IIのヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドである。一実施形態においては、本発明の式IIのヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチドである。
式IIの化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドは、siNA二本鎖の一方又は両方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えばセンス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、式IIの1個以上の化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含み得る。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、式IIの約1から約5個又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の5’末端に含み得る。別の非限定的例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、約1から約5個又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)式IIの化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の3’末端に含み得る。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、化学修飾は、式III
の1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含む。
ここで、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11及びR12は独立に、いずれもsiNA分子の構造に含まれ得る、又はsiNA分子との結合点として役立ち得る、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール若しくはアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCH3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキル(alklyl)アミノ、置換シリル、又は式I、II、III、IV、V、VI及び/又はVIIのいずれかの基であり、R9は、O、S、CH2、S=O、CHF又はCF2であり、Bは、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシン、チミン、2−アミノアデノシン、5−メチルシトシン、2,6−ジアミノプリンなどのヌクレオシド塩基、又は標的RNAに相補的又は非相補的であるように使用することができる任意の他の非天然塩基、又はフェニル、ナフチル、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、ネブラリン、ピリドン、ピリジノンなどの非ヌクレオシド塩基、又は標的RNAに相補的でも、非相補的でもよい任意の他の非天然汎用塩基である。一実施形態においては、R3及び/又はR7は、抱合部分及びリンカー(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含む。抱合部分の非限定的例としては、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;ステロイド及びPEI、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンが挙げられる。
式IIIの化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドは、siNA二本鎖の一方又は両方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えばセンス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、式IIIの1個以上の化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含み得る。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、式IIIの約1から約5個又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の5’末端に含み得る。別の非限定的例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、約1から約5個又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)式IIIの化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の3’末端に含み得る。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、式II又はIIIのヌクレオチドを含む。ここで、式II又はIIIのヌクレオチドは、反転した配置である。例えば、式II又はIIIのヌクレオチドは、一方又は両方のsiNA鎖の3’末端、5’末端、又は3’末端と5’末端の両方においてなど、3’−3’、3’−2’、2’−3’又は5’−5’配置でsiNA構築物に連結されている。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、化学修飾は、式IV
ここで、各X及びYは独立にO、S、N、アルキル、置換アルキル又はアルキルハロであり、各Z及びWは独立にO、S、N、アルキル、置換アルキル、O−アルキル、S−アルキル、アルカリール、アラルキル、アルキルハロ又はアセチルであり、W、X、Y及びZは全部がOとは限らず、YはsiNA分子との結合点として役立つ。
一実施形態においては、本発明は、標的に相補的である鎖上に、例えば、標的RNAに相補的である鎖上に、式IVの5’末端リン酸基を有するsiNA分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、全RNA siNA分子を含む。別の実施形態においては、本発明は、標的に相補的である鎖上に式IVの5’末端リン酸基を有するsiNA分子を特徴とする。ここで、siNA分子は、一方又は両方の鎖の3’末端上に、約1から約4(例えば、約1、2、3又は4)個のデオキシリボヌクレオチドを有する、約1から約3(例えば、約1、2又は3)ヌクレオチド3’末端ヌクレオチドオーバーハングも含む。別の実施形態においては、式IVの5’末端リン酸基は、本発明のsiNA分子の、例えば、式I−VIIのいずれかの化学修飾を有するsiNA分子の、標的に相補的である鎖上に存在する。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、化学修飾は、1個以上のホスホロチオアートヌクレオチド間結合を含む。例えば、非限定的例においては、本発明は、1本のsiNA鎖中に約1、2、3、4、5、6、7、8個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合を有する化学修飾低分子干渉核酸(siNA)を特徴とする。更に別の実施形態においては、本発明は、両方のsiNA鎖中に約1、2、3、4、5、6、7、8個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合を個々に有する化学修飾低分子干渉核酸(siNA)を特徴とする。ホスホロチオアートヌクレオチド間結合は、siNA二本鎖の一方又は両方のオリゴヌクレオチド鎖中に、例えばセンス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に存在し得る。本発明のsiNA分子は、1個以上のホスホロチオアートヌクレオチド間結合を、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含み得る。例えば、本発明の例示的なsiNA分子は、約1から約5個又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)連続したホスホロチオアートヌクレオチド間結合を、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の5’末端に含み得る。別の非限定的例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)ピリミジンホスホロチオアートヌクレオチド間結合を、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に含み得る。更に別の非限定的例においては、本発明の例示的なsiNA分子は、1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)プリンホスホロチオアートヌクレオチド間結合を、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に含み得る。
二本鎖siNA分子の各鎖は、異なる化学修飾パターンを含むように、1個以上の化学修飾を有し得る。異なる修飾パターンを生じ得る修飾スキームの幾つかの非限定的例を本明細書に示す。
一実施形態においては、本発明は、センス鎖が、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、及び/又は約1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよく、アンチセンス鎖が、約1から約10又はそれを超える、具体的には約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をアンチセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよい、siNA分子を特徴とする。別の実施形態においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾されている。1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’末端と5’末端の両方における末端キャップ分子は、同じ鎖又は異なる鎖中に、存在しても、しなくてもよい。
別の実施形態においては、本発明は、センス鎖が、約1から約5個、具体的には約1、2、3、4又は5個のホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をセンス鎖の3末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよく、アンチセンス鎖が、約1から約5又はそれを超える、具体的には約1、2、3、4、5個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をアンチセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよい、siNA分子を特徴とする。別の実施形態においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾されている。約1から約5個又はそれを超える、例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’末端と5’末端の両方における末端キャップ分子は、同じ鎖又は異なる鎖中に、存在しても、しなくてもよい。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス鎖が、1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は約1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよく、アンチセンス鎖が、約1から約10個又はそれを超える、具体的には約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をアンチセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよい、siNA分子を特徴とする。別の実施形態においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾されている。1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’末端と5’末端の両方における末端キャップ分子は、同じ鎖又は異なる鎖中に、存在しても、しなくてもよい。
別の実施形態においては、本発明は、ここで、アンチセンス鎖が、約1から約5又はそれを超える、具体的には約1、2、3、4、5個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよく、アンチセンス鎖が、約1から約5個又はそれを超える、具体的には約1、2、3、4、5個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ、及び/又は1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、1、8、9、10個又はそれを超える)汎用塩基修飾ヌクレオチドを含み、末端キャップ分子をアンチセンス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含んでいてもよい、siNA分子を特徴とする。別の実施形態においては、センス及び/又はアンチセンスsiNA鎖の1個以上の、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ、2’−O−メチル、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、4’−チオ及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドで化学修飾されている。約1から約5個、例えば、約1、2、3、4、5個又はそれを超えるホスホロチオアートヌクレオチド間結合、及び/又は3’末端、5’末端、又は3’末端と5’末端の両方における末端キャップ分子は、同じ鎖又は異なる鎖中に、存在しても、しなくてもよい。
一実施形態においては、本発明は、約1から約5個又はそれを超える(具体的には約1、2、3、4、5個又はそれを超える)ホスホロチオアートヌクレオチド間結合をsiNA分子の各鎖中に有する化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、2’−5’ヌクレオチド間結合を含むsiNA分子を特徴とする。2’−5’ヌクレオチド間結合は、一方又は両方のsiNA配列鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に存在し得る。また、2’−5’ヌクレオチド間結合は、一方又は両方のsiNA配列鎖内の種々の他の位置に存在し得る。例えば、siNA分子の一方又は両方の鎖中のピリミジンヌクレオチドのすべてのヌクレオチド間結合を含めた約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるは、2’−5’ヌクレオチド間結合を含み得る。又はsiNA分子の一方又は両方の鎖中のプリンヌクレオチドのすべてのヌクレオチド間結合を含めた約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超えるは、2’−5’ヌクレオチド間結合を含み得る。
別の実施形態においては、本発明の化学修飾siNA分子は、その一方又は両方が化学修飾され得る2本の鎖を有する二本鎖を含む。ここで、各鎖は独立に約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチド長であり、二本鎖は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)個の塩基対を有し、化学修飾は式I−VIIのいずれかの構造を含む。例えば、本発明の例示的な化学修飾siNA分子は、その一方又は両方が式I−VIIのいずれかの化学修飾又はその任意の組合せで化学修飾され得る2本の鎖を有する二本鎖を含む。ここで、各鎖は、2ヌクレオチド3’末端ヌクレオチドオーバーハングを各々有する、約21ヌクレオチドからなり、二本鎖は約19塩基対を有する。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、一本鎖ヘアピン構造を含み、該siNAは、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)個の塩基対を有する約36から約70(例えば、約36、40、45、50、55、60、65又は70)ヌクレオチド長であり、式I−VIIのいずれかの構造を含む化学修飾又はその任意の組合せを含み得る。例えば、本発明の例示的な化学修飾siNA分子は、式I−VIIのいずれかの化学修飾又はその任意の組合せで化学修飾された、約42から約50(例えば、約42、43、44、45、46、47、48、49又は50)個のヌクレオチドを有する線状オリゴヌクレオチドを含む。ここで、線状オリゴヌクレオチドは、約19から約21(例えば、19、20又は21)個の塩基対と2ヌクレオチド3’末端ヌクレオチドオーバーハングとを有するヘアピン構造を形成する。別の実施形態においては、本発明の線状ヘアピンsiNA分子は、ステムループモチーフを含み、siNA分子のループ部分は生分解性である。例えば、本発明の線状ヘアピンsiNA分子は、siNA分子のループ部分のインビボでの分解によって、約2個のヌクレオチドを含む3’末端ヌクレオチドオーバーハングなどの3’末端オーバーハングを有する二本鎖siNA分子が生成し得るように設計される。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、ヘアピン構造を含み、該siNAは、約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)個の塩基対を有する、約25から約50(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50)ヌクレオチド長であり、式I−VIIのいずれかの構造を含む1個以上の化学修飾又はその任意の組合せを含み得る。例えば、本発明の例示的な化学修飾siNA分子は、式I−VIIのいずれかの1個以上の化学修飾又はその任意の組合せで化学修飾された、約25から約35(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34又は35)個のヌクレオチドを有する、線状オリゴヌクレオチドを含む。ここで、線状オリゴヌクレオチドは、約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)個の塩基対、及び本明細書に記載したとおりに化学修飾され得る5’末端リン酸基(例えば、式IVの5’末端リン酸基)を有する、ヘアピン構造を形成する。別の実施形態においては、本発明の線状ヘアピンsiNA分子は、ステムループモチーフを含み、siNA分子のループ部分は生分解性である。一実施形態においては、本発明の線状ヘアピンsiNA分子は、非ヌクレオチドリンカーを含むループ部分を含む。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、非対称ヘアピン構造を含み、該siNAは、約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)個の塩基対を有する、約25から約50(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50)ヌクレオチド長であり、式I−VIIのいずれかの構造を含む1個以上の化学修飾又はその任意の組合せを含み得る。例えば、本発明の例示的な化学修飾siNA分子は、式I−VIIのいずれかの1個以上の化学修飾又はその任意の組合せで化学修飾された、約25から約35(例えば、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34又は35)個のヌクレオチドを有する、線状オリゴヌクレオチドを含む。ここで、線状オリゴヌクレオチドは、約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)個の塩基対、及び本明細書に記載したとおりに化学修飾され得る5’末端リン酸基(例えば、式IVの5’末端リン酸基)を有する、非対称ヘアピン構造を形成する。一実施形態においては、本発明の非対称ヘアピンsiNA分子は、ステムループモチーフを含み、siNA分子のループ部分は生分解性である。別の実施形態においては、本発明の非対称ヘアピンsiNA分子は、非ヌクレオチドリンカーを含むループ部分を含む。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、センス及びアンチセンス領域を含む別々のポリヌクレオチド鎖を有する非対称二本鎖構造を含み、アンチセンス領域は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチド長であり、センス領域は、約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)ヌクレオチド長であり、センス領域及びアンチセンス領域は、少なくとも3個の相補ヌクレオチドを有し、siNAは、式I−VIIのいずれかの構造を含む1個以上の化学修飾又はその任意の組合せを含み得る。例えば、本発明の例示的な化学修飾siNA分子は、センス及びアンチセンス領域を含む別々のポリヌクレオチド鎖を有する非対称二本鎖構造を含み、アンチセンス領域は、約18から約23(例えば、約18、19、20、21、22、又は23)ヌクレオチド長であり、センス領域は、約3から約15(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15)ヌクレオチド長であり、センス領域アンチセンス領域は、少なくとも3個の相補ヌクレオチドを有し、siNAは、式I−VIIのいずれかの構造を含む1個以上の化学修飾又はその任意の組合せを含み得る。別の実施形態においては、非対称二本鎖siNA分子は、本明細書に記載したとおりに化学修飾され得る5’末端リン酸基(例えば、式IVの5’末端リン酸基)も有し得る。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、環状核酸分子を含み、該siNAは、約15から約30個(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個)の塩基対を有する約38から約70(例えば、約38、40、45、50、55、60、65又は70)ヌクレオチド長であり、式I−VIIのいずれかの構造を含む化学修飾又はその任意の組合せを含み得る。例えば、本発明の例示的な化学修飾siNA分子は、式I−VIIのいずれかの化学修飾又はその任意の組合せで化学修飾された、約42から約50(例えば、約42、43、44、45、46、47、48、49又は50)個のヌクレオチドを有する環状オリゴヌクレオチドを含む。ここで、環状オリゴヌクレオチドは、約19個の塩基対及び2個のループを有するダンベル状構造を形成する。
別の実施形態においては、本発明の環状siNA分子は、2個のループモチーフを含み、siNA分子の一方又は両方のループ部分は生分解性である。例えば、本発明の環状siNA分子は、siNA分子のループ部分のインビボでの分解によって、約2個のヌクレオチドを含む3’末端ヌクレオチドオーバーハングなどの3’末端オーバーハングを有する二本鎖siNA分子が生成し得るように設計される。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも1個の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)脱塩基部分、例えば、式V
ここで、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11、R12及びR13は独立に、いずれもsiNA分子の構造に含まれ得る、又はsiNA分子との結合点として役立ち得る、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール若しくはアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCH3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキル(alklyl)アミノ、置換シリル、又は式I、II、III、IV、V、VI及び/又はVIIのいずれかの基であり、R9は、O、S、CH2、S=O、CHF又はCF2である。一実施形態においては、R3及び/又はR7は、抱合部分及びリンカー(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含む。抱合部分の非限定的例としては、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;ステロイド及びPEI、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンが挙げられる。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも1個の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)反転脱塩基部分、例えば、式VI
ここで、各R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、R11、R12及びR13は独立に、いずれもsiNA分子の構造に含まれ得る、又はsiNA分子との結合点として役立ち得る、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール若しくはアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCH3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキル(alklyl)アミノ、置換シリル、又は式I、II、III、IV、V、VI及び/又はVIIのいずれかの基であり、R9は、O、S、CH2、S=O、CHF又はCF2であり、R2、R3、R8又はR13は、本発明のsiNA分子との結合点として役立つ。一実施形態においては、R3及び/又はR7は、抱合部分及びリンカー(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含む。抱合部分の非限定的例としては、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;ステロイド及びPEI、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンが挙げられる。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、少なくとも1個の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)置換ポリアルキル部分、例えば、式VII
ここで、各nは独立に整数1から12であり、各R1、R2及びR3は独立に、いずれもsiNA分子の構造に含まれ得る、又はsiNA分子との結合点として役立ち得る、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルカリール若しくはアラルキル、F、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、OCH3、OCN、O−アルキル、S−アルキル、N−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N−アルケニル、SO−アルキル、アルキル−OSH、アルキル−OH、O−アルキル−OH、O−アルキル−SH、S−アルキル−OH、S−アルキル−SH、アルキル−S−アルキル、アルキル−O−アルキル、ONO2、NO2、N3、NH2、アミノアルキル、アミノ酸、アミノアシル、ONH2、O−アミノアルキル、O−アミノ酸、O−アミノアシル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキル(alklyl)アミノ、置換シリル、又は式I、II、III、IV、V、VI及び/又はVIIのいずれかの基である。一実施形態においては、R3及び/又はR1は、抱合部分及びリンカー(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー)を含む。抱合部分の非限定的例としては、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;ステロイド及びPEI、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンが挙げられる。
「ZIPコード」配列とは、細胞のトポロジー形成シグナル伝達(topogenic signaling)によって媒介される輸送に関与する任意のペプチド又はタンパク質配列を意味する(例えば、Ray et al., 2004, Science, 306(1501):1505参照)。
二本鎖siNA分子内の各ヌクレオチドは、式I−VIIIのいずれかの構造を含む化学修飾を独立に有し得る。したがって、一実施形態においては、本発明のsiNA分子の1個以上のヌクレオチド位置は、式I−VIIのいずれかの構造を有する化学修飾、又は本明細書の任意の他の修飾を含む。一実施形態においては、本発明のsiNA分子の各ヌクレオチド位置は、式I−VIIのいずれかの構造を有する化学修飾、又は本明細書の任意の他の修飾を含む。
一実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子の一方又は両方の鎖の1個以上のヌクレオチド位置は、式1−VIIのいずれかの構造を有する化学修飾、又は本明細書の任意の他の修飾を含む。一実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子の一方又は両方の鎖の各ヌクレオチド位置は、式I−VIIのいずれかの構造を有する化学修飾、又は本明細書の任意の他の修飾を含む。
別の実施形態においては、本発明は、式VIIの化合物を特徴とする。ここで、R1及びR2はヒドロキシル(OH)基であり、n=1であり、R3は、Oを含み、本発明の二本鎖siNA分子の一方又は両方の鎖の3’末端、5’末端、若しくは3’末端と5’末端の両方との、又は本発明の一本鎖siNA分子との、結合点である。この修飾を本明細書では「グリセリル」と称する(例えば、図10の修飾6)。
別の実施形態においては、本発明の化学修飾ヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI又はVIIのいずれかの部分)は、本発明のsiNA分子の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方にある。例えば、化学修飾ヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI又はVIIの部分)は、siNA分子のアンチセンス鎖、センス鎖、又はアンチセンス鎖とセンス鎖の両方の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に存在し得る。一実施形態においては、化学修飾ヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI又はVIIの部分)は、本発明の二本鎖siNA分子のセンス鎖の5’末端及び3’末端並びにアンチセンス鎖の3’末端に存在する。一実施形態においては、化学修飾ヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI又はVIIの部分)は、本発明の二本鎖siNA分子のセンス鎖の5’末端及び3’末端並びにアンチセンス鎖の3’末端の末端位置に存在する。一実施形態においては、化学修飾ヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI又はVIIの部分)は、本発明の二本鎖siNA分子のセンス鎖の5’末端及び3’末端並びにアンチセンス鎖の3’末端の2つの末端位置に存在する。一実施形態においては、化学修飾ヌクレオシド又は非ヌクレオシド(例えば、式V、VI又はVIIの部分)は、本発明の二本鎖siNA分子のセンス鎖の5’末端及び3’末端並びにアンチセンス鎖の3’末端の最後から2番目の位置に存在する。また、式VIIの部分は、本明細書のヘアピンsiNA分子の3’末端又は5’末端に存在し得る。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、式V又はVIの脱塩基残基を含む。ここで、式VI又はVIの脱塩基残基は、一方又は両方のsiNA鎖の3’末端、5’末端、又は3’末端と5’末端の両方におけるなどの3’−3’、3’−2’、2’−3’又は5’−5’配置でsiNA構築物と連結されている。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)ロックされた核酸(locked nucleic acid)(LNA)ヌクレオチドを、例えば、siNA分子の5’末端に、3’末端に、5’末端と3’末端の両方に、又はその任意の組合せに含む。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)4’−チオヌクレオチドを、例えば、siNA分子の5’末端に、3’末端に、5’末端と3’末端の両方に、又はその任意の組合せに含む。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれを超える)非環式ヌクレオチドを、例えば、siNA分子の5’末端に、3’末端に、5’末端と3’末端の両方に、又はその任意の組合せに含む。
一実施形態においては、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子は、1個以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個又はそれを超える)2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル)、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−デオキシ、FANA若しくは脱塩基化学修飾又はその任意の組合せを有するセンス鎖又はセンス領域を含む。
一実施形態においては、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子は、1個以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個又はそれを超える)2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル)、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−デオキシ、FANA若しくは脱塩基化学修飾又はその任意の組合せを有するアンチセンス鎖又はアンチセンス領域を含む。
一実施形態においては、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子は、1個以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個又はそれを超える)2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル)、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−デオキシ、FANA若しくは脱塩基化学修飾又はその任意の組合せを各々有する、センス鎖又はセンス領域及びアンチセンス鎖又はアンチセンス領域を含む。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、FANAピリミジンヌクレオチドである(例えば、全ピリミジンヌクレオチドはFANAピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドはFANAピリミジンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域及びアンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域及びアンチセンス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−O−メチルプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは2’−O−メチルプリンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。)、センス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、センス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。)、前記センス領域中に存在する3’末端ヌクレオチドオーバーハングを含む任意のヌクレオチドは2’−デオキシヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、センス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、センス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)、前記センス領域中に存在する3’末端ヌクレオチドオーバーハングを含む任意のヌクレオチドは2’−デオキシヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)、前記アンチセンス領域中に存在する3’末端ヌクレオチドオーバーハングを含む任意のヌクレオチドは2’−デオキシヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、アンチセンス領域を含む本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、アンチセンス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する任意(例えば、1個以上又は全部)のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)。
一実施形態においては、本発明は、センス領域及びアンチセンス領域を含む、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、センス領域に存在する1個以上のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、センス領域中に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドは2−デオキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する1個以上のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。センス領域及び/又はアンチセンス領域は、センス及び/又はアンチセンス配列の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に存在してもよい、本明細書の、又は図10に示す、任意の修飾などの末端キャップ修飾を有し得る。センス及び/又はアンチセンス領域は、約1から約4(例えば、約1、2、3又は4)個の2’−デオキシヌクレオチドを有する3’末端ヌクレオチドオーバーハングを更に含んでいてもよい。オーバーハングヌクレオチドは、1個以上の(例えば、約1、2、3、4又はそれを超える)ホスホロチオアート、ホスホノアセタート及び/又はチオホスホノアセタートヌクレオチド間結合を更に含み得る。これらの化学修飾siNAの非限定的例を本明細書の図4及び5並びに表IIに示す。上記実施形態のいずれにおいても、センス領域に存在するプリンヌクレオチドは、或いは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである)。また、これらの実施形態のいずれにおいても、センス領域中に存在する1個以上のプリンヌクレオチドは、或いは、プリンリボヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドはプリンリボヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドはプリンリボヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)。さらに、これらの実施形態のいずれにおいても、センス領域中に存在する、及び/又はアンチセンス領域中に存在する、1個以上のプリンヌクレオチドは、或いは、2’−デオキシヌクレオチド、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド及び2’−O−メチルヌクレオチドからなる群から選択される(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチド、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド及び2’−O−メチルヌクレオチドからなる群から選択され、又は複数の(すなわち1を超える)プリンヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチド、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド及び2’−O−メチルヌクレオチドからなる群から選択される。)。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子中に、好ましくは本発明のsiNA分子のアンチセンス鎖中に、ただし場合によってはセンス鎖中及び/又はアンチセンスとセンスの両方の鎖中に、存在する任意の修飾ヌクレオチドは、天然リボヌクレオチドと類似した諸性質又は諸特性を有する修飾ヌクレオチドを含む。例えば、本発明は、「リボ様」又は「A型ヘリックス」配置としても知られる、ノーザンコンホメーション(例えば、ノーザン擬回転サイクル。例えば、Saenger, Principles of Nucleic Acid Structure, Springer−Verlag ed., 1984参照)を有する修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子を特徴とする。したがって、本発明のsiNA分子中に、好ましくは本発明のsiNA分子のアンチセンス鎖中に、ただし場合によってはセンス鎖中及び/又はアンチセンスとセンスの両方の鎖中に、存在する化学修飾ヌクレオチドは、RNAi媒介能力を同時に維持しながら、ヌクレアーゼ分解に耐性がある。ノーザン配置を有するヌクレオチドの非限定的例としては、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド(例えば、2’−O、4’−C−メチレン−(D−リボフラノシル)ヌクレオチド);2’−メトキシエトキシ(MOE)ヌクレオチド;2’−メチル−チオ−エチル、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−クロロヌクレオチド、2’−アジドヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド及び2’−O−メチルヌクレオチドが挙げられる。
一実施形態においては、本発明の二本鎖siNA分子のセンス鎖は、反転デオキシ脱塩機(abaisc)部分などの末端キャップ部分を、センス鎖の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に含む(例えば、図10参照)。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る化学修飾低分子干渉核酸分子(siNA)を特徴とする。ここで、化学修飾は、化学修飾siNA分子と共有結合した抱合体(conjugate)を含む。本発明で企図する抱合体の非限定的例としては、図面を含めて、参照によりその全体を本明細書に組込む、2003年4月30日に出願された、Vargeese他、米国特許出願第10/427,160号の抱合体及びリガンドが挙げられる。別の実施形態においては、抱合体は、生分解性リンカーを介して、化学修飾siNA分子と共有結合している。一実施形態においては、抱合分子は、化学修飾siNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’末端で結合している。別の実施形態においては、抱合分子は、化学修飾siNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の5’末端で結合している。更に別の実施形態においては、抱合分子は、化学修飾siNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖若しくは両方の鎖又はその任意の組合せの3’末端と5’末端の両方で結合している。一実施形態においては、本発明の抱合分子は、化学修飾siNA分子を細胞などの生物系に送達するのを促進する分子を含む。別の実施形態においては、化学修飾siNA分子と結合した抱合分子は、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;ステロイド及びPEI、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンである。本発明で企図する、化学修飾siNA分子と結合し得る具体的抱合分子の例は、参照により本明細書に組込む、2002年7月22日に出願された、Vargeese他、米国特許出願第10/201,394号に記載されている。使用される抱合体のタイプ、及び本発明のsiNA分子の抱合の程度は、RNAi活性を媒介するsiNAの能力を同時に維持しながら、siNA構築物の改善された薬物動態学的プロファイル、生物学的利用能、及び/又は安定性について評価することができる。したがって、当業者は、例えば当分野で一般に公知である動物モデルにおいて、種々の抱合体で修飾されたsiNA構築物をスクリーニングして、siNA抱合複合体(conjugate complex)が、RNAiを媒介する能力を維持しながら、改善された諸性質を有するかどうかを判定することができる。
一実施形態においては、本発明は、本発明の低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、siNAは、siNAのセンス領域をsiNAのアンチセンス領域と連結する、ヌクレオチド、非ヌクレオチド又は混合ヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーを更に含む。一実施形態においては、ヌクレオチド、非ヌクレオチド、又は混合ヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーを使用して、例えば、抱合部分をsiNAと結合させる。一実施形態においては、本発明のヌクレオチドリンカーは、≧2ヌクレオチド長、例えば、約3、4、5、6、7、8、9又は10ヌクレオチド長のリンカーであり得る。別の実施形態においては、ヌクレオチドリンカーは核酸アプタマーであり得る。本明細書では「アプタマー」又は「核酸アプタマー」とは、標的分子に特異的に結合する核酸分子を意味し、核酸分子は、その自然な状況において標的分子によって認識される配列を含む配列を有する。或いは、アプタマーは、標的分子が核酸と自然には結合しない場合、標的分子と結合する核酸分子であり得る。標的分子は、対象となる任意の分子であり得る。例えば、アプタマーを使用して、タンパク質のリガンド結合ドメインに結合させることができ、それによって天然のリガンドとタンパク質の相互作用を防止することができる。これは非限定的例であり、当業者は、他の実施形態を当分野で一般に公知である技術によって容易に作製できることを認識されたい。(例えば、Gold et al., 1995, Annu. Rev. Biochem., 64, 763; Brody and Gold, 2000, J. Biotechnol, 74, 5; Sun, 2000, Curr. Opin. Mol. Ther., 2, 100; Kusser, 2000, J. Biotechnol., 74, 27; Hermann and Patel, 2000, Science, 287, 820及びJayasena, 1999, Clinical Chemistry, 45, 1628を参照されたい。)。
更に別の実施形態においては、本発明の非ヌクレオチドリンカーは、脱塩基ヌクレオチド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリ炭化水素(polyhydrocarbon)又は他の重合体化合物(例えば、2から100エチレングリコール単位を含むポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール)を含む。具体例としては、参照により本明細書に組込む、Seela and Kaiser, Nucleic Acids Res. 1990, 75:6353及びNucleic Acids Res. 1987, 15:3113; Cload and Schepartz, J. Am. Chem. Soc. 1991, 113:6324; Richardson and Schepartz, J. Am. Chem. Soc. 1991, 113:5109; Ma et al., Nucleic Acids Res. 1993, 21:2585及びBiochemistry 1993, 32:1751; Durand et al., Nucleic Acids Res. 1990, 25:6353; McCurdy et al., Nucleosides & Nucleotides 1991, 70:287; Jschke et al., Tetrahedron Lett. 1993, 34:301; Ono et al., Biochemistry 1991, 30:9914; Arnold他、国際公開第89/02439号;Usman他、国際公開第95/06731号;Dudycz他、国際公開第95/11910号並びにFerentz and Verdine, J. Am. Chem. Soc. 1991, 773:4000のものが挙げられる。「非ヌクレオチド」とは、糖置換及び/又はリン酸置換を含めて、1個以上のヌクレオチド単位の代わりに核酸鎖に組み入れることができ、残りの塩基がその酵素活性を示すのを可能にする、任意の基又は化合物を更に意味する。この基又は化合物は、例えば糖のC1位に、アデノシン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミンなどの一般に認識されているヌクレオチド塩基を含まない点で、脱塩基であり得る。
一実施形態においては、本発明は、細胞内で、又は再構成されたインビトロ系内でRNA干渉(RNAi)を媒介し得る低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、2個の別々のオリゴヌクレオチドから組み立てられるsiNA分子の一方又は両方の鎖は、リボヌクレオチドを含まない。例えば、siNA分子は、単一のオリゴヌクレオチドから組み立てることができ、siNAのセンス及びアンチセンス領域は、オリゴヌクレオチド中に存在するリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)を含まない、別々のオリゴヌクレオチドを含む。別の例においては、siNA分子は、単一のオリゴヌクレオチドから組み立てることができ、siNAのセンス領域とアンチセンス領域は、本明細書のヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカーによって連結又は環化され、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド中に存在するリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)を含まない。出願人は、驚くべきことに、siNA分子内のリボヌクレオチド(例えば、2’ヒドロキシル基を有するヌクレオチド)の存在がRNAi活性の維持に不要である、又は必須でないことを見出した。したがって、一実施形態においては、siNA内の全位置は、細胞中でRNAi活性を維持するsiNA分子の能力が持続する程度に、式I、II、III、IV、V、VI若しくはVII又はその任意の組合せのヌクレオチド及び又は非ヌクレオチドなどの化学修飾ヌクレオチド及び/又は非ヌクレオチドを含むことができる。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、標的核酸配列に対して相補性を有する一本鎖ポリヌクレオチドを含み、細胞又は再構成されたインビトロ系においてRNAi活性を媒介する、一本鎖siNA分子である。別の実施形態においては、本発明の一本鎖siNA分子は、5’末端リン酸基を含む。別の実施形態においては、本発明の一本鎖siNA分子は、5’末端リン酸基及び3’末端リン酸基を含む(例えば、2’,3’−環式リン酸)。別の実施形態においては、本発明の一本鎖siNA分子は、約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチドを含む。更に別の実施形態においては、本発明の一本鎖siNA分子は、本明細書の1個以上の化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含む。例えば、siNA分子内の全位置は、細胞中でRNAi活性を維持するsiNA分子の能力が持続する程度に、式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せなどの化学修飾ヌクレオチドを含み得る。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、標的核酸配列に対して相補性を有する一本鎖ポリヌクレオチドを含み、細胞又は再構成されたインビトロ系において、RNAi活性を媒介する、又はRNAi活性を交互に調節する、一本鎖siNA分子である。ここで、siNA中に存在する1個以上のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり(例えば、全ピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドであり、又は複数のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシピリミジンヌクレオチドである。)、アンチセンス領域中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ又は2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり(例えば、全プリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドであり、又は複数のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチル、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ若しくは2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシプリンヌクレオチドである。)、アンチセンス配列の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に存在してもよい、本明細書の、又は図10に示す、任意の修飾などの末端キャップ修飾。SiNAは、約1から約4又はそれを超える(例えば、約1、2、3、4又はそれを超える)末端2’−デオキシヌクレオチドをsiNA分子の3’末端に更に含んでいてもよい。ここで、末端ヌクレオチドは、1個以上の(例えば、1、2、3、4又はそれを超える)ホスホロチオアート、ホスホノアセタート及び/又はチオホスホノアセタートヌクレオチド間結合を更に含み得、siNAは、5’末端リン酸基などの末端リン酸基を更に含んでいてもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、アンチセンス領域中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、或いは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドであり、又は複数のプリンヌクレオチドは2’−デオキシプリンヌクレオチドである。)。また、これらの実施形態のいずれにおいても、siNA中に存在する任意のプリンヌクレオチド(すなわち、センス及び/又はアンチセンス領域中に存在するプリンヌクレオチド)は、或いは、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドはLNAヌクレオチドであり、又は複数のプリンヌクレオチドはLNAヌクレオチドである。)。また、これらの実施形態のいずれにおいても、siNA中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、或いは、2’−メトキシエチルプリンヌクレオチドである(例えば、全プリンヌクレオチドは2’−メトキシエチルプリンヌクレオチドであり、又は複数のプリンヌクレオチドは2’−メトキシエチルプリンヌクレオチドである。)。別の実施形態においては、本発明の一本鎖siNA分子中に存在する任意の修飾ヌクレオチドは、天然リボヌクレオチドと類似した諸性質又は諸特性を有する修飾ヌクレオチドを含む。例えば、本発明は、Northernコンホメーション(例えば、Northern擬回転サイクル。例えば、Saenger, Principles of Nucleic Acid Structure, Springer−Verlag ed., 1984参照)を有する修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子を特徴とする。したがって、本発明の一本鎖siNA分子中に存在する化学修飾ヌクレオチドは、好ましくは、RNAi媒介能力を同時に維持しながら、ヌクレアーゼ分解に耐性がある。
一実施形態においては、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子は、2個以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれを超える)2’−O−アルキル(例えば2’−O−メチル)修飾又はその任意の組合せを有するセンス鎖又はセンス領域を含む。別の実施形態においては、2’−O−アルキル修飾は、siNAのセンス鎖又はセンス領域中の、位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21など、又は位置2、4、6、8、10、12、14、16、18、20などの交互の位置にある。
一実施形態においては、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子は、2個以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれを超える)2’−O−アルキル(例えば2’−O−メチル)修飾又はその任意の組合せを有するアンチセンス鎖又はアンチセンス領域を含む。別の実施形態においては、2’−O−アルキル修飾は、siNAのアンチセンス鎖又はアンチセンス領域中の、位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21など、又は位置2、4、6、8、10、12、14、16、18、20などの交互の位置にある。
一実施形態においては、本発明の化学修飾低分子干渉核酸(siNA)分子は、2個以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個又はそれを超える)2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル)、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−デオキシ若しくは脱塩基化学修飾又はその任意の組合せを各々有する、センス鎖又はセンス領域及びアンチセンス鎖又はアンチセンス領域を含む。別の実施形態においては、2’−O−アルキル修飾は、siNAのセンス鎖又はセンス領域中の、位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21など、又は位置2、4、6、8、10、12、14、16、18、20などの交互の位置にある。別の実施形態においては、2’−O−アルキル修飾は、siNAのアンチセンス鎖又はアンチセンス領域中の、位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21など、又は位置2、4、6、8、10、12、14、16、18、20などの交互の位置にある。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、(例えば、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、2’−O−メチルヌクレオチドなどの式I−VIIのいずれかの)化学修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを、siNA分子の1個以上の鎖又は領域内の交互の位置に含む。例えば、かかる化学修飾は、siNAの3’末端又は5’末端から第1又は第2のヌクレオチドで始まる、RNAベースのsiNA分子の1つ置きの位置に導入することができる。非限定的例においては、siNAの各鎖が21ヌクレオチド長である、本発明の二本鎖siNA分子を特徴とする。ここで、各鎖の位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19及び21は、(例えば、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、2’−O−メチルヌクレオチドなどの式I−VIIのいずれかの化合物で)化学修飾されている。別の非限定的例においては、siNAの各鎖が21ヌクレオチド長である、本発明の二本鎖siNA分子を特徴とする。ここで、各鎖の位置2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20は、(例えば、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、2’−O−メチルヌクレオチドなどの式I−VIIのいずれかの化合物で)化学修飾されている。一実施形態においては、二本鎖siNA分子の1本の鎖は、位置2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20の化学修飾、並びに位置1、3、5、7、9、11、13、15、17、19及び21の化学修飾を含む。かかるsiNA分子は、本明細書の末端キャップ部分及び/又は骨格修飾を更に含み得る。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は以下の特徴を含む。すなわち、プリンヌクレオチドが、siNA分子の(ガイド配列又はガイド鎖とも称する)アンチセンス鎖又はアンチセンス領域の5’末端に(例えば、5’末端から1、2、3、4、5又は6位の末端ヌクレオチド位置のいずれかに)存在する場合には、かかるプリンヌクレオシドはリボヌクレオチドである。別の実施形態においては、プリンリボヌクレオチドは、存在するときには、siNA分子の(パッセンジャー鎖とも称する)センス鎖又はセンス領域のヌクレオチドと塩基対を形成する。かかるプリンリボヌクレオチドは、それ以外は修飾ヌクレオチドを含むsiNA安定化モチーフ中に存在し得る。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は以下の特徴を含む。すなわち、ピリミジンヌクレオチドが、siNA分子の(ガイド配列又はガイド鎖とも称する)アンチセンス鎖又はアンチセンス領域の5’末端に(例えば、5’末端から1、2、3、4、5又は6位の末端ヌクレオチド位置のいずれかに)存在する場合には、かかるピリミジンヌクレオシドはリボヌクレオチドである。別の実施形態においては、ピリミジンリボヌクレオチドは、存在するときには、siNA分子の(パッセンジャー鎖とも称する)センス鎖又はセンス領域のヌクレオチドと塩基対を形成する。かかるピリミジンリボヌクレオチドは、それ以外は修飾ヌクレオチドを含むsiNA安定化モチーフ中に存在し得る。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は以下の特徴を含む。すなわち、ピリミジンヌクレオチドが、siNA分子の(ガイド配列又はガイド鎖とも称する)アンチセンス鎖又はアンチセンス領域の5’末端に(例えば、5’末端から1、2、3、4、5又は6位の末端ヌクレオチド位置のいずれかに)存在する場合には、かかるピリミジンヌクレオシドは修飾ヌクレオチドである。別の実施形態においては、修飾ピリミジンヌクレオチドは、存在するときには、siNA分子の(パッセンジャー鎖とも称する)センス鎖又はセンス領域のヌクレオチドと塩基対を形成する。修飾ピリミジンヌクレオチドの非限定的例としては、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、4’−チオ、2’−O−トリフルオロメチル、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシ、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシ、2’−O−メチルヌクレオチドなどの式I−VIIのいずれかの修飾ピリミジンヌクレオチドが挙げられる。
一実施形態においては、本発明は、構造SIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]は、任意のプリンヌクレオチドが、存在するときには、リボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシリボヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SIIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]は、任意のプリンヌクレオチドが、存在するときには、リボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドはリボヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、リボヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SIIIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]は、任意のプリンヌクレオチドが、存在するときには、リボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、リボヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SIVを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]は、任意のプリンヌクレオチドが、存在するときには、リボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SVを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]は、任意のプリンヌクレオチドが、存在するときには、リボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは、リボ様配置(例えば、ノーザン又はA型ヘリックス配置)のヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは、リボ様配置(例えば、ノーザン又はA型ヘリックス配置)のヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SVIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]は、アンチセンス鎖(下側の鎖)の5’末端をセンス鎖(上側の鎖)の5’末端よりも熱的に不安定にする配列を含むヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシリボヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SVIIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であり、NX3はNX4に相補的であり、どの(N)ヌクレオチドも2’−O−メチル及び/又は2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである。
一実施形態においては、本発明は、構造SVIIIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はアンチセンス鎖(下側の鎖)の5’末端をセンス鎖(上側の鎖)の5’末端よりも熱的に不安定にする配列を含むヌクレオチド位置であり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約15の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、X6は約1から約4の整数であり、X7は約9から約15の整数であり、NX7、NX6及びNX3は、NX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシリボヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは、[N]ヌクレオチド以外の2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは独立に、[N]ヌクレオチド以外の、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SIXを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシリボヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SXを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドはリボヌクレオチドであり、センス鎖中に存在する任意のプリンヌクレオチド(上側の鎖)はリボヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SXIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、リボヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SXIIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SXIIIを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約30の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、NX3はNX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは、リボ様配置(例えば、ノーザン又はA型ヘリックス配置)のヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは、リボ様配置(例えば、ノーザン又はA型ヘリックス配置)のヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルヌクレオチドであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、本発明は、構造SXIVを有する二本鎖核酸分子を特徴とする。
ここで、各Nは独立にヌクレオチドであり、各Bは存在しても、しなくてもよい末端キャップ部分であり、(N)は、無修飾でも、化学修飾されていてもよい、非塩基対形成ヌクレオチド又はオーバーハングヌクレオチドであり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、[N]はリボヌクレオチドであるヌクレオチド位置であり、X1及びX2は独立に約0から約4の整数であり、X3は約9から約15の整数であり、X4は約11から約30の整数であって、ただしX4とX5の合計は17−36であり、X5は約1から約6の整数であり、X6は約1から約4の整数であり、X7は約9から約15の整数であり、NX7、NX6及びNX3は、NX4及びNX5に相補的であり、
(a)アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する任意のピリドミジンヌクレオチドは2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、アンチセンス鎖(下側の鎖)中に存在する、[N]ヌクレオチド位置のプリンヌクレオチド以外の任意のプリンヌクレオチドは独立に、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシリボヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(b)センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のピリミジンヌクレオチドは、[N]ヌクレオチド以外の2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり、センス鎖(上側の鎖)中に存在する任意のプリンヌクレオチドは独立に、[N]ヌクレオチド以外の、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、又は2’−デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドの組合せであり、
(c)任意の(N)ヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−デオキシ−2’−フルオロ又はデオキシリボヌクレオチドであってもよい。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、核酸分子のアンチセンス鎖又はアンチセンス領域の5’末端に末端リン酸基を含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、X5=1、2又は3;各X1及びX2=l又は2;X3=12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30並びにX4=15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30を含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、X5=1;各X1及びX2=2;X3=19並びにX4=18を含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、X5=2;各X1及びX2=2;X3=19並びにX4=17を含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、X5=3;各X1及びX2=2;X3=19並びにX4=16を含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、センス鎖又はセンス領域の3’及び5’末端にBを含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、アンチセンス鎖又はアンチセンス領域の3’末端にBを含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、センス鎖又はセンス領域の3’及び5’末端、並びにアンチセンス鎖又はアンチセンス領域の3’末端にBを含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、核酸分子のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖とアンチセンス鎖の両方の3’末端上の第1の末端(N)に、1個以上のホスホロチオアートヌクレオチド間結合を更に含む。例えば、二本鎖核酸分子は、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合、例えば、(NsN)を含むオーバーハングヌクレオチド位置を有する、X1及び/又はX2=2を含み得る。ここで、「s」はホスホロチオアートを示す。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、2’−O−メチルヌクレオチドである(N)ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、2’−デオキシヌクレオチドである(N)ヌクレオチドを含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、アンチセンス(下側の)鎖のN及び[N]ヌクレオチドに相補的である標的ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチドに相補的である(N)ヌクレオチドをアンチセンス鎖(下側の鎖)中に含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、標的ポリヌクレオチド配列の約15から約30ヌクレオチドの隣接ヌクレオチド配列を含む(N)ヌクレオチドをセンス鎖(上側の鎖)中に含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、センス鎖の隣接(N)及びNヌクレオチド配列が標的核酸配列のヌクレオチド配列を含むように、アンチセンス(下側の)鎖に相補的である標的ポリヌクレオチド配列に対応するヌクレオチド配列を含む(N)ヌクレオチドをセンス鎖(上側の鎖)中に含む。
一実施形態においては、構造SVIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子のセンス(上側の)鎖の5’末端のみにBを含む。
一実施形態においては、構造SI、SII、SIII、SIV、SV、SVI、SVII、SVIII、SIX、SX、SXII、SXIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、不対末端ヌクレオチドをアンチセンス(下側の)鎖の5’末端に更に含む。不対ヌクレオチドは、センス(上側の)鎖と相補的でない。一実施形態においては、不対の末端ヌクレオチドは、アンチセンス(下側の)鎖のN及び[N]ヌクレオチドに相補的である標的ポリヌクレオチド配列に相補的である。別の実施形態においては、不対の末端ヌクレオチドは、アンチセンス(下側の)鎖のN及び[N]ヌクレオチドに相補的である標的ポリヌクレオチド配列に相補的でない。
一実施形態においては、構造SVIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、X6=1及びX3=10を含む。
一実施形態においては、構造SVIII又はSXIVのいずれかを有する二本鎖核酸分子は、X6=2及びX3=9を含む。
一実施形態においては、本発明は、調合物LNP−051、LNP−053、LNP−054、LNP−069、LNP−073、LNP−077、LNP−080、LNP−082、LNP−083、LNP−060、LNP−061、LNP−086、LNP−097、LNP−098、LNP−099、LNP−100、LNP−101、LNP−102、LNP−103又はLNP−104(表IV参照)のいずれかとして調合されたsiNA分子又は二本鎖核酸分子又はRNAi阻害剤を含む組成物を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、互いに相補的である第1の鎖と第2の鎖を各々有する、第1の二本鎖核酸分子と第2の二本鎖核酸分子とを含む組成物を特徴とする。ここで、第1の二本鎖核酸分子の第2の鎖は、第1の標的配列に相補的である配列を含み、第2の二本鎖核酸分子の第2の鎖は、第2の標的又は経路標的配列に相補的である配列を含む。一実施形態においては、組成物は、陽イオン性脂質、中性脂質及びポリエチレングリコール抱合体を更に含む。一実施形態においては、組成物は、陽イオン性脂質、中性脂質、ポリエチレングリコール抱合体及びコレステロールを更に含む。一実施形態においては、組成物は、ポリエチレングリコール抱合体、コレステロール及び界面活性剤を更に含む。一実施形態においては、陽イオン性脂質は、CLinDMA、pCLinDMA、eCLinDMA、DMOBA及びDMLBAからなる群から選択される。一実施形態においては、中性脂質は、DSPC、DOBA及びコレステロールからなる群から選択される。一実施形態においては、ポリエチレングリコール抱合体は、PEG−ジミリストイルグリセリン及びPEG−コレステロールからなる群から選択される。一実施形態においては、PEGは2KPEGである。一実施形態においては、界面活性剤は、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール及びリノレイルアルコールからなる群から選択される。一実施形態においては、陽イオン性脂質はCLinDMAであり、中性脂質はDSPCであり、ポリエチレングリコール抱合体は2KPEG−DMGであり、コレステロールはコレステロールであり、界面活性剤はリノレイルアルコールである。一実施形態においては、CLinDMA、DSPC、2KPEG−DMG、コレステロール及びリノレイルアルコールは、それぞれ43:38:10:2:7のモル比で存在する。
本明細書の実施形態のいずれにおいても、本発明のsiNA分子は、RNA干渉又はRNA干渉の阻害によって、1個以上の標的の発現を調節する。一実施形態においては、RNA干渉は、RISCによって媒介される標的の切断(例えば、siRNAによって媒介されるRNA干渉)である。一実施形態においては、RNA干渉は、標的の翻訳阻害(例えば、miRNAによって媒介されるRNA干渉)である。一実施形態においては、RNA干渉は、標的の転写阻害(例えば、siRNAによって媒介される転写サイレンシング)である。一実施形態においては、RNA干渉は細胞質中で起こる。一実施形態においては、RNA干渉は核中で起こる。
本明細書の実施形態のいずれにおいても、本発明のsiNA分子は、内因性mRNA、siRNA、miRNAなどの内因性標的RNAの阻害によって、又はRISCの阻害によって、1個以上の標的の発現を調節する。
一実施形態においては、本発明は、miRNA阻害、siRNA阻害又はRISC阻害によって、1個以上の遺伝子標的の発現を調節する1種類以上のRNAi阻害剤を特徴とする。
一実施形態においては、本発明のRNAi阻害剤は、1個以上の標的miRNA又はsiRNA分子に相補的である1本以上の鎖を有する、本明細書のsiNA分子である。
一実施形態においては、本発明のRNAi阻害剤は、標的miRNA若しくはsiRNA分子又はその一部に相補的であるアンチセンス分子である。本発明のアンチセンスRNAi阻害剤は、約10から約40ヌクレオチド長(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオチド長)の長さであり得る。本発明のアンチセンスRNAi阻害剤は、本明細書の1個以上の修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含み得る(例えば、本明細書の式I−VIIのいずれかの分子、又はその任意の組合せを参照されたい。)。一実施形態においては、本発明のアンチセンスRNAi阻害剤は、1個以上又は全部の2’−O−メチルヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明のアンチセンスRNAi阻害剤は、1個以上又は全部の2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明のアンチセンスRNAi阻害剤は、1個以上又は全部の(2’−メトキシエトキシ又はMOEとしても知られる)2’−O−メトキシ−エチルヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明のアンチセンスRNAi阻害剤は、1個以上又は全部のホスホロチオアートヌクレオチド間結合を含み得る。一実施形態においては、アンチセンスRNA阻害剤又は本発明は、アンチセンスRNA阻害剤の3’末端に、5’末端に、又は5’末端と3’末端の両方に末端キャップ部分を含み得る。
一実施形態においては、本発明のRNAi阻害剤は、調節可能なアプタマーなど、RISCに対する結合親和性を有する核酸アプタマーである(例えば、An et al., 2006, RNA, 12:710−716参照)。本発明のアプタマーRNAi阻害剤は、約10から約50ヌクレオチド長(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50ヌクレオチド長)の長さであり得る。本発明のアプタマーRNAi阻害剤は、本明細書の1個以上の修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含み得る(例えば、本明細書の式I−VIIのいずれかの分子、又はその任意の組合せを参照されたい。)。一実施形態においては、本発明のアプタマーRNAi阻害剤は、1個以上又は全部の2’−O−メチルヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明のアプタマーRNAi阻害剤は、1個以上又は全部の2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明のアプタマーRNAi阻害剤は、1個以上又は全部の(2’−メトキシエトキシ又はMOEとしても知られる)2’−O−メトキシ−エチルヌクレオチドを含み得る。一実施形態においては、本発明のアプタマーRNAi阻害剤は、1個以上又は全部のホスホロチオアートヌクレオチド間結合を含み得る。一実施形態においては、アプタマーRNA阻害剤又は本発明は、アプタマーRNA阻害剤の3’末端に、5’末端に、又は5’末端と3’末端の両方に末端キャップ部分を含み得る。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾されていても、無修飾でもよい、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾されていても、無修飾でもよい、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含み、siNAのセンス鎖配列は、標的RNAの配列と同一である、又はかなり類似した配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾されていても、無修飾でもよい、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾されていても、無修飾でもよい、本発明の1個以上のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含み、siNAのセンス鎖配列は、標的RNAの配列と同一である、又はかなり類似した配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の2個以上の標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾されていても、無修飾でもよい、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含み、siNAのセンス鎖配列は、標的RNAの配列と同一である、又はかなり類似した配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾されていても、無修飾でもよい、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含み、siNAのセンス鎖配列は、標的RNAの配列と同一である、又はかなり類似した配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、生体外用途における試薬として使用される。例えば、siNA試薬は、治療効果のために、対象に移植された組織又は細胞中に導入される。細胞及び/又は組織は、外植片をその後に移植される生物体又は対象から得ることができ、又は別の生物体又は対象から移植前に得ることができる。siNA分子を使用して、細胞又は組織中の1個以上の遺伝子の発現を調節することができ、細胞又は組織は、所望の表現型を獲得し、又はインビボで移植したときに機能することができる。一実施形態においては、患者由来のある種の標的細胞を採取する。採取されたこれらの細胞を、これらの細胞によるsiNAの取り込みに適切な条件下で(例えば、細胞中へのsiNAの送達を促進するために、陽イオン性脂質、リポソームなどの送達試薬を用いて、又は電気穿孔法などの技術を用いて)、細胞内の特定のヌクレオチド配列を標的にしたsiNAと接触させる。次いで、同じ患者又は他の患者に細胞を再導入する。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、及び(b)組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、特定の生物体由来の組織外植片の細胞にsiNA分子を導入することを含む、組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。別の実施形態においては、この方法は、組織が得られた生物体に、又は別の生物体に、生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、組織外植片を戻すことを更に含む。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含み、siNAのセンス鎖配列は、標的RNAの配列と同一である、又はかなり類似した配列を含む。)、及び(b)組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、特定の生物体由来の組織外植片の細胞にsiNA分子を導入することを含む、組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。別の実施形態においては、この方法は、組織が得られた生物体に、又は別の生物体に、生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、組織外植片を戻すことを更に含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、及び(b)組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、特定の生物体由来の組織外植片の細胞にsiNA分子を導入することを含む、組織外植片中の1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。別の実施形態においては、この方法は、組織が得られた生物体に、又は別の生物体に、生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、組織外植片を戻すことを更に含む。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、及び(b)対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、siNA分子を対象又は生物体に導入することを含む、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。標的タンパク質又はRNAのレベルは、当分野で周知の種々の方法によって求めることができる。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、及び(b)対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、siNA分子を対象又は生物体に導入することを含む、対象又は生物体における1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。標的タンパク質又はRNAのレベルは、当分野で公知のとおりに求めることができる。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNAは、標的遺伝子のRNAに対して相補性を有する一本鎖配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下でsiNA分子を細胞に導入することを含む、細胞内の標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNAは、標的遺伝子のRNAに対して相補性を有する一本鎖配列を含む。)、及び(b)細胞における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、細胞をインビトロ又はインビボでsiNA分子と接触させることを含む、細胞内の1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNAは、標的遺伝子のRNAに対して相補性を有する一本鎖配列を含む。)、及び(b)組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、特定の対象又は生物体から得られた組織外植片の細胞をsiNA分子と接触させることを含む、組織外植片((例えば、一生物体から別の生物体に移植することができる、又は器官、組織若しくは細胞が得られた同じ生物体に戻すことができる、任意の器官、組織又は細胞)における標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。別の実施形態においては、この方法は、組織が得られた対象若しくは生物体に、又は別の対象若しくは生物体に、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、組織外植片を戻すことを更に含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNAは、標的遺伝子のRNAに対して相補性を有する一本鎖配列を含む。)、及び(b)組織外植片における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、特定の対象又は生物体から得られた組織外植片の細胞にsiNA分子を導入することを含む、組織外植片(例えば、一生物体から別の生物体に移植することができる、又は器官、組織若しくは細胞が得られた同じ生物体に戻すことができる、任意の器官、組織又は細胞)における1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。別の実施形態においては、この方法は、組織が得られた対象若しくは生物体に、又は別の対象若しくは生物体に、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、組織外植片を戻すことを更に含む。
一実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNAは、標的遺伝子のRNAに対して相補性を有する一本鎖配列を含む。)、及び(b)対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、siNA分子を対象又は生物体に導入することを含む、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNAは、標的遺伝子のRNAに対して相補性を有する一本鎖配列を含む。)、及び(b)対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、siNA分子を対象又は生物体に導入することを含む、対象又は生物体における1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含む、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含む、対象又は生物体における遺伝子発現又は活性に関係する疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。遺伝子発現の減少、したがってそれぞれのタンパク質/RNAのレベルの減少によって、疾患、障害、形質又は症状の症候がある程度緩和される。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって癌を治療又は予防することができる、対象又は生物体における癌を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、癌細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における癌の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における癌の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって増殖性疾患又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における増殖性疾患又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、増殖性疾患に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における増殖性疾患又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における増殖性の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって移植片及び/又は組織拒絶反応(同種移植片拒絶)を治療又は予防することができる、対象又は生物体における移植片及び/又は組織拒絶反応(同種移植片拒絶)を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、移植片及び/又は組織拒絶反応(同種移植片拒絶)に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における移植片及び/又は組織拒絶反応(同種移植片拒絶)の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における移植片及び/又は組織拒絶反応(同種移植片拒絶)の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって自己免疫疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における自己免疫疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、自己免疫疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における自己免疫疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における自己免疫疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって感染性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における感染性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、感染性の疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における感染性の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における感染性の疾患、形質又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、アデフォビルジピボキシルを本発明のsiNA分子と組み合わせて対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、アデフォビルジピボキシル及びsiNA分子は、アデフォビルジピボキシル及びsiNA分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。これらの仮出願全部を、参照によりその全体を本明細書に組込む。かかるsiNA調合物を一般に「脂質核酸粒子」(LNP)と称する。
一実施形態においては、本発明は、ラミブジン(3TC)を本発明のsiNA分子と組み合わせて対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、ラミブジン(3TC)及びsiNAは、ラミブジン(3TC)及びsiNA分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)を本発明のsiNA分子と組み合わせて対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びにsiNA分子は、アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びにsiNA分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてアデフォビルジピボキシルを対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有する。アデフォビルジピボキシル及び二本鎖核酸分子は、アデフォビルジピボキシル及び二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてラミブジン(3TC)を対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有する。ラミブジン(3TC)及び二本鎖核酸分子は、ラミブジン(3TC)及び二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてアデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)を対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有する。アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びに二本鎖核酸分子は、アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びに二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてアデフォビルジピボキシルを対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有し、(e)二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくとも20%は、化学修飾を有する修飾ヌクレオシドであり、(f)化学修飾の少なくとも2個は互いに異なる。アデフォビルジピボキシル及び二本鎖核酸分子は、アデフォビルジピボキシル及び二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてラミブジン(3TC)を対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有し、(e)二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくとも20%は、化学修飾を有する修飾ヌクレオシドであり、(f)化学修飾の少なくとも2個は互いに異なる。ラミブジン(3TC)及び二本鎖核酸分子は、ラミブジン(3TC)及び二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてアデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)を対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有し、(e)二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくとも20%は、化学修飾を有する修飾ヌクレオシドであり、(f)化学修飾の少なくとも2個は互いに異なる。アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びに二本鎖核酸分子は、アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びに二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてアデフォビルジピボキシルを対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有し、(e)二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくとも20%は、糖修飾を有する修飾ヌクレオシドであり、(f)糖修飾の少なくとも2個は互いに異なる。アデフォビルジピボキシル及び二本鎖核酸分子は、アデフォビルジピボキシル及び二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてラミブジン(3TC)を対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有し、(e)二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくとも20%は、糖修飾を有する修飾ヌクレオシドであり、(f)糖修飾の少なくとも2個は互いに異なる。ラミブジン(3TC)及び二本鎖核酸分子は、ラミブジン(3TC)及び二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、化学合成された二本鎖核酸分子と組み合わせてアデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)を対象に投与することを含む、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療又は予防する方法を特徴とする。ここで、(a)二本鎖核酸分子は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、(b)二本鎖核酸分子の各鎖は15から28ヌクレオチド長であり、(c)センス鎖の少なくとも15ヌクレオチドは、アンチセンス鎖に相補的であり、(d)二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス(HBV)標的RNAに対して相補性を有し、(e)二本鎖核酸分子の各鎖の内部ヌクレオチドの少なくとも20%は、糖修飾を有する修飾ヌクレオシドであり、(f)糖修飾の少なくとも2個は互いに異なる。アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びに二本鎖核酸分子は、アデフォビルジピボキシル及びラミブジン(3TC)並びに二本鎖核酸分子による治療を受けていない対象に比較して、対象におけるB型肝炎ウイルス(HBV)レベルを低下させるのに、又は抑制するのに適切な条件下で投与される。一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、及び2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
一実施形態においては、本発明は、アデフォビルジピボキシル及び本発明の1種類以上の二本鎖核酸分子又はsiNA分子を薬剤として許容される担体又は希釈剤中に含む組成物を特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、アデフォビルジピボキシル、ラミブジン、及び本発明の1種類以上の二本鎖核酸分子又はsiNA分子を薬剤として許容される担体又は希釈剤中に含む組成物を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって年齢関連性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における年齢関連性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、年齢関連性の疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における年齢関連性の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における年齢関連性の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって神経性又は神経変性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における神経性又は神経変性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、神経性又は神経変性の疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における神経性又は神経変性の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における神経性又は神経変性の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって呼吸器の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における呼吸器の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、呼吸器の疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における呼吸器の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における呼吸器の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって眼球の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における眼球の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、眼球の疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における眼球の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における眼球の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって皮膚の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における皮膚の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、皮膚の疾患、障害、形質又は症状に関与する細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における皮膚の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における皮膚の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって肝臓の疾患、障害、形質又は症状(例えば、肝炎、HCV、HBV、糖尿病(diabetis)、硬変、肝細胞癌など)を治療又は予防することができる、対象又は生物体における肝臓の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、肝臓の疾患、障害、形質又は症状に関与する肝臓の細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における肝臓の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における肝臓の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって腎臓/腎性の疾患、障害、形質又は症状(例えば、多発性嚢胞腎など)を治療又は予防することができる、対象又は生物体における腎臓/腎性の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、腎臓/腎性の疾患、障害、形質又は症状に関与する腎臓/腎性の細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における腎臓/腎性の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における腎臓の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって聴覚の疾患、障害、形質又は症状(例えば、聴覚損失、難聴など)を治療又は予防することができる、対象又は生物体における聴覚の疾患、障害、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、聴覚の疾患、障害、形質又は症状に関与する耳、内耳(inner hear)、中耳の細胞及び組織など、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における聴覚の疾患、障害、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内又は皮下投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における聴覚の疾患、形質、障害又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって代謝の疾患、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における1つ以上の代謝の疾患、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、関連する組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体(例えば、肝臓、すい臓、小腸、脂肪の組織又は細胞)における代謝の疾患、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内、筋肉内、皮下、GI投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体(例えば、肝臓、すい臓、小腸、脂肪の組織又は細胞)における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における代謝の疾患、形質又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。一実施形態においては、代謝病は、高コレステロール血症(hypecholesterolemia)、高脂血症、異脂肪血症、糖尿病(例えば、I型及び/又はII型糖尿病)、インスリン抵抗性、肥満、又は睡眠時無呼吸、裂孔ヘルニア、逆流性食道炎(esophagisitis)、骨関節炎、痛風、体重増加に関連した癌、胆石症、腎結石、肺高血圧症、不妊症、循環器疾患、正常値を超える重量、及び正常値を超える脂質レベル、尿酸レベル若しくはシュウ酸塩レベルを含めて、ただしこれらだけに限定されない関連症状からなる群から選択される。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における遺伝子発現の阻害剤の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含む、対象又は生物体における1つ以上の代謝の疾患、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、遺伝子発現の阻害剤はmiRNAである。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって循環器の疾患、形質又は症状を治療又は予防することができる、対象又は生物体における1つ以上の循環器の疾患、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、肝臓、すい臓、小腸、脂肪の組織又は細胞組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における循環器の疾患、形質又は症状の持続又は発生に関与する組織又は細胞など、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内、筋肉内、皮下、GI投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における循環器の疾患、形質又は症状の治療又は予防のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。一実施形態においては、循環器疾患は、高血圧症、冠動脈血栓症、発作、脂質症候群、高血糖症、高トリグリセリド血症、高脂血症、虚血、うっ血性心不全及び心筋梗塞からなる群から選択される。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における遺伝子発現の阻害剤の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含む、対象又は生物体における1つ以上の循環器の疾患、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。一実施形態においては、遺伝子発現の阻害剤はmiRNAである。
一実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを含み、それによって減量することができる、対象又は生物体における減量方法を特徴とする。一実施形態においては、本発明は、関連する組織又は細胞、例えば、肝臓、すい臓、小腸、脂肪の組織又は細胞に局所投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。一実施形態においては、本発明は、関連する組織又は細胞に(siNAの静脈内、筋肉内、皮下、GI投与などによって)全身投与することによって、対象又は生物体を本発明のsiNA分子と接触させることを特徴とする。本発明のsiNA分子は、対象又は生物体における適切な組織又は細胞を標的にするために、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、処方又は抱合することができる。siNA分子は、対象又は生物体における減量のための当分野で公知の他の治療処置及び様式と組み合わせることができる。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子又は二本鎖核酸分子は、米国仮出願第60/678,531号、及び2005年7月29日に出願された、関係する米国仮出願第60/703,946号、2005年11月15日に出願された米国仮出願第60/737,024号、及び2006年2月14日に出願された米国特許出願第11/353,630号(Vargeese他)に記載された組成物として処方される。
1個以上の標的の発現を調節する、又は細胞、対象若しくは生物体における疾患、形質、症状若しくは表現型を治療若しくは予防する、本明細書の方法のいずれにおいても、本発明のsiNA分子は、1個以上の標的の発現をRNA干渉によって調節する。一実施形態においては、RNA干渉は、RISCによって媒介される標的の切断(例えば、siRNAによって媒介されるRNA干渉)である。一実施形態においては、RNA干渉は、標的の翻訳阻害(例えば、miRNAによって媒介されるRNA干渉)である。一実施形態においては、RNA干渉は、標的の転写阻害(例えば、siRNAによって媒介される転写サイレンシング)である。一実施形態においては、RNA干渉は細胞質中で起こる。一実施形態においては、RNA干渉は核中で起こる。
本発明の治療方法のいずれにおいても、siNAを対象に治療コースとして投与することができ、例えば、治療コースを通して1日1回、治療コースを通して2日ごとに1回、治療コースを通して3日ごとに1回、治療コースを通して4日ごとに1回、治療コースを通して5日ごとに1回、治療コースを通して6日ごとに1回、治療コースを通して1週間に1回、治療コースを通して隔週で1回、治療コースを通して1か月に1回などの種々の時間間隔で投与することができる。一実施形態においては、治療コースは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10週ごとに1回である。一実施形態においては、治療コースは、約1から約52週間又はそれ以上(例えば、無期限)である。一実施形態においては、治療コースは、約1から約48か月間又はそれ以上(例えば、無期限)である。
一実施形態においては、治療コースは、固定間隔(例えば、1×、2×、3×、4×、5×、6×、7×、8×、9×、10×又はそれ以上)で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれを超える週ごとに1回などの初期治療コースと、それに続く追加の固定間隔(例えば、1×、2×、3×、4×、5×、6×、7×、8×、9×、10×又はそれを超える)で4、6、8、10、15、20、25、30、35、40又はそれを超える週ごとに1回などの治療維持コースとを含む。
本発明の治療方法のいずれにおいても、siNAは、本明細書の、又は当分野で公知のとおりに、単独療法として単体で、又は追加の療法と組み合わせて、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、対象に全身投与することができる。全身投与としては、例えば、当分野で一般に公知である、肺(吸入、噴霧など) 静脈内、皮下、筋肉内、カテーテル法、鼻咽頭(nasopharangeal)、経皮又は経口/胃腸投与が挙げられる。
一実施形態においては、本発明の治療又は予防の方法のいずれにおいても、siNAは、当分野で公知のとおりに、単独療法として単体で、又は追加の療法と組み合わせて、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、対象に局所的に、又は局所組織に、投与することができる。局所投与としては、例えば、当分野で一般に公知である、関連組織への吸入、噴霧、カテーテル法、移植、直接注射、皮膚/経皮投与、ステント術、点耳/点眼又は門脈投与、又は任意の他の局所投与技術、方法若しくは手順が挙げられる。
一実施形態においては、本発明は、投与に適切な条件下で、siNAを内耳細胞、組織又は構造と接触させることを含む、本発明のsiNA分子及び組成物を内耳に投与する方法を特徴とする。一実施形態においては、投与は、参照により本明細書に組込む、米国特許第5,421,818号、同5,476,446号、同5,474,529号、同6,045,528号、同6,440,102号、同6,685,697号、同6,120,484号及び同5,572,594号、並びにSilverstein, 1999, Ear Nose Throat J., 78, 595−8, 600及びJackson and Silverstein, 2002, Otolaryngol Clin North Am., 35, 639−53の教示に記述され、本発明のsiNA分子用に改作された、方法及び装置を含む。
別の実施形態においては、本発明は、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、阻害する)のに適切な条件下で、対象又は生物体を本発明の1個以上のsiNA分子と接触させることを含む、対象又は生物体における1個を超える標的遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。
本発明のsiNA分子は、種々の核酸分子のRNAiターゲティングによって、標的遺伝子発現を下方制御又は阻害するように設計することができる。一実施形態においては、本発明のsiNA分子を用いて、例えば異質染色質サイレンシング又は転写阻害によって、標的遺伝子に対応する種々のDNAを標的にする。一実施形態においては、本発明のsiNA分子を用いて、例えばRNA標的切断又は翻訳阻害によって、標的遺伝子に対応する種々のRNAを標的にする。かかるRNAの非限定的例としては、メッセンジャーRNA(mRNA)、非コードRNA(ncRNA)、又はmiRNA及び他の低分子RNAを含む調節エレメント(例えば、Mattick, 2005, Science, 309, 1527−1528及びClaverie, 2005, Science, 309, 1529−1530参照)、標的遺伝子の代替RNAスプライスバリアント、標的遺伝子の転写後修飾RNA、標的遺伝子のpre−mRNA、及び/又はRNAテンプレートが挙げられる。代替(alternate)スプライシングによって、適切なエキソンを用いて区別される転写物ファミリーが生成する場合には、本発明によって適切なエキソンを介して遺伝子発現を阻害して、遺伝子ファミリーメンバーの機能を特異的に阻害する、又は区別することができる。例えば、選択的にスプライスされた膜貫通領域を含むタンパク質は、膜結合型と分泌型の両方で発現され得る。膜貫通領域を含むエキソンを標的にするために本発明を使用して、タンパク質の分泌型に対立するものとして、膜結合型の薬剤ターゲティングの機能的結果を判定することができる。これらのRNA分子のターゲティングに関係した本発明の非限定的適用例としては、治療薬剤用途、化粧品用途、獣医学用途、創薬用途、分子診断及び遺伝子機能用途、並びに、例えば本発明のsiNA分子を用いた一塩基多型マッピングによる、遺伝子地図が挙げられる。かかる適用例は、公知の遺伝子配列を用いて、又は発現配列タグ(EST)から利用可能な部分配列から、実施することができる。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子を用いて、相同配列を有する遺伝子ファミリーなどの遺伝子ファミリーに対応する保存配列を標的にする。したがって、複数の遺伝子又はRNA標的を標的にしたsiNA分子によって、治療効果を増大させることができる。一実施形態においては、本発明は、標的にされた標的遺伝子の保存配列を標的にすることによる、単一のsiNA分子を用いた、1個を超える標的遺伝子配列のターゲティング(切断、又は発現若しくは機能の阻害)を特徴とする。
一実施形態においては、siNA分子を用いて、種々の用途における遺伝子機能の経路を特徴づけることができる。例えば、本発明によって、経路中の標的遺伝子の活性を阻害して、遺伝子機能分析、mRNA機能分析又は翻訳分析において、特徴づけられていない遺伝子の機能を明らかにすることができる。本発明によって、薬剤開発に向かって、種々の疾患及び症状に関与する標的遺伝子経路候補を決定することができる。本発明によって、例えば、本明細書の、又は当分野で公知の疾患、障害、形質及び症状に関与する遺伝子発現の経路を理解することができる。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子及び/又は方法を用いて、Genbankアクセッションによって参照されるRNAをコードする遺伝子、例えば、Genbankアクセッション番号、例えば、参照により本明細書に組込む、米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及びPCT/US03/05028のGenbankアクセッション番号によって本明細書で参照されるRNA配列をコードする標的遺伝子の発現を下方制御する。
一実施形態においては、本発明は、(a)所定の複雑性を有するsiNA構築物のライブラリーを作製すること、及び(b)標的RNA配列内のRNAi標的部位を決定するのに適切な条件下で、上記(a)のsiNA構築物を分析することを含む、方法を特徴とする。一実施形態においては、(a)のsiNA分子は、一定の長さ、例えば、約23ヌクレオチド長の鎖を有する。別の実施形態においては、(a)のsiNA分子は異なる長さ、例えば約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチド長の鎖を有する。一実施形態においては、アッセイは、本明細書の、再構成されたインビトロsiNAアッセイを含み得る。別の実施形態においては、アッセイは、標的RNAが発現される細胞培養系を含み得る。別の実施形態においては、標的RNA断片の切断の検出可能なレベルを、例えば、ゲル電気泳動、ノーザンブロット分析又はRNAse保護アッセイによって分析して、標的RNA配列内の最も適切な標的部位を決定する。標的RNA配列は、例えば、インビトロ系のクローニング及び/又は転写によって、また、インビボ系における細胞発現によって、当分野で公知のとおりに得ることができる。
一実施形態においては、本発明は、(a)4Nなどの所定の複雑性を有するsiNA構築物の無作為化ライブラリーを作製すること(ここで、Nは、siNA構築物鎖の各々における塩基対形成ヌクレオチドの数である(例えば、19塩基対を含む、21ヌクレオチドセンス鎖及びアンチセンス鎖を有するsiNA構築物の場合、複雑性は419となる。)。)、及び(b)標的標的RNA配列内のRNAi標的部位を決定するのに適切な条件下で、上記(a)のsiNA構築物を分析することを含む、方法を特徴とする。別の実施形態においては、(a)のsiNA分子は、一定の長さ、例えば、約23ヌクレオチド長の鎖を有する。更に別の実施形態においては、(a)のsiNA分子は異なる長さ、例えば約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチド長の鎖を有する。一実施形態においては、アッセイは、本明細書の実施例6の、再構成されたインビトロsiNAアッセイを含み得る。別の実施形態においては、アッセイは、標的RNAが発現される細胞培養系を含み得る。別の実施形態においては、標的RNA断片の切断の検出可能なレベルを、例えば、ゲル電気泳動、ノーザンブロット分析又はRNAse保護アッセイによって分析して、標的標的RNA配列内の最も適切な標的部位を決定する。標的標的RNA配列は、例えば、インビトロ系のクローニング及び/又は転写によって、また、インビボ系における細胞発現によって、当分野で公知のとおりに得ることができる。
別の実施形態においては、本発明は、(a)標的遺伝子によってコードされるRNA標的の配列を解析すること、(b)(a)のRNAの1個以上の領域に相補的である配列を有するsiNA分子の1組以上を合成すること、及び(c)標的RNA配列内のRNAi標的を決定するのに適切な条件下で(b)のsiNA分子を分析することを含む、方法を特徴とする。一実施形態においては、(b)のsiNA分子は、一定の長さ、例えば、約23ヌクレオチド長の鎖を有する。別の実施形態においては、(b)のsiNA分子は異なる長さ、例えば約15から約30(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)ヌクレオチド長の鎖を有する。一実施形態においては、アッセイは、本明細書の、再構成されたインビトロsiNAアッセイを含み得る。別の実施形態においては、アッセイは、標的RNAが発現される細胞培養系を含み得る。標的RNA断片の切断の検出可能なレベルを、例えば、ゲル電気泳動、ノーザンブロット分析又はRNAse保護アッセイによって分析して、標的RNA配列内の最も適切な標的部位を決定する。標的RNA配列は、例えば、インビトロ系のクローニング及び/又は転写によって、また、インビボ系における発現によって、当分野で公知のとおりに得ることができる。
「標的部位」とは、標的配列に相補的である配列をそのアンチセンス領域内に含むsiNA構築物によって媒介される切断のために「標的にされ」る標的RNA内の配列を意味する。
「切断の検出可能なレベル」とは、標的RNAの無作為分解によって生成されるRNAのバックグラウンドを超えて、切断産物を識別するのに十分な程度の標的RNAの切断(及び切断された生成物RNAの形成)を意味する。標的RNAの1−5%からの切断産物の生成は、大部分の検出方法のバックグラウンドを超えて検出するのに十分である。
一実施形態においては、本発明は、薬剤として許容される担体又は希釈剤中に、本発明の化学修飾され得るsiNA分子を含む、組成物を特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、薬剤として許容される担体又は希釈剤中に、化学修飾され得る、1個以上の遺伝子を標的にした、本発明のsiNA分子を含む、薬剤組成物を特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、対象における疾患、形質又は症状の診断に適切な条件下で、本発明の組成物を対象に投与することを含む、対象における疾患、形質又は症状を診断する方法を特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、対象における疾患、形質又は症状の治療又は予防に適切な条件下で、単独で、又は1種類以上の他の治療化合物と併せて、本発明の組成物を対象に投与することを含む、対象における代謝及び/又は循環器の疾患、形質、症状又は障害などの疾患、形質又は症状を治療又は予防する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、(b)細胞、組織、対象又は生物体における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、細胞、組織、対象又は生物体にsiNA分子を導入すること、及び(c)細胞、組織、対象又は生物体における任意の表現型の変化を評価することによって、遺伝子の機能を明らかにすることを含む、標的遺伝子標的を確認する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)化学修飾され得る、本発明のsiNA分子を合成すること(ここで、siNA鎖の1本は、標的遺伝子のRNAに相補的である配列を含む。)、(b)生物系における標的遺伝子の発現を調節するのに適切な条件下で、生物系にsiNA分子を導入すること、及び(c)生物系における任意の表現型の変化を評価することによって、遺伝子の機能を明らかにすることを含む、標的を確認する方法を特徴とする。
「生物系」とは、ヒト又は動物を含めて、ただしこれらだけに限定されない生物学的出所から得られる精製又は未精製の材料を意味し、この系は、RNAi活性に必要な成分を含む。「生物系」という用語は、例えば、細胞、組織、対象若しくは生物体又はその抽出物を含む。生物系という用語は、インビトロでの状況において使用することができる、再構成されたRNAi系も含む。
「表現型の変化」とは、本発明の核酸分子(例えば、siNA)による接触又は処理に応じて起こる、細胞の任意の検出可能な変化を意味する。かかる検出可能な変化としては、当分野で公知の方法によって評価することができる、形状、サイズ、増殖、運動性、タンパク質発現若しくはRNA発現又は他の物理的若しくは化学的変化が挙げられるが、これらだけに限定されない。検出可能な変化としては、発現タンパク質、又は分析可能な任意の他の細胞成分を特定するのに用いられる、Green Florescent Protein(GFP)、種々のタグなどのレポーター遺伝子/分子の発現も挙げられる。
一実施形態においては、本発明は、例えば、細胞、組織、対象又は生物体を含めて、生物系における標的遺伝子の発現の調節に使用することができる、本発明の化学修飾され得るsiNA分子を含むキットを特徴とする。別の実施形態においては、本発明は、例えば、細胞、組織、対象又は生物体を含めて、生物系における1個を超える標的遺伝子の発現の調節に使用することができる、本発明の化学修飾され得る1個を超えるsiNA分子を含む、キットを特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、本発明の化学修飾され得る1個以上のsiNA分子を含む細胞を特徴とする。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子を含む細胞は、ほ乳動物細胞である。更に別の実施形態においては、本発明のsiNA分子を含む細胞は、ヒト細胞である。
一実施形態においては、本発明の化学修飾され得るsiNA分子の合成は、(a)siNA分子の2本の相補鎖の合成と、(b)二本鎖siNA分子を得るのに適切な条件下で2本の相補鎖を一緒にアニーリングすることを含む。別の実施形態においては、siNA分子の2本の相補鎖の合成は、固相オリゴヌクレオチド合成による。更に別の実施形態においては、siNA分子の2本の相補鎖の合成は、固相直列オリゴヌクレオチド合成による。
一実施形態においては、本発明は、(a)siNA分子の第1のオリゴヌクレオチド配列鎖を合成すること(ここで、第1のオリゴヌクレオチド配列鎖は、siNAの第2のオリゴヌクレオチド配列鎖の合成の足場として使用することができる切断可能なリンカー分子を含む。)、(b)第1のオリゴヌクレオチド配列鎖の足場の上にsiNAの第2のオリゴヌクレオチド配列鎖を合成すること(ここで、第2のオリゴヌクレオチド配列鎖は、siNA二本鎖の精製に使用することができる化学部分を更に含む。)、(c)2本のsiNAオリゴヌクレオチド鎖がハイブリッド形成して、安定な二本鎖を形成するのに適切な条件下で、(a)のリンカー分子を切断すること、及び(d)第2のオリゴヌクレオチド配列鎖の化学部分を利用してsiNA二本鎖を精製することを含む、siNA二本鎖分子を合成する方法を特徴とする。一実施形態においては、上記(c)におけるリンカー分子の切断は、例えばメチルアミンなどのアルキルアミン塩基を用いた加水分解条件下で、オリゴヌクレオチドの脱保護中に起こる。一実施形態においては、この合成方法は、controlled pore glass(CPG)、ポリスチレンなどの固体支持体上での固相合成を含む。ここで、(a)の第1の配列は、固体支持体を足場として用いて、スクシニルリンカーなどの切断可能なリンカー上で合成される。第2の鎖の合成用足場として用いた(a)の切断可能なリンカーは、固体支持体によって誘導体化されたリンカーと類似の反応性を含み得る。したがって、固体支持体によって誘導体化されたリンカーと(a)の切断可能なリンカーの切断は、同時に起こる。別の実施形態においては、結合したオリゴヌクレオチド配列を単離するのに使用することができる(b)の化学部分は、本明細書のトリチルオン(trityl−on)合成戦略に使用することができるトリチル基、例えば、ジメトキシトリチル基を含む。更に別の実施形態においては、ジメトキシトリチル基などの化学部分を、例えば酸性条件を用いて、精製中に除去する。
更なる実施形態においては、siNA合成方法は、溶液相合成又は混成相合成であり、siNA二本鎖の両方の鎖は、第2の配列の合成用足場として作用する第1の配列に結合した切断可能なリンカーを用いて、タンデム合成される。別々のsiNA配列鎖のハイブリダイゼーションに適切な条件下でリンカーを切断すると、二本鎖siNA分子が形成される。
別の実施形態においては、本発明は、(a)siNA分子の1本のオリゴヌクレオチド配列鎖を合成すること(ここで、この配列は、別のオリゴヌクレオチド配列の合成用足場として使用することができる切断可能なリンカー分子を含む。)、(b)第1の配列鎖に対して相補性を有する第2のオリゴヌクレオチド配列を(a)の足場上に合成すること(ここで、第2の配列は、二本鎖siNA分子の他方の鎖を含み、結合したオリゴヌクレオチド配列の単離に使用することができる化学部分を更に含む。)、(c)切断可能なリンカーによって連結された両方のsiNAオリゴヌクレオチド鎖を含む完全長配列を単離するのに適切な条件下で、また、2本のsiNAオリゴヌクレオチド鎖がハイブリッド形成して、安定な二本鎖を形成するのに適切な条件下で、第2のオリゴヌクレオチド配列鎖の化学部分を利用して(b)の生成物を精製することを含む、siNA二本鎖分子を合成する方法を特徴とする。一実施形態においては、上記(c)におけるリンカー分子の切断は、例えば加水分解条件下で、オリゴヌクレオチドの脱保護中に起こる。別の実施形態においては、上記(c)におけるリンカー分子の切断は、オリゴヌクレオチドの脱保護後に起こる。別の実施形態においては、この合成方法は、controlled pore glass(CPG)、ポリスチレンなどの固体支持体上での固相合成を含む。ここで、(a)の第1の配列は、固体支持体を足場として用いて、スクシニルリンカーなどの切断可能なリンカー上で合成される。第2の鎖の合成用足場として用いた(a)の切断可能なリンカーは、固体支持体によって誘導体化されたリンカーと類似の反応性又は異なる反応性を含み得る。したがって、固体支持体によって誘導体化されたリンカーと(a)の切断可能なリンカーの切断は、同時又は逐次的に起こる。一実施形態においては、結合したオリゴヌクレオチド配列の単離に使用することができる(b)の化学部分は、トリチル基、例えば、ジメトキシトリチル基を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1と第2の配列を有するオリゴヌクレオチドを合成すること(ここで、第1の配列は第2の配列に相補的であり、第1のオリゴヌクレオチド配列は、切断可能なリンカーによって第2の配列に連結されており、末端5’保護基、例えば、5’−O−ジメトキシトリチル基(5’−O−DMT)は、第2の配列を有するオリゴヌクレオチド上に残る。)、(b)オリゴヌクレオチドを脱保護し、それによって2個のオリゴヌクレオチド配列を連結しているリンカーが切断されること、及び(c)二本鎖siNA分子の単離に適切な条件下で、例えば本明細書のトリチルオン合成戦略によって、(b)の生成物を精製することを含む、二本鎖siNA分子を単一の合成プロセスで作製する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明のsiNA分子の合成方法は、参照によりその全体を本明細書に組込む、Scaringe他、米国特許第5,889,136号、同6,008,400号及び同6,111,086号の教示を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチド(例えば、RNA又はDNA標的)に対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、siNA構築物のヌクレアーゼ耐性を増大させる、1個以上の化学修飾、例えば、式I−VIIのいずれかの1個以上の化学修飾又はその任意の組合せを含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)ヌクレアーゼ耐性の増大したsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、ヌクレアーゼ耐性の増大したsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド(例えば、表Iに示すsiNAモチーフ)又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)毒物学的プロファイルが改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、毒物学的プロファイルが改善された(例えば、免疫賦活性が減弱された、又は免疫賦活性がない)siNA分子を生成する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書の、又は当分野で公知の送達ビヒクル若しくは送達粒子とを含むsiNA調合物を生成すること、及び(b)毒物学的プロファイルが改善されたsiNA調合物の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA調合物を評価することを含む、毒物学的プロファイルが改善された(例えば、免疫賦活性が減弱された、又は免疫賦活性がない)siNA調合物を生成する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド(例えば、表Iに示すsiNAモチーフ)又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)インターフェロン応答を刺激しないsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、細胞、対象又は生物体においてインターフェロン応答を刺激しない(例えば、インターフェロン応答がない、又はインターフェロン応答が減弱された)siNA分子を生成する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書の、又は当分野で公知の送達ビヒクル若しくは送達粒子とを含むsiNA調合物を生成すること、及び(b)インターフェロン応答を刺激しないsiNA調合物の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA調合物を評価することを含む、細胞、対象又は生物体においてインターフェロン応答を刺激しない(例えば、インターフェロン応答がない、又はインターフェロン応答が減弱された)siNA調合物を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、インターフェロンは、インターフェロンアルファを含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド(例えば、表Iに示すsiNAモチーフ)又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)サイトカイン応答を刺激しないsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、細胞、対象又は生物体において炎症性又は炎症誘発性サイトカインを刺激しない(例えば、サイトカイン応答がない、又はサイトカイン応答が減弱された)siNA分子を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、サイトカインは、インターロイキン6(IL−6)などのインターロイキン及び/又は腫よう壊死アルファ(TNF−α)を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書の、又は当分野で公知の送達ビヒクル若しくは送達粒子とを含むsiNA調合物を生成すること、及び(b)サイトカイン応答を刺激しないsiNA調合物の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA調合物を評価することを含む、細胞、対象又は生物体において炎症性又は炎症誘発性サイトカインを刺激しない(例えば、サイトカイン応答がない、又はサイトカイン応答が減弱された)siNA調合物を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、サイトカインは、インターロイキン6(IL−6)などのインターロイキン及び/又は腫よう壊死アルファ(TNF−α)を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド(例えば、表Iに示すsiNAモチーフ)又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)TLR応答を刺激しないsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、細胞、対象又は生物体においてトール様受容体(TLR)を刺激しない(例えば、TLR応答がない、又はTLR応答が減弱された)siNA分子を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、TLRは、TLR3、TLR7、TLR8及び/又はTLR9を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)本発明のsiNA分子と、本明細書の、又は当分野で公知の送達ビヒクル若しくは送達粒子とを含むsiNA調合物を生成すること、及び(b)TLR応答を刺激しないsiNA調合物の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA調合物を評価することを含む、細胞、対象又は生物体においてトール様受容体(TLR)を刺激しない(例えば、TLR応答がない、又はTLR応答が減弱された)siNA調合物を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、TLRは、TLR3、TLR7、TLR8及び/又はTLR9を含む。
一実施形態においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)による標的RNAの切断を誘導する、化学合成された二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、(a)前記siNA分子の各鎖は約18から約38ヌクレオチド長であり、(b)前記siNA分子の1本の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を、前記標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含み、(c)前記siNA分子内のヌクレオチド位置は、対応する無修飾siRNA分子のレベルよりも低いレベルにsiNA分子の免疫賦活性を低下させるように化学修飾されている。かかるsiNA分子は、無修飾又は最小限に修飾されたsiNAよりも改善された毒物学的プロファイルを有すると言われる。
「改善された毒物学的プロファイル」とは、化学修飾又は調合されたsiNA構築物が、細胞、対象又は生物体において、無修飾siNA、調合されていないsiNA、より少数の修飾を有するsiNA分子、又は改善された毒物学(toxicology)を付与するにはさほど有効でない修飾を有するsiNA分子よりも毒性が減少していることを意味する。かかるsiNA分子は、「改善されたRNAi活性」を有するとも考えられる。非限定的例においては、毒物学的プロファイルが改善されたsiNA分子及び調合物は、細胞、対象又は生物体において、無修飾siNA、調合されていないsiNA、より少数の修飾を有するsiNA分子、又は改善された毒物学を付与するにはさほど有効でない修飾を有するsiNA分子よりも低下した、減少した、又は減弱された免疫賦活性応答など、低下した免疫賦活性を伴う。かかる改善された毒物学的プロファイルは、インターフェロン(例えば、インターフェロンアルファ)、炎症性サイトカイン(例えば、IL−6などのインターロイキン、及び/又はTNF−アルファ)及び/又はトール様受容体(例えば、TLR−3、TLR−7、TLR−8及び/又はTLR−9)の誘導の減少又は抑止など、抑止された、又は減少した免疫賦活を特徴とする。一実施形態においては、毒物学的プロファイルが改善されたsiNA分子又は調合物は、リボヌクレオチドを含まない。一実施形態においては、毒物学的プロファイルが改善されたsiNA分子又は調合物は、5個未満のリボヌクレオチド(例えば、1、2、3又は4個のリボヌクレオチド)を含む。一実施形態においては、毒物学的プロファイルが改善されたsiNA分子又は調合物は、Stab 7、Stab 8、Stab 11、Stab 12、Stab 13、Stab 16、Stab 17、Stab 18、Stab 19、Stab 20、Stab 23、Stab 24、Stab 25、Stab 26、Stab 27、Stab 28、Stab 29、Stab 30、Stab 31、Stab 32、Stab 33、Stab 34、Stab 35、Stab 36又はその任意の組合せを含む(表I参照)。本明細書では、数字で表したStabケミストリーは、表Iに示すケミストリーの2’−フルオロと2’−OCF3の両方のバージョンを含む。例えば、「Stab 7/8」は、Stab 7/8とStab 7F/8Fの両方を指すなど。一実施形態においては、毒物学的プロファイルが改善されたsiNA分子又は調合物は、本発明のsiNA分子、及び図面を含めて、参照によりその全体を本明細書に組込む米国特許出願公開第20030077829号に記載された調合物を含む。
一実施形態においては、所与のsiNA分子に付随する免疫賦活性応答レベルは、本明細書のとおりに測定することができ、又は例えば、特定のsiNA分子の免疫賦活性応答を定量するアッセイにおいて、PKR/インターフェロン応答、増殖、B細胞活性化及び/又はサイトカイン産生のレベルを求めることによって、当分野で公知のとおりに測定することができる(例えば、その全体を参照により組込む、Leifer et al., 2003, J Immunother. 26, 313−9及び米国特許第5,968,909号を参照されたい。)。一実施形態においては、低下した免疫賦活性応答は、無修飾又は最小限に修飾されたsiRNA分子と比較して約10%及び約100%、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%低下した免疫賦活性応答である。一実施形態においては、siNA分子に関連した免疫賦活性応答は、化学修飾の程度によって調節することができる。例えば、修飾siNA分子中のヌクレオチド位置の約10%から約100%、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくは100%又は少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくは100%を有するsiNA分子を、本明細書の対応する免疫賦活性度を有するように選択することができる。
一実施形態においては、低下した免疫賦活性応答の程度を、RNAi活性を最適化するために選択する。例えば、ある程度の免疫賦活を保持することは、ウイルス感染を治療するために好ましい場合がある。この場合、免疫賦活の100%未満の減少が、最大の抗ウイルス活性に好ましい場合があるのに対して(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%の免疫賦活の減少)、非特異的毒性又はオフターゲット(off target)効果を防止するのに最小の免疫賦活性を有するsiNA分子を用いて、内因性遺伝子標的の発現を阻止することが好ましい場合もある(例えば、約90%から約100%の免疫賦活の減少)。
一実施形態においては、本発明は、RNA干渉(RNAi)による標的RNAの切断を誘導する、化学合成された二本鎖siNA分子を特徴とする。ここで、(a)前記siNA分子の各鎖は約18から約38ヌクレオチド長であり、(b)前記siNA分子の1本の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を、前記標的RNAに対して有するヌクレオチド配列を含み、(c)前記siNA分子の1個以上のヌクレオチドは、対応する無修飾siRNA分子のレベルよりも低いレベルにsiNA分子の免疫賦活性を低下させるように化学修飾されている。一実施形態においては、各鎖は、他方の鎖のヌクレオチドに相補的である少なくとも約18個のヌクレオチドを含む。
別の実施形態においては、siNA分子の免疫賦活性を低下させる修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を有するアンチセンス領域を含み、センス領域を更に含む。ここで、前記センス領域は、前記標的遺伝子のヌクレオチド配列又はその一部にかなり類似したヌクレオチド配列を含む。その一実施形態においては、アンチセンス領域及びセンス領域は、約18から約38ヌクレオチドを含み、前記アンチセンス領域は、センス領域のヌクレオチドに相補的である少なくとも約18ヌクレオチドを含む。その一実施形態においては、センス領域中のピリミジンヌクレオチドは、2’−O−メチルピリミジンヌクレオチドである。その別の実施形態においては、センス領域中のプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドである。その更に別の実施形態においては、センス領域に存在するピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。その別の実施形態においては、前記アンチセンス領域のピリミジンヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオチドである。その更に別の実施形態においては、前記アンチセンス領域のプリンヌクレオチドは、2’−O−メチルプリンヌクレオチドである。その更に別の実施形態においては、前記アンチセンス領域中に存在するプリンヌクレオチドは、2’−デオキシプリンヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、アンチセンス領域は、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合を前記アンチセンス領域の3’末端に含む。別の実施形態においては、アンチセンス領域は、グリセリル修飾を前記アンチセンス領域の3’末端に含む。
別の実施形態においては、siNA分子の免疫賦活性を低下させる修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子は、本明細書のsiNA分子の構造上の特徴のいずれかを含み得る。別の実施形態においては、siNA分子の免疫賦活性を低下させる修飾ヌクレオチドを含むsiNA分子は、本明細書のsiNA分子の化学修飾のいずれかを含み得る。
一実施形態においては、本発明は、(a)1個以上の修飾ヌクレオチド分子をsiNAに導入すること、及び(b)無修飾ヌクレオチドを有する対応するsiNA分子よりも免疫賦活性が低下したsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、siNA分子の免疫賦活性を低下させる化学修飾ヌクレオチドを有する、化学合成された二本鎖siNA分子を生成する方法を特徴とする。siNA分子の各鎖は、約18から約38ヌクレオチド長である。SiNA分子の1本の鎖は、siNA分子がRNA干渉によって標的RNAの切断を誘導するのに十分な相補性を、標的RNAに対して有する、ヌクレオチド配列を含む。一実施形態においては、低下した免疫賦活性は、siNAが細胞、組織又は生物体に導入されるのに応答した、インターロイキン6(IL−6)、腫よう壊死アルファ(TNF−α)などの炎症性又は炎症誘発性サイトカインの抑止された、又は低下した誘導を含む。別の実施形態においては、低下した免疫賦活性は、siNAが細胞、組織又は生物体に導入されるのに応答した、TLR3、TLR7、TLR8、TLR9などのトール様受容体(TLR)の抑止された、又は低下した誘導を含む。別の実施形態においては、低下した免疫賦活性は、siNAが細胞、組織又は生物体に導入されるのに応答した、インターフェロンアルファなどのインターフェロンの抑止された、又は低下した誘導を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチドに対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、siNA構築物のセンス鎖とアンチセンス鎖の結合親和性を調節する本明細書の1個以上の化学修飾を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)siNA分子のセンス鎖とアンチセンス鎖の結合親和性が増加したsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、siNA分子のセンス鎖とアンチセンス鎖の結合親和性が増加したsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチドに対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、siNA構築物のアンチセンス鎖と細胞内の相補的標的RNA配列との結合親和性を調節する本明細書の1個以上の化学修飾を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチドに対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、siNA構築物のアンチセンス鎖と細胞内の相補的標的DNA配列との結合親和性を調節する本明細書の1個以上の化学修飾を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)siNA分子のアンチセンス鎖と相補的標的RNA配列との結合親和性が増加したsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、siNA分子のアンチセンス鎖と相補的標的RNA配列との結合親和性が増加したsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)siNA分子のアンチセンス鎖と相補的標的DNA配列との結合親和性が増加したsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、siNA分子のアンチセンス鎖と相補的標的DNA配列との結合親和性が増加したsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチドに対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、化学修飾siNA構築物に対して配列相同性を有する追加の内因性siNA分子を生成し得る細胞ポリメラーゼのポリメラーゼ活性を調節する、本明細書の1個以上の化学修飾を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)化学修飾siNA分子に対して配列相同性を有する追加の内因性siNA分子を生成し得る細胞ポリメラーゼの高いポリメラーゼ活性を媒介し得るsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、化学修飾siNA分子に対して配列相同性を有する追加の内因性siNA分子を生成し得る細胞ポリメラーゼの高いポリメラーゼ活性を媒介し得るsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、細胞中の標的ポリヌクレオチドに対してsiNAを媒介する化学修飾siNA構築物を特徴とする。ここで、化学修飾は、かかるsiNA構築物によって媒介されるRNAiの効力を減少させるように、siNAと、標的RNA分子、DNA分子及び/又はタンパク質、又はRNAiに必須である他の因子との相互作用をさほど引き起こさない。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)RNAi特異性が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、ポリヌクレオチド標的に対するRNAi特異性が改善されたsiNA分子を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、改善された特異性は、無修飾siNA分子に比較して低いオフターゲット効果を有することを含む。例えば、本発明のsiNA分子のセンス鎖又は領域の3’末端に、5’末端に、又は3’末端と5’末端の両方に末端キャップ部分を導入すると、センス鎖又はセンス領域に対して相補性を有する対応する標的に対するRNAi活性のテンプレートとしてセンス鎖又はセンス領域が作用するのを阻止することによって、siNAが、改善された特異性を有するようにすることができる。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)RNAi活性が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、標的ポリヌクレオチドに対するRNAi活性が改善されたsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
更に別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)標的RNAに対するRNAi活性が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、標的RNAに対するRNAi活性が改善されたsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
更に別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)標的DNAに対するRNAi活性が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、標的DNAに対するRNAi活性が改善されたsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチドに対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、siNAのコレステロール抱合などのsiNA構築物の細胞内取り込みを調節する本明細書の1個以上の化学修飾を含む。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)細胞内取り込みが改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、細胞内取り込みが改善された、標的ポリヌクレオチドに対するsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
一実施形態においては、本発明は、標的ポリヌクレオチドに対してRNAiを媒介するsiNA構築物を特徴とする。ここで、siNA構築物は、例えば、siNA構築物の薬物動態学を改善する、ポリエチレングリコールなどの高分子抱合体、若しくは等価な抱合体を結合させることによって、又は特定の組織タイプ若しくは細胞タイプをインビボで標的にする抱合体を結合させることによって、siNA構築物の生物学的利用能を増大させる、本明細書の1個以上の化学修飾を含む。かかる抱合体の非限定的例は、参照により本明細書に組込む、Vargeese他、米国特許出願第10/201,394号に記述されている。
一実施形態においては、本発明は、(a)抱合体をsiNA分子構造に導入すること、及び(b)生物学的利用能が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、生物学的利用能が改善された、本発明のsiNA分子を生成する方法を特徴とする。かかる抱合体としては、天然タンパク質リガンド由来のペプチドなどの細胞受容体のリガンド;細胞のZIPコード配列を含めたタンパク質局在化配列;抗体;核酸アプタマー;葉酸塩、N−アセチルガラクトサミンなどのビタミン及び他の補因子;ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー;リン脂質;コレステロール;コレステロール誘導体、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミンなどが挙げられる。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列又はその一部に相補的である第1のヌクレオチド配列と、前記第1の配列に対して相補性を有する第2の配列とを含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記第2の配列は、RNA干渉を効率的に媒介するガイド配列としてもはや作用しないように、及び/又はRNAiを促進する細胞タンパク質によって認識されるように、化学修飾されている。一実施形態においては、siNAの第1のヌクレオチド配列は、本明細書のとおりに化学修飾されている。一実施形態においては、siNAの第1のヌクレオチド配列は修飾されていない(例えば、全RNAである。)。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列又はその一部に相補的である第1のヌクレオチド配列と、前記第1の配列に対して相補性を有する第2の配列とを含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、第2の配列は、ガイド配列として、又は標的核酸(例えば、RNA)配列に相補的である配列としてRNAi経路に入るのを阻止するように、設計又は修飾されている。一実施形態においては、siNAの第1のヌクレオチド配列は、本明細書のとおりに化学修飾されている。一実施形態においては、siNAの第1のヌクレオチド配列は修飾されていない(例えば、全RNAである。)。かかる設計又は修飾は、siNAの活性を高め、及び/又は本発明のsiNA分子の特異性を改善すると予想される。これらの修飾は、オフターゲット効果及び/又は付随する毒性を最小化することも予想される。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列又はその一部に相補的である第1のヌクレオチド配列と、前記第1の配列に対して相補性を有する第2の配列とを含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記第2の配列は、RNA干渉を媒介するガイド配列として作用することができない。一実施形態においては、siNAの第1のヌクレオチド配列は、本明細書のとおりに化学修飾されている。一実施形態においては、siNAの第1のヌクレオチド配列は修飾されていない(例えば、全RNAである。)。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列又はその一部に相補的である第1のヌクレオチド配列と、前記第1の配列に対して相補性を有する第2の配列とを含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記第2の配列は、末端5’ヒドロキシル(5’−OH)又は5’リン酸基を持たない。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列又はその一部に相補的である第1のヌクレオチド配列と、前記第1の配列に対して相補性を有する第2の配列とを含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記第2の配列は、末端キャップ部分を前記第2の配列の5’末端に含む。一実施形態においては、末端キャップ部分は、反転脱塩基、反転デオキシ脱塩基、反転ヌクレオチド部分、図10に示す基、アルキル若しくはシクロアルキル基、複素環、又は第2の配列がRNAiのガイド配列若しくはテンプレートとして役立つRNAi活性を阻止する任意の他の基を含む。
一実施形態においては、本発明は、標的RNA配列又はその一部に相補的である第1のヌクレオチド配列と、前記第1の配列に対して相補性を有する第2の配列とを含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を特徴とする。ここで、前記第2の配列は、末端キャップ部分を前記第2の配列の5’末端及び3’末端に含む。一実施形態においては、各末端キャップ部分は、反転脱塩基、反転デオキシ脱塩基、反転ヌクレオチド部分、図10に示す基、アルキル若しくはシクロアルキル基、複素環、又は第2の配列がRNAiのガイド配列若しくはテンプレートとして役立つRNAi活性を阻止する任意の他の基を個々に含む。
一実施形態においては、本発明は、(a)1個以上の化学修飾をsiNA分子構造に導入すること、及び(b)特異性が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、標的核酸(例えば、遺伝子、その対応するRNAなどのDNA又はRNA)の発現を下方制御又は阻害する、特異性が改善された本発明のsiNA分子を生成する方法を特徴とする。別の実施形態においては、特異性の改善に使用される化学修飾は、siNA分子の5’末端、3’末端、又は5’末端と3’末端の両方の末端キャップ修飾を含む。末端キャップ修飾は、例えば、図10に示す構造(例えば、反転デオキシ脱塩基部分)、又はsiNA分子の一部(例えば、センス鎖)がオフターゲット核酸配列に対してRNA干渉を媒介できないようにする任意の他の化学修飾を含み得る。非限定的例においては、siNA分子は、RISCによって媒介される、対応する標的RNA配列の分解のガイド配列としてsiNA分子のアンチセンス配列のみが役立ち得るように設計される。これは、RNAi機構によってセンス鎖がガイド配列として認識されないようにする化学修飾をセンス鎖に導入して、siNAのセンス配列を不活性化することによって実施することができる。一実施形態においては、かかる化学修飾は、siNAのセンス鎖の5’末端における任意の化学基、又はRNA干渉を媒介するガイド配列としてのセンス鎖を不活性にするのに役立つ任意の他の基を含む。これらの修飾は、例えば、センス鎖の5’末端が、遊離5’ヒドロキシル(5’−OH)も、遊離5’リン酸基(例えば、リン酸、二リン酸、三リン酸、環式リン酸など)ももはや持たない分子をもたらし得る。かかるsiNA構築物の非限定的例は、「Stab 9/10」、「Stab 7/8」、「Stab 7/19」、「Stab 17/22」、「Stab 23/24」、「Stab 24/25」及び「Stab 24/26」(例えば、Stab 7、9、17、23又は24センス鎖を有する任意のsiNA)ケミストリー及びその変種など、本明細書に記載されている(表I参照)。ここで、siNAのセンス鎖の5’末端及び3’末端は、ヒドロキシル基もリン酸基も含まない。本明細書では、数字で表したStabケミストリーは、表Iに示すケミストリーの2’−フルオロと2’−OCF3の両方のバージョンを含む。例えば、「Stab 7/8」は、Stab 7/8とStab 7F/8Fの両方を指すなど。
一実施形態においては、本発明は、siNA分子の鎖又は一部がRNAi活性に対するテンプレート又はガイド配列として作用しないようにする1個以上の化学修飾をsiNA分子構造に導入することを含む、標的核酸(例えば、遺伝子、その対応するRNAなどのDNA又はRNA)の発現を下方制御又は阻害する、特異性が改善された本発明のsiNA分子を生成する方法を特徴とする。一実施形態においては、siNA分子の不活性鎖又はセンス領域は、siNA分子のセンス鎖又はセンス領域、すなわち標的核酸配列に対して相補性を持たない、siNAの鎖又は領域である。一実施形態においては、かかる化学修飾は、5’ヒドロキシル(5’−OH)も5’リン酸基も含まないsiNAのセンス鎖又は領域の5’末端における任意の化学基、又はRNA干渉を媒介するガイド配列としてのセンス鎖若しくはセンス領域を不活性にするのに役立つ任意の他の基を含む。かかるsiNA構築物の非限定的例は、「Stab 9/10」、「Stab 7/8」、「Stab 7/19」、「Stab 17/22」、「Stab 23/24」、「Stab 24/25」及び「Stab 24/26」(例えば、Stab 7、9、17、23又は24センス鎖を有する任意のsiNA)ケミストリー及びその変種など、本明細書に記載されている(表I参照)。ここで、siNAのセンス鎖の5’末端及び3’末端は、ヒドロキシル基もリン酸基も含まない。本明細書では、数字で表したStabケミストリーは、表Iに示すケミストリーの2’−フルオロと2’−OCF3の両方のバージョンを含む。例えば、「Stab 7/8」は、Stab 7/8とStab 7F/8Fの両方を指すなど。
一実施形態においては、本発明は、(a)複数の無修飾siNA分子を生成すること、(b)標的核酸配列に対してRNA干渉を媒介するのに活性であるsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子をスクリーニングすること、及び(c)化学修飾(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の化学修飾)を(b)の活性siNA分子に導入することを含む、標的核酸配列に対してRNA干渉を媒介するのに活性であるsiNA分子をスクリーニングする方法を特徴とする。一実施形態においては、この方法は、標的核酸配列に対してRNA干渉を媒介するのに活性である化学修飾siNA分子の単離に適切な条件下で、段階(c)の化学修飾siNA分子を再スクリーニングすることを更に含む。
一実施形態においては、本発明は、(a)複数の化学修飾siNA分子(例えば、本明細書の、又は当分野で公知のsiNA分子)を生成すること、及び(b)標的核酸配列に対してRNA干渉を媒介するのに活性である化学修飾siNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子をスクリーニングすることを含む、標的核酸配列に対してRNA干渉を媒介するのに活性である化学修飾siNA分子をスクリーニングする方法を特徴とする。
「リガンド」という用語は、受容体などの別の化合物と直接的又は間接的に相互作用し得る、薬物、ペプチド、ホルモン、神経伝達物質などの任意の化合物又は分子を指す。リガンドと相互作用する受容体は、細胞の表面に存在し得、又は細胞間受容体であり得る。リガンドと受容体の相互作用は、生化学反応をもたらし得、又は単なる物理的相互作用若しくは会合であり得る。
別の実施形態においては、本発明は、(a)賦形剤調合物をsiNA分子に導入すること、及び(b)生物学的利用能が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、生物学的利用能が改善された、本発明のsiNA分子を生成する方法を特徴とする。かかる賦形剤としては、シクロデキストリンなどのポリマー、脂質、陽イオン性脂質、ポリアミン、リン脂質、ナノ粒子、受容体、リガンドなどが挙げられる。
別の実施形態においては、本発明は、(a)式I−VIIのいずれかのヌクレオチド又はその任意の組合せをsiNA分子に導入すること、及び(b)生物学的利用能が改善されたsiNA分子の単離に適切な条件下で、段階(a)のsiNA分子を評価することを含む、生物学的利用能が改善された本発明のsiNA分子を生成する方法を特徴とする。
別の実施形態においては、ポリエチレングリコール(PEG)が発明のsiNA化合物と共有結合し得る。結合するPEGは、任意の分子量とすることができ、好ましくは約100から約50,000ダルトン(Da)とすることができる。
本発明は、単独で使用することができ、又は試料及び/又は対象を試験するためにRNAをインビトロ若しくはインビボで導入するのに必要な試薬の少なくとも1種類を含むキットの1構成要素として使用することができる。例えば、キットの好ましい成分としては、本発明のsiNA分子、及び(例えば、脂質、及び当分野で公知の他の移入方法を用いて)本明細書の目的細胞へのsiNAの導入を促進するビヒクルが挙げられる(例えば、Beigelman他、米国特許第6,395,713号参照)。キットは、遺伝子機能及び/又は活性の測定、薬物の最適化、創薬などにおける標的確認に使用することができる(例えば、Usman他、米国特許出願第60/402,996号参照)。かかるキットは、キットの使用者が本発明を実施できるようにする説明書も含むことができる。
本明細書では「低分子干渉核酸」、「siNA」、「低分子干渉RNA」、「siRNA」、「低分子干渉核酸分子」、「低分子干渉オリゴヌクレオチド分子」又は「化学修飾低分子干渉核酸分子」という用語は、RNA干渉「RNAi」又は遺伝子サイレンシングを配列特異的に媒介することによって、遺伝子発現又はウイルス複製を阻害又は下方制御することができる任意の核酸分子を指す。これらの用語は、個々の核酸分子、複数のかかる核酸分子、又はかかる核酸分子のプールも表し得る。SiNAは、自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を含む二本鎖核酸分子であり得る。ここで、アンチセンス領域は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列、及び標的核酸配列に対応するヌクレオチド配列又はその一部を有するセンス領域を含む。SiNAは、一方の鎖がセンス鎖であり、他方がアンチセンス鎖である、2個の別々のオリゴヌクレオチドから組み立てることができる。ここで、アンチセンス鎖とセンス鎖は自己相補的である(すなわち、アンチセンス鎖とセンス鎖が二本鎖又は二本鎖構造を形成するなど、各鎖は、他方の鎖中のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。ここで、例えば、二本鎖領域は、約15から約30、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30塩基対である。アンチセンス鎖は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、センス鎖は標的核酸配列又はその一部に対応するヌクレオチド配列を含む(例えば、siNA分子の約15から約25個又はそれを超えるヌクレオチドは、標的核酸又はその一部に相補的である)。或いは、siNAは、単一のオリゴヌクレオチドから組み立てられ、siNAの自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域は、核酸リンカー又は非核酸リンカーによって連結されている。SiNAは、自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を含む、二本鎖、非対称二本鎖、ヘアピン又は非対称ヘアピン二次構造を有するポリヌクレオチドであり得る。ここで、アンチセンス領域は、別個の標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列、及び標的核酸配列に対応するヌクレオチド配列又はその一部を有するセンス領域を含む。SiNAは、2個以上のループ構造と、自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を含む軸(stem)とを有する、環状一本鎖ポリヌクレオチドであり得る。ここで、アンチセンス領域は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列、及び標的核酸配列又はその一部に対応するヌクレオチド配列を有するセンス領域を含み、環状ポリヌクレオチドは、インビボ又はインビトロでプロセシングを受けて、RNAiを媒介し得る活性なsiNA分子を生成し得る。SiNAは、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を有する一本鎖ポリヌクレオチドも含み得る(例えば、かかるsiNA分子は、標的核酸配列又はその一部に対応するヌクレオチド配列がsiNA分子内に存在する必要がない。)。一本鎖ポリヌクレオチドは、5’リン酸(例えば、Martinez et al., 2002, Cell., 110, 563−574及びSchwarz et al., 2002, Molecular Cell, 10, 537−568参照)、5’,3’−二リン酸などの末端リン酸基を更に含み得る。ある実施形態においては、本発明のsiNA分子は、別々のセンス及びアンチセンス配列又は領域を含む。ここで、センス領域とアンチセンス領域は、当分野で公知のヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー分子によって共有結合しており、又はイオン相互作用、水素結合、ファン デル ワールス相互作用、疎水的相互作用及び/又はスタッキング相互作用によって交互に非共有結合している。ある実施形態においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子は、標的遺伝子の発現を阻害するように、標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用する。本明細書では、siNA分子は、RNAのみを含む分子に必ずしも限定されず、化学修飾ヌクレオチド及び非ヌクレオチドも包含する。ある実施形態においては、本発明の低分子干渉核酸分子は、2’ヒドロキシ(2’−OH)含有ヌクレオチドを欠く。出願人は、ある実施形態において、RNAiを媒介するのに2’ヒドロキシル基を有するヌクレオチドの存在が不要である低分子干渉核酸を記述する。したがって、本発明の低分子干渉核酸分子は、リボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)を含まなくてもよい。しかし、RNAiを維持するのにsiNA分子内のリボヌクレオチドの存在が不要であるかかるsiNA分子は、2’−OH基を有する1個以上のヌクレオチドを含む、結合したリンカー、又は他の結合若しくは会合した基、部分若しくは鎖を有し得る。場合によっては、siNA分子は、ヌクレオチド位置の約5、10、20、30、40又は50%においてリボヌクレオチドを含み得る。本発明の修飾低分子干渉核酸分子は、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド「siMON」とも称し得る。本明細書ではsiNAという用語は、配列特異的RNAiを媒介し得る核酸分子、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、ミクロRNA(miRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉オリゴヌクレオチド、低分子干渉核酸、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)などの記述に用いられる他の用語と同義であるものとする。本発明のsiNA分子の非限定的例を本明細書の図4−6及び表IIに示す。かかるsiNA分子は、リボザイム、アンチセンス、三重鎖形成、アプタマー、2,5−Aキメラ、デコイオリゴヌクレオチドなど、遺伝子発現の阻害を媒介する、当分野で公知の他の核酸技術とは異なる。
「RNA干渉」又は「RNAi」とは、当分野で一般に公知であり、低分子干渉核酸分子によって媒介される、細胞における遺伝子発現を阻害又は下方制御する生物学的プロセスである。例えば、Zamore and Haley, 2005, Science, 309, 1519−1524; Vaughn and Martienssen, 2005, Science, 309, 1525−1526; Zamore et al., 2000, Cell, 101, 25−33; Bass, 2001, Nature, 411, 428−429; Elbashir et al., 2001, Nature, 411, 494−498;及びKreutzer他、国際公開第00/44895号;Zernicka−Goetz他、国際公開第01/36646号;Fire、国際公開第99/32619号;Plaetinck他、国際公開第00/01846号;Mello及びFire、国際公開第01/29058号;Deschamps−Depaillette、国際公開第99/07409号及びLi他、国際公開第00/44914号;Allshire, 2002, Science, 297, 1818−1819; Volpe et al., 2002, Science, 297, 1833−1837; Jenuwein, 2002, Science, 297, 2215−2218;及びHall et al., 2002, Science, 297, 2232−2237; Hutvagner and Zamore, 2002, Science, 297, 2056−60; McManus et al., 2002, RNA, 8, 842−850; Reinhart et al., 2002, gene & Dev., 16, 1616−1626;及びReinhart & Bartel, 2002, Science, 297, 1831を参照されたい。)。また、本明細書では、RNAiという用語は、転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、転写阻害、エピジェネティクスなどの配列特異的RNA干渉の記述に用いられる他の用語と同義であるものとする。例えば、本発明のsiNA分子を用いて、転写後レベル又は転写前レベルで遺伝子をエピジェネティックにサイレンシングすることができる。非限定的例においては、本発明のsiNA分子による遺伝子発現のエピジェネティックな調節は、遺伝子発現を変える、クロマチン構造又はメチル化パターンの、siNAによって媒介される改変に起因し得る(例えば、Verdel et al., 2004, Science, 303, 672−676; Pal−Bhadra et al., 2004, Science, 303, 669−672; Allshire, 2002, Science, 297, 1818−1819; Volpe et al., 2002, Science, 297, 1833−1837; Jenuwein, 2002, Science, 297, 2215−2218及びHall et al., 2002, Science, 297, 2232−2237参照)。別の非限定的例においては、本発明のsiNA分子による遺伝子発現の調節は、RISCを介した、siNAによって媒介されるRNA(コード又は非コードRNA)の切断、又は当分野で公知の翻訳阻害に起因し得る。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子による遺伝子発現の調節は、転写阻害に起因し得る(例えば、Janowski et al., 2005, Nature Chemical Biology, 1, 216−222参照)。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、二本鎖形成性オリゴヌクレオチド「DFO」である(例えば、図14−15、並びに2003年12月3日に出願されたVaish他、米国特許出願第10/727,780号、及び2004年5月24日出願された国際PCT出願第US04/16390号参照)。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は多官能siNAである(例えば、図16−28、並びに2004年2月10日に出願されたJadhav他、米国特許出願第60/543,480号、及び2004年5月24日に出願された国際PCT出願第US04/16390号参照)。一実施形態においては、本発明の多官能siNAは、例えば、標的RNAの2個以上の領域を標的にした配列を含み得る(例えば、表II及びIIIの標的配列参照)。一実施形態においては、本発明の多官能siNAは、SREBP1のコード領域及び非コード領域を含めて、1個以上の異なる標的を標的にした配列を含み得る。
本明細書では「非対称ヘアピン」とは、アンチセンス領域と、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含み得るループ部分と、センス領域がアンチセンス領域と塩基対を形成して、ループを有する二本鎖を形成するのに十分な相補ヌクレオチドを有する程度にアンチセンス領域よりも少ないヌクレオチドを含むセンス領域とを含む、線状siNA分子を意味する。例えば、本発明の非対称ヘアピンsiNA分子は、細胞又はインビトロ系においてRNAiを媒介するのに十分な長さを有するアンチセンス領域(例えば、約15から約30、又は約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチド)と、約4から約12(例えば、約4、5、6、7、8、9、10、11又は12)個のヌクレオチドを含むループ領域と、アンチセンス領域に相補的である約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)個のヌクレオチドを有するセンス領域とを含み得る。非対称ヘアピンsiNA分子は、化学修飾され得る5’末端リン酸基も含み得る。非対称ヘアピンsiNA分子のループ部分は、本明細書のヌクレオチド、非ヌクレオチド、リンカー分子又は抱合分子を含み得る。
本明細書では「非対称二本鎖」とは、センス領域及びアンチセンス領域を含む2本の別々の鎖を有するsiNA分子を意味する。ここで、センス領域は、センス領域がアンチセンス領域と塩基対を形成して、二本鎖を形成するのに十分な相補ヌクレオチドを有する程度にアンチセンス領域よりも少ないヌクレオチドを含む。例えば、本発明の非対称二本鎖siNA分子は、細胞又はインビトロ系においてRNAiを媒介するのに十分な長さを有するアンチセンス領域(例えば、約15から約30、又は約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチド)と、アンチセンス領域に相補的である約3から約25(例えば、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)個のヌクレオチドを有するセンス領域とを含み得る。
「RNAi阻害剤」とは、細胞又は生物体におけるRNA干渉機能又は活性を下方制御、減少又は阻害し得る任意の分子を意味する。RNAi阻害剤は、RISCなどのタンパク質成分、又はmiRNA、siRNAなどの核酸成分を含めて、RNAi経路の任意の成分と相互作用することによって、又は該成分の機能を妨害することによって、RNAiを下方制御、減少又は阻害し得る(例えば、RNAiによって媒介される標的ポリヌクレオチドの切断、翻訳阻害、又は転写サイレンシング)。RNAi阻害剤は、RISC、miRNA若しくはsiRNA又は細胞若しくは生物体におけるRNAi経路の任意の他の成分と相互作用する、又はその機能を妨害する、siNA分子、アンチセンス分子、アプタマー又は小分子であり得る。RNAiを阻害することによって(例えば、RNAiによって媒介される標的ポリヌクレオチドの切断、翻訳阻害、又は転写サイレンシング)、本発明のRNAi阻害剤を用いて、標的遺伝子の発現を調節(例えば、上方制御又は下方制御)することができる。一実施形態においては、本発明のRNA阻害剤を用いて、翻訳阻害、転写サイレンシング、又はRISCによって媒介されるポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の切断による遺伝子発現の内因的下方制御又は阻害を妨害(例えば、減少又は阻止)することによって、遺伝子発現を上方制御する。したがって、遺伝子発現の内因的抑制、サイレンシング又は阻害の機序を妨害することによって、本発明のRNAi阻害剤を用いて、機能喪失に起因する疾患、形質又は症状の治療のために、遺伝子発現を上方制御することができる。一実施形態においては、「RNAi阻害剤」という用語は、例えば、機能喪失の疾患、形質及び/又は症状の治療のために、遺伝子発現を増大させる効果を有する、本明細書の種々の実施形態における「siNA」という用語の代わりに使用される。
本明細書では「アプタマー」又は「核酸アプタマー」とは、標的分子に特異的に結合するポリヌクレオチドを意味し、核酸分子は、その自然な状況において標的分子によって認識される配列とは異なる配列を有する。或いは、アプタマーは、標的分子が核酸と自然には結合しない場合、標的分子と結合する核酸分子であり得る。標的分子は、対象となる任意の分子であり得る。例えば、アプタマーを使用して、タンパク質のリガンド結合ドメインに結合させることができ、それによって天然のリガンドとタンパク質の相互作用を防止することができる。これは非限定的例であり、当業者は、他の実施形態を当分野で一般に公知である技術によって容易に作製できることを認識されたい。例えば、Gold et al., 1995, Annu. Rev. Biochem., 64, 763; Brody and Gold, 2000, J. Biotechnol., 74, 5; Sun, 2000, Curr. Opin. Mol. Ther., 2, 100; Kusser, 2000, J. Biotechnol., 74, 27; Hermann and Patel, 2000, Science, 287, 820及びJayasena, 1999, Clinical Chemistry, 45, 1628を参照されたい。本発明のアプタマー分子は、当分野で一般に公知のとおりに、又は本明細書のとおりに、化学修飾され得る。
本明細書では「アンチセンス核酸」という用語は、RNA−RNA又はRNA−DNA又はRNA−PNA(タンパク質核酸;Egholm et al., 1993 Nature 365, 566)相互作用によって標的RNAと結合し、立体的相互作用によって、又はRNase Hによって媒介される標的認識によって、標的RNAの活性を変える核酸分子を指す(総説として、Stein and Cheng, 1993 Science 261, 1004及びWoolf他、米国特許第5,849,902号を参照されたい。)。典型的には、アンチセンス分子は、アンチセンス分子の単一の隣接配列に沿った標的配列に相補的である。しかし、ある実施形態においては、アンチセンス分子は、基質分子がループを形成するように基質と結合し得、及び/又はアンチセンス分子がループを形成するように結合し得る。したがって、アンチセンス分子は、2個の(さらには、それを超える)非隣接基質配列に相補的であり得、又はアンチセンス分子の2個の(さらには、それを超える)非隣接配列部分は、標的配列に相補的であり得、又は両方である。現在のアンチセンス戦略の総説については、Schmajuk et al., 1999, J. Biol. Chem., 274, 21783−21789, Delihas et al., 1997, Nature, 15, 751−753, Stein et al., 1997, Antisense N. A. Drug Dev., 7, 151, Crooke, 2000, Methods Enzymol., 313, 3−45; Crooke, 1998, Biotech. genet. Eng. Rev., 15, 121−157, Crooke, 1997, Ad. Pharmacol., 40, 1−49を参照されたい。また、2’−MOE及び当分野で公知の他の修飾によって修飾された、アンチセンスDNA又はアンチセンスを用いて、DNA−RNA相互作用によってRNAを標的にすることができ、それによって二本鎖中の標的RNAを消化するRNase Hを活性化することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的RNAのRNAse H切断を活性化し得る1個以上のRNAse H活性化領域を含み得る。アンチセンスDNAは、化学的に合成することができ、又は一本鎖DNA発現ベクター若しくはその等価物を用いて発現させることができる。本発明のアンチセンス分子は、当分野で一般に公知のとおりに、又は本明細書のとおりに、化学修飾され得る。
「調節する」とは、遺伝子の発現、又は1個以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードするRNA分子若しくは等価なRNA分子のレベル、又は1個以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性を、発現、レベル又は活性が、調節物質の非存在下で認められるものよりも大きく、又は小さくなるように、上方制御又は下方制御することを意味する。例えば、「調節する」という用語は「阻害する」を意味し得るが、「調節する」という言葉の使用はこの定義に限定されない。
「阻害する」、「下方制御する」又は「減少する」とは、遺伝子の発現、又は1個以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードするRNA分子若しくは等価なRNA分子のレベル、又は1個以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性が、本発明の核酸分子(例えば、siNA)の非存在下で認められるものよりも低下することを意味する。一実施形態においては、siNA分子による阻害、下方制御又は減少は、不活性又は減弱された分子の存在下で認められるレベルよりも低い。別の実施形態においては、siNA分子による阻害、下方制御又は減少は、例えば、スクランブル(scrambled)配列又はミスマッチを有するsiNA分子の存在下で認められるレベルよりも低い。別の実施形態においては、本発明の核酸分子による遺伝子発現の阻害、下方制御又は減少は、核酸分子の存在下の方が、核酸分子の非存在下よりも大きい。一実施形態においては、遺伝子発現の阻害、下方制御又は減少は、RNAiによって媒介される標的核酸分子(例えばRNA)の切断、翻訳阻害などの転写後サイレンシングと関連がある。一実施形態においては、遺伝子発現の阻害、下方制御又は減少は、DNAメチル化パターン及びDNAクロマチン構造の変化などによる転写前サイレンシングと関連がある。
「上方制御する」又は「促進する」とは、遺伝子の発現、又は1個以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードするRNA分子若しくは等価なRNA分子のレベル、又は1個以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性が、本発明の核酸分子(例えば、siNA)の非存在下で認められるものよりも増加することを意味する。一実施形態においては、siNA分子による遺伝子発現の上方制御又は促進は、不活性又は減弱された分子の存在下で認められるレベルよりも高い。別の実施形態においては、siNA分子による遺伝子発現の上方制御又は促進は、例えば、スクランブル配列又はミスマッチを有するsiNA分子の存在下で認められるレベルよりも高い。別の実施形態においては、本発明の核酸分子による遺伝子発現の上方制御又は促進は、核酸分子の存在下の方が、核酸分子の非存在下よりも大きい。一実施形態においては、遺伝子発現の上方制御又は促進は、上方制御される目的遺伝子の発現を下方制御、阻害又はサイレンシングする、RNAiによって媒介されるコード又は非コードRNA標的の切断又はサイレンシングなどのRNAによって媒介される遺伝子サイレンシングの阻害と関連がある。遺伝子発現の下方制御は、例えば、負のフィードバック、拮抗作用などを介して、コードRNA又はそのコードされたタンパク質によって誘導され得る。遺伝子発現の下方制御は、例えば、翻訳阻害、クロマチン構造、メチル化、RISCによって媒介されるRNA切断、又は翻訳阻害を介して、遺伝子の発現を停止させることによって、目的遺伝子の調節制御を有する非コードRNAによって誘導され得る。したがって、目的遺伝子を下方制御、抑制又はサイレンシングする標的を阻害又は下方制御することによって、治療のために目的遺伝子の発現を上方制御又は促進することができる。
一実施形態においては、本発明のRNAi阻害剤を用いて、RNAi又は遺伝子サイレンシングを阻害することによって、遺伝子発現を上方制御する。例えば、特定の遺伝子の1個の対立遺伝子が変異(例えば、フレームシフト、ミスセンス又はナンセンス変異)を保有して、変異遺伝子によってコードされるタンパク質の機能喪失をもたらすハプロ不全の場合などにおいて、本発明のRNAi阻害剤を用いて、遺伝子発現を上方制御することによって、機能喪失の疾患及び症状を治療することができる。かかる場合においては、RNAi阻害剤を用いて、野生型又は機能的対立遺伝子によってコードされるタンパク質の発現を上方制御することができ、したがって変異遺伝子又はヌル対立遺伝子を補うことによって、ハプロ不全を矯正することができる。別の実施形態においては、本明細書の、又は当分野で公知の疾患、形質又は症状の治療などにおいて、本発明のsiNA分子を用いて、有毒な機能獲得型(toxic gain of function)対立遺伝子の発現を下方制御しつつ、本発明のRNAi阻害剤を同時に用いて、野生型又は機能的対立遺伝子の発現を上方制御する(例えば、Rhodes et al., 2004, PNAS USA, 101:11147−11152及びMeisler et al. 2005, The Journal of Clinical Investigation, 115:2010−2017参照)。
「遺伝子」又は「標的遺伝子」若しくは「標的DNA」とは、RNAをコードする核酸、例えば、ポリペプチドをコードする構造遺伝子を含めて、ただしこれだけに限定されない核酸配列を意味する。遺伝子又は標的遺伝子は、small temporal RNA(stRNA)、ミクロRNA(miRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、核小体低分子RNA(snRNA)、リボソームRNA(rRNA)、転移RNA(tRNA)、その前駆体RNAなどの機能性RNA(fRNA)又は非コードRNA(ncRNA)もコードし得る。かかる非コードRNAは、機能的又は調節性細胞プロセスに関与するfRNA又はncRNAの活性の調節において、siNAによって媒介されるRNA干渉の標的核酸分子として役立ち得る。したがって、疾患をもたらす異常なfRNA又はncRNA活性を本発明のsiNA分子によって調節することができる。fRNA及びncRNAを標的にしたsiNA分子を用いて、遺伝子刷り込み、転写、翻訳、核酸プロセシング(例えば、アミノ基転移、メチル化など)などの細胞プロセスに介入することによって、対象、生物体又は細胞の遺伝子型又は表現型を操作又は変化させることもできる。標的遺伝子は、細胞、内在性遺伝子、導入遺伝子、又は感染後に細胞中に存在する病原体、例えば、ウイルスの遺伝子などの外因性遺伝子に由来する遺伝子であり得る。標的遺伝子を含む細胞は、任意の生物体、例えば、植物、動物、原生動物、ウイルス、細菌若しくは真菌に由来し得、又はこれらに含まれ得る。植物の非限定的例としては、単子葉植物、双子葉植物又は裸子植物が挙げられる。動物の非限定的例としては、脊椎動物又は無脊椎動物が挙げられる。真菌の非限定的例としては、カビ又は酵母が挙げられる。総説については、例えば、Snyder and Gerstein, 2003, Science, 300, 258−260を参照されたい。
「非標準塩基対」とは、flippedミスマッチ、単一の水素結合ミスマッチ、トランス型ミスマッチ、3塩基(triple base)相互作用及び4塩基(quadruple base)相互作用を含めた、ミスマッチ及び/又はゆらぎ塩基対などの任意の非ワトソン クリック塩基対を意味する。かかる非標準塩基対の非限定的例としては、AC逆フーグスティーン、ACゆらぎ、AU逆フーグスティーン、GUゆらぎ、AA N7アミノ、CC 2−カルボニル−アミノ(H1)−N3−アミノ(H2)、GA sheared型、UC 4−カルボニル−アミノ、UUイミノ−カルボニル、AC逆ゆらぎ(reverse wobble)、AUフーグスティーン、AU逆ワトソン クリック(reverse Watson Crick)、CG逆ワトソン クリック、GC N3−アミノ−アミノN3、AA N1−アミノ対称、AA N7−アミノ対称、GA N7−N1アミノ−カルボニル、GA+カルボニル−アミノN7−N1、GG N1−カルボニル対称、GG N3−アミノ対称、CCカルボニル−アミノ対称、CC N3−アミノ対称、UU 2−カルボニル−イミノ対称、UU 4−カルボニル−イミノ対称、AAアミノ−N3、AA N1−アミノ、ACアミノ2−カルボニル、AC N3−アミノ、AC N7−アミノ、AUアミノ−4−カルボニル、AU N1−イミノ、AU N3−イミノ、AU N7−イミノ、CCカルボニル−アミノ、GAアミノ−N1、GAアミノ−N7、GAカルボニル−アミノ、GA N3−アミノ、GCアミノ−N3、GCカルボニル−アミノ、GC N3−アミノ、GC N7−アミノ、GGアミノ−N7、GGカルボニル−イミノ、GG N7−アミノ、GUアミノ−2−カルボニル、GUカルボニル−イミノ、GUイミノ−2−カルボニル、GU N7−イミノ、psiUイミノ−2−カルボニル、UC 4−カルボニル−アミノ、UCイミノ−カルボニル、UUイミノ−4−カルボニル、AC C2−H−N3、GAカルボニル−C2−H、UUイミノ−4−カルボニル2カルボニル−C5−H、ACアミノ(A)N3(C)−カルボニル、GCイミノアミノ−カルボニル、Gpsiイミノ−2−カルボニルアミノ−2−カルボニル及びGUイミノアミノ−2−カルボニル塩基対が挙げられるが、これらだけに限定されない。
本明細書では「標的」とは、本明細書の、及び/又は参照により本明細書に組込む、米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及び/又はPCT/US03/05028のGenbankアクセッション番号などによってコードされる任意の標的タンパク質、ペプチド又はポリペプチドを意味する。「標的」という用語は、本明細書及び/又は米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及び/又は米国特許出願第PCT/US03/05028号のGenbankアクセッション番号を有する配列によってコードされるタンパク質、ペプチド、ポリペプチドなどの任意の標的タンパク質、ペプチド又はポリペプチドをコードする核酸配列又は標的ポリヌクレオチド配列も指す。対象となる標的としては、標的DNA、標的RNAなどの標的ポリヌクレオチド配列が挙げられる。「標的」という用語は、異なるアイソフォーム、変異標的遺伝子、標的ポリヌクレオチドのスプライスバリアント、標的多型、非コードポリヌクレオチド配列(例えば、ncRNA、miRNA、stRNA)、本明細書の他の調節ポリヌクレオチド配列などの他の配列も含むものとする。したがって、本発明の種々の実施形態においては、標的RNAに対して相補性を有する本発明の二本鎖核酸分子(例えば、siNA)を用いて、miRNA又は他のncRNA活性を阻害又は下方制御することができる。一実施形態においては、miRNA又はncRNA活性を阻害することによって、miRNA又はncRNA活性に依存する遺伝子発現(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の遺伝子標的)を下方制御又は阻害することができる。別の実施形態においては、miRNA又はncRNAに対して相補性を有する本発明の二本鎖核酸分子(例えば、siNA)によってmiRNA又はncRNA活性を阻害することによって、miRNA又はncRNAによって下方制御、抑制又はサイレンシングされる標的遺伝子発現(例えば、本明細書の、又は当分野で公知の遺伝子標的)を上方制御又は促進することができる。かかる遺伝子発現の上方制御は、当分野で一般に公知である機能喪失又はハプロ不全に関連した疾患及び症状(例えば、筋ジストロフィー、嚢胞性線維症、又は乳児期の重度の間代性筋けいれん若しくはDravet症候群を含めたてんかんなどの本明細書の神経性疾患及び症状)の治療に使用することができる。
「経路標的」とは、遺伝子発現又は活性の経路に関与する任意の標的を意味する。例えば、任意の所与の標的は、生物学的経路における上流、下流又は変更遺伝子を含み得る、関係する経路標的を有し得る。これらの経路標的遺伝子は、本明細書の疾患、症状及び形質の治療において相加又は相乗効果をもたらし得る。
一実施形態においては、標的は、標的RNA又はその一部のいずれかである。
一実施形態においては、標的は、任意の標的DNA又はその一部である。
一実施形態においては、標的は、任意の標的mRNA又はその一部である。
一実施形態においては、標的は、任意の標的miRNA又はその一部である。
一実施形態においては、標的は、任意の標的siRNA又はその一部である。
一実施形態においては、標的は、任意の標的stRNA又はその一部である。
一実施形態においては、標的は、標的及び又は経路標的又はその一部である。
一実施形態においては、標的は、本明細書、及び/又は米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及び/又はPCT/US03/05028号の標的配列のいずれか(例えば、1個以上)又はその一部である。一実施形態においては、標的は、表IIに示す標的配列のいずれか(例えば、1個以上)又はその一部である。別の実施形態においては、標的は、表IIに示す任意の(例えば、1個以上の)上側の鎖、又は下側の鎖の標的配列に対応するsiRNA、miRNA若しくはtRNA又はその一部である。別の実施形態においては、標的は、本明細書又は米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及び/又はPCT/US03/05028の配列に対応する任意の(例えば、1個以上)配列に対応する任意のsiRNA、miRNA又はtRNAである。
「相同配列」とは、遺伝子、遺伝子転写物及び/又は非コードポリヌクレオチドなどの1個以上のポリヌクレオチド配列によって共有されるヌクレオチド配列を意味する。例えば、相同配列は、サイトカインとその対応する受容体など、遺伝子ファミリーの異なるメンバー、異なるタンパク質エピトープ、異なるタンパク質アイソフォーム、完全に異なる遺伝子などの関係するが異なるタンパク質をコードする2個以上の遺伝子によって共有されるヌクレオチド配列であり得る。相同配列は、非コードDNA又はRNA、制御配列、イントロン、転写制御又は調節部位など、2個以上の非コードポリヌクレオチドによって共有されるヌクレオチド配列であり得る。相同配列は、1個を超えるポリヌクレオチド配列によって共有される保存配列領域も含み得る。相同性は、完全な相同性(例えば、100%)である必要はなく、部分的相同配列も本発明によって企図される(例えば、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%など)。
「保存配列領域」とは、ポリヌクレオチド中の1個以上の領域のヌクレオチド配列が、世代間で、又は生物系、対象若しくは生物体間でさほど変化しないことを意味する。ポリヌクレオチドは、コード及び非コードのDNA及びRNAを含み得る。
「センス領域」とは、siNA分子のアンチセンス領域に対して相補性を有する、siNA分子のヌクレオチド配列を意味する。また、siNA分子のセンス領域は、標的核酸配列と相同性を有する核酸配列を含み得る。一実施形態においては、siNA分子のセンス領域をセンス鎖又はパッセンジャー鎖と称する。
「アンチセンス領域」とは、標的核酸配列に対して相補性を有する、siNA分子のヌクレオチド配列を意味する。また、siNA分子のアンチセンス領域は、siNA分子のセンス領域に対して相補性を有する核酸配列を含んでいてもよい。一実施形態においては、siNA分子のアンチセンス領域をアンチセンス鎖又はガイド鎖と称する。
「標的核酸」又は「標的ポリヌクレオチド」とは、発現又は活性を調節すべき任意の核酸配列(例えば、任意の標的及び/又は経路標的配列)を意味する。標的核酸はDNA又はRNAであり得る。一実施形態においては、本発明の標的核酸は標的RNA又はDNAである。
「相補性」とは、核酸が、伝統的なワトソン−クリック、又は本明細書の他の非伝統的なタイプによって別の核酸配列と水素結合を形成し得ることを意味する。一実施形態においては、各鎖が15から30ヌクレオチド長である、siNA分子などの本発明の二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子の2本の鎖間の約10%から約100%(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%)の相補性を含む。別の実施形態においては、一方の鎖がセンス鎖であり、他方の鎖がアンチセンス鎖であり、各鎖が15から30ヌクレオチド長である、siNA分子などの本発明の二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖中のヌクレオチド配列と、標的RNA、標的mRNA、ウイルスRNAなどのその対応する標的核酸分子のヌクレオチド配列との間で、少なくとも約10%から約100%(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%)の相補性を含む。一実施形態においては、一方の鎖がセンス領域と称するヌクレオチド配列を含み、他方の鎖がアンチセンス領域と称するヌクレオチド配列を含み、各鎖が15から30ヌクレオチド長である、siNA分子などの本発明の二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子のセンス領域とアンチセンス領域の間で、約10%から約100%(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%)の相補性を含む。本発明の核分子に関連して、その相補配列との核酸分子の結合自由エネルギーは、核酸の関連機能、例えば、RNAi活性が進行するのに十分である。核酸分子の結合自由エネルギーの測定は当分野で周知である(例えば、Turner et al., 1987, CSH Symp. Quant. Biol. LII pp.123−133; Frier et al., 1986, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 83:9373−9377; Turner et al., 1987, J. Am. Chem. Soc. 109:3783−3785参照)。相補性パーセントは、第2の核酸配列と水素結合を形成(例えば、ワトソン−クリック塩基対形成)し得る、核酸分子中の隣接残渣の百分率を示す(例えば、10ヌクレオチドを有する第2の核酸配列と塩基対を形成した、第1のオリゴヌクレオチド中の合計10ヌクレオチドのうちの5、6、7、8、9又は10ヌクレオチドは、それぞれ50%、60%、70%、80%、90%及び100%相補的である。)。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、siNA分子のセンス鎖又はセンス領域とアンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間で完全な相補性を有する。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、対応する標的核酸分子と完全に相補的である。「完全に相補的」とは、核酸配列の全隣接残基が第2の核酸配列中の同数の隣接残基と水素結合することを意味する。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、1個以上の標的核酸分子又はその一部に相補的である、約15から約30個又はそれを超える(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30個又はそれを超える)ヌクレオチドを含む。一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、siNA分子のセンス鎖若しくはセンス領域とアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域との間で、又はsiNA分子のアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域と対応する標的核酸分子との間で部分的相補性(すなわち、100%未満の相補性)を有する。例えば、部分的相補性は、siNA構造内の種々のミスマッチ又は非塩基対形成ヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5個又はそれを超えるミスマッチ又は非塩基対形成ヌクレオチド)を含み得る。これは、siNA分子のセンス鎖若しくはセンス領域とアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域との間で、又はsiNA分子のアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域と対応する標的核酸分子との間で生じるバルジ、ループ又はオーバーハングをもたらし得る。
一実施形態においては、siNA分子などの本発明の二本鎖核酸分子は、核酸分子のセンス鎖又はセンス領域とアンチセンス鎖又はアンチセンス領域との間で完全な相補性を有する。一実施形態においては、siNA分子などの本発明の二本鎖核酸分子は、対応する標的核酸分子に完全に相補的である。
一実施形態においては、siNA分子などの本発明の二本鎖核酸分子は、二本鎖核酸分子のセンス鎖若しくはセンス領域とアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域との間で、又は核酸分子のアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域と対応する標的核酸分子との間で部分的相補性(すなわち、100%未満の相補性)を有する。例えば、部分的相補性は、二本鎖核酸分子構造内の種々のミスマッチ又は非塩基対形成ヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5個又はそれを超えるミスマッチ又はヌクレオチドバルジなどの非塩基対形成ヌクレオチド)を含み得る。これは、二本鎖核酸分子のセンス鎖若しくはセンス領域とアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域との間で、又は二本鎖核酸分子のアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域と対応する標的核酸分子との間で生じるバルジ、ループ又はオーバーハングをもたらし得る。
一実施形態においては、本発明の二本鎖核酸分子は、ミクロRNA(miRNA)である。「ミクロRNA」又は「miRNA」とは、mRNA切断、翻訳抑制/阻害又は異質染色質サイレンシングによって、標的メッセンジャーRNAの発現を調節する低分子二本鎖RNAを意味する(例えば、Ambros, 2004, Nature, 431, 350−355; Bartel, 2004, Cell, 116, 281−297; Cullen, 2004, Virus Research., 102, 3−9; He et al., 2004, Nat. Rev. genet., 5, 522−531; Ying et al., 2004, gene, 342, 25−28及びSethupathy et al., 2006, RNA, 12:192−197参照)。一実施形態においては、本発明のミクロRNAは、miRNA分子のセンス鎖若しくはセンス領域とアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域との間で、又はmiRNAのアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域と対応する標的核酸分子との間で部分的相補性(すなわち、100%未満の相補性)を有する。例えば、部分的相補性は、二本鎖核酸分子構造内の種々のミスマッチ又は非塩基対形成ヌクレオチド(例えば、1、2、3、4、5個又はそれを超えるミスマッチ又はヌクレオチドバルジなどの非塩基対形成ヌクレオチド)を含み得る。これは、miRNAのセンス鎖若しくはセンス領域とアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域との間で、又はmiRNAのアンチセンス鎖若しくはアンチセンス領域と対応する標的核酸分子との間で生じるバルジ、ループ又はオーバーハングをもたらし得る。
一実施形態においては、標的遺伝子発現を下方制御する、又は減少させる、本発明のsiNA分子は、本明細書に記載するとおりに、又は当分野で公知のとおりに、対象又は生物体における疾患、障害、症状又は形質の予防又は治療に使用される。
本明細書では「増殖性疾患」又は「癌」とは、白血病、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)及び慢性リンパ性白血病、カポジ肉腫などのAIDSに関係する癌;乳癌;骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、巨細胞腫、エナメル上皮腫、脊索腫などの骨癌;髄膜腫、グリア芽細胞腫、低悪性度星状細胞腫、乏突起こう腫、下垂体腫よう、シュワン腫、転移性脳腫ようなどの脳腫よう;外套細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腺腫、へん平上皮癌、喉頭癌などの種々のリンパ腫を含めた頭頚部癌、胆嚢及び胆管癌、網膜芽細胞腫などの網膜の癌、食道癌、胃癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮癌、甲状腺癌、精巣癌、子宮体癌、黒色腫、結腸直腸癌、肺癌、ぼうこう癌、前立腺癌、(非小細胞肺癌を含めた)肺癌、すい癌、肉腫、ウィルムス腫よう、子宮頚癌、頭頚部癌、皮膚癌、上咽頭癌、脂肪肉腫、上皮癌、腎細胞癌、胆嚢腺癌、耳下腺癌、子宮内膜肉腫、多剤耐性癌;及び腫よう血管新生に関連した新血管新生、黄斑変性症(例えば、しん出型/萎縮型AMD)、角膜血管新生、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、近視性変性などの増殖性疾患及び症状、再狭窄、多発性嚢胞腎などの他の増殖性疾患及び症状、並びに細胞又は組織において、単独で、又は他の療法と組み合わせて、疾患に関係した遺伝子発現の調節に応答し得る、任意の他の癌又は増殖性疾患、症状、形質、遺伝子型若しくは表現型を含めて、当分野で公知である、未制御の細胞増殖又は複製を特徴とする任意の疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型を意味する。
本明細書では「炎症性疾患」又は「炎症性症状」とは、炎症、急性炎症、慢性炎症、呼吸器疾患、アテローム性動脈硬化症、乾せん、皮膚炎、再狭窄、ぜん息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、敗血症ショック、リウマチ様関節炎、炎症性腸(bowl)疾患、炎症性骨盤疾患、とう痛、眼球の炎症性疾患、セリアック病、リー症候群、グリセロールキナーゼ欠損症、家族性好酸球増加症(FE)、常染色体劣性遺伝性けい性失調症、喉頭の炎症性疾患;結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、ケイ肺症及び他の塵肺、並びに細胞又は組織において、単独で、又は他の療法と組み合わせて、疾患に関係した遺伝子発現の調節に応答し得る、任意の他の炎症性疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型など、当分野で公知である、炎症性又はアレルギー性プロセスを特徴とする、任意の疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型を意味する。
本明細書では「自己免疫疾患」又は「自己免疫症状」とは、多発性硬化症、真性糖尿病、ループス、セリアック病、クローン病、潰よう性大腸炎、ギラン バレー症候群、強皮症、グッドパスチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性てんかん、ラスムッセン脳炎、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、アジソン病、橋本甲状腺腫、線維筋痛、メニエール症候群;移植拒絶(例えば、同種移植片拒絶の予防) 悪性貧血、リウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ライター症候群、グレーブス病、及び細胞又は組織において、単独で、又は他の療法と組み合わせて、疾患に関係した遺伝子発現の調節に応答し得る、任意の他の自己免疫疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型など、当分野で公知である、自己免疫を特徴とする任意の疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型を意味する。
「感染症」とは、ウイルス、細菌、真菌、プリオン、寄生虫などの感染体に関連した任意の疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型を意味する。本発明のsiNA分子を用いて標的にすることができる、種々のウイルス遺伝子の非限定的例としては、C型肝炎ウイルス(HCV、例えば、Genbankアクセッション番号D11168、D50483.1、L38318及びS82227)、B型肝炎ウイルス(HBV、例えば、Genbankアクセッション番号AF100308.1)、1型ヒト免疫不全症ウイルス(HIV−I、例えば、Genbankアクセッション番号U51188)、2型ヒト免疫不全症ウイルス(HIV−2、例えば、Genbankアクセッション番号X60667)、西ナイルウイルス(WNV 例えば、Genbankアクセッション番号NC_001563)、サイトメガロウイルス(CMV 例えば、Genbankアクセッション番号NC_001347)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV 例えば、Genbankアクセッション番号NC_001781)、インフルエンザウイルス(例えば、Genbankアクセッション番号AF037412、ライノウイルス(例えば、GenBankアクセッション番号D00239、X02316、X01087、L24917、M16248、K02121、X01087)、パピローマウイルス(例えば、Genbankアクセッション番号NC_001353)、単純ヘルペスウイルス(HSV 例えば、Genbankアクセッション番号NC_001345)、及びHTLV(例えば、Genbankアクセッション番号AJ430458)などの他のウイルスが挙げられる。多くのウイルスゲノムの配列は極めて変わりやすいので、広範な治療用途にsiNA分子を選択するには、ウイルスゲノムの保存領域を含む必要があると考えられる。ウイルスゲノムの保存領域の非限定的例としては、5’非コード領域(NCR)、3’非コード領域(NCR)及び/又は配列内リボソーム進入部位(IRES)が挙げられるが、これらだけに限定されない。種々のウイルスゲノムの保存領域に対して設計されたsiNA分子は、多様な患者集団におけるウイルス複製を効率的に阻害することができ、ウイルスゲノムの非保存領域における変異によって進化したウイルス疑似種に対するsiNA分子の有効性を確保することができる。細菌感染症の非限定的例としては、放線菌症、炭疽病、アスペルギルス症、菌血症、細菌感染症及び真菌症、バルトネラ感染症、ボツリヌス中毒、ブルセラ症、ブルクホルデリア感染症、カンピロバクター感染症、カンジダ症、ネコ引っ掻き病、クラミジア感染症、コレラ、クロストリジウム感染症、コクシジウム症、交差感染、クリプトコッカス症、皮膚真菌症、皮膚真菌症、ジフテリア、エーリキア症、大腸菌感染症、筋膜炎、壊死性、フソバクテリウム感染症、ガス壊疸、グラム陰性菌感染症、グラム陽性菌感染症、ヒストプラスマ症、膿か疹、クレブシエラ感染症、レジオネラ病、ライ病、レプトスピラ症、リステリア感染症、ライム病、マズラ菌症、類鼻疽、マイコバクテリウム感染症、マイコプラズマ症、真菌症、ノカルジア感染症、爪真菌症、鳥類病、ペスト、肺炎球菌性感染症、シュードモナス感染症、Q熱、鼠咬症、再帰熱、リウマチ熱、リケッチア感染症、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ感染症、しょう紅熱、ツツガムシ病、敗血症、性感染症−細菌、細菌性皮膚病、ブドウ球菌感染症、連鎖球菌感染症、破傷風、ダニ媒介感染症、結核、野兎病、腸チフス、チフス、発疹チフス(Epidemic Louse−Borne)、ビブリオ感染症、フランベジア、エルシニア感染症、動物原性感染症及び接合菌症が挙げられる。真菌感染症の非限定的例としては、アスペルギルス症、ブラストミセス症、コクシジウム症、クリプトコッカス症、爪及び足指爪の真菌感染症、真菌性副鼻腔炎、ヒストプラスマ症、ヒストプラスマ症、ムコール症、爪の真菌感染症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、渓谷熱(コクシジウム症)及びカビアレルギーが挙げられる。
「神経疾患(neurologic disease)」又は「神経学的疾患(neurological disease)」とは、ADHD、AIDS−神経合併症、透明中隔欠損症、後天性てんかん様失語症、急性播種性脳脊髄炎、副腎白質萎縮症、脳梁欠損症、失認、アイカルディ症候群、アレキサンダー病、アルパーズ病、交代性片麻ひ、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、無脳症、動脈りゅう、アンジェルマン症候群、血管腫症、無酸素症、失語症、失行症、クモ膜嚢腫、くも膜炎、アーノルド キアリ奇形、動静脈奇形、アスパルテーム、アスペルガー症候群、血管拡張性失調症、失調症、注意欠陥多動障害、自閉症、自律神経機能障害、背痛、バース症候群、バッテン病、ベーチェット病、ベル麻ひ、良性本態性眼けんけいれん、良性限局性筋萎縮症、良性頭蓋内圧亢進、ベルンハルト ロート症候群、ビンスワンガー病、眼けんけいれん、ブロッホ ザルツバーガー症候群、腕神経叢出生時外傷、腕神経叢外傷、ブラッドバリー エグルストン症候群、脳動脈りゅう、脳傷害、脳及び脊髄の腫よう、ブラウン セカール症候群、球脊髄性筋萎縮症、カナバン病、手根管症候群、灼熱痛、海綿腫、海綿状血管腫、海綿状血管奇形、中心性頚髄症候群、脊髄中心症候群、中枢痛症候群、頭部障害、小脳変性症、小脳低形成、脳動脈りゅう、脳動脈硬化症、脳萎縮症、脳性脚気、脳性巨人症、脳低酸素症、脳性麻ひ、脳眼顔骨症候群、シャルコー マリー トゥース病、キアリ奇形、舞踏病、有きょく赤血球舞踏病、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、慢性起立耐性失調、慢性痛、II型コケイン症候群、コフィン ローリー症候群、遷延性植物状態を含めた昏睡、複合性局所とう痛症候群、先天性両側顔面神経麻ひ、先天性筋無力症、先天性ミオパチー、先天性海綿状血管奇形、大脳皮質基底核変性症、頭蓋動脈炎、頭蓋骨癒合症、クロイツフェルト ヤコブ病、蓄積外傷疾患、クッシング症候群、巨細胞封入体症(CIBD)、サイトメガロウイルス感染症、ダンシングアイズ−ダンシングフィート(Dancing Eyes−Dancing Feet)症候群、ダンディー ウォーカー症候群、Dawson病、ド モルシェ症候群、デジェリン クルムプケ麻ひ、脳血管性認知症、皮質下認知症、レヴィー小体型認知症、皮膚筋炎、発達性統合運動障害、デビック症候群、糖尿病性神経障害、びまん性硬化症、Dravet症候群、自律神経障害、書字障害、失読症、えん下障害、統合運動障害、ジストニア、乳児早期てんかん性脳症、トルコ鞍空洞症候群、し眠性脳炎、脳炎及び髄膜炎、脳ヘルニア、脳症、脳三叉神経領域血管腫症、てんかん、エルプ麻ひ、エルプ デュシェンヌ及びデジェリン クルムプケ麻ひ、ファブリー病、ファール症候群、失神、家族性自律神経障害、家族性血管腫、家族性特発性大脳基底核石灰化症、家族性けい性麻ひ、熱性けいれん(例えば、GEFS及びGEFS plus)、フィッシャー症候群、低緊張乳児症候群、フリードライヒ失調症、ゴーシェ病、ゲルストマン症候群、ゲルストマン シュトロイスラー シャインカー病、巨細胞性動脈炎、巨細胞封入体症、球様細胞白質萎縮症、舌咽神経痛、ギラン バレー症候群、HTLV−I関連脊髄症、ハラーフォルデン シュパッツ病、頭部外傷、頭痛、持続性片側性頭痛、半側顔面けいれん、交代性片麻ひ、遺伝性神経障害、遺伝性けい性対麻ひ、遺伝性多発神経炎性失調、耳帯状ほう疹、帯状ほう疹、平山症候群、全前脳症、ハンチントン病、水無脳症、水頭症−常圧、水頭症、水脊髄症、高コルチゾール血症、過眠症、高血圧症、低血圧症、低酸素症、免疫介在性脳脊髄炎、封入体筋炎、色素失調症、乳児性低血圧症(infantile hypotonia)、乳児性フィタン酸蓄積症、乳児型レフサム病、点頭てんかん、炎症性筋疾患、腸性脂肪異栄養症、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進、アイザック症候群、ジュベール症候群、カーンズ セイアー症候群、ケネディ疾患、Kinsbourne症候群、クライン レビン症候群、クリッペル ファイル症候群、クリッペル トルノネー症候群(KTS)、クリューバー ビューシー症候群、コルサコフ健忘症候群、クラッベ病、クーゲルベルク ウェランダー病、クールー、ランバート イートン筋無力症症候群、ランドー クレッフナー症候群、外側大腿皮神経絞やく、延髄外側症候群、学習障害、リー病、レノックス ガストー症候群、レッシュ ナイハン症候群、白質萎縮症、レヴァイン クリッチュリー症候群、レヴィー小体型認知症、滑脳症、閉じ込め症候群、ルー ゲーリッグ病、ループス−神経学的後遺症、ライム病−神経合併症、マシャド ジョセフ病、大脳症、巨大脳症、メルカーソン ローゼンタール症候群、髄膜炎、メンケス病、知覚異常性大腿神経痛、異染性白質ジストロフィー、小頭症、片頭痛、ミラー フィッシャー症候群、一過性脳虚血発作(Mini−Strokes)、ミトコンドリア筋症、メビウス症候群、単肢の筋萎縮症、運動ニューロン疾患、もやもや病、ムコ脂質症、ムコ多糖症、多発梗塞性認知症、多巣性運動ニューロパチー、多発性硬化症、起立性低血圧を有する多系統萎縮症、多系統萎縮症、筋ジストロフィー、先天性筋無力症、重症筋無力症、脱髄(myelinoclastic)びまん性硬化症、乳児のミオクローヌス脳症、ミオクローヌス、先天性ミオパチー、甲状腺中毒性ミオパチー、筋疾患、先天性筋緊張症、ミオトニー、ナルコレプシー、神経有きょく赤血球症、脳の鉄沈着を伴う神経変性、神経線維腫症、神経遮断薬悪性症候群、AIDSの神経合併症、ポンペ病の神経症状、視神経脊髄炎、神経性筋強直症、神経セロイドリポフスチン症、ニューロン遊走障害、遺伝性神経障害、神経サルコイドーシス、神経毒性、海綿状母斑、ニーマン ピック病、O’Sullivan−McLeod症候群、後頭神経痛、潜在性脊椎癒合不全シーケンス(occult spinal dysraphism sequence)、大田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、オプソクローヌス ミオクローヌス、起立性低血圧症、過度使用症候群、慢性とう痛、腫よう随伴症候群、知覚異常、パーキンソン病、先天性パーミオトニア(Parmyotonia)、発作性舞踏病、発作性片側頭痛、パリー ロンベルク、ペリツェウス メルツバッヘル病、Pena Shokeir II症候群、神経周囲の嚢胞、周期性麻ひ、末梢神経障害、脳室周囲白質軟化症、遷延性植物状態、広汎発達障害、フィタン酸蓄積症、ピック病、梨状筋症候群、下垂体腫よう、多発性筋炎、ポンペ病、孔脳症、ポリオ後症候群、帯状ほう疹後神経痛、感染後脳脊髄炎、体位性低血圧症、起立性頻脈症候群、体位性頻脈症候群、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性顔面半側萎縮症、進行性歩行運動失調症、進行性多巣性白質脳症、進行性硬化性ポリオジストロフィー、進行性核上性麻ひ、偽脳腫よう、ピリドキシン依存性及びピリドキシン反応性けいれん、I型ラムゼイ ハント症候群、II型ラムゼイ ハント症候群、ラスムッセン脳炎及び他の自己免疫性てんかん、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、乳児型レフサム病、レフサム病、反復運動障害、反復運動損傷、下肢静止不能症候群、レトロウイルスに起因する骨髄障害、レット症候群、ライ症侯群、ライリー デイ症候群、SUNCT頭痛、仙骨神経根嚢腫、舞踏病、唾液腺疾患、サンドホフ病、シルダー病、裂脳症、発作性疾患、中隔視覚異形成症、乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)、揺さぶられっこ症候群、帯状ほう疹、シャイ ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸、睡眠病、ソトス症候群、けい縮、脊椎披裂、脊髄梗塞、脊髄損傷、脊髄腫よう、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳萎縮症、スティール リチャードソン オルゼウスキー症候群、全身硬直症候群、線条体黒質変性症、発作、スタージ ウェーバー症候群、亜急性硬化性全脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、えん下障害、シデナム舞踏病、失神、梅毒性脊髄性硬化症、水脊髄空洞症、脊髄空洞症、全身性エリテマトーデス、脊髄ろう、遅発性ジスキネジア、ターロヴ嚢胞、テイ サックス病、側頭動脈炎、係留脊髄症候群、トムゼン病、胸郭出口症候群、甲状腺中毒性ミオパチー、三叉神経痛性チック、トッド麻ひ、トゥーレット症候群、一過性脳虚血発作、伝達性海綿状脳症、横断性脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性けい性不全対麻ひ症、結節性硬化症、血管勃起組織腫、側頭動脈炎を含めた血管炎、フォンエコノモ病、フォンヒッペル リンダウ病(VHL)、フォンレックリングハウゼン病、ワレンベルク症候群、ウェルドニッヒ ホフマン病、ウェルニッケ コルサコフ症候群、ウエスト症候群、ホウィップル病、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、X連鎖性球脊髄性筋萎縮症及びツェルウェガー症候群を含めて、中枢又は末梢神経系に影響を及ぼす、任意の疾患、障害又は症状を意味する。
「呼吸器疾患」とは、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患、すなわち「COPD」、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸困難(impeded respiration)、呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、肺高血圧症、肺血管収縮、気腫、及び細胞又は組織において、単独で、又は他の療法と組み合わせて、疾患に関係した遺伝子発現の調節に応答し得る、任意の他の呼吸器疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型など、気道に影響を及ぼす任意の疾患又は症状を意味する。
本明細書では「眼球疾患」とは、嚢胞様黄斑浮腫、星状硝子体症、病的近視及び後部ブドウ腫、トキソカラ症(眼幼虫移行症)、網膜静脈閉塞症、後部硝子体剥離、牽引性網膜裂孔、網膜上膜、糖尿病性網膜症、格子状変性、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症、黄斑変性症(例えば、しん出型AMD、萎縮型AMDなどの加齢黄斑変性症)、トキソプラスマ症、脈絡膜黒色腫、後天性網膜分離症、ホレンホースト斑、特発性中心性しょう液性網脈絡膜症、黄斑円孔、推定眼ヒストプラスマ症候群、網膜動脈りゅう、網膜色素変性症、網膜剥離、高血圧性網膜症、網膜色素上皮(RPE)剥離、乳頭静脈炎、眼球虚血症候群、コーツ病、Leber粟粒動脈りゅう、結膜新生物、アレルギー性結膜炎、春季カタル、急性細菌性結膜炎、アレルギー性結膜炎&春季角結膜炎、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎、クラミジア&淋菌性結膜炎、結膜裂傷、上強膜炎、強膜炎、けん裂斑炎、翼状片、上輪部角結膜炎(TheodoreのSLK)、中毒性結膜炎、偽膜を伴う結膜炎、巨大乳頭性結膜炎、テリエン辺縁変性、アカントアメーバ角膜炎、真菌性角膜炎、糸状角膜炎、細菌性角膜炎、乾性角膜炎/眼球乾燥症候群、細菌性角膜炎、単純ヘルペス性角膜炎、無菌性角膜浸潤、フリクテン症、角膜剥離&再発性角膜びらん、角膜異物、化学熱傷(chemical burs)、上皮基底膜ジストロフィー(EBMD)、タイゲソン表層性点状角膜症、角膜裂傷、ザルツマン結節状変性症、フックス内皮ジストロフィー、水晶体亜脱臼、毛様体ブロック緑内障、原発性開放隅角緑内障、色素散乱症候群及び色素性緑内障、偽落屑症候群及び偽剥脱性緑内障、前部ブドウ膜炎、原発性開放隅角緑内障、ブドウ膜炎緑内障&緑内障毛様体炎発症、色素散乱症候群&色素性緑内障、急性閉塞隅角緑内障、前部ブドウ膜炎、前房出血、隅角後退緑内障、水晶体原性緑内障、偽落屑症候群及び偽剥脱性緑内障、アクセンフェルト リーガー症候群、血管新生緑内障、へん平部炎、脈絡膜破裂、Duane退縮症候群、中毒性/栄養欠乏性視神経症、脳神経IIIの異所性再生、頭蓋内腫瘤性病変、頚動脈海綿静脈洞ろう、前部虚血性視神経症、視神経乳頭浮腫&うっ血乳頭、脳神経III麻ひ、脳神経IV麻ひ、脳神経VI麻ひ、脳神経VII(顔面神経)麻ひ、ホルネル症候群、核間性眼筋麻ひ、視神経乳頭低形成、乳頭小か、緊張性瞳孔、視神経乳頭ドルーゼン、脱髄性視神経症(視神経炎、球後視神経炎)、一過性黒内症及び一過性脳虚血発作、偽脳腫よう、下垂体腺腫、伝染性軟属腫、涙小管炎、ゆうぜい及び乳頭腫、シラミ寄生症及びシラミ症、眼けん炎、麦粒腫、隔壁前蜂巣炎、さん粒腫、基底細胞癌、眼部帯状ヘルペス、シラミ寄生症&シラミ症、吹き抜け骨折、慢性流涙、涙腺炎、単純ヘルペス眼けん炎、眼か蜂巣織炎、老人性内反症、へん平上皮癌など、眼及び当分野で公知の関係する構造の任意の疾患、症状、形質、遺伝子型又は表現型を意味する。
「皮膚の疾患」とは、皮膚、真皮、又は毛、毛嚢(follicle)などのその中の任意の下部構造の任意の疾患又は症状を意味する。皮膚の疾患、障害、症状及び形質としては、乾せん、異所性皮膚炎、黒色腫及び基底細胞癌などの皮膚癌、脱毛、除毛、色素沈着の変化、並びに皮膚、真皮、又はその中の構造に関連した任意の他の疾患、症状若しくは形質などが挙げられる。
「聴覚の疾患」とは、内耳、中耳、外耳、聴神経、その中の任意の下部構造などの耳を含めて、聴覚系の任意の疾患又は症状を意味する。聴覚の疾患、障害、症状及び形質としては、聴覚損失、難聴、耳鳴、メニエール病、めまい、バランス及び運動障害、並びに耳又はその中の構造に関連した任意の他の疾患、症状若しくは形質などが挙げられる。
「代謝病」とは、当分野で公知である、代謝経路に影響を及ぼす任意の疾患又は症状を意味する。代謝病は、遺伝性酵素異常(先天性代謝異常)のために先天的に、又は内分泌器官の疾患、若しくは肝臓などの代謝に重要な器官の不全のために後天的に、異常な代謝過程をもたらし得る。一実施形態においては、代謝病としては、高脂血症、高コレステロール血症、循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病(例えば、I型及び/又はII型糖尿病)、インスリン抵抗性及び/又は肥満が挙げられる。
「循環器疾患」とは、冠動脈心疾患(CHD)、脳血管疾患(CVD)、大動脈弁狭窄、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、心筋梗塞(心臓発作)、脳血管疾患(卒中)、一過性脳虚血発作(TIA)、(安定及び不安定な)アンギナ、心房細動、不整脈、弁膜(vavular)症、うっ血性心不全、高コレステロール血症、I型高リポタンパク血症、II型高リポタンパク血症、III型高リポタンパク血症、IV型高リポタンパク血症、V型高リポタンパク血症、二次性高トリグリセリド血症、及び家族性レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症を含めて、ただしこれらだけに限定されない心臓及び脈管構造に影響を及ぼす疾患又は症状を意味する。
本発明の一実施形態においては、本発明のsiNA分子の各配列は独立に約15から約30ヌクレオチド長であり、特定の実施形態においては、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチド長である。別の実施形態においては、本発明のsiNA二本鎖は、約15から約30塩基対(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)を独立に含む。別の実施形態においては、本発明のsiNA分子の1本以上の鎖は、標的核酸分子に相補的である約15から約30ヌクレオチド(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)を独立に含む。更に別の実施形態においては、ヘアピン又は環状構造を含む本発明のsiNA分子は、約35から約55(例えば、約35、40、45、50又は55)ヌクレオチド長、又は約38から約44(例えば、約38、39、40、41、42、43又は44)ヌクレオチド長であり、約15から約25(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25)塩基対を含む。本発明の例示的なsiNA分子を表II及び/又は図4−5に示す。
本明細書では「細胞」は、その通常の生物学的意味で使用され、多細胞生物全体を指すのではなく、例えば、具体的にヒトを指すのではない。細胞は、生物体、例えば、トリ、植物、及びヒト、ウシ、ヒツジ、類人猿、サル、ブタ、イヌ、ネコなどのほ乳動物中に存在し得る。細胞は、原核細胞(例えば、細菌細胞)でも真核細胞(例えば、ほ乳動物又は植物細胞)でもよい。細胞は、体細胞又は生殖系列起源、全能性又は多能性、分裂又は非分裂であり得る。細胞は、配偶子若しくは胚、幹細胞、又は完全に分化した細胞に由来することもでき、又はこれらを含み得る。細胞は、当分野で一般に認識されている、単離細胞、精製細胞、又は実質的な精製細胞であり得る。
本発明のsiNA分子は、直接添加され、又は陽イオン性脂質と複合体(complex)を形成することができ、リポソームに入れることができ、又は標的細胞若しくは組織に送達することができる。核酸又は核酸複合体は、関連組織に生体外で、又は肺に局所送達することによってインビボで、生体高分子に組み入れて、又は組み入れずに、局所投与することができる。特定の実施形態においては、本発明の核酸分子は、表II及び/又は図4−5に示す配列を含む。かかる核酸分子の例は、これらの表及び図に規定された配列から本質的になる。また、表Iの化学修飾構築物、及び表IVに示す脂質ナノ粒子(LNP)調合物は、本発明の任意のsiNA配列、又はsiNA配列の群に適用することができる。
別の態様においては、本発明は、本発明の1種類以上のsiNA分子を含むほ乳動物細胞を提供する。1種類以上のsiNA分子は、本発明の標的ポリヌクレオチド内の同じ、又は異なる部位を独立に標的にすることができる。
「RNA」とは、少なくとも1個のリボヌクレオチド残基を含む分子を意味する。「リボヌクレオチド」とは、β−D−リボフラノース部分の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドを意味する。この用語は、二本鎖RNA、一本鎖RNA、部分精製RNAなどの単離RNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組み換え産生されたRNA、並びに1個以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換及び/又は変化によって天然RNAとは異なる改変RNAを含む。かかる変化は、siNAの末端への、又は内部的に、例えば、RNAの1個以上のヌクレオチドにおけるなどの非ヌクレオチド材料の付加を含み得る。本発明のRNA分子中のヌクレオチドは、非天然ヌクレオチド、化学合成ヌクレオチド、デオキシヌクレオチドなどの非標準ヌクレオチドも含み得る。これらの改変RNAは、類似体、又は天然RNAの類似体と称することができる。
「対象」とは、外植された細胞のドナー若しくはレシピエント、又は細胞自体である、生物体を意味する。「対象」とは、本発明の核酸分子を投与することができる生物体も指す。対象は、ヒト又はヒト細胞を含めて、ほ乳動物又はほ乳動物細胞であり得る。一実施形態においては、対象は乳児(例えば、1月齢未満、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12月齢の対象)である。一実施形態においては、対象は幼児(例えば、1、2、3、4、5又は6歳)である。一実施形態においては、対象は(例えば、約65歳を超える)高齢者である。
本明細書では「化学修飾」とは、未変性のsiRNA又はRNAのヌクレオチドとは異なる、ヌクレオチドの化学構造の任意の修飾を意味する。「化学修飾」という用語は、本明細書の、又は当分野で公知の、修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオチドを用いた、未変性のsiRNA又はRNAのヌクレオシド及びヌクレオチドの付加、置換又は修飾を包含する。かかる化学修飾の非限定的例としては、本明細書の式I、II、III、IV、V、VI若しくはVIIのいずれかの組成物、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロリボヌクレオチド、4’−チオリボヌクレオチド、2’−O−トリフルオロメチルヌクレオチド、2’−O−エチル−トリフルオロメトキシヌクレオチド、2’−O−ジフルオロメトキシ−エトキシヌクレオチド(例えば、参照により本明細書に組込む、2004年11月5日に出願された米国特許出願第10/981,966号参照)、FANA、「汎用塩基」ヌクレオチド、「非環式」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド、末端グリセリル及び/又は反転デオキシ脱塩基残基の組み入れ、又は本明細書の式I−VIIのいずれかの修飾が挙げられるが、これらだけに限定されない。一実施形態においては、本発明の核酸分子(例えば、dsRNA、siNAなど)は、化学修飾によって部分的に修飾されている(例えば、約5%、10,%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%修飾)。別の実施形態においては、本発明の核酸分子(例えば、dsRNA、siNAなど)は、化学修飾によって完全に修飾されている(例えば、約100%修飾)。
本明細書では「ホスホロチオアート」という用語は、式Iのヌクレオチド間結合を指す。ここで、Z及び/又はWは硫黄原子を含む。したがって、ホスホロチオアートという用語は、ホスホロチオアートヌクレオチド間結合とホスホロジチオアートヌクレオチド間結合の両方を指す。
本明細書では「ホスホノアセタート」という用語は、式Iのヌクレオチド間結合を指す。ここで、Z及び/又はWは、アセチル基、又は保護されたアセチル基を含む。
本明細書では「チオホスホノアセタート」という用語は、式Iのヌクレオチド間結合を指す。ここで、Zは、アセチル基、又は保護されたアセチル基を含み、Wは、硫黄原子、又はアセチル基、若しくは保護されたアセチル基を含み、Zは硫黄原子を含む。
本明細書では「汎用塩基」という用語は、天然DNA/RNA塩基の各々とほとんど差別なく塩基対を形成するヌクレオチド塩基類似体を指す。汎用塩基の非限定的例としては、当分野で公知である、C−フェニル、C−ナフチル及び他の芳香族誘導体、イノシン、アゾールカルボキサミド、並びに3−ニトロピロール、4−ニトロインドール、5−ニトロインドール、6−ニトロインドールなどのニトロアゾール誘導体が挙げられる(例えば、Loakes, 2001, Nucleic Acids Research, 29, 2437−2447参照)。
本明細書では「非環式ヌクレオチド」という用語は、例えば、リボース炭素(C1、C2、C3、C4又はC5)のいずれかが、独立に、又は組み合わせて、ヌクレオチドから欠けている、非環式リボース糖を有する任意のヌクレオチドを指す。
本発明の核酸分子は、個々に、又は組み合わせて、又は他の薬物と併せて、対象又は生物体における、本明細書の、又は当分野で公知の、疾患、障害、症状及び形質の予防又は治療に使用することができる。
一実施形態においては、本発明のsiNA分子は、個々に、又は1種類以上の薬物と組み合わせて、治療に適切な条件下で、対象に投与することができ、又は当業者に明らかである他の適切な細胞に投与することができる。
更なる実施形態においては、siNA分子は、対象又は生物体において、疾患、障害又は症状を予防又は治療するために、他の公知の治療と併用することができる。例えば、当分野で公知である対象又は生物体における本明細書の疾患、障害、症状及び形質を予防又は治療するために、前記分子を1つ以上の公知の化合物、治療又は手順と併用することができる。
一実施形態においては、本発明は、siNA分子の発現が可能であるように、本発明の少なくとも1種類のsiNA分子をコードする核酸配列を含む発現ベクターを特徴とする。例えば、ベクターは、二本鎖を含むsiNA分子の両方の鎖をコードする配列を含み得る。ベクターは、自己相補的であり、したがってsiNA分子を形成する、単一の核酸分子をコードする配列も含み得る。かかる発現ベクターの非限定的例は、Paul et al., 2002, Nature Biotechnology, 19, 505; Miyagishi and Taira, 2002, Nature Biotechnology, 19, 497; Lee et al., 2002, Nature Biotechnology, 19, 500及びNovina et al., 2002, Nature Medicine, advance online publication doi:10.1038/nm725に記載されている。
別の実施形態においては、本発明は、本発明の発現ベクターを含むほ乳動物細胞、例えば、ヒト細胞を特徴とする。
更に別の実施形態においては、本発明の発現ベクターは、Genbankアクセッション番号、例えば、本明細書、又は米国仮出願第60/363,124号、米国特許出願第10/923,536号及び/又はPCT/US03/05028のGenbankアクセッション番号によって参照されるRNA分子に対して相補性を有するsiNA分子の配列を含む。
一実施形態においては、本発明の発現ベクターは、同じでも、異なっていてもよい、2個以上のsiNA分子をコードする核酸配列を含む。
本発明の別の態様においては、標的RNA分子と相互作用し、標的RNA分子(例えば、本明細書のGenbankアクセッション番号によって参照される標的RNA分子)をコードする遺伝子を下方制御するsiNA分子は、DNA又はRNAベクターに挿入される転写単位から発現される。組み換えベクターは、DNAプラスミド又はウイルスベクターであり得る。siNAを発現するウイルスベクターは、これらだけに限定されないが、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス又はアルファウイルスに基づいて構築することができる。siNA分子を発現可能である組み換えベクターは、本明細書のとおりに送達し、標的細胞中に存続させることができる。或いは、siNA分子の一過性発現を与えるウイルスベクターを使用することができる。かかるベクターは、必要に応じて繰り返し投与することができる。発現後、siNA分子は、結合し、RNA干渉(RNAi)によって遺伝子の機能又は発現を下方制御する。siNAを発現するベクターの送達は、静脈内又は筋肉内投与によって、対象から外植された標的細胞に投与し、続いて対象に再導入することによって、所望の標的細胞への導入を可能にする任意の他の手段によってなど、全身的であり得る。
「ベクター」とは、所望の核酸の送達に使用される任意の核酸技術及び/又はウイルス技術を意味する。
本発明の他の特徴及び効果は、以下の好ましい実施形態の説明、及び特許請求の範囲から明らかになるはずである。